JP6128710B2 - ジルコニア量の少ないディスプレイ品質ガラス板の大量生産 - Google Patents

ジルコニア量の少ないディスプレイ品質ガラス板の大量生産 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国法典第35編第119条の下で、2013年2月15日に出願された米国仮特許出願第61/765,093号明細書(その内容全体が参照により本明細書に援用される)の優先権の利益を主張する。
本開示は、ディスプレイ品質ガラス板を製造するための方法および装置に関する。この板は、ディスプレイ、たとえば、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、プラズマディスプレイなどの製造、および光起電力装置の製造における基板として使用できる。このガラス板の別の重要な用途は、電子デバイス、たとえば、携帯用電子デバイスおよび大型インタラクティブスクリーンのフェースプレートおよび/またはタッチ面の製造である。
本開示によると、ディスプレイ品質ガラス板を製造するためのバッチ材料は、ガラス接触面がジルコニア(ZrO)を含む炉(溶融装置)、たとえばガラス接触面が電鋳ジルコニアを含む炉の中で溶融させる。以下に詳細に議論するように、溶融ガラスを電気加熱するために従来のスズ電極の代わりにモリブデン電極を使用することによって、炉のガラス接触ジルコニア含有面の単位面積当たりの摩耗速度(本明細書では「比摩耗速度」と記載される)が、50%を超えて減少し、それによって完成ガラス中のジルコニア量(固体+溶解分)が少なくとも同様の量だけ減少する。この減少の結果として、完成ガラス板の不良率が低下し、このことは、ディスプレイ製造業者およびそのような板の他の使用者によって望まれるように、大きな寸法のガラス板の製造において特に有意義である。
定義
本明細書において使用される場合、溶融炉ジルコニア含有ガラス接触面の全摩耗速度(TWR)は:
TWR=([ZrO]×ρ/100+N×W)×(FR/ρ) (1)
と定義され、式中、溶融炉を用いて50枚連続して製造したガラス板の集団の場合、[ZrO]は、重量パーセントの単位での板を構成するガラスの平均ジルコニア濃度であり、ρはグラム/cmの単位でのガラスの密度であり、Nは、100マイクロメートルを超えるサイズを有するジルコニア含有固体欠陥のガラス1cm当たりの平均数であり、Wは、100マイクロメートルを超えるサイズのジルコニア含有固体欠陥のグラムの単位での平均重量であり、FRは、グラム/時の単位での溶融炉を離れる溶融ガラスの平均流量である。この式から分かるように、TWRの単位はグラム/時である。
本明細書において使用される場合、溶融炉のジルコニア含有ガラス接触面の比摩耗速度(SWR)、すなわち、単位面積当たりの摩耗速度は:
SWR=TWR/Asurface (2)
と定義され、式中、Asurfaceは、溶融炉中で溶融ガラスと接触するジルコニア含有耐火物のcmの単位での面積である。この式から分かるように、SWRの単位はグラム/時−cmである。
本明細書において使用される場合、ジルコニア含有固体欠陥は、ジルコニア(ZrO)、ジルコン(ZrSiO)、またはその他の形態としてジルコニウムおよび酸素を含有する固体欠陥である。
本明細書において使用される場合、ディスプレイ品質ガラス板は、最大2ミリメートルの厚さと、少なくとも3×10立方センチメートルの体積と、ディスプレイ用途、または光透過率が重要となる類似の用途、たとえば光起電力用途に適した光学的性質とを有するガラス板である。本明細書において議論および主張される欠陥量に関して、ガラス板は、任意の仕上げまたは板の小さい断片への分割の前の、ガラスリボンから取り出された状態の板である。このため、ガラス板は、たとえば溶融プロセス中にリボンの端部に形成されるビーズが除去される場合に除去される板の部分を含まない。
背景
I.ディスプレイ品質ガラス板
歴史的には、ディスプレイ品質ガラス板は、フロート法またはフュージョンオーバーフローダウンドロー法(フュージョン法)を用いて商業的に製造されている。それぞれの場合で、その方法は、バッチ材料を溶融させるステップと、気体介在物を除去するために溶融ガラスの清澄(精製)を行うステップと、成形の準備のために精製ガラスのコンディショニングを行うステップと、フロート法の場合は溶融スズ浴の使用を伴い、一方でフュージョン法の場合は、成形用構造体、たとえばジルコンアイソパイプの使用を伴う成形ステップとの4つの基本ステップを含む。それぞれの場合で、成形ステップによって、ガラスのリボンが製造され、これは個別のガラス板に分離される。板の検査が行われ、消費者の要求に適合する板は仕上げが行われ、配送される。検査に合格しなかった板は、通常はカレットに粉砕され、新しい原材料とともに再溶融される。
フロート法およびフュージョン法の両方の目標は、欠陥量の少ない、すなわち、ガス欠陥および固体欠陥の量が少ないガラス板を製造することである。特に、目標は、検査プロセスによって不合格となる板の数を減らすために、製造時のガラス板の欠陥量を少なくすることである。プロセスの経済性と、したがってガラス板のコストとは、不合格となる量に大きく依存する。
ガス欠陥は、溶融プロセス中、および水素透過などの機構によって下流で、溶融ガラス中に導入される(Dorfeldらの特許文献1を参照されたい)。固体欠陥は、バッチ材料によって、ならびにプロセスで溶融ガラスが移動する際に溶融ガラスに接触する耐火物および/または耐熱性金属によって生じうる。バッチ材料の溶融に使用される炉のガラス接触面の摩耗は、固体欠陥の主要な発生源の1つである。溶融炉の壁の一般的な材料はジルコニア、たとえば、電鋳ジルコニアであり、したがってジルコニア含有固体欠陥の形成は、ディスプレイ品質ガラス板の製造における困難な問題であり続けている。
ディスプレイ品質ガラス板を使用する製品の要求が高まっているため、このような製品の製造業者は、規模の経済性を実現するためにより大きな寸法のガラス板を追求している。たとえば、フラットパネルディスプレイの製造業者に供給される現在の板は、Gen 10シートとして知られており、3200mm×3000mm×0.7mmの寸法を有する。ガラス製造業者の観点からは、より大型のディスプレイ品質ガラス板の製造は、製造プロセス中に単位時間当たりにより多くのガラスの移動が必要なことを意味する。しかし、この生産速度の増加は、顧客に供給される板の品質を妥協して実現することはできない。実際、ディスプレイ製品の解像度は高くなる必要があり高くなり続けているため、そのような製品に使用されるガラス板の品質を改善する必要があり、改善を続ける必要がある。不良品に関して、より大きな板では、それぞれの不合格の板で、製造されるが顧客には供給されないガラスが多くなるため、固体欠陥およびガス欠陥の量を減らすことがより重要となる。顧客が要求するより高い品質基準は、この問題を悪化させるだけである。
高品質ガラス板の製造における重要な制限的ステップの1つは、ガラスを溶融させるステップ、および引き続く気体介在物を除去するための溶融ガラスの清澄(精製)のステップである。従来、溶融は、化石燃料(たとえば、メタン)の燃焼と直接電気加熱(ジュール加熱)との組合せによって行われている。ジュール加熱は酸化スズ電極を用いて行われている。これらの電極によって、ディスプレイ品質ガラス板の生産速度の上限が決まっている。特に、図6〜8に示され、後述するように、ガラス接触面がジルコニアで構成される溶融装置の場合、より速い生産速度に対応するために酸化スズ電極に流れる電流を増加させると、溶融装置の壁の摩耗速度が実質的に増加することが分かっている。この摩耗の増加によって、溶解ジルコニア濃度が増加し、完成ガラス板中のジルコニア含有固体欠陥の量が増加する。摩耗の問題に加えて、酸化スズ電極に電気が流れると、電極と溶融ガラスとの界面に気泡が発生する。これらの気泡は、溶融ガラスの清澄に使用される清澄装置(精製装置)に対するさらなる負荷となる。
ガラス産業において、溶融効率は、平方フィート/トン/日の単位で報告されることが多く、ここで平方フィートは溶融装置の設置面積であり、トン/日は、溶融装置を通過する流量である。所望の処理量を実現するために、製造プラントでより小さい平方フィート値が要求されるため、任意の計画された引き出し速度(流量)で、平方フィート/トン/日の数値が小さいほどよい。参照を容易にするため、この方法で定義される溶融効率は本明細書では、式:
=Afurnace/R (3)
で与えられる炉の「Q値」と記載され、式中、Afurnaceは、平方フィートの単位での溶融炉中の溶融ガラスの水平断面積であり、Rは、1日当たりのガラスのトンの単位での溶融ガラスが炉を離れ清澄装置に入る速度である。
