JP6132157B2 - 液体貯蔵用タンクの免振構造 - Google Patents

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本発明は、例えば石油タンクなどの液体を貯蔵する液体貯蔵用タンクの免振構造に関し、特に貯蔵した液体のスロッシングを抑止することが可能な免振構造に関する。
従来、例えば、石油タンクは、内部に石油を貯蔵する有底円筒状のタンク(タンク本体、タンク構造体)と、貯留した石油に浮かべるようにタンクの内部に設けられる浮き屋根と備えて構成されている。
そして、この種の石油タンクにおいては、地震時に、特に地震動の長周期成分によって、タンク内の石油が共振してスロッシングが発生するおそれがある。実際に浮き屋根が大きな揺動変位によって損傷、沈没し、石油が大気に曝露されて引火し、大規模火災が発生した事例がある。
現在、全国には10000キロリットル以上の石油を貯留可能な石油タンクが2000基以上存在し、また、500キロリットル以上の石油タンクが10000基以上存在するが、石油タンクの長周期地震に対する危険性が注目されるようになったのは最近で、スロッシング対策が考慮されていないものが多々ある。
一方、液体を貯蔵するタンク本体と基礎、地盤との間、すなわち、タンクとこのタンクが設置される支持面との間に免震装置(免振装置)を設けることにより、地震発生時にタンク本体の被害を免震効果によって防止し、さらにタンク本体内に貯蔵した液体のスロッシングを抑止する手法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2012−229026号公報 特開2007−253968号公報
ここで、タンク(タンク本体)内に貯蔵した液体のスロッシングに対する1次固有周期は、ハウスナーの式により下記の式(1)で表せる。この式(1)から、例えば、重力加速度をgとし、直径D=70m、高さH=30mで石油の貯蔵量が11万キロリットルの石油タンクに貯蔵深さh=20〜30mで石油を貯蔵した場合、スロッシング1次固有周期は、9.2〜9.9secとなる。
Figure 0006132157
そして、このような石油タンクの9.2〜9.9secの1次固有周期は、超高層建物と比べても大幅に長周期である。また、石油タンクのスロッシングに対する減衰は、非常に小さく、減衰は0.5%程度しかない(ちなみに、超高層建物は減衰定数を2%程度として設計されている)。このため、石油タンクは、長周期地震動が作用すると、スロッシング振動が時間とともに増大し、これに伴い前述のような事故を招くおそれがある。
これに対し、例えば図11から図13に示すように、石油タンク1と基礎、地盤(支持面2)との間の免震層3に、積層ゴムなどの免震装置(免振機構)4やオイルダンパー等の減衰装置(制振機構)5を設置して、石油タンク1の耐震性を向上させることが提案されている。しかしながら、このような免震構造(免振構造)Aの固有周期は一般に3〜4秒程度であり、これよりも2〜3倍も長周期のタンク1を免震化しても地震時応答低減効果は小さい。
具体的に、例えば、直径D=70m、高さH=30mで石油(液体)6の貯蔵量が11万キロリットルの石油タンク1に石油6を満タンにした状態での検討について説明する。
タンク1内の液体重量100000ton、タンク本体1aの自重10000tonとして、T=9.2secから液体部の等価剛性k=46.6kN/mm、免震層3の固有周期を3.5secとすると、免震層3の剛性はk=355kN/mm(=7.60k)となる。地表面に対する液体(m)の変位応答倍は図14に示す通りとなり、免震層3にこの応答倍率を最小化する最適減衰を付加しても共振点における液体6の応答変位は地表の十数倍となる。
なお、ωはT=9.2secに対応する角振動数でω=0.68rad/sec、スロッシングの減衰は小さいため最適値算定において無視した。
このように従来の免震構造Aを適用しても応答低減効果が小さいため、耐震性を向上させるとともに液体6のスロッシングを効果的に抑止可能な手法が強く望まれていた。
