JP6138942B2 - ナノチップとガス供給機構を備える荷電粒子線装置 - Google Patents

ナノチップとガス供給機構を備える荷電粒子線装置 Download PDF

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    • H01J2237/0807Gas field ion sources [GFIS]

Description

本発明は、ナノチップとガス供給機構を備える荷電粒子線装置に関する。
特許文献1および2、ならびに非特許文献1には、ガス電解電離イオン源(GFIS:Gas Field Ionization Ion Source)を搭載し、水素、ヘリウム、アルゴンなどのガスイオンを用いた集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)装置が記載されている。
これらのガスFIBは、現在よく使われている液体金属イオン源(LMIS:Liquid Metal Ion Source)が生成するガリウム(Ga:金属)FIBとは異なり、試料にGa汚染をもたらさない。また、GFISは、そこから引き出したガスイオンのエネルギー幅が狭いこと、およびイオン発生源サイズが小さいことから、Ga−FIBとくらべ、より微細なビームを形成できる。特にGFISは、そのエミッタ先端に微小な突出部を持たせた、またはそのエミッタ先端の原子数を数個以下に下げたエミッタ(ナノチップ)によって、放射角電流密度が高くなるなど、イオン源特性が良くなると記載されている。
GFISでイオン化するガスとしては、通常、希ガスや水素が用いられるが、近年、ヘリウムイオンをプローブとして使用するヘリウムイオン顕微鏡が商品化されている。ヘリウムイオンは、電子よりも重いため、短波長化と回折収差の低減が可能であり、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)の分解能と焦点深度を遥かに凌ぐ顕微鏡が得られる。
また、近年実用化されたナノチップはイオン放出部先端を1〜数原子の終端とする。この先端は、ほぼ原子レベルの理想的な点光源となるため、イオン顕微鏡の高分解能化を実現するには必要不可欠である。
また、GFISでは、電界電離イオン顕微法(FIM:Field Ion Microscope)として知られる原理と同様に、ナノチップの近傍に原料ガスを供給し、ナノチップの先端部に強電界を発生させ、ナノチップとガス分子間の電子のトンネル効果により原料ガスをイオン化する。該GFISは、ガスの運動エネルギーを低減して効率的に電離を行うために、ナノチップを極低温に冷却する。冷却温度は使用するガス種によっても異なるものの、通常10〜80[K]のレベルである。また、ガスの電離電界強度もガス種によって異なり、例えば、ヘリウムで4.4 E10[V/m]、ネオンで3.5 E10[V/m]、アルゴンで2.2 E10[V/m]、水素で2.2 E10[V/m]程度である。
また、GFISをイオン顕微鏡のイオン源として使用する場合には、利用するイオン種以外のイオンビームの生成は避ける必要がある。なぜならば、イオン顕微鏡の光学系は、利用するイオンビームに対して試料上に収束した最小のビームスポットを形成するように最適化されており、不要なイオンやイオンビームは、試料上に十分収束されない。このため、利用したいイオンビーム以外を含む質の悪いプローブとなって、顕微鏡像の分解能を劣化させるばかりでなく、ノイズや像の多重化の原因となるからである。
これら不要なイオンなどの生成原因は、イオン源を構成する真空容器中の残留ガスや供給される原料ガス中の不純物が考えられる。該不純物の電離電界強度が原料ガスよりも小さな場合には、不純物は必ずイオン化して不純物ガスになってしまう。
さらに、ナノチップは極低温に冷却されているため、該不純物ガスも電界強度が弱い場合には容易にナノチップに吸着し、イオン放出部であるナノチップ先端の物性が変化してイオンビームの安定性を低下させる。
特にナノチップにおいては、先端が1〜数原子であるため、先端原子の結合エネルギーが吸着ガスによって弱くなったり、吸着原子と入れ替わったりすることで、本来の先端原子がなくなり、ナノチップの機能が失われる。
これらの現象に関して、特許文献3のヘリウムを用いたGFISでは、ヘリウムガス導入中は常時ナノチップへの高電圧印加を実施し、ヘリウムよりもイオン化エネルギーの小さい不純物ガスをナノチップよりも離れた場所でイオン化して、ナノチップに吸着させない操作の必要性が記載されている。
また、特許文献4の水素を用いたGFISにおいては、水素ガスの供給経路中にゲッター材やコールドトラップによる純化器を用いて水素ガス中の不純物を低減することが記載されている。
米国特許出願公開第2008/0217555号明細書 特開2008−140557号公報 米国特許出願公開第2007/0051900号明細書 特開2011−181894号公報
H.-S. Kuo, I.-S. Hwang, T.-Y. Fu, Y.-H. Lu, C.-Y. Lin, and T. T. Tsong, Appl. Phys. Lett. 92 (2008) 063106
本願発明者が、ナノチップとガス供給機構を備える荷電粒子線装置における、ナノチップの安定性や寿命、荷電粒子線の単色化などについて鋭意検討した結果、次の知見を得るに至った。
前述のように、GFIS筺体に供給される原料ガス中の不純物は、ナノチップの安定性や寿命に影響を与えたり、イオンビームの単色化を妨げたりする。
従来技術では、原料ガスの供給中は常にナノチップに高電圧を印加することでナノチップ先端に強電界を発生させて、原料ガスよりもイオン化エネルギーの小さい不純物ガスをイオン化することで、ナノチップへの吸着を防いでいる。
しかし、原料ガスのイオン化エネルギーが不純物ガスに対して有意な差がない場合には効果が得られない。
また、高電圧印加を即時中止したい場合、原料ガスの供給を止めて、GFIS筺体内部を不純物ガスの吸着が無視できるレベルに真空排気するまでには時間もかかり、運用的にも問題がある。
さらに、従来技術では、不純物を低減するために、原料ガスの供給経路中に純化器を用いることも行われている。しかし、純化器の出口をGFIS筺体に直接的に接続する形態では、純化されたガスが直接GFIS筺体に導入されるため、原料ガス自体の不純物濃度は低くできても、室温と同程度の温度である原料ガスが直接GFIS筺体内に導入される問題がある。
