本発明内のいくつかの化合物は、1又は2以上のキラル中心を有し、そして本発明はそのような化合物のそれぞれ別個の鏡像異性体、及び鏡像異性体の混合物を包含する。複数のキラル中心が本発明の化合物に存在する場合、本発明は、化合物内のキラル中心の各可能性ある組合せ、及びすべての可能性ある鏡像異性体及びジアステレオマー混合物を包含する。特定の立体化学又は異性体形の具体的に示されない限り、構造体のすべてのキラル、ジアステレオマー及びラセミ形が意図される。ラセミ形の分解により、又は光学的活性の出発材料からの合成により、如何にして光学的活性形を調製するかは、周知である。
次の定義は、特にことわらない限り、本発明の化合物に関連して使用される。一般的に、所定の基に存在する炭素原子の数は、「Cx〜Cy」として示され、ここでx及びyは、それぞれ、下限及び上限である。例えば、「C1〜C6」として示される基は、1〜6個の炭素原子を含む。本明細書における定義に使用されるような炭素数は、炭素主鎖及び炭素分岐を言及するが、しかし置換基、例えばアルコキシ置換及び同様のものの炭素原子は包含されない。特にことわらない限り、本明細書に明確には定義されていない置換基の命名法は、官能基の末端部分を左から右に、続いて結合点に向かって隣接する官能基を命名することにより到達される。本明細書に表される構造体は、何れの立体化学的表示も伴わないで描かれている。キラル中心が分子に存在する場合、それは両鏡像異性体を表すことが示唆される。本明細書において定義されない用語は、当業者によりそれらの用語に通常帰属する意味を有する。
「アルキル」(alkyl)とは、直鎖又は分岐鎖であり得る炭化水素鎖、又は環状アルキル基から成るか又は含む炭化水素基を言及する。一実施態様によれば、アルキルは、1〜8個(両端を含む)、又はそれらの間の範囲の炭素原子を含む。他の実施態様によれば、アルキルは、1〜7個(両端を含む)又はそれらの間の範囲の炭素原子を含む。さらなる実施態様によれば、アルキルは、1〜6個(両端を含む)の炭素原子を含む。さらなる他の実施態様によれば、アルキルは、1〜5個(両端を含む)の炭素原子を含む。さらに追加の実施態様によれば、アルキルは、1〜4個(両端を含む)の炭素原子を含む。炭化水素鎖であるアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル及びヘプチルを挙げることができるが、但しそれらだけには限定されず、ここでそれらの例のすべての異性体も考えられる。環状アルキル基から成るか、又は含むアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、3,3−ジメチルシクロブチル、(シクロプロピル)メチル及び(シクロペンチル)メチルを挙げることができるが、但しそれらだけには制限されない。
「任意に置換されたアルキル」(optionally substituted alkyl)とは、置換されていないか、又は1又は2個のF、1又は2個のCl、1又は2個のOH、1つのアミノ基、1つの(アルキル)アミノ基(すなわち、アルキル−NH−)、1つの(ジアルキル)アミノ基(すなわち、(アルキル)2N−)、1又は2個のアルコキシ基、又は1つのシアノ基、又はそれらの置換基の何れかの組合せにより置換される、上記で定義されたようなアルキル基を言及する。「置換された」(substituted)とは、1又は2以上のアルキル基の水素原子が上記に列挙されるような置換基により置換されることを意味する。
「ジ(アルキル)アミド−」(di(alkyl)amido−)とは、−C(O)−N基を言及し、ここで前記基の窒素原子は、上記で定義されたようなアルキル基に個々に結合されている。各アルキル基は、独立して選択され得る。(C1〜C6アルキル)2アミドの代表的例としては、次のものを挙げることができるが、但しそれらだけには限定されない:−C(O)N(CH3)2、−C(O)N(CH2CH3)2、−C(O)N(CH2CH2CH3)2、−C(O)N(CH2CH2CH2CH3)2、−C(O)N(CH2CH2CH2CH2CH3)2、−C(O)N(CH3)(CH2CH3)、及び−C(O)N(CH2CH3)(CH2CH2CH3)2。
「アルキルカルボキシ−」(alkylcarboxy−)とは、カルボキシ(C(O)−O−)官能基の炭素原子を通して親構造体に結合される、上記に定義されるアルキル基を言及する。(C1〜C6アルキル)カルボニルの例としては、アセトキシ、プロピオノキシ、プロピルカルボキシ及びイソペンチルカルボキシを挙げることができる。
「(アルキル)カルボキシサミド−」((alkyl)carboxamido−)とは、−NHC(O)−アルキル−基を言及し、ここで前記基のカルボニル炭素原子はアルキル基に結合される。(C1〜C6アルキル)カルボキサミドの代表的例としては、次のものを挙げることができるが、但しそれらだけには限定されない:−NHC(O)CH3、N(CH3)C(O)CH3、−N(CH3)C(O)CH2CH3、−N(CH3)C(O)CH2CH2CH3、−N(CH3)C(O)CH2CH2CH2CH3、−N(CH2CH3)C(O)CH2CH2CH2CH2CH3、−N(CH2CH3)C(O)CH(CH3)2、−N(CH2CH3)C(O)CH2CH(CH3)2、−N(CH2CH3)C(O)CH(CH3)CH2CH3、及び −N(CH2CH3)C(O)C(CH3)3。
「任意に置換されたフェニル」(Optionally substituted phenyl)とは、置換されていないか、又は1又は2以上の任意に置換されたアルキル、ハロゲン、OH、NH2、アルキルアミノ−、ジ(アルキル)アミノ−、シアノ、COOH、(アルコキシ)カルボニル−、アルキルカルボキシ−、(アルキル)カルボキシサミド−、アルキルスルホニル、-C(O)NH2、(アルキル)アミド−、ジ(アルキル)アミド−、NO2又はアルコキシにより置換され得るフェニル基を言及する。
「ヘテロアリール」(heteroaryl)とは、ヘテロ原子の酸素、硫黄及び窒素から選択された少なくとも1つの環原子を含む単環式の5員又は6員の芳香族環系を言及する。ヘテロアリール基の例としては、次のものを言及する:フラン、チオフェン、インドール、アザインドール、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、イミダゾール、N-メチルイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピロール、N-メチルピロール、ピラゾール、N-メチルピラゾール、1,3,4 − オキサジアゾ−ル、1,2,4 − トリアゾ−ル、1 − メチル−1,2,4 − トリアゾ−ル、1H−テトラゾ−ル、1 − メチルテトラゾ−ル、及びピリドン、例えば2−ピリドン。
「任意に置換されたヘテロアリール」(optionally substituted heteroaryl)とは、置換されていないか、又は1又は2以上の任意に置換されたアルキル、F、Cl、OH、NH2、アルキルアミノ−、ジ(アルキル)アミノ−、シアノ、COOH、(アルコキシ)カルボニル−、アルキルカルボキシ−、(アルキル)カルボキシサミド−、アルキルスルホニル、-C(O)NH2、(アルキル)アミド−、ジ(アルキル)アミド−、NO2又はアルコキシに置換される、上記で定義されたようなヘテロアリール基を言及する。
「対象」(subject)は、哺乳類、例えばヒト、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ又は非ヒト霊長類、例えばサル、チンパンジー、ヒヒ又はゴリラである。
代表的な「医薬的に許容される塩」(pharmaceutically acceptable salts)とは、例えば水溶性及び水不溶性塩、例えば酸の塩を挙げることができるが、但しそれらだけには限定されない。本明細書において論じられている化合物と塩を形成できる酸の例としては、次のものを挙げることができるが、但しそれらだけには限定されない:酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸、フタル酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、樟脳スルホン酸。
さらなる実施態様によれば、本発明の化合物は、溶媒和物であり得る。本明細書において使用される場合、溶媒和物は、化合物の生理学的活性又は毒性を有意に変更せず、そして本発明の非溶媒和化合物に対して薬理学的同等物として機能することができる。用語「溶媒和物」(solvate)とは、本明細書において使用される場合、溶媒分子と本発明の化合物との組合せ、物理的会合及び/又は溶媒和である。この物理的会合は、様々な程度のイオン及び共有結合、例えば水素結合を包含する。特定の場合、溶媒和物は、例えば1又は2以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組込まれる場合、単離され得る。従って、「溶媒和物」は、溶液相及び単離可能な溶媒和物の両方を包含する。
さらなる実施態様によれば、本発明の化合物は、式(I)の化合物のプロドラッグであり得る。式(I)の化合物のプロドラッグは、周知の種々の方法を用いて、調製され得、そして薬物動態学的性質を調節するための手段として使用され得る。例えば、Rautio, Nature Reviews Drug Discovery, 7:255-270 (2008) and Ettmayer, J. Med. Chem., 47:2393-2404 (2004)(引用により本明細書に組込まれる)を参照のこと。ヒドロキシ部分を含む薬物の場合、アセチル及びエステル類似物が、プロドラッグとしての使用のために考えられる。例えば、Beaumont, Current Drug Metabolism, 4:461-485 (2003)(引用により本明細書に組込まれる)を参照のこと。アミン部分を含む薬物の場合、アミド及びカルバメートを含むプロドラッグが企画される。例えば、Simplicio, Molecules, 13:519-547 (2008)(引用により本明細書に組込まれる)を参照のこと。特定の例として、(アルコキシカルボニルオキシ)アルキルカルバメート、(アシルオキシ)アルキルカルバメート、及び(オキソジオキソレニル)アルキルカルバメートが、アミンのための効果的プロドラッグストラジーとして使用され得る。例えば、Li, Bioorg. Med. Chem. Lett., 7:2909-2912 (1997); Alexander, J. Med. Chem., 34:78-81 (1991); Alexander, J. Med. Chem., 31:318-322 (1988);及びAlexander, J. Med. Chem., 39:480-486 (1996)(それらのすべては、引用により本明細書に組込まれる)を参照のこと。
本発明内のいくつかの化合物は、1又は2以上のキラル中心を有し、そして本発明はそのような化合物のそれぞれ別個の鏡像異性体、及び鏡像異性体の混合物を包含する。複数のキラル中心が本発明の化合物に存在する場合、本発明は、化合物内のキラル中心の各可能性ある組合せ、及びすべての可能性あるその鏡像異性体混合物を包含する。特定の立体化学又は異性体形の具体的に示されない限り、構造体のすべてのキラル、ジアステレオマー及びラセミ形が意図される。ラセミ形の分解により、又は光学的活性の出発材料からの合成により、如何にして光学的活性形を調製するかは、周知である。
本明細書に記載される化合物を調製するために記載される以下の反応においては、反応における所望しない沈殿を回避するために、最終生成物において所望される、反応性官能基、例えばOH、アミノ、イミノ、チオ又はカルボキシ基を保護する必要はない。従来の保護基は、標準の実施に従って使用され得る。例えば、T.W. Green and P.G.M. Wuts in "Protective Groups in Organic Chemistry", John Wiley &Sons, 1991を参照のこと。
スキーム1は、式(I−A)の化合物を調製するための1つの合成方法を示す。一実施態様によれば、断片Aのボロン酸(Ra=H)又はボロン酸エステル(Ra=アルキル)誘導体[A]が最初に、ヘテロアリールハロゲン化物[B](ここで、X=ハロゲン)にカップリングされる。さらなる実施態様によれば、[B]は、ヘテロアリールトリフレート(ここで、Xはトリフルオロメチルスルホネートである)である。この反応は、弱酸基及びパラジウム触媒の存在下で、例えばボロン酸ピナコールエステル誘導体[A]を用いて実施され得る。一実施態様によれば、弱塩基はKOAc又はNa2CO3である。他の実施態様によれば、パラジウム触媒は、Pd(PPh3)4、Pd(dppf)Cl2 .DCM、又はPd(dppf)Cl2である。さらなる実施態様によれば、反応は、溶媒、例えばトルエン/エタノール、1,4−ジオキサン又はDMF下で実施される。さらなる他の実施態様によれば、反応は、溶媒の還流温度までの高温で実施される。次に、中間体[C]がピリジン、すなわちスキーム1に示されるM−ピリジン(ここで、Mは、金属又は半金属部分、例えばLi、Mg−Br又はMg−Clである)の4−アニオンと反応される。一実施態様によれば、ピリジンの4−アニオンは、ピリジン−4−イルリチウムであり、これは、アルキル金属試薬、例えばn−ブチルリチウムによる処理により、4−ヨード−ピリジン又は4−ブロモ−ピリジンから生成され得る。
スキーム3は、式(I−A)の化合物のさらなる調製方法を示す。一実施態様によれば、断片Aのボロン酸(Ra=H)又はボロン酸エステル(Ra=アルキル)誘導体[A]が、ヘテロアリールハロゲン化物[F](X−ハロゲン)に、まずカップリングされ、中間体[G]が生成される。さらなる実施態様によれば、[F]はヘテロアリールトリフレートであり、ここでXはトリフルオロメチルスルホネートである。このカップリング反応は、例えばボロン酸ピナコールエステル誘導体[A]、弱塩基、及びパラジウム触媒を用いて実施され得る。一実施態様によれば、弱塩基はKOAc又はNa2CO3である。他の実施態様によれば、パラジウム触媒は、Pd(PPh3)4、Pd(dppf)Cl2 .DCM又はPd(dppf)Cl2である。所望には、反応は、溶媒、例えばトルエン/エタノール、1,4−ジオキサン又はDMF下で実施され得る。反応は、溶媒の還流温度までの高温で行われ得る。次に、[G]のアニオン種は、強塩基性試薬による処理により[G]から生成され得る。一実施態様によれば、強い塩基性試薬は、n−ブチルリチウム又はリチウムジイソプロピルアミド(LDA)である。次に、このアニオン種は、ピリジン−4−イルアルキルケトン[H]と反応され、式(I−A)の化合物が形成される。
スキーム4は、式(I−A)の化合物を合成するための追加の方法を記載する。この方法においては、断片Aのボロン酸(Ra=H)又はボロン酸エステル(Ra=アルキル)誘導体[A]が最初に、ヘテロアリールジハロゲン化物[J](Xは独立して、ハロゲンである)にカップリングされ、中間体[K]が生成される。このカップリング反応は、スキーム1に記載される方法により行われ得る。一実施態様によれば、次に、[K]のアニオン種は、アルキル金属試薬による処理により、[K]から生成される。一実施態様によれば、アルキル金属試薬は、n−ブチルリチウムである。追加の実施態様によれば、[K]のアニオン種は、マグネシウムによる処理により[K]から生成されるグリニャール試薬である。次に、[K]のアニオン種は、ピリジン−4−イルアルキルケトン[H]と反応され、式(I−A)の化合物が形成される。
スキーム5は、式(I−A)の化合物の調製のための追加の方法を示す。このスキームにおいては、スキーム3に記載されるような方法を用いて、中間体[G]を調製する。次に、[G]のアニオン種が、強塩基性試薬による処理により[G]から生成される。一実施態様によれば、前記強塩基性試薬は、n−ブチルリチウム又はリチウムジイソプロピルアミド(LDA)である。次に、このアニオン種が、DMFと反応され、アルデヒド中間体[C]が形成される。次に、アルデヒド[C]は、スキーム2に記載される方法により、2ステップで転換され、アルキルケトン[C](R1=C1〜C4アルキル)が生成される。次に、ケトン[C](R1=C1〜C4アルキル)がスキーム1に記載される方法により、式(I−A)の化合物に転換される。アルデヒド中間体[C](R1=H)はまた、スキーム1に記載される方法により、式(I−A)(R1=H)の化合物に直接的に転換され得る。
スキーム6は、式(I−A)の化合物の合成のために使用される他の方法を示す。このスキームにおいては、ハロゲン化物[L](Xはハロゲンである)は、断片Bのボロン酸(Ra=H)又はボロン酸エステル(Ra=アルキル)誘導体[N]により、スキーム1に記載される方法を用いて、カップリングされる。次に、中間体[C]は、スキーム1に記載のようにして、ピリジンの4−アニオンと反応され、ここでMは金属又は半金属部分、例えばLi、Mg−Br又はMg−Clである。一実施態様によれば、ピリジンの4−アニオンは、ピリジン−4−イルリチウムである。
中間体、例えばスキーム1、2及び4における化合物[G]を生成するために使用され得る種々の他の既知カップリング反応方法が存在することは、当業者に明らかであろう。例えば、スキーム7に示されるように、ハロゲン化物[L](Xはハロゲンである)は、ヘテロアリール種[P]とカップリングされ得る。一実施態様によれば、カップリングは、CuIの存在下で行われる。他の実施態様によれば、カップリングは、パラジウム触媒、例えばPd(OA)2の存在下で行われる。追加の実施態様によれば、反応は、高温、例えば140℃で行われる。さらに他の実施態様によれば、反応は、溶媒、例えばDMF下で行われる。他方では、ハロゲン化物[L]は、ヘテロアリール種[P]によりカップリングされ得る。一実施態様によれば、このカップリングは、AgFの存在下で行われる。他の実施態様によれば、このカップリングは、PPh3及びパラジウム触媒、例えばPd(PPh3)2Cl2の存在下で行われる。生成される中間体[G]は、本明細書に記載される方法、例えばスキーム3においての方法により、式(I−A)の化合物に転換され得る。
スキーム8は、式(I−A)の化合物の調製に使用され得るさらなるカップリング方法を記載する。この方法においては、ハロゲン化物[L](Xはハロゲンである)は、B[Q1]の活性化された誘導体と反応される。生成される中間体[G]は、ピリジン化合物[H]を用いて、上記方法、例えばスキーム3の方法により、式(I−A)の化合物に転換され得る。
スキーム8Aは、スキーム8の一般法方法の1つの例を記載する。この実施態様によれば、ハロゲン化物[L](Xはハロゲンである)がBの錫誘導体[Q2]と反応される。一実施態様によれば、錫誘導体は、トリブチル錫誘導体([Q2](Rb=ブチル))である。他の実施態様によれば、カップリング反応は、高温、例えば100℃で行われる。さらなる実施態様によれば、カップリング反応は、溶媒、例えばDMF下で行われる。さらに他の実施態様によれば、カップリング反応は、パラジウム触媒、例えばPd(PPh3)Cl2の存在下で行われる。生成される中間体[G]は、上記方法、例えばスキーム3の方法により、式(I−A)の化合物に転換され得る。
スキーム8Bは、スキーム8の一般方法の第2の例を記載する。この実施態様によれば、ハロゲン化物[L](Xはハロゲンである)は、断片Bのボロン酸(Ra=H)又はボロン酸エステル(Ra=アルキル)誘導体[R]と反応される。このカップリング反応は、例えばスキーム3における関連する反応ステップについて記載のように種々の条件を用いて行われる。生成される中間体[G]は、上記方法、例えばスキーム3の方法により、式(I−A)の化合物に転換され得る。
スキーム8Cは、スキーム8の一般方法の第3の例を記載する。この実施態様によれば、ハロゲン化物[L](Xはハロゲンである)は、断片Bの亜鉛誘導体[S]と反応される。亜鉛誘導体[S]は、−78℃の低温で、THF中、アルキルリチウム、例えばn−ブチルリチウム及び塩化亜鉛による断片Bの処理により調製され得る。[L]及び[S]のカップリングは、ニッケル触媒又はパラジウム触媒、例えばPd(PPh3)4の存在下で行われ得る。生成される中間体[G]は、上記方法、例えばスキーム3における方法により、式(I−A)の化合物に転換され得る。
種々の他の方法が、式(I−A)(断片A又はBの何れかは、環化反応により生成される)の化合物を調製するために使用され得ることは、当業者により理解されるであろう。スキーム9を参照のこと。このスキームにおいては、1,3,4−チアジアゾール環は、環化剤の存在下でヒドラジンカルボチオアミドと塩化エチルオキサリルとを反応することにより調製される。一実施態様によれば、環化剤は、POCl3又はP2O5である。他の実施態様によれば、環化は、高温で行われる。次に、中間体のチアジアゾール環に結合されるアミン環が臭素置換基により置換される。一実施態様によれば、反応は、t−ブチルニトリルの存在下で、臭化第二銅を用いて実施される。他の例によれば、反応はアセトニトリル中で、約0℃〜約60℃で行われる。次に、エステル置換基が、その対応するアルコールに還元される。一実施態様によれば、還元は、当該技術分野において知られている還元剤、例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム又は水素化ジイソブチルアルミニウムを用いて行われる。得られるアルコールは、A置換基によりカップリングされ、中間体[X]が提供される。一実施態様によれば、カップリングは、Aのボロン酸又はボロン酸エステル誘導体、例えばA−B(OH)2を用いて行われる。他の実施態様によれば、カップリングは触媒、例えばPd(PPh3)4の存在下で行われる。最後に、中間体[X]はアルデヒド[Y]に酸化される。一実施態様によれば、酸化は、Dess−Martinペルヨージナンを用いて行われる。さらなる実施態様によれば、酸化は、MnO2又はPCC(ピリジニウムクロロクロメート)を用いて行われる。本明細書に記載される方法論、例えばスキーム1及び2が、式(I−A)の化合物を合成するために適用され得る。
他の実施態様によれば、化合物[Z]及び[AA]は、スキーム9Aに示されるようにして調製され得る。このスキームによれば、ステップは、スキーム9のステップに類似するが、但しボロン酸カップリング試薬の「A」基が置換されたフェニル基である。一実施態様によれば、ボロン酸の「A」基は、4−フルオロフェニルであり、そして生成物は5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−カルバルデヒド「AA」である。
さらなる実施態様によれば、式(I−A)の化合物が、スキーム9Bに示される変換に従って調製され得る。このスキームによれば、ステップ及び変換は、スキーム9及び9Aに示されるそれらと同等である。特に、1,3,4−チアジアゾール環は、POCl3の存在下で塩化エチルオキサリルとヒドラジンカルボチオアミドとを反応することにより合成される。一実施態様によれば、環化は約70℃の温度で約3時間、行われる。次に、それから生成される中間体は、臭化第二銅の存在下で、t−ブチルニトリルと反応される。一実施態様によれば、反応は溶媒としてのアセトニトリル下で行われる。他の実施態様によれば、反応はほぼ室温〜約60℃で約1時間、行われる。次に、得られるエチル5−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキシレートが、水素化ホウ素ナトリウムを用いて還元される。一実施態様によれば、反応は、約16時間、ほぼ室温で、メタノール下で行われ、2−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール−5−メタノールが提供される。次に、この生成物が、4−フルオロ−フェニルボロン酸によりカップリングされ、(5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メタノール[Z]が提供される。一実施態様によれば、カップリングは、Pd(PPh3)4の存在下で行われる。他の実施態様によれば、反応は、約100℃の温度で約1時間、トルエン下で行われる。次に、(5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−ジアジアゾール−2−カルバルデヒドに転換される。一実施態様によれば、この反応はジクロロメタンの存在下で行われる。他の実施態様によれば、反応は、ほぼ室温で約3時間、行われる。
スキーム10は、環化反応を通して中間体[CC]及び/又は[DD]の経路を提供する。この場合、1,2,4−オキサジアゾール環は、1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エタノール[CC]の調製の間、生成される。特に、2−ヒドロキシプロピオニトリルが、ヒドロキシルアミン塩酸塩を用いて、N,2−ジヒドロキシプロパンイミダミドに転換される。次に、得られる化合物が、「A」置換基によりカップリングされる。一実施態様によれば、得られる化合物は、A−置換された塩化アシル[BB]と反応され、中間体[CC]が提供される。次に、化合物[CC]が酸化され、ケトン[DD]が提供される。一実施態様によれば、酸化は、Dess−Martinペルヨージナンを用いて行われる。さらなる実施態様によれば、酸化は、MnO2又はPCC(ピリジニウムクロロクロメート)を用いて行われる。次に、中間体[DD]は、スキーム、例えばスキーム1に示される方法により、式(I−A)の化合物に転換され得る。
スキーム10Aは、式(I−A)(Bは置換されたフェニル基である)の化合物の合成を提供する。このスキームにおけるステップ及び転換は、スキーム10に記載されるそれらと同等であるが、但し「A」は4−フルオロフェニルである。そのようにすることにより、中間体「CC」は、スキーム10Aに記載される試薬を用いて、ケトン[DD]に酸化され得る1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エタノール、すなわち1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エタノールである。次に、1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エタノンは、上記方法、例えばスキーム1の方法を用いて、式(I−A)の化合物に転換され得る。
