JP6128523B2 - 水溶性セレンの化学発光分析方法 - Google Patents

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本発明は、水溶性セレンの化学発光分析方法に関する。さらに詳述すると、本発明は、特に石炭火力発電所から排出される脱硫排水等の水溶性セレン濃度を定量分析するのに好適な水溶性セレンの化学発光分析方法等に関する。
電気事業の分野においては、石炭中に含まれる微量のセレン(Se)に起因して、石炭火力発電所の脱硫排水にセレンが含まれることがある。尚、脱硫排水等の水中において、セレンは、水溶性セレン、即ち亜セレン酸(SeO 2−、Se(IV))及び/又はセレン酸(SeO 2−、Se(VI))の形態で存在している(非特許文献1を参照)。
セレンは、人体の必須元素である一方で、過剰摂取により神経障害や胃腸障害を引き起こし得る有害な元素でもある。したがって、排水中にセレンが溶存していると、人体に悪影響を及ぼす虞がある。そこで、わが国では、平成5年にセレンの水質環境基準(0.01mg−Se/L)が設定され、平成6年に水質汚濁防止法施行令の一部が改正されてセレンの排水基準値として0.1mg−Se/Lが施行された。
ここで、脱硫排水中の水溶性セレン濃度は、使用する炭種等によって変動し得る。したがって、電気事業においては、セレンの排水基準値を遵守するために、脱硫排水中の水溶性セレン濃度を現場で継続的に監視・管理し、水溶性セレン濃度を低減するための適切な対策等を講じる必要がある(例えば、非特許文献2を参照)。
電力中央研究所報告 M04015 惠藤 良弘、中原 敏次:「現場で役立つ無機排水処理技術」、工業調査会、(2005).
本願発明者は、脱硫排水中の水溶性セレン濃度を現場で継続的に監視・管理する手法として、化学発光分析方法を採用することを考えた。具体的には、脱硫排水中の6価セレン(Se(VI))を4価セレン(Se(IV))に還元した後、この4価セレンを強酸性条件下で水素化ホウ素ナトリウムと反応させてセレン化水素ガス(HSe)とし、このセレン化水素ガスにオゾンを接触させて励起させることで生じる化学発光の強度を測定することによって、脱硫排水中の水溶性セレン濃度を分析することが可能と考えた。
しかしながら、本願発明者が検討した結果、脱硫排水中の水溶性セレン濃度の分析に化学発光分析方法を採用すると、水溶性砒素と有機物が妨害成分として作用し、水溶性セレン濃度の分析ができないことが明らかとなった。
即ち、脱硫排水中には、石炭中に含まれる微量の砒素に起因して、水溶性砒素が含まれることがある。脱硫排水中の4価セレンを強酸性条件下で水素化ホウ素ナトリウムと反応させる際に、脱硫排水中に水溶性砒素が存在していると、セレン化水素ガスと共にアルシンガス(AsH)が発生する。そして、これらのオゾンを接触させると、セレン化水素由来の化学発光とアルシン由来の化学発光が生じるが、これらの化学発光スペクトルは極めて幅広い波長領域に存在し、波長特異性が無いことから分離ができない。加えて、アルシン由来の化学発光強度はセレン化水素由来の化学発光強度よりも100倍程度高い。したがって、脱硫排水中に水溶性砒素が存在していると、水溶性セレンを定量分析できないことが明らかになった。
また、脱硫排水中には、水溶性砒素だけでなく有機物も存在することがある。脱硫排水中に水溶性砒素と有機物とが存在している場合、水溶性砒素が水溶性セレンの化学発光分析の際に妨害成分として作用することに加えて、4価セレンを水素化ホウ素ナトリウムと反応させてセレン化水素ガスとする際に、有機物がこの反応の妨害成分として作用することが明らかとなった。
したがって、脱硫排水中の水溶性セレン濃度の分析に化学発光分析方法を採用することは困難であると考えられた。
しかしながら、化学発光分析方法は、ICP(誘導結合プラズマ)発光分析や原子吸光高度分析等のように大がかりな分析装置を利用することなく、PMT(光電子増倍管)等を備えた比較的コンパクトな分析装置を利用して実施することが可能であり、しかも安価且つ簡易迅速に実施し得る。したがって、脱硫排水中の水溶性セレン濃度の分析に化学発光分析方法を採用することは極めて有意義であると考えられる。
