JP6141688B2 - 光学部材用粘着剤組成物及び光学フィルム - Google Patents

光学部材用粘着剤組成物及び光学フィルム Download PDF

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Description

本発明は、光学部材用粘着剤組成物及び光学フィルムに関する。
液晶表示装置は、通常、ガラス等の2枚の支持基板の間に、所定の方向に配向した液晶成分を挟持した液晶セルと、偏光フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルム等の光学フィルムとから構成されている。光学フィルム同士を積層する際、及び光学フィルムを液晶セルへ粘着させる際には、粘着剤が使用されることが多い。
一方、異物等の噛み込み、位置ズレ等の不具合が生じた場合には、粘着剤層を有する光学フィルムを、被着体から剥離又は除去して、新しい光学フィルムを貼りなおすリワーク作業が発生する。そのため、液晶表示装置に使用される粘着剤には、リワーク作業時に、被着体から剥がれやすく粘着剤の一部が被着体に残留しない特性(以下、「リワーク性」と称する場合がある。)が要求される。
また、液晶表示装置に使用される粘着剤には、高湿環境下、又は高温環境下で使用した場合に、長期使用による剥がれ、及び、気泡の発生頻度等を抑制できる耐久性が要求される(特許文献1参照)。
近年において、液晶表示装置はモバイル機器のディスプレイとして広範な範囲で使用されている。そのため、液晶表示装置がさらされる環境も多種多様に変化しており、これまで想定されていなかったような高湿から高温への移動、及び高温から高湿への移動といった環境変化(以下、「湿度ショック」と総称する場合がある。)にさらされる場合も生じている。
特開2010−95603号公報
例えば光学部材の1種である偏光フィルムは、高湿環境下では偏光フィルムの吸収軸方向(延伸方向)と直交する方向(透過軸)に膨張し、高温環境下では偏光フィルムの吸収軸方向に収縮する性質を示す。そのため、高温への移動、及び高温から高湿への移動という湿度ショックを受けた場合、偏光フィルムには、吸収軸に垂直な透過軸方向に膨張又は収縮した状態でさらに吸収軸方向へ収縮又は膨張するという大きな寸法変化が生じることが明らかになった。
このような状況において、湿度ショックのような、高温環境下又は高湿環境下での耐久性に比べて、厳しい条件に耐えうる光学部材用粘着剤の開発が待ち望まれる。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、リワーク性を損なわず、湿度ショックを受けた場合にも、十分な耐久性を示し得る光学部材用粘着剤組成物、及び光学フィルムを提供することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> (メタ)アクリル系共重合体と、架橋剤と、イソシアヌレート基含有シランカップリング剤と、エポキシ基含有シランカップリング剤と、アミノ変性シリコーンオイルと、を含有する光学部材用粘着剤組成物。
<2> アミノ変性シリコーンオイルが、側鎖型アミノ変性シリコーンオイルを含む<1>に記載の光学部材用粘着剤組成物。
<3> イソシアヌレート基含有シランカップリング剤の含有量(I)に対する、エポキシ基含有シランカップリング剤の含有量(II)の含有割合(II/I)が、質量基準で0.1〜20.0である<1>又は<2>に記載の光学部材用粘着剤組成物。
<4> イソシアヌレート基含有シランカップリング剤の含有量(I)に対する、アミノ変性シリコーンオイル(III)の含有割合(III/I)が、質量基準で0.5〜10.0である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の光学部材用粘着剤組成物。
<5> <1>〜<4>のいずれか1つに記載の光学部材用粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する光学フィルム。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書においては、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
本発明によれば、リワーク性を損なわず、湿度ショックを受けた場合にも、十分な耐久性を示し得る光学部材用粘着剤組成物、及び光学フィルムを提供することができる。
以下、本発明の光学部材用粘着剤組成物及び光学フィルムについて詳細に説明する。
≪光学部材用粘着剤組成物≫
本発明の光学部材用粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系共重合体と、架橋剤と、イソシアヌレート基含有シランカップリング剤と、エポキシ基含有シランカップリング剤と、アミノ変性シリコーンオイルと、を含有する。この光学部材用粘着剤組成物は、必要に応じて、更に、硬化促進剤、粘着付与剤やその他添加剤等の他の成分を含有してもよい。
本発明の光学部材用粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系共重合体及び架橋剤に、イソシアヌレート基含有シランカップリング剤と、エポキシ基含有シランカップリング剤と、アミノ変性シリコーンオイルとを組み合わせたことにより、リワーク性を損なわず、高湿から高温への移動、及び高温から高湿への移動といった、これまで想定されていなかったような厳しい環境変化にさらされた場合にも、良好な耐久性が発揮される。
本発明の作用は明確ではないが以下のように推定している。
粘着剤組成物中にイソシアヌレート基含有シランカップリング剤とエポキシ基含有シランカップリング剤とアミノ変性シリコーンオイルを添加することにより、シランカップリング剤のイソシアヌレート基とエポキシ基と、シリコーンオイルのアミノ基とが相互作用し、それによりシランカップリング剤の加水分解速度が遅くなり、リワーク性に優れると考えられる。一方、高温や高湿環境下においては加水分解が促進され被着体界面との結合が強固となり、アミノ変性シリコーンオイルは(メタ)アクリル系共重合体と相溶性に優れ界面の結合を阻害し難いので、湿度ショックという苛酷な環境下においても十分な耐久性を発揮できると考えられる。
以下、本発明の光学部材用粘着剤組成物を構成する各成分について詳述する。
<(メタ)アクリル系共重合体>
本発明の光学部材用粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系共重合体を含有する。
(メタ)アクリル系共重合体は、特に限定されるものではないが、共重合体中に共重合成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来の構成単位を少なくとも含む共重合体であることが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、特に下記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体が好適に共重合反応に供される。
