JP6123611B2 - 蛍光顔料及び蛍光顔料を用いた塗膜 - Google Patents

蛍光顔料及び蛍光顔料を用いた塗膜 Download PDF

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Description

本発明は、彩度が非常に高い新規な塗料用蛍光顔料及び塗料用蛍光顔料を用いた塗膜に関する。
自動車等の工業製品の外装色においては、各種の外装色が用いられており、色の多様性の観点から、有機顔料が多く使用されている。しかしながら、有機顔料は自動車等の厳しい環境での使用における十分な耐久性を有していないなどの問題がある。また、彩度が十分ではないなどの意匠性の観点からも改善の余地がある。一方、酸化チタンなどの無機系顔料は、十分な耐久性を有しているものの、色の多様性が乏しく、また、明度や彩度などの意匠性の観点からも改善の余地がある。
近年、自動車用塗膜において、黄色から橙色の色合いを持つ塗膜が増加してきている。これらの塗膜には、有機顔料が使用されており、前述した耐久性の課題や、より彩度の大きな塗膜が得られる顔料が必要とされているなど意匠性の点からも改善が望まれている。
高彩度塗膜を実現する方法として、蛍光増白剤を添加した白色系塗膜(特許文献1)、蛍光顔料を含有する複層塗膜(特許文献2)、有機系高彩度顔料を用いた有色塗膜(特許文献3)、多層干渉小板により反射率を高めた塗膜(特許文献4)などが提案されている。
一方、耐久性を備えた無機系蛍光顔料として、特許文献5には、緑色、黄緑色〜黄色、赤色の蛍光顔料が示されているが、十分な彩度を有する黄色から橙色の無機系顔料は開示されていない。
このように、耐久性を備えた無機系顔料で十分な彩度を有した黄色から橙色の塗膜が得られる顔料は存在しない。
特開平1−313575号公報 特開2012−96213号公報 特開平7−286111号公報 特開平9−508172号公報 特開2009−263201号公報 特開2002−363554号公報
黄色から橙色の色を有する塗膜を得られる無機系顔料で、十分な彩度が得られる顔料が求められているにもかかわらず、実用に値する彩度で且つ耐久性に優れた無機系顔料が得られていない。
本発明は、物体色をL表示系で表した場合に、色相a、bが0<a≦50、58≦b≦95である顔料について、従来よりも彩度に優れ、且つ耐久性に優れた無機系顔料と、それを用いた塗膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、Euで賦活されたCa含有α型サイアロンを主成分とする酸窒化物が、物体色をL表示系で表した場合に、色相a、bが0<a≦50、58≦b≦95であり、彩度CがC≧50と非常に高い彩度を有する蛍光顔料が得られることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、Euで賦活されたCa含有α型サイアロンを主成分とする酸窒化物であり、物体色をL表示系で表した場合に、色相a、bが0<a≦50、58≦b≦95であり、彩度CがC≧50である蛍光顔料に関する。
また、本発明の一態様においては、組成式:
Cax1Eux2Si12−(y+z)Al(y+z)16−z
(ただし、式中、x1、x2、y、zは、
1.10≦x1+x2≦1.70、
0.18≦x2/x1≦0.47、
2.6≦y≦3.6、
0.0≦z≦1.0)
で表される組成範囲1内にある、α型サイアロンを主成分とする酸窒化物であり、物体色をL表示系で表した場合に、色相a、bが0<a≦50、58≦b≦95であり、彩度CがC≧50である蛍光顔料に関する。
また、本発明の一態様においては、組成式:
Cax1Eux2Si12−(y+z)Al(y+z)16−z
(ただし、式中、x1、x2、y、zは、
1.60≦x1+x2≦2.90、
0.18≦x2/x1≦0.70、
4.0≦y≦6.5、
0.0≦z≦1.0)
で表される組成範囲3内にある、α型サイアロンと窒化アルミニウムとを含む酸窒化物であり、物体色をL表示系で表した場合に、色相a、bが0<a≦50、58≦b≦95であり、彩度CがC≧50である蛍光顔料に関する。
また、本発明は、前記組成範囲3で表される酸窒化物が、窒化アルミニウムの含有量が、0質量%より大きく33質量%より小さい蛍光顔料に関する。
さらに、本発明はもう一つの側面において、Euで賦活されたCa含有α型サイアロンを主成分とする酸窒化物からなる蛍光顔料の製造方法であって、ケイ素源となる物質と、アルミニウム源となる物質と、カルシウム源となる物質と、ユーロピウム源となる物質とを混合し、不活性ガス雰囲気中、1500〜2000℃の温度範囲で焼成することにより、前記一般式で表される酸窒化物焼成物を得る第1工程と、前記酸窒化物焼成物を、不活性ガス雰囲気中、1100〜1600℃の温度範囲で熱処理する第2工程と、を有することを特徴とする蛍光顔料の製造方法に関する。
本発明のさらに別の側面において、前記Euで賦活されたCa含有α型サイアロンを主成分とする酸窒化物からなる蛍光顔料を含有する塗膜に関する。
本発明によれば、Euで賦活されたCa含有α型サイアロンを主成分とする酸窒化物とすることにより、物体色をL表示系で表した場合に、0<a≦50、58≦b≦95であり、彩度CがC≧50と高彩度で、且つ耐久性に優れた蛍光顔料が提供される。また、本発明は、その酸窒化物からなる蛍光顔料の製造方法が提供される。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明は、Euで賦活されたCa含有α型サイアロンを主成分とする酸窒化物であって、物体色をL表示系で表した場合に、0<a≦50、58≦b≦95であり、彩度CがC≧50である高彩度の蛍光顔料に関するものである。