つまり、この暖かいガスとナノチップとの直接の熱交換や冷却手段の熱負荷の増加によってナノチップの冷却温度が上昇し、結果的にイオンビームが不安定になったり、ビーム電流量が減少したりする。
加えて、高純度の原料ガスを用いたとしても、GFIS筺体内壁にガス分子が衝突することで、該GFIS筺体内壁や部品表面に吸着している不純物ガスの分子がスパッタされて真空中に放出される物理現象があるため、GFIS筺体内の不純物濃度はガスの純度ほど低減できない。
一方、GFISの動作圧力は、典型的に最大でも0.5[Pa]程度なので、原料ガスの流量は非常に小さく、流量制御、換言すればイオンビーム電流量の制御が困難になる。
ここで取り扱う流量は、市販のマスフローコントローラで精度よく調整できる値よりも小さいため、流量調整は高真空から低真空レベルの計測をする真空計で圧力をパラメータとしてバリアブルリークバルブにて調整されることが望ましい。
しかし、バリアブルリークバルブはメカニカルに調整されるバルブシール部の微小な隙間で原料ガスをスローリークさせるものであるため、シール位置を決める構造的なガタつきや、繰り返し使用によるシール面の変形や消耗、温度による部品の伸縮などによって、隙間が変動したり、シール設定位置とリーク量との関係にヒステリシスを生じたりし、再現性が悪い問題がある。
加えて、不純物の問題として、純化器とGFIS筺体間にはストップバルブや配管を設ける必要があるが、これらの内壁から真空中への放出ガス量が、不純物濃度の律速条件となる。
つまり、該放出ガスが純化済の原料ガス中の不純物となるため、結果的に原料ガス中の不純物濃度は、純化器の性能ほど低減できない可能性がある。
本発明の目的は、原料ガスの流量(圧力)制御を容易にし、かつナノチップの温度を上げることなく、原料ガス中の不純物濃度を低減することに関する。
本発明は、荷電粒子銃筐体のガス導入口と原料ガスのガス供給機構とを内径の小さい微細管で接続し、荷電粒子銃筺体内とガス導入口の間の差圧を大きくし、荷電粒子銃筺体内に導入する直前の原料ガスの圧力を大きくすることに関する。
本発明によれば、荷電粒子銃筐体に供給される原料ガスの純度が向上し、かつ安定した流量で原料ガスを供給できるため、荷電粒子の安定性や再現性が向上し、かつナノチップの寿命を大きく改善することができる。
実施例1にかかる荷電粒子線装置の全体構成図 ガス導入管のコンダクタンスの特性図 ガス導入管の構成例の説明図 実施例1にかかるガス導入管の説明図 原料ガスの排気速度と不純物濃度の特性図 バッファの圧力とGFIS筺体内の圧力の特性図 実施例2にかかる荷電粒子線装置の全体構成図 実施例3にかかる荷電粒子線装置の配管の除振構成図
実施例には、GFIS筺体とガス供給経路出口を内径の小さい微細管で接続して、該GFIS筺体と該ガス供給経路出口の間の差圧を大きくし、該GFIS筺体に導入する直前の原料ガス圧力を大きくすることを開示する。
微細管を適切な寸法で設計すれば、原料ガス導入時にガス供給経路の圧力に対するGFIS筺体の圧力の比率を10000倍以上にできる。換言すれば、該GFIS筺体の圧力変化は該ガス供給経路の圧力の変化の1/10000以下しか影響しないことになる。
また、実施例において、微細管は固定されており、経時的な寸法変化がない。よって、可動部がないため、バリアブルリークバルブで直接に微小圧力を制御するよりも、経時的な再現性や絶対値の信頼性が向上する。
例えば、GFIS筺体内の原料ガスの圧力が0.5[Pa]のとき、ガス供給経路内の圧力は約10000[Pa]となる。このとき、ガス供給経路内の圧力の1%は100[Pa]と真空計で読み取れる圧力変化としては十分大きい。
よって、GFIS筺体内ではなく、ガス供給経路内の圧力を計測して、この圧力をバリアブルリークバルブなどの微少流量バルブを用いて調整すれば、原料ガスの流量を細かく制御することは容易となる。
つまり、0.5[Pa]の1%である0.005[Pa]相当の微小変化をGFIS筺体内の圧力を直接測定することで、検出するよりも、はるかに高精度な流量制御が可能となる。
よって、結果的にイオンビームの安定性も容易に1%未満にすることができ、通常10%程度と考えられる再現性や安定性から向上する。
また、実施例によれば、微細管入口とガス供給経路の出口との間にストップバルブや配管を設置しても、これらの内部は微細管を通じてGFIS筺体の排気系にてE−4[Pa]レベルの高真空に排気可能なため、バックグラウンド圧力と原料ガス圧力の比率はE−8レベルとなる。つまり、典型的な純化器の精製レベル同等の10[ppb]レベルに、不純物濃度の低減が可能である。
なお、実施例においては、原料ガス自体も大元のガスボンベから微細管に至る経路において、ガスボンベ側に配置した、希ガス以外のほぼ全てのガス種に対して精製作用のある加熱型のゲッター材である第一の純化器で精製した後、微細管入口またはストップバルブ入口に設けた、非加熱型のゲッター材である第二の純化器で配管内の放出ガスとともに再度精製する。
第一の純化器で暖まった原料ガスは、第二の純化器および、それに至る配管経路で室温に戻り、GFIS筺体に導入されるが、さらに、微細管をGFIS筺体内でナノチップを冷却するために低温になっている部材に接続することで、原料ガスを微細管出口付近から該部材内で冷却して供給することができる。
該微細管は、内外径ともにサブミリメートルオーダーの金属円筒であり、その肉厚は0.1[mm]程度であるため、GFIS筺体とガス導入経路間で適切な長さを確保すれば、室温から低温への部材への熱侵入は十分小さく、冷却手段の熱負荷の増加は無視できる程度にでき、ナノチップの温度上昇を抑えることが可能になる。
加えて、原料ガスは該低温部材のクライオトラップ効果によって、さらに不純物が除去されることも期待できる。
一方、原料ガスをGFIS筺体に導入した時に、該GFIS筺体内壁および部品表面からスパッタ放出される不純物ガスの放出ガス速度は、該GFIS筺体内の圧力に比例すると考えられる。
よって、該GFIS筺体内の圧力が一定の限りは、原料ガスの排気速度(流量)が大きい程、該スパッタ放出される不純物ガス濃度の低減が可能となる。
実使用上、イオンビーム電流量の増減をGFIS筺体内の原料ガス圧力で調整するため、不純物濃度が高くなると予想される圧力領域においては、原料ガスの排気速度を大きくすることが可能な排気経路を設けて流量を大きくすれば良い。
ここで好適なのは、排気経路にコンダクタンス可変のバルブを設け、低圧力時には、無駄な原料ガス消費をなくすために開度を小さく、高圧力時には、開度を大きくすれば良い。
