JP6145322B2 - 地中壁および地中壁の施工方法 - Google Patents

地中壁および地中壁の施工方法 Download PDF

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
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Description

本発明は、例えば休廃した坑道やダクト等地中の空洞部に対して、または地中の空洞部を含む領域に地中壁を構築する地中壁の施工方法等に関する。
従来、地中に例えば不透水性の連続壁などの壁体を構築するためには、地上から壁体を構築する部位を開削し、当該部位に壁体を構築する方法がある。例えば、地上から開削した掘削溝に不透水製膜材を配置し、不透水製膜材の内部に中詰材を充填する方法がある(特許文献1)。
また、例えば、地上からフィン付の凍結管を複数設置し、地中に連続した凍土壁を構築する方法がある(特許文献2)。
特開昭63−130818号公報 特開2006−52604号公報 特開平9−242080号公報
しかし、特許文献1の方法では、地上から掘削溝を開削する必要がある。このため、地中に壁体を構築するためには、地上から壁体の構築部までを壁体部をすべて掘削する必要があった。
また、特許文献1の方法は、地下に存在する空洞部に壁体を作るものではない。例えば、地中に坑道やダクトなどが存在する場合、このような空洞部の内部に、または空洞部を含む領域に壁体を構築するためには、当該空洞部まで通じる掘削溝などを設ける必要があった。
また、特許文献2では、壁体を構築する部位には、凍結する対象が必要となる。したがって、特許文献2も、地中(土中)に連続壁を構築するものではあるが、空洞部に連続壁を構築するものではない。なお、仮に空洞部に水が滞留する場合には、水が凍結対象となり得る。しかし、通常、水は対流するため、水中に凍結管を配置して冷媒を流しても、凍結管周囲の冷却された水が、温度差により発生する対流によって凍結管周囲から流れてしまい、効率よく凍結壁を形成することは困難であった。
一方、特許文献3には凍結管周囲の冷却時に温度差により発生する水の対流を防止するために、スポンジからなる止水材を利用して凍結させることを特徴とする止水の施工方法が開示されている。しかし、この方法は、水域締切工における止水を行うものであり、すでに水没した空洞部内の全体またはその空洞の周囲に対して凍結壁を形成するものではない。
このように、地中に坑道やダクト等の空洞部がある場合、地中の空洞部に対して、または、空洞部を含む領域に地中壁を構築することにはこれら問題点があった。本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、地中に存在する空洞部の内部、または地中の空洞部周辺に効率よく地中壁を形成することが可能な地中壁の施工方法等を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、地中の空洞部の内部に地中壁を形成する地中壁の施工方法であって、地上より、前記空洞部に達するように孔を削孔する工程aと、前記孔から前記空洞部の内部に袋体を挿入し、前記空洞部の内部に前記袋体を配設する工程bと、前記袋体に地上から充填材を圧送し、前記袋体を前記空洞部の内部で膨張させて、前記袋体によって前記空洞部の内部に地中壁を構築する工程cと、を具備し、前記空洞部には、液体が貯留滞留しており、前記工程bでは、前記袋体は、凍結管に取り付けられて、前記空洞部の内部に挿入され、前記工程cの後、前記凍結管に冷媒を流し、前記袋体の周囲を凍結させる工程dを具備することを特徴とする地中壁の施工方法である。
また、第2の発明は、地中の空洞部の内部に地中壁を形成する地中壁の施工方法であって、地上より、前記空洞部に達するように孔を削孔する工程aと、前記孔から前記空洞部の内部に袋体を挿入し、前記空洞部の内部に前記袋体を配設する工程bと、前記袋体に地上から充填材を圧送し、前記袋体を前記空洞部の内部で膨張させて、前記袋体によって前記空洞部の内部に地中壁を構築する工程cと、を具備し、前記空洞部には、液体が滞留しており、前記工程aでは、前記孔の近傍に、前記孔とは別の凍結管挿入孔を削孔し、前記工程bでは、前記袋体とは別に、前記空洞部へ達する前記凍結管挿入孔から、前記空洞部の内部に凍結管が挿入され、前記工程cの後、前記凍結管に冷媒を流し、前記袋体の周囲を凍結させる工程dを具備することを特徴とする地中壁の施工方法である。
