JP6136160B2 - シリンダボア内面の加工方法およびシリンダの構造 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のシリンダブロックにおけるシリンダボア内面の施工技術に係り、特にシリンダボア内面の耐焼付き性、耐摩耗性の向上と摺動ストローク部位に応じた良好な摺動特性が得られるシリンダボア内面の加工方法およびシリンダの構造に関する。
通常、内燃機関のシリンダブロックには、実働時、シリンダボア内面に潤滑油切れにより焼付き及び異常摩耗を防ぐため、凹凸形状を付与する施工が行なわれている。シリンダボア内面に凹凸部を形成し、凹部に潤滑油を滞留させる仕組みを備えることで、シリンダボア内面の焼損や焼付き、及び異常摩耗を防止している。
しかし、シリンダボア内面の凹凸形状の度合い如何によっては、ピストン摺動性を低下させ、ピストンの挙動を不安定にさせる要因となり、摩擦抵抗を増大させる原因となっていた。シリンダボア内面の焼付き性や焼損、異常摩耗を防止するため、耐焼付き性、耐摩耗性と摺動特性に優れたシリンダボア内面の施工技術が、特許文献1および2に示されるように開発されている。
特許文献1に記載のエンジンは、シリンダボア内面のピストン(両)スラスト側とこの(両)スラスト側に直交する円周部位のシリンダボア内面に、表面粗さの違いを設けている。そして、(両)スラスト側の摺動ストローク方向のシリンダボア内面の表面粗さを直交する円周部位より小さく施工することで、ピストン摺動時における(両)スラスト側の挙動を安定させて低摩擦を構成している。表面粗さの大きな円周部位の凹部から両スラスト側へエンジンオイルを供給する構造とすることで、ピストン(両)スラスト側とシリンダボア内面の潤滑油切れによる焼付きと異常摩耗の防止を図っている。
また、特許文献2に記載の発明は、鏡面加工したシリンダボア内面にピストン摺動ストローク方向にDLC(Diamond−like Carbon)等の低摩擦・硬質被膜で被覆することに加えて、硬質被膜施工の際にマスキングを行なうことで、シリンダボア内面に潤滑油経路となる凹部を形成させるシリンダボア内面の施工技術である。
特開2005−90442号公報 特開2011−220151号公報
従来の施工技術では、シリンダボア内面の(ピストンの)上下死点相当部位において、表面粗さの大きな凹凸部位をそれぞれ設けているために、シリンダボア内面の燃焼室側凹部に潤滑油が滞留し易いのに加え、ブローバイガスもクランクケース側へ通過し難い形状になっており、オイルの消費量とブローバイガス量の双方の増加が懸念される。
オイル消費量等を抑制するためには、シリンダボア内面の上下死点相当部位の表面粗さをできるだけ小さくする必要があるが、ピストンの上下死点相当部位は、摺動部位の特性上潤滑油が欠乏し易い箇所である。シリンダボア内面自体が充分な表面硬さを有していない場合、ピストン、ピストンリング等の摺動部位との間で凝着を引き起こし、耐焼付き性と耐摩耗性の確保が困難となる課題があった。
さらに、特許文献1に記載の発明では、シリンダボア内面に表面粗さの違いを円周方向に設けているため、ピストンリングの挙動が乱れて摺動抵抗が却って増大してしまったり、また、特許文献2に記載の発明では、高価な鏡面加工やコーティング施工が必要となり、加工コストが割高になる問題があった。
さらに、従来技術では、シリンダボア内面に低摩擦の実現と耐焼付き性、耐摩耗性の確保に加えて、オイル消費量とブローバイガス量抑制を同時に図る技術が困難であるという課題があった。

本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、シリンダボア内面の耐焼付き性、耐摩耗性の向上と良好な摺動特性の確保を図り、オイル消費量やブローバイガス量増加を抑制することができるシリンダボア内面の加工方法およびシリンダの構造を提供することを目的とする。
本発明は、上述した目的を達成するために、アルミ合金製シリンダボア内面にめっき皮膜を形成したシリンダボア内面の加工方法において、前記シリンダボア内面のピストン上下死点相当部位に対応する第1部位を限定的に加熱処理する熱処理工程と、前記加熱処理で硬化したシリンダボア内面のめっき皮膜を研削加工するホーニング研削加工工程とを有することを特徴とするシリンダボア内面の加工方法を提供する。
また、本発明は、上述した目的を達成するために、アルミ合金製シリンダボア内面にめっき皮膜を形成したシリンダボア内面の加工方法において、前記シリンダボア内面のピストン上下死点相当部位に対応する第1部位を加熱処理する熱処理工程と、前記シリンダボア内面の第1部位を加熱処理している間に、前記シリンダボア内面の第1部位以外の第2部位を限定的に遮熱して冷却制御する工程と、前記加熱処理で硬化したシリンダボア内面のめっき皮膜を研削加工するホーニング研削加工工程とを有することを特徴とするシリンダボア内面の加工方法を提供する。
さらに、本発明は、上述した目的を達成するために、アルミ合金製シリンダボア内面にめっき皮膜を形成したシリンダの構造において、前記シリンダボア内面のピストン上下死点相当部位に対応する第1部位のめっき被膜の硬さが、前記シリンダボア内面の前記第1部位以外の第2部位のめっき被膜の硬さよりも大きく、且つ前記第1部位のめっき被膜の表面粗さが、前記第2部位のめっき被膜の表面粗さよりも小さいことを特徴とするシリンダの構造を提供する。
本発明においては、アルミ合金製シリンダボア内面のピストン上下死点相当部位に対応する第1部位を限定的に加熱処理し、さらに、シリンダボア内面のめっき皮膜をホーニング研削加工を行うことで、めっき皮膜はシリンダボア内面の上下死点相当部位の第1部位で表面粗さを第2部位の表面粗さより小さくし、逆にめっき皮膜の硬さは第1部位が第2部位よりビッカース硬度を大きくすることができる。これにより、シリンダボア内面の耐焼付き性、耐摩耗性を向上させ、良好な摺動特性を確保することができ、オイル消費量やブローバイガス量の増加を抑制することができる。
また、本発明では、アルミ合金製シリンダボア内面のめっき皮膜の表面粗さを第2部位が第1部位より大きくし、第2部位の凹部で潤滑油を潤沢に保持して第1部位への潤滑油供給経路を確保することで、低摩擦と耐焼付き性、耐摩耗性を強化することができ、摺動部位の特性上、第2部位は油膜が介在してピストン挙動が安定化し、めっき皮膜の硬化処理を行なわなくても充分な耐久性が得られる。
