JP6122761B2 - 車両用制動力発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に制動力を発生させる車両用制動力発生装置に関する。
例えばハイブリッド車両では、油圧系統を媒介して制動力を発生させる既存のブレーキシステムに加えて、電気系統を媒介して制動力を発生させる、バイ・ワイヤ(By Wire)式のブレーキシステムが採用されている。かかるバイ・ワイヤ式のブレーキシステムでは、運転者のブレーキペダルの操作量を電気信号に変換して、スレーブシリンダ(以下、“モータシリンダ装置”という。)のピストンを駆動する電動アクチュエータに与える。
すると、電動アクチュエータの作動に伴うピストンの駆動によって、制動液圧がモータシリンダ装置に発生する。こうして発生した制動液圧が、ホイールシリンダを作動させることで車両に制動力を発生させる(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に係るバイ・ワイヤ式のブレーキシステムによれば、電気系統を媒介して、車両に制動力を発生させることができる。
特開2009−227023号公報
しかしながら、特許文献1に係るバイ・ワイヤ式のブレーキシステムでは、運転者の制動操作に応じて電動アクチュエータを作動させ、その作動に伴ってピストンを駆動させることにより、モータシリンダ装置に制動液圧を発生させる。そのため、運転者の制動操作が生じるごとに、電動アクチュエータの作動に由来する騒音や振動が発生する。特に、急な制動操作が生じた際には、電動アクチュエータの作動量や作動速度が増大する。その結果、電動アクチュエータの作動に由来する騒音や振動も大きくなって、運転者に不快感を抱かせるおそれがあった。
本発明は、前記の実情に鑑みてなされたものであり、運転者による急な制動操作が生じた場合であっても、騒音や振動を抑制し運転者による制動操作感を良好に維持可能な車両用制動力発生装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、(1)に係る発明は、電動アクチュエータの作動により生じる制動液圧を、運転者による制動操作に基づいて可変動作するモータシリンダ装置と、自車両が停止状態にあるか否かを判定する判定部と、前記判定部により自車両が停止状態にある旨の判定が下された際において第1の制動操作に応じて生じる、前記電動アクチュエータの作動量又は作動速度のうち少なくともいずれか一方に係る第1の制動液圧を、前記判定部により自車両が走行状態にある旨の判定が下された際において前記第1の制動操作と共通の第2の制動操作に応じて生じる、前記少なくともいずれか一方に係る第2の制動液圧と比べて低減させる制御を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1の制動操作に基づく目標液圧が低下傾向にある際において当該第1の制動操作に応じて生じる前記第1の制動液圧を、前記第2の制動液圧と比べて低減させる度合いを減らす、ことを最も主要な特徴とする。
一般に、本発明のようなバイ・ワイヤ式のブレーキシステムでは、制動に係る目標液圧を急激に変化(増大)させると、電動アクチュエータの作動音が大きくなる一方、制動に係る目標液圧をゆるやかに変化(増大)させると、電動アクチュエータの作動音が前記と比べて小さくなる傾向がある。
また、自車両が走行中の場合に、制動に係る目標液圧を急激に変化(増大)させると、自車両の減速度が大きくなって走行騒音(タイヤノイズ)が大きくなる。その結果、電動アクチュエータの作動音が、前記走行騒音にマスキングされて目立たなくなる。同様に、制動に係る目標液圧をゆるやかに変化(増大)させると、このとき、電動アクチュエータの作動音も小さい。そのため、前記と同様に、電動アクチュエータの作動音が、前記走行騒音にマスキングされて目立たなくなる。
これに対し、自車両が停止中の場合に、制動に係る目標液圧を急激に又は緩やかに変化(増大)させると、前記走行騒音は生じない。特に、電気自動車や、停止中にアイドリングを停止させる車両では、ほとんど騒音が発生しない。このため、自車両が走行中の場合とは逆に、電動アクチュエータの作動音が目立つようになる。特に、制動に係る目標液圧を急激に変化(増大)させると、電動アクチュエータの作動音が一層目立つようになる。
ところが、自車両が停止状態にある際には、原則として、制動に係る目標液圧を急激に変化(増大)させる要請は生じないはずである。
そこで、(1)に係る発明では、自車両が停止状態にある際、つまり、自車両が急な制動操作に即応すべき状態ではない際に生じる第1の制動液圧を、自車両が走行状態にある際、つまり、自車両が急な制動操作に即応すべき状態である際に生じる第2の制動液圧と比べて低減させることにより、自車両が停止状態にある際の、制動に係る目標液圧の急激な変化(増大)を抑制し、これをもって、電動アクチュエータに由来する騒音や振動を低減させることとした。
また、第1の制動操作に基づく目標液圧が低下傾向にある際において第1の制動操作に応じて生じる第1の制動液圧を、第2の制動液圧と比べて低減させる度合いを減らす(第1の制動液圧の低減制御を禁止する態様を含む)こととした。
(1)に係る発明によれば、自車両が急な制動操作に即応すべき状態ではない際に、運転者による急な制動操作が生じた場合であっても、騒音や振動を抑制し運転者による制動操作感を良好に維持することができる。
また、第1の制動液圧を低減させる度合いを、第1の制動操作に基づく目標液圧が低下傾向にあるか否かに基いて適切に制御することができるため、例えば、第1の制動操作を行った直後に加速操作を行う際において、自車両の動きだし時におけるブレーキのひきずり現象を未然に回避することができる。