C=C(R)COOR ・・・一般式(1)
一般式(1)において、Rは、アルキル基を表し、Rは、水素原子又はメチル基を表す。
前記一般式(1)中のRは、炭素数1〜18の直鎖又は分鎖のアルキル基が好ましく、炭素数1〜12の直鎖又は分鎖のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜6の直鎖又は分鎖のアルキル基が更に好ましい。その理由は、(メタ)アクリル系共重合体のガラス転移温度を適切な範囲にし易く、光学部材用粘着剤組成物の接着力を適切な範囲に制御し易いためである。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、これらの誘導体等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、特にn−ブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレートが好ましい。
なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来の構成単位の含有比率は、(メタ)アクリル系共重合体中の構成単位の総質量に対して、50質量%〜99.5質量%が好ましく、より好ましくは70質量%〜99質量%である。(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来の構成単位の含有比率が50質量%以上であると、接着性、耐久性に優れる。
(メタ)アクリル系共重合体中の構成成分としては、(メタ)アクリル系共重合体と架橋剤との反応性の観点から、反応性官能基を有する単量体に由来の構成単位を含むことが好ましい。
反応性官能基を有する単量体としては、例えば、カルボキシル基含有単量体、水酸基含有単量体、グリシジル基含有単量体、アミド基含有単量体、N−置換アミド基含有単量体、三級アミノ基含有単量体等が挙げられる。
カルボキシル基含有単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、桂皮酸、コハク酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、マレイン酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フマル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,2−ジカルボキシシクロヘキサンモノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等を用いることができる。
水酸基含有単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−3−ブチル(メタ)アクリレート、1,3−ジメチル−3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−3−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−3−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、アリルアルコール、メタリルアルコール等を用いることができる。
グリシジル基含有単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルビニルエーテル、グリシジル(メタ)アリルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アリルエーテル等を用いることができる。
アミド基含有単量体、N−置換アミド基含有単量体としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等を用いることができる。
三級アミノ基含有単量体としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等を用いることができる。
反応性官能基を有する単量体のうち、粘着剤の凝集力が向上して良好な耐久性を発揮することから水酸基含有単量体が(メタ)アクリル系共重合体に含まれることが好ましい。また、接着性が良好となることから、(メタ)アクリル系共重合体に水酸基含有単量体と共にカルボキシル基含有単量体が更に共重合体成分として含まれることが好ましい。
なお、反応性官能基を有する単量体は、上記いずれかの種類を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
反応性官能基を有する単量体に由来の構成単位の含有比率は、(メタ)アクリル系共重合体中の構成単位の総質量に対して、0.5質量%〜12.0質量%であることが好ましい。反応性官能基を有する単量体に由来の構成単位の含有比率が、(メタ)アクリル系共重合体中の構成単位の総質量に対して、0.5質量%以上であれば、粘着剤層の凝集力が十分であり、良好な耐久性を発揮するので好ましく、12.0質量%以下であれば被着体からの離剥が容易で、リワーク性に優れるので好ましい。
また、反応性官能基を有する単量体に由来の構成単位の含有比率は、(メタ)アクリル系共重合体中の構成単位の総質量に対して、1.0質量%〜10.0質量%であることがより好ましく、1.5質量%〜5.0質量%であることがさらに好ましい。
(メタ)アクリル系共重合体中の構成単位に、反応性官能基を有する単量体として、カルボキシル基含有単量体と、水酸基含有単量体とが含まれる場合に、カルボキシル基含有単量体と、水酸基含有単量体との含有割合は、1.0:0.5〜1.0:30.0であることが好ましく、1.0:1.0〜1.0:15.0であることがより好ましく、1.0:5.0〜1.0:12.0であることがさらに好ましい。

(メタ)アクリル系共重合体としては、必要に応じて、環状基を有する単量体を共重合体成分として含有することができる。(メタ)アクリル系共重合体中の構成成分として、環状基を有する単量体を用いる場合、表示装置の偏光フィルムに適用した場合に光漏れをより効果的に抑制することができる。
環状基を有する単量体における環状基としては、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、脂肪族炭化水素基等が挙げられ、芳香族炭化水素基であることが好ましく、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であることがより好ましい。環状基を有する単量体における環状基の含有数は、1〜2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
環状基を有する単量体としては、環状基を有する(メタ)アクリレート、環状基を有する(メタ)アクリルアミド、スチレン誘導体等を挙げることができる。中でも環状基を有する単量体は、環状基を有する(メタ)アクリレートであることが好ましく、芳香環基を有する(メタ)アクリレートであることがより好ましく、芳香環基がアルキレン基、オキシアルキレン基又はポリオキシアルキレン基を介してエステル結合した(メタ)アクリレートであることが更に好ましく、芳香環基がオキシアルキレン基を介してエステル結合した(メタ)アクリレートであることが特に好ましい。
