JP5169770B2 - リング状ロックナット - Google Patents
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Description
そのため、この自己ロックナットは、図4に示すように、ねじ付部材50に螺合させて使用する環状のナット本体51と、該ナット本体にその半径方向内向きに開口するように形成された溝52と、両端を有し溝52内に着脱自在に装着された圧縮自在の可撓性の細長い挿入体53とからなる。
挿入体53は樹脂からなり、ねじ山を切っておらず、ねじ付部材50のねじ部が挿入体53に食い込む事によって摩擦トルクを発生し、ロック能力を発揮するようになっている。また、挿入体53は、ロックナットを外した後、棒などで容易に溝に着脱させることができる。
そのため、このロックナット61は、図5に示すように、一方の座面63のねじ孔64の周縁から連続して同心状に形成される溝70と、溝70に形成された複数の突起65とを備えるナット本体62からなる。各突起65は、ナット本体62と同じ材質のもので、ナット本体62の座面63と溝70との境界部からナット本体62の中心方向に延在する傾斜状の外側面71と、ねじ孔64内面の延長となるように形成された内側面72とを有する。溝70の深さは、ロックナット61をボルト66に螺合して締結用ナット67に締め付けた際に、両ナット61,67の座面間で潰された突起65の一部が両ナット61,67のねじ孔64とボルト66のねじ部69との螺合部に巻き込まれるが、潰された突起65の残りの一部が締結用ナット67の座面68とナット本体62の座面63との間に入り込まない寸法に設定されている。
ナットの一部変形には、例えば、中空円筒形のナットの外面又は内面に周方向の溝を設け、その溝より外側部分をネジ部側に楕円又は多角形に塑性変形させ、変形部分のネジ部の摺動抵抗により、ネジ部の螺合に要する締付トルクを設定していた。
また、再使用ができなくなった従来のロックナットは、修理が困難であるため全体を交換する必要があり、交換部品のコストが高く、メンテナンスコストが高くなる問題点があった。
前記複数の貫通穴に嵌合し、そのネジ部側表面が前記ネジ部の山と谷の間に位置する複数のインサート部材とからなり、
前記複数の貫通穴は、ナット本体の回転軸に対して対称位置に設けられ、
前記貫通穴は、ネジ部側の大径円筒穴と、これと連通しこれより小径の小径円筒穴とからなり、
大径円筒穴は、円筒形の窪穴であり、その底面は平面になっており、
前記インサート部材は、前記大径円筒穴にしまりばめで嵌合する可撓性の円筒形樹脂であり、その下面は大径円筒穴と小径円筒穴との段差に当接し、その上面は前記ネジ部の山と谷の間に位置し、
インサート部材に作用する圧縮力を前記段差で支持し、
前記ナット本体は、そのネジ部の軸心を中心に全体を回転させるためのトルク伝達部をその端面に有する、ことを特徴とするリング状ロックナットが提供される。
この締付トルクは、使用中に振動で緩む方向に作用するトルクに抵抗するトルクと通常一致する。
この図において、1はジェットエンジンの回転軸、2は低圧タービンのロータ部品、3はカーボンシールランナ、4はラビリンスシールランナ、5はベアリングインナーレース、6はステータ側のカーボンシール、7はステータ側のラビリンスである。
この構成により、低圧タービンのロータ部品2、カーボンシールランナ3、ラビリンスシールランナ4、ベアリングインナーレース5、リング状ロックナット10A及び10Bを互いに強固に連結でき、一体の回転体としてジェットエンジンの回転軸1を中心に回転させることができる。
なお、この例は、リング状ロックナット10A、10Bの使用形態の一例であり、本発明はこの構成に限定されず、その他の構成であってもよい。
従って、以下、リング状ロックナット10Aについてのみ説明する。
この図において、本発明のリング状ロックナット10Aは、中空円筒形のナット本体12と複数のインサート部材14からなる。
ナット本体12の内径及び外径は、ネジ部12a及び貫通穴12bを形成できる限りで任意に設定できる。例えばネジ部12aを外面に有する場合には、内径を10mm程度まで小さくすることができる。一方、ネジ部12aを内面に有する場合には、貫通穴12bの加工性により内径を100mm程度まで大きくするのが好ましい。
トルク伝達部15はこの構成に限定されず、ナット本体12の端面、内面又は外面に設けたスプラインやスリット、或いは面取りでもよい。
図3(B)に示すように、ナット本体12の貫通穴12bは、大径円筒穴13aと小径円筒穴13bからなる。大径円筒穴13aは、ネジ部12a側に設けられた円筒形の窪穴であり、その底面は平面になっている。また、小径円筒穴13bは、大径円筒穴13aと同心であり、これと連通しこれより小径になっている。