また、(2)に係る発明は、(1)に係る発明に記載の車両用制動力発生装置であって、前記制御部は、前記第1の制動液圧を低減させる制御を、当該第1の制動液圧の出力特性を時間的に遅延させることで行う、ことを特徴とする。
(2)に係る発明によれば、前記第1の制動液圧を低減させる制御を、当該第1の制動液圧の出力特性を時間的に遅延させることで行うため、前記第1の制動液圧を低減させる制御を簡易に実現することができる。
また、十分な時間を確保しさえすれば、時間的な遅延の後に、目標となる前記第1の制動液圧を実現することができるため、制動液圧の不足を運転者に感じさせることはない。
また、(3)に係る発明は、(1)又は(2)に係る発明に記載の車両用制動力発生装置であって、前記判定部は、自車両が勾配路で停止状態にあるか否かを判定し、前記制御部は、前記判定部により自車両が勾配路で停止状態にある旨の判定が下された場合に、前記第1の制動液圧を低減させる制御を禁止する、ことを特徴とする。
(3)に係る発明によれば、自車両が勾配路で停止状態にある(自車両のずり下がりを回避するため、自車両が急な制動操作に即応すべき状態である)際の第1の制動液圧を、自車両が走行状態にある(自車両が急な制動操作に即応すべき状態である)際の第2の制動操作(第1の制動操作と共通)に応じて生じる第2の制動液圧と比べて低減させることを禁止するため、前記第1の制動液圧を低減させる制御の実行時期を、自車両が急な制動操作に即応すべき状態か否かに係る判定結果を通して適切に判断することができる。
したがって、(3)に係る発明によれば、自車両が急な制動操作に即応すべき状態か否かを考慮した適切な時期に前記第1の制動液圧を低減させる制御を実行することができるため、本件制御に係る信頼性(第1の制動液圧の低減制御が不適切な時期に実行される事態を回避する)の向上に寄与することができる。
また、(4)に係る発明は、(1)〜(3)に係る発明に記載の車両用制動力発生装置であって、前記制御部は、前記判定部の判定結果に疑義が生じた場合に、前記第1の制動液圧を低減させる制御を禁止する、ことを特徴とする。
ここで、前記判定部の判定結果に疑義が生じた場合とは、例えば、後記する自己診断部231が、自己診断結果が異常ありと診断するケースを想定することができる。
(4)に係る発明によれば、判定部の判定結果に疑義が生じた場合に、前記第1の制動液圧を低減させる制御を禁止するため、前記第1の制動液圧を低減させる制御の実行時期を、判定部の判定結果に疑義が生じているか否かに基いて適切に判断することができる。
したがって、(4)に係る発明によれば、判定部223の判定結果に疑義が生じているか否かを考慮した適切な時期に前記第1の制動液圧を低減させる制御を実行することができるため、本件制御に係る信頼性(第1の制動液圧の低減制御が不適切な時期に実行される事態を回避する)の向上に寄与することができる。
また、(5)に係る発明は、(1)〜(4)に係る発明に記載の車両用制動力発生装置であって、前記制御部は、自車両を停止状態に維持するのに必要な停止要求液圧を算出する機能を有し、前記第1の制動液圧が、前記算出される前記停止要求液圧を下回る場合に、当該第1の制動液圧を低減させる制御を禁止する、ことを特徴とする。
(5)に係る発明によれば、前記第1の制動液圧が、自車両を停止状態に維持するのに必要な停止要求液圧を下回る場合に、当該第1の制動液圧を低減させる制御を禁止するため、前記第1の制動液圧を低減させる制御の実行時期を、該第1の制動液圧が前記停止要求液圧を下回るか否かに基いて適切に判断することができる。
したがって、(5)に係る発明によれば、前記第1の制動液圧が前記停止要求液圧を下回るか否かを考慮した適切な時期に前記第1の制動液圧を低減させる制御を実行することができるため、本件制御に係る安定性(自車両を停止状態に維持する)及び信頼性(第1の制動液圧の低減制御が不適切な時期に実行される事態を回避する)の向上に寄与することができる。
また、(6)に係る発明は、(5)に係る発明に記載の車両用制動力発生装置であって、前記制御部は、自車両に係る在所の勾配に応じて可変となるように前記停止要求液圧を算出する、ことを特徴とする。
(6)に係る発明によれば、自車両に係る在所の勾配に応じて可変となるように前記停止要求液圧を算出するため、仮に、自車両に係る在所の勾配が変わった場合であっても、そのときの自車両に係る在所の勾配に応じた前記停止要求液圧を用いて、自車両を停止状態に安定的に維持することができる。
本発明に係る車両用制動力発生装置によれば、運転者による急な制動操作が生じた場合であっても、騒音や振動を抑制し運転者による制動操作感を良好に維持することができる。
本発明の実施形態に係る車両用制動力発生装置の概要を表す構成図である。 本発明の実施形態に係る車両用制動力発生装置が有するECUの周辺構成を表すブロック図である。 本発明の実施形態に係る車両用制動力発生装置の動作説明に供するタイムチャート図である。 本発明の実施形態に係る車両用制動力発生装置の動作説明に供するタイムチャート図である。 本発明の実施形態に係る車両用制動力発生装置の動作説明に供するタイムチャート図である。 本発明の実施形態に係る車両用制動力発生装置の動作説明に供するタイムチャート図である。
以下、本発明の実施形態に係る車両用制動力発生装置について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下に示す図において、共通の機能を有する部材間、又は、相互に対応する機能を有する部材間には、原則として共通の参照符号を付するものとする。また、説明の便宜のため、部材のサイズ及び形状は、変形又は誇張して模式的に表す場合がある。