環状基を有する単量体の具体例としては、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレンオキシド(EO)変性クレゾール(メタ)アクリレート、エチレンオキシド(EO)変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、β−ナフチルオキシエチル(メタ)アクリレート、ビフェニル(メタ)アクリレート等の芳香環基を有する(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体などを挙げることができる。中でも環状基を有する単量体は、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、β−ナフチルオキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香環基がオキシアルキレン基を介してエステル結合した(メタ)アクリレートであることが好ましい。
環状基を有する単量体に由来の構成単位の含有比率は、(メタ)アクリル系共重合体中の構成単位の総質量に対して1質量%〜30質量%であることが好ましい。環状基を有する単量体に由来の構成単位の含有比率が、(メタ)アクリル系共重合体中の構成単位の総質量に対して、1質量%〜30質量%であれば表示装置の偏光フィルムに適用した場合に光漏れをより効果的抑制することが出来るので好ましい。
また、環状基を有する単量体に由来の構成単位の含有比率は、(メタ)アクリル系共重合体中の構成単位の総質量に対して、3質量%〜25質量%であることがより好ましく、5質量%〜20質量%であることがさらに好ましい。
また、(メタ)アクリル系共重合体としては、必要に応じて、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、及び反応性官能基を有する単量体、環状基を有する単量体以外の単量体(以下、「その他の単量体」と称する場合がある。)を共重合体成分として含有することができる。
その他の単量体としては、例えば、飽和脂肪酸ビニルエステル、シアン化ビニル単量体、マレイン酸又はフマル酸のジエステル等が挙げられる。
飽和脂肪酸ビニルエステルとしては、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、「バ−サチック酸ビニル」(商品名)等を挙げることができる。飽和脂肪酸ビニルエステルとしては、好ましくは酢酸ビニルが挙げられる。
シアン化ビニル単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を挙げることができる。
マレイン酸又はフマル酸のジエステルとしては、例えば、ジメチルマレ−ト、ジ−N−ブチルマレ−ト、ジ−2−エチルヘキシルマレ−ト、ジ−N−オクチルマレ−ト、ジメチルフマレ−ト、ジ−N−ブチルフマレ−ト、ジ−2−エチルヘキシルフマレ−ト、ジ−N−オクチルフマレ−ト等を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体以外の単量体は、いずれかの種類を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
その他の単量体に由来の構成単位の含有比率は、(メタ)アクリル系共重合体中の構成単位の総質量に対して、30質量%以下であることが好ましい。
また、その他の単量体に由来の構成単位の含有比率は、(メタ)アクリル系共重合体中の構成単位の総質量に対して、25質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。
(メタ)アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、80万〜200万が好ましく、110万〜180万がより好ましく、130万〜170万が更に好ましい。
(メタ)アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、80万以上であれば、(メタ)アクリル系共重合体自体の凝集力が高く、凝集力の高い粘着剤が得られるので好ましく、200万以下であれば樹脂溶液中にゲル状の異物が少なく塗工性に優れるので好ましい。
(メタ)アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、20以下が好ましく、より好ましくは4〜10の範囲である。比(Mw/Mn)の値が20以下であると、凝集力不足などに伴う不都合が生じ難い。
前記(メタ)アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、下記の方法により測定される値である。
[平均分子量(Mw及びMn)の測定方法]
Mw及びMnは、下記(1)〜(3)に従って測定される。
(1)(メタ)アクリル共重合体の溶液を剥離紙に塗布し、100℃で2分間乾燥させ、フィルム状の(メタ)アクリル系共重合体を得る。
(2)前記(1)で得られたフィルム状の(メタ)アクリル系共重合体をテトラヒドロフランにて固形分0.2質量%になるように溶解する。
(3)下記条件にて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、(メタ)アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を測定する。
<条件>
・GPC :HLC−8220 GPC〔東ソー(株)製〕
・カラム :TSK−GEL GMHXL 4本使用
・移動相溶媒:テトラヒドロフラン
・流速 :0.6ml/min
・カラム温度:40℃
(メタ)アクリル系共重合体は、そのガラス転移温度(TgA)が−65〜−30℃の範囲であることが好ましく、−55〜−40℃の範囲であることがさらに好ましい。TgAが−30℃以下であると、タック、凝集力、接着力といった粘着特性に優れるので好ましく、TgAが−65℃以上であると、粘着特性及び粘着剤層を有するフィルムを切断する際の加工性に優れる。
本明細書において、(メタ)アクリル系共重合体のガラス転移温度(Tg)は、以下の計算により求められるモル平均ガラス転移温度である。
下記式中のTg、Tg、・・・・・及びTgは、成分1、成分2、・・・・・及び成分nそれぞれの単独重合体のガラス転移温度であり、絶対温度(゜K)に換算し算出される。m、m、・・・・・及びmは、それぞれの成分のモル分率である。

[ガラス転移温度(Tg)の算出式]
なお、ここでいう「単独重合体のガラス転移温度(Tg)」には、L.E.ニールセン著、小野木宣治訳「高分子の力学的性質」第11〜35頁に記載されている単量体のガラス転移温度が適用される。
