JP6146611B2 - 回転電機の固定子 - Google Patents

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Description

本発明は、車両等に搭載されて電動機や発電機として使用される回転電機の固定子に関する。
従来、車両に搭載されて使用される回転電機として、回転可能に設けられた回転子と、該回転子と径方向に対向して配置され周方向に配列された複数のスロットを有する固定子コア、及び該固定子コアのスロットに巻装された複数の相巻線よりなる固定子巻線を有する固定子と、を備えたものが一般に知られている。
この回転電機では、電機子として働く固定子の起磁力は、各相巻線を流れる電流と各相巻線のターン(以下、「T」という。)数とによって決定されるため、回転電機のトルクと回転数との関係においてその特性を表すことができる。例えば、4T(ターン数が4)の場合には、低回転数域で一定の高トルクとなり、高回転数になるほどトルクが次第に低下する。また、2T(ターン数が2)の場合には、低回転数域では4Tの約半分のトルクとなるが、トルクが一定の低回転数域の範囲が4Tの約2倍となり、高回転数域においてのトルクの低下は極めて少なく、4Tよりも高トルクを維持する。
ところで、固定子巻線として、各スロットに軸方向一方側から挿入されて各スロットから軸方向他方側に延出した複数の導体セグメントの接続すべき所定の端部同士を接続することにより形成されたセグメント型のものが知られている。このセグメント型の固定子巻線は、その構造上から、各スロットに収容される導体セグメント(スロット収容部)の本数が偶数本になることから、巻線のターン数も偶数ターンに限定される。そのため、例えば上記の4Tと2Tの中間となる、ほどほどの高トルクの低回転数域とほどほどの高トルクの高回転数域とを有する3Tの特性を有する固定子巻線を得ることができない。
一方、特許文献1には、奇数ターンを可能とする固定子巻線として、X相巻線、Y相巻線、Z相巻線からなる第1の巻線群と、U相巻線、V相巻線、W相巻線からなる第2の巻線群とを有し、第1の巻線群と第2の巻線群がπ/6の位相差をもって固定子コアに巻装されているものが開示されている。この固定子巻線は、第1の巻線群は各相巻線が互いに接続されてΔ結線を形成し、第2の巻線群はΔ結線の各相巻線間に対して接続されてY結線を形成することで、ΔY複合結線を形成している。
特開2011−45193号公報
ところが、上記特許文献1に開示された固定子巻線は、第1の巻線群で形成されるΔ結線内で循環電流が流れるため、特に高回転域において電気的損失が増加するという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、循環電流の発生を防止しつつ所望の特性が得られるようにした固定子巻線を有する回転電機の固定子を提供することを解決すべき課題とするものである。
上記課題を解決するためになされた本発明は、周方向に2個ずつ順番に繰り返し配置されたU相スロット、V相スロット及びW相スロットよりなるスロット群を有する固定子コア(21)と、前記スロット群に収容されるスロット収容部を有するとともに前記固定子コアに巻装されたそれぞれ電気的位相の異なる三相(U相,V相,W相)の相巻線よりなる固定子巻線(22)と、を備えた回転電機の固定子において、各前記相巻線は、電気的に並列接続された2本の部分巻線(221,222)よりなり、各前記相スロットには、各前記相巻線の前記スロット収容部が4本ずつ径方向1列に収容され、前記各相巻線の並列接続された2本の前記部分巻線はそれぞれ、周方向に並んだ2個の同相の前記スロットにおいて内周側から第1層及び第2層に収容されているとともに、2種の異相の前記スロットそれぞれにおける周方向に並んだ2個のうちの1個の前記スロットにおいて内周側から第3層及び第4層に収容されていることを特徴とする。
