JP6122323B2 - 試料保持具 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体集積回路の製造工程または液晶表示装置の製造工程等において用いられる、半導体ウエハ等の各試料を保持する際に用いられる試料保持具に関するものである。
半導体集積回路の製造に用いられるシリコンウエハを始めとする半導体ウエハまたは液晶表示装置の製造に用いられるガラス基板等の板状の試料は、それらの製造工程において製造装置または検査装置の支持台の上に保持されて、加工処理または検査等が行なわれる。製造工程では、複数の製造装置および検査装置を使用することが一般的であり、シリコンウエハ等の試料を支持台に保持するための手段は、製造工程中の製造装置および検査装置の種類ならびに次の装置にまで搬送するための搬送装置の種類に応じて様々な形態のものが提案されている。
半導体集積回路を例にとると、半導体集積回路の微細化および高密度化の要求は、近年さらに高まっている。これに伴って、試料保持具は、試料を保持する面における均熱性がさらに求められている。
特許文献1には、複数のセラミック層からなる静電チャックが開示されており、この静電チャックには、中間のセラミック層に冷媒を流すための流路が形成されている。これによって、各部における加熱と冷却とのバランスを調整することで、静電チャックの表面における均熱性を高めることができるというものである。
特開平3−108737号公報
しかしながら、特許文献1に記載された静電チャックのように、基体がセラミック層の積層体で構成される場合には、流路に冷媒等の熱媒体を流したときに、熱媒体との接触によってセラミック層が劣化することがあり、流路の内表面が熱媒体によって磨耗する場合があった。そして、この磨耗によって生じた粉末が流路の内部に堆積することによって、部分的に熱媒体と基体との間の熱伝導が低下する場合があった。その結果、静電チャックの表面において均熱性が低下してしまう場合があった。
そこで、流路の内表面に被覆膜を設けることによって、流路の内表面の摩耗を低減する方法が考えられる。しかしながら、流路の内表面に被覆膜を設けた場合であっても、流体の脈動等によって流路表面に生じる振動によって、基体に亀裂が発生してしまう場合があった。その結果、静電チャックの長期信頼性を向上させることが困難であった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、静電チャックの長期信頼性を向上させることにある。
本発明の一態様の試料保持具は、セラミックスからなり外表面に試料保持面を有するとともに内部に流路を有する基体と、前記流路の内表面を被覆している被覆膜とを具備しており、該被覆膜は、前記内表面から前記基体に伸びて入り込んだ伸入部を有しており、前記被覆膜の前記流路に面する面のうち、前記伸入部に対向する領域に張出部を有することを特徴とする。
本発明の一態様の試料保持具によれば、被覆膜が内表面から基体に伸びて入り込んだ伸入部を有していることによって、基体と被覆膜との界面の面積が広くなる。その結果、流体の脈動等によって流路表面に振動が生じたとしても、この振動を良好に基体および流路内に分散することができる。これにより、基体に亀裂が発生することを抑制できる。その結果、試料保持具の長期信頼性を向上させることができる。
本発明の実施形態の一例である試料保持具の外観を示す図である。 試料保持具の内部の流路の配置を平面的に示す模式図である。 図2に示した試料保持具のA−A’断面の断面図である。 図3に示した断面図における1つの流路断面を拡大した部分拡大断面図である。 図4に示した試料保持具のB−B’断面の部分拡大断面図である。 本発明の試料保持具の変形例1を示す部分拡大断面図である。 本発明の試料保持具の変形例2を示す部分拡大断面図である。 本発明の試料保持具の変形例3を示す部分拡大断面図である。 本発明の試料保持具の変形例4のうち伸入部近傍を示す部分拡大断面図である。 本発明の試料保持具の変形例5のうち伸入部近傍を示す部分拡大断面図である。
図1は、本発明の実施形態の一例である試料保持具1の外観を示す図である。図1(a)は、試料保持具1の斜視図であり、図1(b)は、試料保持具1の平面図である。
