JP6139883B2 - メイラード反応により色度、香味を調整した発酵アルコール飲料の製造方法 - Google Patents
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Description
ラボレベルで、大豆たん白分解物と液糖を添加した溶液を、圧力容器にて120℃でブラウニング(時間を変化させて加熱処理した(900〜5400秒)。その後、それらメイラード反応物と液糖を加えて100℃で煮沸し、得られた溶液の分析値を確認した。
結果を図1(ブラウニング時間と色度の関係)、及び、図2(ブラウニング時間とpHの関係)に示す。ブラウニング時間に比例して色度は比例的に上昇し、pHは低下した。表1(仕込液のメイラード反応時間と色度、pHの影響)に各分析結果を示した。仕込液の全窒素はブラウニング時間による影響はみられなかったが、アミノ酸はブラウニング時間が長くなる程低下した。これはメイラード反応の基質としてアミノ酸が作用した事によると考えられる。
先のラボ試験にて、ブラウニング時間の延長によりアミノ酸の低下が確認されたため、各アミノ酸がそれぞれどの程度減少しているかについても確認することとした。
結果を、図3(ブラウニング時間と各アミノ酸濃度)、及び、図4(ブラウニング時間5400秒時のアミノ酸の900秒時のアミノ酸に対する比率)に示す。結果として、塩基性アミノ酸であるリジン、ヒスチジン、アルギニンがブラウニング時間の延長とともに低下していた。ブラウニング反応により、これら塩基性アミノ酸のアミノ基も糖のカルボニル基と反応してメイラード反応が進行していると考えられ、これら塩基性アミノ酸が低下することにより、溶液の緩衝作用が低下してアミノ酸が低下したものと考えられる。
ラボレベルで、大豆たん白分解物と液糖を添加した溶液を、圧力容器にてブラウニングした。ブラウニング温度を110、120、130℃とし、ブラウニング時間をそれぞれ600〜5400に変更し、色度を同等となるように調整した。
結果を、表2(ブラウニング温度、時間と色度、pHの関係)に示す。試験A、試験Bでは、使用原料が異なっているが、試験Bでは、いずれの温度でも色度が同等となり、pHも同等となった。ブラウニング温度を変更しても色度を同等とすることで、pHを同等に管理できることが確認された。
2kLのパイロットプラントにて試醸を実施した。ブラウニング(メイラード反応)温度は120℃と固定し、ブラウニング時間を1140〜12000秒まで変更した。
仕込の分析値を表3(ブラウニング時間と色度、pHの関係)に示した。試験と同様に色度の上昇に伴いpHは低下した。試験4では、さらに色度を上昇させることを想定し、液糖や大豆蛋白を増量したところ色度を上昇させることができた。pHについては、大豆たん白増量により緩衝効果が高まったことで低下が抑制されたものと考える。
メイラード反応時間と色度、pHの影響について、麦汁を用い実製造レベル(120kL)の試験を行った。
麦汁を用いた実製造レベルの7バッチについてのブラウニング(メイラード反応)時間と冷麦汁のpH、色度の関係について、表4に示す。ラボレベルの結果と同様に、ブラウニング時間に比例して色度は比例的に上昇し、pHは低下した。ブラウニング時間と冷麦汁のpHの関係について、図5に示す。また、ブラウニング時間と冷麦汁カラーの関係について、図6に示す。
Claims (5)
- ビール酵母を用い、糖とタンパク分解物とのメイラード反応物又はその調製物を用いて発酵アルコール飲料の液色及び風味を調整する発酵アルコール飲料の製造方法において、該メイラード反応を、100℃〜130℃の温度範囲、600秒〜5400秒の反応時間の範囲において、反応液のpHを指標に、反応液のpHが4.8〜5.3になるように、加熱時間及び加熱温度について調整することを特徴とする発酵アルコール飲料の液色及び風味を調整した発酵アルコール飲料の製造方法。
- 加熱温度が、130℃であり、加熱時間が600秒で、反応液のpHが、5.26であることを特徴とする請求項1に記載の発酵アルコール飲料の液色及び風味を調整した発酵アルコール飲料の製造方法。
- タンパク分解物が、該発酵アルコール飲料の製造において窒素原料として用いられるタンパク質の分解物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発酵アルコール飲料の液色及び風味を調整した発酵アルコール飲料の製造方法。
- タンパク分解物が、大豆タンパク分解物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発酵アルコール飲料の液色及び風味を調整した発酵アルコール飲料の製造方法。
- 糖とタンパク分解物とのメイラード反応物を、発酵アルコール飲料の製造工程の発酵工程前に添加することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の発酵アルコール飲料の液色及び風味を調整した発酵アルコール飲料の製造方法。
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