JP4901627B2 - 磁気共鳴撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明は、核磁気共鳴を用いた検査装置(MRI:Magnetic Resonance Imaging)において移動式のテーブルを使用して、装置内に限定される撮影可能領域より大きな視野を撮像する新規な撮像技術に関し、特に、当該撮像技術における画像再構成方法に関する。
MRI装置は、静磁場空間内に置かれた検査対象の組織内に含まれる水素原子核に核磁気共鳴を起こさせ、発生する核磁気共鳴信号から検査対象の断層像を得る医用画像診断装置である。MRI装置において信号を取得可能な領域は静磁場空間に限られるため、従来、比較的狭い領域しか撮影することができなかったが、近年ではテーブル移動による全身撮影が可能となりMRIを用いた全身スクリーニングという新しい展開が始まりつつある。
全身撮影には大きく分けてマルチステーション撮影法とムービングテーブル撮影法(特許文献1)の二種類がある。どちらも、1回の信号取得時の限られた視野(sub FOVと呼ぶ)で、より広い領域(total FOVと呼ぶ)を撮影する手法である。マルチステーション撮影法とは全身をsub FOVにわけて撮影を行い、それらの画像をつなぎ合わせて全身画像を作る撮影法である。
一方、ムービングテーブル撮影法はテーブルを移動させながら信号を取得する撮影法であり、リードアウト方向をテーブルの移動方向にしなくてはならないが、継ぎ目のない画像が短い時間で取得できるという長所がある。
上述したようにムービングテーブル撮影法では、継ぎ目のない画像を短時間で得ることができるが、リードアウト方向がテーブル移動方向でなくてはならないという制限から、sub FOVが移動方向に狭くなった場合には撮影時間が増大するという問題がある。
すなわちテーブル移動方向にsub FOVが狭くなった場合、同じ解像度の画像を得るには周波数エンコード方向(リードアウト方向)のサンプル数を減らすことになり、位相エンコード数は変化しない。一般に撮影時間は位相エンコード数にほぼ比例し、周波数エンコード方向のサンプル数から受ける影響は少ない。よって、テーブル移動方向にsub FOVが狭い場合も広い場合も1つのsub FOVのためのデータ取得には同じ時間がかかり、テーブル移動方向にsub FOVが狭い場合は拡大された視野の撮影時間が長くなる。
この問題を解決するため、本出願人は、テーブル移動方向に傾斜磁場によるエンコード(以下、スライディング位相エンコードという)を付与して信号を取得するとともに、装置特性データを用いて本撮影で計測した核磁気共鳴信号から検査対象の磁化分布を求める新たな撮影手法を開発し、提案してきた(特許文献2)。またこの撮影手法をさらに改良し、磁化分布を近似により求めるにあたり、実部虚部独立に算出することにより、より正確な磁化分布を近似できる手法を提案している。
特開2003−135429号公報 WO2006/117922号公報
これら新規な撮影手法によれば、視野サイズに応じてスライディング位相エンコード数を変化させることができるため、sub FOVのサイズが縮小しても撮影時間が増加しないという利点がある。一方、画像再構成はフーリエ変換の関係を利用していないため,高速フーリエ変換による高速な再構成ができなくなるという課題を生じた。
そこで、本発明は、上記新規な撮像手法において、画像再構成時間を短縮し、高速で画像を得ることが可能なMRI装置を提供することを目的とする。また本発明は、ムービングテーブル撮影法において撮影中に逐次得られた画像を表示、更新することができるMRI装置を提供することを目的とする。
本発明のMRI装置は、特許文献2に開示された新規な撮影手法を基本とし、さらに再構成にあたり、全磁化分布を同時に求めるのではなく、小領域に分割し、小領域ごとに求める手段を備えることで求解の規模を減らし、高速に再構成を行うことを可能にしたものである。
