JP6127657B2 - 回転砥石のツルーイング方法及びそのツルーイング方法を実施するための研削盤 - Google Patents
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Description
ワーク回転軸に対して前記円錐面を有するワークを前記ワーク回転軸回りに回転させながら、前記ワークの円錐面に、研削盤の回転砥石の外周面を当接させて前記円錐面を研削するための前記回転砥石をツルアを用いてツルーイングする、回転砥石のツルーイング方法であって、
前記回転砥石の外周面における当該回転砥石の軸方向の一端側から他端側に向けて、前記回転砥石に対する前記ツルアの位置を、前記回転砥石の外周面に沿って相対的に移動させながら前記回転砥石の外周面をツルーイングする際に、
前記ワークの円錐面の小径部を研削する前記回転砥石の外周面の位置をツルーイングする際の前記ツルアの相対移動速度よりも、前記ワークの円錐面の大径部を研削する前記回転砥石の外周面の位置をツルーイングする際の前記ツルアの相対移動速度を遅くする構成であり、
前記ワークの円錐面の小径部を研削する前記回転砥石の外周面の位置から、前記ワークの円錐面の大径部を研削する前記回転砥石の外周面の位置に向かって、前記ツルアを相対移動させるとともに前記ツルアの相対移動速度を徐々に遅くする、
あるいは、前記ワークの円錐面の大径部を研削する前記回転砥石の外周面の位置から、前記ワークの円錐面の小径部を研削する前記回転砥石の外周面の位置に向かって、前記ツルアを相対移動させるとともに前記ツルアの相対移動速度を徐々に速くする構成であり、
前記回転砥石は、砥石回転軸に対して平行な外周面を有する円筒形状である。
図1に示すように、研削盤1は、基台10と、基台10上でZ軸方向に往復移動可能な主軸テーブル11と、基台10上でX軸方向に往復移動可能な旋回台12と、を備えており、旋回台12はY軸と平行な旋回軸ZS回りに旋回可能である。なお、各可動体等を制御する制御手段(数値制御装置等)については、図示省略する。
主軸テーブル11は、Z軸駆動モータ11Mと送りねじにてZ軸方向に往復移動し、制御手段はエンコーダ等の位置検出手段11Eからの信号を検出しながらZ軸駆動モータ11Mに制御信号を出力して主軸テーブル11のZ軸方向の位置決めを行う。
旋回台12は、X軸駆動モータ12Mと送りねじにてX軸方向に往復移動し、制御手段はエンコーダ等の位置検出手段12Eからの信号を検出しながらX軸駆動モータ12Mに制御信号を出力して旋回台12のX軸方向の位置決めを行う。
センタ部材21は主軸22に設けられ、主軸22には図示しない駆動モータが設けられており、制御手段は、センタ部材21の先端をとおるワーク回転軸ZW回りに主軸22を、任意の角速度で任意の角度まで回転させることができる。
センタ部材31は心押軸32に設けられ、心押軸32は回転可能または回転不能に支持されている。
そして旋回台12上には、プレーン砥石TP(回転砥石に相当)を備えたプレーン砥石装置50が旋回モータ13を挟むように配置されている。
なお、プレーン砥石TPの回転軸である砥石回転軸ZTPは旋回軸ZSに直交する面内に位置する。
プレーン砥石TPは、砥石回転軸ZTP方向における一方の方向の端部に取り付けられている(図1では、プレーン砥石TPは、右側の端部に取り付けられている)。
また、プレーン砥石TPは砥石駆動モータ50Mからベルト50Bを介して回転駆動される。
また、研削盤1には、ワークWとプレーン砥石TPとの接触個所(研削点)の近傍にクーラントを供給するクーラントノズルが設けられているが図示省略する。
プレーン砥石TPは、その外周面である研削面TP1の軸方向の長さがワークWの円錐面WCの母線WL(図2参照)の長さと略等しい。
研削盤1は、図3に示すようにプレーン砥石TPの研削面TP1の位置がワークWの円錐面WCを研削するプレーン砥石TPの加工位置(プレーン砥石TPの研削面TP1をワークWの円錐面WCに当接する位置)となるように旋回台12を旋回させてワークWに対して相対的に旋回台12を近接させた状態とすることでワークWの円錐面WCを研削可能としている。
なお図示は省略するが、ワーク回転軸ZWと砥石回転軸ZTPとツルーイング装置25のツルア回転軸ZTRは、旋回軸ZSに直交する相対移動平面上に配置されている。
ワークWは、図1に示すようにセンタ部材21とセンタ部材31に両端(または両端近傍)が支持されている(センタ部材の代わりにチャックであってもよい)。
