JP6147956B2 - 高周波信号伝送部品、及び高周波電気・電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波信号伝送部品、及び高周波電気・電子機器に関する。
エンジニアリングプラスチックは、機械的特性、電気的特性、耐熱性、耐薬品性及び耐溶剤性等に優れるため、自動車用部品、電気・電子部品等の種々の用途に広く利用されている。
近年、自動車用部品やモバイル用の電気・電子機器用に樹脂材料を用いることは、省資源・低環境負荷、軽量化等の観点からも特に望まれている。このような用途の中には、高周波信号を伝達あるいは電磁波を受発信する、電子回路の基材、該電子回路の接続用部品、該電子回路を覆う部品(以下、これらを高周波信号伝送部品という)もあり、このような部品に対しては耐衝撃性等の機械的強度のみならず、誘電特性に優れることも求められる。
ここで、誘電特性とは高周波信号の伝送損失や透過損失が小さいことを指す。つまり、優れた誘電特性とは低誘電損失特性を意味する。また、機械的強度とは、屋外で使用される場合や、長期間使用される場合であっても充分に耐えられる程度の機械的強度を指す。
低誘電損失特性を有する樹脂材料として、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂が知られている。しかし、オレフィン樹脂は機械的強度が充分ではないため、高周波信号伝送部品の原料として好ましく用いることはできない。
また、ポリブチレンテレフタレート樹脂(以下、PBT樹脂という場合がある)は、高周波信号伝送部品に求められる機械的強度等の物性を有するとともに、耐熱性等にも優れるため、高周波信号伝送部品の原料として好ましいように思われるものの、ポリブチレンテレフタレート樹脂は低誘電損失特性が充分ではないため、高周波信号伝送部品の原料として好ましく用いることができない。
従来、ポリフェニレンエーテル樹脂が、一定水準以上の機械的強度を有し、低誘電特性を有する樹脂材料として開示されているものの(例えば、特許文献1参照)、信号の損失は周波数に比例するため、電気・電子機器の通信周波数が高帯域化している近年では、より性能を高められる原料が求められる傾向にある。
特開2001−274615号公報
本発明は以上の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、高周波信号伝送部品として、従来よりも優れたものを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と、(B)オレフィン樹脂と、(C)繊維状無機充填材とを組み合わせることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には本発明は以下のものを提供する。
(1) 高周波信号伝送部品であって、少なくとも一部が、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と、(B)オレフィン樹脂と、(C)繊維状無機充填材と、を含むポリブチレンテレフタレート樹脂組成物から構成され、周波数5GHzにおける空洞共振器摂動法での、前記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の比誘電率の平方根と前記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の誘電正接との積が0.015未満であり、前記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、ISO75−1,2に準拠する方法で測定した1.8MPaの条件での荷重たわみ温度が150℃以上である高周波信号伝送部品。
(2) 前記(B)オレフィン樹脂は、前記ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対して、10質量部以上100質量部以下含まれ、前記(C)繊維状無機充填材は、前記ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対して、20質量部以上80質量部以下含まれる(1)に記載の高周波信号伝送部品。
(3) 前記(B)オレフィン樹脂は、ポリエチレン樹脂であり、前記(C)繊維状無機充填材は、ガラス繊維である(1)又は(2)に記載の高周波信号伝送部品。
(4) 前記ポリエチレン樹脂は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)である(3)に記載の高周波信号伝送部品。
(5) 前記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、(D)グリシジル基含有反応性化合物を、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上15質量部以下含み、前記(D)グリシジル基含有反応性化合物は、グリシジル基を有する単量体を2質量%以上15質量%以下、エチレン系単量体を60質量%以上98質量%以下、メタクリル酸アルキルエステル系単量体を0質量%以上30質量%以下、アクリル酸アルキルエステル系単量体を0質量%以上30質量%以下から構成され、前記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、前記(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の1kg当たりの末端カルボキシル基量をα(meq/kg)、前記(D)グリシジル基含有反応性化合物のエポキシ当量をγ(g/eq)としたときに、下記不等式(I)を満足する(1)から(4)のいずれかに記載の高周波信号伝送部品。