試料保持具1は、外表面(ここでは上面)に試料保持面10aを有するとともに内部に流路11を有する基体10と、基体10の内部に設けられた電極層20とを有する。試料保持具1は、基体10に設けられた電極層20に電圧を印加することによって、例えば、シリコンウエハ等の試料を静電気力によって基体10の試料保持面10aに保持するようにして用いられる。
本実施形態では、基体10は、セラミック層が複数積層された積層体からなる。基体10の内部には、熱媒体を流すための流路11が設けられている。この試料保持具1は、流路11に熱媒体を流すことにより、試料保持面10aに保持した試料を加熱、冷却または保温することができる。流路11に流す熱媒体としては、基体10の流路11から試料保持面10aとなる一方主面までのセラミック層と電極層20とを介して、保持した試料と熱交換可能な物質であれば、どのような熱媒体を用いてもよい。そのような熱媒体としては、各種の流体、例えば温水、冷水またはスチーム等の水系媒体、エチレングリコール等の有機系媒体、あるいは空気を含む気体等を用いることができる。
流路11は、図1(a)に示すように、基体10の端面に、外部空間に開口する開口部11aを有している。また、図1(a)には図示していないが、開口部11aの反対側の端面にも外部空間に通じる開口部を有している。流路11内を流れる熱媒体は、例えば、供給口となる開口部11aから流路11へと流入し、開口部11aの反対側の開口部から排出される。試料保持具1を半導体の製造装置または検査装置等に用いる場合は、熱媒体を供給するための供給装置から延びる供給管を開口部11aに接続し、供給装置から所定
の流量および流速で流路11内に熱媒体を供給する。開口部11aと反対側の排出口には排管を接続し、流路11を流れて試料と熱交換を行なった熱媒体を流路11から排出する。または、排出口に戻り管を接続し、流路11を流れて試料と熱交換を行なった熱媒体を流路11から排出するとともに、供給装置に戻して熱媒体を循環させるようにしてもよい。
図2は、基体10の内部における流路11の配置を平面的に示す模式図である。流路11を流れる熱媒体が試料保持面10aに保持される試料と効率よく熱交換するためには、流路11が試料保持面10aに対応して広範囲に形成されていることが好ましい。また、試料保持面10aの全体にわたる均熱性の観点からも、流路11は広範囲に形成されていることが重要である。そこで、本実施形態の試料保持具1においては、図2に示すように、開口部11aから開口部11aの反対側に位置する開口部11bまでの流路11が試料保持面10aの全体に行き渡るように蛇行形状となっている。このように流路11を配置しておいて、流路11の幅を大きくしたり、流路11を蛇行させるときの湾曲部の曲率半径を小さくしたりすることで、保持される試料との熱交換をより効率的に行なうことができる。なお、蛇行させた場合の直線部分と直線部分との間の折返し部分の距離を短くし過ぎると、流路11の側壁となる部分が細くなり、機械的強度が低下するので、強度を考慮しつつ流路11を形成することが好ましい。
図2に示す例では、流路11を蛇行形状としているが、流路11の配置形状はこれに限られない。例えば、流路11は渦巻き状であってもよく、また、複数の同心円とこの円同士を繋ぐ径方向に延びる直線とを組み合せた形状等であってもよい。
流路11を基体10の主面に垂直な断面で見たときの形状は、四角形状または円形状等にすることができる。特に、製造のしやすさからは四角形状が好ましい。
基体10は、例えば、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウムまたは酸化アルミニウム等を主成分とするセラミックス(セラミック焼結体)からなる。これらの中でも特に、窒化アルミニウム質焼結体からなることが好ましい。
窒化アルミニウム質焼結体は、室温における熱伝導率を150W/(m・K)以上にすることができ、他のセラミック材料に比べて熱伝導率が高い。そのため、保持した試料に局所的に熱が加わった場合でも試料の熱を基体10によって伝導させて放熱させることができるので、熱膨張に伴う試料の歪みが生じにくい。これによって、半導体製造工程のうち、例えば露光工程において、発熱による試料の歪みに起因する露光精度の劣化を低減することができる。