酸化スズ電極によって生じる制限の結果として、実際には、ディスプレイ品質ガラスを溶融させるためにそのような電極を使用する商業用溶解装置の最大流量および関連のQ値は、6〜7平方フィート(0.56〜0.65m)/トン/日の範囲内のQ値1,900ポンド(861.83kg)/時となっている。この流量を超えると、欠陥量は許容できない量まで急速に増加する。このような流量および関連のQ値は多くの用途には十分であるが、大型でディスプレイ品質のガラス板に対する増加し続ける要求に業界が対応可能となるためには、Q値を実質的に増加させることなく、より多い流量、たとえば2,000ポンド(907.18kg)/時を超える流量で運転可能な溶融装置が望ましい。6.0平方フィート(0.56m)/トン/日未満のQ値でこのようなより大きな流量を実現することが、さらにより望ましい。
II.ジルコニア含有ガラス接触面を用いた溶融炉
「無アルカリガラスの製造方法」という名称であり、日本電気硝子株式会社に譲渡された特許文献2(以降‘279号出願と記載)では、壁がジルコニア系耐火物でできている溶融炉からジルコニアが溶出する問題が議論されている。この参考文献の段落[0022]に記載されるように、「高ジルコニア系耐火物を使用した製造設備で...無アルカリ[ディスプレイ]ガラスを溶融すると、ZrO成分が耐火物から溶出してガラス中のZrO濃度が高まり、極めて失透し易い状態になることを見いだした...」。
特許文献2では、そのガラス製造装置の「供給経路」を白金または白金合金から構成することによるこの問題への対処を探求しており、特許文献2の用語では、「「供給通路」とは、溶融窯と成形装置との間に設けられる設備全体を指す」(特許文献2の段落[0061])。特許文献2で説明されるように、「白金または白金合金で形成される[供給経路の]部位が多いほど良好であり、ガラスとの接触面全体が白金または白金合金で形成されていることが理想的である」。
重要なことには、特許文献2には、ディスプレイ品質ガラスの溶融に通常使用される酸化スズ電極の代わりにモリブデン電極を使用することによって、ジルコニアで構成される溶融炉のガラス接触面の比摩耗速度を、50%を超えて減少させることができる本出願の発見の認識は全く含まれない。むしろ、特許文献2では、酸化スズ、モリブデン、および白金の電極を代替可能で選択中の電極として扱っており、電極の摩耗、および電極材料の溶出によるガラスの汚染のみを考慮しており、ジルコニウム含有材料から形成された炉の壁の摩耗速度に対する電極の選択の影響を考慮していない。特許文献2の段落[0060]を参照されたい(「電極の材料は特に限定されるものではなく、電極の寿命および侵食度合い等を考慮して適切に材料を選択することができる。」)。
さらに、特許文献2では、その出願実施例において、酸化スズ電極を使用している。特許文献2の段落[0090]を参照されたい(「SnO電極による直接通電加熱を行った」)。酸化スズ電極の使用において、特許文献2では、ディスプレイ用途に使用されるホウケイ酸ガラスなどの高品質ガラスの場合、酸化スズ電極を使用すべきであるという従来の知識に従っている。非特許文献1を参照されたい(「ホウケイ酸型([B]orosilicate−type)ガラスは、最高品質の基準が要求されるガラス群に含まれる。種結晶およびふくれは通常は許容されず、したがってこれらのガラスを製造する場合には酸化スズ電極が通例となっている。」)。
特許文献2では、その出願実施例2において、その完成ガラス中で0.2重量パーセントのZrO濃度を実現している。特許文献2の表3を参照されたい。この濃度は、本開示の技術を用いて達成された濃度よりも実質的に高い。特に、少なくとも50%低い、すなわち0.1重量パーセント以下のレベル、たとえば0.05重量パーセント以下のレベルの完成ガラス中のジルコニア濃度が、本発明の技術を用いて容易に達成される。
「Fusion Processes for Producing Sheet Glass」という名称であり、Corning Incorporatedに譲渡された特許文献3(以降‘191号出願)も、ジルコニア含有耐火物から製造された溶融炉から溶出するジルコニアの問題に関する。特許文献3の方法は、ガラス製造装置の温度分布を制御することによって、ガラスに入ったジルコニアが溶液から結晶化してジルコニア含有固体欠陥を形成することがないようにする方法である。特許文献2と同様に、特許文献3は、ディスプレイ品質ガラスが溶融するときの溶融ガラス中のジルコニア源、すなわちジルコニア炉のガラス接触面の摩耗速度には対処しておらず、したがってディスプレイガラス中のジルコニア含有固体欠陥の量を減少させるための方法または装置は示されていない。
米国特許第5,785,726号明細書 特開2010−168279号公報 米国特許出願公開第2011/0120191号明細書
Argent,R.D.,"Modern Trends in Electrode Utilization,"IEEE Transactions on Industry Applications,1990年1月/2月,26:175,180
低摩耗速度、したがって完成ガラス中の低ジルコニア濃度および少ないジルコニア含有固体欠陥は、ディスプレイ品質ガラス板に好都合な溶融炉の基準の1つにすぎない。別の基準としては、高流量を実現する能力、清澄の容易さ、「グリーン」ガラス(すなわち、ヒ素またはアンチモンを含有しないガラス)の清澄(精製)に使用される物質との相溶性、および電極材料によるディスプレイ品質ガラスの低レベルの汚染が挙げられる。後述するように、ジルコニア濃度および欠陥量の減少に加えて、本明細書に開示される溶融炉は、ディスプレイガラスに有効な溶融炉のこれらおよびその他の基準を満たす。
本開示によると、ディスプレイ品質ガラス板の製造方法であって:
(I)炉(12)の中でバッチ材料(14)を溶融させて溶融ガラス(15)を製造するステップと、
(II)溶融したバッチ材料を清澄装置(16)中で清澄するステップと、
(III)清澄した溶融ガラスからガラスリボン(31)を形成するステップと、
(IV)ガラス板(32)をリボン(31)から分離するステップと
を含み、
(a)炉(12)は、内面であって、その部分(33、34)が溶融ガラスと接触する内面を有し、
(b)溶融ガラスと接触する内面の前記部分(33、34)がZrOをその主成分として含み、
(c)ステップ(I)の溶融が、溶融ガラスに電流を流すための複数の電極(13)を使用するステップを含み、
(d)複数の電極(13)のそれぞれがモリブデンをその主成分として含み、
(e)溶融ガラスは速度Rで炉(12)を離れて清澄装置(16)に入り、ここで定常状態において、Rは関係:
R≧2,000ポンド(907.18kg)/時
を満たし、ならびに
(f)定常状態において、ステップ(IV)で製造されたガラス板(32)は:
(i)ガラス板を構成するガラスがアルミナ−シリケートガラスであり、
(ii)ガラス板中のZrOの平均含有量が関係:
[ZrO]≦0.1
を満たし、式中、[ZrO]は酸化物基準の重量パーセントの単位であり、
(iii)ガラス板中のMoOの平均含有量が関係:
0<[MoO]≦0.002
を満たし、式中、[MoO]は酸化物基準の重量パーセントの単位であり、および
(iv)いずれの許容できないガラス板も除去する前に、50枚の連続した板の集団の100マイクロメートルを超えるサイズの固体欠陥+ガス欠陥の平均量が、ガラス1ポンド(0.45kg)当たり0.006個以下の欠陥(たとえば、好ましくは、ガラス1ポンド(0.45kg)当たり0.009個以下の欠陥、より好ましくは、ガラス1ポンド(0.45kg)当たり0.006個以下の欠陥)であり、ガラス板(32)のそれぞれが、2.0ミリメートル以下の厚さおよび少なくとも10ポンド(4.54kg)の重量を有する、
方法が提供される。
一実施形態においては、この方法は:
(i)ステップ(I)の溶融により、水平断面積Afurnaceを有する炉(12)の中で、ある体積の溶融ガラス(15)が製造され、
(ii)定常状態において、平方フィートの単位のAfurnaceをガラスのトン/日の単位のRで割ることによって得られる商Qが関係:
6≦Q≦7
を満たすような速度でステップ(IV)においてリボン(31)から板(32)が分離される、
ことを特徴とする。
一実施形態においては、この方法は関係:
<6
を満たすQを特徴とする。
一実施形態においては、ガラス板中のZrOの平均含有量が関係:
[ZrO]≦0.05
を満たし、式中、[ZrO]は酸化物基準の重量パーセントの単位である。
一実施形態においては、この方法はフュージョンオーバーフローダウンドロー法を用いて実施される。
