JP6124591B2 - タウオリゴマーに結合する抗体 - Google Patents
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Description
本発明の態様は、概して、生物学および医学に向けられる。ある特定の局面において、態様は、タウオリゴマーおよびタウオリゴマー特異的抗体に関する組成物および方法に向けられる。
微小管結合タンパク質であるタウの病理学的凝集および神経原線維変化(NFT)またはタウを含有する他の含有物の蓄積は、タウオパチーと総称される、アルツハイマー病(AD)および多くの神経変性疾患の病理組織学的特徴を規定するものである。タウオパチーには、ピック病(PiD)、進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、および前頭側頭葉変性症(FTLD)が含まれる。神経原線維変化(NFT)と疾患進行との相関関係が広く研究され、相反する結果が得られており、タウの病理学的凝集とシナプス機能不全および神経変性とを結び付ける機構は十分に理解されていない。
タウオリゴマーに特異的に結合し、かつ可溶性タウにもタウ原線維にも結合しない、モノクローナル抗体または抗体断片。
[本発明1002]
単鎖抗体である、本発明1001の抗体。
[本発明1003]
ヒト抗体またはヒト化抗体である、本発明1001の抗体。
[本発明1004]
本発明1001の抗体および薬学的に許容される賦形剤を含む、組成物。
[本発明1005]
薬学的に許容される賦形剤がアジュバントである、本発明1004の組成物。
[本発明1006]
タウオリゴマーを調製する方法であって、以下の工程を含む方法:
(a)単離された組換えタウタンパク質と、アミロイドポリペプチド、α-シヌクレインポリペプチド、またはプリオンポリペプチドの予め形成されたオリゴマーを含む核形成剤とを接触させて、核形成混合物を形成する工程;
(b)タウオリゴマー化を促す条件下で、前記核形成混合物をインキュベートする工程;および
(c)タウオリゴマー化が停止するか、または著しく低下するように核形成混合物の条件を変える工程。
[本発明1007]
アミロイドポリペプチドがAβ42またはAβ40である、本発明1006の方法。
[本発明1008]
プリオンポリペプチドがプリオン106〜126である、本発明1006の方法。
[本発明1009]
予め形成されたオリゴマーとタウタンパク質との比が少なくとも1:140(w/w)の比である、本発明1006の方法。
[本発明1010]
核形成混合物が2時間より短くインキュベートされる、本発明1006の方法。
[本発明1011]
核形成混合物が少なくとも30分間、最大で180分間インキュベートされる、本発明1006の方法。
[本発明1012]
核形成混合物が少なくとも50分間、最大で120分間インキュベートされる、本発明1006の方法。
[本発明1013]
本発明1006の方法によって生成された、タウオリゴマー。
[本発明1014]
タウオリゴマー特異的抗体を特定する方法であって、以下の工程を含む方法:
(a)タウオリゴマーに結合する抗体と、タウオリゴマー、可溶性タウ、またはタウ原線維とを独立に接触させる工程;および
(b)タウオリゴマーに結合し、かつ可溶性タウに結合せず、かつタウ原線維に結合しないタウオリゴマー抗体を特定する工程。
[本発明1015]
タウオリゴマーに結合し、かつ可溶性タウに結合せず、かつタウ原線維に結合しないタウオリゴマー抗体がイムノブロッティングまたはELISAアッセイによって特定される、本発明1014の方法。
[本発明1016]
本発明1014の方法によって特定される、タウオリゴマー特異的抗体。
[本発明1017]
タウオパチーと疑われる患者またはタウオパチーを有する患者を評価する方法であって、以下の工程を含む方法:
タウオリゴマー特異的抗体の、患者からの生物学的試料の成分への結合を検出する工程であって、生物学的試料中のタウオリゴマーの検出がタウオパチーを示す、工程。
[本発明1018]
タウオパチーが、アルツハイマー病、ピック病(PiD)、進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、および前頭側頭葉変性症(FTLD)である、本発明1017の方法。
[本発明1019]
タウオリゴマーの検出がイムノアッセイによるものである、本発明1017の方法。
[本発明1020]
生物学的試料が、血漿、脳脊髄液(CSF)、脳組織、ニューロン組織、または筋肉組織を含む、本発明1017の方法。
[本発明1021]
タウオリゴマー特異的抗体が検出可能な剤を含む、本発明1017の方法。
[本発明1022]
検出可能な剤が、放射性マーカー、核酸、蛍光標識、または酵素標識である、本発明1021の方法。
[本発明1023]
タウオパチーを治療する方法であって、以下の工程を含む方法:
ADもしくは他のタウオパチーを有する対象またはADもしくは他のタウオパチーを有すると疑われる対象に、有効量のタウオリゴマー特異的抗体を投与する工程。
[本発明1024]
0.1μgまたはmg〜10μgまたはmgのタウオリゴマー特異的抗体が対象に投与される、本発明1023の方法。
[本発明1025]
タウオリゴマー特異的抗体が血液またはCSFに投与される、本発明1023の方法。
[本発明1026]
タウオパチーが、ピック病(PiD)、進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、および前頭側頭葉変性症(FTLD)を含む、本発明1023の方法。
[本発明1027]
タウオパチーを有する対象またはタウオパチーを有すると疑われる対象に、有効量のタウオリゴマーを投与する工程を含む、タウオパチーを治療する方法。
[本発明1028]
タウオパチーが、ピック病(PiD)、進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、および前頭側頭葉変性症(FTLD)を含む、本発明1027の方法。
本発明の他の目的、特徴、および利点は以下の詳細な説明から明らかになるだろう。しかしながら、詳細な説明および特定の実施例は本発明の特定の態様を示しているが、この詳細な説明から本発明の精神および範囲の中で様々な修正および変更が当業者に明らかになるので、例示にすぎないことが理解されるはずである。