また、第3の発明は、地中の空洞部の内部に地中壁を形成する地中壁の施工方法であって、地上より、前記空洞部に達するように孔を削孔する工程aと、前記孔から前記空洞部の内部に袋体を挿入し、前記空洞部の内部に前記袋体を配設する工程bと、前記袋体に地上から充填材を圧送し、前記袋体を前記空洞部の内部で膨張させて、前記袋体によって前記空洞部の内部に地中壁を構築する工程cと、を具備し、前記空洞部には、液体が滞留しており、前記工程bの前または後に、前記孔に凍結管を挿入する工程eをさらに具備し、前記工程cの後、前記凍結管に冷媒を流し、前記袋体の周囲を凍結させる工程dを具備することを特徴とする地中壁の施工方法である。
また、第4の発明は、地中の空洞部の内部に地中壁を形成する地中壁の施工方法であって、地上より、前記空洞部に達するように孔を削孔する工程aと、前記孔から前記空洞部の内部に袋体を挿入し、前記空洞部の内部に前記袋体を配設する工程bと、前記袋体に地上から充填材を圧送し、前記袋体を前記空洞部の内部で膨張させて、前記袋体によって前記空洞部の内部に地中壁を構築する工程cと、を具備し、前記空洞部には、液体が滞留しており、前記孔に凍結管を挿入し、前記袋体の近傍に凍結管を配置し、前記工程cの後、前記凍結管に冷媒を流し、前記袋体の周囲を凍結させる工程dを具備することを特徴とする地中壁の施工方法である。
第1〜第4の発明において、前記工程aでは、複数の孔を併設して削孔し、前記工程bでは、それぞれの前記孔から前記空洞部の内部に前記袋体を挿入し、前記空洞部の内部に前記袋体を併設し、前記工程cでは、それぞれの前記袋体を前記空洞部の内部で膨張させて連続壁とすることが望ましい。
第1の発明において、前記袋体は、中央に貫通部を有し、前記凍結管は前記袋体の前記貫通部を貫通し、前記工程cでは、前記袋体を前記凍結管の周囲に膨張させてもよい。
前記工程aでは、管状の第1のガイド部材を用い、前記第1のガイド部材と前記空洞部の上部外面とを接合して前記孔を形成してもよい。
前記空洞部の内部に前記袋体を複数列に配置してもよい。
第1〜第4の発明によれば、空洞部まで削孔し、孔から空洞内に袋体を挿入し、空洞内で膨張させることで空洞内部に地中壁を構築することができる。したがって、空洞まで通じる掘削溝などが必要なく、また、空洞には、袋体を挿入可能な孔のみを形成すればよいため、施工作業が容易である。
なお、本発明における地中における「空洞部」とは、土砂等で埋設されていない空間を指すものである。したがって、後述するように、例えばコンクリートなどの構造体によって周囲の土砂等と隔離された空間が水没して水などが滞留した状態であっても、当該部位を「空洞部」と称し、この場合には、「空洞部に水が滞留している状態」とする。すなわち、液体で満たされた空間も「空洞部」と称する。
また、袋体を複数併設することで、個々の袋体の大きさを大きくすることなく、空洞部の幅全体にわたって地中壁を構築することができる。
また、空洞部に水が滞留している場合には、袋体と同時に凍結管を挿入し、袋体による地中壁を構築した後に、凍結管に冷媒を流すことで、袋体近傍に凍結壁を構築することができる。このため、空洞部を確実に閉塞することができる。この際、袋体によって、水の対流が抑制されるため、単に水中に凍結管を挿入する場合と比較して、より確実に凍結壁を構築することができる。
また、袋体が貫通部を有するような、たとえばドーナツ型の形状であれば、袋体の貫通部に凍結管を貫通させることができる。したがって、凍結管に冷媒を流した際に、凍結管の周囲の袋体によって、周囲の水の対流をより確実に抑制することができる。
また、空洞部に水が滞留している場合に、袋体とは別に、他の凍結管挿入孔から凍結管を挿入しても、袋体近傍に凍結壁を構築することができる。この場合には、袋体の設置位置及び設置数と、凍結管の設置位置及び設置数を変えることができるため、状況に応じて、袋体に対する凍結管の設置数等を変更することができる。