〔本発明の実施形態に係る車両用制動力発生装置10の概要〕
はじめに、本発明の実施形態に係る車両用制動力発生装置10の概要について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る車両用制動力発生装置10の概要を表す構成図である。
本発明の実施形態に係る車両用制動力発生装置10は、油圧系統を媒介して制動力を発生させる既存のブレーキシステムに加えて、電気系統を媒介して制動力を発生させる、バイ・ワイヤ(By Wire)式のブレーキシステムを備えている。
車両用制動力発生装置10は、図1に示すように、運転者による制動操作をブレーキペダル12を介して受け付ける液圧発生装置14と、少なくとも運転者による制動操作に応じた電気信号に基づく制動液圧を発生するモータシリンダ装置16と、モータシリンダ装置16で発生した制動液圧に基づき車両(不図示)の挙動の安定化を支援するビークル・スタビリティ・アシスト装置18(以下、“VSA装置18”と省略する。ただし、VSAは登録商標)と、ディスクブレーキ機構30a〜30dと、などを備えて構成される。
液圧発生装置14は、ブレーキペダル12を介して入力される運転者の制動操作をブレーキ液圧に変換するマスタシリンダ34、ブレーキペダル12に対して擬似的な反力を創りだすストロークシミュレータ64、及び、第1〜第3遮断弁60a,60b,62などを備えて構成される。モータシリンダ装置16は、電動モータ(本発明の“電動アクチュエータ”に相当する。)72の回転駆動力を受けてブレーキ液圧を発生させる第1及び第2のスレーブピストン88a,88bを備える。
なお、符号Pm,Pp,Phは、配管チューブ22a〜22fを含む各部のブレーキ液圧を検出するブレーキ液圧センサである。
図2に表すその他の要素については、本発明とは直接関係がないので、その説明を省略する。
〔本発明の実施形態に係る車両用制動力発生装置10の基本動作〕
次に、車両用制動力発生装置10の基本動作について説明する。
車両用制動力発生装置10では、モータシリンダ装置16やバイ・ワイヤの制御を行うECU200(図2参照)の正常作動時において、運転者がブレーキペダル12を踏むことで制動操作を行うと、いわゆるバイ・ワイヤ式のブレーキシステムがアクティブになる。
詳しく述べると、正常作動時の車両用制動力発生装置10では、運転者が制動操作を行うと、第1遮断弁60a及び第2遮断弁60bが遮断される一方、第3遮断弁62が開弁される。マスタシリンダ34で発生したブレーキ液圧は、マスタシリンダ34からストロークシミュレータ64へと印加される。その結果、第1遮断弁60a及び第2遮断弁60bが遮断されていても、ブレーキ液圧の緩衝が生じて、ブレーキペダル12のストロークが生じるようになる。
正常作動時の車両用制動力発生装置10では、マスタシリンダ34と、各車輪を制動するディスクブレーキ機構30a〜30d(ホイールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL)との連通を遮断した状態下で、運転者の制動操作に応じてモータシリンダ装置16でブレーキ液圧を発生させて、こうして発生したブレーキ液圧を用いてディスクブレーキ機構30a〜30dを作動させる。
一方、車両用制動力発生装置10では、モータシリンダ装置16やECU200が正常に作動しない異常時において、運転者が制動操作を行うと、既存の油圧式のブレーキシステムがアクティブになる。
詳しく述べると、異常時の車両用制動力発生装置10では、運転者が制動操作を行うと、第1遮断弁60a及び第2遮断弁60bが開弁される一方、第3遮断弁62が閉弁される。マスタシリンダ34で発生したブレーキ液圧は、所要の配管チューブ22a〜22fを介してディスクブレーキ機構30a〜30d(ホイールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL)に伝達されて、ディスクブレーキ機構30a〜30d(ホイールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL)を作動させる。
〔本発明の実施形態に係る車両用制動力発生装置10が有するECU200の周辺構成〕
次に、本発明の実施形態に係る車両用制動力発生装置10が有するECU200の周辺構成について、図2を参照して説明する。図2は、本発明の実施形態に係る車両用制動力発生装置10が有するECU200の周辺構成を表す説明図である。
ECU200には、図2に示すように、入力系統として、イグニッションキースイッチ(以下“IGキースイッチ”と省略する。)201、車輪速センサ203、ブレーキペダルセンサ205、アクセルペダルセンサ207、ヨーレートセンサ209、前後Gセンサ211、横Gセンサ213、及び、GPS受信部214が接続されている。
IGキースイッチ201は、車両の各部に、車載バッテリ(不図示)から電源を供給する際に操作されるスイッチである。IGキースイッチ201がオン操作されると、ECU200に電源が供給されて、ECU200が起動されるようになっている。
車輪速センサ203は、各車輪の回転速度(車輪速)を検出する機能を有する。車輪速センサ203で検出された各車輪毎の車輪速信号は、ECU200へと送られる。
