JP6136201B2 - 導光体、照明装置、表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、導光体および導光体を備えた照明装置並びに表示装置に関するものである。
最近の液晶テレビに代表されるフラットパネルディスプレイ等においては主に、直下型方式の照明装置と、エッジライト方式の照明装置とが採用されている。直下型方式の照明装置では、光源として複数の冷陰極管やLED(Light Emitting Diode)が、パネルの背面に規則的に配置される。液晶パネル等の画像表示素子と光源との間には、光散乱性の強い拡散板が用いられ、光源である冷陰極管やLEDが視認されないようにしている。
一方、エッジライト方式の照明装置は、複数の冷陰極管やLEDが、導光板と呼ばれる透光性の板の端面(入射面)に配置される。一般的に、導光板の射出面(画像表示素子と対向する面)の逆側の面(光偏向面)には、導光板の端面から入射する光を効率良く射出面へと導く光偏向要素が形成される。現在、光偏向面に形成される光偏向要素としては白色のインキが線状、またはドット状に印刷されたものが一般的(例えば特許文献1、特許文献2)である。
導光板は透明板の端面に光源が配置されるため、光源近傍の領域を導光する光量は多く、光源から離れた領域を導光する光量は相対的に少なくなる。従って光偏向要素は光源近傍ほど疎に、離れるほど密に配置することで導光板の射出面から均一に光が射出されるよう設計される。特許文献2には光偏向要素の粗密配置方法について、光偏向要素の大きさを変えながら一定のピッチで配置する方法、または光偏向要素の大きさを変えずに配置ピッチを変えていく方法が記載されている。現在の印刷方式で作製される導光板の大半は、光偏向要素の大きさを変えながら一定のピッチで配置する方法を採用している。しかし、白色ドットに入射した光は、ほぼ無制御に拡散反射されるため射出効率は低い。また白色インキによる光吸収も無視することはできない。
そこで最近では、マイクロレンズをインクジェット法によって導光板の光偏向面へと形成する方法や、レーザーアブレーション法によって光偏向要素を形成する方法などが提案されている。白色インキと違い、導光板の樹脂と空気との屈折率差による反射、屈折、透過を利用しているため、光吸収はほとんど生じない。そのため、白色インキに比べて光射出効率の高い導光板を得ることができる。
しかしながら、インクジェット法やレーザーアブレーション法による光偏向要素の形成は、白色インキの印刷と同様、導光板を平板成形した後に別工程で形成されるため、作製工程数が減る訳ではない。むしろ、白色インキの印刷工程よりもタクトタイムが長く、また設備のイニシャルコストが高いなど高コストとなる問題がある。
そこで、導光板を射出成形法や押出成形法により成形し、光偏向要素を射出成形時に、押出成形時に直接賦形する方法も提案されている(例えば特許文献3)。導光板の成形と同時に光偏向要素も形成されるため工程数が減り、低コスト化が実現できる。
ところで、導光板からの射出光ピークは一般的に正面方向ではなく斜め方向である。導光板は側端面から光を入射し、導光板内部を光が導光するため、正面方向に対して導光方向へと傾いた光が射出されやすいためである。従来、一般的に、導光板の他に拡散シートやプリズムシートといった光学シートを2〜4枚配置することにより、導光板から射出される光を光学シートが集光、拡散し、光の強度ピークの傾きを抑制していた。
特開平1−241590号公報 特開平3−6525号公報 特開2000−89033号公報
しかしながら、複数の光学シートを使用するということは、それだけ光のロスも増えることとなる。光学シートと空気との間での界面反射や、レンズシートのレンズ構造による反射光などが増大するためである。更にはバックライトの組立時においても、複数の光学シートを皺やたわみが発生することなく配置することは非常に手間のかかる作業である。またTV点灯時における各々の光学シートの熱変形、反り等による皺やたわみの発生にも留意した設計が求められる。
本発明は、このような従来技術の問題を解決するためになされたもので、導光体から射出される光の方向を制御し、集光レンズシート等を使用することなく正面方向へと射出することが可能な導光体、該導光体を備える照明装置並びに該照明装置を用いた表示装置を提供することを目的とする。
上述の問題を解決するものであり、本発明の一局面は、透光性の導光体であって、導光体は、第1主面と、第1主面と対向する第2主面と、第1主面と第2主面とを接続する4つの側端面を有し、4つの側端面の少なくとも1つは、光が入射する入射面であり、第1主面には、入射面から入射し導光体内を導光する光を第2主面側へと偏向する凹状の光偏向要素が形成され、光偏向要素を、第1主面に垂直且つ入射面の1つの延在方向(X方向)と直交する方向(Y方向)に平行な面で切断したときの断面形状において、第1主面から最も離れた部分を含む頂部からそれぞれ第1主面へと至る2つの輪郭線のうち、入射面との距離が近いほうの輪郭線の第1主面からの高さを表す第1関数A(y)が(式1)を満たすことを特徴とする。また、光偏向要素を、第1主面に垂直且つX方向に平行な面で切断したときの断面形状において、輪郭線は連続的に傾斜が変化する湾曲形状である。また、第2主面には、Y方向に延在しX方向に配列され、導光体内部を導光する光の光路を規制する光路制御要素が形成されている。
・・・(式1)
なお、nは前記導光体の屈折率を表し、前記第1関数A(y)は前記入射面との距離が近いほうの輪郭線と前記第1主面とが接続する点から前記入射面から遠ざかる向きに距離yの位置における、前記輪郭線の前記第1主面からの高さを表す。
また、第1関数A(y)は距離yの1次関数で表されることが好ましい。
あるいは、第1関数A(y)は距離yの2次以上の多項式関数で表され、第1関数A(y)の微分値であるdA(y)/dyの変動幅は、微分値の絶対値の平均値以下であることが好ましい。
また、頂部が稜線を形成することが好ましい。
