JP6142515B2 - 車両用走行支援装置 - Google Patents
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Description
本発明は、従来の減速制御装置におけるこのような未解決の課題に着目してなされたものであって、旋回アシスト制御中のドライバのアクセル操作の発生を低減できる車両用走行支援装置を提供することを目的とする。
(第1実施形態)
(構成)
図1は、本発明の第1実施形態の全体構成を示す図であり、本発明に係る車両用走行支援装置を適用した自動車1のモデルを示す概念図である。
本実施形態における自動車1は、電動モータ2を駆動源とした電気自動車であり、電動モータ2から出力された駆動力が入力される変速機3と、その変速機3の出力側に連結され車両幅方向に延びるドライブシャフト4と、そのドライブシャフト4の両端に設けられた左右の駆動輪5、5と、を備えていて、ドライブシャフト4に変速機を介して伝達された電動モータ2の駆動力が駆動輪5、5に伝達されるようになっている。
また、この自動車1は、ステアリングコラム30に設けられたハンドル操作検出装置31を備え、そのハンドル操作検出装置31は、ドライバがハンドル30aを操舵することで生じるステアリングコラム30の回転角(操舵角δ)に対応した操舵角検出信号δdをコントローラ6に供給するようになっている。
即ち、図2に示すように、コントローラ6は、ドライバ加減速要求推定部6Aと、旋回アシストトルク演算部6Bと、旋回アシスト作動制御部6Cと、指令値算出部6Dと、車速サーボ6Eと、加算器6Fと、を備えている。
ドライバ加減速要求推定部6Aは、アクセル操作検出装置9から供給されるアクセル操作検出信号Adに基づき、自動車1のドライバが要求している加速度の推定値を求めるようになっている。
本実施形態では、図3に示すように、アクセル操作検出信号Adの大きさ(アクセル操作量)に対する加減速推定値Geのマップデータを予め用意しておく。そして、ドライバ加減速要求推定部6Aは、このマップデータからアクセル操作検出信号Adの大きさに対応する加減速推定値Geを読み出すようになっている。
図3に示す例では、加減速推定値Geのマップデータは、アクセル操作量に対して単調に増加し、かつ、アクセル操作量が0のときに最小値0となり、アクセル操作量が増加するにつれて最大値に漸近する特性を有している。
そして、ハンドル操作検出装置31から供給される操舵角検出信号δdと、車速センサ7から供給される車速検出信号Vdとが、旋回アシストトルク演算部6Bに供給されるようになっている。また、ドライバ加減速要求推定部6Aが求めた加減速推定値Geが、旋回アシスト作動制御部6Cに供給されるようになっている。
ここで、旋回アシストトルクとは、旋回中の自動車1において、実車速が、横加速度と操舵角から得られる目標ヨーレートとから算出される旋回中目標車速を超えないように、規範車両モデル10において規範車速Vcを減ずる方向に作用するトルクである。従って、旋回アシストトルクTrqの符号は、加減速推定値Geに対してはマイナスとなる。
φ*=ν/(1+Aν2)・δ/NL ……(1)
として求めることができる。
Yg*=ν×φ* ……(2)
となる。
そして、旋回中目標車速ν*は、旋回時における二輪モデル1Aがそれを超えると安定的な走行が困難になる車速の上限値と考えることができるから、
ν*=Yg*/φ* ……(3)
となる。
Trq=K(ν−ν*) ……(4)
ただし、実車速νが旋回中目標車速ν*以下である場合、上記(4)式で旋回アシストトルクTrqを求めると符号が逆になってしまうが、そのような状況では旋回アシストトルクTrqは不要である。そこで、本実施形態では、横加速度推定値Yg*がしきい値Th以下の場合には、旋回アシストトルクTrqは強制的に0に設定する。
そして、図2に示す旋回アシストトルク演算部6Bは、上記(4)式に従って設定された旋回アシストトルクTrqを、旋回アシスト作動制御部6Cに供給する。
旋回アシスト作動制御部6Cは、供給される操舵角検出信号δd及び旋回アシストトルクTrqに基づき、旋回アシスト制御の作動内容を制御するようになっている。以下、この制御を、旋回アシスト作動制御と称す。
また、本実施形態では、旋回アシスト作動制御部6Cは、旋回アシスト作動制御として、ドライバが操舵の中立位置(例えば、操舵角δが0の位置)を基準として一方の操舵方向又は他方の操舵方向へと操舵している状態から中立位置方向に向かってハンドルを操作する切戻操舵を行ったか否かを判定する。そして、切戻操舵を行ったと判定した場合も、供給される旋回アシストトルクTrqを減少補正する制御を行う。そして、補正後の旋回アシストトルクである補正後旋回アシストトルクTrq’を指令値算出部6Dに供給するようになっている。
車速サーボ6Eは、指令値算出部6Dから供給される車速指令値Voutに基づき、加速度としての制御指令値であるアシストトルクGoutを生成し加算器6Fに出力する。
加算器6Fは、供給される加減速推定値GeとアシストトルクGoutとを加算し、それを電動モータ2に対する指令電流Ioutとして出力するようになっている。
旋回アシスト作動制御部6Cは、図5に示すように、操舵速度演算部12と、乗算部13と、操舵状態判定部14と、保舵判定部15と、補正処理部16とを含んで構成される。
操舵速度演算部12は、供給される操舵角度検出信号δdに基づいて、実際のハンドル30aの操作量、つまり、操舵角δを取得する。そして、操舵速度演算部12は、取得した操舵角δを微分して、操舵速度dδ/dt(以下、δ’と称す)を演算するようになっている。更に、操舵速度演算部12は、演算した操舵速度δ’を乗算部13に供給するようになっている。