ここで、水溶性セレンは、脱硫排水だけでなく、セレンを含む工業製品等を製造等する過程において排出される排水やセレンを含む工業製品等の使用や廃棄等によって環境中に溶出する溶出水、さらには石炭灰処分場溶出水等にも含まれ得る。これらのような排水や溶出水等においても、水溶性砒素、さらには有機物が含まれる可能性がある。したがって、脱硫排水に限らず、水溶性セレンを含む溶液全般について、水溶性砒素、さらには有機物に妨害されることなく、化学発光分析方法を採用して水溶性セレン濃度を分析する手法を確立することが望ましいと考えられる。
そこで、本発明は、水溶性セレン含有溶液の水溶性セレン濃度を、水溶性砒素、さらには有機物に妨害されることなく、化学発光分析する方法及びシステムを提供することを目的とする。
また、本発明は、水溶性セレン含有溶液の水溶性セレン濃度を、水溶性砒素、さらには有機物に妨害されることなく、化学発光分析するための試料の調製方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本願発明者が鋭意検討を行った結果、6価セレンと5価砒素が混在している場合、水素化ホウ素ナトリウムは6価セレンとは反応せず、5価砒素のみと反応してアルシン(AsH)を発生させることを知見した。本願発明者は、この知見に基づいて種々検討を重ね、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の水溶性セレンの化学発光分析方法は、水溶性砒素及び有機物が混在する若しくは混在する虞のある水溶性セレン含有溶液、又は水溶性砒素が混在する若しくは混在する虞のある水溶性セレン含有溶液を過マンガン酸塩及び硫酸の存在下で加熱する酸化・強酸性化工程と、酸化・強酸性化工程後の水溶性セレン含有溶液を水素化ホウ素ナトリウムと接触させる第一水素化工程と、第一水素化工程後の水溶性セレン含有溶液を塩酸の存在下で加熱する還元工程と、還元工程後の水溶性セレン含有溶液を水素化ホウ素ナトリウムと接触させる第二水素化工程と、第二水素化工程において生じるセレン化水素ガスにオゾンを導入するオゾン導入工程と、オゾン導入工程によりセレン化水素ガスとオゾンが反応して生じる化学発光を測定する測定工程とを含むようにしている。
また、本発明の水溶性セレンの化学発光分析システムは、水溶性砒素及び有機物が混在する若しくは混在する虞のある水溶性セレン含有溶液、又は水溶性砒素が混在する若しくは混在する虞のある水溶性セレン含有溶液が過マンガン酸塩及び硫酸の存在下で加熱される酸化・強酸性化手段と、酸化・強酸性化手段で処理された水溶性セレン含有溶液に水素化ホウ素ナトリウムが供給される第一水素化手段と、第一水素化手段で処理された水溶性セレン含有溶液が塩酸の存在下で加熱される還元手段と、還元手段で処理された水溶性セレン含有溶液に水素化ホウ素ナトリウムが供給される第二水素化手段と、第二水素化手段において生じるセレン化水素ガスにオゾンが導入されるオゾン導入手段と、オゾン導入手段によりセレン化水素ガスとオゾンが反応して生じる化学発光が測定される測定装置とを有するものとしている。
次に、本発明の水溶性セレンの化学発光分析用試料の調製方法は、水溶性砒素及び有機物が混在する若しくは混在する虞のある水溶性セレン含有溶液、又は水溶性砒素が混在する若しくは混在する虞のある水溶性セレン含有溶液を過マンガン酸塩及び硫酸の存在下で加熱する酸化・強酸性化工程と、酸化・強酸性化工程後の水溶性セレン含有溶液を水素化ホウ素ナトリウムと接触させる第一水素化工程と、第一水素化工程後の前記水溶性セレン含有溶液を塩酸の存在下で加熱する還元工程とを含むようにしている。
本発明の水溶性セレンの化学発光分析方法及びシステムによれば、水溶性砒素及び有機物が混在する若しくは混在する虞のある水溶性セレン含有溶液、又は水溶性砒素が混在する若しくは混在する虞のある水溶性セレン含有溶液の水溶性セレン濃度を、水溶性砒素、さらには有機物に妨害されることなく、化学発光分析することが可能となる。したがって、脱硫排水等の水溶性セレン含有溶液の水溶性セレン濃度を現場で継続的に監視・管理するのに適した方法およびシステムを提供することが可能となる。
また、本発明の水溶性セレンの化学発光分析用試料の調製方法によれば、水溶性砒素及び有機物が混在する若しくは混在する虞のある水溶性セレン含有溶液、又は水溶性砒素が混在する若しくは混在する虞のある水溶性セレン含有溶液の水溶性セレン濃度を、水溶性砒素、さらには有機物に妨害されることなく、化学発光分析するための試料を調製することが可能となる。