また、断面形状において、頂部が直線、またはラウンド形状であり、Y方向において、頂部の幅は光偏向要素の幅の30%以内であることが好ましい。
また、2つの輪郭線のうち、入射面との距離が遠いほうの輪郭線の、距離yの位置における、第1主面からの高さを表す第2関数B(y)の微分値dB(y)/dyの絶対値の平均値は、第1関数A(y)の微分値dA(y)/dyの絶対値の平均値と等しいか、より小さいことが好ましい。
また、光偏向要素は、第1主面内に各々独立して配置されるドット形状であることが好ましい。
また、光偏向要素を第1主面に垂直且つX方向に平行な面で切断したときの断面形状の接線と、第1主面とのなす最大角度をθdとし、光路制御要素を第1主面に垂直且つX方向に平行な面で切断したときの断面形状の接線と、第1主面とのなす最大角度をθLとし、導光体の屈折率をnとしたとき、最大角度θLは、(式2)を満たすことが好ましい。
・・・(式2)
本発明の他の局面は、上述の導光体と、第1主面と対向する位置に配置される反射シートと、入射面に対向して配置される光源とを備えることを特徴とする、照明装置である。
また、第2主面側に、拡散性光学シートを備えることが好ましい。
本発明のさらに他の局面は、画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する画像表示素子と、上述の照明装置とを備えることを特徴とする、表示装置である。
本発明によれば、集光性の光学シートを配さなくても輝度の高い導光体、該導光体を備える照明装置並びに該照明装置を用いた表示装置を提供することが出来る。
本発明の実施形態の照明装置の断面模式図 (a)本発明の実施形態の導光体の斜視図、(b)(c)本発明の実施形態の導光体の側端面から見た図 本発明の実施形態の導光体の光偏向要素の断面図 本発明の実施形態の導光体内部の光の伝搬を示す側面図 本発明の実施形態の導光体の光偏向要素の断面図 本発明の実施形態の導光体の光偏向要素の断面図 (a)光路制御要素がない導光体の内部の光の伝搬を示す上面図、(b)光路制御要素がない導光体の内部の光の伝搬を示す側面図 (a)光路制御要素がない導光体の面輝度分布を示す図、(b)本発明の実施形態の面輝度分布を示す図 (a)本発明の実施形態の導光体内部の光の伝搬を示す上面図、(b)本発明の実施形態の導光体内部の光の伝搬を示す側面図 本発明の実施形態の導光体の光路制御要素および光偏向要素の断面図 本発明の実施形態の導光体の光路制御要素および光偏向要素の断面図 本発明の実施形態の表示装置の断面模式図 本発明の実施例の導光体の平面図および断面図
(実施形態)
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態における照明装置3の概略断面図であり、各部位の縮図は実際とは一致しない。照明装置3は、導光体7、光源6を少なくとも含んで構成される。また反射板(反射シート)5と少なくとも1枚以上の透過性光学シート8を含んでも良い。
光源6としては例えば点光源が挙げられる。点光源としては、LED(発光ダイオード)が挙げられ、LEDとしては白色LEDや光の3原色である赤色、緑色、青色のチップで構成されるRGB−LED等が挙げられる。これら点光源が光源6として導光体7の4つの側端面のうち少なくとも1つの端面7L(入射面)の延在方向(X方向)に複数配置される。図1では、光源6を導光体7の1つの入射面7Lに配置する例を示しているが、これに限らず、対向する2つの端面に配置する場合もあり得る。または光源6はCCFL(冷陰極管)に代表される蛍光管や面光源であっても良い。また導光体7の形状は、図1に示すような平板形状ではなく、楔形状等であっても良い。
導光体7の観察者側Fの面が第2主面である射出面7bである。射出面7bとは反対側の面には第1主面である光偏向面7aが形成され、光偏向面7aは平坦面と光偏向要素18とで構成される。光偏向要素18は、導光体7内部を導光する光の角度を、射出面7bから射出される角度へと偏向する。光偏向要素18としては、凹型のマイクロレンズ形状やピラミッド形状等、平面上に各々独立して離散的に配置されるドット状の構造物が挙げられる。光偏向要素18をドット状として第1主面内に配置することで、光偏向要素18の視認性を抑制しながら、所望の輝度分布が得られるよう光偏向要素18の配置を制御することが可能である。
また光偏向面7aの平坦面には光偏向要素18に比べて十分微細な凹凸(図示せず)が付与されていても良い。微細凹凸の高さは光偏向要素18の高さの1/10以下であることが望ましい。光偏向要素18の高さの1/10を超えると、導光体7の面輝度均一性を低下させるおそれがあるためである。微細凹凸は光偏向面7aの平坦面上に離散的に配置されるドット状であることが望ましい。その形は不定形でも構わない。光偏向要素18が間隔をあけて配置されると、導光体7を観察者側Fから観察した際に光偏向要素18の1つ1つが視認されてしまう場合がある。これは導光体7内部を導光する光のうち、光偏向要素18によって導光角度を偏向された光が射出面7bから射出されるため、観察者には光偏向要素18が光って観察され、平坦面は暗く観察されるためである。微細凹凸を光偏向要素18の間に複数配置することで、光偏向要素18が配置されない平坦部も光って観察されるため、光偏向要素18の1つ1つが視認されることを抑えることが出来る。
また微細凹凸は筋状の凹凸であっても良い。そして微細凹凸が延在する方向は、X方向と略直交する方向(Y方向)であることが望ましい。後述する導光体7の射出面7bに形成される光路制御要素19の機能を補助するためである。
また微細凹凸は筋状の凹凸であって、その延在方向はX方向であっても良い。微細凹凸がX方向に延在する場合、光偏向要素18のみでは偏向しきれない導光を偏向し射出することが出来るため、導光体7の射出効率が向上するためである。