微小管結合タンパク質であるタウの病理学的凝集および神経原線維変化(NFT)またはタウを含有する他の含有物の蓄積は、タウオパチーと総称される、アルツハイマー病(AD)を含む多くの神経変性疾患の病理組織学的特徴を規定するものである。タウオパチーには、ピック病(PiD)、進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、および前頭側頭葉変性症(FTLD)が含まれるが、これに限定されない。神経原線維変化(NFT)と疾患進行との相関関係が広く研究され、相反する結果が得られており、タウの病理学的凝集とシナプス機能不全および神経変性とを結び付ける機構は十分に理解されていない。NFTそれ自体がタウオパチーの真の発病実体ではなく、単量体とNFTとの中間のサイズの凝集物、いわゆるタウオリゴマーに病原性があるという考えが急浮上しつつある。このようなオリゴマーを調べるには新たな方法およびツールが必要とされる。均一なタウオリゴマー集団を調製および使用するための方法が本明細書において説明される。これらのタウオリゴマーは、タウオリゴマーを特異的に認識するモノクローナル抗体であるタウオリゴマーモノクローナル抗体(TOMA)の作製および特徴付けにおいて利用される。死後脳およびCSFに関する研究から、タウオパチーにおけるタウオリゴマーの驚くべきかつ新規の役割が分かっている。本発明の態様には、タウオパチーの評価および/または治療において本発明のTOMAを作製および使用するための組成物および方法が含まれる。
タウタンパク質は、微小管結合ドメインに対応する反復配列の3つまたは4つのコピーを含有するオルタナティブスプライシングアイソフォームの形で存在する(Goedert et al., 1989; Goedert et al., 1989)。タウはタンパク分解によって処理されて、コアドメインになり、この時には対らせん状細線維(PHF)の形をとる(Wischik et al., 1988a; Wischik et al., 1988b); Novak et al., 1993)。安定したタウ-タウ相互作用には3つの反復しか関与しない(Jakes et al., 1991)。PHF様タウ凝集物が形成すると、さらなる捕捉のための種(seed)として働き、完全長タウタンパク質をタンパク質分解処理するための鋳型となる (Wischik et al., 1996)。
微小管結合タンパク質であるタウは微小管集合、軸索輸送、および神経突起成長に必要とされる。タウは、細胞骨格の中では、微小管を組織化および安定化することによって重要な機能を果たす。タウは、GTPとβ-チューブリンとの結合を高めることによってチューブリン二量体の重合および微小管の安定性を高める(Binder et al., 1985)。タウの生物学的機能の大部分は部位特異的リン酸化によって調整される(Drechsel et al., 1992)。タウは単一の遺伝子によってコードされるが、サイズが352〜441アミノ酸にわたる6種類のスプライスアイソフォームがヒトCNSにおいて発現している(SEQ ID NO:1〜6)(Goedert et al., 1989)。これらのアイソフォームは、0個、1個、または2個のN末端インサート、および3個または4個の縦列に並べられた微小管結合反復が存在することによって互いに異なる。従って、これらのアイソフォームは、0N3R(SEQ ID NO:1)、1N3R(SEQ ID NO:2)、2N3R(SEQ ID NO:3)、0N4R(SEQ ID NO:4)、1N4R(SEQ ID NO:5)、および2N4R(SEQ ID NO:6)と呼ばれる。本発明の局面は、これらのアイソフォームもしくはそのセグメントの1つもしくは複数を含むタウオリゴマーに結合する抗体、またはこれらのアイソフォームもしくはそのセグメントの1つもしくは複数を含むタウオリゴマーの検出に関する。
タウオパチーの神経病理学的特徴には、局所的な神経変性に付随して見られる線維状ニューロンまたはニューロンおよびグリアのタウ含有物が含まれる。ADおよび関連する神経変性疾患における、タウを含むタンパク質の凝集および多くの凝集した形でのその沈着は広範囲に研究されている。ADにおけるタウの重要な役割を裏付ける強力な一連の証拠にもかかわらず(Ballatore et al., 2007; Haroutunian et al., 2007; Iqbal et al., 2009)、アミロイド仮説(Hardy and Allsop, 1991; Hardy and Selkoe, 2002)は、AβがADの唯一の原因であり、タウ凝集が、Aβ凝集および沈着によって誘発される多くの下流事象の1つであると提唱している。タウは、ADにおいて観察される糸屑状構造物およびNFTの中の主成分である。細胞外β-アミロイド沈着に加えて、これらの極端に安定した構造はADニューロンの軸索区画および細胞体樹状突起区画の両方において高密度に蓄積している。
タウは、溶解状態ではランダムコイル構造が主流を占める、可溶性の高い、天然で折り畳まれていないタンパク質である。リン酸化、切断、およびコンホメーション変化を含むタウの異常修飾は線維凝集を誘導すると考えられている。最近の報告によって、病気の発生において線維前タウ凝集中間体(タウオリゴマー)が重要であることが示唆された(Congdon and Duff, 2008; Brunden et al., 2008)。しかしながら、可溶性タウから可溶性凝集物および不溶性凝集物の変換の基礎となる機構は依然として謎である。ポリアニオン、脂肪酸(および誘導体)、ならびに他の公知の促進剤などの化合物を添加することによって、タウから線維への集合をインビトロで再現することができた(Kurt et al., 2003)。それでも、均一なタウオリゴマー集団を調製する信頼性の高い方法は利用できず、タウオリゴマーの毒性および疾患におけるタウオリゴマーの予想される役割を評価する能力を妨げている。