従って、操舵方向に関係なく、ハンドルが右回転又は左回転して操舵角が増加した場合は操舵速度δ’はプラスの値となり、ハンドルが右回転又は左回転して操舵角が減少した場合は操舵速度δ’はマイナスの値となる。
操舵状態判定部14は、供給される「δ×δ’」がプラスの値であると判定すると操舵状態が切増操舵の状態であると判定する。一方、供給されるδ×δ’が「0」又はマイナスの値であると判定すると操舵状態が切戻操舵の状態であると判定する。そして、操舵状態判定部14は、判定結果を保舵判定部15に供給する。
従って、「δ×δ’」がプラスの値になる場合は、ハンドルは操舵角δが増加する方向に操舵されたことになるので切増操舵が行われていると判定することができる。一方、「δ×δ’」がマイナスの値になる場合は、ハンドルは操舵角δが減少する方向に操舵されたことになるので切戻操舵が行われていると判定することができる。なお、本実施形態では、後段の処理の関係で、「δ×δ’」が「0」、即ち操舵角δと操舵速度δ’の少なくとも一方が「0」となる状態を切戻操舵の状態に含めるようにしている。
具体的に、保舵判定部15は、供給される「δ×δ’」が保舵判定閾値Th1以下であり、かつ、操舵状態が切戻操舵の状態であると判定すると、操舵速度一定フラグFrδをセット状態に設定する。一方、保舵判定部15は、供給される「δ×δ’」が保舵判定閾値Th1を超えており、かつ、操舵状態が切増操舵の状態であると判定すると、操舵速度一定フラグを非セット状態に設定する。また、保舵判定部15は、供給される「δ×δ’」が保舵判定閾値Th1を超えており、かつ、操舵状態が切戻操舵の状態であると判定すると、操舵速度一定フラグを非セット状態に設定する。
そして。保舵判定部15は、設定した操舵速度一定フラグFrδを、補正処理部16に供給するようになっている。
補正処理部16は、供給される操舵速度一定フラグFrδに基づき、供給される旋回アシストトルクTrqに対して補正処理を実施するようになっている。
一方、補正処理部16は、供給される操舵速度一定フラグFrδが、非セット状態であると判定すると、供給される旋回アシストトルクTrqをそのまま補正後旋回アシストトルクTrq’として指令値算出部6Dに供給する。
即ち、規範車両モデル10は、予め定められた一定値である転がり抵抗成分R1を記憶した転がり抵抗成分記憶部10aと、規範車速Vcに基づいて空気抵抗成分R2を設定する空気抵抗成分設定部10bと、を備えている。
なお、転がり抵抗成分R1及び空気抵抗成分R2は、いずれも車両の走行速度を低減させる方向に作用する外乱成分であるため、それらの符号は、加減速推定値Geとは逆のマイナスである。
そして、転がり抵抗成分R1及び空気抵抗成分R2は、それぞれ選択部10c、10dに供給されるようになっている。
即ち、加算器10fは、加減速推定値Geと、補正後旋回アシストトルクTrq’と、選択部10c、10dの出力とを加算するものである。ただし、選択部10c、10dから転がり抵抗成分R1、空気抵抗成分R2が出力されているときには、それら転がり抵抗成分R1、空気抵抗成分R2の符号はマイナスである。また、補正後旋回アシストトルクTrq’も「0」又はマイナスの値となる。そのため、加算器10fにおける演算は、符号まで考えると、Ge−(Trq’+R1+R2)となるから、この加算器10fは、実質的には減算器として機能する。なお、フラグFaがセット状態であるときには、選択部10c、10dは「0」を出力するため、加算器10fの出力は(Ge−Trq’)となる。また、フラグFaがセット状態でありかつ補正後旋回アシストトルクTrq’が「0」であるときには、加算器10fの出力は加減速推定値Geそのものとなる。
そして、積分器10hから出力された規範車速Vcが、空気抵抗成分設定部10bに供給されるとともに、この規範車両モデル10の出力として図6の減算器11に供給されるようになっている。
この図8は、時刻t0から時刻t1の間は、ドライバによるアクセルペダル8の踏み込み量はほぼ一定で、時刻t1を過ぎた辺りから徐々にアクセルペダル8の踏み込み量を減少させ、時刻t2においてアクセルペダル8から完全に足を離した様子を示している。
ドライバ加減速要求推定部6Aは、時刻t2においてドライバが定速走行制御の開始を意図したと判断し、その時刻t2の直前における加減速推定値Geを、時刻t2以降は定速走行制御用の加減速推定値Ge'として保持する。
転がり抵抗成分R1は、時刻t2に至るまでは、転がり抵抗成分記憶部10aに記憶されている一定値となっているが、時刻t2に至った後は0となる。
同様に、空気抵抗成分R2は、時刻t2に至るまでは、規範車速Vcの二乗に比例した値となっているが、時刻t2に至った後は0となる。
しかし、時刻t2に至った後は、時刻t1において保持された加減速推定値Ge'が加算器10fに入力されるとともに、転がり抵抗成分R1及び空気抵抗成分R2はいずれも0になるため、規範車速Vcは一定値となる。
次に、図9に基づき、コントローラ6の加減速制御処理の処理手順を説明する。図9は、加減速制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図9の処理は、予め設定されたサンプリングクロックに同期して繰り返し実行される。
コントローラ6において専用のプログラムが実行され、加減速制御処理が実行されると、まず、図9に示すように、ステップS100に移行する。