一方、導光体7の射出面7bには光路制御要素19が形成される。光路制御要素19は、光源6から入射面7Lを通って導光体7に入射される光の導光、及び射出面7bからの射出光を制御し、導光体7の輝度均一性が高まり、また高輝度化を実現できる。光路制御要素19は一方向に延在するプリズム形状やレンチキュラーレンズ形状であって、その延在方向はX方向と略直交する方向(Y方向)である。ここで略直交する方向とは、90度(直交)に対して±10度の範囲を示す。すなわち光源6の光軸方向と略一致する。導光体7の製法上生じる角度ズレや、導光体7の射出面7b側に規則的な構造を有する板やシート等を配置する際のモアレ抑止のために角度を傾ける場合もあり得る。このときX方向に対して±10度の範囲であれば後述する本発明の照明装置3の特性を大きく損なうことはない。
本実施形態の照明装置3はその使用目的に応じて、導光体7の光偏向面7a側に反射シート5を備えても良い。光源6から入射面7Lを介して導光体7内を導光する光は、光偏向面7aに形成される光偏向要素18によって偏向され射出面7bから射出されるが、一部の光は光偏向要素18で反射せずに屈折透過してしまう。従って光偏向面7a側に反射シート5を備えることで、光偏向面7aから射出される光を再度導光体7へと入射させる効果が得られるため、観察者側Fへと射出する光量を増やすことが出来る。反射シート5は特に限定されないが、例えば一般的な白色反射板や鏡面反射板が挙げられる。またはプリズム形状が付与された構造反射板であっても良い。
更に本実施形態の照明装置3は、導光体7の射出面7b側に1枚以上の透過性光学シート8を備えても良い。透過性光学シート8としては、拡散シートや拡散板、マイクロレンズシートといった、拡散性の光学シートであることが望ましい。更に偏光を分離する機能を有していても良い。
以下、本実施形態の照明装置3を構成する導光体7について、さらに詳細に述べる。図2は導光体7の斜視図及び側面図である。導光体7の光偏向面7aには凹状である光偏向要素18が形成される。光偏向要素18の形状は、真円または楕円のマイクロレンズ形状やピラミッド形状に代表される多角プリズム形状であっても良い。
光偏向要素18の形状について、図3を用いてより詳細に説明する。図3は光偏向要素18のY方向における断面図である。光偏向要素18の断面は、光偏向面7aから最も離れた頂部Tと、頂部Tから光偏向面7aへと至る2つの輪郭線を有している。より光源6に近い輪郭線が輪郭線Aであり、他方が輪郭線Bである。第1関数A(y)は、輪郭線Aと光偏向面7aとが接続する点を0とし、そこから輪郭線Bと光偏向面7aとが接続する点Dyへの向きに距離yの位置における、輪郭線Aの光偏向面7aからの高さを表す。一方で第2関数B(y)は同様に距離yの位置における輪郭線Bの光偏向面7aからの高さを表す。このとき、第1関数A(y)について以下の(式1)を満たすことが望ましい。
・・・(式1)
ここでnは導光体7の屈折率である。
輪郭線Aの形状を表す第1関数A(y)が全ての位置において(式1)を満足することで、導光体7からの射出光のピークを効率的に射出面7bの正面方向へと向けることが出来る。第1関数A(y)が(式1)を満足せず、輪郭線Aの角度成分が小さい場合、導光体7から射出される光のピークは、正面方向ではなく斜め方向へ発生するため、高輝度な照明装置を得るためには、プリズムシートに代表される集光性光学シートを配置する必要が生じる。一方で第1関数A(y)が(式1)を満足せず、輪郭線Aの角度成分が大きい場合、導光体7から射出される光のピークは、正面方向ではなく斜め方向へと発生し、更には輪郭線Aで反射せず屈折透過する光が増大し、照明装置3の射出効率が低下する。
本実施形態の(式1)について以下図面を用いて詳細に説明する。(数1)の左辺は屈折率nの導光体7における空気との界面での全反射角を表している。すなわち、光偏向要素18の輪郭線Aに対して、光偏向面7aと平行な光が入射したとき全反射するために必要な輪郭線Aの角度成分を表している。しかしながら図4に示されるように、実際には最も入射面7L側に配置された光偏向要素18を除いて、他の光偏向要素18には光偏向面7aと平行な光はほとんど入射しない。各々の光偏向要素18は、これらより入射面7L側に配置された光偏向要素18の影になるためである。従って、光偏向面7aに平行な角度を0度としたとき、0度以上の俯角で輪郭線Aに光k1は入射する。なお、光偏向面7aの平坦部で反射し輪郭線Aへと向かう光k2も存在するが、ごく一部の光であり、その影響は光k1に比べてわずかである。
0度以上の角度で輪郭線Aに向かう光k1の最大角度は、(式1)の左辺で表される上述の全反射角に等しい。従って、輪郭線Aに入射する光のうち最大角度で入射する光を全反射する条件は(式1)の右辺となる。ところで実際には導光体7内を最大角度で導光する光量は少ない。光源6からは配光が略ランバート分布的である光が入射面7Lから入射するが、角度が大きな光ほど空気と導光体7とのフレネル反射によって透過出来ずに反射する光が多くなる。また導光角度が大きな光は、入射面7L近傍の光偏向要素18によってその大部分が偏向され、入射面7L近傍で射出されてしまう。従って、(式1)の右辺はより好ましくは1.5×sin−1(1/n)である。また上述した通り、光偏向面7aと平行な角度で輪郭線Aに入射する光もほとんど存在しないため、(式1)の左辺はより好ましくは1.1×sin−1(1/n)である。
光源からの光を直接的に偏向する面である輪郭線Aの形状をこのように設定することにより、導光体内部を導光する光を正面方向へと強く射出する導光体7を得ることが出来る。
図3で例示する光偏向要素18の形状についての説明に戻るが、第1関数A(y)は一次関数であり、どの位置においても第1関数A(y)の微分値dA(y)/dyは一定値となる。そのため、輪郭線A(y)が(式1)を満足することで、導光体7からの射出光のピーク位置を正面方向、すなわち観察者側Fへと制御しやすくなるため望ましい。