空洞部に水が滞留している場合に、掘削孔から袋体の挿入と前後して凍結管を挿入しても、袋体近傍に凍結壁を構築することができる。この場合には、袋体の設置作業と、凍結管の設置作業とを別々に行うことができる。
また、管状の第1のガイド部材を用いて、第1のガイド部材の下端を空洞部の上面に接合することで、例えば、空洞部に滞留されている水が、地中に漏出すことを防止することができる。このため、確実に空洞部に地中壁を構築することができる。
また、さらに第2のガイド部材を用い、第2のガイド部材を第1のガイド部材の内部に挿通して、その下端を空洞部の底面に接合することで、空洞部の下方をさらに掘削しても、空洞部の内部の水が地中に漏出することを防止することができる。
また、空洞部に、袋体を複数列に形成することで、空洞部をより確実に閉塞することができる。
また、袋体同士の隙間や、袋体と空洞部内壁面との間の隙間に、充填部材を充填することで、この隙間を確実に埋めることができる。
の発明は、地中の空洞部の内部に形成される地中壁であって、袋体と、前記袋体の近傍に設けられた凍結管と、を具備し、前記空洞部には、水が滞留しており、地上から掘削され、前記空洞部に達する掘削孔に、前記凍結管が挿入されており、前記空洞部の内部には、前記袋体が併設され、前記袋体には、充填材が充填されており、前記袋体の周囲は、前記凍結管によって凍結されていることを特徴とする地中壁である。
の発明によれば、水が滞留する空洞部の内部を確実に閉塞することが可能である。
本発明によれば、地中に存在する空洞部の内部に、または地中の空洞部周辺に効率よく地中壁を形成することが可能な地中壁の施工方法等を提供することができる。
地面に掘削孔3を形成した状態を示す図で、(a)は立面図、(b)は平面図。 掘削孔3に管体9とともに袋体7を挿入した状態を示す立面図。 袋体7に充填剤を充填して膨張させた状態を示す図で、(a)は立面図、(b)は平面図、(c)は(b)のC−C線断面図。 袋体7一つで地中壁10aを構築した状態を示す図。 (a)は、袋体7を複数列配置して地中壁10bを構築した状態を示す図、(b)は(a)に対して、さらに、充填部材8を充填した状態を示す図。 地面に掘削孔3を形成してガイド部材13を配置した状態を示す図で、(a)は立面図、(b)は(a)のA−A線断面図。 袋体7に充填剤を充填して膨張させた状態を示す図で、(a)は立面図、(b)は(a)のB−B線断面図。 凍結管11に冷媒を流した状態を示す図で、(a)は立面図、(b)は平面図。 図8に対して、さらに空洞部5の下方に凍土19を形成した状態を示す図。 他の実施形態を示す図。
以下、本発明の第1の実施の形態にかかる地中壁の施工方法について説明する。図1は、地表1に掘削孔3を形成した状態を示す図で、図1(a)は立面図、図1(b)は平面図である。
まず、休廃坑の坑道などの地中に空洞部5が存在する位置に、地表1から掘削孔3を形成する。掘削孔3は、例えばボーリングロッドなどを用いて形成される。掘削孔3は、後述する袋体(折りたたんだ状態)を挿入可能な程度の大きさでよい。また、掘削孔3は、空洞部5に達するように形成される。すなわち、空洞部5の長手方向に対して略垂直な方向から掘削孔3を削孔する。また、空洞部5の幅方向に対して、複数の掘削孔3を併設する。なお、図では、4つの掘削孔3を併設した例を示すが、掘削孔3の数や配置は、図示した例には限られない。
空洞部5は、例えば覆工コンクリート4で覆工されたトンネルである。空洞部5は、土砂等がない空間である。なお、前述したように、空洞部5は、水などで水没している場合もあるが、本実施形態では、特に水没等していない場合について説明する。
次に、図2に示すように、掘削孔3に管体9および袋体7を挿通する。袋体7は、例えば布製や樹脂製などの袋である。管体9は、袋体7と接続されている。袋体7は、折りたたまれた状態(縮径された状態)で掘削孔3に挿通される。また、袋体7の高さは、空洞部5の内部の高さに対応する。なお、一つの管体9には、一つの袋体7を接続してもよいが、複数の袋体7を接続してもよい。例えば、高さ方向に複数に分割した袋体7を、一つの管体9に接続してもよい。
