JP6117990B2 - エンジンの潤滑構造 - Google Patents

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Description

この発明は、エンジンにおける潤滑が必要な部位に、潤滑用のオイルを供給するエンジンの潤滑構造に関する。
本願は、2014年3月28日に出願された日本国特願2014−070275号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
車両に採用されるエンジンの多くは、クランクケースに設けられたオイルポンプによってオイルパン内のオイルを吸い上げ、クランクケースやシリンダブロックに形成されたオイル供給路を通して、オイルポンプからエンジンにおける潤滑が必要な部位にオイルを供給する。
また、エンジンの潤滑構造として、オイル供給路の一部を、クランクケースとシリンダブロックの接合面部分に設けるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のエンジンの潤滑構造は、クランクケースとシリンダブロックの接合面のうちの、クランクケース側の接合面に、シリンダ中心軸まわりに湾曲した所定長の通路溝が形成されている。そして、クランクケースとシリンダブロックが接合されたときに、両者の接合面間にオイル供給路の一部が構成されるようになっている。また、特許文献1に記載のエンジンの場合、クランクケースはクランク軸と直交する分割面で分割された一対のケース半体が相互に結合されて成り、前記通路溝は、一方のケース半体側のシリンダブロックとの接合面の範囲にのみ形成されている。
日本国特開2007−170314号公報
ところで、クランクケースが一対のケース半体を結合して構成されるエンジンにおいては、シリンダブロックと各ケース半体の接合面間に跨るようにオイル供給路を形成しようとすると、三部材の接する箇所をオイル供給路が通ることになり、オイル供給路からのオイルの漏れを防止するためには高い加工精度とシール性能を要求される。このため、特許文献1に記載の潤滑構造のように、シリンダブロックと一方のケース半体との接合面の範囲のみに(ケース半体同士の分割面を越えない範囲に)オイル供給路が形成されることが多い。しかし、この場合、オイル供給路の設計の自由度が制限されてしまう。
この発明の態様は、シリンダブロックと一対のケース半体との接合面に跨るオイル供給路を容易に形成できるようにして、オイル供給路の設計の自由度を高めることができるエンジンの潤滑構造を提供する。
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を採用した。
(1)本発明の一態様に係るエンジンの潤滑構造は、クランク軸を回転自在に支持し、前記クランク軸と交差する分割面で分割された一対のケース半体を相互に接合して成るクランクケースと、往復動するピストンを収容し、前記クランクケースの各ケース半体の前記分割面と交差する端面に跨って接合されるシリンダブロックと、前記クランクケースから前記シリンダブロックに亘って形成され、前記クランクケース側のオイル供給源から送給されたオイルをエンジン内の潤滑が必要な部位に供給するオイル供給路と、を備え、前記オイル供給路は、前記オイル供給源からのオイルが流入する流入部を有し、前記シリンダブロックと前記クランクケースの一方のケース半体との接合面間に形成される第1のオイル通路と、前記シリンダブロック側へオイルが流出する流出部を有し、前記シリンダブロックと前記クランクケースの他方のケース半体との接合面間に形成される第2のオイル通路と、一端が前記第1のオイル通路に導通し、他端が前記分割面の前記一方のケース半体の前記シリンダブロックとの接合面から離間した部位に導通するように、前記一方のケース半体に形成された第1迂回孔と、一端が前記第2のオイル通路に導通し、他端が前記分割面の前記他方のケース半体の前記シリンダブロックとの接合面から離間した部位に導通するように、前記他方のケース半体に形成された第2迂回孔と、を備え、前記第1迂回孔の他端と前記第2迂回孔の他端とは、前記分割面において相互に導通するように接続される。
これにより、第1のオイル通路と第2のオイル通路とが、シリンダブロックとクランクケースの接合面から離間した分割面部分で相互に接続される第1迂回孔と第2迂回孔を介して接続される。そのため、オイル供給路が三部材の接合部を跨いで接続されることがなくなる。このため、シリンダブロックと一対のケース半体との接合面に跨るオイル供給路を容易に形成することが可能になる。
(2)上記(1)の態様において、前記第1のオイル通路と前記第2のオイル通路は、前記流入部と前記流出部とが、前記シリンダブロックのシリンダ中心軸を通る対角線と重なるように形成されるようにしても良い。
これにより、流入部と流出部とがシリンダ中心軸まわりで最も遠い対角位置関係に配置される場合であっても、第1のオイル通路と第2のオイル通路を、第1迂回孔と第2迂回孔を介して接続することにより、オイルの漏れを容易に防止することができる。
(3)上記(2)の態様において、前記シリンダブロックは複数の締結部材によって前記クランクケースに締結固定され、前記シリンダブロックに形成される前記締結部材の挿通孔は、シリンダ中心軸を中心とする同一ピッチ円上に配置され、前記流入部と前記流出部の各少なくとも一部は、前記ピッチ円よりも径方向外側の領域で、かつ前記挿通孔の近傍位置に配置されるようにしても良い。