本発明では、第1部位(ピストン上下死点部位)の表面粗さが小さくなり、低摩擦に加え、オイル上がりやブローバイガス量も抑制できる。また、第1部位のめっき皮膜を熱処理により硬化してあるので、耐焼付き性、耐摩耗性も確保できる。
さらに、第2部位(ピストン上下死点部位以外)の表面粗さを第1部位よりも大きくし、第2部位に潤滑油経路(凹部)を形成し、第1部位の低摩擦と耐焼付き性、耐摩耗性をより向上させることが可能となる。
その上、本発明は、ピストンストローク方向でシリンダボア内面の第1部位および第2部位に応じた摺動特性が得られる施工方法である。
シリンダブロックのシリンダボア内面を往復動するピストンが上死点位置をとるときの内燃機関の部分断面図。 シリンダブロックのシリンダボア内面の往復動するピストンが下死点位置状態をとるときの内燃機関の部分断面図。 シリンダボア内面(ボア表面)を原理的に示す斜視図。 (A)はシリンダボア内面のピストン上下死点相当部位(第1部位)を示す平断面図、(B)はシリンダボア内面のピストン上下死点相当部位以外の中間摺動部位(第2部位)を示す平断面図。 本発明に係るシリンダボア内面の加工方法の実施形態を示すフローチャート。 熱処理装置の上治具をシリンダブロックに固定した状態を示す断面図。 熱処理装置の上治具を内燃機関のシリンダブロック上に設置した上面図。 (A)は熱処理装置の上治具の外観を示す上面図、(B)は前記上治具の側面図。 熱処理装置の上死点側治具と下死点治具をシリンダブロックに取り付ける前の位置関係を示す図。 熱処理装置の上死点側治具と下死点治具とをシリンダブロックに取り付けた状態を示す図。 シリンダボア内面にNi−P(ニッケル−リン)合金めっきが施されためっき皮膜を熱処理(1hr)したときのめっき皮膜の硬さの変化と熱処理温度との関係を示す図。 熱処理装置のホーニング研削治具でシリンダボア内面のめっき皮膜とホーニング研削加工する研削加工方法を示す図。 ホーニング研削治具で研削加工されたシリンダボア内面のめっき皮膜のクロスハッチ模様を示す図。 ホーニング研削治具による研削加工で得られたシリンダボア内面のめっき皮膜の研削状態を原理的に簡素化して示す図。 ホーニング研削治具による研削加工の施工条件を示す図。 ホーニング研削治具による研削加工されたシリンダボア施工面の計測データを示す図。
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。
本発明は内燃機関のシリンダブロックにおけるシリンダボア内面を施工する際、シリンダボア内面の低摩擦を実現し、耐焼付き性、耐摩耗性を確保する一方、オイル消費量とブローバイガス量を抑制するシリンダボア内面の施工技術である。この施工技術は、シリンダボア内面にNi−P(ニッケル−リン)合金めっき処理したアルミ合金製シリンダブロックに対して、シリンダボア内面の(ピストン)上下死点相当部位(以下、第1部位という。)に所要の熱処理を行なうことで、めっき皮膜を硬化させた後、ホーニング研削加工を施すシリンダボア内面の加工方法および加工装置である。
内燃機関は、図1および図2に示されるようにエンジン1を構成しており、エンジン1は、ピストン2がシリンダブロック3のシリンダボア内面4を往復動するようになっている。図1はピストン2が上死点位置をとるとき、図2はピストン2が下死点位置をとるときをそれぞれ示しており、シリンダブロック3のシリンダボア表面であるシリンダボア内面4は、ピストンストローク方向でストローク特性に応じた摺動特性が得られるように、Ni−Pめっき処理を施す一方、オイル潤滑してピストン2の潤滑性を確保している。なお、符号5はコンロッドであり、符号6はクランクピン、符号7はクランク軸、符号8はピストン2上方の燃焼室である。
エンジン1は、実働時にシリンダボア内面4のオイル潤滑が厳しくなる上下死点相当部位の第1部位4a,4cに、耐焼付き性、耐摩耗性を向上させるため、めっき処理しためっき皮膜に温度制御の熱処理を行なっている。シリンダボア内面4の第1部位4aまたは4cは、ピストン2の上死点相当部位(領域)4aおよび下死点相当部位(領域)4cである。シリンダボア内面4の第1部位4a,4cを熱処理することにより、第1部位4a,4cのめっき皮膜は硬さを向上させることができ、耐焼付き性、耐摩耗性を向上させ、摺動抵抗を低減させる変形抵抗を抑制することができる。
また、シリンダボア内面4の第1部位4a,4c以外の中間摺動領域である第2部位4bは、エンジン1の実働時のオイル潤滑が第1部位4a,4cに較べて厳しくない。第2部位4bは、シリンダボア内面4の第1部位4a,4c間の(ピストン)中間摺動部位(領域)である。
エンジン(冷間)始動時等には、オイルが欠乏し易いため、第2部位4bに適当なオイルピット(オイル溜り)を形成する必要がある。第2部位4bでは、熱処理を積極的に行わず、後述するホーニング研削加工時に適当な表面粗さを形成し、潤滑特性(油保持性)の確保が行なわれる。
ところで、シリンダボア内面4の施工技術は、図3に示すように、アルミ合金製シリンダボア内面4の第1部位4a,4cを限定的に加熱する熱処理を行なってシリンダボア内面4のめっき皮膜9を硬化させた後、ホーニング研削加工を施し、めっき皮膜硬化分だけ研削抵抗が大きくなることを利用して、シリンダボア内面4の第1部位4a,4cは、図4(A)に示すように、めっき皮膜9の表面粗さ(凹凸形状)9aを小さくすることができる。第1部位4a,4cの耐焼付き性、耐摩耗性を確保して、ピストン挙動の安定化を図り、低摩擦の実現と、オイル消費量とブローバイガス量抑制を果たす施工技術である。
一方、シリンダボア内面4の第1部位4a,4c以外の第2部位4bは、図4(B)に示すように、ホーニング研削後のめっき皮膜9の表面粗さ9bが第1部位4a,4cに較べて大きくなるように研削加工している。具体的には、アルミ合金製シリンダボア内面4の第2部位4bは、第1部位4a,4cの熱影響を被らないように、第1部位4a,4cから遮熱制御と冷却制御を行なうことで、同じホーニング研削加工では第2部位4bのめっき皮膜9の表面粗さ9bを第1部位4a,4cのめっき皮膜9より大きくする施工技術である。