本明細書で使用する「抗体」という用語は、任意の免疫グロブリン(Ig)分子、またはタウオリゴマーに特異的に結合するIg分子の必須のエピトープ結合特徴もしくはタウオリゴマー結合特徴を保持している、抗体の任意の機能的な断片、変異体、変種、もしくは誘導体を含む抗体由来タウオリゴマー結合ペプチドを広く指す。このような変異体、変種、または誘導体の抗体形式は当技術分野において公知である。ある特定の局面において、抗体はモノクローナル抗体または単鎖抗体である。なおさらなる局面において、抗体は、タウオリゴマー特異的結合を保持している組換え抗体セグメントである。
アルツハイマー病(AD)の大部分では、診断が可能になる前に、神経変性プロセスが進行期まで進行し、大量の細胞が消失している(Teunissen et al., 2002)。臨床ADを診断する現行の方法は、MMSE(Folstein et al., 1975)などの認知検査に一部頼っている。残念なことに、MMSEは、症状発現前のADまたはかなり初期のADの検出感度が悪いと報告されている(Petersen et al., 1999)。理想的な診断マーカーの基準の1つは、AD神経病理の基本特徴を検出できることである。従って、最も明らかな分析標的はAβおよびタウであろう。いくつかのグループが、血中および尿中にある、これらのタンパク質の濃度(Borroni et al., 2006; Wiltfang et al., 2005)およびその他の濃度を調べたが、うまく行かなかった(Borroni et al., 2006; Wiltfang et al., 2005)。タウ濃度は、正常対照と比較してAD患者およびMCI患者のCSFにおいて高いと報告されている(Andreasen et al., 1999; Galasko et al., 1997; Vandermeeren et al., 1993; Vigo-Pelfrey et al., 1995)。対照的に、Aβ42 CSF濃度が低いことが述べられている(Andreasen et al., 1999; Motter et al., 1995)。さらに、これらの研究から、診断群の中でAβ総濃度に有意差は無いことも確かめられた(Skoog et al., 2003)。さらに、これらの研究の全てにおいて、タウおよびAβ42 CSF濃度は個々に感度基準も特異性基準も満たさなかった。さらに、MCI症例およびAD症例において高いp-タウ濃度が報告されている(Zetterberg et al., 2003; Herukka et al., 2005; Buerger et al., 2006; Parnetti et al., 2006)。最近の研究から、AD検出基準を満たす、またはAD検出基準を超える改善した感度および特異性が示された。総タウ、p-タウ(スレオニン181)、およびAβ42のCSFプロファイルを測定するために多数の試料と多重イムノアッセイを用いた最新の報告は、剖検によって確認されたADについて96.4%の検出感度に達した(Shaw et al., 2009)。この研究および他の2つの研究から、高濃度の総タウおよびp-タウは、Aβ42、および剖検によって確認されたADのCSFバイオマーカーシグネチャーであるアポリポタンパク質E遺伝子(APOE)ε4対立遺伝子を減少させたと確かめられた。このCSFシグネチャーはMCIからADへの変換を予測するように思われるが、MCIを正しく診断し、症状発現前のAD症例を予測する基準を満たさなかった(Shaw et al., 2009; Li et al., 2007; Blom et al., 2009)。驚いたことに、高濃度の総タウおよびp-タウ(スレオニン181)が家族性アルツハイマー病(FAD)変異保因者(プレセニリン-1およびAPP)のCSFにおいて見出された。これらの濃度は、前駆症状性ADの感度の高い指標であると報告された。これらの著者らは、CSF中のAβ濃度が、MCIまたは前駆症状性ADの信頼性の高いバイオマーカーではないことも証明した(Ringman et al., 2008)。
本発明のタンパク質(例えば、様々なタウアイソフォーム、タウオリゴマー、およびタウオリゴマーに特異的に結合するか、またはタウオリゴマーを認識するポリペプチド)は組換えでもよく、インビトロで合成されてもよい。または、細菌または臓器、例えば、脳から非組換えタンパク質または組換えタンパク質が単離されてもよい。「機能上等価なコドン」という用語は、同じアミノ酸をコードするコドン、例えば、アルギニンもしくはセリンの6つのコドンを指すために本明細書において用いられるか、または生物学的に等価なアミノ酸をコードするコドンを指す(下記を参照されたい)。
本発明は、本発明の様々な態様において使用するためのポリペプチド、ペプチド、タンパク質、ならびにそのセグメントおよび断片について述べる。例えば、特異的抗体は、タウオリゴマーに特異的に結合するかどうかアッセイされる。ある特定の態様において、本発明のタンパク質の全てまたは一部はまた従来法に従って溶解状態で合成されてもよく、固体支持体上で合成されてもよい。様々な自動合成機が市販されており、公知のプロトコールに従って使用することができる。例えば、Stewart and Young, (1984); Tam et al., (1983); Merrifield, (1986);およびBarany and Merrifield(1979)を参照されたい。それぞれ参照により本明細書に組み入れられる。または、本発明のペプチドまたはポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が発現ベクターに挿入され、形質転換またはトランスフェクションによって適切な宿主細胞に導入され、発現に適した条件下で培養される、組換えDNA技術が用いられてもよい。可溶性タウタンパク質、アミロイドポリペプチド、および抗体または抗体のセグメントを組換えにより作製することができる。
ある特定の局面は、タウオパチーの予防または治療において使用するための抗体を調製する方法であって、レシピエントにタウオリゴマーを投与する工程、およびレシピエントから抗体を単離する工程、または組換え抗体を作製する工程を含む方法に向けられる。これらの方法によって調製され、タウオパチーを治療または予防するのに用いられる抗体は本発明のさらなる局面である。タウオパチーを治療または予防するための医用薬剤の製造において使用することができる、タウオリゴマーに特異的に結合する抗体および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物は本発明のさらなる局面である。
