JP6113012B2 - 磁気共鳴イメージング装置及び補正用b1マップを計算する方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置及び補正用b1マップを計算する方法 Download PDF

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Description

本発明は、磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という)においてRFパルスを送信するRFコイルの送信感度分布を求める技術に関する。
近年、SNRなどの利点から、3Tまたはそれ以上の主磁場(B0)を用いる超高磁場MRI装置が広く用いられる。核磁気共鳴信号(MR信号)を発生する原子核のラーモア周波数は磁場強度に比例するため、3Tを超える磁場強度では、RFパルスの周波数も高くなり、波長が人体のサイズと同程度にまで短くなる。このため定在波などが発生し、人体内でRF波の振幅(B1)にむらが生じる。MRI装置が照射するRF波の振幅の空間分布は送信感度分布とも呼ばれ、その均一性が問題となる。
送信感度分布が均一でない場合、照射範囲内でフリップ角(FA)が異なることになるため、1つの画像内でSNRの異なる部分が生じる。この画像内の信号むらをなくすために、送信感度分布を画像から求め、送信感度分布が均一になるようなRFシミングパラメータを設定したり、画像を補正したり技術が開発されている。
一方、MR画像では受信コイルの感度分布が画像に与える影響を補正する必要もあり、受信感度分布と送信感度分布を同時に補正する手法も提案されている(特許文献1、非特許文献1)。この技術では、受信感度分布が均一である全身用コイルで計測した画像と、実際の画像計測に用いる受信用コイルで計測した画像に加え、前二者の計測とは異なるFAで全身用コイルまたは受信用コイルを用いて計測した画像を用いて、受信感度分布とRF波の振幅分布(B1マップとも言う)を作成し、受信感度分布及び送信感度分布による信号むらを補正する。非特許文献1には、B1マップを用いて信号むらを補正する際に、補正対象である画像を計測したときのRFシミングパラメータを加味した信号強度式を用いることが記載されている。
特開2007−289344号公報
通常のMRIでは、被検体の複数の断面の画像を得るが、各断面について、同じRF印加条件で送信感度分布を計測する場合、全体としての計測時間が延長する。特に特許文献1等に記載されるように受信感度分布と送信感度分布による補正を同時に行うようにした技術では、実際の画像を計測する前に必要なデータ種が多くなり、さらに計測時間が延長する。また取得したB1マップから信号強度式を用いて補正係数を計算する場合には、組織のT1値及びT2値が必要であるが、画像内の各組織についてT1値、T2値を求めるためには、さらに数種類の計測を行う必要があり、さらなる計測時間の延長を伴う。
また送信コイルが複数の小型コイルからなるマルチチャンネルコイルの場合、各小型コイルのB1マップを合成したものを送信コイルのB1マップとするとき精度が低下するという問題もある。
そこで本発明は、少ない計測時間で、多数の断面の画像の補正に対応することができるB1マップを提供することを課題とする。また本発明は高精度な信号むらの補正を可能とするMRI装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、補正の対象である画像を取得する計測(以下、本計測という)のスライス数より少ない数のスライスについてB1マップを取得し、B1マップを3次元フィッティングし、3次元B1マップとする。また実部と虚部のそれぞれについてB1マップを取得し、この複素B1マップを3次元フィッティングする。
具体的には、本発明のMRI装置は、静磁場中に置かれた検査対象にRFパルスを照射する送信RFコイルと、前記検査対象からのエコー信号を受信する受信RFコイルと、前記受信RFコイルが受信したエコー信号を用いて前記検査対象に関する画像を作成する画像作成部とを備え、前記画像作成部は、前記送信RFコイルの送信感度分布を計算する送信感度分布計算部を備え、前記送信感度分布計算部は、前記検査対象の複数の断面からそれぞれ得たエコー信号を用いて2次元の複素送信感度分布を計算する2次元B1マップ計算部と、2次元の複素送信感度分布の実部及び虚部のそれぞれについて前記複数の断面を含むボリュームの3次元の複素送信感度分布を計算する3次元B1マップ計算部と、前記3次元B1マップ計算部が計算した実部及び虚部の3次元の複素送信感度分布から補正用B1マップを計算する補正用B1マップ計算部とを備える。
また本発明のMRI装置は、前記送信RFコイルは、複数の小型コイルで構成されるマルチチャンネルコイルであり、前記送信感度分布計算部は、前記複数の小型コイルのそれぞれについて計算した3次元の送信感度分布を、所定のRFシムパラメータを用いて合成する合成部を備える。
本発明の補正用B1マップを計算する方法は、検査対象の複数の断面からそれぞれ得たエコー信号を用いて補正用B1マップを計算する方法であって、前記エコー信号を用いて2次元の複素送信感度分布を計算し、前記2次元の複素送信感度分布の実部及び虚部のそれぞれについて前記複数の断面を含むボリュームの3次元の複素送信感度分布を計算し、実部の3次元の複素送信感度分布及び虚部の3次元の複素送信感度分布から補正用B1マップを計算することを特徴とする。
B1マップを得るための計測を、本計測より少ないスライス数の計測とするので計測時間の延長を防止できる。B1マップを複素B1マップとし、それぞれを3次元フィッティングした後、B1マップ(絶対値)を得るので、フィッティングの精度が高く、精度の高いB1マップを得ることができる。