この場合、第1のオイル通路の流入部と第2のオイル通路の流出部が、シリンダブロックに形成される挿通孔の配置されるピッチ円よりも径方向外側領域に配置されていても、流入部と流出部の近傍部は締結部材の締め上げにより、シリンダブロックとクランクケースの間が強固に密着する。そのため、これらの部位からのオイルの漏れを効率良く防止することができる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一項の態様において、前記クランクケースには、変速機を収容する変速機収容部が一体に設けられるとともに、前記第1迂回孔と前記第2迂回孔の少なくともいずれか一方から分岐して前記変速機にオイルを供給する分岐オイル通路が形成されるようにしても良い。
この場合、変速機にオイルを供給する分岐オイル通路が、第1迂回孔と第2迂回孔の少なくともいずれか一方から分岐している。そのため、シリンダブロック側にオイルを供給する通路と通路を一部供用することができる。したがって、変速機部分も含むエンジン全体のオイル通路の構造を簡素化することができる。
(5)上記(4)の態様において、前記分岐オイル通路は、前記第1迂回孔と前記第2迂回孔の少なくともいずれか一方の下端から下方に延長した延長部の側面から分岐するようにしてもよい。
この場合、分岐オイル通路が下方に延びる延長部の側面から分岐していることから、オイル中に混入している異物を延長部の底部に沈殿させ、分岐オイル通路側に入りにくくすることができる。したがって、変速機側に供給されるオイルから異物を未然に除去することができる。
(6)上記(4)または(5)の態様において、前記分岐オイル通路の一部は、前記一対のケース半体の少なくとも一方に前記分割面に臨んで形成された通路溝によって構成されるようにしても良い。
この場合、通路溝は、ケース半体の分割面に臨んで形成される。そのため、比較的複雑な通路形状であっても分割面からの切削等によって容易に形成することができる。
(7)上記(6)の態様において、前記クランクケースの外壁のうちの、前記通路溝の外側領域には、前記通路溝の外側に漏れ出たオイルを捕捉して前記クランクケース内に戻す捕捉溝が設けられることが好ましい。
この場合、通路溝の外側にオイルが漏れ出ることがあっても、そのオイルが捕捉溝によって捕捉されてクランクケース内に戻される。そのため、クランクケースからのオイルの漏れを効率良く防止することができる。
(8)上記(6)または(7)の態様において、前記分岐オイル通路の前記通路溝よりも上流側にはオリフィス部が設けられ、前記オリフィス部は、前記通路溝の底部に形成されたオリフィス孔によって構成されていてもよい。
この場合、クランクケースの通路溝の底部にオリフィス孔を孔あけ加工等によって容易に形成することができるうえ、オリフィス部品を組み込んでオリフィス部を構成する場合に比較して部品点数の削減を図ることができる。
この発明の態様によれば、シリンダブロックと一方のケース半体との間の第1のオイル通路と、シリンダブロックと他方のケース半体との間の第2のオイル通路とが、シリンダブロックとの接合面から離間した各ケース半体の分割面部分で相互に接続される第1迂回孔と第2迂回孔を介して接続される。そのため、オイル漏れ防止のための極端に高い加工精度やシール性能を必要とせずに、シリンダブロックと一対のケース半体との接合面に跨るオイル供給路を容易に形成することができる。したがって、この発明の態様によれば、オイル供給路の設計の自由度を高めることができる。
この発明の一実施形態のパワーユニットを採用した自動二輪車の左側面図である。 この発明の一実施形態のパワーユニットの右側面図である。 この発明の一実施形態のパワーユニットの左側面図である。 この発明の一実施形態のパワーユニットの上面図である。 この発明の一実施形態のパワーユニットの図2のV−V断面にほぼ対応する断面図である。 この発明の一実施形態のパワーユニットの図2のVI−VI断面にほぼ対応する断面図である。 この発明の一実施形態のシリンダブロックの図2のVII矢視に対応する下面図である。 この発明の一実施形態のパワーユニットを図7のVIII−VIII部分で断面にした部分断面斜視図である。 この発明の一実施形態のクランクケースの右側のケース半体の斜視図である。 この発明の一実施形態のクランクケースの左側のケース半体の斜視図である。 この発明の一実施形態のパワーユニットのメイン軸の直上部を中心とした上面図である。 この発明の一実施形態のパワーユニットの回転センサを取り去り、図11のXII−XII部分で断面にした部分断面斜視図である。 この発明の一実施形態のパワーユニットの回転センサを取り去った斜視図である。 この発明の一実施形態のパワーユニットの図11のXIV−XIV断面に対応する断面図である。 この発明の一実施形態のパワーユニットの図11のXV−XV断面に対応する断面図である。
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UPが示されている。
図1は、この実施形態に係るエンジンEを採用したパワーユニットPUが搭載された自動二輪車1の左側面を示す図である。
図1において、Wf,Wrは、図示しない車体フレームにフロントフォーク2を介して支持された前輪と、車体フレームにスイングアーム3を介して支持された後輪である。また、Hは、フロントフォーク2の上方に配置された操舵ハンドルであり、Sは、乗員の着座するシート、Tは、シートSの前方に配置された燃料タンクである。パワーユニットPUは、車体フレームの中央の燃料タンクTの下方位置に搭載されている。
