JP6142515B2 - 車両用走行支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、旋回中の車速を旋回中目標車速以下となるように減速制御する旋回アシスト制御の実施中におけるドライバのアクセル操作の発生を低減する技術に関する。
本発明に関係する従来の装置としては、例えば、特許文献1に記載された減速制御装置がある。即ち、特許文献1記載の減速制御装置は、車両の旋回走行に基づいて減速制御を行う減速制御装置において、車両がカーブ出口を走行していることを検出した場合に、減速制御の制御量を減少させるというものである。
特開2005−263215号公報
しかしながら、上記従来の減速制御装置にあっては、旋回中の減速制御(旋回アシスト制御)中に、車速が過度に減速することによって、ドライバが一定車速を保つためにアクセル操作を行うといった未解決の課題があった。
本発明は、従来の減速制御装置におけるこのような未解決の課題に着目してなされたものであって、旋回アシスト制御中のドライバのアクセル操作の発生を低減できる車両用走行支援装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様である車両用走行支援装置は、車両が安定して走行可能な限界旋回状態に近づいたと判定すると車両の安定した旋回走行を維持するために必要な旋回アシストトルクを演算し、ドライバの加減速要求の推定値である加減速推定値を演算し、該加減速推定値から旋回アシストトルクを減算した値に基づき車両の目標加速度を演算し、該目標加速度に基づき目標車速を演算し、実車速が目標車速と一致するように車両に対する加減速制御を行う一方、操舵角が一定に保持されている期間は、旋回アシストトルクによる減速制御の制御量を減少補正するようにした。
本発明によれば、旋回アシストトルクによる減速制御中に、操舵角が一定に保持されている期間は、減速制御の制御量を減少補正することが可能である。そのため、車両旋回中の旋回アシストトルクによる過度の減速を緩和することができる。これにより、旋回アシストトルクによる減速制御中のドライバのアクセル操作の発生を低減することができるという効果が得られる。
第1実施形態における自動車1の概略構成を示す概念図である。 第1実施形態のシステムの全体構成を示すブロック図である。 第1実施形態のアクセル操作量に対するドライバ加減速要求値(加減速推定値Ge)のマップデータの一例を示す図である。 二輪モデルの説明図である。 第1実施形態の旋回アシスト作動制御部の具体的な機能構成の一例を示すブロック図である。 第1実施形態の各信号の流れが見えるようにしたブロック図である。 第1実施形態の規範車両モデルの構成を示すブロック図である。 第1実施形態の自動車1が直進走行中の各値の時間変化の一例を示す波形図である。 第1実施形態の加減速制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態の操舵状態判定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態の操舵速度一定フラグ設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態の旋回アシスト作動制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態における各値の時間変化の一例を示す波形図である。 第2実施形態の旋回アシスト作動制御部6Cの補正処理部16の具体的な機能構成を示すブロック図である。 第2実施形態の補正係数マップの一例を示す図である。 第2実施形態の旋回アシスト作動制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態の各値の時間変化の一例を示す波形図である。 (a)及び(b)は、変形例の補正後旋回アシストトルクTrq’の時間変化の一例を示す波形図である。 従来技術の各値の時間変化の一例を示す波形図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
(構成)
図1は、本発明の第1実施形態の全体構成を示す図であり、本発明に係る車両用走行支援装置を適用した自動車1のモデルを示す概念図である。
本実施形態における自動車1は、電動モータ2を駆動源とした電気自動車であり、電動モータ2から出力された駆動力が入力される変速機3と、その変速機3の出力側に連結され車両幅方向に延びるドライブシャフト4と、そのドライブシャフト4の両端に設けられた左右の駆動輪5、5と、を備えていて、ドライブシャフト4に変速機を介して伝達された電動モータ2の駆動力が駆動輪5、5に伝達されるようになっている。
また、この自動車1は、駆動輪5の回転数に基づいて車速(実車速)を検出する車速センサ7と、ドライバによる踏み込み操作が可能なアクセルペダル8と、そのアクセルペダル8の踏み込み量を検出するアクセル操作検出装置9と、を備えている。そして、コントローラ6には、車速センサ7が出力する車速検出信号Vdと、アクセル操作検出装置9が出力するアクセル操作検出信号Adとが供給されるようになっている。
また、この自動車1は、ステアリングコラム30に設けられたハンドル操作検出装置31を備え、そのハンドル操作検出装置31は、ドライバがハンドル30aを操舵することで生じるステアリングコラム30の回転角(操舵角δ)に対応した操舵角検出信号δdをコントローラ6に供給するようになっている。
コントローラ6は、図示しないCPUやドライバ回路などを備えて構成されていて、供給される車速検出信号Vd、アクセル操作検出信号Ad及び操舵角検出信号δdに基づき、後述する演算処理を実行して、電動モータ2に対して指令電流Ioutを出力してその回転方向や駆動力を制御するようになっている。なお、この実施形態では、電動モータ2は、自動車1の駆動力を生成するとともに、回生による制動力を発生するようにもなっている。つまり、電動モータ2は、制駆動アクチュエータとして機能するものであるが、回生による制動力とは別に、駆動輪5や図示しない従動輪に対して摩擦による制動力を発生する機械的なブレーキ装置を設け、電動モータ2による回生ブレーキと機械的なブレーキ装置とを併用するようにしてもよい。
図2は、第1実施形態の全体的な機能構成を示すブロック図である。
即ち、図2に示すように、コントローラ6は、ドライバ加減速要求推定部6Aと、旋回アシストトルク演算部6Bと、旋回アシスト作動制御部6Cと、指令値算出部6Dと、車速サーボ6Eと、加算器6Fと、を備えている。
ドライバ加減速要求推定部6Aは、アクセル操作検出装置9から供給されるアクセル操作検出信号Adに基づき、自動車1のドライバが要求している加速度の推定値を求めるようになっている。
ここで、図3は、アクセル操作量に対するドライバ加減速要求値の推定値である加減速推定値Geのマップデータの一例を示す図である。
本実施形態では、図3に示すように、アクセル操作検出信号Adの大きさ(アクセル操作量)に対する加減速推定値Geのマップデータを予め用意しておく。そして、ドライバ加減速要求推定部6Aは、このマップデータからアクセル操作検出信号Adの大きさに対応する加減速推定値Geを読み出すようになっている。
図3に示す例では、加減速推定値Geのマップデータは、アクセル操作量に対して単調に増加し、かつ、アクセル操作量が0のときに最小値0となり、アクセル操作量が増加するにつれて最大値に漸近する特性を有している。
なお、加減速推定値Geの求め方は、これに限定されるものではなく、例えば、アクセル操作検出信号Adの大きさに所定のゲインを乗じることでドライバが要求している加速度の加減速推定値Geを求めることも可能である。また、例えば、アクセル操作検出信号Adの二乗に比例して求めることも可能であるし、或いは、アクセル操作検出信号Adの絶対値とその変化量(微分値)とに基づいて求めることも可能である。ただし、内燃機関を駆動源とした車両の運転特性に慣れているドライバのことを考え、加減速推定値Geは、アクセル操作検出信号Adの変化に対して若干の遅れを伴うような特性に設定することが望ましい。
また、ドライバ加減速要求推定部6Aは、ドライバがアクセルペダル8を操作しているときには、そのときのアクセルペダル8の開度を表すアクセル操作検出信号Adに応じた加減速推定値Geを常に更新しつつ出力する。一方、ドライバ加減速要求推定部6Aは、ドライバがアクセルペダル8から足を離したときには、ドライバは、自身の操作によらず自動的に車速を制御する定速走行制御の開始を意図したと判断し、その離す直前(離す前の予め設定された時点)に設定されていた加減速推定値Geを保持するようになっている。
なお、ドライバが、ハンドルに設けられたスイッチを操作することで定速走行制御の開始をシステム側に通知するような構成を備える自動車の場合には、そのスイッチを操作したときに、ドライバは定速走行制御の開始を意図したと判断し、そのときの加減速推定値Geを保持するようにしてもよい。
そして、ハンドル操作検出装置31から供給される操舵角検出信号δdと、車速センサ7から供給される車速検出信号Vdとが、旋回アシストトルク演算部6Bに供給されるようになっている。また、ドライバ加減速要求推定部6Aが求めた加減速推定値Geが、旋回アシスト作動制御部6Cに供給されるようになっている。
旋回アシストトルク演算部6Bは、操舵角検出信号δdと、車速検出信号Vdとに基づき、旋回アシストトルクTrqを演算するようになっている。
ここで、旋回アシストトルクとは、旋回中の自動車1において、実車速が、横加速度と操舵角から得られる目標ヨーレートとから算出される旋回中目標車速を超えないように、規範車両モデル10において規範車速Vcを減ずる方向に作用するトルクである。従って、旋回アシストトルクTrqの符号は、加減速推定値Geに対してはマイナスとなる。
より具体的には、図4に示すような二輪モデル1Aを考え、旋回中の二輪モデル1Aに作用する横加速度Yg、実車速ν、操舵角δ、ヨーレートφと、そのときの旋回半径Rと、その他車両諸元(スタビリティファクタA、ステアリングギヤ比N、ホイールベースL)から、目標ヨーレートφ*は、
φ*=ν/(1+Aν2)・δ/NL ……(1)
として求めることができる。
一方、二輪モデル1Aに作用する横加速度推定値Yg*は、
Yg*=ν×φ* ……(2)
となる。
そして、旋回中目標車速ν*は、旋回時における二輪モデル1Aがそれを超えると安定的な走行が困難になる車速の上限値と考えることができるから、
ν*=Yg*/φ* ……(3)
となる。
そこで、このように求めることができる旋回中目標車速ν*を実車速νが超えないように、旋回アシストトルクTrqを設定すると、下記のようになる。
Trq=K(ν−ν*) ……(4)
ただし、実車速νが旋回中目標車速ν*以下である場合、上記(4)式で旋回アシストトルクTrqを求めると符号が逆になってしまうが、そのような状況では旋回アシストトルクTrqは不要である。そこで、本実施形態では、横加速度推定値Yg*がしきい値Th以下の場合には、旋回アシストトルクTrqは強制的に0に設定する。
以下、旋回アシストトルクTrqによって、旋回中の自動車1の実車速νが旋回中目標車速ν*を超えないようにする減速制御を旋回アシスト制御と称す。
そして、図2に示す旋回アシストトルク演算部6Bは、上記(4)式に従って設定された旋回アシストトルクTrqを、旋回アシスト作動制御部6Cに供給する。
旋回アシスト作動制御部6Cは、供給される操舵角検出信号δd及び旋回アシストトルクTrqに基づき、旋回アシスト制御の作動内容を制御するようになっている。以下、この制御を、旋回アシスト作動制御と称す。