すなわち本発明のMRI装置は、静磁場が発生された撮影空間に置かれた検査対象に印加する高周波磁場を発生する高周波磁場発生手段と、前記検査対象に印加する傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、前記検査対象を搭載する移動可能な移動手段と、前記検査対象から発生する核磁気共鳴信号を受信する受信手段と、前記移動手段の移動中に前記核磁気共鳴信号を複数回受信し、前記移動手段の移動方向の傾斜磁場の印加量を受信ごとに変えるように前記傾斜磁場発生手段および前記受信手段を制御する制御手段と、前記移動手段の移動方向の広い範囲の装置特性データを記憶する記憶手段と、受信された前記核磁気共鳴信号から構成される取得データと前記装置特性データに基づいて、前記検査対象の画像を再構成する画像再構成手段と、再構成された前記画像を表示する表示手段とを有する磁気共鳴撮影装置であって、前記画像再構成手段は、前記取得データから複数の小領域を選択するデータ選択手段と、選択された小領域取得データと、当該小領域取得データを取得した前記移動手段の位置における装置特性データとを用いて、前記検査対象の小領域の磁化分布を算出する算出手段と、算出された複数の小領域の磁化分布を合成する合成手段とを備える。
なお、取得データと磁化分布の関係式には、傾斜磁場非線形、静磁場不均一、照射コイル励起分布、受信コイル感度分布などの装置特性データが用いられる。これら装置特性データは、予め計測によって求めておいたものでもよいし、この装置特性を求めるための核磁気共鳴信号の計測(以下、装置特性計測という)を行い、計測した核磁気共鳴信号から算出してもよい。装置特性データの計測は、検査対象の磁化分布を求めるための核磁気共鳴信号の計測(以下、本撮影という)とは別個に行ってもよいし、本撮影と同時に行ってもよい。前者の場合、例えば、装置特性計測はマルチステーション撮影法により行う。即ち、移動手段を複数のステーション間で移動し、装置特性計測を移動手段の各ステーションで実行する。また後者の場合、本撮影で計測した核磁気共鳴信号の一部を、装置特性データを求めるための信号として兼用することができる。兼用する一部の核磁気共鳴信号は、低周波領域データであることが好ましい。
本発明のMRI装置は垂直磁場型、水平磁場型のいずれにも適用できる。またスライディング位相エンコードは周波数エンコードや位相エンコードと独立に行えるため、2D、3D、マルチスライスのいずれの撮影にも適用可能である。
本発明によれば、テーブル移動方向にスライディング位相エンコードを行う撮影手法において、画像再構成の時間を大幅に短縮することができる。また計測途中の取得データについても画像再構成が可能になるため、逐次再構成された画像を表示し、更新することができる。これによりムービングテーブル撮影法において撮影と画像表示のリアルタイム性を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
まず、本発明が適用されるMRI装置の構成について説明する。図1(a)、(b)はそれぞれ水平磁場型のMRI装置及び垂直磁場型のMRI装置の概観図であり、本発明のMRI装置はいずれの型のMRI装置にも適用できる。水平磁場型のMRI装置では、水平方向の静磁場を発生するソレノイド型等の静磁場磁石101が採用され、被検体103はテーブル301に寝かせられた状態で磁石のボア内に搬入され、撮影が行なわれる。また垂直磁場型のMRI装置は、被検体103が置かれる空間の上下に一対の静磁場磁石101が配置され、被検体103はテーブル301に寝かせられた状態で静磁場空間内に搬入される。なお図中矢印r'はテーブルの移動方向を示し、(a)に示す水平磁場型のMRI装置では、静磁場方向(z方向)がr'方向と一致し、(b)に示す垂直磁場型のMRI装置では、テーブルの移動方向は静磁場方向(x方向)と直交する方向である。
図2はMRI装置の概略構成を示すブロック図であり、図1と同じ構成要素は同じ符号で示している。図示するように、静磁場磁石101が発生する静磁場空間(撮影空間)内には、静磁場の均一度を高めるためのシムコイル112と、静磁場に勾配を与える傾斜磁場コイル102と、検査対象(ヒト)の組織を構成する原子の原子核(通常プロトン)を励起する高周波磁場を発生するための照射用コイル107と、検査対象から発生する核磁気共鳴信号を検出するための受信コイル114となどが配置されている。なお受信コイル114は、装置(静磁場磁石101側)に固定されている場合と被検体103に固定されている場合があり、本発明はいずれの場合にも適用できる。
被検体103を寝かせるテーブル301は、テーブル制御装置302で制御され、被検体103を撮影空間内に搬入するとともに空間内で移動させる。テーブル制御装置302は、テーブルの速度、位置の制御およびモニターが可能である。