ワークWは、図2に示すように軸部WAと、その軸部WAの略中央に鍔状に突出するとともに軸方向の少なくとも一方側の面が円錐面WCに形成された円板部WBと、を有する。円板部WBは、軸部WAから連続して小径部WBiが直径Diで形成され、小径部WBiから連続して鍔状に突出して大径部WBoが直径Doで形成されている。円錐面WCは、断面形状で見て角度Wθで形成されている。こうしてワークWの円錐面WCは母線WLが形成される。
ツルーイング装置25は、図1に示すようにプレーン砥石TPをツルーイングするためのものであり心押台30に設置されている。
ツルーイング装置25には、ワーク回転軸ZWと平行なツルア回転軸ZTR回りに回転駆動されるツルアTRと、このツルアTRを回転駆動する図示しない駆動モータとを有する。
図4は、プレーン砥石TPに対するツルアTRの位置を相対的に旋回及び移動させツルーイング開始位置A(図5参照)とした状態を示している。即ち、研削盤1は、図5に示すようにプレーン砥石TPの研削面TP1とツルーイング装置25のツルアTRのツルア面TR1とが、略同一直線上に位置するように旋回台12によってプレーン砥石TPを旋回させる。
図5は、プレーン砥石TPをツルーイング装置25のツルアTRでツルーイングする状態を示した拡大図である。ツルアTRは、概略、円板状に形成されておりその外周面がツルア面TR1として構成されている。
また、研削盤における砥石のツルーイングについての知見として、砥石に対するツルアの移動速度が速くなるほど、当該ツルアでツルーイングした砥石によって加工した工作物における加工面の仕上げ面粗さが大きくなる関係にある。
これらの知見に基づいてプレーン砥石TPのツルーイングでは、ツルアTRの速度変化をさせることに着目している。
次に、図7に示すフローチャートを用いて、制御手段によるプレーン砥石TPのツルーイング方法の処理手順の例を説明する。制御手段は、ツルーイングの実行が指示された場合や、予め設定されたツルーイングタイミングとなった場合等に、図7に示す処理を実行する。
ステップS10にて制御手段は、プレーン砥石TPに対するツルアTRの位置がツルーイング開始位置Aとなるように、プレーン砥石TPに対するツルアTRの位置を相対的に旋回及び移動(図4に示す位置)させ、ステップS20に進む。
ステップS20にて制御手段は、プレーン砥石TPに対するツルアTRの相対移動速度Fにおける初期移動速度を設定し、ステップS30に進む。例えば図5に示すツルーイング開始位置Aが、ワークWの円錐面WCの小径部WBiを研削する側(図2参照)である場合、初期移動速度は円錐面WCの大径部WBoを研削する側(図2参照)の移動速度に比べ相対的に高い速度に設定され、ワークWの円錐面WCの大径部WBoを研削する側(図2参照)である場合、初期移動速度は円錐面WCの小径部WBiを研削する側(図2参照)の移動速度に比べ相対的に低い速度に設定される。
ステップS40にて制御手段は、プレーン砥石TPに対する現在のツルアTRの相対的な位置を検出し、ステップS50に進む。
ステップS50にて制御手段は、プレーン砥石TPに対するツルアTRの相対的な位置がツルーイング終了位置B(図5参照)に達しているか否かを判定する。ツルーイング終了位置Bに達している場合(Yes)はステップS70に進み、まだツルーイング終了位置Bまで達していない場合(No)はステップS60に進む。
ステップS70に進んだ場合、制御手段は、プレーン砥石TPの位置を初期位置(図1に示す位置)に旋回及び移動させ(初期位置に戻し)、ツルーイング処理を終了する。
研削面TP1における砥粒TP2の突き出し量Hは、図6に示すようにワークWの円錐面WCの小径部WBiを研削する側の突き出し量HAが大きく、大径部WBoを研削する側の突き出し量HBが小さくなるようにツルーイングされる。こうして研削面粗さを調整する。
また、ツルーイングする際のツルアTRの相対移動速度を徐々に変化させることで、プレーン砥石TPの研削面粗さを徐々に変化させ、ワークWの円錐面WCをより一層均一な仕上げ面粗さとすることができる。
また、砥石を円筒形状のプレーン砥石TPとすることで、研削面TP1の周方向に配置される砥粒数の差が生じにくい。そのため、砥粒TP2の密度の差を考慮する必要がなく、プレーン砥石TPの研削面TP1の研削面粗さを調整することで、ワークWの円錐面WCの仕上げ面粗さを調整することが可能であり、ワークWの円錐面WCをより一層均一な仕上げ面粗さとすることができる。