具体的に、旋回アシスト作動制御部6Cは、旋回アシスト作動制御として、供給される操舵角検出信号δdに基づいて、操舵角が一定で保持されているか否かを判定する。そして、操舵角が一定で保持されていると判定すると、供給される旋回アシストトルクTrqを減少補正する制御を行う。
また、本実施形態では、旋回アシスト作動制御部6Cは、旋回アシスト作動制御として、ドライバが操舵の中立位置(例えば、操舵角δが0の位置)を基準として一方の操舵方向又は他方の操舵方向へと操舵している状態から中立位置方向に向かってハンドルを操作する切戻操舵を行ったか否かを判定する。そして、切戻操舵を行ったと判定した場合も、供給される旋回アシストトルクTrqを減少補正する制御を行う。そして、補正後の旋回アシストトルクである補正後旋回アシストトルクTrq’を指令値算出部6Dに供給するようになっている。
指令値算出部6Dは、供給される加減速推定値Ge、旋回アシストトルクTrq’及び車速検出信号Vdに基づき、所定の演算処理を実行して、現時点の自動車1の走行速度として最適な速度である規範車速Vcを求める。加えて、指令値算出部6Dは、現在の走行速度(実車速)を表す車速検出信号Vdと規範車速Vcとの差である車速差(Vd−Vc)に基づき、車速指令値Voutを演算し出力するようになっている。
そして、指令値算出部6Dが求めた車速指令値Voutが、車速サーボ6Eに供給されるようになっている。
車速サーボ6Eは、指令値算出部6Dから供給される車速指令値Voutに基づき、加速度としての制御指令値であるアシストトルクGoutを生成し加算器6Fに出力する。
加算器6Fは、供給される加減速推定値GeとアシストトルクGoutとを加算し、それを電動モータ2に対する指令電流Ioutとして出力するようになっている。
図5は、旋回アシスト作動制御部の具体的な機能構成の一例を示すブロック図である。
旋回アシスト作動制御部6Cは、図5に示すように、操舵速度演算部12と、乗算部13と、操舵状態判定部14と、保舵判定部15と、補正処理部16とを含んで構成される。
操舵速度演算部12は、供給される操舵角度検出信号δdに基づいて、実際のハンドル30aの操作量、つまり、操舵角δを取得する。そして、操舵速度演算部12は、取得した操舵角δを微分して、操舵速度dδ/dt(以下、δ’と称す)を演算するようになっている。更に、操舵速度演算部12は、演算した操舵速度δ’を乗算部13に供給するようになっている。
なお、本実施形態において、ハンドル操作検出装置31は、ハンドルの操舵方向(回転方向)と、ハンドルの操舵の中立位置(操舵角0の位置)を基準に右回転方向又は左回転方向への操舵に応じて増加しかつ操舵方向に関係なくプラスの値となる操舵角とを検出するようになっている。
従って、操舵方向に関係なく、ハンドルが右回転又は左回転して操舵角が増加した場合は操舵速度δ’はプラスの値となり、ハンドルが右回転又は左回転して操舵角が減少した場合は操舵速度δ’はマイナスの値となる。
乗算部13は、供給される操舵角検出信号δdに基づいて、操舵角δを取得する。そして、乗算部13は、取得した操舵角δと、供給される操舵速度δ’とを乗算するようになっている。そして、乗算結果の「操舵角δ×操舵速度δ’(以下、単にδ×δ’と称す)」を、操舵状態判定部14と保舵判定部15とにそれぞれ供給する。
操舵状態判定部14は、供給される「δ×δ’」がプラスの値であると判定すると操舵状態が切増操舵の状態であると判定する。一方、供給されるδ×δ’が「0」又はマイナスの値であると判定すると操舵状態が切戻操舵の状態であると判定する。そして、操舵状態判定部14は、判定結果を保舵判定部15に供給する。
ここで、操舵角δは必ず0又はプラスの値になる。また、操舵速度δ’がプラスの値である場合は操舵角δが増加する方向にハンドルが操舵されていることになり、操舵速度δ’がマイナスの値である場合は操舵角δが減少する方向にハンドルが操舵されていることになる。
従って、「δ×δ’」がプラスの値になる場合は、ハンドルは操舵角δが増加する方向に操舵されたことになるので切増操舵が行われていると判定することができる。一方、「δ×δ’」がマイナスの値になる場合は、ハンドルは操舵角δが減少する方向に操舵されたことになるので切戻操舵が行われていると判定することができる。なお、本実施形態では、後段の処理の関係で、「δ×δ’」が「0」、即ち操舵角δと操舵速度δ’の少なくとも一方が「0」となる状態を切戻操舵の状態に含めるようにしている。
保舵判定部15は、供給される「δ×δ’」、操舵状態の判定結果及び予め設定された保舵判定閾値Th1に基づき、操舵速度一定フラグFrδを設定する。
具体的に、保舵判定部15は、供給される「δ×δ’」が保舵判定閾値Th1以下であり、かつ、操舵状態が切戻操舵の状態であると判定すると、操舵速度一定フラグFrδをセット状態に設定する。一方、保舵判定部15は、供給される「δ×δ’」が保舵判定閾値Th1を超えており、かつ、操舵状態が切増操舵の状態であると判定すると、操舵速度一定フラグを非セット状態に設定する。また、保舵判定部15は、供給される「δ×δ’」が保舵判定閾値Th1を超えており、かつ、操舵状態が切戻操舵の状態であると判定すると、操舵速度一定フラグを非セット状態に設定する。
ここで、操舵速度一定フラグFrδは、セット状態のときに旋回アシスト作動制御を実施するフラグであり、非セット状態のときに旋回アシスト作動制御を実施しないようにするフラグである。
そして。保舵判定部15は、設定した操舵速度一定フラグFrδを、補正処理部16に供給するようになっている。
補正処理部16は、供給される操舵速度一定フラグFrδに基づき、供給される旋回アシストトルクTrqに対して補正処理を実施するようになっている。
具体的に、補正処理部16は、供給される操舵速度一定フラグFrδが、セット状態であると判定すると、供給される旋回アシストトルクTrqを「0」に減少補正する。そして、補正後旋回アシストトルクTrq’として「0」を指令値算出部6Dに供給する。
一方、補正処理部16は、供給される操舵速度一定フラグFrδが、非セット状態であると判定すると、供給される旋回アシストトルクTrqをそのまま補正後旋回アシストトルクTrq’として指令値算出部6Dに供給する。
図6は、各信号の流れが全体的に見えるように本実施形態のシステム構成を表現したブロック図であり、指令値算出部6Dが、加減速推定値Ge及び補正後旋回アシストトルクTrq’に基づいて規範車速Vcを算出する規範車両モデル10と、車速検出信号Vdと規範車速Vcとの差(Vd−Vc)を演算する減算器11とから構成されている点を示している。
そして、規範車速Vcを算出するための規範車両モデル10は、本実施形態では、図7に示すように構成されている。
即ち、規範車両モデル10は、予め定められた一定値である転がり抵抗成分R1を記憶した転がり抵抗成分記憶部10aと、規範車速Vcに基づいて空気抵抗成分R2を設定する空気抵抗成分設定部10bと、を備えている。
空気抵抗成分設定部10bは、規範車速Vcの二乗値(Vc2)に固定のゲインKを乗じることで、車速に応じて増大する空気抵抗成分R2を演算するようになっている。
なお、転がり抵抗成分R1及び空気抵抗成分R2は、いずれも車両の走行速度を低減させる方向に作用する外乱成分であるため、それらの符号は、加減速推定値Geとは逆のマイナスである。
そして、転がり抵抗成分R1及び空気抵抗成分R2は、それぞれ選択部10c、10dに供給されるようになっている。
一方、選択部10c、10dのそれぞれには、転がり抵抗成分R1、空気抵抗成分R2の他に、「0」が供給されている。また、選択部10c、10dのそれぞれには、アクセルOFFフラグ設定部10eから、フラグFaが供給されるようになっている。ここで、フラグFaは、本実施形態においてアクセル操作部に対応するアクセルペダル8が操作されていないときにセット状態となり、アクセルペダル8が操作されているときには非セット状態となるフラグである。
そして、選択部10c、10dのそれぞれは、フラグFaが非セット状態であるときには転がり抵抗成分R1、空気抵抗成分R2を出力し、フラグFaがセット状態であるときには「0」を出力するようになっている。つまり、選択部10c、10dは、フラグFaが非セット状態であるときには、転がり抵抗成分記憶部10a、空気抵抗成分設定部10bから供給される転がり抵抗成分R1、空気抵抗成分R2をそのまま出力し、フラグFaがセット状態になった後には、転がり抵抗成分記憶部10a、空気抵抗成分設定部10bから供給される転がり抵抗成分R1、空気抵抗成分R2の値に関係なく、それら転がり抵抗成分R1、空気抵抗成分R2を強制的に「0」に設定し直してから出力するようになっている。
選択部10c、10dの出力は、加減速推定値Ge及び補正後旋回アシストトルクTrq’と共に、加算器10fに供給されるようになっている。
即ち、加算器10fは、加減速推定値Geと、補正後旋回アシストトルクTrq’と、選択部10c、10dの出力とを加算するものである。ただし、選択部10c、10dから転がり抵抗成分R1、空気抵抗成分R2が出力されているときには、それら転がり抵抗成分R1、空気抵抗成分R2の符号はマイナスである。また、補正後旋回アシストトルクTrq’も「0」又はマイナスの値となる。そのため、加算器10fにおける演算は、符号まで考えると、Ge−(Trq’+R1+R2)となるから、この加算器10fは、実質的には減算器として機能する。なお、フラグFaがセット状態であるときには、選択部10c、10dは「0」を出力するため、加算器10fの出力は(Ge−Trq’)となる。また、フラグFaがセット状態でありかつ補正後旋回アシストトルクTrq’が「0」であるときには、加算器10fの出力は加減速推定値Geそのものとなる。
さらに、規範車両モデル10は、除算器10gと、積分器10hとを備えている。除算器10gは、加算器10fの出力値を自動車1の質量Mで除算することで目標加速度Gcを演算するものである。積分器10hは、除算器10gから供給される目標加速度Gcを積分することで、目標車速としての規範車速Vcを演算するものである。
そして、積分器10hから出力された規範車速Vcが、空気抵抗成分設定部10bに供給されるとともに、この規範車両モデル10の出力として図6の減算器11に供給されるようになっている。
図8は、自動車1が直進走行中の各値の時間変化の一例を示す波形図であり、アクセル操作検出信号Ad、加減速推定値Ge、フラグFa、転がり抵抗成分R1、空気抵抗成分R2のそれぞれを示している。なお、転がり抵抗成分R1及び空気抵抗成分R2は、その符号はマイナスであるが、この図8では絶対値で表記している。
この図8は、時刻t0から時刻t1の間は、ドライバによるアクセルペダル8の踏み込み量はほぼ一定で、時刻t1を過ぎた辺りから徐々にアクセルペダル8の踏み込み量を減少させ、時刻t2においてアクセルペダル8から完全に足を離した様子を示している。
この場合、加減速推定値Geは、時刻t1を超えた後は、アクセル操作検出信号Adの変化に対して若干遅れる傾向で減少するが、時刻t2においてドライバがアクセルペダル8から完全に足を離したときには、加減速推定値Geも0となっている。
ドライバ加減速要求推定部6Aは、時刻t2においてドライバが定速走行制御の開始を意図したと判断し、その時刻t2の直前における加減速推定値Geを、時刻t2以降は定速走行制御用の加減速推定値Ge'として保持する。
フラグFaは、時刻t2に至るまでは非セット状態であり、時刻t2に至った時点でセット状態となる。
転がり抵抗成分R1は、時刻t2に至るまでは、転がり抵抗成分記憶部10aに記憶されている一定値となっているが、時刻t2に至った後は0となる。
同様に、空気抵抗成分R2は、時刻t2に至るまでは、規範車速Vcの二乗に比例した値となっているが、時刻t2に至った後は0となる。