さらに、イオンビーム電流量を大きくするためにGFIS筺体内を高い圧力にする時には、当然ガス供給経路内の圧力も高くなるが、このとき、本実施例における微細管の使用によれば、ガス供給経路内の圧力は中間流ないしは粘性流領域となるため、該微細管自体のコンダクタンスも分子流領域の場合と異なり、圧力の上昇に伴って大きくなるため、圧力の制御範囲が極端に大きくなることなく、流量(=差圧×コンダクタンス)の増大が可能となる。
実施例では、荷電粒子を放出するナノチップと、ナノチップを極低温に冷却する冷凍機構と、荷電粒子の原料ガスを導入する導入口と、原料ガスを排する排経路と、を有する荷電粒子銃と、原料ガスを供給するガス供給機構と、導入口とガス供給機構を繋ぐ微細管とを備え、該微細管の導入口側開口において、原料ガスの振舞が中間流または粘性流となる荷電粒子線装置を開示する。
また、実施例では、荷電粒子を放出するナノチップと、ナノチップを極低温に冷却する冷凍機構と、荷電粒子の原料ガスを導入する導入口と、原料ガスを排する排経路と、を有する荷電粒子銃と、原料ガスを供給するガス供給機構と、導入口とガス供給機構を繋ぐ微細管とを備え、該微細管の導入口側開口の圧力と荷電粒子銃筺体内の圧力比が10倍以上となる荷電粒子線装置を開示する。
また、実施例では、微細管の内径が0.2mm以下であることを開示する。
また、実施例では、冷凍機構が、ナノチップを極低温に冷却する第1の冷凍機構と、ナノチップを取り囲むように配置された熱シールドを冷却する第2の冷凍機構を含むことを開示する。また、荷電粒子銃が、原料ガスを精製する非蒸発型ゲッターポンプと、荷電粒子線の通過穴兼真空排気穴を備え、原料ガスの導入時には排気経路を閉じ、かつ、荷電粒子銃内の真空排気および原料ガスの排気が、排気経路を排気する真空ポンプの動作を停止した状態における、第1の冷凍手段および第2の冷凍手段で冷却される部材のクライオポンプ作用により実施されることを開示する。
また、実施例では、荷電粒子銃が、原料ガスを精製する非蒸発型ゲッターポンプを有することを開示する。
また、実施例では、原料ガスの流量を100倍以上に可変できることを開示する。
また、実施例では、微細管の導入口側開口の圧力が103[Pa]以上106[Pa]未満であることを開示する。
また、実施例では、微細管の開口よりも上流側にバリアブルリークバルブを備え、該バリアブルリークバルブにより、微細管の導入口側開口の圧力を変化させることを開示する。
また、実施例では、荷電粒子銃筺体が、固有のコンダクタンスを有する排気経路を備え、該排気経路から原料ガスを排気して、導入される原料ガスの流量を変化させることを開示する。
また、実施例では、荷電粒子銃筐体が、コンダクタンスを変化できる排気経路を備え、該排気経路のコンダクタンスを、微細管の導入口側開口の圧力と連動して変化して、導入される原料ガスの流量を変化させることを開示する。また、荷電粒子銃内の圧力が変化しないように、微細管の導入口側開口の圧力と、排気経路のコンダクタンスとを変化させることを開示する。また、排気経路のコンダクタンスを変化させる手段が、該排気経路中に設けられた開度可変バルブであることを開示する。
また、実施例では、微細管が荷電粒子銃内の冷却された部品に接続され、原料ガスが冷却された後に荷電粒子銃内に導入されることを開示する。
また、実施例では、微細管の材質が、オーステナイト系ステンレスまたはチタンであることを開示する。
また、実施例では、微細管に供給する原料ガスを精製するゲッター材を利用したガス純化器を備えることを開示する。
また、実施例では、原料ガスを精製する加熱型純化器と、該加熱型純化器で精製された原料ガスを更に精製して微細管に供給する非加熱型純化器を備えることを開示する。
また、原料ガスを導入もしくは排気する真空ポンプ、または原料ガスのガスボンベが、床と振動絶縁された除振台に固定されており、該除振台に固定されている真空ポンプまたは/およびガスボンベが、振動減衰部品を介して荷電粒子銃筐体と繋がっていることを開示する。
また、実施例では、微細管の分子流領域におけるコンダクタンスが、排経路の最小コンダクタンスより2×10倍以上小さいことを開示する。
また、実施例では、ガス供給機構が、配管およびバルブを加熱できるヒータと、供給経路内を排気できる真空ポンプとを備え、供給経路に原料ガスを充填する前に、真空加熱脱ガスできることを開示する。
以下、上記およびその他の本発明の新規な特徴と効果について図面を参酌して説明する。なお、図面は専ら発明の理解のために用いるものであり、権利範囲を減縮するものではない。また、各実施例は適宜組み合わせることが可能であり、本明細書ではそのような組み合わせ形態についても開示する。
以下の実施例ではGFISを用いたイオン顕微鏡を例として説明するが、ナノチップの冷却を行う類の荷電粒子線を用いた顕微鏡においても、GFIS同様の構成、作用、効果が得られる。
図1に、本実施例にかかる荷電粒子線装置の全体構成を図1で説明する。
該荷電粒子線装置は、光学系および試料室筺体103上に、GFIS筺体1が載置される。また、該光学系および試料室筺体103と、該GFIS筺体1との間には、コンダクタンスが比較的小さな差動排気穴17が設けられている。該差動排気穴17は、バルブ駆動機構100と連結棒101で連結されたバルブシール102によって開閉が可能である。
なお、GFIS筺体1にイオンビームの原料となるガスを導入しないときには、該GFIS筺体1は、後述する排気手段によって、超高真空よりも低い圧力に排気されている。
一方、光学系および試料室筺体103と、バルブシール102を含む空間は、真空ポンプ104によって高真空に排気されている。該真空ポンプ104は、原料ガスとなる水素や希ガスの排気速度の大きいターボ分子ポンプが好適である。
バルブシール102を開状態としても、GFIS筺体1と光学系および試料室筺体103との圧力比は1000倍以上の差動排気となっており、該光学系および試料室筺体103の圧力は実用的に該GFIS筺体1の圧力に影響を与えない。
GFIS筺体内には、イオンビーム6を発生するナノチップ5、該ナノチップ5を保持するチップホルダー4、該チップホルダー4をチップ移動機構2と連結する断熱部品3が懸架されている。
チップ移動機構2は、GFIS筺体1の真空を保持した状態で、ナノチップ5を水平移動または/および傾斜移動させることが可能な機構を有し、イオンビーム6が光学的に理想の軌道となるように、ナノチップ5の先端位置を調整することが可能である。
