JP6147057B2 - 2−アリールインデン化合物の製造方法および触媒組成物 - Google Patents

2−アリールインデン化合物の製造方法および触媒組成物 Download PDF

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本発明は、オレフィン重合等に使用されるメタロセン化合物の製造において有用な2−アリールインデン化合物の製造方法および触媒組成物に関する。
メタロセン化合物は、オレフィン重合等の各種重合反応において有用な触媒化合物として知られている。例えば、プロピレン重合にメタロセン化合物を使用すると、使用したメタロセン化合物に応じて非晶質または結晶性のポリマーのいずれをも生じさせることが知られている。特に、キラルな橋かけメタロセン化合物はプロピレンを高度に結晶性ポリマーへ重合させることができる立体特異的な触媒として使用できる。例えば、特許文献1には、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドの存在下、アイソタクチックポリプロピレンを製造する方法が記載されている。また、特許文献2には、部分的に結晶性を有する熱可塑性エラストマーステレオブロックオレフィンポリマーを得ることができる、橋かけのない2−アリール置換ビスインデニルメタロセンを基にした触媒が記載されている。
このようなメタロセン化合物の製造においては、2−アリールインデンがその中間体として用いられる場合がある。そして、従来から2−アリールインデンの製造方法がいくつか報告されている。例えば、特許文献2の記載によると、下記式に示すように、2−インダノンとフェニルマグネシウムブロマイドとをグリニャール反応させ、その後酸性条件下、脱水することにより2−フェニルインデンが製造される。
同文献においては、上記二段階の反応における2−フェニルインデンの全収率は約65%である。ところで、2−フェニルインデンの原料である2−インダノンは、以下の式:
に従い、インデンと過ギ酸の反応で得られる。しかしながら、この反応は非常に危険であるとともに、収率も非常に低いものである(約40%)。そのため、特許文献2に記載の方法は、2−アリールインデンを安全、安価に得るには課題が残る方法であった。
また、2−アリールインデンを一段階反応で製造する方法も検討されている(例えば特許文献3や非特許文献1を参照)が、この方法は、例えば、以下の式に示すように、インデンとヨードベンゼンを酢酸パラジウム触媒存在下、トリエチルアミンまたはN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を溶媒とし、加熱して2−フェニルインデンを製造するといったものである。
特許文献3によると、上記反応における2−フェニルインデンの収率はトリエチルアミン媒体中(反応A)では46%、DMF媒体中(反応B)では65%である。
しかしながら、上記のような反応においては、主生成物である2−フェニルインデンとともに、副生成物として3−フェニルインデンが比較的多量(2−フェニルインデン:3−フェニルインデン=約4:1のモル比で)生成する。2−フェニルインデンと3−フェニルインデンとは分離が困難であるため、上記の方法においては、最終的に得られる2−フェニルインデン組成物は、その純度が低いものとなっていた。このように、従来の方法は、収率のみならず、純度の観点から、十分に効率的な工業的に適した方法ではなかった。
特開昭61−130314号公報 特表平09−510745号公報 特許第4127324号明細書
Ilya E. Nifant’ev, Alexander A. Sitnikov, Nonna V. Andriukhova, Ilya P. Laishevtsev, Yuri N. Luzikov, "A facile synthesis of 2-arylindenes by Pd-catalyzed direct arylation of indene with aryl iodides", Tetrahedron Letters, 2002.04.22, vol.43, issue 17, p.3213-3215
したがって、本発明の目的は、安全な原料から高収率で純度良く2−アリールインデン化合物を製造する方法およびこれに用いる触媒組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討する中で、インデン化合物とハロゲン化芳香族化合物との反応において、パラジウム触媒に加え、パラジウム触媒に配位するリン配位子を添加することにより、2−アリールインデン化合物の収率を向上させるとともに、副生成物である3−アリールインデン化合物の生成が抑制されることを見出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に関する。
(1) 式(I)
(式中、R〜Rは、互いに独立して、同一または互いに異なってもよく、水素原子、フッ素原子、塩素原子、または直鎖もしくは分岐のアルキル基もしくはアルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、シクロアルキルオキシ基、ヘテロシクリルオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、ビアリール基、ビヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アラルキルオキシ基またはヘテロアラルキルオキシ基であるか、あるいは、RおよびR、RおよびR、RおよびRまたはRおよびRは、それぞれ、これらR〜Rが結合する芳香環とともに、炭化水素環またはヘテロ環を形成してもよく、
