JP6133462B1 - コーティング組成物および塗装品 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた耐擦傷性および耐候性を有し、耐溶剤性やコーティング組成物との密着性の劣るポリカーボネート樹脂等の樹脂成形品に対して1コート1ベークで塗装される場合であっても、透明性を損なうことなく充分な密着性が得られるコーティング組成物および塗装品を提供する。【解決手段】水酸基含有フッ素樹脂およびイソシアネート系硬化剤を含む樹脂組成物と、ポリエステル樹脂とを含み、ポリエステル樹脂は、ガラス転移点が−70〜−30℃であり、かつ、水酸基価が100〜300mgKOH/gであり、樹脂組成物の樹脂固形分100質量部当たり、1〜30質量部含まれる、コーティング組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、コーティング組成物および塗装品に関する。より詳細には、本発明は、優れた耐擦傷性および耐候性を有しており、耐溶剤性やコーティング組成物との密着性の劣るポリカーボネート樹脂等の樹脂成形品に対して1コート1ベークで塗装しても透明性を損なうことなく充分な密着性が得られるコーティング組成物および塗装品に関する。
従来、溶剤可溶型フッ素樹脂クリヤー塗料をコーティングした塗装品は、長期間屋外に曝された場合、自動車の排気ガスや塵埃等によって汚染され透明性が低下するなどの問題がある。特に、従来の溶剤可溶型フッ素樹脂クリヤー塗料をポリカーボネート樹脂等からなる樹脂成形品にコーティングした塗装品は、長期間屋外に曝された場合、自動車の排気ガスや塵埃等による汚染に加えて、コーティング塗膜を透過してくる太陽光の紫外線による樹脂成形品自体の樹脂劣化により、透明性が低下する問題がある。さらに、ポリカーボネート樹脂等からなる樹脂成形品は、耐溶剤性が弱く、その上にコーティング組成物を塗布した場合、ヘイズ・白化・クラック等が生じやすい。そのため、そのような樹脂成形品用コーティング組成物には、飽和炭化水素やアルコール系溶剤などの溶解力の低い溶剤が用いられている。また、ヘイズ・白化・クラックなどの塗膜欠陥を生じない場合でも、一般的に、コーティング組成物とポリカーボネート樹脂からなる樹脂成形品との密着性は低い。
一方、従来の溶剤可溶型フッ素樹脂塗料は、芳香族、エステル、ケトン等の溶解力の高い極性溶媒を必要とする。また、硬化剤として、ポリイソシアネートが使用される。そのため、従来の溶剤可溶型フッ素樹脂塗料は、アルコール系溶剤を使用できない。したがって、ポリカーボネート樹脂等の樹脂成形品を、従来の溶剤可溶型フッ素樹脂塗料でコーティングする際には、樹脂成形品表面の溶剤による劣化を防ぐと共に充分な塗膜密着性を得るために、飽和炭化水素系やアルコール系溶剤等の溶解力の低い溶剤に可溶で、樹脂成形品に対して充分な密着性を有する特定の樹脂を用いたプライマーを予めコーティングする必要がある。しかしながら、この場合、塗装工程が2コート2ベークと複雑になり、塗装品のコストが増大する。
これに対し、水酸基含有フッ素樹脂とイソシアネート系硬化剤とを含み、所定の溶剤を用いたクリヤーコーティング組成物が提案されている(たとえば特許文献1参照)。
特開2007−217514号公報
しかしながら、特許文献1に記載のコーティング組成物は、依然として耐擦傷性、耐候性、ポリカーボネート樹脂等の樹脂成形品に対して塗工した際の透明性および密着性について、改良の余地がある。本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、優れた耐擦傷性および耐候性を有し、耐溶剤性やコーティング組成物との密着性の劣るポリカーボネート樹脂等の樹脂成形品に対して1コート1ベークで塗装される場合であっても、透明性を損なうことなく充分な密着性が得られるコーティング組成物および塗装品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、コーティング組成物に、特定のガラス転移温度および水酸基価を示すポリエステル樹脂をさらに含ませることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。すなわち、上記課題を解決する本発明のコーティング組成物および塗装品には、以下の構成が主に含まれる。
(1)水酸基含有フッ素樹脂およびイソシアネート系硬化剤を含む樹脂組成物と、ポリエステル樹脂とを含み、前記ポリエステル樹脂は、ガラス転移点が−70〜−30℃であり、かつ、水酸基価が100〜300mgKOH/gであり、前記樹脂組成物の樹脂固形分100質量部当たり、1〜30質量部含まれる、コーティング組成物。
このような構成によれば、コーティング組成物は、優れた耐擦傷性および耐候性を有し、耐溶剤性やコーティング組成物との密着性の劣るポリカーボネート樹脂等の樹脂成形品に対して1コート1ベークで塗装される場合であっても、透明性を損なうことなく充分な密着性が得られる。
(2)ポリカーボネート樹脂製成型品の塗装に使用される、(1)記載のコーティング組成物。
このような構成によれば、コーティング組成物は、基材が特に耐溶剤性やコーティング組成物との密着性の劣るポリカーボネート製であっても、充分な密着性を示し得る。