本計測の計測条件(スライス数、スライス位置など)が変化しても、3次元B1マップの所望の位置を切り出せばよく、再計測が不要である。さらに本計測でRFシミングのパラメータ(振幅、位相)を変更した場合でも、変更後のRFシミングパラメータを用いて補正係数を計算することができるので、再度、B1計測やフィッティング等を行う必要がない。
本発明が適用されるMRI装置の全体構成図 画像作成部の機能ブロック図 本発明のMRI装置の実施形態の処理手順を示すフロー図 図3のステップS233の詳細を示すフロー図 (a)は、図4の外挿領域確保ステップS301を説明する図、(b)は図4のフィッティングステップS305、S306を説明する図である。 フィッティング結果を示す図で、(a)はRF送信コイルについて計測した各チャンネルのB1マップ(絶対値)を示す図、(b)はフィッティング後の各チャンネルのB1マップ(絶対値)を示す図、(c)はフィッティング後の各チャンネルの位相を示す図である。 図3のステップS235の詳細を示すフロー図 図3のステップS237の詳細を示すフロー図 実効FAと組織ごとの信号強度との関係を示す図、(a)及び(b)は2Dシーケンス及び3Dシーケンスにおける実効FAと信号強度の関係を示すグラフ、(c)は組織のT1値及びT2値と、典型的な実効FA範囲での信号強度の変化幅を示す表である。 第二実施形態の補正係数計算を説明する図 第三実施形態の処理手順を示すフロー図 第三実施形態の処理の概要を説明する図で、(a)はフィッティングとマスク領域の関係をグラフ、(b)は実測値によるフィティング結果の更新を示す図、(c)はフィルタリングの必要性を説明する図、(d)距離の概念を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明が適用されるMRI装置の全体概要を示す図である。
図1に示すMRI装置は、図示しない静磁場発生磁石を備えた静磁場発生部2と、静磁場発生磁石が発生する静磁場に磁場勾配を与える傾斜磁場発生部3と、静磁場発生部2が発生する静磁場空間内に置かれた被検体1にRFパルスを送信するRF送信部5と、被検体1から発生する磁気共鳴信号(エコー信号)を受信するRF受信部6と、傾斜磁場発生部3、RF送信部5及びRF受信部6の動作を制御するシーケンサ4と、RF受信部6が受信した磁気共鳴信号に対し所定の信号処理を行うとともに被検体1の画像を形成する信号処理部7と、上述した各部を制御する制御部8と、操作者が装置の動作に必要な指令やデータを入力するための入力部9と、を備えている。
静磁場発生部2が備える静磁場磁石は、永久磁石、常電導磁石、超電導磁石のいずれでもよく、磁石を被検体が置かれる空間(測定空間)に対し上下に配置したオープン型、円筒状の磁石ボア内に測定空間が設けられた円筒型のいずれでもよい。被検体1は通常ベッドに寝かせられた状態で測定空間に搬入される。
傾斜磁場発生部3は、互いに直交する3軸方向に磁場勾配を形成する3組の傾斜磁場コイル(Gx、Gy、Gz)31からなり、それぞれ、傾斜磁場電源32に接続され、シーケンサ4に設定された動作のタイミング(撮像シーケンス)に従い動作する。
RF送信部5は、所定の周波数の高周波を発生する高周波発信器11、高周波発信器11が発生する高周波信号をシーケンサ4からの指令に従い変調する変調器12、高周波増幅器13及びRF送信コイル14aからなる。RF受信部6は、RF受信コイル14b、増幅器15、RF受信コイル14bが受信した信号を直交検波し、二系統の信号にする直交位相検波器16及びAD変換器17からなる。
RF送信コイル14a及びRF受信コイル14bは、測定空間内の被検体1近傍に配置され、一つの高周波コイルが送信コイルと受信コイルを兼ねてもよいし、別個の高周波コイルを1乃至複数備えていてもよい。またRF送信コイル及びRF受信コイルは、一方又は両方が、複数の小型コイルからなるマルチチャンネルコイルであってもよい。この場合、RF送信部5は、マルチチャンネルを切り替えるスイッチング部(図示せず)を備える構成とすることができ、またRF受信部6は、RF受信コイルのチャンネル数と同じ数のRF受信部6を備える構成とすることができる。以下説明する本実施形態のMRI装置では、RF送信コイルが受信コイルを兼ねることができ、且つマルチチャンネルコイルであって、複数のRF受信部6を備えるものとする。
信号処理部7は、ディジタル化された受信信号に対し、補正計算、画像再構成などの信号処理や画像処理を行うもので、制御部8としても機能するCPUと、ROM21、RAM22などのメモリと、磁気ディスク18、光ディスク19などの外部メモリと、処理結果である画像やGUI等を表示するディスプレイ20とを備えている。CPUは、制御部8を兼ねている。信号処理部7が行う処理は、さらに、マルチチャンネルコイルであるRF送信コイル14aの送信感度分布の計算、送信感度分布を用いた再構成画像の補正などが含まれる。
制御部8は、入力部9から入力された指令に従い、シーケンサ4を介して、各部の動作を制御する。本実施形態のMRI装置では、被検体の画像を得るための計測(本計測)と、それとは別に、本計測で得られた画像を補正するための補正情報を得るための計測とを行う。補正情報を得るための計測は、RF送信コイルの送信感度分布を得る計測であり、B1マップ計測という。本計測やB1マップ計測を行うためのパルスシーケンスは、予めプログラムされたものが制御部8内のメモリに格納されており、これらパルスシーケンスを実際に動作させるために必要なパラメータは、入力部9から入力される。
信号処理部7の機能のうち画像作成部70の機能ブロック図を図2に示す。図示するように、画像作成部70は、画像再構成部71、受信感度分布計算部72、送信感度分布計算部73、画像補正部74、各部71〜74の計算に必要な関数、係数や計算結果などを記憶するメモリ部75を備えている。メモリ部75は、図1に示すROM、RAM、光ディスク、磁気ディスクなどのメモリにより実現できる。
