JP6141989B2 - 側方溶出型分子分画装置 - Google Patents

側方溶出型分子分画装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6141989B2
JP6141989B2 JP2015536902A JP2015536902A JP6141989B2 JP 6141989 B2 JP6141989 B2 JP 6141989B2 JP 2015536902 A JP2015536902 A JP 2015536902A JP 2015536902 A JP2015536902 A JP 2015536902A JP 6141989 B2 JP6141989 B2 JP 6141989B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elution
cassette
channel
separation
positive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015536902A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015533220A (ja
JP2015533220A5 (ja
Inventor
グローブナー サビン ダグラス
グローブナー サビン ダグラス
ゴメス ジョシュア
ゴメス ジョシュア
ジェイ.バーベラ トッド
ジェイ.バーベラ トッド
シドティ チャールズ
シドティ チャールズ
シン シムランジット
シン シムランジット
ティー.ボレス クリスチャン
ティー.ボレス クリスチャン
Original Assignee
セイジ サイエンス,インコーポレイティド
セイジ サイエンス,インコーポレイティド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by セイジ サイエンス,インコーポレイティド, セイジ サイエンス,インコーポレイティド filed Critical セイジ サイエンス,インコーポレイティド
Publication of JP2015533220A publication Critical patent/JP2015533220A/ja
Publication of JP2015533220A5 publication Critical patent/JP2015533220A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6141989B2 publication Critical patent/JP6141989B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/447Systems using electrophoresis
    • G01N27/44704Details; Accessories
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/447Systems using electrophoresis
    • G01N27/44704Details; Accessories
    • G01N27/44717Arrangements for investigating the separated zones, e.g. localising zones
    • G01N27/44739Collecting the separated zones, e.g. blotting to a membrane or punching of gel spots