上記方法を実施するための装置も開示される。
上記の本発明の概要に使用される参照番号は、単に読者に好都合となるためのものであり、本発明の範囲の限定を意図したものではなく、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。より一般的には、以上の概要および以下の詳細な説明の両方は、本発明の単なる例であり、本発明の性質および特徴を理解するための概観または構成を示すことを意図していることを理解されたい。
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の詳細な説明に記載されており、部分的には、その説明から当業者には容易に明らかとなるであろうし、または本明細書の説明によって例示されるような本発明の実施によって認識されるであろう。添付の図面は、本発明のさらなる理解をもたらすために含まれており、本明細書に組み込まれ本明細書の一部を構成する。本明細書および図面に開示される本発明の種々の特徴は、あらゆる組合せで使用できることを理解されたい。
フュージョンオーバーフローダウンドロー法が使用されるディスプレイ品質ガラス板を製造するシステムの概略図である。 本開示により構成される溶融炉の代表的な一実施形態の部分的に断面を有する概略斜視図である。 異なる視点からの図2の溶融炉の部分的に断面を有する概略斜視図である。 炉から清澄装置への接続を示す図2〜3の溶融炉の概略断面図である。 図2〜4の炉の床を通過するモリブデン電極を示す概略断面図である。 ZrOのぶつの量に対する流量の影響を示すグラフである。 溶解ZrOの量に対する流量の影響を示すグラフである。 図6のZrOのぶつのデータと図7の溶解ZrOデータとを1つのプロットに組み合わせたグラフである。 本開示により構成された溶融装置の代表的一実施形態の床を通過して延在するモリブデン電極を示す写真である。 図9の溶融装置との比較研究のために使用した溶融装置の壁の中に取り付けられた酸化スズ電極を示す写真である。 溶融装置の壁に取り付けられた酸化スズ電極の表面上の気泡の形成を示す写真である。 2つのガラス試料の写真であり、一方は、モリブデン電極を用いた溶融装置を使用して製造され(試料70)、他方は、酸化スズ電極を用いた溶融装置を使用して製造された(試料80)。 0重量パーセント〜0.22重量パーセントまでの範囲の種々のMoO濃度でのディスプレイ品質ガラス試料を透過する光透過率を示すグラフである。 240ナノメートル〜340ナノメートルの図13の一部を示すグラフである。
前述したように、本開示は、ディスプレイ品質ガラス板を製造するための、ジルコニア含有壁を有しモリブデン電極を使用する溶融炉の使用に関する。この組合せの結果として、製造されたとき(すなわち、ガラスリボンから切断したときで、許容できない板を選択する前)の板は、溶解ジルコニア量が少なく、ジルコニア含有固体欠陥の平均数が少ない。
溶融ガラスからガラス板への変換は、現在周知である、または今後開発される種々の技術を用いて行うことができる。前述のように、ディスプレイ品質ガラス板は、現在はフロート法およびフュージョン法によって商業的に製造されており、概してフュージョン法がより一般的である。説明を簡略化するため、本開示の炉はフュージョン法に関して議論されるが、本開示の炉は、必要に応じてフロート法およびその他の方法でも使用できることを理解されたい。
使用される特定の方法とは無関係に、炉によって製造された溶融ガラスは、気体介在物(気泡)が除去される清澄装置(精製装置とも呼ばれる)を通過することに留意されたい。真空清澄装置などのさまざまな種類の清澄装置を必要に応じて使用できる。場合によっては、たとえば内壁または壁の一部によって2つの部分に分離された1つの筐体が、炉および清澄装置を収容することができる。そのような場合、炉および清澄装置の両方が、(1)溶融ガラスと接触し、(2)ZrOをその主成分として含む内面を有することができる。炉と同様に、清澄装置は、モリブデンをその主成分として含む複数の電極を含むことができる。別の場合では、導管型容器が溶融ガラスを炉から清澄装置まで運ぶことができる。
図1は、ディスプレイ品質ガラス板の製造にフュージョン法を使用する代表的なガラス製造システム10の主要構成要素を示している。このシステムは、本開示により構成される炉12を含み、ポートを用いてその中にバッチ材料14が導入され、次に溶融されることで溶融ガラス15が形成される。
ガラス形成成分が互いに混合され、個別の投入材料として炉の中に導入されるバッチごとのプロセス、または実質的に連続的にバッチ材料が混合され炉の中に導入される連続プロセスのいずれかを用いて、バッチ材料を炉の中に導入することができる。バッチ材料はカレットを含んでよく、通常はカレットを含む。バッチ材料は、バッチごとのプロセスの場合は押し棒によってポート11から炉の中に導入することができ、または連続供給炉の場合はスクリューまたはオーガー装置によって導入することができる。バッチ材料成分の量および種類が、製造すべきガラス板の個別の種類のガラス「処方」を構成する。
炉12に加えて、図1のガラス製造システム10は、典型的には白金または白金含有金属、たとえば白金−ロジウム、白金−イリジウム、およびそれらの組合せでできているが、パラジウム、レニウム、タンタル、チタン、タングステン、モリブデン、またはそれらの合金などの耐火金属を含むこともできる構成要素をさらに含むことができる。白金を含有する構成要素としては、たとえば:清澄容器16(たとえば清澄管16);炉から清澄装置までの導管型容器17(たとえば、接続管17);混合容器18(たとえば撹拌室18);清澄装置から撹拌室までの導管型容器20(たとえば、接続管20);送出容器22(たとえば、ボウル22);撹拌室からボウルまでの導管型容器24(たとえば、接続管24);下降管26;および入口28を挙げることができる。入口28は、成形容器30(たとえば、フュージョンパイプ30)に連結され、そこでガラスリボン31が形成され、ガラスリボン31から、たとえば移動式アンビル装置(TAM;図1には示さず)を使用して個別のガラス板32が分離される。成形容器30はジルコンなどの耐火材料でできており、これは場合により「アイソパイプ」と呼ばれる。
Dorfeldらの米国特許第5,785,726号明細書に開示されるように、白金含有金属は、高温において、酸素よりも水素の透過性が高い性質を有する。結果として、溶融ガラスと、壁が白金含有金属で構成される容器の内面との間の界面で、酸素含有気泡が形成されうる。前述のDorfeldの特許には、容器周囲の雰囲気中の水素分圧を制御することによって、ガス欠陥を発生させるこの「水素透過」機構を制御する技術が記載されている。DeAngelisらの米国特許第7,628,038号明細書および米国特許第7,628,039号明細書には、Dorfeldの特許に開示される原理の特定の用途が記載されており、白金含有壁を有する1つ以上の容器のすべてまたは一部を指定の高い水素濃度を有する雰囲気で取り囲むためにカプセルが使用される。Dorfeldらの米国特許第7,032,412号明細書には、水素透過問題を扱う別の方法が記載されており、容器の白金含有壁の外面のすべてまたは一部にバリアコーティングが塗布される。これらの技術の1つ以上は、ディスプレイ品質ガラス板中のガス欠陥量を減少させるために、本開示の実施に使用することができる。前述のDeAngelisらの特許のカプセル方法は、これに関して特に有効であることが分かっている。以上の特許は、それらの全体が参照により本明細書に援用される。
水素透過機構の制御は、「グリーン」ガラスが製造される場合に特に重要となる。特に、前述の種類の技術の使用によって、ヒ素またはアンチモンを清澄剤として使用せずに、ガス欠陥量の少ないガラス板の製造が可能となる。次にバッチ材料にヒ素およびアンチモンが意図的に添加されることはなく、得られるガラス板は、平均ヒ素量が最大500ppmとなり、平均アンチモン量が最大500ppmとなる。
図2および3は本開示の炉の一実施形態の断面斜視図であり、一方、図4は接続管17によって清澄容器16に接続された炉を示している。これらの図から分かるように、炉は底壁33および側壁34を有し、モリブデン電極13は底壁を通過し、側壁から離れて配置される。炉は、これらの図では湾曲して示されているが必要に応じて平坦であってもよいクラウン35、およびたとえばガス酸素バーナーであってよいバーナー36も含む。熱損失を最小限にするために、従来の実施によると、炉の壁は絶縁材料の層で取り囲まれ、図1〜4にはその一部のみが示されている。