本発明の水溶性セレンの化学発光分析方法の工程概略図である。 本発明の水溶性セレンの化学発光分析システムの構成概略図である。 実施例において使用した化学発光分析システムの構成概略図である。 初期pHを各種変動させた際の3価砒素、5価砒素、4価セレン及び6価セレンの水素化ホウ素ナトリウムとの反応性について検討した結果を示す図である。 石炭火力発電所から排出される脱硫排水に対して本発明の水溶性セレンの化学発光分析方法を適用する際の工程フローである。 実施例において、脱硫排水中の水溶性砒素を化学発光分析した際の工程フローである。 実施例において、脱硫排水中の水溶性セレンを化学発光分析した際の工程フローである。 標準試料を用いた水溶性砒素と水溶性セレンの分別定量の検討における、水溶性砒素の測定結果である。 標準試料を用いた水溶性砒素と水溶性セレンの分別定量の検討における、水溶性砒素の検量線である。 標準試料を用いた水溶性砒素と水溶性セレンの分別定量の検討における、水溶性セレンの測定である。 標準試料を用いた水溶性砒素と水溶性セレンの分別定量の検討における、水溶性セレンの検量線である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の水溶性セレンの化学発光分析方法の工程概略図を図1に示す。本発明の水溶性セレンの化学発光分析方法は、酸化・強酸性化工程(S1)、第一水素化工程(S2)、還元工程(S3)、第二水素化工程(S4)、オゾン導入工程(S5)及び測定工程(S6)を含むようにしている。
本発明の水溶性セレンの化学発光分析方法は、大まかには、2つの工程に分類される。即ち、酸化・強酸性化工程(S1)〜還元工程(S3)が水溶性セレンの化学発光分析用試料の調製工程であり、第二水素化工程(S4)〜測定工程(S6)がセレン化水素を発生させて化学発光分析を行う工程である。
次に、本発明の水溶性セレンの化学発光分析方法を実施するためのシステムの一例を図2に示す。図2に示す水溶性セレンの化学発光分析システム1は、水溶性砒素及び有機物が混在する若しくは混在する虞のある水溶性セレン含有溶液、又は水溶性砒素が混在する若しくは混在する虞のある水溶性セレン含有溶液が過マンガン酸塩及び硫酸の存在下で加熱される酸化・強酸性化手段10と、酸化・強酸性化手段10で処理された水溶性セレン含有溶液に水素化ホウ素ナトリウムが供給される第一水素化手段20と、第一水素化手段20で処理された水溶性セレン含有溶液が塩酸の存在下で加熱される還元手段30と、還元手段30で処理された水溶性セレン含有溶液に水素化ホウ素ナトリウムが供給される第二水素化手段40と、第二水素化手段40において生じるセレン化水素ガスにオゾンが導入されるオゾン導入手段50と、オゾン導入手段50によりセレン化水素ガスとオゾンが反応して生じる化学発光が測定される測定装置60とを有するものとしている。
以下、本発明の分析方法及び分析システムについて、さらに詳細に説明する。
<分析対象試料>
本発明の分析方法および分析システムでは、水溶性砒素及び有機物が混在する若しくは混在する虞のある水溶性セレン含有溶液、又は水溶性砒素が混在する若しくは混在する虞のある水溶性セレン含有溶液を、分析対象試料としている。
水溶性砒素及び有機物が混在する若しくは混在する虞のある水溶性セレン含有溶液とは、水溶性砒素及び有機物が混在し且つ水溶性セレンを含む溶液、又は水溶性砒素及び有機物が混在する可能性があり且つ水溶性セレンを含む溶液である。
また、水溶性砒素が混在する若しくは混在する虞のある水溶性セレン含有溶液とは、水溶性砒素が混在し且つ水溶性セレンを含む溶液、又は水溶性砒素が混在する可能性があり且つ水溶性セレンを含む溶液である。
ここで、セレン(Se)は、水中において、亜セレン酸(SeO 2−、Se(IV))及びセレン酸(SeO 2−、Se(VI))の形態で存在する。したがって、水溶性セレンを含む溶液には、亜セレン酸及びセレン酸の少なくともいずれか一方(換言すれば、4価セレン及び6価セレンの少なくともいずれか一方)が含まれている。
また、砒素(As)は、水中において、亜砒酸(AsO 3−、As(III))及び砒酸(AsO 3−、As(V))の形態で存在する。したがって、水溶性砒素を含む(水溶性砒素が混在する)溶液には、亜砒酸及び砒酸の少なくともいずれか一方(換言すれば、3価砒素及び5価砒素の少なくともいずれか一方)が含まれている。
分析対象試料は、酸化・強酸性化手段10の第一容器11に収容されて、酸化・強酸性化工程(S1)に供される。
<酸化・強酸性化工程(S1)>
酸化・強酸性化工程(S1)では、分析対象試料を過マンガン酸塩及び硫酸の存在下で加熱して、分析対象試料に含まれ得る有機物を酸化分解すると共に、3価砒素及び4価セレンをそれぞれ5価砒素及び6価セレンに酸化し、且つ分析対象試料を強酸性条件とする。
