JP6118104B2 - プロペラ翼固定機構 - Google Patents

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Description

本発明は、プロペラボスに挿入した翼の基部を固定するプロペラ翼固定機構に関する。
従来、船舶等に用いられるプロペラ(この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「プロペラ」は、舶用、陸用等、液体中で使用するプロペラを全て含む)は、一般的に、プロペラボス(以下、単に「ボス」ともいう)と複数枚の翼とを一体的に鋳造して製造されることが多い。しかし、例えば大型のプロペラの製造等においては、設備上の制約からボスと複数枚の翼とを一体的に製造することが困難な場合がある。また、ボスと翼とを一体的に製造したプロペラの場合、1枚の翼が交換時期に到達した場合でもプロペラ全体を交換しなければならず、多くの費用と時間を要する。
そのため、一部のプロペラには、ボスと翼とを別体で製作し、それらを組立てて一体となったプロペラを形成したものがある。このようなボスの周囲に複数枚の翼を取付ける構造のプロペラにおいて、翼の基部に螺旋状基部を設け、ボスに翼の螺旋状基部を挿入する螺旋状の翼挿入溝を設けたものがある。そして、翼の螺旋状基部をボスの翼挿入溝に挿入することで、これらを一体としたプロペラが知られている。
例えば、この種の先行技術として、船舶用プロペラの翼構造に関して、翼の基部に形成した嵌合部を、ボス(ハブ)の周囲に形成した複数の螺旋状の溝に挿入して取付けるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−286284号公報
ところで、上記したようにボスと翼とを別体で製作した場合、螺旋状の溝に挿入した翼の螺旋状基部をボスと一体化しなければならない。この一体化する方法として、例えば、翼の螺旋状基部をボスの翼挿入溝と所定のはめあい公差で製作して嵌合することが考えられる。しかし、例えば、舶用プロペラの場合、嵌め合い部の押付け力が小さいと、運転中や起動停止、逆回転時に、水等の液体から流体力を受けた際に、嵌め合い部に大きな力が働くため、嵌め合い部に変形が発生し、ガタツキが生じる。そして、接触状況の繰返し変化に起因する磨耗や疲労損傷、接触音及び摩擦音等による騒音の発生などが生じる。これを防止するために、嵌め合い部の接触圧を高めることが有効であるが、例えば、嵌め合い部分をプラス公差で製作すると、組立時の挿入作業は極めて煩雑な作業となるうえ、解体時の離脱作業はさらに困難な作業となる。また、貨物運搬船などの大型のプロペラでは、1枚の翼が受ける流体力も大きくなるため、プラス公差も大きくとる必要が生じ、組立、解体がより困難なものとなる。
一方、液体中で使用されるこの種のプロペラにおいては、更なるプロペラ性能の向上を図るために、ボスを軸方向両端部に直径差がある円錐台状等に形成するのが好ましい場合がある。しかしながら、ボスを円錐台状等に形成した場合、その直径変化によって螺旋状の溝の円弧が変化するため、上記したような翼の螺旋状基部を挿入する正確な螺旋状の翼挿入溝を形成するのは極めて困難になる。
そのため、ボスに形成する翼挿入溝の断面形状を、翼の螺旋状基部の断面形状に対して所定の隙間を有する大きな断面形状で形成し、ボスの翼挿入溝に翼の螺旋状基部を挿入した後、翼の螺旋状基部をボスの翼挿入溝に固定することが考えられる。
しかしながら、ボスに形成する翼挿入溝の断面形状を翼の螺旋状基部の断面形状に対して所定の隙間を有する大きさで形成し、それらをガタツキなく一体化することについては、上記特許文献1には何ら記載されていない。
このように、先行技術には、ボスと翼とを別体で構成し、これらを安定して組立/分解できる機構については何ら記載されていない。