一方で、輪郭線Bの形状を表す第2関数B(y)について、その微分値dB(y)/dyの絶対値の平均値は第1関数A(y)の微分値dA(y)/dyの絶対値の平均値と同等か、小さいことが望ましい。その理由について説明する。光源6から入射面7Lを通って導光体7に入射した光の一部は、光偏向要素18の輪郭線Aと空気との界面での全反射によってその進路が偏向され、射出面7bから観察者側Fへと射出される。その他の光は、光偏向要素18の輪郭線Aと空気との界面で屈折透過する。このとき、一部の光は輪郭線Bへと向かい、空気と輪郭線Bとの界面で屈折透過し、導光体7へと再入射する。その他の光は反射シート5へと向かい、反射シート5で拡散反射され、光偏向面7aから導光体7へと再入射する。このとき、輪郭線Bの形状を表す第2関数B(y)の微分値dB(y)/dyの絶対値の平均値が大きいほど、輪郭線Aから屈折透過した光のうち、輪郭線Bを介して導光体7へと再入射する光が増大し、逆に第2関数B(y)の微分値dB(y)/dyが小さいほど、輪郭線Aから屈折透過した光のうち、反射シート5で拡散反射され、光偏向面7aから導光体7へと再入射する光が増大する。
導光体7を構成する光偏向要素18の輪郭線Aは、入射面7Lから導光体7へと入射した光を偏向することで射出面7bから射出し、その射出配光のピークは正面方向と略一致する。そのため、観察者側Fから導光体7を観察した際、光偏向要素18が視認されやすいという問題が生じる。つまり、光偏向要素18の1つ1つが指向性の強い点光源として視認される。
そこで発明者らは、輪郭線Aから屈折透過する光が一度反射シートで拡散反射された後に光偏向面7aから再入射することで、観察者側Fから導光体7を観察した際に、光偏向要素18の周辺部が発光して視認される結果、光偏向要素18の1つ1つの視認性が低下することを見出した。
すなわち、導光体7は、輪郭線Bの形状を表す第2関数B(y)の微分値dB(y)/dyの絶対値の平均値を輪郭線Aの形状を表す第1関数A(y)の微分値dA(y)/dyの絶対値の平均値と同等か、小さくすることで、輪郭線Aから屈折透過した光のうち、反射シート5で拡散反射され光偏向面7aを介して導光体7へ再入射する光を増大させ、光偏向要素18の視認性を抑制することが出来る。
なお、導光体の入射面が対向する2つの側端面である場合、輪郭線Bには距離が離れた光源からの入射光を偏向するため、輪郭線Aと同形状であることが望ましい。一方で導光体の入射面が1つの側端面である場合、光源からの入射光を直接偏向するのは輪郭線Aである。輪郭線Bには、輪郭線Aに入射した光のうち、反射せずに屈折透過した光が入射する。この場合は、上述のように、第2関数B(y)の微分値dB(y)/dyの絶対値の平均値が、第1関数A(y)の微分値dA(y)/dyより小さくなるよう設定することで、輪郭線Aに入射した光のうち反射せずに屈折透過した光が、輪郭線Bを介して導光体へと再入射する光量を減らすことが出来る。
図5は別の実施形態による光偏向要素18のY方向における断面図である。光偏向要素18は、光偏向面7aから最も離れた頂部Tと頂部Tから光偏向面7aへと至る2つの輪郭線、輪郭線Aと輪郭線Bとを有しており、それぞれの形状は第1関数A(y)と第2関数B(y)とで表される。図3で示された輪郭線の第1関数A(y)と第2関数B(y)とは双方ともに直線で表される一次関数であったが、図5に示される輪郭線の第1関数A(y)と第2関数B(y)とは2次以上を含む多項式関数である。このとき、輪郭線Aの形状を表す第1関数A(y)が全ての位置において、(式1)を満足することが望ましい。導光体7内部を導光する光はY方向に平行な光だけでなく、導光体7の光偏向面7aと射出面7bとで反射しながら導光する斜め光も多く存在する。そのため、輪郭線Aの形状を多項式関数で表される曲面とすることで、複数の角度の光を効率的に正面方向へと偏向して射出することが出来る。更には正面方向以外への射出光も増やすことで、照明装置3の射出光がピーキーになり過ぎないよう調整することができる。
導光体内部を導光する光はあらゆる角度で光偏向要素へと入射するため、輪郭線Aは複数の角度成分を有する湾曲形状であっても良い。また導光体からの射出光を正面方向だけでなく、一定の角度範囲に散らして射出したい場合においても有効である。しかしながら、効率的に正面方向へと射出光を偏向するための輪郭線Aの形状は上記(式1)で規定されており、(式1)の範囲を超えた角度成分を有した場合、正面方向への偏向機能が低下するため望ましくない。従って、第1関数A(y)の微分値であるdA(y)/dyの変動幅を、微分値の絶対値の平均値以下の範囲とし、変動を抑制し(式1)で規定される範囲を超えないようにすることが好ましい。
図6は別の実施形態による光偏向要素18のY方向における断面図である。光偏向要素18は光偏向面7aから最も離れたラウンドの頂部Tと、頂部Tから光偏向面7aへと至る2つの輪郭線、輪郭線Aと輪郭線Bとを有しており、それぞれの形状は第1関数A(y)と第2関数B(y)とで表される。図3、図5で示されるように頂部Tにおいて曲率が非連続的に変化し、頂部Tが稜線を形成する場合、導光体7から射出される光の配光は正面方向へピーキーな特性となり易い。また、稜線まで至る輪郭線Aによって効率的に導光体内部を導光する光を正面方向へと射出することが可能となる。輪郭線A、輪郭線Bを2次以上を含む多項式関数とすることで、正面方向以外への射出光を増やし、ピーキーな射出光特性を調製する手法について上述したが、頂部Tをラウンドとすることでも同様の効果を得ることが出来る。更には、頂部Tが稜線である場合、光偏向要素18を形成する型に欠陥が発生しやすく、また、接触による傷や欠け、磨耗という問題が生じるが頂部Tをラウンドとすることで欠陥、問題の発生を抑制することが出来る。更に、頂部をラウンドとすることは、導光体からの射出光を正面方向だけでなく一定の角度範囲に散らして射出したい場合にも有効である。あるいは頂部Tを直線形状としてもよい。
ところでラウンドの頂部Tの幅Tyは、光偏向要素18のY方向の幅Dyに対して30%以内であることが望ましい。ラウンドの頂部Tの領域は上述した(式1)から外れた範囲となるため、ラウンドの頂部Tの幅が光偏向要素18の幅Dyの30%を超えると、正面方向へと偏向される光量が減り、輝度が低下してしまうためである。