シリンダボア内面4の第2部位4bは第1部位4a,4c以外の摺動中間部であり、第2部位4bに対して第1部位4a,4cからの遮熱制御と冷却制御を保って研削加工するだけで、ホーニング研削加工後に第2部位4bのめっき皮膜9の表面粗さを第1部材4a,4cより大きくすることができる。シリンダボア内面4に形成されるめっき皮膜9は第1部位4a,4cと第2部材4bとで表面粗さを異にする。第1部位4a,4cのめっき皮膜9は第1部位4a,4cと第2部位4bとで表面粗さ9a,9bのように異にする。第1部位4a,4cのめっき皮膜9(9a)は、第2部位4bのめっき皮膜9(9b)より硬く、表面粗さが小さい。第2部位4bは、めっき皮膜9の表面粗さ9bを大きくし、粗くすることで、潤滑油を供給したり、保持する経路(凹部)を形成することができ、潤滑油が欠乏し易い第1部位4a,4cの低摩擦と耐焼付き性、耐摩耗性を強化することができる。シリンダボア内面4の第2部位4bを、潤滑油を滞留し易くすることで、アイドリングストップ時や冷間時のエンジン始動等において、シリンダボア内面4全体で潤滑油切れを効果的に抑制することができる。
シリンダボア内面4の第2部位4bは、表面粗さ9bが第1部材4a,4cより大きく、摺動部位の特性上、実働時には、潤滑油が潤沢に存在する。シリンダボア内面4は、第2部位4bを第1部位4a,4cの表面粗さ9aより大きく施工しても、油膜が充分に形成されていてピストン挙動を安定させることができ、低摩擦を持続させることができる。また、シリンダボア内面4の摺動部位から判断して、オイル消費量とブローバイガス量の抑制を充分に行なうことができるので、耐焼付き性及び耐摩耗性確保の対策として、めっき皮膜9の硬化処理を行わなくても充分な耐久性を有する。
さらに、本実施形態は、シリンダボア内面4の摺動ストローク方向に表面粗さの違いを設けているが、円周方向に表面粗さの違いが生じないので、ピストンリングの挙動に乱れが生じて、摩擦抵抗が増加する問題が発生しない。また、シリンダボア内面4の第1部位4a,4cと第2部位4bの熱処理とホーニング研削は共に同時施工で行なうことができる。特別な処理条件やマスキング治具等の必要は無いため、簡便にシリンダボア内面4を施工することができる。
[シリンダボア内面の加工方法]
図5は、内燃機関(エンジン)のアルミ合金製シリンダブロック17に対して、シリンダボア内面4の加工方法を実施する施工手順を示すフローチャートである。
始めに、シリンダブロック17が用意され、シリンダボア内面4の施工処理が開始されると、施工手順は、シリンダボア内面4のめっき前処理工程11、シリンダボア内面4のめっき処理工程12が順次実施される。めっき処理工程12ではシリンダボア内面4にNi−P合金めっきが施され、めっき皮膜が形成される。
めっき前処理工程11が終了すると、シリンダボア内面4に形成されためっき皮膜を熱処理するため、熱処理装置15(図6参照)が取り付けられる。熱処理装置15の装着工程13では、熱処理装置15の上治具16がアルミ合金シリンダブロック17のヘッド面上に据付けて固定される。このとき、シリンダブロック17は基台14上に設置されている。
熱処理装置15の上治具16が固定された後、シリンダボア内面4の熱処理工程20が実施される。熱処理工程20は、熱処理装置15に設けられた上死点側治具21と下死点側治具22とを用いてシリンダボア内面4の熱処理が実施される。熱処理工程20では、シリンダボア内面4の第2部位4bが予め冷却されており、第1部位4a,4cのめっき皮膜9が限定的に加熱されてシリンダボア内面4の熱処理が実施される。シリンダボア内面4の熱処理により、上死点付近(領域)および下死点付近(領域)の第1部位4a,4cはめっき皮膜が加熱されて加熱硬化され、必要な硬さが第1部位4a,4cのめっき皮膜に得られる。
シリンダボア内面4を加熱処理する熱処理工程20が終了すると、続いてホーニング研削加工工程23が実施される。ホーニング研削加工工程23では、熱処理装置15の上死点側治具21と下死点側治具22とが取り外される。その後に、ホーニング研削治具24が取り付けられ、シリンダボア内面4のホーニング研削加工が実施される。このホーニング研削加工により、シリンダボア18に要求されるシリンダボア内面寸法(内径)を得ることができる。内燃機関(エンジン)1のシリンダボア18は、精度の高いシリンダボア内面4のプロフィール(真円度、円筒度等)が得られる。
このように、シリンダボア内面4の施工手順は、シリンダボア内面4のめっき前処理→めっき処理を経て熱処理装置15の上治具16を取り付けた後、シリンダボア内面4の熱処理→ホーニング研削加工の順で実施され、シリンダボア内面4の施工処理が終了する。
[めっき前処理工程]
シリンダボア内面のめっき前処理工程11は、シリンダブロック17のボア内面4とめっき皮膜9との密着性を確保するために必要な処理である。めっき前処理工程11では、シリンダボア内面4の油分を除去する脱脂処理と、シリンダボア内面4の活性化と密着性を良好にするエッチング処理とが行なわれる。
エッチング処理には、従来から用いられている化学エッチング、電解エッチング等があり、めっき皮膜9の密着性を向上させるため、シリンダボア内面4に凹凸形状をアンカーとして形成することにある。シリンダボア内面4は、めっき前処理で洗浄され、めっき皮膜9の密着性を向上させた後、めっき処理が実施される。
[めっき処理工程]
めっき処理工程12では、シリンダボア内面4にNi−P合金めっきが施され、めっき皮膜9が形成される。Ni−P合金めっき処理工程12は、シリンダボア内面摺動相手材(ピストン、ピストンリング)との摺動面で必要な耐摩耗性を確保するための処理工程で、アルミ製シリンダブロック17のシリンダボア内面4へめっき皮膜9を形成して被覆する施工である。
めっき処理は、湿式の浸漬法または高速めっき法が用いられる。高速めっき法は、シリンダボア内面4だけにめっき処理液を流動させながら高電流密度で施工するもので、その処理液には、ワット浴が代表的に用いられる。ワット浴の組成は、例えば、硫酸ニッケル200〜600g/L,ほう酸35〜55g/L,50%次亜リン酸又は50%亜リン酸1〜5g/L,サッカリンナトリウム1〜5g/Lである。エンジン用シリンダへ適用するシリンダボア内面4の場合には耐摩耗性をさらに向上させるため、炭化ケイ素(SiC)粒子を添加する場合がある。