次に、図3に示すように、図示を省略した圧送装置によって、管体9を介して、袋体7の内部に充填材を圧送する。充填材によって、袋体7は空洞部5の内部で膨張する。例えば、袋体7を、掘削孔3の径よりも大きな径に膨張させる。なお、充填材は、例えばグラウト材である。
この際、図3(b)、図3(c)に示すように、隣り合う袋体7同士を互いに密着させることが望ましい。また、袋体7と空洞部5の内側面とを密着させることが望ましい。このようにすることで、空洞部5に対して閉塞性の高い地中壁10を構築することができる。ただし、袋体7同士、または袋体7と空洞部5の内側面等との間に、多少の隙間が許容される場合には、互いに完全に密着させなくてもよい。多少の隙間がある場合でも、地中壁としての目的を達することができるし、後述する充填部材を充填して地中壁としてもよい。
なお、本発明の地中壁は、複数の袋体7を併設して構築されるもののみではなく、図4に示す地中壁10aのように、一つの袋体7で構築可能であれば、袋体7を複数併設しなくてもよい。すなわち、本発明の地中壁は、複数または単一の袋体7を空洞部5内部に配置することで形成されれば、袋体7の個数はいくつであってもよい。
また、図5(a)に示すように、空洞部5に障害物6が設けられる場合がある。障害物6は、例えば、空洞部5内に設けられた配管やラックなどである。このような場合には、障害物6によって、袋体7を空洞部5の全幅にわたって配置することが困難である。
このような場合には、空洞部5の幅方向に、袋体7を複数列に配置して構築してもよい。また、図5(b)に示すように、袋体7同士の隙間や、袋体7と空洞部5の内側面との隙間に充填部材8を充填してもよい。充填部材8は、例えばグラウト材などを用いることができる。なお、充填部材8は、充填対象部に通じるように新たに掘削孔(図示省略)を形成して地上から充填部材8を充填すればよい。このようにすることで、障害物6があるような場合でも、袋体7と充填部材8によって地中壁10bを構築することができる。
なお、障害物6がないような場合でも、袋体7を複数列に設けてもよい。この場合でも、袋体7同士の隙間などに充填部材8を充填してもよい。また、袋体7を一列のみ設けた場合でも、袋体7同士の隙間や袋体7と空洞部5の内側面との隙間に、充填部材8を充填してもよい。すなわち、本発明の地中壁は、空洞部5の幅方向および長手方向のいずれの方向に対しても、複数または単一の袋体7で構成することができ、さらに充填部材8を用いて構築することもできる。
以上、本実施の形態によれば、地中に存在する空洞部5の内部に、空洞部5を塞ぐような地中壁を容易に構築することができる。この際、地表1から地中壁の厚み分の掘削孔3を設ける必要がなく、袋体7を挿入可能な程度の大きさでよいため、施工性も優れる。
特に、複数の袋体7を併設することで、小さな袋体7を用いても、容易に空洞部5内部を塞ぐような地中壁を構築することができる。また、袋体7を複数列配置することで、より確実に、空洞部5内を閉塞することができる。さらに、袋体7同士等の間に形成される隙間に充填部材8を設けることで、隙間なく空洞部5内を閉塞することができる。なお、充填部材8のみで地中壁を形成することは困難であるが、袋体7同士の隙間などのように大きな隙間ではなければ、充填部材8によって隙間を塞ぐことができる。
また、袋体を複数列に配置し、さらに充填部材8を充填することで、空洞部5内部に障害物6が有ることによって袋体7を空洞部5の全幅にわたって配置できない場合でも、空洞部5内部に地中壁を構築することができる。
次に、第2の実施の形態について説明する。図6〜図9は、第2の実施形態を示す図である。なお、以下の説明において、図1〜図5に示した構成と同様の機能を奏する構成については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の説明では、図3に示した地中壁10のように、空洞部5内に、複数の袋体7を一列に併設する例を示すが、袋体7の設置形態等は、図4〜図5に示すような形態とすることもできる。
まず、図6(a)に示すように、地表1から掘削孔3を形成する。この際、掘削孔3には、筒状のガイド部材13が挿通される。掘削孔3が空洞部5の上部外面に達した段階で、掘削孔3に挿通されたガイド部材13の下端を空洞部5の上部外面に接合する。なお、ガイド部材13と空洞部5との接合は、例えば接着剤やモルタルその他の部材を用いてもよい。