ブレーキペダルセンサ205は、運転者によるブレーキペダル12の操作量(ストローク量)を検出する機能を有する。ブレーキペダルセンサ205で検出されたブレーキペダル12の操作量(ストローク量)に係る信号は、ECU200へと送られる。
アクセルペダルセンサ207は、運転者によるアクセルペダル(不図示)の踏み込み操作量を検出する機能を有する。アクセルペダルセンサ207で検出されたアクセルペダルの踏み込み操作量に係る信号は、ECU200へと送られる。
ヨーレートセンサ209は、車両に発生しているヨーレートを検出する機能を有する。ヨーレートセンサ209で検出されたヨーレートに係る信号は、ECU200へと送られる。
加速度センサである前後Gセンサ211は、車両に発生している前後G(前後加速度)を検出する機能を有する。前後Gセンサ211で検出された前後Gに係る信号は、ECU200へと送られる。
加速度センサである横Gセンサ213は、車両に発生している横G(横加速度)を検出する機能を有する。横Gセンサ213で検出された横Gに係る信号は、ECU200へと送られる。
GPS受信部214は、例えば、人工衛星を利用して車両の位置を測定するためのGPS(Global Positioning System)信号や、GPS信号の誤差を補正し測位精度を向上させたD(Differential)GPS信号などの測位信号を受信する機能を有する。GPS受信部214で受信した、自車両の現在位置情報を含むGPS信号やDGPS信号は、ECU200へと送られる。
一方、ECU200には、図2に示すように、出力系統として、前記の電動モータ72、及び、第1〜第3遮断弁60a,60b,62が接続されている。
ECU200は、図2に示すように、挙動情報取得部221、判定部223、自己診断部231、及び、制御部233を備えて構成されている。
ECU200は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備えたマイクロコンピュータにより構成される。このマイクロコンピュータは、ROMに記憶されているプログラムやデータを読み出して実行し、ECU200が有する挙動情報取得機能、自車両が停止状態にあるか又は走行状態にあるかを判定する機能、自己診断機能、及び、制動液圧制御機能を含む各種機能に係る実行制御を行うように動作する。
挙動情報取得部221は、車輪速センサ203からの車輪速情報、ヨーレートセンサ209からの旋回情報、前後Gセンサ211、横Gセンサ213からの加速度情報を含む自車両の挙動情報を取得する機能を有する。挙動情報取得部221で取得した自車両の挙動情報は、判定部223へと送られる。
なお、車両の挙動情報としては、車輪速情報、旋回情報、加速度情報のほか、自車両の滑り移動距離(GPS受信部214を介して取得)や、路面の勾配(不図示の傾斜センサを介して取得)などの、車両の挙動を把握可能な情報を適宜採用すればよい。
判定部223は、挙動情報取得部221から送られてきた自車両の挙動情報に基いて、自車両が停止状態にあるか又は走行状態にあるか、及び、自車両が勾配路に存するか否かを判定する機能を有する。詳しく述べると、判定部223は、例えば、車輪速センサ203からの車輪速情報に基いて、自車両が停止状態にあるか又は走行状態にあるかを判定すればよい。また、前記に代えて、又は加えて、判定部223は、ヨーレートセンサ209からの旋回情報、前後Gセンサ211、横Gセンサ213からの加速度情報に基いて、自車両が停止状態にあるか又は走行状態にあるかを判定してもよい。さらに、判定部223は、例えば、GPS受信部214を介して取得した自車両の現在位置情報(三次元情報を含む)に基いて、自車両が勾配路に存するか否かを判定すればよい。
判定部223は、自車両が停止状態にあるか走行状態にあるかを表す車両停止フラグの状態を記憶する機能を有する。また、判定部223は、自車両が勾配路に存するか否かを表す勾配フラグの状態を記憶する機能を有する。
自己診断部231は、車輪速センサ203からの車輪速情報、ヨーレートセンサ209からの旋回情報、前後Gセンサ211、横Gセンサ213からの加速度情報を含む自車両の挙動情報の正当性を診断する機能を有する。自車両の挙動情報の正当性を診断するに際し、自己診断部231は、例えば、車輪速センサ203からの車輪速情報と、GPS受信部214から取得した複数地点の現在位置情報をこれら複数地点間の移動時間で除算した自車両の移動速度情報とを相互に比較する。これにより、自己診断部231は、車輪速センサ203からの車輪速情報の正当性を診断することができる。
制御部233は、判定部223により自車両が停止状態にある旨の判定が下された際において第1の制動操作に応じて生じる、電動モータ72の作動量又は作動速度のうち少なくともいずれか一方に係る第1の制動液圧を、判定部223により自車両が走行状態にある旨の判定が下された際において前記第1の制動操作と共通の第2の制動操作に応じて生じる、前記少なくともいずれか一方に係る第2の制動液圧と比べて低減させる制御を行う機能を有する。
前記第1の制動操作とは、判定部223により自車両が停止状態にある旨の判定が下された際において、運転者により行われる制動操作である。前記第1の制動液圧とは、前記第1の制動操作に応じて生じる制動液圧である。この第1の制動液圧は、前記第1の制動操作に応じて作動する、電動モータ72の作動量又は作動速度のうち少なくともいずれか一方に基いて発生する。
前記第2の制動操作とは、判定部223により自車両が走行状態にある旨の判定が下された際において、運転者により行われる制動操作である。この第2の制動操作は、便宜上、前記第1の制動操作と共通の操作量及び操作速度であると定義される。前記第2の制動液圧とは、前記第2の制動操作に応じて生じる制動液圧である。この第2の制動液圧は、前記第2の制動操作に応じて作動する、電動モータ72の作動量又は作動速度のうち少なくともいずれか一方に基いて発生する。