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Description

本願は米国仮出願USSN61/713,156(2012年10月12日出願)、米国仮出願USSN61/713,916(2012年10月15日)、及び米国仮出願USSN61/766,910(2013年2月20日)に関する。これらの内容はその全体が援用により本明細書に組み込まれる。
本明細書は概して分子生物学に関する。本願のシステム及び方法は、生物学試料由来のDNA、RNA、及びタンパク質の調製及び分析に用いられる。
DNA断片の電気泳動分離は次世代DNAシーケンシング、医療診断、法科学及びDNAコンピューティングを含む分子臨床生物学及び医学における多数の目的のために使用されている。実証された必要性と当業者の努力にもかかわらず、単一の試料を一回の分取電気泳動プロセスにおいて複数のサイズの画分に分離する装置と方法の必要性が未だに当技術分野に残されている。
本開示は単一の試料を一回の分取電気泳動プロセスにおいて様々なサイズの複数の画分に分離するための装置(カセット及びそれらの構成要素)、システム(機器及びそれらの構成要素)、及び方法を提供する。
本開示のカセット、機器、システム、及び方法は、側面溶出技術を用いる分取電気泳動を実施するための装置と方法の複数の実施形態について説明する。
ある特定の実施形態では本開示は、少なくとも1本のマクロ流体分離チャネル、正の溶出チャネルの部分又は全体に対応する開口、空腔、又は陥凹のうちの少なくとも1つ、負の溶出チャネルの部分又は全体に対応する開口、空腔、又は陥凹のうちの少なくとも1つ、及び少なくとも1個の溶出モジュールを含む天板と底板を含む電気泳動カセットであって、その天板とその底板が互いに接触又は接着されてなる前記電気泳動カセットを提供する。
ある特定の実施形態では本開示は、少なくとも1本のマクロ流体分離チャネル、正の溶出チャネルの部分に対応する開口、空腔、又は陥凹のうちの少なくとも1つ、負の溶出チャネルの部分に対応する開口、空腔、又は陥凹のうちの少なくとも1つ、及び少なくとも1個の溶出モジュールを含む天板、及び正の溶出チャネルの部分に対応する開口、空腔、又は陥凹のうちの少なくとも1つ、負の溶出チャネルの部分に対応する開口、空腔、又は陥凹のうちの少なくとも1つ、及びその溶出モジュールに対応する開口、空腔、又は陥凹のうちの少なくとも1つを含む底板を含んでなる電気泳動カセットであって、その天板とその底板が互いに接触又は接着されてなり、且つ、その天板とその底板のその接触又は接着が少なくとも1本の正の溶出チャネルと少なくとも1本の負の溶出チャネルを形成してなる前記電気泳動カセットを提供する。これらの特徴を有する本開示の例となるカセットには、限定されないが、図34から図52において示されているカセットが挙げられる。
図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では溶出モジュールは、固相底面、溶出ポートを含む上面、及び各々少なくとも1本の正の溶出チャネル又は少なくとも1本の負の溶出チャネルに対応する開口、空腔、又は陥凹のうちの少なくとも1つを有する2つの側面を有する四面構造、及びその構造の少なくとも1つの側面に接触する被分析物非透過性膜を含む。所望により、その溶出モジュールの2つの側面は上面近傍でのより広い形状から底面近傍でのより狭い形状へと先細りしてなる。被分析物非透過性膜は少なくとも1本の正の溶出チャネルに隣接する前記構造の側面に接触又は接着し得る。本開示の溶出モジュールのある特定の実施形態では溶出モジュールは被分析物透過性膜を含む。被分析物透過性膜は少なくとも1本の負の溶出チャネルに隣接する前記構造の側面に接触又は接着し得る。本開示の例となる溶出モジュールには図27から図31において示されている溶出モジュールが挙げられるが、これらに限定されない。
図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では溶出モジュールは可逆的に天板に接触又は接着する。
図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では底板は少なくとも1個の溶出モジュールに対応する少なくとも1つの切欠きを含む。その少なくとも1つの切欠きのある特定の態様では例となる切欠きは1つの底面と2つの側面を有する三面構造を含む。その少なくとも1つの切欠きのある特定の態様ではその切欠きの面(底面及び/又はどちらかの側面)はその溶出モジュールチャネルのいずれの開口、空腔、又は陥凹も隠さない、又は覆い隠さない。図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では、天板と底板の接触又は接着によりその天板の少なくとも1個の溶出モジュールがその底板の少なくとも1つの対応する切欠きに差し込まれる。図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態ではその底板は、溶出モジュールチャネルの開口、空腔、又は陥凹のうちの少なくとも1つに対応する一連の窓部を含む少なくとも1つの隔壁であって、各々が少なくとも1本の正の溶出チャネル及び負の溶出チャネルのうちの少なくとも1つと位置を合わせている前記窓部を含む前記隔壁を含み得る、又は更に含み得る。
図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では溶出モジュールは少なくとも1つの溶出チャンバーと少なくとも1つの溶出ポートを含む。例えば、その少なくとも1つの溶出チャンバーは少なくとも1つの側面で溶出モジュールの面に接し得る。あるいは、又は加えて、その少なくとも1つの溶出チャンバーは少なくとも1つの側面で被分析物透過性膜又は被分析物非透過性膜のどちらかに接し得る。所望により、その少なくとも1つの溶出チャンバーは底面及び2つの側面で溶出モジュールの面に接し得る。その少なくとも1つの溶出チャンバーは2つの追加の側面で溶出モジュールの隔壁面(すなわち、溶出モジュール内部)又は底板に接触又は接着している隔壁(すなわち、溶出モジュール外部)に接し得る。例となる溶出モジュールポートはその溶出モジュールの上面に配置されてよく、溶出チャンバーと位置を合わせてよい、又は1つより多くの溶出チャンバーがその溶出モジュールに存在する場合には溶出チャンバーとそれぞれ位置を合わせてよい。その溶出モジュールの上面は天板の外表面と位置を合わせてよい。その溶出モジュールの上面は天板の外表面の全体又は一部であり得る。あるいは、その溶出モジュールの上面は溶出モジュールの全体又は一部であり得る。また、その溶出モジュールの上面は天板の外表面又は溶出モジュールの外表面のどちらかより分離していてよく、この実施形態では天板(例えば、天板の内表面又は外表面)又は溶出モジュールのどちらかと直接的又は間接的に接触又は接着していてよい。
図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では被分析物透過性障壁は親水性の膜又はフィルターを含む。その被分析物透過性障壁は0.4μmから50μmの間の孔径範囲を有する少なくとも1つの孔を含み得る。その被分析物透過性障壁は0.4μmから1μmの間の孔径範囲を有する少なくとも1つの孔を含み得る。
図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では被分析物非透過性障壁は膜、フィルター、フィルム、又はそれらのあらゆる組合せである。その被分析物非透過性障壁は限外濾過膜又は導電性フィルムであり得る。限外濾過膜は0.001μmから0.1μmの間の孔径範囲を有する少なくとも1つの孔を含み得る。限外濾過膜は1,000から30,000ダルトンの間の分子量カットオフ値を有し得る。限外濾過膜は3,000から10,000ダルトンの間の分子量カットオフ値を有し得る。その被分析物非透過性障壁は被分析物と同じ電荷を有する導電性フィルムを含み得る。その被分析物非透過性障壁は負に帯電したサルフェート基と接触する導電性フィルムを含み得る。
図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では天板は少なくとも1本の正の溶出電極チャネルと少なくとも1本の負の溶出電極チャネルを更に含む。本開示のカセットの例となる正の溶出電極チャネルと負の溶出電極チャネルはそれぞれ図34の特徴511及び510として示されている。その少なくとも1本の正の溶出電極チャネルは少なくとも1本の位置溶出チャネルの体積を占めてよく、その少なくとも1本の負の溶出電極チャネルは少なくとも1本の負の溶出チャネルの体積を占めてよい。さらに、その少なくとも1本の正の溶出電極チャネルとその少なくとも1本の負の溶出電極チャネルはそれぞれ第一緩衝液容器の体積と第二緩衝液容器の体積を占めて良い。また、その少なくとも1本の正の溶出電極チャネルとその少なくとも1本の負の溶出電極チャネルはそれぞれ第一追加緩衝液容器の体積及び/又は第二追加緩衝液容器の体積を占める。本開示のカセットのある特定の態様ではその少なくとも1本の正の溶出電極チャネルは少なくとも1本の位置溶出チャネルの体積を占めてよく、その少なくとも1本の負の溶出電極チャネルは少なくとも1本の負の溶出チャネルの体積を占めてよく、且つ、その少なくとも1本の正の溶出電極チャネルとその少なくとも1本の負の溶出電極チャネルはそれぞれ第一緩衝液容器の体積と第二緩衝液容器の体積を占めてよく、それによって緩衝液組成物で充填され得るカセットの各区画間の流体連通を促進する。本開示のカセットのある特定の態様ではその少なくとも1本の正の溶出電極チャネルは少なくとも1本の位置溶出チャネルの体積を占めてよく、その少なくとも1本の負の溶出電極チャネルは少なくとも1本の負の溶出チャネルの体積を占めてよく、その少なくとも1本の正の溶出電極チャネル、その少なくとも1本の負の溶出電極チャネルはそれぞれ第一緩衝液容器の体積と第二緩衝液容器の体積を占めてよく、且つ、その少なくとも1本の正の溶出電極チャネルとその少なくとも1本の負の溶出電極チャネルはそれぞれ第一追加緩衝液容器の体積及び/又は第二追加緩衝液容器の体積を占め、それによって緩衝液組成物で充填され得るカセットの各区画間の流体連通を促進する。本開示のカセットの区画間の流体連通はそのカセットのあらゆる個々の区画(例えば、容器又はチャネル)における緩衝液組成物の蓄積又は枯渇を防ぐのに有用である。
図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では天板は第一緩衝液容器の部分に対応する開口、空腔、又は陥凹のうちの少なくとも1つと第二緩衝液容器の部分に対応する開口、空腔、又は陥凹のうちの少なくとも1つを含む、又は更に含む。図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では底板は第一緩衝液容器の部分に対応する開口、空腔、又は陥凹のうちの少なくとも1つと第二緩衝液容器の部分に対応する開口、空腔、又は陥凹のうちの少なくとも1つを更に含む。その天板とその底板の接触又は接着により第一緩衝液容器と第二緩衝液容器が形成され得る。図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では第一緩衝液容器がマクロ流体分離チャネルの第一端部に備えられ、第二緩衝液容器がマクロ流体分離チャネルの第二端部に備えられる。本開示のカセットの緩衝液容器と分離チャネルについて説明するために使用される場合、「第一」という用語は試料ウェル、試料ウェル空腔又は負の分離電極の近傍の容器又は分離箇所の端部を説明するものとする。本開示のカセットの緩衝液容器と分離チャネルについて説明するために使用される場合、「第二」という用語は正の分離電極の近傍の容器又は分離箇所の端部を説明するものとする。
図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では天板は第一追加緩衝液容器の部分に対応する開口、空腔、又は陥凹のうちの少なくとも1つを更に含む。図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では底板は第一追加緩衝液容器の部分に対応する開口、空腔、又は陥凹のうちの少なくとも1つを更に含む。その天板とその底板の接触又は接着により第一追加緩衝液容器が形成される。
図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では天板は第二追加緩衝液容器の部分に対応する開口、空腔、又は陥凹のうちの少なくとも1つを更に含む。図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では底板は第二追加緩衝液容器の部分に対応する開口、空腔、又は陥凹のうちの少なくとも1つを更に含む。その天板とその底板の接触又は接着により第二追加緩衝液容器が形成される。
図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では底板は天板を内側に嵌め込んでいる枠を更に含む。その枠は天板と底板を整列させ、その配置を維持するために使用され得る。その枠は天板と底板を接触させ、その接触を維持するために使用され得る。その枠は天板と底板を接着させ、その接着を維持するために使用され得る。さらに、そのカセットの1つ以上の区画(例えば、容器又はチャネル)が流体連通状態にあるときにその枠はそのカセット内に緩衝液組成物を閉じ込めるための境界として使用され得る。
図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では少なくとも1本の分離チャネルが少なくとも1つの試料ウェル空腔を含む。本開示のカセットのある特定の態様では試料ウェルインサートはその少なくとも1つの試料ウェル空腔の体積を占めてよい。その少なくとも1つの試料ウェル空腔内にゲルマトリックス組成物を注ぎ込み、凝固させると、その試料ウェル空腔内で試料ウェルインサートがその試料ウェル空腔の体積を占め、その試料ウェルインサートの除去により試料ウェルが生成される。図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では試料ウェルインサート及び/又は試料ウェル空腔は試料ポートに対応する天板の外表面の開口、空腔、又は陥凹のうちの少なくとも1つと位置を合わせてよく、そのカセットの試料ウェル空腔及び/又は分離チャネルを占めるゲルマトリックス組成物にその試料ポートを介して試料が負荷又は導入され得る。
図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では天板の外表面は少なくとも1つの分離電極ポート、1つの溶出電極チャネル、及び1つの試料ポートに対応する開口、突起及び陥凹のうちの少なくとも1つを含む。図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では天板の外表面は少なくとも1つの溶出モジュールポートに対応する開口、突起及び陥凹を含む、又は更に含む。
図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では底板の外表面は少なくとも1つのポートに対応する開口、突起及び陥凹のうちの少なくとも1つを含む。そのポートは少なくとも1本の分離チャネルへのゲルマトリックス組成物の導入を容易にし得る。図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では液体ゲルマトリックス溶液が底板の外表面上のポートに導入される。好ましくは、底板の外表面が上を向くようにその外表面が方向づけられているときに液体ゲルマトリックス溶液が底板の外表面上のポートに導入される。また、天板と底板が一つに接触又は接着し、少なくとも液体ゲルマトリックス組成物が凝固するまでこの接触構成又は接着構成で維持されているときに液体ゲルマトリックス溶液がその底板の外表面上のポートに導入されることが好ましい。図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では天板と底板が一つに接触又は接着しているときにその底板の外表面のポートがその天板の少なくとも1本の分離チャネルと並ぶ。
図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態ではそのカセットは使い捨てである。
図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態ではそのカセットはゲルマトリックス組成物、液体緩衝液組成物、固形緩衝液組成物のうちの少なくとも1つを含む、又は更に含む。
図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態ではマクロ流体分離チャネルはゲルマトリックス組成物、液体緩衝液組成物、固形緩衝液組成物のうちの少なくとも1つを含む。そのゲルマトリックス組成物、液体緩衝液組成物、固形緩衝液組成物のうちの少なくとも1つはフルオロフォア又はクロモフォアうちの少なくとも一方を含み得る。図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態ではその少なくとも1本のマクロ流体分離チャネルはゲルマトリックス組成物を含む。そのゲルマトリックス組成物はマクロ流体分離チャネルの体積を満たし得る。そのゲルマトリックス組成物がマクロ流体分離チャネルの体積を満たし得るとき、そのゲルマトリックス組成物は少なくとも1つの試料ウェル空腔内で少なくとも1つの試料ウェルを画定する。
図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態ではそのカセットは緩衝液組成物を含む。その緩衝液組成物は少なくとも1個の緩衝液容器、少なくとも1つの試料ウェル、少なくとも1本の溶出チャネル、及び少なくとも1個の溶出モジュールの体積を満たし得る。図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態ではその緩衝液組成物は少なくとも1個の追加緩衝液容器の体積を満たし得る。
図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では溶出モジュールは溶出緩衝液組成物を含む。その溶出緩衝液組成物は少なくとも1つの溶出チャンバーの体積を満たし得る。
図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態ではそのカセットは除去可能な封止材を更に含む。その封止材は天板の外表面又は底板の外表面の開口、突起及び陥凹のうちの少なくとも1つを包囲し得る。
図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットのある特定の実施形態では少なくとも1本のマクロ流体分離チャネルが光学的に透明である。その分離チャネルの少なくとも1つの側面が光学的に透明であり得る。その分離チャネルの1つの側面のみが光学的に透明であり得る。
ある特定の実施形態では本開示は次のものを含む電気泳動システムを提供する:
図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセット;負の分離電極と正の分離電極のうちの少なくとも一方を含む電極アレイであって、その負の分離電極が分離チャネルの第一端部において第一緩衝液容器に対応する天板の外表面のポートと位置を合わせており、その正の分離電極が分離チャネルの第二端部において第二緩衝液容器に対応する天板の外表面のポートと位置を合わせており、且つ、その分離チャネルの第一端部が少なくとも1つの試料ウェルに対して近位側にある前記電極アレイ;及び負の溶出電極と正の溶出電極のうちの少なくとも一方であって、少なくとも1本の負の溶出チャネルの体積を占める天板の外表面の溶出電極チャネルと位置を合わせている前記負の溶出電極と少なくとも1本の正の溶出チャネルの体積を占める天板の外表面の溶出電極チャネルと位置を合わせている前記正の溶出電極のうちの一方;及び分離電気泳動時に少なくとも1対の正の分離電極と負の分離電極に電力を供給し、溶出電気泳動時にその少なくとも1対の正の分離電極と負の分離電極への電力供給を停止し、且つ、少なくとも1対の正の溶出電極と負の溶出電極に電力を供給するように構成されているプロセッサー;及び電力を前記プロセッサー及び少なくとも1対の正の分離電極と負の分離電極又は少なくとも1対の正の溶出電極と負の溶出電極のうちの少なくとも1つに供給するための電源装置と継電器のうちの少なくとも一方を含む電力モジュール。
図47から図52において示されている機器、システム又はそれらの構成要素を含むがこれらに限定されない本開示の機器及び/又はシステムのある特定の実施形態では機器又はシステムは少なくとも1つの蓋を含む。電極又は電極アレイはその蓋に接触又は接着してよい。電極又は電極アレイは、その電極又は電極アレイの移動が最小限にされるか、又は防止されるようにしっかりとその蓋に接触又は接着してよい。
図47から図52において示されている機器、システム又はそれらの構成要素を含むがこれらに限定されない本開示の機器及び/又はシステムのある特定の実施形態では機器又はシステムは少なくとも1つのネストプラットフォームに接触又は接着されてなる少なくとも1つのカセットネストを含む。そのカセットネストは図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない本開示のカセットに接触又は接着し得る。そのネストプラットフォームは蓋に向かって移動することによってそのカセットを電極アレイと整列させるように構成され得る。そのカセットの電極アレイとの整列は天板の開口、空腔、又は陥凹のうちの少なくとも1つを通り抜ける前記アレイの少なくとも1つの電極の進入を容易にする。天板の開口、空腔、又は陥凹のうちの少なくとも1つは容器又はチャネルに対応し得る。所望により、その容器又はチャネルは緩衝液組成物で充填される。
図47から図52において示されている機器、システム又はそれらの構成要素を含むがこれらに限定されない本開示の機器及び/又はシステムのある特定の実施形態では少なくとも1対の正の溶出電極と負の溶出電極がその機器又はシステムの蓋から先に延在しているよりも更に先に少なくとも1対の正の分離電極と負の分離電極がその蓋から延在している。これらの実施形態のある特定の態様ではそのカセットは分離電気泳動時にその少なくとも1対の正の分離電極と負の分離電極とだけ接触している第一位置に存在し得る。また、そのカセットは溶出電気泳動時に少なくとも1対の正の分離電極と負の分離電極及び少なくとも1対の正の溶出電極と負の溶出電極と接触する第二位置に存在し得る。その少なくとも1対の正の分離電極と負の分離電極は溶出電気泳動時に非導通化され得る。
ある特定の実施形態では本開示は試料内の被分析物を分画する方法であって、図34から図52において示されているカセットを含むがこれらに限定されない特許請求のカセットである本開示のカセットであって、少なくとも1個の緩衝液容器の体積を占める緩衝液容器インサート、試料ポートのうちの少なくとも1つと並置されている分離チャネルの体積を占める試料ウェルインサート、及び底板の外表面の開口を含む注入ポートのうちの少なくとも1つを更に含む前記カセットを用意すること、その注入ポートを通じてゲルマトリックス組成物を挿入すること、そのゲルマトリックス組成物を凝固させてそのゲルマトリックス組成物を液体から固体に転換すること、その緩衝液容器インサートと試料ウェルインサートを取り除いて試料ウェルを作成すること、少なくとも1個の緩衝液容器と少なくとも1対の正の溶出チャネルと負の溶出チャネルを緩衝液組成物で充填すること、及び図47から図52において示されているシステム又はそれらの構成要素を含むがこれらに限定されない本開示のシステムにその電気泳動カセットを挿入すること、分離電気泳動時にその少なくとも1対の正の分離電極と負の分離電極を選択的に導通化するようにそのシステムのプロセッサーをプログラムすること、溶出電気泳動時にその少なくとも1対の正の分離電極と負の分離電極を選択的に非導通化し、且つ、その少なくとも1対の正の溶出電極と負の溶出電極を選択的に導通化するようにそのシステムのプロセッサーをプログラムすること、試料ウェルに試料を導入すること、分離電気泳動時にその電気泳動カセットに電圧を印加すること、溶出電気泳動時にその電気泳動カセットに電圧を印加すること、及びその少なくとも1個の溶出モジュールにおいて所望の電気泳動移動度を有する前記試料の被分析物を回収することによって試料内の被分析物を分画することを含む前記方法を提供する。
本開示の方法のある特定の実施形態では前記試料は検出可能な化合物を含む。その試料は被分析物と蛍光性化合物との複合体のうちの少なくとも1つを含み得る。さらに、その蛍光性化合物はフルオロフォアである。その試料は被分析物と光吸収性化合物との複合体のうちの少なくとも1つを含み得る。さらに、その光吸収性化合物はクロモフォアである。
本開示の方法のある特定の実施形態ではゲルマトリックス組成物、緩衝液組成物、又は溶出緩衝液組成物のうちの少なくとも1つは、被分析物のうちの少なくとも1つと複合してなるフルオロフォアのうちの少なくとも1つを含む。本開示の方法のある特定の実施形態ではゲルマトリックス組成物、緩衝液組成物、又は溶出緩衝液組成物のうちの少なくとも1つは、被分析物のうちの少なくとも1つと複合してなるクロモフォアのうちの少なくとも1つを含む。
本開示の方法のある特定の実施形態では前記試料は分子量マーカーを含む。
本開示の方法のある特定の実施形態では被分析物はポリ核酸又はポリペプチドである。そのポリ核酸はデオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)を含み得る。そのポリ核酸は二本鎖又は一本鎖であり得る。そのポリペプチドは天然体又は変性体であり得る。
ある特定の実施形態では本開示は、少なくとも1本のマクロ流体分離チャネル、少なくとも1本の正の溶出チャネル、少なくとも1本の負の溶出チャネル、及び溶出モジュールに対応する開口、空腔、又は陥凹のうちの少なくとも1つを含むプレート、及び少なくとも1個の溶出モジュールを含む電気泳動カセットを提供する。
本開示のカセットのある特定の実施形態では溶出モジュールは、固相底面、溶出ポートを含む上面、及び各々少なくとも1本の正の溶出チャネル又は少なくとも1本の負の溶出チャネルに対応する開口、空腔、又は陥凹のうちの少なくとも1つを有する2つの側面を有する四面構造、及びその構造の少なくとも1つの側面に接触する被分析物非透過性膜を含む。その被分析物非透過性膜は少なくとも1本の正の溶出チャネルに隣接するその構造の側面に接触又は接着し得る。本開示のカセットのある特定の実施形態では溶出モジュールは被分析物透過性膜を含み得る、又は更に含み得る。被分析物透過性膜は少なくとも1本の負の溶出チャネルに隣接するその構造の側面に接触又は接着し得る。
本開示のカセットのある特定の実施形態では溶出モジュールは可逆的に前記プレートに接触又は接着する。その溶出モジュールは溶出モジュールに対応する開口、空腔、又は陥凹のうちの少なくとも1つに可逆的に接触又は接着し得る。
本開示のカセットのある特定の実施形態ではそのカセットは第一緩衝液容器を含む。その第一緩衝液容器は分離チャネルの第一端部に配置され得る。本開示のカセットのある特定の実施形態ではそのカセットは第二緩衝液容器を含む。その第二緩衝液容器は分離チャネルの第二端部に配置される。
本開示のカセット、機器、及び方法を使用して分離電気泳動プロセスを最初に実施することができる。分離電気泳動の実施期間は、例えば、様々なサイズ範囲又は様々な電気泳動移動度範囲の被分析物又は画分を含む投入試料を選択的に処理するために操作又は最適化され得る。
本開示の側面溶出カセットは分離チャネルの内容物を順次というよりもむしろ並行して溶出及び分画する。並行溶出には先行する分離ステップ時に被分析物が移動する方向に対して直交方向又は垂直方向に分離チャネルの内容物が移動する溶出ステップが伴う。
本開示はプレートを含むカセットを提供する。本開示の例となるプレートは、例えば図5A及び5Bにおいて示されているように単一のユニットを含み得る。あるいは、本開示のプレートは複数のユニットを含み得る。ある特定の実施形態では複数のユニットを有する本開示のプレートは中央ユニットを含み得る。あるいは、ある特定の実施形態では複数のユニットを有する本開示のプレートは中央ユニットから基本的になり得る。ある特定の実施形態では複数のユニットを有する本開示のプレートは中央ユニットとベースユニットを含み得る。あるいは、ある特定の実施形態では複数のユニットを有する本開示のプレートは中央ユニットとベースユニットから基本的になり得る。ある特定の実施形態では複数のユニットを有する本開示のプレートはカバーユニット、中央ユニット及びベースユニットを含み得る。あるいは、ある特定の実施形態では複数のユニットを有する本開示のプレートはカバーユニット、中央ユニット及びベースユニットから基本的になり得る。ある特定の実施形態では(例えば、図17〜22)そのカセットはトップユニットを含んでよく、そのトップユニットは例となるカバーユニットと例となる中央ユニットの特徴を含み得る。他の実施形態では(例えば、図26)カセットは電極アレイを含むカバーユニット、中央ユニット及びベースユニットを含み得る。電極アレイを含むそのカバーユニットは、カセットの構成要素かそのカセットを含む機器(例えば、図33)の構成要素のどちらかとして提供され得る。
本開示のプレートが複数のユニットを含むとき(多重ユニットプレート)、カバーユニットは単一のユニットを有するプレートのカバーと同じでも異なっていてもよい。1つの態様では複数のユニットを有するプレートのカバーユニットは中央ユニットの上面の構成に対応する。そのカバーユニットは、第一緩衝液容器、負の溶出容器、正の溶出容器、及び第二緩衝液容器のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つと位置を合わせている開口、突起及び陥凹のうちの少なくとも1つを含み得る。あるいは、又は加えて、そのカバーユニットは、分離チャネル、第一緩衝液容器、負の溶出容器、正の溶出容器、第二緩衝液容器、試料ウェル空腔、及び試料取出しポートのうちの少なくとも1つと位置を合わせている開口、突起及び陥凹のうちの少なくとも1つを含む。そのカバーは、分離チャネル、試料ウェル空腔、及び試料取出しポートのうちの少なくとも1つと位置を合わせている開口、突起及び陥凹のうちの少なくとも1つを含む。そのカバーは電極、通気口、試料ウェル及び注入ポートのうちの少なくとも1つに対応する少なくとも1つのポートを更に含み得る。
本開示のプレートが複数のユニットを含むとき、中央ユニットは本開示の単一ユニットプレートの1つ以上の特徴を含み得る。中央ユニットはそのユニットの上面が開放されている形態(例えば、図5A及びBの単一ユニットカセットの上面を参照されたい)を含み得る。中央ユニットはそのユニットの底面が開放されている形態を含み得る。その中央ユニットの上面と底面は同一であってよい(すなわち、その中央ユニット内のチャネル、容器、突起又は空腔の同一の幾何学的配置に対応し得る)。
前記中央ユニットの深さは分離チャネル、負の溶出容器、正の溶出容器、第一緩衝液容器、及び第二緩衝液容器のうちの少なくとも1つの深さと等しくても、それより深くてもよい。その中央ユニットのいずれかの要素の深さを大きくするため、その要素に対応する陥凹又は空腔も含む対応するベースユニットを併用してよい。例えば、分離チャネル、負の溶出容器、及び正の容器よりも大きい深さを有する第一緩衝液容器と第二緩衝液容器を形成するためには、多重ユニットプレートの中央ユニットは深さが分離チャネル、負の溶出容器、正の溶出容器、第一緩衝液容器、及び第二緩衝液容器と等しい可能性があるが、しかしながらこの中央ユニットはその第一緩衝液容器と第二緩衝液容器に対応する陥凹、空腔、又は容器を有するベースユニットと組み合わされる可能性がある。図5A及びBは単一ユニットプレートを表しているが、中央ユニットのこれまでに説明した例と対応するベースユニットが合体させられた場合、その組合せはこの図に示されている単一ユニットプレートの構成と似たものになるだろう。
多重ユニットプレートの中央ユニットは外部境界「壁」を含む。加えて、多重ユニットプレートの例となる中央ユニットは分離チャネル、負の溶出容器、及び正の溶出容器のうちの少なくとも1つの上面、側面、及び底面のうちの少なくとも1つを含み得る。多重ユニットプレートの例となる中央ユニットは分離チャネル、負の溶出容器、正の溶出容器、第一緩衝液容器、及び第二緩衝液容器のうちの少なくとも1つの上面、側面、及び底面のうちの少なくとも1つを含み得る。
中央ユニットは少なくとも1本のマクロ流体分離チャネルを含み得る。その少なくとも1本のマクロ流体分離チャネルは第一端部と第二端部を含む。その少なくとも1本のマクロ流体分離チャネルの第一端部は第一緩衝液容器に隣接し得る。その少なくとも1本のマクロ流体分離チャネルの第二端部は第二緩衝液容器に隣接し得る。ある特定の実施形態ではその少なくとも1本のマクロ流体分離チャネルの第一端部は第一緩衝液容器に隣接し、その少なくとも1本のマクロ流体分離チャネルの第二端部は第二緩衝液容器に隣接する。中央ユニットの分離チャネルは第一緩衝液容器及び/又は第二緩衝液容器と流体連通状態及び/又は電気連通状態であり得る。
多重ユニットプレートの中央ユニットは少なくとも1個の負の溶出容器と少なくとも1個の正の溶出容器を更に含み得る。その少なくとも1個の負の溶出容器とその少なくとも1個の正の溶出容器は互いに揃えて配置される。分離チャネルを中央ユニットの中央軸線として使用すると、その少なくとも1個の負の溶出容器とその少なくとも1個の正の溶出容器はその分離チャネルの対面する側面に配置される。その中央ユニットのある特定の実施形態ではその少なくとも1個の負の溶出容器とその少なくとも1個の正の溶出容器の配置に関わる軸線はその少なくとも1本の分離チャネルの長軸方向の軸線に対して直交している、又は垂直である。この実施形態のさらなる態様ではその少なくとも1個の負の溶出容器とその少なくとも1個の正の溶出容器の配置に関わる軸線とその少なくとも1本の分離チャネルの長軸方向の軸線は同じ平面内にあり、その平面はそのプレートの中央ユニットである。