酸化・強酸性化工程(S1)は、例えば、図2に示す化学発光分析システム1の酸化・強酸性化手段10によって実施される。この酸化・強酸性化手段10は、分析対象試料を収容する第一容器11と、第一容器11に過マンガン酸塩を供給する過マンガン酸塩供給手段12と、第一容器11に硫酸を供給する硫酸供給手段13と、ヒーター14と、分析対象試料を第一容器11から第二容器21に送液する第一送液ライン15とを有している。
過マンガン酸塩供給手段12からは、過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸塩の水溶液が、例えばプランジャポンプ等(不図示)により第一容器11に供給される。過マンガン酸塩水溶液の過マンガン酸塩濃度及び供給量は、分析対象試料に含まれ得る有機物を酸化分解することができ、且つ3価砒素及び4価セレンをそれぞれ5価砒素及び6価セレンに酸化することができる限り、特に限定されるものではない。
硫酸供給手段13からは、硫酸の水溶液が、例えばプランジャポンプ等(不図示)により第一容器11に供給される。硫酸水溶液の硫酸濃度及び供給量は、過マンガン酸塩による酸化反応を促進でき、且つ分析対象試料を強酸性条件(pH1以下、好適にはpH0.5以下)に調整できる限り、特に限定されるものではない。
過マンガン酸塩水溶液と硫酸水溶液が供給された分析対象試料は、例えばペリスタルティックポンプ等(不図示)により、第一送液ライン15を介して第一容器11から第二容器21に送液される。分析対象試料は、第一容器11から第二容器21に第一送液ライン15を介して送液される過程で、ヒーター14により加熱される。
本実施形態において、第一送液ライン15は、PTFE製キャピラリー等の細管とし、細管をヒーター14に巻き付けて細管を加熱することで、分析対象試料が細管を流通する過程で加熱されるようにしている。加熱温度は、100〜120℃とすることが好適であり、100℃とすることがより好適である。加熱時間は、例えば20分間程度とすることが好適である。但し、加熱温度及び加熱時間は、分析対象試料中の3価砒素及び4価セレンをそれぞれ5価砒素及び6価セレンに酸化し、且つ分析対象試料を強酸性条件とすることができる限り、特に限定されるものではない。尚、加熱時間は、細管の長さや径を調節すること、細管内を流れる分析対象試料の流量を調整することで、制御可能である。このような構成とすることで、分析対象試料の加熱効率が向上して測定の再現性が高くなるだけでなく、水溶性セレン濃度を連続して監視できるプロセスモニターに適用し易くなる。
酸化・強酸性化工程(S1)終了後の分析対象試料は、第一水素化手段20の第二容器21に収容されて、第一水素化工程(S2)に供される。
<第一水素化工程(S2)>
第一水素化工程(S2)では、酸化・強酸性化処理工程(S1)後の分析対象試料に混在する又は混在する可能性のある5価砒素を水素化し、分析対象試料から除去する。
分析対象試料中に5価砒素と6価セレンが含まれる場合、強酸性条件の分析対象試料に水素化ホウ素ナトリウムを供給すると、水素化ホウ素ナトリウムは6価セレンと反応することなく5価砒素のみと反応し、5価砒素をアルシン(AsH)に変換(還元)する。アルシンは気体であり、液体の分析対象試料から放出されて除去される。これにより、分析対象試料から5価砒素が除去され、6価セレンは残留する。ここで、酸化・強酸性化工程(S1)において、水溶性砒素は全て5価砒素に酸化されていることから、第一水素化工程(S2)により、分析対象試料に混在する水溶性砒素は全て除去されることになる。
第一水素化工程(S2)は、例えば、図2に示す化学発光分析システム1の第一水素化手段20によって実施される。この第一水素化手段20は、第一容器11から送液された分析対象試料を収容する密閉構造の第二容器21と、第二容器21に水素化ホウ素ナトリウムを供給する第一の水素化ホウ素ナトリウム供給手段22とを有している。尚、分析対象試料から放出されたアルシンは、除害装置23に導入されて無害化処理される。除害装置23へのアルシンの導入は、第二容器21のヘッドスペースと除害装置23を接続する第一配管24を介して行われる。尚、図示省略しているが、アルシンを除外装置23に送気するために、第二容器21内の分析対象試料に空気や不活性ガス等を供給するようにしてもよい。
