JP6143905B1 - 回転電機駆動装置の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転電機駆動装置の電力損失を低減させるコンバータの電圧指令値を算出する演算処理に必要とする、演算処理負荷及び記憶量を低減できる回転電機駆動装置の制御装置を提供する。【解決手段】最大トルク電流制御を行う場合に必要な必要最小電圧VHLを算出し、コンバータの電力損失特性を表す多項式の係数であるコンバータの損失係数を算出し、インバータの電力損失特性を表す多項式の係数であるインバータの損失係数を算出し、多項式の次数毎に損失係数の総和を算出し、次数毎の総和損失係数A1、A2に基づいて、総和電力損失が最小になる低損失電圧VHLLを算出して、コンバータの電圧指令値に設定する回転電機駆動装置の制御装置。【選択図】図9

Description

本発明は、直流電源の電源電圧を昇圧してシステム電圧線に出力可能に構成されたコンバータと、前記コンバータと回転電機との間に設けられ、前記システム電圧線の直流電力と前記回転電機を駆動する交流電力との間で電力変換を行うインバータと、を備えた回転電機駆動装置の制御装置に関するものである。
上記のような回転電機駆動装置の制御装置に関連して、例えば、下記の特許文献1に記載された技術が既に知られている。特許文献1には、コンバータの出力電圧を、複数のインバータにより共有して、複数の回転電機を制御する回転電機駆動装置が開示されている。特許文献1の技術では、コンバータの電圧指令値の複数の候補のそれぞれについて、直流電源の電力損失、コンバータの電力損失、複数のインバータの電力損失、及びこれらの総和電力損失を算出し、複数の候補電圧から総和電力損失が最小となるとなる電圧を策定し、策定した電圧をコンバータの電圧指令値に設定するように構成されている。また、特許文献1の技術では、直流電圧、回転電機の回転速度、トルク等を引数とする各電力損失のマップデータを記憶し、マップデータを用いて各電力損失を算出するように構成されている。
特開2007−325351号公報(図1、図5)
しかしながら、特許文献1の技術では、複数の電圧候補のそれぞれについて、各電力損失のマップデータを用いて各電力損失を算出する必要があり、演算処理負荷が大きくなる問題があった。策定精度を向上させるためには、電圧候補の数を増加させる必要があり、電圧候補の数を増加させるほど、演算処理負荷が増大する。
また、特許文献1の技術では、各電力損失のマップデータを持たせる必要があり、記憶装置の記憶量が大きくなる問題があった。特に、コンバータの回路構成によっては、コンバータの損失特性がコンバータの出力電力の増加に対して単調増加にならない場合がある。このような場合には、コンバータの電力損失のマップデータを、直流電圧、コンバータの出力電圧、コンバータの出力電力ごとに細かく設定する必要があり、また、複数の動作点において電力損失を算出する必要があるため、記憶量及び演算処理負荷が大幅に増え、高性能の演算処理装置が必要になり、制御装置の高コスト化を招く問題があった。
そこで、回転電機駆動装置の電力損失を低減させるコンバータの電圧指令値を算出する演算処理に必要とする、演算処理負荷及び記憶量を低減できる回転電機駆動装置の制御装置が望まれる。
本発明に係る回転電機駆動装置の制御装置は、直流電源の電源電圧を昇圧してシステム電圧線に出力可能に構成されたコンバータと、前記コンバータと回転電機との間に設けられ、前記システム電圧線の直流電力と前記回転電機を駆動する交流電力との間で電力変換を行うインバータと、を備えた回転電機駆動装置の制御装置であって、電圧指令値が前記電源電圧よりも大きい場合に、前記システム電圧線の直流電圧であるシステム電圧が前記電圧指令値に近づくように前記コンバータを制御するコンバータ制御部と、前記電源電圧以上であって前記コンバータの出力上限電圧以下の範囲で前記電圧指令値を算出する電圧指令算出部と、を備え、前記電圧指令算出部は、現在の前記回転電機のトルク指令値及び回転速度の条件下で、前記回転電機の最大トルク電流制御を行う場合に必要な最小の前記システム電圧である必要最小電圧を算出する必要最小電圧算出部と、前記必要最小電圧が前記電源電圧以上であって前記コンバータの出力上限電圧以下である場合に、前記コンバータの電力損失特性を表す、前記システム電圧を変数とした多項式の係数であるコンバータの損失係数を算出し、前記インバータの電力損失特性を表す、前記システム電圧を変数とした多項式の係数であるインバータの損失係数を算出し、多項式の次数毎に前記コンバータの損失係数及び前記インバータの損失係数の総和を算出し、算出した次数毎の総和損失係数に基づいて、前記必要最小電圧以上であって前記コンバータの出力上限電圧以下の候補電圧範囲内で、前記コンバータ及び前記インバータの総和電力損失が最小になる前記システム電圧である低損失電圧を算出し、前記低損失電圧を前記電圧指令値に設定する損失最小指令算出部と、を備え、前記必要最小電圧算出部は、前記必要最小電圧が前記電源電圧以上であって前記電源電圧の2倍値以下である場合に、最大次数が2次となる前記総和損失係数を算出すると共に2次の前記総和損失係数が正の値であるか否かを判定し、正の値であると判定した場合は、2次及び1次の前記総和損失係数に基づいて前記コンバータ及び前記インバータの総和電力損失が極小になる前記システム電圧である極電圧を算出すると共に、前記極電圧が前記電源電圧の2倍値より大きい場合は前記電源電圧の2倍値を前記低損失電圧に設定し、前記極電圧が前記必要最小電圧未満である場合は前記必要最小電圧を前記低損失電圧に設定し、前記極電圧が前記必要最小電圧から前記電源電圧の2倍値の範囲にある場合は前記極電圧を前記低損失電圧に設定し、正の値でないと判定した場合は、前記総和損失係数に基づいて前記必要最小電圧及び前記電源電圧の2倍値のいずれか前記総和電力損失が小さくなる方を判定し、当該小さくなる方を前記低損失電圧に設定し、前記必要最小電圧が前記電源電圧の2倍値よりも大きい場合に、前記必要最小電圧を前記低損失電圧に設定し、前記必要最小電圧が前記コンバータの出力上限電圧よりも大きい場合に、前記コンバータの出力上限電圧を前記低損失電圧に設定するものである。
本発明に係る回転電機駆動装置の制御装置によれば、複数の電圧候補についてマップデータを用いて各電力損失を算出し、総和電力損失が最小になる電圧指令値を探索することなく、各電力損失特性を表した多項式の係数に基づいて、電圧指令値を設定することができるため、演算処理負荷を低減できる。また、各電力損失特性を、多項式で近似しているので、電力損失特性をそのままマップデータ化するよりも、記憶装置の記憶量を大幅に低減することができる。よって、演算処理負荷及び記憶量を低減しつつ、回転電機駆動装置の総和電力損失を低減することができる。
本発明の実施の形態1に係る回転電機駆動装置及び制御装置の構成図である。 本発明の実施の形態1に係る制御装置の概略ブロック図である。 本発明の実施の形態1に係るインバータ制御部のブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る電圧指令算出部のブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る回転電機のトルク−回転速度特性図である。 本発明の実施の形態1に係るインバータ及び回転電機の電力損失特性図である。 本発明の実施の形態1に係る必要最小電圧算出部のブロック図である。 本発明の実施の形態1に係るコンバータの電力損失特性図である。 本発明の実施の形態1に係る損失最小指令算出部の処理を表すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係るコンバータの電力損失特性を表す多項式及びその係数の算出を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係る第1のインバータの電力損失特性を表す多項式及びその係数の算出を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係る第2のインバータの電力損失特性を表す多項式及びその係数の算出を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係る2次の総和損失係数の正負による総和電力損失特性の変化を説明する図である。 本発明の実施の形態1に係る極電圧の位置に応じた電圧指令値の設定を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係る極電圧の位置に応じた電圧指令値の設定を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係る極電圧の位置に応じた電圧指令値の設定を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係る極電圧の位置に応じた電圧指令値の設定を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係るアルゴリズム選択部のブロック図である。 本発明の実施の形態2に係る電圧指令算出部のブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る制御装置のハードウェア構成図である。
実施の形態1.