本発明の液体貯蔵用タンクの免振構造は、液体を貯蔵するタンクの免振構造であって、前記タンクの下部と前記タンクが設置される支持面との間に、免振機構と、慣性質量ダンパー及び粘性ダンパーを備えてなり、前記タンク内の液体のスロッシングに対して同調する同調型の制振機構とを介設して構成されていることを特徴とする。
また、本発明の液体貯蔵用タンクの免振構造においては、前記タンクが石油タンクであることが望ましい。
本発明の液体貯蔵用タンクの免振構造においては、タンクの下部とタンクが設置される支持面との間に、例えば積層ゴムなどの免振装置からなる免振機構を介設するとともに、回転慣性質量ダンパーなどの慣性質量ダンパー及びオイルダンパーなどの粘性ダンパーを備えてなり、タンク内の液体のスロッシングに対して同調する同調型の制振機構を介設することにより、タンクの免振効果を得ることが可能になるとともに、タンク内に貯蔵した液体のスロッシングを効果的に抑止することが可能になる。
また、慣性質量ダンパーを用いることにより、タンク内の液体のスロッシングをより効果的に抑止できる同調型制震機構を構成することができ、免振層(免震層)の変位やダンパー反力を、無理なく設計できる範囲におさめることが可能になる。
本発明の一実施形態に係る液体貯蔵用タンク(タンク)及び免振構造を示す図である。 図1のX1−X1線矢視図である。 図1のX2−X2線矢視図である。 本発明の一実施形態に係る液体貯蔵用タンク(タンク)及び免振構造の解析モデルを示す図である。 本発明の一実施形態に係る液体貯蔵用タンク(タンク)のシミュレーション結果(液体及びタンクの変位応答倍率)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る液体貯蔵用タンク(タンク)のシミュレーション結果(変位応答倍率)を示す図であり、従来の免振構造を備えた場合と比較した図である。 本発明の一実施形態に係る液体貯蔵用タンク(タンク)のシミュレーションで用いた入力地震動の波形を示す図である。 本発明の一実施形態に係る液体貯蔵用タンク(タンク)のシミュレーション結果(タンク内の液体の変位量)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る液体貯蔵用タンク(タンク)のシミュレーション結果(タンク内の液体の加速度)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る液体貯蔵用タンク(タンク)のシミュレーション結果(免震層の変位)を示す図である。 従来の液体貯蔵用タンク(タンク)及び免振構造を示す図である。 図11のX1−X1線矢視図である。 従来の液体貯蔵用タンク(タンク)及び免振構造の解析モデルを示す図である。 従来の液体貯蔵用タンク(タンク)のシミュレーション結果(液体及びタンクの変位応答倍率)を示す図である。
以下、図1から図10を参照し、本発明の一実施形態に係る液体貯蔵用タンクの免振構造(以下、免振構造という)について説明する。
本実施形態のタンク1は、石油貯蔵用の浮き屋根式のタンクであり、図1及び図2に示すように、有底円筒状のタンク本体1aの内部に石油(液体)6を貯蔵するとともに、タンク本体1aの内部に石油6に浮かべるように設けられ、石油6の貯蔵量に応じて上下移動自在に配設された浮き屋根1bを備えて構成されている。
一方、本実施形態の免振構造Bは、図1から図3に示すように、タンク本体(タンク構造体)1aの下部、すなわち、タンク本体1aの底版と地表面(基礎、地盤、支持面)2の間に免震層3を設け、この免震層3に、積層ゴムなどからなり、横方向のすべり抵抗と横方向及び上下方向の弾性を有する複数の免振装置(免振支承)4が介設されている。また、この免震装置4を、その上端をタンク本体1a側に、下端を地表面2側にそれぞれ接続し、タンク本体1aを支持するように複数設けて免振機構7が構成されている。