該ナノチップ5は数10[K]レベルに冷却する必要があるが、これはGFIS筺体1に具備した冷凍機8の低温側のコールドエンドである第2ステージ10と、チップホルダー4の断熱部品3側の端面または側面とを、銅網線11で連結することで達成される。
該チップホルダー4は、熱伝導率の大きいセラミックス、例えばサファイアや窒化アルミ製であり、ナノチップ5への輻射熱や、GFIS筺体1外から該ナノチップ5に高電圧を印加するための配線(図示せず)から流入する熱を効率よく第2ステージ10に伝熱するとともに、アース電位にある銅網線11との電気絶縁を行うことができる。
また、極低温に冷却される銅網線11は、断熱部品3の端部にも構造的に接触している。該断熱部品3は、例えば、マコール(登録商標)やステアタイトなどの熱伝導率の小さいセラミックス製、またはステンレススチールなどの金属製の薄肉円筒部品や、これらを組合わせた部品であり、室温にあるチップ移動機構2からの熱流入を実用的に問題ないレベルに妨げることが可能である。
さらに、ナノチップ5、チップホルダー4、断熱部品3および第2ステージ10といった、ナノチップ5に直接的または間接的に連結されている部品は、室温にあるGFIS筺体1壁面からの輻射熱を妨げるために、熱伝導率の大きい金属、例えば銅製の熱シールド12で包囲されている。
熱シールド12は、冷凍機8の高温側のコールドエンドである第1ステージ9と、銅網線13で接続されており、該熱シールド12の熱負荷は、効率よく該冷凍機8によって吸熱される。
これらの冷却構成によって、最も低温となる第2ステージ10の熱負荷を十分小さくすることができ、本実施例では結果的にナノチップ5を30[K]以下に冷却することができる。
ここで述べた冷凍機8は、市販のGMタイプ、ソルベイタイプ、パルスチューブタイプといった極低温冷凍機のなかでも、極低温の第2ステージとそれよりも高い温度となる第1ステージを有する2段式の冷凍機が使用可能である。
ただし、ナノチップ5をより高い温度で使用する場合や、冷凍機8自体の冷却能力がナノチップ5の冷却に係わる熱負荷よりも十分余力のある場合には、必ずしも2段式の冷凍機を用いる必要はなく、1つのコールドエンドのみを有する1段式の冷凍機や液体窒素ないしは固体窒素といった寒材を用いてもよい。
本実施例では、これら機械式の冷凍機が発生する振動を低減するために、コールドエンドと冷凍機を分離し、かつその間を、冷媒を循環させるトランスファーチューブで接続している。GFIS筺体に直接振動が伝わらないタイプの冷却方式を用いることで、振動のない高分解能観察が可能な荷電粒子線装置を実現している。
つまり、GFIS筺体1に取付けられるこれらの冷凍手段は、イオンビームの放出点となるナノチップ5先端の位置が実用上変動しない程度に設計的に工夫され、低振動化されている。
また、GFIS筺体1の内部は、ナノチップ5先端で発生したイオンビーム6を加速して引き出す、引出し電極16を含み、該イオンビームを収束、発散させる静電レンズ群のコンデンサレンズ7を備えている。
次に、本実施例におけるGFIS筺体1内の真空排気手段について、詳細説明する。
GFIS筺体1に具備される排気手段は大きく分けて3つある。1つめは、ゲートバルブ42がその排気経路中に設けられた主排気管40を経由して、真空ポンプ44を排気手段とするものである。
この排気手段は、初期状態で大気圧にあるGFIS筺体1内部を排気して、超高真空より低い圧力環境を作る過程において使用される。
GFIS筺体1内部の圧力が低くなった状態では、ゲートバルブ42は閉じられ、他の2つの排気手段で排気を行うが、真空ポンプ44はゲートバルブ42を開けてGFIS筺体1内部に導入した原料ガスを排気することにも使用される。
該真空ポンプ44は、原料ガスとなる水素や希ガスに対して排気速度の大きい、ターボ分子ポンプを用いることが好ましく、短時間で原料ガスの排気が可能となる。
また、通常GFISの運転時には原料ガスはイオンビーム6の通過穴をもつ、コンデンサレンズ7を経由して、差動排気穴17からGFIS筺体1の外に排されて、真空ポンプ104で排気される。

このとき、コンデンサレンズ7や差動排気穴17の排気コンダクタンスは非常に小さいことから、原料ガスの流量も小さく、原料ガスの消費も非常に小さく抑えられる。
また、GFISを通常運転する場合にはゲートバルブ42を閉じて、真空ポンプ44は止めてもよい(以下、この場合を標準流量モードと呼ぶことにする)。
しかし、後述する目的のために、原料ガスの流量を大きくしてGFISを動作させる場合(以下、この場合を大流量モードと呼ぶことにする)には、ゲートバルブ42の開度を調整して、真空ポンプ44で排気してもよい。
この場合、真空ポンプ104で原料ガスを排気するときに比べ、原料ガスの流量を100倍以上にすることも容易である。
なお、該ゲートバルブ42はあらかじめ決められた開度、または任意の開度に調整が可能な電動または空圧駆動式の流量可変バルブを用いるのが好適である。
2つめの排気手段は、前述した冷凍機8による冷却部位をクライオポンプとして用いることである。特に、冷却部位としては大きな面積をもつ、熱シールド12のトラップ効果が大きい。
熱シールド12は、本実施例では約60[K]にすることができるが、水素や希ガスといった、低沸点の原料ガスは吸着させずに、それら以外の真空中の残留ガスや原料ガスに含まれる不純物ガスを効果的にトラップすることが可能である。
さらに、3つめの排気手段としてゲッターポンプ14がある。ゲッターポンプ14は超高真空領域でも、表面積の大きい活性金属(合金)によるガスの吸着作用によって、比較的大きな排気速度が得られるポンプである。
超高真空中の主な残留ガスである水素、一酸化炭素、二酸化炭素に対する排気速度が大きいため、旧来よりチタンサブリメーションポンプなどの昇華型のポンプが利用されてきたが、ゲッター膜の生成にあたり、チタンを加熱、蒸発させるために周辺の部材を汚染する問題があった。
本実施例では、より好適なゲッターポンプとして非蒸発型ゲッター(NEG:Non Evaporable Getter)ポンプを用いた。
該ゲッターポンプ14は通常使用状態では非加熱で用いる。使用前にはフィードスルー15から電力を供給して一定時間の加熱を行う活性化処理を必要とする。該活性化処理は、GFIS筺体1を超高真空より低い圧力環境を作る過程で行うベーキング(加熱脱ガス処理)時に行うため、1回以上の活性化処理の後には、ゲートバルブ42を閉じて、1つめの排気手段を用いずとも超高真空より良い真空環境が得られる。