0.1≦γ−1×10×wγ/(α×wα)≦5 (I)
[ここで、wαは(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の含有量(100質量部)、wγは(D)グリシジル基含有反応性化合物の含有量(前記(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対する含有量)をそれぞれ表す。]
(6) 電気・電子機器の回路基板である(1)から(5)のいずれかに記載の高周波信号伝送部品。
(7) 電気・電子機器のアンテナ基材である(1)から(5)のいずれかに記載の高周波信号伝送部品。
(8) 電気・電子機器のコネクタである(1)から(5)のいずれかに記載の高周波信号伝送部品。
(9) 電気・電子機器の筐体である(1)から(5)のいずれかに記載の高周波信号伝送部品。
(10) 電気・電子機器のアンテナカバーである(1)から(5)のいずれかに記載の高周波信号伝送部品。
(11) 前記電気・電子機器が車載通信機器である(6)から(10)のいずれかに記載の高周波信号伝送部品。
(12) 高周波信号発信部及び/又は高周波信号受信部と、(1)から(11)のいずれかに記載の高周波信号伝送部品と、を備える高周波電気・電子機器。
(13) 前記高周波電気・電子機器が、レーダーセンサである(12)に記載の高周波電気・電子機器。
本発明の高周波信号伝送部品は、誘電特性、耐熱性、耐衝撃性の全てにおいて一定以上の水準にある点に特徴がある。
図1は本発明の高周波信号伝送部品の使用例を模式的に示す図であり、(a)は高周波信号伝送部品が高周波信号発信部を覆う場合を示す図であり、(b)は高周波信号伝送部品が高周波信号受信部を覆う場合を示す図である。 図2は実施例のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の内部構造を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
図1は本実施形態の高周波信号伝送部品の使用例を模式的に示す図であり、(a)は高周波信号伝送部品が高周波信号発信部を覆う場合であり、(b)は高周波信号伝送部品が高周波信号受信部を覆う場合である。このように本実施形態の高周波信号伝送部品は、高周波電気・電子機器に用いられる部品であり、より具体的には、高周波電気・電子機器の回路基板、高周波電気・電子機器のアンテナ基材、高周波電気・電子機器のアンテナカバー、高周波電気・電子機器のコネクタ、高周波電気・電子機器の筺体等である。
図1に示されるように、本実施形態の高周波信号伝送部品10は、高周波信号伝送発信部20や高周波信号受信部30を覆うための部品である。高周波信号伝送部品10が高周波信号発信部20を覆う場合には、図1(a)に示すように、高周波信号発信部20が発した電磁波が高周波信号伝送部品10を透過して、外部に存在する高周波信号受信部(図示せず)に受信される。また、高周波信号伝送部品10が高周波信号受信部30を覆う場合には、図1(b)に示すように、外部に存在する高周波信号発信部(図示せず)が発した電磁波が高周波信号伝送部品10を透過して、高周波信号受信部30に受信される。
本実施形態の高周波信号伝送部品10は、低誘電損失特性、優れた耐衝撃性、優れた耐熱性を備えるため、過酷な環境下で使用される高周波信号伝送部品として好ましい。特に、車載衝突防止用レーダーを保護するための部品(衝突回避等を目的としたレーダーを保護するための部品)、車載用アンテナカバー、車載用コネクタ、車載電子制御回路筐体、携帯電話用筐体、ノートパソコン用筐体として用いられる場合には、本発明の有する耐熱性や機械的強度が必要になる場合が多い。
また、図1では高周波信号発信部20や高周波信号受信部30を覆う高周波信号伝送部品10の全体が本発明の高周波信号伝送部品になっているが、電磁波が通る部分等の一部に本発明の高周波信号伝送部品を配置してもよい。
また、図1に示すような、高周波信号発信部20や高周波信号受信部30を、本実施形態の高周波信号伝送部品10が覆ったものは、本発明の高周波電気・電子機器の一例である。高周波電気・電子機器の例としては、レーダーセンサ等が挙げられる。
本発明の高周波信号伝送部品が、低誘電損失特性、優れた機械的強度、優れた耐熱性を備えるのは、高周波信号伝送部品が(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(B)オレフィン樹脂、(C)繊維状無機充填材を含むポリブチレンテレフタレート樹脂組成物から構成されるからである。
上述の通り、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂は、優れた機械的強度、優れた耐熱性を有することが知られている。また、さらに機械的強度を高める目的で、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(C)繊維状無機充填材を併用することが一般的に行われている。ただし、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂は、優れた誘電特性を有さない。
