JP6113555B2 - 光学フィルム - Google Patents
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Description
式(a1)および(a2)中、Z11、Z12、Z21およびZ22はそれぞれ独立して、シクロアルカンまたは芳香族環を含む置換基であり、R11、R12、R21およびR22はそれぞれ独立して、水素原子、シクロアルカン、芳香族環または炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、R13〜R16およびR23〜R26はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、A11、A12、A21およびA22はそれぞれ独立して上記一般式(1)〜(5)で表される連結基から選ばれる少なくとも1種であり、X11は、パラ位またはメタ位で、該連結基A12と、該連結基A11またはA21とに連結する1個以上の芳香族環であり、X21は、パラ位またはメタ位で、該連結基A22と、該連結基A21またはA11とに連結する1個以上の芳香族環である。
好ましい実施形態においては、上記芳香族系樹脂が、下記一般式(b1)〜(b4)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位をさらに有する。
式(b1)〜(b4)中、R33〜R36、R43〜R46、R53〜R56およびR63〜R66、はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、A31、A32、A41、A42、A51、A52、A61およびA62はそれぞれ独立して上記一般式(1)〜(5)で表される連結基から選ばれる少なくとも1種であり、式(b1)中、X31は、パラ位またはメタ位で、該連結基A32と、該連結基A31、前記式(a1)中のA11、前記式(a2)中のA21、該式(b2)中のA41、該式(b3)中のA51または該式(b4)中のA61とに連結する1個以上の芳香族環であり、(b2)中、R47〜R50はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、X41は、パラ位またはメタ位で、該連結基A42と、該連結基A41、前記式(a1)中のA11、前記式(a2)中のA21、該式(b1)中のA31、該式(b3)中のA51または該式(b4)中のA61とに連結する1個以上の芳香族環であり、式(b3)中、R57〜R59はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、X51は、パラ位またはメタ位で、該連結基A52と、該連結基A51、前記式(a1)中のA11、前記式(a2)中のA21、該式(b1)中のA31、該式(b2)中のA41または該式(b4)中のA61とに連結する1個以上の芳香族環であり、式(b4)中、R67およびR68はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基である。R69およびR70はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、ハロゲン原子、メチルエチニル基、フェニルエチニル基、エチルエチニル基またはアルコキシ基であり、X61は、パラ位またはメタ位で、該連結基A62と、該連結基A61、前記式(a1)中のA11、前記式(a2)中のA21、該式(b1)中のA31、該式(b2)中のA41または該式(b3)中のA51とに連結する1個以上の芳香族環である。
好ましい実施形態においては、本発明の光学フィルムは、面内位相差Reが、20nm以下である。
好ましい実施形態においては、本発明の光学フィルムは、厚み方向の位相差Rthが、100nm以下である。
好ましい実施形態においては、本発明の光学フィルムは、全光線透過率が、85%以上である。
好ましい実施形態においては、上前記芳香族系樹脂のガラス転移温度が、200℃以上である。
好ましい実施形態においては、上記芳香族系樹脂の重量平均分子量が、ポリスチレン換算で、40000〜200000である。
好ましい実施形態においては、上記芳香族系樹脂が、トルエンおよび/またはキシレンを50%以上含有する溶媒に可溶である。
本発明の別の局面によれば、透明基板が提供される。この透明基板は上記光学フィルムと、厚さが100μm以下の無機ガラスとを備える。
好ましい実施形態においては、上記透明基板は、総厚が150μm以下である。
好ましい実施形態においては、上記透明基板は、クラックを入れ屈曲させた際の破断直径が50mm以下である。
本発明のさらに別の局面によれば、表示素子が提供される。この表示素子は、上記光学フィルムを用いて作製される。
本発明のさらに別の局面によれば、太陽電池が提供される。この太陽電池は、上記光学フィルムを用いて作製される。
本発明のさらに別の局面によれば、照明素子が提供される。この照明素子は、上記光学フィルムを用いて作製される。
A−1.芳香族系樹脂