ここで、上述した各R〜R中の1または2以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子または直鎖もしくは分岐のアルキル基もしくはアルコキシ基により置換されていてもよい)
で表される化合物と、臭化および/またはヨウ化芳香族化合物とを、パラジウム触媒および当該パラジウム触媒のリン配位子の存在下で反応させる、2−アリールインデン化合物の製造方法。
(2) リン配位子が、式(II)または(III)
(式中、R〜R11は、互いに独立して、同一または互いに異なってもよく、直鎖もしくは分岐のアルキル基、ポリオキシアルキレン基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基、ヘテロアリール基、ビアリール基、ビヘテロアリール基、アラルキル基またはヘテロアラルキル基であり、
12は、複数回出現する場合には出現毎に独立して、アルキレン基、アリーレン基またはヘテロアリーレン基であり、
13は、アルキレン基、アリーレン基またはヘテロアリーレン基であり、
Aは、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基または単結合であり、
aは、0〜2の整数であり、
ここで、上述した各R〜R13およびA中の1または2以上の水素原子は、それぞれ独立して、さらに、フッ素原子、塩素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基、ヘテロアリール基または第1級、第2級もしくは第3級アミノ基により置換されていてもよい)
で表される1種または2種以上の化合物である、(1)に記載の2−アリールインデン化合物の製造方法。
(3) リン配位子が、トリフェニルホスフィンおよび/またはビス[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテルである、(1)または(2)に記載の2−アリールインデン化合物の製造方法。
(4) 臭化および/またはヨウ化芳香族化合物が、式(IV):
(式中、R14〜R18は、互いに独立して、同一または互いに異なってもよく、水素原子、フッ素原子、塩素原子、または直鎖もしくは分岐のアルキル基もしくはアルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、シクロアルキルオキシ基、ヘテロシクリルオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、ビアリール基、ビヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アラルキルオキシ基またはヘテロアラルキルオキシ基であり、
ここで、上述した各R14〜R18中の1または2以上の水素原子は、それぞれ独立して、さらに、フッ素原子、塩素原子、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基またはヘテロアリール基により置換されていてもよく、
Xは、臭素原子またはヨウ素原子である)
で表される1種または2種以上の化合物である、(1)〜(3)のいずれかに記載の2−アリールインデン化合物の製造方法。
(5) 反応を、塩基性媒体中で行う、(1)〜(4)のいずれかに記載の2−アリールインデン化合物の製造方法。
(6) 式(I)で表される化合物としてインデンが用いられ、
臭化および/またはヨウ化芳香族化合物としてブロモベンゼンが用いられ、および
塩基性媒体が、トリエチルアミンおよびN,N−ジメチルホルムアミドを含む、(5)に記載の2−アリールインデン化合物の製造方法。
(7) 臭化芳香族化合物および/またはヨウ化芳香族化合物とインデン化合物との反応において用いられる、2−アリールインデン化合物の合成のための触媒組成物であって、
パラジウム触媒と、当該パラジウム触媒のリン配位子とを含む、触媒組成物。
本発明によれば、安全、安価な原料から高収率で2−アリールインデン化合物を製造できる。また、本発明によれば、副生成物である3−アリールインデン化合物の生成を抑制することができるため、純度の高い2−アリールインデン化合物を得ることができる。この結果、例えば、本発明に係る方法により得られる2−アリールインデン化合物を、メタロセン化合物等の合成の中間体として、好適に適用することが可能であり、本発明に係る方法の工業上の利用価値は非常に高いものである。
なお、特許文献3や非特許文献1にも記載されるように、パラジウム触媒下におけるインデン化合物とハロゲン化芳香族化合物との反応は、ヘック反応の反応機構によるものではなく、未だ解明されていない。本発明は、このような解明されていない反応機構において、リン配位子を添加することにより、2−アリールインデン化合物の収率を向上させるのみならず、反応における選択性を向上させることができるという、予測不可能な効果を奏するものである。