また、本発明は、周方向に2個ずつ順番に繰り返し配置されたU相スロット、V相スロット及びW相スロットよりなるスロット群を有する固定子コア(21)と、前記スロット群に収容されるスロット収容部を有するとともに前記固定子コアに巻装されたそれぞれ電気的位相の異なる三相(U相,V相,W相)の相巻線よりなる固定子巻線(22)と、を備えた回転電機の固定子において、各前記相巻線は、電気的に並列接続された2本の部分巻線(221,222)よりなり、各前記相スロットには、各前記相巻線の前記スロット収容部が4本ずつ径方向1列に収容され、前記各相巻線の並列接続された2本の前記部分巻線はそれぞれ、周方向に並んだ2個の同相の前記スロットにおいて内周側から第3層及び第4層に収容されているとともに、2種の異相の前記スロットそれぞれにおける周方向に並んだ2個のうちの1個の前記スロットにおいて内周側から第1層及び第2層に収容されている。
本発明によれば、各相巻線は、スロット群に収容される全スロット収容部のうちの1/2のスロット収容部が同相スロットに収容され、他の異相スロットに全スロット収容部のうちの1/4のスロット収容部がそれぞれ収容されている。このようにすると、各相巻線のうち、他の2つの異相スロットに収容されたスロット収容部に発生する起磁力は半減する。そのため、固定子巻線全体に発生する起磁力は、各相巻線のスロット収容部の全部が同相スロットに収容されている従来の固定子巻線に比べて0.75倍になる。これにより、Δ結線方式を混合せずにY結線方式だけで3/4の低減した起磁力を発生する固定子巻線を実現することができるため、循環電流による損失増加を防ぐことができる。また、奇数ターンに相当する所望の起磁力(特性)を発生する固定子巻線を有する固定子を得ることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載された各部材や部位の後の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的な部材や部位との対応関係を示すものである。
実施形態1に係る固定子を搭載した回転電機の軸方向断面図である。 実施形態1に係る固定子の全体斜視図である。 実施形態1において固定子コアのスロットに導体セグメントを挿入する状態を示す説明図である。 実施形態1において導体セグメントが収容される固定子コアのスロットを説明するための固定子の部分断面図である。 実施形態1に係る固定子の部分断面図である。 実施形態1に係る固定子の第2コイルエンド部の一部を示す斜視図である。 実施形態1に係る固定子巻線の結線図である。 実施形態1に係る固定子において各相スロットに収容された各相巻線の配置状態を模式的に示す説明図である。 変形例1に係る固定子において各相スロットに収容された各相巻線の配置状態を模式的に示す説明図である。 実施形態2に係る固定子巻線の結線図である。 実施形態2に係る固定子において各相スロットに収容された各相巻線の配置状態を模式的に示す説明図である。
以下、本発明に係る回転電機の実施形態について図面を参照して具体的に説明する。
〔実施形態1〕
本実施形態に係る回転電機1は、車両用交流発電機として用いられるものである。この回転電機1は、図1に示すように、電機子として働く固定子2と、界磁として働く回転子3と、固定子2および回転子3を収容し、締結ボルト4cによって連結、固定されたフロントハウジング4aおよびリアハウジング4bと、交流電力を直流電力に変換する整流器5等を含んで構成されている。
固定子2は、図2に示すように、周方向に複数のスロット25を有する固定子コア21と、複数の導体セグメント50を接続して形成されたセグメント型の固定子巻線22と、を備えている。この固定子2は、フロントハウジング4aおよびリアハウジング4b間で挟持されることにより固定されており、回転子3の外周側に所定のエアギャップを介して配置されている。固定子2の詳細な構造については後述する。