本発明の組成物および関連する方法、特に、タウオリゴマーまたはタウオリゴマーに結合する抗体の患者/対象への投与はまた従来の療法の投与と併用されてもよい。これらには、(1)4反復タウアイソフォームを減少させるためのスプライシング機構の妨害、(2)タンパク質分解経路またはプロテアソーム分解経路の活性化、(3)タウキナーゼ阻害剤を用いたタウ過剰リン酸化の阻止/低下、(4)微小管ネットワークの薬理学的安定化、(5)低分子によるタウ凝集阻害、および(6)タウに向けられる免疫療法が含まれるが、これに限定されない。
A/B/A B/A/B B/B/A A/A/B A/B/B B/A/A A/B/B/B B/A/B/B
B/B/B/A B/B/A/B A/A/B/B A/B/A/B A/B/B/A B/B/A/A
B/A/B/A B/A/A/B A/A/A/B B/A/A/A A/B/A/A A/A/B/A
ADを治療するこのアプローチは1998年に最初に紹介された(Gong and Iqbal, 2008)。キナーゼ阻害剤は、タウ過剰リン酸化および可溶性凝集タウの形成を低下させ、変異体ヒトタウ発現マウスにおける運動欠陥を阻止することが示されたが(Iqbal and Grundke-Iqbal, 1998)、キナーゼを標的とする主な欠点は、これらの酵素が一般的に体全体に見出され、正常な生理学的役割を果たしており、キナーゼ阻害には望ましくない副作用があり得ることである。
タウは、カルパインによるタンパク質分解感受性であることが見出された(Johnson et al., 1989)。最近、ピューロマイシン感受性アミノペプチダーゼ(PSA)が遺伝子スクリーニングによってタウ病態の修飾薬として特定され(Sengupta et al., 2006)、組換えPHFタウおよびAD脳から精製されたPHFタウの分解に有効であることが示された(Karsten et al., 2006)。
微小管結合薬物は、MT結合タンパク質であるタウの機能上の代わりとなることでタウオパチー治療において有益かもしれない(Trojanowski et al., 2005)。微小管に結合し、微小管を安定化することが知られている薬物であるパクリタキセルがトランスジェニックマウスにおいて試験され、軸索輸送の回復および運動機能低下の寛解において有効なことが示された(Zhang et al., 2005)。
この十年、潜在的な疾患修飾薬としてタウ凝集阻害剤の関心が再び向けられている。血液脳関門(BBB)を通過することができる無毒で細胞透過性のタウ凝集阻害剤がハイスループットスクリーニングを用いて探索され、139を超えるヒットが特定された(Pickhardt et al., 2005; Larbig et al., 2007)。この報告と、タウ凝集阻害剤MTC(マエチレンブルー(ma ethylene blue)誘導体)を用いた第二相臨床試験の最近の報告から、この概念の検証が期待できるだろう。最近、タウ凝集阻害剤に関する研究が概説された(Bulic et al., 2009)。
P301L変異を有するタウを発現するマウスにおける、リン酸化タウエピトープによる能動免疫を用いた新規の研究から、脳における凝集タウの減少と行動表現型進行の遅延が示された。さらに、この研究から、使用された免疫原に対する抗体はBBBを通過し、リン酸化タウに結合できることが証明された(Asuni et al., 2007)。
神経変性疾患におけるタウの重要な役割を裏付ける強力な一連の証拠(Ballatore et al., 2007; Haroutunian et al., 2007)は、疾患修飾治療剤開発のための潜在的な標的としてタウを支持している。タウを標的とする治療アプローチには、(1)4反復タウアイソフォームを減少させるためのスプライシング機構の妨害、(2)タンパク質分解経路またはプロテアソーム分解経路の活性化、(3)タウキナーゼ阻害剤を用いたタウ過剰リン酸化の阻止/低下、(4)微小管ネットワークの薬理学的安定化、(5)低分子によるタウ凝集阻害、および(6)タウに向けられる免疫療法(Schneider and Mandelkow, 2008)が含まれる。本発明の局面には、タウオパチーを治療するための抗体に基づく方法およびペプチドに基づく方法が含まれる。
以下の実施例は、本発明の様々な態様を例示する目的で示され、本発明を限定するものであると、いかようにも意図されない。当業者であれば、目的を実施し、述べられた目標および利点ならびに本明細書に内在する目的、目標、および利点を得るために、本発明は良好に適合されることを容易に理解するだろう。本実施例は、本明細書に記載の方法と共に、好ましい態様を現在代表するものであり、例示であり、本発明の範囲を限定するものと意図されない。当業者であれば、特許請求の範囲によって定義される、本発明の範囲の変更および本発明の精神に包含される他の使用を考え付くだろう。
均一なタウオリゴマー集団の方法および使用
新規の抗タウオリゴマーポリクローナル抗体(T2286)
均一なタウオリゴマー集団の免疫原性を利用して、タウオリゴマーに特異的な抗体を作製した。ウサギに0.25mgのタウオリゴマーを接種し、次いで、2週間間隔で3回追加免疫した。血清を収集し、血清と全ての型のタウおよび他のアミロイドとの反応性を、対照として免疫前血清を用いて評価した。新規の抗タウオリゴマー抗体(T2286)が得られた。この新規の抗体はタウオリゴマーを特異的に認識するが、可溶性タウとも原線維タウとも反応しない。過去に作製された抗オリゴマー抗体であるA-11および1-11とは異なり、T2286はタウオリゴマーのみと反応し、他のタンパク質から調製されたオリゴマーと反応しない(図3)。T2286は、コンホメーション抗体ではなく配列コンホメーション抗体と呼ぶことができる。ウェスタンにおいてT2286が認識する最小タウ種は、恐らく、三量体(110〜120KDa)である。この種は天然では一過的であり、時がたつにつれさらに大きな凝集物に変換する(図3)。さらに、T2286とタウオリゴマーが結合するとタウオリゴマーの毒性が無くなる(図7A)。