実施の形態1に係る回転電機駆動装置1000の制御装置400(以下、単に制御装置400と称す)について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る回転電機駆動装置1000及び制御装置400の概略構成図である。
回転電機駆動装置1000は、直流電源Bの電源電圧Vbを昇圧してシステム電圧線7、8に出力可能に構成されたコンバータ15と、コンバータ15と回転電機MGとの間に設けられ、システム電圧線7、8の直流電力と回転電機MGを駆動する交流電力との間で電力変換を行うインバータINと、を備えている。本実施の形態では、回転電機MGは、車輪の駆動力源とされており、回転電機駆動装置1000及び制御装置400は、車両(本例ではハイブリッド車両)に搭載されている。回転電機MG及びインバータINは、複数組(本例では2組)設けられている。
第1及び第2の回転電機MG1、MG2のそれぞれは、非回転部材に固定された固定子と、当該固定子の径方向内側に配置され、回転可能に支持された回転子と、を備えている。本実施の形態では、回転電機MGは、永久磁石同期型の回転電機とされており、固定子に3相の巻線が設けられ、回転子に永久磁石が設けられている。第1及び第2の回転電機MG1、MG2のそれぞれは、電動機及び発電機の機能を併せもつ。
本実施の形態では、第1の回転電機MG1は、図示省略する内燃機関によって駆動される発電機として動作すると共に、内燃機関の始動を行なう電動機として動作する。第2の回転電機MG2は、図示省略する出力軸及び減速機を介して車輪に連結されており、車輪を駆動する電動機として動作すると共に、車輪の駆動力により回生発電を行う発電機として動作する。
次に、第1及び第2の回転電機MG1、MG2を駆動するための装置構成について説明する。直流電源Bには、ニッケル水素又はリチウムイオン等の二次電池が用いられる。なお、直流電源Bに、電気二重層キャパシタ等が用いられてもよい。直流電源Bの正極端子は、コンバータ15の電源側正極電線6に接続され、直流電源Bの負極端子は、コンバータ15の電源側負極電線5に接続される。直流電源Bの電源電圧Vbを検出するための電源電圧センサ10が設けられている。電源電圧センサ10の出力信号は、制御装置400へ入力される。
コンバータ15は、直流電源Bとシステム電圧線7、8との間に接続され、直流電力を変換するDC−DCコンバータとされている。本実施の形態では、コンバータ15は、直流電源Bの電源電圧Vbを昇圧してシステム電圧線7、8に出力する昇圧チョッパの機能と、システム電圧線7、8の直流電圧であるシステム電圧VHを降圧して直流電源Bに出力する降圧チョッパの機構と、を有した昇降圧コンバータとされている。コンバータ15は、少なくとも、リアクトルと、スイッチング素子と、フリーホイールダイオードと、を備えている。
コンバータ15は、電源側正極電線6と電源側負極電線5との間に接続された平滑コンデンサC1を備えている。なお、直流電源Bの正極端子及び電源側正極電線6の間、並びに、直流電源Bの負極端子及び電源側負極電線5の間には、車両運転時にオンされ、車両運転停止時にオフされるリレー(図示せず)が設けられる。
本実施の形態では、コンバータ15は、昇圧チョッパ及び降圧チョッパ共用の1つのリアクトルL1と、2つのスイッチング素子Q3、Q4と、2つのフリーホイールダイオードD1、D2と、2つのスイッチング素子Q1、Q2と、2つのフリーホイールダイオードD3、D4と、平滑コンデンサC0と、を備えている。4つのスイッチング素子Q1、Q2、Q3、Q4は、正極側のシステム電圧線7と負極側のシステム電圧線8との間に、正極側からQ1、Q2、Q3、Q4の順に直列接続されている。4つのフリーホイールダイオードD1、D2、D3、D4のそれぞれは、4つのスイッチング素子Q1、Q2、Q3、Q4のそれぞれに逆並列接続されている。4つのスイッチング素子Q1、Q2、Q3、Q4は、それぞれ、制御装置400から出力されるコンバータ制御信号S1、S2、S3、S4によってオンオフ制御される。
リアクトルL1は、スイッチング素子Q2及びスイッチング素子Q3の接続ノードと、電源側正極電線6との間に接続されている。コンデンサC2が、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q2の接続ノードと、スイッチング素子Q3及びスイッチング素子Q4の接続ノードとの間に接続されている。平滑コンデンサC0が、正極側のシステム電圧線7と負極側のシステム電圧線8との間に接続されている。正極側のシステム電圧線7と負極側のシステム電圧線8との間に、システム電圧線7、8のシステム電圧VHを検出するためのシステム電圧センサ13が設けられている。システム電圧センサ13の出力信号は、制御装置400へ入力される。
第1のインバータIN1及び第2のインバータIN2の直流電圧側は、共通のシステム電圧線7、8を介して、コンバータ15に接続されている。
第1のインバータIN1は、正極側のシステム電圧線7に接続される正極側のスイッチング素子Q11(上アーム)と負極側のシステム電圧線8に接続される負極側のスイッチング素子Q12(下アーム)とが直列接続された直列回路(レッグ)を、3相各相の巻線に対応して3セット設けている。すなわち、第1のインバータIN1は、3つの正極側のスイッチング素子Q11U、Q11V、Q11Wと、3つの負極側のスイッチング素子Q12U、Q12V、Q12Wとの、合計6つのスイッチング素子を備えている。各スイッチング素子Q11U、Q11V、Q11W、Q12U、Q12V、Q12Wには、それぞれ、フリーホイールダイオードD11U、D11V、D11W、D12U、D12V、D12Wが逆並列接続されている。そして、各相の正極側のスイッチング素子Q11及び負極側のスイッチング素子Q12の接続ノードが、第1の回転電機MG1における対応する相の巻線に接続されている。各相の巻線に流れる電流を検出するための電流センサ27が、スイッチング素子の接続ノードと巻線とをつなぐ各相の電線上に備えられている。電流センサ27の出力信号は、制御装置400へ入力される。スイッチング素子Q11U、Q11V、Q11W、Q12U、Q12V、Q12Wは、それぞれ、制御装置400から出力される第1のインバータ制御信号S11、S12、S13、S14、S15、S16によってオンオフ制御される。
同様に、第2のインバータIN2は、正極側のシステム電圧線7に接続される正極側のスイッチング素子Q21(上アーム)と負極側のシステム電圧線8に接続される負極側のスイッチング素子Q22(下アーム)とが直列接続された直列回路(レッグ)を、3相各相の巻線に対応して3セット設けている。すなわち、第2のインバータIN2は、3つの正極側のスイッチング素子Q21U、Q21V、Q21Wと、3つの負極側のスイッチング素子Q22U、Q22V、Q22Wとの、合計6つのスイッチング素子を備えている。
各スイッチング素子Q21U、Q21V、Q21W、Q22U、Q22V、Q22Wには、それぞれ、フリーホイールダイオードD21U、D21V、D21W、D22U、D22V、D22Wが逆並列接続されている。そして、各相の正極側のスイッチング素子Q21及び負極側のスイッチング素子Q22の接続ノードが、第2の回転電機MG2における対応する相の巻線に接続されている。各相の巻線に流れる電流を検出するための電流センサ27が、スイッチング素子の接続ノードと巻線とをつなぐ各相の電線上に備えられている。電流センサ27の出力信号は、制御装置400へ入力される。スイッチング素子Q21U、Q21V、Q21W、Q22U、Q22V、Q22Wは、それぞれ、制御装置400から出力される第2のインバータ制御信号S21、S22、S23、S24、S25、S26によってオンオフ制御される。
インバータIN1、IN2は、制御装置400のスイッチング制御により、システム電圧線7、8の直流電圧を3相交流電圧に変換して回転電機MG1、MG2に出力し、回転電機MG1、MG2を電動機として機能させることができる。また、インバータIN1、IN2は、制御装置400のスイッチング制御により、回転電機MG1、MG2が発電した3相交流電圧を直流電圧に変換して、システム電圧線7、8に出力することができる。
コンバータ15及びインバータIN1、IN2のスイッチング素子として、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ、電力用バイポーラトランジスタ、SiC、GaN等が用いられる。
回転電機MG1、MG2には、それぞれ、回転子の回転角θを検出するための回転角センサ28(本例ではレゾルバ)が設けられている。それぞれの回転角センサ28の出力信号は、制御装置400に入力される。制御装置400は、それぞれの回転角センサ28の出力信号に基づいて、回転電機MG1、MG2のそれぞれの回転角θ1、θ2を検出し、それぞれの回転角θ1、θ2に基づいて、回転電機MG1、MG2のそれぞれの回転速度ω1、ω2(本例では、回転角速度)を算出する。
制御装置400は、後述するコンバータ制御部750、電圧指令算出部700、及びインバータ制御部600等の機能部を備えている。制御装置400の各機能は、制御装置400が備えた処理回路により実現される。本実施の形態では、制御装置400は、図20に示すように、処理回路として、CPU(Central Processing Unit)やDSP(DigitalSignal Processor)等の演算処理装置90(コンピュータ)、演算処理装置90とデータのやり取りする記憶装置91、演算処理装置90に外部の信号を入力する入力回路92、及び演算処理装置90から外部に信号を出力する出力回路93等を備えている。記憶装置91として、演算処理装置90からデータを読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(Random Access Memory)や、演算処理装置90からデータを読み出し可能に構成されたROM(Read Only Memory)等が備えられている。入力回路92は、電圧センサ10、13等の各種のセンサやスイッチが接続され、これらセンサやスイッチの出力信号を演算処理装置90に入力するA/D変換器等を備えている。出力回路93は、スイッチング素子をオンオフ駆動するゲート駆動回路等の電気負荷が接続され、これら電気負荷に演算処理装置90から制御信号を出力する駆動回路等を備えている。本実施の形態では、入力回路92には、電源電圧センサ10、システム電圧センサ13、電流センサ27、回転角センサ28等が接続されている。出力回路93には、コンバータ15のスイッチング素子(ゲート駆動回路)、インバータIN1、IN2のスイッチング素子(ゲート駆動回路)等が接続されている。