以下に本発明の方法および触媒組成物を、本発明の好適な実施態様に基づき、詳細に説明する。
本発明の2−アリールインデン化合物の製造方法は、後述する所定のインデン化合物(以下、単に「インデン化合物」ともいう。)と臭化および/またはヨウ化芳香族化合物とを、パラジウム触媒および当該パラジウム触媒のリン配位子の存在下で反応させるものである。また、本実施態様においては、上記反応は、塩基性媒体中で行われる。
まず、本実施態様において用いられる各成分について説明する。
本実施態様において、インデン化合物は、2−アリールインデン化合物の生成における反応基質として用いられるものである。インデン化合物は、式(I)
(式中、R〜Rは、互いに独立して、同一または互いに異なってもよく、水素原子、フッ素原子、塩素原子、または直鎖もしくは分岐のアルキル基もしくはアルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、シクロアルキルオキシ基、ヘテロシクリルオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、ビアリール基、ビヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アラルキルオキシ基またはヘテロアラルキルオキシ基であるか、あるいは、RおよびR、RおよびR、RおよびRまたはRおよびRは、それぞれ、これらR〜Rが結合する芳香環とともに、炭化水素環またはヘテロ環を形成してもよく、
ここで、上述した各R〜R中の1または2以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子または直鎖もしくは分岐のアルキル基もしくはアルコキシ基により置換されていてもよい)
で表される化合物である。
各R〜Rは、上述した中でも、反応性および原料入手容易性などの観点から、水素原子、フッ素原子、塩素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基もしくはアルコキシ基、シクロアルキル基またはアリール基であることが好ましく、水素原子、フッ素原子、塩素原子または直鎖もしくは分岐のアルキル基もしくはアルコキシ基であることがより好ましい。
直鎖もしくは分岐のアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、炭素数1〜22の直鎖もしくは分岐のアルキル基を好適に用いることができ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等が挙げられる。上述した中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基またはtert−ブチル基が好ましい。
直鎖もしくは分岐のアルコキシ基としては、特に限定されないが、例えば、炭素数1〜22の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基を好適に用いることができ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基等が挙げられる。上述した中でも、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基またはtert−ブトキシ基が好ましい。
シクロアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、炭素数3〜10のシクロアルキル基を好適に用いることができ、具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。上述した中でも、シクロペンチル基またはシクロヘキシル基が好ましい。
アリール基としては、特に限定されないが、例えば、炭素数6〜20、好ましくは6〜10のアリールを好適に用いることができ、具体的には、フェニル基、o−、m−もしくはp−トリル基、キシリル基、メシチル基、ジュリル基、1−もしくは2−ナフチル基、アントラニル基またはテトラニル基等が挙げられる。上述した中でも、フェニル基またはo−、m−もしくはp−トリル基が好ましい。
また、媒体への溶解性および基質の反応性の確保の観点から、R〜R中の炭素数は、それぞれ、40以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましい。
具体的なインデン化合物としては、例えば、インデンが挙げられる。
また、インデン化合物は、工業的に得られるものであればどのような品質のものでも良いが、製品品質向上の観点から、できるだけ高純度のものを用いることが好ましい。
また、インデン化合物の反応混合物中における濃度は、特に限定されないが、反応効率の向上および収率の向上の観点から、0.1〜10mol/Lであることが好ましく、1.0〜5.0mol/Lであることがより好ましい。
臭化および/またはヨウ化芳香族化合物は、臭素および/またはヨウ素が当該化合物の芳香環の水素と置換した化合物である。本実施態様に係る方法において、臭化および/またはヨウ化芳香族化合物の臭素またはヨウ素が置換した部位のうち少なくとも一部は、インデン化合物の2位と結合するための反応部位である。