なお、室温における熱伝導率とは、測定雰囲気温度を22℃から24℃の室温の範囲内として測定した熱伝導率の値であり、この温度範囲内のうちいずれかの設定温度で測定した熱伝導率が150W/(m・K)以上であることを示す。さらに、窒化アルミニウム質焼結体は、室温を超える環境においても、熱伝導率を高い値で保持することができる。具体的には、例えば600℃以上での雰囲気温度における熱伝導率を、60W/(m・K)以上にすることができる。
この窒化アルミニウム質焼結体は、平均結晶粒径が3〜10μmの範囲内であることが好ましい。平均結晶粒径が3μm以上であると、窒化アルミニウム質焼結体中の結晶粒子が比較的十分に充填され、焼結体の機械的特性が比較的良好にされる。また、平均結晶粒径が10μm以下のサイズの結晶とすることで、結晶間に存在するボイド(空孔)の残留を少なくすることができる。したがって、平均結晶粒径は3〜10μmの範囲が好ましい。より好ましい平均結晶粒径の範囲は3〜7μmである。
図1に戻って、電極層20は、基体10の内部に設けられ、1つもしくは2つの分離された電極21と電極22とから構成される。電極層20は、静電吸着のために設けられている。電極21および電極22は、一方が電源の正極に接続され、他方が負極に接続される。一例として、正極に接続される側の電極を電極21(以下では「正電極21」という)とし、負極に接続される側の電極を電極22(以下では「負電極22」という)とする。なお、電極層20は、電極21が負極に接続され、電極22が正極に接続されていてもよい。
正電極21および負電極22は、それぞれ略半円板状に形成され、半円の弦同士が対向するように基体10の内部に配置される。正電極21および負電極22の2つの電極が合わさって、電極層20全体の外形が略円形状となっている。この電極層20全体の外形である略円形の中心は、基体10の外形である円形の中心と同一に設定される。
正電極21および負電極22には、それぞれ外部電源と電気的に接続するための接続端子21aおよび接続端子22aが設けられる。本実施形態では、正電極21および負電極22のいずれも、円弧と弦とが交差する部分に弦に沿って延びるように接続端子21aおよび接続端子22aが設けられている。正電極21に設けられた接続端子21aと、負電極22に設けられた接続端子22aとは、正電極21の半円の弦および負電極22の半円の弦同士の間隔と同じ間隔を空けて隣り合うように設けられるとともに、これらの半円の弦の延長線に沿って基体10の外周面にまで延びている。また、接続端子21aおよび接続端子22aは、基体10の端面にその一部が露出するように設けられる。正電極21および負電極22は、この接続端子21aおよび接続端子22aが露出した部分を介して外部電源と接続される。
電極層20は、例えばタングステンまたはモリブデン等の導電性材料からなり、これら導電性材料を含むペーストのスクリーン印刷等によって、基体10のセラミック層の層間に位置するように形成される。本実施形態の電極層20の厚みは、例えば1〜100μm程度である。
図3は、図2に示す切断面線A−A’における試料保持具1の断面図である。図4は、図3に示す断面図における1つの流路11の断面を拡大した部分拡大断面図である。基体10は、4つのセラミック層12,13,14,15を積層した積層体からなり、内部に電極層20が設けられている。なお、ここでいうセラミック層12,13,14,15は、必ずしも1枚のグリーンシートからなる必要はない。具体的には、セラミック層12,13,14,15がそれぞれ複数のグリーンシートの積層体であってもよい。本実施形態では、電極層20は流路11よりも試料を保持する一方主面(試料保持面10a)側に設けられる。