ステップS100では、旋回アシストトルク演算部6Bにおいて、ハンドル操作検出装置31から供給される操舵角検出信号δdと、車速センサ7から供給される車速検出信号Vdを読み込む。その後、ステップS102に移行する。
ステップS104では、旋回アシストトルク演算部6Bにおいて、上記(2)式に基づき、実車速νと目標ヨーレートφ*とに従って、横加速度推定値Yg*を算出する。その後、ステップS106に移行する。
ステップS108に移行した場合は、旋回アシストトルク演算部6Bにおいて、上記(3)式に従って、旋回中目標車速ν*を算出する。その後、ステップS110に移行する。
ステップS112では、旋回アシスト作動制御部6Cにおいて、旋回アシスト作動制御を実施して、ステップS114に移行する。
ステップS114では、指令値算出部6Dにおいて、ドライバ加減速要求推定部6Aからの加減速推定値Ge及び旋回アシスト作動制御部6Cからの補正後旋回アシストトルクTrq’を読み込んで、ステップS116に移行する。
ステップS118では、減算器11において、規範車速Vcと実車速Vdとに基づき車速指令値Voutを演算する。そして、演算した車速指令値Voutを、車速サーボ6Eに供給して、ステップS120に移行する。
ステップS120では、車速サーボ6Eにおいて、車速指令値Voutを、アシストトルクGoutとして加算器6Fに供給して、ステップS122に移行する。
一方、ステップS106において、横加速度推定値Yg*の絶対値がしきい値Thを超えておらずステップS124に移行した場合は、旋回アシストトルク演算部6Bにおいて、旋回アシストトルクTrqを「0」に設定する。そして、「Trq=0」を、旋回アシスト作動制御部6Cに供給して、ステップS112に移行する。
次に、図10に基づき、旋回アシスト作動制御部6Cで実行される操舵状態判定処理の処理手順を説明する。図10は、操舵状態判定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図10の処理は、予め設定されたサンプリングクロックに同期して繰り返し実行される。
コントローラ6において専用のプログラムが実行され、旋回アシスト作動制御部6Cにおいて操舵状態判定処理が実行されると、まず、図10に示すように、ステップS200に移行する。
ステップS200では、旋回アシスト作動制御部6Cの操舵状態判定部14において、乗算部13からの「δ×δ’」を読み込んで、ステップS202に移行する。
ステップS204に移行した場合は、操舵状態判定部14において、操舵状態は切戻操舵の状態であると判定して、ステップS208に移行する。
ステップS208では、操舵状態判定部14において、操舵状態の判定結果を保舵判定部15に供給して、一連の処理を終了する。例えば、切戻操舵の場合は「1」を、切増操舵の場合は「0」を保舵判定部15に供給する。
次に、図11に基づき、旋回アシスト作動制御部6Cの保舵判定部15で実行される操舵速度一定フラグ設定処理の処理手順を説明する。図11は、操舵速度一定フラグ設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図11の処理は、予め設定されたサンプリングクロックに同期して繰り返し実行される。
コントローラ6において専用のプログラムが実行され、旋回アシスト作動制御部6Cにおいて操舵速度一定フラグ設定処理が実行されると、まず、図11に示すように、ステップS300に移行する。
ステップS302では、保舵判定部15において、ステップS300で読み込んだ操舵状態の判定結果に基づいて、切増操舵か否かを判定する。そして、切増操舵であると判定した場合(Yes)は、ステップS304に移行し、切戻操舵であると判定した場合(No)は、ステップS312に移行する。
ステップS304では、保舵判定部15において、乗算部13からの「δ×δ’」を読み込んで、ステップS306に移行する。
ステップS308に移行した場合は、保舵判定部15において、操舵速度一定フラグFrδをセット状態に設定して一連の処理を終了する。なお、既にセット状態であった場合は、セット状態を維持する。
また、ステップS302において、切戻操舵と判定されてステップS312に移行した場合は、保舵判定部15において、操舵速度一定フラグFrδをセット状態に設定して、一連の処理を終了する。なお、既にセット状態である場合は、セット状態を維持する。
次に、図12に基づき、ステップS112において旋回アシスト作動制御部6Cで実行される旋回アシスト作動制御処理の処理手順について説明する。図12は、旋回アシスト作動制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS112において旋回アシスト作動制御処理が実行されると、まず、図12に示すように、ステップS400に移行する。
ステップS400では、旋回アシスト作動制御部6Cの補正処理部16において、保舵判定部15からの操舵速度一定フラグFrδを読み込んで、ステップS402に移行する。
ステップS404に移行した場合は、補正処理部16において、補正後旋回アシストトルクTrq’を「0」に設定する。つまり、旋回アシストトルクTrqを「0」へと補正する。その後、ステップS406に移行する。
これにより、操舵速度一定フラグFrδがセット状態の期間は、旋回アシスト制御を実質的に作動しないようにする(中止する)。
一方、ステップS402において操舵速度一定フラグFrδが非セット状態であると判定されステップS408に移行した場合は、補正処理部16において、補正後旋回アシストトルクTrq’を供給される旋回アシストトルクTrqに設定する。その後、ステップS410に移行する。