臭化および/またはヨウ化芳香族化合物としては、芳香環に臭素またはヨウ素が結合したものであれば、特に限定されないが、例えば、以下の式(IV)で表される化合物を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
式(IV):
(式中、R14〜R18は、互いに独立して、同一または互いに異なってもよく、水素原子、フッ素原子、塩素原子、または直鎖もしくは分岐のアルキル基もしくはアルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、シクロアルキルオキシ基、ヘテロシクリルオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、ビアリール基、ビヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アラルキルオキシ基またはヘテロアラルキルオキシ基であり、
ここで、上述した各R14〜R18中の1または2以上の水素原子は、それぞれ独立して、さらに、フッ素原子、塩素原子、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基またはヘテロアリール基により置換されていてもよく、
Xは、臭素原子またはヨウ素原子である)
各R14〜R18は、上述した中でも、反応性や原料入手容易性などの観点から、水素原子、フッ素原子、塩素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基もしくはアルコキシ基、シクロアルキル基またはアリール基であることが好ましく、水素原子、フッ素原子、塩素原子または直鎖もしくは分岐のアルキル基もしくはアルコキシ基であることがより好ましい。
なお、R14〜R18における直鎖もしくは分岐のアルキル基もしくはアルコキシ基、シクロアルキル基またはアリール基としては、例えば、上述したR〜Rにおけるものと同様のものが挙げられる。
また、Xは、臭素原子であることが好ましい。これにより、臭化および/またはヨウ化芳香族化合物同士がカップリングして副生成物が発生することを抑制しつつ、所望の反応を十分な速度で進行させることができる。
なお、臭化および/またはヨウ化芳香族化合物として、上述した式(IV)で表される化合物以外の化合物も用いることができる。このような化合物としては、芳香族骨格、例えば、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセンもしくはヘキサセン骨格等のアセン骨格、フェナントレン骨格、クリセン骨格、フルオレン骨格、アズレン骨格、アセナフテン骨格、トリフェニレン骨格等に上述したXおよびR14〜R18と同様の置換基が置換した臭化および/またはヨウ化多環芳香族化合物が挙げられる。
この場合において、臭化および/またはヨウ化芳香族化合物は、上述したような芳香族骨格に2以上の臭素原子および/またはヨウ素原子が置換していてもよい。また、この場合、少なくとも1の臭素原子またはヨウ素原子が、インデン化合物と、臭化および/またはヨウ化芳香族化合物との反応に関与するものであればよい。
具体的な臭化および/またはヨウ化芳香族化合物としては、例えば、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、臭化および/またはヨウ化芳香族化合物は、工業的に得られるものであればどのような品質のものでも良いが、製品品質向上の観点から、できるだけ高純度のものを用いることが好ましい。
また、臭化および/またはヨウ化芳香族化合物の反応混合物中における濃度は、特に限定されないが、反応効率の向上および収率の向上の観点から、0.1〜10mol/Lであることが好ましく、1.0〜5.0mol/Lであることがより好ましい。
また、インデン化合物と臭化および/またはヨウ化芳香族化合物との仕込み比率は、特に限定されないが、例えば、インデン化合物に対して臭化および/またはヨウ化芳香族化合物がモル比で1.0〜1.5倍、好ましくは1.1〜1.3倍となるように設定することができる。
パラジウム触媒は、例えば塩化パラジウム等のハロゲン化パラジウム、酢酸パラジウム等のモノ−またはジカルボン酸のパラジウム塩(II)のようなパラジウム(0)およびパラジウム(II)化合物であり、好ましいパラジウム触媒は酢酸パラジウムである。
パラジウム触媒の反応混合物中における濃度は、上述した基質の濃度等に合わせて適宜設定でき、特に限定されないが、例えば、0.001〜0.05mol/Lであることが好ましく、0.002〜0.02mol/Lであることがより好ましい。
また、パラジウム触媒の反応混合物中における量は、例えば、インデン化合物に対して、0.01〜6.0mol%、好ましくは0.01〜5.0mol%、より好ましくは0.1〜2.0mol%とすることができる。
リン配位子は、パラジウム触媒に配位可能なリン化合物である。このようなリン配位子としては、パラジウム触媒に配位可能であれば特に限定されず、例えば、ホスフィン配位子、ホスフォン酸配位子等の単座配位子または多座配位子が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、例えば、リン配位子は、以下の式(II)または(III)で表される1種または2種以上の化合物であることができる。