(メタ)アクリル系共重合体の重合方法は、特に制限されるものではない。重合方法としては、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合などの公知の方法を適用することができる。中でも重合方法としては、重合により得られた共重合体の混合により本発明の光学部材用粘着剤組成物を製造するにあたり、処理工程が比較的簡単で且つ短時間で行なえる点で、溶液重合による方法が好ましい。
溶液重合は、一般に、重合槽内に所定の有機溶媒、単量体、重合開始剤、及び必要に応じて用いられる連鎖移動剤を仕込み、窒素気流中又は有機溶媒の還流温度で、撹拌しながら数時間加熱反応させることにより行なわれる。この場合、有機溶媒、単量体、重合開始剤及び/又は連鎖移動剤の少なくとも一部を逐次添加してもよい。
重合反応時に用いられる有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、テトラリン、デカリン、芳香族ナフサなどの芳香族炭化水素類;
例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、i−オクタン、n−デカン、ジペンテン、石油スピリット、石油ナフサ、テレピン油などの脂肪系もしくは脂環族系炭化水素類;
例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸2−ヒドロキシエチル、酢酸2−ブトキシエチル、酢酸3−メトキシブチル、安息香酸メチルなどのエステル類;
例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンなどのケトン類;
例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル類;
例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類;
などを挙げることができる。
これらの有機溶媒は、それぞれ1種単独で又は2種以上混合して用いることができる。
有機溶媒のうち、(メタ)アクリル系共重合体の重合に際しては、重合反応中に連鎖移動を生じにくい有機溶媒、例えば、エステル類、ケトン類を用いることが好ましく、特に(メタ)アクリル系共重合体の溶解性、重合反応の容易さなどの点から、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトンなどが好ましい。
重合開始剤としては、通常の溶液重合で用いられる有機過酸化物、アゾ化合物などを使用することが可能である。
有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、カプロイルペルオキシド、ジ−i−プロピルペルオキシジカルボナト、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカルボナト、t−ブチルペルオキシビバラト、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−アミルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−α−クミルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルペルオキシシクロヘキシル)ブタンなどが挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス−i−ブチルニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルなどが挙げられる。
有機過酸化物のうち、(メタ)アクリル系共重合体の重合に際しては、重合反応中にグラフト反応を起こさない重合開始剤の使用が好ましく、特にアゾビス系の重合開始剤が好ましい。この場合の重合開始剤の使用量は、(メタ)アクリル系共重合体を構成する単量体の合計量100質量部に対して、0.01質量部〜2質量部、好ましくは0.1質量部〜1質量部である。
また、(メタ)アクリル系共重合体の製造に際しては、本発明の目的及び効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて連鎖移動剤を使用することは可能である。
連鎖移動剤としては、例えば、シアノ酢酸;シアノ酢酸の炭素数1〜8のアルキルエステル類;ブロモ酢酸;ブロモ酢酸の炭素数1〜8のアルキルエステル類;α‐メチルスチレン、アントラセン、フェナントレン、フルオレン、9−フェニルフルオレンなどの芳香族化合物類;p−ニトロアニリン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p−ニトロ安息香酸、p−ニトロフェノール、p−ニトロトルエンなどの芳香族ニトロ化合物類;ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラメチル−p−ベンゾキノンなどのベンゾキノン誘導体類;トリブチルボランなどのボラン誘導体;四臭化炭素、四塩化炭素、1,1,2,2−テトラブロモエタン、トリブロモエチレン、トリクロロエチレン、ブロモトリクロロメタン、トリブロモメタン、3−クロロ−1−プロペンなどのハロゲン化炭化水素類;クロラール、フラルデヒドなどのアルデヒド類:炭素数1〜18のアルキルメルカプタン類;チオフェノール、トルエンメルカプタンなどの芳香族メルカプタン類;メルカプト酢酸、メルカプト酢酸の炭素数1〜10のアルキルエステル類;炭素数1〜12のヒドロキシアルキルメルカプタン類;ビネン、ターピノレンなどのテルペン類等を挙げることができる。
連鎖移動剤の使用量は、(メタ)アクリル系共重合体を構成する単量体の合計量100質量部に対して0.005質量部〜10.0質量部の範囲で用いることができる。
重合反応時の重合温度としては、約30〜180℃が好ましく、より好ましくは50〜150℃の範囲である。特に、(メタ)アクリル系共重合体を製造する場合の重合温度としては、50〜90℃がより好ましく、さらに好ましくは50〜80℃である。
<架橋剤>
本発明の光学部材用粘着剤組成物は、架橋剤を含有する。
架橋剤は、(メタ)アクリル系共重合体と反応して架橋構造を形成する限り、特に限定されない。例えば、架橋剤としてはポリイソシアネート化合物、ポリエポキシ化合物、ポリアジリジン化合物、メラミンホルムアルデヒド縮合物、金属塩、金属キレート化合物などを挙げることができる
また、光学フィルムと光学部材用粘着剤組成物との密着性、(メタ)アクリル系共重合体に配合した後の安定性等の観点から、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、及びエポキシ化合物から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、該芳香族ポリイソシアネート化合物の水素添加物等の脂肪族又は脂環族ポリイソシアネート;それらポリイソシアネートの2量体もしくは3量体、又はそれらポリイソシアネートとトリメチロールプロパンなどのポリオールとのアダクト体などの各種ポリイソシアネートに由来するポリイソシアネート化合物を挙げることができる。