ただし、NEGは希ガスと炭化水素系のガスは排気できない。希ガスは、GFISの原料ガスそのもの以外のガス種が基本的に存在しないため、排気の必要はない。一方、不純物ガスである炭化水素系のガスは、2つめの排気手段、つまりクライオポンプを補助手段として除去が可能である。
以上のように、本実施例におけるGFIS筺体1の排気手段は、該GFIS筺体1内部の真空環境を整えた後は、ゲートバルブ42を閉じ、真空ポンプ44は停止することができるので、特別な除振対策をしなくても、GFIS筺体1に真空ポンプ44の振動は伝わらず、振動に敏感なナノチップ5の先端位置の変動はなく、イオン放出位置が安定しているため、高分解能でイオンビーム6を利用することが可能である。
また、ゲッターポンプ14で排気できないメタンなどの炭化水素系のガスは、ナノチップ5を冷却する手段でもある冷凍機8を用いたクライオポンプによって吸着されるため、GFIS筺体1に原料ガスを導入した場合でも不純物は除去され、該原料ガスは純化され続ける。
次にGFIS筺体1への原料ガスを供給する手段について詳細説明する。
レギュレータ36からバッファ21までのガス供給経路は、各バルブと純化器の間を、高度に内面研磨および洗浄され、放出ガスが低減された金属製配管によって連結されている。
このガス供給経路内は、バルブ33を介して接続された真空ポンプ34にて、加熱型純化器35で精製した原料ガスの純度を悪化させない残留ガスレベルとなるように、あらかじめ高真空に真空排気されている。
この高真空を得るために、ガス供給経路の各バルブや配管、ならびにバッファ21は、その外周にヒーターを備えている。あらかじめ真空排気しながら、一定時間の加熱脱ガスを行うことで、経路内部の放出ガス速度は十分低減される。
GFISで発生させるイオンビーム6の原料ガスの供給元は、一般的に入手可能な高純度ガス、例えば5N(99.999%)以上のガスが充填されたガスボンベ37である。ガス供給経路が所定の圧力に到達した時点で、バリアブルリークバルブ32およびバルブ33を閉じると同時に、レギュレータ36を開いて、残留ガスに比して十分高い圧力、例えば1気圧以上で数気圧程度の原料ガスを導入する。
該原料ガスは、不純物ガス種を不可逆的にトラップ可能なゲッター材を内包する加熱型純化器35にて、各不純物種が10[ppb]以下のレベルとなるまで精製される。
該加熱型純化器35は、理想的にはGFIS筺体1への導入直前の配置が望ましいが、原料ガスも加熱されるため、冷却されているGFIS筺体1内部への原料ガス導入のためには不向きである。
この精製された原料ガスは、バリアブルリークバルブ32にて結果的にGFIS筺体1内部の原料ガス圧力として調整されることになる。
バリアブルリークバルブ32で供給される原料ガスは、GFIS筺体1の直前で非加熱型純化器31にて再度精製され、原料ガスの供給を止めるためのストップバルブ30を介して、真空計45が取り付けられたバッファ21で圧力を整えられる。
一方、加熱型純化器35で加熱された原料ガスは、適度な距離を有するバッファ21までの経路内で、特に非加熱型純化器31のポーラスなゲッター材内部を通過する際に衝突を繰り返すため、熱を奪われて、バッファ21に供給されるときには、ほぼ室温となっている。
非加熱型純化器31は、加熱型純化器35同様にゲッター材を利用した純化器であるが、該加熱型純化器35に対して吸着ガス種に対する汎用性は劣る。しかし、ゲッター材を加熱しないため、原料ガスの温度を上げることはなく、一度精製された比較的低濃度となった配管内壁から放出される不純物ガスを、最終的に精製するには十分な効果が得られる。
非加熱型純化器31の他の候補としては、冷凍機や寒材を用いたコールドトラップの利用がある。一酸化炭素やメタンといった比較的低沸点の不純物ガスの低減に十分な効果を得るためには、数10[K]レベルの極低温が必要となる。
ところで、バッファ21には内径がサブミリメートルの金属製の微細管20が、その末端が気密性をもって接続されており、該微細管20の反対側の末端(出口)は、熱シールド12に熱伝導良く接合されたガス導入経路22を有するガス冷却部品23に接続して固定されている。
つまり、バッファ21内部とGFIS筺体1内部とは、該微細管20でのみ連通しており、原料ガスは該微細管20の内部を通ってGFIS筺体1内部に導入され、最終的にガス冷却部品23で冷却されることになる。
ここで用いた微細管20は、原料ガス中の不純物濃度を低減する。微細管20は、GFIS筺体1内部の原料ガス圧力とバッファ21内部の圧力との間に差圧を設け、バッファ21内部の圧力を高くし、この圧力に対して各純化器で除去できなかった不純物や、非加熱型純化器31とバッファ21との間で発生する放出ガス成分の比率を低減することに効果を発揮する。
例えば、図2に示したように、一般的に市販されているガス配管用のパイプで最も内径が小さいものとして、1/16インチ規格のパイプがあるが、これの内径は約0.6[mm]である。
このパイプと本実施例で設計、製作した内径0.17[mm]の微細管20の長さが同じ場合、バッファ21に導入した原料ガスの圧力に対して生じる各パイプのコンダクタンスは、コンダクタンス曲線403およびコンダクタンス曲線404のようになる。
両者とも、バッファ21の圧力が数100[Pa]以下ではコンダクタンスはほぼ一定であり、ガスの振舞は分子流である。しかし、数100[Pa]から約10000[Pa]までの領域は中間流、それ以上の圧力では粘性流となるのは同様だが、両者のコンダクタンスは微細管20の方が約100倍小さい。つまり、コンダクタンスが小さい程、GFIS筺体1内部とバッファ21内部との差圧は大きくできる。
GFISの標準運転モードにおいて、原料ガスがヘリウムの場合、バッファ21の圧力とGFIS筺体1内の圧力の関係は、図6に示した圧力曲線405のようになる。GFISの運転に適した圧力はバッファ21の圧力が中間流領域での使用となり、このときGFIS筺体1内の圧力とバッファ21内との差圧は少なくとも10000倍以上が得られる。
また、本実施例における微細管20の設計寸法によれば、原料ガスをバッファ21に導入しない場合、微細管20を通じてGFIS筺体1の標準流量モードにおける排気手段でバッファ21内部を排気したとしても、該バッファ21内のバックグラウンド圧力はE−4[Pa]オーダーになる。
