以下に添付図面を参照して、この発明に係る現金処理システムの好適な実施例を詳細に説明する。本実施形態では、銀行の窓口で貨幣の入出金処理に利用される入出金機を窓口入出金機と記載して、窓口後方で出納機として利用される大型の入出金機をオープン出納機と記載する。また、窓口入出金機及びオープン出納機では、硬貨を入出金することも可能であるが、以下では紙幣を入出金する場合を例に説明することとする。
図1は、現金処理システム1を構成する最小のシステム構成を説明する図である。現金処理システム1は、窓口入出金機30と、窓口入出金機30を操作するための複数の窓口端末20A及び20Bと、オープン出納機50とによって構成され、各々がネットワーク40に接続されている。
窓口入出金機30と窓口端末20A及び20Bとは、窓口10に設置して利用される。窓口10では、左右2人の窓口係の間に1台の窓口入出金機30が設置される。窓口係は、各自に割り当てられた窓口端末20A又は20Bを操作して、顧客から入金や出金の依頼を受け付ける。窓口端末20A及び20Bに入力された入金額又は出金額を含む入出金データは、窓口入出金機に送信される。窓口端末20A又は20Bへのデータ入力を完了した窓口係は、窓口入出金機30に設けられた占有ボタンを操作して、自分だけが窓口入出金機30を操作できる占有状態とする。そして、占有状態とした後に、窓口入出金機30で紙幣を入出金する単体モード又はオープン出納機50で紙幣を入出金する連携モードにより、紙幣の入出金を行う。窓口入出金機30には左右両方の窓口端末20A及び20Bから入出金データが送信されるが、占有ボタンの操作によって左右いずれの窓口係により占有されたかが認識され、各窓口係に割り当てられた窓口端末20A又は20Bから受信した入出金データに基づいて入出金が行われる。なお、窓口端末20A又は20Bを操作して窓口入出金機30で貨幣を入出金する単体モードは、従来から利用されている動作モードであるため詳細な説明は省略する。また、窓口入出金機30とオープン出納機50を連携させて貨幣を入出金する連携モードについての詳細は後述する。
なお、図1では、窓口10で左右2人の窓口係が顧客からの依頼を受ける場合のシステム構成を示しているが、現金処理システム1では、銀行の規模に応じて窓口入出金機30及び窓口端末20A、20Bを増設できるようになっている。
オープン出納機50は、窓口10の後方に設置されて、2人の窓口係によって利用される。例えば、窓口10で顧客から依頼された入金や出金の金額が高額で、多数の紙幣を処理する必要がある場合に、窓口係は、窓口入出金機30ではなくオープン出納機50を利用して、連携モードで紙幣の入出金処理を行う。
ここで、連携モードでオープン出納機50を利用して行う入出金処理の概要について説明する。図2は、窓口入出金機30とオープン出納機50を連携して行う入出金処理の概要を示す模式図である。
まず、窓口端末20A、20Bで、入出金処理に係る入金額や出金額を含む入出金データが入力される(A−1)。入力された入出金データは、窓口入出金機30を利用して入出金する場合と同様に、窓口入出金機30に送信される(A−2)。ここまでの処理は、窓口入出金機30により紙幣を入出金する従来の単体モードと同じ処理である。すなわち、現金処理システム1では、連携モードによりオープン出納機50で紙幣を入出金する場合でも、窓口係は、従来同様に窓口端末を操作すればよい。
窓口入出金機30では、窓口端末20A、20Bから受信した入出金データに含まれる入金額又は出金額に基づいて、単体モード及び連携モードのいずれの動作モードで入出金を行うかが手動指示又は自動判定によって決定される(A−3)。具体的には、例えば、窓口係が、窓口入出金機30を操作して、連携モードで入出金することを手動で選択する。また、金額が所定金額より高額である場合、所定枚数以上の紙幣の入金又は出金を行う必要がある場合等に、自動的に連携モードが選択される。
連携モードが選択されると、オープン出納機50を利用して紙幣を入出金するために、窓口入出金機30からオープン出納機50に、入出金指示データが送信される(A−4)。このとき送信される入出金指示データには、例えば、入金処理に関する情報を要求するデータ又は出金処理を指示するデータと、窓口入出金機30を特定する識別情報と、入出金データが入力された窓口端末20A又は20Bを特定するデータとが含まれている。
具体的には、例えば、窓口入出金機30の右側に窓口端末20Aが設置された状態で右側から占有された場合には、窓口入出金機30は、右側の窓口端末20Aによる処理が開始されたことを認識する。そして、連携モードが選択されると、窓口入出金機30は、右側の窓口端末20Aから受信した入出金データに基づいて入出金指示データを作成して、オープン出納機50に送信する。入出金指示データには、窓口入出金機30の識別情報と、窓口入出金機30が右側の占有状態であることを示す情報とが含まれているので、オープン出納機50は、この処理に対応する端末が窓口入出金機30の右側の窓口端末20Aであることを認識することができる。
窓口係は、窓口10からオープン出納機50の設置場所へ移動する。そして、オープン出納機50で連携モードを選択して、紙幣の入出金処理を行う(A−5)。このとき、窓口係が利用する窓口端末20A又は20Bを特定するための情報の入力が求められる。オープン出納機50は、入力された情報に基づいて、連携モードでの連携先となる窓口入出金機30及び窓口端末20A又は20Bを特定する。そして、連携先の窓口入出金機30及び窓口端末20A又は20Bから受信した入出金指示データに基づいて、紙幣の入出金処理を行う。入出金処理に必要な情報は、窓口入出金機30とオープン出納機50との間で自動的に送受信されるので、窓口係は、窓口端末20A又は20Bに入力した情報をオープン出納機50に再入力することなく紙幣を入出金することができる。
