JP6147886B2 - フェノール系樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、金属密着性及び硬化物の耐熱性に優れるフェノール系樹脂組成物に関する。
熱硬化性樹脂の一種であるフェノール系樹脂は、機械的性質、耐熱性、寸法安定性、耐薬品性、耐水性に優れ、電気絶縁性や機械的強度が要求される電気・電子部品等のパッケージング材料やプリント配線用の銅張積層板等の工業部品、更に、木材用接着剤、塗料等に使用されている。
フェノール系樹脂のうち、フェノール樹脂は、一般的にはフェノール類とアルデヒド類との反応によって合成され、フェノール過剰の反応条件においてはノボラック型と呼ばれる熱可塑性の樹脂中間体が得られ、ホルムアルデヒド過剰の条件ではレゾール型と呼ばれる樹脂中間体が得られる。また、フェノール系樹脂としては、フェノール樹脂の他にも、硬化時に副生ガスを発生せず、優れた成形加工性や耐熱性を持つベンゾオキサジン樹脂が開発されている。
一方で、フェノール系樹脂は、金・銀・銅・アルミニウム等の難接着性金属との接着力の弱さが課題として挙げられる。金属との接着力が求められる用途としては、電子材料分野においては、半導体封止材料が挙げられ、リードフレーム(Cu、Au)等との密着性向上が望まれている。また、自動車部品分野においては、モーターの回転部品であるコンミテータ部品の金属セグメントと樹脂との密着性の低さが問題となっており、コンミテータ回転時に金属セグメントが浮いて段差が生じ、騒音等が発生し、信頼性が著しく低下してしまうため、金属密着性の向上が望まれている。
フェノール系樹脂の金属密着性を向上させる方法として、例えば、銅セグメント表面をカセイソーダと過硫酸カリウム水溶液によって煮沸処理し、酸化第二銅の皮膜を形成させる方法(特許文献1)、エポキシ基含有アクリル樹脂を配合する方法(特許文献2)、メラミンを配合する方法(特許文献3)、メラミンに加えてシリコンゲルを配合する方法(特許文献4)、メラミンシアヌレートを配合する方法(特許文献5)等が開示されている。
特開昭58−212943号公報 特開2003−292723号公報 特開2005−247946号公報 特開2006−77061号公報 特開2005−263945号公報
本発明は、金属密着性及び硬化物の耐熱性に優れるフェノール系樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、フェノール系樹脂とジスルフィド化合物とを含有し、前記ジスルフィド化合物は、下記一般式(3)で表される化合物及び/又は下記一般式(2)で表される化合物を含有し、前記ジスルフィド化合物の含有量が、フェノール系樹脂100重量部に対して2〜20重量部であり、前記フェノール系樹脂は、ベンゾオキサジン樹脂を含有するフェノール系樹脂組成物である。
Figure 0006147886
式(1)中、R、Rは、水素、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、若しくは、アミド基を有する炭素数1〜16の脂肪族基又は芳香族基を示し、これらは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
Figure 0006147886
式(2)中、nは1〜6の整数を表す。R〜Rは、水素、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、又は、これらの置換基を有する炭素数1〜16の脂肪族基若しくは芳香族基を示し、これらは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
以下に本発明を詳述する。
従来のフェノール系樹脂の金属に対する密着性を向上させる方法のうち、特許文献1に開示されている方法は、フェノール系樹脂自体を改質するものではなく、特許文献2に開示されている方法では、フェノール系樹脂の金属密着性の向上効果は約1.5倍程度の僅かなものである。また、特許文献3、特許文献4、特許文献5に開示されている方法では、金属密着性は大きく向上するが、機械的強度や耐熱性に問題が生じる。そのため、フェノール系樹脂の優れた耐熱性を維持しつつ、銅等の金属に対する密着性を向上させることが必要とされていた。
そこで、本発明者らは、フェノール系樹脂組成物に、特定の構造を有するジスルフィド化合物を配合することにより、該フェノール系樹脂組成物の金属密着性及び硬化物の耐熱性を大きく向上させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
フェノール系樹脂組成物に、特定の構造を有するジスルフィド化合物を配合することにより、該フェノール系樹脂組成物の金属密着性及び硬化物の耐熱性が大きく向上する理由としては、ジスルフィド化合物の硫黄−硫黄結合が開裂し、硫黄−金属の相互作用が形成されることによって金属密着性を向上させる効果と、該ジスルフィド化合物が特定の構造を有することによって反応系を熱的に安定化する効果とが組み合わさって発揮されていることが考えられる。