そして、時刻t0から時刻t1の間は、アクセル操作検出信号Adがある程度の大きさにあるため、転がり抵抗成分R1、空気抵抗成分R2が影響していても、規範車速Vcは徐々に増加している。また、積分器10hが示すローパスフィルタ特性の影響で規範車速Vcには現実の自動車と同様に慣性力が加わっているため、規範車速Vcは、時刻t1を過ぎた後であっても、しばらくの間は増加を続ける。
しかし、時刻t2に至った後は、時刻t1において保持された加減速推定値Ge'が加算器10fに入力されるとともに、転がり抵抗成分R1及び空気抵抗成分R2はいずれも0になるため、規範車速Vcは一定値となる。
(加減速制御処理)
次に、図9に基づき、コントローラ6の加減速制御処理の処理手順を説明する。図9は、加減速制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図9の処理は、予め設定されたサンプリングクロックに同期して繰り返し実行される。
コントローラ6において専用のプログラムが実行され、加減速制御処理が実行されると、まず、図9に示すように、ステップS100に移行する。
ステップS100では、旋回アシストトルク演算部6Bにおいて、ハンドル操作検出装置31から供給される操舵角検出信号δdと、車速センサ7から供給される車速検出信号Vdを読み込む。その後、ステップS102に移行する。
ステップS102では、旋回アシストトルク演算部6Bにおいて、車速検出信号Vd及び操舵角検出信号δdと上記(1)式とに基づき、車両諸元に従って、目標ヨーレートφ*を算出する。その後、ステップS104に移行する。
ステップS104では、旋回アシストトルク演算部6Bにおいて、上記(2)式に基づき、実車速νと目標ヨーレートφ*とに従って、横加速度推定値Yg*を算出する。その後、ステップS106に移行する。
ステップS106では、旋回アシストトルク演算部6Bにおいて、横加速度推定値Yg*の絶対値がしきい値Thを超えているか否かを判定する。そして、横加速度推定値Yg*の絶対値がしきい値Thを超えていると判定した場合(Yes)は、ステップS108に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS124に移行する。
ステップS108に移行した場合は、旋回アシストトルク演算部6Bにおいて、上記(3)式に従って、旋回中目標車速ν*を算出する。その後、ステップS110に移行する。
ステップS110では、旋回アシストトルク演算部6Bにおいて、上記(4)式に従って、旋回アシストトルクTrqを算出する。そして、算出した旋回アシストトルクTrqを、旋回アシスト作動制御部6Cに供給して、ステップS112に移行する。
ステップS112では、旋回アシスト作動制御部6Cにおいて、旋回アシスト作動制御を実施して、ステップS114に移行する。
ステップS114では、指令値算出部6Dにおいて、ドライバ加減速要求推定部6Aからの加減速推定値Ge及び旋回アシスト作動制御部6Cからの補正後旋回アシストトルクTrq’を読み込んで、ステップS116に移行する。
ステップS116では、指令値算出部6Dの規範車両モデル10において、加減速推定値Ge及び補正後旋回アシストトルクTrq’に基づき、規範車速Vcを算出する。そして、算出した規範車速Vcを減算器11に供給して、ステップS118に移行する。
ステップS118では、減算器11において、規範車速Vcと実車速Vdとに基づき車速指令値Voutを演算する。そして、演算した車速指令値Voutを、車速サーボ6Eに供給して、ステップS120に移行する。
ステップS120では、車速サーボ6Eにおいて、車速指令値Voutを、アシストトルクGoutとして加算器6Fに供給して、ステップS122に移行する。
ステップS122では、加算器6Fにおいて、車速サーボ6Eを介して供給されたアシストトルクGoutと、加減速推定値Geとを加算すると共に、加算結果に対応する電流指令値Ioutを電動モータ2に出力して、一連の処理を終了する。
一方、ステップS106において、横加速度推定値Yg*の絶対値がしきい値Thを超えておらずステップS124に移行した場合は、旋回アシストトルク演算部6Bにおいて、旋回アシストトルクTrqを「0」に設定する。そして、「Trq=0」を、旋回アシスト作動制御部6Cに供給して、ステップS112に移行する。
(操舵状態判定処理)
次に、図10に基づき、旋回アシスト作動制御部6Cで実行される操舵状態判定処理の処理手順を説明する。図10は、操舵状態判定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図10の処理は、予め設定されたサンプリングクロックに同期して繰り返し実行される。
コントローラ6において専用のプログラムが実行され、旋回アシスト作動制御部6Cにおいて操舵状態判定処理が実行されると、まず、図10に示すように、ステップS200に移行する。
ステップS200では、旋回アシスト作動制御部6Cの操舵状態判定部14において、乗算部13からの「δ×δ’」を読み込んで、ステップS202に移行する。
ステップS202では、操舵状態判定部14において、読み込んだ「δ×δ’」が「0」以下か否かを判定する。そして、「0」以下であると判定した場合(Yes)は、ステップS204に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS208に移行する。
ステップS204に移行した場合は、操舵状態判定部14において、操舵状態は切戻操舵の状態であると判定して、ステップS208に移行する。
一方、ステップS206に移行した場合は、操舵状態判定部14において、操舵状態は切増操舵の状態であると判定して、ステップS208に移行する。
ステップS208では、操舵状態判定部14において、操舵状態の判定結果を保舵判定部15に供給して、一連の処理を終了する。例えば、切戻操舵の場合は「1」を、切増操舵の場合は「0」を保舵判定部15に供給する。
(操舵速度一定フラグ設定処理)
次に、図11に基づき、旋回アシスト作動制御部6Cの保舵判定部15で実行される操舵速度一定フラグ設定処理の処理手順を説明する。図11は、操舵速度一定フラグ設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図11の処理は、予め設定されたサンプリングクロックに同期して繰り返し実行される。
コントローラ6において専用のプログラムが実行され、旋回アシスト作動制御部6Cにおいて操舵速度一定フラグ設定処理が実行されると、まず、図11に示すように、ステップS300に移行する。
ステップS300では、旋回アシスト作動制御部6Cの保舵判定部15において、操舵状態判定部14からの操舵状態の判定結果を読み込んで、ステップS302に移行する。
ステップS302では、保舵判定部15において、ステップS300で読み込んだ操舵状態の判定結果に基づいて、切増操舵か否かを判定する。そして、切増操舵であると判定した場合(Yes)は、ステップS304に移行し、切戻操舵であると判定した場合(No)は、ステップS312に移行する。
ステップS304では、保舵判定部15において、乗算部13からの「δ×δ’」を読み込んで、ステップS306に移行する。
ステップS306では、保舵判定部15において、ステップS304で読み込んだ「δ×δ’」と予め設定された保舵判定閾値Th1とを比較して、「δ×δ’」がTh1以下であるか否かを判定する。そして、「δ×δ’」がTh1以下であると判定した場合(Yes)は、ステップS308に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS310に移行する。
ステップS308に移行した場合は、保舵判定部15において、操舵速度一定フラグFrδをセット状態に設定して一連の処理を終了する。なお、既にセット状態であった場合は、セット状態を維持する。
一方、ステップS310に移行した場合は、保舵判定部15において、操舵速度一定フラグFrδを非セット状態に設定して、一連の処理を終了する。なお、既に非セット状態である場合は、非セット状態を維持する。
また、ステップS302において、切戻操舵と判定されてステップS312に移行した場合は、保舵判定部15において、操舵速度一定フラグFrδをセット状態に設定して、一連の処理を終了する。なお、既にセット状態である場合は、セット状態を維持する。
(旋回アシスト作動制御処理)
次に、図12に基づき、ステップS112において旋回アシスト作動制御部6Cで実行される旋回アシスト作動制御処理の処理手順について説明する。図12は、旋回アシスト作動制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS112において旋回アシスト作動制御処理が実行されると、まず、図12に示すように、ステップS400に移行する。
ステップS400では、旋回アシスト作動制御部6Cの補正処理部16において、保舵判定部15からの操舵速度一定フラグFrδを読み込んで、ステップS402に移行する。
ステップS402では、補正処理部16において、操舵速度一定フラグFrδはセット状態か否かを判定する。そして、セット状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS404に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS408に移行する。
ステップS404に移行した場合は、補正処理部16において、補正後旋回アシストトルクTrq’を「0」に設定する。つまり、旋回アシストトルクTrqを「0」へと補正する。その後、ステップS406に移行する。
これにより、操舵速度一定フラグFrδがセット状態の期間は、旋回アシスト制御を実質的に作動しないようにする(中止する)。
ステップS406では、補正処理部16において、ステップS404で設定した「Trq’=0」を指令値算出部6Dに供給して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
一方、ステップS402において操舵速度一定フラグFrδが非セット状態であると判定されステップS408に移行した場合は、補正処理部16において、補正後旋回アシストトルクTrq’を供給される旋回アシストトルクTrqに設定する。その後、ステップS410に移行する。
ステップS410では、補正処理部16において、ステップS408で設定した「Trq’=Trq」を指令値算出部6Dに供給して、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
これにより、操舵速度一定フラグFrδが非セット状態の期間は、旋回アシスト制御を作動する。
(動作)
次に、動作を説明する。
まず、自動車1の電源が投入されていると、コントローラ6には、アクセル操作検出信号Ad、車速検出信号Vd及び操舵角検出信号δdが供給される。これにより、ドライバ加減速要求推定部6Aにおいて、アクセル操作検出信号Adに基づいて、ドライバ加減速要求の推定値である加減速推定値Geが求められる。加減速推定値Geは、指令値算出部6Dに供給される。
一方、旋回アシストトルク演算部6Bでは、車速検出信号Vd及び操舵角検出信号δdを読み込むと、操舵角検出信号δdに基づいて、実際のハンドル30aの操作量、つまり、操舵角δを取得し、車速検出信号Vdに基づいて実車速νを取得する(ステップS100)。そして、上記(1)式に基づき、車両諸元(スタビリティファクタA、ステアリングギヤ比N、ホイールベースL)、操舵角δ及び実車速νに従って、目標ヨーレートφ*を算出する(ステップS102)。次に、旋回アシストトルク演算部6Bでは、上記(2)式に基づき、実車速ν及び目標ヨーレートφ*に従って、横加速度推定値Yg*を算出する(ステップS104)。次に、旋回アシストトルク演算部6Bでは、横加速度推定値Yg*の絶対値がしきい値Thを超えているか否かを判定する。そして、横加速度推定値Yg*の絶対値がしきい値Thを超えていると判定すると(ステップS106のYes)、上記(3)式に従って、旋回中目標車速ν*を算出する(ステップS108)。次に、旋回アシストトルク演算部6Bは、上記(4)式に基づき、実車速ν及び旋回中目標車速ν*に従って、旋回アシストトルクTrqを算出する(ステップS110)。そして、算出した旋回アシストトルクTrqを、旋回アシスト作動制御部6Cに供給する。