上述したシムコイル112、傾斜磁場コイル102、照射用コイル107、受信コイル114は、それぞれシム電源113、傾斜磁場電源105、高周波磁場発生器106、受信器108に接続されており、シーケンサ104により動作が制御される。シーケンサ104は、予めプログラムされたタイミング、強度(パルスシーケンス)でこれら装置が動作するように制御を行うとともに、テーブル制御装置の駆動に合わせてパルスシーケンスを起動するなどの制御を行なう。またMRI装置は、信号処理系として、計算機109、マウスやキーボード及びディスプレイを備えた入出力装置110、記憶媒体111などを備えている。
このような構成において、高周波磁場発生器106が発生した高周波磁場は、照射用コイル107を通じて検査対象103に印加される。検査対象103から発生した核磁気共鳴信号は受信コイル114によって受波され、受信器108で検波が行われる。検波の基準とする核磁気共鳴周波数は、シーケンサ104によりセットされる。検波された信号は計算機109に送られ、ここで画像再構成などの信号処理が行われる。本発明においては、特に通常の補正計算、フーリエ変換などの演算に加え、後述するムービングテーブル撮影独自の画像再構成演算を行う。計算機109の処理結果は、ディスプレイ110に表示されるとともに記憶媒体111に記録される。記憶媒体111には、必要に応じて、検波された信号や測定条件を記憶させることもできる。
<第1の実施の形態>
次に本発明の第1の実施の形態について説明する。まず前提として本発明のムービングテーブル撮影法の基本を図3および図4を参照して説明する。図3は、1回の信号取得時の視野(sub FOV)と撮影目的とする広視野(ここでは被検体の全身total FOV)との関係を示す図、図4は撮影及び画像再構成処理の手順を示す図である。
ムービングテーブル撮影では、図3に示すように、テーブル301(検査対象103)を矢印303の方向に移動させながら、撮影を行なう。受信コイル114は図3に示されるような装置内に固定された受信コイルを用いる。1回の信号取得時の視野(sub FOV)304は任意に設定できるが、最適には十分大きな信号を受信できる領域と同じ程度の大きさに設定する。1回の信号取得時の視野は限られた大きさだが、テーブル301を移動させながら撮影することによって全身などの拡大された視野(total FOV)305を撮影する。撮影は2D、3Dどちらも可能であり、スライディング位相エンコード方向をテーブル移動方向(r'方向)に設定する。例えば2Dでは、断面は、コロナル面、サジタル面のいずれでもよく、テーブル移動方向の軸を面内に含む断面であれば限定されない。リードアウト方向はテーブル移動方向と直交する方向に選択される。以下の実施例においては2Dで説明するが、スライディング位相エンコード以外のエンコードを一つ増やせば3Dのケースとなる。
撮影は、図4(a)に示すように、装置特性データ604を取得するステップ601(装置特性計測)と、検査対象のデータ605を取得するステップ602(本撮影)と、装置特性データと検査対象データを用いて検査対象の再構成画像606を計算するステップ603とからなる。
まず装置特性計測について説明する。
装置特性データは傾斜磁場非線形、静磁場不均一、照射用コイルの励起分布、受信コイルの感度分布などからなる。このうち傾斜磁場非線形は被検体にほとんど依存しないため、毎回の撮影で取得する必要は無く、ファントムを用いた撮影など他の計測で測定したデータをあらかじめ記憶媒体に保存しておく。
したがって装置特性計測ステップ601では、静磁場不均一による信号強度の分布、照射用コイル107の励起分布及び受信コイル114の感度分布などからなる信号強度と位相に関する装置特性データを求めるための撮影を行なう。
装置特性計測ステップ601の詳細を図4(b)に示す。図示するように、この撮影は、テーブルをステーション間で移動し、各ステーションでRF送受信を行うステップを繰り返すマルチステーション撮影で行い、各ステーションの画像データを得る(ステップ631)。この場合の撮影は、公知の2D撮影法或いは3D撮影法を採用することができる。装置特性データは一般的には滑らかに変化するので、低解像度の撮影で十分であり、撮影時間は短くできる。