また、具体的なめっき処理条件の一例として、めっき処理液温度40℃〜80℃、pH1〜5が使用され、電流条件は、シリンダブロック17を−極、電極を+極として、電流密度5〜100A/dmで5〜50分間通電すると、シリンダボア内面4をNi−P合金めっきで被覆し、めっき皮膜9を形成することができる。このめっき皮膜9は、例えば、ビッカース硬さが550〜700HV、膜厚が20〜100μmであり、耐摩耗性に優れている。
[熱処理装置の装着工程]
めっき処理工程12で、シリンダボア内面4にNi−P合金めっきのめっき皮膜9を形成した後、シリンダブロック17のヘッド面上に熱処理装置15の上治具16が設置される。この熱処理用上治具16は、図6に示すように、シリンダブロック17のヘッド面上にメタルガスケット25を介して設置され、締付ボルト26で締め付けられ、固定される。メタルガスケット25には、シリンダヘッドガスケットと同材質のシール材料が用いられ、シリンダブロック17のヘッド面の傷付きの防止と冷却水の漏れ防止を図っている。
[熱処理工程]
熱処理装置15の上治具16がシリンダブロック17に設置された後、熱処理治具の上死点側治具21と下死点側治具22がシリンダブロック17に、図9および図10に示すように取り付けられて、シリンダボア内面4のめっき皮膜9の熱処理が実施される。
シリンダボア内面4のめっき皮膜は、図10に示すように、上死点側治具21のヒータ40により、ピストン上死点部位に対応する第1部位4aが所定温度(例えば150℃〜450℃の温度)に加熱されて熱処理される。また、シリンダボア内面4のピストン下死点部位に対応する第1部位4cは、下死点側治具22のヒータ40により所定温度(例えば150℃〜450℃の温度)に加熱されて熱処理される。
シリンダボア内面4の第1部位4a,4cが加熱処理されている間、第2部位4bは、断熱部材としての耐熱ゴム47,47により、ヒータ40,40からの熱が遮熱される。このとき、シリンダボア内面4の第2部位4bは、冷却水配管30,30を通って供給され、循環している冷却水により150℃未満、好ましくは100℃以下に冷却制御されている。このように、シリンダボア内面4のめっき皮膜9は、第1部位4a,4cが限定的に加熱処理されている間に、中間摺動領域である第2部位4bは限定的に遮熱・冷却制御される。
したがって、シリンダボア内面4のめっき皮膜9は、ピストン上下死点部位(領域)に対応する第1部位4a,4cが加熱処理され、めっき皮膜硬化が促進される一方、中間摺動領域の第2部位4bが遮熱・冷却制御され、めっき皮膜9の硬さは現状維持される。
熱処理装置15の上死点側治具21と下死点側治具22等とを用いて、シリンダボア内面4のめっき皮膜の熱処理が終了すると、次工程のホーニング研削加工工程23に移される。
[ホーニング研削加工工程]
ホーニング研削加工工程23では、熱処理装置15の上死点側治具21および下死点側治具22を取り出して退避させた後、シリンダブロック17にホーニング研削加工治具24を取り付けてホーニング研削加工が最後の施工工程として実施される。シリンダブロック17のシリンダボア内面4はめっき皮膜9がホーニング研削加工により凹凸面処理される。
ホーニング研削加工には、2つの目的がある。1つ(一方)は、実機エンジン組付の際に目的とするシリンダボア内面寸法(内径)を得るために、被覆したNi−P合金めっき皮膜表層を研削することである。もう1つ(他方)は、シリンダボア内面寸法(内径)出しを完了したシリンダボア内面4の凹凸形状に対し、凸部をプラトー化(台形形状)して平滑化することである。ホーニング研削加工はそれぞれの目的に応じて、粗さの異なるホーニング砥石が使用される。前者は、被覆したNi−P合金めっき皮膜表層をより速く研削するために、後者よりも粗いホーニング砥石を使用して施工が行われる。
[シリンダボア内面の加工装置]
シリンダボア内面4の加工装置は、シリンダブロック17に形成されるシリンダボア内面4にNi−P合金めっき処理により形成されためっき皮膜9を熱処理装置15を用いて熱処理し、研削加工するものである。
熱処理装置15は、図6〜図8に示すように、基台14上設置のシリンダブロック17に据付けられ、固定される上治具16と、図9および図10に示すように、シリンダブロック17のシリンダボア内面4のピストン上死点相当部位に対応する第1部位4aを加熱処理可能なヒータ40を有する上死点側治具21と、シリンダボア内面4のピストン下死点相当部位に対応する第1部位4cを加熱処理可能なヒータ40を有する下死点側治具22と、図12に示すように、シリンダボア内面4のめっき皮膜を研削加工するホーニング研削加工治具24とから構成される。熱処理装置15は、シリンダボア内面4のめっき皮膜を熱処理し、ホーニング研削加工する熱処理治具である。
[熱処理装置の上治具]
熱処理装置15の上治具16をシリンダブロック17のヘッド面に据付け、締結させると、シリンダブロック17と上治具16との間に、シリンダボア内面4の第2部位4bを限定的に冷却する冷却水連通経路が完成する。冷却水連通経路は、冷却水を冷却水配管30から上治具冷却水経路27を通り、ワーク冷却水通路28に達することで、第2部位4bの壁面から熱交換して冷却する。熱交換された冷却水(温水)は、ワーク冷却水出口通路28bを通じてシリンダブロック17の外部に排出され、図示しない熱交換器で冷却され、再度、冷却水配管2gに戻る循環経路を形成している。ワーク冷却水通路28は、シリンダボア内面4の第2部位4b近くに覆うように形成され、内燃機関1の据付時には、ウォータジャケットとして機能する。
熱処理装置15の上治具16をシリンダブロック17に据付け、固定した後には、上治具16を固定した状態で、上治具16の各プレート16a〜16cの出入れ装着孔37を通して上死点側治具21が挿設される(図9参照)。上治具16の出入れ装着孔37は、シリンダブロック17のシリンダボア内面4に連通した円穴部位であり、その円穴径は、シリンダボア内面4のホーニング研削加工用仕上げ径より大きく、後工程で使用する上死点側治具21およびホーニング研削加工治具24がスムーズに出入れ可能な径に形成されている。