α型サイアロン、特に、Ca含有α型サイアロンとは、α型窒化ケイ素のSi−N結合の一部がAl−N結合およびAl−O結合に置換され、Caイオンが格子内に侵入固溶して電気的中性が保たれた固溶体である。
本発明の酸窒化物に含まれるα型サイアロンは、前記Caイオンに加えてEuイオンが格子内に侵入固溶することで、Ca含有α型サイアロンが賦活されて、紫外から可視光の光によって励起され、黄色から橙色の蛍光を発する。
一般的な希土類元素を賦活させたα型サイアロンは、特許文献6に記載されているとおり、MeαSi12−(m+n)Al(m+n)16−n(Meは、Ca、Mg、Y、又はLaとCeを除くランタニド金属の一種若しくは二種以上)で表され、金属Meは、(Si,Al)(N,O)の4式量を含むα型サイアロンの大きな単位胞3個当たり最低1個から、単位胞1個当たり最高1個まで固溶する。また、金属Meがα型サイアロンの格子内に固溶した際に電気的中性を保つために、Siの一部がAlに置換される。置換量は式、m=β×αで表される。式中の係数βはα型サイアロンに固溶する金属元素Meの価数から、式中αはα型サイアロンに固溶する金属元素Meの量から与えられる数値である。α型サイアロンに固溶する金属元素Meが複数存在する場合には、m=β1×α1+β2×α2のように表すことができる。
発明者は、黄色から橙色の高彩度が得られる蛍光顔料としてα型サイアロンからなる酸窒化物について鋭意検討した結果、Euで賦活されたCa含有α型サイアロンが、黄色から橙色の物体色を示し、非常に高い彩度を有することを見出したものである。
次に、本発明の酸窒化物からなる蛍光顔料について具体的に説明する。
本発明の蛍光顔料は、Euで賦活されたCa含有α型サイアロンを主成分とする酸窒化物であり、物体色をL表示系で表した場合に、0<a≦50、58≦b≦95であり、彩度CがC≧50である蛍光顔料である。
ここで、物体色は、光が物体で反射した時の色を意味し、L表示系(JISZ8729参照)で表すことができる。本発明においては、測定物(蛍光顔料、および蛍光顔料を含有した塗膜)を標準光源(JISZ8720参照)であるC光源で照射し、得られた反射光を分光して、L値、a値、b値を求めることができる。ここで、C光源は、太陽光に近い光で、標準的な昼光で照明する物体色の表示に用いられる光源である。また、L値は明度を表し、a値、b値は色相を表し、彩度Cは以下の関係式(1)から算出される色の鮮やかさを示す指標である。
物体色は色差計(分光色差計、測色色差計)を用いて測定することができる。本発明では、日本電色工業製分光色差計(SE6000)を用いて、C光源でL値、a値、b値、C値を測定した。
本発明の蛍光顔料は、Euで賦活されたCa含有α型サイアロンである。Euで賦活されたCa含有α型サイアロンは、0<a≦50、58≦b≦95の黄色から橙色の物体色であり、この際の彩度CはC≧50と非常に高彩度である。一方、α型サイアロン結晶中に侵入固溶する元素として、Ca以外にもLi、Mg、Y等の金属元素が、賦活剤としては、Eu以外にもCeやYb等が知られているが、これらの侵入固溶金属元素や賦活元素を用いたα型サイアロン蛍光体は、0<a≦50、58≦b≦95の物体色を示さず、また、彩度CもC<50となり、高彩度の蛍光顔料は得られない。
本発明の一態様においては、組成式:
Cax1Eux2Si12−(y+z)Al(y+z)16−z
(ただし、式中、x1、x2、y、zは、
1.10≦x1+x2≦1.70、
0.18≦x2/x1≦0.47、
2.6≦y≦3.6、
0.0≦z≦1.0)
で表される組成範囲1内にある、α型サイアロンを主成分とする酸窒化物であり、物体色をL表示系で表した場合に、色相a、bが0<a≦50、58≦b≦95であり、彩度CがC≧50である蛍光顔料である。
前記x1及びx2はα型サイアロンへのCaイオンおよびEuイオンの侵入固溶量を示す値で、組成範囲1におけるx1、x2が1.10≦x1+x2≦1.70、0.18≦x2/x1≦0.47の範囲にある場合には、CがC>73となるため好ましい。
前述したように、前記yはα型サイアロンへ金属元素が固溶する際に電気的中性を保つために決められる値で、前記酸窒化物では、y=2x1+3x2で表される。式中のx1の係数2はCa含有α型サイアロンに固溶するCaイオンの価数から、式中x2の係数3はCa含有α型サイアロンに固溶するEuイオンの価数から与えられる数値である。
本発明の組成範囲1においては、前記y及びzの範囲は、2.6≦y≦3.6、0.0≦z≦1.0である。yおよびzがこの範囲の組成である場合、物体色の色相が0<a≦50、58≦b≦95であり、彩度CがC>73の蛍光顔料となる。
組成範囲1において、前記yが2.6より小さい、又は、3.6より大きくなると、Cが小さくなる。さらに、前記zはα型サイアロンへの酸素の置換固溶量に関する値である。zが1より大きくなると、物体色のCが小さくなる。また、0≦y<1.0、0≦z<1.5の範囲ではβ型サイアロンが生成し、目的とする黄色から橙色の蛍光顔料が得られなくなる。
また、本発明の組成範囲1においては、前記x1、x2、y、zは、1.20≦x1+x2≦1.50、0.18≦x2/x1≦0.33、2.8≦y≦3.2、0.0≦z≦0.2であることが好ましい。x1、x2、yおよびzがこの範囲の組成である場合、彩度CがC>77と大きくなる。
本発明のさらに別の一態様においては、組成式:
Cax1Eux2Si12−(y+z)Al(y+z)16−z
(ただし、式中、x1、x2、y、zは、
1.60≦x1+x2≦2.90、
0.18≦x2/x1≦0.70、
4.0≦y≦6.5、
0.0≦z≦1.0)