パワーユニットPUは、エンジンEの駆動回転を変速機Mによって変速し、その出力を、伝達機構を介して後輪Wrに伝達する。なお、以下のパワーユニットPUの説明における前後左右等の向きは、特別に断らない限り、車両に搭載したときにおける向きと同一とする。
図2は、パワーユニットPUの右側面であり、図3は、パワーユニットPUの左側面を示す図である。また、図4は、パワーユニットPUの上面を示す図である。図5は、パワーユニットPUにおける図2のV−V断面にほぼ対応する断面図である。図6は、パワーユニットPUにおける図2のVI−VI断面にほぼ対応する断面図である。
パワーユニットPUのエンジンEは、クランク軸10を回転自在に支持するクランクケース11と、クランクケース11の前側上部から斜め上方に突出するシリンダ部12と、を備えている。クランクケース11は、変速機Mの変速機ケースを兼ね、前部側にクランク軸10が配置されるとともに、そのクランク軸10の後方側に変速機Mのメイン軸13(変速軸)とカウンタ軸14とがクランク軸10と平行に配置されている。メイン軸13とカウンタ軸14は、クランクケース11に回転自在に支持されている。カウンタ軸14は、図5に示すようにクランクケース11の左側壁を外側に貫通し、その貫通した端部に動力取り出し用のスプロケット15が取り付けられている。スプロケット15には、チェーン9が掛け回され、そのチェーン9を通して後輪に動力を伝達するようになっている。
この実施形態においては、カウンタ軸14とスプロケット15がパワーユニットPUにおける動力取り出し部を構成している。
シリンダ部12は、シリンダブロック17と、シリンダヘッド18と、ヘッドカバー19と、を備えている。
シリンダブロック17は、ピストン16を進退自在に収容するシリンダボア17aを有する。シリンダヘッド18は、シリンダブロック17の上部に取り付けられ、ピストン16の頂面との間で燃焼室7を形成する。ヘッドカバー19は、シリンダヘッド18の上部に取り付けられる。
図6に示すよう、シリンダヘッド18はシリンダブロック17の上部に重ねられ、シリンダブロック17とともにクランクケース11の上面に複数本(4本)のスタッドボルト20(締結部材)によって共締め固定されている。
ピストン16は、コネクティングロッド23を介してクランク軸10に連動可能に接続されており、燃焼室7での爆発に伴うピストン16の進退動作をクランク軸10に回転力として伝達する。なお、図5中の符号8は、燃焼室7に臨んで設けられた点火プラグである。
シリンダヘッド18には、図示しない吸気口と排気口が形成されるとともに、これらの吸気口と排気口を開閉する図示しない吸気弁と排気弁とが取り付けられている。吸気口には、図2,図3に示すように、エンジンEの吸気系を構成するインレットパイプ6が接続されている。排気口には、エンジンEの排気系を構成する図示しないエキゾーストパイプが接続されている。また、図6に示すように、シリンダヘッド18とヘッドカバー19の間には、吸気弁と排気弁を開閉する動弁機構21が設けられている。図6中の符号22は、動弁機構21の動弁カムを作動するためのカム軸である。カム軸22は、タイミングチェーン5を介してクランク軸10に連動可能に接続されている。
なお、この実施形態のエンジンEは水冷式の単気筒エンジンであり、シリンダブロック17には単一のシリンダボア17aが設けられ、そのシリンダボア17aの周域にはウォータージャケット50が形成されている。図2,図4,図5中の符号51は、図示しないラジエータで冷却された冷却水をウォータージャケット50に送給するためのウォーターポンプである。
クランクケース11は、図5,図6に示すように、クランク軸10と直交する分割面11La,11Raを境にして左右に分割された一対のケース半体11L,11Rによって構成されている。左右のケース半体11L,11Rは、シリンダブロック17のシリンダ中心軸C1を通る平面において左右に分割され、分割されたケース半体11L,11R同士は図示しない複数のボルトによって締結固定されている。右側のケース半体11Rの右側部には、ケース半体11Rとの間に密閉空間を形成するクランクカバー30が取り付けられている。
図5に示すように、クランク軸10の右側の端部は右側のケース半体11Rの側壁を貫通し、その貫通した端部には、変速機Mのメイン軸13に動力を伝達するためのプライマリドライブギヤ24が取り付けられている。また、クランク軸10の左側の端部は左側のケース半体11Lの側壁を貫通し、その貫通した端部には、発電機25のロータ25aが取り付けられている。ロータ25aの端部と周域部とは、ステータ25bを保持する発電機25のカバー25cによって覆われている。
また、変速機Mのメイン軸13の右側の端部は右側のケース半体11Rの側壁を貫通している。右側のケース半体11Rを貫通したメイン軸13の端部には、クランク軸10側のプライマリドライブギヤ24と噛合するプライマリドリブンギヤ26と、外部からの操作によって動力の断接を行うクラッチ27が支持されている。プライマリドリブンギヤ26は、メイン軸13に回転自在に支持されており、クラッチ27は、プライマリドリブンギヤ26とメイン軸13の間の動力伝達経路に介装されている。したがって、クラッチ27は、プライマリドリブンギヤ26とメイン軸13との間の動力の伝達と遮断を外部からの操作によって適宜切り換えることができる。