熱処理装置15の上治具16は、図6および図8に示すように、例えば3層積層構造の設置台として構成され、上方から矩形状の上面プレート16a、中間プレート(スペーサ)16bおよび下面プレート16cが積層されて形成され、図示しないノックピンで位置決めされる。熱処理装置15の上治具16は、冷却水経路27からの水漏れを防止するために、予め上面プレート16a、中間プレート16b、下面プレート16c同士を締結してから設置したり、各プレート16a,16b,16c間にパッキング(シール手段)を挟んでもよい。
上治具16の上面プレート16aは、締付ボルト26着座面としての強度を持ち、SUS材等の耐食性材料で形成され、中間プレート16bは重量増を防止するため比重が小さく、耐食性に優れるアルミ材で構成される。下面プレート16cは、PPS,PEEK,ユニレート等の樹脂断熱部材で構成される。
上治具16の下面プレート16cは、シリンダブロック17のワーク冷却水通路28内に突出してシリンダボア内面4の上死点側を熱的にシールするスリーブ状のボス部29を一体に備える。このボス部29は、上死点側第1部位4aの相当位置に対応して形成され、シリンダボア(空間)18の第1部位4aを冷却させないようにシールしている。シリンダブロック17のワーク冷却水通路28には冷却水配管30から上治具側冷却水経路27を経てワーク冷却水通路28に冷却水が案内されるようになっている。
また、熱処理装置15の上治具16をシリンダブロック17のヘッド面上に締め付ける締付ボルト26は、実機エンジンへのシリンダヘッド締付トルクと同等の締付トルクで締結される。熱処理装置15は、熱処理治具の上治具16をシリンダヘッド17に据付け、固定したまま、移動させることなく、後工程で、シリンダボア内面4のホーニング研削加工が行なわれる。このため、実機組付け時、真円度や円筒度等のシリンダボア内面プロフィールを精度よく得ることができる。
一方、内燃機関33は、図7に示すように、例えば3気筒のエンジンであり、シリンダボア内面4の施工作業実施時に、シリンダブロック17上に熱処理装置15の上治具16が設置され、据付けられる。上治具16には、シリンダボア(空間)18列方向両側に取扱ハンドル(取手)34が設けられ、シリンダブロック17上への取扱いを容易にしている。上治具16には図8(A),(B)に示すように、締付ボルト用ボルト穴35が複数形成される一方、各ボルト穴35間に上治具冷却水経路27が設けられる。
[上死点側治具および上死点側治具]
熱処理装置15の上治具16をシリンダブロック17のヘッド面に固定した状態で図9に示すように、上方から上死点側治具21が、下方から下死点側治具22が挿入され、装着される。上死点側治具21と下死点側治具22は、図10に示す状態で、シリンダボア内面4の上死点側と下死点側の第1部位4a,4cを加熱する熱処理が実施される。
シリンダボア内面4の第1部位4a,4cだけをある温度以上、例えば150℃〜450℃の温度範囲で1時間加熱処理すると、めっき皮膜9中にNiP相が析出して第1部位4a,4cのめっき皮膜9を加熱硬化させる。熱処理は、第1部位4a,4cのめっき皮膜を硬化させる性質(析出効果)を利用して行なわれる。熱処理は、耐焼付き性、耐摩耗性が要求されるシリンダボア内面4の上死点側と下死点側の第1部位4a,4cだけを対象に限定的に行なわれるもので、第1部位4a,4cの熱処理時には、第2部位4bは、冷却水がワーク冷却水通路(ウォータジャケット)28を流れて冷却される。このため、第1部位4a,4cの熱処理時に、第2部位4bは熱処理が積極的に行なわれず、100℃以下に冷却され、めっき皮膜9の硬さを変化されることは殆どない。
熱処理装置15は、図9および図10に示される熱処理装置15の上死点側治具21および下死点側治具22を用いて実施される。熱処理治具15は、上死点側治具21と下死点側治具22に分割されており、双方の構造は同一である。このため、上死点側治具21だけの構成説明を行なう。
上死点側治具21は、図9および図10に示すように、高温絶縁性を有する円筒状のセラミックス成形体38に高温発熱体39を埋め込んだヒータ40を備え、ヒータ40の上下両端をそれぞれ上端プレート41、下端プレート42、支持ボルト43で支持している。
また、上死点側治具21は、昇降機能を持つエアシリンダ45を備えており、シリンダブロック17のワーク設置時や熱処理終了時は上昇して退避し、逆に、熱処理時にはシリンダボア内面4の第1部位(上死点側)4aにヒータ40がくるまで下降する。なお、エアシリンダ45とヒータ40は、取付プレート46と上端プレート41との間に備えた図示しないボルト等で締結されている。
一方、上死点側治具21の下端プレート42とヒータ40の間には、コの字形状の耐熱ゴム47を備え、脆性材料で形成されているヒータ40に対して、緩衝作用で破損を防ぐと共に、シリンダボア内面4と対向する耐熱ゴム47の接触面が、熱処理時にシリンダボア内面4の第2部位4bに密着して、第1部位(上死点側)4aからの熱伝導を防止する役割を持つ。
この熱処理工程20では、図10に示すように、上治具冷却水経路27とワーク冷却水通路28とからなる冷却水連通経路36に冷却水を循環させて、シリンダボア内面4の第2部位4bを予め冷却しておく。その後、上死点側治具21と下死点側治具22をエアシリンダ45,45により、双方の上端プレート41,41を上治具16の上面プレート16aの頂面、または、シリンダブロック17のシリンダボア底面17bが接触する高さまでエアシリンダ45,45の作動により下降および上昇させる。
上死点側治具21の上端プレート41を上治具16の上面プレート16aの頂面に接触させると、シリンダボア内面4の第1部位(上死点側)4aを加熱させるための閉空間が形成されるが、より効率良くかつ、上治具16構成部材への熱影響を排除するため、上死点側治具21に中間シール材48を設置し、閉空間よりも狭い閉空間を形成させる。さらに、上死点側治具21の上端プレート41の接触の際には上死点側治具21と下死点側治具22の下端プレート42同士も接触し、その接触圧力伴い、双方の耐熱ゴム47,47が膨張して、対面するシリンダボア内面4の第2部位4bに密着する構造となっている。