本発明のフェノール系樹脂組成物は、ジスルフィド化合物を含有する。
上記ジスルフィド化合物を含有することにより、本発明のフェノール系樹脂組成物は、金属密着性及び硬化物の耐熱性に優れるものとなる。また、上記ジスルフィド化合物は、フェノール系樹脂の硬化を促進する触媒としての役割も有する。
上記ジスルフィド化合物は、上記一般式(1)で表される化合物及び/又は上記一般式(2)で表される化合物を含有する。
金属に対する密着性を大きく向上させるため、上記一般式(1)において、R、Rは、水素以外であることが好ましく、上記一般式(2)において、R〜Rのうち、少なくとも1つの置換基は、水素以外であることが好ましい。
本発明のフェノール系樹脂組成物は、得られるフェノール系樹脂組成物の硬化物が耐熱性に優れるものとなるため、上記一般式(1)で表される化合物として、下記一般式(3)で表されるジフェニルジスルフィド化合物を含有することが好ましい。
Figure 0006147886
式(3)中、R、R10は、水素、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、若しくは、これらの置換基を有する炭素数1〜10の脂肪族基又は芳香族基を示し、これらは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。なかでも、金属に対する密着性を大きく向上させるため、R、R10は、水素以外であることが好ましく、水酸基又はアミノ基であることがより好ましく、アミノ基であることが更に好ましい。上記一般式(3)で表されるジフェニルジスルフィド化合物としては、4,4’−ジチオジアニリンが更に好ましい。
上記ジスルフィド化合物の含有量は、フェノール系樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が20重量部である。上記ジスルフィド化合物の含有量が0.01重量部未満であると、得られるフェノール系樹脂組成物が金属密着性に劣るものとなることがある。上記ジスルフィド化合物の含有量が20重量部を超えると、得られるフェノール系樹脂組成物の硬化物が耐熱性や機械的強度に劣るものとなることがある。上記ジスルフィド化合物の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は10重量部である。
本発明のフェノール系樹脂組成物は、フェノール系樹脂を含有する。
本明細書において上記「フェノール系樹脂」とは、硬化物中の繰り返し単位中に、フェノール構造を有する樹脂を意味する。
上記フェノール系樹脂としては、例えば、ベンゾオキサジン樹脂、ノボラック型フェノール樹脂やレゾール型フェノール樹脂等のフェノール樹脂等が挙げられる。なかでも、得られるフェノール系樹脂組成物を硬化させる際に副生ガスを発生させないことから、ベンゾオキサジン樹脂が好適である。
上記ベンゾオキサジン樹脂とは、ベンゾオキサジン環を有する化合物を意味する。
上記ベンゾオキサジン樹脂としては、例えば、下記一般式(4−1)又は(4−2)で表される樹脂、下記一般式(5−1)、(5−2)、(5−3)、又は、(5−4)で表される樹脂、下記一般式(6)で表される樹脂、ベンゾオキサジンの開環重合により得られる樹脂等が挙げられる。なかでも、一般式(4−1)又は(4−2)で表される樹脂が好ましく、一般式(4−1)で表される樹脂がより好ましい。
Figure 0006147886
式(4−1)、(4−2)中、nは1〜4の整数を表し、Yは、水素、炭素数1〜8のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリル基、又は、アラルキル基を表し、Yは、炭素数1〜8のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリル基、又は、アラルキル基を表す。
Figure 0006147886
式(5−1)〜(5−4)中、Xは、CH、C(CH、O、S、又は、SOを表す。
Figure 0006147886
式(6)中、nは整数を表し、特に限定されないが、1〜20であることが好ましく、Xは、水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、メチロール基、及び、フェニル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を表し、Xは、下記式(7−1)、(7−2)、(7−3)又は(7−4)で表される置換基を表す。
Figure 0006147886
また、上記フェノール系樹脂としては、例えば、下記一般式(8)で表される樹脂等が挙げられる。
Figure 0006147886
式(8)中、nは整数を表し、特に限定されないが、1〜20であることが好ましく、Xは、水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、メチロール基、及び、フェニル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を表し、X、Xは、炭素数1〜10のアルキル基を示す。