本開示によると、溶融ガラスが接触する炉の内面の一部はジルコニア(ZrO)で構成される。典型的には、この表面のZrO含有量は少なくとも90重量%である。種々のジルコニア含有材料を本開示の実施に使用することができ、その例としては、日本国東京のサンゴバン・ティーエム株式会社より販売されるSCIMOS Z、SCIMOS CZ、およびSCIMOS UZジルコニア耐火物が挙げられる。他の製造業者による同等の製品も利用可能である。一般的には、これらの材料は、ジルコニアおよび/またはキュービックジルコニアと、特にベース材料の抵抗率を増加させることができる少量(10重量%未満)のガラス相とを含む。これらの種類のジルコニア含有材料は、ディスプレイ品質ガラス板の製造に使用されるガラス組成物と適合性であることが分かっている。さらに、これらの材料は低い熱伝導率、高い電気抵抗率、および高い誘電率を有し、最後の2つの性質のために、これらの材料は、炉の壁とは対照的に溶融ガラスへのより大きなエネルギー伝達をもたらすため、電気加熱を使用するガラス製造炉中への使用に特に適している。
実際には、コストが考慮されるため、炉のガラスに接触する内側のライニングのみがジルコニア含有材料で構成され、ジルコニア含有層の外側には、別の一般により安価な耐火材料が使用される。これは図5に示されており、層41は溶融ジルコニアで構成され、底壁33を構成する層の残りはアルミナおよび別の種類の耐火材料で構成される。当然ながら、必要に応じて、複数のジルコニア含有層を溶融炉の壁の構成に使用することができる。
モリブデン電極13は一般に円筒形であるが、必要に応じて他の構成を使用することもできる。また、電極は、たとえばねじ継手によって互いに接続される複数の部分で一般に構成される。このようにして、電極が摩耗する場合、電極を底部から押し上げて、底部に新しい部分を付け加えることができ、それによって電極交換のために停止する必要なしに炉を長期間使用することができる。元素モリブデンがモリブデン電極の主成分(すなわち、>50%)である。典型的には、電極は実質的に純粋なモリブデンであるが、場合によっては、電極は少量の他の成分、たとえばジルコニアを含んでよい。モリブデン電極は、たとえば、マサチューセッツ州フランクリンのPlansee USA、およびマサチューセッツ州ニュートンのH.C.Starck Inc.などの多数の供給元から市販されている。
本開示によると、ディスプレイ品質ガラス板のバッチ材料の溶融の場合、特に酸化スズ電極と比較すると、モリブデン電極の摩耗速度は非常に遅いことが分かった。たとえば、酸化スズ電極の典型的な摩耗速度は、約5×10−4ポンド(226.80mg)/溶融ガラス1ポンド(0.45kg)である一方、モリブデン電極の場合は約5×10−6ポンド(2.27mg)/溶融ガラス1ポンド(0.45kg)である。このより低い摩耗速度は、酸化スズ電極を使用する炉よりも炉の有効寿命が長くなりうることを意味するため、本開示の炉の利点の1つである。炉を停止させずにモリブデン電極に新しい部分を加えることが可能なことは(上記参照)、電極交換のために停止および溶融ガラスの排出が必要となる酸化スズ電極を使用する炉よりも、本開示の炉が長い寿命を有しうるもう1つの理由である。
モリブデン電極の摩耗の結果として、溶融ガラスから製造されたガラス板はMoOを含有する。定量的には、酸化物基準の重量パーセントの単位で、ガラス板中のMoOの濃度は関係:0<[MoO]≦0.002を満たす。一実施形態においては、酸化物基準の重量パーセントの単位でのガラス板中のMoOの濃度は、さらに低くてもよく、関係:0<[MoO]≦0.0005を満たしてもよい。
400℃を超える温度において、元素のモリブデンは酸化してMoOを形成する。したがって、この温度を超え溶融ガラス中に浸漬しない電極部分は、酸素への曝露から保護する必要がある。場合によっては、これは、浸漬部分がモリブデンであり、一方、非浸漬部分が酸化しないが浸漬部分に依然として電気を伝導できる材料で構成されるように電極の材料を交換することによって実現でき、たとえば、非浸漬部分はMoSiであってよい(英国特許出願公開第2 047 228号明細書参照)。
一実施形態においては、この保護は、モリブデン電極の非浸漬部分を不活性ガスで取り囲むことによって実現される。この目的のために窒素を使用することができ、特に、酸素を除去する処理を行った窒素、たとえば、窒素の酸素含有量をたとえば1ppm未満まで減少させるために不活性ガス清浄器で処理した窒素を使用することができる。
図5は、溶融ガラス中に浸漬せず、十分に高温であり酸化が問題となるモリブデン電極の部分(すなわち、図5中、参照番号39の高さにおける電極部分)を保護するために不活性ガスを使用するための代表的な装置を示している。図5に示されるように、底壁33はチャネル38を含み、そこを通ってモリブデン電極13が炉に入る。このチャネル内には、不活性ガスが満たされ参照番号39の領域の電極を取り囲む内部チャンバー40を含む電極ホルダー37が存在する。実際には、不活性ガスはチャンバー40を通過するように流される。
使用中、ホルダー37の上方のチャネル38の一部はガラス、特に固化したガラスで満たされ、電極の底部、すなわちチャンバー40の下方の部分を、冷却流体、たとえば水が循環するウォータージャケット(図5には示されず)で覆うことによって、固化が実現される。厚さ約1/2インチ(1.27cm)となりうる固化ガラスは、電極を周囲の耐火物から電気的に絶縁するのに役立つ。特に、電極をジルコニア含有耐火物から絶縁するのに役立つ。このような絶縁によって、電流が減少し、それによってジルコニア含有耐火物の電気加熱が減少する。操作のなんらかの特定の理論によって拘束されることを望むものではないが、本開示の溶融炉によって実現されるガラス板中のジルコニア濃度の低下、およびジルコニア含有固体欠陥量の減少は、少なくとも部分的には、この電気的絶縁の結果であると考えられる。
図2〜5に示される実施形態のモリブデン電極は、炉の底壁を通過して溶融ガラス中に突出するが、必要に応じてモリブデン電極の別の位置を使用することもできる。特に、電極は、1つ以上の側壁を通過して溶融ガラス中に突出することができる。このような側壁電極は、単独で使用したり、底壁電極と併用したりすることができる。ほとんどの用途では、炉は、底壁を通過して突出する少なくとも一部のモリブデン電極を含む。
図2〜5(および図9)の実施形態は、規模を縮小した溶融装置(実験用溶融装置)の場合であり、したがってわずか4つのモリブデン電極を使用した。フルスケールの商業用溶融装置の場合、個別の電極において過度に高い電流密度を使用せずに原材料を溶融させるために必要な出力が得られるように、モリブデン電極の数を増加させる。たとえば、商業用溶融装置では10以上(たとえば、12)の組のモリブデン電極を使用することができる。代表的な一実施形態において、モリブデン電極に流れる電流は、炉に供給されるバッチ材料を溶融させるための出力の一部のみを提供し、出力の残りは天然ガスなどの燃料の燃焼によって得られる。定量的には、一実施形態において、モリブデン電極によって、バッチ材料の溶融に使用される全出力の少なくとも30パーセントが得られる。
ジルコニアで構成される炉壁は、酸化スズ電極とともに使用されていたが、このような使用によって、ディスプレイ品質ガラス板の商業的生産において使用される流量で6〜7平方フィート(0.56〜0.65m)/トン/日の範囲内のQ値の炉が得られた。特に、流量を増加させQ値を減少させる試みは、酸化スズ電極を用いた溶融炉を使用して製造されたガラス板中の溶解ジルコニア濃度の増加、およびジルコニア含有固体欠陥量の増加という結果が得られることが分かった。図6〜8は、ジルコニア含有壁を有し、溶融ガラスの電気加熱に酸化スズ電極を使用する溶融炉の流量の増加により生じる問題を示している。
図6〜8に示されるデータは、電鋳ジルコニア壁と、炉の側壁中に取り付けられた6組の酸化スズ電極とを有するTFT−LCDガラス用の商業用溶融ユニットを用いて得られた。溶融させるガラスは、酸化スズおよび酸化鉄を用いて清澄され、ヒ素またはアンチモンは使用していない「グリーン」ガラスのCorning IncorporatedのEAGLE XG(登録商標)ガラスであった。炉の設計流量は1,900ポンド(861.83kg)/時であった。この流量において、炉によって標準的な商業品質のガラス板を製造し、Q値は6.2平方フィート(0.58m)/トン/日であった。
図6〜8の実験は、2,000ポンド(907.18kg)/時のベースラインを確立することによって開始した。その後、ガラス流量を、酸化スズ電極によって溶融ガラス中に導入される電流量とともに増加させた。完成ガラス板に対して、(1)ジルコニア濃度、および(2)ジルコニア含有固体欠陥の量(ジルコニア系のぶつ)の測定を行った。