ここで、本実施形態では、地中に地下水が存在して空洞部が水没している例を示す。ガイド部材13の上端は、少なくとも地下水位15よりも高い位置になるように設定される。このようにすることで、地中の地下水がガイド部材13の内部に流入することがない。
ガイド部材13と空洞部5との接合が完了した後、空洞部5の上壁部を貫通させて、掘削孔3を空洞部5に連通させる。ここで、本実施例では、空洞部5内に水などが滞留する。しかし、前述したように、ガイド部材13の下端が空洞部5の外面と接合されているため、空洞部5の内部の水が、掘削孔3から地中に流出することがない。また、前述したように、地中の地下水が空洞部5の内部に流入することもない。なお、空洞部5内の水に、所定の圧力が付与されている場合には、そのヘッド圧以上の高さまで、ガイド部材13を設ける。このようにすることで、空洞部5の内部の水が、外部に流出することがない。したがって、地下水の空洞部5への流出を防止することができる。
次に、掘削孔3(ガイド部材13)の内部に、凍結管11および袋体7を挿通する。袋体7は折り畳まれた状態で、空洞部5に挿入される。袋体7の設置態様は、第1の実施の形態で説明した通りである。なお、袋体7には、さらに、図示を省略した管体(図2の管体9に相当)が接続されている。凍結管11は、例えば二重管であり、内部に冷媒を流すことが可能である。
図6(b)は、図6(a)のA−A線断面図である。なお、凍結管11内部の断面構造は図示を省略する。袋体7は、略中央に貫通部17を有する。すなわち、袋体7は略ドーナツ形状である。凍結管11は、袋体7の貫通部17を貫通するように設けられる。なお、袋体7は、凍結管11に沿わせる形で貫通部17を有さないものを用いることもできる。また、必ずしも袋体7は凍結管11と同時に空洞部5に挿入される必要はない。袋体7の挿入の前に凍結管11を挿入してもよいし、袋体7を挿入した後に凍結管11を挿入してもよい。
次に、図7(a)に示すように、図示を省略した管体を介して、袋体7内に充填材を充填する。袋体7は、充填材によって空洞部5内で膨張する。なお、充填材としては、通常のグラウト材などを用いることができるが、熱伝導率の高いものが望ましい。
図7(b)は、図7(a)のB−B線断面図である。前述したように、凍結管11は、袋体7の貫通部17を貫通する。このため、袋体7は、凍結管11の外周部で膨張する。すなわち、袋体7の配置された範囲では、凍結管11が外部露出しない。
次に、図8に示すように、凍結管11に冷媒を流す。冷媒は水の凝固点以下の温度に設定される。このため、凍結管11の周囲が凍結する。例えば、地下水位15以下の範囲では、地下水が凝固し、凍土19となる。また、空洞部5内部では、袋体7の周囲の水が凍結し、凍結部21となる。
ここで、袋体7を用いずに、空洞部5内に直接凍結管11を挿入すると、凍結管11の周囲で冷やさた水は、周囲の水との温度差により、下方に流れて対流が生じる。したがって、凍結管11の周囲に水が留まらず、冷やされていない水が流れ込む。このため、凍結管11の周囲の水を凍結して凍結部21を形成することが困難である。
しかし、袋体7と組み合わせることで、袋体7によって構築された地中壁がこの対流を抑制することができる。例えば、袋体7同士の隙間等の水は、対流もせず熱容量も小さいため、直ちに凍結されて凍結部21の核を形成することができる。また、袋体7による壁体によって、空洞部における全体の水の移動を阻害できるので袋体7周囲の水の対流が抑制される。また、袋体の外形が複雑であることも、水の対流の抑制に寄与する。その結果、袋体7の周囲に比較的容易に凍結部21を形成することができる。すなわち、本実施形態では、袋体7は、地中壁を構成する1構成であるとともに、水の対流を抑制する機能を奏する。
本実施形態では、図8(b)に示すように、空洞部5を横切るように、連続した地中壁を形成することができる。例えば、空洞部5の内部は、袋体7と凍結管11とを組み合わせて、空洞部5の幅方向に地中壁10cを形成し、空洞部5の外部は、通常の凍結管11により凍土19を形成することができる。