なお、窓口端末20A、20Bの特定は、窓口入出金機30が左右いずれの方向から占有されたかに基づいて行ってもよいし、例えば、窓口端末20A、20Bのシリアル番号等の識別情報を利用して行ってもよい。例えば、オープン出納機50で、窓口係の識別情報、窓口入出金機30及び窓口端末20A、20Bの対応表を管理して、窓口係に識別情報の入力を求めることにより、この窓口係が利用する窓口入出金機30及び窓口端末20A又は20Bを特定することができる。
オープン出納機50では、連携モードによる紙幣の入出金が完了すると、入出金した紙幣に関する情報や入出金処理の完了を通知する信号を含む入出金完了データが、窓口入出金機30に送信される(A−6)。
また、窓口入出金機30は、所定タイミングで、入出金額等のデータ及び入出金処理の完了を示す情報を、窓口端末20A、20Bに送信する(A−7)。このとき、窓口入出金機30は、窓口入出金機30を利用して貨幣を入出金した場合と同様の情報、すなわち単体モードで動作した場合と同様の情報を、窓口端末20A、20Bに送信する。窓口端末20A、20Bは、窓口入出金機30から受信した情報に基づいて、窓口入出金機30に送信した入出金データに係る処理が完了したことを認識して、入出金処理を完了する。
このように、本実施形態に係る現金処理システム1では、窓口端末20A、20Bと窓口入出金機30のみが接続されて単体モードで入出金処理を行う場合と同様に、窓口端末20A、20Bを操作しながら、連携モードでオープン出納機50を利用して紙幣を入出金することができる。
なお、図2に示す(A−1)〜(A−7)の処理は、処理内容を説明するためのもので、この数字の順で処理が行われることを示すものではない。例えば、窓口入出金機30が占有される時間を短縮するために、窓口入出金機30から窓口端末20A、20Bへの完了通知を行うタイミングを変更してもよいし、先にオープン出納機50で入出金を行ってから窓口端末20A、20Bを操作するようにしてもよい。各処理の処理内容詳細及び処理順序は、銀行での運用に応じて設定できるようになっている。また、図示した処理以外にも、入出金データと実際に入出金された紙幣の金額との照合処理を行うこともできるが、これらについての詳細は後述する。
次に、現金処理システム1を構成する窓口端末20A、20B、窓口入出金機30及びオープン出納機50機能及び構成概要を説明する。以下では、窓口端末20A又は20Bのいずれか一方を操作する場合を例に説明するため、窓口端末20A、20Bを、窓口端末20と記載する。また、窓口入出金機30及びオープン出納機50について、紙幣の識別計数、搬送、収納等を行う紙幣入出金機としての構成及び機能の詳細については従来技術と同様であるため詳細な説明は省略して、以下では、本実施形態の説明に必要な構成のみを説明することとする。
図3は、現金処理システム1を構成する窓口端末20、窓口入出金機30及びオープン出納機50の機能構成概略を示す機能ブロック図である。窓口端末20、窓口入出金機30及びオープン出納機50は、ネットワーク40を介して各種のデータを送受信できるように接続されているが、本実施形態では、窓口端末20は従来同様に窓口入出金機30との間でのみ通信を行う。そして、窓口入出金機30が、オープン出納機50との間で通信を行うことにより連携モードが実現される。
窓口端末20は、操作表示部21と制御部22とを有している。窓口端末20は従来から利用されている端末で、例えば、コンピュータ装置によって構成される。操作表示部21は、入出金する紙幣の金種と各金種の金額又は枚数とを入力したり、入出金処理に関する情報を表示したりするために利用される。制御部22は、操作表示部21を利用して入力された入金額と、窓口入出金機30又はオープン出納機50を利用して入金された紙幣の入金額とを照合する処理等、各種の処理を実行する機能を有する。
窓口入出金機30は、各種情報の入力及び表示を行うための操作表示部31と、入金紙幣や出金紙幣の識別計数を行うための識別計数部32と、投入口に投入された紙幣を搬送して識別計数部32を経て紙幣収納部へ収納したり紙幣収納部から繰り出した紙幣を投出口に投出したりするための紙幣入出金部33と、各部を制御する制御部34と、各種データを保存するための記憶部35と、占有ボタン36とを有している。
操作表示部31は、液晶タッチパネル等から成り、窓口入出金機30の動作モードを変更するために利用される。具体的には、窓口入出金機30を利用して入金処理を行う単体入金モードと、窓口入出金機30を利用して出金処理を行う単体出金モードと、オープン出納機50を利用して入金処理を行う連携入金モードと、オープン出納機50を利用して出金処理を行う連携出金モードと、窓口入出金機30から紙幣を回収してオープン出納機50に入金する連携回収モードと、オープン出納機50から紙幣を出金して窓口入出金機30に入金して補充する連携補充モードとの間で動作モードを変更する。なお、従来から行われている単体入金モード及び単体出金モードについての説明は省略して、連携モードでの処理についての詳細は後述する。
識別計数部32は、入金紙幣の金種や真偽を識別して計数する機能を有する。出金紙幣については、識別済みの紙幣が収納部から繰り出されるものであるため枚数計数のみが行われるが、設定によって、出金紙幣の金種や真偽を識別することもできる。
紙幣入出金部33は、窓口入出金機30の投入口に投入された紙幣の入金及び窓口入出金機30の紙幣収納部から投出口への紙幣の出金を行う機能を有する。識別や計数が必要な紙幣は、識別計数部32を経て搬送される。また、紙幣入出金部33には、投入口、投出口、紙幣収納部の他に、入金確定前の紙幣を一時的に収納する一時保留部や識別計数部32によりリジェクトされた紙幣を投出するためのリジェクト部等が含まれ、これら各部の間で紙幣が搬送される。
制御部34は、動作モード切替部34A、データ管理部34B及びデータ照合部34Cを有している。動作モード切替部34Aは、操作表示部31での操作に応じて動作モードを変更する機能を有する。データ管理部34Bは、窓口端末20から受信した入出金データ、識別計数部32による識別計数結果、紙幣入出金部33によって入出金された紙幣の金種や金額、オープン出納機50によって入出金された紙幣の金種や金額等のデータを管理する機能を有する。データ照合部34Cは、窓口端末20から受信した入出金データと、窓口入出金機30又はオープン出納機50によって実際に入出金された紙幣の入出金額との照合処理を行う機能を有する。