そして、制御装置400が備える各制御部750、700、600等の各機能は、演算処理装置90が、ROM等の記憶装置91に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行し、記憶装置91、入力回路92、及び出力回路93等の制御装置400の他のハードウェアと協働することにより実現される。なお、各制御部750、700、600等が用いるマップデータ等の設定データは、ソフトウェア(プログラム)の一部として、ROM等の記憶装置91に記憶されている。
以下、制御装置400の各機能について詳細に説明する。
<インバータ制御部600>
まず、インバータ制御部600は、インバータINのスイッチング素子をオンオフ制御することにより回転電機MGの動作制御を行う。インバータ制御部600は、トルク指令値Tqcomのトルクを回転電機MGが出力するようにインバータINのスイッチング素子をオンオフ制御する。トルク指令値Tqcomは、制御装置400の外部の制御装置、又は制御装置400の内部の他の制御部から伝達される。本実施の形態では、インバータ制御部600は、ベクトル制御法を用いた電流フィードバック制御を行うように構成されている。本実施の形態では、インバータ制御部600は、第1のインバータIN1及び第1の回転電機MG1の制御を行う第1のインバータ制御部601と、第2のインバータIN2及び第2の回転電機MG2の制御を行う第2のインバータ制御部602と、を備えている。
第1及び第2のトルク指令値Tqcom1、Tqcom2は、それぞれ運転状態に応じて正又は負に設定される。特に、ハイブリッド車両の回生制動時には、第2のトルク指令値Tqcom2は負に設定される(Tqcom2<0)。この場合には、第2のインバータIN2は、第2のインバータ制御信号S21〜S26に応答したスイッチング動作により、第2の回転電機MG2が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、直流電圧(システム電圧VH)をコンバータ15へ供給する。
第1のインバータ制御部601と第2のインバータ制御部602とは、同様の構成であるため、以下では、第1のインバータ制御部601を代表して説明する。
図3に示すように、第1のインバータ制御部601は、電流指令算出部610、電流制御部640、電圧座標変換部650、PWM信号生成部660、電流座標変換部620、及び回転速度検出部630を備えている。回転速度検出部630は、第1の回転電機MG1の回転角センサ28の出力信号に基づいて、第1の回転電機MG1のロータの回転角度θ1(磁極位置)及び回転角速度ω1を検出する。
電流指令算出部610は、第1の回転電機MG1の3相巻線に流す電流の指令値を、第1の回転電機MG1のdq軸の回転座標系で表したd軸電流指令値Idcom及びq軸電流指令値Iqcomを算出する。dq軸の回転座標系は、第1の回転電機MG1のロータに設けられた永久磁石のN極の向き(磁極位置)に定めたd軸、及びd軸より電気角で90°(π/2)進んだ方向に定めたq軸からなる、ロータの電気角での回転に同期して回転する2軸の回転座標系である。
電流指令算出部610は、第1のトルク指令値Tqcom1を、第1の回転電機MG1に出力させるようなd軸電流指令値Idcom及びq軸電流指令値Iqcomを算出する。電流指令算出部610は、最大トルク電流制御、弱め界磁制御などの電流ベクトル制御方法に従って、dq軸電流指令値Idcom、Iqcomを演算する。最大トルク電流制御では、同一電流に対して発生トルクを最大にするようなdq軸電流指令値Idcom、Iqcomを算出する。弱め界磁制御では、最大トルク電流制御により算出されるdq軸電流指令値Idcom、Iqcomよりも、d軸電流指令値Idcomを負の方向に増加させる。弱め界磁制御では、第1のトルク指令値Tqcom1に応じて、定誘起電圧楕円(電圧制限楕円)上を、dq軸電流指令値Idcom、Iqcomを移動させる。弱め界磁制御では、基本波成分の振幅がほぼ固定されるようにトルク制御が実行される。
電流指令算出部610は、制御方式毎に第1のトルク指令値Tqcom1とdq軸電流指令値Idcom、Iqcomとの関係が予め設定されたマップデータを用い、第1のトルク指令値Tqcom1に対応するdq軸電流指令値Idcom、Iqcomを算出する。
電流指令算出部610は、最大トルク電流制御を実行可能な運転条件では、最大トルク電流制御によりdq軸電流指令値を算出し、電圧制限楕円の制限により最大トルク電流制御によるdq軸電流指令値の算出を実行できない運転条件では、弱め界磁制御によりdq軸電流指令値を算出するように構成されている。
電流座標変換部620は、第1の回転電機MG1の電流センサ27の出力信号に基づいて検出した各相の巻線に流れる3相電流Iu、Iv、Iwを、磁極位置θ1に基づいて3相2相変換及び回転座標変換を行って、dq軸回転座標系で表したd軸電流Id及びq軸電流Iqに変換する。電流制御部640は、dq軸電流Id、Iqが、dq軸電流指令値Idcom、Iqcomに近づくように、第1の回転電機MG1に印加する電圧の指令信号をdq軸回転座標系で表したd軸電圧指令値Vd♯及びq軸電圧指令値Vq♯を、PI制御等により変化させる電流フィードバック制御を行う。その後、電圧座標変換部650は、dq軸電圧指令値Vd♯、Vq♯を、磁極位置θ1に基づいて、固定座標変換及び2相3相変換を行って、3相各相の巻線への交流電圧指令値である3相交流電圧指令値Vu、Vv、Vwに変換する。なお、電圧座標変換には、システム電圧VHも反映される。
PWM信号生成部660は、3相交流電圧指令値Vu、Vv、Vwのそれぞれと、システム電圧VHの振動幅を有し、キャリア周波数で振動するキャリア波(三角波)とを比較し、交流電圧指令値がキャリア波を上回った場合は、矩形パルス波をオンさせ、交流電圧指令値がキャリア波を下回った場合は、矩形パルス波をオフさせる。PWM信号生成部660は、3相各相の矩形パルス波に基づいて、第1のインバータ制御信号S11〜S16を生成し、第1のインバータIN1に出力する。
<コンバータ制御部750>
コンバータ制御部750は、電圧指令値VH#が電源電圧Vbよりも大きい場合に、システム電圧線7、8の直流電圧であるシステム電圧VHが電圧指令値VH#に近づくようにコンバータ15を制御する。本実施の形態では、コンバータ制御部750は、電源電圧センサ10の出力信号に基づいて電源電圧Vbを検出し、システム電圧センサ13の出力信号に基づいてシステム電圧VHを検出する。コンバータ制御部750は、システム電圧VH及び電圧指令値VH#に基づき、PWM制御方式に従って、コンバータ制御信号S1〜S4のデューティ比を変化させる。
コンバータ制御部750は、電圧指令値VH#が電源電圧Vb以下である場合は、スイッチング素子Q1、Q2、Q3、Q4を全てオフにさせ、直流電源Bとシステム電圧線7、8とを直結状態にする。
コンバータ15は、昇圧動作時には、直流電源Bから供給された電源電圧Vbを昇圧したシステム電圧VHをインバータIN1、IN2へ共通に供給する。コンバータ15は、降圧動作時には、平滑コンデンサC0を介してインバータIN1、IN2から供給されたシステム電圧VHを降圧して直流電源Bに供給する。
<電圧指令算出部700>
電圧指令算出部700は、電源電圧Vb以上であってコンバータ15の出力上限電圧Vmax以下の範囲で電圧指令値VH#を算出する。
回転電機MGは、回転速度ω及びトルクが増加すると、回転電機MGの逆起電力が増加して誘起電圧が高くなるため、回転電機MGの最大トルク電流制御を行う場合に必要な最小のシステム電圧VHである必要最小電圧VHLが高くなる。最大トルク電流制御を行うためには、システム電圧VHを、必要最小電圧VHLよりも高くする必要がある。一方で、コンバータ15の昇圧には限界があり、コンバータ15の出力電圧(システム電圧VH)には上限値(出力上限電圧Vmax)がある。
図4及び図7に示すように、電圧指令算出部700は、現在の回転電機MGのトルク指令値Tqcom及び回転速度ωの条件下で、回転電機MGの最大トルク電流制御を行う場合に必要な最小のシステム電圧VHである必要最小電圧VHLを算出する必要最小電圧算出部800を備えている。
電圧指令算出部700は、必要最小電圧VHLが出力上限電圧Vmax以下の場合は、電圧指令値VH#を、必要最小電圧VHL以上であって出力上限電圧Vmax以下である候補電圧範囲内に設定し、インバータ制御部600は、最大トルク電流制御を実行する。一方、電圧指令算出部700は、必要最小電圧VHLが出力上限電圧Vmaxより大きい場合は、電圧指令値VH#を出力上限電圧Vmaxに設定し、弱め界磁制御を実行する。
図5に、最大トルク電流制御を実行する最大トルク領域を説明するための、トルク−回転速度特性を示す。縦軸が回転電機MGのトルク、横軸が回転電機の回転速度ωであり、図中の実線は、最大トルク電流制御を行う場合の、各回転速度ωにおける最大トルクラインを示す。回転速度ωが基底回転速度以下である場合は、回転電機MGの最大出力トルクは、回転電機MGの電流が定格電流に制限されて定まり、回転速度ωの変化に対して一定値となる。回転速度ωが基底回転速度より大きくなると、回転電機MGの最大出力トルクは、回転電機MGの線間電圧がシステム電圧VHに制限されて定まり、回転速度ωが増加するに従って減少していく。