スキーム10Bは、1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エタノンの調製を記載する。一実施態様によれば、1,2,4−オキサジアゾール環は、溶媒としてのエタノール又は他の低級アルキルアルコール、及び水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの存在下で、2−ヒドロキシ−プロピオニトリルとヒドロキシルアミン塩酸塩とをまず、反応することにより、1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エタノールの調製の間に生成される。一実施態様によれば、この反応は、高温、例えば溶媒の還流温度で行われる。次に、得られる化合物N,2−ジヒドロキシプロパンイミダミドが4−フルオロ−フェニル−クロロホルメートによりカップリングされ、中間体1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エタノールが提供される。一実施態様によれば、カップリングはエタノール下で行われる。他の実施態様によれば、カップリングは約0〜約85℃の温度で行われる。次に、1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エタノールが、Dess−Martinペルヨージナンを用いて、その対応するケトンに酸化される。一実施態様によれば、酸化は塩化メチレン下で行われる。他の実施態様によれば、酸化は約0℃〜ほぼ室温で行われる。
中間体[GG]及び[HH]はまた、スキーム10Cの方法論及び試薬に従っても調製され得る。シアノ−置換された「A」試薬[EE]が、ヒドロキシルアミン塩酸塩と反応され、[FF]のN−ヒドロキシ−イミダミド誘導体がもたらされる。次に、この化合物[FF]は、カップリング剤の存在下で2−ヒドロキシ−プロピオン酸と反応され、中間体[GG]が提供される。一実施態様によれば、カップリング剤は、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)又はN−エチル−N′−ジメチルアミノエチル−カルボジイミド(EDCI)である。次に、化合物[GG]が、ケトン中間体[HH]に酸化される。一実施態様によれば、酸化は、二酸化マンガン、PCC(ピリジニウムクロロクロメート)又はDess−Martinペルヨージナンを用いて行われる。
他の実施態様によれば、中間体化合物1−(3−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタノール及び1−(3−4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタノンが、スキーム10Dに記載されるようにして、調製され得る。この経路によれば、4−フルオロ−ベンゾニトリルが、ヒドロキシルアミン塩酸塩と反応され、4−フルオロ−N−ヒドロキシベンズイミダミドが提供される。一実施態様によれば、反応は還流温度で行われる。他の実施態様によれば、反応は、低級アルキルアルコール、例えばエタノール、及び塩基、例えば水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの存在下で行われる。次に、得られる化合物は、2−ヒドロキシ−プロピオン酸と反応され、1−(3−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタノールが提供される。一実施態様によれば、反応は、DMSO、DCC及びHOBtの存在下で行われる。次に、2−ヒドロキシ−プロピオン酸と反応され、1−(3−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタノールは、1−(3−4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタノンに酸化される。一実施態様によれば、酸化は、ジオキサン中、二酸化マンガンを用いて行われる。
断片Bが環化反応により生成される追加の例が、スキーム11により提供される。この場合、1,3,4−オキサジアゾール環、すなわち断片Bが生成される。特に、A−置換されたエチルホルメート[KK]は、ヒドラジン水和物と反応され、化合物[LL]が提供される。次に、化合物[LL]がオルトギ酸トリエチル又は沸騰ギ酸と反応され、中間体[MM]が提供される。次に、化合物[MM]は、スキーム、例えばスキーム3に記載される方法により、式(I−A)の化合物に転換され得る。
一実施態様によれば、2−(4−フロオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールは、スキーム11Aに提供されるようにして調製され得る。この場合、4−フルオロ−フェニル−エチルホルメートが、ヒドラジン水和物と反応され、4−フルオロベンゾヒドラジドが提供される。次に、この中間体は、オルトギ酸トリエチルと反応され、2−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールが提供される。次に、2−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールが、本明細書に記載される方法により、式(I−A)の化合物に転換され得る。
他の実施態様によれば、2−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールは、スキーム11Bの方法論及び試薬に従って調製される。この実施態様によれば、4−フルオロ−フェニル−エチルホルメートがヒドラジン水和物と反応される。一実施態様によれば、反応はエタノール下で行われる。他の実施態様によれば、反応は、還流温度で約10時間、行われる。次に、得られる化合物4−フルオロベンゾヒドラジドがオルトギ酸トリエチルと反応され、2−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールが提供される。一実施態様によれば、この反応は約140℃で約5時間、行われる。
中間体[PP]又は[QQ]の何れかが環化反応により生成される追加の例が、スキーム12に提供される。このスキームによれば、A−置換されたホルムアルデヒド[NN]が、ヒドロキシルアミン塩酸塩と反応され、A−置換されたオキシム[OO]が提供される。次に、中間体[OO]が、ブタ−3−イン−2−オール及びN−クロロスクシンイミド(NCS)と反応され、中間体[PP]が提供され、次に、その対応するケトン[QQ]に酸化される。一実施態様によれば、酸化は、Dess−Martinペルヨージナン、二酸化マンガン又はPCC(ピリジニウムクロロクロメート)を用いて行われる。中間体[QQ]は、スキーム、例えばスキーム1に記載される方法により、式(I−A)の化合物に転換され得る。
他の実施態様によれば、1−(3−(4−フルオロフェニル)−イソキサゾール−5−イル)エタノール及び1−(3−(4−フルオロフェニル)−イソキサゾール−5−イル)エタノンは、スキーム12Aに記載されるようにして生成され得る。4−フルオロ−ベンズアルデヒドは、ヒドロキシルアミン塩酸塩と反応され、4−フルオロベンズアルデヒドオキシムが提供される。次に、イソキサゾールは、この中間体とブタ−3−イン−2−オール及びNCSとを反応せしめることにより生成され、1−(3−(4−フルオロフェニル)イソキサゾール−5−イル)エタノールが提供される。次に、1−(3−(4−フルオロフェニル)イソキサゾール−5−イル)エタノールは、ケトン、すなわち1−(3−(4−フルオロフェニル)−イソキサゾール−5−イル)エタノンに酸化され、次に、本明細書に記載される方法により、式(I−A)の化合物に転換され得る。
さらなる実施態様によれば、1−(3−(4−フルオロフェニル)−イソキサゾール−5−イル)エタノール及び1−(3−(4−フルオロフェニル)−イソキサゾール−5−イル)エタノンは、スキーム12Bの方法論及び試薬に従って調製される。4−フルオロ−ベンズアルデヒドがヒドロキシルアミン塩酸塩と反応され、4−フルオロベンズアルデヒドオキシムが提供される。一実施態様によれば、反応は、メタノール及び炭酸ナトリウム下で行われる。他の実施態様によれば、反応は、ほぼ室温で約4時間、行われる。次に、イソキサゾール環は、この中間体と3−ヒドロキシブチン及びNCS(約1.2当量)とを反応せしめることにより生成され、1−(3−(4−フルオロフェニル)イソキサゾール−5−イル)エタノールが供給される。一実施態様によれば、この環化は、約40℃で、ジクロロメタン下で行われる。次に、1−(3−(4−フルオロフェニル)イソキサゾール−5−イル)エタノールは、Dess−Martinペルヨージナンを用いて、1−(3−(4−フルオロフェニル)イソキサゾール−5−イル)エタノンに酸化される。一実施態様によれば、反応はジクロロメタン下で行われる。他の実施態様によれば、反応は室温で約16時間、行われる。
スキーム13は、本明細書において有用な中間体、すなわち化合物[TT]の他の調製を提供する。この実施態様によれば、アミド−置換された「A」類似体[RR]がクロロカルボニルスルフェニルクロリドとのその反応により、1,3,4−オキサチアゾール−2−オン誘導体[SS]に転換される。次に、中間体[SS]は、マイクロ波照射を用いて、又は高温でノルボルナジエンとの反応により、中間体[TT]に転換される。
追加の実施態様によれば、4−フルオロベンズアミドのアミド基は、クロロカルボニルスルホニルクロリドを用いて、1,3,4−オキサチアゾール−2−オン基に転換される。一実施態様によれば、反応はほぼ室温で、トルエン下で行われる。次に、得られる化合物、すなわち3−(4−フルオロ−フェニル)−1,3,4−オキサチアゾール−4−オン、は、ノルボルナジエンの存在下でマイクロ波(MW)照射を用いてイソチアゾールに転換され、3−(4−フルオロフェニル)イソチアゾールが提供される。一実施態様によれば、マイクロ波照射は、約170℃の温度で、約30分間、適用される。次に、3−(4−フルオロフェニル)イソチアゾールは、本明細書に記載のようにして、式(I)の化合物に転換され得る。
他の実施態様によれば、中間体[YY]は、スキーム14に提供されるように、環化反応により調製され得る。この実施態様によれば、化合物[UU]は、1,2−ジエトキシ−1,2−エタンジオンと反応される。得られる中間体[VV]は、ヒドラジン水和物と反応され、A−置換されたピラゾール環中間体[WW]が提供される。化合物[WW]のピラゾール環の酢酸エチル置換基が還元され、化合物[XX]が提供される。一実施態様によれば、還元は水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素リチウム又は水素化ジイソブチルアルミニウムを用いて行われる。次に、ピラゾール環の得られるヒドロキシメチレン置換基が、カルバルデヒドに酸化され、化合物[YY]が提供される。一実施態様によれば、酸化はPCCを用いて行われ、そしてカルバルデヒド[YY]を提供される。次に、化合物[YY]は、本明細書に記載される方法を用いて、式(I−A)の化合物に転換され得る。
さらなる実施態様によれば、ピラゾール環化反応がスキーム14Aに提供される。この実施態様によれば、1−(4−フルオロフェニル)エタノンがジエチルオキサレートと反応され、エチル4−(4−フルオロフェニル)−2,4−ジオキソブタノエートが提供される。一実施態様によれば、この反応は、塩基、例えばカリウムtert−ブトキシドの存在下で行われる。他の実施態様によれば、この反応はほぼ室温で約24時間、行われる。次に、ピラゾール環が、ヒドラジン水和物とエチル4−(4−フルオロフェニル)−2,4−ジオキソブタノエートとの反応により生成され、エチル3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートが提供される。一実施態様によれば、この反応は高温で行われる。他の実施態様によれば、この反応は、エタノール及び氷酢酸下で約2〜16時間、行われる。次に、エチル3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートが水素化リチウムアルミニウムにより還元され、3−(4−フルオロフェニル)−1M−ピラゾール−5−イル−メタノールが提供される。一実施態様によれば、還元は約0℃〜ほぼ室温で一晩、THF下で行われる。次に、3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−5−メタノールを酸化することにより、3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒドが形成される。一実施態様によれば、酸化はPCCを用いて行われる。他の実施態様によれば、酸化はジクロロメタン下で、ほぼ室温で一晩、行われる。次に、3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒドが、本明細書に記載される方法を用いて、式(I)の化合物に転換され得る。
スキーム15は、スキーム14において調製されているが、しかしイソキサゾール環に描かれているそれらの化合物に類似する化合物の調製を記載する。この実施態様によれば、化合物[UU]がシュウ酸ジエチルと反応される。得られる中間体[VV]がヒドロキシルアミン塩酸塩と反応され、A−置換されたイソキサゾール環中間体[ZZ]が提供される。次に[ZZ]のイソキサゾール環の酢酸エチル置換基が還元される。一実施態様によれば、還元は還元剤、例えば水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素リチウム又は水素化ジイソブチルアルミニウムを用いて行われる。次に、[AAA]のオキサゾール環のその得られるヒドロキシメチレン置換基が、カルバルデヒド置換基、すなわち化合物[BBB]に酸化される。一実施態様によれば、酸化は、酸化剤、例えばPCC又はMnO2を用いて行われる。次に、化合物[BBB]は、本明細書に記載される方法により式(I−A)の化合物に転換される。
さらなる実施態様によれば、イソキサゾール環化反応がスキーム15Aに提供される。この実施態様によれば、1−(4−フルオロフェニル)エタノンがシュウ酸ジエチルと反応され、エチル4−(4−フルオロフェニル)−2,4−ジオキソブタノエートが得られる。一実施態様によれば、この反応は、塩基、例えばカリウムtert−ブトキシドの存在下で行われる。他の実施態様によれば、この反応は、ほぼ室温で約24時間、行われる。次に、イソキサゾール環が、エチル4−(4−フルオロフェニル)−2,4−オキソブタノエートとヒドロキシアミン塩酸塩との反応により生成され、エチル5−(4−フルオロフェニル)イソキサゾール−3−カルボキシレートが得られる。一実施態様によれば、この反応は高温で行われる。他の実施態様によれば、この反応は、エタノール下で約2時間、行われる。次に、エチル5−(4−フルオロフェニル)−イソキサゾール−3−カルボキシレートが、水素化アルミニウムリチウムにより還元され、5−(4−フルオロフェニル)イソキサゾール−3−イルメタノールが得られる。一実施態様によれば、還元はTHF下で、約0℃〜ほぼ室温で一晩、行われる。次に、5−(4−フルオロフェニル)イソキサゾール−3−カルバルデヒドは、(5−(4−フルオロフェニル)イソキサゾール−3−イル)メタノールの酸化により形成される。一実施態様によれば、酸化はPCCを用いて行われる。他の実施態様によれば、酸化は、ジクロロメタン下で、ほぼ室温で一晩、行われる。次に、5−(4−フルオロフェニル)イソキサゾール−3−カルバルデヒドは、本明細書に記載される方法を用いて、式(I−A)の化合物に転換され得る。
さらに他の実施態様によれば、中間体(CCC)が、スキーム16に記載される方法論及び試薬に従って調製され得る。この実施態様によれば、A−置換されたアミド[RR]が、クロロカルボニルスルフェニルクロリドと反応され、A−置換された1,3,4−オキサチアゾール−2−オン環[SS]が得られる。次に、1,3,4−オキサチアゾール−2−オン断片は、シアン化アセチルとの反応を通して、その対応する1,2,4−チアゾール断片に転換され、A−置換された1−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)エタノン中間体[CCC]が得られる。次に、化合物[CCC]は、本明細書に記載される方法、例えばスキーム1の方法により、式(I−A)の化合物に転換され得る。
さらに、追加の実施態様によれば、1−(3−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)エタノンは、スキーム16Aの方法論及び試薬に従って調製され得る。この実施態様によれば、1,3,4−オキサチアゾール−2−オン環断片が生成され、そして続いて、1−(3−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)エタノンの調製の間、1,2,4−チアジアゾール環断片に転換される。特に、4−フルオロ−ベンズアミドはクロロカルボニルスルフェニルクロリドと反応され、5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサチアゾール−2−オンが得られる。一実施態様によれば、反応はトルエン下で行われる。他の実施態様によれば、反応は約80℃の高温で約3時間、行われる。次に、5−(4−クロロフェニル)−1、3,4−オキサチアゾール−2−オンがシアン化アセチルと反応され、1−(3−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)エタノンが得られる。一実施態様によれば、この反応は1,2−ジクロロベンゼン下で行われる。他の実施態様によれば、この反応は、約160℃の高温で約20時間、行われる。次に、1−(3−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)エタノンが、本明細書に記載される方法により、式(I−A)の化合物に転換される。
さらなる実施態様によれば、中間体[EEE]が、スキーム17の方法論及び試薬に従って調製され得る。この実施態様によれば、例えばスキーム4又は7に記載されるような方法が、中間体[DDD]を調製するために使用され得る。次に、中間体[DDD]が錫試薬と反応され、化合物[DDD]におけるブロミドが、中間体[EEE]におけるアセチル基に転換される。一実施態様によれば、錫試薬は、トリブチル(1−エトキシビニル)スタンナンである。次に、化合物[EEE]は、本明細書に記載される方法、例えばスキーム1の方法により、式(I−A)の化合物に転換され得る。
他の実施態様によれば、1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタノンが、スキーム17Aの方法論及び試薬に従って調製される。特に、4−フルオロフェニルボロン酸が、3−ブロモ−5−クロロ−1,2,4−チアジアゾールと反応され、3−ブロモ−5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−チアジアゾールが得られる。次に、3−ブロモ−5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−チアジアゾールが、錫試薬、例えばトリブチル(1−エトキシビニル)スタンナンと反応され、3−ブロモ−5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−チアジアゾールのブロミド成分がアセチル基に転換される。一実施態様によれば、この反応は、触媒、例えばPdCl2(PPh3)4の存在下で行われる。他の実施態様によれば、反応は、高温で一晩、DMF下で行われる。次に、1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタノンが、スキーム1に記載される方法により、式(I−A)の化合物に転換され得る。
式(I−B)の化合物が、スキーム18に記載される方法により、式(I)(式中、Q=O)の化合物から調製され得る。この方法によれば、式(I)(式中、Q=O)の化合物が、酸性条件下でまず処理され、アセチルアミド誘導体[I−C]が形成される。一実施態様によれば、反応はアセトニトリル下で行われる。他の実施態様によれば、反応は、高温、例えば90℃で行われる。さらなる実施態様によれば、反応は、強酸、例えば濃硫酸の存在下で行われる。次に、アミド中間体[I−C]が加水分解され、式(I−B)の化合物が得られる。一実施態様によれば、加水分解反応は、強酸、例えば塩酸を用いて行われる。他の実施態様によれば、加水分解は高温で行われる。さらなる実施態様によれば、加水分解は、密封された管において水性塩酸中、中間体[I−C]を、約100℃で数時間、例えば24時間、加熱することにより行われ、式(I−B)の化合物が得られる。
式(I)(式中、Q=O)の化合物のアセチル及び他のエステルプロドラッグ、すなわち化合物(I−D)が、本明細書に記載される方法を用いて調製され得る。一実施態様によれば、式(I)(Q=O)の化合物が、塩化アシルと反応され得る。他の実施態様によれば、塩化アシルは、RZC(O)Clである。さらなる実施態様によれば、反応は、塩基、例えばカリウムtert−ブトキシドの存在下で、スキーム19Aに記載のようにして行われ、プロドラッグ化合物[I−D]が得られる。
式(I)(式中、Q=NH)の化合物のアセチル及び他のアミドプロドラッグが、本明細書に記載される方法を用いて調製され得る。一実施態様によれば、式(I−B)の化合物が塩化アシルと反応される。他の実施態様によれば、塩化アシルはRZC(O)Clである。さらなる実施態様によれば、反応は、塩基、例えばピリジンの存在下で行われ得る。
同様に、式(I−E)の化合物のアセチルアミドプロドラッグは、式(I−A)(式中、Q=O)の化合物とアセトニトリルとの反応により調製され得る。一実施態様によれば、反応は、スキーム19Cに記載されるように、酸性条件下で行われ、プロドラッグ化合物[I−E]が得られる。
本明細書において有用な医薬組成物は、任意には、他の医薬的不活性成分と共に、医薬的に許容される担体中、式(I)の化合物を含む。他の実施態様によれば、式(I)の化合物は、単一組成物中に存在する。さらなる実施態様によれば、式(I)の化合物は、下記に記載されるような1又は2以上の賦形剤及び/又は他の治療剤と組合される。
本発明の医薬組成物は、対象におけるCYP17活性を制御するのに効果的である量の式(I)の化合物を含む。特に、治療効果を達成するための式(I)の化合物の投与量は、製剤、患者の年齢、体重及び性別、及び供給経路に依存するであろう。式(I)の化合物の治療及び投与量は単位剤形で投与され、そして当業者は、活性の相対的レベルを反映するために、それに応じて単位剤形を調節するであろうこともまた考えられる。使用される特定の用量(及び1日当たりに投与される回数)に関する決定は、通常の技術を有する医師の決定内であり、そして所望する治療効果を得るために、特定の環境への用量の滴定により変えられ得る。一実施態様によれば、治療有効量は、約0.01mg/kg〜10mg/kg体重である。他の実施態様によれば、治療有効量は、約 5 g/kg、約 500 mg/kg、 約 400 mg/kg、 約 300 mg/kg、 約 200 mg/kg、 約 100 mg/kg、約 50 mg/kg、約 25 mg/kg、約 10 mg/kg、約 1 mg/kg、約 0.5 mg/kg、約 0.25 mg/kg、約 0.1 mg/kg、約 100 μg/kg、約 75 μg/kg、約 50 μg/kg、約 25 μg/kg、約 10 μg/kg、又は 約 1 μg/kg以下である。しかしながら、式(I)の化合物の治療有効量は、主治医により決定され得、そして治療される病状、投与される化合物、供給経路、年齢、体重、患者の症状の重症度、及び患者の応答パターンに依存する。
治療有効量は、定期的スケジュール、すなわち毎日、毎週、毎月、又は毎年、又は様々な投与日、週、月、等を伴っての不規則なスケジュールで供給され得る。他方では、投与される治療有効量は変更することができる。一実施態様によれば、最初の用量のための治療有効量は、1又は2以上の続く用量に関する治療有効量よりも高い。他の実施態様によれば、最初の用量のための治療有効量は、1又は2以上の続く用量についての治療有効量よりも低い。同等の用量が様々な期間にわたって、例えば約2時間ごとに、約6時間ごとに、約8時間ごとに、約12時間ごとに、約24時間ごとに、約36時間ごとに、約48時間ごとに、約72時間ごとに、約1週ごとに、約2週ごとに、約3週ごとに、約1か月ごとに、及び約2か月ごとに投与される。治療の完結期間に対応する投与量の回数及び頻度は、医療従事者の判断に従って決定されるのであろう。本明細書に記載される治療有効量とは、所定の期間にわたって投与される総量を意味し;すなわち、複数の式(I)の化合物又は医薬的に許容されるその塩又はプロドラッグが投与される場合、治療有効量は、投与される総量に対応する。
式(I)の化合物を含む医薬組成物は、単独で、又は投与のための1又は2以上の医薬担体と共に配合され得る。医薬担体の量は、式(I)の化合物の溶解性及び化学的性質、選択される投与経路、及び標準的薬理学的実施により決定される。医薬担体は、固体又は液体であり得、そして個体及び液体担体の両方を組込むことができる。種々の適切な液体担体は知られており、そして当業者により容易に選択され得る。そのような担体としては、例えばDMSO、生理食塩水、緩衝生理食塩水、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、及びそれらの混合物を挙げることができる。同様に、種々の固体担体及び賦形剤は周知である。式(I)の化合物は、選択されている特定条件を考慮して、何れの経路によっても投与され得る。式(I)の化合物は、中でも経口的に、注射により、吸入(経口、鼻腔内及び気管内)により、眼内、経皮により、血管内、皮下、筋肉内、舌下、頭蓋内、硬膜外、膀胱内、直腸、及び膣内、投与され得る。