送信感度分布計算部73は、2次元B1マップ計算部731、フィッティング部732、3次元B1マップ計算部733、補正係数計算部734などを備えている。
以上説明したMRI装置の概要を踏まえ、本実施形態のMRI装置の動作、主として画像作成部における処理の実施形態を説明する。
<第一実施形態>
本実施形態のMRI装置の動作フローを図3に示す。図3に示すように、動作は大きく分けて、被検体の画像(補正前)201を得るステップS210と、受信感度補正ステップS220と、送信感度補正ステップS230とからなる。ステップS210は、本計測を行うステップS211と、本計測で計測した受信RF信号を用いて画像再構成するステップS212とを含む。受信感度補正ステップS220は、感度画像を取得する計測を行うステップS221、ステップS221で計測した受信RF信号を用いて感度画像を得るステップS222、感度画像から受信感度補正係数202を計算するステップS223、受信感度補正係数202のサイズを補正前画像に合わせるステップS224、及び受信感度補正係数202を適用して受信感度補正を行うステップS225を含んでいる。
送信感度補正ステップS230は、RF送信コイルのチャンネル毎に2次元送信感度分布203を得るための計測を行うステップS231と、計測した信号を用いて複素2次元B1マップを計算するステップS232と、2次元B1マップからフィッティングにより3次元B1マップを計算するステップS233と、3次元B1マップ205から、補正前画像201と同じスライス位置の送信感度分布を切り出し各チャンネルのB1マップ合成し補正用B1マップを作成するステップS234と、補正用B1マップから送信感度補正係数203を計算するステップS235と、送信感度補正係数203のサイズを補正前画像に合わせるステップS236と、さらに送信感度補正係数203を用いて送信感度補正を行うステップS237とを含む。
図3では、受信感度補正ステップS220の最後のステップS225と送信感度補正ステップS230の最後のS237は、画像補正ステップとしてまとめて記載している。
ステップS220とステップS230は、どちらが先でもよく、また本計測ステップS210は、ステップS220の最後の補正ステップS224及びステップS230のステップS233の前に行われていればよい。
以下、各ステップの具体的な処理内容を説明する。
<本計測ステップS210>
本計測は、所定の撮像条件(撮像パラメータ、撮像断面、スライス数など)で計測の目的に応じた撮像シーケンスを実行することにより行う(S211)。本計測の撮像シーケンスにおけるRFシミングパラメータ(RFの振幅、位相)は後のステップS230の計算で使用するためにメモリに記憶される。撮像シーケンスの実行により得たエコー信号は、フーリエ変換等の演算により画像再構成され、補正前画像としてメモリに記憶される(S212)。
<受信感度補正ステップS220>
受信感度補正は、例えばMagmetic Resonance of Medicine 53(2005),p666などに記載された公知の手法を用いて行う。まず本計測で用いるRF受信用コイルと同じRF受信用コイルを用いて感度画像を計測する(S221)。感度画像の計測は、本計測と同じ断面について本計測よりも低空間分解能で行う。
次に計測した感度画像にローパスフィルタなどを適用し、組織の構造などを取り除いて受信感度分布のみを抽出し、受信感度マップとする(S222)。この受信感度マップに対し、およそ逆数を取るなど補正係数へ変換する処理を適用することで受信感度補正係数202が作成できる(S223)。
この補正係数202を補正前画像201と同じサイズまで補間拡大する(S224)。この処理は、マトリクスサイズが異なる感度画像と補正前画像201とのサイズを合わせる処理であり、感度画像の隣接する画素間を周囲の画像値で補間してサイズを拡大する。最後にステップS224で得たサイズ調整後の補正係数を補正前画像201に乗算する(S225)。この処理により、受信感度分布による信号むらが補正される。受信感度補正S220を送信感度補正S230の後に行う場合には、ステップS223で得た補正係数202をメモリに記憶し、その後のステップS230で送信感度分布補正を行う際に、メモリから読み出し、受信感度補正を合わせて行う。
<送信感度補正ステップS230>
<<ステップS231、S232>>
まずRF送信コイルの各チャンネルについて、B1マップ計測のためのパルスシーケンスを実行する(S231)。B1マップ計測は、公知の手法を用いることができる。例えば、任意のフリップ角のRFパルスを用いて撮像した画像と、その2倍のフリップ角のRFパルスとを用いて撮像した画像との演算によりB1を計測するDouble Angle法(DAM)、プリパルス印加直後に取得した画像と、プリパルスを印加せずに取得した画像の比をとることでB1分布を計算する手法、同じフリップ角のRFパルスで、TRの異なる一組のパルスシーケンスを用いて画像データを得、これら画像データの信号の比とTRの比を用いて、2次元B1分布を算出する手法(Actual Flip Angle 法:AFI)などを採用することができる。
B1マップ計測は、補正前画像に比べて少ないスライス数でよく、また計測位置も補正前画像と一致していなくてよい。
ステップS231の計測で得られる送信感度分布画像は、画像を構成する各画素における磁場強度(ベクトル)を表すものとなる。本実施形態では、この複素数である磁場強度を実部と虚部に分けてそれぞれについて2次元B1マップ(複素数B1マップ)を計算する(S232)。
<<3次元B1マップ計算S233>>