(3)5〜20質量%のシクロヘキサノンと、10〜50質量%のジイソブチルケトンとを含む溶剤をさらに含む、(1)または(2)記載のコーティング組成物。
このような構成によれば、コーティング組成物は、一般に耐溶剤性やコーティング組成物との密着性の劣るポリカーボネート樹脂等の樹脂成形品に対して1コート1ベークで塗装される場合であっても、高い透明性が損なわれにくい。
(4)前記水酸基含有フッ素樹脂は、フルオロオレフィン−ビニルエーテル系共重合体を含む、(1)〜(3)のいずれかに記載のコーティング組成物。
このような構成によれば、コーティング組成物は、より優れた耐候性と、溶剤への溶解性とを発揮する。
(5)紫外線吸収剤または光安定剤のうち少なくともいずれか1種の添加剤をさらに含む、(1)〜(4)のいずれかに記載のコーティング組成物。
このような構成によれば、コーティング組成物は、より優れた耐候性と、ヘイズ・耐汚染性とを発揮する。
(6)前記紫外線吸収剤は、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤であり、コーティング組成物中に、樹脂固形分100質量部当たり、1〜20質量部含まれる、(5)記載のコーティング組成物。
このような構成によれば、コーティング組成物は、さらに優れた耐候性と、ヘイズ・耐汚染性とを発揮する。
(7)基材に、(1)〜(6)のいずれかに記載のコーティング組成物からなる塗膜が形成された、塗装品。
このような構成によれば、塗装品は、上記コーティング組成物からなる塗膜が形成されている。そのため、塗装品は、優れた耐擦傷性および耐候性を有し、耐溶剤性やコーティング組成物との密着性の劣るポリカーボネート樹脂等の樹脂成形品に対してコーティング組成物が1コート1ベークで塗装された場合であっても、透明性が損なわれにくく、塗膜との充分な密着性が得られる。
(8)前記基材は、ポリカーボネート樹脂製である、(7)記載の塗装品。
このような構成によれば、塗装品は、基材が特に耐溶剤性やコーティング組成物との密着性の劣るポリカーボネート製であるにもかかわらず、塗膜との充分な密着性が得られる。
本発明によれば、優れた耐擦傷性および耐候性を有し、耐溶剤性やコーティング組成物との密着性の劣るポリカーボネート樹脂等の樹脂成形品に対して1コート1ベークで塗装される場合であっても、透明性を損なうことなく充分な密着性が得られるコーティング組成物および塗装品を提供することができる。
<コーティング組成物>
本発明の一実施形態のコーティング組成物は、水酸基含有フッ素樹脂およびイソシアネート系硬化剤を含む樹脂組成物と、ポリエステル樹脂とを含む。以下、それぞれについて説明する。
(樹脂組成物)
樹脂組成物は、水酸基含有フッ素樹脂およびイソシアネート系硬化剤を含む。フッ素樹脂に水酸基を導入する方法としては、特に限定されない。一例を挙げると、フッ素樹脂に水酸基を導入する方法は、フルオロオレフィンを重合する際に、水酸基含有単量体を共重合する方法等である。
水酸基含有単量体は、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシペンチルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテルなどのヒドロキシアリルエーテル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルおよびメタクリル酸ヒドロキシプロピル等が例示される。
フルオロオレフィンとしては、一般式(1):
12C=CFR3 (1)
(式中、R1〜R3は、それぞれ同じかまたは異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、塩素原子、1価のアルキル基または1価のフルオロアルキル基である)で表わされる単量体が例示される。
1価のアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基が例示される。1価のフルオロアルキル基は、アルキル基中の1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されたフルオロアルキル基等が例示される。
一般式(1)で表される単量体としては、具体的には、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン等が例示される。
フルオロオレフィン、水酸基含有単量体以外の単量体は、特に限定されない。このような単量体は、フルオロオレフィンと水酸基含有単量体と共重合できる単量体であればよい。