これらのポリイソシアネート化合物の中では、ヘキサメチレンジイソシアネートの2量体もしくは3量体、又は、ヘキサメチレンジイソシアネートもしくはキシリレンジイソシアネートと、トリメチロールプロパン等のポリオールとのアダクト体など、ヘキサメチレンジイソシアネート又はキシリレンジイソシアネートに由来するポリイソシアネート化合物が好ましい。
ポリイソシアネート化合物として、上市されている市販品を用いてもよく、例えば「コロネートL」、「コロネートHX」、「コロネートHL−S」、「コロネート2234」〔以上日本ポリウレタン工業(株)製〕、「デスモジュールN3400」〔住友バイエルウレタン(株)製〕、「デュラネートE−405−80T」、「デュラネートTSE−100」〔旭化成工業(株)製〕、「タケネートD−110N」、「タケネートD−120N」、「タケネートM−631N」「MT−オレスタ−NP1200」〔以上三井化学ポリウレタン(株)製〕などの商品名により市販されているものを好適に使用することができる。
ポリアジリジン化合物としては、ポリイソシアネート化合物とエチレンイミンとの反応生成物が使用できる。ポリイソシアネート化合物としては、上記例示のものを用いることができる。また、トリメチロールプロパンやペンタエリトリトールなどのポリオールと(メタ)アクリル酸などのα,β−不飽和カルボン酸との多価エステルにエチレンイミンを付加させた化合物も知られており、架橋剤として使用することができる。
例えば、N,N’−ヘキサメチレンビス(1−アジリジンカルボアミド)、メチレンビス[N−(1−アジリジニルカルボニル)−4−アニリン]、テトラメチロールメタントリス(β−アジリジニルプロピオナト)、トリメチロールプロパントリス(β−アジリジニルプロピオナト)などを挙げることができる。また、上市されている市販品として、例えば、相互薬工(株)製の「TAZO」、「TAZM」等、(株)日本触媒製の「ケミタイトPZ−33」等を好適に使用することができる。
ポリエポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリトリトールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、トリス(グリシジル)イソシアヌレート、トリス(グリシドキシエチル)イソシアヌレート、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンなどを挙げることができる。
ポリエポキシ化合物のうち、3つ以上のエポキシ基を含有するポリエポキシ化合物が好ましく、中でも、トリス(グリシジル)イソシアヌラト、トリス(グリシドキシエチル)イソシアヌラト、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンなどのポリエポキシ化合物がさらに好ましく、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンが特に好ましい。
また、ポリエポキシ化合物として上市されている市販品を用いてもよく、例えば、三菱瓦斯化学(株)製の「TETRAD−C」、「TETRAD−X」等を好適に使用することができる。
これら架橋剤はそれぞれ1種単独、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
架橋剤の含有量としては、(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対して、0.001質量部〜10質量部が好ましく、より好ましくは0.005質量部〜5質量部の範囲である。架橋剤の含有量が0.001質量部以上であると、凝集力不足などに伴う気泡の発生を抑えることができる。また、架橋剤の含有量が10質量部以下であると、粘着特性に優れ、耐久性が良好であり、かつ粘着剤溶液のポットライフも確保できる。
架橋剤の反応性官能基の種類により、(メタ)アクリル系共重合体の反応性官能基に対する好適使用量を適宜定めることができる。
特に、架橋剤としてポリイソシアネート化合物を用いるときの使用量は、(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対して、0.05質量部〜5質量部が好ましく、特には0.5質量部〜2質量部の範囲であることが好ましい。
また、架橋剤としてポリアジリジン化合物を用いるときの使用量は、前記アクリル系共重合体100質量部に対して、0.001質量部〜0.1質量部が好ましく、特には0.001質量部〜0.05質量部の範囲であることが好ましい。
さらに、架橋剤としてポリエポキシ化合物を用いるときの使用量は、(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対して、0.005質量部〜0.3質量部が好ましく、特には0.01質量部〜0.2質量部の範囲であることが好ましい。
また、架橋剤は、2種以上を組み合わせて用いることができ、ポリイソシアネート化合物とポリアジリジン化合物、又はポリイソシアネート化合物とポリエポキシ化合物を組み合わせてもよい。その場合、ポリイソシアネート化合物、ポリアジリジン化合物、及びポリエポキシ化合物の使用量は、それぞれ前記使用量の範囲において、適宜選択することができるが、好ましくは、いずれも有効成分質量比で、ポリイソシアネート化合物:ポリアジリジン化合物=1〜500:1、特には10〜300:1、又はポリイソシアネート化合物:ポリエポキシ化合物=1〜300:1、特には10〜100:1の範囲となるように用いるのがよい。
<イソシアヌレート基含有シランカップリング剤>
本発明の光学部材用粘着剤組成物は、イソシアヌレート基含有シランカップリング剤を含有する。これにより、光学部材用粘着剤組成物は湿度ショックを受けた場合の耐久性に優れ、且つリワーク性にも優れる。
イソシアヌレート基含有シランカップリング剤は、分子中にイソシアヌレート基を含有するシランカップリング剤であれば特に制限はされない。
イソシアヌレート基含有シランカップリング剤としては、例えば下記一般式(2)で表されるようなシランカップリング剤が挙げられる。

一般式(2)中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、nは1〜3の整数を示す。
炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。
イソシアヌレート基含有シランカップリング剤としては、具体的には、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。
また、イソシアヌレート基含有シランカップリング剤として上市されている市販品を用いてもよく、例えば、信越化学工業(株)製の「KBM−9659」等を好適に使用することができる。
イソシアヌレート基含有シランカップリング剤は、いずれかの種類を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