図6〜8中、ジルコニア濃度は百万分率(ppm)の単位で報告され、一方、ジルコニア含有固体欠陥の量は不合格の板のパーセント値(%損失)として報告される。図6および7では、136日の実験にわたるベースラインからのパーセント流量増加を実線の曲線としてプロットし、ぶつの量(%損失;図6)および溶解ジルコニア(ppm;図7)を縦棒としてプロットしている。図8は、図6の%損失データを実線の曲線としてプロットし、図7の溶解ジルコニアデータを縦棒としてプロットしている。
これらの図から分かるように、ガラス流量の増加によって、ガラス板中のジルコニア含有固体欠陥量が大幅に増加し、流量の20%未満の増加で、板の%損失は約10倍に増加した(すなわち、90%を超えた)。プロセスの調節によってぶつ形成の減少を試みて、ある程度の減少は達成されたが、損失量はベースライン損失の2〜3倍のままであった。これらのレベルでの損失ではプロセスの優位性が損なわれるため、図6のデータは、酸化スズ電極の根本的な問題を明確に示しており、すなわち高レベルのジルコニア含有固体欠陥をガラス中に発生させずに高流量で運転することができないことを示している。
ガラス板中に溶解したジルコニアの濃度に対するガラス流量の増加の影響は、(1)希釈効果と、(2)ぶつの数の増加とのためにより複雑となった。希釈効果に関して、より高い流量は、単位時間当たりに炉の壁を離れるジルコニアが、大量の溶融ガラス中に分散するようになることを意味する。たとえば、炉のジルコニア含有壁の一定摩耗速度の場合、流量が増加すると、単位時間当たりにより多くのガラスが溶融炉を離れ、それによってジルコニア濃度が希釈されるため、ガラス板中のジルコニア濃度は低下する。したがって、溶解ジルコニアの増加は、摩耗速度が増加したとしても測定データ中に見ることができない。
溶液から得られたジルコニアによってぶつが形成されるのであれば、ぶつの数の増加でも、溶解ジルコニア濃度の低下が生じうる。他方、炉のジルコニア含有壁から直接形成されるぶつは、それらによってジルコニアがガラス溶融物中に溶解可能となるさらなる露出表面積が得られるため、ガラス中のジルコニア濃度を増加させうる。図7および8から分かるように、この実験において、希釈効果は支配的ではなく、そのため正味の効果はジルコニア濃度の低下であった。
定量分析は行わなかったが、この実験において、炉のジルコニア含有壁の全摩耗速度および比摩耗速度が流量の増加とともに増加したと考えられる。特に、前述の(1)および(2)に示されるように、全摩耗速度および比摩耗速度は、ぶつの形成を含み、図6に示されるように、ぶつの形成は流量とともに大幅に増加した。また、摩耗速度値を求めるときに、ガラス板中の溶解ジルコニアおよび固体ジルコニアの両方に流量が乗じられるため、希釈効果は、これらの摩耗速度には影響しなかった。
図6〜8に示される種類の問題を克服するために、ジルコニウム含有壁を有するが、酸化スズ電極ではなくモリブデン電極を使用した溶融炉(すなわち図2〜5および9に示される炉)を用いて実験を行った。特に、本開示によるモリブデン電極を使用する規模を縮小した溶融システム(以降「試験」システム)と、酸化スズ電極を使用する規模を縮小したシステム(以降、「対照」システム)との間の比較を行った。
対照炉および試験炉、ならびにそれらが取り付けられる清澄装置は、同一ではなかったが、その理由の一部は、モリブデン電極を収容するために必要な変更のためである。たとえば対照システムでは、一次炉およびより小さな二次炉を有し、そのどちらも酸化スズ電極を使用する2ゾーン溶融装置を使用し、一方、試験システムでは、モリブデン電極を使用する一次炉のみを有する単一ゾーン溶融装置を使用した。しかし、試験システムおよび対照システムは、使用される電極の種類の差の影響に関する有意義な比較データを得るために十分類似していた。それぞれの場合で、清澄装置を離れた後で、欠陥の計数(ガスおよび固体)、およびたとえば溶解ジルコニア含有量の化学分析を行うことができるように、溶融ガラスを収集して冷却した。
図9および10は、炉のクラウンを取り外した2つのシステムの一次炉を見下ろした写真である。図9は、試験炉の底壁33を通過して延在する4つのモリブデン電極13を示しており、一方、図10は、対照システムの一次炉の側壁34に支持された(埋め込まれた)2つの酸化スズ電極50を示している。それぞれの写真において、参照番号42は炉の底部の出口(図9は布、図10はカバーで閉じられている)を示している。
対照システムの一次炉(すなわち、図10の炉)の酸化スズ電極間の間隔は18インチ(45.72cm)であった。したがって、モリブデン電極の前方および後方の組のそれぞれの内端間距離も18インチ(45.72cm)に設定した。モリブデン電極の直径は2インチ(5.08cm)であったため、この内端間距離によって中心間距離は20インチ(50.8cm)となった。モリブデン電極の前方および後方の組の間隔は12インチ(30.48cm)(中心間)であり、側壁まで、ならびに後壁および前壁までの中心から端部までの距離はそれぞれ4インチ(10.16cm)および6インチ(15.24cm)であった。したがって、モリブデン電極を有する試験炉の全体の内寸は、幅28インチ(71.12cm)×奥行き24インチ(60.96cm)であり、それによってAfurnace値は672インチ(4335.48cm)となった。
対照システムの一次炉は幅18インチ(45.72cm)および奥行き19インチ(48.26cm)であり、一次炉のAfurnace値は342インチ(2206.45cm)となった。対照システムの二次炉は幅13インチ(33.02cm)および奥行き12インチ(30.48cm)であり、二次炉のAfurnace値は156インチ(1006.45cm)となった。したがって対照システム全体のAfurnace値は498インチ(3212.90cm)であった。使用中、対照システムの一次炉および二次炉の溶融ガラスの深さはそれぞれ16インチ(40.64cm)および12インチ(30.48cm)であり、一方、試験炉では16インチ(40.64cm)であった。
試験炉および対照炉の比較実験、ならびに本明細書に報告される別の実験結果を得るために使用したガラスは、Corning IncorporatedのEAGLE XG(登録商標)ガラスであり、これは本明細書に開示される炉を用いて溶融可能なディスプレイ品質ガラスの種類の一例である。本明細書開示される炉を用いて溶融可能な別のガラスは以下に議論される。商用グレードの原材料、すなわち、砂、アルミナ、ホウ酸、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、および清澄剤としての酸化スズを炉に供給した。EAGLE XG(登録商標)ガラスの商業生産から得られたカレットも含めた。このようなカレットは、壁に埋め込まれた酸化スズ電極を使用する商用炉を用いて生産され、したがって壁の腐食で生じたZrOも含んだ。後述の試験炉および対照炉の間のZrOの比較において、このカレットの寄与は除去した。ある程度のジルコニア含有固体欠陥が試験炉および対照炉の両方で見られたが、それぞれの場合の量はあまり多くなく、したがって、以下の分析は溶解ジルコニアに関するものである。
最初の実験において、試験炉および対照炉を用いて製造したガラス試料に対して溶解ZrOのX線分析を行った。対照システムの場合、分析による全体の溶解ZrO含有量は0.074重量%であった。しかし、この合計のうちの0.006重量%は、カレットにより導入されたものであり、したがって溶融システムによる正味の値は0.068重量%であった。試験システムの場合、対応する値は、全体の値で0.052重量%、カレット由来が0.004重量%であり、したがって正味の値は0.048重量%であった。カレットの寄与の差は、ZrO含有量が期せずして0.025重量%であったカレットを使用した対照システムによって生じ、一方、試験システムでは、より低いZrO含有量、すなわち、0.019重量%のカレットを使用した。
このデータが示すように、モリブデン電極を用いた試験システムの場合のZrOの腐食は、酸化スズ電極を用いた場合よりも30%少なかった。このことは、試験システムの炉が対照システムよりも露出ZrO表面積が大きかったことを考慮すれば特に重要である。たとえば、試験システムの炉の全表面積(側面、前面、後面、および底面)は2,336インチ(15,070.94cm)であり、一方、対照システムの一次炉および二次炉の全表面積は1,818インチ(11,729.01cm)であり、ここで一次炉および二次炉の酸化スズ電極によって占められる面積(すなわち、一次炉の各電極の12×14インチ(30.48×35.56cm)および二次炉の各電極の8×8インチ(20.32×20.32cm))は、これらの炉の側面、前面、後面、および底面の全面積から引かれている。