CSF中の総タウ(t-タウ)のレベル、特に、リン酸化タウ(p-タウ-スレオニン181)のレベルは高いことが見出された。ADおよび対照患者に由来するCSF試料中のタウオリゴマーを直接ELISAによって測定するために、T2286を用いてパイロット実験を行った。T2286はADと対照との間に広く分布し、AT8およびタウ5より性能が優れていた。
Tg4510に由来する脳試料を分析した。P301L動物は、ミネソタ大学のDr.Karen Asheにより提供された。2ヶ月齢、5ヶ月齢、6ヶ月齢、8ヶ月齢、10ヶ月齢、および11ヶ月齢の動物を、前記の生化学的分析および免疫組織化学的分析を用いて分析した。結果から、タウオリゴマーの存在とこのモデルの表現型との間に相関関係があることが示され、このモデルにおけるタウオリゴマー形成について述べている公表結果が裏付けられ、オリゴマーと同様の分子量がT2286によって検出された。タウオリゴマーはまたAPP/PS-1マウスおよび他のタウオパチー動物モデルにおいても検出された(データ示さず)。
T2286のようなウサギポリクローナル抗体は研究に有用であるが、これらのワクチン開発への可能性は限られている。ここに記載したデータは、前記と同じ抗原を用いたモノクローナル抗タウオリゴマー抗体(TOMA)作製の手助けとなった。作製のために、標準的なプロトコールを使用した。TOMAのスクリーニングは困難であることが判明した。精巧なスクリーニングプロトコールを使用した。このスクリーニングから、T2286について述べられた特異性と似た13を超えるタウオリゴマー特異的TOMAクローン(TOMA-1(クローンH12C10、IgG2a)、TOMA-2(クローンB3E7、IgG1)、およびTOMA-3(F3D4、IgG2a)を含む)が得られた。さらに、これらのモノクローナル抗体はタウオリゴマーに対して高い親和性を有する。TOMAクローンF3D4は多量に作製された。TOMAを用いて、本発明者は、T2286を用いて得られたデータを再現することができた。TOMAを用いて得られた結果の一部を、ADおよびタウオパチーの様々なモデルに由来するAD脳試料およびマウス脳からの予備データを含めて以下で説明する。これらの結果から、TOMA-F3D4は抗タウオリゴマー特異的抗体であることが確かめられた。
TOMAを用いて、2ヶ月および5ヶ月のTg4510に由来する脳を分析し、2ヶ月齢と比較して、5ヶ月齢のタウオリゴマーレベルが生化学的に高いことが見出された(データ示さず)。タウオリゴマーはIHCによって検出することもできた。3ヶ月齢のAPP/PS-1に由来する脳も分析し、タウオリゴマーが検出された。
AD脳におけるタウオリゴマーをTOMAを用いて特徴付けた。TOMAと、他の十分に特徴付けられた抗体を併用したデータから、同年齢対照と比較して、AD脳に高レベルのタウオリゴマーがあることが明らかになり、AD脳の細胞内および細胞外にタウオリゴマーが存在することが証明された(図4)。
タウオリゴマーを作製および使用するための材料および方法
これらの研究の一局面は、抗タウオリゴマーモノクローナル抗体を用いて、タウオリゴマーの役割を解明し、受動的ワクチン接種によるタウオリゴマークリアランスの利益を評価することである。タンパク質凝集物の大多数は病理学的に重要であり、多くの疾患において共存すると報告されている。タウオリゴマーがヒト脳およびトランスジェニックモデルにおいて蓄積することが報告されているが、その分布に関する詳細および疾患表現型における重要性はまだ分かっていない。従って、これらの構造の役割の評価が必要とされている。詳細なタウオリゴマー分布の知識は神経変性分子機構の理解に役立つ可能性がある。タウオリゴマークリアランスの利益の知識は、ADおよび他のタウオパチーを治療する潜在的な治療方針の設計および評価に役立つかもしれない。
死後脳およびCSF試料において、タウオリゴマーの存在、分布、および翻約後修飾を測定および分析することができる。TOMAおよび他の利用可能な抗体を用いて、免疫組織化学的分析および生化学的分析が行われる。切断および部位特異的リン酸化などのタウ修飾に焦点を当てた以前の研究とは異なり、本発明者は、最初にタウオリゴマー量を調べ、次いで、タウオリゴマー量と報告された修飾との相関関係を分析する。
本発明者は、TOMAと他の十分に特徴付けられた抗体との併用について述べる。これらの研究は、AD脳に存在する複数のタイプのタウ凝集物を詳細に調べる。AD脳にあるNFTは広く研究されているが、AD脳にあるタウオリゴマーについて述べたデータは無く、タウオリゴマーの役割はまだ確かめられていない。動物モデルから得られたデータは、ここで提案された方法および組成物がADにおけるタウオリゴマーの理解に有用であることを示している。TOMAとタウ5、HT7、pThr231、p422、AT100、AT8、およびpSer396を併用した脳試料のIHC分析から、タウオリゴマー、タウオリゴマーのリン酸化状態、タウオリゴマーとNFTとの関係についての情報が得られる。IHC実験は、AD脳における毒性タウオリゴマーの発生を詳細に調べ、疾患進行におけるその役割を明らかにする。
脳凍結組織は、Institute for Brain Aging and Dementia (UC Irvine)およびBrain Resource Center (Johns Hopkins School of Medicine)から入手した。Braak and Braakおよびその他によって述べられたように疾患経過にわたるタウ沈着の進行に基づくと、タウ病態は経内嗅領皮質において始まり、前頭皮質まで進行する。経内嗅領皮質および小脳、嗅内皮質、ならびに海馬からの組織を調べる(Brodmann's Area's 11, 9 and 4)。
新規のタウオリゴマーモノクローナル抗体TOMA、ならびにA-11および1-11、抗オリゴマー抗体(Kayed et al., 2003; Meier et al., 2006)、OCおよびLOC抗原線維抗体(Kayed et al., 2007)、ならびにOfficer、抗環状プロトフィブリル抗体(Kayed et al., 2009)を含む他の抗体を用いて、試料を分析する。さらに、必要に応じて、神経原線維変化に対するタウ抗体および特定のホスホル-タウエピトープに対するタウ抗体、抗タウHT7、AT270、AT8、およびAT100、タウ-5、PHF-タウ、抗タウpS199、pS262、およびpS422などの市販抗体を使用する。