シリンダボア内面4の第1部位(上死点側)4a,(下死点側)4cを限定的に加熱する熱処理は上死点側治具21と下死点側治具22のヒータ40,40で加熱制御される。シリンダボア内面4の第1部位(上死点側)4a,(下死点側)4cのボア内面温度は、それぞれ、シリンダブロック17のヘッド面17aおよびシリンダボア底面17bでモニタリングされる。シリンダブロック17の第1部位4a,4cが設定温度まで昇温したのを確認した後、熱処理を開始する。熱処理終了後は、上死点側治具21と下死点側治具22を上昇または下降により退避させる。その後、シリンダブロック17のシリンダボア内面4を、常温の水を用いた噴射、または浸漬により冷却する。この冷却処理は、後工程のホーニング研削加工において、シリンダブロック17の温度を一定とすることで、シリンダボア内面4を精度良く加工するために必要である。
熱処理装置15でシリンダボア内面4の第1部位4a,4cを限定的に加熱する加熱処理を行なうことで、シリンダボア内面4へNi−P合金めっき処理したシリンダブロック17に対し、熱処理温度をそれぞれ変化させて1時間熱処理を行なった場合のめっき皮膜硬さの変化を図11に示した。図11は、熱処理温度を室温(25℃)と100℃〜500℃までの温度範囲において、50℃刻みで行なった場合のめっき皮膜硬さの変化を示している。
図11より、シリンダブロック17のシリンダボア内面4の第1部位の上死点側4aと下死点側4cは、この図より、NiP相の析出硬化によるめっき皮膜の硬化が認められる。めっき皮膜硬さの上昇が認められる範囲は、図11から150℃〜450℃の温度範囲であり、特に200℃〜400℃の温度範囲にてめっき皮膜硬化が顕著にでていることを知見した。したがって、好適な熱処理条件は、加熱処理の温度範囲が150℃〜450℃であり、より好ましくは、200℃〜400℃の温度範囲である。
なお、熱処理温度が500℃では、NiP相の過剰析出により、めっき皮膜の硬さは室温時のめっき皮膜硬さよりも低下してしまう。また、20℃〜150℃未満の範囲は、析出硬化相が発現せず、めっき皮膜の硬さが変化しない。よって、シリンダボア内面4の第2部位4bは熱処理中に、150℃未満の範囲内に留めておけば良い。
シリンダボア内面4の熱処理が終了すると、熱処理装置15は上治具16を残したまま、上死点側治具21を上治具16から取り外して上動させ、退避させる一方、下死点側治具22は、シリンダブロック17から下方に取り出して撤去させる。
[ホーニング研削加工治具]
ホーニング研削加工治具24は、図12に示すように、シリンダブロック17の上治具16に上方から装着されて、ホーニング研削加工を実施する治具である。ホーニング研削加工治具24は、回転自在の主軸50に設けられた治具本体51に長手形状部材のホーニング砥石52を円周状に複数配置して構成される。ホーニング砥石52を取り付けたホーニング研削加工治具24は、図示しない研削液と共にシリンダブロック17のヘッド面17a側からシリンダボア内面4に向って主軸50を回転させながら下降させる。
ホーニング砥石52がシリンダボア内面4の第1部位(下死点側)4cのシリンダボア下端に達するとホーニング砥石52の回転方向が逆となると共に、シリンダボア内面4の第1部位(上死点側)4aの上端に向かって上昇する。ホーニング砥石52は下降時には螺旋状に回転しながら矢印Aで示すように下降し、上昇時には回転方向を異にして螺旋状に矢印Bで示すように上昇する。
このホーニング研削加工治具24は、旋回しながらの往復回転運動Cが、ホーニング研削加工の1ストロークとなるが、粗引き・中引きでは、ストローク回数の増加に応じて、ホーニング研削加工治具24のホーニング砥石52が外周に向かって一定量拡張し、シリンダボア内面寸法(内径)を仕上げていくと共に、中引き工程終盤にて研削痕の凹凸形状が斜め方向へ交差するクロスハッチ模様(図13参照)がシリンダボア内面4に付与される。
一方、仕上げでは、ホーニング研削加工治具24のホーニング砥石52が寸法を仕上げたシリンダボア内面4を一定量加圧しながら往復回転運動Cすることで、ホーニング研削加工工程23で形成された凹凸形状の凸部をプラトー化(台形形状)し、潤滑油を滞留させるための凹部はそのまま維持するように施工される。
ホーニング研削加工工程23では、シリンダボア内面4のめっき皮膜の硬さを硬化させた第1部位(上死点側)4a、(下死点側)4cと、めっき皮膜の硬さを硬化させないようにした第2部位(中間摺動部)4bを同時にホーニング研削加工する。
その際、ホーニング研削加工工程23は、通称粗引き・中引き・仕上げの順でホーニング研削加工が行なわれる。例えば粗引きでは、ダイアモンド砥石#200、中引きではダイアモンド砥石#400を用いる。これに対し、後者の仕上げではより細かな砥石を使用して、シリンダボア内面4の凸部をプラトー化(台形形状)して平滑化し、実働時のピストン、ピストンリングの挙動を安定化させる。ホーニング研削加工で後者の加工は通称、仕上げまたはプラトー加工と呼ばれ、例えば、ダイアモンド砥石#1000のような細かい砥石を使用する。
ホーニング研削加工により、粗引き・中引き・仕上げの全てを通じて、シリンダボア内面4の第1部位4a,4cの方がめっき皮膜硬化分だけ研削深さの抵抗が大きくなるため、第1部位4a,4cは第2部位4bと比べておのずと表面粗さを小さくすることができる。
[実施形態の効果]
本実施形態においては、シリンダボア内面4のめっき皮膜9の第1部位4a,4cは、上死点側治具21および下死点側治具22の各ヒータ40による限定的な加熱処理により加熱硬化される。加えて、ホーニング研削加工治具24によりホーニング研削加工される。研削加工では第1部位4a,4cは加熱処理によるめっき皮膜硬化分だけ研削抵抗が大きくなり、逆に表面粗さ(凹凸度)を小さくすることができる。これにより、シリンダボア内面4のめっき皮膜9は第1部位4a,4cに必要な摺動特性が得られ、低摩擦、耐焼付き性及び耐摩耗性確保、オイル消費量、ブローバイガス量抑制を満足させたシリンダボア内面4が得られる。
また、シリンダボア内面4の第1部位4a,4c以外の中間摺動部位の第2部位4bのめっき皮膜は、ヒータ40,40からの遮熱と冷却水による冷却制御処理により、めっき皮膜9の硬さを変化させずに保つことができる。シリンダボア内面4のめっき皮膜9をホーニング研削加工治具24で研削加工すると、めっき皮膜9は皮膜硬さの違いにより、第2部位4bが第1部位4a,4cより表面粗さを大きくすることができる。これにより、第2部位4bのシリンダボア内面4に必要な摺動特性を保つことができる。第2部位4bのめっき皮膜9は、潤滑油が滞留される凹部の形成と、潤滑油膜の維持を図ることができる。
