JP6143218B2 - 腱および靱帯機能改善剤ならびにこれを含む医薬組成物、食品および飼料 - Google Patents
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Description
すなわち、前記目的に沿う本発明の第1の態様は、魚類の動脈球から、脂質、可溶性タンパク質およびコラーゲンを除去して得られる不溶性タンパク質の加水分解物、ジペプチドのプロリン−グリシン(Pro-Gly )およびそれらの塩からなる群より選択される1または複数を有効成分として含み、腱細胞および靱帯細胞の増殖を促進させ、腱細胞および靱帯細胞における、エラスチンmRNA、I型コラーゲンmRNA、III型コラーゲンmRNAおよびテノモジュリンmRNAの発現を促進する活性を有し、腱細胞および靱帯細胞におけるアルカリホスファターゼを阻害し、かつ/または腱細胞および靱帯細胞におけるアルカリホスファターゼの発現を抑制する活性を有することを特徴とする腱および靱帯機能改善剤を提供することにより上記課題を解決するものである。
なお、本発明において、特に断らない限り「%」は「重量%」を意味する。
本発明の一実施の形態に係る腱および靱帯機能改善剤は、魚類の動脈球から、脂質、可溶性タンパク質およびコラーゲンを除去して得られる不溶性タンパク質の加水分解物である1または複数種のペプチド(以下、「エラスチンペプチド」と略称する場合がある。)、ジペプチドのプロリン−グリシン(Pro-Gly )、それらの塩およびそれらの誘導体からなる群より選択される1または複数の化合物を有効成分として含んでいる。
上記の有効成分のうち、まず、エラスチンペプチドについて説明する。
まず、原料として使用する動脈球から血液を除去するために流水で洗浄後、粉砕する。粉砕は、ホモジナイザー、フードカッター等の任意の公知の手段により行うことができる。次いで、粉砕した動脈球から、脂質、可溶性タンパク質、コラーゲンを除去することにより、エラスチンを主成分とする不溶性タンパク質が得られるが、原料のさらなる洗浄および以後の処理を容易にするための前処理として、アルカリ溶液を用いた浸漬処理を行うことが好ましい。
また、不溶物が存在する場合には、ろ過、遠心分離、デカンテーション等の任意の方法を用いて除去することができる。ろ過による除去の場合には、必要に応じて、溶液中に含まれる不溶物以外の不純物(エラスチンペプチド以外の着色成分等)を除去するために活性炭、ベントナイト、セライト等の吸着剤やろ過助剤を添加してもよい。特に溶液のまま使用する場合には、メンブレンフィルター等による除菌ろ過を併せて行うことが好ましい。
このようにして得られるエラスチンペプチドは、そのまま溶液として用いてもよく、或いは、更に濃縮後噴霧乾燥または凍結乾燥を行うことにより得られる粉末の形態で用いてもよい。
新鮮なカツオより動脈球(100g)を採取し、流水洗浄後粉砕した。原料の前処理として0.02N水酸化ナトリウム水溶液に冷蔵庫中で1週間浸漬した。浸漬後、流水洗浄により過剰のアルカリを除去し、排出液が中性となるまで流水洗浄した。これに3倍容の蒸留水を加え、95℃に加熱後、上清を取り除くことにより、脂質およびコラーゲン質を除去した。残留物をフードカッターで細片化し、プロチンAC-10F(大和化成製、0.5%)およびプロテアーゼN「アマノ」G(天野エンザイム製、0.1%)を基質量の1%添加し、10時間分解を行った。85℃以上の温度で加熱失活を行い、ろ過および遠心分離により残渣を分離した。その後精密ろ過によって清澄化した抽出液を噴霧乾燥し、水溶性のエラスチンペプチド粉末(8g)を得た。
原料として新鮮なハマチより採取した動脈球を用い、実施例1と同様の操作により、エラスチンペプチド粉末を得た。
原料として新鮮なマグロより採取した動脈球を用い、実施例1と同様の操作により、エラスチンペプチド粉末を得た。