次に、各送信チャンネルの2次元B1マップに対し、多項式による3次元フィッティングを適用することで、各スライス間のデータを埋めるとともにB1マップを被検体の外側まで外挿して、3次元B1マップを作成する。3次元B1マップ計算S233の詳細を図4を参照して説明する。
[外挿領域確保S301]
本処理では、各送信チャンネルの複素B1マップを3次元に外挿するため、はじめに外挿領域としてX×Y×Z×2(実部・虚部)×[送信チャンネル数]のメモリ領域を確保する(S301)。このとき、X、Y、Zの各サイズは、複素B1マップのFOV、マトリクス数および外挿する体積から決定する。例えば、B1マップがXY面においてFOV:500mm、64×64マトリクス、外挿する体積を500×500×500mmと設定した場合、Z方向を1マトリクスあたり10mmと設定すれば、外挿領域は64×64×50×2マトリクスとなる。Z方向の1マトリクスは、補正精度を保つ点から、X/Y方向のマトリクスと同程度の分解能とするのが好ましい。なお外挿する体積は、装置の有効視野をカバーする必要がある。
[データ配置S302]
次に、各送信チャンネルの複素B1マップを外挿領域内の正しい位置に配置する(S302)。例えば、図5(a)に示すように、Z方向の外挿領域が50マトリクス、外挿する長さが−250〜250mm、複素B1マップのZ座標がZ=−250、−200、−150、・・・、200[mm]のとき、Z方向のメモリ位置k=0、5、10、・・・、45に複素B1マップを配置する。複素B1マップが配置されない外挿領域のメモリ位置が次のフィッティング処理によって外挿される。なお図5は、一つのチャンネルの実部又は虚部の一方のデータのみを示している。
[位相補正S303]
次に、フィッティング処理に先立ち、複素B1マップの位相補正を実施する(S303)。フィッティング処理の前にB1マップの位相補正処理を行うことにより、フィッティング精度をより高めることができる。
各送信チャンネル複素B1マップの位相を補正するため、はじめに基準位相分布を作成する。基準位相分布は、各送信チャンネル複素B1マップをQD合成した基準分布から求める。具体的には、式(1)、式(2)に示すように、各送信チャンネルのB1マップからチャンネルの配置に応じたオフセット位相(例えば0、−90、−180、 90[deg.])をそれぞれ減算した後、全チャンネルのデータを合成する。
Figure 0006113012
Figure 0006113012
式中、rは画像内の位置ベクトル、nは送信チャンネル番号(1≦n≦N、Nは送信チャンネル数)、OrgRealとOrgImagとはnチャンネル目の実部及び虚部のB1マップデータ、RealとOrgImagはnチャンネル目のオフセット位相減算後の実部と虚部のB1マップデータ、θnはnチャンネル目のオフセット位相、StandardRealとStandardImagとは全チャンネル合成後の基準分布(実部と虚部)をそれぞれ示す(以下、同じ)。なお、オフセット位相θnは、RFシムパラメータを用いても良い。
次に、この基準分布から式(3)により位相を求め、これを基準位相StandardPhaseとする。
Figure 0006113012
以上のように求めた基準位相を、式(4)に示すように、全チャンネルの複素B1マップから減算する。
Figure 0006113012
式中、RealCorrectedとImageCorrectedとは位相補正後の各送信チャンネル複素B1マップ(実部と虚部)をそれぞれ示す。
[マスク処理S304]
次に、フィッティングのためのマスクを作成する(S304)。フィッティングのためのマスクとは、被検体領域と、被検体以外の領域とを区別し、ノイズが多い被検体以外の領域はフィッティングに使用しないようにするものである。具体的には、信号値が所定の閾値以上の領域をマスク内領域とし、マスク内領域を用いてフィッティング処理を行い、その他の領域の値を外挿する。閾値は、例えば、前述した基準分布の絶対値から、最大値の例えば10%などとし、マスクを作成する。なお閾値は、判別分析法など別の方式で決めてもよい。
[3次元多項式フィッティングS305、S306]
最後に、送信チャンネルごとにマスク内の実部データのみ、虚部データのみでそれぞれ3次元多項式フィッティングする(S305、S306)。各送信チャンネルB1マップの実部および虚部をそれぞれ3次元フィッティングすることで、フィッティング精度を高めることができ、最終的な補正係数を高精度にできる。3次元フィッティングとは、実計測データがない領域(スライス)の各画素値を、その画素のX方向、Y方向及びZ方向に隣接或いは近接する画素の情報を用いて最適なフィッティング関数を設定する処理であり、一例として、式(5)に示すような二次関数を用いることができる。
Figure 0006113012
式中、a〜jは各項の係数を示す。
係数は最小二乗法などの公知の手法で最適化する。
なお、3次元各方向のフィッティング次数は、B1マップがZ方向(B0方向)には大きく分布しない特性を用いて、X方向およびY方向に比べて、Z方向の次数を小さく設定してもよい。またX方向、Y方向の次数についてもそれぞれ独立にしてもよい。
上述したような3次元多項式フィッティングを行うことにより、図5(b)に示すように、3次元のB1マップデータが得られる。この3次元B1マップは、実際のB1マップ間隔を反映したデータ配置をしているため、B1マップを取得していないスライス位置についても、精度良くB1マップが求められる。
[実データによる更新S307]
得られた3次元のB1マップデータのうち、マスク内の領域(所定の閾値よりも値が高い領域)については、フィッティング結果を用いるのではなく、実際の値を用いるようにメモリを上書きして更新する(S307)。
[S308]