装置特性データは、各ステーションで得られた画像をtotal FOVの均一画像で割ることにより求めることができる。均一画像とはコイル感度などが均一だとした場合に得られる画像のことであり、total FOVの均一画像は、例えば、各ステーションの画像を合成することにより作成することができる(ステップ632、633)。
装置特性データのための撮影において、装置特性データ取得用のsub FOVは、図5に示すように、本撮影における信号取得可能な範囲全体をカバーするように十分大きく設定する。また、ステーション間である程度sub FOVを重ねるようにする。これにより均一画像の合成、装置特性データの補間をしやすくする。正確な装置特性データを得るためには、各ステーション画像の均一とみなせる領域のみでtotal FOVをカバーできるようにsub FOVを重ねることが好ましい。また正確さより撮影時間の短縮を優先させる場合は、より重なりを少なくする。より均一なtotal FOV画像を作成するために、ボディコイルなど別のコイルを使用した撮影を追加しても良い。
各ステーションの撮影により画像データが得られたならば、各ステーションで得られた画像からtotal FOVの均一画像を合成する。次いで、各ステーションで得られた画像をこのtotal FOVの均一画像でわり、各ステーションにおける被検体とコイルの位置関係での、静磁場不均一による信号強度の分布、照射用コイルの励起分布、受信コイルの感度分布をあわせた装置特性データを得る。なお、この計算において、必要に応じて、得られた画像にローパスフィルタをかけたり、被写体の無い領域をマスクして計算を行う。これによりノイズに対して安定に装置特性データを取得することができる。
こうして取得される装置特性データはステーション毎のデータであるが、画像再構成においては、本撮影において連続的に変化する被検体の各位置における装置特性データが必要となる。画像再構成に際し、最も近傍のステーションでの装置特性データを使うこととしてもよいが、好適には、各ステーション間の装置特性データを補間することにより作成する。
次に本撮影(検査対象のデータの取得)を、図4(c)を参照して説明する。本撮影(ステップ602)では、まずテーブルの移動を開始する(ステップ607)。次に、RFの送受信を行う(ステップ608)。RFの送受信はtotal FOVをカバーするだけテーブルを移動するまで繰り返す(ステップ609)。total FOVをカバーするだけテーブルを移動したらデータの取得を終了する(ステップ610)。
total FOVをカバーするためのテーブル移動範囲は、図3に示す全身撮影の場合、破線で描かれた被検体およびテーブルの位置から実線で描かれた検査対象103およびテーブルの位置301までがtotal FOVをカバーするための移動範囲である。通常は、テーブルの移動速度が一定となってからデータ取得を開始できるように、助走区間として移動範囲より前からテーブルを移動し、total FOVの一端が信号取得領域の中心になる位置でデータ取得を開始し、total FOVの他端が信号取得領域の中心の位置となった時点でデータ取得を終了する。テーブル位置は、テーブル制御装置302が検出し、その情報をシーケンサに送る。
ステップ608の撮影で採用されるパルスシーケンスの一例を図6に示す。なお図6中、RFは励起高周波パルス、Gsはスライス選択傾斜磁場、Gpはスライディング位相エンコード傾斜磁場、Grはリードアウト傾斜磁場を示す。このパルスシーケンスは、外見上は一般的な2Dグラディエントエコー系パルスシーケンスと同様であるが、Gp軸がテーブルの移動方向と一致し、テーブル移動方向における取得位置が異なる取得データ毎に印加量(強度や印加時間)を変えて傾斜磁場が印加される点で異なる。本発明では、このようなGp軸の傾斜磁場をスライディング位相エンコード傾斜磁場と呼ぶ。