記憶部35は、半導体メモリやハードディスク等の記憶媒体から成り、データ管理部34Bによって管理される入出金管理データ35Aを保存するために利用される。
占有ボタン36は、窓口入出金機30の左右に独立して配置された機械式のボタンから成り、窓口入出金機30の右側に居る窓口係が右側の占有ボタン36を操作すると動作モード切替部34Aは、窓口入出金機30を右側の窓口係による占有状態とする。例えば、右側の窓口係による占有状態で単体入金モードが選択された場合には、右側の窓口端末20から受信した入出金データがデータ管理部34Bにより紙幣入出金部33に送信される。そして、紙幣入出金部33によって、右側の窓口係による紙幣の入金処理が行われる。同様に、左側の占有ボタン36が操作されると、左側の窓口係による占有状態となり、左側の窓口端末20から受信した入出金データに基づいて入金又は出金の処理が行われる。
オープン出納機50は、各種情報の入力及び表示を行うための操作表示部51と、入金紙幣や出金紙幣の識別計数を行うための識別計数部52と、投入口に投入された紙幣を識別計数部52を経て紙幣収納部へ収納したり紙幣収納部から繰り出した紙幣を投出口に投出したりするための紙幣入出金部53と、各部を制御する制御部54と、オープン出納機50の利用者を認証するための認証情報55A及び入出金された紙幣の金種や金額等を管理する入出金管理データ55Bを保存するための記憶部55とを有している。
操作表示部51は、液晶タッチパネル等から成り、オープン出納機50の利用者を認証するための操作や動作モードを変更するための操作等を行うために利用される。切替可能な動作モードには、オープン出納機50単体で入金処理を行う単体入金モードと、オープン出納機50単体で出金処理を行う単体出金モードと、窓口入出金機30と連携して入金処理を行う連携入金モードと、窓口入出金機30と連携して出金処理を行う連携出金モードと、窓口入出金機30から出金した紙幣をオープン出納機50に入金して回収する連携回収モードと、オープン出納機50から紙幣を出金して窓口入出金機30に入金して補充する連携補充モードとが含まれる。
オープン出納機50では窓口入出金機30に比べて多くの紙幣を入出金できる点が異なっているが、識別計数部52及び紙幣入出金部53の基本的な機能及び動作は、窓口入出金機30の識別計数部32及び紙幣入出金部33と同様であるため詳細な説明は省略する。
制御部54は、動作モード切替部54A、データ管理部54B、データ照合部54C及び利用者認証部54Dを有している。動作モード切替部54Aは、操作表示部51による操作に応じて動作モードを変更する機能を有する。データ管理部54Bは、窓口入出金機30から受信したデータ、識別計数部52による識別計数結果、紙幣入出金部53によって入出金された紙幣の金種や金額等のデータを管理する機能を有する。データ照合部54Cは、窓口入出金機30から受信した入出金データと、オープン出納機50によって実際に入出金された紙幣の入出金額との照合処理を行う機能を有する。
利用者認証部54Dは、オープン出納機50を利用する窓口係を認証する機能を有する。例えば、窓口係が、操作表示部51を操作して各窓口係を識別するために割り当てられた自身の識別用IDとパスワードを入力すると、記憶部55に保存された認証情報55Aを参照して窓口係が認証される。なお、窓口係を特定することができれば、認証方法は特に限定されず、指紋等を利用した生体認証を利用してもよいし、磁気カードやICカード等を利用して認証を行う態様であっても構わない。
記憶部55は、半導体メモリやハードディスク等の記憶媒体から成り、窓口係を認証するためのIDやパスワードを含む認証情報55Aと、データ管理部54Bによって管理される入出金管理データ55Bとを保存するために利用される。
上記構成を有することにより、窓口係は、窓口端末20及び窓口入出金機30を利用して、単体モードで入出金処理を行うことができる。例えば、窓口入出金機30によって対応可能な少額取引であれば、窓口入出金機30のみを利用して入出金処理を行う。また、窓口係は、オープン出納機50のみを利用して、単体モードで入出金処理を行うことができる。例えば、銀行外の顧客を訪問する渉外員が銀行外から集めてきた紙幣を入金する場合等に、オープン出納機50のみを利用して入出金を行う。本実施形態に係る現金処理システム1では、これらの単体モードに加えて、窓口入出金機30及びオープン出納機50を連携した連携モードで紙幣を入出金できる点に1つの特徴を有している。以下では、窓口入出金機30及びオープン出納機50を連携して行う処理として、連携入金モード、連携出金モード、連携回収モード及び連携補充モードについて説明する。
まず、連携入金モードで行われる連携入金処理について説明する。図4は、窓口入出金機30及びオープン出納機50を連携して行う連携入金処理を説明するチャート図である。窓口10で顧客から大量の紙幣の入金を依頼された窓口係は、顧客から受け取った紙幣をオープン出納機50に入金するため、操作表示部51を操作して連携入金モードを選択する(ステップS100)。オープン出納機50では、動作モード切替部54Aによって動作モードが連携入金モードに切り換えられると、利用者認証部54Dによる認証処理が行われる(ステップS101)。認証処理では、記憶部55に保存された認証情報55Aが利用されるが、この認証情報55Aには、オープン出納機50を利用する窓口係と、この窓口係が利用する窓口入出金機30及び窓口端末20とを特定する情報が含まれている。