図3、図5、図6に示した光偏向要素18のY方向における断面形状は一部の例であり、これらに限定されない。例えば輪郭線Aを表す第1関数A(y)が一次関数であり、輪郭線Bを表す第2関数B(y)が2次以上を含む多項式関数であっても良いし、その逆でも良い。
一方、導光体の射出面7bには光路制御要素19が形成される。光路制御要素19はY方向に延在するプリズム形状やレンチキュラーレンズ形状であって、X方向へ一定のピッチで配列される。このとき光路制御要素19はギャップをあけて配列しても良い。図2では光路制御要素19の形状がレンチキュラーレンズである場合を図示している。光路制御要素19は導光体7内を導光する光の進路と射出面7bから射出される光の射出方向を制御する。先述した、導光体7のX方向における光偏向要素密度Dが一定である場合についての従来の問題点と本発明による解決手段について以下説明する。
図7は、光路制御要素19が無い導光体7において、内部を導光する光の振る舞いを図示している。図7(a)は射出面7b側から見た図であり、図7(b)は入射面7Lから見た図である。ここでは簡易的に、導光体7の入射面7Lに光源6が1つ配置された場合について図示している。
光路制御要素19が無い場合、光源6から射出された光が入射面7Lから導光体7に入射し、導光体7内部を扇状に広がりながら導光する。ここで図8(a)は光路制御要素19が無い導光体7の面輝度分布を示した図であり、例として導光体7の長辺2辺を入射面7Lとしている。光路制御要素19が無い導光体7は図に示される三角形状の暗部Gが生じてしまう。これは図7(a)で示したように、光源6から導光体7に入射した光が扇状に広がって導光することに起因し、複数の光源6による導光の重ね合わせ、そして光源6が配置されない短辺の側端面からの光漏れなどによる。従って従来においては、光偏向要素18の配置設計をする際、X方向の光偏向要素密度Dを一定とすることは難しく、Y方向のみならずX方向にも疎密設計をして対処しなければならないという問題があった。
図9は光路制御要素19がある導光体7において、内部を導光する光の振る舞いを図示している。図9(a)は射出面7b側から見た図であり、図9(b)は入射面7Lから見た図である。
光源6から入射した光は、光路制御要素19の傾斜面によりその反射角度が偏向され、扇状に広がることなくY方向へと導光する。図8(b)は光路制御要素19がある導光体7の面輝度分布を示した図である。光源6から入射した光が扇状に広がらずY方向へと導光するため、図8(a)で示したような暗部Gは生じない。また光源6が配置されない短辺側端面からの漏れ光もほとんどなく、高効率な照明装置3を得ることが出来る。
このように、導光体7内部を導光する光の進路を制御する機能は、上述した暗部Gの発生を抑制し輝度均一性を高める。導光体7を用いた照明装置3は、液晶ディスプレイのバックライト、例えば3Dディスプレイにおけるスキャニングバックライトに適用することが出来る。また光源6のオンオフによって照明装置3の発光するエリアを制御することが出来るため、ローカルディミングによる液晶ディスプレイの省電力化に寄与することも出来る。
光路制御要素19はY方向に延在しX方向に配列される、断面が三角形状であるプリズムレンズ、多角プリズムレンズ、またはこれらプリズムレンズの先端が丸みを帯びた形状であっても良い。光路制御要素19をこのようなプリズムレンズ形状とした場合、射出面7bから射出される光が集光され、高輝度な照明装置3を得ることが出来る。
光路制御要素19の断面形状の形状は球面、または非球面である湾曲レンチキュラーレンズの断面形状であることが望ましい。湾曲レンチキュラーレンズによって射出面7bから射出される光が集光され、高輝度な照明装置3を得ることが出来るだけでなく、入射面7L近傍に発生する光源ムラを抑制することが出来るためである。つまり、導光体7の入射面7Lには複数の光源6が一定の間隔で配置されるが、入射面7L近傍には光源6の配置間隔に起因する光源ムラが生じる。球面、または非球面である湾曲レンチキュラーレンズの断面輪郭の接線角度は、導光体7の面に対して様々な角度で構成される。そのため、湾曲レンチキュラーレンズによって内部反射される導光は、様々な角度で反射されるため、光源ムラを抑制することが出来る。
更に光路制御要素19は、光偏向要素18の視認性を低減する機能を備える。本実施形態の照明装置3をディスプレイ用のバックライトとして適用する場合、光偏向要素18が点状に視認されることは望ましくない。光路制御要素19がプリズムレンズである場合、光偏向要素18のイメージはスプリットされる。例えば光路制御要素19が三角プリズムレンズである場合、1つの光偏向要素18のイメージが2つのイメージへとスプリットされる。従って光偏向要素18の視認性低減が容易となる。一方で光路制御要素19が湾曲レンチキュラーレンズである場合、点状である光偏向要素18のイメージは線状化されるため、光偏向要素18の視認性低減が容易となる。
光路制御要素19はY方向に延在しX方向に一定の間隔、またはランダムな間隔で配列される。このとき光路制御要素19の間に平坦面である隙間があっても良い。光路制御要素19が配列されるピッチの10%以下の隙間であれば、上述した暗部Gの抑制機能、または発光面のエリア制御機能、光偏向要素18の視認性低減に影響を与えない。より望ましくは光路制御要素19が配列されるピッチの5%以下の隙間である。このような隙間を設けることで、導光体7の成形用金型の寿命を延ばし、且つ成形不良の発生を抑えることができる。
ここまで光偏向要素18のY方向断面形状と、光路制御要素19についての説明を行ったが、次に光偏向要素18のX方向断面形状と、光路制御要素19のX方向断面形状の相互作用による新しい機能について以下説明する。