一例を挙げると、このような単量体は、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブチレン−1等のα−オレフィン類;エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル、乳酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、ピバリック酸ビニル、カプリル酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル類;酢酸イソプロペニル、プロピオン酸イソプロペニル等の脂肪酸イソプロペニルエステル類等、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1〜18)エステル;アクリル酸、メタクリル酸等のエチレン性不飽和カルボン酸;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族モノマー;アクリル酸またはメタクリル酸のアミド化合物およびその誘導体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等、アクリル酸、メタクリル酸等のエチレン性不飽和カルボン酸;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族モノマー;アクリル酸またはメタクリル酸のアミド化合物およびその誘導体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、またはこれらの単量体中の1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されたもの等である。
これらの中でも、水酸基含有フッ素樹脂は、フルオロオレフィン単位とビニルエーテル単位とを含むフルオロオレフィン−ビニルエーテル系共重合体を含んでいることが好ましい。これにより、得られるコーティング組成物は、より優れた耐候性と、溶剤への溶解性とを発揮する。
水酸基含有フッ素樹脂の数平均分子量は、2000以上であることが好ましく、5000以上であることがより好ましい。また、数平均分子量は、100000以下であることが好ましく、30000以下であることがより好ましい。数平均分子量が2000未満である場合、コーティング組成物は、得られる塗膜の耐久性、耐汚染性の保持性が低下する傾向がある。一方、数平均分子量が100000を超える場合、水酸基含有フッ素樹脂は、イソシアネート系硬化剤との相溶性が低下しやすく、貯蔵安定性が低下する傾向がある。
水酸基含有フッ素樹脂の水酸基価は、20mgKOH/g以上であることが好ましく、30mgKOH/g以上であることがより好ましい。また、水酸基含有フッ素樹脂の水酸基価は、200mgKOH/g以下であることが好ましく、150mgKOH/g以下であることがより好ましい。水酸基価が20mgKOH/g未満である場合、得られる塗膜の耐久性、耐汚染性の保持性が低下する傾向がある。一方、水酸基価が200mgKOH/gを超える場合、得られる塗膜の耐久性、耐水性、耐汚染性が低下する傾向がある。なお、本明細書において、水酸基価は、樹脂中の水酸基をアセチル化して、アセチル化に要した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムの量を、樹脂1gに対するmg数で表すことによって算出し得る。
イソシアネート系硬化剤は特に限定されない。一例を挙げると、イソシアネート系硬化剤は、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物、および、これらの2量体、3量体、または水またはアルコール類との反応生成物等である。
水酸基含有フッ素樹脂とイソシアネート系硬化剤の混合割合は特に限定されない。一例を挙げると、混合割合は、水酸基含有フッ素樹脂の水酸基1モルに対してイソシアネート系硬化剤のイソシアネート基が0.8モル以上であることが好ましく、1.0モル以上であることがより好ましい。また、混合割合は、水酸基含有フッ素樹脂の水酸基1モルに対してイソシアネート系硬化剤のイソシアネート基が2.0モル以下であることが好ましく、1.5モル以下であることがより好ましい。水酸基含有フッ素樹脂の水酸基1モルに対するイソシアネート系硬化剤のイソシアネート基が0.8モル未満である場合、得られる塗膜の硬化が不充分となりやすく、耐溶剤性、耐汚染性等が低下する傾向がある。一方、水酸基含有フッ素樹脂の水酸基1モルに対するイソシアネート系硬化剤のイソシアネート基が2.0モルを超える場合、未反応のイソシアネート基が塗膜中に残存し、得られる塗膜は、耐候性、耐汚染性が低下する傾向がある。
樹脂組成物の配合量は、特に限定されない。一例を挙げると、樹脂組成物は、コーティング組成物中、15質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。また、樹脂組成物は、コーティング組成物中、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。樹脂組成物の配合量が15質量%未満であると垂直面にエアースプレーなどで塗装した場合、塗膜が確保できず耐候性が低下する傾向がある。一方、樹脂組成物の配合量が40質量%を超えると垂直面にエアースプレーなどで塗装した場合、塗膜の平滑性が低下する傾向がある。
(ポリエステル樹脂)