で表される組成範囲3内にある、α型サイアロンと窒化アルミニウムとを含む酸窒化物であり、物体色をL表示系で表した場合に、色相a、bが0<a≦50、58≦b≦95であり、彩度CがC≧50である蛍光顔料である。
組成範囲3におけるx1、x2が、1.60≦x1+x2≦2.90、0.18≦x2/x1≦0.70の範囲にある場合には、彩度CがC>90と非常に大きな彩度となるため好ましい。
本発明の組成範囲3においては、前記y及びzの範囲は、4.0≦y≦6.5、0.0≦z≦1.0である。yおよびzがこの範囲の組成である場合、物体色の色相が0<a≦50、58≦b≦95であり、彩度CがC>90の蛍光顔料となる。
組成範囲3において、前記yが4.0より小さく、又は、前記yが6.5より大きくなると、物体色のCが小さくなる。さらに、前記zはα型サイアロンへの酸素の置換固溶量に関する値である。zが1より大きくなると、物体色のCが小さくなる。また、0≦y<1.0、0≦z<1.5の範囲ではβ型サイアロンが生成し、目的とする黄色から橙色の蛍光顔料が得られなくなる。
また、本発明の組成範囲3においては、前記x1、x2、y、zは、1.90≦x1+x2≦2.60、0.18≦x2/x1≦0.50、4.60≦y≦5.50、0.0≦z≦0.20であることが好ましい。x1、x2、yおよびzがこの範囲の組成である場合、彩度CがC≧94と非常に大きくなる。
本発明の蛍光顔料は、CuKα線を用いたX線回折(XRD)装置により結晶相を同定すると、三方晶に分類されるα型サイアロン結晶相のみ、又は、三方晶に分類されるα型サイアロン結晶相と六方晶に分類される窒化アルミニウム結晶相とからなる。前記組成範囲1で得られる蛍光顔料は、α型サイアロン結晶相のみからなる。一方、前記組成範囲3で得られる蛍光顔料は、α型サイアロン結晶相と窒化アルミニウム結晶相とからなる。組成範囲3で得られる蛍光顔料については、窒化アルミニウム結晶相を適量含む場合に、彩度C*が比較的大きく成り易く好ましい。また、窒化アルミニウム結晶相が多くなりすぎると、彩度C*が小さくなる。蛍光顔料に含まれる窒化アルミニウム結晶相の含有量としては、前記組成範囲3においては0質量%より大きく33質量%より小さい範囲で含むことが好ましい。さらに、より好ましくは、24質量%以下である。この範囲で窒化アルミニウム結晶相を含んだ場合には、彩度Cが大きくなる。
XRD測定における結晶相の同定、及び定量化は、X線パターン解析ソフトを用いて行うことができる。解析ソフトとしては、リガク社製PDXL等が挙げられる。尚、蛍光顔料のXRD測定、リートベルト法による結晶相の定量化は、リガク社製X線回折装置(Ultima IV Protectus)および解析ソフト(PDXL)を用いて行った。
本発明の酸窒化物からなる蛍光顔料は、黄色から橙色の高い彩度Cを有することから、高彩度の物体色を有する塗膜として用いることができる。塗膜として形成する場合には、基板上に物体色L表示系で表した場合に、明度Lが80以上の高い明度を有する白色ベース塗膜に本発明の蛍光顔料を含有した塗膜を形成することができる。白色ベース塗膜上に本発明の塗膜を形成した場合、彩度が大きくなるため好ましい。
塗膜の物体色も蛍光顔料と同様に色差計(分光色差計、測色色差計)を用いて測定することができる。本発明では、日本電色工業製分光色差計(SE6000)を用いて、C光源でL値、a値、b値、C値を測定した。
次に、本発明の蛍光顔料の製造方法について具体的に説明する。
本発明の蛍光顔料は、組成式:
Cax1Eux2Si12−(y+z)Al(y+z)16−z
において、
組成範囲1である1.10≦x1+x2≦1.70、0.18≦x2/x1≦0.47、2.6≦y≦3.6、0.0≦z≦1.0、
又は
成範囲3である1.60≦x1+x2≦2.90、0.18≦x2/x1≦0.70、4.0≦y≦6.5、0.0≦z≦1.0
で表される組成となるように、ケイ素源となる物質と、ユーロピウム源となる物質と、カルシウム源となる物質と、アルミニウム源となる物質とを混合し、不活性ガス雰囲気中、1500〜2000℃の温度範囲で焼成することにより得られる。好ましくは、得られた焼成物を、さらに、不活性ガス雰囲気中、1100〜1600℃の温度範囲で熱処理する。
原料のケイ素源となる物質は、ケイ素の窒化物、酸窒化物、酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質から選択される。特に、結晶性窒化ケイ素が好ましく、結晶性窒化ケイ素を用いることにより、高彩度の蛍光顔料を得ることが出来る。
原料のユーロピウム源となる物質は、ユーロピウムの窒化物、酸窒化物、酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質から選択される。特に好ましくは、窒化ユーロピウム(EuN)である。EuNを用いることでzを小さくすることが可能であり、0<a≦50、58≦b≦95である蛍光顔料を得やすくなる。
原料のカルシウム源となる物質は、カルシウムの窒化物、酸窒化物、酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質から選択される。特に好ましくは、窒化カルシウム(Ca)である。Caを用いることでzを小さくすることが可能であり、0<a≦50、58≦b≦95である蛍光顔料を得やすくなる。
原料のアルミニウム源となる物質としては、酸化アルミニウム、金属アルミニウム、窒化アルミニウムが挙げられ、これらの粉末の夫々を単独で使用しても良く、併用しても良い。