本発明の光学フィルムは、下記一般式(a1)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位(a1)ともいう)および下記一般式(a2)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位(a2)ともいう)から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を有する芳香族系樹脂を含む。上記芳香族系樹脂がこのような繰り返し単位を有していれば、耐熱性に優れ、かつ、位相差の小さい光学フィルムを得ることができる。なお、本明細書において、下記一般式(a1)で表される繰り返し単位および下記一般式(a2)で表される繰り返し単位を総称して、「繰り返し単位(A)」ともいう。
式(a1)および(a2)中、Z11、Z12、Z21およびZ22はそれぞれ独立して、シクロアルカンまたは芳香族環を含む置換基であり、好ましくは炭素数が5〜6のシクロアルカンまたは1個〜2個の芳香族環であり、より好ましくは炭素数が5〜6のシクロアルカンであり、特に好ましくは炭素数6のシクロアルカンである。R11、R12、R21およびR22はそれぞれ独立して、水素原子、シクロアルカン、芳香族環または炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、好ましくは水素原子、炭素数が5〜6のシクロアルカン、芳香族環または炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基またはt−ブチル基である。R13〜R16およびR23〜R26はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基またはt−ブチル基である。A11、A12、A21およびA22は、それぞれ独立して上記一般式(1)〜(5)で表される連結基から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは上記一般式(1)〜(3)で表される連結基から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは上記一般式(1)で表される連結基である。X11は、パラ位またはメタ位で連結基A12と連結基A11またはA21とに連結する1個以上の芳香族環である。X11は、好ましくは1個〜2個の芳香族環であり、より好ましくは1個の芳香族環である。X21は、パラ位またはメタ位で連結基A22と連結基A21またはA11とに連結する1個以上の芳香族環である。X21は、好ましくは1個〜2個の芳香族環であり、より好ましくは1個の芳香族環である。なお、上記Z11、Z12、Z21、Z22、R11、R12、R21、R22、X11およびX21の芳香族環またはシクロアルカンは置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。また、後述のように、芳香族系樹脂が繰り返し単位(B)を有する場合、X11は、パラ位またはメタ位で、繰り返し単位(b1)の連結基A31、繰り返し単位(b2)の連結基A41、繰り返し単位(b3)の連結基A51または繰り返し単位(b4)の連結基A61とも連結し得る。
式(b1)〜(b4)中、R33〜R36、R43〜R46、R53〜R56およびR63〜R66、はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基またはt−ブチル基である。A31、A32、A41、A42、A51、A52、A61およびA62はそれぞれ独立して上記一般式(1)〜(5)で表される連結基から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは上記一般式(1)〜(3)で表される連結基から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは上記一般式(1)で表される連結基である。
式(b1)中、X31は、パラ位またはメタ位で、連結基A32と、連結基A31、上記式(a1)中の連結基A11、上記式(a2)中の連結基A21、上記式(b2)中の連結基A41、上記式(b3)中の連結基A51または上記式(b4)中の連結基A61とに連結する1個以上の芳香族環である。X31は、好ましくは1個〜2個の芳香族環であり、より好ましくは1個の芳香族環である。
式(b2)中、R47〜R50はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基である。X41は、パラ位またはメタ位で、連結基A42と、連結基A41、上記式(a1)中の連結基A11、上記式(a2)中の連結基A21、上記式(b1)中の連結基A31、上記式(b3)中の連結基A51または上記式(b4)中の連結基A61とに連結する1個以上の芳香族環である。X41は、好ましくは1個〜2個の芳香族環であり、より好ましくは1個の芳香族環である。
式(b3)中、R57〜R59はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基である。X51は、パラ位またはメタ位で、連結基A52と、連結基A51、上記式(a1)中の連結基A11、上記式(a2)中の連結基A21、上記式(b1)中の連結基A31、上記式(b2)中の連結基A41または上記式(b4)中の連結基A61とに連結する1個以上の芳香族環である。X51は、好ましくは1個〜2個の芳香族環であり、より好ましくは1個の芳香族環である。