一方、横加速度推定値Yg*の絶対値がしきい値Thを超えていないと判定すると(ステップS106のNo)、旋回アシストトルクTrqを「0」に設定する(ステップS122)。そして、設定した旋回アシストトルクTrq(0)を、旋回アシスト作動制御部6Cに供給する。
また、旋回アシスト作動制御部6Cは、供給された操舵角検出信号δd及び旋回アシストトルクTrqに基づき、旋回アシスト作動制御処理を実施する(ステップS112)。
以下、具体例を挙げて、旋回アシスト作動制御処理の動作を説明する。
図13は、各値の時間変化の一例を示す波形図であり、操舵角度δ、補正前旋回アシストトルクTrq、操舵速度δ’、操舵速度一定フラグFrδ、補正後旋回アシストトルクTrq’及び規範車速Vcを示している。
旋回アシスト作動制御処理が実施されると、まず、旋回アシスト作動制御部6Cでは、操舵速度演算部12において、操舵角検出信号δdに基づき取得した操舵角δを時間微分することで、操舵速度δ’を演算する。操舵速度演算部12は、演算した操舵速度δ’を乗算部13に供給する。
乗算部13では、供給される操舵角検出信号δdに基づき取得した操舵角δと、操舵速度演算部12から供給された操舵速度δ’とを乗算する。乗算部13は、乗算結果「δ×δ’」を、操舵状態判定部14と、保舵判定部15とにそれぞれ供給する。
操舵状態判定部14は、乗算部13から供給される「δ×δ’」を読み込むと(ステップS200)、読み込んだ「δ×δ’」が「0」以下か否かを判定する(ステップS202)。
図13の例において、時刻t0では、ドライバが操舵を行っていない(ハンドルが中立位置にある)ため、「δ×δ’」は「0」又はその近傍値となる。ここでは、説明の便宜上、「δ×δ’」が「0」になっているとする。従って、読み込んだ「δ×δ’」が「0」以下であると判定される(ステップS202のYes)。これにより、切戻操舵と判定され(ステップS204)、この判定結果が保舵判定部15に出力される(ステップS208)。
保舵判定部15は、まず、操舵状態判定部14から供給される操舵状態の判定結果を読み込み(ステップS300)、読み込んだ判定結果が切増操舵であるか否かを判定する(ステップS302)。
時刻t0では、判定結果が切戻操舵となっているため、保舵判定部15は、切増操舵では無い(切戻操舵である)と判定する(ステップS302のNo)。従って、保舵判定部15は、操舵速度一定フラグFrδ(以下、フラグFrδと称す)をセット状態に設定する(ステップS312)。
一方、補正処理部16は、保舵判定部15からのフラグFrδを読み込むと(ステップS400)、フラグFrδはセット状態か否かを判定する(ステップS402)。ここでは、セット状態となっているので(ステップS402のYes)、補正処理部16は、供給される旋回アシストトルクTrqを「0」に補正する(ステップS404)。即ち、補正後旋回アシストトルクTrq’として「0」を設定する。この場合は、旋回を行っていないため、横加速度推定値Yg*が閾値Th以下となるので、供給される旋回アシストトルクTrqも「0」となる。そして、補正処理部16は、補正後旋回アシストトルクTrq’として「0」を、指令値算出部6Dに供給する(ステップS406)。
引き続き、図13の時刻t1では、操舵が行われていないため、フラグFrδがセット状態となり、補正処理部16では、補正後旋回アシストトルクTrq’として「0」が設定される。
なお、図示していないが、図13の例では、時刻t0〜t1の期間において、ドライバがアクセル操作を行っておらず(アクセルペダル8から足を離しており)、定速走行制御が実施されている。そのため、加減速推定値Geが一定となっている。また、定速走行制御が実施されているため、フラグFaがセット状態となり、転がり抵抗成分R1及び空気抵抗成分R2が0となる。
従って、指令値算出部6Dの規範車両モデル10では、加減速推定値Ge及び補正後旋回アシストトルクTrq’(0)が読み込まれる(ステップS114)。そして、加減速推定値Ge及び補正後旋回アシストトルクTrq’(0)、抵抗成分R1(0)、R2(0)に基づき、規範車速Vcが求められ(ステップS116)、更に、規範車速Vcと車速検出信号Vdとに基づいて車速指令値Voutが演算される(ステップS118)。そして、その車速指令値Voutが車速サーボ6Eに供給される。車速サーボ6Eは、車速指令値Voutに基づきアシストトルクGoutを出力し(ステップS120)、最終的に、加算器6Fにおいて、アシストトルクGoutと加減速推定値Geとの加算値に応じた指令電流Ioutが生成され、電動モータ2に指令電流Ioutが出力される(ステップS122)。
従って、電動モータ2は、加減速推定値Geと、実際の車速を規範車速Vcに一致させるために必要な車速指令値Voutとを合算してなる指令電流Ioutによって回転駆動されることになる。
これにより、図13に示すように、時刻t0〜t1の期間では、規範車速Vcが一定となる。また、ドライバが操舵を行っておらず、ハンドルの位置が中立位置又はその近傍位置となるため、自動車1は直進走行をしている状態となる。
次に、図13の時刻t1〜t2の期間では、自動車1がカーブに差し掛かるなどして、時刻t1からドライバが操舵を開始している。そのため、操舵角δが増加していき、かつ操舵速度δ’が「0」を超えるため、操舵状態判定部14において、読み込んだ「δ×δ’」が「0」を超える(ステップS202のNo)。これにより、操舵状態が切増操舵と判定され(ステップS206)、この判定結果が保舵判定部15に出力される(ステップS208)。
保舵判定部15では、操舵状態判定部14からの判定結果に基づき、現在の操舵状態が切増操舵の状態であると判定する(ステップS302のYes)。
保舵判定部15は、切増操舵であると判定すると、次に、乗算部13から供給される「δ×δ’」を読み込む(ステップS300)。保舵判定部15は、読み込んだ「δ×δ’」が、予め設定された保舵判定閾値Th1以下か否かを判定する(ステップS304)。
ここでは、時刻t1から(操舵の開始から)しばらくは、操舵角δが小さいため「δ×δ’」が保舵判定閾値Th1以下であると判定される(ステップS306のYes)。これにより、保舵判定部15は、フラグFrδをセット状態に設定する(ステップS308)。
一方、補正処理部16では、フラグFrδがセット状態であるため(ステップS402のYes)、供給される旋回アシストトルクTrqを「0」に補正する(ステップS404)。そのため、指令値算出部6Dには、補正後旋回アシストトルクTrq’として「0」が供給される(ステップS406)。
引き続き、時刻t1〜t2の期間において、ドライバの切増操舵によって、「δ×δ’」がプラス側に大きくなっていき、やがて、「δ×δ’」が、保舵判定閾値Th1を超える。これにより、保舵判定部15において、現在の操舵状態が切増操舵の状態であると判定され(ステップS302のYes)かつ「δ×δ’」が保舵判定閾値Th1を超えていると判定される(ステップS306のNo)。そのため、保舵判定部15は、フラグFrδを非セット状態へと設定する(ステップS310)。
補正処理部16は、フラグFrδが非セット状態になったと判定すると(ステップS402のNo)、補正後旋回アシストトルクTrq’として、供給される旋回アシストトルクTrqを設定する「Trq’=Trq」(ステップS408)。そして、設定した「Trq’=Trq」を、指令値算出部6Dに供給する(ステップS410)。
但し、図13に示すように、時刻tas1以前では、横加速度推定値Yg*が閾値Th以下となるため(不図示)、供給される旋回アシストトルクTrqが「0」となる。従って、時刻tas1以前では、補正後旋回アシストトルクTrq’として「0」が指令値算出部6Dに供給される。
引き続き、ドライバがハンドルを切り増ししていくことによって、時刻tas1より先は横加速度推定値Yg*が閾値Thを超える。これにより、図13に示すように、時刻tas1を超えた時点から、旋回アシストトルクTrqが「0」よりも大きい値となる。なお、実際の旋回アシストトルクTrqは、制御量としてマイナスの値となるが、図13では、絶対値で表記している。このことは、補正後旋回アシストトルクTrq’についても同様であり、図13では、補正後旋回アシストトルクTrq’も絶対値で表記している。
また、時刻tas1より先の時点から時刻t2の直前までは、操舵状態判定部14において「δ×δ’」が「0」を超えていると判定される(ステップS202のNo)。加えて、保舵判定部15において、現在の操舵状態が切増操舵状態であると判定されかつ「δ×δ’」が保舵判定閾値Th1を超えていると判定される(ステップS302のYes,S306のNo)。従って、時刻tas1より先の時点から時刻t2の直前までは、保舵判定部15において、フラグFrδが非セット状態のまま維持される(ステップS310)。
一方、補正処理部16は、時刻tas1より先の時点から時刻t2の直前までは、補正後旋回アシストトルクTrq’として、供給される旋回アシストトルクTrqを設定する。即ち、「Trq’=Trq」に設定する(ステップS408)。そして、設定した補正後旋回アシストトルク「Trq’=Trq」を、指令値算出部6Dに供給する(ステップS410)。
ここでは、補正後旋回アシストトルクTrq’が「0」よりも大きい値となるため、時刻tas1より先の時点から時刻t2の直前までは、補正後旋回アシストトルクTrq’による減速制御が行われる。そのため、時刻tas1より先の時点から時刻t2の直前までは、図13に示すように、規範車速Vcが補正後旋回アシストトルクTrq’の増加に応じて徐々に低下していく。
その後、時刻t2において、ドライバが操舵状態を維持(保舵)することによって、操舵速度δ’が「0」又はその近傍の値となる。そのため、保舵判定部15において、操舵状態が切戻操舵と判定されるか(ステップS302のNo)、又は「δ×δ’」が保舵判定閾値Th1以下になったと判定され(ステップS306のYes)、フラグFrδが、セット状態に設定される(ステップS312又はステップS308)。
これにより、補正処理部16は、供給される旋回アシストトルクTrqを「0」に補正する(ステップS404)。そして、補正後旋回アシストトルクTrq’として「0」を指令値算出部6Dに供給する(ステップS406)。
なお、このドライバによる保舵の状態は、図13に示すように、時刻t3まで継続して行われる。従って、時刻t2から時刻t3までの期間は、フラグFrδがセット状態となり、指令値算出部6Dには、補正後旋回アシストトルクTrq’として「0」が供給され続けることになる。これにより、図13に示すように、時刻t2からt3までの期間は、規範車速Vcが一定となる。
これにより、時刻t2から時刻t3の期間では、ドライバが車速を一定にするためのアクセル操作を行う必要が無くなる。
引き続き、時刻t3から先は、旋回が終了に近づいて、ドライバがハンドルを現在の保舵している位置から中立位置へと切り戻す操舵を開始している。そのため、図13に示すように、時刻t3から先は、操舵角度δが減少していき、操舵速度δ’がマイナスの値となる。この切戻操舵は、時刻t4まで行われるため、時刻t3より先の時点から時刻t4の直前までは、「δ×δ’」がマイナスの値となる。