したがって、試験システムは対照システムよりも露出ZrOが25%を超えて多く、さらに、得られるガラス中の正味の溶解ZrOの30%の減少が得られた。ZrOの腐食を減少させるモリブデン電極の性質はこのデータから明らかである。
試験炉および対照炉の比摩耗速度(SWR値;前述の式(2)参照)を求めるさらなる分析を行った。ZrO摩耗速度は温度の関数となるため、溶解ジルコニアデータを共通の温度に変換した。具体的には、酸化スズ電極を用いた別個の実験において、1540℃〜1620℃の範囲の温度にわたって、溶解ジルコニアが温度の関数として実質的に直線的に増加することを見出した。データへの直線フィッティングによって式:
ZrO(重量%)=0.0004T−0.5862 (4)
が得られ、式中、Tは℃の単位での温度であり、このフィッティングのR値は0.886(n=3)であった。
対照炉の溶解ジルコニアデータを、1578℃、1600℃、1591℃、および1597℃の温度について、26lb(11.79kg)/時、40lb(18.14kg)/時、50lb(22.68kg)/時、および60lb(27.12kg)/時の引き出し速度でそれぞれ求め、一方、試験炉のデータを、1636℃、1633.5℃、1634.5℃、および1637℃の温度について、40lb(18.14kg)/時、55lb(24.95kg)/時、70lb(31.75kg)/時、および90lb(40.82kg)/時の引き出し速度でそれぞれ求めた。式(4)を使用して、対照炉の溶解ジルコニアデータは、試験炉データの平均温度、すなわち1635℃に変換した。試験炉データは1635℃付近に集めたため、この場合のデータを測定したままで使用した。
この比較の結果を以下の表に示しており、ガラス引き出し速度はポンド/時(kg/時)の単位である。
Figure 0006128710
酸化スズ電極の場合のこのデータの平均は1.61±0.11グラム/時−cmであり、一方、モリブデン電極の場合は平均が0.78±0.24グラム/時−cmである。したがって、モリブデン電極を使用することによって、炉の壁から溶出するジルコニア量の50%を超える減少が実現された。これは、ディスプレイ品質ガラス板中の欠陥量の制御に関して重要な改善である。
ジルコニア溶出の減少は、他の欠陥を犠牲にして実現されたのではないことに留意すべきである。したがって、すべての試験した引き出し速度において、モリブデン電極を用いた試験システムは、気体介在物(気泡)および固体欠陥の量が少なかった。たとえば、90ポンド(40.82kg)/時の速度において、50マイクロメートルを超える直径を有する気体介在物の数は、1ポンド(0.45kg)当たり0.005個の欠陥であり、50マイクロメートル未満の直径を有する数は、1ポンド(0.45kg)当たり0.018個の欠陥であった。さらにガラスは、ジルコニア含有固体欠陥が実質的に完全に存在せず、検出可能なZrO欠陥>50マイクロメートル、ZrO欠陥<50マイクロメートル、およびZrSiO欠陥>50マイクロメートルのすべての数が検査したガラス(381ポンド(172.82kg))中でゼロであった。
上記表のデータはQ値にも関連する。この表に示されるように、モリブデン電極を使用する試験システムは90ポンド(40.82kg)/時で使用可能であった。実際、より速い速度では試験しなかったが、90ポンド(40.82kg)/時で収集したデータから、実質的により速い引き出し速度で炉を使用できることが明らかであった。前述の式(3)で示されるように、炉のQ値は、その水平断面積(すなわち、製造設定におけるその設置面積)を、1日当たりのガラスのトンの単位の溶融ガラスが炉によって製造される速度で割ったものに等しい。90ポンド(40.82kg)/時の引き出し速度は、2,160ポンド(979.76kg)/日または1.08トン/日に相当する。前述の試験炉のAfurnace値、すなわち672インチ(4.67フィート)(0.43m)を使用すると、4.3平方フィート(0.40m)/トン/日のQ値が得られる。
また上記表に示されるように、酸化スズ電極を用いた対照システムは60ポンド(27.22kg)/時で使用できた。重要なことには、その酸化スズ電極の使用のため、60ポンド(27.22kg)/時の引き出し速度はシステムの上限となる。したがって90ポンド(40.82kg)/時の引き出し速度は酸化スズのシステムでは達成できなかった。さらに、4.3平方フィート(0.40m)/トン/日までの低いQ値も酸化スズのシステムでは、Rの値とは無関係に達成できなかった。これは、4.3のQ値および酸化スズのシステムの場合の前述のAfurnace値、すなわち498インチ(3.46フィート)(0.32m)を用いて式(3)をRについて解くことによって分かる。この方法で得られるR値は67ポンド(30.40kg)/時であり、60ポンド(27.22kg)/時よりも大きく、したがって対照システムでは達成できない。この計算が示すように、酸化スズ電極では、溶出ジルコニア量が多くなるだけでなく、低いQ値を得るための能力も制限される。
操作のなんらかの理論によって拘束されることを望むものではないが、酸化スズ電極に関連する制限は、少なくとも部分的には、ディスプレイ品質ガラス、すなわち、200ポアズ(20Pa・s)温度が1,550℃以上であるガラスの溶融に使用した場合に、電極が炉の側壁内に支持されることによって生じると考えられる。この位置は図6〜8に示される高い摩耗速度を引き起こし、それによって、酸化スズ電極を用いた炉によって製造されるガラス板中の溶解ジルコニアおよび固体ジルコニア含有欠陥の量が所望よりも多くなると考えられる。流量およびそれらの関連するQ値に関して、酸化スズ電極に流れる電流を増加させることによって、流量の増加、したがってQの減少を試みると、ジルコニアの摩耗の問題がさらに悪化するであろう。
さらに、商用設定において、炉の壁および周囲の絶縁材の可能性のため、電極に印加される時間的に変化する電圧の大きさ(V)が制限される。具体的には、特定の炉の幅Wの場合、炉の側壁中に酸化スズ電極を配置することで、ガラスを通過する電流が比較的少なくなり(すなわち、一次までで、一定の電気的性質の場合、電流はV/Wとして変化する)、したがって比較的少ない量の電力がガラスに伝達される(すなわち、一次までで、一定の電気的性質の場合、電力PはV/Wとして変化する)。したがって、ジルコニアの摩耗の問題に加えて、酸化スズ電極は、ディスプレイ品質ガラスを溶融させる場合の溶融炉中の位置のために、高流量および低Q値を得る能力が制限される。
対照的に、本明細書に開示される炉の実施形態においては、モリブデン電極は炉の底壁を通過して溶融ガラスに入り、側壁からは離れている。側壁から間隔が空けられることによって、それらの壁の腐食が最小限となる。炉の底壁の腐食に関しては、モリブデン電極は電極上部付近で最も電流密度が高くなり、したがって印加電流により底壁に生じる損傷量は制限される。
定量的には、炉の側壁から離れたモリブデン電極の使用(排他的、またはある実施形態においては別の位置のモリブデン電極との併用のいずれか)によって、2,000ポンド(907.18kg)/時を超える流量において、2,000ポンド(907.18kg)/時を超えない流量で酸化スズ電極を用いて実現される値と実質的に同じ、またはある実施形態においてはより小さいQ値で、ディスプレイ品質ガラス板を製造することができる。さらに、モリブデン電極を使用することで、2,000ポンド(907.18kg)/時を超える流量が、結果として酸化物基準の溶解ジルコニア(ZrO)含有量が0.1重量パーセント以下、たとえば、ある実施形態においては0.06重量パーセント以下、別の実施形態においては0.05重量パーセント以下、さらに別の実施形態においては0.04重量パーセント以下となるガラス板で達成できる。炉の壁の腐食の減少に加えて、炉の側壁の内側に電極を有することは、電極間の間隔が炉の幅よりも狭いことも意味し、したがって、ガラスに伝達される出力を、電極が側壁に配置される場合に伝達されるであろう出力よりも増加させることができる。
前述の‘279号出願では、溶融炉の床を通過して突出するモリブデン電極の価値は評価されておらず、そのため、炉の床または炉の壁の上または中に取り付けられた電極とは対照的に、電流は床の上方の電極を離れ、それらの位置で電流が注入されることに留意すべきである。特に、‘279号出願では、その出願実施例において、床の上および側壁の上に取り付けられた電極、特に酸化スズ電極が使用される。‘279号出願の段落[0074]を参照されたい(「左右両側の側壁下部および底壁には複数対の電極が設置される」)。