図8は、記憶部55に保存された認証情報55Aの例である。認証情報55Aには、このように、窓口係を特定するための利用者ID及びパスワードと、この利用者IDを有する窓口係に割り当てられた窓口入出金機30のシリアル番号等の識別番号と、窓口係が左右いずれの方向から窓口入出金機30を利用するかを特定する情報が保存されている。例えば、窓口係が、操作表示部51により利用者ID及びパスワードを入力して、図8のNo.U001に示す利用者IDがC12345の利用者として認証されると、この窓口係がM001の窓口入出金機30を左側(L)から利用していることを特定することができる。すなわち、処理に関係する窓口端末20が、窓口入出金機30の左側に設置された端末であることを特定できる。ここで特定された窓口入出金機30及び窓口端末20が、連携モードによる連携先となる。このように、認証処理を行う利用者認証部54Dが、連携モードによる連携先を特定する連携先特定部として機能する。
オープン出納機50での認証がなされると、窓口係によってオープン出納機50に紙幣が入金される(図4ステップS102)。オープン出納機50の投入口に投入された入金紙幣は、識別計数部52によって識別計数されて、紙幣入出金部53によって所定の紙幣収納部に収納される。このとき、データ管理部54Bは、入金紙幣の識別計数結果を、入金計数データとして記憶部55の入出金管理データ55Bに登録する(ステップS103)。入金計数データは、紙幣を入金した窓口係に対応する窓口入出金機30及び窓口端末20を特定する情報と関連付けて登録される。
図9は、入金計数データが登録される入出金管理データ55Bの例である。このように、入出金管理データ55Bには、オープン出納機50で処理を受け付けた受付日時と、認証情報55Aに基づいて特定された窓口入出金機30の識別番号及び窓口端末20を特定する利用者情報と、処理内容と、この処理で入出金された紙幣の識別計数結果である計数データと、この処理を完了した処理完了日時と、この処理と関連して窓口入出金機30で管理される処理番号である関連処理No.と、後述する照合処理の結果とが含まれている。
例えば、図9のNo.W−0032のデータは、識別番号M001の窓口入出金機30を左側の窓口端末20を操作しながら利用する窓口係が、連携入金モードを選択して、210万円の紙幣を入金したことを示している。利用者情報には、図8の認証情報55Aに基づいて、認証された窓口係に対応する窓口入出金機30の識別番号と、この窓口係が窓口入出金機30の左右両側に設置された窓口端末20のうち、いずれの端末を利用するのかを示す情報とが含まれる。これにより、利用者情報に基づいて窓口入出金機30及び窓口端末20を特定することができる。
窓口係は、オープン出納機50での入金処理を終えると、窓口10に戻り、この入金処理を処理するために窓口端末20の操作を開始する(図4ステップS104)。具体的には、操作表示部21を操作して、単体入金モードで窓口入出金機30による入金を行う場合と同様に、入金額等を入力する。
続いて窓口係は、占有ボタン36を操作して窓口入出金機30を占有状態とした後(ステップS105)、操作表示部31を操作して連携入金モードを選択する(ステップS106)。窓口入出金機30では、動作モード切替部34Aによって動作モードが連携入金モードに切り換えられると、データ管理部34Bが、オープン出納機50を利用して入金が行われることを認識する。そして、データ管理部34Bは、オープン出納機50に、入金計数データを要求する(ステップS107)。このとき、窓口入出金機30から、オープン出納機50へ、窓口入出金機30の識別番号と、左右いずれの窓口係による占有状態にあるかを示す情報、すなわち窓口端末20を特定する情報とが通知される。
オープン出納機50では、窓口入出金機30からの入金計数データを要求する信号と、窓口入出金機30及び窓口端末20を特定する情報とを受信すると、データ管理部54Bが、記憶部55の入出金管理データ55Bから、対応する入金計数データを読み出す(ステップS108)。そして、これを窓口入出金機30に送信する(ステップS109)。
窓口入出金機30では、オープン出納機50から入金計数データを受信すると(ステップS110)、単体入金モードで窓口入出金機30に紙幣が入金された場合と同様のデータ形式で、入金計数データを窓口端末20に送信する(ステップS111)。
このように、窓口端末20では、単体モードで窓口入出金機30に紙幣を入金する場合と同様に入金額等を入力する操作が行われ、単体モードで窓口入出金機30に入金した場合と同様に入金紙幣に関するデータを得ることができるので、従来単体モードで利用していた窓口端末20をそのまま利用することができる。
窓口端末20では、窓口入出金機30から入金計数データを受信すると(ステップS112)、制御部22により、受信した入金計数データに含まれる入金紙幣の識別計数結果と、操作表示部21を操作して入力された入金額とを照合する処理が行われる(ステップS113)。照合処理の結果、窓口端末20に入力された入金額と、実際に入金された紙幣の入金額とが一致しない場合には、窓口係によって、入力された入金額や入金紙幣の識別計数結果等を検証して修正する所定の処理が行われる。
窓口端末20での照合処理の結果、窓口端末20で入力された入金額と入金された紙幣の入金額とが一致した場合には、窓口端末20での入金処理を完了する(ステップS114)。入金処理が完了すると、制御部22から、これを通知する信号が窓口入出金機30に送信されて窓口入出金機30の占有状態が解除される(ステップS115)。
窓口入出金機30では、占有状態が解除されると、完了した連携入金処理に係るデータが、記憶部35の入出金管理データ35Aに登録される。また、窓口入出金機30は、オープン出納機50に、入金計数データの更新を要求する(ステップS116)。オープン出納機50は、窓口入出金機30から入金計数データの更新を要求する信号を受信すると、連携入金処理が完了したことを認識して、記憶部55に入出金管理データ55Bとして登録されている入金計数データを更新する(ステップS117)。
具体的には、連携入金モードでオープン出納機50への紙幣の入金を完了した段階では(図4ステップS103完了時)、図9のNo.W−0032のデータにあるように、処理番号であるNoから計数データまでのデータのみが入力されて、紙処理完了日時、関連処理No.及び照合結果は未入力の状態となる。