従って、時刻t3より先の時点から時刻t4の直前までは、操舵状態判定部14において、「δ×δ’」が0以下であると判定され(ステップS202のYes)、操舵状態が切戻操舵であると判定される(ステップS204)。これにより、操舵状態判定部14からは、操舵状態の判定結果として切戻操舵の判定結果が、保舵判定部15に供給される。
そのため、時刻t3より先の時点から時刻t4の直前までは、保舵判定部15において、フラグFrδがセット状態のままで維持される(ステップS312)。
補正処理部16は、引き続き、時刻t3より先の時点から時刻t4の直前まで、供給される旋回アシストトルクTrqを「0」に補正する(ステップS404)。そして、補正後旋回アシストトルクTrq’として「0」を指令値算出部6Dに供給する(ステップS406)。
つまり、切り戻しの操舵が行われた場合も、引き続き、旋回アシストトルクTrqを「0」へと補正する。これにより、図13に示すように、引き続き、時刻t3より先の時点から時刻t4の直前まで規範車速Vcが一定となる。
その後、ドライバの切戻操舵によって、ハンドルが中立位置に戻ると、操舵角δが「0」となるため、「δ×δ’」が「0」となり、操舵状態判定部14において、操舵状態が切戻操舵と判定される(ステップS202のYes)。従って、保舵判定部15において、フラグFrδがセット状態のまま維持される。
このハンドルの中立位置は、時刻t5の直前まで保持されるため、時刻t4から時刻t5の直前までは、フラグFrδがセット状態となり、補正処理部16において、旋回アシストトルクTrqが「0」に補正される(ステップS404)。
そのため、図13に示すように、引き続き、時刻t4から時刻t5の直前まで規範車速Vcが一定となる。
その後、時刻t5からは、自動車1が再びカーブに差し掛かるなどして、ドライバが操舵を開始している。これにより、図13に示すように、時刻t5から操舵角δが増加していき、「δ×δ’」が0を超えると共に(ステップS202のNo)、保舵判定閾値Th1を超える(ステップS306のNo)。そのため、保舵判定部15において、フラグFrδが非セット状態に設定される(ステップS310)。
図13に示すように、フラグFrδが非セット状態に設定された後に、時刻tas2において、横加速度推定値Yg*が閾値Thを超えて(不図示)、旋回アシストトルクTrqが「0」よりも大きくなる。これにより、補正処理部16において、補正後旋回アシストトルクTrq’も「0」よりも大きい値に設定される。従って、図13に示すように、時刻tas2より先の時刻t6の直前までの期間は、規範車速Vcが補正後旋回アシストトルクTrq’の増加に応じて徐々に減少している。
その後、時刻t6から時刻t7の直前まで、ドライバが現在の操舵状態を保持しており、「δ×δ’」が0以下となり(ステップS202のYes)、保舵判定部15において、現在の操舵状態が切戻操舵の状態であると判定される(ステップS302のNo)。これにより、図13に示すように、時刻t6から時刻t7の直前まで、保舵判定部15において、フラグFrδがセット状態に設定され(ステップS312)、補正処理部16において、補正後旋回アシストトルクTrq’が「0」に設定される(ステップS404)。
そのため、図13に示すように、時刻t6から時刻t7の直前まで、規範車速Vcが一定となる。これにより、時刻t6から時刻t7の直前までの期間は、ドライバが車速を一定にするためのアクセル操作を行う必要が無くなる。
引き続き、時刻t7の時点から、ドライバが現在の保舵の位置から更に切増操舵を行っており、図13に示すように、操舵角δが増加している。これにより、図13に示すように、時刻t7から操舵角δが増加していき、「δ×δ’」が0を超えると共に(ステップS202のNo)、保舵判定閾値Th1を超える(ステップS306のNo)。そのため、保舵判定部15において、フラグFrδが非セット状態に設定される(ステップS310)。
そして、時刻t7から先の「δ×δ’」が保舵判定閾値Th1を超える時点から、補正後旋回アシストトルクTrq’として、ドライバの切り増し操舵に応じて増加していく旋回アシストトルクTrqが設定される(ステップS408)。その結果、図13に示すように、時刻t7から先の「δ×δ’」が保舵判定閾値Th1を超える時点から時刻t8までは、規範車速Vcが補正後旋回アシストトルクTrq’の増加に応じて徐々に低下していく。
ここで、旋回中に切り増し操舵が行われた場合は、カーブが更に急になっていると予測できる。そのため、切り増しを行っている期間は、ドライバは、旋回アシストによる減速を必要としており、この期間において、アクセルペダル8を踏み込む操作は行わないと予測できる。
その後、時刻t8から時刻t9の直前までは、ドライバが現在の操舵状態を保持するため、「δ×δ’」が「0」以下となり、操舵状態判定部14において、操舵状態が切戻操舵と判定される(ステップS202のYes)。従って、保舵判定部15において、フラグFrδがセット状態に設定される(ステップS312)。
従って、補正処理部16において、補正後旋回アシストトルクTrq’が「0」に設定される(ステップS404)。
これにより、時刻t8から時刻t9の直前までは、規範車速Vcが一定となる。つまり、時刻t8から時刻t9の直前までの期間は、ドライバが車速を一定にするためのアクセル操作を行う必要が無くなる。
引き続き、時刻t9から先は、旋回が終了に近づいて、ドライバがハンドルを現在の保舵している位置から中立位置へと切り戻す操舵を開始している。そのため、図13に示すように、時刻t9から先は、操舵角度δが減少していき、操舵速度δ’がマイナスの値となる。この切戻操舵は、時刻t10まで行われるため、時刻t9より先の時点から時刻t10までは、「δ×δ’」がマイナスの値となる。
従って、時刻t9より先の時点から時刻t10までは、操舵状態判定部14において、「δ×δ’」が0以下であると判定され(ステップS202のYes)、操舵状態が切戻操舵であると判定される(ステップS204)。これにより、操舵状態判定部14からは、操舵状態の判定結果として切戻操舵の判定結果が、保舵判定部15に供給される。
そのため、時刻t9より先の時点から時刻t10までは、保舵判定部15において、フラグFrδがセット状態のままで維持される(ステップS312)。
補正処理部16は、引き続き、時刻t9より先の時点から時刻t10まで、供給される旋回アシストトルクTrqを「0」に補正する(ステップS404)。そして、補正後旋回アシストトルクTrq’として「0」を指令値算出部6Dに供給する(ステップS406)。
これにより、時刻t9から時刻t10までは、規範車速Vcが一定となる。つまり、時刻t9から時刻t10までの期間は、ドライバが車速を一定にするためのアクセル操作を行う必要が無くなる。
なお、本実施形態において、規範車両モデル10で算出した規範車速Vcに基づき、自動車1に対する加減速制御を行う構成としている。この構成に限らず、規範車両モデル10で算出した規範加速度(目標加速度)Gcに基づき、自動車1に対する加減速制御を行う構成としてもよい。つまり、この構成においては、実加速度Gdが規範加速度Gcに一致するように加減速制御を行う。この場合、車速センサ7で検出した実車速Vdを微分することによって車両前後方向の加速度である実加速度Gdを求める構成としてもよいし、加速度センサによって、実加速度Gdを求める構成としてもよい。このことは、以降の他の実施形態においても同様である。
ここで、本実施形態において、ドライバ加減速要求推定部6Aが加減速要求推定部に対応し、車速センサ7が実車速検出部に対応し、ハンドル操作検出装置31が操舵角検出部に対応する。
また、本実施形態において、旋回アシストトルク演算部6Bが旋回アシストトルク演算部に対応する。
また、本実施形態において、加算器10f及び除算器10gが目標加速度演算部に対応し、積分器10hが目標車速演算部に対応し、減算器11、車速サーボ6E及び加算器6Fが加減速制御部に対応する。
また、本実施形態において、操舵速度演算部12が、操舵速度演算部に対応し、乗算部13及び保舵判定部15が、保舵判定部に対応し、補正処理部16が、旋回アシスト作動制御部に対応する。
(第1実施形態の効果)
(1)旋回アシストトルク演算部6Bが、車速センサ7が検出した実車速Vdが旋回中目標車速ν*を超えていると判定すると該実車速Vdを該旋回中目標車速ν*以下とするための旋回アシストトルクTrqを演算する。ドライバ加減速要求推定部6Aが、ドライバの加減速要求の推定値である加減速推定値Geを求める。加算器10f及び除算器10gが、ドライバ加減速要求推定部6Aが推定した加減速推定値Geから旋回アシストトルクTrqを減算した値に基づいて目標加速度Gcを求める。積分器10hが、目標加速度Gcに基づいて目標車速Vcを求める。減算器11、車速サーボ6E及び加算器6Fが、実車速Vdが目標車速Vcに一致するように自動車1に対する加減速制御を行う。ハンドル操作検出装置31が、自動車1の操舵角δを検出する。乗算部13及び保舵判定部15が、操舵角δが一定に保持されているか否かを判定する。補正処理部16が、保舵判定部15の判定結果に基づいて、操舵角δが一定に保持されていると判定すると、旋回アシストトルクTrqによる減速制御の制御量を減少補正する。
ここで、図19に示すように、従来では、旋回中の減速制御(旋回アシスト制御)中に、車速が過度に減速することによって、ドライバが一定車速を保つためにアクセル操作を行うといった状況が発生することがあった。
これに対して、本実施形態の上記(1)の構成であれば、操舵角が一定に保持されている期間に、旋回アシストトルクTrqによる減速制御の制御量を減少補正するようにしたので、旋回アシストによる過度の減速を抑えることが可能となる。
これにより、旋回アシストトルクTrqによる減速制御が行われる期間において、操舵角が一定に保持されている期間は、過度の減速に対するドライバのアクセル操作の発生を低減することができるという効果が得られる。
(2)旋回アシストトルク演算部6Bが、車速センサ7が検出した実車速Vdが旋回中目標車速ν*を超えていると判定すると該実車速Vdを該旋回中目標車速ν*以下とするための旋回アシストトルクTrqを演算する。ドライバ加減速要求推定部6Aが、ドライバの加減速要求の推定値である加減速推定値Geを求める。加算器10f及び除算器10gが、ドライバ加減速要求推定部6Aが推定した加減速推定値Geから旋回アシストトルクTrqを減算した値に基づいて目標加速度Gcを求める。微分器又は加速度センサが、自動車1の実加速度Gdを推定又は検出する。減算器11、車速サーボ6E及び加算器6Fが、実加速度Gdが目標加速度Gcに一致するように自動車1に対する加減速制御を行う。ハンドル操作検出装置31が、自動車1の操舵角δを検出する。乗算部13及び保舵判定部15が、操舵角δが一定に保持されているか否かを判定する。補正処理部16が、保舵判定部15の判定結果に基づいて、操舵角δが一定に保持されていると判定すると、旋回アシストトルクTrqによる減速制御の制御量を減少補正する。
つまり、本実施形態の上記(1)の構成と同様に、操舵角が一定に保持されている期間に、旋回アシストトルクTrqによる減速制御の制御量を減少補正するようにしたので、旋回アシストによる過度の減速を抑えることが可能となる。
これにより、旋回アシストトルクTrqによる減速制御が行われる期間において、操舵角が一定に保持されている期間は、過度の減速によるドライバのアクセル操作の発生を低減することができるという効果が得られる。
(3)補正処理部16が、旋回アシストトルクTrqによる減速制御の制御量を0に減少補正する。