多重ユニットプレートの中央ユニットは1本のマクロ流体分離チャネル、少なくとも1個の負の溶出容器、及び少なくとも1個の正の溶出容器を含み得る。その中央ユニットは複数の負の溶出容器及び対応する複数の正の溶出容器を含み得る。例えば、中央ユニットは1本の分離チャネル、少なくとも12個の負の溶出容器、及び少なくとも12個の正の溶出容器を含み得る。その中央ユニットではその分離チャネルは負の溶出容器のうちの少なくとも1つ及び正の溶出容器のうちの少なくとも1つと流体連通状態及び/又は電気連通状態であり得る。中央ユニットではその分離チャネルは第一緩衝液容器、負の溶出容器、正の溶出容器、及び第二緩衝液容器のうちの少なくとも1つと流体連通状態及び/又は電気連通状態であり得る。
多重ユニットプレートの中央ユニットは少なくとも1個の溶出モジュールを更に含み得る。多重ユニットプレートの中央ユニットの溶出モジュールは単一ユニットプレートの溶出モジュールのいずれか1つ以上の特徴を含み得る。例となる溶出モジュールはそのカセットのプレートに取り付けられるか、又はそのカセットのプレートから取外し可能である。本開示の溶出モジュールは中央ユニット、分離チャネル、正の溶出容器、及び/又は中央ユニット、分離チャネル、若しくは正の溶出容器の内部に位置する溶出モジュール空腔と直接的に接触し得る。
本開示の側面溶出カセットのある特定の実施形態では(カバーユニットと中央ユニットの全ての特徴を含み得る)前記トップユニットは、全体が(例えば、図18(右パネル)、図19(下の模式図)、図20、図21から理解できるように)そのトップユニット内にある少なくとも1本の分離チャネルを含む。ベースユニットと接触されてなるとき、その分離チャネルの上面と側面はトップユニットによって包囲され、底面はボトムユニットの上面によって包囲される。(トップユニットがボトムユニットの下になるように)組み立てられたカセットを逆さにして作業面の上に置くことによってこの例となるカセットのベースユニットの分離チャネル充填ポートに液体ゲルマトリックス組成物を入れると、例えば取り外し可能な堰又は他の閉塞装置を使用することなく、(最後には固形のゲルマトリックス組成物を形成する)その液体ゲルマトリックス組成物がその少なくとも1本の分離チャネルに閉じ込められる。ある特定の実施形態では(例えば、図17〜22)少なくとも1本の分離チャネルとベースユニットを完全に含むトップユニットを有する例となるカセットはカバーユニットと中央ユニットを含む。例となるカバーユニットは(例えば、図25及び26において示されるような)電極アレイを含み得る。例となる電極アレイはプリント基板(PCB)とそのPCBを突き抜けて突出するねじから構成され得る。この実施形態の例となるねじはプラスチック材から構成され得る。この例では導電性ワイヤー(プラチナワイヤー等)をそれらのねじの周りに巻いてもよく、又は導電性ワイヤーでそれらのねじの周りを覆ってもよく、且つ、導電性ワイヤーがそのPCB上の回路に接続されてもよい。この電極アレイが本開示のカセット又はそのカセットの中央ユニットに接触しているとき、その導電性ワイヤー(好ましくはプラチナ)はそのカセットの少なくとも1個の緩衝液容器内の電気泳動緩衝液と本開示のPCB及び/又は機器との間の耐食性電気接触をもたらす。電極アレイを含むカバーユニットはカセットの構成要素かそのカセットを含む機器(例えば、図33)の構成要素のどちらかとして提供され得る。
本開示のプレートが複数のユニットを含むとき、そのプレートはベースユニットを含み得る。例となるベースユニットは、限定されないが、対応する中央ユニットの面、容器、チャネル、空腔又は突起のうちの少なくとも1つに対応する面、容器、チャネル、空腔又は突起を含むあらゆる幾何学的配置を含み得る。ベースユニットはあらゆる深さを有するが、しかしながらベースユニットの長さと幅は通常は中央ユニットに対応し、好ましくはそのベースユニットが接続されている中央ユニットに対応する。
多重ユニットプレートのベースユニットは外部境界「壁」を含む。加えて、多重ユニットプレートの例となるベースユニットは分離チャネル、負の溶出容器、及び正の溶出容器のうちの少なくとも1つの上面、側面、及び底面のうちの少なくとも1つを含み得る。多重ユニットプレートの例となる中央ユニットは分離チャネル、負の溶出容器、正の溶出容器、第一緩衝液容器、及び第二緩衝液容器のうちの少なくとも1つの上面、側面、及び底面のうちの少なくとも1つを含み得る。
多重ユニットプレートのベースユニットのある特定の実施形態ではそのベースユニットは外部境界「壁」を含む。この「壁」は枠として機能し得る。その枠はあらゆる材料から作製されている挿入可能面を包囲し得る。挿入可能面の材料は導電性又は非導電性であり得る。例となる挿入可能面は、限定されないが、膜、フィルター、ガラス、重合体、プラスチック、及び樹脂を含む。さらに、1つ以上の電極がその挿入可能面に接続され得る。例えば、電極をその面に結合又は合体させることができる。あるいは、又は加えて、導電性インクを使用して電極をその面に印刷することができる。好ましい実施形態では(導電性インクから構成される)1つ以上の電極がプラスチックベース又は重合体ベースの挿入可能面に印刷され、その後にその挿入可能面が枠として機能するベースユニットの内部に配置される。対応する中央ユニット中でのゲルマトリックス組成物の鋳込の前に(枠、面、及び印刷電極を含む)そのベースユニットがその中央ユニットに接続される。
多重ユニットプレートのベースユニットと中央ユニットが接続され、且つ、重力、圧入圧(例えば、2つの嵌合ユニットをまとめる圧力)、接着剤の使用、又は密封剤の使用により接続された複合物として維持され得る。多重ユニットプレートのベースユニットと中央ユニットは別々に製造され得るが、カセット内でのゲルマトリックス組成物の鋳込及び/又はカセットの使用者への発送の前に製造者によって組み立てられ得る。あるいは、多重ユニットプレートのベースユニットと中央ユニットは別々に製造され得るが、その多重ユニットプレート内でのゲルマトリックス組成物の鋳込の前に使用者によって組み立てられ得る。
多重ユニットプレートのベースユニットが挿入可能面の枠として使用されるとき、そのベースユニットとその挿入可能面が接続され、且つ、重力、圧入圧(例えば、2つの嵌合ユニットをまとめる圧力)、接着剤の使用、又は密封剤の使用により接続された複合物として維持され得る。ベースユニットと挿入可能面は別々に製造され得るが、ベースユニットの中央ユニットとの接続の前に製造者によって組み立てられ得る。あるいは、ベースユニットと挿入可能面は別々に製造され得るが、ベースユニットの中央ユニットとの接続の前に使用者によって組み立てられ得る。
多重ユニットプレートのベースユニットと中央ユニットは単一ユニットプレートを切断して別々のベースユニットと中央ユニットを形成することにより製造され得る。この実施形態では、例えば、ベースユニットは本明細書に記載されるあらゆる材料から作製されている挿入可能面を包囲する枠として使用され得る。挿入可能面の材料は導電性又は非導電性であり得る。例となる挿入可能面は、限定されないが、膜、フィルター、ガラス、重合体、プラスチック、及び樹脂を含む。さらに、1つ以上の電極がその挿入可能面に接続され得る。例えば、電極をその面に結合又は合体させることができる。あるいは、又は加えて、導電性インクを使用して電極をその面に印刷することができる。好ましい実施形態では(導電性インクから構成される)1つ以上の電極がプラスチックベース又は重合体ベースの挿入可能面に印刷され、その後にその挿入可能面が枠として機能するベースユニットの内部に配置される。対応する中央ユニット中でのゲルマトリックス組成物の鋳込の前に(枠、面、及び印刷電極を含む)そのベースユニットがその中央ユニットに接続される。
前記カセット又はカセットのベースユニットのどちらかの上に印刷電極を有する本開示の例となる側面溶出カセットのある特定の実施形態ではそれらの電極は(例えば、図22及び24において示されるように)導電性プラスチック又は導電性インクを含み得る。本開示の導電性インクは懸濁された導電性材料(カーボンブラック等)を中に有する糊を含み得る。導電性材料は、例えば、1つ以上の電極として機能するためにカセット又はカセットのベースユニットにスクリーンプリント又はインクジェットプリントされ得る。また、カセット又はカセットのベースユニットに導電性材料を印刷する、描く、塗る、広げる、塗布する、又は機能的に連結させる、又は固定するあらゆる公知の手法が本開示のカセット又はそれらのカセットのベースユニットに電極を接触させるため、及び/又はその接触を維持するために使用され得る。
本開示は、画像撮影装置、電極アレイ、電源装置、プロセッサー、又はコンピューターのうちの少なくとも1つを含み得る、本開示の1つ以上の側面溶出カセットを含むための例となる機器を更に提供する。本開示のカセットが印刷電極を含むとき、本開示の例となる機器はそのカセットの印刷電極をその機器に接続するための装置を含む。例えば、図23及び24はそのカセットの少なくとも1つの印刷電極をその機器の少なくとも1つの導電性回路又は電源に接続するための接続装置を示している。本開示の図に示されているそれらの接続装置は非限定的な例であり、さらに本開示のカセットか機器のどちらかの構成に従うあらゆる導電性装置が使用され得ることが理解される。
本開示は少なくとも1本のマクロ流体分離チャネルを含むプレートを含むカセットを提供する。その少なくとも1本のマクロ流体分離チャネルは第一端部と第二端部を含む。そのカセットのある特定の実施形態ではその少なくとも1本のマクロ流体分離チャネルの第一端部は第一緩衝液容器に隣接する。そのカセットのある特定の実施形態ではその少なくとも1本のマクロ流体分離チャネルの第二端部は第二緩衝液容器に隣接する。そのカセットのある特定の実施形態ではその少なくとも1本のマクロ流体分離チャネルの第一端部は第一緩衝液容器に隣接し、その少なくとも1本のマクロ流体分離チャネルの第二端部は第二緩衝液容器に隣接する。その分離チャネルは第一緩衝液容器及び/又は第二緩衝液容器と流体連通状態及び/又は電気連通状態であり得る。
本開示は少なくとも1本のマクロ流体分離チャネル、少なくとも1個の負の溶出容器、及び少なくとも1個の正の溶出容器を含むプレートを含むカセットを提供する。その少なくとも1本のマクロ流体分離チャネルは第一端部と第二端部を含む。そのカセットのある特定の実施形態ではその少なくとも1本のマクロ流体分離チャネルの第一端部は第一緩衝液容器に隣接する。そのカセットのある特定の実施形態ではその少なくとも1本のマクロ流体分離チャネルの第二端部は第二緩衝液容器に隣接する。そのカセットのある特定の実施形態ではその少なくとも1本のマクロ流体分離チャネルの第一端部は第一緩衝液容器に隣接し、その少なくとも1本のマクロ流体分離チャネルの第二端部は第二緩衝液容器に隣接する。その分離チャネルは第一緩衝液容器及び/又は第二緩衝液容器と流体連通状態及び/又は電気連通状態であり得る。その少なくとも1個の負の溶出容器とその少なくとも1個の正の溶出容器は互いに揃えて配置される。その少なくとも1本の分離チャネルを前記プレートの中央軸線として使用すると、その少なくとも1個の負の溶出容器とその少なくとも1個の正の溶出容器はその少なくとも1本の分離チャネルの対面する側面に配置される。そのカセットのある特定の実施形態ではその少なくとも1個の負の溶出容器とその少なくとも1個の正の溶出容器の配置に関わる軸線はその少なくとも1本の分離チャネルの長軸方向の軸線に対して直交している、又は垂直である。この実施形態のさらなる態様ではその少なくとも1個の負の溶出容器とその少なくとも1個の正の溶出容器の配置に関わる軸線とその少なくとも1本の分離チャネルの長軸方向の軸線は同じ平面内にあり、その平面はそのカセットのプレートである。そのカセットのある特定の実施形態ではそのプレートは1本のマクロ流体分離チャネル、少なくとも1個の負の溶出容器、及び少なくとも1個の正の溶出容器を含む。この実施形態のさらなる態様ではそのカセットは複数の負の溶出容器及び対応する複数の正の溶出容器を含む。例えば、カセットは1本の分離チャネル、少なくとも12個の負の溶出容器、及び少なくとも12個の正の溶出容器を含み得る。その分離チャネルは負の溶出容器のうちの少なくとも1つ及び正の溶出容器のうちの少なくとも1つと流体連通状態及び/又は電気連通状態であり得る。さらに、その分離チャネルは第一緩衝液容器、負の溶出容器、正の溶出容器、及び第二緩衝液容器のうちの少なくとも1つと流体連通状態及び/又は電気連通状態であり得る。
本開示は少なくとも1本のマクロ流体分離チャネル、少なくとも1個の負の溶出容器、少なくとも1個の正の溶出容器を含むプレートを含むカセットを提供し、且つ、少なくとも1個の溶出モジュールを更に含む。本開示の例となる溶出モジュールはそのカセットのプレートに取り付けられるか、又はそのカセットのプレートから取外し可能である。本開示の溶出モジュールはそのプレート、分離チャネル、正の溶出容器、及び/又はそのプレート、分離チャネル、若しくは正の溶出容器の内部に位置する溶出モジュール空腔と直接的に接触し得る。
本開示の溶出モジュールは被分析物透過性障壁、試料取出しポートを含む試料収集チャンバー、及び被分析物非透過性障壁のうちの少なくとも1つを含み得る。その溶出モジュールのある特定の実施形態ではその溶出モジュールは被分析物透過性障壁だけを含む。あるいは、又は加えて、その溶出モジュールは被分析物透過性障壁と被分析物非透過性障壁を含む。その溶出モジュールのある特定の実施形態ではその溶出モジュールは被分析物透過性障壁、試料収集チャンバー、及び被分析物非透過性障壁を含む。その溶出モジュールのある特定の実施形態ではその溶出モジュールは被分析物透過性障壁、試料取出しポートを含む試料収集チャンバー、及び被分析物非透過性障壁を含む。本開示のカセットの例となる被分析物透過性障壁は微細孔膜を含み得る。本開示のカセットの例となる被分析物非透過性障壁は限外濾過膜を含み得る。
電気泳動の前に本開示の溶出モジュールの体積が溶出緩衝液組成物で充填され得る。その溶出緩衝液組成物は前記カセットにおいて使用される1つ以上の緩衝液組成物と同一であっても、又は異なっていてもよい。その溶出モジュールのある特定の実施形態では本開示の溶出モジュールの体積はそのカセットにおいて使用される他の全ての緩衝液組成物と同一であるか、又は異なっている溶出緩衝液組成物で充填され得る。
本開示の溶出モジュールは個々に、又は単一のストリップに組み合わされる複数の溶出モジュールとして製造され得る、及び/又はカセットに挿入され得る。溶出モジュールストリップに含まれる溶出モジュールの数はカセット内の正の溶出容器の数に対応し得る。しかしながら、複数のストリップをカセットに挿入し得ることが企図されている。個々の溶出モジュールとストリップ内で組み合わされるものの構成に関係なく、カセットに挿入される溶出モジュールの総数がそのカセット内の正の溶出容器の数に等しいことが好ましい。
所望により、本開示の溶出モジュール又はそれらの溶出モジュールのストリップは取外し可能である。所望により、溶出モジュールの1つ以上の構成要素は取外し可能である。ある特定の実施形態ではその溶出モジュールは電気泳動の方向に第一取外し可能側面、被分析物透過性膜、試料収集チャンバー、被分析物非透過性膜、及び第二取外し可能側面を含む。それらの取外し可能側面は、その被分析物透過性膜か被分析物非透過性膜のどちらかの試料収集チャンバーへの結合のための開口、突起、又は陥凹のうちの少なくとも1つを有するその試料収集チャンバーの取外し可能部分である。
前記溶出モジュールの例となる被分析物透過性障壁は、限定されないが、親水性膜、微細孔膜、及びフィルターを含み得る。ある特定の実施形態ではその被分析物透過性障壁は0.4μmから50μmの間の孔径範囲を有する少なくとも1つの孔を含み、好ましくは0.4μmから1μmの間の孔径範囲を有する少なくとも1つの孔を含む。
前記溶出モジュールの例となる被分析物非透過性障壁は膜、フィルター、フィルム、又はそれらのあらゆる組合せである。好ましくは、その被分析物非透過性障壁は限外濾過膜又は導電性フィルムである。ある特定の実施形態ではその限外濾過膜は0.001μmから0.1μmの間の孔径範囲を有する少なくとも1つの孔を含む。あるいは、又は加えて、その限外濾過膜は1,000から30,000ダルトンの間の分子量カットオフ値を有する。好ましくは、その限外濾過膜は3,000から10,000ダルトンの間の分子量カットオフ値を有する。他の実施形態ではその被分析物非透過性障壁は被分析物と同じ電荷を有する導電性フィルム又は負に帯電したサルフェート基と接触する導電性フィルムを含む。
図27及び28は本開示の溶出モジュールストリップを製造する1つの方法を示している。例となる溶出モジュールストリップは試料収集ポート(モジュールポートとしても知られる)を有する少なくとも1つの試料収集チャンバー(モジュール空腔としても知られる)、前側面及び後側面を含む。その試料収集ポートは好ましくはその試料収集チャンバーの上面内に配置される。その前側面と後側面は取り外し可能であり得る。あるいは、その前側面と後側面はその溶出モジュールに不可欠であり得る。例となる試料収集チャンバーは前記モジュールストリップ内で側面障壁、隔壁、又は壁によって互いから隔てられ得る。図27及び28の溶出モジュールストリップではその溶出モジュールストリップは各々が試料収集ポート、統合前側面、統合後側面、及び各試料収集チャンバーをその他の試料収集チャンバーから隔てる少なくとも1つの側面障壁、隔壁、又は壁を有する複数の試料収集チャンバーを含む。各試料収集チャンバーの前側面と後側面はその被分析物透過性膜か被分析物非透過性膜のどちらかの試料収集チャンバーへの結合のための開口、突起、又は陥凹のうちの少なくとも1つを含み得る。図27及び28に示されている実施形態では被分析物透過性膜は各試料収集チャンバーの前側面に対して密着されており、被分析物非透過性膜は各試料収集チャンバーの後側面に対して密着されている。方向性に関して、電気泳動の方向に沿って被分析物は本開示の溶出モジュールの前側面を通過し、一方でイオンだけがその溶出モジュールの後側面を通過する(その溶出モジュールに貼られている被分析物非透過性膜が試料収集チャンバーの後側面を越える被分析物の移動を防止する)。その被分析物透過性膜と被分析物非透過性膜は、例えば、熱かしめ又は熱封止によって少なくとも1つの試料収集チャンバーに貼り付けられ得る。この方法によれば、膜への熱の印加により膜が変形し、結果として試料収集チャンバーの前側面と後側面のそれぞれの開口、突起、又は陥凹のうちの少なくとも1つを充填する、又はそれらのうちの少なくとも1つに適合する。その結果は膜と試料収集チャンバーの前側面か後側面のどちらかの開口、突起、又は陥凹のうちの少なくとも1つとの間の締まったスリップ又は接着フィットの形成である。
図29、30、及び31は本開示の溶出モジュールストリップを製造する代替的方法を示している。この方法によれば、その溶出モジュールは少なくとも底面、前側面、及び後側面を有するV字型構造(ガスケットとしても知られる)を含む。その前側面と後側面の各々が開口、突起、又は陥凹のうちの少なくとも1つを有する。好ましくは、そのV字型構造は被分析物透過性障壁又は膜及び被分析物非透過性障壁又は膜のうちの少なくとも1つを含む。ある特定の実施形態ではその少なくとも1つの被分析物透過性障壁又は膜はそのV字型溶出モジュールの前側面と接触する。好ましくは、その少なくとも1つの被分析物透過性障壁又は膜はそのV字型溶出モジュールの前側面の内面と接触する。ある特定の実施形態ではその少なくとも1つの被分析物非透過性障壁又は膜はそのV字型溶出モジュールの後側面と接触する。好ましくは、その少なくとも1つの被分析物非透過性障壁又は膜はそのV字型溶出モジュールの後側面の内面と接触する。ある特定の実施形態ではその少なくとも1つの被分析物透過性障壁又は膜はそのV字型溶出モジュールの前側面と接触し、その少なくとも1つの被分析物非透過性障壁又は膜はそのV字型溶出モジュールの後側面と接触する。好ましくは、その少なくとも1つの被分析物透過性障壁又は膜はそのV字型溶出モジュールの前側面の内面と接触し、その少なくとも1つの被分析物非透過性障壁又は膜はそのV字型溶出モジュールの後側面の内面と接触する。そのV字型溶出モジュール(単体、又は1つ以上の障壁又は膜を含む)は本開示の側面溶出カセットのベースユニット上のV字型の切欠きに適合する。被分析物透過性膜と被分析物非透過性膜のうちの少なくとも一方を含むV字型溶出モジュールをカセットのベースユニット上のV字型の切欠きに差し込むとき、ベースユニットと中央/トップユニットが組み立てられる、又は押しつけられるとカセットの中央ユニット又はトップユニット上のV字型突起がその溶出モジュールの内側に適合し、それによって(例えば、図31に示されるように)その溶出モジュールに対してその被分析物透過性障壁又は膜と被分析物非透過性障壁又は膜のうちの少なくとも1つに封をする。この封は例えば重力又は圧入圧によって維持される。あるいは、又は加えて、それらの障壁又は膜は接着糊の使用又は溶剤接着によってそのV字型溶出モジュール内に維持され得る。例えば、その被分析物透過性障壁又は膜及び被分析物非透過性障壁又は膜のうちの少なくとも1つはそのカセットの中央/トップユニット上のV字型の切欠きに接着され得、後に(例えば、図31に示されるように)そのカセットのベースユニットにその中央/トップユニットが組み立てられると、又は押しつけられると、そのV字型溶出モジュールに適合し得る。
これらの方法は企図されている製造方法の非限定的な例を意味するとされる。本開示の溶出モジュールストリップを作製することができる全ての代替的方法も企図されている。少なくとも1つの試料収集チャンバーの少なくとも前側面又は後側面に少なくとも1つの障壁又は膜を保持する代替的方法は、限定されないが、糊付け又は溶剤接着を含む。
本開示の例となるカセットは部分的又は全体的に光学的に透明であり得る。本開示の例となるマクロ流体分離チャネルは部分的又は全体的に光学的に透明であり得る。例となる(負及び正の)溶出容器は部分的又は全体的に光学的に透明であり得る。例となる溶出モジュール又はそれらのストリップは部分的又は全体的に光学的に透明であり得る。そのカセットのあらゆる特徴は少なくとも1つの側面で、1つの側面だけで、又は1つの側面の一部だけで光学的に透明であり得る。そのカセットのあらゆる特徴は光学的に透明であり得、底面、上面、垂直面又は水平面又はそれらのあらゆる組合せで部分的又は全体的に光学的に透明であり得る。好ましくは、光学的透明性はそのカセット、分離チャネル、溶出容器、又は溶出モジュールの全長にわたって維持される。
例となるカセットは少なくとも1本の分離チャネル内に少なくとも1つの堰を含み得る。好ましくは、カセットは少なくとも1本の分離チャネル内に2つの堰を含む。「堰」という用語は分離チャネルを仕切る障壁構造を説明するものとする。本開示の1つの実施形態では堰は少なくとも1本の分離チャネル内において第一緩衝液容器と(その分離チャネル内か、その分離チャネルの両側面上のどちらかに位置する)試料ウェル空腔又は陥凹との間に配置される。別の実施形態では堰は少なくとも1本の分離チャネル内において少なくとも1個の負の溶出容器及び少なくとも1個の正の溶出容器によって形成される直交軸線と第二緩衝液容器との間に配置される。
ある特定の実施形態では堰はイオン透過性障壁が取り付けられている枠から形成される。そのイオン透過性障壁は好ましくは緩衝液組成物に対しても透過性である。その枠は前記分離チャネルの幾何学的配置を繰り返す、すなわち、そのチャネルが長方形である場合にはその堰枠は長方形である。そのイオン透過性障壁は親水性の膜又はフィルターから構成される。ある特定の実施形態ではその親水性の膜又はフィルターは0.001μmから1μmの間の孔径範囲を有する少なくとも1つの孔を含み、好ましくは0.45μmから1μmの間の孔径範囲を有する少なくとも1つの孔を含む。前記溶出チャンバーにおいて使用するための本明細書に記載される被分析物透過性膜又は被分析物非透過性膜であれば堰用の膜としても使用され得る。重要なことに、その堰構造はゲル鋳込時に分離チャネルへの、例えば、第一堰と第二堰の間のその分離チャネルの部分への未凝固のゲルマトリックス分子の流動を制限する。その堰は電気的に導電性であり、したがって、その少なくとも1本の分離チャネル内又はその周りに存在する電場又は電流を混乱させる、又は歪めることがない。好ましくは、堰構造はカバーの取り付け前に差し込まれ、それ故、これらの好ましい実施形態ではそれらの堰構造は恒久的である。あるいは、そのカバーがその電気泳動カセットの底部に恒久的に取り付けられているわけではないので、その堰は少なくとも1本の分離チャネルから取り外し可能である。その堰は分離チャネルの総断面積を占める。よって、その堰によってゲルマトリックス分子がその堰の膜を通過することが防止され、ゲルマトリックス組成物が注入されると堰(dame)が分離チャネルを少なくとも1つの緩衝液組成物で充填された区画と少なくとも1つのゲルマトリックスで充填された区画にそれぞれ効果的に仕切る。
例となるカセットは前記プレートのカバーを含む。1つの態様ではそのカバーはそのプレートの上面の構成に対応する構成を含む。別の態様ではそのカバーは第一緩衝液容器、負の溶出容器、正の溶出容器、及び第二緩衝液容器のうちの少なくとも1つと位置を合わせている開口、突起及び陥凹のうちの少なくとも1つを含む。あるいは、又は加えて、そのカバーは分離チャネル、第一緩衝液容器、負の溶出容器、正の溶出容器、第二緩衝液容器、試料ウェル空腔、及び試料取出しポートのうちの少なくとも1つと位置を合わせている開口、突起及び陥凹のうちの少なくとも1つを含む。別の実施形態ではそのカバーは分離チャネル、試料ウェル空腔、及び試料取出しポートのうちの少なくとも1つと位置を合わせている開口、突起及び陥凹のうちの少なくとも1つを含む。そのカバーは電極、通気口、及び試料ウェルのうちの少なくとも1つに対応する少なくとも1つのポートを更に含み得る。
そのカセットの電極ポートは負の電極ポート又は正の電極ポートのどちらかである。その少なくとも1つの負の電極ポートは分離電極に対応してよく、さらに第一緩衝液容器内に、又は第一緩衝液容器に隣接して配置され得、又は代替として第一緩衝液容器と試料ウェル(又は、試料ウェルインサート、又は試料ウェル空腔)との間に配置され得る。その少なくとも1つの負の電極ポートは溶出電極に対応してよく、さらに負の溶出容器内に、又は負の溶出容器に隣接して配置され得る。その少なくとも1つの正の電極ポートは分離電極に対応してよく、さらに第二緩衝液容器内に、又は第二緩衝液容器に隣接して配置され得、又は代替として、少なくとも1個の負の溶出容器及び少なくとも1個の正の溶出容器に対応する軸線と第二緩衝液容器との間に配置され得る。その少なくとも1つの正の電極ポートは溶出電極に対応してよく、さらに正の溶出容器内に、又は正の溶出容器に隣接して配置され得る。
本開示のカセットは第一堰の空腔、試料ウェル空腔、及び第二堰の空腔のうちの少なくとも1つを含み得る。
本開示のカセットはゲルマトリックス組成物、液体緩衝液組成物、固形緩衝液組成物のうちの少なくとも1つを含み得る。また、そのカセットの分離チャネルはゲルマトリックス組成物、液体緩衝液組成物、固形緩衝液組成物のうちの少なくとも1つを含み得る。ある特定の態様ではゲルマトリックス組成物、液体緩衝液組成物、固形緩衝液組成物のうちの少なくとも1つはフルオロフォア又はクロモフォアうちの少なくとも一方を含む。そのフルオロフォアが試料、被分析物、又は画分であり、又はそのフルオロフォアは試料、被分析物、又は画分に結合している。同様に、そのクロモフォアが試料、被分析物、又は画分であり、又はそのクロモフォアは試料、被分析物、又は画分に結合している。例となるフルオロフォアは臭化エチジウムであり、臭化エチジウムはポリ核酸に結合し、且つ、そのポリ核酸被分析物の検出を可能にする。また、ポリペプチド被分析物は紫外光の単なる吸収によって検出され得るので、そのポリペプチド被分析物はクロモフォアである。
本電気泳動カセットの少なくとも1本のマクロ流体分離チャネルはゲルマトリックス組成物を含む。そのゲルマトリックス組成物はマクロ流体分離チャネルの体積を満たす。そのゲルマトリックス組成物は少なくとも1つの試料ウェル空腔内で少なくとも1つの試料ウェルを画定することもできる。
試料ウェルは複数の幾何学的配置を有し得る。試料ウェルの幾何学的配置は、ゲルマトリックス組成物によって占められていない空白空間を画定するために使用される試料ウェルインサートの幾何学的配置を反映する。本開示のある特定の態様ではその空白空間が試料ウェルを形成する階段状幾何学的配置を創生するための型抜きプレートと組み合わせて試料ウェルインサートが使用される。重要なことに、本開示のそれらの試料ウェルは「ゲルチムニー」を形成する「チムニー」形状を有し、その形状では試料ウェルの壁が試料ウェルインサート開口部を通り抜けて試料ウェルポートの中まで延びている。カバープレートはその試料ウェルインサート開口部の周囲の壁に特異的に適合してチムニー形状の試料ウェルの側面を支持し得る。チムニー形状の試料ウェルはゲルの上面とカセットカバープレートの底面との間の継目への試料の進入を防止する。そのような進入は毛細管流動又は電気泳動によって起こり得る。その継目に進入する試料分子はゲルを移動する試料分子の速度と異なる速度で移動する。この理由のため、継目の中を移動する望ましくない試料分子を溶出時に溶出チャンバーに引き込み、それによってゲルを移動した所望の試料成分を汚染混入させることがあり得る。汚染混入物質の移動は通常は予想不可能であるが、その汚染混入物質は多くの場合は分離チャネル中でゲルを移動する物質よりも速く移動し、不適切に大きい分子が溶出チャンバーに進入する原因となる。
そのカセットの少なくとも1本のマクロ流体分離チャネルは緩衝液組成物を含む。その緩衝液組成物は第一緩衝液容器、第二緩衝液容器、負の溶出容器、正の溶出容器、及び試料ウェルのうちの少なくとも1つの体積を満たす。
本開示のカセットは様々な検出機器及びシステムと適合する。企図されている検出システム及び機器は電極アレイ(例えば、図33)を含み得る。あるいは、本開示のカセットは電極アレイ(例えば、図22、24、25、及び26)を含み得る。その一体型電極アレイは負の分離電極、正の分離電極、負の溶出電極、及び正の溶出電極のうちの少なくとも1つを含み得る。そのアレイ内ではその少なくとも1つの負の分離電極が第一緩衝液容器内に、又は第一緩衝液容器に隣接して配置され、その少なくとも1つの正の分離電極が第二緩衝液容器内に、又は第二緩衝液容器に隣接して配置される。そのアレイ内ではその少なくとも1つの負の溶出電極が負の溶出容器内に、又は負の溶出容器に隣接して配置され、その少なくとも1つの正の溶出電極が正の溶出容器内に、又は正の溶出容器に隣接して配置される。
本開示のカセットは除去可能な封止材を更に含み得る。封止材の非限定的な例には重合体、接着フィルム、及びテープが挙げられる。例えば、そのシールはカバーの開口、突起及び陥凹のうちの少なくとも1つを包囲する。あるいは、又は加えて、そのシールはそのカセットの全体を包囲する。機能上、そのシールは貯蔵時にそのカセット内に含まれる少なくとも1つの緩衝液又は少なくとも1つのゲルマトリックス組成物内の流出及び蒸発を防止する。また、そのシールは貯蔵時にそのカセット内に含まれる少なくとも1つの緩衝液又は少なくとも1つのゲルマトリックス組成物がそのカセットの電極又は電極アレイと接触すること、又はそのカセットの電極又は電極アレイを腐食させることを防止する。
本電気泳動カセット内にどの特徴が存在するかに関係なく、そのカセットは使い捨てである。
本開示は、第一緩衝液容器インサート、第二緩衝液容器インサート、試料ウェルインサート、負の溶出容器インサート、正の溶出容器インサート、溶出モジュール及びカバーのうちの少なくとも1つを更に含む本開示の電気泳動カセットであって、その第一緩衝液容器インサート又は第二緩衝液容器インサートが通気口又は注入ポートを含み、その第一緩衝液容器インサートが第一緩衝液容器と並置されているカバープレートの開口を通過し、その第二緩衝液容器インサートが第二緩衝液容器と並置されているカバープレートの開口を通過し、その試料ウェルインサートが試料ウェル空腔と並置されているカバープレートの開口を通過してなる前記カセットを用意すること、その注入ポートを通じてゲルマトリックス組成物を挿入すること、そのゲルマトリックス組成物を凝固させてそのゲルマトリックス組成物を液体から固体に転換すること、第一緩衝液容器インサート、第二緩衝液容器インサート、試料ウェルインサート、負の溶出容器インサート、及び正の溶出容器インサートのうちの少なくとも1つを取り除いて試料ウェルを作成すること、第一緩衝液容器インサート、第二緩衝液容器インサート、負の溶出容器インサート、及び正の溶出容器インサートを緩衝液組成物で充填すること、少なくとも1つの溶出チャンバーを溶出緩衝液組成物で充填すること、及びその電気泳動カセットを封止することを含む電気泳動カセットの作製方法も提供する。
試料ウェルインサートが試料ウェル空腔と並置されているカバープレートの開口を通過してなる電気泳動カセットを作製するこの方法のある特定の実施形態では、その方法は注入ポートを通じてゲルマトリックス組成物を挿入するステップ、そのゲルマトリックス組成物を凝固させてそのゲルマトリックス組成物を液体から固体に転換するステップ、その試料ウェルインサートを取り除いて試料ウェルを作成するステップ、第一緩衝液容器、第二緩衝液容器、負の溶出容器、及び正の溶出容器を緩衝液組成物で充填するステップ、溶出モジュールを溶出緩衝液組成物で充填するステップ、及びその電気泳動カセットを封止するステップを含む。
電気泳動カセットを作製するこの方法のある特定の実施形態ではゲルは鋳込用固定具を使用せずに本電気泳動カセット内で鋳込まれ、そのカセットは挿入ステップ及び凝固ステップの時に水平にされる、又は水平に配置される。あるいは、ゲルは鋳込用固定具を使用して本電気泳動カセット内で鋳込まれる。例えば、その方法は、鋳込用固定具を用意するステップであって、その固定具がそのカセットの上面と接触し、緩衝液容器、第一緩衝液容器インサート、第二緩衝液容器、又は第二緩衝液容器インサートのいずれかの中に位置する通気口と並ぶ少なくとも1つの開口を含む前板、そのカセットの底面と接触し、少なくとも1つの開口を含む後板を含んでなる前記ステップ、その鋳込用固定具を本開示の電気泳動カセットに取り付けるステップであって、その電気泳動カセットの底面に前記後板が接触し、その電気泳動カセットの上面に前記前板が接触し、且つ、前記後板と前記前板が互いに結合してなる前記ステップを更に含む。その鋳込用固定具は液体ゲルマトリックス組成物の注入前に用意及び装着され、その鋳込用固定具はそのゲルマトリックス組成物の凝固後にインサートを除去する前に本電気泳動カセットから取り外される。
本開示の電気泳動カセットの作製方法に関して、第一緩衝液容器インサートは第一緩衝液容器の体積を占め、第二緩衝液容器インサートは第二緩衝液容器の体積を占め、負の溶出容器インサートは負の溶出容器の体積を占め、且つ、正の溶出容器インサートは正の溶出容器の体積を占める。また、試料ウェルインサートは試料ウェル空腔の体積を占める。