そこで、本発明は、プロペラボス表面の軸方向に形成した螺旋状の翼挿入溝に翼の基部を挿入した後、翼をボスに安定して固定できるプロペラ翼固定機構を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ボスの周囲に形成した複数の翼挿入溝に翼の基部をそれぞれ挿入して固定することで一体化するプロペラのプロペラ翼固定機構であって、前記ボスは、ボス表面側から所定深さに形成した螺旋状の翼挿入溝を軸方向に備え、前記翼は、前記翼挿入溝に挿入して前記螺旋状の翼挿入溝と係合する断面形状の螺旋状基部を備え、前記ボスの翼挿入溝と前記翼の螺旋状基部との間に、翼挿入溝に挿入した螺旋状基部をボス中心から半径方向外向きに押圧して前記螺旋状基部を前記翼挿入溝に押圧する押圧部材を備えさせている。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「所定深さに形成した螺旋状の翼挿入溝」は、翼の螺旋状基部を挿入することができる深さの溝をいう。
この構成により、ボスの翼挿入溝に翼の螺旋状基部を挿入し、ボスの中心から押圧部材で螺旋状基部を半径方向外向きに押圧することにより、螺旋状基部が翼挿入溝に押圧されて翼とボスとを一体的に固定することができる。
前記翼挿入溝は、前記ボス表面側からボス中心方向に向けて広がるボス側斜面を有する断面形状で外面の軸方向に形成され、前記螺旋状基部は、前記翼挿入溝に挿入して前記ボス側斜面と係合するように翼基端部から広がる翼側斜面を有する断面形状で形成されていてもよい。
このように構成すれば、ボスの表面側からボス中心方向に向けて広がる断面形状の翼挿入溝に翼の螺旋状基部が押圧され、翼とボスとを一体的に固定することができる。
また、前記翼挿入溝のボス側斜面は、該翼挿入溝の幅方向中心に対して対称に形成され、前記螺旋状基部の翼側斜面は、該螺旋状基部の幅方向中心に対して対称に形成されていてもよい。
このように構成すれば、翼の螺旋状基部をボスの翼挿入溝に向けて半径方向外向きに押圧することで、螺旋状基部の幅方向中心に対して両翼側斜面をほぼ均等な力で翼挿入溝のボス側斜面に押圧して固定することができる。
また、前記押圧部材は、前記ボスの翼挿入溝の底面から前記螺旋状基部を押圧するように該翼挿入溝に沿って配設したボルト部材であってもよい。
このように構成すれば、翼挿入溝に沿って配設した複数のボルト部材によって、螺旋状基部をボスの翼挿入溝に向けて場所ごとに適した力に調節して押圧することができる。
また、前記ボルト部材は、前記翼挿入溝の幅方向に所定量ずれた千鳥配置となっていてもよい。
このように構成すれば、翼の螺旋状基部が幅方向に広い場合でもボスの翼挿入溝の幅方向にずれた位置で螺旋状基部を適した力で押圧することができる。
また、前記押圧部材は、前記ボスの翼挿入溝と前記螺旋状基部との間に嵌入されるくさび部材であり、前記螺旋状基部は、前記くさび部材を長手方向に案内する凹状溝部を有していてもよい。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「くさび部材」は、ボスの翼挿入溝と翼の螺旋状基部との間に嵌入することで、翼の螺旋状基部をボスの翼挿入溝に押圧して、翼をボスに固定できるくさび状の部材であればよい。
このように構成すれば、くさび部材を螺旋状基部の凹状溝部に沿ってボスの翼挿入溝との間に嵌入することで、翼の螺旋状基部をボスの翼挿入溝に押圧して固定することができる。
また、前記螺旋状基部は、前記くさび部材を螺旋状基部の両端部から嵌入できるように該螺旋状基部の両端部に凹状溝部を有していてもよい。
このように構成すれば、くさび部材を螺旋状基部の凹状溝部に嵌入することで、翼の螺旋状基部を両端部からボスの翼挿入溝に押圧して安定した固定ができる。
本発明によれば、ボスの軸方向に備えた螺旋状の翼挿入溝に挿入した翼の螺旋状基部をボスの翼挿入溝に安定して固定することができるので、ボスと翼とを別体で構成するプロペラの組立/分解性、推進性能、及び、低騒音性を向上させることが可能となる。