式(I)の化合物は単独で投与され得るが、それは、生理学的に適合できる1又は2以上の医薬担体の存在下でも投与され得る。担体は、乾燥又は液体形で存在することができ、そして医薬的に許容されるべきである。液体医薬組成物は典型的には、滅菌溶液又は懸濁液である。液体担体が非経口投与のために使用される場合、それらは所望には、滅菌液体である。液体担体は典型的には、溶液、懸濁液、エマルジョン、シロップ及びエリキシルの調製に使用される。他の実施態様によれば、式(I)の化合物は、液体担体に溶解される。一実施態様によれば、式(I)の化合物は、液体担体に懸濁される。製剤の当業者は、投与経路に依存して、適切な液体担体を選択することができる。他方では、式(I)の化合物は、固体担体に配合され得る。一実施態様によれば、組成物は、単位用量形、すなわち錠剤又はカプレットに圧縮され得る。他の実施態様によれば、組成物は単位剤形、すなわちカプセルに添加され得る。さらなる実施態様によれば、組成物は、粉末として投与のために配合され得る。固体担体は様々な機能を実行することができ、例えば下記に記載される複数の賦形剤の機能を実行することができる。例えば、固体担体はまた、風味剤、潤滑剤、可溶化剤、懸濁化剤、充填剤、流動促進剤、圧縮助剤、結合剤、崩壊剤又は封入材料としても作用することができる。
組成物はまた、適切な量の式(I)の化合物を含有するよう細分割され得る。例えば、単位剤形は、パッケージされた組成物、例えばパケット化された粉末、バイアル、アンプル、予備充填された注射器又は液体含有サシエットであり得る。
1又は2以上の式(I)の化合物と組合され得る賦形剤の例としては、次のものを挙げることができるが、但しそれらだけには限定されない:アジュバント、抗酸化剤、結合剤、緩衝剤、コーティング剤、着色剤、圧縮補助剤、希釈剤、崩壊剤、乳化剤、皮膚軟化剤、封入材料、充填剤、香味剤、流動促進剤、造粒剤、潤滑剤、金属キレート剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、保存剤、可溶化剤、吸着剤、安定化剤、甘味料、界面活性剤、懸濁剤、シロップ剤、増粘剤、又は粘度調節剤。例えば、"Handbook of Pharmaceutical Excipients", 5th Edition, Eds.: Rowe, Sheskey, and Owen, APhA Publications (Washington, DC), December 14, 2005(参照により本明細書に組込まれる)に記載される賦形剤を参照のこと。
一実施態様によれば、組成物は吸入剤として使用され得る。この投与経路のためには、組成物は、噴霧スプレーポンプにより、又は吸入用の乾燥粉末により、式(I)の化合物及び供給のためのビヒクルを用いて、液体単位用量として調製され得る。
他の実施態様によれば、組成物は、エアロゾル、すなわち経口又は鼻腔内エアロゾルとして使用され得る。この投与経路のためには、組成物は、気体又は液化噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタン、二酸化炭素、窒素、プロパン及び同様のものと共に、加圧されたエアロゾル容器への使用のために配合される。1又は2以上の作動下で計量された用量の供給がまた提供される。
他の実施態様によれば、組成物は徐放装置により投与され得る。「徐放性」(sustained delivery)とは、本明細書において使用される場合、遅延されるか、又は他方では、調節される式(I)の化合物の供給を言及する。当業者は、適切な徐放装置を知っている。そのような徐放装置への使用に関しては、式(I)の化合物は、本明細書に記載のようにして配合される。
組成物及び式(I)の化合物に使用するための上記成分の他に、組成物は固形腫瘍を治療するために使用される1又は2以上の薬剤又は治療剤を含むことができる。一実施態様によれば、薬剤としては、化学療法剤、細胞毒性剤/細胞増殖抑制剤、及び標的薬、例えばLHRHアゴニスト/アンタゴニスト、アンドロゲン受容体アンタゴニスト、キナーゼ又は他の酵素阻害剤、及び同様のものを挙げることができるが、但しそれらだけには限定されない。化学療法剤の例としては、"Physician's Desk Reference", 64th Edition, Thomson Reuters, 2010(引用により本明細書に組込まれる)に引用されるそれらの剤を挙げることができる。一実施態様によれば、式(I)の化合物は、CYP17の他の阻害剤、例えば酢酸アビラテロン、又はテストステロン生成を抑制する化合物、例えばLHRHアゴニスト/アンタゴニストと共に投与され得る。追加の薬剤又は治療剤の治療有効量は、周知である。しかしながら、供給されるべき他の薬剤の量を決定することは、主治医の範囲内である。
式(I)の化合物及び/又は他の薬剤又は治療剤は、単一組成物で投与され得る。しかしながら、本発明はこれに限定されない。他の実施態様によれば、式(I)の化合物は、所望には、式(I)の他の化合物、化学療法剤、又は他の剤から1又は2以上の別々の製剤として投与され得る。
式(I)の化合物又は本明細書に記載される組成物を含む医薬製剤のキット又はパッケージがまた、本明細書で提供される。キットは、各所望時間で摂取される、単一製剤又は組合せ製剤を示すように構成され得る。
適切には、キットは、所望する供給経路のために配合された式(I)の化合物を含むパッケージ又は容器を含む。適切には、キットは、活性剤についての投与及び挿入についての説明書を含む。任意には、キットはさらに、そのようなアッセイを実施するための生成物及び材料、例えば試薬、ウェルプレート、容器、マーカー又はラベル、及び同様のものの局部又は循環レベルをモニターするための説明書を含むことができる。そのようなキットは、所望する表示の処置のために適切な態様で容易にパッケージングされる。例えば、キットはまた、噴霧ポンプ又は他の供給装置の使用のための説明書の含むことができる。そのようなキットに含まれる他の適切な成分は、所望する指示及び供給経路を考慮して、容易に当業者に明らかであろう。
本明細書に記載される式(I)の化合物又は組成物は、単回投与であるか、又は連続的又は定期的不連続投与のためであり得る。連続投与に関しては、パッケージ又はキットは、各投薬単位(例えば、上記の又は薬剤供給に使用される、溶液、ローション、錠剤、ピル、又は他の単位)での式(I)の化合物、及び1日1度、毎週1度、又は毎月1度の用量を、予定された期間、又は規定のように、投与するための任意の説明書を含むことができる。式(I)の化合物が不連続態様で定期的に供給される場合、パッケージ又はキットは、式(I)の化合物が供給されない期間のプラセボを含むことができる。種々の濃度の組成物、組成物中の成分、又は時間にわたっての組成物内の式(I)の化合物又は剤の相対的比率が所望される場合、パッケージ又はキットは、所望する変動性を提供する一連の投薬単位を含むことができる。
定期的経口使用のための医薬剤の調剤のためのパッケージ又はキットの数は、周知である。一実施態様によれば、パッケージは、各期間のためのインジケーターを有する。他の実施態様によれば、パッケージは、標識されたブリスターパッケージ、ダイアルディスペンサーパッケージ又はボトルである。
キットのパッケージング手段は、投与、例えば吸入器、注射器、点眼器又は他のそのような装置とそれ自体連動され得、それらから、製剤が身体、例えば肺の患部に適用されるか、対象中に注入されるか、又はさらに、キットの他の成分と共に混合される。
それらのキット中の組成物はまた、乾燥又は凍結乾燥形でも提供され得る。試薬又は成分が乾燥形として提供される場合、再構成は一般的に、適切な溶媒の添加による。溶媒はまた、別のパッケージで提供されても良いことが想定される。
本発明のキットはまた、典型的には、市販のために厳重にバイアルを含むための手段、例えば所望するバイアルが保持される注射又は中空成形プラスチック容器を含むであろう。パッケージの数又はタイプにかかわらず、及び上記で論じられたように、キットはまた、動物の身体内への組成物の注入/投与又は配置を助けるための別個の器具を含むことができるか、又はパッケージされ得る。そのような器具は、吸入器、注射器、ピペット、鉗子、計量スプーン、点眼器、又は何れかのそのような医学的に許容される供給手段であり得る。
一実施態様によれば、キットが提供され、そしてそれは式(I)の化合物を含む。式(I)の化合物は、上記1又は2以上の担体又は賦形剤の存在又は不在下で存在することができる。キットは任意には、CPY17活性に関連する疾病を有する対象への薬剤及び式(I)の化合物の投与のための説明書を含むことができる。
さらなる実施態様によれば、キットが提供され、そしてそれは、第二投薬単位に式(I)の化合物、及び第三投薬単位に1又は2以上の上記担体又は賦形剤を含む。キットは任意には、CPY17活性に関連する疾病を有する対象への薬剤及び式(I)の化合物の投与のための説明書に含むことができる。
本明細書に記載される化合物は、CPY17活性に関連する状態の処置において有用である。一実施態様によれば、そのような疾病は、異常細胞増殖、特にホルモン、例えばテストステロン又はエストロゲンに対して敏感である細胞の異常増殖に関連している。用語「異常細胞増殖」(abnormal cellular proliferation)とは、哺乳類身体に天然において存在する細胞の制御不能な成長を言及する。一実施態様によれば、異常細胞増殖により特徴づけられる疾病は、癌、例えば次の癌を包含するが、但しそれらだけには限定されない:前立腺、頭、首、目、口、喉、食道、気管支、喉頭、咽頭、胸、骨、肺、結腸、直腸、胃、膀胱、子宮、子宮頸部、胸部、卵巣、膣、精巣、皮膚、甲状腺、血液、リンパ節、腎臓、肝臓、腸、膵臓、脳、中枢神経系、副腎、又は皮膚の癌、もしくは白血病。一実施態様によれば、異常細胞増殖により特徴づけられる疾病は、前立腺癌である。
用語「制御」(regulation)、又はその変形とは、本明細書において使用される場合、生物学的経路中の1又は2以上の成分を阻害する式(I)の化合物の能力を言及する。一実施態様によれば、[制御]とは、CPY17活性の阻害を言及する。
他の実施態様によれば、治療有効量の式(I)の化合物を、その必要な患者に投与することを含む、CPY17活性に関連する異常細胞成長により特徴づけられる疾病を処置するための方法が提供される。
さらなる実施態様によれば、治療有効量の式(I)の化合物を、その必要な患者に投与することを含む、CPY17活性を阻害することによる治療可能な状態の処置方法が提供される。
さらなる他の実施態様によれば、治療有効量の式(I)の化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む、患者におけるテストステロン生成を低めるための方法が提供される。
本明細書において記載される場合、化合物の治療有効量とは、癌細胞の数を低め(細胞毒性)、癌細胞の数を相対的に一定に維持し(細胞増殖抑制)、腫瘍サイズを低め、転移を阻害し、腫瘍増殖を阻害し、そして/又は癌の1又は2以上の症状を改善することができる量である。癌治療に関しては、有効性は例えば、時間に対する疾病進行を評価し、腫瘍サイズを測定し、そして/又は患者の応答率を決定することにより測定され得る。
すべての反応を、特にことわらない限り、乾燥窒素又はアルゴン雰囲気下で行った。特にことわらない限り、すべての原料出発材料、溶媒及び試薬を、市販の供給源(例えば、Avocado Research Chemicals, Apollo Scientific Limited, Bepharma Ltd., Combi-Blocks Inc., Sigma Aldrich Chemicals Pvt. Ltd., Ultra Labs, Toronto Research Chemicals Inc., Chemical House, RFCL Limited, Spectro Chem Pvt. Ltd., Leonid Chemicals, Loba Chemie, Changzhou Yangyuan, NeoSynth., Rankem)から購入し、そしてさらなる精製なしで使用するか、又は試薬は、周知方法により合成することができる。
次の略語が用いられ、そして示される定義を有する:MHzはメガヘルツ(周波数)であり、mはマルチプレットであり、tはトリプレットであり、dはダブレットであり、sはシグレットであり、brはブロードであり、CDCl3は重水素化クロロホルムであり、Calcdは計算された(calculated)であり、minは分であり、hは時間であり、gはグラムであり、mmolはミリモルであり、mlはミリリットルであり、Nは正常(濃度)であり、Mはモル濃度(濃度)であり、μMはマイクロモルであり、eeは鏡像体過剰であり、℃は摂氏度であり、HPLCは高性能液体クロマトグラフィーであり、LC−MSは液体クロマトグラフィー−質量分析であり、NMRは核磁気共鳴であり、TLCは薄層クロマトグラフィーであり、THFはテトラヒドロフランであり、MeOHはメタノールであり、DCMはジクロロメタンであり、DEAはジエチルアミンであり、DMAはジメチルアセトアミドであり、DMFはN,N−ジメチルホルムアミドであり、DMSOはジメチルスルホキシドであり、EtOHはエチルアルコールであり、EtOAcは酢酸エチルであり、MeOHはメタノールであり、RTは室温であり、HClは塩化水素又は塩酸であり、TFAはトリフルオロ酢酸であり、EtMgBrは臭化エチルマグネシウムであり、n−BuLiはn−ブチルリチウムであり、NaHCO3は炭酸水素ナトリウムであり、Na2CO3は炭酸ナトリウムであり、Na2SO4は硫酸ナトリウムであり、DCCはN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドであり、DIPAはジイソプロピルアミンであり、LDAはリチウムジイソプロピルアミンであり、HOBtはN−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾールであり、NCSはN−クロロスクシンイミドであり、そしてTBABは臭化テトラブチルアンモニウムである。
Biotage Isolera(登録商標)One 及びCombiFlash(登録商標)(Teledyne Isco) Automated Flash Purification Systemを、それぞれの方法において言及される溶離液組合せを用いて粗生成物の精製のために使用した。フラッシュクロマトグラフィーを、窒素及び/又は圧縮空気と共に、ChemLabsからのシリカゲル(60−100、100−200及び230−400メッシュ)を用いて行った。分取薄層クロマトグラフィーを、シリカゲル(Analtech, Inc. Delaware, USA からのGF 1500 μM 20 × 20 cm 及び GF 2000 μM 20 × 20 cmの分取スコアプレート(prep-scored plate)を用いて行った。薄層クロマトグラフィーを、プレコーティングされたシリカゲルシート(Merch 60 F254)を用いて行った。視覚的検出を、紫外線、p−アニスアルデヒド染色、ニンヒドリン染色、ジニトロフェニルヒドラジン染色、過マンガン酸カリウム染色、又はヨウ素を用いて行った。低温での反応を、冷浴、例えば0℃での水/氷、及び−78℃でのアセトン/ドライアイスを用いて行った。融点を、LabIndia視覚的溶融範囲装置を用いて決定した。1H NMRスペクトルを、内部基準としてテトラメチルシランを用いて、周囲温度で、Varian V400分光計、Bruker 400(特にことわらない限り)により、400MHZで記録した。化学シフト値をδ(ppm)で示す。すべての中間体及び最終化合物の質量スペクトルを、6150SQD機械を備えた、Acquity(登録商標) UPLC-SQD (Waters) & Agilent 1290 Infinity(登録商標)を用いて記録した。HPLCスペクトルを、Agilent 1290 Infinity(登録商標)UHPLC and Alliance (Waters)システムを用いて記録した。LCMSスペクトルを、BEH C18 カラム 及び Zorbax(登録商標)HD C18 カラム(50 mm × 2.1 mm × 1.7μ) & (50 mm × 2.1 mm × 1.8μ)、0.01%の酢酸及びアセトニトリル、及び0.01%の酢酸及びメタノールの移動相、0.3ml/分の流速、70及び50℃の温度、及び3.0及び/又は5分の実行時間を用いて、ダイオードアレイ検出器(DAD)検出LC−MS装置を備えたAgilent 1200(登録商標)LCMS/Agilent 1290(登録商標)UHPLC-SQDを用いて記録した。各最終化合物の純度を、SQDを備えたWaters(登録商標)PDA及び6150 SQDを備えたAglient(登録商標)DAD装置及び次の条件を用いて検出した:
条件1:カラム:BEH C18(Waters);移動相:0.01%酢酸及びアセトニトリル&0.01%酢酸及びメタノール;勾配:(B/%T): 0/0, 1.2/100, 2.5/100, 2.8/0, 3.0/0;流速:0.3 mL/分;温度:70℃;実行時間:3.0分。
条件2:カラム:Zorbax(登録商標)HD C18;移動相:0.01%酢酸及びアセトニトリル&0.01%酢酸及びメタノール;勾配:(B/%T): 0/0, 2.5/100, 4.5/100, 4.8/0, 5.0/0; 流速:0.3 mL/min;温度:50℃;実行時間:5.0分。
実施例1:1−(5−(4−メトキシフェニル)ピリジン−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)−エタノール(スキーム1の合成法)
ステップ1:1−(5−(4−メトキシフェニル)ピリジン−2−イル)エタノン
1−(5−ブロモピリジン−2−イル)エタノン(200mg、1mmol)のトルエン及びエタールの撹拌溶液(9ml、2:1)に、(4−メトキシフェニル)ボロン酸(304mg、2mmol)、2MのNa2CO3(2.84ml)及びPd(PPh3)4(11mg、0.01mmol)をアルゴン雰囲気下で添加し、そして加熱を70℃で5時間、続けた。反応混合物を真空下で濃縮し、そして水(100ml)により希釈し、そしてEtOAc(2×200ml)により抽出した。組合された抽出物を、ブライン溶液(20ml)により洗浄し、そして有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下で濃縮し、粗生成物を得た。ヘキサン溶離液中、10%酢酸エチルを用いてのフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、60−120μ)による精製に基づいて、1−(5−4−メトキシフェニル)ピリジン−2−イル)エタノンを、オフホワイト色の固形物(200mg、88%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.99 (d, 1H), 8.20 (dd, 1H), 7.97 (d, 1H), 7.76 (d, 2H), 7.07 (d, 2H), 3.81 (s, 3H), 2.63 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =228.27, 実測=228.4)。
ステップ2:1−(5−(4−メトキシフェニル)ピリジン−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール
THF(15ml)中、冷却された(−78℃)4−ヨードピリジン(270mg、1.3mmol)[Albrechtら.,米国特許出願公開第2009/0318436号]に、ヘキサン中、1.6Mのn−BuLi(1.65ml、2.6mmol)をゆっくり添加した。撹拌を、同じ温度で、さらに、30分間続け、続いて1−(5−(4−メトキシフェニル)ピリジン−2−イル)エタノン(300mg、1.3mmol)のTHF(5ml)溶液を添加した。同じ温度での2時間の撹拌の後、反応混合物を、飽和NH4Cl水溶液(10ml)によりクエンチした。水性層を酢酸エチル(2×150ml)により抽出した。組合された有機層をブライン(20ml)により洗浄した。最終的に、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、溶離液として20%酢酸エチル及びヘキサンを用いて、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル60−120μ)により精製し、99.6%のHPLC純度でオフホワイト色の固形物(135mg、33%の収率)としてラセミ1−(5−(4−メトキシフェニル)−ピリジン−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノールを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.74 (d, 1H), 8.45 (dd, 2H), 7.98 (dd, 1H), 7.68 (d, 1H), 7.62 (d, 2H), 7.48 (dd, 2H), 7.02 (d, 2H), 6.15 (s, 1H), 3.78 (s, 3H), 1.88 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =307.14, 実測=307.3)。
実施例2及び3:1−(5−(4−メトキシフェニル)−ピリジン−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノールの鏡像異性体#1及び鏡像異性体#2
ラセミ1−(5−(4−メトキシフェニル)ピリジン−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノールを、Chiralpak(登録商標)IC[250mm×4.6mm×5μのカラム、移動相:n−ヘプタン:エタノール及び0.01%DEA(50:50);流速:1ml/分]を用いてキラルHPLC精製に供し、33mg(66%の回収率)の1−(5−(4−メトキシフェニル)ピリジン−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(鏡像異性体#1)及び33mg(66%の回収率)の1−(5−(4−メトキシフェニル)ピリジン−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(鏡像異性体#2)を得、それぞれ99.5%以上のeeを有する。各鏡像異性体に関して:1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.74 (d, 1H), 8.45 (d, 2H), 7.98 (dd, 1H), 7.69 (d, 1H), 7.62 (d, 2H), 7.48 (d, 2H), 7.02 (d, 2H), 6.15 (s, 1H), 3.78 (s, 3H), 1.87 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =307.14, 実測=307.1)。
実施例7:1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール
A.調製A−スキーム1及び2の合成法に従う
ステップ1:2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−カルバルデヒド
トルエン(150ml)及びエタノール(75ml)中、2−ブロモチアゾール−5−カルバルデヒド(5.0g、26.04mmol)の溶液に、(4−フルオロフェニル)ボロン酸(7.29g、52.08mmol)、2Mの炭酸ナトリウム溶液(73.58ml)、Pd(PPh3)4(1.5g、1.3mmol)を、アルゴン雰囲気下で添加した。得られる混合物を、85℃で6時間、加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を水(150ml)により希釈し、そして酢酸エチル(5×500ml)により抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、Combiflash(登録商標)クロマトグラフィー(移動相:ヘキサン中、10%酢酸エチル)により精製し、2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−カルバルデヒドを、オフホワイト色の固形物(200mg、88%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 10.06 (s, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.14-8.11 (m, 2H), 7.39 (t, 2H); LC-MS m/z ([M+H]+ =208.02, 実測=207.9)。
ステップ2:1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール―5−イル)エタノール
THF(25ml)中、2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−カルバルデヒド(500mg、2.41mmol)の溶液に、エーテル中、3Mの臭化メチルマグネシウム(1.61ml、4.83mmol)を、0℃でゆっくり添加した。反応混合物を0℃で1時間、及び次に、室温で約1時間、撹拌した。反応混合物を、飽和NH4Cl溶液(25ml)によりクエンチし、酢酸エチル(3×150ml)により抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(100−200μ;ヘキサン中、酢酸エチル)により精製し、1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール―5−イル)エタノールを、淡黄色の固形物(420mg、78%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.93 (t, 2H), 7.67 (s, 1H), 7.30 (t, 2H), 5.71 (d, 1H), 5.01 (t, 1H), 1.45 (d, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =224.05, 実測=224.4)。