以下では、最外層のセラミック層15を最外層15、最外層15との間に電極層20が設けられるセラミック層12を上層12、上層12とはセラミック層13を挟んで反対側に設けられるセラミック層14を下層14、上層12と下層14とに挟持されるセラミック層13を中間層13という。これら各層の名称は説明をわかり易くするために便宜上付したものであって、必ずしも上層12が鉛直方向上側に位置するものではなく、下層14が鉛直方向下側に位置するものではない。また、図2に示したように、熱媒体は供給口となる開口11aから排出口となる開口11bまで流れるので、図3および図4において、熱媒体の流れ方向は紙面に垂直な方向となる。
ここで、図4に示すように、流路11の内表面には被覆膜30が設けられている。被覆膜30は、流路11の内表面が熱媒体によって摩耗することを防ぐために設けられている
。被覆膜30は、基体1との接合力が十分に得られるものであれば、特に限定されない。被覆膜30としては、例えば、セラミック材料または金属材料を用いることができる。特に、強度の観点から金属材料であることが好ましい。金属材料である場合には、製造の都合上、基体10と同時焼成が可能になるように、タングステンまたはモリブデンのような、セラミック材料の焼結温度よりも融点が高い高融点金属であることが好ましい。被覆膜30は、内表面から基体10に入り込んだ伸入部31を有している。本実施形態においては、図4および図5に示すように、伸入部31は流路11における熱媒体の進行方向に沿って層状に設けられている。なお、図6に示すように、伸入部31が突起状に設けられるとともに、複数設けられた構成であってもよい。本実施形態の試料保持具1は、被覆膜30が内表面から基体10に伸びて入り込んだ伸入部31を有していることによって、基体10と被覆膜30との界面の面積が広くなる。その結果、流体の脈動等によって流路11の表面に振動が生じたとしても、この振動を良好に基体10に分散することができる。これにより、基体10に亀裂が発生することを抑制できる。その結果、試料保持具1の長期信頼性を向上させることができる。
被覆膜30は、例えば、10〜100μm程度の厚みに形成することができる。また、伸入部31は、例えば、図4に示した断面で見たときに、流路11の内表面付近における厚みを5〜50μm、基体10に入り込んでいる長さを0.1〜0.5mm程度に設定できる。
さらに、伸入部31と基体10との界面は、流路11の内表面とは異なる方向に伸びていることから、振動を流路11の表面に対して垂直な方向と平行な方向との両方に分散させることができる。その結果、基体10に亀裂が発生する可能性をさらに低減できる。
また、伸入部31は、試料保持面10aと平行な方向に伸びていることが好ましい。これにより、基体10の内部における試料保持面10aに平行な方向の均熱性を向上できる。その結果、試料保持面10aの均熱性を向上させることができる。
また、図7に示すように、伸入部31は流路11の角部の近傍に位置していることが好ましい。これにより、流路11の表面に振動が生じたときに応力が集中しやすくなる角部の近傍に伸入部31を位置させることによって、伸入部31に応力を集中させることができる。ここで、伸入部31は基体10の内部にまで伸びている。そのため、伸入部31は、広範囲にわたって応力を吸収することができる。その結果、基体10に亀裂が発生する可能性をさらに低減できる。
さらに、図8に示すように、試料保持具1が基体10の厚み方向において伸入部31を複数有していることが好ましい。これにより基体10と被覆膜30との界面の面積がさらに広くなり、また流路11の内表面とは異なる方向に伸びている界面の面積も広くなるため、振動をさらに分散することができる。その結果、基体10に亀裂が発生する可能性をさらに低減できる。
さらに、図9に示すように、被覆膜30の流路11に面する面のうち、伸入部31に対向する領域に張出部32を有することが好ましい。これにより、被覆膜30のうち基体10の内部に向かう伸入部31の付け根に生じる振動を張出部32によって良好に伸入部31の付け根に到達する前に、伸入部31の付け根以外の方向へ分散させることができる。
また、図10に示すように、被覆膜30の流路11に面する面のうち、伸入部31に対向する領域に溝部33を有することが好ましい。これにより、伸入部31の付け根(上下2ヶ所)に振動によって高い応力が発生しやすかったものが、溝部33にも分散されることになる。これにより、発生する応力が低減され、被覆膜30の伸入部31の付け根から