要するに、制御部233は、自車両が停止状態にある(自車両が急な制動操作に即応すべき状態ではない)際の第1の制動操作に応じて生じる第1の制動液圧を、自車両が走行状態にある(自車両が急な制動操作に即応すべき状態である)際の第2の制動操作(第1の制動操作と共通)に応じて生じる第2の制動液圧と比べて低減させることにより、仮に、自車両が急な制動操作に即応すべき状態ではない(自車両が停止状態にある)際に、運転者による急な制動操作が生じた場合であっても、騒音や振動を抑制し運転者による制動操作感を良好に維持するようにしている。
〔本発明の実施形態に係る車両用制動力発生装置10の動作〕
次に、本発明の実施形態に係る車両用制動力発生装置10の動作について、図3〜図6を参照して説明する。図3〜図6は、本発明の実施形態に係る車両用制動力発生装置10の動作説明に供するタイムチャート図である。
ただし、前提として、IGキースイッチ201は常時オンされているものとする。
図3に示す第1実施例では、自車両が停止状態にある(自車両が急な制動操作に即応すべき状態ではない)際の第1の制動液圧を、自車両が走行状態にある(自車両が急な制動操作に即応すべき状態である)際の第2の制動操作(第1の制動操作と共通)に応じて生じる第2の制動液圧と比べて低減させている。
図3に示す時刻t0〜t1において、図3(a)の車輪速センサ203の出力特性で示すように、自車両は定速走行している。このとき、車両停止フラグには、走行状態である旨がセットされている(図3(b)参照)。また、勾配フラグには、勾配なしである旨がセットされている(図3(c)参照)。さらに、図3(d)のブレーキペダルセンサ205の出力特性で示すように、ブレーキペダル12による制動操作がなされていない。自己診断部231による自己診断結果は、異常なしである(図3(e)参照)。制動に係る目標液圧は、補正の前後にかかわらず“0”を示す(図3(f),(g)参照)。
図3に示す時刻t1〜t2において、ブレーキペダル12による制動操作が緩やかになされる(図3(d)参照)と、図3(a)の車輪速センサ203の出力特性で示すように、自車両は緩やかに減速してゆく。このとき、車両停止フラグには、走行状態である旨がセットされている(図3(b)参照)。また、勾配フラグには、勾配なしである旨がセットされている(図3(c)参照)。自己診断部231による自己診断結果は、異常なしである(図3(e)参照)。制動に係る目標液圧は、補正の前後にかかわらず共通の、線形に立ち上がる特性を示す(図3(f),(g)参照)。制動に係る目標液圧特性は、ブレーキペダル12の出力特性と相似の特性を示す。
図3に示す時刻t2以降において、自車両は停止状態(図3(a),(b)参照)にある。時刻t2以降において、勾配フラグには、勾配なしである旨がセットされている(図3(c)参照)。自己診断部231による自己診断結果は、異常なしである(図3(e)参照)。
図3に示す時刻t2〜t3において、ブレーキペダル12による制動操作が一定に維持されている(図3(d)参照)。同時刻t2〜t3において、制動に係る目標液圧は、補正の前後にかかわらず共通の、一定の高さを維持する特性を示す(図3(f),(g)参照)。
図3に示す時刻t3〜t4aにおいて、ブレーキペダル12による制動操作が“0(制動操作なし)”に至るまで急減している(図3(d)参照)。同時刻t3〜t4aにおいて、補正前の制動に係る目標液圧は、図3(d)に示すブレーキペダル12の出力特性と相似の、線形に立ち下がる特性を示す(図3(f)参照)。
これに対し、補正後の制動に係る目標液圧は、図3(f)に示す補正前の制動に係る目標液圧と比べて、時刻t3〜t4b(ただし、t4b>t4a)にわたる長い時間をかけて、ゆっくりと線形に立ち下がる特性を示す(図3(g)参照)。
また、図3に示す時刻t5〜t6aにおいて、運転者のブレーキペダル12による制動操作に伴って、ブレーキペダルセンサ205の出力特性が、“0(制動操作なし)”から所定の高さレベルに至るまで急増している(図3(d)参照)。同時刻t5〜t6aにおいて、補正前の制動に係る目標液圧は、図3(d)に示すブレーキペダル12の出力特性と相似の、線形に立ち下がる特性を示す(図3(f)参照)。
これに対し、補正後の制動に係る目標液圧は、図3(f)に示す補正前の制動に係る目標液圧と比べて、時刻t5〜t6b(ただし、t6b>t6a)にわたる長い時間をかけて、ゆっくりと線形に立ち上がる特性を示す(図3(g)参照)。
さらに、図3に示す時刻t7〜t8aにおいて、図3に示す時刻t3〜t4aと同様に、運転者のブレーキペダル12による制動解除操作に伴って、ブレーキペダルセンサ205の出力特性が、“0(制動操作なし)”に至るまで急減している(図3(d)参照)。同時刻t7〜t8aにおいて、補正前の制動に係る目標液圧は、図3(d)に示すブレーキペダル12の出力特性と相似の、線形に立ち下がる特性を示す(図3(f)参照)。
これに対し、補正後の制動に係る目標液圧は、図3(f)に示す補正前の制動に係る目標液圧と比べて、時刻t7〜t8b(ただし、t8b>t8a)にわたる長い時間をかけて、ゆっくりと線形に立ち下がる特性を示す(図3(g)参照)。
次に、図4に示す第2実施例では、自車両が勾配路で停止状態にある(自車両が急な制動操作に即応すべき状態である)際の第1の制動液圧を、自車両が走行状態にある(自車両が急な制動操作に即応すべき状態である)際の第2の制動操作(第1の制動操作と共通)に応じて生じる第2の制動液圧と比べて低減させることを禁止している。