ステップ3:1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)エタノン
ジクロロメタン(40ml)中、1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール―5−イル)エタノール(1.0g、4.4mmol)の溶液を、0℃に冷却した。Dess−Martinペルヨージナン(5.7g、13.4mmol)を、0℃でゆっくり添加し、そして反応混合物を室温で2時間、撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO3溶液(80ml)、チオ硫酸ナトリウム溶液(20ml)によりクエンチし、エーテル(2×100ml)により抽出し、有機層粗硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、Combiflash(登録商標)クロマトグラフィー(ヘキサン中、40%酢酸エチル)により精製し、1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)エタノンを、オフホワイト色の固形物(820mg、83%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.67 (s, 1H), 8.08 (t, 2H), 7.37 (t, 2H), 2.59 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =222.03, 実測=223.3)。
ステップ4:1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール
THF(15ml)中、4−ヨードポリジン(1g,4.88mmol)の溶液を、窒素下で−78℃に冷却し、ヘキサン中、1.6Mのn−BuLi(0.565ml、8.14mmol)を、−78℃でゆっくり添加した。反応混合物を10分間、撹拌し、そしてTHF(25ml)中、1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)エタノン(900mg、4.07mmol)を添加した。得られる混合物を、−78℃で2時間、撹拌した。反応混合物を、飽和NH4Cl溶液(160ml)によりクエンチし、酢酸エチル(3×250ml)により抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(100−200μ;ヘキサン中、90%酢酸エチル)により精製し、1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノールを、オフホワイト色の固形物(1.2g、35%の収率)として99.6%のHPLC純度で得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.51 (d, 2H), 7.88-7.92 (m, 2H), 7.81 (s, 1H), 7.48 (d, 2H), 7.28 (t, 2H), 6.64 (s, 1H), 1.93 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =301.07, 実測=301.1)。
B.調製B−スキーム3の合成法に従う
ステップ1:2−(4−フルオロフェニル)チアゾール
反応体として2−ブロモチアゾール(5.0g、30.482mmol)及び(4−フルオロフェニル)ボロン酸(8.528g、60.96mmol)を用いて、及び実施例7のステップ1に記載される方法に従って、標記化合物を、フラッシュクロマトグラフィー(60−120μ;ヘキサン中、4%酢酸エチル)による精製の後、無色液体(5.0g、91%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.00-7.89 (m, 2H), 7.90 (d, 1H), 7.76 (d, 1H), 7.32 (t, 2H); LC-MS m/z ([M+H]+ =180.02, 実測=180.1)。
ステップ2:1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール
窒素雰囲気下で、−78℃で、THF(15ml)中、ジイソプロピルアミンの撹拌溶液(0.283ml、2.01mmol)に、ヘキサン中、1.6Mのn−BuLi(1.25ml、2.01mmol)をゆっくり添加した。反応混合物を−5℃で30分間、撹拌し、−78℃に冷却し、THF(5ml)中、2−(4−フルオロフェニル)チアゾール(300mg、1.67mmol)を添加し、そしてTHF(5ml)中、4−アセチルピリジン(300mg、1.67mチル)を添加した。得られる混合物を、−78℃で2時間、撹拌した。反応混合物を、飽和NH4Cl溶液(40ml)によりクエンチし、そして酢酸エチル(4×150ml)により抽出した。有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(100−200μ;ヘキサン中、80%酢酸エチル)により精製し、1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノールを、オフホワイト色の固形物(285mg、57%の収率)(99.9%のHPLC純度)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.53 (d, 2H), 7.92 (t, 2H), 7.81 (s, 1H), 7.49 (d, 2H), 7.30 (t, 2H), 6.66 (s, 1H), 1.93 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =301.07, 実測=301.6)。
HCl塩:エタノール(120ml)中、1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(2g、6.6mmol)の懸濁液に、1,4−ジオキサンHCl(4M、1.66ml、6.6mmol)を、0℃でゆっくり添加し、そして次に、混合物を室温で1時間、撹拌した。形成される固形物を濾過し、そしてヘキサン(10ml)により洗浄し、4−(1−(1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール塩酸塩を、オフホワイト色の固形物(1.6g、71%の収率;99.7%のHPLC純度、mp=229−232℃)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 8.81 (d, 2H), 8.04 (d, 2H), 7.92-7.89 (m, 3H), 7.29 (t, 2H), 7.13 (br s, 1H), 2.00 (s, 3H), LC-MS m/z ([M+H]+ =301.07, 実測=301.1)。
4−メチルベンゼンスルホン酸塩:エタノール(60ml)中、1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(2g、6.6mmol)の懸濁液に、4−メチルベンゼンスルホン酸(1.14g、6.6mmol)を、0℃でゆっくり添加し、そして次に、混合物を室温で1時間、撹拌した。形成される固形物を濾過し、そしてヘキサン(10ml)により洗浄し、4−(1−(1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール4−メチルベンゼンスルホン酸塩を、オフホワイト色の固形物(1.9g、61%の収率;98.2%のHPLC純度、mp=181−184℃)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 8.84 (d, 2H), 8.08 (d, 2H), 7.91 (t, 3H), 7.46 (d, 2H), 7.30 (t, 2H), 7.09 (d, 2H), 2.26 (s, 3H), 2.01 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =301.07, 実測=301.1)。
ベンゼンスルホン酸塩:エタノール(60ml)中、1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(2g、6.6mmol)の懸濁液に、ベンゼンスルホン酸(1.05g、6.6mmol)を、0℃でゆっくり添加し、そして次に、混合物を室温で1時間、撹拌した。反応混合物を濃縮し、得られる固形物をヘキサン(10ml)により洗浄し、4−(1−(1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール ベンゼンスルホン酸塩を、オフホワイト色の固形物(1.3g、43%の収率;99.6%のHPLC純度、mp=165−167℃)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 8.81 (d, 2H), 8.04 (d, 2H), 7.93-7.89 (m, 3H), 7.57 (d, 2H), 7.33-7.28 (m, 5H), 7.09 (br s, 1H), 2.00(s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =301.07, 実測=301.1)。
硫酸塩:エタノール(25ml)中、1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(1g、3.3mmol)の懸濁液に、H2SO4(0.18ml、3.3mmol)を、0℃でゆっくり添加し、そして次に、混合物を室温で1時間、撹拌した。形成される固形物を濾過し、そしてヘキサン(10ml)により洗浄し、4−(1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−ヒドロキシエチル)ピリジン−1−イウム硫酸水素塩を、オフホワイト色の固形物(500mg、38%の収率;99.3%のHPLC純度、mp=193−196℃)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 8.82 (d, 2H), 8.05 (d, 2H), 7.93-7.89 (m, 3H), 7.29 (t, 2H), 7.13 (br s, 1H), 2.00 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =301.07, 実測=301.1)。
硝酸塩:エタノール(6ml)及びイソプロピルアルコール(30ml)中、1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(2g、10mmol)の懸濁液を0℃に冷却し、そしてこの混合物を、室温で1時間、撹拌した。形成される固形物を濾過し、そしてヘキサン(10ml)により洗浄し、4−(1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−ヒドロキシエチル)ピリジン−1−イウム硝酸塩を、オフホワイト色の固形物(2.3g、63%の収率;99.8%のHPLC純度、mp=188−191℃)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 8.85 (d, 2H), 8.10 (d, 2H), 7.92 (t, 3H), 7.30 (t, 2H), 7.13 (br s, 1H), 2.01 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =301.07, 実測=301.1)。
実施例8及び9(方法1):1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノールの鏡像異性体#1及び鏡像異性体#2
ラセミ1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(500mg)(実施例7)を、500μlのTFAを含むn−ヘプタン/酢酸エチル(60:40)混合物15μlに溶解し、そしてChiralpak(登録商標)IC[250mm×4.6mm×5μm]カラム(移動相:0.1%DEAを含むn−へプラン:エタノール(60:40);流速:1ml/分)を用いて、キラルHPLC精製に供した。2種の鏡像異性体の溶離された画分を、別々に集め、そしてそれらの画分の個々を濃縮し、固形物を得、これを酢酸エチル(100ml)に溶解し、そして飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3×20ml)により洗浄し、110mg(44%の収率)の(+)−1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(実施例8)(鏡像異性体#1、[α]D 26.5 +24.2 (c 1.0, DMF))及び106mg(42%の収率)の(−)−1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(実施例9)(鏡像異性体#2、[α]D 26.6 -25.6 (c 1.0, DMF))を得た。各鏡像異性体は、98.7%以上のeeで単離された。各鏡像異性体に関しては、1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.51 (d, 2H), 7.92-7.88 (t, 2H), 7.79 (s, 1H), 7.48 (d, 2H), 7.28 (t, 2H), 6.64 (s, 1H), 1.92 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =301.07, 実測=301.5)。
実施例8及び9(方法2):1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノールの鏡像異性体#1及び鏡像異性体#2
ラセミ1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)酢酸エチル(150mg)(実施例65)を、0.1%のDEAを含むn−ヘキサン:IPA(90:10)混合物15mlに溶解し、そして得られる溶液を、Chiralpak IA(登録商標)IC[250mm×4.6mm×5μm]カラム(移動相:90:10のn−ヘキサン:IPA(0.1%DEAを含む);流速:1ml/分)を用いて、キラルHPLC精製に供した。2種の鏡像異性体の溶離された画分を別々に集め、そしてそれらの画分の個々を濃縮し、実施例65の鏡像異性体#1(99.9%のee)40mg(26%)、及び実施例65の鏡像異性体#2(90.5%のee)55mg(36%)を得た。
実施例65の鏡像異性体#1(30mg、0.09mmol)を、エタノール(1ml)に溶解し、そしてこの溶液に、KOH(19.64mg、0.35mmmol)を添加した。得られる混合物を、室温で30分間、撹拌した。この反応混合物に、水(10ml)を添加した。混合物を、酢酸エチル(3×25ml)により抽出し、そして組合された有機相を真空下で濃縮し、15mg(57%)の(+)−1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(実施例8)を、無色の結晶性固形物として得た。
同様に、実施例65の鏡像異性体#2(40mg、0.12mmol)を、エタノール(1ml)に溶解し、そしてこの溶液に、KOH(26.2mg、0.47mmol)を添加した。上記に類似する反応及び作業条件に従って、21mg(60%)の(−)−1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(実施例9)を、無色の結晶性固形物として得た。
この方法により調製された実施例8及び9のサンプルを、次の通りにキラルHPLCにより特徴づけた:実施例8、鏡像異性体#1、保持時間11.0分;実施例9、鏡像異性体#2、保持時間19.9分;上記のように実施例7の直接的キラル分離により得られる鏡像異性体サンプルと一致する)。キラルHPLC条件:Chiralpak IA (250 mm × 4.6 mm × 5 um)、移動相: 0.1% DEAを含むn−ヘキサン:EtOAc(60:40)、流速: 1.0 mL/粉、サンプル分離: 1 mg/2 mL の移動相。
実施例11:1−(5−(4−フルオロフェニル)ピラジン−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(スキーム4の合成法)
ステップ1:2−ブロモ−5−(4−フルオロフェニル)ピラジン
トルエン(6ml)及びエタノール(3ml)中、2,5−ジプロモピラジン(100mg、0.4モル)の溶液に、(4−フルオロフェニル)ボロン酸(29mg、0.2mmol)及び2Mの炭酸ナトリウム溶液(2.84ml)を添加した。溶液を、アルゴンにより15分間パージし、Pd(PPh3)4(4mg、0.004mmol)を添加し、そして反応混合物を、アルゴンにより15分間パージした。得られる混合物を40℃に加熱し、そして1時間、撹拌した。反応混合物を濃縮し、水(20ml)により希釈し、そして酢酸エチル(2×100ml)により抽出した。組合された抽出物を、ブライン溶液(10ml)により洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下で濃縮した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(60−120μ、ヘキサン中、5%酢酸エチル)により精製し、2−ブロモ−5−(4−フルオロフェニル)ピラジンを、オフホワイト色の固形物(60mg、57%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.08 (s, 1H), 8.88 (s, 1H), 8.18-8.15 (m, 2H), 7.37 (dd, 2H); LC-MS m/z ([M+H]+ =252.97, 実測=253.0)
ステップ2:1−(5−(4−フルオロフェニル)ピラジン−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール
THF(10ml)中、2−ブロモ−5−(4−フルオロフェニル)ピラジン(115mg、0.4mmol)を、−78℃に冷却し、ヘキサン中、1.6Mのn−BuLi(0.56ml、0.8mmol)を−78℃でゆっくり添加し、反応混合物を−78℃で10分間、撹拌し、THF(3ml)中、1−(ピリジン−4−イル)エタノン(54mg、0.4mmol)を添加した。得られる混合物を−78℃で1時間、撹拌した。反応混合物を、飽和NH4Cl溶液(10ml)によりクエンチし、そして酢酸エチル(2×200ml)により抽出した。組合された抽出物を、ブライン溶液(20ml)により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、分取TLC(移動相:ヘキサン中、60%の酢酸エチル)により精製し、1−(5−(4−フルオロフェニル)ピラジン−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノールを、オフホワイト色の固形物(32mg、24%の収率;98.7%のHPLC純度)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.13 (s, 1H), 8.93 (s, 1H), 8.48 (d, 2H), 8.16-8.13 (m, 2H), 7.49 (d, 2H), 7.34 (t, 2H), 6.43 (s, 1H), 1.90 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =296.11, 実測=296.1)。
実施例12:6'−(1−ヒドロキシ−1−(ピリジン−4−イル)エチル)−[3,3'−ビピリジン]−6−カルボニトリル(スキーム1の合成法)
ステップ1:6'−アセチル−[3、3'―ピリジン]−6−カルボニトリル
トルエン(10ml)及びエタノール(5ml)中、1−(5−ブロモピリジン−2−イル)エタノン(0.2g、1mmol)の撹拌溶液に、5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピコリノニトリル(0.46g、2mmol)及びPd(PPh3)4(0.057g、0.05mmol)を添加した。反応混合物を、アルゴンにより5分間パージし、2Mの炭酸ナトリウム溶液(3.5ml0.74g、7mmol)を添加し、そして反応混合物を75−80℃で6時間、撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム(2×100ml)によりクエンチし、そして酢酸エチル(2×100ml)により抽出した。有機相をブライン及び氷冷却水(2×100ml)により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(100−200μシリカゲル、ヘキサン中、15−16%の酢酸エチルの使用)により精製し、6′−アセチル−[3、3′―ピリジン]−6−カルボニトリルを、白色固形物(0.18g、80%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.24 (dd, 1H), 9.20 (dd, 1H), 8.54 (dd, 1H), 8.46 (dd, 1H), 8.23 (dd, 1H), 8.09 (dd, 1H), 2.68 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =224.07, 実測=224.1)。
ステップ2:6'−(1−ヒドロキシ−1−(ピリジン−4−イル)エチル)−[3,3'−ビピリジン]−6−カルボニトリル
4−ヨードピリジン(0.22g、1.076mmol)及び6'−アセチル−[3、3'―ピリジン]−6−カルボニトリル(0.12g、0.54mmol)、並びに実施例7及びステップ4に記載される方法を用いて、粗生成物を得た。粗生成物を、分取TLC(酢酸エチル中、5%メタノール)により精製し、6'−(1−ヒドロキシ−1−(ピリジン−4−イル)エチル)−[3,3'−ビピリジン]−6−カルボニトリルを、98%HPLC純度で、オフホワイト色の固形物(30mg、18%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.12 (s, 1H), 8.94 (s, 1H), 8.46 (d, 2H), 8.38 (dd, 1H), 8.23 (dd, 1H), 8.14 (d, 1H), 7.82 (d, 1H), 7.49 (d, 2H), 6.27 (s, 1H), 1.9 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =303.12, 実測=301.1)。
実施例13:1−(5−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)プロパン−1−オール(スキーム7の合成法)
ステップ1:5−(4−フルオロフェニル)チアゾール
DMA(10ml)中、チアゾール(2g、23.53mmol)の溶液を含む密封された管に、酢酸カリウム(6.9g、70.58mmol)、1−フルオロ−4−ヨードベンゼン(15.6g、70.58mmol)及び水酸化パラジウム/C(0.53g、2.35mmol)を窒素下で添加した。反応混合物を145℃に加熱し、そして16時間、撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、そして水(200ml)により希釈し、Celite(登録商標)試薬を通して濾過し、そして酢酸エチル(300ml)により抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(100−200μのシリカゲル、10%EtOAc及びヘキサンによる溶出)により精製し、5−(4−フルオロフェニル)チアゾール(0.9g、22%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.74 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.55 (t, 2H), 7.11 (t, 2H)。
ステップ2:5−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−カルバルデヒド
5−(4−フルオロフェニル)チアゾール(0.5g、2.78mmol)及びTHF(40ml)の溶液を、−78℃に冷却し、ヘキサン中、1.6MのMn−BuLi(0.7ml、8.36mmol)をゆっくり添加し、溶液を20分間、撹拌し、そしてTHF中、DMF(20ml)を添加した。反応混合物を、−78℃で2時間、撹拌し、飽和塩化アンモニウム溶液によりクエンチし、そして酢酸エチル(150ml)により希釈した。有機層を分離し、塩化アンモニウム(3×150ml)及び続いて、ブライン溶液(2×100ml)により洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(100−200μのシリカゲル、及びヘキサン中、18%酢酸エチル)により精製し、5−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−カルバルデヒドを、オフホワト色の固形物(0.4g、69%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.91 (s, 1H), 8.63 (s, 1H), 7.88-7.91 (m, 2H), 7.35 (t, 2H), LC-MS m/z ([M+H]+ =208.02, 実測=208.1)。