また、ワークWの円錐面WCを研削した場合において、円錐面WCのうちワーク回転軸ZWに近い側の位置(小径部WBi側)と、円錐面WCのうちワーク回転軸ZWに遠い側の位置(大径部WBo側)で、仕上げ面粗さの差をより小さくすることができ、且つより効率よくワークWを加工できる研削盤1を得ることができる。
また、本実施形態では、X軸方向においてはワークWに対してプレーン砥石TPを移動可能な構成として、Z軸方向においてはプレーン砥石TPに対してワークWを移動可能な構成とした例を示しているが、ワークWに対してプレーン砥石TPを相対的にX軸方向及びZ軸方向に移動可能(XZ平面(相対移動平面に相当)上を移動可能)な構成であればよい。
また、本実施形態にて説明した研削盤1では、旋回台12上にプレーン砥石TPを備えた例を示したがこれに限定されず、旋回台上にプレーン砥石とアンギュラ砥石を適切な位置に配置した複合研削盤であってもよい。これによれば、ワークの円錐面以外の種々の部位についても研削を施すことができる。
本実施形態にて説明した研削盤1では、各砥石の支持方法が片持ち式の例を示しているが、両持ち式で砥石を支持してもよい。
なお、砥石の形状や構成、及びワークWの形状は、本実施の形態にて説明したものに限定されるものではない。
10 基台
11 主軸テーブル
12 旋回台
13 旋回モータ
11M Z軸駆動モータ
11E 位置検出手段
12M X軸駆動モータ
12E 位置検出手段
20 主軸台
21 センタ部材
22 主軸
25 ツルーイング装置
30 心押台
31 センタ部材
32 心押軸
50 プレーン砥石装置
50B ベルト
TP プレーン砥石(回転砥石)
TP1 研削面(回転砥石の外周面)
TP2 砥粒
H 突き出し量
HA 突き出し量
HB 突き出し量
W ワーク
WC 円錐面
WA 軸部
WB 円板部
WBi 小径部
WBo 大径部
WC 円錐面
Di 直径
Do 直径
WL 母線
Wθ 角度
ZS 旋回軸
ZW ワーク回転軸
ZTP 砥石回転軸
ZTR ツルア回転軸
TR ツルア
TR1 ツルア面
F 相対移動速度
A ツルーイング開始位置
B ツルーイング終了位置
Claims (3)
- 回転砥石の外周面における当該回転砥石の軸方向の長さを、ワークの円錐面の母線の長さと略等しくすることで、前記円錐面に前記回転砥石の外周面を当接させて研削する際は、前記円錐面の母線方向に前記回転砥石を相対的に移動させることなく研削する研削盤において、
ワーク回転軸に対して前記円錐面を有するワークを前記ワーク回転軸回りに回転させながら、前記ワークの円錐面に、研削盤の回転砥石の外周面を当接させて前記円錐面を研削するための前記回転砥石をツルアを用いてツルーイングする、回転砥石のツルーイング方法であって、
前記回転砥石の外周面における当該回転砥石の軸方向の一端側から他端側に向けて、前記回転砥石に対する前記ツルアの位置を、前記回転砥石の外周面に沿って相対的に移動させながら前記回転砥石の外周面をツルーイングする際に、
前記ワークの円錐面の小径部を研削する前記回転砥石の外周面の位置をツルーイングする際の前記ツルアの相対移動速度よりも、前記ワークの円錐面の大径部を研削する前記回転砥石の外周面の位置をツルーイングする際の前記ツルアの相対移動速度を遅くする構成であり、
前記ワークの円錐面の小径部を研削する前記回転砥石の外周面の位置から、前記ワークの円錐面の大径部を研削する前記回転砥石の外周面の位置に向かって、前記ツルアを相対移動させるとともに前記ツルアの相対移動速度を徐々に遅くする、
あるいは、前記ワークの円錐面の大径部を研削する前記回転砥石の外周面の位置から、前記ワークの円錐面の小径部を研削する前記回転砥石の外周面の位置に向かって、前記ツルアを相対移動させるとともに前記ツルアの相対移動速度を徐々に速くする構成であり、
前記回転砥石は、砥石回転軸に対して平行な外周面を有する円筒形状である、
回転砥石のツルーイング方法。 - 請求項1に記載の回転砥石のツルーイング方法であって、
前記回転砥石は、前記砥石回転軸と直行する旋回軸周りに旋回可能であり、
前記回転砥石の外周面の位置が、前記ワークの円錐面を研削する加工位置へ旋回可能である回転砥石のツルーイング方法。 - 回転砥石と、前記回転砥石をツルーイングするツルアと、制御手段とを有し、前記制御手段の指令に基づき、請求項1または請求項2に記載の回転砥石のツルーイング方法を実行する研削盤。
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