前記した図3に示す第1実施例と、図4に示す第2実施例とは、相互に共通な動作部分が存在する。そこで、第1実施例及び第2実施例間で相違する動作部分について説明することで、第2実施例の説明に代えることとする。
第1実施例及び第2実施例間で相違する動作部分は、大きく二つある。一つめの前記相違する動作部分は、第1実施例では、勾配フラグに対し、勾配なしである旨がセット(図3(c)参照)されているのに対し、第2実施例では、勾配フラグに対し、勾配ありである旨がセット(図4(c)参照)されている点である。
二つめの前記相違する動作部分は、自車両が停止状態にある時刻t2以降において、第1実施例では、制動に係る目標液圧のうち立ち上がり及び立ち下がり部分の特性が、補正の前後で相互に異なる(図3(f),(g)を対比して参照)のに対し、第2実施例では、制動に係る目標液圧のうち立ち上がり及び立ち下がり部分を含むすべての特性が、補正の前後で共通である(図4(f),(g)を対比して参照)点である。
次に、図5に示す第3実施例では、自己診断結果が異常ありの場合に自車両が停止状態にある(自車両が急な制動操作に即応すべきか否かの判定が困難な状態である)際の第1の制動液圧を、自車両が走行状態にある(自車両が急な制動操作に即応すべき状態である)際の第2の制動操作(第1の制動操作と共通)に応じて生じる第2の制動液圧と比べて低減させることを禁止している。
なお、自己診断部231が、前記自己診断結果が異常ありと診断するケースとは、自車両の挙動情報を取得する際に参照する車輪速センサ203からの車輪速情報、ヨーレートセンサ209からの旋回情報、前後Gセンサ211、横Gセンサ213からの加速度情報のうちいずれかが誤っているケース(誤っている疑いがあるケースを含む)を意味する。
前記した図3に示す第1実施例と、図5に示す第3実施例とは、相互に共通な動作部分が存在する。そこで、第1実施例及び第3実施例間で相違する動作部分について説明することで、第3実施例の説明に代えることとする。
第1実施例及び第3実施例間で相違する動作部分は、大きく二つある。一つめの前記相違する動作部分は、第1実施例では、自己診断部231による自己診断結果は、異常なし(図3(e)参照)であるのに対し、第3実施例では、自己診断部231による自己診断結果は、異常あり(図5(e)参照)である点である。
二つめの前記相違する動作部分は、自車両が停止状態にある時刻t2以降において、第1実施例では、制動に係る目標液圧のうち立ち上がり及び立ち下がり部分の特性が、補正の前後で相互に異なる(図3(f),(g)を対比して参照)のに対し、第3実施例では、制動に係る目標液圧のうち立ち上がり及び立ち下がり部分を含むすべての特性が、補正の前後で共通である(図5(f),(g)を対比して参照)点である。
次に、図6に示す第4実施例では、制動に係る目標液圧が低下傾向にある場合に自車両が停止状態にある(自車両が急な制動操作に即応すべき状態ではない)際の第1の制動液圧を、自車両が走行状態にある(自車両が急な制動操作に即応すべき状態である)際の第2の制動操作(第1の制動操作と共通)に応じて生じる第2の制動液圧と比べて低減させる度合いを減らしている(第1の制動液圧の低減制御を禁止する態様を含む)。
ただし、第4実施例では、制動に係る目標液圧が増加傾向にある場合に自車両が停止状態にある(自車両が急な制動操作に即応すべき状態ではない)際の第1の制動液圧を、自車両が走行状態にある(自車両が急な制動操作に即応すべき状態である)際の第2の制動操作(第1の制動操作と共通)に応じて生じる第2の制動液圧と比べて低減させている。
なお、自己診断部231が、前記自己診断結果が異常ありと診断するケースとは、自車両の挙動情報を取得する際に参照する車輪速センサ203からの車輪速情報、ヨーレートセンサ209からの旋回情報、前後Gセンサ211、横Gセンサ213からの加速度情報のうちいずれかが誤っているケース(誤っている疑いがあるケースを含む)を意味する。
前記した図3に示す第1実施例と、図6に示す第4実施例とは、相互に共通な動作部分が存在する。そこで、第1実施例及び第4実施例間で相違する動作部分について説明することで、第4実施例の説明に代えることとする。
第1実施例及び第4実施例間で相違する動作部分は、大きく一つある。それは、自車両が停止状態にある時刻t2以降において、第1実施例では、制動に係る目標液圧のうち立ち上がり及び立ち下がり部分の特性が、補正の前後で相互に異なる(図3(f),(g)を対比して参照)のに対し、第4実施例では、制動に係る目標液圧のうち立ち上がり部分を除くすべての特性が、補正の前後で共通である(図6(f),(g)を対比して参照)点である。
〔本発明の実施形態に係る車両用制動力発生装置10の作用効果〕
次に、本発明の実施形態に係る車両用制動力発生装置10の作用効果について説明する。
第1の観点(請求項1/第1実施例、第4実施例に相当)に基づく車両用制動力発生装置10では、制御部233は、判定部223により自車両が停止状態にある旨の判定が下された際において第1の制動操作に応じて生じる、電動モータ(電動アクチュエータ)72の作動量又は作動速度のうち少なくともいずれか一方に係る第1の制動液圧を、判定部223により自車両が走行状態にある旨の判定が下された際において第1の制動操作と共通の第2の制動操作に応じて生じる、前記少なくともいずれか一方に係る第2の制動液圧と比べて低減させる制御を行う、構成を採用することとした。