回転子3は、図1に示すように、フロントハウジング4aおよびリアハウジング4bに回転可能に支持されたシャフト33と一体になって回転するもので、ランデル型ポールコア32と、界磁巻線31とを備えている。なお、シャフト33の前端部には、自動車に搭載された走行用のエンジンに図示しないベルト等を介して連結されたプーリ20が固定されている。
ランデル型ポールコア32は、フロント側およびリア側の一組のポールコア32a、32bを組み合わせて構成されている。各ポールコア32a、32bは、それぞれが6個の爪状磁極部32cを有し、絶縁処理された銅線を円筒状かつ同心状に巻回して構成された界磁巻線31を前後両側から挟み込むようにシャフト33に嵌挿されている。本実施形態では、ポールコア32a、32bは、各8個の磁極を持ち、即ち、16極の回転子3を形成している。
フロントハウジング4aの軸方向端面(前端面)およびリアハウジング4bの軸方向端面(後端面)には、吸入孔42a、42bがそれぞれ設けられている。そして、フロント側の吸入孔42aから吸い込んだ冷却風を軸方向および径方向に吐き出すための斜流ファン35がフロント側のポールコア32aの前端面に溶接等により固着されている。同様に、リア側の吸入孔42bから吸い込んだ冷却風を径方向に吐き出すための遠心ファン36がリア側のポールコア32bの後端面に溶接等により固着されている。また、フロントハウジング4aおよびリアハウジング4bには、固定子コア21の軸方向両端から突出した固定子巻線22のコイルエンド部22bに対向した部分に冷却風の吐出孔41がそれぞれ設けられている。
シャフト33の後端部には、界磁巻線31の両端に電気的に接続されたスリップリング37、38が形成されており、これらのスリップリング37、38を介してブラシ装置7から界磁巻線31に対して給電が行われるようになっている。
上述した構成を有する車両用交流発電機1は、ベルト等を介してプーリ20にエンジンからの回転力が伝えられると、回転子3がシャフト33と共に所定方向に回転する。この状態で、スリップリング37、38を介してブラシ装置7から回転子3の界磁巻線31に励磁電圧を印加することにより、ポールコア32a、32bのそれぞれの爪状磁極部32cが励磁されて、回転子3の回転周方向に沿って交互にNS磁極が形成される。これにより、固定子巻線22に三相交流電圧を発生させることができ、整流器5の出力端子から所定の直流電流を取り出すことができる。
次に、固定子2の詳細について図2〜図8を参照しつつ説明する。固定子2は、周方向に順番に繰り返し配置されたU相スロット、V相スロット及びW相スロットよりなるスロット群を有する固定子コア21と、スロット群に収容されて固定子コア21に巻装されたそれぞれ電気的位相の異なる三相(U相,V相,W相)の相巻線よりなる固定子巻線22と、を備えている。
固定子コア21は、円環状の複数の電磁鋼板を軸方向に積層して形成されている。この固定子コア21は、外周部を構成する円環状のバックコア部21aと、バックコア部21aから径方向内方へ突出し周方向に所定距離を隔てて配列された複数のティース部21bとを有する。固定子コア21の隣接する二つのティース部21bの間には、多相の固定子巻線22を収容できるように、軸方向に貫通するスロット25が形成されている。
固定子コア21に形成されたスロット25の数は、回転子3の磁極数(16磁極)に対し、固定子巻線22の1相あたり2個の割合で形成されており、スロット倍数が2とされている。即ち、固定子コア21には、主として同一相の相巻線が収容される同相スロットが前記磁極ごとに周方向に連続して2個ずつ設けられている。よって、本実施形態の場合には、16×3×2=96より、スロット数は96個とされている。なお、96個のスロット25は、U相巻線が主として収容されるU相スロットと、V相巻線が主として収容されるV相スロットと、W相巻線が主として収容されるW相スロットとが、周方向に2個ずつ順番に繰り返し配置されてスロット群を構成している(図8参照)。