その後、窓口係が窓口入出金機30及び窓口端末20を操作して入金処理を完了すると、窓口入出金機30の入出金管理データ35Aでは、例えば、図10の、No.M001−0053のデータにあるように、左側の窓口端末20を利用して処理がなされたこと、窓口端末20から処理を受け付けた日時、この処理が連携入金モードであること、オープン出納機50で、No.W−0031の処理番号で125万円の紙幣が入金されたこと、処理を完了した日時、窓口端末20で行われた照合処理の結果が記録される。窓口入出金機30の入出金管理データ35Aでは、連携モードに関連するデータと、単体入金モードに関連するデータとが区別して管理される。例えば、入出金管理データ35Aを操作表示部21又は31に表示すると、図10の、No.M001−0053のデータにあるように、連携モードによって処理された金額が括弧で表示されたり、単体モードによる入金額と色を変えて表示されたりするので、連携モードによる処理と単体モードによる処理を容易に見分けることができる。
そして、この後、窓口入出金機30から入金計数データの更新要求を受けたオープン出納機50では、入出金管理データ55Bで、図9のNo.W−0031に示すように、処理完了日時と、この処理に対応する窓口入出金機30での処理番号と、照合結果とが記録される。こうして、図9のNo.W−0032に示すように未入力のデータがある状態から、No.W−0031に示すように全てのデータが入力された状態となる。
図9及び図10に示すように、オープン出納機50で管理される入出金管理データ55Bには、対応する窓口入出金機30の処理番号が記録され、窓口入出金機30で管理される入出金管理データ35Aには、対応する窓口入出金機30の処理番号が記録される。また、オープン出納機50及び窓口入出金機30では単体モードによる入出金も行われるが、図9のNo.W−0016、図10のM001−0021にあるように、単体モードで行われた処理も記録される。これにより、窓口入出金機30及びオープン出納機50では、入出金管理データ35A及び55Bに記録された内容から、連携モード及び単体モードのいずれの動作モードにより、どの装置で、どのような処理が行われたのかを容易に確認することができる。なお、図9及び図10では、計数データとして金額のみを示しているが、各装置では、入出金された紙幣の金種及び枚数も記録されている。
なお、ここでは、先にオープン出納機50へ紙幣を入金した後に窓口端末20及び窓口入出金機30を操作して入金処理を完了する態様を説明したが、処理タイミングについては、図4に示す態様に限定されず、銀行の運用に応じて、設定により変更できるようになっている。
例えば、図4に示す態様の他、窓口10からオープン出納機50までの距離が近く、オープン出納機50に紙幣を入金した後すぐに窓口入出金機30を利用できる場合等には、窓口端末20及び窓口入出金機30で入金処理を開始した後に、オープン出納機50に紙幣を入金する態様であってもよい。具体的には、窓口10で図4に示すステップS104〜107の処理を行って入金処理を開始してから、オープン出納機50でステップS100〜103の処理を行って紙幣を入金する。オープン出納機50は、窓口入出金機30からの入金計数データの要求(ステップS107)に応えて、入金計数データを送信する(ステップS109)。そして、オープン出納機50での入金を終えた窓口係が、窓口10に戻って、オープン出納機50から入金計数データを受信した窓口入出金機30及び窓口端末20を操作して、ステップS110〜S117の処理を行って入金処理を完了するように設定することもできる。
次に、連携出金モードで行われる連携出金処理について説明する。図5は、窓口入出金機30及びオープン出納機50を連携して行う連携出金処理を説明するチャート図である。窓口10で顧客から大量の紙幣の出金を依頼された窓口係は、窓口端末20を操作して出金処理を開始する(ステップS200)。このとき行われる操作は、単体出金モードで窓口入出金機30を利用して行う場合と同じ操作である。具体的には、窓口係は、操作表示部21を操作して、出金モードを選択して、出金紙幣の金種、枚数又は金額等の情報を入力する。出金すべき紙幣の情報が入力されると、この情報が窓口端末20から窓口入出金機30に送信されて、出金計数データとして、窓口入出金機30の入出金管理データ35Aに登録される。
続いて、窓口係は、窓口入出金機30の占有ボタン36を操作して占有状態とした後(ステップS201)、操作表示部31により連携出金モードを選択する(ステップS202)。窓口入出金機30では、動作モード切替部34Aにより動作モードが連携出金モードに切り換えられると、データ管理部34Bが、記憶部35の入出金管理データ35Aに登録された出金計数データを、単体出金モードで窓口入出金機30から紙幣を出金した場合と同様のデータ形式で、窓口端末20に送信する(ステップS203)。
窓口端末20では、窓口入出金機30からデータを受信した制御部22が(ステップS204)、窓口入出金機30による出金処理が完了したと認識して、出金処理を完了する(ステップS205)。出金処理が完了すると、窓口端末20から窓口入出金機30へ出金処理の完了が通知される。窓口入出金機30では、出金処理の完了通知を受けて占有状態が解除される(ステップS206)。
このように、連携出金モードでは、窓口入出金機30から紙幣の出金はなされないが、窓口係が、連携出金モードを選択することにより、その後すぐに窓口入出金機30の占有状態が解除され、窓口入出金機30を他の窓口係による操作が可能な状態とすることができる。
窓口入出金機30は、占有状態を解除すると、出金すべき紙幣の金種及び枚数の情報と、この情報が窓口入出金機30の左右いずれの窓口端末20から受信したものであるかを特定する情報と、窓口入出金機30を識別する識別番号とを含む連携出金データをオープン出納機50に送信する(ステップS207)。オープン出納機50では、窓口入出金機30から連携出金データを受信すると(ステップS208)、データ管理部54Bが、これを記憶部55の入出金管理データ55Bに登録する(ステップS209)。