また、上述の通り、(B)オレフィン樹脂は、低誘電損失特性を有する樹脂材料として知られている。しかし、(B)オレフィン樹脂は、特に機械的強度の点で、高周波信号伝送部品の原料として好ましくない。
通常、(C)繊維状無機充填材で強化された(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と、(B)オレフィン樹脂とを組み合わせると、機械的強度や誘電特性等の物性は、(C)繊維状無機充填材で強化された(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と、(B)オレフィン樹脂との間になると考えられる。しかし、(C)繊維状無機充填材で強化された(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と、(B)オレフィン樹脂との組み合わせであれば、機械的強度を表す指標の1つである耐衝撃性が、(C)繊維状無機充填材で強化された(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(B)オレフィン樹脂のいずれよりも高くなる。以下、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物について説明する。
<ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物>
ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(B)オレフィン樹脂、(C)繊維状無機充填材を含む。
[(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂]
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂は、少なくともテレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体(C1−6のアルキルエステルや酸ハロゲン化物等)を含むジカルボン酸成分と、少なくとも炭素原子数4のアルキレングリコール(1,4−ブタンジオール)又はそのエステル形成性誘導体(アセチル化物等)を含むグリコール成分とを重縮合して得られるポリブチレンテレフタレート樹脂である。ポリブチレンテレフタレート樹脂はホモポリブチレンテレフタレート樹脂に限らず、ブチレンテレフタレート単位を60モル%以上(特に75モル%以上95モル%以下)含有する共重合体であってもよい。
本発明で用いる(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂において、テレフタル酸及びそのエステル形成性誘導体以外のジカルボン酸成分(コモノマー成分)としては、例えば、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル等のC8−14の芳香族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のC4−16のアルカンジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等のC5−10のシクロアルカンジカルボン酸;これらのジカルボン酸成分のエステル形成性誘導体(C1−6のアルキルエステル誘導体や酸ハロゲン化物等)が挙げられる。これらのジカルボン酸成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明において用いる(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂において、1,4−ブタンジオール以外のグリコール成分(コモノマー成分)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−オクタンジオール等のC2−10のアルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール;シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA等の脂環式ジオール;ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニル等の芳香族ジオール;ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加体等の、ビスフェノールAのC2−4のアルキレンオキサイド付加体;又はこれらのグリコールのエステル形成性誘導体(アセチル化物等)が挙げられる。これらのグリコール成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明において用いるポリブチレンテレフタレート樹脂の固有粘度は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に制限されない。また、固有粘度の異なるポリブチレンテレフタレート樹脂を混合して、所望の固有粘度のポリブチレンテレフタレート樹脂に調整してもよい。