上述したS304〜S307の処理を、すべてのチャンネルの実部及び虚部のB1マップについて行う(S308)。4チャンネルのRF送信コイルについて、上述したフィッティングを行った結果であるB1マップを図6に示す。図6の(a)は、ステップS231で計測した各チャンネルのB1マップ(絶対値)601であり、(b)及び(c)は、B1マップ601をチャンネルごとにフィッティングし、フィッティング後のマスク内の領域を実際の値で更新したB1マップの絶対値602及び位相値603である。図6(a)のB1マップから、送信チャンネルの配置による分布の変化があることがわかる。これをチャンネルごとにフィッティングした場合には、(b)、(c)に示されるように、分布が正しく再現でき、また実部と虚部のフィッティングを行っているため位相も正しく再現できた。
<<補正用B1マップ作成S234>>
図3に戻り、B1マップ作成ステップS234を説明する。まず、上記フィッティングステップで得た3次元のB1マップから、補正前画像201の計測位置に対応する2次元B1マップを切り出し、補正前画像201のFOVおよびスライス数に一致した、各送信チャンネルの複素B1マップを作成する。次に、この各送信チャンネルの複素B1マップをRFシミングパラメータで複素合成し、補正用B1マップを作成する。合成処理(S234)の詳細を、図7を参照して説明する。
[RFシムパラメータの設定S701]
ステップS231で計測したB1マップは、B1マップ計測の際のRFシムパラメータを前提とするものであり、本計測の画像201を補正するためには、本計測時のRFシムパラメータで計測されたものに変換する必要がある。そこでまず、B1マップ計測時(S231)に使用したパラメータと、本計測(S211)で使用したパラメータの振幅比Aおよび位相差Φを式(6)のように定義する(S701)。
Figure 0006113012
式中、Amp[n]、φ[n]は、それぞれ、B1マップ計測時に使用したnチャンネル目のRFシムパラメータ(絶対値、位相)、Amp[n]、φ[n]は、本計測で使用したnチャンネル目のRFシムパラメータ(絶対値、位相)をそれぞれ示す。
[合成S702〜S704]
次に、式(6)で定義した振幅比Aおよび位相差Φを各チャンネルB1マップ(3次元B1マップから切り出したもの)に乗算し、全チャンネルについて加算し、各チャンネルB1マップを合成する(S702〜S704)。
Figure 0006113012
式中、FOrgRealとFOrgImagとはnチャンネル目のB1マップデータ(実部と虚部、3次元B1マップから切り出したもの)、RealSyとImagSyとは合成後の補正用B1マップデータ(実部と虚部)をそれぞれ示す。
[絶対値化S705]
最後に、実部及び虚部のB1マップデータを、式(8)により絶対値化して補正用B1マップとする(S705)。
Figure 0006113012
式中、AbsSynは、補正用B1マップ(絶対値)を示す。
<<送信感度分布補正S235〜S236>>
チャンネル合成後の補正用B1マップ(絶対値)を用いて、本計測画像201を補正する(図3、S235〜S237)。このステップの詳細を、図8を参照して詳述する。
[実効FA分布計算S801]
はじめに、式(9)を用いて、補正用B1マップと設定FA値から実効FA分布を作成する(S801)。補正用B1マップは、上記ステップS234で式(8)により計算した「AbsSyn(r)」である。設定FA値とは、本計測においてシーケンサ4(図1)がRF送信部5に与えたRF送信コイル14aのフリップ角である。
Figure 0006113012
式中、FAは実効FA分布、B1Mapは補正用B1マップ(=式(8)のAbsSyn(r))、FAは設定FA値をそれぞれ示す。
[信号強度分布計算]
次に、式(9)で計算した実効FA分布と、本計測の撮像パルスシーケンスによって決まる信号強度式を用いて、信号強度分布を計算する(S802)。信号強度式は、例えば、GrE(グラディエントエコー)系シーケンスでは式(10)、SE(スピンエコー)系シーケンスでは式(11)を用いることができる。
Figure 0006113012
式中、FAは実効FA、TRは設定TR値、TEは設定TE値、T1は縦緩和時間、T2は横緩和時間である(以下、同じ)。
Figure 0006113012
式中、FAは実効FA(励起パルスのフリップ角)分布、RFAは再収束パルスの実効フリップ角分布をそれぞれ示す。
なお上述した信号強度式を使用する場合、断面毎にT1値やT2値は求める必要があるが、本実施形態では実効FAと各組織の信号強度変化の相似性を利用して、断面における代表的な組織のT1、T2を用いる。実効FAと各組織の信号強度変化の相似性について、図9を参照して説明する。図9の(a)、(b)は、それぞれ、典型的なTR、TEを用いた2D−GrE系シーケンス及び3D−GrE系シーケンスにおける、肝臓、脾臓、膵臓、傍脊柱筋、皮下脂肪の信号強度と実効FAとの関係を示す図である。
図中、3本の縦線のうち両側の縦線で囲まれる範囲(矢印で示す範囲)は、設定FA±20%の範囲を示し、実際の計測において実効FAになると予測される範囲(以下、実効FA範囲という)である。(a)、(b)のグラフから、この実効FA範囲における各組織の信号強度の変化幅(設定FA時の強度に対する変化の割合)を読み取ったものを、T1値及びT2値とともに(c)の表に示す。表に示すように、組織によってT1及びT2は異なるが、実効FA範囲における信号強度の変化幅はほぼ同一であることが分かる。このため、信号強度の変化(信号むら)を代表的な組織のT1値、T2値から推定し、全組織に適用しても大きな誤差にならないことがわかる。そこで本実施形態では、式(10)、式(11)のような信号強度式のT1値、T2値として、代表的なT1値およびT2値を用いることとする。代表的な組織は、頭部であれば白質、腹部であれば肝臓や筋肉、関節であれば筋肉などが挙げられる。これにより、信号強度式の計算精度が担保される上、各組織のT1値およびT2値を測定する必要が無くなるため、計測時間の短縮が可能になる。