本発明のフェノール系樹脂組成物は、必要に応じて、フェノール系樹脂以外のその他の樹脂を含有してもよい。
上記その他の樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン、ケイ素樹脂、ポリイミド、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン、メタクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、液晶性ポリマー等が挙げられる。
上記フェノール系樹脂としてノボラック型フェノール樹脂又はレゾール型フェノール樹脂を用いる場合、本発明のフェノール系樹脂組成物は、硬化剤を含有することが好ましい。
上記ノボラック型フェノール樹脂を用いる場合の硬化剤としては、ヘキサミチレンテトラミンが一般的であり、本発明のフェノール系樹脂組成物においても用いることができる。また、上記レゾール型フェノール樹脂を用いる場合の硬化剤としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、アルカリ土類金属の水酸化物、アンモニアや第三級アミン等が挙げられる。
その他の硬化剤としては、例えば、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ポリアミド系硬化剤、潜在性硬化剤である三フッ化ホウ素アミン錯体やジシアンジアミド等を、それぞれの用途に応じて使用することができる。
上記アミン系硬化剤としては、例えば、ジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミン等の脂肪族ポリアミン、メタフェニレンジアミンやジアミノジフェニルメタンやジアミノジフェニルスルホン等の芳香族ポリアミンを使用することができる。しかしながら、上記アミン系硬化剤は金属に対して優れた接着性を示すものの、人体への毒性や高い粘性および着色の原因となる。
上記酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ナジック酸、水素化無水ナジック酸、無水トリメット酸、無水ピロメリット酸等を用いることができる。
上記酸無水物系硬化剤は低い粘度で扱いやすく、配合物の可使時間が比較的長く、硬化物が電気絶縁性、機械的特性、耐熱安定性、耐薬品性に優れるものとなり、更に、上記アミン系硬化剤と比較して安全衛生性に優れている等の利点を有しており、LED素子等の光半導体の封止材料、半導体の封止材料、電気・電子絶縁材料に好適に用いることができる。これらの酸無水物系硬化剤の中でも、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸が好適に用いられる。
これらの硬化剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一般に酸無水物系硬化剤などの硬化剤は、ポットライフが長く毒性が小さいが、一方で、硬化反応が比較的緩やかに進行するため、硬化に高温、長時間を要することがある。したがって、必要に応じて硬化剤と硬化促進剤とを併用してもよい。
上記硬化促進剤としては、例えば、ベンジルメチルアミン等の第三級アミンや2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類等が挙げられる。
また、上記硬化剤として半導体封止材料に好適なフェノール樹脂を用いる場合、上記硬化促進剤として、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)−ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、オクチル酸スズ等の金属化合物等を用いることが好ましい。
本発明のフェノール系樹脂組成物は、無機充填剤を含有してもよい。
上記無機充填剤としては、例えば、ガラス繊維、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、クレー、タルク、カオリン等が挙げられる。
本発明のフェノール系樹脂組成物は、離型剤を含有してもよい。
上記離型剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、モンタン酸、ポリオレフィン等が挙げられる。
本発明のフェノール系樹脂組成物は、シランカップリング剤を含有してもよい。
上記シランカップリング剤としては、例えば、アミノシラン、エポキシシラン、メルカプトシラン等が挙げられる。
本発明のフェノール系樹脂組成物は、着色剤を含有してもよい。
上記着色剤としては、例えば、無機顔料や、カーボンブラック等の有機顔料等が挙げられる。
本発明のフェノール系樹脂組成物を製造する方法は特に限定されず、上記フェノール系樹脂と、上記ジスルフィド化合物と、必要に応じて添加するその他の樹脂や硬化剤等の添加剤を、3本ロール等を用いて混合する方法等が挙げられる。