変速機Mのメイン軸13とカウンタ軸14には、複数の変速歯車から成るメインギヤ群m1とカウンタギヤ群m2とが設けられている。変速機Mは、図示しないチェンジ機構の操作によってメインギヤ群m1とカウンタギヤ群m2の変速歯車を選択し、それによってニュートラルを含む任意の変速ギヤ段(ギヤポジション)が設定される。したがって、変速機Mは、こうして変速ギヤ段が設定された状態において、クランク軸10の回転動力がクラッチ27を介してメイン軸13に伝達されると、その回転動力を設定比に変速してカウンタ軸14から外部に出力する。
なお、図5中の符号28は、キック始動時にクランク軸10を回転させるためのキック軸である。
図2〜図4に示すように、クランクケース11内のクランク軸10とメイン軸13の間の上方位置には、クランク軸10と平行に延出するバランサ軸29が配置されている。バランサ軸29は、クランクケース11に回転自在に支持されている。バランサ軸29は、図示しない歯車を介してクランク軸10と同期回転することにより、クランク軸10の回転変動を打消して回転バランスを維持する。
また、図6に示すように、クランクケース11の底部には潤滑オイルを貯留するためオイルパン31が設けられている。右側のケース半体11Rのオイルパン31の上方位置には、オイルパン31内のオイルを汲み上げてそのオイルをパワーユニットPU内の潤滑が必要な部位に圧送するオイルポンプ32(オイル供給源)が設置されている。この実施形態のオイルポンプ32は、クランク軸10から回転動力を受けて運転される。
オイルポンプ32に接続されるパワーユニットPU内のオイル供給路33は、オイルポンプ32の吐出部からクランク軸10内を通ってクランクピンやジャーナル部等のクランク軸10まわりの潤滑が必要な部位にオイルを供給するクランク系油路33Cと、クランクケース11の上部からシリンダ部12の壁内を通って動弁機構21の潤滑が必要な部位にオイルを供給する動弁系油路33Bと、に分かれている。そして、動弁系油路33Bの途中には、変速機Mのメイン軸13やカウンタ軸14等の軸まわりにオイルを供給するための分岐オイル通路34が接続されている。
図7は、図2のVII矢視に対応するシリンダブロック17の下面図である。図8は、図7のVIII−VIII断面部分を断面にしたクランクケース11とシリンダブロック17の斜視図である。また、図9は、クランクケース11の右側のケース半体11Rを、分割面11Raがほぼ正面に向くように後側斜め上方側から見た斜視図である。図10は、クランクケース11の左側のケース半体11Lを、分割面11Laがほぼ正面に向くように前側斜め上方側から見た斜視図である。
オイル供給路33の動弁系油路33Bの一部は、図6に示すように、クランクケース11の上部の端面11Ru,11Lu(接合面)とシリンダブロック17の下面17d(接合面)の間に形成されている。このクランクケース11とシリンダブロック17の接合面間の油路は、図6に示すように、オイルポンプ32に接続されるオイルの流入部35aがシリンダブロック17の前部右側の隅部の近傍に設けられ、動弁機構21側に接続されるオイルの流出部36aがシリンダブロック17の後部左側の隅部に設けられている。この接合面間の油路の流入部35aと流出部36aとは、図7に示すようにシリンダ中心軸C1を通る対角線L1上に重なる範囲に配置されている。
上記のクランクケース11とシリンダブロック17の接合面間の油路は、右側の(一方の)ケース半体11Rの端面11Ruとシリンダブロック17の下面17dの間に形成される第1のオイル通路35と、左側の(他方の)ケース半体11Lの端面11Luとシリンダブロック17の下面17dの間に形成される第2のオイル通路36と、を有する。
この実施形態の場合、第1のオイル通路35は、右側のケース半体11Rの平坦な端面11Ruと、シリンダブロック17の下面17dにシリンダボア17aの外周縁部に略沿って形成された溝35cとに囲まれて形成されている。そして、第1のオイル通路35の延出方向の一端には、オイルポンプ32側に接続される流入部35aが設けられている。
第2のオイル通路36は、左側のケース半体11Lの平坦な端面11Luと、シリンダブロック17の下面17dにシリンダボア17aの外周縁部に略沿って形成された溝36cとに囲まれて形成されている。第2のオイル通路36の延出方向の一端には、動弁機構21側に接続される流出部36aが設けられている。
なお、図6においては、第1のオイル通路35と第2のオイル通路36が図上現れるように断面を調整している。
第1のオイル通路35は、シリンダブロック17の前部右側の流入部35aからシリンダブロック17の後部右側を経由して後部中央の近傍部まで弧状に伸びている。この第1のオイル通路35の他端部には、図6,図9に示すように、右側のケース半体11Rに形成された第1迂回孔37の一端が導通している。
また、第2のオイル通路36は、シリンダブロック17の後部左側の流出部36aからシリンダブロック17の後部中央の近傍部まで弧状に伸び、その後部中央の近傍部で終わっている。この第2のオイル通路36の他端部には、図6,図8に示すように、左側のケース半体11Lに形成された第2迂回孔38の一端が導通している。
第1迂回孔37は、一端が右側のケース半体11Rの上側の端面11Ruに開口する略L字状の孔によって構成されている。第1迂回孔37の他端37aは、右側のケース半体11Rの分割面11Raのうちの、上側の端面11Ruから離間した位置に開口している。
第2迂回孔38は、一端が左側のケース半体11Lの上側の端面11Luに開口する略L字状の孔によって構成されている。第2迂回孔38の他端38aは、左側のケース半体11Lの分割面11Laのうちの、上側の端面11Luから離間した位置に開口している。そして、第1迂回孔37の他端と第2迂回孔38の他端とは、左右のケース半体11L,11Rが結合されることで、端部同士が突き合せられて相互に接続されている。