ポリエステル樹脂は、上記した水酸基含有フッ素樹脂と同様にイソシアネート系硬化剤と反応し、塗膜を形成するために配合される。ポリエステル樹脂は特に限定されない。一例を挙げると、ポリエステル樹脂は、水酸基を含有する水酸基含有ポリエステル樹脂であることが好ましい。より具体的には、ポリエステル樹脂は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、デカンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族グリコールと、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸スベリン酸、アゼライン酸、1,10−デカメチレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族二塩基酸とを必須原料成分として反応させた脂肪族ポリエステル樹脂や、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール等の脂肪族グリコールと、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族二塩基酸を必須原料成分として反応させた芳香族ポリエステル樹脂等が例示される。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、−70℃以上であればよく、−60℃以上であることが好ましい。また、ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、−30℃以下であればよく、−40℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が−70℃未満である場合、得られるコーティング組成物は、得られる塗膜の耐汚染性が低下する傾向がある。一方、ガラス転移温度が−30℃を超える場合、得られるコーティング組成物は、得られる塗膜の耐擦傷性が低下する傾向がある。なお、本明細書において、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定することによって算出し得る。
ポリエステル樹脂の水酸基価は、100mgKOH/g以上であればよく、200mgKOH/g以上であることが好ましい。また、ポリエステル樹脂の水酸基価は、300mgKOH/g以下であればよく、280mgKOH/g以下であることが好ましい。水酸基価が100mgKOH/g未満である場合、得られるコーティング組成物は、得られる塗膜の耐擦傷性が低下する傾向がある。一方、水酸基価が300mgKOH/gを超える場合、得られるコーティング組成物は、得られる塗膜の耐候性が低下する傾向がある。なお、本明細書において、水酸基価は、樹脂中の水酸基をアセチル化して、アセチル化に要した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムの量を、樹脂1gに対するmg数で表すことによって算出し得る。
ポリエステル樹脂の配合量は、特に限定されない。一例を挙げると、ポリエステル樹脂は、水酸基含有フッ素樹脂およびイソシアネート系硬化剤を含む樹脂組成物の樹脂固形分100質量部当たり、1質量部以上であればよく、10質量部以上であることが好ましい。また、ポリエステル樹脂は、水酸基含有フッ素樹脂およびイソシアネート系硬化剤を含む樹脂組成物の樹脂固形分100質量部当たり、30質量部以下であればよく、25質量部以下であることが好ましい。ポリエステル樹脂の配合量が1質量部未満である場合、得られる塗膜の耐擦傷性が低下する傾向がある。一方、ポリエステル樹脂の配合量が30質量部を超える場合、得られる塗膜の耐候性が低下する傾向がある。
次に、本実施形態のコーティング組成物が好適に含む成分について説明する。
(溶剤)
コーティング組成物は、上記樹脂組成物およびポリエステル樹脂を配合するための溶剤を好適に含む。溶剤は特に限定されない。一例を挙げると、溶剤は、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソパラフィン等の脂肪族炭化水素系溶剤、工業用ガソリン、石油ベンジン、ソルベントナフサ等の炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶剤、2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート等のエステルとエーテル部分を有する溶剤、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、トリス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、テトラキス(トリメチルシロキシ)シラン等のシロキサン系溶剤、又はこれらの混合溶剤等である。これらの中でも、溶剤は、得られるコーティング組成物を基材に塗工した際に高い透明性が損なわれにくい点から、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトンであることがより好ましい。