これにより、操舵角が一定に保持されている期間は、旋回アシストトルクTrqによる減速制御が行われないため、過度の減速によるドライバのアクセル操作の発生をより低減することができるという効果が得られる。
(4)操舵速度演算部12が、ハンドル操作検出装置31で検出した操舵角δに基づいて操舵速度δ’を演算する。乗算部13及び保舵判定部15が、ハンドル操作検出装置31で検出した操舵角δと操舵速度演算部12で演算した操舵速度δ’との乗算結果「δ×δ’」が、予め設定された保舵判定閾値Th1以下であるときに操舵角δが一定に保持されていると判定する。そして、操舵速度一定フラグFrδをセット状態に設定する。一方、乗算部13及び保舵判定部15が、乗算結果「δ×δ’」が、保舵判定閾値Th1を超えているときに操舵角δが一定に保持されていないと判定する。そして、操舵速度一定フラグFrδを非セット状態に設定する。
つまり、操舵角δが「0」又はその近傍の値のとき、及び操舵速度δ’が「0」又はその近傍の値のときに、「δ×δ’」が保舵判定閾値Th1以下であるときは、操舵角δが一定に保持されていると判定することが可能となる。例えば、自動車1が旋回走行中にドライバが操舵角δを一定に保とうとしている状態でも、小刻みなハンドル操作が発生する。そのため、保舵判定閾値Th1をこのような状況を吸収できる値に設定することで、実質的に操舵角δが一定に保持されている状態をより確実に判定することができるという効果が得られる。
(5)操舵状態判定部14が、ハンドル操作検出装置31で検出した操舵角δに基づいて、操舵の中立位置を基準として一方の操舵方向又は他方の操舵方向に操舵角δが増加する操舵である切増操舵があったか否かを判定すると共に、操舵の中立位置方向に操舵角δが減少する操舵である切戻操舵があったか否かを判定する。補正処理部16が、保舵判定部15の判定結果と操舵状態判定部14の判定結果とに基づく操舵速度一定フラグFrδに基づいて、操舵角δが一定に保持されていないと判定され、かつ、切戻操舵があったと判定された場合にも旋回アシストトルクTrqによる減速制御の制御量を減少補正する。
ハンドルを切り戻す場合は、急なカーブ路から緩いカーブ路へと移行するときや、カーブから直線路へと移行するときとなるので、そのような場合に、旋回アシストトルクTrqによる減速制御の制御量を減少補正するようにした。これにより、切り戻し時の過度な減速制御によるドライバのアクセル操作の発生も低減することができるという効果が得られる。
(6)ハンドル操作検出装置31が、操舵の中立位置を基準として一方の操舵方向又は他方の操舵方向への操舵に応じて増加しかつ操舵方向に関係なくプラスの値となる操舵角を出力する。操舵速度演算部12が、操舵角δを微分することによって操舵速度δ’を演算する。操舵状態判定部14が、乗算結果「δ×δ’」がプラスの値であると判定すると切増操舵があったと判定し、乗算結果「δ×δ’」がマイナスの値であると判定すると切戻操舵があったと判定する。
つまり、操舵の中立位置を基準に切増操舵を行うと、操舵方向に関係なく操舵角δはプラスの値で増加する。一方、操舵速度演算部12は、操舵角δを微分することによって操舵速度δ’を演算するため、操舵速度δ’は、操舵角δが増加変動したときはプラスの値となり、減少変動したときはマイナスの値となる。従って、乗算結果「δ×δ’」が、プラスの値になった場合は、切増操舵が行われていることになり、乗算結果「δ×δ’」が、マイナスの値になった場合は、切戻操舵が行われていることになる。
これにより、簡易な計算によって、切増操舵の状態と、切戻操舵の状態とをより確実に判定することができるという効果が得られる。
(7)旋回アシストトルク演算部6Bが、ハンドル操作検出装置31が検出した操舵角δに基づいて自動車1の目標ヨーレートφ*を演算し、自動車1の横加速度Ygを推定する。旋回アシストトルク演算部6Bが、横加速度推定値Yg*と目標ヨーレートφ*とに基づいて旋回中目標車速ν*を演算する。旋回アシストトルク演算部6Bが、車速センサ7が検出した実車速Vdが旋回中目標車速ν*を超えていると判定すると該実車速Vdを該旋回中目標車速ν*以下とするための旋回アシストトルクTrqを演算する。
これにより、自動車1の旋回時の旋回状態に応じた適切な旋回アシストトルクを演算することが可能である。
(第2実施形態)
(構成)
次に、図14乃至図17に基づき、本発明の第2実施形態を説明する。図14乃至図17は、本発明の第2実施形態を示す図である。なお、上記第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付し、その重複する説明は省略する。
上記第1実施形態では、操舵速度一定フラグFrδに基づき、操舵速度一定フラグFrδがセット状態であると判定すると、旋回アシストトルクTrqを「0」へと補正することで、自動車1が旋回走行中に規範車速Vcが一定となるようにしていた。これに対して、本実施形態では操舵速度一定フラグFrδがセット状態であるときに、操舵角度δが予め設定された大舵角判定閾値Th2を超えると判定すると、旋回アシストトルクTrqをいきなり「0」へと補正せずに、操舵角δの大きさに応じた補正量で補正する点が異なる。
図14は、本実施形態の旋回アシスト作動制御部6Cの補正処理部16の具体的な機能構成を示すブロック図である。
本実施形態において、補正処理部16は、図14に示すように、補正係数演算部16aと、乗算器16bとを含んで構成される。
本実施形態では、図示しないが、ハンドル操作検出装置31から、操舵速度演算部12及び乗算部13に加えて、補正処理部16にも、操舵角検出信号δdが供給されるようになっている。
補正係数演算部16aは、供給される操舵角検出信号δdに基づき取得された操舵角δと、供給されるフラグFrδとに基づき、供給される旋回アシストトルクTrqの補正係数を演算(設定)するようになっている。
ここで、図15は、補正係数マップの一例を示す図である。
具体的に、補正係数演算部16aは、供給されるフラグFrδに基づき、フラグFrδがセット状態であると判定すると、図15に示す補正係数マップから、供給される操舵角δの大きさに対応する補正係数Kt[%]を取得する。補正係数演算部16aは、取得した補正係数Ktを乗算器16bに供給するようになっている。
補正係数マップは、図15に示すように、操舵角δが予め設定された大舵角判定閾値Th2(以下、閾値Th2と称す)以下の範囲では、補正係数Ktが「0」となる特性を有している。更に、補正係数マップは、操舵角δが閾値Th2を超えかつ予め設定された上限判定閾値Th3(以下、閾値Th3と称す)未満の範囲では、補正係数Ktが、操舵角δが大きくなる程、線形に大きくなる特性を有している。更に、補正係数マップは、操舵角δが閾値Th3以上の範囲では、補正係数Ktが「1(100[%])」で一定となる特性を有している。
ここで、閾値Th2は、旋回アシストが必要となる操舵角δの値に基づいて決定する。操舵角δが大きくなるとそれだけカーブも急になることが予測できるので、大舵角判定閾値Th2を超えるような操舵角δとなる切増操舵が行われた場合に、旋回アシストトルクTrqをいきなり「0」へと補正せずに、操舵角δの大きさに応じた補正量で減少補正(制御量が小さくなるように補正)する。
また、閾値Th3は、操舵角δが旋回アシストトルクTrqによる減速制御の制御量を減少補正せずに旋回アシスト制御を行うべき操舵角δの大きさに基づいて決定する。つまり、操舵角δが、旋回アシストトルクTrqを減少補正すべきではない大きさ以上、即ち閾値Th3以上となる切増操舵が行われた場合は、旋回アシストトルクTrqを減少補正しないようにする。
乗算器16bは、補正係数演算部16aから供給される補正係数Ktと、供給される旋回アシストトルクTrqとを乗算して、その乗算結果を、補正後旋回アシストトルクTrq’(Trq’=Kt×Trq)として、指令値算出部6Dに供給するようになっている。
つまり、旋回アシストトルクTrqは、操舵角δが閾値Th2を超えかつ閾値Th3未満の範囲において、操舵角δが大きければ大きいほど大きい(減速量が大きくなる値)へと補正される。そして、旋回アシストトルクTrqは、操舵角δが閾値Th3以上となる範囲では、「1」で一定となる。つまり、操舵角δが閾値Th3以上になると、補正後旋回アシストトルクTrq’は、旋回アシストトルクTrqそのものとなり、従来の旋回アシスト制御が実施されることになる。
(旋回アシスト作動制御処理)
次に、図16に基づき、本実施形態の旋回アシスト作動制御処理の処理手順について説明する。図16は、本実施形態の旋回アシスト作動制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS112において、旋回アシスト作動制御処理が実行されると、まず、図16に示すように、ステップS500に移行する。
ステップS500では、旋回アシスト作動制御部6Cの補正処理部16において、保舵判定部15からの操舵速度一定フラグFrδを読み込んで、ステップS502に移行する。
ステップS502では、補正処理部16において、操舵速度一定フラグFrδはセット状態か否かを判定する。そして、セット状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS504に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS510に移行する。
ステップS504に移行した場合は、補正処理部16の補正係数演算部16aにおいて、図15の補正係数マップから、供給される操舵角δの大きさに応じた補正係数Ktを取得する。そして、取得した補正係数Ktを乗算器16bに供給して、ステップS506に移行する。
ステップS506では、補正処理部16の乗算器16bにおいて、補正係数演算部16aから供給される補正係数Ktと、旋回アシストトルク演算部6Bから供給される旋回アシストトルクTrqとを乗算して、ステップS508に移行する。
ステップS508では、乗算器16bにおいて、ステップS506の乗算結果を、補正後旋回アシストトルクTrq’として、指令値算出部6Dに供給し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
一方、ステップS502において、操舵速度一定フラグFrδが非セット状態であると判定されステップS510に移行した場合は、補正処理部16において、補正後旋回アシストトルクTrq’を供給される旋回アシストトルクTrqに設定する。その後、ステップS512に移行する。
ステップS512では、補正処理部16において、ステップS510で設定した「Trq’=Trq」を指令値算出部6Dに供給し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
(動作)
次に、動作を説明する。
以下、具体例を挙げて、本実施形態の加速抑制制御の動作を説明する。
図17は、各値の時間変化の一例を示す波形図であり、操舵角度δ、操舵速度δ’、補正後旋回アシストトルクTrq’、操舵速度一定フラグFrδ及び規範車速Vcを示している。
図17の例において、時刻t0から時刻t1の直前までの期間では、自動車1がコーナーに侵入している状態であり、ドライバが操舵を行っていない(ハンドルが中立位置又はその近傍位置にある)状態となる。そのため、「δ×δ’」は「0」又はその近傍値となる。ここでは、説明の便宜上、「δ×δ’」が「0」になっているとする。従って、読み込んだ「δ×δ’」が「0」以下であると判定される(ステップS202のYes)。これにより、切戻操舵と判定され(ステップS204)、この判定結果が保舵判定部15に出力される(ステップS208)。
保舵判定部15は、まず、操舵状態判定部14から供給される操舵状態の判定結果を読み込み(ステップS300)、読み込んだ判定結果が切増操舵であるか否かを判定する(ステップS302)。