ステップS410では、補正処理部16において、ステップS408で設定した「Trq’=Trq」を指令値算出部6Dに供給して、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
これにより、操舵速度一定フラグFrδが非セット状態の期間は、旋回アシスト制御を作動する。
次に、動作を説明する。
まず、自動車1の電源が投入されていると、コントローラ6には、アクセル操作検出信号Ad、車速検出信号Vd及び操舵角検出信号δdが供給される。これにより、ドライバ加減速要求推定部6Aにおいて、アクセル操作検出信号Adに基づいて、ドライバ加減速要求の推定値である加減速推定値Geが求められる。加減速推定値Geは、指令値算出部6Dに供給される。
また、旋回アシスト作動制御部6Cは、供給された操舵角検出信号δd及び旋回アシストトルクTrqに基づき、旋回アシスト作動制御処理を実施する(ステップS112)。
図13は、各値の時間変化の一例を示す波形図であり、操舵角度δ、補正前旋回アシストトルクTrq、操舵速度δ’、操舵速度一定フラグFrδ、補正後旋回アシストトルクTrq’及び規範車速Vcを示している。
旋回アシスト作動制御処理が実施されると、まず、旋回アシスト作動制御部6Cでは、操舵速度演算部12において、操舵角検出信号δdに基づき取得した操舵角δを時間微分することで、操舵速度δ’を演算する。操舵速度演算部12は、演算した操舵速度δ’を乗算部13に供給する。
操舵状態判定部14は、乗算部13から供給される「δ×δ’」を読み込むと(ステップS200)、読み込んだ「δ×δ’」が「0」以下か否かを判定する(ステップS202)。
時刻t0では、判定結果が切戻操舵となっているため、保舵判定部15は、切増操舵では無い(切戻操舵である)と判定する(ステップS302のNo)。従って、保舵判定部15は、操舵速度一定フラグFrδ(以下、フラグFrδと称す)をセット状態に設定する(ステップS312)。
なお、図示していないが、図13の例では、時刻t0〜t1の期間において、ドライバがアクセル操作を行っておらず(アクセルペダル8から足を離しており)、定速走行制御が実施されている。そのため、加減速推定値Geが一定となっている。また、定速走行制御が実施されているため、フラグFaがセット状態となり、転がり抵抗成分R1及び空気抵抗成分R2が0となる。
これにより、図13に示すように、時刻t0〜t1の期間では、規範車速Vcが一定となる。また、ドライバが操舵を行っておらず、ハンドルの位置が中立位置又はその近傍位置となるため、自動車1は直進走行をしている状態となる。
保舵判定部15は、切増操舵であると判定すると、次に、乗算部13から供給される「δ×δ’」を読み込む(ステップS300)。保舵判定部15は、読み込んだ「δ×δ’」が、予め設定された保舵判定閾値Th1以下か否かを判定する(ステップS304)。
一方、補正処理部16では、フラグFrδがセット状態であるため(ステップS402のYes)、供給される旋回アシストトルクTrqを「0」に補正する(ステップS404)。そのため、指令値算出部6Dには、補正後旋回アシストトルクTrq’として「0」が供給される(ステップS406)。
但し、図13に示すように、時刻tas1以前では、横加速度推定値Yg*が閾値Th以下となるため(不図示)、供給される旋回アシストトルクTrqが「0」となる。従って、時刻tas1以前では、補正後旋回アシストトルクTrq’として「0」が指令値算出部6Dに供給される。
なお、このドライバによる保舵の状態は、図13に示すように、時刻t3まで継続して行われる。従って、時刻t2から時刻t3までの期間は、フラグFrδがセット状態となり、指令値算出部6Dには、補正後旋回アシストトルクTrq’として「0」が供給され続けることになる。これにより、図13に示すように、時刻t2からt3までの期間は、規範車速Vcが一定となる。
引き続き、時刻t3から先は、旋回が終了に近づいて、ドライバがハンドルを現在の保舵している位置から中立位置へと切り戻す操舵を開始している。そのため、図13に示すように、時刻t3から先は、操舵角度δが減少していき、操舵速度δ’がマイナスの値となる。この切戻操舵は、時刻t4まで行われるため、時刻t3より先の時点から時刻t4の直前までは、「δ×δ’」がマイナスの値となる。
そのため、時刻t3より先の時点から時刻t4の直前までは、保舵判定部15において、フラグFrδがセット状態のままで維持される(ステップS312)。
つまり、切り戻しの操舵が行われた場合も、引き続き、旋回アシストトルクTrqを「0」へと補正する。これにより、図13に示すように、引き続き、時刻t3より先の時点から時刻t4の直前まで規範車速Vcが一定となる。
このハンドルの中立位置は、時刻t5の直前まで保持されるため、時刻t4から時刻t5の直前までは、フラグFrδがセット状態となり、補正処理部16において、旋回アシストトルクTrqが「0」に補正される(ステップS404)。
その後、時刻t5からは、自動車1が再びカーブに差し掛かるなどして、ドライバが操舵を開始している。これにより、図13に示すように、時刻t5から操舵角δが増加していき、「δ×δ’」が0を超えると共に(ステップS202のNo)、保舵判定閾値Th1を超える(ステップS306のNo)。そのため、保舵判定部15において、フラグFrδが非セット状態に設定される(ステップS310)。