イソシアヌレート基含有シランカップリング剤の含有比率は、光学部材用粘着剤組成物の全質量に対して、0.05質量%〜0.5質量%であることが好ましい。イソシアヌレート基含有シランカップリング剤の含有比率が、光学部材用粘着剤組成物の全質量に対して、0.05質量%以上0.5質量%以下であれば、耐久性に優れ、かつ被着体からの離剥が容易であり、リワーク性に優れるため好ましい。
また、イソシアヌレート基含有シランカップリング剤の含有比率は、光学部材用粘着剤組成物の全質量に対して、0.1質量%〜0.3質量%であることがより好ましく、0.1質量%〜0.25質量%であることがさらに好ましい。
<エポキシ基含有シランカップリング剤>
本発明の光学部材用粘着剤組成物は、エポキシ基含有シランカップリング剤を含有する。これにより光学部材用粘着剤組成物は、湿度ショックを受けた場合の耐久性に優れる。
エポキシ基含有シランカップリング剤は、分子内にエポキシ基を含有するシランカップリング剤であれば特に制限はされない。
エポキシ基含有シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等の3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等の3−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、メチルトリ(グリシジル)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等の2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとテトラエトキシシランのコポリマー、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのコポリマー等の1分子中にエポキシ基と加水分解性のアルコキシ基を含むシリコーンアルコキシオリゴマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、エポキシ基含有シランカップリング剤として上市されている市販品を用いてもよく、例えば、信越化学工業社製の製品名KBM−303、KBM−403、KBE−402、KBE−403、X−41−1053、X−41−1056、X−41−1095A等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
エポキシ基含有シランカップリング剤は、いずれかの種類を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
エポキシ基含有シランカップリング剤の含有比率は、光学部材用粘着剤組成物の全質量に対して、0.05質量%〜2.0質量%であることが好ましい。エポキシ基含有シランカップリング剤の含有比率が、光学部材用粘着剤組成物の全質量に対して、0.05質量%以上であれば、湿度ショックに対する耐久性に優れ、2.0質量%以下であれば被着体からの剥離が容易であり、リワーク性の点から好ましい。
また、エポキシ基含有シランカップリング剤の含有比率は、光学部材用粘着剤組成物の全質量に対して、0.1質量%〜1.0質量%であることがより好ましく、0.1質量%〜0.5質量%であることがさらに好ましい。
また、イソシアヌレート基含有シランカップリング剤の含有量(I)に対する、エポキシ基含有シランカップリング剤の含有量(II)の含有割合(II/I)は、質量基準で0.1〜20.0であることが好ましい。イソシアヌレート基含有シランカップリング剤の含有量(I)に対する、エポキシ基含有シランカップリング剤の含有量(II)を、この範囲にすることにより、リワーク性を損なわず、湿度ショックを受けた場合の耐久性に優れ、耐久性とリワーク性の両立に優れる。
また、イソシアヌレート基含有シランカップリング剤の含有量(I)に対する、エポキシ基含有シランカップリング剤の含有量(II)の含有割合(II/I)は、質量基準で0.1〜10.0であることがより好ましく、0.3〜6.0であることが更に好まく、0.6〜6.0であることが特に好ましい。
<アミノ変性シリコーンオイル>
本発明の光学部材用粘着剤組成物は、アミノ変性シリコーンオイルを含有する。これにより光学部材用粘着剤組成物は、湿度ショックを受けた場合の耐久性に優れ、且つリワーク性にも優れる。更には、粘着剤層を有するフィルムを長期間保存した際にも接着力の変化が少なく、保存安定性にも優れる。
アミノ変性シリコーンオイルとしては、側鎖にアミノ基を有する側鎖型アミノ変性シリコーンオイル、及び、両末端にアミノ基を有する両末端型アミノ変性シリコーンオイルのいずれであってもよい。中でもリワーク性の観点から、アミノ変性シリコーンオイルは、側鎖にアミノ基を有する側鎖型アミノ変性シリコーンオイルが好ましい。
また、側鎖型アミノ変性シリコーンオイルにおいて、側鎖に置換されるアミノ基は、モノアミン、ジアミン、及びアミノ・ポリエーテルのいずれであってもよいが、粘着剤層を有するフィルムの保存安定性の観点から、モノアミン又はジアミンのいずれかがより好ましい。
アミノ変性シリコーンオイルとしては、具体的には、信越化学工業社製のKF−857、KF−868、KF−865、KF−864、KF−869、KF−859、KF−393、KF−860、KF−880、KF−8004、KF−8002、KF−8005、KF−8010、KF−867、X−22−3820W、KF−869、KF−861、X−22−3939A、KF−877等を挙げることができる。
また、東レ・ダウコーニング社製の製品名BY16−205、FZ−3760、SF8417、BY16−849、BY16−892、FZ−3785、BY16−872、BY16−213、BY16−203、BY16−898、BY16−890、BY16−891、BY16−893、FZ−3789等が挙げられる。
アミノ変性シリコーンオイルは、いずれかの種類を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
アミノ変性シリコーンオイルの含有比率は、光学部材用粘着剤組成物の全質量に対して、0.01質量%〜1.0質量%であることが好ましい。アミノ変性シリコーンオイルの含有比率が、光学部材用粘着剤組成物の全質量に対して、0.01質量%以上であれば、良好なリワーク性を維持することができ、1.0質量%以下であれば湿度ショックに対する耐久性を維持することができる。
また、アミノ変性シリコーンオイルの含有比率は、光学部材用粘着剤組成物の全質量に対して、0.05質量%〜0.5質量%であることがより好ましく、0.1質量%〜0.3質量%であることがさらに好ましい。
また、イソシアヌレート基含有シランカップリング剤の含有量(I)に対する、アミノ変性シリコーンオイルの含有量(III)の含有割合(III/I)は、質量基準で0.5〜10.0であることが好ましい。イソシアヌレート基含有シランカップリング剤の含有量(I)に対する、アミノ変性シリコーンオイルの含有量(III)を、この範囲にすることにより、リワーク性を損なわず、湿度ショックを受けた場合の耐久性に優れ、耐久性とリワーク性の両立に優れる。