本発明で用いる(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の末端カルボキシル基量は、本発明の目的を阻害しない限り特に制限されないが、後述する(D)グリシジル基含有反応性化合物を、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が含む場合には、上記末端カルボキシル基は特定の範囲に含まれることが好ましい。詳細は後述する。
[(B)オレフィン樹脂]
(B)オレフィン樹脂は、分子内に重合性二重結合を有するオレフィン単量体を重合してなるものである。上記オレフィン単量体としては特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン、ブタジエン等のジエンが挙げられる。
(B)オレフィン樹脂は、極性基を有するものであってもよく、上記のようなオレフィン単量体以外の単量体に由来する繰り返し単位を含むものであってもよく、ランダム重合体であっても、ブロック重合体であってもよいが、オレフィン単量体を重合してなるものが好ましく、その中でもポリエチレンやポリプロピレンであることが特に好ましく、その中でもポリエチレンであることが最も好ましい。
ポリエチレンの中には高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンがあり、本発明においては、特に直鎖状低密度ポリエチレンの使用が好ましい。
ポリエチレンにはバイオ由来の原料を用いて重合したポリエチレンを用いてもよく、特に、バイオエタノールを脱水して得られるエチレンを用いて重合したポリエチレンを用いてもよい。かかるポリエチレンを用いることにより、将来的に枯渇が懸念される石油資源の使用量を減量することができる。また、原料となる植物が光合成により二酸化炭素を吸収しているとして材料の二酸化炭素排出量を、ライフサイクル全体で考えるカーボンニュートラルの構想に基づき低減することが可能となる。
(B)オレフィン樹脂の含有量は特に限定されないが、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対して、10質量部以上100質量部以下であることが好ましい。(B)オレフィン樹脂の上記含有量が10質量部以上であれば低誘電損失特性や優れた耐衝撃性を示すという理由で好ましく、100質量部以下であれば機械的強度や耐熱性に優れるという理由で好ましい。より好ましい(B)オレフィン樹脂の上記含有量は10質量部以上60質量部以下である。
[(C)繊維状無機充填材]
本発明において、(C)繊維状無機充填材の種類は特に限定されない。例えば、ガラス繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、さらにステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属の繊維状物等が(C)繊維状無機充填材として挙げられる。
本発明においては、これらの(C)繊維状無機充填材の中でもガラス繊維が特に好ましい。ガラス繊維とは、公知のガラス繊維がいずれも好ましく用いられ、ガラス繊維径や、円筒、繭形断面、長円断面等の形状、あるいはチョップドストランドやロービング等の製造に用いる際の長さやガラスカットの方法にはよらない。本発明では、ガラスの種類にも限定されないが、品質上、Eガラスや、組成中にジルコニウム元素を含む耐腐食ガラスが好ましく用いられる。
上記の通り、ガラス繊維の繊維長、繊維径も一般的な範囲内にあればよい。例えば、繊維長が2.0mm以上6.0mm以下、繊維径が9.0μm以上14.0μm以下のものを使用可能である。
また、(C)繊維状無機充填材と、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂との界面特性を向上させる目的で、シラン化合物やエポキシ化合物等の有機処理剤で表面処理された(C)繊維状無機充填材が好ましく用いられる。かかるシラン化合物やエポキシ化合物としては公知のものがいずれも好ましく用いることができる。
(C)繊維状無機充填材の含有量は特に限定されないが、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対して、20質量部以上80質量部以下であることが好ましい。上記含有量は20質量部以上であれば高い機械的強度が得られるという理由で好ましく、80質量部以下であれば誘電特性や成形性を損なわないという理由で好ましい。(C)繊維状無機充填材のより好ましい含有量は20質量部以上60質量部以下である。
[(D)グリシジル基含有反応性化合物]
上記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、(D)グリシジル基含有反応性化合物を含んでもよい。本発明で用いる(D)グリシジル基含有反応性化合物は、グリシジル基を有する単量体、エチレン系単量体から構成される反応性共重合体である。これに加えてメタクリル酸アルキルエステル系単量体、アクリル酸アルキルエステル系単量体を含んだ3種以上の単量体から構成される(D)グリシジル基含有反応性化合物であってもよい。