引き続き、時刻t7の時点から、ドライバが現在の保舵の位置から更に切増操舵を行っており、図13に示すように、操舵角δが増加している。これにより、図13に示すように、時刻t7から操舵角δが増加していき、「δ×δ’」が0を超えると共に(ステップS202のNo)、保舵判定閾値Th1を超える(ステップS306のNo)。そのため、保舵判定部15において、フラグFrδが非セット状態に設定される(ステップS310)。
その後、時刻t8から時刻t9の直前までは、ドライバが現在の操舵状態を保持するため、「δ×δ’」が「0」以下となり、操舵状態判定部14において、操舵状態が切戻操舵と判定される(ステップS202のYes)。従って、保舵判定部15において、フラグFrδがセット状態に設定される(ステップS312)。
これにより、時刻t8から時刻t9の直前までは、規範車速Vcが一定となる。つまり、時刻t8から時刻t9の直前までの期間は、ドライバが車速を一定にするためのアクセル操作を行う必要が無くなる。
そのため、時刻t9より先の時点から時刻t10までは、保舵判定部15において、フラグFrδがセット状態のままで維持される(ステップS312)。
これにより、時刻t9から時刻t10までは、規範車速Vcが一定となる。つまり、時刻t9から時刻t10までの期間は、ドライバが車速を一定にするためのアクセル操作を行う必要が無くなる。
また、本実施形態において、旋回アシストトルク演算部6Bが旋回アシストトルク演算部に対応する。
また、本実施形態において、加算器10f及び除算器10gが目標加速度演算部に対応し、積分器10hが目標車速演算部に対応し、減算器11、車速サーボ6E及び加算器6Fが加減速制御部に対応する。
また、本実施形態において、操舵速度演算部12が、操舵速度演算部に対応し、乗算部13及び保舵判定部15が、保舵判定部に対応し、補正処理部16が、旋回アシスト作動制御部に対応する。
(1)旋回アシストトルク演算部6Bが、車速センサ7が検出した実車速Vdが旋回中目標車速ν*を超えていると判定すると該実車速Vdを該旋回中目標車速ν*以下とするための旋回アシストトルクTrqを演算する。ドライバ加減速要求推定部6Aが、ドライバの加減速要求の推定値である加減速推定値Geを求める。加算器10f及び除算器10gが、ドライバ加減速要求推定部6Aが推定した加減速推定値Geから旋回アシストトルクTrqを減算した値に基づいて目標加速度Gcを求める。積分器10hが、目標加速度Gcに基づいて目標車速Vcを求める。減算器11、車速サーボ6E及び加算器6Fが、実車速Vdが目標車速Vcに一致するように自動車1に対する加減速制御を行う。ハンドル操作検出装置31が、自動車1の操舵角δを検出する。乗算部13及び保舵判定部15が、操舵角δが一定に保持されているか否かを判定する。補正処理部16が、保舵判定部15の判定結果に基づいて、操舵角δが一定に保持されていると判定すると、旋回アシストトルクTrqによる減速制御の制御量を減少補正する。
これに対して、本実施形態の上記(1)の構成であれば、操舵角が一定に保持されている期間に、旋回アシストトルクTrqによる減速制御の制御量を減少補正するようにしたので、旋回アシストによる過度の減速を抑えることが可能となる。
これにより、旋回アシストトルクTrqによる減速制御が行われる期間において、操舵角が一定に保持されている期間は、過度の減速に対するドライバのアクセル操作の発生を低減することができるという効果が得られる。
これにより、旋回アシストトルクTrqによる減速制御が行われる期間において、操舵角が一定に保持されている期間は、過度の減速によるドライバのアクセル操作の発生を低減することができるという効果が得られる。
これにより、操舵角が一定に保持されている期間は、旋回アシストトルクTrqによる減速制御が行われないため、過度の減速によるドライバのアクセル操作の発生をより低減することができるという効果が得られる。
これにより、簡易な計算によって、切増操舵の状態と、切戻操舵の状態とをより確実に判定することができるという効果が得られる。
これにより、自動車1の旋回時の旋回状態に応じた適切な旋回アシストトルクを演算することが可能である。
(構成)
次に、図14乃至図17に基づき、本発明の第2実施形態を説明する。図14乃至図17は、本発明の第2実施形態を示す図である。なお、上記第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付し、その重複する説明は省略する。
上記第1実施形態では、操舵速度一定フラグFrδに基づき、操舵速度一定フラグFrδがセット状態であると判定すると、旋回アシストトルクTrqを「0」へと補正することで、自動車1が旋回走行中に規範車速Vcが一定となるようにしていた。これに対して、本実施形態では操舵速度一定フラグFrδがセット状態であるときに、操舵角度δが予め設定された大舵角判定閾値Th2を超えると判定すると、旋回アシストトルクTrqをいきなり「0」へと補正せずに、操舵角δの大きさに応じた補正量で補正する点が異なる。
本実施形態において、補正処理部16は、図14に示すように、補正係数演算部16aと、乗算器16bとを含んで構成される。
本実施形態では、図示しないが、ハンドル操作検出装置31から、操舵速度演算部12及び乗算部13に加えて、補正処理部16にも、操舵角検出信号δdが供給されるようになっている。
補正係数演算部16aは、供給される操舵角検出信号δdに基づき取得された操舵角δと、供給されるフラグFrδとに基づき、供給される旋回アシストトルクTrqの補正係数を演算(設定)するようになっている。