また、本発明の蛍光顔料の製造原料としての窒化ケイ素粉末の平均粒子径は、1.0μm以上12.0μm以下が好ましい。さらに好ましくは3.0μm以上12.0μm以下である。平均粒子径が1.0μm未満では酸素含有量が増加する傾向があり、彩度向上の効果が小さくなる。平均粒子径が12.0μmを超えると、製造が難しく実用的ではない。なお、窒化ケイ素粉末の平均粒子径は、該窒化ケイ素粉末の走査型電子顕微鏡写真から測定した。具体的には、走査型電子顕微鏡像写真内に円を描き、その円に接する個々の粒子について、粒子に内接する最大の円を定め、その円の直径をその粒子の径とし、それらの粒子の径の平均をとることにより粉末の平均粒子径を算出した。対象とする測定粒子の数は、約50〜150個になるようにした。
また、窒化ケイ素粉末の比表面積は、0.2〜3.0m/gが好ましい。さらに好ましくは0.2m/g以上、1.0m/g以下である。結晶質窒化ケイ素粉末の比表面積を0.2m/g未満にする事は製造上難しく実用的ではなく、素子化する上で不都合を生じる。比表面積が3m/gを超えると、彩度向上の効果が小さくなるので、0.2〜3.0m2/gが好ましい。なお、比表面積は、島津社製フローソーブ2300型比表面積測定装置(窒素ガス吸着法によるBET法)で測定した。
本発明の蛍光顔料の製造に用いる窒化ケイ素粉末として、上記の如く、結晶質窒化ケイ素粉末を好ましく用いることができ、α型窒化ケイ素粉末であることが好ましい。
本発明の蛍光顔料の製造に用いる窒化ケイ素粉末として、特に酸素含有量が少ない結晶質窒化ケイ素粉末、α型窒化ケイ素粉末を好ましく用いることができる。従来の原料としての窒化ケイ素粉末の酸素含有量は、1.0〜2.0質量%であり、本発明に従い酸素含有量が0.2〜0.9質量%と少ない窒化ケイ素粉末を原料に用いることにより、従来のα型サイアロンよりも彩度の高い蛍光顔料を得ることができる。窒化ケイ素中の酸素含有量は、好ましくは、0.2〜0.8質量%、さらに好ましくは酸素量0.2〜0.4質量%である。酸素量を0.2質量%未満にする事は製造上難しく、酸素量が0.9質量%を超えると本発明の蛍光顔料の彩度の顕著な向上が認められない。なお、含有酸素の測定は、LECO社製酸素窒素同時分析装置で測定した。
本発明の蛍光顔料の製造に好ましく用いることができる窒化ケイ素粉末は、含窒素シラン化合物および/または非晶質(アモルファス)窒化ケイ素粉末を熱分解して得ることができる。含窒素シラン化合物としては、シリコンジイミド(Si(NH))、シリコンテトラアミド、シリコンニトロゲンイミド、シリコンクロルイミド等が挙げられる。これらは、公知の方法、例えば、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四沃化ケイ素等のハロゲン化ケイ素とアンモニアとを気相で反応させる方法、液状の前記ハロゲン化ケイ素と液体アンモニアとを反応させる方法などによって製造される。
また、非晶質窒化ケイ素粉末は、公知の方法、例えば、前記含窒素シラン化合物を窒素又はアンモニアガス雰囲気下に1200℃〜1460℃の範囲の温度で加熱分解する方法、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四沃化ケイ素等のハロゲン化ケイ素とアンモニアとを高温で反応させる方法などによって製造されたものが用いられる。非晶質窒化ケイ素粉末及び含窒素シラン化合物の平均粒子径は、通常、0.003〜0.05μmである。
前記の含窒素シラン化合物、非晶質窒化ケイ素粉末は加水分解し易く、酸化され易いので、これらの原料粉末の秤量は、不活性ガス雰囲気中で行う。また、前記含窒素シラン化合物の加熱分解に用いる加熱炉に流通させる窒素ガス中の酸素濃度を0〜2.0vol%の範囲で制御できる。前記含窒素シラン化合物の加熱分解時の雰囲気中の酸素濃度を、例えば、100ppm以下、好ましくは10ppm以下などに規定して、低酸素含有量の非晶質窒化ケイ素粉末を得る。非晶質窒化ケイ素粉末の酸素含有量が低いほど、得られる結晶質窒化ケイ素粒子の酸素含有量も低くなる。また、反応容器材質および粉末取り扱い機器における粉末と金属との擦れ合い状態を改良した公知の方法により、非晶質窒化ケイ素粉末に混入する金属不純物は10ppm以下に低減される。
次に、含窒素シラン化合物および/または非晶質窒化ケイ素粉末を1300〜1700℃の範囲で、窒素又はアンモニアガス雰囲気下で焼成して結晶質窒化ケイ素粉末を得る。焼成の条件(温度と昇温速度)を制御することで、粒子径を制御する。本発明の場合、低酸素の結晶質窒化ケイ素粉末を得るためには、含窒素シラン化合物から非晶質窒化ケイ素粉末を焼成する際の窒素ガス雰囲気焼成に同時含有させる酸素を制御する必要がある。大きな粒子径の結晶質窒化ケイ素粉末を得るためには、非晶質窒化ケイ素粉末から結晶質窒化ケイ素粉末を焼成する際、40℃/h以下のようなゆっくりとした昇温が必要である。このようにして得られた結晶質窒化ケイ素粉末は、大きな一次粒子がほぼ単分散の状態にあり、凝集粒子、融着粒子はほとんどない。得られた結晶質窒化ケイ素粉末は金属不純物100ppm以下の高純度粉末である。また、この結晶質窒化ケイ素粉末を酸洗浄するなど化学的処理をする事で低酸素の結晶質窒化ケイ素粉末が得られる。このようにして、本発明の酸素量が0.2〜0.9質量%の蛍光顔料製造用窒化ケイ素粉末を得ることができる。
また、このようにして得られた窒化ケイ素粉末は、金属シリコンの直接窒化法により製造された窒化ケイ素と違って、強力な粉砕を必要とせず、そのため、不純物量が100ppm以下と極めて少ないという特徴がある。本発明の結晶質窒化ケイ素粉末に含まれる不純物(Al、Ca、Fe)は、100ppm以下、好ましくは20ppm以下とすることで、彩度の高い蛍光顔料が得られるので好ましい。