第一の水素化ホウ素ナトリウム供給手段22からは、水素化ホウ素ナトリウムをアルカリ溶媒に溶解した水素化ホウ素ナトリウム溶液が供給される。水素化ホウ素ナトリウム溶液は、酸性・中性条件下では劣化するので、アルカリ条件で用いることが好ましい。アルカリ溶媒としては、例えば0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液が挙げられるが、これに限定されるものではない。
水素化ホウ素ナトリウム溶液の水素化ホウ素ナトリウム濃度及び供給量は、分析対象試料に含まれ得る5価砒素全量をアルシンに変換(還元)することができる限り、特に限定されるものではない。
尚、水素化ホウ素ナトリウムを5価砒素全量に対して過剰に供給したとしても、分析対象試料は酸化・強酸性化工程(S1)において強酸性条件に調整されていることから、余剰分の水素化ホウ素ナトリウムは、以下の反応により分解する。したがって、5価砒素のアルシンへの変換(還元)に利用されなかった余剰分の水素化ホウ素ナトリウムは、第一水素化工程(S2)において分解され、以降の工程において悪影響を及ぼすことはない。
NaBH + 2HO → 4H + NaBO
第一水素化工程(S2)終了後の分析対象試料は、第二容器21に収容されたまま、還元工程(S3)に供される。
<還元工程(S3)>
還元工程(S3)では、第一水素化工程(S2)後の分析対象試料に含まれる6価セレンを4価セレンに還元する。これにより、次工程(S4)において、4価セレンが水素化ホウ素ナトリウムと反応してセレン化水素に変換(還元)される。尚、6価セレンは水素化ホウ素ナトリウムとは反応しない。
還元工程(S3)は、例えば、図2に示す化学発光分析システム1の還元手段30によって実施される。この還元手段30は、第二容器21に塩酸を供給する塩酸供給手段31と、ヒーター32と、分析対象試料を第二容器21から第三容器41に送液する第二送液ライン33とを有している。
塩酸供給手段31からは、塩酸水溶液が、例えばプランジャポンプ等(不図示)により第二容器21に供給される。塩酸水溶液の塩酸濃度及び供給量は、分析対象試料に含まれる6価セレンの全量を4価セレンに還元することができる限り、特に限定されるものではない。
塩酸水溶液が供給された分析対象試料は、例えばペリスタルティックポンプ等(不図示)により、第二送液ライン33を介して第二容器21から第三容器41に送液される。分析対象試料は、第二容器21から第三容器41に第二送液ライン33を介して送液される過程で、ヒーター32により加熱される。
本実施形態において、第二送液ライン33は、酸化・強酸性化手段10と同様、PTFE製キャピラリー等の細管とし、細管をヒーター32に巻き付けて細管を加熱することで、分析対象試料が細管を流通する過程で加熱されるようにしている。加熱温度は、100〜120℃とすることが好適であり、100℃とすることがより好適である。加熱時間は、例えば20分間程度とすることが好適である。但し、加熱温度及び加熱時間は、分析対象試料に含まれる6価セレンの全量を4価セレンに還元することができる限り、特に限定されるものではない。尚、加熱時間は、細管の長さや径を調節すること、細管内を流れる分析対象試料の流量を調整することで、制御可能である。
還元工程(S3)終了後の分析対象試料は、第二水素化手段40の第三容器41に収容されて、第二水素化工程(S4)に供される。
<第二水素化工程(S4)>
第二水素化工程(S4)では、還元工程(S3)後の分析対象試料に含まれる4価セレンを水素化ホウ素ナトリウムと反応させてセレン化水素に変換(還元)する。
第二水素化工程(S4)は、例えば、図2に示す化学発光分析システム1の第二水素化手段40によって実施される。この第二水素化手段40は、第二容器21から送液された分析対象試料を収容する密閉構造の第三容器41と、第三容器41に水素化ホウ素ナトリウムを供給する第二の水素化ホウ素ナトリウム42と、第三容器41を冷却する冷却装置43とを有している。
第二の水素化ホウ素ナトリウム供給手段42からは、水素化ホウ素ナトリウムをアルカリ溶媒に溶解した水素化ホウ素ナトリウム溶液が供給される。水素化ホウ素ナトリウム溶液は酸性・中性条件下では劣化するので、アルカリ条件で用いることが好ましい。アルカリ溶媒としては、例えば0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液が挙げられるが、これに限定されるものではない。