(式中、R〜R11は、互いに独立して、同一または互いに異なってもよく、直鎖もしくは分岐のアルキル基、ポリオキシアルキレン基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基、ヘテロアリール基、ビアリール基、ビヘテロアリール基、アラルキル基またはヘテロアラルキル基であり、
12は、複数回出現する場合には出現毎に独立して、アルキレン基、アリーレン基またはヘテロアリーレン基であり、
13は、アルキレン基、アリーレン基またはヘテロアリーレン基であり、
Aは、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基または単結合であり、
aは、0〜2の整数であり、
ここで、上述した各R〜R13およびA中の1または2以上の水素原子は、それぞれ独立して、さらに、フッ素原子、塩素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基、ヘテロアリール基または第1級、第2級もしくは第3級アミノ基により置換されていてもよい)
〜R11としては、上述した中でも、比較的嵩高い基が好ましく、例えば、分岐のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基等を好ましく用いることができる。これらの基としては、例えばR〜Rにおいて説明したものと同様のものとすることができ、具体的には、R〜Rの説明において列挙した各種基が挙げられる。
〜R11としては、具体的には、tert−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、o−、m−もしくはp−トリル基、o−、m−もしくはp−メトキシフェニル基またはo−、m−もしくはp−ジメチルアミノフェニル基等を好ましく用いることができ、中でもフェニル基またはo−、m−もしくはp−トリル基がより好ましい。
上述した中でも、R12およびR13は、アルキレン基またはアリーレン基であることが好ましい。
12、R13におけるアルキレン基としては、例えば、炭素数1〜15のアルキレン基を用いることができ、具体的には、メチレン基、1,2−エチレン基、1,3−もしくは1,2−プロピレン基等が挙げられる。上述した中でも、1,2−エチレン基が好ましい。
また、アリーレン基としては、1,2−もしくは1,4−フェニレン基または2,3−、2,4−もしくは3,4−ナフチレン基等が挙げられる。上述した中でも、1,2−フェニレン基が好ましい。
また、R12およびR13中の炭素数は、20以下であることが好ましく、
10以下であることがより好ましい
リン配位子としては、具体的には、トリフェニルホスフィン(PPh)、トリ‐O‐トリルホスフィン((CHP)等の単座配位子、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、ビス[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル(DPEphos)等の二座配位子が挙げられる。中でも、リン配位子として、トリフェニルホスフィン(PPh)またはビス[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル(DPEphos)を好ましく用いることができる。
リン配位子の反応混合物中の濃度は、特に限定されず、パラジウム触媒の濃度およびパラジウム触媒に対するリン配位子の配位数に合わせて設定することができる。例えば、リン配位子が単座配位子である場合、リン配位子は、パラジウム触媒1当量に対し、1.5〜3.0当量、好ましくは、2.0〜2.5当量用いることができる。また、例えば、リン配位子が二座配位子である場合、リン配位子は、パラジウム触媒1当量に対し、0.7〜1.5当量、好ましくは、1.0〜1.2当量用いることができる。
また、リン配位子の反応混合物中における量は、特に限定されないが、例えば、インデン化合物に対して、0.01〜12.0mol%、0.01〜10.0mol%、好ましくは0.1〜4.0mol%とすることができる。
塩基性媒体は、例えば、溶媒に塩基性化合物を添加する方法または塩基性化合物からなる溶媒を用いることにより、調製することができる。
塩基性化合物としては、特に限定されないが、例えば、アンモニア、第1級アミン、第2級アミン、トリエチルアミン等の第3級アミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等アルカリ土類金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩または炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩または炭酸水素塩、ナトリウムエチラート、カリウムtert−ブチラート等のアルカリ金属アルコラート、アルカリ土類金属アルコラート、水酸化テトラブチルアンモニウムおよびテトラブチルアンモニウムエトキシド等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上述した中でも、塩基性化合物としては、第1級アミン、第2級アミンまたは第3級アミンが好ましく、第3級アミンがより好ましく、トリエチルアミンがさらに好ましい。