さらに、本実施形態の免振構造Bは、免震層3に、免振装置4からなる免振機構7を介設するとともに、慣性質量ダンパー8とオイルダンパー9からなる制振機構10を介設して構成されている。また、これら慣性質量ダンパー8とオイルダンパー9がタンク1の軸線中心の円周方向や半径方向にバランスよく配置され(タンク1の軸線中心に対称配置され)、水平のどの方向にも同じ免振性能を発揮できるように構成されている。
すなわち、本実施形態の免振構造Bは、免震層3に免振装置4と慣性質量ダンパー8(及びオイルダンパー9)とを設け、従来の免振構造Aに対し、適切な慣性質量と減衰を免震層3に付加することにより、タンク本体1aの揺れを大幅に抑制するように構成されている。
さらに、本実施形態の免振構造Bでは、タンク本体1aの下部と地表面(支持面)2との間に介設される制振機構10が、タンク1内の石油(液体)6のスロッシングに対して同調する同調型の制振機構として構成されている。
ここで、この免振構造Bでは、ダンパー軸方向と地震力の作用方向のなす角度をθとすると、ダンパー性能がcosθとなることから、ダンパー設置台数nとして免震層全体での地震方向(振動作用方向)換算ダンパー性能が1台当たりのn/2となる。
これを踏まえ、例えば、図1、図2、図4に示すように、直径D=70m、高さH=30mで石油6の貯蔵量が11万キロリットルの石油タンク1に石油6を満タンにした状態での検討について説明する。ここでは、図11から図14に示した従来の免振構造Aに対する検討に対し、慣性質量ダンパー8を付加した点のみが異なっている。なお、浮き屋根1bは必須条件ではなく、浮き屋根1bがなくても応答低減効果は変わらない。
タンク内の液体重量100000ton、タンク本体(タンク構造体)1aの自重10000tonとして、T=9.2secから液体部の等価剛性k=46.6kN/mm、免震層3の固有周期を3.5secとする。これにより、免震層3の剛性はk=355kN/mm(=7.60k)となる。
そして、設置するダンパーの諸元は次のように設定する。
本実施形態において、このダンパーの諸元の設置等に関しては「磯田和彦、半澤徹也、田村和夫:慣性質量ダンパーを組み込んだ低層集中制震に関する基礎的研究:日本建築学会構造系論文集、一般社団法人日本建築学会、No.666、pp.713−722、2013年4月」に記載の手法に基づいて行い、免震層3に設置される慣性質量Ψ(全体)の最適値は、次の式(2)で設定する。
Figure 0006132157
一方、免震層3に設置される減衰c(全体)の最適値は、次の式(3)で設定する。
Figure 0006132157
そして、直径D=70m、高さH=30mの石油タンク1に対する試算例では、Ψ=757000ton、c=230000kN・sec/m=2300kN/kine=235tonf/kineとなる。
一般に、慣性質量ダンパー8は1台あたり10000ton程度の最大耐力のものが製造されているので、地震方向に75台以上が必要となる。一方、本実施形態の免振構造Bでは、前述の通り、ダンパー設置台数nとして免震層全体での地震方向換算ダンパー性能が1台当たりのn/2となるため、150台の慣性質量ダンパー8をタンク本体1aと地表面2の間の免震層3にバランスよく配置する。
また、付加減衰は減衰係数C=6tonf/kineのオイルダンパーを使用すると、地震方向に40台以上が必要になり、ダンパー設置台数nとして免震層全体での地震方向換算ダンパー性能が1台当たりのn/2であることから、80台のオイルダンパー9をタンク本体1aと地表面2の間の免震層3にバランスよく配置すればよい。
そして、上記のように構成した本実施形態の免振構造Bにおいては、変位応答倍率を周波数伝達関数の形で示した図5及び図6の解析結果の通り、慣性質量ダンパー8を付加することにより、粘性減衰のみの従来と比較し、最大応答倍率が72%低減し、共振特性が大幅に改善することが確認された。なお、減衰については、従来がc=580tonf/kineであるのに対し、本実施形態の免振構造Bではc=235tonf/kineとなり、40%に低減されることが確認された。