水素化ホウ素ナトリウム溶液の水素化ホウ素ナトリウム及び供給量は、分析対象試料に含まれ得る4価セレン全量をセレン化水素に変換(還元)することができる限り、特に限定されるものではない。尚、分析対象試料には、酸化・強酸性化工程(S1)で硫酸が供給され、還元工程(S3)で塩酸が供給されているので、第二水素化工程(S4)に供される分析対象試料は強酸性条件に調整されており、4価セレンは水素化ホウ素ナトリウムとの反応により円滑にセレン化水素に変換(還元)される。
冷却装置43は、第三容器41を氷水等で冷却する装置である。冷却装置43を備えることで、第三容器41における水蒸気の発生を抑えることができる。水蒸気の発生を抑えることにより、次工程(S5)において、セレン化水素ガスの励起源として用いられるオゾンが水蒸気と反応して、セレン化水素ガスの励起効率が低下するのを抑えることができる。
第二水素化工程(S4)にて発生したセレン化水素ガスは、オゾン導入工程(S5)に供される。
<オゾン導入工程(S5)>
オゾン導入工程(S5)では、第二水素化工程(S4)にて発生したセレン化水素ガスにオゾンを導入して、セレン化水素ガスとオゾンを混合する。
オゾン導入工程(S5)は、例えば、図2に示す化学発光分析システム1のオゾン導入手段50によって実施される。このオゾン導入手段50は、第三容器41に収容されている分析対象試料に空気を供給する空気供給装置51と、コールドトラップ52と、第三容器41のヘッドスペースとコールドトラップ52を接続する第二配管53と、コールドトラップ52と測定手段60のセル61を接続する第三配管54と、第三配管54内にオゾンを供給するオゾン供給装置55とを有している。
空気供給装置51からは、第三容器41に収容されている分析対象試料に空気が供給される。これにより、ヘッドスペース内のガスが第二配管53を介してコールドトラップ52に送気され、第三配管54を介してセル61の内部に送気される。尚、空気供給装置51に代えて、不活性ガス供給装置等を用いてもよい。
コールドトラップ52では、第三容器41のヘッドスペースから送気されたガスに含まれる水蒸気がトラップされる。これにより、セレン化水素ガスの励起源として用いられるオゾンが水蒸気と反応して、セレン化水素ガスの励起効率が低下するのを抑えることができる。つまり、第二水素化手段40の冷却装置43と、オゾン導入手段50のコールドトラップ52とによって、第三配管54を通過するガスに含まれる水蒸気量を抑えることができ、セレン化水素ガスの励起効率を向上させて、測定精度を向上させることができる。
第三配管54内には、オゾン供給装置55によりオゾンが供給される。これにより、第三配管54を通過するセレン化水素ガスとオゾンが混合する。
オゾン導入工程(S5)においてオゾンが混合されたセレン化水素ガスは、セル61に導入され、測定工程(S6)に供される。
<測定工程(S6)>
測定工程(S6)では、オゾン導入工程(S5)によりオゾンが混合されたセレン化水素ガスが、オゾンと反応して生じる化学発光を測定する。
測定工程(S6)は、例えば、図2に示す化学発光分析システム1の測定手段60によって実施される。この測定手段60は、オゾンが混合されたセレン化水素ガスが導入されるセル61と、セレン化水素とオゾンの反応により生じる化学発光を測定する測定装置62とを有している。測定装置62は、例えば光電子増倍管62等である。
セレン化水素とオゾンの反応により生じる化学発光を測定することで、分析対象試料に含まれている水溶性セレンの検出・定量を行うことが可能となる。つまり、セレン化水素とオゾンの反応により生じる化学発光の有無によって、分析対象試料に水溶性セレンが含まれているか否かを判断することが可能である。また、セレン化水素とオゾンの反応により生じる化学発光の強度によって、分析対象試料中の水溶性セレン濃度を定量することが可能となる。
化学発光後にセル61内に残留するガス等は、セル61に収容したガス捕捉溶液に捕捉されて回収される。ガス捕捉溶液としては、例えばヨウ化カリウム指示薬を添加したアスコルビン酸水溶液等が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、化学発光後にセル61内に残留するガス等は、他の方法、例えば、活性炭カラムや加熱チューブを通す熱処理で回収・除害するようにしても構わない。
上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