溶媒としては、特に限定されず、一般的な溶媒から当業者が適宜選択することが可能であるが、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、スルホラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセタミド、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ヘキサメチルホスホラミド等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましくは、溶媒として、N,N−ジメチルホルムアミドを用いる。
塩基性媒体中における塩基性化合物の含有量は、特に限定されず、適宜当業者が設定することができる。とくに、塩基性化合物が液体である場合、溶媒と塩基性化合物とを任意の比率で混合することが可能である。
以上説明した各成分を混合して反応混合物(反応液)を調製し、反応を行う。
反応は、好ましくは、加熱雰囲気下で還流しつつ行われる。反応温度は、特に限定されないが、例えば、80〜150℃、好ましくは100〜120℃とすることができる。また、加熱は、例えば、各成分の混合前から溶媒等の成分を加熱しつつ行うものであってもよいし、混合した後、例えばブロモベンゼン導入後に反応混合物を加熱するものであってもよい。
また、反応は、いかなる雰囲気下で行ってもよいが、好ましくは、不活性ガス下で行う。不活性ガスとしては、特に限定されず、例えば、アルゴン、窒素等を用いることができる。
反応時間(熟成時間)は、特に限定されないが、例えば、24〜150時間、好ましくは、24〜130時間とすることができる。これにより、十分に熟成がなされ、反応が完結することができる。
以上の方法により、インデン化合物と、臭化および/またはヨウ化芳香族化合物とが反応し、2−アリールインデン化合物が高収率で生成する。また、本発明においては、リン配位子を用いることにより、副生成物である3−アリールインデン化合物の生成が抑制されている。
なお、反応混合物中の2−アリールインデン化合物は、公知の方法、例えば、抽出、結晶化、クロマトグラフィー等により、反応混合物から分離、回収することが可能である。
こうして得られる2−アリールインデン化合物は、高純度であり、また例えば、オレフィンの重合中に触媒成分として有用なチタニウム、ジルコニウムまたはハフニウムのような金属を有するメタロセン化合物の中間体化合物として有用である。
次に、本発明の触媒組成物について説明する。
本発明の触媒組成物は、臭化芳香族化合物および/またはヨウ化芳香族化合物とインデン化合物との反応において用いられる、2−アリールインデン化合物の合成のための触媒組成物であって、パラジウム触媒と、当該パラジウム触媒のリン配位子とを含む。
パラジウム触媒およびリン配位子としては、上述した化合物を用いることができる。また、触媒組成物中にパラジウム触媒およびリン配位子を上述した比率で含むことができる。
このような触媒組成物は、上述したように、高収率で純度良く2−アリールインデン化合物を製造するために有用である。
以上、本発明を好適な実施態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明においては、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成を付加することもできる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
<実施例1>
不活性ガス雰囲気下インデン(65g、0.56mol)のDMF(650ml)溶液に、室温下ブロモベンゼン(105g、0.67mol、1.2eq.)、トリフェニルホスフィン(15.7g、0.06mol、10.70mol%)、酢酸パラジウム(6.7g、0.03mol、5.35mol%)、およびトリエチルアミン(261g、2.58mol、4.6eq.)を加え、100℃で128時間還流した。なお、各成分右にある括弧内の数値は、各成分の使用量を示し、左から順に、使用グラム数(g)、使用モル数(mol)、およびインデンに対するモル換算での割合(eq.またはmol%)を示している。また、場合によっては、適宜、使用モル数またはインデンに対するモル換算での割合についての記載を省略している。以下、実施例2〜4についても同様である。
反応終了後、反応液をトルエンで希釈し、水で2回洗浄し、NaCOを用いて乾燥した。次いで、得られた反応液についてシリカゲルショートカラムによる粗精製を行い、さらに得られたろ液について濃縮および結晶析出を順次行い、その後得られた結晶についてエタノール懸濁洗浄を行って、生成物としての2−フェニルインデンを得た。生成物の収率は75%であった。また、GC(ガスクロマトグラフィー)法により得られた生成物中の2−フェニルインデンの割合(純度)は、98.7質量%であった。
なお、ガスクロマトグラフィーの条件は、次のとおりである。
また、本明細書中に記載されたGC法による測定は、全て以下の条件で行った。
測定機器:GC−2010(株式会社島津製作所製)
検出器: FID
カラム:CP−Sil5CB(長さ:15.0m、膜厚:0.25μm、内径:0.25mm)
また、上記の条件により標品(関東化学株式会社製)を用いて測定した各化合物の保持時間は、以下のとおりであった。