具体的に、補正係数演算部16aは、供給されるフラグFrδに基づき、フラグFrδがセット状態であると判定すると、図15に示す補正係数マップから、供給される操舵角δの大きさに対応する補正係数Kt[%]を取得する。補正係数演算部16aは、取得した補正係数Ktを乗算器16bに供給するようになっている。
乗算器16bは、補正係数演算部16aから供給される補正係数Ktと、供給される旋回アシストトルクTrqとを乗算して、その乗算結果を、補正後旋回アシストトルクTrq’(Trq’=Kt×Trq)として、指令値算出部6Dに供給するようになっている。
次に、図16に基づき、本実施形態の旋回アシスト作動制御処理の処理手順について説明する。図16は、本実施形態の旋回アシスト作動制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS112において、旋回アシスト作動制御処理が実行されると、まず、図16に示すように、ステップS500に移行する。
ステップS500では、旋回アシスト作動制御部6Cの補正処理部16において、保舵判定部15からの操舵速度一定フラグFrδを読み込んで、ステップS502に移行する。
ステップS504に移行した場合は、補正処理部16の補正係数演算部16aにおいて、図15の補正係数マップから、供給される操舵角δの大きさに応じた補正係数Ktを取得する。そして、取得した補正係数Ktを乗算器16bに供給して、ステップS506に移行する。
ステップS508では、乗算器16bにおいて、ステップS506の乗算結果を、補正後旋回アシストトルクTrq’として、指令値算出部6Dに供給し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップS512では、補正処理部16において、ステップS510で設定した「Trq’=Trq」を指令値算出部6Dに供給し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
次に、動作を説明する。
以下、具体例を挙げて、本実施形態の加速抑制制御の動作を説明する。
図17は、各値の時間変化の一例を示す波形図であり、操舵角度δ、操舵速度δ’、補正後旋回アシストトルクTrq’、操舵速度一定フラグFrδ及び規範車速Vcを示している。
図17の例において、時刻t0から時刻t1の直前までの期間では、自動車1がコーナーに侵入している状態であり、ドライバが操舵を行っていない(ハンドルが中立位置又はその近傍位置にある)状態となる。そのため、「δ×δ’」は「0」又はその近傍値となる。ここでは、説明の便宜上、「δ×δ’」が「0」になっているとする。従って、読み込んだ「δ×δ’」が「0」以下であると判定される(ステップS202のYes)。これにより、切戻操舵と判定され(ステップS204)、この判定結果が保舵判定部15に出力される(ステップS208)。
時刻t0では、判定結果が切戻操舵となっているため、保舵判定部15は、切増操舵では無い(切戻操舵である)と判定する(ステップS302のNo)。従って、保舵判定部15は、図17に示すように、操舵速度一定フラグFrδ(以下、フラグFrδと称す)をセット状態に設定する(ステップS312)。
ここで、時刻t0から時刻t1の直前までの期間では、ドライバが操舵を行っていないため、横加速度推定値Yg*が閾値Th以下となり、旋回アシストトルクTrqが「0」となる。加えて、時刻t0から時刻t1の直前までの期間では、図17に示すように、操舵角δも閾値Th2以下でかつ閾値Th3未満となっているため、補正係数Ktが「0」となる。従って、図17に示すように、時刻t0から時刻t1の直前までの期間では、補正後旋回アシストトルクTrq’は「0」となる。
引き続き、図17の時刻t1では、コーナリングが開始され、ドライバが操舵を開始する。そのため、操舵角δが増加していくと共に操舵速度δ’が「0」を超える。従って、操舵状態判定部14において、読み込んだ「δ×δ’」が「0」を超える(ステップS202のNo)。これにより、操舵状態が切増操舵と判定され(ステップS206)、この判定結果が保舵判定部15に出力される(ステップS208)。
保舵判定部15は、切増操舵であると判定すると、次に、乗算部13から供給される「δ×δ’」を読み込む(ステップS300)。保舵判定部15は、読み込んだ「δ×δ’」が、予め設定された保舵判定閾値Th1以下か否かを判定する(ステップS304)。
一方、補正処理部16では、フラグFrδが非セット状態であるため(ステップS502のNo)、供給される旋回アシストトルクTrqを、補正後旋回アシストトルクTrq’として設定する(ステップS510)。これにより、指令値算出部6Dには、補正後旋回アシストトルクTrq’として「Trq’=Trq」が供給される(ステップS512)。
引き続き、時刻t2から時刻t3の直前までの期間において、ドライバが切増操舵を終了して終了時の操舵状態を維持(保舵)することによって、操舵速度δ’が「0」又はその近傍の値となる。そのため、保舵判定部15において、操舵状態が切戻操舵と判定されるか(ステップS302のNo)、又は「δ×δ’」が保舵判定閾値Th1以下になったと判定される(ステップS306のYes)。これにより、図17に示すように、時刻t2から時刻t3の直前までの期間において、フラグFrδが、セット状態に設定される(ステップS312又はステップS308)。
乗算器16bは、供給される補正係数Ktと、供給される旋回アシストトルクTrqとを乗算し、その乗算結果「Kt×Trq」を補正後旋回アシストトルクTrq’として設定する(ステップS506)。そして、補正後旋回アシストトルクTrq’として、「Trq’=Kt×Trq」を、指令値算出部6Dに供給する(ステップS508)。