信号強度分布の計算(S802)は、上述した信号強度式を用いて、式(12)より行うことができる。
Figure 0006113012
式中、SIは信号強度分布、FAは実効FA分布、Signalは信号強度式をそれぞれ示す。
[補正係数計算S803(S235)]
最後に、式(13)を用いて、信号強度分布SIの逆数を取り、送信感度補正係数とする(S803)。
Figure 0006113012
式中、Coefは送信補正係数を示す。
<<S236、S237>>
この補正係数Coefを補正前画像201と同じサイズまで補間拡大し(S236)、受信感度補正を適用した画像に乗算する(S237)。補正係数のサイズの拡大は、受信感度補正の補正係数のサイズの拡大と同じである。
以上の処理により受信感度分布による信号むら補正と、送信感度分布による信号むら補正を施した感度補正画像205が得られる。感度補正画像205は、式(14)に示すように、そのスライス位置における受信感度補正係数202と送信感度補正係数203を補正前画像201に乗算したものであり、受信感度分布補正220と送信感度分布補正230のいずれの処理を先に実施しても得られる感度補正画像は同一になることがわかる。
Figure 0006113012
式中、Corrected Iは感度補正画像、OrgIは補正前画像、RCoefは受信感度補正係数、TCoeは送信感度補正係数を示す。
本実施形態のMRI装置によれば、本計測の画像よりも少ないスライス数でB1マップ計測を行うことができるので、B1マップ計測のための時間を短縮することができる。また3次元のB1マップを得ているので、本計測のスライス枚数やスライス位置が変化しても、B1マップの再計測が不要である。さらに各チャンネルのB1マップを実部及び虚部に分けて3次元多項式フィッティングすることにより、高精度なB1マップを得ることができる。特にフィッティングに先立って位相補正を行うことにより、フィッティングの精度を向上することができる。
さらに本実施形態のMRI装置によれば、本計測でRFシミングパラメータを変更した場合でも、変更後のRFシミングパラメータを用いてB1マップの合成を実施すればよく、フィティング処理を再度実施する必要がない。
<第二実施形態>
本実施形態は、第一実施形態のMRI装置を基本として、さらに信号処理部の機能として、送信感度分布補正における補正係数に実効FAに基く条件を追加したことが特徴である。その他の構成及び処理手順は第一実施形態と同様であり、以下、異なる点を中心に説明する。
本実施形態においても、信号処理部(画像作成部70)の構成は図2に示す機能ブロック図と同様であり、また画像作成部の処理手順は図3に示すフローと同様である。ただし図3に示すステップS235(図8のステップS803)が異なる。以下、図3及び図8を援用して本実施形態の処理を詳述する。
ステップS235では、まず、チャンネル合成後の補正用B1マップ(絶対値)を用いて、本計測画像201を補正するために、補正用B1マップと設定FA値から実効FA分布を算出する(図8:S801)。次に実効FA分布と、本計測の撮像パルスシーケンスによって決まる信号強度式を用いて、信号強度分布を計算する(S802)。最後に式(13)により、信号強度分布の逆数を取り、送信感度補正係数とする(S803)。
この逆数化のステップS803において、実効FA分布が0に近づく場合、得られる結果は不正になると可能性が高い。実効FAが極めて小さくなる場合は、2つ考えられ、一つは補正用B1マップが極めて小さい場合、もう一つは設定FA自体が極めて小さい場合である。このうち設定FAが極めて小さい場合は、得られる画像のSNRが低くなることから、実際に使用されることは無いと考えてよい。一方、補正用B1マップが極めて小さい場合は、B1不均一が極めて大きい場合やB1マップ計測に誤差が含まれた場合など、実際に起こり得る。
一般にGrE系シーケンスでは、式(10)の信号強度式から、実効FAが極めて小さくなると信号強度は0に近づく。実効FAと信号強度の関係を示すグラフを図10に示す。図中、グラフ1001は信号強度式から計算した信号強度である。逆数化ステップS803において、この信号強度を用いて送信感度補正係数を計算した場合、信号強度分布の逆数である補正係数が発散し、不正な結果をもたらす。
そこで本実施形態では、信号強度が最大となる実効FAを境界値とし、実効FAが境界値以下になる位置では信号強度を境界値における信号強度に置き換えて補正係数を計算する。図10のグラフ1002は、実効FAが境界値以下となる位置で信号強度を境界値の信号強度に置き換えたものを示している。
この境界となるFAは、エルンスト角として知られるFAであり、式(15)で計算されるため、TRとT1値から一意に求まる。
Figure 0006113012
本実施形態のMRI装置では、送信感度分布補正において補正係数を計算する際に、エルンスト角以下の実効FAをエルンスト角として取り扱うことで、FAに対する信号強度の極性を右肩下がりにすることができ、実効FAに誤差が含まれた場合でも、補正係数に大きな誤差を招くことが無い。
<第三実施形態>
本実施形態は、第一実施形態のMRI装置を基本として、さらに画像作成部の機能として、フィッティング後の3次元B1マップに対するフィルタリング機能を追加したことが特徴である。その他の構成は第一実施形態と同様であり、以下、異なる点を中心に説明する。