本発明に係るプロペラ翼固定機構を適用するプロペラを示す斜視図である。 (a) は、図1に示すボスに形成する翼挿入溝の第1実施形態に係る断面図であり、(b) は(a) の変形例を示す断面図である。 図1に示すプロペラの翼を示す斜視図である。 図3に示す翼の螺旋状基部を拡大して示す斜視図である。 図2に示す翼挿入溝に設ける押圧部材であるボルト部材の配置を示す斜視図である。 図5に示すボルト部材の配置とは異なる例のボルト部材の配置を示す斜視図である。 図4に示すボルト部材が当接した翼の螺旋状基部を示す斜視図である。 図5に示すボルト部材が当接した翼の螺旋状基部を示す斜視図である。 図1に示すボスに形成する翼挿入溝の第2実施形態に係る断面図である。 図9に示す翼挿入溝に挿入する翼の螺旋状基部を拡大した斜視図である。 図10に示す翼の螺旋状基部を下端側から見た斜視図である。
以下、本発明の実施形態(第1実施形態)を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、ボス10の軸方向両端部に直径差があり、このボス10の表面に形成された翼挿入溝11に翼20の螺旋状基部21を挿入して固定する例を説明する。また押圧部材の一例として、ボルト部材30とくさび部材40とを例に説明する。
図1に示すように、プロペラ1のボス10としては、側面視における外形が、軸方向の前端側(図示する右側)が大径の直径で、後端側(図示する左側)が小径の直径で形成された円錐台形の一部に形成されている。そして、このボス10の表面には、周囲に複数本の螺旋状の翼挿入溝11が形成されている。これらの翼挿入溝11は、ボス10の全周に等間隔で設けられている。この図では、上記複数本の翼挿入溝11の1本に翼20の螺旋状基部21を途中まで挿入している状態を示している。翼20の詳細は、後述する。また、ボス10の中心部分に駆動軸50が挿入される。
図2(a) に示すように、ボス10に形成される翼挿入溝11の断面形状(1箇所のみを示す)は、ボス10の表面側からボス中心方向に向けて広がるボス側斜面12を有するものとなっている。この翼挿入溝11は、ボス10の表面から所定深さで形成されている。また、この実施形態の翼挿入溝11は、上記ボス側斜面12が幅方向中心に対して左右対称に形成されている。翼挿入溝11のボス中心に最も近い部分(底部分)は、ボス側斜面12に連なる所定の曲面で形成された角部から底面13が形成されている。さらに、翼挿入溝11のボス表面部分には、後述する翼20の螺旋状基部21と当接しないような面取り部14が設けられている。この翼挿入溝11は、翼20の螺旋状基部21を挿入した状態で、螺旋状基部21との間に隙間Sができる大きさで形成されている。
また、翼挿入溝11の開口部分のボス表面には、後述する翼20の螺旋状基部21に設けられた鍔部24が入る凹部15が設けられている。この凹部15に翼20の鍔部24が入ることで、ボス10の表面が平滑になるようになっている。
さらに、この実施形態では、後述するように翼20をボス10に押圧して固定する押圧部材であるボルト部材30を螺合するねじ穴16が底面13からボス中心方向に向けて設けられている。このねじ穴16は、ボス中心に設けられた中空穴17から底面13に貫通して設けられている。このねじ穴16に中空穴17側からボルト部材30をねじ込むことで、螺旋状基部21の翼側斜面23をボス10のボス側斜面12に向けて押圧することができる。このように、ボルト部材30をねじ込むことで、翼20とボス10とを一体的に固定することができる。
なお、この実施形態では、翼挿入溝11のボス側斜面12に螺旋状基部21の翼側斜面23を押圧してこれらを一体的に固定しているが、図2(b) に示すように、ボス10の翼挿入溝11を底面13と平行な平面60を有する溝とし、螺旋状基部21をその翼挿入溝11に挿入できる厚みの平面61を有する形状としたプロペラ翼固定機構7としてもよい。この場合、ボス10の中心からボルト部材30で螺旋状基部21を半径方向外向きに押圧することにより、螺旋状基部21の翼側平面61が翼挿入溝11の外側平面60に押圧されて翼20とボス10とを一体的に固定することができる。これらの翼挿入溝11と螺旋状基部21とは、螺旋状基部21を翼挿入溝11に挿入して一体的に固定できる構成であれば、他の構成であってもよい。