固定子コア21のスロット25に巻装された固定子巻線22は、複数のU字形状の導体セグメント50を接続して形成されている。導体セグメント50は、例えば銅等の良導電性金属材料よりなる導体部と、導体部の外周表面を覆う絶縁皮膜とからなる断面が矩形の角線で形成されている。この導体セグメント50は、図3に示すように、互いに平行な一対の直線部51,51と、両直線部51,51の一端同士を連結するターン部52とからなる。ターン部52の中央部には、固定子コア21の端面に沿って延びる頭頂段部53が設けられており、頭頂段部53の両側には、固定子コア21の端面に対して所定の角度で傾斜した傾斜部が設けられている。なお、符号24は、固定子コア21と固定子巻線22との間を電気絶縁する絶縁シート部材である。
図3には、隣接する2個の同相スロット25A,25Bに挿入配置される2個で一組の導体セグメント(50A,50B)(50C,50D)が示されている。この場合、2個の導体セグメント50A,50Bは、それらの一対の直線部(51a,51b)(51c,51d)が、同一のスロット25ではなく、隣接した2個の同相スロット25A,25Bに別々に軸方向一方側から挿入される。
即ち、図3の左側にある2個の導体セグメント50A,50Bのうち、一方の導体セグメント50Aは、図4に示すように、一方の直線部51aが一のスロット25Aの第2層に挿入され、他方の直線部51bが固定子コア21の反時計回り方向に1磁極ピッチ(NS磁極ピッチ)離れた他のスロット25A’の第1層(最内層)に挿入される。そして、他方の導体セグメント50Bは、一方の直線部51aがスロット25Aと隣接したスロット25B(図3参照)の第2層に挿入され、他方の直線部51bが固定子コア21の反時計回り方向に1磁極ピッチ(NS磁極ピッチ)離れた他のスロット(図示せず)の第1層(最内層)に挿入される。
また、図3の右側にある2個の導体セグメント50C,50Dのうち、一方の導体セグメント50Cは、図4に示すように、一方の直線部51cが一のスロット25Aの第4層(最外層)に挿入され、他方の直線部51dが固定子コア21の反時計回り方向に1磁極ピッチ(NS磁極ピッチ)離れた他のスロット25A’の第3層に挿入される。そして、他方の導体セグメント50Dは、一方の直線部51cがスロット25Aと隣接したスロット25B(図3参照)の第4層(最外層)に挿入され、他方の直線部51dが固定子コア21の反時計回り方向に1磁極ピッチ(NS磁極ピッチ)離れた他のスロット(図示せず)の第3層に挿入される。
このようにして、2個で一組の導体セグメント(50A,50B)(50C,50D)は、それぞれ周方向に1スロットピッチずれた状態で、全スロット25に対して挿入配置される。これにより、固定子コア21の各スロット25には、図5に示すように、それぞれ偶数本(本実施形態では4本)の導体セグメント50の直線部51a〜51dが挿入配置される。一つのスロット25内に挿入配置された4本の直線部51a〜51dは、図5に示すように、径方向1列に整列配置されている。
各スロット25から軸方向他方側へ延出した導体セグメント50の一対の直線部51a〜51dの開放端部は、固定子コア21の軸方向端面に対して所定の角度をもって斜めに斜行するように互いに周方向反対側へ捻られて、約半磁極ピッチ分の長さの斜行部が形成されている。したがって、各導体セグメント50の一対の直線部51,51は、スロット5に収容されたスロット収容部と、スロット25の外部で周方向に斜行する斜行部とを有する。そして、固定子コア21の軸方向他端側において、各導体セグメント50の接続すべき所定の斜行部の先端部同士が溶接により接合されて所定のパターンで電気的に接続される。
即ち、本実施形態の場合には、図6に示すように、内周側から第1層に位置する直線部51bの斜行部と第2層に位置する直線部51aの斜行部の先端部同士が接合され、第3層に位置する直線部51dの斜行部と第4層に位置する直線部51cの斜行部の先端部同士が接合される。これにより、所定の導体セグメント50が所定のパターンで直列に接続されることにより、固定子コア21のスロット25に沿って周方向に波巻きで巻回された三相(U相、V相、W相)の相巻線よりなる固定子巻線22が形成される。