本実施形態による画像作成部の処理フローを図11に示す。図4と同じ処理は同じ符号で示す。図4に示す第一実施形態の処理フローとの比較からわかるように、本実施形態でも、位相補正後の各チャンネルの2次元B1マップについて、マスク後にフィッティングし、フィッティング結果のマスク内更新を行う(S301〜S307)ことは第一実施形態と同じであるが、本実施形態ではマスク内更新の後に、マスク内領域とそれ以外の領域(外挿領域)との間に生じ得る不連続な段差をなくす処理(S901、S902)を行う。
胸部や腹部などで特にB1マップが高次の分布となったとき、上述した処理S307において、マスク内で更新した領域と外挿領域との間に境界ができ、不連続な分布となるおそれがある。この様子を図12に示す。図12(a)は、閾値以上の領域(マスク内領域)1201を対象にフィッティングし、それ以外の領域(外挿領域)1202を外挿した結果1211を示し、(b)はフィッティング結果1211のうちマスク内領域1201の実測データが存在する位置は実測データで置換した結果1212を示している。図12(b)中に点線で囲った部分は、一点鎖線で示すマスク内領域1201と外挿領域1202との境界を含むフィッティング結果1212の一部で、その部分だけを(c)に示している。(c)にはマスク内領域1201と外挿領域1202とに不連続が生じている様子が示されている。
本実施形態では、この不連続を解消し、精度の高い補正を実現するため、マスク内領域からの距離に応じたフィルタリングを適用する。まずB1マップ全体の画素にマスク領域からの距離を設定する(S901)。具体的には、図12(d)に示すように、マスク内領域にあるピクセルに距離1を設定し、次に距離1のピクセルに隣接するピクセルに距離2を設定する。距離を3、4・・・とインクリメントしながらこの操作を繰り返していくことで、外挿領域内のすべてのピクセルに距離が設定される。
次に設定された距離によって異なる半径の平滑化フィルタを用いてフィルタリング処理を行う(S902)。平滑化フィルタとしては、マスク内外の境界での不連続を抑制するため、ガウシアンフィルタなどを用いる。フィルタは3次元で作成し、X/Y/Z方向のフィルタ半径は独立に設定してもよい。このとき、ステップS901で計算したマスク内領域からの距離を利用して、距離に応じたフィルタ半径を用いる。例えば、マスク領域からの距離が小さく、不連続の影響を受ける位置ではフィルタ半径を大きくし、反対にマスク領域からの距離が大きく、不連続の影響をほとんど受けない位置ではフィルタ半径を小さくする。距離によりフィルタ半径制御を式(16)に示す。
Figure 0006113012
式中、Filter Radiusはフィルタ半径、Dは距離、Dは距離上限、aとbはフィルタ半径の最大値と最小値をそれぞれ示す。このような3次元フィルタを用いて不連続を抑制することができ、B1マップを実測していない位置においても、精度の高いB1マップを作成できる。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明のMRI装置において、各実施形態の特徴は適宜組み合わせることが可能であり、また必須ではない処理を適宜省くことも可能である。例えば、本発明において本計測画像の送信感度分布補正は、受信感度分布補正とともに行うことが好ましいが、送信感度分布補正のみを行う場合も本発明に含まれる。また上記実施形態では、RF送信コイルが複数の小型RF受信コイルからなるマルチチャンネルコイルである場合を説明したが、単一コイルからなるRF送信コイルについても本発明を適用することが可能である。
さらに上記実施形態では、送信感度分布計算部が計算した3次元B1マップを用いて本計測の画像を補正するための補正係数を求める場合を説明したが、RFシミングパラメータの最適な技術に応用することも可能である。
本発明によれば計測時間の延長を招くことなく、高精度の送信感度分布補正が可能である。特にまた本計測において撮像条件の変更やRFシミングパラメータの変更があった場合にも再度、送信感度分布補正のための計測を不要とすることができ、被検体と操作者双方への負担を大幅に低減できる。
2・・・静磁場発生部、3・・・傾斜磁場発生部、4・・・シーケンサ、5・・・RF送信部、6・・・RF受信部、7・・・信号処理部、8・・・CPU(制御部)、9・・・入力部、70・・・画像作成部、71・・・画像再構成部、72・・・受信感度分布計算部、73・・・送信感度分布計算部、74・・・画像補正部。

Claims (15)

  1. 静磁場中に置かれた検査対象にRFパルスを照射する送信RFコイルと、前記検査対象からのエコー信号を受信する受信RFコイルと、前記受信RFコイルが受信したエコー信号を用いて前記検査対象に関する画像を作成する画像作成部とを備え、
    前記画像作成部は、前記送信RFコイルの送信感度分布を計算する送信感度分布計算部を備え、前記送信感度分布計算部は、前記検査対象の複数の断面からそれぞれ得たエコー信号を用いて2次元の複素送信感度分布を計算する2次元B1マップ計算部と、2次元の複素送信感度分布の実部及び虚部のそれぞれについて前記複数の断面を含むボリュームの3次元の複素送信感度分布を計算する3次元B1マップ計算部と、前記3次元B1マップ計算部が計算した実部及び虚部の3次元の複素送信感度分布から補正用B1マップを計算する補正用B1マップ計算部とを備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記送信RFコイルは、複数の小型コイルで構成されるマルチチャンネルコイルであり、