一方、図3,4に示すように、翼20は、所定の曲面で形成された翼部22と、この翼部22の基部に設けられた上記螺旋状基部21とを有している。螺旋状基部21には、上記翼挿入溝11に挿入してボス側斜面12と係合するように翼基端部から広がる翼側斜面23を有する断面形状に形成されている。この実施形態では、上記ボス側斜面12及び翼側斜面23が、底面が広がる略台形状断面形状に形成されている。しかも、この実施形態のボス側斜面12及び翼側斜面23は、翼挿入溝11及び螺旋状基部21の幅方向中心に対して左右対称の等脚台形状断面に形成されており、ボス側斜面12及び翼側斜面23は、ボス中心の垂線に対して同じ角度αで形成されている(図2)。
また、この実施形態では、上記翼部22と螺旋状基部21との間に、この螺旋状基部21とボス10の表面との平滑性を保つ鍔部24が設けられている。この鍔部24は、螺旋状基部21と翼部22との間から、ボス10の表面に沿うように幅方向に突設されている。この鍔部24が上記凹部15に入ることで、ボス10の表面が平滑になるようになっている(図2)。
次に、図5,6に基づいて、第1実施形態に係る押圧部材の配置例を説明する。これらの図では、1本の翼挿入溝11の部分のみを図示して説明する。第1実施形態の押圧部材は、ボルト部材30を用いている。図5に示す例は、ボルト部材30を翼挿入溝11に沿って幅方向中心に配置した例である。この例では、ボルト部材30を直線状配置としている。また、図6に示すように、ボルト部材30を幅方向に千鳥状に配置したり、2直線状に配置してもよい。このボルト部材30は、上述したように、ボス10のねじ穴16に螺合されて設けられる。
そして、このボルト部材30をねじ込むことで翼20の螺旋状基部21をボス10の半径方向に押圧すれば、上記図2に示すように、螺旋状基部21の翼側斜面23を上記ボス側斜面12に向けて押圧することができる。これにより、翼側斜面23がボス側斜面12に密接して、翼20の螺旋状基部21をボス10の翼挿入溝11に摩擦力で固定することができる。
このように、押圧部材にボルト部材30を用いれば、流体力によりプロペラが力を受け、ボルト部材30による押圧を押し戻すような力が生じても、ボルト部材30の軸力が必ず残るような荷重設定で押圧することで、ボルト部材30はねじり戻り(回転)により緩みを生じないようにできる。
さらに、ボルト部材30の回り止めとして、例えば、ロックナット、嫌気性接着剤などの一般的手法を採用することで、より安定した押圧保持が可能となる。
なお、図5,6では、ボス10の翼挿入溝11と、この翼挿入溝11に当接するボルト部材30との関係のみを示している。このボルト部材30の本数や、各ボルト部材30の締付力は、流体力などに応じて設定すればよい。また、上記ボルト部材30と翼20の螺旋状基部21との間にスペーサ(図示略)を挿入することで、螺旋状基部21に傷がつかないようにしつつ、面圧調整をすることもできる。
図7,8は、上記第1実施形態におけるボルト部材30が翼20の螺旋状基部21に当接した状態を示している。上記図5に示すボルト部材30の配置の場合、図7に示すように、螺旋状基部21の幅方向中心に沿って複数本が当接するようになる。また、上記図6に示すボルト部材30の配置の場合、図8に示すように、螺旋状基部21の幅方向に所定間隔で離れて、千鳥状に複数本が当接するようになる。
なお、これらの図では、翼20の螺旋状基部21と、この螺旋状基部21に当接するボルト部材30との関係のみを示している。このボルト部材30の本数や、各ボルト部材30の締付力は、流体力などに応じて設定すればよい。
また、上記ボルト部材30の締付方法として、この実施形態では、ボス10の中心を中空穴17とし、その中空穴17から半径方向外向きに締付けるようにしているので、ボス10の中心部分に駆動軸50(図2)を挿入することができる。従って、ボス10をプロペラ駆動軸50(図2)に固定する作業も容易に行うことができる。しかも、ボルト部材30にスタッドボルト(イモネジ)を使用し、そのボルト部材30の一部をボス10の中空部に突出させれば、この突出部分を駆動軸50で押圧することでボス10の回転止めを図ることもできる。