上記の低酸素含有量の窒化ケイ素粉末原料は、本発明の蛍光顔料の製造に一般的に好ましく使用できる。特に、前記の組成式において、前記x1、x2、y、zが、組成範囲1においては、1.10≦x1+x2≦1.70、0.18≦x2/x1≦0.47、2.6≦y≦3.6、0.0≦z≦1.0、組成範囲3においては、1.60≦x1+x2≦2.90、0.18≦x2/x1≦0.70、4.0≦y≦6.5、0.0≦z≦1.0である蛍光顔料の製造でも有用である。この組成において、窒化ケイ素粉末原料が、上記の低酸素含有量であるとともに、その平均粒子径が、前述した1.0μm以上12.0μm以下、さらには3.0μm以上12.0μm以下の範囲であり、その比表面積が、0.2〜3.0m/g、さらには、0.2m/g以上1.0m/g以下の範囲であることが好ましい。窒化ケイ素粉末原料の酸素含有量、平均粒子径、及び比表面積がこの範囲にあると、得られる蛍光顔料が、色相0<a≦50、58≦b≦95であり、彩度CがC≧50となるので好ましい。
また、上記の低酸素含有量の窒化ケイ素粉末原料は、特に、前記の組成式において、前記x1、x2、y、zが、組成範囲1において、1.20≦x1+x2≦1.50、0.18≦x2/x1≦0.33、2.8≦y≦3.2、0.0≦z≦0.20、組成範囲3において、1.90≦x1+x2≦2.60、0.18≦x2/x1≦0.50、4.60≦y≦5.50、0.0≦z≦0.20である蛍光顔料の製造においても有用である。この組成において、窒化ケイ素粉末原料が、上記の低酸素含有量であるとともに、その平均粒子径が、前述した1.0μm以上12.0μm以下、さらには3.0μm以上12.0μm以下の範囲であり、その比表面積が、0.2〜3.0m/g、さらには、0.2m/g以上1.0m/g以下の範囲であることが好ましい。窒化ケイ素粉末原料の酸素含有量、平均粒子径、及び比表面積がこの範囲にあると、得られる蛍光顔料が、色相0<a≦50、58≦b≦95であり、彩度CがC>77となるので好ましい。
焼成においては、焼結を促進し、より低温でα型サイアロン結晶相を生成させることを目的に、焼結助剤となるLi含有化合物を添加することが好ましい。用いるLi含有化合物としては、酸化リチウム、炭酸リチウム、金属リチウム、窒化リチウムが挙げられ、これらの粉末の夫々を単独で使用しても良く、併用しても良い。特に、窒化リチウムを用いた場合には、色相0<a≦50、58≦b≦95の蛍光顔料が得られやすくなり好ましい。また、Li含有化合物の添加量は、蛍光顔料1molに対して、Li元素として0.01〜15.0molが適当である。
ケイ素源となる物質と、ユーロピウム源となる物質と、カルシウム源となる物質と、アルミニウム源となる物質とを混合する方法については、特に制約は無く、それ自体公知の方法、例えば、乾式混合する方法、原料各成分と実質的に反応しない不活性溶媒中で湿式混合した後に溶媒を除去する方法などを採用することができる。混合装置としては、V型混合機、ロッキングミキサー、ボールミル、振動ミル、媒体攪拌ミルなどが好適に使用される。
ケイ素源となる物質と、ユーロピウム源となる物質と、カルシウム源となる物質と、アルミニウム源となる物質との混合物を、不活性ガス雰囲気中、1500〜2000℃の温度範囲で焼成することで、前記組成式で表される酸窒化物焼成物を得ることができる。1500℃より低いとα型サイアロンの生成に長時間の加熱を要し、実用的ではない。2000℃より高いと窒化ケイ素およびα型サイアロンが昇華分解し遊離のシリコンが生成するため、彩度の高い蛍光顔料が得られなくなる。不活性ガス雰囲気中、1500〜2000℃の範囲の焼成が可能であれば、焼成に使用される加熱炉については、特に制約は無い。例えば、高周波誘導加熱方式または抵抗加熱方式によるバッチ式電気炉、ロータリーキルン、流動化焼成炉、プッシャ−式電気炉などを使用することができる。混合物を充填する坩堝には、BN製の坩堝、窒化ケイ素製の坩堝、黒鉛製の坩堝、炭化珪素製の坩堝を用いることができる。焼成によって得られる酸窒化物焼成物は、凝集が少なく、分散性が良好な粉体である。
上記の焼成により得られた酸窒化物焼成物は更に熱処理してもよい。得られた酸窒化物焼成物を、不活性ガス雰囲気中、または還元性ガス雰囲気中、1100〜1600℃の温度範囲で熱処理することで、彩度が特に高い蛍光顔料が得られる。より彩度が高い蛍光顔料を得るためには、熱処理温度を1500〜1600℃の範囲とすることが好ましい。熱処理温度が1100℃に満たない場合、または1600℃を超える場合は、得られる蛍光顔料の彩度が小さくなる。熱処理を行う場合の最高温度での保持時間は、特に高い彩度を得るには、0.5時間以上であることが好ましい。4時間を越えて熱処理を行なっても、時間の延長に伴った彩度の向上は僅かに留まるか、殆ど変わらないため、熱処理を行う場合の最高温度での保持時間としては、0.5〜4時間の範囲であることが好ましい。
不活性ガス雰囲気中、または還元性ガス雰囲気中、1100〜1600℃の温度範囲で熱処理することが可能であれば、熱処理に使用される加熱炉については、特に制約は無い。例えば、高周波誘導加熱方式または抵抗加熱方式によるバッチ式電気炉、ロータリーキルン、流動化焼成炉、プッシャ−式電気炉などを使用することができる。混合物を充填する坩堝には、BN製の坩堝、窒化ケイ素製の坩堝、黒鉛製の坩堝、炭化ケイ素製の坩堝、酸化アルミニウム製の坩堝を用いることができる。
本発明の蛍光顔料の好ましい一態様は、前記記載の製造方法により得られる蛍光顔料であり、より詳しくは、ケイ素源となる物質と、ユーロピウム源となる物質と、カルシウム源となる物質と、アルミニウム源となる物質とを混合し、不活性ガス雰囲気中、1500〜2000℃の温度範囲で焼成し、次いで、不活性ガス雰囲気中、1100〜1600℃の温度範囲で熱処理することにより得られる、Euで賦活されたCa含有α型サイアロンを主成分とする酸窒化物であり、物体色をL表示系で表した場合に、0<a≦50、58≦b≦95であり、彩度CがC≧50であることを特徴とする蛍光顔料である。