上記フェノール系樹脂と上記ジスルフィド化合物とを混合する際の温度は特に限定されないが、混合する温度の好ましい下限は50℃、好ましい上限は250℃である。上記フェノール系樹脂と上記ジスルフィド化合物とを混合する際の温度が50℃未満であると、ジスルフィド化合物が均一に分散されず、得られるフェノール系樹脂組成物の硬化物が耐熱性や機械的強度に劣るものとなることがある。上記フェノール系樹脂と上記ジスルフィド化合物とを混合する際の温度が250℃を超えると、ジスルフィド化合物が分解し、得られるフェノール系樹脂組成物の硬化物が耐熱性に劣るものとなることがある。上記フェノール系樹脂と上記ジスルフィド化合物とを混合する際の温度のより好ましい下限は100℃、より好ましい上限は200℃である。
本発明のフェノール系樹脂組成物は、金属密着性及び硬化物の耐熱性に優れるものであるため、半導体封止材料や、モーターの回転部品であるコンミテータ部品等に好適に用いられる。また、その他、塗料、コーティング剤、印刷インキ、レジストインキ、接着剤、成形材料、電気絶縁材料等の用途に用いることができる。
本発明によれば、金属密着性及び硬化物の耐熱性に優れるフェノール系樹脂組成物を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(参考例1)
フェノール系樹脂として、ベンゾオキサジン樹脂(四国化成社製、「F−a型」)100重量部に対して、ジスルフィド化合物として4,4’−ジチオジアニリン(住友精化社製、「DTDA」)0.1重量部を加えて、140℃に加熱しながら混合し、フェノール系樹脂組成物を得た。
(参考例2)
4,4’−ジチオジアニリンの配合量を1重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてフェノール系樹脂組成物を得た。
(参考例3)
4,4’−ジチオジアニリンの配合量を2重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてフェノール系樹脂組成物を得た。
(実施例4)
4,4’−ジチオジアニリンに代えて、3,3’−ジヒドロキシジフェニルジスルフィド(東京化成社製)2重量部を配合したこと以外は、実施例1と同様にしてフェノール系樹脂組成物を得た。
(実施例5)
4,4’−ジチオジアニリンに代えて、1、2−ジチアン2重量部を配合したこと以外は、実施例1と同様にしてフェノール系樹脂組成物を得た。
(実施例6)
4,4’−ジチオジアニリンに代えて、trans−4,5−ジヒドロキシ−1,2−ジチアン(アルドリッチ社製)2重量部を配合したこと以外は、実施例1と同様にしてフェノール系樹脂組成物を得た。
(比較例1)
4,4’−ジチオジアニリンを配合せず、ベンゾオキサジン樹脂のみを用いた。
(比較例2)
4,4’−ジチオジアニリンに代えて、モノスルフィド化合物である4,4’−チオジフェノール(住友精化社製、「TDP」)2重量部を配合したこと以外は、実施例1と同様にしてフェノール系樹脂組成物を得た。
(比較例3)
4,4’−ジチオジアニリンに代えて、トリアジン化合物であるメラミンモノマー(東京化成社製)2重量部を配合したこと以外は、実施例1と同様にしてフェノール系樹脂組成物を得た。
(比較例4)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、「jER828」)100重量部に対して、硬化剤としてリカシッドMH−700(新日本理化社製、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30)90重量部、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成社製、「キュアゾール2E4MZ」)1重量部を添加し、エポキシ樹脂組成物を得た。
(比較例5)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、「jER828」)100重量部に対して、4,4’−ジチオジアニリン(住友精化社製、「DTDA」)2重量部を溶解させ、硬化剤としてリカシッドMH−700(新日本理化社製、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30)90重量部、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成社製、「キュアゾール2E4MZ」)1重量部を添加し、エポキシ樹脂組成物を得た。
<評価>
参考例1〜3、実施例4〜6及び比較例2、3で得られたフェノール系樹脂組成物、比較例1のベンゾオキサジン樹脂、及び、比較例4、5で得られたエポキシ樹脂組成物について以下の評価を行った。結果を表1〜3に示した。
(90度剥離接着強度試験)