の破損が発生しにくくなる。その結果、被覆膜30における振動の分散の効果を長期にわたって維持することが出来る。
基体10を構成するセラミックスは、流路11に流れる熱媒体に対して安定なセラミックスであることが好ましい。これにより、熱媒体との化学反応による腐食を抑制することができる。その結果、腐食粉の堆積による試料保持面10aの均熱性の劣化を低減することができる。
次に、試料保持具1に伸入部31を形成する方法について簡単に述べる。
本実施形態の試料保持具1の基体10は、前述のように複数のセラミック層が積層された積層体であり、所定の形状に予め成形した複数のグリーンシートを積層して、焼成して得られるものである。中間層13となるグリーンシートは、流路11に対応した形状に形成されている。具体的には、上下方向に貫通した貫通孔が設けられている。上層12となるグリーンシートにおける中間層13に接する側の表面のうち、中間層13となるグリーンシートに設けられた貫通孔に臨む面121と、下層14となるグリーンシートにおける中間層13に接する側の表面のうち、中間層13となるグリーンシートに設けられた貫通孔に臨む面141と、中間層13となるグリーンシートにおける貫通孔の内側面131とが、焼成後に流路11の内表面となる。ここで、内表面の大きさおよび形状は特に限定されず、流路11に流す熱媒体の量あるいは必要な冷却速度等によって決められる。ここで、中間層13となるグリーンシートは、流路11の形状に沿って切り欠きが設けられている。
被覆膜30としてセラミック材料を用いる場合には、グリーンシートを作製する場合と同様に有機系バインダーとセラミック粒子と添加材等とを混合してスラリーを作製し、このスラリーをグリーンシートを積層する工程よりも前の工程または積層する工程中に、被覆膜30を設けたい箇所に印刷等によって部分的に塗布するとともに、グリーンシートと共に焼成することによって、被覆膜30を流路11の内表面に形成することができる。このとき、スラリーを塗布するときに中間層13となるグリーンシートに設けた切り欠きの内部にスラリーを浸透させておくことによって、焼成後に伸入部31を形成することができる。
被覆膜30として金属材料を用いる場合には、有機系バインダーと金属粉末とを混合した金属ペーストを予め作製し、この金属ペーストをグリーンシートを積層する工程よりも前の工程または積層する工程中に、被覆膜30を設けたい箇所に印刷等によって部分的に塗布するとともに、グリーンシートを共に焼成することによって、被覆膜30を流路11の内表面に形成することができる。このとき、金属ペーストを塗布するときに中間層13となるグリーンシートに設けた切り欠きの内部に金属ペーストを浸透させておくことによって、焼成後に伸入部31を形成することができる。
また、被覆膜30として金属材料を用いる場合の他の例としては、例えば、めっきによって被覆膜30を形成してもよい。具体的には、焼成後の基体10の流路11および前述した切り欠きに対して、無電解めっきによって金属薄膜を形成し、さらにこの金属薄膜に電流を流して電気めっきを施せばよい。これにより、伸入部31を有する被覆膜30を形成することができる。
本発明の実施例の試料保持具1を以下のようにして作製した。
出発原料として、アルミナ還元窒化法により製造した平均粒径1.5μm、酸素含有量
0.8%、炭素含有量300ppmの窒化アルミニウム粉末を準備した。そして、この窒化アルミニウム粉末に対して、有機系のバインダーと溶剤とを混合した後に、60℃で乾燥させて造粒粉を製作した。
次に、この造粒粉を型内に充填して100MPaの成形圧にて半径50mm、厚み1mmの円板状の成形体を8枚作製した。
しかる後に、中間層12となる厚さ1mmの2枚の成形体に対して、後に伸入部31が形成される部位において、角部の面取りを行ない、面取りを行なった部分にさらにC面を形成した。これら2枚の面取りを行なった成形体をそれぞれのC面が対向するように積層して、80MPaの成形圧にて密着させ、厚さ2mmの成形体とした。このようにして、対向する2つのC面によって切り欠きが形成された中間層12を得た。
切削加工していない成形体6枚は、3枚ずつを積層し、80MPaの成形圧にて密着させて、上層11および最外層15に対応する層または下層13となる厚さ3mmの2枚の成形体とした。