GFISの通常運転状態では、バッファ21内の圧力を約10000[Pa]にすることから、バッファ21のベース圧力との比率や各純化器での不純物低減レベルを鑑みると、最終的な原料ガスの不純物濃度は、数10[ppb]程度に低減され、GFISの実用上問題ない不純物レベルが実現できる。
さらに、GFIS筺体1内の圧力とバッファ21内との差圧が10000倍以上であることや、バッファ21の圧力が約10000[Pa]であること、かつGFIS筺体1内の圧力とバッファ21内の圧力との関係が既知であり、GFIS筺体1内の圧力調整は、該バッファ21内の圧力を真空計45の測定値を目安に設定が可能であることから、GFIS筺体1内の原料ガス圧力は、バリアブルリークバルブ32を用いても精度よく調整が可能となる。
つまり、GFIS筺体1内の原料ガス圧力を、例えば0.1[Pa]にするときに該GFIS筺体1内の圧力を測定することで調整しようとしても、その1%は0.001[Pa]であり、調整は困難であるが、本実施例の構成によれば、たとえ1%の精度を求めても、バッファ21での圧力に換算すると100[Pa]であり、十分に真空計45の測定精度の範囲内で余裕を持ってバリアブルリークバルブ32での制御が可能である。
なお、真空計45は、バッファ21に配置するよりも、バリアブルリークバルブ32と非加熱型純化器31との間に配置するほうがより効果的である。なぜならば、該真空計45の放出ガスが該非加熱型純化器31で除去され、かつ該非加熱型純化器31とバリアブルリークバルブ32との間の圧力は、バッファ21の圧力と平衡状態では同じ圧力と考えて問題ないからである。
さらに、該真空計45は加熱による放出ガスや不要なイオンを発生させないタイプの真空計が望ましく、例えばフィラメントを用いた電離真空計や、放電を利用したペニング真空計以外の高真空から大気圧付近までの測定が可能な真空計を用いるのが好適である。
ところで、実際に微細管20およびバッファ21を用いず、直接GFIS筺体1にバリアブルリークバルブ32を接続して圧力を調整しようとした場合には、少なくとも10%以上の設定誤差を生じたが、本実施例の構成によれば±1%以下にすることも容易である。
また、バリアブルリークバルブ32を手動ではなく、電動モーターで開度調整が可能なバリアブルリークバルブとし、真空計45の電気信号出力を、モーターの入力信号としたフィードバック回路を構成することで、安定した原料ガス圧力の供給を可能とすることもできる。
加えて、本実施例における微細管20の効果は、室温にあるバッファ21から低温に冷却された熱シールド12への熱流入を減少させる。
該微細管20は断面積が約0.08[mm2]と小さく、前述した1/16インチ規格のパイプのそれの約1/20以下である。よって、同じ材質、同じ寸法であれば一般的なパイプを用いるよりもはるかに熱流入を小さくすることができ、冷凍機の熱負荷を減らすことが可能となった。
ここで、図3および図4を用いて微細管20の配置について詳細に説明する。
微細管20を非加熱型純化器31とGFIS筺体1との間に設けることは既に説明したが、図3のように該GFIS筺体1側面に設けたパイプ200にストップバルブ30が継ぎ手202で接続され、該ストップバルブ30のもう一端の継ぎ手203と非加熱型純化器31との間には、内部に隔壁を有し、これを貫通してロウ付け部206およびロウ付け部207で気密性をもって封止された微細管205を含有するパイプ204が接続された構造を考える。
このとき、非加熱型純化器31で精製された原料ガスは微細管205で差圧を設けて、ストップバルブ30を介してGFIS筺体1に供給されるが、原料ガスの供給を速やかに中止するために必要なストップバルブ30が存在するために、室温の原料ガスが直接GFIS筺体1内に導入される。このため、ナノチップ5の温度上昇をもたらすことになる。
このため、本実施例では図4の形態を採用し、ストップバルブ30を非加熱型純化器31に接続し、該ストップバルブ30とGFIS筺体1側面に設けたパイプ200に溶接されたフランジ201との間に、微細管20がロウ付け部208で気密性をもって接続されたバッファ21が締結されている構造を考えた。
この場合、非加熱型純化器31で精製された原料ガスはストップバルブ30を介してバッファ21内部に供給された後、微細管20で差圧を設けてGFIS筺体1内に導入される。該微細管20の原料ガス出口は、熱シールド12に熱伝導良く取り付けられたガス導入経路22を有するガス冷却部品23に接続されている。原料ガスは十分冷却された後にGFIS筺体1内に導入されるため、ナノチップ5の温度を上昇させることはない。
また、微細管20の断面積は小さく、十分な長さを有しているため、室温からの熱流入も非常に小さくでき、冷凍機8の熱負荷も非常に小さくできる。このため、ナノチップ5の温度上昇をもたらさない。
一方、非加熱型純化器31で精製された原料ガスは、継ぎ手203、継ぎ手202、ストップバルブ30およびバッファ21の内容積に応じた部材からの放出ガスが不純物として混ざることになる。しかし、この内容積は実用上問題とならない程度に小さくすることが可能である。前述したように、これらの部材は洗浄やベーキングにより清浄化され、かつ、この空間のバックグラウンド圧力が高真空に排気可能であること、原料ガス供給時の圧力が高く設定されることから、原料ガスに対する不純物の比率は実用上問題ないレベルに低減することが可能となる。
次に、本実施例で見られた物理現象について、前述した大流量モードの効果と併せて、図1、図5および図6を用いて説明する。
図5は、原料ガスの排気速度と不純物濃度の特性図である。GFISは通常、標準流量モードにて運転されるが、図5は、あえて真空ポンプ44を運転した状態で、GFIS筺体1内の原料ガス圧力を一定に保つようにバリアブルリークバルブ32とゲートバルブ42との開度を同時に大きくし、流量のみを大きくした場合に、該GFIS筺体1内の不純物となる原料ガス以外のガス種について質量分析を行った結果である。GFIS筺体1内の圧力一定で、原料ガスの流量を大きく、つまり排気速度を大きくしていくと、質量数16のメタンの濃度曲線400は減少していくが、その他の不純物濃度曲線群401は、ほほ一定値である。ただし、原料ガスに対する排気速度(流量)は標準流量モードの排気速度を1に、不純物濃度は、標準流量モードにおけるメタンの不純物濃度を1とした相対値である。