電気泳動カセット又は鋳込用固定具はゲル鋳込法の間に水平か垂直のどちらかであり得る。
本開示は試料、又はその被分析物若しくは画分の特性をカセットの分離チャネル内で検出するための検出システム又は検出機器も提供する。例えば、負の分離電極、正の分離電極、負の溶出電極及び正の溶出電極のうちの少なくとも1つを含むカセットが電気泳動システムに差し込まれる。電気泳動システム又は電気泳動機器は、本電気泳動カセットの分離チャネルの近傍に位置する検出器であって、試料、被分析物、又は画分の特性を検出する前記検出器、その検出器から受信した信号に基づいて少なくとも1つの電極への電力を供給したり、電力供給を止めたりするように構成されているプロセッサー、及びそのプロセッサーに電力を供給するための電源装置と継電器のうちの少なくとも一方、少なくとも1つの陰極、及び少なくとも1つの陽極を含んでなる電力モジュールを含む。その検出システム又は検出機器は試料、被分析物、又は画分の特性を検出し、その情報をそのプロセッサーに中継し、且つ、そのプロセッサーからの指示に応答して少なくとも1つの負の分離電極と少なくとも1つの正の分離電極を非導通化し、後に少なくとも1つの負の溶出電極と少なくとも1つの正の溶出電極を導通化する。あるいは、又は加えて、その検出システム又は検出機器は試料、被分析物、又は画分の特性、又は信号の不在を検出し、その情報をそのプロセッサーに中継し、且つ、そのプロセッサーからの指示に応答してそのカセットの全ての負の溶出電極と全ての正の溶出電極を非導通状態に維持する。分離電極と溶出電極の間の差動的導通化により、導電路が分離チャネルに集中することが確実になる。
本開示の例となる検出システム又は検出機器が図32及び33において示されている。これらの実施形態では本開示の機器は本開示の少なくとも1つの側面溶出カセット用の少なくとも1つの「ネスト」又はホルダーを含む。これらの図に示されているように、その機器は各々が本開示の側面溶出カセットを含み得る2つのネスト又はホルダーを含み得る。好ましい実施形態では本開示の例となる機器は少なくとも1つのカセットの少なくとも1本の分離チャネルと並置されている少なくとも1つの窓部を含む。その窓部は、少なくとも1本の分離チャネル内の試料、被分析物、画分、又はマーカーを検出又は視覚化するための検出器又は画像撮影装置とも並置され得る。好ましくは、その窓部はその機器内に位置する、又はその機器に統合されている少なくとも1つのカセット内の少なくとも1本の分離チャネル及び少なくとも1つの画像撮影装置と並置されている。好ましくは、その窓部は少なくとも1本の分離チャネルの全体と並置されることによって画像撮影装置がその少なくとも1本の分離チャネルの全体を視覚化することを可能にする。その画像撮影装置の非限定的な例にはCCD画像撮影装置(例えば、CCDカメラ)と発光ダイオード(LED)画像撮影装置が挙げられる。
ある特定の実施形態ではその機器内の、又はその機器に統合されている検出器又は画像撮影装置はその少なくとも1本の分離チャネル内で少なくとも1つの移動度マーカーを検出又は視覚化する。例となる移動度マーカーは、限定されないが、検出可能な染料又は検出可能な微粒子を含む。ある特定の実施形態ではそれらの検出可能な染料又は検出可能な微粒子は着色染料又は着色微粒子である。ある特定の実施形態ではそれらの検出可能な染料又は検出可能な微粒子は蛍光性微粒子である。非着色微粒子も企図されている。非着色微粒子は白色光の照明を使用すると肉眼とCCD画像撮影装置又はLED画像撮影装置には白色に見える。ある特定の実施形態ではそれらの検出可能な染料又は検出可能な微粒子は負又は正に帯電している。好ましくは、それらの検出可能な染料又は検出可能な微粒子は負に帯電している。例えば、負に帯電している微粒子が移動度マーカーとしてDNAを含む試料と共に使用され得る。好ましくは、DNA試料用の移動度マーカーとして使用されるとき、その負に帯電している微粒子は50〜200ナノメートルの範囲の直径を有する。また、DNA試料用の移動度マーカーとして使用されるとき、その負に帯電している微粒子はアガロースゲルマトリックス組成物、好ましくは0.75(重量/体積)%〜2(重量/体積)%の範囲のアガロース濃度を有するアガロースゲルマトリックス組成物を通過する。
移動度マーカーの使用により、その機器の操作者はそれらの移動度マーカーの挙動から各実験の泳動時間を決定し、それらの移動度マーカーの移動又は泳動時間に応じてそれぞれ個々の実験の泳動時間を釣り合わせることによって電気泳動実験間の変動を補正することが可能になる。
検出される特性は被分析物の光学特性であり得る。例となる光学特性は、限定されないが、光の放出又は吸収を含む。さらに、検出される特性は磁気、放射能、温度、色、エネルギー、又は上記のもののいずれかにおける変化を含み得る。
本開示の方法の例となる実施形態では前記検出器はプロセッサーに接続されているカメラを含み得る。そのプロセッサーは検出可能薬剤が分離チャネル内の所望の位置に達すると泳動を止めることができる。その検出可能薬剤は、限定されないが、ブロモチモールブルー(bromothymal blue)(暗青色)とキシレンシアノール(暗赤色)を含み得る。この実施形態の態様ではその検出可能薬剤は試料、被分析物、又は画分と共に分離チャネルを通過する。あるいは、又は加えて、その検出可能薬剤は試料、被分析物、又は画分とは独立して分離チャネルを通過する。例えば、その検出可能薬剤は試料、被分析物、又は画分の前に、又は後に泳動し得る。その検出可能薬剤は試料の検出可能な被分析物又は画分であり得る。
本開示の例となる試料、被分析物、又は画分は検出可能な標識、例えば、磁性標識、常磁性標識、放射性標識、酵素標識、免疫学的標識、又は光学的標識を含み得る。光学的標識の非限定的な例は蛍光性化合物及び光吸収性化合物である。試料、被分析物、又は画分は蛍光性化合物を含み得る。所望により、その試料、被分析物、又は画分は蛍光性化合物と複合体を形成する。その蛍光性化合物又はその被分析物はフルオロフォアであり得る。試料、被分析物、又は画分は光吸収性化合物を含み得る。所望により、その試料、被分析物、又は画分は光吸収性化合物と複合体を形成する。あるいは、その光吸収性化合物又はその被分析物はクロモフォアであり得る。
本開示は試料内の被分析物を分画する方法であって、第一緩衝液容器インサート、第二緩衝液容器インサート、試料ウェルインサート、負の溶出容器インサート、正の溶出容器インサート、溶出モジュール及びカバーのうちの少なくとも1つを含む本明細書に記載される電気泳動カセットであって、その第一緩衝液容器インサート又は第二緩衝液容器インサートが通気口又は注入ポートを含み、その第一緩衝液容器インサートが第一緩衝液容器と並置されているカバープレートの開口を通過し、その第二緩衝液容器インサートが第二緩衝液容器と並置されているカバープレートの開口を通過し、その試料ウェルインサートが試料ウェル空腔と並置されているカバープレートの開口を通過してなる前記カセットを用意すること、その注入ポートを通じてゲルマトリックス組成物を挿入すること、そのゲルマトリックス組成物を凝固させてそのゲルマトリックス組成物を液体から固体に転換すること、第一緩衝液容器インサート、第二緩衝液容器インサート、試料ウェルインサート、負の溶出容器インサート、及び正の溶出容器インサートのうちの少なくとも1つを取り除いて試料ウェルを作成すること、第一緩衝液容器インサート、第二緩衝液容器インサート、負の溶出容器インサート、及び正の溶出容器インサートを緩衝液組成物で充填すること、少なくとも1つの溶出チャンバーを溶出緩衝液組成物で充填すること、及び前記電気泳動カセットを本明細書に記載される検出システムに差し込むこと、負の分離電極のうちの少なくとも1つと正の分離電極のうちの少なくとも1つを導通化するようにその検出システムのプロセッサーをプログラムし、且つ、負の溶出電極のうちの少なくとも1つ及び正の溶出電極のうちの少なくとも1つを通過する軸線と並べられる位置まで試料、被分析物、又は画分が分離チャネルを通過したとそのプロセッサーが判定するとその負の溶出電極のうちの少なくとも1つとその正の溶出電極のうちの少なくとも1つを導通化するようにその検出システムのプロセッサーをプログラムすること、試料ウェルに試料を導入すること、その電気泳動カセットに電圧を印加すること、少なくとも1つの溶出チャンバーにその試料の被分析物を回収することによって試料内の被分析物を分画することを含む前記方法を提供する。
試料内の被分析物を分画するこの方法のある特定の実施形態ではこの方法は試料ウェルインサートが試料ウェル空腔と並置されているカバープレートの開口を通過してなる本明細書に記載される電気泳動カセットを用意すること含み、その方法は注入ポートを通じてゲルマトリックス組成物を挿入するステップ、そのゲルマトリックス組成物を凝固させてそのゲルマトリックス組成物を液体から固体に転換するステップ、その試料ウェルインサートを取り除いて試料ウェルを作成するステップ、第一緩衝液容器、第二緩衝液容器、負の溶出容器、及び正の溶出容器を緩衝液組成物で充填するステップ、溶出モジュールを溶出緩衝液組成物で充填するステップ、及び前記電気泳動カセットを本開示の検出システムに差し込むステップを含む。
試料内の被分析物を分画するこの方法のある特定の実施形態ではゲルは鋳込用固定具を使用せずに本電気泳動カセット内で鋳込まれ、そのカセットは挿入ステップ及び凝固ステップの時に水平にされる、又は水平に配置される。あるいは、ゲルは鋳込用固定具を使用して本電気泳動カセット内で鋳込まれる。例えば、その方法は、鋳込用固定具を用意するステップであって、その固定具がそのカセットの上面と接触し、緩衝液容器、第一緩衝液容器インサート、第二緩衝液容器、又は第二緩衝液容器インサートのいずれかの中に位置する通気口と並ぶ少なくとも1つの開口を含む前板、そのカセットの底面と接触し、少なくとも1つの開口を含む後板を含んでなる前記ステップ、その鋳込用固定具を本開示の電気泳動カセットに取り付けるステップであって、その電気泳動カセットの底面に前記後板が接触し、その電気泳動カセットの上面に前記前板が接触し、且つ、前記後板と前記前板が互いに結合してなる前記ステップを更に含む。その鋳込用固定具は液体ゲルマトリックス組成物の注入前に用意及び装着され、その鋳込用固定具はそのゲルマトリックス組成物の凝固後にインサートを除去する前に本電気泳動カセットから取り外される。
本開示の例となる試料、被分析物、又は画分はポリ核酸又はポリペプチドを含む。また、ポリ核酸はデオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)を含み得る。あるいは、又は加えて、ポリ核酸は二本鎖又は一本鎖であり得る。ポリペプチドは天然体又は変性体であり得る。
試料は検出可能な化合物を含み得る。例となる検出可能な化合物は磁性で検出可能、常磁性で検出可能、放射活性で検出可能、酵素的に検出可能、免疫学的に検出可能、又は光学的に検出可能である。光学的に検出可能な化合物は、例えば、蛍光性化合物及び光吸収性化合物である。試料は被分析物と蛍光性化合物との複合体のうちの少なくとも1つを含み得る。その蛍光性化合物はフルオロフォアであり得る。その被分析物は蛍光性化合物又はフルオロフォアであり得る。あるいは、又は加えて、試料は被分析物と光吸収性化合物との複合体のうちの少なくとも1つを含み得る。1つの実施形態ではその光吸収性化合物はクロモフォアであり得る。別の実施形態ではその被分析物は光吸収性化合物又はクロモフォアである。
ゲルマトリックス組成物、緩衝液組成物、又は溶出緩衝液組成物のうちの少なくとも1つは被分析物のうちの少なくとも1つと複合してなるフルオロフォアのうちの少なくとも1つを含み得る。ゲルマトリックス組成物、緩衝液組成物、又は溶出緩衝液組成物のうちの少なくとも1つは被分析物のうちの少なくとも1つと複合してなるクロモフォアのうちの少なくとも1つを含み得る。
図1は例となるカセットを示す模式図である。示されているように、このカセットは上から下に向かって第一緩衝液容器(例示目的で「上部緩衝液容器」と表示される)、第一緩衝液容器と流体連通状態及び電気連通状態である分離チャネル、(例えば、平行して方向づけられている)「正の」溶出容器に対応している「負の」溶出容器、及び第二緩衝液容器(例示目的で「下部緩衝液容器」と表示される)のうちの少なくとも1つを含む。そのカセットのある特定の実施形態ではそのカセットは試料ウェル空腔と溶出モジュール空腔のうちの少なくとも一方を更に含む。そのカセットのある特定の実施形態ではそのカセットは試料ウェル空腔の体積を占め得る試料ウェルインサートのうちの少なくとも1つを更に含む。そのカセットのある特定の実施形態ではそのカセットは溶出モジュール空腔の体積を占め得る溶出モジュールのうちの少なくとも1つを更に含む。本開示のカセットは少なくとも負の溶出容器及び少なくとも1個の正の溶出容器を含む。この図に示されるように、本開示の例となるカセットは12個の負の溶出容器と12個の正の溶出容器を含み得る。示されているように、本開示のカセットは正の溶出容器当たり少なくとも1個の溶出モジュールを含むことができ、したがって、12個の正の溶出容器を含む実施形態ではそのカセットは12個の溶出モジュールを含み得る。ある特定の実施形態では2個以上の溶出モジュールをストリップ状に配置することができ、そのストリップでは各モジュールがあらゆる隣接するモジュールに接続されている。本開示のカセットのある特定の実施形態ではカセットは(この図に示されるような)位置に少なくとも1つの溶出電極を保持するための少なくとも1本のねじを更に含む。また、用意される任意のねじの本数は用意される溶出電極の数と等しくてよい。
図2は本開示のカセットの例となる容器の模式図と本開示のカセットの例となる容器の体積を示す対応する表である。本開示のカセットの実施形態を表しているこの図に示されるように、第一緩衝液容器又は上部緩衝液容器の体積は約12,360μLであり得る。本開示のカセットの実施形態を表しているこの図に示されるように、第二緩衝液容器又は下部緩衝液容器の体積は約12,360μLであり得る。本開示のカセットの実施形態を表しているこの図に示されるように、負の溶出容器の体積は約289μLであり得る。本開示のカセットの実施形態を表しているこの図に示されるように、正の溶出容器の体積は約289μLであり得る。
図3は本開示のカセットの例となる分離チャネルの寸法を示す模式図である。ある特定の実施形態では分離チャネルはそのカセットのゲルマトリックス充填部分として定義され得る。本開示の例となるゲルマトリックス組成物は、限定されないが、アガロース及びアクリルアミドを含む。本開示のカセットの実施形態を表しているこの図に示されるように、分離チャネルの長さは約103.65mmであり得る。本開示のカセットの実施形態を表しているこの図に示されるように、分離チャネルの深さは約6.5mmであり得る。本開示のカセットの実施形態を表しているこの図に示されるように、分離チャネルの幅は約7.5mmであり得る。本開示のカセットの実施形態を表しているこの図に示されるように、分離チャネルの断面積は約48.1mm2であり得る。本開示のカセットの実施形態を表しているこの図に示されるように、分離チャネルの体積又は総体積は約4985.6μLであり得る。例となる試料ウェルインサート(例えば、コーム)もこの図に示されている。ここに示されるように、試料ウェルインサートの両側に空間を取るために試料ウェルインサートが分離チャネルの中央に配置される。したがって、試料ウェルインサートは分離チャネル自体のどのような部分とも接触していない。結果として、生じた試料ウェルに負荷された試料は分離チャネルの側面又は底面と接触せずに分離チャネルを通過する。
図4は本開示のカセットの例となる溶出チャンバーの寸法を示す模式図である。本開示のカセットの実施形態を表しているこの図に示されるように、溶出チャンバーの高さは約5mmであり得る。本開示のカセットの実施形態を表しているこの図に示されるように、溶出チャンバーの幅は約3mmであり得る。本開示のカセットの実施形態を表しているこの図に示されるように、溶出チャンバーの断面積は約15mm2であり得る。本開示のカセットの実施形態を表しているこの図に示されるように、溶出チャンバーは緩衝液組成物及び回収された試料、被分析物、又は画分の注入と除去を容易にするポートを含み得る。溶出チャンバーの例となるポートは約3mmの直径を有し得る。本開示のカセットの実施形態を表しているこの図に示されるように、溶出チャンバーの体積又は総体積は約92.20μL(この体積はポートの体積を含む)であり得る。この図に示されている例となる溶出チャンバーはストリップ状に配置されているが、しかしながら代わりに個々の溶出チャンバーを分離構成で備えてよい。
図5Aは溶出チャンバーストリップがカセットに差し込まれている本開示のカセットの実施形態を示す模式図である。この図では溶出チャンバーストリップは分かれているが、カセットと並べられている。そのカセットのある特定の実施形態ではそのカセットは1個以上の溶出モジュールが差し込まれる溶出モジュール空腔を含む。
図5Bは溶出チャンバーストリップがカセットに差し込まれている本開示のカセットの実施形態を示す模式図である。この図では溶出チャンバーストリップがカセットに差し込まれている。そのカセットのある特定の実施形態では1個以上の溶出モジュールがカセットに差し込まれる。あるいは、又は加えて、1個以上の溶出モジュールがカセットの1個以上の溶出モジュール空腔に差し込まれ得る。
図6は溶出チャンバーストリップがカセットに差し込まれている本開示のカセットの実施形態を示す模式図である。この観点からは溶出モジュールストリップの1個以上の溶出容器との並置。
図7は溶出電極を所定の位置に保持するための少なくとも1つの固定具の配置の分解立体図を示す模式図である。示されている固定具は右から左に向かって第一緩衝液容器と、少なくとも1個の負の溶出容器と少なくとも1個の正の溶出容器のどちらか、又は両方一緒と、及び第二緩衝液容器と位置を合わせている。ある特定の実施形態ではプラチナワイヤーがそれらの固定具に示されている穴から下の対応する容器の中まで通っている。それらの固定具は糊などの接着剤の使用により所定の位置に保持され得る。
図8は溶出電極を所定の位置に保持するための少なくとも1つの固定具の配置の組立図を示す模式図である。示されている固定具は右から左に向かって第一緩衝液容器と、少なくとも1個の負の溶出容器と少なくとも1個の正の溶出容器のどちらか、又は両方一緒と、及び第二緩衝液容器と位置を合わせている。
図9は試料ウェルインサートが分離チャネルの体積を占めており、負の溶出容器インサートが少なくとも1個の負の溶出容器の体積を占めており、正の溶出容器インサートが少なくとも1個の正の溶出容器の体積を占めており、溶出モジュールストリップが少なくとも1個の正の溶出容器の体積を占めており、且つ、所望により負の溶出容器インサートと正の溶出容器インサートを所定の位置に保持するためにねじが使用されている例となるカセットの組立図を示す模式図である。試料ウェルインサートは試料ウェル空腔の体積及び/又は分離チャネルの体積を占めてよい。溶出モジュールストリップは少なくとも1つの溶出チャンバー空腔及び/又は少なくとも1個の正の溶出容器の体積を占めてよい。この図に示されるように、カセット内に配置されたインサートを有するその例となるカセットは鋳込の準備ができている。例えば、アガロース又はアクリルアミドを含むゲルマトリックス組成物を液剤の形状でそのカセットに導入することができる。固形物まで重合すると、そのゲルマトリックス組成物は分離チャネルの体積を満たす。
図10は図9に示されているカセットの分解立体図を示す模式図である。この図では溶出チャンバーモジュールストリップだけがそのカセットに差し込まれたままになっている。
図11は本開示のカセットを使用する同時回収の後の複合タンパク質試料の様々な画分の写真である。溶出画分が回収された溶出モジュールに従ってそれらの溶出画分に番号がつけられている。この図において番号付けられているように、最初の溶出モジュールは試料ウェルに対して近位側の位置に挿入されており、一方で最後の溶出モジュール(9)は試料ウェルに対して遠位側の位置に挿入されている。
図12は臭化エチジウム染色DNA試料が少なくとも1個の負の溶出容器と少なくとも1個の正の溶出容器の間にある分離チャネルの部分に存在している本開示の例となるカセットの写真である。
図13は本開示のカセットを使用して回収されたDNA画分に対してAgilent Bioanalyzer 2100を使用して実施されたキャピラリー電気泳動法の結果の写真である。回収されたDNA画分は50塩基対(bp)から約600bpまでのサイズの範囲にある。
図14は図13と実施例2のAgilent Bioanalyzerの産出試料のエレクトロフェログラムデータである。簡単に説明すると、投入消化DNAと共に各溶出モジュールに由来するDNAを標識する。等量の投入試料と産出試料を分析して産出試料収量を比較した。
図15は図16に記載されているカセットの閉鎖構成を示す模式図である。
図16は(この図の開放構成において提示される)導電性インク電極を利用している例となる2レーンカセットを示す模式図である。この多重ユニットプレートでは中央ユニットが「トップ」ユニットとして示されており、ベースユニットが「ボトム」ユニットとして示されている。中央ユニットは閉鎖されている上面を有する。この図に示されるように中央ユニットは分離電気泳動用の適切なゲルマトリックス組成物で充填される予定の2本の分離チャネルを含む。この図に示されているように導電性インク電極はベースユニットに印刷されている。あるいは、導電性インク電極はベースユニット、中央ユニット、又はそれらのどの面にも印刷され得る。中央ユニットは負の溶出容器、正の溶出容器、第一緩衝液容器(分離電気泳動用)、第二緩衝液容器(分離電気泳動用)の体積を少なくとも含む。ベースユニットは負の溶出容器、正の溶出容器、第一緩衝液容器(分離電気泳動用)、第二緩衝液容器(分離電気泳動用)の体積を少なくとも含む。ベースユニット内のチャネルと容器は中央ユニット内のチャネルと容器と一致する、又は重なり合う。この図に示されているようにベースユニットは中央ユニットよりも大きいが、しかしながら内部ユニットカバーがベースユニット上の印刷電極領域の部分と重なり合い、それによってその底部の上面上の電極の露出部分と緩衝液容器との間に導伝路を提供する。中央ユニットがベースユニットよりも大きく、印刷電極が中央ユニットの底面上で露出している場合であってもこの導伝路が形成される。この図に示されているように溶出モジュールの「前」面と「後」面が(V字型を形成するように構成されている)圧縮可能キャリヤストリップに取り付けられている。この図において示されている溶出モジュールの「前」面は被分析物透過性障壁を含み、一方でこの図において示されている溶出モジュールの「後」面は被分析物非透過性障壁を含む。V字型溶出モジュール隔壁のV字型膜ホルダーへの挿入によって個々の溶出モジュールが形成される。例えば、V字型膜ホルダーは(ここに示されるように)ベースユニットに、又は中央ユニットの一部として取り付けられ得るか、又は統合され得る。被分析物透過性膜及び被分析物非透過性膜用のV字型圧縮可能キャリヤストリップはV字型膜ホルダー又はV字型溶出モジュール隔壁に取り付けられ得るか、又は統合され得る。V字型溶出チャネル隔壁は中央ユニット又はカバーに取り付けられ得るか、又は統合され得る。この図に示されているように溶出モジュール膜は圧縮可能キャリヤに対する隔壁ストリップの圧力によって所定の位置に保持されるか、又はその圧力によって1個より多くの溶出モジュールとの接触から「封止」される。
図17はアップサイドダウン型充填能を有する例となる注入成形側面溶出カセットを示す一対の模式図である。例となるカセットの上面図(左パネル)は1つ以上の正の溶出電極ポート(2)(この特定の例では矢印が13個のポートのうちの1つを指す)、1つ以上の溶出モジュールポート(3)(この特定の例では矢印が13個のポートのうちの1つを指す)、1つ以上の負の溶出電極ポート(4)(この特定の例では矢印が13個のポートのうちの1つを指す)、1つ以上の試料投入ウェル(5)(この特定の例では矢印が単一の試料ウェルを指す)、1つ以上の負の分離電極ポート(6)(この特定の例では矢印が単一の負の分離電極ポートを指す)、及び1つ以上の正の分離電極ポート(6)(この特定の例では矢印が単一の正の分離電極ポートを指す)の例となる位置を示している。例となるカセットの底面図(右パネル)は液体ゲルマトリックス組成物を導入(ゲルの分離チャネルへの導入又は分離チャネルの充填とも呼ばれる)するための1つ以上のポート(1)の例となる位置を示している(この特定の例では矢印が液体ゲルマトリックス組成物を導入するための単一のポート、すなわち、ゲル導入ポートを指す)。
図18はアップサイドダウン型充填能を有する例となる注入成形側面溶出カセットを示す一対の模式図である。そのカセット又はカセット底部の上/内面の上/内面図(左パネル)は1本以上の分離チャネルに対応する1つ以上の負の緩衝液容器空腔(1)(この特定の例では矢印が単一の分離チャネルに対応する単一の負の緩衝液容器空腔を指す)、1本以上の分離チャネルに対応する1つ以上の正の緩衝液容器空腔(2)(この特定の例では矢印が単一の分離チャネルに対応する単一の正の緩衝液容器空腔を指す)、1本以上の負の溶出チャネルに対応する1つ以上の負の緩衝液容器空腔(3)(この特定の例では矢印が13本の負の溶出チャネルのうちの1つに対応する13個の負の緩衝液容器空腔のうちの1つを指す)、1本以上の正の溶出チャネルに対応する1つ以上の正の緩衝液容器空腔(4)(この特定の例では矢印が13本の正の溶出チャネルのうちの1つに対応する13個の正の緩衝液容器空腔のうちの1つを指す)、及び液体ゲルマトリックス組成物を導入(ゲルの分離チャネルへの導入又は分離チャネルの充填とも呼ばれる)するための1つ以上のポート(8)(この特定の例では矢印が液体ゲルマトリックス組成物を導入するための単一のポート、すなわち、ゲル導入ポートを指す)の例となる位置を示している。そのカセット又はカセット上部の底/内面の底面/内面図(右パネル)は1本以上の分離チャネルに対応する1つ以上の負の緩衝液容器空腔(1)(この特定の例では矢印が単一の分離チャネルに対応する単一の負の緩衝液容器空腔を指す)、1本以上の分離チャネルに対応する1つ以上の正の緩衝液容器空腔(2)(この特定の例では矢印が単一の分離チャネルに対応する単一の正の緩衝液容器空腔を指す)、1本以上の負の溶出チャネルに対応する1つ以上の負の緩衝液容器空腔(3)(この特定の例では矢印が13本の負の溶出チャネルのうちの1つに対応する13個の負の緩衝液容器空腔のうちの1つを指す)、1本以上の正の溶出チャネルに対応する1つ以上の正の緩衝液容器空腔(4)(この特定の例では矢印が13本の正の溶出チャネルのうちの1つに対応する13個の正の緩衝液容器空腔のうちの1つを指す)、1つ以上の溶出モジュールストリップ(5)(この特定の例では矢印が13個の溶出モジュールを含む単一の溶出モジュールストリップを指す)、1つ以上の試料投入ウェル又はポート(6)(この特定の例では矢印が単一の試料ウェルポートを指す)、及び1本以上の分離チャネル(7)(この特定の例では矢印が単一の分離チャネルを指す)の例となる位置を示している。
図19はアップサイドダウン型充填能を有する例となる注入成形側面溶出カセットを示す一対の模式図である。図19は図18に示されているカセットの代替図を提供する。そのカセット底部とカセット上部の内面がそれぞれ上と下の模式図に示されている。具体的には、この図は分離チャネル(7)に隣接する溶出モジュールストリップ(5)の例となる位置を示している(下の模式図を参照のこと)。
図20はアップサイドダウン型充填能を有する例となる注入成形側面溶出カセットを示す模式図である。その模式図は分離チャネルを通る断面として提示される(この特定の例ではその例となるカセットは単一の分離チャネルを含む)。この図は(左から右に向かって)少なくとも1つの正の分離電極ポート、少なくとも1本の分離チャネルに対応する少なくとも1個の正の緩衝液容器(正の分離緩衝液容器)、少なくとも1つのカセット上部(カバーユニットと中央ユニットを含み得るトップユニットとも呼ばれる)、液体又は固形ゲルマトリックス組成物で充填される少なくとも1本の分離チャネル(分離ゲルカラムとしても知られる)、液体ゲルマトリックス組成物を少なくとも1本の分離チャネルに導入するための少なくとも1つのポート(分離チャネル充填ポートとしても知られる)(この特定の例では矢印が液体ゲルマトリックス組成物を単一の分離チャネルに導入するための単一のポートを指す)、液体ゲルマトリックス組成物の注入前の少なくとも1つの試料ウェルインサートの少なくとも1本の分離チャネルへの挿入と一旦その液体ゲルマトリックス組成物が凝固した後でのその少なくとも1つの試料ウェルインサートの除去により作製される少なくとも1つの試料負荷ウェル、少なくとも1本の分離チャネルに対応する少なくとも1個の負の緩衝液容器(負の分離緩衝液容器)、及び少なくとも1つの負の分離電極ポートを示す。
図21はアップサイドダウン型充填能を有する例となる注入成形側面溶出カセットを示す模式図である。その模式図は正の溶出チャネルを通る断面として提示される(例となるカセットは1本以上の正の溶出チャネルを含み得る)。好ましくは、あらゆる所与の電気泳動カセットにおける負の溶出チャネルの数と正の溶出チャネルの数は互いに等しい。この図は(左から右に向かって)少なくとも1つの負の溶出電極ポート(少なくとも1本の負の溶出チャネルに対応する)、少なくとも1個の負の溶出容器(少なくとも1本の負の溶出チャネルに対応する)、固形ゲルマトリックス組成物で充填された少なくとも1本の分離チャネル(分離ゲルとしても知られる)、少なくとも1個の溶出モジュール(好ましくは少なくとも1つの溶出モジュールストリップと一体である)、少なくとも1つの被分析物透過性障壁(例えば、微細孔膜)、少なくとも1つの溶出モジュールポート(試料収集ポート)、少なくとも1つの試料収集チャンバー、及び少なくとも1つの被分析物非透過性障壁(例えば、限外濾過膜)を含む、それらから基本的になる、又はそれらからなる少なくとも1個の溶出モジュール、少なくとも1つの正の溶出電極ポート(少なくとも1本の正の溶出チャネルに対応する)、及び少なくとも1個の正の溶出容器(少なくとも1本の正の溶出チャネルに対応する)を示している。
図22は印刷電極を有する例となる側面溶出カセットを示す一対の模式図である。左パネルは例となる組み立てられたカセットの上面図を示している。右パネルは例となるカセットの例となるベースユニットの上面/内面図を示している。その例となる底部の上面/内面図は少なくとも1つの負の分離電極(1)、少なくとも1つの負の溶出電極(2)(この特定の例では矢印は13個の負の溶出電極の位置を指す)、少なくとも1つの正の溶出電極3)(この特定の例では矢印は13個の正の溶出電極の位置を指す)、少なくとも1つの正の分離電極(4)の例となる位置を示している。
図23A〜Eは印刷電極を有する電気泳動カセットとの使用に適切な例となる機器の電極の接触の代替図を示す一連の模式図である。
図24は印刷電極を有する例となる側面溶出カセットを示す模式図である。具体的には、この模式図は印刷された溶出電極との機器接触の位置合わせを示すために溶出チャネルを通る断面を示している。その機器接触は溶出チャネル又は溶出チャネル緩衝液容器の外側にある印刷電極の一部と相互作用するが、しかしながらその印刷電極はこの外部領域から溶出チャネル緩衝液容器又はその溶出チャネル緩衝液容器の中に含まれる溶出緩衝液と接触する位置まで延びている。印刷された分離電極に対する機器接触の関係は印刷された溶出電極に対する機器接触の関係と同一である。
図25A〜Bは例となる側面溶出カセット用の例となる機器ベースの電極アレイを示す一対の模式図である。各電極は中央ポスト又はねじの周りに導電性ワイヤーを巻くこと、又は中央ポスト又はねじの周りを導電性ワイヤーで覆うことによって形成される。ある特定の実施形態ではその導電性ワイヤーはプラチナワイヤーであり得る。あるいは、又は加えて、ある特定の実施形態ではその中央ポスト又はねじはプラスチック材から構成される。その電極は例となる側面溶出カセット内の1つ以上の分離電極ポート又は溶出電極ポートに挿入され得る。パネルAは例となる電極アレイの上面図である。パネルBはその例となる電極アレイのパネルAにおいて示されているアレイの裏面(カセットに向き合う面)の図である。パネルAとBの組合せは少なくとも1つの負の分離電極、少なくとも1つの正の分離電極、少なくとも1つの負の溶出電極(この特定の例ではアレイは13個の負の溶出電極を含む)、及び少なくとも1つの正の溶出電極(この特定の例ではアレイは13個の正の溶出電極を含む)の例となる位置を示している。
図26は図25の例となる機器電極アレイとそのアレイを受領又は接触するように設計されている例となるカセットとの間の例となる適合状態(すなわち、そのカセット又はそのカセットの中央ユニット若しくはベースユニットの面の構成はそのカセットの電極アレイ又はカバーユニットの構成に対応する)を示す模式図である。その上面図では例となる電極アレイは例となるカセットと並置されている。その底面図では例となる電極アレイと例となるカセットが所定の位置に収まっており、所望により重力によって、又は代替として接着剤、結合剤、クランプ(又は圧入圧)、ねじ等の手段によってこの配置で維持される。
図27A〜Bは熱かしめにより形成される例となる溶出モジュールストリップを示す一連の模式図である。パネルAは例となる溶出モジュールストリップの例となるプラスチック溶出チャンバーを単体で(上)、又はその溶出モジュールストリップ内の1つ以上の溶出チャンバーの前面及び/又は後面に熱封止された1つ以上の障壁又は膜と共に示している。パネルBは前面及び後面に熱封止された少なくとも1つの障壁又は膜を有する溶出モジュールストリップの例となる溶出モジュールチャンバーの断面を示している。パネルAは少なくとも1つの溶出チャンバー又はモジュールポート、少なくとも1つの溶出チャンバー又はモジュール空腔、その溶出チャンバー又はモジュールの前面に熱封止された少なくとも1つの障壁又は膜、及びその溶出チャンバー又はモジュールの後面に熱封止された少なくとも1つの障壁又は膜の例となる位置を示している。 図27A〜Bは熱かしめにより形成される例となる溶出モジュールストリップを示す一連の模式図である。パネルAは例となる溶出モジュールストリップの例となるプラスチック溶出チャンバーを単体で(上)、又はその溶出モジュールストリップ内の1つ以上の溶出チャンバーの前面及び/又は後面に熱封止された1つ以上の障壁又は膜と共に示している。パネルBは前面及び後面に熱封止された少なくとも1つの障壁又は膜を有する溶出モジュールストリップの例となる溶出モジュールチャンバーの断面を示している。パネルAは少なくとも1つの溶出チャンバー又はモジュールポート、少なくとも1つの溶出チャンバー又はモジュール空腔、その溶出チャンバー又はモジュールの前面に熱封止された少なくとも1つの障壁又は膜、及びその溶出チャンバー又はモジュールの後面に熱封止された少なくとも1つの障壁又は膜の例となる位置を示している。