また、空洞部5の上部のみではなく、下部にも地中壁を構築することもできる。この場合には、空洞部5まで達する掘削孔3を設けた後、ガイド部材13の内部に筒状のガイド部材23を挿通する。ガイド部材23の外周部には、袋体7が接続される。ガイド部材23の下端は空洞部5の内面下部に接合される。ガイド部材23と空洞部5との接合は、ガイド部材13と空洞部5との接合と同様である。ガイド部材23の下端を空洞部5の内面に接合した後、空洞部5の下部を貫通させる。このようにすることで、空洞部5内の水が、空洞部5の下方の地中に漏れだすことを防止することができる。さらに空洞部5の下部の不透水層25まで掘削孔を形成する。
次に、ガイド部材23の内部に凍結管11を挿通する。凍結管11は、空洞部5の下方の不透水層25に達するように設けられる。袋体7に充填材を充填した後、凍結管11に冷媒を流す。このようにすることで、空洞部5の内部には地中壁10cを形成するとともに、空洞部5の上方の地下水位15以下の部位に凍土19を形成し、空洞部5の下方の不透水層25までの部位にも凍土19を形成することができる。すなわち、地下水位15から不透水層25まで、空洞部5の上下方向にまたがるような空洞部5の内部を含む連続壁を構築することができる。
以上、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、袋体7のみではなく、凍結管11と組み合わせることで、より確実に、空洞部5を閉塞する地中壁を構築することができる。また、凍結管11と袋体7を組み合わせることで、空洞部5に水が満たされているような場合でも、袋体7によってその対流を抑制することで、より効率よく凍結部21を構築することができる。
また、空洞部5の上部や下部にも、凍土19による凍結壁を容易に構築することができる。このため、空洞部5を横切るように、水の地下水等の流れを遮断することが可能な連続壁を構築することができる。
また、ガイド部材13を用い、ガイド部材13の下端を空洞部5の外面上部に接合することで、空洞部5内の水が地中に漏出することや、地下水が空洞部5内に流入することを防止することができる。
同様に、空洞部5の下部に凍結壁を構築する際に、ガイド部材23の下端を空洞部5の内面下部に接合することで、空洞部5内の水が地中に漏れだすことや、地下水が空洞部5内に流入することを防止することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、袋体7の断面形状は、略円形状(貫通部の有無を含む)に限られず、多角形やその他形状であってもよい。
また、袋体7と凍結管11は、同一の掘削孔3に挿入しなくてもよい。例えば、図10に示すように、袋体7および管体9を挿入する掘削孔3とは別に、掘削孔3a(凍結管挿入孔)を設け、掘削孔3aから空洞部5内に凍結管11を挿入してもよい。この場合でも、必要に応じてガイド部材13を用いてもよい。また、この場合には、袋体7と凍結管11の設置数は同じであってもよく、異なっていてもよい。なお、袋体7と凍結管11が離れすぎると、袋体7による壁体の効果が小さくなるため、掘削孔3aは、掘削孔3(袋体7)の近傍に設けることが望ましい。
1………地表
3、3a………掘削孔
4………覆工コンクリート
5………空洞部
6………障害物
7………袋体
8………充填部材
9………管体
10、10a、10b、10c………地中壁
11………凍結管
13………ガイド部材
15………地下水位
17………貫通部
19………凍土
21………凍結部
23………ガイド部材
25………不透水層

Claims (9)

  1. 地中の空洞部の内部に地中壁を形成する地中壁の施工方法であって、
    地上より、前記空洞部に達するように孔を削孔する工程aと、
    前記孔から前記空洞部の内部に袋体を挿入し、前記空洞部の内部に前記袋体を配設する工程bと、
    前記袋体に地上から充填材を圧送し、前記袋体を前記空洞部の内部で膨張させて、前記袋体によって前記空洞部の内部に地中壁を構築する工程cと、
    を具備し、
    前記空洞部には、液体が貯留滞留しており、
    前記工程bでは、前記袋体は、凍結管に取り付けられて、前記空洞部の内部に挿入され、