不純物濃度曲線群401は、流量依存性がなく、原料ガス圧力に対して一定の比率であることから、ガス供給経路から原料ガスとともに導入されている成分と考えられる。一方、メタンの濃度曲線400は、流量依存性があり、排気速度の増加に伴い減少することから、メタンの放出ガス速度は原料ガスの圧力に対してほぼ一定であり、原料ガスがGFIS筺体1の内壁や部材表面を物理的に叩いて起こる、スパッタ放出が原因と考えられる。あくまで図5は実施例にて測定された結果であって、測定されていない不純物ガス種もあるが、原料ガスの導入によって生じる不純物ガスは、加熱型純化器35および非加熱型純化器31で除去しきれない不純物ガスと、スパッタ放出した不純物ガスに大別可能といえる。
標準流量モードでの運用を前提とすると、前者の不純物ガスは、ガス供給経路のベーキングによる更なるデガスの徹底、ゲッターポンプ14の排気速度を増加させること、または熱シールド12の表面積拡大や更なる低温化で改善が図れる。しかし、後者の不純物、つまりメタンを含むスパッタ放出した不純物ガスとナノチップ5との安定性の相関は不明な点もあるが、ゲッターポンプ14でも排気できないメタンのような不純物ガスに対しては大流量モードによる低減が効果的である。この大流量モードの運用にあたっては、本発明の微細管20の採用が大流量化に対しても功を奏する。
図6は、バッファ21内に供給する原料ガスの圧力とGFIS筺体1内に導入される原料ガスとの関係を示したものである。実用的なGFIS筺体1内の原料ガス圧力範囲(0.1[Pa]前後)において、先にも示した標準流量モードの圧力曲線405に比して、流量を100倍にした大流量モードの圧力曲線406のバッファ21の圧力は約10倍ですむ。このとき、バッファ21の圧力は1気圧未満で数10000[Pa]となるため、不純物濃度を低減するのにも都合が良い。これは図2に示したように、コンダクタンス曲線404が中間流および粘性流領域ではバッファ21の圧力に伴って顕著に増加するためである。仮に分子流領域のように、バッファ21の圧力に係わらず微細管20のコンダクタンスが一定であると、流量を100倍にすると、バッファ21の圧力も100倍にする必要が生じる。この状況では、ガス供給経路内の原料ガス圧力は10気圧以上必要となり、真空計測やバリアブルリークバルブ32の使用は現実的に不可能となる。
図7を用いて、本実施形態について説明する。以下においては、実施例1との相違点を中心に説明する。
実施例1における大流量モードは主排気管40に具備したゲートバルブ42の開度調整を行ったが、本実施例では、図7に示すように、GFIS筺体1と真空ポンプ44との間にバルブ43を具備する副排気管41を設けて、あらかじめ規定された流量が得られる大流量モード専用の排気系を追加している。バルブ43は開閉のみ行うバルブであり、ゲートバルブ42と併せて高価な流量可変バルブを使用する必要がない。また、副排気管41を接続する真空ポンプは、必ずしも真空ポンプ44である必要はなく、専用の真空ポンプを用いても良い。
図8を用いて、本実施形態について説明する。以下においては、実施例1との相違点を中心に説明する。
実施例1における大流量モードでは真空ポンプ、例えば、水素や希ガスに対して大きな排気速度が得られるターボ分子ポンプを稼働させるため、機械的な振動が問題となる。このため、本実施例では、図8に示すように、主排気管40または副排気管41は、ゲートバルブ42またはバルブ43の下方に配したダンパーを介して真空ポンプ44を懸架する除振構造を採用している。該除振構造は、光学系および試料室筺体103と、これらに懸架され、真空排気手段として用いる真空ポンプ104との間の振動絶縁を行うために用いられるダンパー306と同様のものを用いればよい。該ダンパー306は、金属ベローズとゴム製ベルトを組み合わせた振動減衰機構を用いることができる。なお、GFIS筺体1、光学系および試料室筺体103は、床に設置されて装置の土台となる架台300から複数のダンパー302にて床振動から振動絶縁された除振台301上に載置される。さらに、これらの他に振動の伝達経路となり得る、非加熱型純化器31、バリアブルリークバルブ32、バルブ33、加熱型純化器35、レギュレータ36を含み、かつ、これらを連結するガス供給配管類も、除振台301上に固く固定された固定支柱309にて保持する。さらに、ガス供給経路の真空排気手段である真空ポンプ34は、前記同様にダンパー308で振動絶縁されている。また、架台300または床に設置されるガスボンベ37もガス供給経路と連結されるため、除振対象となり、他と同様にダンパー307にて振動絶縁することが望ましい。
以上のように、各部に除振構造を採用することで、大流量モードにおいても真空ポンプの稼働が可能となり、標準流量モード以上のイオンビーム安定性が得られることになる。
1・・・GFIS筺体 2・・・チップ移動機構 3・・・断熱部品
4・・・チップホルダー 5・・・ナノチップ 6・・・イオンビーム
7・・・コンデンサレンズ 8・・・冷凍機 9・・・第1ステージ
10・・・第2ステージ 11・・・銅網線 12・・・熱シールド
13・・・銅網線 14・・・ ゲッターポンプ 15・・・フィードスルー
16・・・引出し電極 17・・・差動排気穴
20・・・微細管 21・・・バッファ 22・・・ガス導入経路
23・・・ガス冷却部品
30・・・ストップバルブ 31・・・非加熱型純化器
32・・・バリアブルリークバルブ 33・・・バルブ 34・・・真空ポンプ
35・・・加熱型純化器 36・・・レギュレータ 37・・・ガスボンベ
40・・・主排気管 41・・・副排気管 42・・・ゲートバルブ
43・・・バルブ 44・・・真空ポンプ 45・・・真空計
100・・・バルブ駆動機構 101・・・連結棒 102・・・バルブシール
103・・・光学系および試料室筺体 104・・・真空ポンプ
200・・・パイプ 201・・・フランジ 202・・・継ぎ手
203・・・継ぎ手 204・・・パイプ 205・・・微細管
206・・・ロウ付け部 207・・・ロウ付け部 208・・・ロウ付け部
300・・・架台 301・・・除振台 302・・・ダンパー
305・・・ダンパー 306・・・ダンパー 307・・・ダンパー
308・・・ダンパー 309・・・固定支柱
400・・・メタンの濃度曲線 401・・・不純物濃度曲線群
403・・・コンダクタンス曲線 404・・・コンダクタンス曲線
405・・・標準流量モードの圧力曲線 406・・・大流量モードの圧力曲線

Claims (20)

  1. 荷電粒子を放出するナノチップと、
    前記ナノチップを極低温に冷却する冷凍機構と、
    荷電粒子の原料ガスを導入する導入口と、
    前記原料ガスを排する排経路と、を有する荷電粒子銃と、