したがって、第1のオイル通路35と第2のオイル通路36とは、第1迂回孔37と第2迂回孔38を介して相互に接続されている。これにより、オイルポンプ32から流入部35aに流れ込んだオイルは、第1のオイル通路35,第1迂回孔37,第2迂回孔38、第2のオイル通路36、流出部36aを順次通り、シリンダ部12の動弁機構21へと供給される。
また、第2迂回孔38は、ケース半体11Lの上側の端面11Luから下方に延出する縦孔部が、第1迂回孔37側と接続される横孔部を超えてさらに下方へ向けて所定長延長されている。
この延長部40の底部40aから離間した側面には、変速機Mのメイン軸13やカウンタ軸14等の軸まわりにオイルを供給するための分岐オイル通路34が接続されている。
ところで、シリンダブロック17には、図7に示すように、シリンダボア17aを取り囲む周縁部の四隅に、前述したスタッドボルト20の挿通される挿通孔39が形成されている。この4つの挿通孔39は、シリンダ中心軸C1を中心とする同一ピッチ円P上に配置されている。そして、前述の第1のオイル通路35の流入部35aと第2のオイル通路36の流出部36aの各一部は、前記ピッチ円Pよりも外側の領域で、かつ挿通孔39に近接する位置に配置されている。また、流入部35aと流出部36aとは、前述のようにシリンダ中心軸C1を通る対角線L1上に重なる範囲に配置されている。そのため、第1のオイル通路35と第2のオイル通路36とは、クランクケース11の分割面11La,11Raの位置を挟んでシリンダボア17aまわりにほぼ半周分の長さに亙って形成されている。
第2迂回孔38から分岐した分岐オイル通路34の一部は、延長部40に接続されるオリフィス孔41と、左側のケース半体11Lの分割面11Laに沿って形成される通路溝49と、を有する。通路溝49は、左右のケース半体11L,11Rが締結固定されることにより、右側のケース半体11Rの平坦な分割面11Raに突き合せられ、それによって変速機M方向に向かう通路の一部を構成している。
オリフィス孔41は、左側のケース半体11Lの分割面11La側において、通路溝49の底部から孔あけ加工等によって延長部40の側面に連通するように形成されている。
通路溝49は、図10に示すように、左側のケース半体11Lの周壁のバランサ軸29の外側を取り囲む領域において、後部下方に向かって円弧状に延びている。そして、通路溝49の後部下方側の端部は、左側のケース半体11Lと右側のケース半体11Rとに左右方向に一直線状に形成された左通路孔42(横断孔)と右通路孔43(図11参照)とに接続されている。左通路孔42は、変速機Mのメイン軸13まわりの潤滑が必要な部位にオイルを供給する通路の一部を構成している。また、右通路孔43は、変速機Mのカウンタ軸14まわりの潤滑が必要な部位にオイルを供給する通路の一部を構成している。
また、図10に示すように、左側のケース半体11Lの周壁の分割面11Laに臨む領域には、第2迂回孔38と通路溝49の外側領域から左通路孔42の後方側に回り込むように延びる捕捉溝44が形成されている。左通路孔42の後方側に回り込んで延びた捕捉溝44の延出端はクランクケース11の内側空間に開口している。捕捉溝44は、通路溝49や第2迂回孔38を流れるオイルが分割面11La,11Raに沿って通路溝49や第2迂回孔38の外側に漏れ出たときに、そのオイルを捕捉し捕捉したオイルをクランクケース11内に戻すように機能する。
図11は、パワーユニットPUの変速機Mのメイン軸13の直上部を中心とした平面図である。図12は、図11のXII−XII断面に対応する部分を断面にしたパワーユニットPUを左側前部上方側から見た斜視図である。また、図13は、パワーユニットPUを左側後部上方側から見た斜視図である。図14は、図11のXIV−XIV断面に対応する断面図である。図15は、図11のXV−XV断面に対応する断面図である。
図11に示すように、左側のケース半体11Lの上壁11Leのうちの、左通路孔42の後部に隣接する部位には、変速機Mのメイン軸13上の回転要素の回転を検出するための回転センサ53が取り付けられている。この回転センサ53は、メイン軸13上の軸方向の左側の端部の近傍の検出対象歯車の回転を検出する。ケース半体11Lの左側の端部寄りの上壁11Leには、図12〜図14に示すように、上壁11Leを貫通するセンサ取付孔54が形成されている。回転センサ53は、このセンサ取付孔54に取り付けられ、先端側の検出部53aが、クランクケース11内においてメイン軸13上の検出対象歯車の歯面に近接している。この実施形態の場合、センサ取付孔54の軸線C2は、図14に示すように下方に向かって若干前方側に傾斜して形成されている。このため、回転センサ53の検出部53aは、若干前方に傾斜した状態において、メイン軸13方向に指向している。
左側のケース半体11Lの上壁11Leには、センサ取付孔54の軸線C2に沿う方向から見て、センサ取付孔54の前側近傍をメイン軸13と平行な方向に横切る横断ビード55が外側に膨出して形成されている。この横断ビード55は、ケース半体11Lの左側の端部寄りの上壁11Leに対して上方側と左側方側に膨出している。また、ケース半体11Lの左側の端部壁には、横断ビード55の外側の端部からメイン軸13の軸方向の左端部の近傍に向かって延出する屈曲ビード56が左側方に膨出して形成されている。