次に、時刻歴応答解析による本実施形態の免振構造Bの応答低減効果の検討結果について説明する。
ここでは、タンク1をそのまま地表に設置したCase1(免振、制震なし)、従来の免振構造AのCase2(粘性減衰のみ:最適な減衰係数を付与)、本実施形態の免振構造BのCase3(慣性質量と粘性減衰:最適な慣性質量と減衰係数を付与)の3ケースについて検討を行い、本実施形態の免振構造BのCase3の優位性を確認した。
入力地震動は、図7に示す建築センター波(レベル2)とした。なお、図7に示す地震波形は、横軸が時間(sec)、縦軸が加速度(m/sec)、max:最大加速度である。この地震動は、最大加速度356gal、継続時間が120secであるが、後揺れも検討するため、解析時間を160secとした。
そして、図8は、Case1、Case2、Case3の各ケースにおけるタンク1内の液体6の変位量(縦軸:m)と時間(横軸:sec)の関係、max:最大変位量を示した解析結果である。
この結果から、まず、免振や制震の対策がないCase1では、図8(a)に示すように、時間の経過とともに周期約10secのスロッシング揺れが成長し、時間が経過してもなかなか減衰しない(縦軸の目盛を他のケースの2倍にしている)ことが確認された。
免振と減衰を備えたCase2では、図8(b)に示すように、主要動の間は揺れが増大するが、その後は比較的早く減衰することが確認された。
一方、本実施形態の免振と慣性質量と減衰を備えたCase3では、図8(c)に示すように、主要動の間も揺れが増大せず、地震後は最も速やかに揺れが終息することが確認された。これは、周期同調型制振機構10の効果(特徴)が現れた結果と言える。
また、タンク1内の液体の変位量は、Case1で3.94m、Case2で1.93m、Case3で1.17mとなり、本実施形態の免振構造Bを採用することでスロッシングを大幅に抑止できることが確認された。
さらに、Case2は従来の免振構造Aを用いて最も応答低減できるように諸元を最適化したものである。そして、Case3の本実施形態の免振構造Bは、このCase3より最大応答変位を40%低減できるだけでなく、大きな応答の継続時間(回数)や実効値(数回現れる比較的大きな応答値(Case2が1.8m、Case3が0.9m程度))も大幅に低減できることが確認された。
次に、図9は、Case1、Case2、Case3の各ケースにおけるタンク1内の液体6の加速度(縦軸:m/sec)と時間(横軸:sec)の関係、max:最大加速度を示した解析結果である。
この結果から、免振や制震の対策がないCase1では、図9(a)に示すように、時間の経過とともに周期約10secのスロッシング揺れが成長し、時間が経過してもなかなか減衰しない(縦軸の目盛を他のケースの2倍にしている)ことが確認された。
免振と減衰を備えたCase2では、図9(b)に示すように、主要動の間は揺れが増大するが、その後は比較的早く減衰することが確認された。
本実施形態の免振と慣性質量と減衰を備えたCase3では、図9(c)に示すように、地震の最初の大きな揺れで最大応答値が生じるが、主要動の間も揺れが増大せず、地震後は最も速やかに揺れが終息することが確認された(縦軸の目盛はCase2の0.6倍にしている)。
また、タンク1内の液体6の加速度は、Case1で184gal、Case2で90gal、Case3で55galとなり、本実施形態の免振構造Bを採用することで大幅に抑止できることが確認された。
次に、図10は、Case2、Case3の各ケースにおける免震層3の変位(縦軸:m)と時間(横軸:sec)の関係、max:最大変位量を示した解析結果である。Case1は免震層3がないので解析対象から除外している。
この結果から、免振と減衰を備えたCase2では、図10(a)に示すように、主要動の間は揺れが15〜20cm程度で継続することが確認された。