この固定子巻線22の軸方向一端部には、多数のターン部52の集合体によって円環状の第1コイルエンド部22aが形成されている(図2参照)。また、固定子巻線22の軸方向他端部には、多数の斜行部の集合体によって円環状の第2コイルエンド部22bが形成されている(図2及び図6参照)。
なお、固定子巻線22の各相について、基本となるU字形状の導体セグメント50により、固定子コア21の周りを4周する巻線(コイル)が形成される。しかし、固定子巻線22の各相について、出力用引き出し線及び中性点用引き出し線を一体に有するセグメント、並びに1周目と2周目とを接続するターン部等を有するセグメントは、基本となる導体セグメント50とは異なる異形セグメント(図示せず)で構成される。これら異形セグメントを用いて、図7に示すように、固定子巻線22のそれぞれ2本の部分巻線221,222が並列接続された各相巻線(U相巻線,V相巻線,W相巻線)の巻線端がY結線方式で結線される。
本実施形態の場合、各相巻線は、図7及び図8に示すように、各スロット25に収容される全スロット収容部のうちの1/2のスロット収容部が同相スロットに収容され、他の2つの異相スロットに全スロット収容部のうちの1/4のスロット収容部がそれぞれ収容されている。なお、図7において、各相巻線の各スロット収容部には、収容されるスロット相が記載されている。
即ち、U相巻線の一方の部分巻線221は、内周側の2本のスロット収容部が+Uスロットの第1層及び第2層に収容され、外周側の2本のスロット収容部が−Wスロットの第3層及び第4層と−Vスロットの第3層及び第4層に収容されている。また、U相巻線の他方の部分巻線222も同様に、内周側の2本のスロット収容部が+Uスロットの第1層及び第2層に収容され、外周側の2本のスロット収容部が−Vスロットの第3層及び第4層と−Wスロットの第3層及び第4層に収容されている。この場合、他の2つの異相スロットに1/4ずつ収容されたスロット収容部に発生する起磁力はそれぞれ半減するため、U相巻線全体では3T分の起磁力が発生することとなる。
そして、V相巻線の一方の部分巻線221は、内周側の2本のスロット収容部が+Vスロットの第1層及び第2層に収容され、外周側の2本のスロット収容部が−Uスロットの第3層及び第4層と−Wスロットの第3層及び第4層に収容されている。また、V相巻線の他方の部分巻線222も同様に、内周側の2本のスロット収容部が+Vスロットの第1層及び第2層に収容され、外周側の2本のスロット収容部が−Wスロットの第3層及び第4層と−Uスロットの第3層及び第4層に収容されている。この場合、他の2つの異相スロットに1/4ずつ収容されたスロット収容部に発生する起磁力はそれぞれ半減するため、V相巻線全体では3T分の起磁力が発生することとなる。
そして、W相巻線の一方の部分巻線221は、内周側の2本のスロット収容部が+Wスロットの第1層及び第2層に収容され、外周側の2本のスロット収容部が−Vスロットの第3層及び第4層と−Uスロットの第3層及び第4層に収容されている。また、W相巻線の他方の部分巻線222も同様に、内周側の2本のスロット収容部が+Wスロットの第1層及び第2層に収容され、外周側の2本のスロット収容部が−Uスロットの第3層及び第4層と−Vスロットの第3層及び第4層に収容されている。この場合、他の2つの異相スロットに1/4ずつ収容されたスロット収容部に発生する起磁力はそれぞれ半減するため、W相巻線全体では3T分の起磁力が発生することとなる。
したがって、本実施形態の固定子巻線22全体でみれば、各相巻線のスロット収容部の全部が同相スロットに収容されている従来の場合に比べて、起磁力が0.75倍になる。