時刻t0では、判定結果が切戻操舵となっているため、保舵判定部15は、切増操舵では無い(切戻操舵である)と判定する(ステップS302のNo)。従って、保舵判定部15は、図17に示すように、操舵速度一定フラグFrδ(以下、フラグFrδと称す)をセット状態に設定する(ステップS312)。
一方、補正処理部16は、保舵判定部15からのフラグFrδを読み込むと(ステップS500)、フラグFrδはセット状態か否かを判定する(ステップS502)。ここでは、セット状態となっているので(ステップS502のYes)、補正処理部16は、図15に示す補正係数マップから、供給される操舵角δの大きさに応じた補正係数Ktを取得する。そして、取得した補正係数Ktを乗算器16bに供給する(ステップS504)。
乗算器16bは、供給される補正係数Ktと、供給される旋回アシストトルクTrqとを乗算し、その乗算結果「Kt×Trq」を補正後旋回アシストトルクTrq’として設定する(ステップS506)。そして、補正後旋回アシストトルクTrq’として、「Trq’=Kt×Trq」を、指令値算出部6Dに供給する(ステップS508)。
ここで、時刻t0から時刻t1の直前までの期間では、ドライバが操舵を行っていないため、横加速度推定値Yg*が閾値Th以下となり、旋回アシストトルクTrqが「0」となる。加えて、時刻t0から時刻t1の直前までの期間では、図17に示すように、操舵角δも閾値Th2以下でかつ閾値Th3未満となっているため、補正係数Ktが「0」となる。従って、図17に示すように、時刻t0から時刻t1の直前までの期間では、補正後旋回アシストトルクTrq’は「0」となる。
なお、図示していないが、図17の例では、時刻t0〜t1の直前までの期間において、ドライバがアクセル操作を行っておらず(アクセルペダル8から足を離しており)、定速走行制御が実施されている。そのため、加減速推定値Geが一定となっている。また、定速走行制御が実施されているため、フラグFaがセット状態となり、転がり抵抗成分R1及び空気抵抗成分R2が0となる。
従って、時刻t0から時刻t1の直前までの期間では、補正後旋回アシストトルクTrq’が「0」となり、かつ、加減速推定値Geが一定となるため、図17に示すように、規範車速Vcが一定となる。
引き続き、図17の時刻t1では、コーナリングが開始され、ドライバが操舵を開始する。そのため、操舵角δが増加していくと共に操舵速度δ’が「0」を超える。従って、操舵状態判定部14において、読み込んだ「δ×δ’」が「0」を超える(ステップS202のNo)。これにより、操舵状態が切増操舵と判定され(ステップS206)、この判定結果が保舵判定部15に出力される(ステップS208)。
保舵判定部15では、操舵状態判定部14からの判定結果に基づき、現在の操舵状態が切増操舵の状態であると判定する(ステップS302のYes)。
保舵判定部15は、切増操舵であると判定すると、次に、乗算部13から供給される「δ×δ’」を読み込む(ステップS300)。保舵判定部15は、読み込んだ「δ×δ’」が、予め設定された保舵判定閾値Th1以下か否かを判定する(ステップS304)。
ここでは、時刻t1から時刻t2の直前までの期間において、「δ×δ’」が保舵判定閾値Th1を超えていると判定されたこととする(ステップS306のNo)。これにより、保舵判定部15は、図17に示すように、フラグFrδを非セット状態に設定する(ステップS310)。
一方、補正処理部16では、フラグFrδが非セット状態であるため(ステップS502のNo)、供給される旋回アシストトルクTrqを、補正後旋回アシストトルクTrq’として設定する(ステップS510)。これにより、指令値算出部6Dには、補正後旋回アシストトルクTrq’として「Trq’=Trq」が供給される(ステップS512)。
従って、時刻t1から時刻t2の直前までの期間では、図17に示すように、規範車速Vcが補正後旋回アシストトルクTrq’の増加に応じて徐々に減少する。
引き続き、時刻t2から時刻t3の直前までの期間において、ドライバが切増操舵を終了して終了時の操舵状態を維持(保舵)することによって、操舵速度δ’が「0」又はその近傍の値となる。そのため、保舵判定部15において、操舵状態が切戻操舵と判定されるか(ステップS302のNo)、又は「δ×δ’」が保舵判定閾値Th1以下になったと判定される(ステップS306のYes)。これにより、図17に示すように、時刻t2から時刻t3の直前までの期間において、フラグFrδが、セット状態に設定される(ステップS312又はステップS308)。
補正係数演算部16aでは、フラグFrδがセット状態であると判定すると(ステップS502のYes)、図15に示す補正係数マップから、供給される操舵角δの大きさに応じた補正係数Ktを取得し、取得した補正係数Ktを乗算器16bに供給する。
乗算器16bは、供給される補正係数Ktと、供給される旋回アシストトルクTrqとを乗算し、その乗算結果「Kt×Trq」を補正後旋回アシストトルクTrq’として設定する(ステップS506)。そして、補正後旋回アシストトルクTrq’として、「Trq’=Kt×Trq」を、指令値算出部6Dに供給する(ステップS508)。
時刻t2から時刻t3の直前までの期間では、図17に示すように、操舵角δが閾値Th2以下でかつ閾値Th3未満となっているため、補正係数Ktが「0」となる。従って、補正後旋回アシストトルクTrq’は「0」となる。
そのため、時刻t2から時刻t3の直前までの期間では、補正後旋回アシストトルクTrq’が「0」となり、図17に示すように、規範車速Vcが一定となる。つまり、時刻t2から時刻t3の直前までの期間は、ドライバが車速を一定にするためのアクセル操作を行う必要が無くなる。
引き続き、時刻t3から時刻t4の直前までの期間は、ドライバによる切増操舵が行われ、「δ×δ’」がプラス側に大きくなっていき、保舵判定閾値Th1を超える。これにより、保舵判定部15において、現在の操舵状態が切増操舵の状態であると判定され(ステップS302のYes)かつ「δ×δ’」が保舵判定閾値Th1を超えていると判定される(ステップS306のNo)。そのため、保舵判定部15は、時刻t3から時刻t4の直前までの期間において、図17に示すように、フラグFrδを非セット状態に設定する(ステップS310)。
補正処理部16は、フラグFrδが非セット状態になったと判定すると(ステップS502のNo)、補正後旋回アシストトルクTrq’として、供給される旋回アシストトルクTrqを設定する(Trq’=Trq)(ステップS510)。そして、設定した「Trq’=Trq」を、指令値算出部6Dに供給する(ステップS512)。
これにより、時刻t3から時刻t4の直前までの期間では、図17に示すように、規範車速Vcが補正後旋回アシストトルクTrq’の増加に応じて徐々に減少する。
ここで、時刻t3から時刻t4の直前までの期間では、途中から操舵角δが閾値Th2を超えておりかつ閾値Th3未満となっている。しかし、この期間では、フラグFrδが非セット状態に設定されているため、旋回アシストトルクTrqによる減速制御(通常の旋回アシスト制御と同等)を行っている。
その後、時刻t4から時刻t5の直前までの期間では、ドライバが切増操舵を終了して、終了時の操舵状態を維持(保舵)している。これによって、操舵速度δ’が「0」又はその近傍の値となる。そのため、保舵判定部15において、操舵状態が切戻操舵と判定されるか(ステップS302のNo)、又は「δ×δ’」が保舵判定閾値Th1以下になったと判定される(ステップS306のYes)。これにより、図17に示すように、時刻t4から時刻t5の直前までの期間において、フラグFrδが、セット状態に設定される(ステップS312又はステップS308)。
補正係数演算部16aでは、フラグFrδがセット状態であると判定すると(ステップS502のYes)、図15に示す補正係数マップから、供給される操舵角δの大きさに応じた補正係数Ktを取得し、取得した補正係数Ktを乗算器16bに供給する。
図17に示すように、時刻t4から時刻t5の直前までの期間では、操舵角δが閾値Th2を超えておりかつ閾値Th3未満となっている。
そのため、現在の操舵角δの大きさに応じた補正係数Ktを補正係数マップから取得することになる。
乗算器16bは、供給される補正係数Ktと、供給される旋回アシストトルクTrqとを乗算し、その乗算結果「Kt×Trq」を補正後旋回アシストトルクTrq’として設定する(ステップS506)。そして、補正後旋回アシストトルクTrq’として、「Trq’=Kt×Trq」を、指令値算出部6Dに供給する(ステップS508)。
これにより、操舵角δが閾値Th2を超えておりかつ閾値Th3未満の値で保持されている期間は、この操舵角δの大きさに応じた補正係数Ktによって補正された補正後旋回アシストトルクTrq’によって、減速制御が行われる。なお、図17に示すように、補正後旋回アシストトルクTrq’は、図中の破線で示した補正前旋回アシストトルクTrqと比較して、減速制御の制御量として補正係数Ktによる補正量に応じた小さい値となる。また、操舵角δが略一定で保持されているため、補正後旋回アシストトルクTrq’は、時刻t4から時刻t5の直前までの期間において、略一定値となっている。
従って、図17に示すように、時刻t4から時刻t5の直前までの期間では、補正係数Ktによって補正された、略一定値となる補正後旋回アシストトルクTrq’によって、規範車速Vcが減少していく。
引き続き、図17に示すように、時刻t5から時刻t6の直前までの期間では、コーナリングが終了に近づいており、ドライバが中立位置へと切戻操舵を開始している。
保舵判定部15は、切戻操舵となるので、図17に示すように、フラグFrδをセット状態に設定(維持)する(ステップS312)。
一方、補正処理部16は、フラグFrδがセット状態となっているので(ステップS502のYes)、図15に示す補正係数マップから、供給される操舵角δの大きさに応じた補正係数Ktを取得する。そして、取得した補正係数Ktを乗算器16bに供給する(ステップS504)。ここで、時刻t5から時刻t6の直前までの期間では、操舵角δが閾値Th2を超えているため、現在の操舵角δの大きさに応じた補正係数Ktが乗算器16bに供給される。
乗算器16bは、供給される補正係数Ktと、供給される旋回アシストトルクTrqとを乗算し、その乗算結果「Kt×Trq」を補正後旋回アシストトルクTrq’として設定する(ステップS506)。そして、補正後旋回アシストトルクTrq’として、「Trq’=Kt×Trq」を、指令値算出部6Dに供給する(ステップS508)。
これにより、操舵角δが閾値Th2を超えておりかつ閾値Th3未満の値で保持されている期間は、この操舵角δの大きさに応じた補正係数Ktによって減少補正された補正後旋回アシストトルクTrq’によって、減速制御が行われる。なお、切戻操舵によって、操舵角δが徐々に小さくなるため、時刻t5から時刻t6の直前までの期間において、補正後旋回アシストトルクTrq’も徐々に小さくなる。
従って、図17に示すように、時刻t5から時刻t6の直前までの期間では、補正係数Ktによって補正された、徐々に小さくなる補正後旋回アシストトルクTrq’によって、規範車速Vcが徐々に減少していく。
このように補正後旋回アシストトルクTrq’によって減速制御を行った場合の規範車速Vcは、図17中に一点鎖線で示す、補正を行わなかった場合(従来の減速制御を行った場合)と比較して、高い速度で推移している。
つまり、操舵角δが閾値Th2を超える期間、即ち旋回アシストが必要なシーンでは、過度の減速とならない範囲で減速制御を行っている。これにより、操舵角δが閾値Th2を超える場合でも、旋回アシストを行いつつ、車速を一定にするためのアクセル操作の発生を低減することが可能となる。