図28は図27の溶出モジュールストリップを含む例となるカセットの溶出チャネルを通る断面図を示す模式図である。図28は被分析物透過性であり、且つ、少なくとも1本の分離チャネルに向き合う(前面)少なくとも1つの微細孔膜を含んでいることを更に示している。図28は被分析物非透過性であり、且つ、少なくとも1個の溶出チャネル容器に向き合う(後面)少なくとも1つの限外濾過膜を含んでいることも示している。その被分析物非透過性膜はイオンの通過を許すが、被分析物の通過を妨げ、それによって溶出モジュール内の試料収集チャンバー(溶出空腔とも呼ばれる)内に被分析物を捕捉する。
図29は例となる柔軟性ガスケット型溶出モジュールを示す模式図である。上のパネルはその溶出モジュール用の例となるガスケット材を示している。下のパネルは接着テープによりそのガスケット材に取り付けられる1つ以上の膜を含んでいることを示している。その接着剤又は接着テープの使用はこの溶出モジュールの単なる一実施形態である。1つ以上の膜を例となる溶出モジュールに付加し、重力、その溶出モジュール又はカセットの別の要素との圧入、及び熱封止を含むが、これらに限定されないあらゆる方法で所定の位置に保持することができる。
図30は例となる柔軟性ガスケット型溶出モジュールストリップの組立、及びベースユニットとトップユニットを有する例となるカセットへの生じた溶出モジュールストリップの挿入を示す一対の模式図である。最初のステップとして、1つ以上の障壁又は膜を柔軟性ガスケット型溶出モジュールの内部の前面と後面に接触させる。例えば、その柔軟性ガスケット型溶出モジュールをベースユニット内のV字型の切欠きの内側に配置し、後にトップユニットのV字型突起がその底部内のガスケット型溶出モジュールと接触する。結果として、カセット上部ユニットのV字型突起とカセットボトムユニットのV字型切欠きの間のサンドウィッチとして溶出モジュールが封止される。
図31は例となる組み立てられた柔軟性ガスケット型溶出モジュールストリップの溶出チャネルを通る断面を示す模式図である。図30に記載されるように、そのカセットのトップユニットとベースユニットの合同により少なくとも1つの膜又はその溶出モジュール内の泡が圧縮され、それによってその少なくとも1つの膜とその柔軟性ガスケット型溶出モジュールとの間の封止が形成される。
図32は電気泳動を実施するための例となる機器を示す模式図である。この機器は2つの側面溶出カセットを含有又は保持する能力を有する。例として、この図は2つのカセットのうちの1つの挿入を示している。空ネスト又はホルダーは各カセット内の少なくとも1本の分離チャネルの電荷結合素子(CCD)撮像のための窓部を示している。
図33は電気泳動を実施するための例となる機器を示す模式図である。この例となる機器では電極アレイはスライド型カバー内に配置されている。あるいは、又は加えて、電源装置はその機器の後部に配置されている。別の実施形態では電源装置とプロセッサーがその機器の後部に配置されている。そのプロセッサーはその機器と統合されていてよく、及び/又はコンピューター内に含まれていてよい。コンピューターはその電気泳動機器と統合されていてよく、又はその電気泳動機器と分離していてよい。
図34は側面電極チャネル(510と511)を有する例となる電気泳動カセット(501)を示す模式図である。この例となるカセット(501)は天板(502)と底板(503)のうちの少なくとも一方を含み、それらの板は(例えば、プラスチックを使用して)注入成形され得、あるいは、又は加えて、互いに合体及び接着され得る(例えば、糊又はUV硬化性糊により、例えば、互いに接着され得る)。代わりの実施形態では天板(502)と底板(503)は超音波溶接を含むがこれに限定されない他の手法により組み立てられ得る。分離電極はそのカセットの対面する端部に位置するポートのうちの少なくとも1つを介して上部緩衝液容器(504)と下部緩衝液容器(507)のうちの1つ以上に導入され得る。溶出電極は、例えば、そのカセットの左側及び/又は右側(天板の外表面から見た左方向と右方向)の1本以上の緩衝液チャネルを介してそのカセットに導入され得る。本開示のカセットの溶出電極は、例えば、細長い形状のプラチナワイヤーを含んでよく、それらは、例えば、そのカセットの左側及び/又は右側(天板の外表面から見た左方向と右方向)の1本以上の緩衝液チャネルを介してそのカセットに導入される。それぞれの側で(例えば、左側(510)と右側(511))1本以上の溶出電極チャネルが各溶出チャネルの外縁部、緩衝液容器(上部及び/又は下部)、及び/又はあらゆる追加の緩衝液容器(例えば、図37及び38の特徴530及び531を参照のこと)のうちの少なくとも1つと接続し得る。本開示のカセットがここに示されている電極チャネル(510と511)のうちの1つ以上を含むとき、2つのワイヤー電極がそれらの溶出チャネルのそれぞれ1つずつにおいて溶出電気泳動を行うのに充分である(この例となる図では13本の溶出チャネルが示されている)。説明されている例となるカセットのこの図において提供される他の特徴は、そのカセットに存在する溶出チャネルの数に対応する数の多数の個別溶出チャンバーを有する溶出モジュールストリップ(508)を含む(13本の溶出チャネルに対応する13個の溶出モジュールがこの例において示されている)。それらの溶出チャネルは少なくとも1つの溶出ポート(509)を介してアクセス可能であり、その数はそのカセットに存在する溶出チャンバーの数に対応する(13個の溶出チャンバーに対応する13個の溶出ポートがこの例において示されている)。この表現を含む本開示のカセットは、試料ポートを介して、且つ、少なくとも1本の分離チャネル内に形成された試料ウェルのうちの少なくとも1つに試料を導入するための試料ポート(506)のうちの少なくとも1つを含み得る。本開示のカセットは送達/出荷時に緩衝液組成物によって少なくとも部分的に、及び所望により完全に充填され得る。使用前に天板内のポート(505)を介してある量の緩衝液組成物を抽出又は除去し、それによって、例えば、電極含有ポート、容器及び/又はチャネルを水浸しにせずに1つ以上の電極(分離電極及び/又は溶出電極)によって作り出され得るあらゆる気泡又は泡状物質が消散するための空間を提供することができる。
図35Aは図34に記載されているカセットの代替図を示す模式図である。この図では天板(502)の外表面が見る人に直接的に向かうように、図34に示されているカセットの天板と底板(それぞれ502と503)が向けられている。
図35Bは図34に記載されているカセットの代替図を示す模式図である。この図では底板(502)の外表面が見る人に直接的に向かい、したがって、視点から天板を見えなくするように、図34に示されているカセットの天板と底板(それぞれ502と503)が向けられている。網掛け領域(512)は本開示のカセット内の分離チャネルのうちの少なくとも1つの例となる位置を示している。所望によりカラム形状の固形ゲルマトリックス組成物はそのカセットの天板の内部に部分的に含まれるか完全に(すなわち、全体的に)含まれるかのどちらかである分離チャネルのうちの少なくとも1つの内部に保持される。この図に示されているように固形ゲルマトリックス組成物/カラムを含む分離チャネルは512と標識された位置においてそのカセットの天板の内部に全体的に含まれる。その結果、カセットの天板がこの図に示されるように構成されるとき、底板の上にその底板が配置されると(すなわち、「アップサイドダウン」)液体ゲルマトリックス組成物(例えば、液体アガロース組成物)が底板の外表面上に位置するポート(513)を介してそのカセットに導入(例えば、注入又は傾注)され得る。一旦液体ゲルマトリックス組成物がそのカセットの分離チャネル内で凝固したら、そのポート(513)を例えば接着テープで封止してよい。
図36は図34に記載されているカセットの代替図を示す模式図である。この図ではそのカセットの底板の内面が露出している。この例となる実施形態ではそのカセットの底板(503)は緩衝液組成物を保持するための1つ以上の空腔又は容器(例えば、514から519)を含む。特徴514は上部緩衝液容器の一部又は全体を含む。特徴519は下部緩衝液容器の一部又は全体を含む。特徴515は「左側」溶出緩衝液容器の一部又は全体を含む。特徴516は「右側」溶出緩衝液容器の一部又は全体を含む。特徴517は「左側」追加緩衝液容器の一部又は全体を含む。特徴518は「右側」追加緩衝液容器の一部又は全体を含む。このカセットの図面を説明するために使用される場合、特徴514が上向きであるときに底板の内面を直接的に見る視点から電極の底板に対して右及び左という表示が適用される。電気泳動時に1つ以上の電極によって生じる泡状物質又は泡を捕捉又は回収するために「追加」緩衝液容器(517及び518)が使用され得る。
図37は図34に記載されているカセットの代替図を示す模式図である。この図ではそのカセットの天板の内面が露出している。この例となる実施形態ではそのカセットの天板(502)は分離チャネル(525)のうちの少なくとも1つを含む。本開示のカセットの分離チャネルは微小流体用である。本開示のカセットの分離チャネルは液体か固形のどちらかのゲルマトリックス組成物(例えば、アガロースゲルマトリックス又はアクリルアミドゲルマトリックス)を含み得る。この例となる実施形態において示されるように、分離チャネルは右側で(少なくとも1個の溶出モジュール又は溶出チャンバーを含む)溶出モジュールストリップ(524)に接し得る。特徴520は上部緩衝液容器の一部又は全体を含む。特徴521は下部緩衝液容器の一部又は全体を含む。特徴523は「左側」溶出緩衝液容器の一部又は全体を含む。特徴522は「右側」溶出緩衝液容器の一部又は全体を含む。特徴530は「左側」追加緩衝液容器の一部又は全体を含む。特徴531は「右側」追加緩衝液容器の一部又は全体を含む。このカセットの図面を説明するために使用される場合、特徴520が上向きであるときに天板の外表面を直接的に見る視点から電極の天板に対して右及び左という表示が適用される。電気泳動時に1つ以上の電極によって生じる泡状物質又は泡を捕捉又は回収するために「追加」緩衝液容器(530及び531)が使用され得る。
図38は図34に記載されているカセットの代替図を示す模式図である。この図ではそのカセットの天板の内面が露出している。
図39は図34に記載されているカセットの代替図を示す模式図である。各々図40のパネルA〜Fにおいて提供されている断面点の位置を表すラインA、B、C、D、E、及びFがこの画像に重ね合わせられている。
図40Aは図39において示されるラインAのレベルで図34に記載されているカセットを通る断面図を示す模式図である。
図40Bは図39において示されるラインBのレベルで図34に記載されているカセットを通る断面図を示す模式図である。
図40Cは図39において示されるラインCのレベルで図34に記載されているカセットを通る断面図を示す模式図である。
図40Dは図39において示されるラインDのレベルで図34に記載されているカセットを通る断面図を示す模式図である。
図40Eは図39において示されるラインEのレベルで図34に記載されているカセットを通る断面図を示す模式図である。
図40Fは図39において示されるラインFのレベルで図34に記載されているカセットを通る断面図を示す模式図である。
図41Aは図39において示されるラインAのレベルで図34に記載されているカセットを通る断面図を示す模式図である。このカセットの網掛け領域は緩衝液組成物によって占められ得る領域を表す。
図41Bは図39において示されるラインBのレベルで図34に記載されているカセットを通る断面図を示す模式図である。このカセットの明灰色の網掛け領域は緩衝液組成物によって占められ得るそのカセットの部分を表す。このカセットの暗灰色の網掛け領域はゲルマトリックス組成物(例えば、アガロースゲルマトリックス組成物)によって占められ得るそのカセットの部分を表す。
図41Cは図39において示されるラインCのレベルで図34に記載されているカセットを通る断面図を示す模式図である。このカセットの明灰色の網掛け領域は緩衝液組成物によって占められ得るそのカセットの部分を表す。このカセットの暗灰色の網掛け領域はゲルマトリックス組成物(例えば、アガロースゲルマトリックス組成物)によって占められ得るそのカセットの部分を表す。
図41Dは図39において示されるラインDのレベルで図34に記載されているカセットを通る断面図を示す模式図である。このカセットの明灰色の網掛け領域は緩衝液組成物によって占められ得るそのカセットの部分を表す。このカセットの暗灰色の網掛け領域はゲルマトリックス組成物(例えば、アガロースゲルマトリックス組成物)によって占められ得るそのカセットの部分を表す。
図41Eは図39において示されるラインEのレベルで図34に記載されているカセットを通る断面図を示す模式図である。このカセットの明灰色の網掛け領域は緩衝液組成物によって占められ得るそのカセットの部分を表す。このカセットの暗灰色の網掛け領域はゲルマトリックス組成物(例えば、アガロースゲルマトリックス組成物)によって占められ得るそのカセットの部分を表す。
図41Fは図39において示されるラインFのレベルで図34に記載されているカセットを通る断面図を示す模式図である。このカセットの明灰色の網掛け領域は緩衝液組成物によって占められ得るそのカセットの部分を表す。このカセットの暗灰色の網掛け領域はゲルマトリックス組成物(例えば、アガロースゲルマトリックス組成物)によって占められ得るそのカセットの部分を表す。
図42は図34に記載されているカセットの例となる寸法を示す模式図である。ある特定の実施形態では本開示のカセットは85.48mmの幅と127.76mmの長さを有し得る。
図43は、例えば図7、17、及び18に示されている構成に類似する構成を有するカセットにおける電気力線を示す模式図である。
図44は図34〜52の何れか1つに示されている構成に類似する構成を有するカセットにおける電気力線を示す模式図である。
図45は、分離電気泳動及び各ゲルに含まれるDNAマーカーを強調するための染色の後に本開示のカセットから単離された2つのゲルマトリックス組成物を示している写真である。本開示のカセットは(図44に例示されるように)バンドの拡散と変形を抑制するために分離チャネルの下部に沿って電気泳動フォーカシング機構を用いる。この図において提供されるゲルはこの電気泳動フォーカシング原理を更に例示する。図34〜42に示されているものと類似するカセット実施形態においてDNAマーカー試料を分離電気泳動にかけた。それらの2つのカセット実施形態の溶出電極チャネルは異なる断面積を有したが、一方でそれらのカセットの分離チャネルは同じ幾何学的配置を有した。分離電気泳動後にそれらのカセットの各々を分解し、臭化エチジウムを用いて分離ゲルを染色し、UV照明下でその分離ゲルを写真撮影した。左側に示されているそのカセットの溶出チャネル幾何学的配置の幾何学的配置が、DNAバンドが分離チャネルを通過するにつれてそれらのDNAバンドが広幅化する原因となった。この種の広幅化は分離電気泳動時に溶出モジュールの汚染混入の原因になり得る。対照的に、右側に示されているゲルに使用されたカセットは異なる溶出電極チャネル幾何学的配置を有する。その結果、右側のDNAマーカーバンドが分離チャネルを通過するにつれてそれらのDNAマーカーバンドが狭幅化する。狭幅化/焦点化が分離電気泳動時の溶出モジュールの汚染混入を最小化するので右側に示されているこの狭幅化/焦点化は左側に示されている広幅化よりも好ましい。
図46は、例えば図34〜52に示されている本開示のカセットを設計するための抵抗電気モデルを示す模式図である。
図47Aは分離電気泳動時の(例えば、図48、51、及び52に示されるような)本開示の例となる機器の蓋に機能的に結合する分離電極の例となる構成を示す模式図である。分離電気泳動時にそれらの分離電極に電力が供給され、そのカセットの分離チャネルと並べられている電場を発生させる。分離電気泳動時に生じた電流が後の溶出電気泳動のための準備において分離チャネルの長さに沿って試料又はその画分を追いやる、又は引き寄せる。
図47Bは図47Aに示されている構成の代替的表示を示す模式図である。この図面ではカセットはそのカセットの天板の外側を直接的に見る視点から示されている。
図48は分離電気泳動時の本開示の例となるカセット中への(例えば、図47、51、及び52に示されるような)本開示の例となる機器の蓋に機能的に結合する分離電極の例となる噛み合いを示す模式図である。
図49Aは溶出電気泳動時の(例えば、図50、51、及び52に示されるような)本開示の例となる機器の蓋に機能的に結合する溶出電極の例となる構成を示す模式図である。溶出電気泳動時に分離電極への電力を打ち切り、溶出電極をカセットに落とし込んでよく(又は代替として、溶出電極がそのカセットの溶出電極チャネル内に存在するようになるまで溶出電極に向かってそのカセットを持ち上げてよく)、溶出電極に電力を供給し、それによって分離チャネルから少なくとも1つの溶出チャネル/容器に試料又はその画分を追いやる、又は引き寄せる電場をそのカセット中に発生させる。
図49Bは図49Aに示されている構成の代替的表示を示す模式図である。この図面ではカセットはそのカセットの天板の外側を直接的に見る視点から示されている。
図50は溶出電気泳動時の本開示の例となるカセット中への(例えば、図49、51、及び52に示されるような)本開示の例となる機器の蓋に機能的に結合する溶出電極の例となる噛み合いを示す模式図である。
図51は1つ以上の電極板又はアレイが蓋に取り付けられている蓋を有する本開示の例となる機器を示す模式図である。好ましくは、それらの1つ以上の電極板又はアレイが蓋に沿って移動すること、又は蓋から外れて移動することを防止する、又は最小限にする堅牢な構成の蓋にそれらの1つ以上の電極板又はアレイが取り付けられている。本開示の機器のある特定の実施形態ではその機器は本開示のカセットを機能的に結合し得る、又は本開示のカセットを挿入し得る1つ以上のカセットネストを含む。カセットを例となる機器のカセットネストへ取り付け、且つ、1つ以上の電極板が取り付けられている蓋を閉じた後に1つ以上のカセットネストが取り付けられている面/プレートを持ち上げてよく、それによってその1つの電極板の分離電極及び/又は溶出電極がそのカセットの天板の外表面上の少なくとも1つのポートからそのカセットに入ることになる。例えば、分離電極は、例えば図34の特徴504又は507のように示されているポートに進入し得る。また、溶出電極は、例えば図34の特徴510又は511のように示されている溶出電極チャネルに進入し得る。ある特定の実施形態では分離電極は溶出電極よりも更に先まで電極板から延びていてよく、したがって、対応するカセットは分離電気泳動時に分離電極を組み込むために第一レベルまで持ち上げられ、その後、溶出電気泳動時に溶出電極を更に組み込むために第二の更に高いレベルまで持ち上げられ得る。 図51は1つ以上の電極板又はアレイが蓋に取り付けられている蓋を有する本開示の例となる機器を示す模式図である。好ましくは、それらの1つ以上の電極板又はアレイが蓋に沿って移動すること、又は蓋から外れて移動することを防止する、又は最小限にする堅牢な構成の蓋にそれらの1つ以上の電極板又はアレイが取り付けられている。本開示の機器のある特定の実施形態ではその機器は本開示のカセットを機能的に結合し得る、又は本開示のカセットを挿入し得る1つ以上のカセットネストを含む。カセットを例となる機器のカセットネストへ取り付け、且つ、1つ以上の電極板が取り付けられている蓋を閉じた後に1つ以上のカセットネストが取り付けられている面/プレートを持ち上げてよく、それによってその1つの電極板の分離電極及び/又は溶出電極がそのカセットの天板の外表面上の少なくとも1つのポートからそのカセットに入ることになる。例えば、分離電極は、例えば図34の特徴504又は507のように示されているポートに進入し得る。また、溶出電極は、例えば図34の特徴510又は511のように示されている溶出電極チャネルに進入し得る。ある特定の実施形態では分離電極は溶出電極よりも更に先まで電極板から延びていてよく、したがって、対応するカセットは分離電気泳動時に分離電極を組み込むために第一レベルまで持ち上げられ、その後、溶出電気泳動時に溶出電極を更に組み込むために第二の更に高いレベルまで持ち上げられ得る。
図52Aは本開示の例となる機器を、特に詳細にその機器内のネストエレベーターを示す模式図である。本開示の例となるネストエレベーターは少なくとも1つのカセットネストが機能的に結合している、又は取り付けられているプレート、プラットフォーム又はサーフェスを含む。ある特定の実施形態ではそのネストエレベーターはその機器の内部に取り付けられているステッピングモーターによって制御され得る。これらの実施形態ではその機器の例となるモーターが、ネストエレベータープレート、プラットフォーム又はサーフェスを上昇及び下降させる1本以上のパワースクリュー(例えば、3本のパワースクリューが示されている)を駆動し得る。本開示のネストプレート、プラットフォーム又はサーフェスの移動が1つ以上のリニアガイド(例えば、2つのリニアガイドが示されている)によって先導されて、又は制限されて本開示のカセット中への分離電極及び/又は溶出電極の挿入時に適切なトラッキングとz軸配置が確実になり得る。
図52Bは図52Aに示される本開示の例となる機器とそのネストエレベーターを示す模式図である。上段のパネルはそのネストエレベーターの最初の位置を示している。中段のパネルは少なくとも1つの分離電極がそのカセットの天板の外表面の少なくとも1つのポートからそのカセットに入っているときのそのネストエレベーターの第一上昇位置を示している。そのネストエレベーターは分離電気泳動時にこの第一上昇位置に存在し得る。下段のパネルは少なくとも1つの分離電極と少なくとも1つの溶出電極がそのカセットの天板の外表面の少なくとも1つのポート又は溶出電極チャネルからそのカセットに入っているときのそのネストエレベーターの第二上昇位置を示している。そのネストエレベーターは溶出電気泳動時にこの第二上昇位置に存在し得る。
本開示は単一の試料を一回の分取電気泳動プロセスにおいて様々なサイズの複数の画分に分離するためのカセットと方法を提供する。
本開示のカセット及び方法を使用して分離電気泳動プロセスを最初に実施する。分離電気泳動の実施期間は、例えば、様々なサイズ範囲又は様々な電気泳動移動度範囲の被分析物又は画分を含む投入試料を選択的に処理するために操作又は最適化され得る。
最初の分離ステップの後に分離チャネルのどちらかの側面に存在する負と正の溶出チャネル又は容器の左右対称なアレイを使用して溶出電気泳動ステップが実施される。サイズ分画された被分析物が溶出電気泳動時に移動する場合、溶出産物は少なくとも1個の溶出モジュールの中に回収され、好ましくは各々少なくとも1個の正の溶出容器内に位置する、又は少なくとも1個の正の溶出容器に隣接して位置する複数の溶出モジュールに回収される。
本開示の側面溶出カセットは分離チャネルの内容物を順次ではなくて並行して溶出及び分画する。並行溶出には先行する分離ステップ時に被分析物が移動する方向に対して直交方向又は垂直方向に分離チャネルの内容物が移動する溶出ステップが伴う。
本開示の被分析物は電気泳動によって分離され得る荷電分子を含む。例えば、DNA及びSDS処理済みタンパク質が少なくとも部分的に分子サイズに基づいて電気泳動により分離され得る。非変性ゲルマトリックス組成物に導入される天然体タンパク質に関して、電気泳動による分離は、限定されないが、ゲルマトリックスの組成と密度、被分析物の正味の電荷、被分析物の分子サイズ、及び/又は被分析物の形状特性を含む一組の特性によって決定づけられ得る。本開示のカセットと方法は前述の特徴のうちの1つ以上に基づいて試料又は被分析物を分離し得る。
電気泳動により電場の存在下で分離マトリックスを通過する移動度を介して生体分子が荷電及び/又はサイズによって分離される。分離プロセスの間には溶出電極は接続されていない、又は導通化されていない。むしろ、一旦分離チャネル中の試料又は被分析物が溶出される準備が整うと溶出電極が接続される、又は導通化される。溶出電極の接続又は導通化のタイミングによって分離プロセス時に導電路が分離チャネルに集中することが確実になる。例えば、分離泳動中に溶出電極が互いに接続された場合には、次に分離チャネルの縁部に沿って強力な力線を誘導する導伝路がそれらの溶出電極によって作り出される。
図43は例えば図7、17、及び18に示されている例となるカセットにおける分離電気泳動時の電気泳動力線を示している。図43に示されているように、試料が分離チャネルの上部を通過し、少なくとも1本の溶出チャネルと交差しているその分離チャネルの下部に入る。分離チャネルの上部にわたってその試料は等電位線と垂直である力線に沿って移動する。しかしながら、分離チャネルの上部の範囲内では試料は拡散もする。分離チャネルの上部は絶縁壁と実質的に交わらないので、分離チャネルのこの部分の範囲内では力線は実質的に平行である。上部と対照的に、分離チャネルの下部ではその分離チャネルの壁は一方の側面で少なくとも1つの負の溶出チャネル/容器に接し、他方の側面で少なくとも1つの正の溶出チャネル/容器に接する。最適なことに、試料又はその画分は変形することなく分離チャネルの下部にわたって均一に前進するはずである。しかしながら、図43に示されるように、分離チャネルの下部の縁部の上の力線は実質的には直線ではなく、むしろ波打っている。それらの波形状の力線は分離チャネルの側辺においてより長い経路並びにより弱い勾配を形成し、これらの波形状の力線に沿って移動する試料又はその画分の部分が分離チャネルの中央部において実質的に直線の力線に沿って移動する試料又はその画分の部分と比較されると低下した速度でその分離チャネルを通過する原因となる。試料又はその画分の拡散が分離チャネルの下部の幅にわたって可変的な力線形状によって生じるバンド変形効果を更に激化させることがあり得、その試料又はその画分が波形状であり、移動速度が遅い力線の中に拡散する原因になる。
本開示のカセットは分離電気泳動時に試料の拡散を克服するために電場を集中する。例えば、図34〜52に記載される本開示のカセットの実施形態は(図44に例示されるように)分離チャネルの下部の間でのバンドの拡散と変形を抑制するために電気泳動フォーカシング機構を使用する。これらの実施形態では溶出電極チャネル(510と511)はその少なくとも1つの正の分離電極と少なくとも1つの負の分離電極との間に代替的電気経路を形成する。この代替的電気経路により、電気泳動力線が溶出電極チャネルから溶出容器を通って分離チャネル内へ内側に向かって移動することが可能になる。その内側に移動する力線が試料又はその画分を集中し、分離チャネルの中央に沿って走る実質的に直線の力線の上に分離したバンドを引き留める(例えば、図45を参照のこと)。
この集中効果は抵抗モデリングを使用する図34〜52に示されているカセットの代替的実施形態について計算され得る。ある区画の流体又はゲルの抵抗は次の式によって説明され得る:
式中、ρ(ロー)はその流体又はゲルの電気抵抗であり、lはその区画の長さであり、Aはその区画の断面積である。抵抗ネットワークは図46に例示されるように標準的なネットワーク方程式を使用して解決され得る。そのシミュレーションにおいて電流によって表され、溶出チャネルを介して中央部に加えられる力線が試料を集中して力線の拡散及び/又は電気泳動による変形を克服するまでそのネットワークが調整され得る。
有限要素法を使用して抵抗ネットワークをモデル化することができる。これらの方法を使用してそのシステムのデザインを変更及び/又は改善するために抵抗ネットワーク、又はその一部をシミュレートすることができる。有限要素法の使用は大きなエンド効果が存在するときに特に有利である。例えば、ネットワークの部分であって、その部分の断面積に顕著な変化を有するネットワークの部分に大きなエンド効果が存在し得る。
この電気泳動フォーカシング原理の例が図45に示されており、2つの型のカセットを使用して実施された同一のDNAマーカーの分離電気泳動の結果を示している。これらのカセット実施形態の溶出電極チャネルは異なる断面積を有する。各カセットの分離チャネルは同一の断面積を有する。分離電気泳動後にそれらのカセットの各々を分解し、臭化エチジウムを用いて分離ゲルを染色し、UV照明下でその分離ゲルを写真撮影した。図45に示されているように、左側に示されているゲルのDNAバンドはそれらのDNAバンドが分離チャネルを通過するにつれて広幅化し、分離チャネルの縁部まで幅広く広がった。この種の広幅化は分離電気泳動時に溶出モジュールの汚染混入の原因になり得る。対照的に、右側に示されているゲルに使用されたカセットは異なる溶出電極チャネル断面を有する。その結果、右側のDNAマーカーバンドが分離チャネルを通過するにつれてそれらのDNAマーカーバンドが狭幅化する。狭幅化/焦点化が分離電気泳動時の溶出モジュールの汚染混入を最小化するので右側に示されているこの狭幅化/焦点化は図45の左側に示されている広幅化よりも好ましい。しかしながら、極端な狭幅化は分離時に電気泳動分解度に悪影響を及ぼし得る。図39〜42は有利な分離チャネルと溶出チャネルのデザインを有する例となるカセットの断面図を提供する。
例えば図34〜52に示される本開示のカセットの分離電気泳動実施形態を実施するとき、そのカセットのどちらかの端部に配置されている電極ポート(図34に示される504と507)に電場が分離電極によって挿入され得る。これらのカセット実施形態のある特定の態様ではそれらの分離電極はポスト電極であり得る(例えば、図47及び48を参照のこと)。ある特定の実施形態では本開示のカセット、システム、及び方法の溶出電極は(例えば、図48に示されるように)分離電気泳動時にそのカセットと接触しなくてよい。さらに、本開示のカセット、システム、及び方法のある特定の実施形態では、一旦分離電気泳動が完了したら分離電極の電源を止め、その後、溶出電極チャネル(図34並びに図49及び50に示されている510と511)に溶出電極を導入する。本開示のカセット、システム、及び方法のある特定の実施形態では、一旦1対の溶出電極がそのカセットの溶出チャネルに導入されるとそれらの溶出電極に電場が印加され、その電場の強度は分離された試料分子をその少なくとも1つの分離カラム内に位置するゲルマトリックス組成物(例えば、アガロースゲルマトリックス組成物)から例えば溶出モジュールストリップ(図34に示されている508;図37に示されている524)内に位置する溶出チャンバーのうちの少なくとも1つの中に追いやるのに充分である。
電流が負に帯電したゲルマトリックス(例えば、アガロースゲルマトリックス)を通過するとき、そのゲルマトリックス又はその中の緩衝液組成物の内部で流体を陰極(例えば、分離電極又は溶出電極)に向かって運搬し得る電気浸透流が形成され得る。陽極(例えば、分離電極又は溶出電極)の近傍の容器内に含まれている量の緩衝液組成物が電気浸透流によって枯渇させられ得る。順次又は同時に陰極(例えば、分離電極又は溶出電極)の近傍の容器内に含まれている緩衝液組成物の氾濫が電気浸透流によって引き起こされ得る。電気泳動プロセスがより長い期間の時間を必要とするとき(例えば、高分子量DNA分子を分離するので、例えば、泳動時間が1時間を超えるとき)、電気浸透流が陽極の近傍の容器内に含まれている緩衝液組成物の枯渇及び/又は陰極の近傍の容器内に含まれている緩衝液組成物の氾濫を悪化させ得る。結果として、長い電気泳動の間には非常に大きな緩衝液容器が使用されるか、及び/又はそれらの容器内の緩衝液のレベルが(必要に応じて手作業又は機械式で容器に緩衝液を追加すること、及び/又は容器から緩衝液を除去することを含む)代替的手段によって維持されるかのどちらかである。
本開示のカセットのある特定の実施形態ではそれらのカセットはカセットの容器に含まれる緩衝液の量を自動的に調節するように設計されている。特に電気浸透流の関係で本開示のカセットは、カセットの各容器内で実質的に一定の緩衝液レベルを維持するための機構の長年の要求に対する解決法を提供する。例えば図34〜37に示されているように、本開示の例となるカセットは上部緩衝液容器と下部緩衝液容器(それぞれ図36に示されている514と519;それぞれ図37に示されている520と521)、追加緩衝液容器(図36に示されている517と518;図37に示されている530と531)及び溶出チャネル(それぞれ図36に示されている515と516;それぞれ図37に示されている522と523)の外縁部を接続する電極チャネル(510と511)を含む。例えば図34〜37に示されているように、本開示の例となるカセットの電極チャネルはそのカセットの各緩衝液容器をそのカセットの他の全ての緩衝液容器に接続する。結果として、溶出電極チャネル(510及び/又は511)を通過する重力介在性流動によって緩衝液の蓄積及び/又は枯渇が低減し得るので、これらのカセットのそれらの電極チャネルは、例えば、電気浸透に起因する緩衝液組成物の氾濫(すなわち、蓄積)又は枯渇を防止する。
本開示のカセットのある特定の実施形態では1対の個々の正(+)の電極と負(−)の電極が各溶出チャネルの対面する側面に存在し得る(例えば、図7、17、及び18を参照のこと)。そのカセットが少なくとも1本の溶出チャネルの対面する側面に位置する少なくとも1対の個々の正(+)の電極と負(−)の電極を使用するとき、分離チャネル(及びその中のマトリックス組成物)から離れて溶出チャネルのうちの少なくとも1つの中まで延びる(強力な電気泳動フィールドであり得る)電気泳動フィールドの形成を回避するためにそれらの溶出電極は電気泳動の分離ステップの間には互いに未接続である、又は接続切断されている。分離電気泳動時に形成され、且つ、分離チャネルから離れて溶出チャネルのうちの少なくとも1つの中まで延びている電気泳動フィールドは試料被分析物(例えば、DNA)が側方に拡がって溶出チャネルに入る原因になり得る。本開示の方法は試料が最初に分離チャネルの方向に沿って分離され、次に溶出チャネルの方向に沿って溶出される二段階電気泳動法を復唱するので、この側方展開は時期尚早である。