酸化スズ電極と比較されるモリブデン電極のさらなる利点は、ガラス製造システムの清澄装置部分に供給される溶融ガラス中の気泡量に関する。図11は使用中の酸化スズ電極50の表面の写真である。この図から分かるように、電極表面は気泡60で覆われている。これらの気泡は最終的には溶融ガラスまで到達し、清澄装置中でガラスから除去する必要がある。他方、モリブデン電極では気泡は実質的に発生しない。実際、より詳細に後述するように、モリブデン電極に電流が流れることによってガラス溶融物中に導入される元素モリブデンは、ガラスから気泡を除去するゲッター機能を果たすことができる。
図12は、モリブデン電極を用いて溶融させたガラスと、酸化スズ電極を用いて溶融させたガラスとの間の気泡量の差を示している。この図に示される2つのガラス試料は、1)モリブデン電極を使用する規模を縮小した溶融装置中(図12の試料70)、および2)酸化スズ電極を使用する規模を縮小した溶融装置中(図12の試料80)でガラスを凝固させることによって得た。これらの写真から分かるように、酸化スズ電極ではガラスが気泡で満たされ、一方、モリブデン電極ではガラスは実質的に透明であった。図12の試料中の気泡量を定量すると、酸化スズ電極を用いて製造したガラスは、気泡(ふくれ)量が1ポンド(0.45kg)当たり1070個の気泡であり、モリブデン電極を用いて製造したガラスは気泡量が1ポンド(0.45kg)当たり126個の気泡であり、88%減少したことが分かった。
炉壁からのジルコニアの溶出を減少させる性質に加えて、本開示によると、モリブデン電極は、「グリーン」ガラスの清澄に使用される物質と適合性であることが分かった。具体的には、Corning IncorporatedのEAGLE XG(登録商標)ガラスで構成されるガラス板などの環境に優しい(グリーン)ディスプレイ品質ガラス板の清澄にヒ素、アンチモン、あるいはヒ素およびアンチモンの両方の代わりに現在使用される清澄剤である酸化スズに対してモリブデン電極は適合性である。一実施形態においては、酸化スズが清澄剤として使用される場合、酸化物基準の重量パーセントの単位でのガラス板中の平均酸化スズ濃度は関係:0.1≦[SnO]≦0.4を満たす。
歴史的には、酸化スズ電極が溶融ガラスの電気加熱に使用される場合、清澄に使用される酸化スズの一部は電極によって供給され、一部はバッチ材料として加えられた。モリブデン電極が酸化スズ電極の代わりに使用される場合、すべての酸化スズがバッチ材料として加えられる。一実施形態においては、酸化鉄を酸化スズと組み合わせて清澄に使用することができる。このような一実施形態において、酸化物基準の重量パーセントの単位でのガラス板中の平均酸化鉄濃度は関係:0.015≦[Fe]≦0.080を満たす。
清澄剤としての酸化スズの使用に対するモリブデン電極の適合性は、熱力学的に元素MoはSnOをSnOに還元し、SnOをSnに還元しうるため、予期せぬことであった。特に、モリブデンの酸素平衡電位は酸化スズの酸素平衡電位よりも十分低いため、熱力学的観点から、モリブデンは酸化スズから酸素を奪うことができる。その清澄機能を果たすためには、スズが酸化される必要があり、したがって溶融装置中のモリブデン電極の存在が、清澄剤としての酸化スズの能力を損なうはずである。
しかし、実際には、バッチ材料を溶融させるためにモリブデン電極が使用されるにもかかわらず、酸化スズは、ディスプレイ品質ガラス板の清澄能力を維持することが分かった。たとえば、モリブデン電極および90ポンド(40.82kg)/時に関して前述した気体介在物量、すなわち、気体介在物>50マイクロメートルの場合の1ポンド(0.45kg)当たり0.005個の欠陥、および気体介在物<50マイクロメートルの場合の1ポンド(0.45kg)当たり0.018個の欠陥が、酸化スズを清澄剤として使用して得られた。操作のなんらかの特定の理論によって拘束されることを望むものではないが、モリブデン電極は酸化スズを熱力学的に不活性化するはずであるが、モリブデン電極の存在下で酸化スズが清澄剤として機能し続けられることに、高流量が重要な役割を果たすと考えられる。特に、Mo/SnO反応の反応速度が十分遅いため、溶融装置を通過する流量が十分に多い場合に、酸化スズが清澄装置中で清澄機能を得るために酸化状態で十分維持されると考えられる。定量的には、商用設定においては、2,000ポンド(907.18kg)/時を超える流量で、熱力学的問題を反応速度によって克服することができる。
清澄剤としての酸化スズに対する適合性を超えて、モリブデン電極は、ガラス溶融物から酸素含有気体介在物を除去する「ゲッター」機能を果たすことによって、ディスプレイ品質ガラス板の清澄に実際に寄与することができる。電極中に存在するときは、モリブデンは金属元素であり、一方、高温の溶融ガラス中では、モリブデンは酸素を取得してMoOおよびMoOとなるため、この機能が得られる。実際、前述のように、熱力学的観点から、金属Moから酸化型Moへの移行は、溶融装置を通過する流量が少なすぎる場合に、酸化スズから酸素を奪うステップを伴うことができる。
モリブデンと反応する酸素源とは無関係に、モリブデン金属の溶融ガラス中への導入は、ガス欠陥を形成するために利用できる酸素が少ないことを意味する。このゲッター活性の結果としてのガス欠陥数の減少は重要である。ガス欠陥の減少の概算は以下のように行うことができる。最初に、ガス欠陥中のガスのモル数は、理想気体の法則を用いて推定することができる。たとえば、温度1600℃、圧力1気圧,および平均欠陥直径50マイクロメートル(すなわち、平均欠陥体積約6.5×10−11リットル)の場合、理想気体の法則による欠陥1つ当たりのガスのモル数は約4.3×10−13モルとなる。欠陥中のガスが酸素であると仮定すると、各欠陥を消費するために約2.9×10−13モルのMoが必要となる。引き出し速度70ポンド(31.75kg)/時の場合、完成ガラス中のMoO濃度5ppmは、約1.1×10−3モル/時の電極からの元素モリブデンの減少に対応する。次にこれは、約3.9×10個のガス欠陥/時の減少に対応し、かなりの数である。
それらの有益な効果に加えて、モリブデン電極は、スズおよび/または鉄を含有する板などのディスプレイ品質ガラス板の透過特性(色を含む)に対する影響が最小限にすぎないことが分かっている。スズおよび鉄との酸化還元反応に関与する性質のため、ガラスへのMoの導入はガラスの色を変化させると推測できた。したがって、鉄および鉄を含有し、種々の量のMoOを加えたEAGLE XG(登録商標)ガラスに関して透過率データを求めた。
200〜800ナノメートルの範囲の波長の結果を図13に示している。この図(および図14)において、最も上の曲線は0重量%のMoOの場合であり、最も下の曲線は0.22重量%のMoOの場合であり、中間の曲線はガラス中のMoO濃度が0.014、0.028、0.4、0.075、0.097、0.10、および0.12重量%の場合である。図14は240〜340ナノメートルの波長範囲をより詳細に示している。
これらの図から分かるように、スペクトルのUV末端においてある程度吸収が増加したが、可視範囲にわたってガラスの透過スペクトルは、ガラス中のMoOの存在によって、この実験で使用した高い値でさえも、実質的に変化しない。特に、これらの図から分かるように、モリブデン電極の使用によってガラス板中に導入されるMoO量、すなわち0.002重量パーセント未満のMoO濃度では、390〜750ナノメートルの波長、すなわち、可視範囲にわたって、板の透過率は90%を超え、かつ1%未満で変動する。
本明細書に開示される溶融炉を使用して製造されるディスプレイ品質ガラス板は、現在周知である、または今後開発される種々の組成を有するガラスで構成されてよい。一般的には、ガラスはSiOおよびAlを含有し、さらに用途に依存して:B、MgO、CaO、SrO、BaO、NaO、KO、およびLiOの少なくとも2つを含有する。ガラスは一般に、少なくとも1550℃、たとえば、少なくとも1600℃の200ポアズ(20Pa・s)温度を有する「硬質」ガラスである。したがって、ガラスのバッチ材料を溶融ガラスに変換するためには、高温の溶融炉が必要であり、溶融ガラスは、1450℃を超える温度、たとえば約1600℃の出口温度を有する炉を離れる。