撮影では、まず検査対象にディフェーズ用スライス傾斜磁場203を印加し、あとのスライス傾斜磁場202で印加する傾斜磁場とバランスがとれるように備える。次にスライス傾斜磁場202と同時に励起高周波パルス201を印加し、所望のスライスのみを励起する。これにより、特定のスライスのみが磁気共鳴信号208を発生するようになる。また、すぐにリフェーズ用スライス傾斜磁場204を印加し、スライス傾斜磁場202によりディフェーズされた分を元に戻す。次に、スライディング位相エンコード傾斜磁場205を印加する。同時にディフェーズ用読み取り傾斜磁場206を印加し、あとの読み取り傾斜磁場207で印加する傾斜磁場とバランスがとれるように備える。次に読み取り傾斜磁場207を印加し、ディフェーズ用読み取り傾斜磁場206で一度減衰した磁気共鳴信号208が再び大きくなった時点で信号を計測する。最後に、リフェーズ用スライディング位相エンコード傾斜磁場209とリフェーズ用読み取り傾斜磁場210を印加し、磁気共鳴信号208の取得時のエンコードを元に戻し、次の励起高周波パルス211に備える。
励起高周波パルス201から時間TR後に励起高周波パルス211で励起を行い、上述したのと同様に傾斜磁場の印加と信号の計測を繰り返す。但し、この繰返しの際にはスライディング位相エンコード傾斜磁場205、リフェーズ用スライディング位相エンコード傾斜磁場209をそれぞれ変化させ、スライディング位相エンコード方向の位置情報を付与する。
各信号受信時のスライディング位相エンコードのエンコード量k(n)およびそのときのテーブル位置rtable(n)は、後述する画像再構成の演算に用いられる。エンコード量k(n)は、例えば図7のようにテーブル位置がsub FOVだけ変化する間にスライディング位相エンコード量が-πからπまで変化するように設定することができる。ただしスライディング位相エンコードの変化のさせかたは必ずしも図7のようにリニアに変化させる必要はなく、通常の位相エンコードと同様に、自由な順番で変化させられる。またテーブルの移動速度は等速でも可変でも良い。テーブル制御装置により、n番目の信号取得時のテーブル位置rtable(n)は把握できる。
このようにスライディング位相エンコードを付与することにより、信号S(n,ky)が得られる。S(n,ky)はn番目に受信した磁気共鳴信号のk空間上の点kyにおける信号値である。ここで,kyはy方向(読み取り方向)に対応するk空間上の座標を表す。信号S(n,ky)は、図8(a)に示すように計測データとして画像再構成のために計測メモリ401に格納される。なお図8は、計測データに加えられる演算と、その結果を格納するメモリを模式的に示す図である。
再構成画像の計算(図4:ステップ603)では、このような検査対象の計測データ605とステップ601で得られた装置特性データ604を用いて画像再構成演算を行う。画像再構成演算は、受信された信号と磁化分布の関係式に基づき、近似により磁化分布を実部虚部独立に求めることにより、検査対象の磁気モーメント分布を決定する。
以下、計算機119(画像再構成手段)が行なう画像再構成演算の詳細を説明する。本発明は、上述したムービングテーブル撮影において、画像データを一括して計算するのではなく、画像データの領域を小領域に分割し、分割された小領域毎に上記画像再構成演算を行なうことが特徴である。
図9に、第1の実施の形態による画像再構成の手順を示す。図9(a)に示すように、まず、図8(a)の計測メモリ401に格納された信号S(n,ky)(計測データ)をリードアウト方向に逆フーリエ変換する(ステップ1001)。逆フーリエ変換後のデータを、以下、SPEデータと呼ぶ。SPEデータは、図8(b)に示すように計測メモリ402に格納される。次に画像データを分けて画像再構成するために小領域に分割するとともに、それに対応するSPEデータの領域を決定する(ステップ1002)。SPEデータと画像データの小領域を決定する手法については後述するが、デフォルトとしてSPEデータおよび画像データの各々の小領域のサイズを設定しておいてもよいし、ユーザーが設定した画像データの小領域のサイズをもとにそれに対応して処理すべき計測データの領域を設定するようにしてもよい。或いは全計測データの大きさや演算時間を考慮して、最適な小領域のサイズを自動的に設定することも可能である。
小領域が決定したならば、小領域毎に画像再構成演算を行い(ステップ1003)、全ての画像データを再構成する。最後に、ステップ1003で得られた各小領域の画像データを合成し、広い範囲の画像データを得る(ステップ1004)。得られた画像データは、図8(c)に示すように画像メモリ403に格納される。
各小領域の画像再構成演算は、画像データを仮定したときに計算される核磁気共鳴信号と取得データの差のノルムが最小になるように画像データを決定しても良いし,図9(b)に示すように、実部用演算と虚部用演算とに分けて行い、最後に実部と虚部を合成し、小領域に対応する領域の画像データを得ても良い。ここで、ノルムとは大きさを表すことができるものであり、以下のような定義である。