ドット状である光偏向要素18を光偏向面7aに垂直且つX方向に平行な面で切断したときの断面形状の接線と、光偏向面7aとのなす最大角度をθdとし、光路制御要素19を射出面7bに垂直且つX方向に平行な面で切断したときの断面形状の接線と、射出面7bとのなす最大角度をθLとし、導光体7の屈折率をnとしたとき、最大角度θLは以下の(式2)の範囲を満たすことで、導光体7に入射した光を効率的に射出面7bから射出し、輝度均一性を高め、また、光利用効率を向上させることが出来る。
・・・(式2)
光源6から導光体7に入射した光は導光体7内部を3次元的な光路で導光する。入射面7Lの延在方向をX方向、入射面7Lと直交する方向をY方向、導光体7の光偏向面7aの法線方向、すなわち導光体7の厚み方向をZ方向としたとき、XY平面で導光体7内部を導光する光をみたとき、その射出効率、及び射出角度は光偏向要素18のXY平面における断面形状によって決定される。一方で、XZ平面で導光体7内部を導光する光をみたとき、光偏向要素18のXZ平面における断面形状によってその光路が偏向された光は、射出面7bに形成された光路制御要素19によって更に偏向される。すなわち、導光体7に入射した光を効率的に射出面7bから射出するためには、光偏向要素18のXY平面における断面形状だけではなく、光偏向要素18のXZ平面における断面形状と光路制御要素19のXZ平面における断面形状との相互作用を考える必要がある。
図10はXZ平面における光偏向要素18の最大接線角度θdと光路制御要素19の最大接線角度θLとの関係を示す断面図である。光偏向要素18に入射した光線kが最大接線角度θdによって反射され、光路制御要素19に入射した光線kが最大接線角度θLによって屈折して射出する様子を示している。光線kはX方向に対してαという角度で光偏向要素18に入射する場合を考える。このとき、光線kを反射するには光偏向要素18と空気との屈折率差による全反射条件は以下の(式3)で表され、この全反射条件を満たす光線kの振る舞いについて説明する。
・・・(式3)
光偏向要素18で反射し、射出面7b側へと進路を変えた光線kは光路制御要素19によって屈折し透過する。このとき、導光体7内部での光線kとZ軸とのなす角度θpに対し、導光体7から射出された光線kとZ軸とのなす角度θaを小さくする、すなわち光路制御要素19によってZ方向へと集光するためには、光路制御要素19の最大接線角度θLは以下の(式4)を満足しなければならない。
・・・(式4)
ここでαが最も大きな角度である場合について考えると、以下の(式5)となる。
・・・(式5)
この(式5)を満足する光路制御要素19を形成することで、光偏向要素18によって反射された光線kは光路制御要素19によってZ方向へと集光されて射出されるため、照明装置3の輝度が向上する。
最も望ましくは、光路制御要素19によって屈折し射出される光線kとZ軸とのなす角度θaは0度である。そのため以下の(式6)を満足することが望ましい。
・・・(式6)
(数6)の右式の±αを除いた数式は、光路制御要素19によって屈折し射出される光線kとZ軸とのなす角度θaが0度となる式である。ここで光線kの入射角αは最大値としている。しかしながら光偏向要素18で反射される光線kの入射角αは0度以上から(式2)で表される角度の範囲であるため、光路制御要素19の最大接線角度θLは最適角度から±αの間に設定されることが望ましい。
一方で光路制御要素19の最大接線角度θLが大き過ぎる場合、光路制御要素19へと入射する光線kが光路制御要素19と空気との界面で全反射を起こしてしまうため望ましくない。ここで光線kの入射角αが0度である場合について考えたとき、光路制御要素19の最大接線角度θLは以下の(式7)を満足することが望ましい。
・・・(式7)
光路制御要素19の最大接線角度θLが(式4)を満足しないとき、光路制御要素19の最大接線角度θLに入射した光線kは透過出来ずに反射されるため望ましくない。光線kの入射角αが(式1)で求まる最大角度である場合でも、光路制御要素19と空気との界面とで全反射を起こさないことが好ましく、以下の(式8)を満足することがより望ましい。
・・・(式8)
ここで光路制御要素19の最大接線角度θL、及び光偏向要素18の最大接線角度θdの算出方法について説明する。光路制御要素19が図11に示されるような湾曲レンチキュラーレンズ形状である場合、最大接線角度は隣り合う光路制御要素19の谷部となり、そこから湾曲レンチキュラーレンズの頂部に向かうにつれ接線角度は小さくなる。つまり接線角度は湾曲レンチキュラーレンズの輪郭上で連続して変化するため、最大接線角度を隣り合う光路制御要素19の谷部の1点で議論することは難しい。そこで最大接線角度θLの定義を次のように規定する。すなわち、湾曲レンチキュラーレンズのピッチをPLとしたとき、隣り合う光路制御要素19の谷間の点と、そこからX方向にPL×1/10だけ離れた位置における光路制御要素19の断面輪郭上の点とを結んだ線の角度と規定する。光偏向要素18の最大接線角度θdについても同様に規定する。光偏向要素18のX方向の幅をPdとしたとき、光偏向面7aとの接点と、そこからX方向にPd×1/10だけ離れた位置における光偏向要素18の断面輪郭上の点とを結んだ線の角度と規定する。
本発明に係る導光体7は、PMMA(ポリメチルメタクリレート)に代表されるアクリル樹脂、またはPET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、PAN(ポリアクリロニトリル共重合体)、AS(アクリロニトリルスチレン共重合体)等の透明樹脂を用いて、当該技術分野では良く知られている押出成形法、射出成型法、あるいは熱プレス成型法によって、光偏向要素18、及び光路制御要素19を一体で成形する。または、平板の導光体7を上述した製法で成形した後、光偏向要素18、及び光路制御要素19を印刷法や、UV硬化樹脂、放射線硬化樹脂などを用いて形成しても良い。