以上のように構成された本実施形態の固定子2によれば、各相巻線は、各スロット25に収容される全スロット収容部のうちの1/2のスロット収容部が同相スロットに収容され、他の2つの異相スロットに全スロット収容部のうちの1/4のスロット収容部がそれぞれ収容されている。そのため、固定子巻線全体に発生する起磁力は、各相巻線のスロット収容部の全部が同相スロットに収容されている従来の固定子巻線に比べて0.75倍になる。これにより、Δ結線方式を混合せずにY結線方式だけで3/4に低減した起磁力を発生する固定子巻線22を実現することができるため、循環電流による損失増加を防ぐことができる。
また、本実施形態の固定子巻線22は、各相巻線が上記のように構成されていることから、従来では4Tや2T等の偶数ターンしか実現できなかった、複数の導体セグメント50の接続すべき所定の端部同士を接続することにより形成されたセグメント型の巻線において、3T(奇数ターン)分の起磁力を発生する巻線を実現することができる。
特に、本実施形態では、各相巻線は、電気的に並列接続された2本の部分巻線221,222よりなり、スロット群は、各相スロットが周方向に2個ずつ順番に繰り返し配置されることにより構成され、各相スロットには、部分巻線221,222のスロット収容部が4本ずつ径方向1列に収容されている。これにより、各スロット25に各相巻線のスロット収容部が4本ずつ収容されている構造で3T分の起磁力を発生する固定子巻線22を実現することができる。
さらに、各相スロットに収容された4本の各相巻線のスロット収容部は、内周側の2本が各相スロットと同相の各相巻線のスロット収容部であり、外周側の2本が各相スロットと異相の各相巻線のスロット収容部である。これにより、各相巻線を構成する電気的に並列接続された2本の部分巻線221,222同士が平衡するため、並列ループ内で循環電流が流れないので、循環電流に起因する電気的損失を防ぐことができる。
〔変形例1〕
上記の実施形態1では、各相スロットに収容された4本の各相巻線のスロット収容部は、内周側の2本が各相スロットと同相の各相巻線のスロット収容部とされ、外周側の2本が各相スロットと異相の各相巻線のスロット収容部とされていた。これに代えて、図9に示す変形例1のように、内周側の2本を各相スロットと異相の各相巻線のスロット収容部とし、外周側の2本を各相スロットと同相の各相巻線のスロット収容部としてもよい。
即ち、変形例1の場合には、図9に示すように、U相巻線の一方の部分巻線221は、外周側の2本のスロット収容部が+Uのスロット25の第3層及び第4層に収容され、内周側の2本のスロット収容部が−Wのスロット25の第1層及び第2層と−Vのスロット25の第1層及び第2層に収容されている。また、U相巻線の他方の部分巻線222も同様に、外周側の2本のスロット収容部が+Uのスロット25の第3層及び第4層に収容され、内周側の2本のスロット収容部が−Vのスロット25の第1層及び第2層と−Wのスロット25の第1層及び第2層に収容されている。この場合にも、他の2つの異相スロットに1/4ずつ収容されたスロット収容部に発生する起磁力はそれぞれ半減するため、U相巻線全体では3T分の起磁力が発生することとなる。
そして、V相巻線の一方の部分巻線221は、外周側の2本のスロット収容部が+Vのスロット25の第3層及び第4層に収容され、内周側の2本のスロット収容部が−Uのスロット25の第1層及び第2層と−Wのスロット25の第1層及び第2層に収容されている。また、V相巻線の他方の部分巻線222も同様に、外周側の2本のスロット収容部が+Vのスロット25の第3層及び第4層に収容され、内周側の2本のスロット収容部が−Wのスロット25の第1層及び第2層と−Uのスロット25の第1層及び第2層に収容されている。この場合にも、他の2つの異相スロットに1/4ずつ収容されたスロット収容部に発生する起磁力はそれぞれ半減するため、V相巻線全体では3T分の起磁力が発生することとなる。