また、イソシアヌレート基含有シランカップリング剤の含有量(I)に対する、アミノ変性シリコーンオイルの含有量(III)の含有割合(III/I)は、質量基準で0.5〜5.0であることがより好ましく、0.5〜3.0であることが更に好ましく、0.5〜2.0であることが特に好ましい。
<その他成分>
本発明の光学部材用粘着剤組成物には、上述した(メタ)アクリル系共重合体と、架橋剤と、イソシアヌレート基含有シランカップリング剤と、エポキシ基含有シランカップリング剤と、アミノ変性シリコーンオイルの他に、本発明の光学部材用粘着剤組成物が発揮する効果を損なわない範囲内の量で、各種添加剤、溶剤、耐候性安定剤、タッキファイヤ−、可塑剤、軟化剤、染料、顔料、無機充填剤等を適宜配合することができる。
耐候性安定剤、タッキファイヤ−、可塑剤、軟化剤、染料、顔料、無機充填剤等の含有量は適宜設定することができる。
<光学フィルム>
本発明の光学フィルムは、本発明の光学部材用粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する光学フィルムである。
光学フィルムの具体的な製造方法は、剥離シート上に光学部材用粘着剤組成物を塗布し乾燥することにより剥離シート上に粘着剤層を形成する。そして、剥離シート上に形成された粘着剤層を光学フィルムに転写し、次いで養生させて作製することが出来る。
光学フィルムとしては、各種の表示装置等の製造に用いられる光学フィルムを使用することができ、その種類は特に制限されないが、例えば、偏光フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルム、又は防眩シート等を用いることができる。
剥離シートとしては、フッ素系樹脂、パラフィンワックス、シリコーン等の離型剤で離型処理を施したポリエステル等の合成樹脂シートを用いることができる。
剥離シート上に形成される粘着剤層の厚さは、例えば、乾燥後の厚みで1μm〜100μm、好ましくは5μm〜50μm、更に好ましくは15μm〜30μm程度の厚さにすればよい。
剥離シート上に塗布された光学部材用粘着剤組成物は、熱風乾燥機で70℃〜120℃、1分〜3分程度の加熱条件で乾燥することができる。
光学部材用粘着剤組成物は、架橋構造が形成された後における光学部材用粘着剤組成物中のゲル分は十分な凝集力を与えることを目的として40質量%以上にすることが好ましい。また、架橋構造が形成された後における光学部材用粘着剤組成物のゲル分は、耐久性において剥がれが生じることを抑制することを目的として95質量%以下にすることが好ましい。
なお、ゲル分率とは、架橋構造が形成された後の光学部材用粘着剤組成物の溶剤不溶分(酢酸エチル不溶分)の割合であり、以下の方法により測定できる。
(光学部材用粘着剤組成物のゲル分率の測定方法)
光学部材用粘着剤組成物における「ゲル分率」は、下記(1)〜(6)に示す方法により測定されるものである。
(1)光学部材用粘着剤組成物の溶液を剥離シート上に、乾燥後の塗工量が25g/m2となるように塗布し、100℃で90秒間熱風循環式乾燥機にて乾燥し、フィルム状の感圧接着剤層を形成する。
(2)形成された感圧接着剤層を23℃、湿度65%RHで10日間養生する。
(3)精秤した250メッシュの金網(100mm×100mm)に(2)で得られたフィルム状粘着剤層を約0.25g貼付し、ゲル分が漏れないように包む。その後、精密天秤にて質量を正確に測定して試料を作成する。
(4)前記の金網を酢酸エチル溶液に3日間浸漬する。
(5)浸漬後、金網を取り出して少量の酢酸エチルにて洗浄し、120℃で24時間乾燥
させる。その後、精密天秤にて質量を正確に測定する。
(6)下式によりゲル分率を計算する。
ゲル分率[質量%] = (C−A)/(B−A)×100
〔但し、Aは金網の重量(g)、Bは粘着剤を貼付した金網の質量(g)、Cは浸漬後、乾燥させた金網の質量(g)を示す。〕
粘着剤層が形成された光学フィルムは、光学フィルムを被着体に貼り合せた後、50℃で48時間の加熱処理された後の無アルカリガラス板に対する接着力が20N/25mm以下であれば被着体からの剥離が容易で、リワーク性に問題ないとされている。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。但し、本発明は、その主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
[材料の準備]
<アクリル系ポリマーの製造>
(製造例1):(メタ)アクリル系共重合体(A−1)の製造
攪拌機、還流冷却器、逐次滴下装置、温度計を備えた反応装置に、n−ブチルアクリレ−ト(BA)78.0部、フェノキシエチルアクリレート(PHEA)18部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)4.0部、酢酸エチル(EAc)110部、及びアゾビスジメチルバレロニトリル(ABVN)0.1部を入れて混合した後、反応器内を窒素置換した。その後、混合物を撹拌しながら反応器内の混合物を65℃に昇温し、8時間保持して重合反応を行なった。重合反応終了後、反応混合物を酢酸エチルで希釈して固形分16.0質量%重量平均分子量(Mw):170万、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)6、ガラス転移点(TgA):−50℃の(メタ)アクリル系共重合体(A−1)の溶液を得た。
(製造例2):(メタ)アクリル系共重合体(A−2)の製造
製造例1−1において、n−ブチルアクリレ−ト(BA)を78.0部から79.0部に、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)を4.0部から2.8部にそれぞれ変更し、さらにアクリル酸(AA)を0.2部添加したこと以外は、製造例1−1と同様にして、ガラス転移点(TgA):−51℃の(メタ)アクリル系共重合体(A−2)の溶液を得た。
上記で得られた(メタ)アクリル系共重合体(A−1)及び(A−2)の単量体組成、Mw及びMw/Mnの値を下記表1に示す。なお、表1中、「−」は未配合を示す。
(実施例1)
−粘着剤溶液の調製−
以下の手順に従って、粘着剤溶液(光学部材用粘着剤組成物)を調製した。
(メタ)アクリル系共重合体として製造例1で合成したアクリル系共重合体の溶液(A−2)を625質量部(アクリル系共重合体(A−2):100質量部)と、架橋剤としてタケネートD−110N(三井化学ポリウレタン(株)製イソシアネート系化合物)を0.2質量部(有効成分:0.15質量部)と、イソシアヌレート基含有シランカップリング剤として、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(信越化学工業(株)製シランカップリング剤、商品名KBM−9659)を0.1質量部(有効成分:0.1質量部)と、エポキシ基含有シランカップリング剤として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製シランカップリング剤、商品名:KBM−403)を0.1質量部(有効成分:0.1質量部)と、アミノ変性シリコーンオイルとしてKF−859(信越化学工業(株)製側鎖型アミノ変性シリコーンオイル)を0.15質量部(有効成分:0.15質量部)とを十分に攪拌混合して光学部材用粘着剤組成物を得た。光学部材用粘着剤組成物のゲル分率を既述の方法に従い測定した。結果を表3に示す。