引き続き、図17に示すように、時刻t6から時刻t7の直前までの期間では、切戻操舵が継続して行われ、操舵角δが閾値Th2以下となる。そのため、補正係数演算部16aで取得される補正係数Ktが0となる。これにより、時刻t6から時刻t7の直前までの期間では、補正後旋回アシストトルクTrq’が「0」となる。
そのため、図17に示すように、時刻t6から時刻t7の直前までの期間では、規範車速Vcが一定となる。つまり、時刻t6から時刻t7の直前までの期間は、ドライバが車速を一定にするためのアクセル操作を行う必要が無くなる。
ここで、本実施形態において、ドライバ加減速要求推定部6Aが加減速要求推定部に対応し、車速センサ7が実車速検出部に対応し、ハンドル操作検出装置31が操舵角検出部に対応する。
また、本実施形態において、旋回アシストトルク演算部6B内において、上記(1)式に従って目標ヨーレートφ*を演算する処理が目標ヨーレート演算部に対応し、旋回アシストトルク演算部6B内において、上記(2)式に従って横加速度推定値Yg*を演算する処理が横加速度検出部に対応する。
また、本実施形態において、旋回アシストトルク演算部6B内において、上記(3)式に従って旋回中目標車速ν*を演算する処理が旋回中目標車速演算部に対応し、旋回アシストトルク演算部6B内において、上記(4)式に従って旋回アシストトルクTrqを演算する処理が旋回アシストトルク演算部に対応する。
また、本実施形態において、加算器10f及び除算器10gが目標加速度演算部に対応し、積分器10hが目標車速演算部に対応し、減算器11、車速サーボ6E及び加算器6Fが加減速制御部に対応する。
また、本実施形態において、操舵速度演算部12が、操舵速度演算部に対応し、乗算部13及び保舵判定部15が、保舵判定部に対応し、補正処理部16が、旋回アシスト作動制御部に対応する。
(第2実施形態の効果)
本実施形態は、上記第1実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(1)補正処理部16が、操舵角δが予め設定された大舵角判定閾値Th2を超えていると判定され、かつ、操舵角δが一定に保持されていると判定された期間において、操舵角δの大きさに応じた補正量で旋回アシストトルクTrqによる減速制御の制御量を減少補正する。
操舵角δの大きさに応じた補正量で旋回アシストトルクTrqによる減速制御の制御量を減少補正することで、該制御量を適切な補正量で減少補正することが可能となる。これにより、操舵角の大きさに応じた適切な補正量で減少補正された制御量で減速制御を行うことが可能となり、旋回アシストによる過度の減速を抑えることが可能となる。これにより、旋回アシストが必要な操舵角δとなるシーンでは旋回アシストを行いつつも、過度の減速に対するドライバのアクセル操作の発生を低減することができるという効果が得られる。
(変形例)
上記各実施形態では、例えば、上記第1実施形態の図13に示すように、旋回開始時の切増操舵の後の保舵期間の後に、再度切増操舵が行われた場合に、保舵期間において0となっていた制御量を、そのときの旋回アシストトルクTrqの値に基づく制御量へとすぐに変更する構成としている。この構成に限らず、例えば、図18(a)に示すように、制御量0の状態から、切増操舵を行っている期間における旋回アシストトルクTrqの最大値に向かって線形に増加するように旋回アシストトルクTrqを補正する構成としてもよい。また、例えば、図18(b)に示すように、制御量0の状態から、切増操舵を行っている期間における旋回アシストトルクTrqの最大値に向かって対数関数的に増加するように旋回アシストトルクTrqを補正する構成としてもよい。このような構成とすることで、階段状に旋回アシストトルクTrqが変化するのを防ぐことができるので、急激な減速が発生するのを防止することができる。なお、図18(a)及び(b)中の破線は、旋回アシストトルク演算部6Bにおいて演算される補正前の旋回アシストトルクTrqの時間変化を示す。
また、上記各実施形態では、操舵角δと操舵速度δ’の乗算結果に基づいて、操舵角δが一定に保持されているか否かを判定する構成としたが、この構成に限らない。例えば、操舵角δの時間変化や、操舵速度δ’の時間変化に基づいて操舵角δが一定に保持されているか否かを判定するなど他の構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、本発明に係る車両用走行支援装置及び自動車を、電動モータ2を動力源とするいわゆる電気自動車に適用した場合について説明しているが、これに限定されるものではなく、内燃機関を動力源とする自動車や、内燃機関と電動モータとを備えたハイブリッド車両であっても、本願発明は適用可能である。
また、上記各実施形態では、フラグFaがセットされた状態では、転がり抵抗成分R1及び空気抵抗成分R2を0にするようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、0よりも若干大きな値に設定するような制御でも構わない。
また、上記各実施形態では、アクセル操作検出装置9によって検出されるアクセル操作量に基づいて、ドライバ加減速要求値を推定する構成としたが、この構成に限らない。ドライバ加減速要求値を推定することが可能で有れば、例えば、ステアリングスイッチやジョイスティック等の操作量に基づいて、推定値を求める構成としてもよい。
また、上記実施形態は、本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、上記の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。また、上記の説明で用いる図面は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、均等物等は本発明に含まれるものである。
1 自動車
2 電動モータ
3 変速機
4 ドライブシャフト
5 駆動輪
6 コントローラ
6A ドライバ加減速要求推定部
6B 旋回アシストトルク演算部
6C 旋回アシスト作動制御部
6D 指令値算出部
6E 車速サーボ
6F 加算器
7 車速センサ
8 アクセルペダル
9 アクセル操作検出装置
10 規範車両モデル
10a 転がり抵抗成分記憶部
10b 空気抵抗成分設定部
10c 選択部
10d 設定部
10e フラグ設定部
10f 加算器
10g 除算器
10h 積分器
11 減算器
12 操舵速度演算部
13 乗算部
14 操舵状態判定部
15 保舵判定部
16 補正処理部
16a 補正係数演算部
16b 乗算器
30 ステアリングコラム
31 ハンドル操作検出装置

Claims (6)

  1. 車両が安定して走行可能な限界旋回状態に近づいたと判定すると車両の安定した旋回走行を維持するために必要な旋回アシストトルクを演算する旋回アシストトルク演算部と、
    ドライバの加減速要求の推定値である加減速推定値を求める加減速要求推定部と、
    前記加減速推定値から前記旋回アシストトルクを減算した値に基づいて目標加速度を求める目標加速度演算部と、
    前記目標加速度に基づいて目標車速を求める目標車速演算部と、
    車両の実車速を推定又は検出する実車速検出部と、
    前記実車速が前記目標車速に一致するように車両に対する加減速制御を行う加減速制御部と、
    車両の操舵角を検出する操舵角検出部と、
    前記操舵角が一定に保持されているか否かを判定する保舵判定部と、
    前記保舵判定部の判定結果に基づいて、前記操舵角が一定に保持されていると判定すると、前記旋回アシストトルクによる減速制御の制御量を減少補正する旋回アシスト作動制御部と、
    前記操舵角検出部で検出した前記操舵角に基づいて操舵速度を演算する操舵速度演算部と、を備え
    前記保舵判定部は、前記操舵角検出部で検出した前記操舵角と前記操舵速度演算部で演算した前記操舵速度との乗算結果が、予め設定された保舵判定閾値以下であるときに前記操舵角が一定に保持されていると判定し、前記保舵判定閾値を超えているときに前記操舵角が一定に保持されていないと判定することを特徴とする車両用走行支援装置。
  2. 車両が安定して走行可能な限界旋回状態に近づいたと判定すると車両の安定した旋回走行を維持するために必要な旋回アシストトルクを演算する旋回アシストトルク演算部と、
    ドライバの加減速要求の推定値である加減速推定値を求める加減速要求推定部と、
    前記加減速推定値から前記旋回アシストトルクを減算した値に基づいて目標加速度を求める目標加速度演算部と、
    車両の実加速度を推定又は検出する実加速度検出部と、
    前記実加速度が前記目標加速度に一致するように車両に対する加減速制御を行う加減速制御部と、
    車両の操舵角を検出する操舵角検出部と、
    前記操舵角が一定に保持されているか否かを判定する保舵判定部と、
    前記保舵判定部の判定結果に基づいて、前記操舵角が一定に保持されていると判定された期間において、前記旋回アシストトルクによる減速制御の制御量を減少補正する旋回アシスト作動制御部と、
    前記操舵角検出部で検出した前記操舵角に基づいて操舵速度を演算する操舵速度演算部と、を備え
    前記保舵判定部は、前記操舵角検出部で検出した前記操舵角と前記操舵速度演算部で演算した前記操舵速度との乗算結果が、予め設定された保舵判定閾値以下であるときに前記操舵角が一定に保持されていると判定し、前記保舵判定閾値を超えているときに前記操舵角が一定に保持されていないと判定することを特徴とする車両用走行支援装置。
  3. 前記旋回アシスト作動制御部は、前記制御量を0に減少補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用走行支援装置。
  4. 前記操舵角検出部で検出した前記操舵角に基づいて、操舵の中立位置を基準として一方の操舵方向又は他方の操舵方向に前記操舵角が増加する操舵である切増操舵があったか否かを判定すると共に、前記操舵の中立位置方向に前記操舵角が減少する操舵である切戻操舵があったか否かを判定する操舵状態判定部を備え、
    前記旋回アシスト作動制御部は、前記保舵判定部の判定結果と前記操舵状態判定部の判定結果とに基づいて、前記操舵角が一定に保持されていないと判定され、かつ、前記切戻操舵があったと判定された場合にも前記旋回アシストトルクによる減速制御の制御量を減少補正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両用走行支援装置。
  5. 前記操舵角検出部は、操舵の中立位置を基準として一方の操舵方向又は他方の操舵方向への操舵に応じて増加しかつ操舵方向に関係なくプラスの値となる操舵角を出力するようになっており、
    前記操舵速度演算部は、前記操舵角を微分することによって前記操舵速度を演算するようになっており、
    前記操舵状態判定部は、前記乗算結果がプラスの値であると判定すると前記切増操舵があったと判定し、前記乗算結果がマイナスの値であると判定すると前記切戻操舵があったと判定することを特徴とする請求項に記載の車両用走行支援装置。
  6. 前記旋回アシスト作動制御部は、前記操舵角が予め設定された大舵角判定閾値を超えていると判定され、かつ、前記操舵角が一定に保持されていると判定された期間において、前記操舵角の大きさに応じた補正量で前記制御量を減少補正することを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の車両用走行支援装置。
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