図5の複数の実線カーブは、システム電圧VHを変化させたときの、最大トルク電流制御の最大トルクラインの変化を図示したものである。図5に示すように、システム電圧VHを電源電圧Vbから出力上限電圧Vmaxまで昇圧させるに従って、最大トルクライン及び基底回転速度を高回転速度側にシフトさせることができ、最大トルク領域を拡大させることができる。システム電圧VHが出力上限電圧Vmaxである場合に、基底回転速度が最も高くなり、最大トルク領域が最も広くなる。この出力上限電圧Vmaxに対応する最大トルク領域の内において、最大トルク電流制御が実行されるように、システム電圧VHが必要最小電圧VHLから出力上限電圧Vmaxの範囲内で変化される。
この出力上限電圧Vmaxに対応する最大トルク領域よりも、高回転速度及び高トルク側の領域が、弱め界磁制御が実行される弱め界磁領域とされる。この弱め界磁領域では、システム電圧VHは出力上限電圧Vmaxにされる。
最大トルク領域は、最大トルク電流制御の実行のための必要最小電圧VHLがシステム電圧VH(出力上限電圧Vmax)以下になる領域であり、弱め界磁領域は、必要最小電圧VHLがシステム電圧VH(出力上限電圧Vmax)より大きくなる領域である。
図6は、縦軸をインバータIN及び回転電機MGの総電力損失とし、横軸をシステム電圧VHとした場合の、ある回転速度における、各トルクの等トルク曲線をプロットした図である。一般に、大きいトルクを発生させるには、大きいモータ電流が必要になるため、その分損失が大きくなる。図6中の破線は、最大トルク領域と弱め界磁領域とが切り替わるラインを示し、システム電圧VHが必要最小電圧VHLになるラインである。図6より、最大トルク領域と弱め界磁領域の切り替わるライン付近において、インバータIN及び回転電機MGの総電力損失が小さくなることがわかる。
また、弱め界磁領域では、システム電圧VHを小さくするほどインバータIN及び回転電機MGの総電力損失が大きくなることがわかる。そのため、第1及び第2の回転電機MG1、MG2を備え、第1の回転電機MG1の必要最小電圧VHL(以下、第1の必要電圧Vmg1と称す)、第2の回転電機MG2の必要最小電圧VHL(以下、第2の必要電圧Vmg2と称す)とが異なる場合は、システム電圧VHを、Vmg1及びVmg2のいずれか高い方の電圧に近づけるように電圧指令値VH♯を設定することにより、第1及び第2の回転電機MG1、MG2の双方を、最大トルク領域側で動作させることができ、損失を低減させることができる。本実施の形態では、後述するように、必要最小電圧算出部800は、第1の必要電圧Vmg1及び第2の必要電圧Vmg2のより高い方の電圧を必要最小電圧VHLに設定するように構成されている。
最大トルク電流制御を実行する場合は、電圧指令値VH#を、必要最小電圧VHLから出力上限電圧Vmaxの電圧範囲内で設定することができ、設定の自由度がある。そこで、電圧指令算出部700は、必要最小電圧VHL以上であってコンバータ15の出力上限電圧Vmax以下の候補電圧範囲内で、コンバータ15及びインバータINの総和電力損失が最小になるシステム電圧VHである低損失電圧VHLLを電圧指令値VH♯に設定する損失最小指令算出部802を備えている。
しかし、総和電力損失が最小になるシステム電圧VHを算出しようとすると、演算処理負荷が増加する問題があった。例えば、複数の電圧候補のそれぞれについて、図6に示すような、電力損失特性マップデータを用いた電力損失の算出を行い、複数の候補電圧から総和電力損失が最小となるとなる電圧を策定する必要がある。
そこで、損失最小指令算出部802は、必要最小電圧VHLが電源電圧Vb以上であってコンバータ15の出力上限電圧Vmax以下である場合に、コンバータ15の電力損失特性を表す、システム電圧VHを変数とした多項式の係数であるコンバータの損失係数を算出し、インバータINの電力損失特性を表す、システム電圧VHを変数とした多項式の係数であるインバータの損失係数を算出する。そして、損失最小指令算出部802は、多項式の次数毎にコンバータの損失係数及びインバータの損失係数の総和を算出し、算出した次数毎の総和損失係数に基づいて、候補電圧範囲内の低損失電圧VHLLを算出し、低損失電圧VHLLを電圧指令値VH#に設定するように構成されている。
この構成によれば、多項式の次数毎にコンバータの損失係数及びインバータの損失係数の総和を算出した総和損失係数に基づいて、低損失電圧VHLLを算出するので、複数の電圧候補のそれぞれについてマップデータを用いた算出を行う必要がないため、演算処理負荷を低減させることができる。また、各電力損失特性を、多項式で近似しているので、電力損失特性をそのままマップデータ化するよりも、記憶装置の記憶量を大幅に低減することができる。
以下で、電圧指令算出部700の各部の構成について詳細に説明する。
<必要最小電圧算出部800>
まず、必要最小電圧算出部800の詳細構成について説明する。必要最小電圧算出部800は、第1の回転電機MG1について、現在の第1の回転電機MG1のトルク指令値Tqcom1及び回転速度ω1の条件下で、第1の回転電機MG1の最大トルク電流制御を行う場合に必要な最小のシステム電圧VHである第1の必要電圧Vmg1を算出する。また、必要最小電圧算出部800は、第2の回転電機MG2について、現在の第2の回転電機MG2のトルク指令値Tqcom2及び回転速度ω2の条件下で、第2の回転電機MG2の最大トルク電流制御を行う場合に必要な最小のシステム電圧VHである第2の必要電圧Vmg2を算出する。そして、必要最小電圧算出部800は、第1の必要電圧Vmg1及び第2の必要電圧Vmg2の中の最大値を必要最小電圧VHLに設定する。
この構成によれば、第1及び第2の回転電機MG1、MG2の双方とも最大トルク電流制御を実行できる最小のシステム電圧VHを、必要最小電圧VHLに設定することができる。よって、電力損失が増加する弱め界磁制御の実行を避け、第1及び第2のインバータ及び回転電機の電力損失を低減させることができる。
本実施の形態では、図7に示すように、必要最小電圧算出部800は、第1及び第2の最大トルク電流指令算出部1110、第1及び第2のインダクタンス算出部1120、第1及び第2の必要電圧算出部1130、及び最大電圧演算部1140を備えている。
第1の最大トルク電流指令算出部1110は、最大トルク電流制御の実行により第1の回転電機MG1に第1のトルク指令値Tqcom1を出力させる第1の最大トルクdq軸電流指令値Idcom_loss1、Iqcom_loss1を算出する。第1の最大トルク電流指令算出部1110は、第1のインバータ制御部601の電流指令算出部610と同様の方法によりdq軸電流指令値を算出する。
本実施の形態では、第1の最大トルク電流指令算出部1110は、基底回転速度以下の予め設定された回転速度(例えば、ω1=0)の既定運転条件において、第1の最大トルクdq軸電流指令値Idcom_loss1、Iqcom_loss1を算出する。この構成によれば、現在の運転条件が弱め界磁領域であっても、最大トルク電流制御用の電流指令値を確実に算出することができる。
第1の最大トルク電流指令算出部1110は、第1のトルク指令値Tqcom1と第1の最大トルクdq軸電流指令値Idcom_loss1、Iqcom_loss1との関係が予め設定されたマップデータを用い、第1のトルク指令値Tqcom1に対応する第1の最大トルクdq軸電流指令値Idcom_loss1、Iqcom_loss1を算出する。マップデータは、実測値、又は磁界解析に基づいて予め設定されている。マップデータは、所定のトルク指令値の間隔(刻み)で、各トルク指令値に対応するq軸電流指令値及びd軸電流指令値が設定されている。
第1のインダクタンス算出部1120は、第1の最大トルクdq軸電流指令値Idcom_loss1、Iqcom_loss1に対応する第1の回転電機MG1の第1のdq軸インダクタンスLd_loss1、Lq_loss1を算出する。第1のインダクタンス算出部1120は、第1の最大トルクdq軸電流指令値Idcom_loss1、Iqcom_loss1と第1のdq軸インダクタンスLd_loss1、Lq_loss1との関係が予め設定されたマップデータを用い、第1の最大トルクdq軸電流指令値Idcom_loss1、Iqcom_loss1に対応する第1のdq軸インダクタンスLd_loss1、Lq_loss1を算出する。
第1の必要電圧算出部1130は、第1の最大トルクdq軸電流指令値Idcom_loss1、Iqcom_loss1、第1のdq軸インダクタンスLd_loss1、Lq_loss1、及び第1の回転電機MG1の回転速度ω1に基づいて、次式を用い、第1の必要電圧Vmg1を算出する。
Figure 0006143905
ここで、η1は電圧利用率であり、システム電圧VHを第1の回転電機MG1の線間電圧に変換する比を表わす。よって、式(1)は、平方根の演算により第1の回転電機MG1の最大トルク電流制御を行う場合に必要な最小の第1の回転電機MG1の線間電圧を算出し、η1を用いて線間電圧をシステム電圧に変換している。R1は第1の回転電機MG1の固定子の巻線の抵抗であり、φmag1は第1の回転電機MG1の回転子の永久磁石の磁束である。
第2の最大トルク電流指令算出部1110は、第1の最大トルク電流指令算出部1110と同様の方法で、最大トルク電流制御の実行により第2の回転電機MG2に第2のトルク指令値Tqcom2を出力させる第2の最大トルクdq軸電流指令値Idcom_loss2、Iqcom_loss2を算出する。
第2のインダクタンス算出部1120は、第1のインダクタンス算出部1120と同様の方法で、第2の最大トルクdq軸電流指令値Idcom_loss2、Iqcom_loss2に対応する第2の回転電機MG1の第2のdq軸インダクタンスLd_loss2、Lq_loss2を算出する。
第2の必要電圧算出部1130は、第2の最大トルクdq軸電流指令値Idcom_loss2、Iqcom_loss2、第2のdq軸インダクタンスLd_loss2、Lq_loss2、及び第2の回転電機MG2の回転速度ω2に基づいて、次式を用い、第2の必要電圧Vmg2を算出する。
Figure 0006143905
ここで、η2は電圧利用率であり、システム電圧VHを第2の回転電機MG2の線間電圧に変換する比を表わす。R2は第2の回転電機MG2の固定子の巻線の抵抗であり、φmag2は第2の回転電機MG2の回転子の永久磁石の磁束である。
最大電圧演算部1140は、次式を用いて、第1の必要電圧Vmg1、第2の必要電圧Vmg2、電源電圧Vbの中の最大値を算出し、最大値を必要最小電圧VHLに設定する。