さらに、シリンダボア内面4のめっき皮膜9は、皮膜硬さを異にし、摺動ストローク部位に応じた第1部位4a,4cおよび第2部位4bの摺動特性に応じたシリンダブロック17を作製することができる。
一方、本実施形態においては、Ni−P合金めっきのめっき皮膜が形成されたシリンダボア内面4を熱処理治具の上死点側治具21および下死点側治具22で第1部位4a,4cはめっき皮膜9から新しい相のNiPが析出して加熱硬化させる。但し、加熱処理温度が450℃を超えると、NiPが過剰に析出して室温時のめっき皮膜9の硬さをより下回るため好ましくない。また、温度が150℃未満で処理すると、めっき皮膜9の硬さに変化が生じないため、第2部位4bのめっき皮膜9は、150℃未満の処理温度が処理されるように、第1部位4a,4cの加熱温度から遮熱し、冷却水で冷却される。
加えて、シリンダボア内面4の加工装置は、熱処理装置15でシリンダボア内面4の第1部位4a,4cを150℃〜450℃の温度範囲で加熱処理し、シリンダボア内面4の第2部位4bが150℃未満、より好ましくは100℃以下で、冷却制御処理することで、シリンダボア内面4のめっき皮膜9は、部位毎に異なるワークを作製することができる。シリンダボア内面4のめっき皮膜は皮膜硬度が異なるワークを作製してからホーニング研削加工を行なうことで、必然的にシリンダボア内面4のめっき皮膜9は、シリンダボア内面4の第1部位4a,4cおよび第2部位4b毎に摺動特性に応じた表面粗さ9a,9bのワーク(シリンダブロック17)を作製することができる。
ホーニング研削加工治具24は、特別なホーニング研削条件を設定して種々の研削治具を用いることなく、同じホーニング研削加工治具24でシリンダボア内面の必要な部位毎に表面粗さの異なるワークを同時に作製することができる。
[実施例]
次に、シリンダボア内面の加工装置の具体的な実施例を説明する。
内燃機関に搭載されるアルミダイカスト製のシリンダブロックに対して、シリンダボア内面にNi−P合金めっき処理等を施す施工技術の具体的実施例を説明する。
[めっき前処理工程]
初めに、アルミダイカスト製シリンダブロック17に、めっき前処理工程11として、シリンダブロック17のシリンダボア内面の脱脂処理を行なった。脱脂処理は、キザイ株式会社製の中性脱脂剤マックスクリーンNG−30を濃度40g/L,液温50℃に調整した水溶液へシリンダブロック17を浸漬して超音波洗浄することにより、シリンダボア内面4の油分を除去した。その後、水洗工程を経て、シリンダボア内面4だけにエッチング処理液を流動させて電解処理を行う電解エッチング処理を行なった。電解エッチング処理によりシリンダボア内面4に付着している不純物や酸化物を除去すると共に、めっき皮膜との密着を確保するための凹凸形状(アンカー)の形成を図った。電解エッチング処理は、処理液としてリン酸100〜500g/Lを使用し、液温度50℃〜100℃、液流速10〜50cm/sec、電解条件10〜80A/dm、処理時間0.5〜5分間である。
[めっき処理工程]
めっき前処理工程終了後、水洗工程を挟んで、前処理を行ったシリンダボア内面4へのめっき処理を行った。めっき処理方法は、シリンダボア内面4だけにめっき処理液を流動させながら高電流密度で施工する高速めっき法を用いた。
また、前述のめっき処理条件範囲内にて、シリンダボア内面4にNi−P合金めっき処理により膜厚100μm程度のめっき皮膜を作製した。
[熱処理装置の装着工程]
めっき処理工程を完了した後、水洗工程を挟んで、シリンダブロック17のヘッド面へ熱処理装置15の上治具16を設置・締結した。上治具16とシリンダブロック17を締結する締付ボルト26の締付トルクは、実機エンジンのシリンダヘッド締付と同等の40〜60N・mで締結した。
[熱処理工程]
次に、めっき処理したシリンダブロック17のシリンダボア内面4に熱処理を実施した。この熱処理では、熱処理治具の上死点側治具21および下死点側治具22をシリンダブロック17のシリンダボア内面4にセットし、シリンダボア内面4の第1部位(上死点側)4a,(下死点側)4cの温度が300℃となるようにヒータ40,40を加熱制御するとともに第2部位4bの温度が100℃未満となるように、冷却水連通経路36(27,28)に冷却水を循環させて冷却制御した。熱処理時間は、1時間とし、シリンダボア内面4の第1部位4a,4cでは、第2部位4bよりもビッカース硬さで約200ポイント以上硬化しためっき皮膜を得ることができる。
[ホーニング研削加工工程]
最終施工として、ホーニング研削加工を行った。ホーニング研削加工では、工程(粗引き・中引き・仕上げ(プラトー加工))に応じた砥石とホーニング研削加工の施工条件を図11に示したように使い分けた。ホーニング研削加工治具24は、粗引き・中引き・仕上げの各工程に応じたホーニング砥石治具24を円周上に6本取付けた。粗引き・中引きによるシリンダボア内面4の寸法(内径)出しにおいて、めっき皮膜表層の研削量は、50μm狙いとして、めっき処理工程で被覆しためっき膜厚100μmの半分を残存させるようにした。さらに、中引き工程終盤にて研削痕の凹凸形状が、斜め方向へ交差するクロスハッチ模様をシリンダボア内面4に形成すると共に、仕上げ(プラトー加工)で前記凸部の先端を削ぎ落として平滑化した。
[シリンダボア内面の施工面の評価]
本実施例で施工されたシリンダボア内面の施工面の計測データを図16を参照して説明する。
同一シリンダボア施工面における、第1部位(ピストン上死点相当部位)4aと第2部位(中間摺動部)4bの表面粗さ測定とめっき皮膜硬さ測定を実施した。表面粗さ測定では、シリンダボア内面4全体の凹凸度合いを示す指標としてのRzjis(十点平均粗さ)と、凹部の潤滑油溜り深さのパラメータであるRvk(JIS B0671『プラトー構造表面における潤滑性評価パラメータ』参照)を用いて評価した。めっき皮膜硬さ測定では、ビッカース硬さ値を用いて両者を比較した。
表面粗さ測定機には、株式会社ミツトヨ製の触針式表面粗さ計SJ−301を使用して、測定を行った。また、めっき皮膜硬さ測定機には、株式会社ミツトヨ製のビッカース硬さ試験機MVK−H1を使用し、荷重100gf,荷重保持時間10secにて、破壊法によるめっき皮膜断面からの測定を実施した。
その結果、摺動部位で表面粗さと硬さが異なるシリンダボア内面4を同一シリンダで作製することができた。