窓口端末20で出金処理を完了した窓口係は、窓口10からオープン出納機50の設置場所へ移動して操作を開始する。まず、操作表示部51を操作して、連携出金モードを選択する(ステップS210)。オープン出納機50では、操作表示部51による操作に従って、動作モード切替部54Aによって動作モードが連携出金モードに切り換えられると、利用者認証部54Dによる認証処理が行われる(ステップS211)。認証処理によって、窓口係の利用する窓口入出金機30及び窓口端末20が特定されると、記憶部55に保存された入出金管理データ55Bを参照して、特定された窓口入出金機30及び窓口端末20に対応する連携出金データが読み出される(ステップS212)。
そして、オープン出納機50では、連携出金データに含まれる金種及び紙幣枚数に基づいて、紙幣が出金される(ステップS213)。オープン出納機50では、連携出金データによる出金を完了すると、記憶部55の入出金管理データ55Bを更新して、連携出金データに該連携出金データによる出金が完了したことを示す情報を付加する(ステップS214)。窓口係は、オープン出納機50から出金された紙幣を窓口10で顧客に手渡して、連携出金処理を完了する。
図10のNo.M001−0022に示すように、窓口入出金機30では、窓口係が利用する窓口端末20を示す情報(L)と、連携出金処理を受け付けた日時と、連携出金モードで100万円の紙幣の出金指示があったことを示す情報と、窓口端末20上で出金処理を完了した日時とが記録される。
また、図9のNo.W−0025に示すように、オープン出納機50では、窓口入出金機30から連携出金データを受信した受付日時と、連携出金データを受信した窓口入出金機30及び窓口端末20を特定する利用者情報と、連携出金処理であることを示す情報と、連携出金処理で出金された出金紙幣の出金額と、窓口係がオープン出納機50を操作して連携出金処理を完了した処理完了日時と、この連携出金処理に対応する窓口入出金機30での処理番号とが記録される。No.W−0025のデータでは、識別番号M001の窓口入出金機30の左側に設置された窓口端末20で受け付けた出金処理が連携出金処理として処理されて、オープン出納機50から100万円分の紙幣が出金されたことが分かる。また、オープン出納機50のNo.W−0025の連携出金処理は、窓口入出金機30ではNo.M001−0022として管理されていることが分かる。なお、図9及び図10では、計数データとして金額のみを示しているが、金額に加えて紙幣の金種及び枚数等の情報が記録されている。
窓口入出金機30から窓口端末20へ出金計数データを送信して窓口端末20での出金処理を完了し、窓口入出金機30の占有状態を解除するタイミングについては、図5に示す態様に限定されず、銀行の運用に応じて、設定により変更できるようになっている。
例えば、図5に示す態様の他、窓口10からオープン出納機50までの距離が近く、すぐにオープン出納機50から紙幣を出金できる場合等には、オープン出納機50での出金処理を完了した後に、窓口入出金機30から窓口端末20へ出金計数データを送信するように設定する態様であってもよい。具体的には、図5で、ステップS202で連携出金モードが選択された後にステップS207のオープン出納機50への情報送信を先に行って、オープン出納機50でステップS208〜S214の出金処理を行う。そして、オープン出納機50から窓口入出金機30に出金完了を通知した後に、ステップS203〜S206の処理を行って窓口端末20での処理を完了して、窓口入出金機30の占有状態を解除するように設定することもできる。
次に、連携回収モードで行われる連携回収処理について説明する。図6は、窓口入出金機30及びオープン出納機50を連携して行う連携回収処理を説明するチャート図である。連携回収処理は、窓口入出金機30に収納されている紙幣を回収して、オープン出納機50に入金する処理である。
まず、窓口係が、窓口端末20を操作して回収処理を開始する(ステップS300)。そして、窓口端末20の操作表示部21を操作して、窓口入出金機30から回収する回収紙幣の金種や枚数を指定する。ここで指定された回収紙幣の金種や枚数の情報は、入出金データとして、窓口端末20から窓口入出金機30へ送信されて、記憶部35の入出金管理データ35Aに登録される。
続いて、窓口係は、窓口入出金機30の占有ボタン36を操作して占有状態にした後(ステップS301)、操作表示部31を操作して連携回収モードを選択する(ステップS302)。窓口入出金機30では、動作モード切替部34Aによって動作モードが連携回収モードに切り換えられると、窓口端末20で指定された金種及び枚数情報に従って、紙幣が出金される(ステップS303)。そして、データ管理部34Bが、出金された回収紙幣の金種や枚数等を含む回収計数データを、回収済の紙幣に係るデータとして窓口端末20へ送信する(ステップS304)。
窓口端末20では、窓口入出金機30からデータを受信した制御部22が(ステップS305)、窓口入出金機30からの回収紙幣の出金が完了したことを認識して回収処理を完了する(ステップS306)。窓口端末20での回収処理が完了すると、窓口端末20から窓口入出金機30へ回収処理の完了が通知される。窓口入出金機30では、回収処理の完了通知を受けて占有状態を解除する(ステップS307)。
窓口入出金機30は、占有状態を解除すると、回収された紙幣の金種及び枚数の情報と、回収処理を指示した窓口端末20を特定する情報と、窓口入出金機30を識別する識別番号とを含む連携回収データをオープン出納機50に送信する(ステップS308)。オープン出納機50では、窓口入出金機30から連携回収データを受信すると(ステップS309)、データ管理部54Bが、これを記憶部55の入出金管理データ55Bに登録する(ステップS310)。