例えば図34〜37に示されているように、本開示の例となるカセットは、例えば、図7、17、及び18に示されている実施形態と比較されると形態と機能の両方を単純化している電極チャネル(510と511)を含む。両方の構成によって完全に機能的な本開示のカセットが生じる一方で、例えば図34〜52に示されている実施形態は電極の形態と機能の単純化を可能にする。これらの実施形態の中では分離電極は、そのカセットの対面する端部に位置する上部緩衝液容器と下部緩衝液容器(それぞれ図34に示されている504と507)の各々に対応するポートから上部緩衝液容器と下部緩衝液容器(それぞれ図36に示されている514と519;それぞれ図37に示されている520と521)のうちの少なくとも一方に導入される。これらのカセットでは例えば細長い形状の導電性材料(例えば、プラチナワイヤー)から構成される少なくとも1つの溶出電極は溶出電極チャネル(例えば、図34に示されている510と511)のうちの少なくとも1つからそのカセットに導入され得る(図47〜50も参照のこと)。溶出電極チャネルが溶出チャネルの各々を他の全ての溶出チャネルに接続するので、各溶出チャネルの範囲内(例えば、図34〜52に示されている例となるカセットによって示されるように、13本の溶出チャネルの各々の範囲内)で溶出電気泳動を行うには2つの溶出電極(1つは陽極で1つは陰極)で充分である。図34〜52に示されている例となるカセットのデザインは、溶出電極の数が26(これらの図に示されているように、13溶出チャネルの各々に対して1つの正の溶出電極と1つの負の溶出電極)から2(溶出チャネルの総数に対して1つの正の溶出電極と1つの負の溶出電極(その新しいデザインは1つの正の溶出電極と1つの負の溶出電極だけを必要とする一方で、あらゆる数の溶出チャネルを含み得る。))に減少しているので、例えば図7、17、及び18に示されているデザインから簡単になっている。
図51及び52は例えば図34〜42に示されている本開示のカセットと使用される例となる機器の実施形態を例示している。機器の蓋が電極組立品のうちの少なくとも1つを保持する。その機器の電源が入ると、その機器の基部の上面に配置されている少なくとも1つのカセットネストへのアクセスを可能にする垂直方向の位置までその蓋を開けることができる。ある特定の実施形態ではその少なくとも1つのカセットネストはカセット及び/又は試料の負荷(さらに、カセット及び/又は試料の除荷)を容易にする。蓋が閉じられると機器ネスト内のカセットの上に直接的に電極組立品が配置され得る。この機器のある特定の実施形態では蓋が閉じられると機器ネスト内のカセットの上に直接的に電極組立品が配置され、そのカセットの移動を妨げる、又は最小限にする固い拘束力によってこの位置に維持され得る。ある特定の実施形態では分離電極と溶出電極は蓋からの異なる距離にわたり得る。分離電気泳動が作動化されると上部緩衝液容器と下部緩衝液容器の中の緩衝液に分離電極が接触するまで機器カセットネストが(例えば、手動手段、自動手段、又は機械式手段によって)持ち上げられ得る。本開示の機器のカセットネストを持ち上げるための例となる機械式手段は、限定されないが、サーボモーター機構を含む。この機器のある特定の実施形態では分離電極が蓋から延びるほどまで溶出電極は蓋から延びていなくてよく、さらにそれらの溶出電極は分離電気泳動時に溶出電極チャネルのうちの1つ以上と接触していなくてよい。これらの実施形態に従うと、分離電気泳動が完了した後に溶出チャネルの中の緩衝液に溶出電極が接触するまでカセットネストが更に持ち上げられ得る。溶出の完了時にそのネストを最初の負荷位置まで低下させることによってそのカセットから分離電極と溶出電極を外すことができる。一旦それらの電極をカセットから外すと使用者はそのカセットにアクセスするために蓋を開けることができる。
ゲル分離マトリックスは通常は核酸分離にはアガロースから調製され、タンパク質分離にはポリアクリルアミドから調製される。キャピラリー電気泳動ではそれらのマトリックスはゲル又は溶液(例えば、直線状ポリアクリルアミド溶液)であり得る。
ゲル分離マトリックスは通常はガラスプレートにより形成される鋳型又は分離マトリックス鋳込型に液相材料を注ぎ込むことによって作製される。スラブゲル電気泳動では、例えば、プラスチック材でできた指状の露出物が「コーム」を形成し、分離マトリックスの最上部に埋め込まれる。凝固した分離マトリックスからコームが取り外されると試料負荷ウェルが形成される。スラブゲル電気泳動におけるこれらのウェルの負荷は通常は時間がかかり、技術的に困難な作業である。試料が電極緩衝液と混合し、ウェルから外へ浮き出すことを防止するために電気泳動の前にグリセロール又はポリエチレングリコールのような高密度溶液が多くの場合は試料に添加される。
一般的には水性緩衝液の中の試料が分離マトリックスに導入され、分離マトリックスと電気的に接触している電極が電場を印加するために使用される。その電場は荷電物質、例えば、核酸及びタンパク質を陽極の位置又は陰極の位置のどちらかに向かって移動するように誘導する。電気泳動は通常は約30分から数時間で完了する。
分離された分子種の移動距離は分離マトリックスを通過するそれらの分子種の相対移動度に依存する。各々の種の移動度は流体力学的サイズと分子電荷に依存する。タンパク質は多くの場合は各タンパク質が試料中のタンパク質に負の電荷を付与する界面活性剤又は他の物質と複合体化する条件下で電気泳動される。その界面活性剤はそれらのタンパク質の大半、又は全てが(電気泳動陽極に向かって)同じ方向に移動する原因となる。試料はゲル内の核酸又はタンパク質を視覚化するために分離泳動前、分離泳動中、又は分離泳動後に染色される。ゲル中での様々な成分の位置は紫外光吸光度、オートラジオグラフィー、蛍光、化学発光、又はあらゆる他の周知の検出手段を使用して決定される。未知の核酸又はタンパク質の分子量と相対濃度を決定するため、バンドの位置と強度が通常は既知の分子量標準物質と比較される。
本開示の電気泳動カセットとシステムは生体試料内の被分析物の所望の画分を分離、濃縮、検出、分析、及び回収する。提供されている図面に記載され、説明において定義されているように、本開示のカセットとシステムは特別の特徴と対応する機能を含む。
例となるカセットはプラスチック、例えば、ポリスチレン及びポリスチレンの誘導体、又はPMMAから成形される。あるいは、電気泳動カセットはあらゆる光学的に透明な重合体を使用して成形される。電気泳動カセットは1つの連続体として成形されるか、各々がプラスチック又は適切な光学的に透明なプラスチックから成形され、連続体を形成するために接続される複数の部品から組み立てられるかのどちらかである。
本開示のカセットは試料を方向づけ、分画するために微小流体チャネル又はナノチャネルよりもむしろマクロ流体チャネルを含む。回収された画分をさらなる操作と分析に直接的に使用することができるように充分な量の被分析物又は試料がそのカセットへの試料の一回の導入で調製又は分析されることを確実にするためにはマクロ流体チャネルの使用が必須である。例えば、単離された被分析物又は画分は後に配列解析されるか、又はベクター若しくは細胞に挿入される。
本開示のマクロ流体チャネルは1ミクロン(μm)以上の最小実証幅を有する。ある特定の実施形態ではそのカセットのマクロ流体チャネルの深さは均一である。しかしながら、そのカセットのマクロ流体チャネルの寸法と体積は好ましい範囲内で変化する。マクロ流体チャネルの好ましい幅は1μmから100mmの間の範囲であり、マクロ流体チャネルの好ましい深さは1μmから100mmの間の範囲である。
マクロ流体チャネルは空腔と容器を含む。「空腔」という用語は構造体の取り付け、空腔の体積内への構造体の挿入、又は構造体の形成のいずれかのために用意されているチャネルの部分を説明するために使用される。構造体は、例えば、試料ウェルインサートの試料ウェル空腔内への設置、ゲルマトリックス組成物の注入と凝固、及び試料ウェルインサートの除去によって形成される。「容器」という用語は緩衝液組成物で充填される空腔を説明するものとする。
例となる溶出モジュールは被分析物透過性障壁及び被分析物非透過性障壁のうちの少なくとも一方を含み得る。「被分析物透過性」という用語はイオン、ポリ核酸、及びポリペプチドに対して透過性であるが、ゲルマトリックス組成物又は緩衝液組成物の他のあらゆる成分に対して透過性ではないあらゆる障壁を説明するものとする。「被分析物非透過性の」という用語はイオンに対して透過性であるが、ポリ核酸、ポリペプチド、ゲルマトリックス組成物の他のあらゆる成分、緩衝液組成物の他のあらゆる成分、又は溶出組成物の他のあらゆる成分に対して非透過性であるあらゆる障壁を説明するものとする。溶出モジュールのある特定の実施形態ではそのモジュールは分離チャネルに対して近位側の側面に被分析物透過性障壁(例えば、膜)を含む。あるいは、又は加えて、そのモジュールは分離チャネルに対して遠位側の側面に被分析物非透過性障壁(例えば、膜)を含む。溶出モジュールのある特定の実施形態ではそのモジュールは分離チャネルに対して近位側の側面に被分析物透過性障壁(例えば、膜)を含み、且つ、分離チャネルに対して遠位側の側面に被分析物非透過性障壁(例えば、膜)を含む。
例となる溶出モジュールはV字型構成を形成するために1つの側面に2つの膜キャリヤストリップを含むことによって少なくとも部分的に形成され得る。このV字型膜キャリヤは単一ユニットプレートか多重ユニットプレートのどちらかのプレートに取り付けられ得るか、又は統合され得る。例えば、多重ユニットプレートではV字型膜キャリヤはベースユニット又は中央ユニットに取り付けられ得るか、又は統合され得る。圧縮可能ストリップはV字型膜キャリヤか溶出モジュール隔壁ストリップのどちらかに取り付けられ得る。膜キャリヤのサイズ、位置、及び幾何学的配置に対応する溶出モジュール隔壁ストリップ(例えば、両方がV字型であり得る)は中央ユニット又はカバーユニットに取り付けられ得るか、又は統合され得る。被分析物透過性膜と被分析物非透過性膜のうちの少なくとも一方が圧縮可能ストリップか溶出モジュール隔壁ストリップのどちらかに接触する。溶出モジュール隔壁ストリップが膜ホルダーに対して押し付けられるとき、被分析物透過性膜と被分析物非透過性膜のうちの少なくとも一方を有する個々の溶出モジュールが形成される。好ましくは、それらの結果生じた個々の溶出モジュールは被分析物透過性膜と被分析物非透過性膜を含む。好ましい構成では個々の溶出モジュールは分離チャネルのより近くの側面に被分析物透過性膜を含み、且つ、その被分析物透過性膜を含む側面と反対の側面に被分析物非透過性膜を含む。
本開示の電気泳動カセットの優れた特性のうちの1つは溶出緩衝液組成物中の被分析物、又はその画分の回収である。他の分取電気泳動システムは電気泳動後に使用者がゲル又は膜から例えばDNA画分を抽出する必要がある。この副次的DNA抽出ステップは時間がかかるものであり、その画分から得られるDNAの総収量を著しく減少させる。対照的に、本開示の電気泳動カセットとシステムは溶出モジュールを用意することによりポリヌクレオチド又はポリペプチドの分離ステップと回収ステップを統合しており、その溶出モジュールはポリヌクレオチド被分析物又はポリペプチド被分析物をあらゆる所望の溶出緩衝液の中に同時に分画及び抽出する。
マクロ流体チャネルはゲルマトリックス組成物、液体緩衝液組成物、又は固形緩衝液組成物のうちの少なくとも1つを含む。ゲルマトリックス組成物は重合性化合物、例えば、アガロース又はポリアクリルアミドをそれぞれポリ核酸の分離及びポリペプチドの分離のために含む。重合性化合物は0.01%から99.9%の範囲のパーセンテージで提供される。当技術分野において知られている電気泳動緩衝液組成物が本明細書において使用される。緩衝溶液は好ましくは電解質溶液である。
電気泳動カセットは使い捨てであるか、再使用可能のどちらかである電極を所望により含む。使い捨て電極をそれらのカセットに統合してよい。導電性粒子、インク、又はゴムと共にエポキシ樹脂から電極を作製してよい。電極をチタン又はプラチナから作製してよく、並びに、チタン又はプラチナで被覆してよい。電極をグラファイト又は細長い形状のグラファイト(例えば、グラファイト棒)から作製してよい。電極は、限定されないが、導電性材料(プラチナ等)のストリップ又は細長い形状の導電性材料(プラチナ等)を含む1つ以上の形態をとってよい(図34〜52を参照のこと)。あるいは、電極は導電性インクから構成され得る。例となる導電性インクは使い捨てカセット又はそれらの構成要素の上に印刷され得る。導電性インクは膜、スクリーン、プラスチック、又は重合体の上に印刷され得る。例えば、適切な導電性インクはCreative Materials社から入手可能なスクリーン印刷可能な電気的に導電性のインク(部品番号122−49;追加情報はserver.creativematerials.com/datasheets/DS_122_49.pdfにおいて一般に公開されている)を含む。
前記カセットの電極は分離電極か溶出電極のどちらかであり得る。分離電極はその少なくとも1つの分離ステップの間に接続されるか、又は導通化される(すなわち、充分な電力を供給されて導通状態になる)。所望により、これらの電極はその少なくとも1つの溶出ステップの間に接続切断されているか、又は非導通化されている。分離電極はカセットの第一緩衝液容器又は第二緩衝液容器内に配置されているか、カセットの第一緩衝液容器又は第二緩衝液容器に隣接して配置されているかのどちらかである。本開示ある特定の実施形態では負の分離電極はそのカセットの第一緩衝液容器内に、又はそのカセットの第一緩衝液容器に隣接して配置されている。あるいは、又は加えて、正の分離電極はそのカセットの第二緩衝液容器内に、又はそのカセットの第二緩衝液容器に隣接して配置されている。溶出電極はその少なくとも1つの溶出ステップの間にだけ接続又は導通化される。溶出電極はその少なくとも1つの分離ステップの間に接続切断又は非導通化される。
それらのカセットの溶出電極に関して、溶出電極は点電極又は棒電極であり得る。あるいは、又は加えて、溶出電極は導電性材料から構成される細長い形状、ストリップ、又はワイヤーであり得る(例えば、図34〜52を参照のこと)。ある特定の実施形態では溶出電極は溶出電極チャネルのうちの少なくとも1つに導入され得るプラチナワイヤーを含み得る。溶出電極は少なくとも1つの負の溶出容器又はチャネル及び少なくとも1つの正の溶出容器又はチャネルの内部に配置され得る。本開示ある特定の実施形態では負の溶出電極は負の溶出容器若しくはチャネル内に、又は負の溶出容器若しくはチャネルに隣接して配置される。あるいは、又は加えて、正の溶出電極は正の溶出容器若しくはチャネル内に、又は正の溶出容器若しくはチャネルに隣接して配置される。好ましくは、負の溶出電極は負の溶出容器若しくはチャネル内に、又は負の溶出容器若しくはチャネルに隣接して配置され、正の溶出電極は正の溶出容器若しくはチャネル内に、又は正の溶出容器若しくはチャネルに隣接して配置される。負と正の溶出容器又はチャネルは互いに対して並置されてよく、さらに分離チャネルの対面する側面に配置されてよい。例えば、各々の負の溶出容器又はチャネルは各々の正の溶出チャネルと位置を合わせてよく、又は分離チャネルに対して垂直である軸線に沿うチャネルと位置を合わせてよい(例えば、図7を参照のこと)。あるいは、又は加えて、各々の負の溶出容器又はチャネルは各々の正の溶出チャネルと位置を合わせてよく、又は分離チャネルと平行な軸線に沿うチャネルと位置を合わせてよい(例えば、図36及び37を参照のこと)。
本開示の例となるカセット、機器、システム、及び方法はフィールドインバージョンゲル電気泳動(FIGEと呼ばれる)を用いてよい。フィールドインバージョンゲル電気泳動は均一な電場の周期的な反転に基づくパルスフィールドゲル電気泳動技術である。フィールドインバージョンゲル電気泳動を用いると、「前方」パルスの期間と大きさが平均的に逆方向のパルス、すなわち、「後方」パルスの期間と大きさよりも大きいので、被分析物の移動が「前方」方向に起こる。本開示のカセット、機器、システム、及び方法に適用される場合、その前方方向は核酸試料の関係では負電荷から離れる移動及び/又は正電荷へ向かう移動として定義され得る。本開示のカセット、機器、システム、及び方法の「正」と「負」の電極を説明するために使用される場合、「正」という用語はあらゆる特定の期間の時間にわたる平均的に正の純電荷を説明する。逆に、本開示のカセット、機器、システム、及び方法の「正」と「負」の電極を説明するために使用される場合、「負」という用語はあらゆる特定の期間の時間にわたる平均的に負の純電荷を説明する。
試料ウェルは複数の幾何学的配置を有し得る。試料ウェルの幾何学的配置は、ゲルマトリックス組成物によって占められていない空白空間を画定するために使用される試料ウェルインサートの幾何学的配置を反映する。好ましくは、本開示のそれらの試料ウェルは独特の「チムニー」形状を有する。一般的に、試料ウェルインサート又は試料コームは単純な長方形の形状を有し、その形状はゲル内部に単純な長方形の空白空間を形成する。したがって、そのようなゲルでは試料ウェルの最上部がそのゲルの最上部と同じ高さであり、カバーが適用された場合はそのウェルの最上部はそのカバーの底と同一平面であるか、又は同じ高さである。しかしながら、ある特定の状況下では、特にカバーが電気泳動カセット底部に取り付けられているとき、この試料ウェルの幾何学的配置はゲルの最上部とカバープレートの間の液体で充填される空間での試料の漏出を可能にする。この漏出が溶出チャンバー内での所望の画分の汚染混入を引き起こす。
そのチムニー幾何学的配置はゲルチムニーを支持し、試料の漏出を防ぎ、したがって、溶出チャンバー内での所望の画分の汚染混入を防ぐためにカバー、すなわち、試料ウェルポートの適合と併せて開発された。そのカバーの試料ウェルポートはその試料ウェルのゲルチムニーを支持するように適合する。
分取電気泳動の目的は物理的特質の点で異なる試料からの精密で正確な画分の分離であるので、本開示のカセットのチムニーウェルは優れた電気泳動を提供する。ある特定の状況では回収される画分と廃棄される画分との間の差は非常に微細である。ゲルとカバープレートの底との間の毛細管作用により継目に引き込まれた試料由来の無作為な被分析物との回収された画分の汚染混入が結果を著しく歪める。したがって、チムニーウェルは本開示の優れており、顕著な特徴を提供する。
本開示の電気泳動カセットとシステムは試料内のポリ核酸とポリペプチドの被分析物又は画分を分画、分析、及び回収する。
「試料」という用語はゲル電気泳動を用いて分離され得る複数の分子を説明する。「画分」という用語は試料内のそれらの複数の分子のうちの一部を説明する。画分はサイズによって定義又は決定される。あるいは、画分は電場の力によって本開示の緩衝液組成物を通って移動するように動かされると試料の他の成分又は画分よりも速い速度又は遅い速度で移動する原因となるあらゆる物理的特質(すなわち、電気泳動移動度)によって定義又は決定される。
例となる試料は、限定されないが、核酸、オリゴヌクレオチド、DNA分子、RNA分子、又はそれらのあらゆる組合せを含む。あるいは、又は加えて、試料は、限定されないが、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、又はそれらのあらゆる組合せを含む。例えば、試料は全細胞溶解液、又は細胞溶解液のDNA画分又はタンパク質画分である。
核酸はゲノムDNA、二本鎖DNA(dsDNA)、一本鎖DNA(ssDNA)、コーディングDNA(又はcDNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)、短鎖干渉RNA(siRNA)、短鎖ヘアピンRNA(shRNA)、マイクロRNA(miRNA)、一本鎖RNA、二本鎖RNA(dsRNA)、モルホリノ、RNA干渉(RNAi)分子、ミトコンドリア核酸、クロロプラスト核酸、ウイルスDNA、ウイルスRNA、及び個別の遺伝物質を有する他のオルガネラに由来する。さらに、試料は修飾された、合成の、又は非天然のヌクレオチド又は構造要素を含む核酸類似体、又は当技術分野において知られている他の代替的/修飾核酸化学を含む。核酸修飾の追加の例はイノシンなどの塩基類似体、インターカレーター(米国特許第4835263号明細書)及びマイナーグルーブ結合剤(米国特許第5801115号明細書)の使用を含む。核酸類似体及び当技術分野において知られている代替的/修飾核酸化学の他の例はCurrent Protocols in Nucleic Acid Chemistry、John Wiley & Sons、ニューヨーク(2002年)に記載されている。
PNAオリゴマーは本開示の例となる試料又は画分に含まれる。PNAオリゴマーはホスフェート骨格がペプチド様骨格で置換されているDNAの類似体である(Lagriffoul et al., Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 4: 1081-1082 (1994)、Petersen et al., Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 6: 793-796 (1996), Kumar et al., Organic Letters 3(9): 1269-1272 (2001)、国際公開第96/04000号パンフレット)。
ポリペプチド又はタンパク質は1つ以上の長い折りたたまれたポリペプチド鎖を含む複雑な三次元構造体である。ポリペプチド鎖は複数のアミノ酸と呼ばれる小さい化学単位から構成される。天然アミノ酸はL型立体配置を有する。合成ペプチドはL−アミノ酸、D−アミノ酸又はL−アミノ酸とD−アミノ酸の様々な組合せを使用して、従来的合成方法を用いて調製され得る。「ペプチド」という用語は2個以上のアミノ酸の組合せを説明する。天然アミノ酸はL型立体配置を有する。10個よりも少ないアミノ酸を有するペプチドは「オリゴペプチド」であり、一方でより大きな数のアミノ酸単位を含むペプチドは「ポリペプチド」である。「ポリペプチド」に対するあらゆる言及はオリゴペプチドをも含む。さらに、「ペプチド」に対するあらゆる言及はポリペプチドとオリゴペプチドを含む。アミノ酸の各々異なる配置が異なるポリペプチド鎖を形成する。
「核酸分子」という用語は、リボヌクレオシド(アデノシン、グアノシン、ウリジン、又はシチジン;「RNA分子」)又はデオキシリボヌクレオシド(デオキシアデノシン、デオキシグアノシン、デオキシチミジン、又はデオキシシチジン;「DNA分子」)又はそれらのあらゆるホスホエステル類似体、例えば、ホスホロチオエート及びチオエステルの一本鎖形状か二重鎖らせんのどちらかのホスフェートエステル重合性構造を説明する。核酸分子という用語、特にDNA分子又はRNA分子という用語はその分子の一次構造及び二次構造のみを指し、その分子をどの特定の三次構造にも限定しない。したがって、この用語は直鎖状又は環状のDNA分子(例えば、制限断片)、プラスミド、及び染色体に見られる二本鎖DNAを含む。「組換えDNA分子」は分子生物学的操作を受けたDNA分子である(Sambrook et al. Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press)。
所望により、試料は電気泳動システムへの導入前に正味の負電荷を付与し、ペプチド若しくはタンパク質を変性する試薬、又はDNA分子若しくはRNA分子を消化する試薬と混合される。これらの試薬は当技術分野において知られている。さらに、試料は検出目的のために試料又はその画分に対して蛍光特性、磁気特性又は放射能特性を付与する試薬と混合される。そのシステムの1つの実施形態ではdsDNA試料が臭化エチジウムと混合され、電気泳動カセットに導入され、且つ、超高輝度緑色LEDを使用してその試料の画分が検出される。
当技術分野において知られている全ての標準的、及び特殊な緩衝剤が試料及びそれらの画分と共に使用され、並びに本開示の電気泳動カセットを充填する緩衝液組成物を作製するために使用される。
ポリペプチドに関して、「天然体」という用語は非変性ポリペプチドを説明するものとする。本開示のポリペプチド(Polypepide)被分析物は天然体又は変性体である。
本開示の電気泳動システムは小型であり、自動化されている。これらのシステムは卓上又は実験台上での使用用に設計及び企図されている。さらに、これらのシステムの電気泳動カセットは使い捨てである。
システムは試料内のポリ核酸又はポリペプチドの被分析物又は画分を分画、検出、分析、及び回収する手段を有する少なくとも1つの電気泳動カセットを含む。
システムはそのシステムと独立していても、そのシステムに統合されていてもよい照明源を含む。例えば、その照明源はフィルターセット及び1つ以上の光ダイオードと組み合わせて高輝度発光ダイオード(LED)を使用する。
システムは試料又はその被分析物若しくは画分に由来する信号を検出する手段を有する検出モジュールを含む。例となる信号は、限定されないが、可視光、蛍光、磁場、及び放射活性を含む。検出モジュールは電気泳動カセットの分離チャネルの検出領域に配置される。
本開示の電気泳動システムの検出モジュールはマイクロプロセッサー制御システムに連結され、所望により照明源を含む。そのマイクロプロセッサー制御システムは分離チャネルを通して試料、又はその被分析物若しくは画分を移動させるために分離ステップ時に少なくとも1つの負の分離電極と少なくとも1つの正の分離電極を差動的に導通化する電圧切換え方式を制御する手段を有するマイクロプロセッサー、ソフトウェア、及び一組の継電器を含む。その電圧切換え方式は、分離チャネルに対する直交方向又は垂直方向に沿って試料、又はその被分析物若しくは画分を移動させるため、したがって、その試料、又はその被分析物若しくは画分をそのカセットの溶出モジュールの中に移動させるために溶出ステップ時に少なくとも1つの負の溶出電極と少なくとも1つの正の溶出電極も差動的に導通化する。そのシステムが分離電極を導通化するとき、そのシステムはそのカセットの全ての溶出電極を非導通化する、又はそれらの溶出電極の導通化を遅らせる。そのシステムが溶出電極を導通化するとき、そのシステムは所望によりそのカセットの1つ以上の分離電極を非導通化してよい。
独立したコンピューター(例えば、分離したラップトップコンピューター、デスクトップコンピューター、又はベンチトップコンピューター)が組込み型マイクロプロセッサーの使用に代わり得る。本開示の電気泳動システムを制御するための例となるソフトウェアが組込み型マイクロプロセッサーか独立したコンピューターのどちらかと使用されるために開発されている。
システムは一体型電源又は分離電源を更に含む。
本開示の電気泳動カセットとシステムのある特定の実施形態では使用中にそのシステムが配置される面(デスクトップ又はテーブル)に関してそのカセットの分離チャネルが水平に配置されるか、又は平行に方向づけられる。あるいは、使用中にそのシステムが配置される面(デスクトップ又はテーブル)に関してそのカセットの分離チャネルが垂直に配置されるか、又は垂直に方向づけられるようにそのシステムは構成される。
実施例1:分取電気泳動による複合タンパク質試料の同時サイズ分画
タンパク質試料は45μLのマウス脳溶解液(SDS−PAGE負荷緩衝液、Rockland社カタログ番号W10−000−T004中に1μg/μlのタンパク質)を含んだ。そのタンパク質試料を5μLの負荷溶液(負荷溶液は7.5(重量/体積)%のフィコール400、0.5%のSDS、12mMのDTT、0.45×KBB緩衝液(1×KBB緩衝液は102mMのトリスベース、57.6mMのTAPS酸、0.96mMのEDTA酸、pH8.7である)である)と混合し、負荷前に5分間で85℃まで加熱した。電気泳動追跡染料であるブロモフェノールブルーを供給業者により提供された溶解液調剤に含めた。
0.5×KBB緩衝液中の3%低融点アガロース(Metaphorアガロース、Lonza番号50184)を用いてゲルマトリックス組成物を調製した。ゲル鋳込前に融解した3%アガロース混合物を60℃に平衡化した。分離チャネルに対して近位側の溶出モジュールの側面に被分析物透過性障壁(親水性PVDF無菌フィルター膜(Durapore、0.45μmの孔径、EMD−Millipore社))を用い、分離チャネルに対して遠位側の溶出モジュールの側面(例えば、溶出モジュールの反対の側面)に被分析物非透過性障壁(PES限外濾過膜(Biomax、10,000kDカットオフ、Millipore社))を用いて溶出モジュールストリップを調製した。両方の膜をそれらの溶出モジュールストリップに加熱固定した。負の溶出容器と正の溶出容器(図9)の各々の内部にインサートを配置してゲル鋳込時に融解したアガロースがこれらの空間に進入することを防止した。分離チャネルに対して近位側の溶出モジュールストリップの側面上の被分析物透過性膜はアガロースが溶出モジュールのうちの何れかの中に流れることを防止する。
分離チャネル内に試料ウェルインサートを配置した。具体的には、第一スロットが第一緩衝液容器に対して近位に位置し、第六スロットが第一緩衝液容器に対して遠位に位置する中で(図9)試料ウェルインサートを第三「スロット」に配置した。試料ウェルインサートを保持するためのスロットは分離チャネルのどちらの側面にも空腔又は陥凹を含む。第一緩衝液容器が第二緩衝液容器の「上」になるように(例えば、図1〜3)方向づけられている分離チャネルを見ると、試料ウェルインサートを保持するための各スロットの左と右の空腔又は陥凹は水平方向に並置されている。
第一緩衝液容器、分離チャネル、及び第二緩衝液容器を完全に充填するようにアガロースゲルマトリックス組成物をそのカセットに注ぎ込んだ。その液体混合物に室温、35分間でゲルを形成させた後で試料ウェルインサート、負の溶出容器インサート、及び正の溶出容器インサートを取り外した。第一緩衝液容器と第二緩衝液容器の体積を満たすアガロースプラグを分離チャネルの体積を満たすゲルから切り取り、そのカセットから除去した。0.1(重量/体積)%のSDSを含有する0.5×KBB緩衝液で第一緩衝液容器、負の溶出容器、正の溶出容器及び第二緩衝液容器を充填した。
第一緩衝液容器と第二緩衝液容器の内部にプラチナ電極を配置した。より具体的には負の分離電極を第一緩衝液容器の内部に配置し、正の分離電極を第二緩衝液容器の内部に配置した。試料無しで負の分離電極と正の分離電極を5分間90VのDCで導通化することによりそのカセットを「予備電気泳動」して第一緩衝液容器のSDSが試料ウェルを通過するようにさせた。電圧のスイッチを切り、試料を試料ウェルに負荷した。ブロモフェノールブルー染料が分離チャネルと第二緩衝液容器の間の境界に達するまで分離電気泳動を90VのDCで実施した。負の分離電極と正の分離電極を取り外した。12ピンプラチナ電極アレイを負の溶出容器と正の溶出容器の各々に挿入した。具体的には12ピン陰極アレイを負の溶出容器に挿入し、12ピン陽極アレイを正の溶出容器に挿入した。溶出電気泳動用の溶出電極アレイを使用し、90Vで12分間の印加電圧を用いて分離チャネルから溶出モジュールストリップの溶出モジュールに試料を溶出した。標準的な調節可能ピペッターを使用して溶出された試料を溶出モジュールから取り出し、SDS−PAGE濃度勾配ゲル(MES緩衝液を使用する4〜12%のNuPAGEビス−トリスゲル、Invitrogen/Life Technologies社)により分析し、続いて銀染色した(BioRadシルバーステイン・プラス・キット、カタログ番号161−0449)。
図11から理解できるように、溶出ウェル2から9に由来する試料は投入溶菌液試料(レーン2)内の異なっており、且つ、部分的に重なり合っているタンパク質被分析物の部分集合を示した。連続する溶出モジュールの位置毎に溶出画分の平均サイズが低下した。小さなSDSタンパク質ほど高い電気泳動移動度を有し、したがって、電気泳動時に小さなSDSタンパク質ほどより大きなSDS−タンパク質よりも試料ウェルから遠くに移動し、それによってより大きなSDSタンパク質が達する位置よりも遠い試料ウェルから位置にある溶出モジュールに達するので、この結果は予測されるものであった。
実施例2:複合DNA試料のサイズ分画
図9に示されているデザインのゲルカセットを次の例外と共に実施例1において説明されたように準備した。ゲルマトリックス組成物は2%の低融点アガロース(SeaPlaqueアガロース、Lonza社)を含み、ゲルマトリックス組成物、第一緩衝液容器と第二緩衝液容器及び負の溶出容器と正の溶出容器は2μg/mlの臭化エチジウムと共に0.5×KBBを含有する緩衝液組成物を含んだ。ゲルマトリックス組成物にも緩衝液組成物にもSDSを使用しなかった。投入DNA試料は制限酵素消化大腸菌ゲノムDNA(HinfI及びMspIで完全に消化された5μgのDNA、New England Biolabs社)を含んだ。分離電気泳動を87VのDCで90分間実施した。分離電気泳動後に図12に示されているようにUV光下でそのカセットを写真撮影した。図12は、分離相電気泳動時にゲノムDNA試料が分離チャネル内で中央に寄せられたままでいることを示している。写真撮影後に分離電極をそのカセットから取り外し、2つの12ピンプラチナ溶出電極アレイを負の溶出容器と正の溶出容器の内部に配置した。具体的には12ピン陰極アレイを負の溶出容器に挿入し、12ピン陽極アレイを正の溶出容器に挿入した。溶出電気泳動を87VのDVで7分間実施した。標準的な手動ピペッターを使用して溶出モジュールストリップの各溶出モジュールから溶出されたDNAを取り出した。投入制限消化画分のアリコットと溶出画分をキャピラリー電気泳動(Agilent Bioanalyzer 2100)により分析した。キャピラリー電気泳動の結果が図13及び14に示されている。産出物のサイズは50塩基対(bp)(溶出モジュール番号12)から約600bp(溶出モジュール番号1)の範囲であった(図13)。収率は図14の電気泳動図からほとんどの画分について25〜40%の範囲であると推定された。
他の実施態様
本発明をこれまでその具体的な記載に即して説明してきたが、上述の説明はあくまでも例示を意図したものであり、本開示の範囲を制限することを意図したものではない。他の側面、利点、及び改変も、本開示の範囲内に存する。
本明細書内で引用される特許文献及び科学文献は、当業者が利用しうる知識を構成する。本明細書内で引用される米国特許及び開示及び未開示の米国特許出願は援用により本明細書に組み込まれる。本明細書内で引用される外国の特許及び特許出願は援用により本明細書に組み込まれる。本明細書内で引用される他のすべての公開された引例、文献、原稿、及び科学論文は援用により本明細書に組み込まれる。
本開示を特にその好ましい態様に言及しながら提示及び記載してきたが、当業者であれば認識するように、本開示の範囲を逸脱すること無く、形式及び詳細に対して種々の変更を加えることが可能である。