神経病理学的な目的で、脳試料を10%中性ホルマリン緩衝液に入れて標準条件下で固定する。各脳に由来する試料を、従来の方法に従ってパラフィン包埋のために、および凍結切片のために処理する。両タイプの組織調製物を用いて作業する理由は、凍結切片よりパラフィン包埋切片の方が良好に働く抗体もあれば、逆のことが当てはまる抗体もあるからである。さらに、蛍光二次抗体ではなくDAB検出法を用いた方が良好に反応する抗体もあれば、逆のことが当てはまる抗体もある。死後ヒト脳組織上でのTOMAの反応性は、様々な抗体希釈液を用いて、および注意深く対照染色を用いて経験的に評価される。
コンホメーション抗体を用いた作業は、特に、タウオリゴマーのような動的で、かつほぼ間違いなく一過性の種を検出するのに用いられる時には非常に難しい。このプロトコールは、コンホメーションエピトープが抗体に接近できるようにしながらコンホメーションエピトープを保存する。この目的のためにプロトコールを最適化および調整する。
ACT-1収集ソフトウェア(Nikon Instruments Inc, Melville, NY)によって制御されるNikon DXM 1200カラーCCDカメラを搭載したNikon Eclipse 800顕微鏡を用いて、明視野画像を得る。3つのレーザーラインを搭載する共焦点顕微鏡Zeiss LSM 510(Zeiss, Hornwood, NY)を用いて、蛍光画像を調べる。4本の励起ライン:458nm、477nm、488nm、514nmを有するアルゴンイオンレーザー、543nmで励起する緑色He/Ne、および633nmで励起する赤色He/Ne。免疫反応性を定量するために、Stereo Investigator(MBF Bioscience, Williston, VT)を用いて脳試料を分析する。関心対象の領域を囲む。領域区画フラクショネータープローブ(fractionator probe)を全身および無作為に使用し、400μm離してサンプリング箇所を割り当てる。それぞれのサンプリング箇所で、15μmの距離で互いに等間隔に離したマーカーを備えた100x80μmカウンティングフレーム(counting frame)を重ねる。TOMA免疫反応性と共存するマーカーを陽性と分類したのに対して、残りのマーカーを陰性と分類する。領域区画は、陽性マーカーの数をマーカー総数で割ったものとして計算する。盲検方式で立体解析学的評価を行う。TOMA免疫反応性の領域区画の統計解析は、一元配置ANOVAの後に、群間を比較するボンフェローニの多重比較検定を用いて行う。全ての統計解析を、GraphPAd Prism バージョン5.00 for Windows(GraphPAd Sofware, San Diego, CA)を用いて行う。
免疫反応性を定量するために、脳試料を、Stereo Investigator(MBF Bioscience, Williston, VT)を用いて分析する。関心対象の領域を囲む。フラクショネータープローブを全身および無作為に使用し、400μm離してサンプリング箇所を割り当てる。TOMAと共に、マーカーとしてab64193などのタウウサギ抗体、およびp422を使用する。TOMAをフルオロフォア(Alexa Fluor488)で標識し、標識TOMAおよび他のマウスタウ抗体を用いて組織切片において二重染色を行う。簡単に述べると、最初に、切片を市販の抗体とインキュベートし、次いで、Alexa Fluor568で標識した二次抗体ヤギ抗マウスとインキュベートし、最後に、切片を、Alexa Fluor488で標識したTOMAとインキュベートする。分析のために、それぞれのサンプリング箇所に、15μmの距離で互いに等間隔に離したマーカーを備える100x80μmカウンティングフレームを重ねる。TOMA免疫反応性と共存するマーカーを陽性と分類したのに対して、残りのマーカーを陰性と分類する。領域区画は、陽性マーカーの数をマーカー総数で割ったものとして計算する。盲検方式で立体解析学的評価を行う。TOMA免疫反応性の領域区画の統計解析は、一元配置ANOVAの後に、群間を比較するボンフェローニの多重比較検定を用いて行う。全ての統計解析を、GraphPad Prismプログラムを用いて行う。
AD脳におけるタウオリゴマーの生化学的分析
AD脳におけるタウオリゴマー量の詳細な生化学的分析は入手できないが、最近の研究から、tgマウス脳におけるタウオリゴマーの洗練された生化学的分析が報告された(Berger et al., 2007; Spires et al., 2006)。タウ凝集物は二量体から線維前にわたる。この生化学的分析は免疫組織化学的分析を補い、AD進行に関連する特定のオリゴマー種の分子量についての情報を提供する。また、Aβオリゴマーに関する以前の研究から、複数のタイプのオリゴマー種が存在することが明らかになった(Glabe, 2008)。提案された生化学的分析は、AD脳における異なるタイプのタウオリゴマーおよびこれらの生化学的特性の特定に役立つであろう。
TOMAを用いて疾患進行を観察できるか確かめるために、ミニメンタルステートおよびBraak & Braak変化に関して広い範囲を有する患者からの大きな脳集団をタウオリゴマーの存在について分析する。AD、MCI、および同年齢対照からの凍結組織を試験する。試験した関心対象の領域には、嗅内皮質、海馬、頭頂葉、嗅球、および前頭皮質が含まれる。タウオリゴマーはSDSに対して安定である。PBS画分、Triton X-100画分、およびTriton不溶性画分を、TOMA、タウ-5、タウ-13、T46、pThr231、pSer396を用いたウェスタンによって分析する。
この手順は、脳試料から異なるアミロイド種を単離した経験に基づいている。以下の画分:PBS可溶性画分、TritonX-100可溶性画分、およびTritonX-100不溶性画分を、TOMA、AT8、タウ-5、および必要に応じて他の抗体を用いてウェスタンおよびドットブロットによって分析する。さらに、Triton不溶性画分の尿素変性処理およびギ酸変性処理を行い、未処理対照からのシグナルと比較する。これにより、分画プロトコール中に沈殿した可能性のある大きなタウオリゴマーの定量が可能になるだろう。