式(b4)中、R67およびR68はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、好ましくは水素原子またはメチル基であり、より好ましくはメチル基である。R69およびR70はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、ハロゲン原子、メチルエチニル基、フェニルエチニル基、エチルエチニル基またはアルコキシ基であり、好ましくは水素原子である。X61は、パラ位またはメタ位で、連結基A62と、連結基A61、上記式(a1)中の連結基A11、上記式(a2)中の連結基A21、上記式(b1)中の連結基A31、上記式(b2)中の連結基A41または上記式(b3)中の連結基A51とに連結する1個以上の芳香族環である。X61は、好ましくは1個〜2個の芳香族環であり、より好ましくは1個の芳香族環である。
上記繰り返し単位(A)を有する芳香族系樹脂は、例えば、下記一般式(a1’)および/または(a2’)で表されるモノマーと、該モノマーと重合可能な芳香族系モノマーとを含むモノマー組成物を任意の適切な重合方法で重合して得ることができる。なお、本明細書において、下記一般式(a1’)および(a2’)で表されるモノマーを総称して、「モノマー(A’)」ともいう。
式(a1’)および(a2’)中、Z11、Z12、Z21、Z22、R11〜R16およびR21〜R26は、上記で説明したとおりである。B11、B12、B21およびB22はそれぞれ独立して、水酸基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシメチル基またはヒドロキシプロピル基である。
式(b1’)〜(b4’)中、R33〜R36、R43〜R50、R53〜R59およびR63〜R70は、上記で説明したとおりである。B31、B32、B41、B42、B51、B52、B61およびB62はそれぞれ独立して、水酸基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシメチル基またはヒドロキシプロピル基である。
本発明の光学フィルムは、例えば、上記芳香族系樹脂を任意の適切な塗工溶媒に溶解して得られたキャスティング溶液を基材上に塗工して得ることができる。
本発明の光学フィルムの厚みは、好ましくは1μm〜60μm、さらに好ましくは1μm〜40μmである。
B−1.透明基板の全体構成
図1は、本発明の好ましい実施形態による透明基板の概略断面図である。この透明基板100は、無機ガラス10と、無機ガラス10の片側または両側(好ましくは、図示例のように両側)に配置された上記光学フィルム11、11’とを備える。光学フィルム11、11’としては上記A項で説明した光学フィルムが用いられる。なお、図示しないが、無機ガラス10と第1の光学フィルム11、11´との間に任意の適切な接着剤層が配置され得る。
本発明の透明基板に用いられる無機ガラスは、板状のものであれば、任意の適切なものが採用され得る。上記無機ガラスは、組成による分類によれば、例えば、ソーダ石灰ガラス、ホウ酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、石英ガラス等が挙げられる。また、アルカリ成分による分類によれば、無アルカリガラス、低アルカリガラスが挙げられる。上記無機ガラスのアルカリ金属成分(例えば、Na2O、K2O、Li2O)の含有量は、好ましくは15重量%以下であり、さらに好ましくは10重量%以下である。
上記透明基板は、必要に応じて、最外層として、任意の適切なその他の層を備え得る。上記その他の層としては、例えば、透明導電性層、ハードコート層等が挙げられる。
1つの実施形態においては、上記透明基板は、溶液塗工により無機ガラス上に光学フィルムを形成させて得ることができる。具体的には、A項で説明したように芳香族系樹脂を含むキャスティング溶液を基材に塗工して光学フィルムを形成する際の該基材を上記無機ガラスとすることにより、上記透明基板を得ることができる。
上記光学フィルムおよび透明基板は、任意の適切な表示素子、太陽電池または照明素子に用いられ得る。表示素子としては、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー等が挙げられる。照明素子としては、例えば、有機EL素子、LED素子等が挙げられる。
動的粘弾性スペクトル測定器(DMA、TAインスツルメント社社製)を用いて、周波数10Hz、昇温速度5℃/分で30℃〜310℃の範囲で測定し、tanθのピークトップをガラス転移温度とした。
(2)位相差値
光学フィルムの面内位相差および厚み方向の位相差をAxometrics社製ポラリメーターAxoScanを用いて計測した。測定波長は550nm、測定温度は23℃とした。
(3)複屈折率
光学フィルムの面内方向の複屈折率Δn(nx−ny)および厚み方向の複屈折率Δn(nx−nz)をAxometrics社製ポラリメーターAxoScanを用いて計測した。測定波長は550nm、測定温度は23℃とした。
(4)透過率
光学フィルムの透過率を、JlS Z 8701−1982の2度視野(C光源)により、視感度補正を行ったY値から評価した。表1中、透過率が85%以上であった場合を○と表記する。