ステップ3:1−(5−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)プロパン−1−オール
5−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−カルバルデヒド(0.12g、0.58mmol)及びEtMgBr(0.577ml、1.73mmol)を用い、及び実施例7及びステップ2に記載される方法に従って、粗化合物を得、そしてさらに、カラムクロマトグラフィー(100−200μのシリカゲル及び38%酢酸エチル及びヘキサンを用いる)により精製し、1−(5−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)プロパン−1−オールを、淡黄色の液体(0.1g、73%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.01 (s, 1H), 7.68-7.65 (m, 2H), 7.25 (t, 2H), 6.11 (d, 1H), 4.72-4.67 (m, 1H), 1.84 (m, 1H), 1.88-1.67 (m, 1H), 0.91 (t, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =238.06, 実測=238.5)。
ステップ4:1−(5−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)プロパン−1−オン
1−(5−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)プロパン−1−オール(0.05g、0.21mmol)を、実施例3及びステップ3に記載される方法を用いて、酸化し、カラムクロマトグラフィー精製(100−200μのシリカゲル、及びヘキサン中、15%の酢酸エチル)の後、1−(5−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)プロパン−1−オンを、オフホワイト色の固形物(40mg、81%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.49 (s, 1H), 7.89-7.85 (m, 2H), 7.35 (t, 2H), 3.13 (q, 2H), 1.13 (t, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =236.05, 実測=236.1)。
ステップ5:1−(5−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)プロパン−1−オール
1−(5−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)プロパン−1−オン(0.04g、0.17mmol)及び4−ヨードピリジン(0.069g、0.34mmol)を用い、及び実施例7及びステップ4の方法に従って、粗化合物を得、そしてさらに、分取TLC(ジクロロメタン中、5%メタノール)により精製し、1−(5−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)プロパン−1−オール(14mg、10%の収率)を、95%のHPLC純度で得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.52-8.49 (m, 2H), 8.05 (s, 1H), 7.65-7.62 (m, 2H), 7.56 (d, 2H), 7.23 (t, 2H), 6.81 (br s, 1H), 2.34-2.24 (m, 2H), 0.77 (t, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =315.09, 実測=315.1)。
実施例14:1−(5−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(スキーム3の合成法)
ステップ1:5−(4−フルオロフェニル)チアゾール
5−ブロモチアゾール(1.0g、6.09mmol)及び(4−フルオロフェニル)ボロン酸(1.0g、7.31mmol)を用い、及び実施例7、ステップ1に記載の方法に従って、標記化合物を、Biotage IsoleraOne(登録商標)カラム(ヘキサン中、10%酢酸エチル)による精製により、黄色の粘性液体(0.4g、36%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.05 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 7.73-7.69 (m, 2H), 7.27 (t, 2H); LC-MS m/z ([M+H]+ =180.02, 実測=180.1)。
ステップ2:1−(5−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール
−78℃での無水THF(8ml)中、5−(4−フルオロフェニル)チアゾール(0.1g、0.558mmol)の溶液に、ヘキサン中、1.6MのBuLi(0.7ml、1.117mmol)をゆっくり添加し、反応混合物を30分間、撹拌し、そしてTHF(8ml)中、1−(ピリジン−4−イル)エタノン(0.13ml、1.117mmol)を添加した。反応混合物を−78℃で2時間、撹拌し、反応混合物を、飽和NH4Cl溶液(50ml)によりクエンチし、EtOAc(2×50ml)により抽出し、有機層を水(50ml)により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、分取TLC(ジクロロメタン中、5%エタノール)により精製し、1−(5−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノールを、オフホワイト色の固形物(35mg、22%の収率)として、99.6%のHPLC純度で得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.50 (br s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.66-7.63 (m, 2H), 7.53 (br s, 2H), 7.24 (t, 2H), 6.99 (s, 1H), 1.89 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =301.07, 実測=301.4)。
実施例15:5−(5−(1−ヒドロキシ−1−(ピリジン−4−イル)エチル)チオフェン−2−イル)−1−メチル−ピリジン−2(1H)−オン(スキーム6の合成法)
ステップ1:5−ブロモ−2−メトキシピリジン
メタノール(60ml)中、2,5−ジブロモピリジン(5.5g、23.2mmol)及びNaOMe(3.76g、69.6mmol)の混合物を、70℃で一時間、加熱し、そして次に、室温に冷却した。反応混合物を水(50ml)により希釈し、そしてEtOAc(2×100ml)により抽出した。組合された有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして減圧下で濃縮し、淡黄色の揮発性油状物(2.5g、58%の収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.26 (s, 1H), 7.87 (dd, 1H), 6.81 (d, 1H), 3.82 (s, 3H)。
ステップ2:5−ブロモピリジン−2(1H)−オン
5−ブロモ−2−メトキシピリジン(2.5g、13.29mmol)を、6NのHCl(30ml)に溶解した。その溶液を100℃で加熱し、そして5時間、撹拌した。反応混合物を5℃に冷却し、そして反応混合物のpHを、10%水性NaOHにより6.5に調整した。沈殿物を濾過により集め、水(100ml)により洗浄し、そして真空下で乾燥し、5−ブロモピリジン−2(1H)−オン(1.5g、65%の収率)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 10.2-8.2 (br s, 1H) 7.52-7.49 (m, 2H), 6.51 (d, 1H); LC-MS m/z ([M+H]+ =173.95, 実測=173.8)。
ステップ3:5−ブロモ−1−メチルピリジン−2(1H)−オン
DHF(5ml)中、5−ブロモピリジン−2(1H)−オン(0.18g、1.03mmol)の溶液に、ヨードメタン(0.2ml、3.1mmol)及び炭酸カリウム(0.8g、6.2mmol)添加した。反応混合物を室温で2時間、撹拌した。次に、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチル(200ml)に溶解し、水(50ml)及びブライン溶液により洗浄した。有機層を組合し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下で濃縮し、5−ブロモ−1−メチルピリジン−2(1H)−オン[Albrecht、米国特許出願公開第2009/0318436号]を、黄色の固形物(40mg、21%)として得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 8.01 (d, 1H), 7.49 (dd, 1H), 6.34 (d, 1H), 3.38 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =187.96, 実測=188.2)。
ステップ4:5−(5−アセチルチオフェン−2−イル)−1−メチルピリジン−2(1H)−オン
1、4−ジオキサン(5ml)及び水(2ml)中、5−ブロモ−1−メチルピリジ−2(1H)−オン(0.2g、1.06mmol)の溶液に、(5−アセチルチオフェン−2−イル)ボロン酸(0.2g、1.27mmol)、臭化テトラブチルアンモニウム(0.034g、0.16mmol)、K2CO3(0.4ml、3.19mmol)及びPd(PPh3)2Cl2(0.18g、1.59mmol)を、アルゴン下で添加した。混合物をアルゴンにより10分間パージし、そして100℃に1時間、加熱した。反応混合物を、Celite(登録商標)試薬を通して濾過し、濾液を濃縮し、残渣をEtOAc(2×100ml)により抽出し、そして水(100ml)により洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、Biotage IsoleraOne(登録商標)カラム洗浄器(ヘキサン中、80%酢酸エチル)により精製し、そして黄色の粘性液体(0.15g、62%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.69-7.58 (m, 3H), 7.08 (d, 1H), 6.65 (d, 1H), 3.61 (s, 3H), 2.54 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =234.05, 実測=234.1)。
ステップ5:5−(5−(1−ヒドロキシ−1−(ピリジン−4−イル)エチル)チオフェン−2−イル)−1−メチルピリジン−2(1H)−オン
5−(5−アセチルチオフェン−2−イル)−1−メチルピリジン−2(1H)−オン(0.07g、0.3mmol)、4−ヨードピリジン(0.12g、0.6mmol)、及び実施例7、ステップ4に記載される方法を用いて、粗化合物を得、そしてさらに、分取TLC(ジクロロメタン中、5%メタノール)により精製し、5−(5−(1−ヒドロキシ−1−(ピリジン−4−イル)エチル)チオフェン−2−イル)−1−メチルピリジン−2(1H)−オンを、オフホワイト色の固形物(0.02g、21%の収率)として、99.8%のHPLC純度で得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.48 (d, 2H), 7.97(d, 1H), 7.65 (dd, 1H), 7.45-7.44 (t, 2H), 7.07 (d, 1H), 6.94 (d, 1H), 6.41-6.38 (m, 2H), 3.42(s, 3H), 1.85(s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =313.09, 実測=313.1)。
実施例16及び17:5−(5−(1−ヒドロキシ−1−(ピリジン−4−イル)エチル)チオフェン−2−イル)−1−メチルピリジン−2(1H)−オンの鏡像異性体#1及び鏡像異性体#2
ラセミ5−(5−(1−ヒドロキシ−1−(ピリジン−4−イル)エチル)チオフェン−2−イル)−1−メチルピリジン−2(1H)−オン(530mg)を、Chiralpak(登録商標) IC [250 mm x 4.6 mm x 5 μm カラム、移動相: 0.1% DEAを含むn−ヘプタン:エタノール(50:50); 流速: 1 mL/分]を用いて、キラルHPLC精製に供し、約150mg(56%の収率)の(+)−5−(5−(1−ヒドロキシ−1−(ピリジン−4−イル)エチル)チオフェン−2−イル)−1−メチルピリジン−2(1H)−オン(鏡像異性体#1; [α]D 25 +68.8 (c 1.0、MeOH))及び150mg(56%の収率)の(−)−5−(5−(1−ヒドロキシ−1−(ピリジン−4−イル)エチル)チオフェン−2−イル)−1−メチルピリジン−2(1H)−オン(鏡像異性体#2; [α]D 25 −65.7 (c 1.0, MeOH))を得、各鏡像異性体を99.9のeeで単離した。各鏡像異性体に関しては、1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.48 (d, 2H), 7.98(d, 1H), 7.66 (dd, 1H), 7.45 (d, 2H), 7.07 (d, 1H), 6.95 (d, 1H), 6.41 (s, 1H), 6.39 (s, 1H), 3.42 (s, 3H), 1.86 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =313.09, 実測=313.6)。
実施例18:1−(2−(1H−ピラゾール−4−イル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)プロパン−1−オール
A.調製A−スキーム1及び2の合成法に従う
ステップ1:2−(1H−ピラゾール−4−イル)チアゾール−5−カルバルデヒド
トルエン(15ml)及びエタノール(7ml)中、2−ブロモチアゾール−5−カルバルデヒド(500mg、2.6mmol)の溶液に、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(606mg、3.1mmol)、2Mの炭酸ナトリウム溶液(7.2ml)及びPd(PPh3)4(30mg、0.02mmol)を添加した。反応混合物を、アルゴンにより15分間パージし、そして得られる混合物を70℃で4時間、加熱した。反応混合物を濃縮し、水(100ml)により希釈し、そして酢酸エチル(2×200ml)により抽出した。組合された抽出物を、ブライン溶液(20ml)により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(60−120μ;ヘキサン中、50%酢酸エチル)により精製し、2−(1H−ピラゾール−4−イル)チアゾール−5−カルバルデヒドを、黄色の固形物(250mg、54%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 13.49 (br s, 1H), 10.00 (s, 1H), 8.61(s, 1H), 8.55(s, 1H), 8.09 (s, 1H); LC-MS m/z ([M+H]+ =180.02, 実測=180.01)。
ステップ2:1−(2−(1H−ピラゾール−4−イル)チアゾール−5−イル)プロパン−1−オール
THF(15ml)中、2−(1H−ピラゾール−4−イル)チアゾール−5−カルバルデヒド(245mg、1.3モル)の溶液を、0℃に冷却し、ジエチルエーテル(0.9ml、2.7mmol)中、臭化エチルマグネシウムの3M溶液を、0℃でゆっくり添加し、そして反応混合物を、0℃で2時間、撹拌した。反応混合物を、飽和NH4Cl溶液(10ml)によりクエンチし、そして酢酸エチル(2×200ml)により抽出した。組合された抽出物を、ブライン溶液(20ml)により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして有機溶媒を減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(60−120μ;ジクロロメタン中、3%メタノール)により精製し、1−(2−(1H−ピラゾール−4−イル)チアゾール−5−イル)プロパン−1−オールを、淡黄色の液体(180mg、63%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 13.19 (br s, 1H), 8.25 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 5.59 (d, 1H), 4.71 (q, 1H), 1.97-1.64 (m, 2H), 0.86 (t, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =210.06, 実測=210.1)。
ステップ3:1−(2−(1H−ピラゾール−4−イル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)プロパン−1−オール
ジクロロメタン(15ml)中、1−(2−(1H−ピラゾール−4−イル)チアゾール−5−イル)プロパン−1−オール(175mg、0.83mmol)の溶液を、0℃に冷却し、そしてDess−Martinペルヨージナン(1.06g、2.51mmol)を、0℃でゆっくり添加した。反応混合物を、室温で約3時間、撹拌し、飽和NaHCO3溶液(10ml)、続いてチオ硫酸ナトリウム溶液(5ml)によりクエンチし、そしてジクロロメタン(2×200ml)により抽出した。組合された抽出物を、ブライン溶液(10ml)により洗浄し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。残渣を、小フィルターカラムに通し、生成物1−(2−(1H−ピラゾール−4−イル)チアゾール−5−イル)プロパン−1−オン(140mg)を、LC−MSにより確認し、そして次に、次のステップに使用した。LC-MS m/z計算値[M+H]+ 208.05, 実測値208.1。
THF(15ml)中、4−ヨードピリジン(133mg、0.65mmol)の溶液を、−78℃に冷却し、ヘキサン中、1.6Mのn−BuLi(0.81ml、1.3mmol)を、−78℃でゆっくり添加し、反応混合物を−78℃で20分間、撹拌し、そしてTHF(5ml)中、1−(2−(1H−ピラゾール−4−イル)チアゾール−5−イル)プロパン−1−オン(135mg、0.65mmol)を添加した。得られる混合物を、−78℃で2時間、撹拌した。反応混合物を、飽和NH4Cl溶液(10ml)によりクエンチし、そして酢酸エチル(2×250ml)により抽出した。組合された抽出物を、ブライン溶液(10ml)により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、分取TLC(移動相:ジクロロメタン中、5%メタノール)により精製し、1−(2−(1H−ピラゾール−4−イル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)プロパン−1−オールを、淡黄色の液体(13mg、5%の収率)として、99.4%のHPLC純度で得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 13.19 (br s, 1H), 8.51(d, 2H), 8.24 (br s, 1H), 7.87 (br s, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.45 (d, 2H), 6.29 (s, 1H), 2.32-2.23 (m, 2H), 0.77 (t, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =287.09, 実測=287.1)。
B.調製B−スキーム3の合成法に従う
ステップ1:2−(1H−ピラゾール−4−イル)チアゾール
トルエン(20ml)及びエタノール(10ml)中、2−ブロモチアゾール(1g、6mmol)の溶液に、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(1.41g、7.3mmol)、2Mの炭酸ナトリウム溶液(17.3ml)及びPd(PPh3)4(7mg、0.06mmol)を添加した。反応混合物を、アルゴンにより15分間パージした。得られる混合物を、70℃で4時間、加熱した。反応混合物を濃縮し、そして水(100ml)により希釈し、酢酸エチル(2×200ml)により抽出した。組合された抽出物を、ブライン溶液(20ml)により洗浄し、有機溶媒を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(60−120μ;ヘキサン中、50%酢酸エチル)により精製し、ラセミ2−(1H−ピラゾール−4−イル)チアゾールを、褐色の液体(520mg、56%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 13.22 (br s, 1H), 8.30 (s, 1H), 7.93 (s, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.55 (d, 1H); LC-MS m/z ([M+H]+ =152.02, 実測=152.1)。
ステップ2:1−(2−(1H−ピラゾール−4−イル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)プロパン−1−オール
−60℃でのTHF(10ml)中、ジイソプロピルアミン(0.28ml、1.9mmol)の撹拌溶液に、n−BuLi(1.6M、2.48ml)を、ゆっくり添加した。反応混合物を、−10℃で30分間、撹拌し、−78℃に冷却し、そしてTHF(5ml)中、2−(1H−ピラゾール−4−イル)チアゾール(200mg、1.3mmol)の溶液を30分間、滴下した。次に、THF(2ml)中、4−アセチルピリジン(0.07ml、0.000674mmol)を添加し、そして反応混合物を−78℃で、さらに1時間、撹拌した。作業を、実施例23、ステップ2に記載のようにして実施し、粗生成物を得た。粗生成物を、分取TLC(移動相:ヘキサン中、70%酢酸エチル)により精製し、1−(2−(1H−ピラゾール−4−イル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)プロパン−1−オールを、淡黄色の固形物(134mg、35%の収率)として、99%のHPLC純度で得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 13.18 (br s, 1H), 8.50 (d, 2H), 8.22 (br s, 1H), 7.85 (br s, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.43 (d, 2H), 6.28 (s, 1H), 2.32-2.24 (m, 2H), 0.75 (t, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =287.09, 実測=287.1)。
実施例19及び20:1−(2−(1H−ピラゾール−4−イル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)プロパン−1−オールの鏡像異性体#1及び鏡像異性体#2
ラセミ1−(2−(1H−ピラゾール−4−イル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)プロパン−1−オール(150mg)を、Chiralpak(登録商標) IC [250 mm x 4.6 mm x 5 μm カラム、移動相: 0.1% DEAを含むn−ヘプタン:エタノール(50:50); 流速: 1 mL/分]を用いて、キラルHPLC精製に供し、63mg(84%の収率)の(−)−1−(2−(1H−ピラゾール−4−イル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)プロパン−1−オール(鏡像異性体#1; [α]D 25 −15.5 (c 1.0, MeOH))及び63mg(84%の収率)の(+)−1−(2−(1H−ピラゾール−4−イル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)プロパン−1−オール(鏡像異性体#2; [α]D 25 +15.7 (c 1.0, MeOH))を得、各鏡像異性体を99.9のeeで単離した。各鏡像異性体に関しては、次の通りである:1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 13.17 (br s, 1H), 8.50 (d, 2H), 8.22 (br s, 1H), 7.85 (br s, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.43 (d, 2H), 6.27 (s, 1H), 2.30-2.22 (m, 2H), 0.75 (t, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =287.09, 実測=287.1)。