本発明の蛍光顔料は、Euで賦活されたCa含有α型サイアロンを主成分とする酸窒化物であり、従来より使用されている有機顔料に比べ、耐久性に優れているという特徴を有している。また、物体色が0<a≦50、58≦b≦95の領域において、彩度CがC≧50と高い彩度を有した蛍光顔料である。
また、本発明の蛍光顔料は高彩度の物体色を有する塗膜として用いることができる。
本発明の塗膜において、基材としては、鉄、亜鉛、アルミニウム等の金属やこれらを含む合金、及びこれらの金属によるメッキまたは蒸着が施された成型物、ならびに、ガラス、プラスチックや発泡体などによる成型物等を挙げることができる。これら素材に応じて適宜、脱脂処理や表面処理して基材とすることができる。さらに、上記基材に下塗り塗膜や中塗り塗膜を形成させて基材とすることもできる。
前記下塗り塗膜とは、素材表面を隠蔽し、素材に防食性及び防錆性などを付与するために形成されるものである。この下塗り塗料種としては特に限定されるものではなく、例えば、電着塗料、溶剤型プライマー等を挙げることができる。
また、前記中塗り塗膜とは、下塗り塗膜を隠蔽し、付着性や耐チッピング性などを付与するために形成されるものである。中塗り塗料種は、特に限定されるものではなく、既知のものを使用でき、例えば、熱硬化性樹脂組成物及び着色顔料を必須成分とする有機溶剤系又は水系の中塗り塗料を好ましく使用できる。
本発明の塗膜においては、前述の中塗り塗膜上に、本発明の蛍光顔料を含む蛍光ベース塗膜を形成する。蛍光ベース塗膜は、1層の塗膜として形成することができるが、2層の塗膜として形成しても良い。まず、1層の塗膜として形成させる場合について説明する。
蛍光顔料の蛍光ベース塗料における含有量は、塗膜の仕上がり性や、より高い彩度を得る目的の点から蛍光ベース塗料中の樹脂成分100質量部に対して10〜200質量部の範囲内とすることが好ましく、より好ましくは20〜150質量部の範囲内、特に好ましくは20〜100質量部の範囲内であることが好ましい。
蛍光ベース塗料には、通常、ビヒクルとして、樹脂成分を含有する。樹脂成分としては、具体的には、水酸基などの架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などの基体樹脂と、必要に応じてメラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合物(ブロック体も含む)などの架橋剤とを併用したものが挙げられ、これらは有機溶剤及び/又は水などの溶媒に溶解または分散して使用される。さらに、必要に応じて、顔料分散剤、沈降防止剤、硬化触媒、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤などを適宜配合することができる。
本発明の塗膜においては、中塗り塗装を行った基板上に白色ベース塗装を施した後、蛍光ベース塗膜を形成することができる。白色ベース塗膜を施すことにより、より彩度Cの大きな塗膜が得られるため好ましい。白色ベース塗膜としては、L表色系における明度Lが80以上の白色ベース塗膜が好ましく、酸化チタン顔料を含有した塗料組成物を用いることができる。酸化チタン顔料は、屈折率が高いことから白色顔料として広く使用されているものであり、結晶形によってルチル型とアナターゼ型があり、本発明においてはいずれを使用しても良いが、耐候性の点からルチル型を使用することができる。また、分散性や耐候性を向上させることを目的として、表面をシリカ、ジルコニウム、アルミニウム等の無機化合物で処理したものを使用しても良い。
白色ベース塗料には、通常、ビヒクルとして樹脂成分を含有する。樹脂成分としては、前記蛍光ベース塗膜で用いた樹脂を使用することができる。さらに、必要に応じて、顔料分散剤、沈降防止剤、硬化触媒、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤などを適宜配合することができる。
本発明の塗膜においては、前述の蛍光ベース塗膜上に、クリヤー塗料を塗布して、クリヤー塗膜を形成することができる。クリヤー塗膜は、1層の塗膜として形成することができるが、2層以上の塗膜として形成しても良い。クリヤー塗膜を2層以上の塗膜として形成することで、塗膜の仕上がり性や鮮映性を向上させることができる。
クリヤー塗料は、樹脂成分及び溶剤を含有し、さらにその他の塗料用添加剤等を適宜配合してなる無色もしくは有色の透明塗膜を形成する液状塗料であることができる。該クリヤー塗料としては、それ自体既知のものを制限なく使用することができ、例えば、樹脂成分としては、具体的には、水酸基などの架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などの基体樹脂と、必要に応じてメラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合物(ブロック体も含む)などの架橋剤とを併用したものが挙げられ、これらは有機溶剤及び/又は水などの溶媒に溶解または分散して使用される。さらに、必要に応じて、顔料分散剤、沈降防止剤、硬化触媒、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤などを適宜配合することができる。
次に、本発明の塗膜の製造方法について具体的に説明する。