そして、W相巻線の一方の部分巻線221は、外周側の2本のスロット収容部が+Wのスロット25の第3層及び第4層に収容され、内周側の2本のスロット収容部が−Vのスロット25の第1層及び第2層と−Uのスロット25の第1層及び第2層に収容されている。また、W相巻線の他方の部分巻線222も同様に、外周側の2本のスロット収容部が+Wのスロット25の第3層及び第4層に収容され、内周側の2本のスロット収容部が−Uのスロット25の第1層及び第2層と−Vのスロット25の第1層及び第2層に収容されている。この場合にも、他の2つの異相スロットに1/4ずつ収容されたスロット収容部に発生する起磁力はそれぞれ半減するため、W相巻線全体では3T分の起磁力が発生することとなる。
以上のように構成された変形例1の場合にも、各相巻線を構成する電気的に並列接続された2本の部分巻線221,222同士が平衡するため、並列ループ内で循環電流が流れないので、循環電流に起因する電気的損失を防ぐことができる。
〔実施形態2〕
実施形態2に係る回転電機の固定子(図示せず)は、基本的構成が実施形態1と同じであるが、磁極数が16個の回転子3に対して、スロット倍数が1に変更され、固定子コア21に形成されたスロット25の数が48個とされている点、及び三相(U相,V相,W相)の固定子巻線22がそれぞれ直列接続された1本の相巻線よりなる点で実施形態1と異なる。よって、実施形態1と共通する部材や構成についての詳しい説明は省略し、以下、異なる点および重要な点について説明する。なお、実施形態1と共通する部材や部位については同じ符号を用いる。
実施形態2の固定子コア21の内周側には、周方向に沿って48個のスロット25が等間隔に設けられている。48個のスロット25は、U相巻線が主として収容されるU相スロットと、V相巻線が主として収容されるV相スロットと、W相巻線が主として収容されるW相スロットとが、周方向に1個ずつ順番に繰り返し配置されてスロット群を構成している。
実施形態2の固定子巻線22は、図10に示すように、それぞれ直列に電気的に接続された3本の各相巻線(U相巻線,V相巻線,W相巻線)の巻線端がY結線方式で結線されている。実施形態2の場合にも、各相巻線は、図10及び図11に示すように、各スロット25に収容される全スロット収容部のうちの1/2のスロット収容部が同相スロットに収容され、他の2つの異相スロットに全スロット収容部のうちの1/4のスロット収容部がそれぞれ収容されている。
即ち、U相巻線は、出力側の2本のスロット収容部が+Uスロットの第1層及び第2層に収容され、出力側から3番目のスロット収容部が−Vスロットの第4層に収容され、出力側から4番目(最中性点側)のスロット収容部が−Wスロットの第3層に収容されている。この場合、他の2つの異相スロットに1/4ずつ収容されたスロット収容部に発生する起磁力はそれぞれ半減するため、U相巻線全体では3T分の起磁力が発生することとなる。
そして、V相巻線は、出力側の2本のスロット収容部が+Vスロットの第1層及び第2層に収容され、出力側から3番目のスロット収容部が−Wスロットの第4層に収容され、出力側から4番目(最中性点側)のスロット収容部が−Uスロットの第3層に収容されている。この場合、他の2つの異相スロットに1/4ずつ収容されたスロット収容部に発生する起磁力はそれぞれ半減するため、V相巻線全体では3T分の起磁力が発生することとなる。
そして、W相巻線は、出力側の2本のスロット収容部が+Wスロットの第1層及び第2層に収容され、出力側から3番目のスロット収容部が−Uスロットの第4層に収容され、出力側から4番目(最中性点側)のスロット収容部が−Vスロットの第3層に収容されている。この場合、他の2つの異相スロットに1/4ずつ収容されたスロット収容部に発生する起磁力はそれぞれ半減するため、W相巻線全体では3T分の起磁力が発生することとなる。
以上のように構成された実施形態2の固定子によれば、Δ結線方式を混合せずにY結線方式だけで3/4に低減した起磁力を発生する固定子巻線22を実現することができるため、循環電流による損失増加を防ぐことができるなど、実施形態1と同様の作用及び効果を奏する。
〔他の実施形態〕
本発明は、上記の実施形態1,2及び変形例1に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更することが可能である。