本実施例および以下に示す実施例における各試験には、関節リウマチ患者または変形性膝関節症患者より摘出した前十字靱帯を組織培養後、単離した細胞を使用した。培養フラスコにて培養したヒト由来膝前十字靭帯由来細胞を96ウェルプレートに5,000
cells/cm2となるように播種した(培地:10%FBS DMEM)。37℃、5%CO2条件下で24時間培養した後、ウェル中の培養液を除去し、0.5%FBSを含むDMEMを添加して同条件下で更に24時間培養した。ウェル中の培養液を除去し、DPBSにより洗浄後、DPBSを除去した。0.5%FBSを含むDMEMにて0、5、50、500、5000、50000ng/mLの濃度となるようにカツオ由来エラスチンペプチドおよびPro-Gly (カツオ由来エラスチンペプチドより単離した)を調製しウェルに添加した。37℃、5%CO2の条件化で2日間培養を行い、cell counting kit-8により細胞数を確認した。
培養フラスコにて培養した膝前十字靭帯由来細胞を6ウェルプレートに5,000 cells/cm2となるように播種した(培地:10%FBS DMEM)。37℃、5%CO2条件下でプレコンフルエントになるまで3日間培養した後、ウェル中の培養液を除去し、DPBSにより洗浄、DPBSを除去した。1.0%FBSを含むDMEMにて0、50、500
ng/mLの濃度となるようにカツオ由来エラスチンペプチドおよびPro-Gly を調製しウェルに添加した。37℃、5%CO2の条件化で5日間培養を行い、RT−PCRにより各遺伝子発現定量を行った。その際、GAPDH(グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素)を内部標準とした。検証した遺伝子は、エラスチンmRNA、I型コラーゲンmRNA、III型コラーゲンmRNAおよびテノモジュリンmRNAである。
培養フラスコにて培養したヒト膝前十字靭帯由来細胞(P8)を48ウェルプレートに5,000cells/cm2となるように播種し、10%FBSを含むDMEMにて0、50、500
ng/mLの濃度となるようにカツオ由来エラスチンペプチドおよびPro-Gly を調製しウェルに添加。37℃、5%CO2条件下で、10日間培養した。各ウェルの培養液上清を除去し、PBSでプレートを洗浄、次いで0.05%トリトンXを各ウェルに150μL添加した。ウェルからエッペンチューブに移し遠心分離(4C、15,000rpm、15分)を行った。上清を回収し、これを測定サンプルとした。各サンプルのアルカリホスファターゼ活性を、キットにより活性測定を行うことで確認した。
Claims (6)
- 魚類の動脈球から、脂質、可溶性タンパク質およびコラーゲンを除去して得られる不溶性タンパク質の加水分解物、ジペプチドのプロリン−グリシン(Pro-Gly )およびそれらの塩からなる群より選択される1または複数を有効成分として含み、腱細胞および靱帯細胞の増殖を促進させ、腱細胞および靱帯細胞における、エラスチンmRNA、I型コラーゲンmRNA、III型コラーゲンmRNAおよびテノモジュリンmRNAの発現を促進する活性を有し、腱細胞および靱帯細胞におけるアルカリホスファターゼを阻害し、かつ/または腱細胞および靱帯細胞におけるアルカリホスファターゼの発現を抑制する活性を有することを特徴とする腱および靱帯機能改善剤。
- 前記不溶性タンパク質がエラスチンであることを特徴とする請求項1記載の腱および靱帯機能改善剤。
- 前記ペプチドのうち、70重量%以上が分子量1000以下であることを特徴とする請求項1または2記載の腱および靱帯機能改善剤。
- 請求項1から3のいずれか1項記載の腱および靱帯機能改善剤を含む腱および靱帯機能改善用医薬組成物。
- 請求項1から3のいずれか1項記載の腱および靱帯機能改善剤を含む腱および靱帯機能改善用食品。
- 請求項1から3のいずれか1項記載の腱および靱帯機能改善剤を含む腱および靱帯機能改善用飼料。
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