このように、第1実施形態のプロペラ翼固定機構5は、ボルト部材30によって翼20の螺旋状基部21に形成された翼側斜面23をボス10のボス側斜面12に向けて押圧して固定する機構となっている。
次に、図9に基づいて、ボス10に形成する翼挿入溝の第2実施形態を説明する。上記図2に示す第1実施形態と同一の構成には、同一符号を付して説明する。第2実施形態に係る翼挿入溝18の断面形状(1箇所のみを示す)としては、ボス10の表面側からボス中心方向に向けて広がるボス側斜面12と、所定深さからボス中心の垂線とほぼ平行にボス中心方向に延びる平行面19とを有している。また、この実施形態の翼挿入溝18は、ボス側斜面12の下端からボス中心の垂線とほぼ平行にボス中心方向へ延びる平行面19の最も(同上)ボス中心部分(底部分)に、ボス側斜面12に連なる所定の曲面で形成された角部から底面13が形成されている。この翼挿入溝18は、ボス10の表面から所定深さで形成されている。また、この実施形態の翼挿入溝18も、ボス側斜面12と平行面19とが、幅方向中心に対して左右対称に形成されている。
さらに、この翼挿入溝18に挿入される螺旋状基部21は、二点鎖線で示すように、上記ボス側斜面12と同一角度で形成された翼側斜面23と、上記平行面19の幅寸法よりも小さい幅寸法の平行面26とを有するように形成されている。この実施形態の翼挿入溝18も、翼20の螺旋状基部25を挿入した状態で、螺旋状基部25との間に隙間Sができる大きさで形成されている。
また、翼挿入溝18のボス表面部分は、翼20の螺旋状基部25と当接しないような面取り部14に形成されている。さらに、翼挿入溝18の開口部分におけるボス表面には、後述する翼20の螺旋状基部25に設けられた鍔部24が入る凹部15が設けられている。この凹部15に翼20の鍔部24を入れることで、ボス10の表面が平滑となるようになっている。
そして、この実施形態では、後述するように翼20をボス10に固定する押圧部材であるくさび部材40を嵌入できるように、上記翼20の螺旋状基部25に、凹状溝部27,28が設けられている。これらの凹状溝部27,28にくさび部材40を嵌入することで、螺旋状基部25の翼側斜面23をボス10のボス側斜面12に向けて押圧することができる。
次に、図10,11に基づいて、第2実施形態に係る押圧部材の配置例を説明する。第2実施形態の押圧部材は、上記したように翼挿入溝18と、この翼挿入溝18に挿入する螺旋状基部25との間に嵌入するくさび部材40を用いている。
図示するように、螺旋状基部25の両端部に設けられた凹状溝部27,28は、螺旋状基部25の長手方向両端部からそれぞれ約2/5程度の長さで設けられている。凹状溝部27,28は、螺旋状基部21の両端部が最も深く、螺旋状基部21の長手方向中心方向に向けて徐々に浅くなるように形成されている。この長手方向に浅くなる角度が「くさび角度」である。このくさび角度としては、螺旋状基部25の両端部から長手方向中心部までくさび部材40が入るように、例えば、1°〜6°に設定される。
そして、上記したように、翼挿入溝18と螺旋状基部25の凹状溝部27,28との間にくさび部材40を嵌入することで(図9)、螺旋状基部25の翼側斜面23を翼挿入溝18のボス側斜面12に向けて押圧することができる。これにより、翼側斜面23がボス側斜面12に密接して、翼20の螺旋状基部25をボス10の翼挿入溝11に摩擦力で固定することができる。
このように、第2実施形態のプロペラ翼固定機構6は、翼20の螺旋状基部25に設けられた凹状溝部27,28にくさび部材40を嵌入し、このくさび部材40によって螺旋状基部25の翼側斜面23をボス10のボス側斜面12に向けて押圧して固定する機構となっている。
以上のように、上記プロペラ翼固定機構5,6(図2,9)によれば、ボス10の表面側からボス中心方向に向けて広がる断面形状の翼挿入溝11,18に翼20の螺旋状基部21,25を挿入した後、ボス中心方向から押圧部材(ボルト部材30、くさび部材40)で螺旋状基部21,25を外向きに押圧することにより、螺旋状基部21,25の翼側斜面23が翼挿入溝11,18のボス側斜面12に押圧されて、摩擦力によって翼20をボス10と一体的に固定することができる。