そのため、時刻t2から時刻t3の直前までの期間では、補正後旋回アシストトルクTrq’が「0」となり、図17に示すように、規範車速Vcが一定となる。つまり、時刻t2から時刻t3の直前までの期間は、ドライバが車速を一定にするためのアクセル操作を行う必要が無くなる。
これにより、時刻t3から時刻t4の直前までの期間では、図17に示すように、規範車速Vcが補正後旋回アシストトルクTrq’の増加に応じて徐々に減少する。
ここで、時刻t3から時刻t4の直前までの期間では、途中から操舵角δが閾値Th2を超えておりかつ閾値Th3未満となっている。しかし、この期間では、フラグFrδが非セット状態に設定されているため、旋回アシストトルクTrqによる減速制御(通常の旋回アシスト制御と同等)を行っている。
図17に示すように、時刻t4から時刻t5の直前までの期間では、操舵角δが閾値Th2を超えておりかつ閾値Th3未満となっている。
そのため、現在の操舵角δの大きさに応じた補正係数Ktを補正係数マップから取得することになる。
引き続き、図17に示すように、時刻t5から時刻t6の直前までの期間では、コーナリングが終了に近づいており、ドライバが中立位置へと切戻操舵を開始している。
保舵判定部15は、切戻操舵となるので、図17に示すように、フラグFrδをセット状態に設定(維持)する(ステップS312)。
これにより、操舵角δが閾値Th2を超えておりかつ閾値Th3未満の値で保持されている期間は、この操舵角δの大きさに応じた補正係数Ktによって減少補正された補正後旋回アシストトルクTrq’によって、減速制御が行われる。なお、切戻操舵によって、操舵角δが徐々に小さくなるため、時刻t5から時刻t6の直前までの期間において、補正後旋回アシストトルクTrq’も徐々に小さくなる。
このように補正後旋回アシストトルクTrq’によって減速制御を行った場合の規範車速Vcは、図17中に一点鎖線で示す、補正を行わなかった場合(従来の減速制御を行った場合)と比較して、高い速度で推移している。
引き続き、図17に示すように、時刻t6から時刻t7の直前までの期間では、切戻操舵が継続して行われ、操舵角δが閾値Th2以下となる。そのため、補正係数演算部16aで取得される補正係数Ktが0となる。これにより、時刻t6から時刻t7の直前までの期間では、補正後旋回アシストトルクTrq’が「0」となる。
ここで、本実施形態において、ドライバ加減速要求推定部6Aが加減速要求推定部に対応し、車速センサ7が実車速検出部に対応し、ハンドル操作検出装置31が操舵角検出部に対応する。
また、本実施形態において、旋回アシストトルク演算部6B内において、上記(3)式に従って旋回中目標車速ν*を演算する処理が旋回中目標車速演算部に対応し、旋回アシストトルク演算部6B内において、上記(4)式に従って旋回アシストトルクTrqを演算する処理が旋回アシストトルク演算部に対応する。
また、本実施形態において、操舵速度演算部12が、操舵速度演算部に対応し、乗算部13及び保舵判定部15が、保舵判定部に対応し、補正処理部16が、旋回アシスト作動制御部に対応する。
本実施形態は、上記第1実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(1)補正処理部16が、操舵角δが予め設定された大舵角判定閾値Th2を超えていると判定され、かつ、操舵角δが一定に保持されていると判定された期間において、操舵角δの大きさに応じた補正量で旋回アシストトルクTrqによる減速制御の制御量を減少補正する。
上記各実施形態では、例えば、上記第1実施形態の図13に示すように、旋回開始時の切増操舵の後の保舵期間の後に、再度切増操舵が行われた場合に、保舵期間において0となっていた制御量を、そのときの旋回アシストトルクTrqの値に基づく制御量へとすぐに変更する構成としている。この構成に限らず、例えば、図18(a)に示すように、制御量0の状態から、切増操舵を行っている期間における旋回アシストトルクTrqの最大値に向かって線形に増加するように旋回アシストトルクTrqを補正する構成としてもよい。また、例えば、図18(b)に示すように、制御量0の状態から、切増操舵を行っている期間における旋回アシストトルクTrqの最大値に向かって対数関数的に増加するように旋回アシストトルクTrqを補正する構成としてもよい。このような構成とすることで、階段状に旋回アシストトルクTrqが変化するのを防ぐことができるので、急激な減速が発生するのを防止することができる。なお、図18(a)及び(b)中の破線は、旋回アシストトルク演算部6Bにおいて演算される補正前の旋回アシストトルクTrqの時間変化を示す。
また、上記各実施形態では、本発明に係る車両用走行支援装置及び自動車を、電動モータ2を動力源とするいわゆる電気自動車に適用した場合について説明しているが、これに限定されるものではなく、内燃機関を動力源とする自動車や、内燃機関と電動モータとを備えたハイブリッド車両であっても、本願発明は適用可能である。
また、上記各実施形態では、アクセル操作検出装置9によって検出されるアクセル操作量に基づいて、ドライバ加減速要求値を推定する構成としたが、この構成に限らない。ドライバ加減速要求値を推定することが可能で有れば、例えば、ステアリングスイッチやジョイスティック等の操作量に基づいて、推定値を求める構成としてもよい。
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、均等物等は本発明に含まれるものである。