横断ビード55内には、オイル供給路33の一部を構成する上記の左通路孔42(横断孔)が形成されている。屈曲ビード56内には、上端部が左通路孔42に導通する屈曲孔57が形成されている。屈曲孔57の下端は、メイン軸13の軸方向の左端部に導通し、左通路孔42と屈曲孔57を介して導入されたオイルを、メイン軸13内の通路を通してメイン軸13まわりの潤滑が必要な部位に供給するようになっている。
横断ビード55とその内部の左通路孔42とは、図14,図15に示すように、バランサ軸29と回転センサ53の間において左右方向に延出している。また、屈曲ビード56とその内部の屈曲孔57とは、センサ取付孔54よりも左端側位置において、上端部から下端部に向かって後方側に傾斜している。そして、屈曲ビード56は、メイン軸13に沿う方向から見た側面視において、回転センサ53の先端側の検出部53aと一部が重なるように形成されている。したがって、屈曲ビード56は左側のケース半体11Lの左端部において、回転センサ53の左側の側部の一部を覆っている。
また、図12,図14に示すように、横断ビード55の左通路孔42の上側の壁の肉厚T1は、左側のケース半体11Lのセンサ取付孔54の周域の他の領域の壁よりも肉厚に形成されている。
また、変速機Mのカウンタ軸14の左側の端部は、左側のケース半体11Lの側壁から側方に突出し、その吐出した部分がカバー壁58によって覆われている。カバー壁58は、ケース半体11Lの左端側から突出する円弧状の庇部58aを有している。この庇部58aは、カウンタ軸14の突出部とスプロケット15(図5参照)の略前半部の周域を覆い、これらを外部から保護するようになっている。また、庇部58aは、回転センサ53の検出部53aの後部下方側を囲むように形成されている。
さらに、庇部58aの一部は、図15に示すように、カウンタ軸14の上方側から回転センサ53の検出部53aの左側方を、斜め下前方側に向かって横切って延出している。
このため、庇部58aと屈曲ビード56とは、メイン軸13に沿う方向から見た側面視において、両者がV字形状を成すように形成されている。そして、回転センサ53は、メイン軸13に沿う方向から見た側面視においては、庇部58aと屈曲ビード56とによるV次形状に挟まれるように配置されている。
また、図14に示すように、左側のケース半体11Lの上壁11Leのセンサ取付孔54の形成される部位には、クランクケース11の内部に向かって(下方に向かって)凸となる内向き凸部59が形成されている。センサ取付孔54は、上壁11Leの上面から内向き凸部59の頂部にかけて形成され、センサ取付孔54の下端は内向き凸部59の頂部に開口している。したがって、回転センサ53の周域を取り囲むセンサ取付孔54は充分に長い軸長とされている。
つづいて、この実施形態に係るパワーユニットPUにおけるユニット内各部のオイルの流れについて説明する。
エンジンEの駆動によってクランク軸10が回転すると、そのクランク軸10の回転を受けてオイルポンプ32が作動する。オイルポンプ32では、図6に示すように、オイルパン31内に貯留されているオイルを吸い上げ、そのオイルをオイル供給路33側に吐出する。オイルポンプ32から吐出されたオイルは、クランクケース11の右側のケース半体11Rの上部において、クランク系油路33Cと動弁系油路33Bとに分岐する。クランク系油路33Cに流れ込んだオイルは、クランク軸10の右側の端部からクランク軸10内の通路を通り、クランクピンやジャーナル部等のクランク軸10まわりの潤滑が必要な部位に供給される。
一方、動弁系油路33Bに流れ込んだオイルは、右側のケース半体11Rの前部右側から上方に延びる通路を通り、図6,図7に示すように、右側のケース半体11Rの上側の端面11Ruとシリンダブロック17の下面17dの間に形成された第1のオイル通路35に流入部35aを通して流れ込む。
第1のオイル通路35に流れ込んだオイルは、第1のオイル通路35に沿ってシリンダボア17aまわりを後部中央側に向かって弧状に流れ、右側のケース半体11Rの分割面11Raの直前部分で下方に向きを変えてケース半体11Rの第1迂回孔37に流れ込む。
第1迂回孔37に流れ込んだオイルは、下端で分割面11La方向に略L字状に向きを変え、右側のケース半体11Rと左側のケース半体11Lの分割面11Ra,11La同士の結合部を挟んで左側のケース半体11Lの第2迂回孔38に流れ込む。第2迂回孔38に流れ込んだオイルの一部は、上方に向かって略L字状に向きを変えて左側のケース半体11Lの上側の端面11Luとシリンダブロック17の下面17dの間に形成された第2のオイル通路36に流れ込む。また、第2迂回孔38に流れ込んだ残余のオイルは、下方に向きを変えて延長部40に流れ込み、延長部40の側面に設けられたオリフィス孔41を通して変速機M側の分岐オイル通路34に流れ込む。
第2迂回孔38から第2のオイル通路36に流れ込んだオイルは、シリンダブロック17の後中央側からシリンダボア17aまわりを後部左隅部の近傍の流出部36aに向かって流れ、流出部36aからシリンダブロック17内の通路を通して動弁機構21の潤滑が必要な部位に供給される。
また、第2迂回孔38から延長部40を通してオリフィス孔41に流れ込んだオイルは、図10,図11に示すように、左側のケース半体11Lの分割面11Laに形成された通路溝49を通ってバランサ軸29の後方側の左通路孔42と右通路孔43とに分岐して流れ込む。
左通路孔42に流れ込んだオイルは、左側のケース半体11Lの軸方向の左端領域で屈曲孔57内に流れ込み、後部斜め下方に向きを変えて変速機Mのメイン軸13の左側の端部からメイン軸13内の通路を通り、軸受部や変速歯車等のメイン軸13まわり潤滑が必要な部位に供給される。一方、右通路孔43に流れ込んだオイルは、右側のケース半体11Rの軸方向の右端領域で後方に向きを変えて、変速機Mのカウンタ軸14の右側の端部からカウンタ軸14内の通路を通ってカウンタ軸14まわりの潤滑が必要な部位に供給される。