VHL=MAX(Vmg1、Vmg2、Vb) ・・・(3)
ここで、MAX(A、B、C)は、A、B、Cのうち、最も大きい値を出力する関数である。なお、VHL=MAX(Vmg1、Vmg2)とされてもよい。
<損失最小指令算出部802>
損失最小指令算出部802は、上記のように、必要最小電圧VHLが電源電圧Vb以上であってコンバータ15の出力上限電圧Vmax以下である場合に、コンバータ15の電力損失特性を表す、システム電圧VHを変数とした多項式の係数であるコンバータの損失係数を算出し、インバータINの電力損失特性を表す、システム電圧VHを変数とした多項式の係数であるインバータの損失係数を算出し、多項式の次数毎にコンバータの損失係数及びインバータの損失係数の総和を算出する。そして、損失最小指令算出部802は、算出した次数毎の総和損失係数に基づいて、必要最小電圧VHL以上であってコンバータ15の出力上限電圧Vmax以下の候補電圧範囲内で、コンバータ15及びインバータINの総和電力損失が最小になるシステム電圧VHである低損失電圧VHLLを算出し、低損失電圧VHLLを電圧指令値VH#に設定する。
まず、コンバータ15の電力損失特性について説明する。図8に、コンバータ15の出力(出力電力)が低い場合(本例では出力がゼロ)の電力損失特性を示す。横軸がシステム電圧VHであり、縦軸がコンバータ15の電力損失である。コンバータ15の電力損失は、システム電圧VHが電源電圧Vbから電源電圧の2倍値2×Vbの範囲内において、上に凸の放物線状の特性になる。システム電圧VHが電源電圧の2倍値2×Vb以上では、システム電圧VHが増加するに従って、コンバータ15の電力損失が増加する単調増加特性になる。そのため、必要最小電圧VHLがVbから2×Vbの範囲内にあるときには、必要最小電圧VHLを電圧指令値VH#に設定するだけでは、回転電機駆動装置1000の総電力損失が必ずしも最小にならない。
そのため、損失最小指令算出部802では、必要最小電圧VHLが電源電圧Vbから電源電圧の2倍値2×Vbの範囲内にあるか否かを判別し、範囲内にある場合には、コンバータ15の上に凸の放物線状の電力損失特性を考慮して、電圧指令値VH#を設定する処理を行う。
図9は、損失最小指令算出部802の処理を表すフローチャートである。まず、損失最小指令算出部802は、ステップST100で、電源電圧Vb、第1及び第2の必要電圧Vmg1、Vmg2、必要最小電圧VHLの情報を読み込む。そして、損失最小指令算出部802は、ステップST110で、必要最小電圧VHLが電源電圧Vb以上であって電源電圧の2倍値2×Vb以下の範囲内にあるか否かを判定し、範囲内にあると判定した場合は、ステップST120に進み、範囲外にあると判定した場合は、ステップST165に進む。
損失最小指令算出部802は、ステップST120で、コンバータ15の電力損失特性を表す、システム電圧VHを変数とした多項式の係数であるコンバータの損失係数を算出し、インバータINの電力損失特性を表す、システム電圧VHを変数とした多項式の係数であるインバータの損失係数を算出し、多項式の次数毎にコンバータの損失係数及びインバータの損失係数の総和(総和損失係数)を算出する。
本実施の形態では、コンバータ15の電力損失特性を表す多項式は、次式に示すように、2次以下(本例では2次)の多項式とされている。
Figure 0006143905
ここで、Ploss_dcdcは、コンバータ15の電力損失であり、A0dcdcは、0次のコンバータの損失係数であり、A1dcdcは、1次のコンバータの損失係数であり、A2dcdcは、2次のコンバータの損失係数である。
図10に示すように、損失最小指令算出部802は、各次数について、電源電圧Vbとコンバータ15の出力(出力電力)とコンバータの損失係数との関係が予め設定された関係特性を用い、現在の電源電圧Vb及びコンバータ15の出力に対応するコンバータの損失係数を算出する。本例では、損失最小指令算出部802は、電源電圧Vbとコンバータ15の出力と0次のコンバータの損失係数A0dcdcとの関係が予め設定されたマップデータを用い、現在の電源電圧Vb及びコンバータ15の出力に対応する0次のコンバータの損失係数A0dcdcを算出する。同様に、損失最小指令算出部802は、電源電圧Vbとコンバータ15の出力と1次のコンバータの損失係数A1dcdcとの関係が予め設定されたマップデータを用い、現在の電源電圧Vb及びコンバータ15の出力に対応する1次のコンバータの損失係数A1dcdcを算出する。また、損失最小指令算出部802は、電源電圧Vbとコンバータ15の出力と2次のコンバータの損失係数A2dcdcとの関係が予め設定されたマップデータを用い、現在の電源電圧Vb及びコンバータ15の出力に対応する2次のインバータの損失係数A2dcdcを算出する。
コンバータの損失係数のそれぞれは、電源電圧Vbから電源電圧の2倍値2×Vbまでのシステム電圧VHの範囲のコンバータ15の電力損失データに基づいて予め設定されている。また、コンバータの損失係数のそれぞれは、実測値、コンバータの損失計算から求めた損失データを基に、最小二乗法を用いて予め設定されている。
本実施の形態では、損失最小指令算出部802は、インバータの損失係数を、第1及び第2のインバータIN1、IN2のそれぞれについて算出するように構成されている。また、損失最小指令算出部802は、インバータINに加えて回転電機MGの電力損失特性を表す、システム電圧VHを変数とした多項式の係数であるインバータの損失係数を算出するように構成されている。すなわち、損失最小指令算出部802は、第1のインバータIN1及び第1の回転電機MG1の合計の電力損失特性を表す、システム電圧VHを変数とした多項式の係数である第1インバータの損失係数を算出する。損失最小指令算出部802は、第2のインバータIN2及び第2の回転電機MG2の合計の電力損失特性を表す、システム電圧VHを変数とした多項式の係数である第2インバータの損失係数を算出する。
第1のインバータIN1及び第1の回転電機MG1の合計の電力損失特性を表す多項式は、次式に示すように、2次以下(本例では2次)の多項式とされている。
Figure 0006143905
ここで、Ploss_mg1は、第1のインバータIN1及び第1の回転電機MG1の合計の電力損失であり、A0mg1は、0次の第1インバータの損失係数であり、A1mg1は、1次の第1インバータの損失係数であり、A2mg1は、2次の第1インバータの損失係数である。
図11に示すように、損失最小指令算出部802は、各次数について、第1の回転電機MG1の出力トルクと第1の回転電機MG1の回転速度ω1と第1インバータの損失係数との関係が予め設定された関係特性を用い、現在の第1の回転電機MG1のトルク指令値Tqcom1及び回転速度ω1に対応する第1インバータの損失係数を算出する。本例では、損失最小指令算出部802は、第1の回転電機MG1の出力トルクと回転速度ω1と0次の第1インバータの損失係数A0mg1との関係が予め設定されたマップデータを用い、現在の第1の回転電機MG1のトルク指令値Tqcom1及び回転速度ω1に対応する0次の第1インバータの損失係数A0mg1を算出する。同様に、損失最小指令算出部802は、第1の回転電機MG1の出力トルクと回転速度ω1と1次の第1インバータの損失係数A1mg1との関係が予め設定されたマップデータを用い、現在の第1の回転電機MG1のトルク指令値Tqcom1及び回転速度ω1に対応する1次の第1インバータの損失係数A1mg1を算出する。損失最小指令算出部802は、第1の回転電機MG1の出力トルクと回転速度ω1と2次の第1インバータの損失係数A2mg1との関係が予め設定されたマップデータを用い、現在の第1の回転電機MG1のトルク指令値Tqcom1及び回転速度ω1に対応する2次の第1インバータの損失係数A2mg1を算出する。
第1インバータの損失係数のそれぞれは、電源電圧Vbから電源電圧の2倍値2×Vbまでのシステム電圧VHの範囲の第1のインバータIN1及び第1の回転電機MG1の合計の電力損失データに基づいて予め設定されている。また、第1インバータの損失係数のそれぞれは、実測値、磁界解析、インバータの損失計算から求めた損失データを基に、最小二乗法を用いて予め設定されている。
第2のインバータIN2及び第2の回転電機MG2の合計の電力損失特性を表す多項式は、次式に示すように、2次以下(本例では2次)の多項式とされている。
Figure 0006143905
ここで、Ploss_mg2は、第2のインバータIN2及び第2の回転電機MG2の合計の電力損失であり、A0mg2は、0次の第2インバータの損失係数であり、A1mg2は、1次の第2インバータの損失係数であり、A2mg2は、2次の第2インバータの損失係数である。
図12に示すように、損失最小指令算出部802は、各次数について、第2の回転電機MG2の出力トルクと第2の回転電機MG2の回転速度ω2と第2インバータの損失係数との関係が予め設定された関係特性を用い、現在の第2の回転電機MG2のトルク指令値Tqcom2及び回転速度ω2に対応する第2インバータの損失係数を算出する。本例では、損失最小指令算出部802は、第2の回転電機MG2の出力トルクと回転速度ω2と0次の第2インバータの損失係数A0mg2との関係が予め設定されたマップデータを用い、現在の第2の回転電機MG2のトルク指令値Tqcom2及び回転速度ω2に対応する0次の第2インバータの損失係数A0mg2を算出する。同様に、損失最小指令算出部802は、第2の回転電機MG2の出力トルクと回転速度ω2と1次の第2インバータの損失係数A1mg2との関係が予め設定されたマップデータを用い、現在の第2の回転電機MG2のトルク指令値Tqcom2及び回転速度ω2に対応する1次の第2インバータの損失係数A1mg2を算出する。損失最小指令算出部802は、第2の回転電機MG2の出力トルクと回転速度ω2と2次の第2インバータの損失係数A2mg2との関係が予め設定されたマップデータを用い、現在の第2の回転電機MG2のトルク指令値Tqcom2及び回転速度ω2に対応する2次の第2インバータの損失係数A2mg2を算出する。