尿素処理;PBS可溶性ヒト脳画分およびTriton可溶性ヒト脳画分を、0.375M、0.75M、1.5M、3Mおよび6Mおよび8Mの尿素によって処理する。試料を室温で一晩インキュベートした後に分析する。ギ酸処理:PBS可溶性ヒト脳画分を88%、40%、20%、および10%のギ酸によって処理し、混合し、室温で一晩インキュベートする。試料を、TOMA、AT8、およびタウ-5を用いたウエスタンブロットによって分析する。場合によっては、さらなる抗体を使用する。
PBS可溶性ヒト脳画分、ならびに2%、1%、0.5%、0.25%、0.125%、0.0625%、0.03125%、および0.015625%の界面活性剤SDS、OG、OTG、CHAPS、TritonX100、NonidetP-40、Tween20、およびBRIJ58溶液を用いたTriton可溶性ヒト脳画分を使用する。試料を混合し、SDSは+4℃で沈殿する傾向があるためにSDS以外は+4℃で一晩インキュベートする。SDS試料は室温で一晩インキュベートする。これらの試料を、TOMA、AT8、およびタウ-5を用いたドットブロットアッセイによって分析する。
PBS可溶性ヒト脳画分およびTriton可溶性ヒト脳画分を両方とも異なる濃度のプロテイナーゼK、DNアーゼ、およびRNアーゼによって処理し、37℃で1時間インキュベートし、次いで、TOMA抗体、AT8抗体、およびタウ-5抗体を用いたウエスタンブロットによって分析する。全ての実験において、インビトロで調製されたタウオリゴマーおよび未処理試料を対照として使用する。
TOMAシグナルと、様々なパラメータ(Braak and Braak病期、死後指数(PMI)、性別、死亡時の年齢、およびミニメンタルステート検査(MMSE)スコアとの相関関係の評価では、ブロットをスキャンし、Scion Imaging Softwareを用いてシグナルを定量する。各画分からのTOMAシグナルについてR2値を計算し、MMSEスコアと相関づける。しかしながら、さらに興味深いのは、PBS可溶性画分およびTriton可溶性画分の中のタウオリゴマーとMMSEスコアとの相関関係である。データを、GraphPad Prismプログラム(ISI, Philadelphia, PA)を用いてANOVAおよび独立両側t検定によって統計解析する。P<0.05であれば統計的に有意とみなされる。
CSF試料中のタウオリゴマー
AD早期検出のための簡単な非侵襲試験が大いに必要とされている。タウまたはその主な種の1つ(t-タウおよびp-タウ、p-タウ-181など)は、AD早期検出のための公表された全CSFバイオマーカーシグネチャーの一部である。タウレベルはCSF中で上昇するのに対して、AβレベルはAD患者に由来するCSF中で減少することが十分に証明されている。CSF中のタウオリゴマーレベルは評価されておらず、データから、TOMAによるCSF中タウオリゴマーレベルの測定はADのバイオマーカーとなる可能性があることが証明される。CSFはCNSと直接接触していることに留意のこと。従って、その生化学的組成の変化、例えば、タウオリゴマーレベルの増加は、CSF中で明らかになるであろう。さらに、CSFは、生存している患者に腰椎穿刺を行うことによって入手することができる。
CSF凍結試料は、Brain Aging and Dementia (UC Irvine), Prof. John Ringman (Mary S. Easton Center for Alzheimer's Disease Research, UCLA), Prof. Martin Ingelsson (Uppsala University)およびProf. Douglas Galasko (Shiley-Marcos Alzheimer's Disease Research Center, UCSD)から入手した。全ての患者についてMMSEスコアを入手することができる。前駆症状患者についてはCASIスコアを入手することができる(UCLA)。
標準的なELISAプロトコールを使用する。20〜50μlのCSF(16〜40μgの総タンパク質)を各実験について3回同じように使用し、少なくとも2回の独立した実験において測定する。TOMA、タウ-5、HT7、およびpThr181を使用する。
標準的なプロトコールを使用する。TOMAおよびタウ-5を用いてビーズをコーティングする。IPの場合、0.5〜1mlのCSFを各実験において使用する。ウェスタンでは、試料を、TOMA、T2286、タウ-5、HT7、およびpThr181を用いてプローブする。
固相サンドイッチELISAを用いて、CSF中のタウオリゴマーを検出する。本発明者らはタウ-5抗体を用いて、CSFに存在する全てのタウ種を捕捉する。各実験において20μlのCSFを使用する。HT7およびpThr181も「捕捉」抗体として使用する。TOMAおよびpThr181を検出抗体として使用する。
ELISAおよびサンドイッチELISAデータに対して統計解析を行う。データを、GraphPad Prismプログラムを用いてANOVAおよび独立両側t検定によって統計解析する。p値が<0.02であれば、差は統計的に有意であるとみなされる。ブロットをスキャンし、シグナルを定量することによって、IP/ウェスタンデータを分析する。R2値を計算し、MMSEスコアを相関づけた。MMSE以外の患者の臨床的および神経病理学的な特徴付けに基づいてデータおよびその有意性をさらに分析するために、試料と共有する全てのデータが提供される。
マウスモデルにおけるタウオリゴマー
ADのマウスモデルを用いて、Aβ毒性およびAD関連表現型の媒介におけるタウオリゴマーの役割を調べる。Tg2576はこのようなモデルの一例である。Tg2576は十分に特徴付けられており、高い再現性で非常に多くの研究において用いられている。さらに、これは、Aβを介した毒性におけるタウの役割を発見するために用いられたhAPP-J20マウスモデルと同じSwedish変異を有する。Tg2576マウスには続発性タウオパチーがあり、これらの動物の脳にリン酸化タウ種が存在することが報告されている。さらに、データから、このモデルにおいてタウオリゴマーが存在することを証明されている。APP/PS1モデルはさらに悪性度の高いモデルであり、8週間でアミロイド沈着が始まる。4.5ヶ月までにリン酸化タウの沈着を示し、16ヶ月でタウPHFに似た構造を示し、このモデルでは6ヶ月齢でタウオリゴマーを示す。