Claims (19)

  1. 天板(top plate)及び底板(bottom plate)を含む電気泳動カセットであって、
    前記天板が、少なくとも1つのマクロ流体分離チャネル(macrofluidic separation channel)と、前記マクロ流体分離チャネルの第1の側に配置された、正の溶出チャネルの部分を構成する開口(opening)、空腔(cavity)、又は陥凹(recess)のうち少なくとも1つと、前記マクロ流体分離チャネルの第2の側に配置された、負の溶出チャネルの部分を構成する開口、空腔、又は陥凹のうち少なくとも1つと、前記マクロ流体分離チャネルと前記正の溶出チャネルとの間に配置された、少なくとも1つの溶出モジュールとを含み、
    前記天板と前記底板とが互いに接触又は接着されてなる、カセット。
  2. 前記底板が、前記正の溶出チャネルの部分に対応する開口、空腔、又は陥凹のうち少なくとも1つと、前記負の溶出チャネルの部分に対応する開口、空腔、又は陥凹のうち少なくとも1つと、前記少なくとも1つの溶出モジュールに対応する開口、空腔、又は陥凹のうち少なくとも1つとを含む、請求項1に記載のカセット。
  3. 前記天板と前記底板との接触又は接着により、少なくとも1つの正の溶出チャネル及び少なくとも1つの負の溶出チャネルが形成されてなる、請求項2に記載のカセット。
  4. 前記溶出モジュールが、
    固相底面(solid bottom surface)と、溶出ポートを含む上面(top surface)と、各々正の溶出チャネル又は負の溶出チャネルに対応する開口、空腔、又は陥凹のうち少なくとも1つを有する二つの側面(side surfaces)とを有する四面構造(four-sided structure)、並びに、
    前記構造の少なくとも1つの面に接触する被分析物非透過性膜(analyte-impermeable membrane)
    を含む、請求項1に記載のカセット。
  5. 前記2つの側面が、上面近傍のより広い形状から底面近傍のより狭い形状へと先細りしてなる、請求項4に記載のカセット。
  6. 前記被分析物非透過性膜が、少なくとも1つの正の溶出チャネルに隣接する前記構造の側面に接触又は接着されてなる、請求項4に記載のカセット。
  7. 前記溶出モジュールが、被分析物透過性膜(analyte-permeable membrane)を更に含む、請求項4に記載のカセット。
  8. 前記被分析物透過性膜が、少なくとも1つの負の溶出チャネルに隣接する前記構造の側面に接触又は接着されてなる、請求項7に記載のカセット。
  9. 前記溶出モジュールが、前記天板に可逆的に(in a reversible manner)接触又は接着されてなる、請求項1に記載のカセット。
  10. 前記底板が、前記少なくとも1つの溶出モジュールに対応する少なくとも1つの切欠き(notch)を更に含む、請求項1に記載のカセット。
  11. 前記切欠きが、1つの底面と2つの側面とを有する三面構造(three-sided structure) を含む、請求項10に記載のカセット。
  12. 2つの側面が、前記溶出モジュールチャネルの開口、空腔、又は陥凹の何れも被覆しない、請求項11に記載のカセット。
  13. 前記天板と前記底板との接触又は接着により、前記天板の少なくとも1つの溶出モジュールが、前記底板の少なくとも1つの対応する切欠きに挿入されてなる、請求項10に記載のカセット。
  14. 前記底板が、前記溶出モジュールチャネルの開口、空腔、又は陥凹の少なくとも1つに対応する、一連の窓部(a series of windows)を含む少なくとも1つの隔壁(divider)を更に含み、ここで各窓部が、負の溶出チャネルの少なくとも1つ及び正の溶出チャネルの少なくとも1つに沿って配置される、請求項1に記載のカセット。
  15. 前記溶出モジュールが、少なくとも1つの溶出チャンバー及び少なくとも1つの溶出ポートを含む、請求項1に記載のカセット。
  16. 前記天板が、少なくとも1つの正の溶出電極チャネル及び少なくとも1つの負の溶出電極チャネルを更に含む、請求項1に記載のカセット。
  17. 前記少なくとも1つの正の溶出電極チャネルが、少なくとも1つの正の溶出チャネルの体積を占め(occupies a volume of)、前記少なくとも1つの負の溶出電極チャネルが、少なくとも1つの負の溶出チャネルの体積を占める、請求項16に記載のカセット。
  18. 電気泳動カセットと、電極アレイと、負の溶出電極及び正の溶出電極のうち少なくとも1つと、プロセッサーと、電源モジュールを含む電気泳動システムであって、
    前記電気泳動カセットが、天板及び底板を含み、
    前記天板が、少なくとも1つのマクロ流体分離チャネルと、前記マクロ流体分離チャネルの第1の側に配置された、正の溶出チャネルの部分を構成する開口、空腔、又は陥凹のうち少なくとも1つと、前記マクロ流体分離チャネルの第2の側に配置された、負の溶出チャネルの部分を構成する開口、空腔、又は陥凹のうち少なくとも1つと、前記マクロ流体分離チャネルと前記正の溶出チャネルとの間に配置された、少なくとも1つの溶出モジュールとを含み、
    前記天板と前記底板とが互いに接触又は接着されてなると共に、
    前記電極アレイが、負の分離電極及び正の分離電極の対を含み、
    前記負の分離電極が、前記分離チャネルの第一の端部の第一の緩衝剤容器に対応する前記天板の外表面のポートと並置され(aligned with)、
    前記正の分離電極が、前記分離チャネルの第二の端部の第二の緩衝剤容器に対応する前記天板の外表面のポートと並置され、
    前記分離チャネルの第一の端部が、少なくとも1つの試料ウェルの近位に配置され、
    前記負の溶出電極が、少なくとも1つの負の溶出チャネルの体積を占める前記天板の外表面の溶出電極チャネルと並置され、
    前記正の溶出電極が、少なくとも1つの正の溶出チャネルの体積を占める前記天板の外表面の溶出電極チャネルと並置され、
    前記プロセッサーが、分離電気泳動時には少なくとも1対の正及び負の分離電極に対する通電を許可する一方、溶出電気泳動時には少なくとも1対の正及び負の分離電極に対する通電を遮断すると共に、少なくとも1対の正及び負の溶出電極に対する通電を許可するように構成され、
    前記電源モジュールが、前記プロセッサーと前記の少なくとも1対の正及び負の分離電極又は少なくとも1対の正及び負の溶出電極とのうち少なくとも1つに電力を供給する電源及び中継器の少なくとも1つを含む、システム。
  19. 試料中の被分析物を分画する方法であって、
    請求項18に記載のシステムを供し、ここで前記カセットは、少なくとも1つの緩衝剤容器の体積を占める緩衝剤容器インサートと、試料ポートのうち少なくとも1つと並置された分離チャネルの体積を占める試料ウェルインサートと、前記底板の外表面の開口を含む注入ポートとのうち少なくとも1つを更に含み、ここで前記システムは、前記カセットを受容する装置を更に含み、
    前記注入ポートを通じてゲルマトリックス組成物を挿入し、
    前記ゲルマトリックス組成物を凝固させ、ここで前記ゲルマトリックス組成物は液体から固体に転換し得るものであり、
    前記の緩衝剤容器インサート及び試料ウェルインサートを除去し、これにより試料ウェルが形成され、
    少なくとも1つの緩衝剤容器及び少なくとも1対の正及び負の溶出チャネルに緩衝剤組成物を充填し、
    前記電気泳動カセットを前記装置に挿入し、
    分離電気泳動時に前記の少なくとも1対の正及び負の分離電極に対する導通を選択的に許容するよう前記システムのプロセッサーをプログラムし、
    溶出電気泳動時に前記の少なくとも1対の正及び負の分離電極に対する導通を選択的に遮断すると共に、少なくとも1対の正及び負の溶出電極に対する導通を選択的に許容するよう前記システムのプロセッサーをプログラムし、
    前記試料を前記試料ウェルに導入し、
    分離電気泳動時に前記電気泳動カセットに対して電圧を印加し、
    溶出電気泳動時に前記電気泳動カセットに対して電圧を印加し、
    前記少なくとも1つの溶出モジュールにおいて、所望の電気泳動移動度を有する試料の被分析物を収集することにより、試料中の分析物を分画することを含む、方法。
JP2015536902A 2012-10-12 2013-10-10 側方溶出型分子分画装置 Active JP6141989B2 (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201261713156P 2012-10-12 2012-10-12
US61/713,156 2012-10-12
US201261713916P 2012-10-15 2012-10-15
US61/713,916 2012-10-15
US201361766910P 2013-02-20 2013-02-20
US61/766,910 2013-02-20
PCT/US2013/064403 WO2014059188A1 (en) 2012-10-12 2013-10-10 Side-eluting molecular fractionator