攪拌装置を備えた反応容器中、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン9.05g(0.021mol)、9,9−ビス(1−ヒドロキシー3−メチルフェニル)フルオレン15.4g(0.041mol)、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド0.542g、p−ターシャリーブチルフェノール0.023gを1M水酸化ナトリウム溶液226gに溶解させた。この溶液に、テレフタル酸クロライド6.25g(0.031mol)およびイソフタル酸クロライド6.25g(0.031mol)を168gのトルエンに溶解させた溶液を攪拌しながら一度に加え、室温で120分間攪拌した。その後、重合溶液を静置分離してポリマーを含んだトルエン溶液を分離し、ついで酢酸水で洗浄し、イオン交換水で洗浄した後、メタノールに投入してポリマーを析出させた。析出したポリマーを濾過し、減圧下で乾燥することで、白色の芳香族系樹脂(1)30gを得た。得られた芳香族系樹脂(1)を上記(1)の評価に供した。結果を表1に示す。
p−ターシャリーブチルフェノールの配合量を0.013gとし、トルエンの量を150gとした以外は合成例1と同様にして芳香族系樹脂(2)を得た。得られた芳香族系樹脂(2)を上記(1)の評価に供した。結果を表1に示す。
攪拌装置を備えた反応容器中、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン8.24g(0.021mol)、9,9−ビス(1−ヒドロキシー3−メチルフェニル)フルオレン15.4g(0.041mol)、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド0.525g、p−ターシャリーブチルフェノール0.022gを1M水酸化ナトリウム溶液219gに溶解させた。この溶液に、テレフタル酸クロライド6.24g(0.031mol)およびイソフタル酸クロライド6.24g(0.031mol)を168gのトルエンに溶解させた溶液を攪拌しながら一度に加え、室温で120分間攪拌した。その後、重合溶液を静置分離してポリマーを含んだトルエン溶液を分離し、ついで酢酸水で洗浄し、イオン交換水で洗浄した後、メタノールに投入してポリマーを析出させた。析出したポリマーを濾過し、減圧下で乾燥することで、白色の芳香族系樹脂(3)29gを得た。得られた芳香族系樹脂(3)を上記(1)の評価に供した。結果を表1に示す。
p−ターシャリーブチルフェノールの配合量を0.016gとし、トルエンの量を150gとした以外は合成例3と同様にして芳香族系樹脂(4)を得た。得られた芳香族系樹脂(4)を上記(1)の評価に供した。結果を表1に示す。
テレフタル酸クロライドの配合量を7.01g(0.035mol)とし、イソフタル酸クロライドの配合量を5.50g(0.027mol)とした以外は合成例1と同様にして芳香族系樹脂(5)を得た。得られた芳香族系樹脂(5)を上記(1)の評価に供した。結果を表1に示す。
1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン9.02g(0.021mol)、9,9−ビス(1−ヒドロキシー3−メチルフェニル)フルオレン16.3g(0.043mol)および1,4−ジヒドロキシナフタレン11.37g(0.071mol)を2規定濃度の水酸化カリウム水溶液100mlに一部溶解/一部分散させた溶液に、溶媒の塩化メチレン200mlを加えて攪拌しながら、冷却下にこの液中にホスゲンガスを10.58g(0.107mol)吹き込んだ。ついで、この反応液を静置分離し、有機層に重合度が2〜5であり、分子末端にクロロホーメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。そして、得られた塩化メチレン溶液200mlに塩化メチレンを追加し全量を300mlとした後、これに1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン3.02g(0.007mol)を2規定の水酸化カリウム50mlに溶解させた溶液を添加し、さらに分子量調整剤としてp−tert−ブチルフェノール0.05gを加えた。ついでこの混合液を激しく攪拌しながら、触媒として7%のトリエチルアミン水溶液0.8mlを加え、攪拌下に25℃で1.5h反応させた。反応終了後に、得られた反応生成物を塩化メチレン1Lによって希釈し、水1.5Lで2回洗浄した。ついで、0.05規定の塩酸で洗浄した後、さらに水1Lで2回洗浄した。そして得られた有機相をメタノール中に投入し再沈殿を行ない、粉末の芳香族系樹脂(6)28gを得た。得られた芳香族系樹脂(6)を上記(1)の評価に供した。結果を表1に示す。