また、大径円筒穴13aの深さは、これと嵌合するインサート部材14が、対象物の円筒形ネジ部2aと嵌合して弾性変形し、後述するように、対象物とナット本体のネジ部の隙間に嵌り込む際に、対象物のネジ部2aに対し、十分な圧力を付与できるように設定するのがよい。
インサート部材14は、大径円筒穴13aに「しまりばめ」で嵌合する可撓性の円筒形樹脂である。この樹脂は、ナット本体の使用温度に耐え、機械加工性の良い樹脂、例えばポリイミド樹脂であるのがよい。
なお、ナット本体に組立後、インサート部材の外径はネジ部の最大径より小さく最小径より大きいことが好ましい。
例えば、上面14bをネジ部12aのピッチ径の位置に設定すれば、締付トルクの増加分のばらつきを小さくできる。また、ピッチ径の位置より低くすれば締付トルクの増加分を小さくでき、逆のピッチ径の位置より高くすれば締付トルクの増加分を大きくできる。
さらに、インサート部材14の上面外縁部にも、テーパ面14dが設けられ、ナット本体12を対象物の円筒形ネジ部2aに螺合させる際に、相手のネジ部の山との接触を円滑にして、インサート部材14の変形を容易にしている。
インサート部材14の大部分は塑性変形するが、インサート部材14の上面14bはネジ部12aの山と谷の間に位置し、この図に斜線で示すように、ネジ部側表面14bが対象物の円筒形ネジ部2aと嵌合して弾性変形し、対象物のネジ部2aがインサート部材14に食い込むようになっている。
この締付トルクは、使用中に振動で緩む方向に作用するトルクに抵抗するトルクと通常一致する。
12 ナット本体、12a ネジ部、12b 貫通穴、
13a 大径円筒穴、13b 小径円筒穴、13c 段差、
14 インサート部材、14a 下面、14b 上面、
14c テーパ面、14d テーパ面、
15 トルク伝達部、15a スロット、15b タブ
Claims (2)
- 対象物の円筒形ネジ部と螺合するネジ部を外面に有し、かつ半径方向に貫通する複数の貫通穴を有する中空円筒形のナット本体と、
前記複数の貫通穴に嵌合し、そのネジ部側表面が前記ネジ部の山と谷の間に位置する複数のインサート部材とからなり、
前記複数の貫通穴は、ナット本体の回転軸に対して対称位置に設けられ、
前記貫通穴は、ネジ部側の大径円筒穴と、これと連通しこれより小径の小径円筒穴とからなり、
大径円筒穴は、円筒形の窪穴であり、その底面は平面になっており、
前記インサート部材は、前記大径円筒穴にしまりばめで嵌合する可撓性の円筒形樹脂であり、その下面は大径円筒穴と小径円筒穴との段差に当接し、その上面は前記ネジ部の山と谷の間に位置し、
インサート部材に作用する圧縮力を前記段差で支持し、
前記ナット本体は、そのネジ部の軸心を中心に全体を回転させるためのトルク伝達部をその端面に有する、ことを特徴とするリング状ロックナット。 - ナット本体に組立後、インサート部材の外径はネジ部の最大径より小さく最小径より大きい、ことを特徴とする請求項1に記載のリング状ロックナット。
Priority Applications (1)
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JP2008301789A JP5169770B2 (ja) | 2008-11-27 | 2008-11-27 | リング状ロックナット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008301789A JP5169770B2 (ja) | 2008-11-27 | 2008-11-27 | リング状ロックナット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010127357A JP2010127357A (ja) | 2010-06-10 |
JP5169770B2 true JP5169770B2 (ja) | 2013-03-27 |
Family
ID=42327901
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008301789A Active JP5169770B2 (ja) | 2008-11-27 | 2008-11-27 | リング状ロックナット |
Country Status (1)
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2008
- 2008-11-27 JP JP2008301789A patent/JP5169770B2/ja active Active
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JP2010127357A (ja) | 2010-06-10 |
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