一方、本実施形態の免振と慣性質量と減衰を備えたCase3では、図10(b)に示すように、最初に25cm程度の揺れが生じるが、そのとは主要動の間も揺れが20cm程度以下で、地震後は速やかに揺れが終息することが確認された。
また、免震層3の変位量は、Case2で17cm、Case3で26cmであり、両ケースともに一般的な免振建物と比較しても同等以下の変位でおさまることが確認された。
さらに、ダンパー反力については、Case2でオイルダンパー9の反力合計が84000kNとなり、地震方向換算で80台(総数160台)設置することにより、1000kN程度の通常のオイルダンパー9で対応できる。
Case3では慣性質量ダンパー8の反力合計が106000kNとなり、地震方向換算で75台(総数150台)設置することにより、1400kN程度の慣性質量ダンパー8で対応でき、オイルダンパー9は反力合計が39000kNとなり、地震方向換算で40台(総数80台)設置することにより、1000kN程度の通常のオイルダンパー9で対応できる。以上のことから、ダンパー反力については、現状の製品で十分対応できることが確認された。
したがって、本実施形態の液体貯蔵用タンクの免振構造Bにおいては、タンク1の下部とタンク1が設置される支持面2との間に、積層ゴムなどの免振装置4からなる免振機構7を介設するとともに、回転慣性質量ダンパー8などの慣性質量ダンパー及びオイルダンパー9などの粘性ダンパーを備えてなり、タンク1内の液体6のスロッシングに対して同調する同調型の制振機構10を介設することにより、タンク1の免振効果を得ることが可能になるとともに、タンク1内に貯蔵した液体6のスロッシングを効果的に抑止することが可能になる。
また、慣性質量ダンパー8を用いることにより、タンク1内の液体6のスロッシングをより効果的に抑止できる同調型制震機構を構成することができ、免振層(免震層)3の変位やダンパー反力を、無理なく設計できる範囲におさめることが可能になる。
さらに、大きな慣性質量を2層モデルの1層目に設けることで、固有周期が1割程度長周期化するため、地震入力エネルギーを1割程度低減する効果を得ることが可能になる。(「磯田和彦、半澤徹也、田村和夫:慣性質量ダンパーを組み込んだ構造物への地震入力エネルギーに関する研究:日本建築学会構造系論文集、一般社団法人日本建築学会、No.650、pp.751−759、2010年4月」)
以上、本発明に係る液体貯蔵用タンクの免振構造の一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、本発明に係る液体貯蔵用タンクが石油タンク1であるものとして説明を行ったが、本発明に係る液体貯蔵用タンクの免振構造は、液体を貯蔵したタンクに免振性能を付与するとともに、液体のスロッシングを抑止するものであり、この作用効果を必要とするあらゆるタンクに適用可能である。すなわち、特にタンクの種類を限定しなくても本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
1 石油タンク(タンク)
1a タンク本体
1b 浮き屋根
2 地表面(基礎、地盤、支持面)
3 免震層(免振層)
4 免振装置(免震装置、免振機構)
5 制振機構
6 石油(液体)
7 免振機構
8 慣性質量ダンパー
9 オイルダンパー
10 制振機構
A 従来の液体貯蔵用タンクの免振構造
B 液体貯蔵用タンクの免震構造

Claims (2)

  1. 液体を貯蔵するタンクの免振構造であって、
    前記タンクの下部と前記タンクが設置される支持面との間に、免振機構と、慣性質量ダンパー及び粘性ダンパーを備えてなり、前記タンク内の液体のスロッシングに対して同調する同調型の制振機構とを介設して構成されていることを特徴とする液体貯蔵用タンクの免振構造。
  2. 請求項1記載の液体貯蔵用タンクの免振構造において、
    前記タンクが石油タンクであることを特徴とする液体貯蔵用タンクの免振構造。
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