本発明の導光体7は上述した製法のうち、特に押出成形法を用いて、光偏向要素18と光路制御要素19とを一体に成形することが望ましい。これにより、導光体7を作製するための工程数が減り、またロール・トゥ・ロールでの成形であるため、量産性が高いためである。本発明の導光体7に形成される光偏向要素18は一次元方向の疎密パターンであるため、望ましくはロール金型の幅方向と一次元方向の疎密方向とを一致させ、ロール金型の周回方向は略一定の間隔で配置することで、シームレスでの導光体7の成形が可能となる。
図12は本実施形態における照明装置3と、画像表示素子2とを用いた表示装置1の概略断面図であり、各部位の縮図は実際とは一致しない。表示装置1を構成する透過性光学シート8としては、透明な基材上に拡散ビーズをコーティングした拡散シートが挙げられる。拡散シートは導光体7の光偏向面7aに形成された光偏向要素18を暈し視認性を抑制すると同時に、拡散ビーズがマイクロレンズと同様の効果を発揮することで導光体7からの射出光を観察者側Fへと集光する機能を有する。または透過性光学シート8は、より集光性の高い略半球形状であるマイクロレンズを規則的に、または不規則的に配置したマイクロレンズシートであっても良い。または透明な基材中に拡散フィラーを分散した拡散板(シート)であっても良く、この拡散板(シート)は偏光分離機能を有していても良い。
画像表示素子2は、画素単位で光を透過/遮光して画像を表示する素子であることが好ましい。画素単位で光を透過/遮光して画像を表示するものであれば、本発明の照明装置3により、観察者側Fへの輝度が向上された光を有効に利用して、画像品位の高い画像を表示させることができる。
画像表示素子2は、液晶表示素子であることが好ましい。液晶表示素子は、画素単位で光を透過/遮光して画像を表示する代表的な素子であり、他の表示素子に比べて、画像品位を高くすることができるとともに、製造コストを低減することができる。
以上、本発明の導光体7、照明装置3、並びに表示装置1について説明したが、本発明の照明装置3は表示装置1のみに適用されるものではない。すなわち光源6から射出された光を効率的に集光する機能を有する照明装置3として例えば照明機器などにも使用できる。
以下、実施例に基づいて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(導光体の概略)
本実施例における導光体7について説明する。導光体7の光射出面7bには高さが約50μm、幅が約150μmの湾曲レンチキュラーレンズ(光路制御要素)19が形成される。湾曲レンチキュラーレンズ19はY方向に延在し、X方向に隙間無く配列される。そしてX方向断面における最大接線角度θLは約58度である。
一方、導光体7の光偏向面7aには図13に示されるような、底面が左右非対称な楕円である凹状の非対称楕円マイクロドット(光偏向要素)18が、非対称楕円長軸がX方向と一致して離散的に配置される。楕円マイクロドットの長軸の大きさは約200μm、短軸の大きさは約60μmであり、レンズの高さ(凹状であるので深さ)は約20μmである。導光体7の厚みは3mm、大きさは32インチサイズであり、入射面7Lは4つの側端面のうち長辺1辺とし、材料はPMMA(ポリメチルメタクリレート)を使い、押出成形にて作製した。
(光偏向要素の形状)
続いて本実施例の導光体7に形成された非対称楕円マイクロドット18について詳細に説明する。楕円マイクロドット18の長軸はX方向と略一致しており、短軸はY方向と略一致して配置される。従ってY方向断面、すなわち楕円マイクロドット18の短軸断面の形状は、光源6の光軸に直交する面である。向かって左側の輪郭線が輪郭線Aであり、右側の輪郭線が輪郭線Bであり、共に1次関数形状とした。本実施例における導光体7はPMMAを用いて成形されており、PMMAの屈折率はおよそ1.49である。従って、空気との界面における全反射角は約43度である。(式1)によって、輪郭線Aの傾斜角度は43度以上86度以下にすることが望ましいが、上述したとおり更には47度以上65度以下の範囲であることが好ましい。本実施例においては、輪郭線Aと光偏向面7aとのなす角度を52度、輪郭線Bと光偏向面7aとのなす角度を28度とした。また頂部Tはラウンド形状としており、その幅は非対称楕円マイクロドット18のY方向の幅Dyに対して15%とした。
(光偏向要素の形状と光路制御要素の形状)
次に非対称楕円マイクロドット18のX方向断面における形状と、光路制御要素19である湾曲レンチキュラーレンズ19の形状について説明する。上述した通り、非対称楕円マイクロドット18のX方向断面における最大接線角θdと、湾曲レンチキュラーレンズ19のX方向断面における最大接線角θLとは(式2)を満足することが望ましい。本実施例における非対称楕円マイクロドット18のX方向断面における形状は、その最大接線角θdが25度である球面形状とした。上述した通り、本実施例における湾曲レンチキュラーレンズ19の最大接線角θLを約58度としたので、楕円マイクロドット18のX方向断面おける最大接線角θdは約38度以下であることが望ましい。
(導光体の光学評価)
以上のようにして、光偏向要素18の形状、光路制御要素19の形状が決定され作製された導光体7を液晶TVにて光学評価を行った。構成は観察者側Fから順に、液晶表示素子2、拡散シート8a、導光体7、反射シート5である。光源6は導光体7の4つの側端面のうち長辺1辺を入射面7Lとして複数配置される。尚、比較例1としては一般的に使用される印刷導光板を準備した。印刷導光板の射出面は平坦であり、光偏向面には白色インキによるドットが印刷されたものである。比較例1の構成は観察者側から順に、液晶表示素子2、上拡散シート、プリズムシート、拡散シート8a、印刷導光板、反射シート5である。すなわち本実施例における液晶表示装置1において光学シートは拡散シート8aのみであり、一方比較例1である印刷導光板を配した液晶表示装置1においては集光シートとしてプリズムシートを配した。光学評価には分光放射輝度計SR−UL2(TOPCON製)を用いて、画面中心輝度を測定した。