第2インバータの損失係数のそれぞれは、電源電圧Vbから電源電圧の2倍値2×Vbまでのシステム電圧VHの範囲の第2のインバータIN2及び第2の回転電機MG2の合計の電力損失データに基づいて予め設定されている。また、第2インバータの損失係数のそれぞれは、実測値、磁界解析、インバータの損失計算から求めた損失データを基に、最小二乗法を用いて予め設定されている。
損失最小指令算出部802は、次式に示すように、多項式の次数毎に、コンバータの損失係数、第1インバータの損失係数、及び第2インバータの損失係数の総和(総和損失係数)を算出する。
A0=A0dcdc+A0mg1+A0mg2
A1=A1dcdc+A1mg1+A1mg2 ・・・(7)
A2=A2dcdc+A2mg1+A2mg2
ここで、A0は、0次の総和損失係数であり、A1は、1次の総和損失係数であり、A2は、2次の総和損失係数である。
なお、コンバータ15の電力損失Ploss_dcdc、第1のインバータIN1及び第1の回転電機MG1の合計電力損失Ploss_mg1、並びに第2のインバータIN2及び第2の回転電機MG2の合計電力損失Ploss_mg2を合計した総和電力損失Plossは、次式に示すように、総和損失係数A0、A1、A2を用いた多項式になる。
Figure 0006143905
次に、ステップST130で、損失最小指令算出部802は、2次の総和損失係数A2が正の値であるか否かを判定し、A2が正値の場合はステップST140に進み、A2が0または負値の場合はステップST160に進む。図13に示すように、2次の総和損失係数A2が正の値であれば、総和電力損失が下に凸になり、2次の総和損失係数A2が負の値であれば、総和電力損失が上に凸になる。
ステップST140で、損失最小指令算出部802は、2次及び1次の総和損失係数A2、A1に基づいて総和電力損失が極小になるシステム電圧VHである極電圧Vplを算出する。損失最小指令算出部802は、2次式の極値を求める理論式である次式を用いて、極電圧Vplを算出する。よって、2次及び1次の総和損失係数A2、A1を用いた簡単な演算で、極電圧Vplを算出することができ、演算負荷を大幅に低減できる。
Vpl=−A1/(2×A2) ・・・(9)
そして、損失最小指令算出部802は、極電圧Vplが電源電圧の2倍値2×Vbより大きいか否かを判定し、大きい場合はステップST171に進み、それ以外の場合はステップST150に進む。
ステップST171で、損失最小指令算出部802は、図14に示すように、極電圧Vplが電源電圧の2倍値2×Vbより大きい場合は、電源電圧の2倍値2×Vbを低損失電圧VHLLに設定する。これは、図8を用いて説明したように、システム電圧VHが電源電圧の2倍値2×Vbより大きくなると、コンバータ15の電力損失が大きくなるためである。
損失最小指令算出部802は、ステップST150で、極電圧Vplが必要最小電圧VHLより小さくなるか否かを判定し、小さくなる場合はステップST172に進み、それ以外の場合はステップST173に進む。
ステップST172で、損失最小指令算出部802は、図15に示すように、極電圧Vplが必要最小電圧VHLより小さくなる場合は、必要最小電圧VHLを低損失電圧VHLLに設定する。これは、必要最小電圧VHL以上の電圧指令値VH#の設定可能範囲において、必要最小電圧VHLで総和電力損失が最小になるためである。
ステップST173で、損失最小指令算出部802は、図16に示すように、極電圧Vplが必要最小電圧VHLから電源電圧の2倍値2×Vbの範囲にある場合は極電圧Vplを低損失電圧VHLLに設定する。これは、極電圧Vplで、総和電力損失が最小になるためである。
損失最小指令算出部802は、ステップST130において2次の総和損失係数A2が0又は負値であると判定した場合は、ステップST160で、総和損失係数に基づいて、必要最小電圧VHL及び電源電圧の2倍値2×Vbのいずれか総和電力損失が小さくなる方を判定する。本実施の形態では、図17に示すように、損失最小指令算出部802は、総和電力損失が極大になるシステム電圧VHである極電圧Vplが、必要最小電圧VHL及び電源電圧の2倍値2×Vbの平均電圧Vaveより小さくなるか否かを判定し、小さい場合はステップST174に進み、それ以外の場合はステップST175に進む。損失最小指令算出部802は、次式を用いて、平均電圧Vaveを算出する。
Vave=(VHL+2×Vb)/2 ・・・(10)
図17に示すように、極電圧Vplが平均電圧Vaveより小さくなる場合は、電源電圧の2倍値2×Vbで、総和電力損失が最小になると推定することができ、極電圧Vplが平均電圧Vaveより大きくなる場合は、必要最小電圧VHLで、総和電力損失が最小になると推定することができる。
よって、ステップST174で、損失最小指令算出部802は、極電圧Vplが平均電圧Vaveより小さくなる場合は、電源電圧の2倍値2×Vbを低損失電圧VHLLに設定する。一方、ステップST175で、損失最小指令算出部802は、極電圧Vplが平均電圧Vave以上になる場合は、必要最小電圧VHLを低損失電圧VHLLに設定する。
なお、損失最小指令算出部802は、ステップST160で、式(8)の総和電力損失Plossの算出式を用い、システム電圧VHが必要最小電圧VHLである場合の総和電力損失Ploss(VHL)、及びシステム電圧VHが電源電圧の2倍値2×Vbである場合の総和電力損失Ploss(2×Vb)を算出し、いずれが小さいかを判定するように構成されてもよい。
損失最小指令算出部802は、ステップST110において必要最小電圧VHLが電源電圧Vbから電源電圧の2倍値2×Vbの範囲外であり、必要最小電圧VHLが電源電圧の2倍値2×Vbより大きいと判定した場合は、ステップST165で、必要最小電圧VHLが出力上限電圧Vmaxより小さくなるか否かを判定し、小さくなる場合は、ステップST176に進み、それ以外の場合は、ステップST177に進む。
ステップST176で、損失最小指令算出部802は、必要最小電圧VHLが電源電圧の2倍値2×Vbから出力上限電圧Vmaxの範囲内にある場合は、必要最小電圧VHLを低損失電圧VHLLに設定する。これは、必要最小電圧VHL以上の電圧指令値VH#の設定可能範囲において、必要最小電圧VHLで総和電力損失が最小になるためである。
一方、ステップST177で、損失最小指令算出部802は、必要最小電圧VHLが出力上限電圧Vmax以上になる場合は、出力上限電圧Vmaxを低損失電圧VHLLに設定する。
<アルゴリズム選択部803>
コンバータ15の出力(出力電力)が大きくなるに従って、コンバータ15の電力損失特性は、図8に示した特性から、システム電圧VHの増加に対して、電力損失が単調増加する単調増加特性に近づいていく。そのため、コンバータ15の出力がある程度大きくなると、必要最小電圧VHLで総和電力損失が最小になる。
そこで、本実施の形態では、電圧指令算出部700は、図4及び図18に示すように、コンバータ15の出力(出力電力)が、予め設定した判定出力Pmg_th以上になった場合は、損失最小指令算出部802が設定する電圧指令値VH#(低損失電圧VHLL)に代えて、必要最小電圧VHLを最終的な電圧指令値VH#に設定するアルゴリズム選択部803を備えている。
アルゴリズム選択部803は、回転電機MGの出力Pmgを算出する回転電機出力算出部801を備えている。本実施の形態では、第1の回転電機出力算出部801は、第1のトルク指令値Tqcom1及び第1の回転電機MG1の回転速度ω1に基づいて、第1の回転電機MG1の出力Pmg1を算出する(例えば、Pmg1=Tqcom1×ω1)。第2の回転電機出力算出部801は、第2のトルク指令値Tqcom2及び第2の回転電機MG2の回転速度ω2に基づいて、第2の回転電機MG2の出力Pmg2を算出する(例えば、Pmg2=Tqcom2×ω2)。
アルゴリズム選択部803は、第1の回転電機MG1の出力Pmg1の絶対値と、第2の回転電機MG2の出力Pmg2の絶対値との大きい方を選択し、最大回転電機出力Pmg_maxとして出力する最大値選択部910を備えている。なお、最大値選択部910は、第1の回転電機MG1の出力Pmg1と第2の回転電機MG2の出力Pmg2との合計値の絶対値を、最大回転電機出力Pmg_maxとして出力するように構成されてもよい。
アルゴリズム選択部803は、最大回転電機出力Pmg_maxが判定出力Pmg_th以上である場合は、損失最小指令算出部802が設定した低損失電圧VHLLを、そのまま最終的な電圧指令値VH#として出力し、最大回転電機出力Pmg_maxが判定出力Pmg_th未満である場合は、必要最小電圧VHLを最終的な電圧指令値VH#として出力する。
<まとめ>
以上の構成によれば、複数の電圧候補のそれぞれについて、電力損失特性のマップデータを用いて各電力損失を算出し、総和電力損失が最小になる電圧指令値を探索することなく、各電力損失特性を表した多項式の係数に基づいて、判定ロジックと簡単な演算式により算出することができ、演算処理負荷を低減できる。各次数の係数の算出には、マップデータが用いられているが、マップデータから現在の運転条件に対応する値を1回読み出すだけであるので、複数の電圧候補のそれぞれについてマップデータを用いた算出を行う必要がない。また、各電力損失特性を、簡単な2次の多項式で近似し、各次数の係数をマップデータ化しているので、電力損失特性をそのままマップデータ化するよりも、記憶装置の記憶量を大幅に低減することができる。例えば、システム電圧VHが150Vから650Vまで変化する場合に、50V刻みで電力損失特性のデータテーブルを準備すると、10セットのデータテーブルが必要になるが、2次式で近似すると、係数分の3セット(A2、A1の係数しか使わないとすると最小2セット)までデータテーブルの数を少なくできる。また、本実施の形態では、2次及び1次の総和損失係数A2、A1に基づいて算出した極電圧Vplを用いて、電圧指令値VH#を設定しているため、複数の電圧候補のそれぞれについて、多項式を用いた電力損失の算出を行う必要がなく、演算処理負荷を低減できる。よって、演算処理負荷を低減しつつ、回転電機駆動装置1000の総和電力損失を低減することができる。
実施の形態2.