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2015533220A JP2015533220A (ja) 2015-11-19
JP2015533220A5 JP2015533220A5 (ja) 2016-11-24
JP6141989B2 true JP6141989B2 (ja) 2017-06-07

Family

ID=49484483

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015536902A Active JP6141989B2 (ja) 2012-10-12 2013-10-10 側方溶出型分子分画装置

Country Status (6)

Country Link
US (2) US9599590B2 (ja)
EP (1) EP2906935B1 (ja)
JP (1) JP6141989B2 (ja)
AU (2) AU2013329110B2 (ja)
CA (1) CA2887341C (ja)
WO (1) WO2014059188A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10876662B2 (en) 2017-03-15 2020-12-29 Novelis Inc. Corrugated heat protection tube and methods of making the same

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9599590B2 (en) * 2012-10-12 2017-03-21 Sage Science, Inc. Side-eluting molecular fractionator
CA2964487C (en) 2014-10-15 2024-03-19 Sage Science, Inc. Apparatuses, methods and systems for automated processing of nucleic acids and electrophoretic sample preparation
JP6744302B2 (ja) * 2014-11-03 2020-08-19 ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション ミクロ流体装置における粒子の分類
JP5952446B1 (ja) 2015-02-24 2016-07-13 シャープ株式会社 転写膜保持器具及び分離転写装置
CA3005895A1 (en) * 2015-11-20 2017-05-26 Washington University Preparative electrophoretic method for targeted purification of genomic dna fragments
CN116083530A (zh) * 2016-01-29 2023-05-09 普瑞珍生物***公司 用于核酸纯化的等速电泳
US10010883B2 (en) * 2016-09-20 2018-07-03 International Business Machines Corporation Deterministic lateral displacement arrays
JP2019534698A (ja) * 2016-10-04 2019-12-05 セージ サイエンス, インコーポレイテッド 核酸の自動処理のための装置、方法およびシステムならびに電気泳動試料調製
WO2018187779A1 (en) 2017-04-07 2018-10-11 Sage Science, Inc. Systems and methods for detection of genetic structural variation using integrated electrophoretic dna purification
SG11202000871WA (en) 2017-08-02 2020-02-27 Purigen Biosystems Inc Systems, devices, and methods for isotachophoresis
CN111742216A (zh) * 2018-01-05 2020-10-02 塞奇科学股份有限公司 半自动化研究仪器***
KR20210057730A (ko) 2018-08-09 2021-05-21 주노 쎄러퓨티크스 인코퍼레이티드 조작 세포 및 이의 조성물 생성 방법
EP3833759A1 (en) 2018-08-09 2021-06-16 Juno Therapeutics, Inc. Methods for assessing integrated nucleic acids
CN115768443A (zh) 2020-02-12 2023-03-07 朱诺治疗学股份有限公司 Cd19定向嵌合抗原受体t细胞组合物和方法及其用途
BR112022015968A2 (pt) 2020-02-12 2022-10-11 Juno Therapeutics Inc Composições de células t do receptor de antígeno quimérico direcionado a bcma e métodos e usos das mesmas

Family Cites Families (112)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3407133A (en) 1965-06-18 1968-10-22 Baxter Laboratories Inc Expendable electrophoresis apparatus
US3533933A (en) 1967-03-31 1970-10-13 Hannig Kurt Process and device for the isolation of fractions of a substance mixture electrophoretically separated in a carrier gel
US3616454A (en) 1969-03-13 1971-10-26 Univ New York Method of and apparatus for electrophoretic separation in a gel column
US3980546A (en) 1975-06-27 1976-09-14 Caccavo Francis A Micropreparative electrophoresis apparatus
DE2716095A1 (de) 1977-04-12 1978-10-19 Zoeld Tibor Dr Phys Gasgesteuertes verfahren zum sortieren von in einem elektrolyten suspendierten teilchen und vorrichtung zur durchfuehrung des verfahrens
US4315812A (en) 1980-05-28 1982-02-16 Karlson Eskil L Apparatus for continuous electrochromatographic separation
JPS57161638A (en) 1981-03-31 1982-10-05 Shimadzu Corp Method for atomic absorption analysis
US4375401A (en) 1981-05-20 1983-03-01 Nicholas Catsimpoolas Electrophoresis system
US4695548A (en) 1982-11-18 1987-09-22 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Gel inserts useful in electrophoresis
FR2540122B1 (fr) 1983-01-27 1985-11-29 Centre Nat Rech Scient Nouveaux composes comportant une sequence d'oligonucleotide liee a un agent d'intercalation, leur procede de synthese et leur application
DE3337669C2 (de) 1983-10-17 1989-09-21 Carl Schleicher & Schuell Gmbh & Co Kg, 3352 Einbeck Gerät zur Elektroelution elektrisch geladener Makromoleküle
DE3337668C2 (de) 1983-10-17 1985-12-05 Carl Schleicher & Schuell Gmbh & Co Kg, 3352 Einbeck Verfahren zur Elektroelution elektrisch geladener Makromoleküle
US4545888A (en) 1984-04-06 1985-10-08 Walsh J William Apparatus for electrophoretic recovery of nucleic acids and other substances
FR2568485B1 (fr) 1984-08-06 1990-03-23 Rhone Poulenc Rech Appareil de fractionnement par electrophorese de solutions contenant des proteines, utilisable notamment pour le fractionnement du plasma humain
US4707233A (en) 1985-04-29 1987-11-17 Gradiant Pty Limited Device for extraction of electrophoretic fractions
IL78703A (en) 1985-05-10 1993-02-21 Benzon Alfred Method of producing extracellular enzymes, the enzymes produced thereby and compositions containing them; a hybrid plasmid and a dna fragment comprising dna encoding the enzymes; a microorganism harbouring the plasmid; and a method for removing nucleic acids from biological materials
JPS62239047A (ja) 1986-04-11 1987-10-19 Hitachi Ltd 核酸塩基配列決定装置
US4708782A (en) 1986-09-15 1987-11-24 Sepragen Corporation Chromatography column-electrophoresis system
US4900677A (en) 1986-09-26 1990-02-13 E. I. Du Pont De Nemours And Company Process for rapid isolation of high molecular weight DNA
EP0334615B1 (en) 1988-03-22 1994-11-17 Erik Nieman Electrophoresis apparatus
DE3829111A1 (de) 1988-08-27 1990-03-01 Hoechst Ag Verfahren und vorrichtung zum elektrophoretischen trennen, reinigen und anreichern von geladenen oder polarisierbaren makromolekuelen
US4834862A (en) * 1988-09-12 1989-05-30 Duke University Ampholyte separation method and apparatus
US5169511A (en) 1988-11-29 1992-12-08 Isco, Inc. Capillary electrophoresis technique
EP0382426A3 (en) 1989-02-06 1992-03-25 Applied Biosystems, Inc. Micro-preparative electrophoresis apparatus
US5062942A (en) 1989-04-12 1991-11-05 Hitachi, Ltd. Fluorescence detection type electrophoresis apparatus
US6808609B1 (en) 1990-02-28 2004-10-26 Aclara Biosciences, Inc. Device and method for moving charged particles
US5217591A (en) 1990-05-14 1993-06-08 Labintelligence, Inc. Gel electrophoresis sample applicator/retriever
US5605662A (en) 1993-11-01 1997-02-25 Nanogen, Inc. Active programmable electronic devices for molecular biological analysis and diagnostics
US5443704A (en) 1991-12-31 1995-08-22 Fmc Corporation Electrophoresis gel container assemblies
US5242568A (en) * 1992-01-14 1993-09-07 Fotodyne Incorporated Electrophoresis apparatus
WO1993016788A1 (en) 1992-02-25 1993-09-02 Peter Andersen Process for electroelution of a gel containing separated charged macromolecules, such as proteins or dna/rna, and an apparatus and means for use in the process
US5304487A (en) 1992-05-01 1994-04-19 Trustees Of The University Of Pennsylvania Fluid handling in mesoscale analytical devices
US5433837A (en) 1993-08-27 1995-07-18 E. I. Du Pont De Nemours And Company Gel cassette for enhanced electrophoretic separation and processes for the preparation thereof
US5384022A (en) 1993-09-08 1995-01-24 Cornell Research Foundation, Inc. Method and apparatus for electrophoretic DNA band isolation
US6306348B1 (en) 1993-11-01 2001-10-23 Nanogen, Inc. Inorganic permeation layer for micro-electric device
US6319472B1 (en) 1993-11-01 2001-11-20 Nanogen, Inc. System including functionally separated regions in electrophoretic system
DE59410283D1 (de) 1993-11-11 2003-06-18 Aclara Biosciences Inc Vorrichtung und Verfahren zur elektrophoretischen Trennung von fluiden Substanzgemischen
US5457050A (en) 1993-11-30 1995-10-10 Board Of Regents, The University Of Texas System Agarose plug mold and processing chamber
US5705333A (en) 1994-08-05 1998-01-06 The Regents Of The University Of California Peptide-based nucleic acid mimics(PENAMS)
US5538614A (en) 1994-08-17 1996-07-23 Han; Dawn D. Macromolecule recovery cassette
EP0805974A1 (en) 1995-01-23 1997-11-12 Anthony J. Murray Analysis of biological molecules
JP3581447B2 (ja) 1995-08-22 2004-10-27 三菱電機株式会社 高耐圧半導体装置
US5804684A (en) 1995-08-24 1998-09-08 The Theobald Smith Research Institute, Inc. Method for isolating nucleic acids
US5801115A (en) 1995-09-05 1998-09-01 Kataleuna Gmbh Catalyst composition and methods for using and preparing same
US5717602A (en) 1996-02-05 1998-02-10 Kenning; Gregory G. Automated electrophoresis and analysis system
US6387707B1 (en) 1996-04-25 2002-05-14 Bioarray Solutions Array Cytometry
US5800690A (en) 1996-07-03 1998-09-01 Caliper Technologies Corporation Variable control of electroosmotic and/or electrophoretic forces within a fluid-containing structure via electrical forces
US5707812A (en) 1996-08-06 1998-01-13 Vical Incorporated Purification of plasmid DNA during column chromatography
US6221654B1 (en) 1996-09-25 2001-04-24 California Institute Of Technology Method and apparatus for analysis and sorting of polynucleotides based on size
US6120666A (en) 1996-09-26 2000-09-19 Ut-Battelle, Llc Microfabricated device and method for multiplexed electrokinetic focusing of fluid streams and a transport cytometry method using same
US5827418A (en) 1996-10-11 1998-10-27 Hoefer Pharmacia Biotech, Inc. Electrophoresis cassette
EP1044370B1 (en) 1997-12-30 2017-08-23 Caliper Life Sciences, Inc. Software for the display of chromatographic separation data
SE9800360D0 (sv) 1998-02-06 1998-02-06 Goeteborg University Science I Method, apparatus and flow cell for high sensitivity detection of fluorescent molecules
US6369893B1 (en) 1998-05-19 2002-04-09 Cepheid Multi-channel optical detection system
US6366924B1 (en) 1998-07-27 2002-04-02 Caliper Technologies Corp. Distributed database for analytical instruments
US8367322B2 (en) 1999-01-06 2013-02-05 Cornell Research Foundation, Inc. Accelerating identification of single nucleotide polymorphisms and alignment of clones in genomic sequencing
JP2000224980A (ja) 1999-02-05 2000-08-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 細菌濃縮装置
US6171466B1 (en) 1999-03-29 2001-01-09 Percy H. Rhodes Method and apparatus for electrophoretic focusing
US6290831B1 (en) 1999-08-30 2001-09-18 Integrated Genetic Devices, Ltd. Electrophoretic system for real time detection of multiple electrophoresed biopolymers
US6867851B2 (en) 1999-11-04 2005-03-15 Regents Of The University Of Minnesota Scanning of biological samples
DE10031028B4 (de) 2000-06-26 2008-09-04 Gnothis Holding Sa Verfahren zur Selektion von Partikeln
US6562213B1 (en) 2000-08-30 2003-05-13 Ethrog Biotechnology Ltd. Electrophoresis apparatus for simultaneous loading of multiple samples
JP2004510170A (ja) * 2000-10-06 2004-04-02 グラディポア リミテッド マルチポート型分離装置および方法
WO2002030562A1 (en) 2000-10-10 2002-04-18 Aviva Biosciences Corporation An integrated biochip system for sample preparation and analysis
EP1211510A1 (en) 2000-11-29 2002-06-05 Proteologics, Inc. Methods and apparatus for nonlinear mobility electrophoresis separation
JP2002310992A (ja) * 2001-04-17 2002-10-23 Hitachi Electronics Eng Co Ltd マイクロチップおよびマイクロチップ電気泳動装置
JP4423810B2 (ja) 2001-04-27 2010-03-03 株式会社島津製作所 電気泳動装置
ATE367205T1 (de) 2001-05-02 2007-08-15 Applera Corp Konzentration und reinigung von analyten mit elektrischen feldern
GB0128350D0 (en) 2001-11-27 2002-01-16 Lab901 Ltd Non-rigid apparatus for microfluidic applications
WO2003084629A2 (en) 2002-04-02 2003-10-16 Caliper Life Sciences, Inc. Methods and apparatus for separation and isolation of components from a biological sample
FI20020746A (fi) 2002-04-18 2003-10-19 Finnzymes Oy Menetelmä ja materiaalit polypeptidien deleetiojohdannaisten tuottamiseksi
US6887668B2 (en) 2002-04-19 2005-05-03 Beckman Coulter, Inc. Nucleic acid separation and detection by electrophoresis with a counter-migrating high-affinity intercalating dye
US20070286773A1 (en) 2002-05-16 2007-12-13 Micronit Microfluidics B.V. Microfluidic Device
GB0215779D0 (en) 2002-07-08 2002-08-14 Deltadot Ltd Material separation device
US20040011650A1 (en) 2002-07-22 2004-01-22 Frederic Zenhausern Method and apparatus for manipulating polarizable analytes via dielectrophoresis
US6919571B2 (en) 2002-09-04 2005-07-19 Industrial Technology Research Institute Micro fluorescent electrophoresis detection system
AU2003299553A1 (en) 2002-10-23 2004-05-13 The Trustees Of Princeton University Method for continuous particle separation using obstacle arrays asymmetrically aligned to fields
US7108775B2 (en) 2002-11-08 2006-09-19 Applera Corporation Apparatus and method for confining eluted samples in electrophoresis systems
US7198703B2 (en) * 2003-06-17 2007-04-03 Invitrogen Corporation Chamber-forming electrophoresis cassette cover
JP4254499B2 (ja) 2003-11-18 2009-04-15 株式会社島津製作所 質量分析用マイクロチップおよびこれを用いた質量分析装置
WO2005089910A1 (en) 2004-03-17 2005-09-29 Ciphergen Biosystems, Inc. Multi-compartment filter and method of filtering using same
WO2005093388A1 (en) 2004-03-26 2005-10-06 Infectio Recherche Inc. Removable microfluidic flow cell
WO2006031385A2 (en) 2004-08-24 2006-03-23 The General Hospital Corporation Particle separating devices, systems and methods
US20060193752A1 (en) 2005-02-25 2006-08-31 Levine Leanna M Microvolume flowcell apparatus
US20070196820A1 (en) 2005-04-05 2007-08-23 Ravi Kapur Devices and methods for enrichment and alteration of cells and other particles
US20060223178A1 (en) 2005-04-05 2006-10-05 Tom Barber Devices and methods for magnetic enrichment of cells and other particles
WO2007106832A2 (en) 2006-03-13 2007-09-20 Sage Science, Inc. Multifunctional electrophoresis cassette
KR100661482B1 (ko) 2006-04-03 2006-12-27 전남대학교산학협력단 Dna 정제를 위한 수집홈을 갖는 전기영동장치
EP2019587B1 (en) 2006-05-03 2010-08-25 The Regents of the University of California Detection of protease and protease activity using a single nanocrescent sers probe
US7735652B2 (en) 2006-06-01 2010-06-15 The Trustees Of Princeton University Apparatus and method for continuous particle separation
US8137912B2 (en) 2006-06-14 2012-03-20 The General Hospital Corporation Methods for the diagnosis of fetal abnormalities
WO2008016644A1 (en) 2006-08-01 2008-02-07 Applera Corporation Detection of analytes and nucleic acids
JP2010502962A (ja) 2006-08-31 2010-01-28 ライフ テクノロジーズ コーポレーション 電気泳動ゲルから生体分子を単離し、かつ収集する方法、カセット、ゲル及び装置
WO2008041718A1 (fr) 2006-10-04 2008-04-10 National University Corporation Hokkaido University Micropuce, et dispositif d'électrophorèse de micropuce
CA2666019A1 (en) 2006-10-11 2008-04-24 Her Majesty The Queen In Right Of Canada, As Represented By The Ministerof The Province Of Nova Scotia, The Nova Scotia Agricultural College (Nsac) Proteins involved in after-cooking darkening in potatoes
WO2008131035A2 (en) 2007-04-16 2008-10-30 Cellpoint Diagnotics, Inc. Methods for diagnosing, prognosing, or theranosing a condition using rare cells
DE102008020428B3 (de) * 2008-04-24 2009-07-16 Johannes-Gutenberg-Universität Mainz Vorrichtung und Verfahren und Gelsystem zur analytischen und präparativen Elektrophorese
JP5795255B2 (ja) 2008-07-18 2015-10-14 キヤノン ユー.エス. ライフ サイエンシズ, インコーポレイテッドCanon U.S. Life Sciences, Inc. 微小流体dna試料調製のための方法およびシステム
EP3196642A1 (en) 2008-07-24 2017-07-26 The Trustees of Princeton University Bump array device having asymmetric gaps for segregation of particles
US8361298B2 (en) 2008-10-08 2013-01-29 Sage Science, Inc. Multichannel preparative electrophoresis system
US8361299B2 (en) 2008-10-08 2013-01-29 Sage Science, Inc. Multichannel preparative electrophoresis system
PL2963709T3 (pl) 2008-10-24 2017-11-30 Epicentre Technologies Corporation Kompozycje końców transpozonu i sposoby modyfikacji kwasów nukleinowych
CN102268426B (zh) 2010-06-03 2013-06-05 中国科学院成都生物研究所 一种从环境样品中提取高分子量基因组dna的方法
WO2012171329A1 (zh) * 2011-06-15 2012-12-20 Du Quan 一种核酸分离的方法及其应用
EP2739394A2 (en) 2011-08-04 2014-06-11 Sage Science, Inc. Microfluidic systems and methods for processing fluids
US10801017B2 (en) 2011-11-30 2020-10-13 The Broad Institute, Inc. Nucleotide-specific recognition sequences for designer TAL effectors
US9599590B2 (en) 2012-10-12 2017-03-21 Sage Science, Inc. Side-eluting molecular fractionator
WO2014186819A1 (en) 2013-05-20 2014-11-27 Nusep Holdings Limited Process for forming polyacrylamide membranes
CA2964487C (en) 2014-10-15 2024-03-19 Sage Science, Inc. Apparatuses, methods and systems for automated processing of nucleic acids and electrophoretic sample preparation
US20170239658A1 (en) 2014-10-16 2017-08-24 Ezra S. Abrams Methods and systems for controlling the shear modulus of genomic length dsdna molecules
CA3005895A1 (en) 2015-11-20 2017-05-26 Washington University Preparative electrophoretic method for targeted purification of genomic dna fragments
WO2017139669A1 (en) 2016-02-11 2017-08-17 Sage Science, Inc. Workflows for enzymatic nucleic acid modification

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10876662B2 (en) 2017-03-15 2020-12-29 Novelis Inc. Corrugated heat protection tube and methods of making the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015533220A (ja) 2015-11-19
EP2906935B1 (en) 2018-04-04
AU2017210641B2 (en) 2019-02-28
AU2017210641A1 (en) 2017-08-24
US9599590B2 (en) 2017-03-21
EP2906935A1 (en) 2015-08-19
AU2013329110A1 (en) 2015-05-07
CA2887341C (en) 2021-03-16
US20170254774A1 (en) 2017-09-07
WO2014059188A1 (en) 2014-04-17
AU2013329110B2 (en) 2017-05-04
US10473619B2 (en) 2019-11-12
US20150101932A1 (en) 2015-04-16
CA2887341A1 (en) 2014-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6141989B2 (ja) 側方溶出型分子分画装置
US9719961B2 (en) Multichannel preparative electrophoresis system
AU2009302248B2 (en) Multichannel preparative electrophoresis system
US6730206B2 (en) Microfluidic device and system with improved sample handling
US20080057557A1 (en) Methods, cassettes, gels and apparatuses for isolation and collection of biomolecules from electrophoresis gels
Feng et al. Microfluidic chip: next-generation platform for systems biology
CA2696971A1 (en) Micro-channel chip for electrophoresis and method for electrophoresis
EP2163305A1 (en) Device and process for rapid isolation of a compound in a sample
Yamamoto et al. In situ fabrication of ionic polyacrylamide-based preconcentrator on a simple poly (methyl methacrylate) microfluidic chip for capillary electrophoresis of anionic compounds
US20230372873A1 (en) Electrokinetic desalting and salting of water-in-oil droplets
Sieben Self-assembly on microfluidic platforms.
KR20050006861A (ko) 전기 영동 장치 및 이를 포함하는 분석 시스템
JP2005106788A (ja) 電気泳動用マイクロチップ

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161005

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161005

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20161005

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20161201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170313

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170508

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6141989

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250