また、上記第1実施形態では、翼20の螺旋状基部21をボルト部材30でボス10を翼挿入溝11に向けて押圧して固定するので、翼20の位置決めを容易に行うことができる。
さらに、上記第2実施形態では、翼20の螺旋状基部25の両端部に所定深さに形成した凹状溝部27,28を設ける必要があり、くさび部材40の挿入も必要であるが、高い押付け力で螺旋状基部25を翼挿入溝18に固定することができる。また、くさび部材40の場合、ボス10の内径(シャフト挿入部)が狭くても、施工できるという利点を有する。
従って、上記したようなプロペラ翼固定機構5,6によれば、ボス10と翼20とを別体で製作し、これらを一体化してプロペラ1を形成する場合に、ボス10及び翼20を小さな設備で製作することができ、またプロペラ1の組立、解体を容易に行うことが可能となる。しかも、ボス10と翼20とを別体で製作して容易に一体化したプロペラ1を製作できるので、ボス10と翼20とを別体で構成するプロペラ1の組立/分解性、推進性能、及び、低騒音性を向上させることが可能となる。
なお、上記実施形態は一例であり、プロペラ翼の形状(直径、翼枚数、翼形状、翼の挿入角度、重量、嵌合部形状)や材質(重量、摩擦係数)、運転条件(回転速度、速力、発進停止の頻度)には様々な組合せがあるため、目的を達するための構造や方法、形状や条件などに応じて組み合わせを選択すればよい。
また、ボス10の翼挿入溝11,18及び翼20の螺旋状基部21,25は、上記実施形態以外の構成であってもよく、上記実施形態に限定されるものではない。
さらに、上述した実施形態は一例を示しており、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
本発明に係るプロペラ翼固定機構は、プロペラボスにプロペラ翼の基部を挿入して固定するような構造のプロペラにおいて利用できる。
1 プロペラ
5,6,7 プロペラ翼固定機構
10 ボス
11 翼挿入溝
12 ボス側斜面
13 底面
14 面取り部
15 凹部
16 ねじ穴
17 中空穴
18 翼挿入溝
19 平行面
20 翼
21 螺旋状基部
22 翼部
23 翼側斜面
24 鍔部
25 螺旋状基部
26 平行面
27,28 凹状溝部
30 ボルト部材
40 くさび部材
50 駆動軸
60,61 平面
S 隙間
α 角度

Claims (4)

  1. ボスの周囲に形成した複数の翼挿入溝に翼の基部をそれぞれ挿入して固定することで一体化するプロペラのプロペラ翼固定機構であって、
    前記ボスは、ボス表面側から所定深さに形成した螺旋状の前記翼挿入溝を軸方向に備え、
    前記翼は、前記翼挿入溝に挿入して螺旋状の前記翼挿入溝と係合する断面形状の螺旋状基部を備え、
    前記ボスの前記翼挿入溝と前記翼の前記螺旋状基部との間に、前記翼挿入溝に挿入した前記螺旋状基部をボス中心から半径方向外向きに押圧して前記螺旋状基部を前記翼挿入溝に押圧する押圧部材を備えさせ、
    前記押圧部材は、前記ボスの前記翼挿入溝の底面から前記螺旋状基部を押圧するように該翼挿入溝に沿って配設したボルト部材であることを特徴とするプロペラ翼固定機構。
  2. 前記翼挿入溝は、前記ボス表面側からボス中心方向に向けて広がるボス側斜面を有する断面形状で外面の軸方向に形成され、
    前記螺旋状基部は、前記翼挿入溝に挿入して前記ボス側斜面と係合するように翼基端部から広がる翼側斜面を有する断面形状で形成されている請求項1に記載のプロペラ翼固定機構。
  3. 前記翼挿入溝の前記ボス側斜面は、該翼挿入溝の幅方向中心に対して対称に形成され、前記螺旋状基部の翼側斜面は、該螺旋状基部の幅方向中心に対して対称に形成されている請求項2に記載のプロペラ翼固定機構。
  4. 前記ボルト部材は、前記翼挿入溝の幅方向に所定量ずれた千鳥配置となっている請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロペラ翼固定機構。
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