公称厚さ35μm、平滑面粗度Rz=0.25μmの電解銅箔(福田金属粉箔工業社製)を5cm以上×5cm以上の大きさに切断し、アセトンで防腐剤を洗浄した後、10%硝酸で30秒間エッチングし、蒸留水で洗浄した後、60℃で乾燥させて、試験片とした。
参考例、実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂組成物、ベンゾオキサジン樹脂、エポキシ樹脂組成物をそれぞれアルミ板に塗布し、その上から得られた試験片の平滑面を重ね合わせた。150℃で3時間加熱した後、更に、180℃で3時間加熱して硬化させ、硬化後、幅1cmずつカッターで切れ目を入れ、90度剥離試験片とした。なお、アルミ板については、アセトンで脱脂後、研磨紙(600番)で研磨し、アセトンで研磨屑を除去し乾燥させたものを使用した。
得られた90度剥離試験片について、DAGE−SERISE4000(アークラック社製)を用いて、試験速度25mm/minの条件で90度剥離接着強度試験を実施した。
(5%重量減少温度)
参考例、実施例及び比較例で得られたフェノール系樹脂組成物、ベンゾオキサジン樹脂、エポキシ樹脂組成物をそれぞれ150℃で3時間、180℃で3時間加熱して硬化させ、硬化物を細かく粉砕し測定試料とした。
得られた試験片について、示差熱熱重量同時測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、「TG/DTA6200」)を用いて、昇温条件35〜530℃、10℃/minで、5%重量減少温度を測定した。
(発熱温度)
参考例3、実施例4及び比較例3で得られたフェノール系樹脂組成物、並びに、比較例1のベンゾオキサジン樹脂について、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、「DSC6220」)を用いて、35〜320℃、10℃/minの昇温条件で硬化時の発熱温度を測定した。
なお、表3に示した第一発熱温度並びに第二発熱温度の発熱開始温度及び発熱ピーク温度が低い方が、より低温で硬化することを示す。
Figure 0006147886
Figure 0006147886
Figure 0006147886
表1より、上記一般式(1)で表されるジスルフィド化合物又は上記一般式(2)で表されるジスルフィド化合物をフェノール系樹脂に添加すると、これらのジスルフィド化合物を添加していない比較例1と比べて、銅に対する剥離強度及び耐熱性の向上効果が見られた。参考例3においては、ベンゾオキサジン樹脂100重量部に対して4,4’−ジチオジアニリン2重量部の配合で剥離強度が約5倍向上した。
一方で、表2より、ジスルフィド結合を有しないものをフェノール系樹脂に添加した場合(比較例2)では、金属密着性の向上効果が見られず、また、トリアジン化合物を添加した場合(比較例3)では、金属密着性の向上は見られたが、得られたフェノール系樹脂組成物の硬化物が耐熱性に劣るものとなった。
また、比較例4、5の結果より、上記一般式(1)で表されるジスルフィド化合物はエポキシ樹脂に対しては優れた効果を示さないことが分かる。また、耐熱性に関しても、該ジスルフィド化合物を配合すると、低下が見られた。
また、表3より、ベンゾオキサジン樹脂のみを用いた場合(比較例1)に対して、上記一般式(1)で表されるジスルフィド化合物を添加すると、硬化温度がより低温となった(参考例3、実施例4)。トリアジン化合物を添加した場合(比較例3)は、硬化温度が低くなったが、実施例のものと比べると効果は小さかった。
本発明によれば、金属密着性及び硬化物の耐熱性に優れるフェノール系樹脂組成物を提供することができる。

Claims (1)

  1. フェノール系樹脂とジスルフィド化合物とを含有し、
    前記ジスルフィド化合物は、下記一般式(3)で表される化合物及び/又は下記一般式(2)で表される化合物を含有し、
    前記ジスルフィド化合物の含有量が、フェノール系樹脂100重量部に対して2〜20重量部であり、
    前記フェノール系樹脂は、ベンゾオキサジン樹脂を含有する
    ことを特徴とするフェノール系樹脂組成物。
    Figure 0006147886
    式(3)中、R 、R 10 は、水素、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、若しくは、これらの置換基を有する炭素数1〜10の脂肪族基又は芳香族基を示し、これらは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
    Figure 0006147886
    式(2)中、nは2を表す。R〜Rは、水素、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、又は、これらの置換基を有する炭素数1〜16の脂肪族基若しくは芳香族基を示し、これらは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
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