2−フェニルインデン 9.21min
3−フェニルインデン 9.30min
<実施例2>
不活性ガス雰囲気下インデン(65g、0.56mol)のDMF(650ml)溶液に、室温下ブロモベンゼン(105g、0.67mol、1.2eq.)、DPEphos(4.5g、1.5mol%)、酢酸パラジウム(1.9g、1.5mol%)、およびトリエチルアミン(261g、2.58mol)を加え、100℃で56時間還流した。
反応終了後、水(400ml)に反応液を注加して目的物を結晶化し、結晶物をトルエン(1200ml)に溶解後、トルエン溶液を水で2回洗浄し、NaCOを用いて乾燥した。次いで、トルエン溶液をシリカゲルショートカラムによる粗精製を行い、得られたろ液を濃縮して結晶を析出させ、その後得られた結晶物についてエタノール(300ml)を用いて1時間懸濁洗浄を行って、生成物としての2−フェニルインデンを得た。生成物の収率は78%だった。また、GC(ガスクロマトグラフィー)法により得られた生成物中の2−フェニルインデンの割合(純度)は、97.6質量%であった。
<実施例3>
不活性ガス雰囲気下インデン(22g、0.19mol)のDMF(220ml)溶液に、室温下ブロモベンゼン(36g、0.23mol)、DPEphos(754mg、0.74mol%)、酢酸パラジウム(314mg、0.74mol%)、およびトリエチルアミン(58g、0.57mol、3eq.)を加え、100℃で24時間還流した。
反応終了後、水(400ml)に反応液を注加して目的物を結晶化し、結晶物をトルエン(200ml)に溶解後、トルエン溶液を水で2回洗浄し、NaCOで乾燥した。次いで、トルエン溶液についてシリカゲルショートカラムによる粗精製を行い、得られたろ液を濃縮して結晶を析出させ、得られた結晶物をエタノール(50ml)で1時間懸濁洗浄して、生成物としての2−フェニルインデンを得た。生成物の収率は66%だった。また、GC法により得られた生成物中の2−フェニルインデンの割合(純度)は、100質量%であった。
<実施例4>
不活性ガス雰囲気下インデン(22g、0.19mol)のDMF(220ml)溶液に、室温下ブロモベンゼン(36g、0.23mol)、DPEphos(151mg、0.15mol%)、酢酸パラジウム(63mg、0.15mol%)、およびトリエチルアミン(58g、0.57mol、3eq.)を加え32時間還流した。
反応終了後、水(400ml)に反応液を注加して目的物を結晶化し、結晶物をトルエン(200ml)に溶解後、トルエン溶液を水で2回洗浄し、NaCOで乾燥した。次いで、トルエン溶液についてシリカゲルショートカラムによる粗精製を行い、得られたろ液を濃縮して結晶を析出させ、得られた結晶物をエタノール(50ml)で懸濁洗浄して、生成物としての2−フェニルインデンを得た。生成物の収率は60%だった。また、GC法により得られた生成物中の2−フェニルインデンの割合(純度)は、100質量%であった。
以上の結果を触媒およびリン配位子の使用条件とともに表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜4においては、2−フェニルインデンを比較的高収率で得ることができた。また、実施例1〜4の反応後の反応液をGC法、1H−NMR法により分析したところ、3−フェニルインデンは検出されなかった。
なお、1H−NMR法においては、測定機器としてECX−400P(日本電子株式会社社製)を、内部標準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を用いて測定を行った。得られたスペクトルの評価には、以下の2−フェニルインデンについては予め標品を用いて測定したスペクトルデータを、および3−フェニルインデンについてはJ. Org. Chem., Vol. 40, No. 6, 1975に記載のデータを利用した。
2−フェニルインデン(CDCl3) 7.6-7.17 ppm (m, 10H), 3.8 (s, 2H)
3−フェニルインデン(CCl4) 7.7 ppm (m, 9H), 6.7(t, 1H), 3.4 ppm (d, 2H)
また、本明細書中に記載された1H−NMR法による測定、評価は、全て上記の条件で行った。

Claims (6)

  1. 式(I)
    (式中、R〜Rは、互いに独立して、同一または互いに異なってもよく、水素原子、フッ素原子、塩素原子、または直鎖もしくは分岐のアルキル基もしくはアルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、シクロアルキルオキシ基、ヘテロシクリルオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、ビアリール基、ビヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アラルキルオキシ基またはヘテロアラルキルオキシ基であるか、あるいは、RおよびR、RおよびR、RおよびRまたはRおよびRは、それぞれ、これらR〜Rが結合する芳香環とともに、炭化水素環またはヘテロ環を形成してもよく、
    ここで、上述した各R〜R中の1または2以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子または直鎖もしくは分岐のアルキル基もしくはアルコキシ基により置換されていてもよい)