(D)グリシジル基含有反応性化合物のエポキシ当量をγ(g/eq)、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の1kg当たりの末端カルボキシル基量をα(meq/kg)としたとき、上記エポキシ当量と、上記末端カルボキシル基の当量との比((γ−1×10×wγ/(α×wα)で表され、以下「エポキシ/樹脂当量比率」という場合がある)が、0.1以上5以下であることが好ましい。エポキシ/樹脂当量比率が0.1未満だと、上記樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品は剥離性に優れない場合があり、5を超えた場合、樹脂組成物の流動性の低下により樹脂組成物の成形性の悪化を招く場合がある。ここで、wαは(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の含有量(100質量部)、wγは(D)グリシジル基含有反応性化合物の含有量((A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対する(D)グリシジル基含有反応性化合物の含有量)をそれぞれ表す。
(D)グリシジル基含有反応性化合物は、グリシジル基を有する単量体を2質量%以上15質量%以下、エチレン系単量体を60質量%以上98質量%以下、メタクリル酸アルキルエステル系単量体を0質量%以上30質量%以下、アクリル酸アルキルエステル系単量体を0質量%以上30質量%以下で構成される。好ましい(D)グリシジル基含有反応性化合物は、エポキシ当量が1000g/eq以上5000g/eq以下である。さらに(D)グリシジル基含有反応性化合物はメタクリル酸グリシジルと、エチレン系単量体との共重合体であるのがより好ましい。
(D)グリシジル基含有反応性化合物の含有量は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部当たり、1質量部以上15質量部以下である。1質量部未満であると、樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品の耐加水分解性の向上がほとんどみられない場合や、上記樹脂成形品の表面に剥離が生じる場合があり、15質量部を超えると樹脂組成物の溶融時における流動性の低下による成形性の悪化を招く場合があるため好ましくない。
[その他の成分]
ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物には、本発明の効果を害さない範囲で、その他の成分が含まれていてもよい。その他の成分としては、例えば、核剤、顔料、酸化防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、離型剤及び難燃剤等の添加剤、その他の樹脂等を挙げることができる。
ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物中の、その他の成分の含有量は特に限定されないが、上記含有量は、通常20質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以下である。なお、その他の成分として難燃剤を用いる場合には上記含有量は、50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以下である。
[ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の製造方法]
ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の調製法の具体的態様は、特に限定されるものではなく、一般に樹脂組成物又はその成形体の調製法として公知の設備と方法により、樹脂組成物を調製することができる。例えば、必要な成分を混合し、1軸又は2軸の押出機又はその他の溶融混練装置を使用して混練し、成形用ペレットとして調製することができる。また、押出機又はその他の溶融混練装置は複数使用してもよい。また、全ての成分をホッパから同時に投入してもよいし、一部の成分はサイドフィード口から投入してもよい。
[ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の性質]
上記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、海島構造を有する。具体的には、ポリブチレンテレフタレート樹脂のマトリックス相(海)と、オレフィン樹脂の分散相(島)とから構成される。ポリブチレンテレフタレート樹脂の含有量とオレフィン樹脂の含有量とを調整することで上記海島構造を形成させることができる。例えば、オレフィン樹脂のマトリックス相になっている場合、マトリックス相と分散相との判別が困難な場合には、オレフィン樹脂に対するポリブチレンテレフタレートの含有量を増加させることで、上記の海島構造を形成させることができる。
また、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物において、繊維状無機充填材はマトリックス相に存在している。マトリックス相に繊維状無機充填材が存在していない場合には、繊維状無機充填材の表面を上記有機処理剤で処理することで、繊維状無機充填材をマトリックス相に存在させやすくすることができる。
上記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、オレフィン樹脂単体や、繊維状無機充填材で強化されたポリブチレンテレフタレート樹脂よりも耐衝撃性に優れる点が特徴の1つであるが、上記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は下記の通り優れた誘電特性、耐熱性を有するため、高周波信号伝送部品の原料として好ましく採用することができる。樹脂組成物が、非常に優れた耐衝撃性を有しつつ、以下のような物性を備えることで、樹脂組成物を車載衝突防止用レーダー等の原料に好ましく用いることができる。