非限定的な例として、板は液晶およびその他の種類のディスプレイの基板であってよく、Dumbaugh,Jr.らの米国特許第5,374,595号明細書、Chaconらの米国特許第6,319,867号明細書、Ellisonの米国特許第7,534,734号明細書、Danielsonらの米国特許第7,833,919号明細書、Ellisonの米国特許第7,851,394号明細書、Moffattらの米国再発行特許第RE37,920号明細書;およびKohliの米国再発行特許第RE41,127号明細書に開示される種類の組成を有することができ、これらの内容全体が参照により本明細書に援用される。さらなる非限定的な例として、板は電子デバイスのフェースプレートおよび/またはタッチ面の製造に使用することができ、Dejnekaらの米国特許第8,158,543号明細書、Dejnekaらの米国特許出願公開第2011/0045961号明細書、およびBarefootらの米国特許出願公開第2011/0201490号明細書に開示される種類の組成を有することができ、これらの内容全体が参照により本明細書に援用される。ディスプレイガラスおよびフェースプレート/タッチスクリーンガラス用の上記組成は、光起電力装置、および光透過率が重要となる他の装置、たとえば、センサー用途に使用することもできる。上記特許および特許出願に開示される組成に加えて、本明細書に開示される炉は、それらの文献中、および/またはそれらの手続処理中に引用される参考文献中に開示される種類のガラスの溶融に使用することもできる。
本発明の範囲および意図から逸脱しない種々の修正形態は、以上の開示から当業者に明らかとなるであろう。以下の特許請求の範囲は、本明細書に記載の特定の実施形態、ならびにそれらの実施形態の修正形態、変形形態、および均等物に及ぶことが意図される。

Claims (17)

  1. ディスプレイ品質ガラス板の製造方法において:
    (I)炉の中でバッチ材料を溶融させて溶融ガラスを製造するステップと、
    (II)前記溶融したバッチ材料を清澄装置中で清澄するステップと、
    (III)前記清澄した溶融ガラスからガラスリボンを形成するステップと、
    (IV)ガラス板を前記リボンから分離するステップと
    を含み、
    (a)前記炉は、内面であって、その部分が溶融ガラスと接触する内面を有し、
    (b)溶融ガラスと接触する前記内面の前記部分がZrOをその主成分として含み、
    (c)ステップ(I)の前記溶融が、前記溶融ガラスに電流を流すための複数の電極を使用するステップを含み、
    (d)前記複数の電極のそれぞれがモリブデンをその主成分として含み、
    (e)溶融ガラスは速度Rで前記炉を離れて前記清澄装置に入り、ここで定常状態において、Rは関係:
    R≧2,000ポンド(907.18kg)/時
    を満たし、ならびに
    (f)定常状態において、ステップ(IV)で製造された前記ガラス板は:
    (i)前記ガラス板を構成する前記ガラスがアルミナ−シリケートガラスであり、
    (ii)前記ガラス板中のZrOの平均含有量が関係:
    [ZrO]≦0.1
    を満たし、式中、[ZrO]は酸化物基準の重量パーセントの単位であり、
    (iii)前記ガラス板中のMoOの平均含有量が関係:
    0<[MoO]≦0.002
    を満たし、式中、[MoO]は酸化物基準の重量パーセントの単位であり、および
    (iv)いずれの許容できないガラス板も除去する前に、50枚の連続した板の集団の100マイクロメートルを超えるサイズの固体欠陥+ガス欠陥の平均量が、ガラス1ポンド(0.45kg)当たり0.006個以下の欠陥であり、前記ガラス板のそれぞれが、2.0ミリメートル以下の厚さおよび少なくとも10ポンド(4.54kg)の重量を有する、ことを特徴とする、
    ことを特徴とする方法。
  2. (i)ステップ(I)の前記溶融により、水平断面積Afurnaceを有する前記炉の中で、ある体積の溶融ガラスが製造され、
    (ii)定常状態において、平方フィートの単位のAfurnaceをガラスのトン/日の単位のRで割ることによって得られる商Qが関係:
    6≦Q≦7
    を満たすような速度でステップ(IV)において前記リボンから前記板が分離される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. (i)ステップ(I)の前記溶融により、水平断面積Afurnaceを有する前記炉の中で、ある体積の溶融ガラスが製造され、
    (ii)定常状態において、平方フィートの単位のAfurnaceをガラスのトン/日の単位のRで割ることによって得られる商Qが関係:
    <6
    を満たすような速度でステップ(IV)において前記リボンから前記板が分離される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. (i)ステップ(I)で使用される前記炉が底壁および側壁を含み、および
    (ii)前記複数の電極は、前記底壁を通過し、前記側壁とは間隔を空けて配置される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. ステップ(I)中:
    (i)前記複数の電極のそれぞれが、溶融ガラス中に浸漬される第1の部分と、浸漬されない第2の部分とを有し、および
    (ii)各電極の前記第2の部分が不活性ガスで取り囲まれる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記不活性ガスが窒素であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記不活性ガスが酸素を除去するために処理されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  8. (i)ステップ(I)の後およびステップ(IV)の前に、前記溶融ガラスが容器の壁の内面と接触し、前記壁が白金または白金合金を含み、および
    (ii)前記方法が、前記壁を介した外側への水素透過の結果として、前記溶融ガラス中の気体介在物の形成を防止するステップをさらに含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. (i)前記壁が、前記溶融ガラスによって接触される前記内面と反対側の外面を有し、および
    (ii)前記防止するステップが、前記壁を介した外側への水素透過を減少させる、前記外面で水素濃度を発生させる組成を有する雰囲気に前記外面を曝露するステップを含む、
    ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. (i)ステップ(I)における前記バッチ材料の前記溶融に、入力Pが使用され、および
    (ii)Pの少なくとも30パーセントが前記複数の電極によって得られる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  11. 前記炉を離れる前記溶融ガラスの温度が1450℃を超えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  12. 390〜750ナノメートルの波長で、前記ガラス板の透過率が90%を超え、かつ1%未満で変動することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  13. ステップ(II)の前記清澄が、ヒ素またはアンチモンをバッチ材料として使用せずに行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  14. ステップ(I)の前記バッチ材料が、酸化スズをバッチ成分として含み、前記酸化スズがステップ(II)における清澄剤として機能することを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. ステップ(IV)で製造される前記ガラス板中のSnOの平均含有量が関係:
    0.1≦[SnO]≦0.4
    を満たし、式中、[SnO]は酸化物基準の重量パーセントの単位であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. ステップ(I)の前記バッチ材料が酸化鉄をバッチ成分として含み、前記酸化鉄がステップ(II)における清澄剤として機能することを特徴とする請求項14に記載の方法。
  17. ステップ(IV)で製造される前記ガラス板中のFeの平均含有量が関係:
    0.015≦[Fe]≦0.080
    を満たし、式中、[Fe]は酸化物基準の重量パーセントの単位であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
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