    で表される化合物と、臭化および/またはヨウ化芳香族化合物とを、パラジウム触媒および当該パラジウム触媒のリン配位子の存在下で反応させる、2−アリールインデン化合物の製造方法であって、前記リン配位子が、
    式(III)
    (式中、R 〜R 11 は、互いに独立して、同一または互いに異なってもよく、直鎖もしくは分岐のアルキル基、ポリオキシアルキレン基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基、ヘテロアリール基、ビアリール基、ビヘテロアリール基、アラルキル基またはヘテロアラルキル基であり、
    12 は、複数回出現する場合には出現毎に独立して、アルキレン基、アリーレン基またはヘテロアリーレン基であり、
    13 は、アルキレン基、アリーレン基またはヘテロアリーレン基であり、
    Aは、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基または単結合であり、
    aは、0〜2の整数であり、
    ここで、上述した各R 〜R 13 およびA中の1または2以上の水素原子は、それぞれ独立して、さらに、フッ素原子、塩素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基、ヘテロアリール基または第1級、第2級もしくは第3級アミノ基により置換されていてもよい)
    で表される1種または2種以上の化合物である、前記2−アリールインデン化合物の製造方法
  2. リン配位子が、ビス[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテルである、請求項に記載の2−アリールインデン化合物の製造方法。
  3. 臭化および/またはヨウ化芳香族化合物が、式(IV):
    (式中、R14〜R18は、互いに独立して、同一または互いに異なってもよく、水素原子、フッ素原子、塩素原子、または直鎖もしくは分岐のアルキル基もしくはアルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、シクロアルキルオキシ基、ヘテロシクリルオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、ビアリール基、ビヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アラルキルオキシ基またはヘテロアラルキルオキシ基であり、
    ここで、上述した各R14〜R18中の1または2以上の水素原子は、それぞれ独立して、さらに、フッ素原子、塩素原子、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基またはヘテロアリール基により置換されていてもよく、
    Xは、臭素原子またはヨウ素原子である)
    で表される1種または2種以上の化合物である、請求項1または2に記載の2−アリールインデン化合物の製造方法。
  4. 反応を、塩基性媒体中で行う、請求項1〜のいずれか一項に記載の2−アリールインデン化合物の製造方法。
  5. 式(I)で表される化合物としてインデンが用いられ、
    臭化および/またはヨウ化芳香族化合物としてブロモベンゼンが用いられ、および
    塩基性媒体が、トリエチルアミンおよびN,N−ジメチルホルムアミドを含む、請求項に記載の2−アリールインデン化合物の製造方法。
  6. 臭化芳香族化合物および/またはヨウ化芳香族化合物とインデン化合物との反応において用いられる、2−アリールインデン化合物の合成のための触媒組成物であって、
    パラジウム触媒と、当該パラジウム触媒のリン配位子とを含む、触媒組成物であって、前記リン配位子が、
    式(III)
    (式中、R 〜R 11 は、互いに独立して、同一または互いに異なってもよく、直鎖もしくは分岐のアルキル基、ポリオキシアルキレン基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基、ヘテロアリール基、ビアリール基、ビヘテロアリール基、アラルキル基またはヘテロアラルキル基であり、
    12 は、複数回出現する場合には出現毎に独立して、アルキレン基、アリーレン基またはヘテロアリーレン基であり、
    13 は、アルキレン基、アリーレン基またはヘテロアリーレン基であり、
    Aは、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基または単結合であり、
    aは、0〜2の整数であり、
    ここで、上述した各R 〜R 13 およびA中の1または2以上の水素原子は、それぞれ独立して、さらに、フッ素原子、塩素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基、ヘテロアリール基または第1級、第2級もしくは第3級アミノ基により置換されていてもよい)
    で表される1種または2種以上の化合物である、前記触媒組成物
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