実施例21:1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)プロパン−1−オール(スキーム9、2及び1の合成法)
ステップ1:(5−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メタノール
メタノール(50ml)中、エチル5−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキシレート(3.0g、12.65mmol)[Jean−Philippe、国際特許公開第2011/011872号に記載のようにして調製される]の溶液を、0℃に冷却し、そして水素化ホウ素ナトリウム(1.405g、37.97mmol)をゆっくり添加し、そして反応混合物を、室温で16時間、撹拌した。反応混合物を、酢酸(3ml)によりクエンチし、酢酸エチル(200ml)により抽出し、そして有機層を、炭酸水素ナトリウム溶液(200ml)及び次に、ブライン溶液(10ml)により洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして減圧下で蒸発し、粗生成物を得た。粗生成物を、Biotage IsoleraOne(登録商標)カラム(25%酢酸エチル及びヘキサンの使用)により精製し、(5−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メタノールを、白色固形物(1.8g、73%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 6.31 (t, 3H), 4.85 (d, 2H); LC-MS m/z ([M+H]+ =194.9, 実測=195.0)。
ステップ2:(5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メタノール
トルエン(40ml)及びエタノール(40ml)中、(5−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メタノール(1.2g、6.153mmol)の溶液に、4−フルオロフェニルボロン酸(1.026g、7.384mmol)及び炭酸ナトリウムの2M水溶液を添加した。反応混合物を、アルゴンにより脱気し、Pd(PPh3)4(0.354g、0.355mmol)を添加し、反応混合物をアルゴンにより10分間、再び脱気し、そして混合物を100℃に2時間、加熱した。反応混合物を真空下で蒸発し、エタノールを除去し、水(50ml)により希釈し、酢酸エチル(200ml)により抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で蒸発し、粗生成物を得た。粗生成物を、Biotage IsoleraOne(登録商標)カラム(30%酢酸エチル及びヘキサンの使用)により精製し、(5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メタノールを、淡黄色の固形物(0.85g、65%の収率)として得た;LC-MS m/z ([M+H]+ =211.03, 実測=211.1)。
ステップ3:5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−カルバルデヒド
0℃でのジクロロメタン(30ml)中、(5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メタノール(0.85g、4.0476mmol)の溶液に、Dess−Martinペルヨージナン(3.4g、8.095mmol)をゆっくり添加した。反応混合物を、室温に3時間、加温し、そして飽和炭酸水素ナトリウム溶液(20ml)及びチオ硫酸ナトリウム(2g)を添加した。反応混合物を、酢酸エチル(200ml)により抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で蒸発し、粗生成物を得た。粗化合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中、20%酢酸エチルの使用)により精製し、5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−カルバルデヒドを、白色固形物(0.45g、53%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 10.17 (s, 1H), 8.19 (q, 2H), 7.45 (t, 2H); LC-MS m/z ([M+H]+ =209.01, 実測=209.1)。
ステップ4:1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロパン−1−オール
THF(8ml)中、5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−カルバルデヒド(0.2g、0.961mmol)の溶液に、0℃でのジエチルエーテル中、臭化エチルマグネシウム(3.0M;0.96ml、2.88mmol)を添加し、反応混合物を室温に加温し、そして次に、混合物を2時間、撹拌した。反応混合物を、飽和塩化アンモニウム溶液(15ml)及び水(15ml)によりクエンチし、酢酸エチル(100ml)により抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして減圧下で濃縮し、1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロパン−1−オールを、黄色の固形物(0.1g、45%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.0-8.03 (m, 1H), 7.39-7.35 (m, 2H), 6.36 (d, 1H), 4.92-4.89 (m, 1H), 1.89-1.78 (m, 2H), 0.95 (t, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =239.06, 実測=239.1)。
ステップ5:1−(5−(4−フルオロフェニル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロパン−1−オン
1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロパン−1−オール(0.210g、0.882mmol)を、ステップ3に記載される方法を用いて、Dess−Martinペルヨージナンを用いて酸化し、1−(5−(4−フルオロフェニル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロパン−1−オンを、黄色の固形物(0.1g、50%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.04 (m, 2H), 7.25-7.19 (m, 2H), 3.30 (q, 2H), 1.31-1.29 (t, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =237.04, 実測=237.1)。
ステップ6:1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)プロパン−1−オール
−78℃でのTHF(12ml)中、4−ヨードピリジン(0.142g、0.635mmol)の溶液に、ヘキサン中、n−BuLi(1.6M、0.582ml、0.8474mmol)を添加し、そして混合物を30分間、撹拌した。THF(8ml)中、1−(5−(4−フルオロフェニル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロパン−1−オン(0.1g、0.4237mmol)の溶液を、−78℃で1時間、撹拌した。反応混合物を、飽和塩化アンモニウム溶液(20ml)によりクエンチし、そして水(25ml)により希釈した。反応混合物を、酢酸エチル(200ml)により抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗化合物を、分取TLC(5%メタノール及びジクロロメタンを使用する)により精製し、1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)プロパン−1−オールを、白色固形物822mg、17%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.55 (d, 2H), 8.0-7.96 (m, 2H), 7.56 (d, 2H), 7.35 (t, 2H), 7.06 (s, 1H), 2.40-2.30 (m, 2H), 0.80 (t, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =316.08, 実測=316.1)。
実施例22:1−(2−(6−フルオロピリジン−3−イル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(スキーム6の合成法)
ステップ1:2−(6−フルオロピリジン−3−イル)チアゾール
DMF(6ml)中、5−ブロモ−2−フルオロピリジン(0.5g、2.857mmol)の溶液に、2−(トリブチルスタニル)チアゾール(1.3ml、4.285mmol)及びPd(PPh3)2Cl2(0.2mg、0.2857mmol)を、アルゴン下で添加した。混合物を、アルゴンにより10分間、脱気し、そして100℃に30分間、加熱した。反応混合物を、Celite(登録商標)試薬を通して濾過し、そして濾液をEtOAc(2×100ml)及び水(100ml)により希釈した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、Biotage IsoleraOne(登録商標)カラム(ヘキサン中、5%酢酸エチル)により精製し、2−(6−フルオロピリジン−3−イル)チアゾールを、オフホワイト色の固形物(0.4g、80%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.80 (s, 1H), 8.52-8.47 (m, 1H), 7.98 (d, 1H), 7.87 (d, 1H), 7.33 (dd, 1H); LC-MS m/z ([M+H]+ =181.02, 実測=180.8)。
ステップ2:1−(2−(6−フルオロピリジン−3−イル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール
無水THF(5ml)中、ジイソプロピルアミン(0.12ml、0.833mmol)の溶液に、ヘキサン中、n−BuLi(1.6M、0.7ml、1.111mmol)を、−78℃でゆっくり添加した。混合物を30分間、撹拌し、−78℃でのTHF(5.0ml)中、2−(6−フルオロピリジン−3−イル)チアゾール(0.1g、0.555mmol)を添加し、そして混合物を30分間、撹拌した。THF(5.0ml)中、1−(ピリジン−4−イル)エタノン(0.09ml、0.833mmol)の溶液を、反応混合物に添加し、−78℃で2時間、撹拌した。反応混合物を、飽和NH4Cl溶液(50ml)によりクエンチし、そしてEtOAc(3×50ml)により抽出した。有機層を水(2×50ml)により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、分取TLC(ジクロロメタン中、3%メタノール)により精製し、1−(2−(6−フルオロピリジン−3−イル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノールを、オフホワイト色の固形物(0.035g、22%の収率)として、99.7%のHPLC純度で得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.31(s, 1H), 8.21 (d, 2H), 7.79 (d, 1H), 7.71(d, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.11(s, 1H), 6.91 (d 2H), 1.83 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =302.07, 実測=302.1)。
実施例23:1−(2−(4−フルオロフェニル)オキサゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(スキーム7の合成法)
ステップ1:2−(4−フルオロフェニル)オキサゾール
DMF(15ml)中、1−フルオロ−4−ヨードベンゼン(1g、0.0144mmol)の溶液を、アルゴンによりパージし、そしてオキサゾール(6.4g/3.3ml、0.02898mmol)、ヨウ化銅(5.5g、0.02898mmol)及び酢酸パラジウム(II)(0.15g、0.000724mmol)を添加した。反応混合物を、アルゴンにより5分間パージし、そしてアルゴン下で12時間、還流した。溶液を室温に冷却し、そして氷冷水(100ml)により希釈した。反応混合物を、酢酸エチル(200ml)により抽出し、そしてCelite(登録商標)試薬を通して濾過した。有機溶媒を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を得た。粗生成物を、25gのカラム(ヘキサン中、7%の酢酸エチル)を用いてBiotage IsoleraOne(登録商標)カラムにより精製し、2−(4−フルオロフェニル)オキサゾール(0.6g、26%)を、黄色の液体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.19 (s, 1H), 8.03-7.99 (m, 2H), 7.34 (t, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =164.05, 実測=164.1)。
ステップ2:1−(2−(4−フルオロフェニル)オキサゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール
−78℃でのTHF(7ml)中、DIPA(0.13ml、0.00092mmol)の撹拌溶液に、n−BuLi(0.76ml、0.001226mmol)を添加した。混合物を、0℃で30分間、撹拌し、−78℃に再び冷却し、そして次に、THF(2ml)中、2−(4−フルオロフェニル)オキサゾール(0.1g、0.000613mmol)の溶液を、30間にわたって滴下した。次にTHF(2ml)中、4−アセチルピリジン(0.07ml、0.000674mmol)を添加し、反応混合物を−78℃で、さらに1時間、撹拌し、飽和塩化アンモニウム(2ml)によりクエンチし、水(10ml)により希釈し、そして酢酸エチル(20ml)により抽出した。有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(200−400メッシュ、ジクロロメタン中、2%メタノール)により精製し、1−(2−(4−フルオロフェニル)オキサゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(0.14g、82%)を、98.5%のHPLC純度で、白色固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.53 (d, 2H), 7.95-7.91 (m, 2H), 7.45 (d, 2H), 7.32 (t, 2H), 7.14 (d, 1H), 6.38 (s, 1H), 1.81 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =285.10, 実測=285.1)。
実施例24:1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−2−メチル−1−(ピリジン−4−イル)プロパン−オール(スキーム3の合成法)
ステップ1:2−(4−フルオロフェニル)チアゾール
トルエン(70ml)及びエタノール(200ml)中、(4−フルオロフェニル)ボロン酸(10g、60.9mmol)の撹拌溶液に、2−ブロモチアゾール(12.7g、91.4mmol)及び炭酸ナトリウム(2M、100ml、19.39g)を添加した。反応混合物をアルゴンにより45分間パージし、Pd(PPh3)4(3.5g、3.04mmol)を添加し、そして混合物を95℃で5時間、撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(2×100ml)によりクエンチし、そして酢酸エチル(2×100ml)により抽出した。組合された有機層を、氷冷却水(2×100ml)、続いてブライン溶液(50ml)により洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(100−200メッシュのシリカゲル;ヘキサン中、10%酢酸エチル)により精製し、2−(4−フルオロフェニル)チアゾールを、白色固形物(9.0g、92%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.98 (dd, 2H), 7.88 (d, 1H); 7.91 (d, 1H), 7.88 (d, 1H), 7.31 (t, 2H); LC-MS m/z ([M+H]+ =180.02, 実測=179.91)。
ステップ2:(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)(ピリジン−4−イル)メタノール
−78℃での無水THF(10ml)中、ジイソプロピルアミン(0.55ml、3.9mmol)の溶液に、n−BuLi(2.4ml、3.9mmol)を滴下し、そして次に、混合物を30分間、撹拌し、LDAを生成した。−78℃での無水THF(10ml)中、2−(4−フルオロフェニル)チアゾール(0.5g、2.79mmol)の溶液を、上記LDA溶液に滴下し、そして混合物を30分間、撹拌した。この反応混合物に、イソニコチンアルデヒド(0.298g、2.79mmol)を滴下し、そして混合物を−78℃で1時間、撹拌した。反応を、塩化アンモニウム溶液(10ml)によりクエンチし、酢酸エチル(2×20ml)により抽出し、ブライン溶液(20ml)により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮し、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュのシリカゲル;DCM中、10%メタノールを用いる)により精製し、2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)(ピリジン−4−イル)メタノール(0.6g、75%の収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.56 (d, 2H), 7.91(dd, 2H), 7.79 (s, 1H), 7.44 (d, 2H), 7.28 (ds, 2H), 6.71(d, 1H), 6.12 (d, 1H); LC-MS m/z ([M+H]+ =287.06, 実測=287.02)。
実施例25:5−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリン−5−オール(スキーム3の合成法)
ステップ1:2−(4−フルオロフェニル)チアゾール
トルエン(70ml)及びエタノール(200ml)中、(4−フルオロフェニル)ボロン酸(10g、60.9mmol)の撹拌溶液に、2−ブロモチアゾール(12.7g、91.4mmol)、続いてPd(PPh3)4(3.5g、3.04mmol)を添加した。反応混合物を、アルゴンにより20分間パージし、炭酸ナトリウム溶液(2M、100ml、19.39g)を添加し、そして反応混合物を、95℃で5時間、撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(2×100ml)によりクエンチし、そして酢酸エチル(2×100ml)により抽出した。組合された有機層を、氷冷却水(2×100ml)、続いてブライン溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、ヘキサン中、10%酢酸エチルを用いて、カラムクロマトグラフィー(100−200メッシュのシリカゲル)により精製し、2−(4−フルオロフェニル)チアゾールを、白色固形物(9.0g、82%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO): 7.98 (dd, 2H, J=6.8 & 14.0 Hz), 7.88 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.91 (d, 1H, J = 2.8 Hz), 7.88 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.31 (t, 2H, J = 8.8 & 17.2 Hz)。
ステップ2:5−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリン−5−オール
−78℃での無水THF中、DIPA(0.424g、4.2mmol)の溶液に、n−BuLi(0.268g、4.2mmol)を−78℃で滴下し、そして混合物を30分間、撹拌し、LDAを生成した。次に、−78℃での無水THF中、2−(4−フルオロフェニル)チアゾール(0.510g、2.8mmol)の溶液を、上記LDA溶液に添加した。7,8−ジヒドロイソキノリン−5(6H)−オン(0.419g、2.8mmol)[Vanotti、国際特許公開第2008/065054号に記載のようにして調製される]を、反応混合物に滴下し、次に−78℃で20分間、撹拌した。反応の完了後、反応を飽和塩化アンモニウムによりクエンチし、酢酸エチル(3×30ml)により抽出し、水、続いてブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。粗固形物を、メタノール及びエーテルの混合液による洗浄により精製し、続いて濾過し、5−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリン−5−オール(0.42g、45%の収率)をもたらした。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 1.67 (m, 1H), 1.97 (m, 1H), 2.16 (t, 2H), 2.80 (t, 2H), 6.50 (s, 1H), 7.26 (s, 1H), 7.29 (m, 3H), 7.92 (m, 2H), 8.36 (m, 1H), 8.41(s, 1H); LC-MS m/z ([M+H]+ =327.09, 実測=327.1)。
実施例26:1−(ピリジン−4−イル)−1−(2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾール−5−イル)エタノール(スキーム3の合成法)
ステップ1:2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾール
(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸(0.5g、3.06mmol)及び2−ブロモチアゾール(1.1g、61.3mmol)を用い、及び実施例7、ステップ1に記載される方法に従って、標記化合物を、フラッシュクロマトグラフィー(60−120メッシュ、ヘキサン中、2%酢酸エチル)による精製の後、白色固形物(0.5g、83%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.15 (d, 2H), 8.00 (d, 1H), 7.90 (d, 1H), 7.85 (d, 2H); LC-MS m/z ([M+H]+ =230.02, 実測=230.1)。
ステップ2:1−(ピリジン−4−イル)−1−(2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾール−5−イル)エタノール
−78℃でのTHF(7ml)中、DIPA(0.09ml、0.000655mmol)の撹拌溶液に、n−BuLi(0.54ml、0.000873mmol)を添加し、そして混合物を0℃で30分間、撹拌した。反応混合物を−78℃に冷却した後、THF(2ml)中、2−(4−トリフルオロメチル)フェニル)チアゾール(0.1g、0.000436mmol)の溶液を、30分間にわたって滴下した。次に、THF(2ml)中、1−(ピリジン−4−イル)エタノン(0.05ml、0.000480mmol)を添加し、そして反応混合物を−78℃で、さらに1時間、撹拌した。ワークアップ及び精製を、実施例23、ステップ2に記載のようにして実施し、1−(ピリジン−4−イル)−1−(2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾール−5−イル)エタノール(0.12g、80%)を、オフホワイト色の固形物として、99%のHPLC純度で得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.52 (dd, 2H), 8.07 (d, 2H), 7.90 (s, 1H), 7.80 (d, 2H), 7.50 (dd, 2H), 6.71 (s, 1H), 1.94 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =351.07, 実測=351.1)。
実施例28:1−(2−(4−クロロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(スキーム3の合成法)