本実施例における導光体7を配置した液晶TVは、比較例1である印刷導光板を配置した場合に比べて、画面中心輝度は10%向上した。また拡散シート8aを1枚のせることで、非対称楕円マイクロドット18は画面上から視認されることはなかった。つまり、集光シートであるプリズムシートを使用することなく、光学シートは拡散シート8aを1枚配置したのみで、拡散シート8a、プリズムシート、上拡散シートの3枚を配した比較例1より10%の輝度向上を得ることが出来た。このように第2主面側に拡散性光学シートを備えることで、輝度均一性が更に向上し、また、光偏向要素の視認性を抑制することが出来る。
以上、本発明の導光体7、照明装置3、並びに表示装置1について実施例に基づき詳細に説明したが、本発明の照明装置3、並びに表示装置1はこれに限定されるものではない。本発明の照明装置3を表示装置1のバックライトとして使用する場合について説明したが、これに限定されない。例えば本発明の照明装置3を照明器具として適用することも可能である。
以上のように、本発明の導光体は、正面方向への輝度ピークを有し、面全体の輝度均一性が高いため、高輝度で輝度均一性の高い照明装置を得ることが出来る。更に第1主面から漏れ出る光を反射して再利用する反射シートを備えることで、より高輝度な照明装置を得ることが出来る。このように本発明により、従来に比べて部品点数を削減し、且つ高効率、高輝度を実現する導光体を備えたエッジライト方式の照明装置、並びにこれを備える表示装置を実現できる。
本発明は、導光体および導光体を備えた照明装置並びに表示装置等に有用である。
1 表示装置
2 画像表示素子
3 照明装置
5 反射シート
6 光源
7 導光体
7L 端面
7a 光偏向面
7b 光射出面
8 光学シート
8a 拡散シート
18 光偏向要素
19 光路制御要素

Claims (11)

  1. 透光性の導光体であって、
    前記導光体は、第1主面と、前記第1主面と対向する第2主面と、前記第1主面と前記第2主面とを接続する4つの側端面を有し、前記4つの側端面の少なくとも1つは、光が入射する入射面であり、
    前記第1主面には、前記入射面から入射し前記導光体内を導光する光を前記第2主面側へと偏向する凹状の光偏向要素が形成され、
    前記光偏向要素を、前記第1主面に垂直且つ前記入射面の1つの延在方向(X方向)と直交する方向(Y方向)に平行な面で切断したときの断面形状において、前記第1主面から最も離れた部分を含む頂部からそれぞれ前記第1主面へと至る2つの輪郭線のうち、前記入射面との距離が近いほうの輪郭線の前記第1主面からの高さを表す第1関数A(y)が(式1)を満たし、
    前記光偏向要素を、前記第1主面に垂直且つ前記X方向に平行な面で切断したときの断面形状において、輪郭線は連続的に傾斜が変化する湾曲形状であり、
    前記第2主面には、前記Y方向に延在し前記X方向に配列され、前記導光体内部を導光する光の光路を規制する光路制御要素が形成されていることを特徴とする、導光体。
    なお、nは前記導光体の屈折率を表し、前記第1関数A(y)は前記入射面との距離が近いほうの輪郭線と前記第1主面とが接続する点から前記入射面から遠ざかる向きに距離yの位置における、前記輪郭線の前記第1主面からの高さを表す。
  2. 前記第1関数A(y)は前記距離yの1次関数で表されることを特徴とする、請求項1に記載の導光体。
  3. 前記第1関数A(y)は前記距離yの2次以上の多項式関数で表され、前記第1関数A(y)の微分値であるdA(y)/dyの変動幅は、前記微分値の絶対値の平均値以下であることを特徴とする、請求項1に記載の導光体。
  4. 前記頂部が稜線を形成することを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の導光体。
  5. 前記断面形状において、前記頂部が直線、またはラウンド形状であり、
    前記Y方向において、前記頂部の幅は前記光偏向要素の幅の30%以内であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の導光体。
  6. 前記2つの輪郭線のうち、前記入射面との距離が遠いほうの輪郭線の、前記距離yの位置における、前記第1主面からの高さを表す第2関数B(y)の微分値dB(y)/dyの絶対値の平均値は、前記第1関数A(y)の微分値dA(y)/dyの絶対値の平均値と等しいか、より小さいことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の導光体。
  7. 前記光偏向要素は、前記第1主面内に各々独立して配置されるドット形状であることを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の導光体。
  8. 前記光偏向要素を前記第1主面に垂直且つ前記X方向に平行な面で切断したときの断面形状の接線と、前記第1主面とのなす最大角度をθdとし、
    前記光路制御要素を前記第1主面に垂直且つ前記X方向に平行な面で切断したときの断面形状の接線と、前記第1主面とのなす最大角度をθLとし、
    前記導光体の屈折率をnとしたとき、
    前記最大角度θLは、(式2)を満たすことを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の導光体。
  9. 請求項1〜の何れか1項に記載の前記導光体と、
    前記第1主面と対向する位置に配置される反射シートと、
    前記入射面に対向して配置される光源とを備えることを特徴とする、照明装置。
  10. 前記第2主面側に、拡散性光学シートを備えることを特徴とする、請求項に記載の照明装置。
  11. 画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する画像表示素子と、
    請求項または請求項10に記載の照明装置とを備えることを特徴とする、表示装置。
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