特に、溶剤は、5〜20質量%のシクロヘキサノンと、10〜50質量%のジイソブチルケトンとを含むことが好ましい。シクロヘキサノンの配合量が5質量%未満である場合、得られるコーティング組成物は、ポリカーボネート樹脂等に塗装された場合に、塗膜の密着性が低下する傾向がある。一方、シクロヘキサノンの配合量が20質量%を超える場合、ヘイズが大きくなり透明性が損なわれる傾向がある。したがって、シクロヘキサノンおよびジイソブチルケトンが上記範囲内で配合される場合には、得られるコーティング組成物は、一般に耐溶剤性やコーティング組成物との密着性の劣るポリカーボネート樹脂等の樹脂成形品に対して1コート1ベークで塗装される場合であっても、高い透明性がより損なわれにくい。シクロヘキサノンは、7質量%以上となるよう配合されることがより好ましく、15質量%以下となるよう配合されることがより好ましい。また、ジイソブチルケトンは、15質量%以上となるよう配合されることがより好ましく、40質量%以下となるよう配合されることがより好ましい。
シクロヘキサノンおよびジイソブチルケトン以外の溶剤の配合量は、シクロヘキサノンおよびジイソブチルケトンとの合計で100質量%となるように添加されればよい。
溶剤の配合量は特に限定されない。一例を挙げると、溶剤は、樹脂組成物の樹脂固形分100質量部当たり、150質量部以上であることが好ましく、200質量部以上であることがより好ましい。また、溶剤は、樹脂組成物の樹脂固形分100質量部当たり、500質量部以下であることが好ましく、400質量部以下であることがより好ましい。溶剤の配合量が150質量部未満である場合、垂直面にエアースプレー等で塗装した際に、塗膜の平滑性が低下する傾向がある。一方、溶剤の配合量が500質量部を超える場合、垂直面にエアースプレー等で塗装した際に、膜厚が確保できず耐候性が低下する傾向がある。
(紫外線吸収剤または光安定剤)
本実施形態のコーティング組成物は、紫外線吸収剤または光安定剤のうち少なくともいずれか1種の添加剤を含むことが好ましい。
紫外線吸収剤としては特に限定されない。一例を挙げると、紫外線吸収剤は、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、酸化セリウム系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、酸化亜鉛系紫外線吸収剤、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤、酸化チタン系紫外線吸収剤等である。これらの中でも、紫外線吸収剤は、耐熱性および紫外線吸収安定に優れている点から、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤であることが好ましい。
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニルとオキシラン[(C10−C16(主としてC12−C13)アルキルオキシ)メチル]オキシランとの反応生成物、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと(2−エチルヘキシル)−グリシド酸エステルとの反応生成物、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が例示される。
紫外線吸収剤の配合量は特に限定されない。一例を挙げると、紫外線吸収剤は、樹脂組成物の樹脂固形分100質量部当たり、1質量部以上であることが好ましく、5質量部以上であることがより好ましい。また、紫外線吸収剤は、樹脂組成物の樹脂固形分100質量部当たり、20質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であることがより好ましい。配合量が3質量部未満である場合、コーティング組成物は、耐候性が低下する傾向がある。一方、配合量が20質量部を超える場合、コーティング組成物は、耐擦傷性、耐汚染性が低下する傾向がある。
光安定剤としては特に限定されない。一例を挙げると、光安定剤は、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、芳香族ベンゾエート系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物およびヒンダードアミン系化合物等である。
ベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、及び2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メチル−アクリロキシイソプロポキシ)ベンゾフェノン等が例示される。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−メチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(5−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、及び2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(4’−オクトキシ−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が例示される。
芳香族ベンゾエート系化合物としては、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のアルキルフェニルサリシレート類等が例示される。