また、制御部233は、第1の制動操作に基づく目標液圧が低下傾向にある際において第1の制動操作に応じて生じる第1の制動液圧を、第2の制動液圧と比べて低減させる度合いを減らす(第1の制動液圧の低減制御を禁止する態様を含む)こととした。
一般に、本発明のようなバイ・ワイヤ式のブレーキシステムでは、制動に係る目標液圧を急激に変化(増大)させると、電動モータ72の作動音が大きくなる一方、制動に係る目標液圧をゆるやかに変化(増大)させると、電動モータ72の作動音が前記と比べて小さくなる傾向がある。
また、自車両が走行中の場合に、制動に係る目標液圧を急激に変化(増大)させると、自車両の減速度が大きくなって走行騒音(タイヤノイズ)が大きくなる。その結果、電動モータ72の作動音が、前記走行騒音にマスキングされて目立たなくなる。同様に、制動に係る目標液圧をゆるやかに変化(増大)させると、このとき、電動モータ72の作動音も小さい。そのため、前記と同様に、電動モータ72の作動音が、前記走行騒音にマスキングされて目立たなくなる。
これに対し、自車両が停止中の場合に、制動に係る目標液圧を急激に又は緩やかに変化(増大)させると、前記走行騒音は生じない。特に、電気自動車や、停止中にアイドリングを停止させる車両では、ほとんど騒音が発生しない。このため、自車両が走行中の場合とは逆に、電動モータ72の作動音が目立つようになる。特に、制動に係る目標液圧を急激に変化(増大)させると、電動モータ72の作動音が目立つようになる。
ところが、自車両が停止状態にある際には、原則として、制動に係る目標液圧を急激に変化(増大)させる要請は生じないはずである。
そこで、第1の観点に基づく車両用制動力発生装置10では、自車両が停止状態にある際、つまり、自車両が急な制動操作に即応すべき状態ではない際に生じる第1の制動液圧を、自車両が走行状態にある際、つまり、自車両が急な制動操作に即応すべき状態である際に生じる第2の制動液圧と比べて低減させることにより、自車両が停止状態にある際の、制動に係る目標液圧の急激な変化(増大)を抑制し、これをもって、電動モータ(電動アクチュエータ)72に由来する騒音や振動を低減させることとした。
また、制御部233は、第1の制動操作に基づく目標液圧が低下傾向にある際において第1の制動操作に応じて生じる第1の制動液圧を、第2の制動液圧と比べて低減させる度合いを減らす、構成を採用することとした。
第1の観点に基づく車両用制動力発生装置10によれば、自車両が急な制動操作に即応すべき状態ではない(例えば、自車両が停止状態にある)際に、運転者による急な制動操作が生じた場合であっても、騒音や振動を抑制し運転者による制動操作感を良好に維持することができる。
また、第1の制動液圧を低減させる度合いを、第1の制動操作に基づく目標液圧が低下傾向にあるか否かに基いて適切に制御することができるため、例えば、第1の制動操作を行った直後に加速操作を行う際において、自車両の動きだし時におけるブレーキのひきずり現象を未然に回避することができる。
第2の観点(請求項2)に基づく車両用制動力発生装置10では、制御部233は、前記第1の制動液圧を低減させる制御を、当該第1の制動液圧の出力特性を時間的に遅延させることで行う、構成を採用することとした。
第2の観点(請求項2)に基づく車両用制動力発生装置10によれば、前記第1の制動液圧を低減させる制御を、当該第1の制動液圧の出力特性を時間的に遅延させることで行うため、前記第1の制動液圧を低減させる制御を簡易に実現することができる。
また、十分な時間を確保しさえすれば、時間的な遅延の後に、目標となる前記第1の制動液圧を実現することができるため、制動液圧の不足を運転者に感じさせることはない。
第3の観点(請求項3/第2実施例に相当)に基づく車両用制動力発生装置10では、判定部223は、自車両が勾配路で停止状態にあるか否かを判定し、制御部233は、判定部223により自車両が勾配路で停止状態にある旨の判定が下された場合に、前記第1の制動液圧を低減させる制御を禁止する、構成を採用することとした。
第3の観点に基づく車両用制動力発生装置10によれば、自車両が勾配路で停止状態にある(自車両のずり下がりを回避するため、自車両が急な制動操作に即応すべき状態である)際の第1の制動液圧を、自車両が走行状態にある(自車両が急な制動操作に即応すべき状態である)際の第2の制動操作(第1の制動操作と共通)に応じて生じる第2の制動液圧と比べて低減させることを禁止するため、前記第1の制動液圧を低減させる制御の実行時期を、自車両が急な制動操作に即応すべき状態か否かに係る判定結果を通して適切に判断することができる。
したがって、自車両が急な制動操作に即応すべき状態か否かを考慮した適切な時期に前記第1の制動液圧を低減させる制御を実行することができるため、本件制御に係る信頼性(第1の制動液圧の低減制御が不適切な時期に実行される事態を回避する)の向上に寄与することができる。
第4の観点(請求項4/第3実施例に相当)に基づく車両用制動力発生装置10では、制御部233は、判定部223の判定結果に疑義が生じた場合に、前記第1の制動液圧を低減させる制御を禁止する、構成を採用することとした。
ここで、判定部223の判定結果に疑義が生じた場合とは、例えば、前記したように、自己診断部231が、前記自己診断結果が異常ありと診断するケースを想定することができる。
第4の観点に基づく車両用制動力発生装置10によれば、判定部223の判定結果に疑義が生じた場合に、前記第1の制動液圧を低減させる制御を禁止するため、前記第1の制動液圧を低減させる制御の実行時期を、判定部223の判定結果に疑義が生じているか否かに基いて適切に判断することができる。