例えば、上述の実施形態では、分析対象試料を第一送液ライン15及び第二送液ライン33において加熱するようにしていたが、第一送液ライン15ではなく、第一容器11内にてヒーターにより加熱するようにしてもよい。また、第二容器21内にてヒーターにより加熱するようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、第一の水素化ホウ素ナトリウム供給手段22と第二の水素化ホウ素ナトリウム供給手段42を備えるようにしていたが、水素化ホウ素ナトリウム供給手段を1つとし、この水素化ホウ素ナトリウム供給手段から、第二容器21と第三容器41の双方に水素化ホウ素ナトリウム溶液の供給を行うようにしてもよい。
さらに、上述の実施形態では、水溶性砒素由来のアルシンを除害装置23により除害するようにしていたが、このアルシンをオゾンと反応させて化学発光させ、この化学発光を測定するようにしてもよい。この場合、分析対象試料に含まれる水溶性砒素の検出・定量を行うことも可能となる。アルシンとオゾンの反応による化学発光を測定する場合には、上述の実施形態におけるオゾン導入手段50と測定手段60をアルシン由来の化学発光を分析するために付加し、第一配管24を通過するアルシンガスがコールドトラップ52に導入されるようにすればよい。
また、上述の実施形態では、第三容器41を冷却する冷却装置43やコールドトラップ52等を備えることにより、セレン化水素ガスの励起効率を向上させるようにしていたが、これらは必須の構成ではなく、これらを省略したとしても水溶性セレンを定量分析することは可能である。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に限られるものではない。
1.実験装置
本実施例においては、図3に示す化学発光分析システム1aを用いて実験を行った。具体的には、SIA(シーケンシャルインジェクション分析)システム70を用い、必要に応じて反応チューブ41により試料・薬液供給を行うようにした。
冷却装置43は氷水を入れた容器とし、これに気化チューブ41を浸漬した。
空気供給装置51は、空気圧縮機51aと、エアーポンプ51bと、フローメーター51cとにより構成し、圧縮空気を反応チューブ41内の試料に150mL/分で供給するようにした。
オゾン導入手段55は、エアーポンプ55aと、シリカゲル55bと、フローメーター55cと、オゾン発生器55dとにより構成し、チェックバルブ54aと第三配管54との間に設けられたT字管54bを介して、300mL/分でオゾンを供給するようにした。
コールドトラップ52は、ガーゼ54bを収容した1.5mLサンプリングチューブ54aを氷水に浸漬したものとし、反応チューブ41内で発生したガスが、第二配管53、サンプリングチューブ54a、及びチェックバルブ54aの順で通過するようにした。
セル61は、PVC(ポリ塩化ビニル)製のキャップ65aが一端に取り付けたPVC(ポリ塩化ビニル)製のパイプ65b内に収容し、化学発光を光電子増倍管62で測定した。
2.試料のpH依存性
初期pHを0〜12の範囲で各種変動させた3価砒素標準水溶液、5価砒素標準水溶液、4価セレン標準水溶液、又は6価セレン標準水溶液を試料とし、0.7M水素化ホウ素ナトリウム水溶液(0.01M NaOH水溶液希釈)を薬液として、化学発光分析を行い、化学発光強度のpH依存性について検討した。
その結果を図4に示す。図4に示す結果から、砒素は3価も5価も気化が可能であった。これに対し、セレンは4価のみ気化が可能であった。また、この結果から、試料を強酸性条件(pH1以下、好適にはpH0.5)とすることによって、3価砒素、5価砒素及び4価セレンを気化させることが可能であることがわかった。さらにこの結果から、3価砒素を酸化して5価砒素とし、4価セレンを酸化して6価セレンとして、試料中に5価砒素と6価セレンが混在している状態とし、且つ試料を強酸性条件(pH1以下、好適にはpH0.5)とすることによって、5価砒素のみを選択的に気化させることが可能であることがわかった。
3.標準試料を用いた水溶性砒素と水溶性セレンの分別定量の検討
図1及び図5に示す工程フローに基づき、標準試料1〜3を図6に示す工程フローで処理して水溶性砒素の化学発光分析を行った。また、標準試料1〜3を図7に示す工程フローで処理して水溶性セレンの化学発光分析を行った。水素化ホウ素ナトリウム溶液の添加速度は0.1mL/秒とした。
(a)標準試料1:3価砒素濃度5μg/L、4価セレン濃度25μg/L
(b)標準試料2:3価砒素濃度10μg/L、4価セレン濃度50μg/L