窓口端末20及び窓口入出金機30での操作を完了した窓口係は、回収紙幣を持って窓口10からオープン出納機50の設置場所へ移動して操作を開始する。まず、操作表示部51を操作して、連携回収モードを選択する(ステップS311)。オープン出納機50では、操作表示部51による操作に従って、動作モード切替部54Aによって動作モードが連携回収モードに切り換えられると、利用者認証部54Dによる認証処理が行われる(ステップS312)。認証処理によって、窓口係が利用する窓口入出金機30及び窓口端末20が特定されると、記憶部55に保存された入出金管理データ55Bを参照して、特定された窓口入出金機30及び窓口端末20に対応する連携回収データが読み出される(ステップS313)。
オープン出納機50では、認証された窓口係が、窓口入出金機30から回収した紙幣をオープン出納機50に入金する(ステップS314)。入金された紙幣は、識別計数された後、オープン出納機50内の所定収納部に収納される。連携回収モードで紙幣が入金されると、データ照合部54Cが、入金された紙幣の識別計数結果と、連携回収データに含まれる回収紙幣の金額とを比較照合する(ステップS315)。ここで照合結果が一致しない場合には、データや紙幣を確認して修正等を行う所定処理が行われる。そして、照合結果が一致すると、記憶部55の入出金管理データ55Bを更新して、連携回収データに該連携回収データによる処理が完了したことを示す情報を付加する(ステップS316)。こうして、連携回収処理を完了する。
図10のNo.M001−0084に示すように、窓口入出金機30では、処理番号であるNo.と、窓口係が利用する窓口端末20を示す情報(L)と、連携回収処理を受け付けた受付日時と、連携回収モードで200万円分の紙幣が出金されたことを示す情報と、窓口端末20からの信号に基づいて占有状態を解除して連携回収処理を完了した処理完了日時とが記録される。
また、図9のNo.W−0056に示すように、オープン出納機50では、窓口入出金機30から連携回収データを受信した受付日時と、連携回収データを受信した窓口入出金機30及び窓口端末20を特定する利用者情報と、連携回収処理であることを示す情報と、連携回収処理で入金された回収紙幣の金額と、窓口係がオープン出納機50を操作して連携回収処理を完了した処理完了日時と、この連携回収処理に対応する窓口入出金機30での処理番号とが記録される。No.W−0056のデータでは、識別番号M001の窓口入出金機30の左側に設置された窓口端末20で受け付けた回収処理が、連携回収処理として処理されて、オープン出納機50に200万円分の紙幣が回収されたことが分かる。また、オープン出納機50のNo.W−0056の連携回収処理は、窓口入出金機30ではNo.M001−0084として管理されていることが分かる。なお、図9及び図10では、計数データとして金額のみを示しているが、金額に加えて紙幣の金種及び枚数等の情報が記録されている。
次に、連携補充モードで行われる連携補充処理について説明する。図7は、窓口入出金機30及びオープン出納機50を連携して行う連携補充処理を説明するチャート図である。連携補充処理は、オープン出納機50から紙幣を出金して、これを窓口入出金機30に入金して補充する処理である。
窓口入出金機30に紙幣を補充する窓口係は、オープン出納機50から補充紙幣を出金するため、操作表示部51を操作して連携補充モードを選択する(ステップS400)。オープン出納機50では、動作モード切替部54Aによって動作モードが連携補充モードに切り換えられると、利用者認証部54Dによる認証処理が行われる(ステップS401)。
オープン出納機50で認証された窓口係は、引き続き操作表示部51を操作して補充に必要な紙幣を指定する。オープン出納機50では、窓口係によって指定された金種及び枚数に従って、補充紙幣が出金される(ステップS402)。補充紙幣が出金されると、出金された補充紙幣の金種及び枚数と、補充紙幣を出金した窓口係に対応する窓口入出金機30及び窓口端末20を特定する情報とを含む補充計数データが、記憶部55の入出金管理データ55Bに登録される(ステップS403)。
窓口係は、オープン出納機50から出金された補充紙幣を持って窓口10に戻り、窓口端末20の操作を開始する(ステップS404)。そして、窓口入出金機30の占有ボタン36を操作して占有状態とした後(ステップS405)、操作表示部31を操作して連携補充モードを選択する(ステップS406)。窓口入出金機30では、動作モード切替部34Aによって動作モードが連携補充モードに切り換えられると、データ管理部34Bが、オープン出納機50に補充計数データを要求する(ステップS407)。このとき、窓口入出金機30から、オープン出納機50へ、窓口入出金機30の識別番号と、左右いずれの窓口係による占有状態にあるかを示す情報、すなわち窓口端末20を特定する情報とが通知される。
オープン出納機50では、窓口入出金機30から補充計数データを要求する信号と、窓口入出金機30及び窓口端末20を特定する情報とを受信すると、データ管理部54Bが、記憶部55の入出金管理データ55Bから、対応する補充計数データを読み出して(ステップS408)、これを窓口入出金機30に送信する(ステップS409)。
窓口入出金機30では、オープン出納機50から補充計数データを受信すると(ステップS410)、補充紙幣の入金完了を待つ待機状態となる。窓口係が、補充紙幣を窓口入出金機30に入金すると、各紙幣が識別計数されて所定収納部へ収納される(ステップS411)。
窓口入出金機30では、補充紙幣の入金を完了すると、データ照合部34Cにより、オープン出納機50から受信した補充計数データに含まれる補充紙幣の識別計数結果と、窓口係によって実際に窓口入出金機30に入金された補充紙幣の識別計数結果とを照合する処理が行われる(ステップS412)。照合処理の結果、両者が一致しない場合には、窓口係によって、識別計数結果や補充紙幣等を検証して修正する所定の処理が行われる。照合結果が一致すると、オープン出納機50と連携することなく紙幣が補充された場合と同様のデータ形式で補充計数データが窓口端末20に送信される(ステップS413)。