上記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、優れた誘電特性を有する。具体的には周波数5GHzにおける空洞共振器摂動法での、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の比誘電率の平方根とポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の誘電正接との積が0.015未満である。上記比誘電率の平方根と上記誘電正接との積は、小さい方が好ましく、上記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物であれば0.006程度の値も実現可能である。特に、上記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物であれば、オレフィン樹脂の含有量に対するポリブチレンテレフタレート樹脂の含有量が多いにも関わらず、通常予想されるよりも優れた誘電特性を実現することができる。
また、上記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、優れた耐熱性を有する。具体的には、ISO75−1,2に準拠する方法で測定した1.8MPaの条件での荷重たわみ温度が150℃以上である。また、上記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物であれば、210℃程度の荷重たわみ温度も実現可能である。
<高周波信号伝送部品>
本発明の高周波信号伝送部品は、上記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を成形してなる。成形方法は特に限定されず、例えば、射出成形法等を採用可能であるが、高周波信号伝送部品の形状等に応じて好ましい成形方法を採用することができる。
上記の通り、原料であるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が、耐衝撃性に優れ、さらに、優れた耐熱性や誘電特性を有するため、本発明の高周波信号伝送部品も、優れた耐衝撃性、耐熱性、誘電特性を有する。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例2は、本発明の参考例とする。
<材料>
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂1(PBT1):(ウィンテックポリマー社製)、末端カルボキシル基量24meq/kg
(B)オレフィン樹脂1(LLDPE):直鎖状低密度ポリエチレン(「SLL318」、Braskem社製)
(B)オレフィン樹脂2(HDPE):高密度ポリエチレン(「SHA7260」、Braskem社製)
(B)オレフィン樹脂3(PP):ポリプロピレン(「三井ポリプロJ108M」、三井化学社製)
(C)繊維状無機充填材:ガラスファイバー(Eガラス)(GF)(「ECS03T−187」、日本電気硝子社製)
(D)グリシジル基含有反応性化合物:メタクリル酸グリシジル/エチレン 共重合ポリマー(「ボンドファーストE」、住友化学社製、エポキシ当量約1200g/eq、メタクリル酸グリシジル12質量%)
また、比較例には以下の熱可塑性樹脂を用いた。
熱可塑性樹脂1:ガラス繊維を20質量%含有するPBT樹脂(PBT2)(「ジュラネックス3200」、ウィンテックポリマー社製)
熱可塑性樹脂2:ガラス繊維を30質量%含有するPBT樹脂(PBT3)(「ジュラネックス3300」、ウィンテックポリマー社製)
熱可塑性樹脂3:ポリカーボネート(PC1)(「パンライトL1225」帝人化成社製)
熱可塑性樹脂4:ガラス繊維を30質量%含有するポリカーボネート(PC2)(「パンライトG3430R」帝人化成社製)
熱可塑性樹脂5:アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重体(ABS)(「スタイラック321」、旭化成ケミカルズ社製)
熱可塑性樹脂6:ポリフェニレンエーテル(PPE1)(「ザイロン」、旭化成ケミカルズ社製)
熱可塑性樹脂7:ガラス繊維を30質量%含有するポリフェニレンエーテル(PPE2)(「ザイロン」、旭化成ケミカルズ社製)
熱可塑性樹脂8:ガラス繊維を30質量%含有するシンジオタクチックポリスチレン樹脂(SPS)(「ザレックS131」、出光興産社製)
<ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の製造>
表1に示す成分を表1に示す割合(単位は質量部)で使用し、30mmφのスクリューを有する2軸押出機(日本製鋼所製TEX−30α)に供給して250℃で溶融混練し、ペレット状のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を得た。
<評価>
得られたペレット状のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物、また、表2に示す材料を使用し、下記の評価に使用する試験片を、射出成形法にて製造した。