シュウ酸アニリド系化合物としては、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、及び2−エトキシ−3’−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリド等が例示される。
シアノアクリレート系化合物としては、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等が例示される。
ヒンダードアミン系化合物としては、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−オクタデシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)オギザレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−エタン、α,α’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−トリレン−2,4−ジカルバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート、1−2−{3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、および1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジメタノールとの縮合物等が例示される。
光安定剤の配合量は、特に限定されない。一例を挙げると、光安定剤は、樹脂組成物の樹脂固形分100質量部当たり、0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましい。また、光安定剤は、樹脂組成物の樹脂固形分100質量部当たり、5質量部以下であることが好ましく、2質量部以下であることがより好ましい。光安定剤の配合量が0.1質量部未満である場合、耐候性が低下する傾向がある。一方、光安定剤の配合量が5質量部を超える場合、使用後ブリードアウトして外観を損ねる傾向がある。
(他の任意成分)
本実施形態のコーティング組成物は、通常、コーティング組成物に用いられる他の任意成分を適宜配合し得る。このような任意成分としては、可塑剤、着色顔料、反射剤、界面活性剤、消泡剤、無機質充填剤、硬化触媒等が例示される。
以上、本実施形態のコーティング組成物は、優れた耐擦傷性および耐候性を有する。また、コーティング組成物は、特に、ポリカーボネート樹脂製の基材に対して塗工される場合に、有効である。すなわち、コーティング組成物は、耐溶剤性やコーティング組成物との密着性の劣るポリカーボネート樹脂の樹脂成形品に対して1コート1ベークで塗装される場合であっても、透明性を損なうことなく充分な密着性が得られる。
<コーティング組成物の製造方法>
本発明の一実施形態のコーティング組成物の製造方法は、周知のコーティング組成物の製造方法である。一例を挙げると、コーティング組成物は、水酸基含有フッ素樹脂、および、適宜の溶剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を混合、攪拌して均一にした溶液と、イソシアネート系硬化剤、適宜の溶剤等を混合、攪拌して均一にした溶液を個々に製造し、塗装前にこれらの溶液および粘性調整用の溶剤を調合する等によって製造され得る。
<塗装品>
本発明の一実施形態の塗装品は、基材に、上記したコーティング組成物からなる塗膜が形成された塗装品である。
基材は特に限定されない。一例を挙げると、基材は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の合成樹脂からなる樹脂成形品、塗装成形鋼板、ステンレス、アルミニウム、真鍮、クロムめっき鋼材等である。これらの中でも、本実施形態の塗装品は、基材がポリカーボネート樹脂製である場合に、特に有効である。すなわち、ポリカーボネート製の基材は、耐溶剤性やコーティング組成物との密着性が劣る。しかしながら、本実施形態の塗装品は、上記したコーティング組成物からなる塗膜が形成されているため、このようなポリカーボネート製の基材に対しても、密着性の優れた塗膜が形成され得る。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。なお、特に制限のない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
使用した原料を以下に示す。
<水酸基含有フッ素樹脂>
ルミフロンLF200F(旭硝子(株)製、数平均分子量:12,000、樹脂固形分:100重量%、水酸基価:52mgKOH/g)
<イソシアネート系硬化剤>
コロネート2793(東ソー(株)製、樹脂固形分:99重量%以上、NCO含有量:16.4重量%)
<ポリエステル樹脂1>
FLEXOREZ A308(KING INDUSTRIES,INC.社製、ガラス転移点:−59℃、水酸基価:260mgKOH/g)
<ポリエステル樹脂2>
ニッポラン129(東ソー(株)製、ガラス転移点:−61.5℃、水酸基価:65mgKOH/g)
<溶剤>
シクロヘキサノン
ジイソブチルケトン
メチルイソブチルケトン
<紫外線吸収剤>