本発明の塗膜において、基材としては、前述の鉄、亜鉛、アルミニウム等の金属などによる成型物等を挙げることができる。これら素材に応じて適宜、脱脂処理や表面処理して基材とする。表面処理としては、リン酸塩処理等の化成処理が挙げられる。リン酸塩処理は、金属基材の表面にリン酸亜鉛などの金属塩被膜を生成させるもので、一般的な工程として、脱脂処理、水洗、除錆、水洗、中和、水洗、表面調整、リン酸塩処理、水洗、乾燥の工程で行うことができる。
表面処理を行った前記基材に対して下塗り塗膜を行う。下塗り塗装として一般的に行われているカチオン電着塗装を用いることができる。カチオン電着塗装は、被覆物(基材)を電着塗料に浸漬し、被覆物を陰極に、電着槽内の隔膜室内に設置した極板を陽極として、この間に150〜250Vの直流電流を数分間印加することで行われる。得られた塗膜を100℃〜160℃程度で数分から30分程度焼き付けすることで、厚みが10〜30μm程度の電着塗膜を得ることができる。
前記下塗り塗装を行った基材に対して中塗り塗装を行う。中塗り塗装は、前述の中塗り塗料をエアスプレー、エアレススプレーなどの方法で塗装し、100〜160℃程度で乾燥、硬化することによって、塗膜厚みとして20〜40μm程度の塗膜を得ることができる。
また、基材として、下塗り塗膜あるいは中塗り塗膜を形成させる場合においては、下塗り塗膜あるいは中塗り塗膜を加熱し、架橋硬化後に本発明の蛍光顔料を含む塗料組成物を塗装することができる。あるいは、下塗り塗膜及び/又は中塗り塗膜が未硬化の状態で、塗装することもできる。
本発明の塗膜においては、前述の方法で形成された中塗り塗膜上に、本発明の蛍光顔料を含む蛍光ベース塗膜を形成する。蛍光ベース塗膜は、本発明の蛍光顔料を含む蛍光ベース塗料を塗装し、硬化せしめることによって形成することができる。
蛍光ベース塗料は、静電塗装、エアスプレー、エアレススプレーなどの方法で塗装することができ、その膜厚は硬化塗膜に基づいて5〜100μmの範囲内とするのが、塗膜の平滑性の点から好ましく、より好ましくは15〜50μmの範囲内である。蛍光ベース塗膜は、通常、常温〜約150℃の温度で架橋硬化させることができる。
本発明の塗膜においては、中塗り塗装を行った基板上に白色ベース塗装を施した後、蛍光ベース塗膜を形成することができる。白色ベース塗装は、前述の白色ベース塗料を用いて、静電塗装、エアスプレー、エアレススプレーなどの方法で塗装することができ、その膜厚は硬化塗膜に基づいて10〜150μmの範囲内とするのが、基材を隠蔽する点や塗膜の平滑性の点から好ましく、より好ましくは10〜100μmの範囲内である。白色ベース塗料による塗膜は通常、常温〜約150℃の温度で架橋硬化させることができる。白色ベース塗膜は、1層の塗膜として形成することができるが、素材を隠ぺいする点から2層の塗膜として形成することができる。その場合には、白色ベース塗膜を形成せしめた塗膜上にさらに白色ベース塗料を塗装して、乾燥硬化せしめることができる。
以下では、具体的例を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。
(蛍光顔料)
(実施例1)
窒化ケイ素と窒化ユーロピウム、窒化アルミニウム、窒化カルシウムを、表1の蛍光顔料の設計組成となるように窒素パージされたグローブボックス内で秤量し、乾式の振動ミルを用いて混合して、混合粉末を得た。窒化ケイ素粉末の比表面積、平均粒子径及び酸素量は、それぞれ、0.3m/g、8.0μm、及び0.29質量%であった。得られた混合粉末を窒化ケイ素製の坩堝に入れて、黒鉛抵抗加熱式の電気炉に仕込み、電気炉内に窒素を流通させながら、常圧を保った状態で、1725℃まで昇温した後、1725℃で12時間保持して、酸窒化物焼成物を得た。
得られた酸窒化物焼成物を解砕して粒子径が5〜20μmの粉末を分級によって得た後、得られた粉末をアルミナ坩堝に入れて、黒鉛抵抗加熱式の電気炉に仕込み、電気炉内に窒素を流通させながら、常圧を保った状態で、1600℃まで昇温した後、1600℃で1時間保持して、本発明の蛍光顔料を得た。
また、得られた蛍光顔料のXRD測定を行った。蛍光顔料は、α型サイアロン結晶のみからなっていた。
さらに、得られた蛍光顔料の物体色を評価するために、日本電色工業製SE6000を用いてC光源により、物体色を評価した。実施例1に係る蛍光顔料の生成結晶相と含有量を表1に、物体色の評価結果を表2に示す。
(実施例2〜14、参考例14〜19
実施例2〜10、参考例14〜17では、蛍光顔料が表1の設計組成になるように、原料粉末を秤量し混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で、さらに実施例11〜13、参考例18、19では、窒化ケイ素、酸化ユーロピウム、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化カルシウムを、蛍光顔料が表1の組成となるように、原料粉末を秤量し混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で蛍光顔料を得た。得られた蛍光顔料の物体色、生成結晶相および含有量を実施例1と同様の方法で測定した。その結果を、表1および表2に記載した。

表1及び2より、実施例1〜13のように、前記一般式の組成範囲1である、1.10≦x1+x2≦1.70、0.18≦x2/x1≦0.47、2.6≦y≦3.6、0.0≦z≦1.0の範囲である蛍光顔料は、物体色の彩度CがC>73と大きな彩度を有することが分かる。
さらに、実施例4、5、6、11のように、前記一般式の組成範囲1において、1.20≦x1+x2≦1.50、0.18≦x2/x1≦0.33、2.8≦y≦3.2、0.0≦z≦0.20の範囲である蛍光顔料は、物体色の彩度CがC>77と特に大きな彩度を有することが分かる。
(比較例1)