Figure 0004901627
計測または計算した磁気共鳴信号を順番に並べたものを磁気共鳴信号のベクトルとすれば差のノルムを考えることができる。ノルムにはさまざまなものがあるが、例えば2乗和が適用できる。また、差のノルムが最小になるときの画像データの決定には最急降下法などの手法が適用できる。
以下、画像再構成演算について説明する。
計測された信号S(n,ky)は、上述した装置特性データ(RFコイルの励起分布、受信コイルの感度分布、テーブル移動方向の傾斜磁場および静磁場不均一のデータd(r'))と、信号受信時におけるスライディング位相エンコードのエンコード量k(n)と、テーブルの位置情報を用いて次式(1)で表すことができる。
Figure 0004901627
また信号S(n,ky)をリードアウト方向(y方向)に逆フーリエ変換したSPEデータは次式(2)で表すことができる。
Figure 0004901627
これら式(1)、(2)において、iは虚数単位、rは被検体に固定した座標系でのテーブルの移動方向の位置、r'は装置全体に固定した静止座標系でのテーブル移動方向の位置で、r'=r−rtable(n)である。なお、rtable(n)はn番目の磁気共鳴信号取得時におけるテーブルの移動量である。
またk(n)はn番目の磁気共鳴信号が受けたスライディング位相エンコード傾斜磁場G(n)による位相回転に対応し、次式(3)で定義される。テーブル移動量rtable(n)との関係をグラフに表すと図7に示すようになる。
Figure 0004901627
式中、γは磁気回転比である。
テーブル移動方向の傾斜磁場の非線形が存在し、G(n)の大きさの傾斜磁場がG(n)(1+d(r'))とずれる場合、実際の傾斜磁場による位相回転は、
Figure 0004901627
となる。式(1)、(2)のk(n)(1+d(r'))の項はテーブル移動方向の傾斜磁場非線形を考慮した項である。
関数wn(r')はn番目の信号取得時における被検体とコイルの位置関係において、位置r'における大きさ1、位相0の磁化から得られる信号の大きさと位相を表す関数であり、静磁場の分布、RFコイルの励起分布、および受信コイルの感度分布により決まる。これらはステップ601で装置特性データを計測することにより得られる。信号取得領域(sub FOV、テーブル移動方向の長さはFOVsub)内で静磁場の分布、RFコイルの励起分布、受信コイルの感度分布が一様で、sub FOV外で受信コイルが感度を持たない場合、wn(r')は図10に示すような階段状の関数となる。
またmn(r,y)は、n番目のエコー取得時における被検体の位置(r,y)における磁化であり、Mn(r,ky)はmn(r,y)をyに関してフーリエ変換したものに相当する。傾斜磁場非線形や静磁場不均一がないならば、mn(r,y)はこの画像再構成演算において求めるべき磁化すなわち求めようとする検査対象の画像であるが、実際には、図11(a)に示すように、y座標は、傾斜磁場非線形や静磁場不均一により歪んでいる。そこで、(r',y)座標と、図11(b)に示す直交座標(r',y')との対応をy'=Y'(r',y)と定義し、直交座標系での位置(r,y')における磁化m'(r,y')を求める。式(2)中、δはDiracのデルタ関数であり,m'(r,Y'(r',y))をm'(r,y')で表現するために用いている。
上述したように信号s(n,y)(SPEデータ)、r’、k(n)、(1+d(r’))、wn(r’)は計測データ、テーブル位置情報および装置特性データから求めることができるので、未知数はm'(r,y')のみとなり、式(2)を解くことができる。ただし、単純に方程式を解いた場合は解が不安定になるため、磁化分布を仮定したときに計算される核磁気共鳴信号と取得データの差のノルムが最小になるように磁化分布を決定するか,近似により磁化分布を実部虚部独立に求めることにより安定な画像再構成を可能とする。
計算される核磁気共鳴信号と取得データの差のノルムが最小になるように磁化分布を決定する手法は例えば一般に知られた最急降下法で行うことができる。
以下,近似により磁化分布を求める手法を説明する。1画素内での磁化分布の変化は無視することができるので、式(2)は次式のように離散化される。