[引張試験]
機械物性評価用試験片を用い、ISO527−1,2に定められている評価基準に従い、引張強さ、引張伸びを評価した。評価結果を表1、2に示した。
[曲げ試験]
ISO178に準拠して、試験片の曲げ強度、曲げ弾性率を評価した。評価結果を表1、2に示した。
[シャルピー衝撃値]
機械物性評価用試験片を用い、ISO−179(試験片厚み4mm)に定められている評価基準に従い、シャルピー衝撃強度評価した。評価結果を表1、2に示した。
[荷重たわみ温度]
ISO75−1,2に準拠して、射出成形試験片の荷重たわみ温度を評価した。測定は1.8MPa荷重にて行った。なお、評価結果は表1、2に示した。
[誘電特性の評価]
実施例、比較例について、比誘電率、誘電正接を測定した。具体的にはAgilent社製ネットワークアナライザー8757D及び関東電子株式会社製空洞共振器複素誘電率測定装置を用い、5GHzにおける比誘電率を空洞共振器摂動法により23℃で測定した。なお、測定の際には、所定の形状(断面1.8mm×1.8mm、長さ80mm)の試験片を、空洞共振器に挿入した。評価結果を表1、2に示した。
[剥離性]
実施例についてのみ剥離性の評価を以下の方法で行った。上記引張試験片(ISO527−1,2準拠)のチャック部分の中央部1cm角の中にカッターナイフで1mm角のマス目を100マス設け、これにセロハンテープを一度貼り付けた後、剥がした。100マスのうち、この操作により表面が剥離したマス目の数を目視で測定した。なお、評価は以下の基準により行い、評価結果を表1に示した。
(評価基準)
剥離なし :○
1〜5枚剥離:△
5枚以上剥離:×
比較例1〜6で用いた材料は、従来から高周波信号伝送部品の原料として検討又は使用されている。表1、2から、本発明の高周波信号伝送部品の原料として使用可能なポリブチレンテレフタレート樹脂組成物(実施例のPBT樹脂組成物)であれば、荷重たわみ温度、シャルピー衝撃値、誘電特性の全てにおいて一定の水準以上にあることが確認された。
また、表1からグリシジル基含有反応性化合物を含むポリブチレンテレフタレート樹脂組成物であれば、剥離性の評価においても良好になることが確認された。
[ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の内部構造]
実施例1のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の内部構造を走査型電子顕微鏡(「S−4700」、日立製作所製)で観察した。観察結果を図2に示した。
図2から、本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、PBT1のマトリックス相(PBT(海))と、LLDPEの分散相(PE(島))とから構成される海島構造を備え、ガラス繊維はマトリックス相(PBT相)に存在することが確認された。
[耐衝撃性向上効果の確認]
比較例10として上記LLDPEを用い、上記の方法でシャルピー衝撃値を測定した。測定結果を表3に示した。なお、表3には比較例10の測定結果と併せて、いずれもガラス繊維を20質量%含む実施例1、比較例8の測定結果も示した。
比較例8は、ガラス繊維で強化されたポリブチレンテレフタレート樹脂である。したがって、比較例8のシャルピー衝撃値は、ガラス繊維で強化されたポリブチレンテレフタレート樹脂のシャルピー衝撃値を表す。また、比較例10はLLDPEの耐衝撃値を表す。図2から確認されたように、PBTのマトリックス相にガラス繊維が存在しているため、実施例1のシャルピー衝撃値は、比較例8と比較例10との中間になると予想されるが、この予想に反して、実施例1の樹脂組成物は高いシャルピー衝撃値を示すことが確認された。
[オレフィン樹脂の変更例]
表4に示す成分を表4に示す割合で使用し、実施例5のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の誘電特性を評価した。評価結果を表4に示した。なお、表4には実施例1の結果についても併せて示した。
オレフィン樹脂の種類によらず、誘電特性を一定の水準以上にする効果を奏することが確認された。また、実施例1と実施例5の比較から、オレフィン樹脂としてLLDPEを用いることで、ポリプロピレンを用いるよりも優れた誘電特性が得られることが確認された。
[誘電特性向上効果の確認]
上記LLDPEの比誘電率を上記と同様の方法で測定した。LLDPEの比誘電率は2.3であった。また、ポリブチレンテレフタレート樹脂単体の比誘電率は比較例7から2.9であることが確認されている。これらの結果を用いて、以下の式(「固体誘電体論(第7版)」、岩波書店)からガラス繊維の比誘電率を5.3と算出し、さらに実施例1、2の樹脂組成物の比誘電率を計算した。計算結果を表5に示した。

log(ε)=Xlogε+Ylogε

(Xは樹脂の体積分率、Yは充填材の体積分率、εは樹脂の比誘電率、εは充填材の体積分率を表す)
ここで、ガラス繊維で強化されたポリブチレンテレフタレート樹脂の比誘電率は、比較例8や比較例9から約3.4であることが確認されている。したがって、実施例の樹脂組成物の比誘電率は2.3(LLDPEの比誘電率)〜3.4の間になると予測され、また、計算結果からも明らかなように、実施例の樹脂組成物においてはオレフィン樹脂に対するポリブチレンテレフタレート樹脂の含有量が多いため、実施例の樹脂組成物の比誘電率は3.4付近になることが予測される。しかし、この予測に反して、実施例の樹脂組成物の比誘電率は計算値よりも低いことが確認された。