ステップ1:2−(4−クロロフェニル)チアゾール
2−ブロモチアゾール(0.5g、3.05mmol)及び(4−クロロフェニル)ボロン酸(0.57g、3.65mmol)を用いて、及び実施例7、ステップ1に記載される方法に従って、標記化合物を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中、15%酢酸エチル)による精製の後、無色の粘性液体(0.5g、80%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.95 (d, 2H), 7.92 (d, 1H), 7.80 (d, 1H), 7.55 (d, 2H); LC-MS m/z ([M+H]+ =195.99, 実測=195.9)。
ステップ2:1−(2−(4−クロロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール
無水THF(5ml)中、ジイソプロピルアミン(0.2ml、1.538mmol)の溶液に、ヘキサン中、1.6Mのn−BuLi(0.96ml、1.538mmol)を、−78℃でゆっくり添加した。反応混合物を30分間、撹拌し、THF(10.0ml)中、2−(4−クロロフェニル)チアゾール(0.2g、1.025mmol)を添加し、混合物を30分間、撹拌し、THF(5.0ml)中、1−(ピリジン−4−イル)エタノン(0.17ml、1.538mmol)の溶液を添加し、混合物を−78℃で2時間、撹拌した。反応混合物を、飽和NH4Cl溶液(50ml)によりクエンチし、そしてEtOAc(2×100ml)により抽出した。有機層を水(2×50ml)により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中、1%メタノール)により精製し、1−(2−(4−クロロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノールを、オフホワイト色の固形物(0.1g、31%の収率)として、99.9%のHPLC純度を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.51 (d, 2H), 7.87 (d, 2H), 7.82 (s, 1H), 7.51-7.47 (m, 4H), 6.66 (s, 1H), 1.92 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =317.04, 実測=317.4)。
実施例29:1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(スキーム10A及び1の合成法)
ステップ1:N,2−デヒドロキシアセトイミダミド
エタノール(70ml)の中、ヒドロキシアミン塩酸塩(5g、72.4mmol)の溶液に、NaOH(3g、76.0mmol)を添加し、そして反応を室温で一晩、撹拌した。反応を濾過し、2−ヒドロキシプロピオニトリルを、濾液に添加し、そして反応を室温で3時間、撹拌した。完了後、反応を減圧下で濃縮し、N,2−デヒドロキシアセトイミダミドを、白色固形物(2.7g、36%の収率)として得た。LC-MS m/z ([M+H]+ =105.06, 実測=105.0)。
ステップ2:1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エタノール
ピリジン(20ml)中、N,2−デヒドロキシアセトイミダミド(2.7g、26.4mmol)の溶液に、PCM(30ml)中、4−フルオロベンゾイルクロリド(3g、18.9mmol)を、0℃〜10%で滴下した、反応を室温で6時間、撹拌し、そして固形物を濾過し、そしてDCM(50ml)により洗浄した。固形物をエタノールに溶解し、そして溶液を85℃で16時間、還流した。混合物を、減圧下で蒸発した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュ;ヘキサン中、10%酢酸エチルを用いる)により精製し、1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エタノールを、白色固形物(0.35g、9%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.14 (dd, 1H), 7.20 (dd, 1H), 5.06 (q, 1H), 1.66 (d, 3H)。
ステップ3:1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エタノン
DCM(40ml)中、1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エタノール(0.34g、1.92mmol)の撹拌溶液に、Dess Martinペルヨージナン(2.7g、6.5mmol)を、室温で添加し、そして混合物を3時間、撹拌した。反応混合物を濾過し、そしてDCM(15ml)により洗浄した。濾液に、炭酸水素ナトリウム溶液(10ml)及びDCM(30ml)を添加した。有機層を分離し、水(20ml)、続いてブライン溶液(20ml)により洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして減圧下で濃縮し、粗化合物を得た。粗化合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュ;DCM中、10%メタノールを用いる)により精製し、1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エタノンを、オフホワイト色の固形物(0.25g、72%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.76 (s, 3H), 7.23 (t, 2H), 7.23 (dd, 2H), LC-MS m/z ([M+H]+ =207.17, 実測=206.87)。
ステップ4:1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール
−78℃でのTHF(30ml)中、4−ヨードピリジン(0.29g、0.463mmol)の撹拌溶液に、n−BuLi(2.4ml、3.9mmol)を添加し、そして混合物を10分間、撹拌した。次にTHF(5ml)中、1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エタノン(0.5g、2.79mmol)を、反応に添加し、次に、−78℃で2時間、撹拌した。次に、反応を飽和塩化アンモニウム溶液(10ml)によりクエンチし、そして酢酸エチル(50ml)により希釈した。有機層を分離し、塩化アンモニウム溶液(3×150ml)、続いてブライン溶液(2×20ml)により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(100−200μのシリカゲル、及びヘキサン中、30%の酢酸エチル)により精製し、3−(4−フルオロフェニル)−5(1−(ピリジン−4−イル)エチル)イソキサゾールを、オフホワイト色の固形物(0.06g、29%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.60 (d, 2H), 8.11 (dd, 2H), 7.48 (d, 2H), 7.19 (t, 2H), 3.40 (s, 1H), 1.99 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =286.09, 実測=286.2)。
実施例30:4−(5−(1−ヒドロキシ−1−(ピリジン−4−イル)エチル)チアゾール−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(スキーム8の合成法)
ステップ1:4−(チアゾール−2−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
DMF(5ml)中、4−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(0.5g、2mmol)の溶液を、アルゴンによりパージし、そして2−(トリブチルスタニル)チアゾール(1.12g/0.9m、3mmol)及び1,1′―ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)二塩化物(0.14g、0.2mmol)を添加した。反応混合物をアルゴンにより5分間パージし、そして100℃で30分間、マイクロ波下に保護した。反応混合物を氷冷却水(10ml)により希釈し、そして酢酸エチル(200ml)により抽出した。有機溶媒を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧下で蒸発し、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(100−200メッシュ;ヘキサン中、8%酢酸エチル)により精製し、4−(チアゾール−2−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(0.42g、84の収率)を、淡黄色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.42-8.39 (m, 2H), 8.27 (d, 1H), 8.08 (d, 1H), 8.03 (d, 1H). LC-MS m/z ([M+H]+ =255.01, 実測=255.0)。
ステップ2:4−(5−(1−ヒドロキシ−1−(ピリジン−4−イル)エチル)チアゾール−2−(トリフルオロメチル)−ベンゾニトリル
THF(7ml)中、ジイソプロピルアミン(0.08ml、0.59mmol)の溶液を、−78℃に冷却し、そしてヘキサン中、1.6Mのn−BuLi(0.49ml、0.78mmol)を添加した。反応混合物を0℃で30分間、撹拌し、−78℃に再び冷却し、そしてTHF(2ml)中、4−(チアゾール−2−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(0.1g、0.39mmol)の溶液を、−78℃で30分間にわたって滴下した。次に、THF(2ml)中、4−アセチルピリジン(0.048ml、0.43mmol)をゆっくり添加し、反応を1時間、撹拌し、そして飽和塩化アンモニウム(2ml)及び水(10ml)によりクエンチした。反応混合物を、酢酸エチル(20ml)により抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧下で蒸発し、粗生成物を得た。粗生成物を、分取TLC(ジクロロメタン中、5%メタノール)により精製し、4−(5−(1−ヒドロキシ−1−(ピリジン−4−イル)エチル)チアゾール−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(30mg、21%)を、淡黄色の固形物として、99.1%のHPLC純度で得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.54 (d, 2H), 8.36-8.32 (m, 2H), 8.24 (d, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.52-7.51 (m, 2H), 6.81 (s, 1H), 1.97 (s, 3H). LC-MS m/z ([M+H]+ =376.07, 実測=375.7)。
実施例31:1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(スキーム11及び3の合成法)
ステップ1:4−フルオロベンゾヒドラジド
エタノール(30ml)中、4−フルオロエチルベンゾエート(4.5g、26.7mmol)の撹拌溶液に、室温でNH2NH2・H2O(6.67g、133.5mmol)を添加し、そして溶液を85℃で10分間、還流した。反応を室温に冷却し、減圧下で濃縮し、そして固形物をn−ヘキサン(50ml)により洗浄し、そして乾燥し、4−フルオロベンゾヒドラジドを、固形物(4.2g、定量的収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.85 (s, 1H), 7.86 (dd, 2H), 7.25 (t, 3H), 4.46 (s, 1H), 3.47 (br s, 1H)。
ステップ2:2−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール
オルトギ酸トリエチル(27ml)中、4−フルオロベンゾヒドラジド(4.2g、27.2mmol)の撹拌溶液を、140℃で5時間、加熱した。反応を減圧下で蒸発した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュ;ヘキサン中、12%酢酸エチルを用いる)により精製し、2−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール[Polshettiwar, Tetrahedron Letters, 49:879-883 (2008)]を、オフホワイト色の固形物(2.5g、57%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.46 (s, 1H), 8.08 (dd, 2H), 7.19 (dd, 2H); LC-MS m/z ([M+H]+ =165.04, 実測=165.00)。
ステップ3:1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール
THF(10ml)中、2−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(0.8g、2.4mmol)の撹拌溶液に、LDA(0.308g、2.9mmol)を−78℃で添加し、そして混合物を20分間、撹拌した。THF(10ml)中、4−アセチルピリジン(0.377g、3.1mmol)の溶液を−78℃で添加し、そして2時間、撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl溶液(50ml)によりクエンチし、酢酸エチル(3×60ml)により抽出し、ブライン溶液(60ml)により洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュ;ヘキサン中、90%酢酸エチルを用いる)により精製し、1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノールを、オフホワイト色の固形物(2つのバッチについての組合せ収率;0.051g、4%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.58 (s, 2H), 7.99 (t, 2H), 7.48 (d, 2H), 7.04 (d, 2H), 6.98 (s, 1H), 1.94 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =286.09, 実測=286.8)。
実施例32:3−(4−フルオロフェニル)−5−(1−(ピリジン−4−イル)エチル)イソキサゾール(スキーム12及び1の合成法)
ステップ1:4−フルオロベンズアルデヒドオキシム
メタノール(15ml)中、4−フルオロベンズアルデヒド(3.0g、24.1mmol)の溶液に、NH2OH・HCl(2.0g、29.1mmol)及びNa2CO3(1.53g、14.4mmol)を添加し、そして反応を室温で4時間、撹拌した。反応を減圧下で濃縮し、DCM(2×100ml)により抽出し、そして有機層を水(2×50ml)、続いてブライン溶液(2×25ml)により洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、4−フルオロベンズアルデヒドオキシム[Brain, J. Am. Chem. Soc., 133:949-957 (2011)]を、白色固形物(2g、61%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.12 (s, 1H), 7.55(dd, 2H), 7.06 (t, 2H)。
ステップ2:1−(3−(4−フルオロフェニル)イソキサゾール−5−イル)エタノール
DCM(10ml)中、4−フルオロベンズアルデヒドオキシム(0.2g、1.4mmol)の撹拌溶液に、N−クロロスクシンアミド(0.1g、1.4mmol)を添加し、そして反応を室温で1時間、撹拌した。ブタ−3−イン−2−オール(0.23g、1.68mmol)を添加し、そして反応混合物を3時間、還流下で撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニターされる)、混合物を、DCM(3×100ml)により抽出し、有機層を水(100ml)、続いてブライン(100ml)により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(60−120メッシュ;ヘキサン中、50%酢酸エチルを用いる)により精製し、1−(3−(4−フルオロフェニル)イソキサゾール−5−イル)エタノールを、液体(0.15g、50%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.76 (dd, 2H), 7.05 (t, 2H), 6.48 (s, 1H), 5.04 (q, 1H), 1.63 (d, 3H)。
ステップ3:1−(3−(4−フルオロフェニル)イソキサゾール−5−イル)エタノン
DCM(10ml)中、1−(3−(4−フルオロフェニル)イソキサゾール−5−イル)エタノール(0.15g、0.724mmol)の撹拌溶液に、室温でDess−Martinペルヨージナン(0.46g、1.08mmol)を添加した。得られる溶液を16時間、撹拌した。反応混合物を濾過し、そしてDCM(3×50ml)により洗浄した。有機層を、水(50ml)、続いてブライン溶液(50ml)により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュ;ヘキサン中、80%酢酸エチルを用いる)により精製し、1−(3−(4−フルオロフェニル)イソキサゾール−5−イル)エタノンを、オフホワイト色の固形物(0.1g、68%収率)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.81 (t, 2H), 7.20 (s, 1H), 7.17 (d, 2H), 2.66 (s, 3H)。
ステップ4:3−(4−フルオロフェニル)−5−(1−(ピリジン−4−イル)エチル)イソキサゾール
THF(10ml)中、4−ヨードピリジン(0.3g、1.463mmol)の撹拌溶液に、−78℃でn−BuLi(0.6ml、0.96mmol)を添加し、そして10分間、撹拌した。THF(5ml)中、1−(3−(4−フルオロフェニル)イソキサゾール−5−イル)エタノン(0.1g、0.484mmol)の溶液を、反応に添加し、そして混合物を−78℃で2時間、撹拌した。反応を飽和塩化アンモニウム溶液(10ml)によりクエンチし、そして酢酸エチル(50ml)により希釈した。有機層を分離し、飽和塩化アンモニウム(3×150ml)、続いてブライン溶液(2×20ml)により洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(100−200μシリカゲル;ヘキサン中、50%酢酸エチル)により精製し、3−(4−フルオロフェニル)−5−(1−(ピリジン−4−イル)エチル)イソキサゾールを、オフホワイト色の固形物(0.04g、29%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.55 (d, 2H), 7.91(dd, 2H), 7.46 (d, 2H), 7.32 (t, 2H), 6.81 (s, 1H), 7.04 (s, 1H), 1.86 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =285.10, 実測=285.1)。
実施例33:(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5―イル)(ピリジン−4−イル)メタノン(スキーム1及び2Aの合成法)
ステップ1:(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)(ピリジン−4−イル)メタノン
DCM(20ml)中、(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)(ピリジン−4−イル)メタノール(0.55g、1.92モル)の撹拌溶液に、Dess−Martinペルヨージナン(1.6g、3.84モル)を室温で添加した。得られる溶液を1時間、撹拌した。反応混合物に、NaHCO3溶液(20ml)及び酢酸エチル(50ml)を添加した。有機層を酢酸エチル(2×20ml)により抽出し、ブライン溶液(2×20ml)により洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして溶媒を減圧下で蒸留を通して除去した。粗生成物を、DCM中、10%メタノールを用いて、シリカゲル(100−200メッシュ)カラムクロマトグラフィーにより精製し、(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)(ピリジン−4−イル)メタノンを、オフホワイト色の固形物(0.4g、67%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.86 (d, 2H), 8.51 (s, 1H), 8.19 (dd, 2H), 7.82 (d, 2H), 7.45 (t, 2H); LC-MS m/z ([M+H]+ =285.04, 実測=284.98)。
ステップ2:1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5―イル)−2−メチル−1−(ピリジン−4−イル)プロパン−1−オール
THF(10ml)中、(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)(ピリジン−4−イル)メタノン(0.1g、0.352mmol)の撹拌溶液に、0℃で臭化イソプロピルマグネシウム(0.1g、0.704mmol)を添加した。反応混合物を、室温で1時間、撹拌した。反応の完結後、反応混合物を、0℃で塩化アンモニウム(5ml)によりクエンチし、酢酸エチル(2×20ml)により抽出し、水、続いてブライン(20ml)により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。粗生成物を、分取TLC(移動相:DCM中、10%メタノール)により精製し、純粋な1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5―イル)−2−メチル−1−(ピリジン−4−イル)プロパン−1−オール(0.023g、20%の収率を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.52 (d, 2H), 7.92 (t, 3H), 7.56 (d, 2H), 7.27 (t, 2H), 6.22 (s, 1H), 2.79 (t, 1H), 0.98 (d, 3H), 0.71(d, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =329.10, 実測=329.1)。
実施例34:1−(3−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(スキーム10B及び1の合成法)
ステップ1:エチル2−ヒドロキシ−2−(ピリジン−4−イル)プロパノエート
4−ヨードピリジン(15.0g、73mmol)を、無水THF(600ml)に取り、そして0℃に冷却し、そして次に、臭化エチルマグネシウム(THF中、3M溶液、41.8ml)を、30分間にわたって、温度を0℃に維持しながら、徐々に添加した。次に、上記反応混合物に、THF(100ml)中、エチル2−オキソプロパノエート(12.13g、104mmol)の溶液を添加した。反応混合物を、0℃で1時間、撹拌した。反応の進行を、溶媒系メタノール:DCM(5:95)を用いて、TLCによりモニターした。反応の完結後、反応混合物を、氷冷却水によりクエンチし、そしてEtOAc(3×1L)により抽出した。組合された有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下で濃縮した。粗生成物残渣を、同じ規模で行われた第ニ反応から得られる粗生成物のバッチと組合し、そしてシリカ(100−200メッシュ)及び溶媒系EtOAc:ヘキサン(4:6)を用いて、カラムクロマトグラフィーにより精製し、7g(25%)のエチル2−ヒドロキシ−2−(ピリジン−4−イル)プロパノエートを、黄色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.52 (d, 2H, J=6Hz), 7.44 (d, 2H, J=6.Hz), 6.2 (s, 1H), 4.08 (q, 2H, J=7.2Hz), 1.60 (s, 1H), 1.12 (t, 3H, J=7.2Hz); LC-MS m/z ([M+H]+ =196.09, 実測=196.2)。
ステップ2:4−フルオロ−N′−ヒドロキシベンズイミダミド