第1部位4aのシリンダボア内面4全体の凹凸度 Rzjis 1.12[μm]と潤滑油溜り深さRvk0.25[μm]は、第2部位4b(Rzjis 1.81[μm]、Rvk0.40[μm])と比べて小さい。シリンダボア内面4の第1部位4aは、オイル消費量とブローバイガス量増加の抑制に有効な平滑なシリンダボア内面4を形成している。第1部位4aの平滑化は、油膜潤滑が期待できない第1部位4aの摺動特性上、ピストン、ピストンリングの挙動の安定化に寄与し低摩擦を実現することができる。
その一方で、シリンダボア内面4の第1部位4aの凹部に滞留する潤滑油が少なくなることで焼付き及び異常摩耗発生の懸念が生じるが、焼付き、異常摩耗を防止するために第1部位4aのめっき皮膜を非熱処理部の第2部位4bと比べて200ポイント以上硬化(第1部位:805HV、第2部位:597HV)させることができた。
これに対し、シリンダボア内面4の第2部位4bのシリンダボア内面は、第1部位4aよりも意図的に表面粗さRzjis,vkが大きくなるよう施工し、実際にその効果を確認した。その施工目的は、第2部位4bに形成した、より大きな凹部(オイル溜り)から実働時に潤滑油が欠乏しやすい第1部位4aへ潤滑油供給経路を形成することで、さらなる低摩擦と耐焼付き性、耐摩耗性を強化させることができる。なお、第2部位4bは摺動部位の特性上、実働時には潤滑油が潤沢に存在することから、第1部位4aよりも表面粗さを大きく施工して、油膜が介在してピストン挙動を安定化させて、低摩擦を持続できる。
さらに、シリンダボア内面4の第2部位4bは摺動部位・摺動特性から判断して、オイル消費量とブローバイガス量の抑制を図ることができ、耐焼付き性及び耐摩耗性確保の対策として、めっき皮膜の硬化処理を行わなくても充分な耐久性を有することが分かった。
[変形例]
本発明の実施例では、めっき処理工程で用いるめっき処理液に、Ni−P合金めっき処理を施す例を説明したが、Ni−P合金めっき処理に炭化ケイ素SiC等の不溶性粒子を混合してNi−P−SiC合金めっきのめっき処理することもできる。炭化ケイ素(SiC)粒子は、エンジン用シリンダ等に対するめっき処理についても、耐摩耗性の向上を目的にめっき液に添加することができる。
他に、シリンダボア内面やピストン表面には、耐焼付き性、耐摩耗性の高いDLC(Diamond−Like Carbon)等の硬質薄膜や、Ni−SiC(ニッケル,炭化ケイ素)、CrN(窒化クロム)のめっき皮膜を形成してもよい。
また、熱処理装置15の上治具16は、ホーニング研削加工治具24を据付けるダミーヘッドと兼用とすることができる。その際、上治具16とシリンダブロック17の締付ボルト26のボルト締付軸力をエンジン組付時と同等にしてホーニング研削を行なうことで、エンジン実機組付け時のシリンダボア内面4の真円度・円筒度の精度を向上させることができ、さらなる低摩擦の実現を図ることができる。
1 内燃機関(エンジン)
2 ピストン
3 シリンダブロック
4 シリンダボア内面
5 コンロッド
6 クランクピン
7 クランク軸(クランクシャフト)
8 燃焼室
9 めっき皮膜
11 めっき前処理工程
12 めっき処理工程
13 熱処理装置の装着工程
14 基台
15 熱処理装置(熱処理治具)
16 上治具(設置台)
17 シリンダブロック
18 シリンダボア
20 熱処理工程
21 上死点側治具
22 下死点側治具
23 ホーニング研削加工工程
24 ホーニング研削加工治具
25 メタルガスケット
26 締付ボルト
27 上治具の冷却水経路
28 ワーク冷却水通路
29 ボス部
30 冷却水配管
34 取扱ハンドル(取手)
35 ボルト穴
36 冷却水連通経路
37 上治具の出入れ装着孔
38 セラミックス成形体
39 高温発熱体
40 ヒータ
41 上端プレート
42 下端プレート
43 支持ボルト
45 エアシリンダ
46 取付プレート
47 耐熱ゴム
50 主軸
51 治具本体
52 ホーニング砥石

Claims (6)

  1. アルミ合金製シリンダボア内面にめっき皮膜を形成したシリンダボア内面の加工方法において、
    前記シリンダボア内面のピストン上下死点相当部位に対応する第1部位を限定的に加熱処理する熱処理工程と、
    前記加熱処理で硬化したシリンダボア内面のめっき皮膜を研削加工するホーニング研削加工工程とを有することを特徴とするシリンダボア内面の加工方法。
  2. アルミ合金製シリンダボア内面にめっき皮膜を形成したシリンダボア内面の加工方法において、
    前記シリンダボア内面のピストン上下死点相当部位に対応する第1部位を加熱処理する熱処理工程と、
    前記シリンダボア内面の第1部位を加熱処理している間に、前記シリンダボア内面の第1部位以外の第2部位を限定的に遮熱して冷却制御する工程と、
    前記加熱処理で硬化したシリンダボア内面のめっき皮膜を研削加工するホーニング研削加工工程とを有することを特徴とするシリンダボア内面の加工方法。
  3. 前記熱処理工程において、前記シリンダボア内面の第1部位の加熱処理と前記第2部位の遮熱・冷却制御処理とを同時に実施する請求項2に記載のシリンダボア内面の加工方法。
  4. 前記熱処理工程において、前記シリンダボア内面の第1部位の熱処理温度を150℃〜450℃の温度範囲で加熱処理を行なうとともに、前記第2部位の温度を150℃未満の温度に遮熱して冷却制御処理を行なう請求項2または3に記載のシリンダボア内面の加工方法。
  5. アルミ合金製シリンダボア内面にめっき皮膜を形成したシリンダの構造において、
    前記シリンダボア内面のピストン上下死点相当部位に対応する第1部位のめっき被膜の硬さが、前記シリンダボア内面の前記第1部位以外の第2部位のめっき被膜の硬さよりも大きく、且つ前記第1部位のめっき被膜の表面粗さが、前記第2部位のめっき被膜の表面粗さよりも小さいことを特徴とするシリンダの構造。
  6. 前記シリンダボア内面のめっき皮膜は、前記第1部位のシリンダボア内面全体の凹凸度と潤滑油溜り深さが前記第2部位の凹凸度と潤滑油溜り深さに較べて小さく、前記めっき皮膜の硬さは、前記第1部位が前記第2部位に較べてビッカース硬度で200Hv以上大きい請求項5に記載のシリンダの構造。
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