10 高周波信号伝送部品
20 高周波信号伝送発信部
30 高周波信号受信部

Claims (13)

  1. 高周波信号伝送部品であって、
    少なくとも一部が、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と、(B)オレフィン樹脂と、(C)繊維状無機充填材と、を含むポリブチレンテレフタレート樹脂組成物から構成され、
    前記(B)オレフィン樹脂は、前記ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対して、45.7質量部以上100質量部以下含まれ、
    前記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、前記(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂のマトリックス相(海)と、前記(B)オレフィン樹脂の分散相(島)とを含む、海島構造を有し、
    前記(C)繊維状無機充填材は、前記マトリックス相に存在し、
    周波数5GHzにおける空洞共振器摂動法での、前記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の比誘電率の平方根と前記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の誘電正接との積が0.015未満であり、
    前記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、ISO75−1,2に準拠する方法で測定した1.8MPaの条件での荷重たわみ温度が150℃以上である高周波信号伝送部品。
  2. 記(C)繊維状無機充填材は、前記ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対して、20質量部以上80質量部以下含まれる請求項1に記載の高周波信号伝送部品。
  3. 前記(B)オレフィン樹脂は、ポリエチレン樹脂であり、
    前記(C)繊維状無機充填材は、ガラス繊維である請求項1又は2に記載の高周波信号伝送部品。
  4. 前記ポリエチレン樹脂は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)である請求項3に記載の高周波信号伝送部品。
  5. 前記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、(D)グリシジル基含有反応性化合物を、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上15質量部以下含み、
    前記(D)グリシジル基含有反応性化合物は、グリシジル基を有する単量体を2質量%以上15質量%以下、エチレン系単量体を60質量%以上98質量%以下、メタクリル酸アルキルエステル系単量体を0質量%以上30質量%以下、アクリル酸アルキルエステル系単量体を0質量%以上30質量%以下から構成され、
    前記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、前記(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の1kg当たりの末端カルボキシル基量をα(meq/kg)、前記(D)グリシジル基含有反応性化合物のエポキシ当量をγ(g/eq)としたときに、下記不等式(I)を満足する請求項1から4のいずれかに記載の高周波信号伝送部品。
    0.1≦γ−1×10×wγ/(α×wα)≦5 (I)
    [ここで、wαは(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の含有量(100質量部)、wγは(D)グリシジル基含有反応性化合物の含有量(前記(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対する含有量)をそれぞれ表す。]
  6. 電気・電子機器の回路基板である請求項1から5のいずれかに記載の高周波信号伝送部品。
  7. 電気・電子機器のアンテナ基材である請求項1から5のいずれかに記載の高周波信号伝送部品。
  8. 電気・電子機器のコネクタである請求項1から5のいずれかに記載の高周波信号伝送部品。
  9. 電気・電子機器の筐体である請求項1から5のいずれかに記載の高周波信号伝送部品。
  10. 電気・電子機器のアンテナカバーである請求項1から5のいずれかに記載の高周波信号伝送部品。
  11. 前記電気・電子機器が車載通信機器である請求項6から10のいずれかに記載の高周波信号伝送部品。
  12. 高周波信号発信部及び/又は高周波信号受信部と、
    請求項1から11のいずれかに記載の高周波信号伝送部品と、を備える高周波電気・電子機器。
  13. 前記高周波電気・電子機器が、レーダーセンサである請求項12に記載の高周波電気・電子機器。
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