タウオパチーマウスモデルにおいて観察されたNFT形成と表現型との解離から、タウオリゴマー集合が、形成された最も毒性の強いタウ種であることが分かる。この現象は全てのタウオパチーモデルに普遍的にあり、TOMAを用いて分析するために任意のタウモデルを選択できることを意味している。本発明者らは、h-タウマウスモデルがNFT形成に関係なく広範囲の細胞死およびシナプス病変を示すのでh-タウマウスからの脳、ならびにP301L(JNPL3)からの脳を分析する。後者のモデルは、公表されたたった1つのタウ能動ワクチン接種研究において用いられた。データから、若い年齢で、豊富なタウオリゴマーがIHC、ウェスタンによって確認されたことが分かり、従って、TOMAを用いた受動的ワクチン接種研究のための論理的な選択である。十分に確立した2つのモデルを選択することによって、本発明者らはタウオリゴマーの形成を評価し、Aβ毒性のメディエーターとしての役割を確認することができる。
ヒト脳試料について述べられたものを同じ方法を用いて、マウス脳を分析する。これらの方法には、主にTOMAを使用し、タウ5、タウ13、pThr231、p422、AT100、およびAT8と併用した、パラフィン切片、凍結切片におけるIHC、ウエスタンブロット、およびELISAが含まれる。初期分析は、各マウスモデルの以下の年齢を含む。これらの脳試料のほとんどは動物コロニーから取り出されたのに対して、h-タウのような他の試料は共同研究者であるDr. K.Duffおよびその他から提供された。これらの動物表現型について述べている公開文献に基づいて、これらの時点を選択する。
脳を、5ヶ月、6ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、12ヶ月、および16ヶ月で分析する。
脳を3ヶ月、6ヶ月、8ヶ月、および10ヶ月で分析する。
脳を、5ヶ月齢、7ヶ月齢、8ヶ月齢、10ヶ月齢、および16ヶ月齢のマウスから分析する。
脳を、2ヶ月半、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、および10ヶ月で分析する。
ELISA測定値を、GraphPad PrismプログラムによりANOVAおよび独立両側t検定を用いて分析する。p値が<0.05であれば、差は統計的に有意であるとみなされる。ブロットをスキャンし、Scion Imaging Softwareを用いてシグナルを定量することによって、ウェスタンおよびドットブロットデータを分析する。R2値を計算し、年齢と相関づける。
P301Lモデルは、3ヶ月までに軽度の感覚運動異常を発症し、4ヶ月齢でNFTを発症する。3ヶ月齢、4ヶ月齢、6ヶ月齢、7ヶ月齢、および9ヶ月齢のマウス群の左半球に、2μgのTOMAの単回ボーラスi.c.v.注射を接種した。対照マウスにはPBSまたは対照IgGをi.c.v.注射した。注射の3日前および注射の4日後に行動分析を行う。これらの試験には、ロータロッドならびにトラバースビームおよび物体認識が含まれる。注射して1週間後に動物を屠殺する。脳を取り出し、ICHおよび生化学的分析のために解剖する。注射と動物の屠殺との間にさらに期間を空けることも考えられる。これは、タウオリゴマーと他のタウ凝集物との間のダイナミクスの理解に役立つだろう。これらの脳からのIHC分析は、細胞外タウオリゴマーと細胞内タウオリゴマーとの関係を評価するために用いられる。P301Lマウスモデルにおける行動異常は、以下の試験、ロータロッド、トラバースビーム、および物体認識を行うことによって評価する。
Tg2576モデルは、6ヶ月から記憶低下を示すのに対して、Aβアミロイド斑は9ヶ月で沈着し始める。これらの動物は、6〜12ヶ月齢の間に重篤な記憶欠陥を示す。Aβオリゴマーは、斑形成のかなり前である6ヶ月で認められる。6ヶ月齢、8ヶ月齢、10ヶ月齢、および12ヶ月齢のマウス群の左半球に2μgのTOMAをi.c.v注射する。対照マウスにはPBSまたは対照IgGをi.c.v.注射する。注射の4日前および注射の4日後に行動試験および記憶試験を行う。これらの試験は恐怖条件づけおよび自発運動活性を含む。注射して1週間後に動物を屠殺する。脳を取り出し、IHCおよび生化学的分析のために解剖する。行動試験および記憶試験が行われ、恐怖条件づけ、モーリス水迷路、および自発運動活性を含む。
これらの動物の脳におけるタウオリゴマーレベルを本明細書に記載のように分析する。最初に、ワクチン接種前のこれらの動物の総タウレベルおよびタウオリゴマーレベルを、タウオリゴマーの場合はTOMAならびに総タウの場合はタウ5およびタウ13によって定量する。次いで、受動的ワクチン接種前後のタウオリゴマーレベルおよび総タウレベルを計算し、比較する。最後に、タウオリゴマーレベルを行動試験の結果と相関づける。ロータロッド、恐怖条件づけ、およびトラバースビームからのデータを、二元配置ANOVA反復測定およびボンフェローニポストホックテストによって分析する。自発運動活性測定、モーリス水迷路、および物体認識試験からのデータを、独立両側t検定を用いて分析する。行動アウトカムとタウオリゴマーレベルとの相関関係を評価し、ピアソンr係数によって分析する。R2値を計算する。
Claims (2)
- タウオリゴマー特異的抗体を特定する方法であって、以下の工程を含む方法:
(a)タウオリゴマーに結合する抗体と、タウオリゴマー、可溶性タウ、またはタウ原線維とを独立に接触させる工程;および
(b) 3〜24個のタウポリペプチドの凝集物であるタウオリゴマーに結合し、かつ可溶性タウに結合せず、かつタウ原線維に結合しないタウオリゴマー抗体を特定する工程。 - 前記タウオリゴマーに結合し、かつ可溶性タウに結合せず、かつタウ原線維に結合しないタウオリゴマー抗体がイムノブロッティングまたはELISAアッセイによって特定される、請求項1記載の方法。
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