実施の形態2に係る回転電機駆動装置1000の制御装置400について説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る制御装置400の基本的な構成は実施の形態1と同様であるが、回転電機駆動装置1000の共振が生じる共振電圧を避けるように、電圧指令値VH#が設定される点が異なる。
上記の実施の形態1で設定された電圧指令値VH#をそのまま用いた場合、コンバータ15に用いるインダクタンスやコンデンサの定数の選び方、動作点の選び方によっては、コンバータ15のLC共振によって、コンバータ15の電圧、電流の脈動が生じ得る。そこで、回転電機駆動装置1000の総和電力損失をできるだけ低減しつつ、コンバータ15のLC共振を抑制するための電圧指令値VH#を算出することが望まれる。
そこで、本実施の形態では、電圧指令算出部700は、回転電機駆動装置1000の共振を生じる電圧指令値VH#である共振電圧指令値よりも大きい値に予め設定された共振回避電圧VHLCにより、損失最小指令算出部802が設定した電圧指令値VH#を下限制限した値を、最終的な電圧指令値VH#に設定するように構成されている。
図19に示すように、電圧指令算出部700は、共振回避電圧VHLCを算出する共振回避電圧算出部1220を備えている。共振回避電圧算出部1220は、トルク指令値Tqcomと回転電機MGの回転速度ωと共振回避電圧VHLCとの関係が予め設定されたマップデータを用い、現在のトルク指令値Tqcomと回転電機MGの回転速度ωに対応する共振回避電圧VHLCを算出する。
電圧指令算出部700は、上記の実施の形態1と同様の方法により算出された電圧指令値VH#と共振回避電圧VHLCとの大きい方を選択し、最終的な電圧指令値VH#として出力する最大値選択部1230を備えている。
上記のような構成とすることで、実施の形態1の効果をできるだけ維持しつつ、LC共振の抑制が可能である。
実施の形態3.
実施の形態3に係る回転電機駆動装置1000の制御装置400について説明する。上記の実施の形態1、2と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る制御装置400の基本的な構成は実施の形態1、2と同様であるが、予め設定された回避電圧範囲を避けるように、電圧指令値VH#が設定される点が異なる。
実施の形態1、2において算出された電圧指令値VH#をそのまま用いた場合、コンバータ15に用いるインダクタンスやコンデンサの定数の選び方、動作点の選び方によっては、システム電圧VHが電源電圧Vbに近い場合に、システム電圧VHが振動的になる場合がある。そこで、電圧指令算出部700は、損失最小指令算出部802が設定した電圧指令値VH#が予め設定された回避電圧範囲内になった場合に、回避電圧範囲外の電圧を最終的な電圧指令値VH#に設定するように構成されている。電圧指令算出部700は、予め設定されたマップデータ等の設定データを用い、トルク指令値Tqcom、回転電機MGの回転速度ω、電源電圧Vb、最大回転電機出力Pmg_max等に基づいて回避電圧範囲を算出する。電圧指令算出部700は、電源電圧Vbから、電源電圧Vbに予め設定されたΔVthを加算した電圧(Vb+ΔVth)までの範囲を回避電圧範囲として算出し、電圧指令値VH#が回避電圧範囲内に入った場合に、電圧指令値VH#をVb+ΔVthに置き換える。この構成によれば、実施の形態1、2の効果をできるだけ維持しつつ、システム電圧VHの振動を抑制できる。
〔その他の実施の形態〕
最後に、本発明のその他の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する各実施の形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施の形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の各実施の形態においては、回転電機MG及びインバータINは、2組設けられ、制御装置400は、第1組、第2組に合わせて構成されている場合を例として説明した。しかし、回転電機MG及びインバータINは、1組設けられてもよく、3組以上設けられてもよい。制御装置400は、組数に合わせて適切に構成される。
(2)上記の各実施の形態においては、多項式のそれぞれは、2次の多項式である場合を例として説明した。しかし、多項式のそれぞれは、3次以上の多項式であってもよい。
(3)上記の各実施の形態においては、損失最小指令算出部802は、インバータIN及び回転電機MGの電力損失特性を表す、システム電圧VHを変数とした多項式の係数であるインバータの損失係数を算出するように構成されている場合を例として説明した。しかし、損失最小指令算出部802は、インバータINのみの電力損失特性を表す、システム電圧VHを変数とした多項式の係数であるインバータの損失係数を算出するように構成されてもよい。また、損失最小指令算出部802は、回転電機MGの電力損失特性を表す、システム電圧VHを変数とした多項式の係数である回転電機の損失係数を更に算出し、多項式の次数毎にコンバータの損失係数、インバータの損失係数、及び回転電機の損失係数の総和を総和損失係数として算出するように構成されてもよい。
(4)上記の各実施の形態においては、損失最小指令算出部802は、1次、2次、及び3次のコンバータの損失係数、第1インバータの損失係数、第2インバータの損失係数、及び総和損失係数を算出するように構成されている場合を例として説明した。しかし、図9のフローチャートを用いて説明した処理では、損失最小指令算出部802は、1次の各損失係数を用いていないため、1次のコンバータの損失係数、第1インバータの損失係数、第2インバータの損失係数、及び総和損失係数を算出しないように構成されてもよい。
(5)上記の各実施の形態においては、損失最小指令算出部802は、2次及び1次の総和損失係数A2、A1に基づいて極電圧Vplを算出し、極電圧Vplを用いて電圧指令値VH♯を設定するように構成されている場合を例として説明した。しかし、損失最小指令算出部802は、複数の電圧候補のそれぞれについて、式(8)に示すような総和電力損失特性を表す総和損失係数を用いた多項式を用いた総和電力損失Plossの算出を行い、総和電力損失Plossが最小になる電圧を策定し、低損失電圧VHLLを設定するように構成されてもよい。この場合であっても、1つの多項式を用いた算出であるため、各電力損失を表すマップデータを用いた算出よりも、演算処理負荷を大幅に低減することができる。
(6)上記の各実施の形態における、コンバータ15、インバータIN、及び回転電機MGについての電力損失の近似式、係数の算出例は代表的なものを示したに過ぎず、その他の方式、或いはその他の変数に基づいて算出することができる。また、コンバータ15の個数、インバータINの個数、回転電機MGの個数が増えた場合においても、これらの損失特性を同様に近似し、同様に係数を算出し、図9に示したフローチャートに従って、電力損失が最小となる電圧指令値VH♯を設定することができる。
(7)コンバータの電力損失、インバータの電力損失、回転電機の電力損失において、システム電圧VHの変化に対する変化度合いが大きい一部のものに絞って、電力損失を多項式で近似したときの係数を算出し、算出した係数をもとに電力損失が最小となる低損失電圧VHLLを設定する構成とされてもよい。
(8)上記の各実施の形態においては、コンバータ15は、昇圧チョッパ用に2つのスイッチング素子Q3、Q4を備え、降圧チョッパ用に2つのスイッチング素子Q1、Q2を備えている場合を例として説明した。しかし、コンバータ15は、昇圧チョッパ用に1つのスイッチング素子を備え、降圧チョッパ用に1つのスイッチング素子を備えるなど、回路構成が変更されてもよい。
(9)上記の各実施の形態においては、回転電機駆動装置1000がハイブリッド車両に搭載される場合を例として説明した。しかし、回転電機駆動装置1000は、電気自動車に搭載される等、ハイブリッド車両以外の他の装置の駆動力源とされてもよい。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
この発明は、直流電源の電源電圧を昇圧してシステム電圧線に出力可能に構成されたコンバータと、前記コンバータと回転電機との間に設けられ、前記システム電圧線の直流電力と前記回転電機を駆動する交流電力との間で電力変換を行うインバータと、を備えた回転電機駆動装置の制御装置に好適に利用することができる。