さらにこれら3枚の成形体を上層11および最外層15に対応する層、中間層12および下層13の順に積層し、80MPaの成形圧にて密着させ、厚さ8mmの成形体とした。
中間層12と上層11と下層13とによって形成された流路11の内表面に、有機系バインダーとタングステン粉末とを混ぜた金属スラリーを流し込み、約20秒放置した後にこれらを排出した。これにより、流路11の内表面に厚みがおよそ30μmの被覆膜30を形成した。さらに、切り欠きには、深さ0.1〜0.4mmで基体10に入り込む伸入部31を形成した。次に、窒素雰囲気中で脱脂し、次いで1900℃で2時間かけて焼成した。
最後に、最外層15の上面を研磨加工して、平面度20μm、算術平均粗さRa0.1μmの試料保持面10aを形成した。なお、本実施例においては、試料保持具1は、電極層20を備えていない。
また、比較のために、上記基体10の製法のうち、切り欠きを設けずに被覆膜を形成した比較例の試料保持具を準備した。すなわち、比較例の試料保持具は、伸入部を有していない。
これらの基体それぞれの流路に温調機に接続された配管を接続して水温が70℃に調節された水を循環させ、試料保持面の均熱性を評価した。試料保持面における最低温度と最高温度との差は、実施例の試料保持具1で0.12℃であり、比較例の試料保持具で0.13℃であった。さらにこれらの試料保持具を加振機の上に設置し、200時間連続の振動試験を実施した。試験後、それぞれの試料保持具の試料保持面の均熱性を評価したところ、実施例の試料保持具1の試料保持面10aにおける最低温度と最高温度との差は0.122℃と、試験前からの変化は2%程度であったのに対して、比較例の試料保持具の試料保持面における最低温度と最高温度との差は0.245℃と、2倍以上に悪化した。
その後、それぞれの試料保持具の基体の切断面を観察したところ、比較例の試料保持具の流路の角部の一部に長さが最大1mmの亀裂が認められた。これに対して、実施例の試料保持具1では亀裂の発生は確認できなかった。
以上の結果により、流路11の内表面に形成した被覆膜30およびその伸入部31によ
り、基体10に亀裂が発生することを抑制できることが確認できた。その結果、試料保持具1の長期信頼性を向上させることができた。
1 試料保持具
10 基体
10a 試料保持面
11 流路
11a,11b 開口部
12 上層
13 中間層
14 下層
15 最外層
20 電極層
21 正電極
22 負電極
30 被覆膜
31 伸入部
32 張出部
33 溝部

Claims (5)

  1. セラミックスからなり外表面に試料保持面を有するとともに内部に流路を有する基体と、前記流路の内表面を被覆している被覆膜とを具備しており、該被覆膜は、前記内表面から前記基体に伸びて入り込んだ伸入部を有しており、
    前記被覆膜の前記流路に面する面のうち、前記伸入部に対向する領域に張出部を有することを特徴とする試料保持具。
  2. セラミックスからなり外表面に試料保持面を有するとともに内部に流路を有する基体と、前記流路の内表面を被覆している被覆膜とを具備しており、該被覆膜は、前記内表面から前記基体に伸びて入り込んだ伸入部を有しており、
    前記被覆膜の前記流路に面する面のうち、前記伸入部に対向する領域に溝部を有することを特徴とする試料保持具。
  3. 前記流路を長さ方向に直交する断面で見たときに、前記流路の内表面が角部を有するとともに、該角部の近傍に前記伸入部が位置していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の試料保持具。
  4. 前記伸入部を複数有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の試料保持具。
  5. 前記伸入部は、前記基体の前記試料保持面と平行な方向に伸びていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の試料保持具。
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