窓口端末20では、窓口入出金機30から補充計数データを受信すると(ステップS414)、制御部22が補充処理を完了する(ステップS415)。そして、補充処理が完了すると、制御部22から、これを通知する信号が窓口入出金機30に入力されて窓口入出金機30の占有状態が解除される(ステップS416)。
窓口入出金機30では、占有状態が解除されると、完了した連携補充処理に係るデータが、入出金管理データ35Aとして記憶部35に保存される。また、窓口入出金機30は、オープン出納機50に、補充計数データの更新を要求する(ステップS417)。このとき、窓口入出金機30に保存された処理番号等の情報が窓口入出金機30からオープン出納機50へ送信される。オープン出納機50は、補充計数データの更新を要求する信号を受信すると、連携補充処理が完了したことを認識して、記憶部55に入出金管理データ55Bとして登録された補充計数データに、処理が完了したことを示す情報を付加する(ステップS418)。
図9のNo.W−0001に示すように、オープン出納機50では、連携補充処理を受け付けた受付日時と、この処理を行った窓口係に対応する窓口入出金機30及び窓口端末20を特定する利用者情報と、連携補充処理であることを示す情報と、補充紙幣として出金された金額とが記録された状態で、窓口入出金機30での補充処理が開始される。
そして、図10のNo.M001−0001に示すように、窓口入出金機30では、連携補充処理を受け付けた受付日時と、連携補充処理が行われた窓口端末20を特定する情報(R)と、オープン出納機50で、No.W−0001の処理番号で250万円分の補充紙幣が入金されたことを示す情報と、占有状態を解除して連携補充処理を完了した日時と、データ照合部34Cによる照合結果とが記録される。
また、オープン出納機50では、連携補充処理を完了した後、窓口入出金機30から受信した情報から、図9のNo.W−0001に示すように、窓口係が窓口入出金機30を操作して処理を完了した処理完了日時と、この連携補充処理に対応する窓口入出金機30での処理番号とが記録される。
これらのデータから、識別番号M001の窓口入出金機30の右側に設置された窓口端末20を利用する窓口係が、連携補充モードで、オープン出納機50から250万円の補充紙幣を出金した後、この補充紙幣を窓口入出金機30に入金して補充したことを確認することができる。
なお、本実施形態では、各窓口係が窓口入出金機30の占有ボタンを操作して占有状態とする態様を示したが、本実施形態がこれに限定されるものではない。例えば、オープン出納機50を先に操作して入出金処理を行った場合には、窓口入出金機30を自動的に占有状態とすることもできる。具体的には、オープン出納機50での入出金処理を完了した後にオープン出納機50から窓口入出金機30に対して占有状態にすることを指示する信号が送信され、この信号を受信した窓口入出金機30では、動作モード切替部34Aが、連携モードによる入出金処理であることを認識すると共に、窓口入出金機30を占有状態とするように自動的に制御する。また、連携出金処理や連携回収処理の場合にも同様に、窓口入出金機30を自動的に占有状態とすることができる。この場合は、窓口係が窓口端末20を操作して処理を開始すると、窓口端末20から窓口入出金機30に対して占有状態にすることを指示する信号が送信されて、この信号を受信した窓口入出金機30で、動作モード切替部34Aにより窓口入出金機30が自動的に占有状態とされる。
また、窓口入出金機30及びオープン出納機50で紙幣を入出金する例を説明したが、硬貨を入出金する場合にも、同様の機能及び動作により、同様の効果を得られることは言うまでもない。
また、オープン出納機50で、動作モードを連携モードに切り換えた後に、この操作を行った窓口係を認証する認証処理を行う例を説明したが、先に認証処理を行ってから、その後に動作モードを切り換える態様であっても構わない。
上述してきたように、本実施形態によれば、窓口係は、窓口入出金機30とオープン出納機50を連携させて入金や出金等の貨幣処理を行う場合も、窓口端末20では、窓口入出金機30のみを利用して貨幣処理を行っていた従来の単体モードと同じ操作を行うだけでよい。また、連携モードでオープン出納機50を利用して入出金を行う場合も、単体モードでの処理が完了した場合と同様に、窓口入出金機30から窓口端末20へ処理完了を示す情報が送信される。これにより、現金処理システム1では、従来使用していた窓口端末20をそのまま利用しながら連携モードによる入出金処理を実現することができる。連携モードを実現するために窓口端末20用のソフトウェアを新たに開発する必要がなく窓口入出金機30とオープン出納機50を連携させるために新たにサーバ等を導入する必要もないので、設備投資に係る費用を大幅に削減抑制することができる。
また、窓口係は、窓口端末20では従来通りの操作を行って、窓口入出金機30及びオープン出納機50で連携モードを選択するだけで、容易に、窓口入出金機30とオープン出納機50を連携した貨幣処理を行うことができる。例えば、オープン出納機50で認証処理を行うだけで、処理対象紙幣の金額や金種等のデータが、窓口入出金機30とオープン出納機50との間で自動的に送受信されるので、金額や金種等のデータをオープン出納機50に再入力する必要がない。
また、窓口入出金機30では、窓口端末20から入出金データを受信して単体モード又は連携モードで貨幣を入出金しながら、単体モードで入出金した処理内容と、連携モードで入出金した処理内容とが区別して記録されるので、窓口入出金機30の記録を参照して、貨幣が窓口入出金機30又はオープン出納機50のいずれを利用して入出金されたのかを容易に確認することができる。また、窓口入出金機30及びオープン出納機50では、対応する処理番号が記録されるので、連携して行われた貨幣処理の内容詳細を容易に確認することができる。