チヌビン400(チバ・ジャパン(株)製、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニルとオキシラン[(C10−C16主としてC12−C13アルキルオキシ)メチル]オキシランとの反応生成物)
<光安定剤>
チヌビン292(チバ・ジャパン(株)製、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートとメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートの混合物)
<界面活性剤>
BYK−310(ビックケミー・ジャパン(株)製、シリコーン系界面活性剤、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン)
<基材>
ポリカーボネート樹脂製基材(三菱ガス化学(株)製、厚さ5mm)
(実施例1〜8、比較例1〜2)
表1に記載の配合でそれぞれの原料を攪拌、混合し、コーティング組成物を得た。得られたコーティング組成物について、ポリカーボネート樹脂製基材に、エアースプレーにて、乾燥後膜厚が20μmになるように塗布し、室温にて15分間放置した後、80℃で1時間焼付乾燥を行って基材を作製した。その後、以下の評価方法および評価基準にしたがって各評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0006133462
<外観>
目視により観察し、以下の基準により評価した。
(評価基準)
◎:塗膜は、白化が認められなかった。
○:塗膜は、若干の白化が認められた。
△:塗膜は、白化が認められた。
×:塗膜は、著しい白化が認められた。
<全光線透過率>
JIS K7105に準じて、全光線透過率(%)を測定した。
<ヘイズ>
JIS K7105に準じて、ヘイズを測定した。
<密着性>
塗装品を沸騰水に1時間浸漬した後に、JIS K 5600−5−7による碁盤目テープ試験(すき間1mm、升目100)で評価した。剥離しなかった升数を示す。
<耐擦傷性>
ASTM D1044に準拠し、テーバー摩耗試験機にて摩耗輪CS−10Fを装着し、荷重500g下で100回転後のヘイズを測定した。耐擦傷性(%)は(試験後のヘイズ)−(試験前のヘイズ)で示した。
(評価基準)
・100回回転後のヘイズ
◎:ヘイズが5%以下であった。
○:ヘイズが5%を超え、10%以下であった。
△:ヘイズが10%を超え、15%以下であった。
×:ヘイズが15%を超えた。
<促進耐候性>
アイスーパーUVテスター(岩崎電気(株)製)にて、300時間、500時間経過後の全光線透過率、ヘイズ、黄変度の測定を行った。
<黄変度>
色度計Z−300A(日本電色工業(株)製)を使用し、塗膜の初期のイエローインデックスをYI0、耐候性試験後のイエローインデックスをYI1としたときのイエローインデックスの差(ΔYI=YI1−YI0)を、黄変度として評価した。
Figure 0006133462
表1および表2に示されるように、ガラス転移温度が−70〜−30℃であり、水酸基価が100〜300mgKOH/gであるポリエステル樹脂を、樹脂固形分100質量部当たり、1〜30質量部含まれるよう配合した実施例1〜8のコーティング組成物は、いずれも耐擦傷性、促進耐候性が優れていた。一方、ポリエステル樹脂を配合しなかった比較例1のコーティング組成物は、耐擦傷性が劣った。また、水酸基価が上記範囲から外れるポリエステル樹脂を使用した比較例2のコーティング組成物は、耐擦傷性が劣り、かつ、促進耐候試験におけるヘイズ、黄変度が大きくなった。

Claims (6)

  1. 水酸基含有フッ素樹脂およびイソシアネート系硬化剤を含む樹脂組成物と、ポリエステル樹脂とを含み、
    前記ポリエステル樹脂は、
    ガラス転移点が−70〜−30℃であり、かつ、水酸基価が100〜300mgKOH/gであり、
    前記樹脂組成物の樹脂固形分100質量部当たり、10〜13.8質量部含まれ
    ポリカーボネート樹脂製成型品の塗装に使用される、コーティング組成物。
  2. 5〜20質量%のシクロヘキサノンと、10〜50質量%のジイソブチルケトンとを含む溶剤をさらに含む、請求項記載のコーティング組成物。
  3. 前記水酸基含有フッ素樹脂は、フルオロオレフィン−ビニルエーテル系共重合体を含む、請求項1または2記載のコーティング組成物。
  4. 紫外線吸収剤または光安定剤のうち少なくともいずれか1種の添加剤をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のコーティング組成物。
  5. 前記紫外線吸収剤は、
    ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤であり、
    コーティング組成物中に、樹脂固形分100質量部当たり、1〜20質量部含まれる、請求項記載のコーティング組成物。
  6. ポリカーボネート樹脂製の基材に、請求項1〜のいずれか1項に記載のコーティング組成物からなる塗膜が形成された、塗装品。
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