7、8 システム電圧線、15 コンバータ、400 回転電機駆動装置の制御装置、700 電圧指令算出部、750 コンバータ制御部、800 必要最小電圧算出部、802 損失最小指令算出部、803 アルゴリズム選択部、1000 回転電機駆動装置、B 直流電源、IN インバータ、MG 回転電機、Pmg_th 判定出力、Tqcom トルク指令値、VH♯ 電圧指令値、VH システム電圧、VHL 必要最小電圧、VHLC 共振回避電圧、VHLL 低損失電圧、Vb 電源電圧、Vmax 出力上限電圧、Vmg 個別必要電圧、Vpl 極電圧、ω 回転電機の回転速度

Claims (11)

  1. 直流電源の電源電圧を昇圧してシステム電圧線に出力可能に構成されたコンバータと、前記コンバータと回転電機との間に設けられ、前記システム電圧線の直流電力と前記回転電機を駆動する交流電力との間で電力変換を行うインバータと、を備えた回転電機駆動装置の制御装置であって、
    電圧指令値が前記電源電圧よりも大きい場合に、前記システム電圧線の直流電圧であるシステム電圧が前記電圧指令値に近づくように前記コンバータを制御するコンバータ制御部と、
    前記電源電圧以上であって前記コンバータの出力上限電圧以下の範囲で前記電圧指令値を算出する電圧指令算出部と、を備え、
    前記電圧指令算出部は、
    現在の前記回転電機のトルク指令値及び回転速度の条件下で、前記回転電機の最大トルク電流制御を行う場合に必要な最小の前記システム電圧である必要最小電圧を算出する必要最小電圧算出部と、
    前記必要最小電圧が前記電源電圧以上であって前記コンバータの出力上限電圧以下である場合に、前記コンバータの電力損失特性を表す、前記システム電圧を変数とした多項式の係数であるコンバータの損失係数を算出し、前記インバータの電力損失特性を表す、前記システム電圧を変数とした多項式の係数であるインバータの損失係数を算出し、多項式の次数毎に前記コンバータの損失係数及び前記インバータの損失係数の総和を算出し、算出した次数毎の総和損失係数に基づいて、前記必要最小電圧以上であって前記コンバータの出力上限電圧以下の候補電圧範囲内で、前記コンバータ及び前記インバータの総和電力損失が最小になる前記システム電圧である低損失電圧を算出し、前記低損失電圧を前記電圧指令値に設定する損失最小指令算出部と、を備え
    前記必要最小電圧算出部は、前記必要最小電圧が前記電源電圧以上であって前記電源電圧の2倍値以下である場合に、最大次数が2次となる前記総和損失係数を算出すると共に2次の前記総和損失係数が正の値であるか否かを判定し、正の値であると判定した場合は、2次及び1次の前記総和損失係数に基づいて前記コンバータ及び前記インバータの総和電力損失が極小になる前記システム電圧である極電圧を算出すると共に、前記極電圧が前記電源電圧の2倍値より大きい場合は前記電源電圧の2倍値を前記低損失電圧に設定し、前記極電圧が前記必要最小電圧未満である場合は前記必要最小電圧を前記低損失電圧に設定し、前記極電圧が前記必要最小電圧から前記電源電圧の2倍値の範囲にある場合は前記極電圧を前記低損失電圧に設定し、正の値でないと判定した場合は、前記総和損失係数に基づいて前記必要最小電圧及び前記電源電圧の2倍値のいずれか前記総和電力損失が小さくなる方を判定し、当該小さくなる方を前記低損失電圧に設定し、
    前記必要最小電圧が前記電源電圧の2倍値よりも大きい場合に、前記必要最小電圧を前記低損失電圧に設定し、
    前記必要最小電圧が前記コンバータの出力上限電圧よりも大きい場合に、前記コンバータの出力上限電圧を前記低損失電圧に設定する回転電機駆動装置の制御装置。
  2. 直流電源の電源電圧を昇圧してシステム電圧線に出力可能に構成されたコンバータと、前記コンバータと回転電機との間に設けられ、前記システム電圧線の直流電力と前記回転電機を駆動する交流電力との間で電力変換を行うインバータと、を備えた回転電機駆動装置の制御装置であって、
    電圧指令値が前記電源電圧よりも大きい場合に、前記システム電圧線の直流電圧であるシステム電圧が前記電圧指令値に近づくように前記コンバータを制御するコンバータ制御部と、
    前記電源電圧以上であって前記コンバータの出力上限電圧以下の範囲で前記電圧指令値を算出する電圧指令算出部と、を備え、
    前記電圧指令算出部は、
    現在の前記回転電機のトルク指令値及び回転速度の条件下で、前記回転電機の最大トルク電流制御を行う場合に必要な最小の前記システム電圧である必要最小電圧を算出する必要最小電圧算出部と、
    前記必要最小電圧が前記電源電圧以上であって前記コンバータの出力上限電圧以下である場合に、前記コンバータの電力損失特性を表す、前記システム電圧を変数とした多項式の係数であるコンバータの損失係数を算出し、前記インバータの電力損失特性を表す、前記システム電圧を変数とした多項式の係数であるインバータの損失係数を算出し、多項式の次数毎に前記コンバータの損失係数及び前記インバータの損失係数の総和を算出し、算出した次数毎の総和損失係数に基づいて、前記必要最小電圧以上であって前記コンバータの出力上限電圧以下の候補電圧範囲内で、前記コンバータ及び前記インバータの総和電力損失が最小になる前記システム電圧である低損失電圧を算出し、前記低損失電圧を前記電圧指令値に設定する損失最小指令算出部と、を備え、
    前記電圧指令算出部は、前記コンバータの出力が、予め設定した判定出力以上になった場合は、前記損失最小指令算出部が設定する前記電圧指令値に代えて、前記必要最小電圧を最終的な前記電圧指令値に設定するアルゴリズム選択部を備える回転電機駆動装置の制御装置。
  3. 前記損失最小指令算出部は、各次数について、前記電源電圧と前記コンバータの出力と前記コンバータの損失係数との関係が予め設定された関係特性を用い、現在の前記電源電圧及び前記コンバータの出力に対応する前記コンバータの損失係数を算出すると共に、
    各次数について、前記回転電機の出力トルクと前記回転電機の回転速度と前記インバータの損失係数との関係が予め設定された関係特性を用い、現在の前記回転電機のトルク指令値及び回転速度に対応する前記インバータの損失係数を算出する請求項1又は2に記載の回転電機駆動装置の制御装置。
  4. 前記回転電機及び前記インバータは、複数組設けられ、
    前記必要最小電圧算出部は、前記回転電機のそれぞれについて、現在の前記回転電機のトルク指令値及び回転速度の条件下で、前記回転電機の最大トルク電流制御を行う場合に必要な最小の前記システム電圧である個別必要電圧を算出し、前記回転電機のそれぞれの前記個別必要電圧の中の最大値を前記必要最小電圧に設定し、
    前記損失最小指令算出部は、前記インバータの損失係数を、前記インバータのそれぞれについて算出し、多項式の次数毎に前記コンバータの損失係数及び前記インバータのそれぞれの前記インバータの損失係数の総和を算出する請求項1から3のいずれか一項に記載の回転電機駆動装置の制御装置。
  5. 前記損失最小指令算出部は、前記インバータに加えて前記回転電機の電力損失特性を表す、前記システム電圧を変数とした多項式の係数である前記インバータの損失係数を算出する請求項1からのいずれか一項に記載の回転電機駆動装置の制御装置。
  6. 前記損失最小指令算出部は、前記回転電機の電力損失特性を表す、前記システム電圧を変数とした多項式の係数である回転電機の損失係数を算出し、多項式の次数毎に前記コンバータの損失係数、前記インバータの損失係数、及び前記回転電機の損失係数の総和を前記総和損失係数として算出する請求項1からのいずれか一項に記載の回転電機駆動装置の制御装置。
  7. 前記多項式のそれぞれは、2次以下の多項式である請求項1からのいずれか一項に記載の回転電機駆動装置の制御装置。
  8. 前記多項式のそれぞれの係数は、最小二乗法を用いて予め設定されている請求項1からのいずれか一項に記載の回転電機駆動装置の制御装置。
  9. 前記多項式のそれぞれの係数は、前記電源電圧から前記電源電圧の2倍値までの前記システム電圧の範囲の各電力損失データに基づいて予め設定されている請求項1からのいずれか一項に記載の回転電機駆動装置の制御装置。
  10. 前記電圧指令算出部は、前記回転電機駆動装置の共振を生じる前記電圧指令値である共振電圧指令値よりも大きい値に予め設定された共振回避電圧により、前記損失最小指令算出部が設定した前記電圧指令値を下限制限した値を、最終的な前記電圧指令値に設定する請求項1からのいずれか一項に記載の回転電機駆動装置の制御装置。
  11. 前記電圧指令算出部は、前記損失最小指令算出部が設定した前記電圧指令値が予め設定された回避電圧範囲内になった場合に、前記回避電圧範囲外の電圧を最終的な前記電圧指令値に設定する請求項1から1のいずれか一項に記載の回転電機駆動装置の制御装置。
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