以上のように、この実施形態にかかるパワーユニットPUにおいては、シリンダブロック17と右側のケース半体11Rとの間に形成される第1のオイル通路35と、シリンダブロック17と左側のケース半体11Lとの間に形成される第2のオイル通路36とが、各ケース半体11R,11Lの上側の端面11Ru,11Lu(接合面)から離間した分割面11Ra,11La部分で相互に接続される第1迂回孔37と第2迂回孔38を介して接続されている。このため、シリンダブロック17とクランクケース11の間に形成されるオイル供給路33部分が、三部材の接合部を跨いで接続されることがない。
したがって、このパワーユニットPUの構造を採用することにより、オイル漏れ防止のための極端に高い加工精度やシール性能を必要とせずに、シリンダブロック17と左右のケース半体11L,11Rとの接合部に跨るオイル供給路33を容易に形成することができる。よって、このパワーユニットPUの構造を採用することにより、オイル供給路33の設計の自由度を高めることができる。
また、この実施形態のパワーユニットPUにおいては、図7に示すように、流入部35aと流出部36aがシリンダブロック17のシリンダ中心軸C1を通る対角線L1と重なるように、シリンダブロック17とケース半体11R,11Lの接合面間に第1のオイル通路35と第2のオイル通路36が形成されている。このパワーユニットPUの場合、流入部35aと流出部36aがシリンダ中心軸C1まわりで最も遠い対角位置関係に配置されている。しかしながら、第1のオイル通路35と第2のオイル通路36が、分割面11Ra,11Laで相互に突き合わせられる第1迂回孔37と第2迂回孔38を介して接続されているため、オイル供給路33を高い自由度をもって配置しつつも、オイル供給路33からのオイルの漏れを容易に防止することができる。
さらに、この実施形態のパワーユニットPUの場合、第1のオイル通路35の流入部35aと第2のオイル通路36の流出部36aの一部が、シリンダブロック17に形成されるスタッドボルト20の挿通孔39の配置されるピッチ円Pよりも径方向外側領域に配置されているが、流入部35aと流出部36aはいずれもスタッドボルト20の挿通される挿通孔39の近傍位置に配置されている。このため、クランクケース11に対するシリンダブロック17のスタッドボルト20による締結固定時に、流入部35aと流出部36aの近傍部をスタッドボルト20による締め上げによって強固に密着させることができる。
したがって、この構造を採用することにより、流入部35aと流出部がピッチ円Pよりも径方向外側に配置されていても、流入部35aや流出部36aの近傍部からのオイルの漏れを防止することができる。
また、この実施形態に係るパワーユニットPUにおいては、第1迂回孔37とともに第1のオイル通路35と第2のオイル通路36を接続する第2迂回孔38に、その第2迂回孔38から分岐して変速機M側にオイルを供給する分岐オイル通路34が設けられている。このため、シリンダブロック17側にオイルを供給する通路と通路を一部供用することができる。したがって、この構造を採用することにより、パワーユニットPU全体のオイル通路を簡素化することができる。
なお、この実施形態においては、左側のケース半体11Lの第2迂回孔38に分岐オイル通路34が設けられているが、分岐オイル通路34は、右側のケース半体11Rの第1迂回孔37に設けるようにしても良い。また、分岐オイル通路34は、第1迂回孔37と第2迂回孔38の両方に連通するように設けるようにしても良い。
特に、この実施形態に係るパワーユニットPUでは、第2迂回孔38の下端から下方に延びる延長部40の側面から分岐して分岐オイル通路34が設けられている。このため、オイル中に混入している異物を、分岐オイル通路34に送り出す前に延長部40の底部40aに沈殿させることができる。したがって、この構造を採用することにより、変速機M側に供給されるオイルから異物を未然に除去することができる。
なお、分岐オイル通路34を右側のケース半体11Rの第1迂回孔37に設ける場合には、延長部40は第1迂回孔37に同様に設ければ良い。
また、この実施形態に係るパワーユニットPUの場合、分岐オイル通路34の一部が、ケース半体11L,11Rの分割面11La,11Raに臨んで形成された通路溝49によって構成されている。通路溝49は、多少複雑な通路形状であっても一方のケース半体11Lの分割面11Laに切削等によって容易に形成することができる。このため、この構造を採用することにより、分岐オイル通路34の一部を容易に形成することができる。
さらに、この実施形態においては、ケース半体11Lの外壁のうちの通路溝49の外側領域に、通路溝49の外側に漏れ出たオイルを捕捉してクランクケース11内に戻す捕捉溝44が形成されている。このため、通路溝49内を流通するオイルがケース半体11L,11Rの分割面11La,11Ra間を通して通路溝49の外側に漏れ出ることがあっても、その漏れ出たオイルを捕捉溝44で効率良く捕捉し、オイルがクランクケース11の外部に漏れ出るのを未然に防止することができる。
なお、分岐オイル通路34を第1迂回孔37に設ける場合には、通路溝49や捕捉溝44は右側のケース半体11Rの分割面11Raに形成するようにしても良い。