    前記原料ガスを供給するガス供給機構と、を備えた荷電粒子線装置であって、
    前記導入口と前記ガス供給機構を繋ぐ微細管を備え、
    当該微細管の前記導入口側開口において、前記原料ガスの振舞が中間流または粘性流となることを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 荷電粒子を放出するナノチップと、
    前記ナノチップを極低温に冷却する冷凍機構と、
    荷電粒子の原料ガスを導入する導入口と、
    前記原料ガスを排する排経路と、を有する荷電粒子銃と、
    前記原料ガスを供給するガス供給機構と、を備えた荷電粒子線装置であって、
    前記導入口と前記ガス供給機構を繋ぐ微細管を備え、
    当該微細管の前記導入口側開口の圧力と荷電粒子銃筺体内の圧力比が10倍以上となることを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の荷電粒子線装置であって、
    前記微細管の内径が0.2mm以下であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項1または2のいずれかに記載の荷電粒子線装置であって、
    前記冷凍機構が、前記ナノチップを極低温に冷却する第1の冷凍機構と、前記ナノチップを取り囲むように配置された熱シールドを冷却する第2の冷凍機構を含むことを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項4記載の荷電粒子線装置であって、
    前記荷電粒子銃が、前記原料ガスを精製する非蒸発型ゲッターポンプと、荷電粒子線の通過穴兼真空排気穴を備え、
    原料ガスの導入時には前記排気経路を閉じ、
    かつ、荷電粒子銃内の真空排気および原料ガスの排気が、前記排気経路を排気する真空ポンプの動作を停止した状態における、前記第1の冷凍手段および前記第2の冷凍手段で冷却される部材のクライオポンプ作用により実施されることを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 請求項1または2のいずれかに記載の荷電粒子線装置であって、
    前記荷電粒子銃が、前記原料ガスを精製する非蒸発型ゲッターポンプを有することを特徴とする荷電粒子線装置。
  7. 請求項1または2のいずれかに記載の荷電粒子線装置であって、
    前記原料ガスの流量を100倍以上に可変できることを特徴とする荷電粒子線装置。
  8. 請求項1または2のいずれかに記載の荷電粒子線装置であって、
    前記微細管の前記導入口側開口の圧力が10[Pa]以上10[Pa]未満であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  9. 請求項1または2のいずれかに記載の荷電粒子線装置であって、
    前記微細管の開口よりも上流側にバリアブルリークバルブを備え、
    当該バリアブルリークバルブにより、前記微細管の前記導入口側開口の圧力を変化させることを特徴とする荷電粒子線装置。
  10. 請求項1または2のいずれかに記載の荷電粒子線装置であって、
    荷電粒子銃筺体が、固有のコンダクタンスを有する排気経路を備え、
    当該排気経路から前記原料ガスを排気して、導入される前記原料ガスの流量を変化させることを特徴とする荷電粒子線装置。
  11. 請求項1または2のいずれかに記載の荷電粒子線装置であって、
    荷電粒子銃体が、コンダクタンスを変化できる排気経路を備え、
    当該排気経路のコンダクタンスを、前記微細管の前記導入口側開口の圧力と連動して変化して、導入される前記原料ガスの流量を変化させることを特徴とする荷電粒子線装置。
  12. 請求項11に記載の荷電粒子線装置であって、
    前記荷電粒子銃内の圧力が変化しないように、前記微細管の前記導入口側開口の圧力と、前記排気経路のコンダクタンスとを変化させることを特徴とする荷電粒子線装置。
  13. 請求項11に記載の荷電粒子線装置であって、
    前記排気経路のコンダクタンスを変化させる手段が、当該排気経路中に設けられた開度可変バルブであることを特徴とする荷電粒子線装置。
  14. 請求項1または2のいずれかに記載の荷電粒子線装置であって、
    前記微細管が前記荷電粒子銃内の冷却された部品に接続され、前記原料ガスが冷却された後に荷電粒子銃内に導入されることを特徴とする荷電粒子線装置。
  15. 請求項1または2のいずれかに記載の荷電粒子線装置であって、
    前記微細管の材質が、オーステナイト系ステンレスまたはチタンであることを特徴とする荷電粒子線装置。
  16. 請求項1または2のいずれかに記載の荷電粒子線装置であって、
    前記微細管に供給する原料ガスを精製するゲッター材を利用したガス純化器を備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
  17. 請求項1または2のいずれかに記載の荷電粒子線装置であって、
    原料ガスを精製する加熱型純化器と、
    当該加熱型純化器で精製された原料ガスを更に精製して前記微細管に供給する非加熱型純化器を備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
  18. 請求項1または2のいずれかに記載の荷電粒子線装置であって、
    前記原料ガスを導入もしくは排気する真空ポンプ、または前記原料ガスのガスボンベが、床と振動絶縁された除振台に固定されており、
    当該除振台に固定されている前記真空ポンプまたは/および前記ガスボンベが、振動減衰部品を介して荷電粒子銃体と繋がっていることを特徴とする荷電粒子線装置。
  19. 請求項1または2のいずれかに記載の荷電粒子線装置であって、
    前記微細管の分子流領域におけるコンダクタンスが、前記排経路の最小コンダクタンスより2×10倍以上小さいことを特徴とする荷電粒子線装置。
  20. 請求項1または2のいずれかに記載の荷電粒子線装置であって、
    前記ガス供給機構が、配管およびバルブを加熱できるヒータと、供給経路内を排気できる真空ポンプとを備え、前記供給経路に原料ガスを充填する前に、真空加熱脱ガスできることを特徴とする荷電粒子線装置。
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