例えば、上記の実施形態1,2及び変形例1において、各相スロットに収容された4本の各相巻線のスロット収容部は、実施形態1,2及び変形例1に示された位置や順番に限定されることはなく、任意の位置や順番に配置することができる。但し、接続すべき導体セグメント50の端部同士が遠く離れたり、接続関係が複雑になったりする可能性がある。その点、実施形態1,2及び変形例1の場合には、それらの問題を回避することが可能である。
また、上記の実施形態1,2及び変形例1では、本発明に係る回転電機の固定子を車両用交流発電機に適用した例を説明したが、本発明は、車両に搭載される回転電機として、発電機、あるいは電動機、さらには両者を選択的に使用し得る回転電機にも適用することができる。
〔参考例〕
上記の実施形態1,2及び変形例1では、三相の固定子巻線22において、各スロット25に各相巻線のスロット収容部が4本ずつ収容されている構造で3T分の起磁力を発生する例を説明した。しかし、本発明と同様の方法で、各スロット25にスロット収容部が6本ずつ収容されている構造で5T分の起磁力を発生するものや、各スロット25にスロット収容部が8本ずつ収容されている構造で7T分の起磁力を発生するものも実現することができる。
1…車両用交流発電機(回転電機)、 2…固定子、 3…回転子、 21…固定子コア、 22…固定子巻線、 221,222…部分巻線、 25…スロット、 50…導体セグメント。

Claims (3)

  1. 周方向に2個ずつ順番に繰り返し配置されたU相スロット、V相スロット及びW相スロットよりなるスロット群を有する固定子コア(21)と、前記スロット群に収容されるスロット収容部を有するとともに前記固定子コアに巻装されたそれぞれ電気的位相の異なる三相(U相,V相,W相)の相巻線よりなる固定子巻線(22)と、を備えた回転電機の固定子において、
    各前記相巻線は、電気的に並列接続された2本の部分巻線(221,222)よりなり、
    各前記相スロットには、各前記相巻線の前記スロット収容部が4本ずつ径方向1列に収容され、
    前記各相巻線の並列接続された2本の前記部分巻線はそれぞれ、周方向に並んだ2個の同相の前記スロットにおいて内周側から第1層及び第2層に収容されているとともに、2種の異相の前記スロットそれぞれにおける周方向に並んだ2個のうちの1個の前記スロットにおいて内周側から第3層及び第4層に収容されていることを特徴とする回転電機の固定子。
  2. 周方向に2個ずつ順番に繰り返し配置されたU相スロット、V相スロット及びW相スロットよりなるスロット群を有する固定子コア(21)と、前記スロット群に収容されるスロット収容部を有するとともに前記固定子コアに巻装されたそれぞれ電気的位相の異なる三相(U相,V相,W相)の相巻線よりなる固定子巻線(22)と、を備えた回転電機の固定子において、
    各前記相巻線は、電気的に並列接続された2本の部分巻線(221,222)よりなり、
    各前記相スロットには、各前記相巻線の前記スロット収容部が4本ずつ径方向1列に収容され、
    前記各相巻線の並列接続された2本の前記部分巻線はそれぞれ、周方向に並んだ2個の同相の前記スロットにおいて内周側から第3層及び第4層に収容されているとともに、2種の異相の前記スロットそれぞれにおける周方向に並んだ2個のうちの1個の前記スロットにおいて内周側から第1層及び第2層に収容されていることを特徴とする回転電機の固定子。
  3. 前記固定子巻線は、各前記スロットに軸方向一方側から挿入されて各前記スロットから軸方向他方側に延出した複数の導体セグメント(50)の接続すべき所定の端部同士を接続することにより形成されたセグメント型のものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転電機の固定子。
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