また、この実施形態のパワーユニットPUの場合、分岐オイル通路34の通路溝49よりも上流側に配置されるオリフィス部を、通路溝49の底部に形成されるオリフィス孔41によって構成するようにしている。このため、ケース半体11Lの通路溝49の底部にオリフィス孔41を孔あけ加工等によって容易に形成することができるうえ、オリフィス部品を組み込んでオリフィス部を構成する場合に比較して部品点数の削減を図ることができる。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、上記の実施形態においては、ケース半体11L,11Rの端面11Lu,11Ru側に溝35c,36cを形成して、シリンダブロック17と各ケース半体11L,11Rとの間に第1のオイル通路35と第2のオイル通路36を構成している。しかし、ケース半体11L,11Rの端面11Lu,11Ruを平坦面とし、シリンダブロック17の下面17d側に溝を形成して、シリンダブロック17と各ケース半体11L,11Rとの間に第1のオイル通路35と第2のオイル通路36を構成するようにしても良い。
また、上記のパワーユニットを搭載する車両は、自動二輪車のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)または四輪の車両であっても良い。
10…クランク軸
11…クランクケース
11L,11R…ケース半体
11La,11Ra…分割面
11Lu,11Ru…端面(接合面)
16…ピストン
17…シリンダブロック
17d…下面(接合面)
20…スタッドボルト(締結部材)
32…オイルポンプ(オイル供給源)
33…オイル供給路
34…分岐オイル通路
35…第1のオイル通路
35a…流入部
36…第2のオイル通路
36a…流出部
37…第1迂回孔
38…第2迂回孔
39…挿通孔
40…延長部
41…オリフィス孔
44…捕捉溝
49…通路溝
C1…シリンダ中心軸
L1…対角線
M…変速機

Claims (8)

  1. クランク軸を回転自在に支持し、前記クランク軸と交差する分割面で分割された一対のケース半体を相互に接合して成るクランクケースと、
    往復動するピストンを収容し、前記クランクケースの各ケース半体の前記分割面と交差する端面に跨って接合されるシリンダブロックと、
    前記クランクケースから前記シリンダブロックに亘って形成され、前記クランクケース側のオイル供給源から送給されたオイルをエンジン内の潤滑が必要な部位に供給するオイル供給路と、を備え、
    前記オイル供給路は、
    前記オイル供給源からのオイルが流入する流入部を有し、前記シリンダブロックと前記クランクケースの一方のケース半体との接合面間に形成される第1のオイル通路と、
    前記シリンダブロック側へオイルが流出する流出部を有し、前記シリンダブロックと前記クランクケースの他方のケース半体との接合面間に形成される第2のオイル通路と、
    一端が前記第1のオイル通路に導通し、他端が前記分割面の前記一方のケース半体の前記シリンダブロックとの接合面から離間した部位に導通するように、前記一方のケース半体に形成された第1迂回孔と、
    一端が前記第2のオイル通路に導通し、他端が前記分割面の前記他方のケース半体の前記シリンダブロックとの接合面から離間した部位に導通するように、前記他方のケース半体に形成された第2迂回孔と、を備え、
    前記第1迂回孔の他端と前記第2迂回孔の他端とは、前記分割面において相互に導通するように接続されている
    エンジンの潤滑構造。
  2. 前記第1のオイル通路と前記第2のオイル通路は、前記流入部と前記流出部とが、前記シリンダブロックのシリンダ中心軸を通る対角線と重なるように形成されている
    請求項1に記載のエンジンの潤滑構造。
  3. 前記シリンダブロックは複数の締結部材によって前記クランクケースに締結固定され、
    前記シリンダブロックに形成される前記締結部材の挿通孔は、シリンダ中心軸を中心とする同一ピッチ円上に配置され、
    前記流入部と前記流出部の各少なくとも一部は、前記ピッチ円よりも径方向外側の領域で、かつ前記挿通孔の近傍位置に配置されている
    請求項2に記載のエンジンの潤滑構造。
  4. 前記クランクケースには、変速機を収容する変速機収容部が一体に設けられるとともに、前記第1迂回孔と前記第2迂回孔の少なくともいずれか一方から分岐して前記変速機にオイルを供給する分岐オイル通路が形成されている
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンの潤滑構造。
  5. 前記分岐オイル通路は、前記第1迂回孔と前記第2迂回孔の少なくともいずれか一方の下端から下方に延長した延長部の側面から分岐している
    請求項4に記載のエンジンの潤滑構造。
  6. 前記分岐オイル通路の一部は、前記一対のケース半体の少なくとも一方に前記分割面に臨んで形成された通路溝によって構成されている
    請求項4または5に記載のエンジンの潤滑構造。
  7. 前記クランクケースの外壁のうちの、前記通路溝の外側領域には、前記通路溝の外側に漏れ出たオイルを捕捉して前記クランクケース内に戻す捕捉溝が設けられている
    請求項6に記載のエンジンの潤滑構造。
  8. 前記分岐オイル通路の前記通路溝よりも上流側にはオリフィス部が設けられ、
    前記オリフィス部は、前記通路溝の底部に形成されたオリフィス孔によって構成されている
    請求項6または7に記載のエンジンの潤滑構造。
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