エタノール(71ml)中、4−フルオロベンゾニトリル(10g、82.5mmol)の撹拌溶液に、NH2OH・HCl(6.42g、92.1mmol)、続いてNaOHペレット(3.69g、92.1mmol)を添加した。次に、得られる反応混合物を、3時間、還流下で加熱した。反応の進行を、溶媒系EtOAc:ヘキサン(1:1)を用いて、TLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を減圧下で蒸発し、そして最少量の水(約30ml)を残渣に添加した。混合物を、ジクロロメタン(3×300ml)により抽出した。硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下で濃縮した。得られる粗化合物を、温トルエンから再結晶化し、8.0g(63%)の4−フルオロ−N′−ヒドロキシベンズイミダミドを、無色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.6 (s, 1H), 7.07-7.67 (m, 2H), 7.18 (t, 2H, J=8.8Hz), 5.80 (br s, 2H); LC-MS m/z ([M+H]+ =155.05, 実測=155.1)。
ステップ3:1−(3−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール
水素化ナトリウム(60%、6.00g、150モル)を、窒素雰囲気下でTHF(250ml)に取り、そして次に、THF(250ml)中、4−フルオロ−N'−ヒドロキシベンズイミダミド(ステップ2;23.22g、150mmol)の溶液を添加した。得られる反応混合物を、50℃で15分間、加熱し、そして次に、THF(250ml)中、エチル2−ヒドロキシ−2−(ピリジン−4−イル)プロパノエート(ステップ1;25g、120mmol)の溶液を添加した。混合物を、50℃で1時間、撹拌した。反応の進行を、溶媒系EtOAc:ヘキサン(7:3)を用いて、TLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を、総体積の1/3まで濃縮した。粗混合物を、氷水に注ぎ、そしてEtOAc(3×500ml)により抽出した。組合された有機抽出物を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下で濃縮した。粗残渣を水により数回、洗浄し、固形物を得、次にヘキサン、続いて50mlの冷却エーテルにより洗浄し、14g(38%)の1−(3−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノールを、無水の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.58 (d, 2H, J=5.6Hz), 8.06-8.03 (m, 2H), 7.51 (d, 2H, J=6.4Hz), 7.39 (t, 2H, J=8.8Hz), 7.09 (s, 1H), 1.96 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =286.09, 実測=286.1)。
実施例35及び36:1−(3−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノールの鏡像異性体#1及び鏡像異性体#2
ラセミ1−(3−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(実施例34)(20g)を、0.1%DEAを含む移動相(90:10)n−ヘプタン:エタノールに溶解し、そしてChiralpak IAカラム(250mm×20mm×5μm)、0.1%DEAを含む移動相(90:10)n−ヘプタン:エタノール、流速18.0ml/分を用いて、キラルHPLC精製(注入5ml当たり30mg)に供した。2種の鏡像異性体の溶離画分を別々に集め、そしてそれらの画分の個々を濃縮し、7.55g(76%の収率)の(−)−1−(3−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(実施例35)(鏡像異性体#1、99.78% ee, [α]D 23.6 −77.4 (c 1.0, MeOH))、及び8.10g(81%の収率)の(+)−1−(3−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(実施例36)(鏡像異性体#2、97.07% ee, [α]D 23.3 +77.26 (c 1.0, MeOH))を得た。
実施例54及び55:1−(5−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノールの鏡像異性体#1及び鏡像異性体#2
ラセミ1−(5−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(実施例14)(3.5g)を、移動相(0.1%DEAを含む100%エタノール)に溶解し、そしてChiralpak IA(登録商標)IA[250 mm x 4.6 mm x 5 μm] カラム、0.1%DEAを含む100%エタノールの移動相、流速9.0ml/分を用いて、キラルHPLC精製(注入5ml当たり50mg)に供した。2種の鏡像異性体の溶離画分を別々に集め、そしてそれらの画分の個々を濃縮し、1.6g(91%の収率)の(−)−1−(5−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(実施例54)(鏡像異性体#1、99.8% ee, [α]D 25.2 −107.30 (c 1.0, DMF))、及び1.5g(86%の収率)の(+)−1−(5−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(実施例55)(鏡像異性体#2、99.0% ee)を得た。鏡像異性体#2(1.5g)を、類似する方法により再び精製し、1.0g(全体の57%の収率)を得、これは99.9%eeのキラル純度、[α]D 24.2 +107.82 (c 1.0, DMF)を有する。
実施例65:1−(2−4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エチルアセテート(スキーム19の合成法)
THF(200ml)中、1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(実施例7)(5.0g、16.6mmol)の撹拌溶液に、室温でKOtBu(4.65g、41.5mmol)を添加した。混合物を15分間、撹拌し、そして次に、0℃に冷却した。塩化アセチル(4.73ml、66.6mmol)を反応混合物に滴下し、そして撹拌を0℃で20分間、続けた。水(250ml)を反応混合物に添加し、次にEtOAc(4×1L)により抽出した。組合された有機層を、冷水(3×150ml)及びブライン(250ml)により洗浄し、そして次に、真空下で濃縮した。得られる粗生成物残渣を、シリカ(100−200メッシュ)及び溶離剤としての酢酸エチル/ヘキサン(4:6)を用いて、カラムクロマトグラフィーにより精製し、3.75g(66%)の1−(2−4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エチルアセテートを、淡褐色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.62 (d, 1H, J=4.8Hz), 7.87 (m, 2H), 7.62 (s, 1H), 7.29 (d, 2H, J=4.8Hz), 7.10 (t, 1H, J=8.1Hz), 2.28 (s, 3H), 2.15 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =343.08, 実測=343.1)。
実施例68:1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタンアミン(スキーム18の合成法)
濃HCl(0.07ml、3.03mmol)中、N−(1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)アセトアミド(実施例69)(0.04g、0.12mmol)の撹拌溶液を、密封されたガラス管において100℃で24時間、加熱した。次に、反応混合物を、室温に冷却し、そして10%NaOH溶液(2ml)により中和した。水性層を、酢酸エチル(3×100ml)により抽出し、そして組合された有機層を真空下で濃縮した。得られる粗生成物残渣を、メタノール:CH2Cl2(3:7)の溶出溶媒を用いて、分取TLCにより精製し、20mg(38%)の1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタンアミンを、無色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.50 (d, 2H, J=5.6Hz), 7.91-7.88 (m, 2H), 7.70 (s, 1H), 7.51 (d, 2H, J=6.4Hz), 7.28 (t, 2H, J=8.8Hz), 2.81 (s, 2H); 1.85 (s, 3H); LC-MS m/z ([M+H]+ =300.09, 実測=300.1)。
実施例69:N−(1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エチル)アセトアミド(スキーム18の合成法)
MeCN(2.25ml)中、1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタノール(実施例7)(0.450g、1.50mmol)の撹拌溶液を、90℃で加熱し、そして次に、MeCN(2.25ml)中、濃硫酸(0.58ml)を添加した。反応混合物を90℃で3時間、撹拌し、次に、室温に冷却し、そして氷を添加した。得られる混合物を、10%NaOH溶液により中和し、酢酸エチル(3×250ml)により抽出し、そして組合された有機層を真空下で濃縮した。得られる粗生成物を、シリカゲル(100−200メッシュ)及び溶離剤としてのメタノール:CH2Cl2(3:7)を用いて、カラムクロマトグラフィーにより精製し、95mg(19%)のN−(1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エチル)アセトアミドを、無色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.72 (br s, 1H), 8.48 (dd, 2H, J = 4.4, 1.6Hz), 7.93 (m, 2H), 7.80 (s, 1H), 7.29 (t, 2H, J=8.8Hz), 7.20 (dd, 2H, J= 4.4, 1.6Hz); 1.97 (s, 3H), 1.90 (s, 3H), LC-MS m/z ([M+H]+ =342.10, 実測=342.1)。
次の表、すなわち表1及び2は、本明細書に同定される本発明の化合物を調製するために使用される合成方法の要約を提供する。表1は、上記スキームを参照して使用される合成方法を提供し、そして表2は、調製された化合物の特性化において得られ、そして利用される分光分析データを提供する。
キラル中心を有するすべての化合物は、示したものを除き、ラセミ混合物である。
実施例70−83
以下の化合物を、上記スキーム1−19及び実施例1−69に論じられる方法を用いて調製する。
a)4−(5−(1−ヒドロキシ−1−(ピリジン−4−イル)エチル)チアゾール−2−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル
b)4−(5−(1−ヒドロキシ−1−(ピリジン−4−イル)プロピル)チアゾール−2−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル
c)4−(5−(1−ヒドロキシ−1−(ピリジン−4−イル)エチル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル
d)4−(5−(1−ヒドロキシ−1−(ピリジン−4−イル)エチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル
e)4−(5−(1−アミノ−1−(ピリジン−4−イル)エチル)チアゾール−2−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル
f)1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタンアミン
g)1−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)プロパン−1−アミン
h)1−(3−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタンアミン
i)1−(2−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタンアミン
j)1−(5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エタンアミン
k)5−(5−(1−アミノ−1−(ピリジン−4−イル)エチル)チオフェン−2−イル)−1−メチルピリジン−2(1H)−オン
l)1−(2−(1H−ピラゾール−4−イル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)プロパン−1−アミン
m)1−(2−(5−シアノ−1H−ピロール−3−イル)チアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エチル アセテート
n)N−(1−(3−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)エチル)アセトアミド
実施例84−ラット精巣ミクロソーム(ラットCYP17)、又はヒトCYP17を過剰発現する酵母ミクロソームにおけるCYP17阻害アッセイ
A.材料
1.NADPH(Sigma):作業用ストックを、各管において6.5mMのNADPH25μを添加することにより調製した。アッセイに使用されるNADPHの最終濃度は、325μMであった。
2.リン酸カリウム緩衝液:K2HPO4及びKH2PO4の1Mの溶液を調製した。8mlの1MのKH2PO4及び1.98mlの1MのK2HPO4を組合し、そしてpHを7.4に調節した。
3.3H3―17α−ヒドロキシプレグネノロン(American Radiolabeled Chemicals, Inc.、ストック1μCi/μL):エタノール中、3H3−17α−ヒドロキシプレグネノロンの1:1希釈溶液を、100μlの3H3−17α−ヒドロキシプレグネノロン+100μlのエタノールを、1つの完全96ウェルプレートに関して、組合すことにより調製した。反応に関しては、2μlの希釈された3H3−17α−ヒドロキシプレグネノロン、すなわち1μCi/反応を、各管に添加した。
4.ミクロソーム単離緩衝液:ミクロソーム単離緩衝液を、250mMのスクロース、5mMのEDTA、10mMのトリスHCl、4mMのDTTを組合し、そしてpH7.4に調節することにより調製した。
5.TEG緩衝液:TEG緩衝液を、50mMのトリスHCl、1mMのEDTA及び20%グリセロールを組合すことにより調製した。
6.ラット精巣ミクロソーム:ラット精巣組織を集め、そして250μlのミクロソーム単離緩衝液と共に、氷上でガラスホモジナイザーの30ストロークにより破壊し、続いて4℃で10分間、10,000gで遠心分離した。上清液を集め、そして4℃で45分間、100,000gで遠心分離した。ペレットをTEG緩衝液に溶解し、そしてタンパク質を定量化した。次に、均質化されたミクロソームサンプルを−80℃で凍結した。
7.ヒトCYP17酵素を過剰発現する酵母ミクロソームを、Premas Biotech, Indiaから入手した。
B.手順
リン酸カリウム緩衝液(470μl)を、上記のようにして調製し、そしてディープウェルプレートの各ウェルに添加した。試験化合物を、TECAN溶液ハンドラーを用いて希釈し、そして5μlの希釈された化合物を各ウェルに移した(96ディープウェル/1ml)。6.4mMのNADPHの溶液(25μl)を添加した(アッセイにおいては、325μMの最終濃度)。3H3−17α−ヒドロキシプレグネノロン(2μlの作業ストック)を、各管に添加した。次に、プレートを、37℃で15分間、プレインキュベートした。プレインキュベーションに続いて、5μlのラット精巣ミクロソーム(150−160μg)又はヒトCYOP17(1.7Pモル)を発現する酵母ミクロソーム5μlの何れかを添加した。インキュベーションは、酵素の存在下で、37℃で60分であった。次に、プレートを氷に置き、そしてクロロホルム(500μl)を添加し、十分に混合し、そして4℃で20分間インキュベートした。次に、プレートを、4℃で15分間、1000rpmで遠心分離した。
前記水溶液の一部(300μl)を集め、そして活性炭の5%水性懸濁液(300μl)と共に混合した。次に、プレートを4℃で30分間インキュベートし、この後、プレートを4℃で15分間、1000rpmで遠心分離した。これから、125μlの水溶液を集め、そして96ウェルプレートに入れた。Microscint(登録商標)40[125μl、Perkin−Elmer;アルキルフェノールエトキシレートに基づくポリマー(20−40%)、ジエタノールアミン−リン酸エステルアンモニウム塩(10−20%)、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(2.5−10%)、リン酸トリエチル(2.5−10%)、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール(2.5%以下)、ノニルフェノールエトキシレートに基づくポリマー(2.5%以下)、ジイソプロピルナフタレン異性体(40−60%)、2,5−ジフェニルオキサレート(2.5%以下)及び9、10−ジメチルアントラセンの混合物を含む]を添加し、そして十分に混合した。30分のインキュベーションの後、サンプルを、Microbeta(登録商標)Triluxマイクロプレート液体シンチレーションカウンター及びルミノメーター(Pertin−Elmer)により分析した。
式(I)の化合物は、それらのアッセイにおいて決定されるように、ミクロソームCYP17及び組換えヒトCYP17酵素活性の阻害を引き起こした。データを表3に列挙する。
実施例85−細胞に基づくヒトCYP17阻害アッセイ
A.材料
1.H295R副腎皮質癌細胞及び増殖培地:H295R副腎皮質癌細胞のための培地[NCI-H295A, ATCC Number CRL-2128, American Type Culture Collection, Manassas, VA, US](500ml)は、5%(2ml)のBD Nu血清;1%(5ml)のITS+Premix [BD Biosciences]及び1%Penstrepを含む、DMEM:F12 Mix 1:1であった。
2.LNCap−CYP17細胞及び増殖培地:完全長hCYP17al遺伝子(NCBI参照配列:NM_000102.3)を、pCDNA3.1(+)ベクターのHindIII及びXhoI部位にクローン化した。pCDNA3.1(+)ベクターは、ネオマイシン耐性遺伝子を含み、そして安定細胞系の選択のために使用した。hCYP17al含有pCDNA3.1(+)を、LNCap細胞中にトランスフェクトし、LNCap−CYP17細胞系を作製した。LNCaP−CYP17細胞のための培地は、RPMI 1640、10% FBS、1% PenStrep、Geneticin 400 μg/ mLであった。
B.手順
H295R細胞又はLNCaP−hCYP17細胞を、継代培養し、そしてウェル当たり30,000個の細胞を、ポリ−dリシンプレートに播種し、そして37℃で一晩インキュベートした。次の日、培地を除き、そして3H3−17α−ヒドロキシプレグネノロンを含む新鮮な培地(1:1000)を添加した。5×プレート(5×最終の所望する濃度)からの段階希釈された化合物50μlを添加した。活性、新規化合物についての作業濃度範囲は、10μMの高濃度から出発し、そして3倍連続希釈を10の濃度まで生成した。100×プレート(DMSO)における連続希釈、及び100×プレートからの5×プレート(培地における)のスタンピングを、TECAN溶液ハンドリング装置を用いて行った。
プレートを37℃で一晩(16時間)インキュベートした。16時間後、培地を除き(約220μl)、そして等量のクロロホルムを添加し、混合し、そして4℃で30分間インキュベートした。プレートを、4℃で15分間、4000rpmで遠心分離し、これに続いて、上部水性層を注意して除き、そして新しいディープウェルプレートに添加した。等体積の5%活性炭を添加し、混合し、そして4℃で30分間、インキュベートした。次に、プレートを、4℃で15分間、4000rpmで遠心分離し、そして何れの炭の汚染をも回避しながら、上部層を注意して分離し、そして白色透明な底のプレート(プレートカタログ番号3610、Corning Life Sciences)に入れた。等体積のMicroscint(登録商標)40を添加し、そして十分に混合した。30分間のインキュベーションに続いて、放射性トレーサーの読み取りを、Microbeta(登録商標)triluxを用いて行った。
式(I)の化合物は、それらの細胞アッセイにより決定されるように、ヒトCYP17酵素活性の阻害を引き起こした。
実施例86−テストステロン生成についての細胞に基づく機能アッセイ
H295R細胞(ATCC番号CRL−2128)を、継代培養し、播種し(ポリ−dリシンプレートのウェル当たり30,000個の細胞)、そして37℃で一晩、放置した。次の日(約24時間後)、培地を除き、そして200μlの新鮮な培地を添加した。次に、50μlの段階希釈された化合物を、5×プレートから添加した。100×プレート(DMSO)における連続希釈、及び100×プレートからの5×プレート(培地における)のスタンピングを、TECAN液体ハンドリング装置を用いて行った。プレートを37℃で72時間インキュベートした。インキュベーションの後、培地を除き、キャリブレーション希釈剤RD5−48を用いて5〜10倍に希釈し、そしてアッセイを、製造業者のプロトコル(パラメータテストステロンアッセイ, カタログ番号KGE010、R&Dシステム; http://www.rndsystems.com/pdf/KGE010.pdf)に従って実施した。
式(I)の化合物は、このアッセイにより決定されるように、H295R細胞におけるテストステロン生成の阻害を引き起こした。データを、表3に列挙する。
実施例87−テストステロン生成のインビボ阻害
生後8〜10週の雄ラットに、10又は30mg/kgで化合物を経口投与した。血液サンプルを、0.5、3、8及び24時で採血し、そして血漿サンプルを処理した。サンプルを、LC−MS/MS法により、化合物レベルについて分析し、そしてELISAでのテストステロンレベルを、製造業者のプロトコル(パラメータテストステロンアッセイ, カタログ番号KGE010、R&Dシステム; http://www.rndsystems.com/pdf/KGE010.pdf)に従って実施した。血清テストステロンレベルを、GraphPad(登録商標)Prismソフトウェアを用いて、スタンダードから計算し、そして所定の時間での%阻害率を、日の同じ時間で、ビヒクル対照におけるテストステロンレベルを比較することにより計算した。
式(I)の化合物は、このアッセイプロトコルにより決定されるように、血清テストステロンレベルを低めた。例えば、実施例14の化合物は、日の同じ時点でサンプリングされた、ビヒクル投与された対照動物に比べて、30mg/kgの経口投与の後、3−8時間で血清テストステロンレベルを60−80%低めた。実施例7の化合物は、日の同じ時点でサンプリングされた、ビヒクル投与された対照動物に比べて、10mg/kgの経口投与の後、3−8時間で血清テストステロンレベルを70−85%低めた。実施例17の化合物は、日の同じ時点でサンプリングされた、ビヒクル投与された対照動物に比べて、30mg/kgの経口投与の後、3−8時間で血清テストステロンレベルを30−60%低めた。使用される投与製剤は、実施例においては、30mMのメタンスルホン酸溶液中、5%ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(v/v)、及び実施例14及び17においては、Tween−80(登録商標)試薬、0.5%メチルセルロースであった。1つの研究においては、実施例17、34及び36の化合物は、、日の同じ時点でサンプリングされた、ビヒクル投与された対照動物に比べて、30mg/kgの経口投与の後、3時間で血清テストステロンレベルを85−95%低めた。
実施例88−前立腺及び精嚢の重量のインビボ低下
生後8〜10週の雄ラット(グループ当たり5匹の動物)に14日間、12時間の間隔で、1日当たり1又は2度、化合物を経口投与した。14日目、動物を安楽死させ、そして器官を外科的に取り出し、前立腺、精嚢及び精巣について湿重量測定した。
式(I)の化合物は、このアッセイプロトコルにより決定されるように、前立腺及び精嚢重量を低めた。例えば、実施例7及び9の化合物は、14日間、1日当たり2度、10mg/kgで経口投与される場合、前立腺重量を、20〜30%低め、そして精嚢重量を、30〜50%低めた。実施例7の化合物は、14日間、1日当たり1度、30mg/kgで経口投与される場合、前立腺重量を、約50%低め、そして精嚢重量を、約60%低めた。使用される投与製剤は、30mMのメタンスルホン酸溶液中、5%ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(v/v)であった。、実施例17、34及び36の化合物は、14日間、1日当たり2度、30mg/kgで経口投与される場合、前立腺重量を、約50%低め、そして精嚢重量を、約50〜70%低めた。
本明細書に引用されるすべての文献は、参照により本明細書に組込まれる。本発明は、特定の実施態様により記載されて来たが、修飾が本発明の趣旨から逸脱することなく行われ得ることが理解されるであろう。そのような修飾は、本発明の範囲内に含まれるものとする。