1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン5.62g(0.013mol)、9,9−ビス(1−ヒドロキシー3−メチルフェニル)フルオレン8.33g(0.022mol)、1,4−フェニレンジイソシアナート11.37g(0.071mol)をジメチルホルムアミド100mlに溶解させた溶液を120℃にN2雰囲気下で加熱攪拌し、プレポリマーを得た。続いて、この反応液に1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン6.48g(0.015mol)、9,9−ビス(1−ヒドロキシー3−メチルフェニル)フルオレン7.95g(0.021mol)のジメチルホルムアミド溶液を添加し、さらに反応触媒として1%ジブチルスズジラウレート溶液を1.1g加え、引き続き120℃で過熱攪拌した。反応終了後に、得られた反応溶液をメタノール中に投入し再沈殿を行ない、粉末の芳香族系樹脂(7)23gを得た。得られた芳香族系樹脂(7)を上記(1)の評価に供した。結果を表1に示す。
攪拌装置を備えた反応容器中、4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール
5.35g(0.018mol)、9,9−ビス(1−ヒドロキシー3−メチルフェニル)フルオレン9.3g(0.025mol)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン5.71g(0.018mol)ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド0.452g、p−ターシャリーブチルフェノール0.067gを1M水酸化ナトリウム溶液189gに溶解させた。この溶液に、テレフタル酸クロライド7.48g(0.037mol)およびイソフタル酸クロライド5.0g(0.025mol)を187gのトルエンに溶解させた溶液を攪拌しながら一度に加え、室温で120分間攪拌した。その後、重合溶液を静置分離してポリマーを含んだトルエン溶液を分離し、ついで酢酸水で洗浄し、イオン交換水で洗浄した後、メタノールに投入してポリマーを析出させた。析出したポリマーを濾過し、減圧下で乾燥することで、白色の芳香族系樹脂(c1)11gを得た。得られた芳香族系樹脂(c1)を上記(1)の評価に供した。結果を表1に示す。
攪拌装置を備えた反応容器中、9,9−ビス(1−ヒドロキシー3−メチルフェニル)フルオレン7.05g(0.019mol)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン13.5g(0.043mol)、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド0.456g、p−ターシャリーブチルフェノール0.068gを1M水酸化ナトリウム溶液190gに溶解させた。この溶液に、テレフタル酸クロライド6.3g(0.031mol)およびイソフタル酸クロライド6.3g(0.031mol)を283gのトルエンに溶解させた溶液を攪拌しながら一度に加え、室温で120分間攪拌した。その後、重合溶液を静置分離してポリマーを含んだトルエン溶液を分離し、ついで酢酸水で洗浄し、イオン交換水で洗浄した後、メタノールに投入してポリマーを析出させた。析出したポリマーを濾過し、減圧下で乾燥することで、白色の芳香族系樹脂(c2)28gを得た。得られた芳香族系樹脂(c2)を上記(1)の評価に供した。結果を表1に示す。
攪拌装置を備えた反応容器中、4,4’−(1,3−ジメチルブチリデン)ビスフェノール7.65g(0.028mol)、4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール12.35g(0.043mol)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.444g、p−ターシャリーブチルフェノール0.022gを1M水酸化ナトリウム溶液185gに溶解させた。この溶液に、テレフタル酸クロライド14.4g(0.071mol)を246gのクロロホルムに溶解させた溶液を攪拌しながら一度に加え、室温で120分間攪拌した。その後、重合溶液を静置分離してポリマーを含んだクロロホルム溶液を分離し、ついで酢酸水で洗浄し、イオン交換水で洗浄した後、メタノールに投入してポリマーを析出させた。析出したポリマーを濾過し、減圧下で乾燥することで、白色の芳香族系樹脂(c3)7gを得た。得られた芳香族系樹脂(c3)を上記(1)の評価に供した。結果を表1に示す。
合成例1で得られた芳香族系樹脂(1)10gをシクロペンタノン90gに溶かし、さらに、レベリング剤(BYK307、ビックケミー社製)を750ppmとなるように添加して、光学フィルム形成用のキャステイング溶液を得た。
得られたキャスティング溶液をガラス板上に塗工し、100℃で10分間乾燥させ、170℃で20分間熱処理を行い、厚みが25μmの光学フィルムを得た。この光学フィルムをガラス板から剥離して、上記評価(2)および(3)に供した。結果を表1に示す。
芳香族系樹脂(1)に代えて、表1に示す芳香族系樹脂(2)〜(7)を用いた以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを得、実施例1と同様の評価に供した。
芳香族系樹脂(1)に代えて、表1に示す芳香族系樹脂(c1)〜(c3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを得、実施例1と同様の評価に供した。
光学フィルムとして、市販のポリアリレートフィルム(ユニチカ社製 商品名「M−2070」)を準備した。該ポリアリレートフィルムを実施例1と同様の評価に供した。