したがって、判定部223の判定結果に疑義が生じているか否かを考慮した適切な時期に前記第1の制動液圧を低減させる制御を実行することができるため、本件制御に係る信頼性(第1の制動液圧の低減制御が不適切な時期に実行される事態を回避する)の向上に寄与することができる。
第5の観点(請求項5)に基づく車両用制動力発生装置10では、制御部233は、自車両を停止状態に維持するのに必要な停止要求液圧を算出する機能を有し、前記第1の制動液圧が、前記算出される前記停止要求液圧を下回る場合に、当該第1の制動液圧を低減させる制御を禁止する、構成を採用することとした。
の観点に基づく車両用制動力発生装置10によれば、前記第1の制動液圧が、自車両を停止状態に維持するのに必要な停止要求液圧を下回る場合に、当該第1の制動液圧を低減させる制御を禁止するため、前記第1の制動液圧を低減させる制御の実行時期を、該第1の制動液圧が前記停止要求液圧を下回るか否かに基いて適切に判断することができる。
したがって、前記第1の制動液圧が前記停止要求液圧を下回るか否かを考慮した適切な時期に前記第1の制動液圧を低減させる制御を実行することができるため、本件制御に係る安定性(自車両を停止状態に維持する)及び信頼性(第1の制動液圧の低減制御が不適切な時期に実行される事態を回避する)の向上に寄与することができる。
第6の観点(請求項6)に基づく車両用制動力発生装置10では、制御部233は、自車両に係る在所の勾配に応じて可変となるように前記停止要求液圧を算出する、構成を採用することとした。
の観点に基づく車両用制動力発生装置10によれば、自車両に係る在所の勾配に応じて可変となるように前記停止要求液圧を算出するため、仮に、自車両に係る在所の勾配が変わった場合であっても、そのときの自車両に係る在所の勾配に応じた前記停止要求液圧を用いて、自車両を停止状態に安定的に維持することができる。
〔その他の実施形態〕
以上説明した複数の実施形態は、本発明の具現化の例を示したものである。したがって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。本発明はその要旨又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができるからである。
例えば、本発明の実施形態に係る説明において、制御部233は、前記第1の制動液圧を低減させる制御を、当該第1の制動液圧の出力特性を時間的に遅延させることで行う例をあげて説明したが、本発明はこの例に限定されない。
制御部233は、前記第1の制動液圧を低減させる制御を、例えば、当該第1の制動液圧の出力特性に関する変化率(制動液圧の変化幅/その変化に要した時間)を制限することで行ってもよい。
10 車両用制動力発生装置
16 モータシリンダ装置
72 電動モータ(電動アクチュエータ)
223 判定部
233 制御部

Claims (6)

  1. 電動アクチュエータの作動により生じる制動液圧を、運転者による制動操作に基づいて可変動作するモータシリンダ装置と、
    自車両が停止状態にあるか否かを判定する判定部と、
    前記判定部により自車両が停止状態にある旨の判定が下された際において第1の制動操作に応じて生じる、前記電動アクチュエータの作動量又は作動速度のうち少なくともいずれか一方に係る第1の制動液圧を、前記判定部により自車両が走行状態にある旨の判定が下された際において前記第1の制動操作と共通の第2の制動操作に応じて生じる、前記少なくともいずれか一方に係る第2の制動液圧と比べて低減させる制御を行う制御部と、を備え
    前記制御部は、前記第1の制動操作に基づく目標液圧が低下傾向にある際において当該第1の制動操作に応じて生じる前記第1の制動液圧を、前記第2の制動液圧と比べて低減させる度合いを減らす、
    ことを特徴とする車両用制動力発生装置。
  2. 請求項1に記載の車両用制動力発生装置であって、
    前記制御部は、前記第1の制動液圧を低減させる制御を、当該第1の制動液圧の出力特性を時間的に遅延させることで行う、
    ことを特徴とする車両用制動力発生装置。
  3. 請求項1又は2に記載の車両用制動力発生装置であって、
    前記判定部は、自車両が勾配路で停止状態にあるか否かを判定し、
    前記制御部は、前記判定部により自車両が勾配路で停止状態にある旨の判定が下された場合に、前記第1の制動液圧を低減させる制御を禁止する、
    ことを特徴とする車両用制動力発生装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用制動力発生装置であって、
    前記制御部は、前記判定部の判定結果に疑義が生じた場合に、前記第1の制動液圧を低減させる制御を禁止する、
    ことを特徴とする車両用制動力発生装置。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の車両用制動力発生装置であって、
    前記制御部は、自車両を停止状態に維持するのに必要な停止要求液圧を算出する機能を有し、前記第1の制動液圧が、前記算出される前記停止要求液圧を下回る場合に、当該第1の制動液圧を低減させる制御を禁止する、
    ことを特徴とする車両用制動力発生装置。
  6. 請求項に記載の車両用制動力発生装置であって、
    前記制御部は、自車両に係る在所の勾配に応じて可変となるように前記停止要求液圧を算出する、
    ことを特徴とする車両用制動力発生装置。
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