−試験用偏光フィルムの作製−
シリコーン系離型剤で表面処理された剥離フィルム上に、乾燥後の塗工量が25g/cmとなるように、光学部材用粘着剤組成物を塗布した。
次に、100℃で90秒間熱風循環式乾燥機にて乾燥して粘着剤層を形成した。
続いて、偏光ベースフィルム〔ポリビニルアルコール(PVA)フィルムを主体とする偏光子の両面にセルローストリアセテート(TAC)フィルムをラミネートしたもの;約190μm〕の裏面に粘着剤層面が接するように剥離フィルムを重ねて貼り合せ、加圧ニップロールに通して圧着した。
圧着後、23℃、65%RHで10日間養生させて粘着剤層を有する偏光フィルム(試験用偏光フィルム)を得た。
得られた試験用偏光フィルムを用いて、以下に示す各種測定を行った。
その結果を表3に示す。
[評価方法]
(1)耐久性(湿度ショック、高温環境、高湿環境に対する耐久性の評価)
作製した試験用偏光フィルムを、吸収軸に対して長辺が45゜になるようにカットした97mm×172mm(8インチ)の試験片を用い、0.7mmコーニング社製無アルカリガラス板「イーグルXG」の片面にラミネーターを用いて貼付した。次に、このサンプルにオートクレーブ処理(50℃、5kg/cm、20分)を施し、23℃、65%RHの条件下に24時間放置した。
その後、各サンプルを湿度ショック、高温環境又は高湿環境下に所定時間放置した。
湿度ショック(W/S)の条件:40℃、95%RHのWet環境に96時間放置後、すぐに40℃のDry環境に移動させ、更に300時間放置する。
高温環境(Dry)の条件:85℃のDry環境に500時間放置する。
高湿環境(Wet)の条件:60℃、95%RHのWet環境に500時間放置する。
その後、各サンプルの発泡及び剥れの状態を目視観察にて評価した。評価基準は次の通りである。
<評価基準>
A; 発泡、剥がれが全く認められなかった。
B; 発泡、剥がれがほとんど認められなかった。
C; 発泡、剥がれが若干認められた。
D; 発泡、剥がれが顕著に認められた。
(2)リワーク性
作製した試験用偏光フィルムを、吸収軸に対して長辺が45゜になるようにカットした25mm×150mmの試験片を用い、0.7mmコーニング社製無アルカリガラス板「イーグルXG」の片面にラミネーターを用いて貼付した。このサンプルを、オートクレーブ処理(50℃、5kg/cm、20分)した後、23℃、65%RHの条件下で1時間放置した。その後、50℃で48時間の加熱処理を施し、23℃、65%RHの条件化で1時間放置した後、180度剥離における接着力(剥離速度:300mm/分)を測定した。
無アルカリガラス板に対する接着力、および無アルカリガラス板への粘着剤の残留を目視観察して評価した。評価基準は次の通りである。
<評価基準>
A;接着力が10N/25mm以下であり、容易に剥離できる。
B;接着力が20N/25mm以下であり、剥離できる。
C;接着力が20N/25mmより高く剥離が困難である、または剥離時に偏光フィルムが破断し剥離が不可能である。
(実施例2〜16、比較例1〜5)
実施例1において、アクリル系共重合体の溶液、架橋剤、イソシアヌレート基含有シランカップリング剤、エポキシ基含有シランカップリング剤、及びアミノ変性シリコーンオイルの種類や量を下記表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、光学部材用粘着剤組成物を調製した。得られた光学部材用粘着剤組成物のゲル分率は、表3に併せて示す。また、実施例1と同様にして、各実施例等で調製した光学部材用粘着剤組成物を用いて、試験用偏光フィルムを作製し、前記の各種測定を行い、その結果を表3に示す。
なお、表2に示される各成分の詳細は、以下の通りである。
・タケネートD−110N(商品名);三井化学ポリウレタン(株)製
・KBM−9659(商品名);信越化学工業(株)製
・KBM−403(商品名);信越化学工業(株)製、3官能エポキシ基含有シランカップリング剤
・KBE−403(商品名);信越化学工業(株)製、3官能エポキシ基含有シランカップリング剤
・KF−859(商品名);信越化学工業(株)製、側鎖型アミノ変性シリコーンオイル(ジアミン)
・KF−880(商品名);信越化学工業(株)製、側鎖型アミノ変性シリコーンオイル(ジアミン)
・KF−869(商品名);信越化学工業(株)製、側鎖型アミノ変性シリコーンオイル(ジアミン)
・KF−8010(商品名);信越化学工業(株)製、両末端型アミノ変性シリコーンオイル(アミン)
・KF−857(商品名);信越化学工業(株)製、側鎖両末端型アミノ変性シリコーンオイル(側鎖;アミノ、両末端;メトキシ)
・KF−101(商品名);信越化学工業(株)製、側鎖型エポキシ変性シリコーンオイル
・KF−2001(商品名);信越化学工業(株)製、側鎖型メルカプト変性シリコーンオイル
・X−22−164(商品名);信越化学工業(株)製、両末端型メタクリル変性シリコーンオイル
表3の結果から、実施例1〜16の光学フィルムは、リワーク性を損なわず、湿度ショックを受けた場合にも十分な耐久性を示し得ることが明らかになった。

Claims (4)

  1. (メタ)アクリル系共重合体と、
    架橋剤と、
    イソシアヌレート基含有シランカップリング剤と、
    エポキシ基含有シランカップリング剤と、
    アミノ変性シリコーンオイルと、
    を含有し、前記イソシアヌレート基含有シランカップリング剤の含有量(I)に対する、前記アミノ変性シリコーンオイル(III)の含有割合(III/I)が、質量基準で0.5〜5.0であり、
    イソシアヌレート基含有シランカップリング剤の含有比率が、光学部材用粘着剤組成物の全質量に対して、0.05質量%〜0.5質量%であり、
    エポキシ基含有シランカップリング剤の含有比率が、光学部材用粘着剤組成物の全質量に対して、0.05質量%〜2.0質量%であり、
    アミノ変性シリコーンオイルの含有比率が、光学部材用粘着剤組成物の全質量に対して、0.01質量%〜1.0質量%である光学部材用粘着剤組成物。
  2. アミノ変性シリコーンオイルが、側鎖型アミノ変性シリコーンオイルを含む請求項1に記載の光学部材用粘着剤組成物。
  3. イソシアヌレート基含有シランカップリング剤の含有量(I)に対する、エポキシ基含有シランカップリング剤の含有量(II)の含有割合(II/I)が、質量基準で0.1〜20.0である請求項1又は請求項2に記載の光学部材用粘着剤組成物。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光学部材用粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する光学フィルム。
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