    前記工程cの後、前記凍結管に冷媒を流し、前記袋体の周囲を凍結させる工程dを具備することを特徴とする地中壁の施工方法。
  2. 地中の空洞部の内部に地中壁を形成する地中壁の施工方法であって、
    地上より、前記空洞部に達するように孔を削孔する工程aと、
    前記孔から前記空洞部の内部に袋体を挿入し、前記空洞部の内部に前記袋体を配設する工程bと、
    前記袋体に地上から充填材を圧送し、前記袋体を前記空洞部の内部で膨張させて、前記袋体によって前記空洞部の内部に地中壁を構築する工程cと、
    を具備し、
    前記空洞部には、液体が滞留しており、
    前記工程aでは、前記孔の近傍に、前記孔とは別の凍結管挿入孔を削孔し、
    前記工程bでは、前記袋体とは別に、前記空洞部へ達する前記凍結管挿入孔から、前記空洞部の内部に凍結管が挿入され、
    前記工程cの後、前記凍結管に冷媒を流し、前記袋体の周囲を凍結させる工程dを具備することを特徴とする地中壁の施工方法。
  3. 地中の空洞部の内部に地中壁を形成する地中壁の施工方法であって、
    地上より、前記空洞部に達するように孔を削孔する工程aと、
    前記孔から前記空洞部の内部に袋体を挿入し、前記空洞部の内部に前記袋体を配設する工程bと、
    前記袋体に地上から充填材を圧送し、前記袋体を前記空洞部の内部で膨張させて、前記袋体によって前記空洞部の内部に地中壁を構築する工程cと、
    を具備し、
    前記空洞部には、液体が滞留しており、
    前記工程bの前または後に、前記孔に凍結管を挿入する工程eをさらに具備し、
    前記工程cの後、前記凍結管に冷媒を流し、前記袋体の周囲を凍結させる工程dを具備することを特徴とする地中壁の施工方法。
  4. 地中の空洞部の内部に地中壁を形成する地中壁の施工方法であって、
    地上より、前記空洞部に達するように孔を削孔する工程aと、
    前記孔から前記空洞部の内部に袋体を挿入し、前記空洞部の内部に前記袋体を配設する工程bと、
    前記袋体に地上から充填材を圧送し、前記袋体を前記空洞部の内部で膨張させて、前記袋体によって前記空洞部の内部に地中壁を構築する工程cと、
    を具備し、
    前記空洞部には、液体が滞留しており、
    前記孔に凍結管を挿入し、前記袋体の近傍に凍結管を配置し、
    前記工程cの後、前記凍結管に冷媒を流し、前記袋体の周囲を凍結させる工程dを具備することを特徴とする地中壁の施工方法。
  5. 前記工程aでは、複数の孔を併設して削孔し、
    前記工程bでは、それぞれの前記孔から前記空洞部の内部に前記袋体を挿入し、前記空洞部の内部に前記袋体を併設し、
    前記工程cでは、それぞれの前記袋体を前記空洞部の内部で膨張させて連続壁とすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の地中壁の施工方法。
  6. 前記袋体は、中央に貫通部を有し、前記凍結管は前記袋体の前記貫通部を貫通し、前記工程cでは、前記袋体を前記凍結管の周囲に膨張させることを特徴とする請求項記載の地中壁の施工方法。
  7. 前記工程aでは、管状の第1のガイド部材を用い、前記第1のガイド部材と前記空洞部の上部外面とを接合して前記孔を形成することを特徴とする請求項から請求項のいずれかに記載の地中壁の施工方法。
  8. 前記空洞部の内部に前記袋体を複数列に配置することを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の地中壁の施工方法。
  9. 地中の空洞部の内部に形成される地中壁であって、
    袋体と、
    前記袋体の近傍に設けられた凍結管と、
    を具備し、
    前記空洞部には、液体が滞留しており、
    地上から掘削され、前記空洞部に達する掘削孔に、前記凍結管が挿入されており、
    前記空洞部の内部には、前記袋体が併設され、
    前記袋体には、充填材が充填されており、
    前記袋体の周囲は、前記凍結管によって凍結されていることを特徴とする地中壁。
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