(c)標準試料3:3価砒素濃度20μg/L、4価セレン濃度100μg/L
結果を図8〜図11に示す。図8が水溶性砒素の測定結果、図9が水溶性砒素の検量線、図10が水溶性セレンの測定結果、図11が水溶性セレンの検量線である。これらの結果から、水素化ホウ素ナトリウム溶液の量を1mL、濃度を0.6M、添加速度を0.1mL/秒として、水溶性砒素と水溶性セレンの定量を行うと、水溶性セレンの検出限界は3.2μg/L、水溶性砒素の検出限界は0.49μg/Lとなることが明らかとなった。このことから、セレンの排水基準値である0.1mg/Lに対して十分に本発明の分析方法を適用できることが明らかとなった。尚、標準試料1〜3から4価セレンを除いた試料を図6に示す工程フローで処理して水溶性砒素の化学発光分析を行った場合、及び標準試料1〜3から3価砒素を除いた試料を図7に示す工程フローで処理して水溶性セレンの化学発光分析を行った場合のいずれにおいても、上記と同様の結果が得られたことから、水溶性砒素と水溶性セレンが混在する試料の水溶性セレン濃度(さらには水溶性砒素)の分析における本発明の分析方法の有効性が示された。
4.脱硫排水を用いた水溶性砒素と水溶性セレンの分別定量の検討
石炭火力発電所から排出された6種の脱硫排水について、図6に示す工程フローと図7に示す工程フローとを実施し、水溶性砒素と水溶性セレンの分別定量を行った。また、比較データとして、FI−HG−AFS(フローインジェクション−水素化物発生−原子蛍光分析法)により水溶性セレンの測定を行った。結果を表1に示す。
本発明の分析方法による水溶性セレン濃度は、FI−HG−AFSによる水溶性セレン濃度と類似した結果となり、本発明の分析方法により得られた結果は十分に妥当性のある結果であることが明らかとなった。
1 化学発光分析システム
10 酸化・強酸性化手段
20 第一水素化手段
30 還元手段
40 第二水素化手段
50 オゾン導入手段
60 測定手段

Claims (3)

  1. 水溶性砒素及び有機物が混在する若しくは混在する虞のある水溶性セレン含有溶液、又は水溶性砒素が混在する若しくは混在する虞のある水溶性セレン含有溶液を過マンガン酸塩及び硫酸の存在下で加熱する酸化・強酸性化工程と、
    前記酸化・強酸性化工程後の前記水溶性セレン含有溶液を水素化ホウ素ナトリウムと接触させる第一水素化工程と、
    前記第一水素化工程後の前記水溶性セレン含有溶液を塩酸の存在下で加熱する還元工程と、
    前記還元工程後の前記水溶性セレン含有溶液を水素化ホウ素ナトリウムと接触させる第二水素化工程と、
    前記第二水素化工程において生じるセレン化水素ガスにオゾンを導入するオゾン導入工程と、
    前記オゾン導入工程によりセレン化水素ガスとオゾンが反応して生じる化学発光を測定する測定工程と
    を含むことを特徴とする水溶性セレンの化学発光分析方法。
  2. 水溶性砒素及び有機物が混在する若しくは混在する虞のある水溶性セレン含有溶液、又は水溶性砒素が混在する若しくは混在する虞のある水溶性セレン含有溶液が過マンガン酸塩及び硫酸の存在下で加熱される酸化・強酸性化手段と、
    前記酸化・強酸性化手段で処理された前記水溶性セレン含有溶液に水素化ホウ素ナトリウムが供給される第一水素化手段と、
    前記第一水素化手段で処理された前記水溶性セレン含有溶液が塩酸の存在下で加熱される還元手段と、
    前記還元手段で処理された前記水溶性セレン含有溶液に水素化ホウ素ナトリウムが供給される第二水素化手段と、
    前記第二水素化手段において生じるセレン化水素ガスにオゾンが導入されるオゾン導入手段と、
    前記オゾン導入手段によりセレン化水素ガスとオゾンが反応して生じる化学発光が測定される測定装置と
    を有することを特徴とする水溶性セレンの化学発光分析システム。
  3. 水溶性砒素及び有機物が混在する若しくは混在する虞のある水溶性セレン含有溶液、又は水溶性砒素が混在する若しくは混在する虞のある水溶性セレン含有溶液を過マンガン酸塩及び硫酸の存在下で加熱する酸化・強酸性化工程と、
    前記酸化・強酸性化工程後の前記水溶性セレン含有溶液を水素化ホウ素ナトリウムと接触させる第一水素化工程と、
    前記第一水素化工程後の前記水溶性セレン含有溶液を塩酸の存在下で加熱する還元工程と
    を含むことを特徴とする水溶性セレンの化学発光分析用試料の調製方法。
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