    前記送信感度分布計算部は、前記複数の小型コイルのそれぞれについて計算した3次元の送信感度分布を、所定のRFシムパラメータを用いて合成する合成部を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項1または2に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記画像作成部は、作成した画像を、前記補正用B1マップ計算部が計算した補正用B1マップを用いて補正する画像補正部を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項3に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記送信感度分布計算部は、前記補正用B1マップ計算部が計算した補正用B1マップと、補正対象画像の計測で設定されたRF印加条件における信号強度式とを用いて送信感度補正係数を計算する補正係数計算部を備え、
    前記画像補正部は、前記補正係数計算部が計算した送信感度補正係数を用いて、前記画像を補正することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  5. 請求項4に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記補正係数計算部が用いる信号強度式は、前記検査対象のT1値及びT2値を含み、前記補正係数計算部は、前記検査対象の各組織の信号強度変化とRFシムパラメータとの相似性を利用して前記信号強度式を決定することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  6. 請求項4に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記補正係数計算部は、前記RF印加条件のRFフリップ角がエルンスト角より小さい条件では、RFフリップ角としてエルンスト角を用いて送信感度補正係数を計算することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  7. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記3次元B1マップ計算部は、前記2次元複素送信感度分布の実部及び虚部に対し、それぞれ3次元フィッティングを行うフィッティング部を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  8. 請求項7に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記3次元B1マップ計算部は、前記断面毎の2次元複素送信感度分布の位相を補正する位相補正部を備え、前記フィッティング部は、前記位相補正部により位相補正された後の2次元複素送信感度分布の実部及び虚部に対しフィッティングを行うことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  9. 請求項7または8に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記フィッティング部は、前記2次元複素送信感度分布のうち、フィッティング処理に用いない領域を除外し、除外されない領域をフィッティングして、除外された領域はフィッティング結果を外挿し、3次元の複素送信感度分布を得ることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  10. 請求項7ないし9いずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記フィッティング部は、フィッティング結果のうち、前記2次元複素送信感度分布に対応する位置の値は、当該2次元複素送信感度分布の値を代入して、3次元の複素送信感度分布とすることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  11. 請求項10に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記フィッティング部は、3次元の複素送信感度分布を平滑化する平滑部をさらに備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  12. 請求項3に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記画像作成部は、前記受信コイルの感度分布を計算する受信感度分布計算部をさらに備え、
    前記画像補正部は、前記3次元の送信感度分布と、前記受信感度分布計算部が計算した受信感度分布とを用いて前記画像を補正することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  13. 検査対象の複数の断面からそれぞれ得たエコー信号を用いて補正用B1マップを計算する方法であって、
    前記エコー信号を用いて2次元の複素送信感度分布を計算し、
    前記2次元の複素送信感度分布の実部及び虚部のそれぞれについて前記複数の断面を含むボリュームの3次元の複素送信感度分布を計算し、
    実部の3次元の複素送信感度分布及び虚部の3次元の複素送信感度分布から補正用B1マップを計算することを特徴とする方法。
  14. 請求項13に記載の方法であって、
    前記送信RFコイルは、複数の小型コイルで構成されるマルチチャンネルコイルであり、
    前記複数の小型コイルのそれぞれについて、前記3次元の複素送信感度分布を計算し、各小型コイルの3次元の複素送信感度分布をRFシムパラメータを用いて合成し、合成後の3次元の複素送信感度分布から補正用B1マップを計算することを特徴とする方法。
  15. 請求項13又は14に記載の方法であって、
    さらに、前記補正用B1マップと、補正対象画像の計測で設定されたRF印加条件における信号強度式とを用いて送信感度補正係数を計算することを特徴とする方法。

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