市販品のYAG:Ce系蛍光体(化成オプトニクス社製P46Y3)の物体色を実施例1と同様の方法で測定した。その結果を表3に記載した。表より明らかなように、物体色は0<a≦50、58≦b≦95の範囲から外れており、また、彩度CもC=43と小さいことが分かる。
(比較例2〜5)
比較例2では設計組成がLi0.788Eu0.04Si8.8Al3.22.413.6となるように、窒化ケイ素と酸化ユーロピウム、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭酸リチウムを原料として用いたこと以外は実施例1と同様の方法で、Euで賦活されたLi含有α型サイアロン結晶を主成分とする蛍光顔料を作製した。また、比較例3では設計組成がCa0.995Yb0.005Si9.0Al3.01.015.0となるように、窒化ケイ素と酸化イッテリビウム、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化カルシウムを原料として用いたこと以外は実施例1と同様の方法で、Ybで賦活されたCa含有α型サイアロン結晶を主成分とする蛍光顔料を作製した。さらに、比較例4では設計組成がLi0.950Yb0.025Si10.5Al1.50.515.5となるように、窒化ケイ素と酸化イッテリビウム、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭酸リチウムを原料として用いたこと以外は実施例1と同様の方法で、Ybで賦活されたLi含有α型サイアロン結晶を主成分とする蛍光顔料を作製した。さらに、比較例5では設計組成がCa2.000Ce0.200Si7.0Al5.00.415.6となるように、窒化ケイ素と酸化セリウム、窒化アルミニウム、窒化カルシウムを原料として用いたこと以外は実施例1と同様の方法で、Ceで賦活されたCa含有α型サイアロン結晶を主成分とする蛍光顔料を作製した。作製した蛍光顔料を実施例1と同様の方法にて物体色を評価した。その結果を表3に記載した。表より明らかなように、Euで賦活されたLi含有α型サイアロン結晶を主成分とする蛍光顔料、Ybで賦活されたCa含有α型サイアロン結晶を主成分とする蛍光顔料、Ybで賦活されたLi含有α型サイアロン結晶を主成分とする蛍光顔料、Ceで賦活されたCa含有α型サイアロン結晶を主成分とする蛍光顔料は、0<a≦50、58≦b≦95の範囲から外れており、また、彩度CもそれぞれC=45.6、26.6、30.2、28.5と小さいことが分かる。
(実施例41〜54、参考例55〜60)
蛍光顔料が表7の設計組成になるように、原料粉末として、窒化ケイ素、窒化アルミニ
ウム、酸化アルミニウム、窒化カルシウム、窒化ユーロピウム、酸化ユーロピウムを用い
たこと以外は、実施例1と同様の方法で蛍光顔料を得た。得られた蛍光顔料の物体色、生
成結晶相および含有量を実施例1と同様の方法で測定した。その結果を、表7及び表8に
記載した。
表7及び8より、実施例41〜54のように、前記一般式の組成範囲3である、1.60≦x1+x2≦2.90、0.18≦x2/x1≦0.70、4.0≦y≦6.5、0.0≦z≦1.0の範囲である蛍光顔料は、物体色の彩度CがC>90と大きな彩度を有することが分かる。
さらに、実施例44、45、47、48、53のように、前記一般式の組成範囲3において、1.90≦x1+x2≦2.60、0.18≦x2/x1≦0.50、4.60≦y≦5.50、0.0≦z≦0.20の範囲である蛍光顔料は、物体色の彩度CがC≧94と特に大きな彩度を有することが分かる。

Claims (5)

  1. Euで賦活されたCa含有α型サイアロン結晶を主成分とする酸窒化物粉末からなり、物体色をL表示系で表した場合に、0<a≦50、58≦b≦95であり、彩度CがC≧50であり、
    前記酸窒化物は、組成式:
    Cax1Eux2Si12−(y+z)Al(y+z)16−z
    (ただし、式中、x1、x2、y、zは、1.10≦x1+x2≦1.70、0.18≦x2/x1≦0.47、2.6≦y≦3.6、0.0≦z≦1.0)
    で表される組成範囲1内にある、α型サイアロンを主成分とする酸窒化物であることを特徴とする蛍光顔料。
  2. Euで賦活されたCa含有α型サイアロン結晶を主成分とする酸窒化物粉末からなり、物体色をL表示系で表した場合に、0<a≦50、58≦b≦95であり、彩度CがC≧50であり、
    前記酸窒化物は、組成式:
    Cax1Eux2Si12−(y+z)Al(y+z)16−z
    (ただし、式中、x1、x2、y、zは、1.60≦x1+x2≦2.90、0.18≦x2/x1≦0.70、4.0≦y≦6.5、0.0≦z≦1.0)
    で表される組成範囲3内にある、α型サイアロンと窒化アルミニウムとを含む酸窒化物であることを特徴とする蛍光顔料。
  3. 前記組成範囲3において、窒化アルミニウムの含有量が、0質量%より大きく33質量%より小さい範囲であることを特徴とする請求項記載の蛍光顔料。
  4. 請求項1〜いずれか一項に記載の蛍光顔料の製造方法であって、
    ケイ素源となる物質と、アルミニウム源となる物質と、カルシウム源となる物質と、ユーロピウム源となる物質とを混合し、不活性ガス雰囲気中、1500〜2000℃の温度範囲で焼成することにより、前記一般式で表される酸窒化物焼成物を得る第1工程と、
    前記酸窒化物焼成物を、不活性ガス雰囲気中、1100〜1600℃の温度範囲で熱処理する第2工程と、
    を有することを特徴とする蛍光顔料の製造方法。
  5. 請求項1〜3いずれか一項に記載の蛍光顔料を含有する塗膜。
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