2 電動モータ
3 変速機
4 ドライブシャフト
5 駆動輪
6 コントローラ
6A ドライバ加減速要求推定部
6B 旋回アシストトルク演算部
6C 旋回アシスト作動制御部
6D 指令値算出部
6E 車速サーボ
6F 加算器
7 車速センサ
8 アクセルペダル
9 アクセル操作検出装置
10 規範車両モデル
10a 転がり抵抗成分記憶部
10b 空気抵抗成分設定部
10c 選択部
10d 設定部
10e フラグ設定部
10f 加算器
10g 除算器
10h 積分器
11 減算器
12 操舵速度演算部
13 乗算部
14 操舵状態判定部
15 保舵判定部
16 補正処理部
16a 補正係数演算部
16b 乗算器
30 ステアリングコラム
31 ハンドル操作検出装置
Claims (6)
- 車両が安定して走行可能な限界旋回状態に近づいたと判定すると車両の安定した旋回走行を維持するために必要な旋回アシストトルクを演算する旋回アシストトルク演算部と、
ドライバの加減速要求の推定値である加減速推定値を求める加減速要求推定部と、
前記加減速推定値から前記旋回アシストトルクを減算した値に基づいて目標加速度を求める目標加速度演算部と、
前記目標加速度に基づいて目標車速を求める目標車速演算部と、
車両の実車速を推定又は検出する実車速検出部と、
前記実車速が前記目標車速に一致するように車両に対する加減速制御を行う加減速制御部と、
車両の操舵角を検出する操舵角検出部と、
前記操舵角が一定に保持されているか否かを判定する保舵判定部と、
前記保舵判定部の判定結果に基づいて、前記操舵角が一定に保持されていると判定すると、前記旋回アシストトルクによる減速制御の制御量を減少補正する旋回アシスト作動制御部と、
前記操舵角検出部で検出した前記操舵角に基づいて操舵速度を演算する操舵速度演算部と、を備え、
前記保舵判定部は、前記操舵角検出部で検出した前記操舵角と前記操舵速度演算部で演算した前記操舵速度との乗算結果が、予め設定された保舵判定閾値以下であるときに前記操舵角が一定に保持されていると判定し、前記保舵判定閾値を超えているときに前記操舵角が一定に保持されていないと判定することを特徴とする車両用走行支援装置。 - 車両が安定して走行可能な限界旋回状態に近づいたと判定すると車両の安定した旋回走行を維持するために必要な旋回アシストトルクを演算する旋回アシストトルク演算部と、
ドライバの加減速要求の推定値である加減速推定値を求める加減速要求推定部と、
前記加減速推定値から前記旋回アシストトルクを減算した値に基づいて目標加速度を求める目標加速度演算部と、
車両の実加速度を推定又は検出する実加速度検出部と、
前記実加速度が前記目標加速度に一致するように車両に対する加減速制御を行う加減速制御部と、
車両の操舵角を検出する操舵角検出部と、
前記操舵角が一定に保持されているか否かを判定する保舵判定部と、
前記保舵判定部の判定結果に基づいて、前記操舵角が一定に保持されていると判定された期間において、前記旋回アシストトルクによる減速制御の制御量を減少補正する旋回アシスト作動制御部と、
前記操舵角検出部で検出した前記操舵角に基づいて操舵速度を演算する操舵速度演算部と、を備え、
前記保舵判定部は、前記操舵角検出部で検出した前記操舵角と前記操舵速度演算部で演算した前記操舵速度との乗算結果が、予め設定された保舵判定閾値以下であるときに前記操舵角が一定に保持されていると判定し、前記保舵判定閾値を超えているときに前記操舵角が一定に保持されていないと判定することを特徴とする車両用走行支援装置。 - 前記旋回アシスト作動制御部は、前記制御量を0に減少補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用走行支援装置。
- 前記操舵角検出部で検出した前記操舵角に基づいて、操舵の中立位置を基準として一方の操舵方向又は他方の操舵方向に前記操舵角が増加する操舵である切増操舵があったか否かを判定すると共に、前記操舵の中立位置方向に前記操舵角が減少する操舵である切戻操舵があったか否かを判定する操舵状態判定部を備え、
前記旋回アシスト作動制御部は、前記保舵判定部の判定結果と前記操舵状態判定部の判定結果とに基づいて、前記操舵角が一定に保持されていないと判定され、かつ、前記切戻操舵があったと判定された場合にも前記旋回アシストトルクによる減速制御の制御量を減少補正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両用走行支援装置。 - 前記操舵角検出部は、操舵の中立位置を基準として一方の操舵方向又は他方の操舵方向への操舵に応じて増加しかつ操舵方向に関係なくプラスの値となる操舵角を出力するようになっており、
前記操舵速度演算部は、前記操舵角を微分することによって前記操舵速度を演算するようになっており、
前記操舵状態判定部は、前記乗算結果がプラスの値であると判定すると前記切増操舵があったと判定し、前記乗算結果がマイナスの値であると判定すると前記切戻操舵があったと判定することを特徴とする請求項4に記載の車両用走行支援装置。 - 前記旋回アシスト作動制御部は、前記操舵角が予め設定された大舵角判定閾値を超えていると判定され、かつ、前記操舵角が一定に保持されていると判定された期間において、前記操舵角の大きさに応じた補正量で前記制御量を減少補正することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の車両用走行支援装置。
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