11、11´ 光学フィルム
100 透明基板
Claims (14)
- 下記一般式(a1)で表される繰り返し単位および下記一般式(a2)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を有する芳香族系樹脂を含む、光学フィルム:
式(a1)および(a2)中、
Z11、Z12、Z21およびZ22はそれぞれ独立して、シクロアルカンまたは芳香族環を含む置換基であり、
R11、R12、R21およびR22はそれぞれ独立して、水素原子、シクロアルカン、芳香族環または炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、
R13〜R16およびR23〜R26はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、
A11、A12、A21およびA22はそれぞれ独立して上記一般式(1)〜(5)で表される連結基から選ばれる少なくとも1種であり、
X11は、パラ位またはメタ位で、該連結基A12と、該連結基A11またはA21とに連結する1個以上の芳香族環であり、
X21は、パラ位またはメタ位で、該連結基A22と、該連結基A21またはA11とに連結する1個以上の芳香族環である。 - 前記芳香族系樹脂が、下記一般式(b1)〜(b4)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位をさらに有する、請求項1に記載の光学フィルム:
式(b1)〜(b4)中、
R33〜R36、R43〜R46、R53〜R56およびR63〜R66、はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、
A31、A32、A41、A42、A51、A52、A61およびA62はそれぞれ独立して上記一般式(1)〜(5)で表される連結基から選ばれる少なくとも1種であり、
式(b1)中、
X31は、パラ位またはメタ位で、該連結基A32と、該連結基A31、前記式(a1)中のA11、前記式(a2)中のA21、該式(b2)中のA41、該式(b3)中のA51または該式(b4)中のA61とに連結する1個以上の芳香族環であり、
式(b2)中、
R47〜R50はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、
X41は、パラ位またはメタ位で、該連結基A42と、該連結基A41、前記式(a1)中のA11、前記式(a2)中のA21、該式(b1)中のA31、該式(b3)中のA51または該式(b4)中のA61とに連結する1個以上の芳香族環であり、
式(b3)中、
R57〜R59はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、
X51は、パラ位またはメタ位で、該連結基A52と、該連結基A51、前記式(a1)中のA11、前記式(a2)中のA21、該式(b1)中のA31、該式(b2)中のA41または該式(b4)中のA61とに連結する1個以上の芳香族環であり、
式(b4)中、
R67およびR68はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基である。
R69およびR70はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、ハロゲン原子、メチルエチニル基、フェニルエチニル基、エチルエチニル基またはアルコキシ基であり、
X61は、パラ位またはメタ位で、該連結基A62と、該連結基A61、前記式(a1)中のA11、前記式(a2)中のA21、該式(b1)中のA31、該式(b2)中のA41または該式(b3)中のA51とに連結する1個以上の芳香族環である。 - 面内位相差Reが、20nm以下である、請求項1または2記載の光学フィルム。
- 厚み方向の位相差Rthが、100nm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の光学フィルム。
- 全光線透過率が、85%以上である、請求項1から4のいずれかに記載の光学フィルム。
- 前記芳香族系樹脂のガラス転移温度が、200℃以上である、請求項1から5のいずれかに記載の光学フィルム。
- 前記芳香族系樹脂の重量平均分子量が、ポリスチレン換算で、40000〜200000である、請求項1から6のいずれかに記載の光学フィルム。
- 前記芳香族系樹脂が、トルエンおよび/またはキシレンを50%以上含有する溶媒に可溶である、請求項1から7のいずれかに記載の光学フィルム。
- 請求項1から8のいずれかに記載の光学フィルムと、厚さが100μm以下の無機ガラスとを備える、透明基板。
- 総厚が150μm以下である、請求項9に記載の透明基板。
- クラックを入れ屈曲させた際の破断直径が50mm以下である、請求項9または10に記載の透明基板。
- 請求項1から8のいずれかに記載の光学フィルムを用いて作製された、表示素子。
- 請求項1から8のいずれかに記載の光学フィルムを用いて作製された、太陽電池。
- 請求項1から8のいずれかに記載の光学フィルムを用いて作製された、照明素子。
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