Figure 0004901627
ここで、Jはr方向の画素数,Lはy'方向の画素数,r'jは、r'j=r−rtable(n)で表される。また、Δrjは各jにおけるr方向の画素の大きさ、Δy'はy'方向の画素の大きさである。Dは式(2)でのデルタ関数に対応し,m(rj,y'l)をmn(rj,y)の補間で表すための関数である。ここでは線形補間を行うことにして、図12で表されるような三角波状の関数を用いる。
離散化された上式は行列で表すことができ、
Figure 0004901627
となる。ここで、vsy,vmyは次式で表されるベクトルである。
Figure 0004901627
Figure 0004901627
ここで、Nは信号の数である。
また、行列Aは各要素A(N×(l-1)+n, J×(l-1)+j)が
Figure 0004901627
で表される行列である。
式(6)からvm(求める磁化分布)を算出することができる。本実施の形態では、全計測データvsを一括して処理するのではなく、図13に示すように、vm、vsをP個の小さな領域vmp,vspに分け,行列Aからvmp、vsp対応する要素を抜き出した行列Apを用いて、次式(10)のように小規模なP個の式にすることにより高速に計算を行う。小領域のサイズは任意である。また小領域vspは重複していても良い。
Figure 0004901627
さらに、実部虚部を考慮して式(10)を展開すると、
Figure 0004901627
となり、これを実部虚部ごとに分けると
Figure 0004901627
となる。この二つの式を一つにまとめるために、ベクトルvs'pと行列Apr、Apiを以下のように定義する。
Figure 0004901627
Figure 0004901627
Figure 0004901627
この定義により式(12)は
Figure 0004901627
となる。
式(14)、式(15)で定義される行列の要素の値は、装置特性データから得られるので、その逆行列を求める(図9(b):ステップ701、702)。Apr,Apiの逆行列(703、704)と小領域のSPEデータとにより、磁化分布の実部、虚部(707、708)を求める(ステップ705、706)。即ち、式(12)は、Apr,Apiの逆行列を用いると、
Figure 0004901627
となる。SPEにおけるApr,Apiは1次独立性が高く、Apr-1Api,Api-1Aprの項を無視でき、
Figure 0004901627
となる。この式で磁化分布を求めることができる。
こうして求めたm'(r,y')は、図8(c)に示すように画像メモリ403に格納される。
次に小領域の分割方法について図13〜図16を参照して説明する。図13は、小領域を示す図、図14は分割方法の手順を示すフロー、図15および図16は処理を説明する図である。
まず、一度に計算する磁化分布の小領域(図13及び式(18)のvmpに対応する領域1302)を決定する(ステップ1401)。既に述べたように、この領域1302は、デフォルトとして予め設定されていてもよいし、ユーザーが任意に設定してもよい。図13に示す例では、典型的な例として、SPE方向にはsubFOVの長さで、リードアウト方向には1点のみの小領域としている。
次に、vmpの計算に使用するSPEデータの領域(図13の領域1301)を決定する(ステップ1402、1403)。使用するSPEデータ(s)の領域1301が、計算する磁化分布(m')の領域1302に対して小さすぎると正しく磁化分布を求めることができなくなる。従って、SPEデータ(s)の領域は、磁化分布(m')の領域に対し適切な大きさに決定される。
SPEデータの領域は、エコー番号(n)とリードアウト方向(y)で表され、それぞれの範囲を決定する。最初に、エコー番号(n)の範囲を決定する方法(ステップ1402)の一例を図15に示す。図15(c)に示すSPEデータの決定すべきエコー番号nの範囲の最小値をn1、最大値をn2と定義する。また図15(b)に示すように、n = n1、n = n2での感度分布をそれぞれwn1(r')、wn2(r')とする。n1、n2は、これら感度分布と、図15(a)に示すvmpに対応する領域1302とが、次の条件(1)および(2)を満たすように決定される。
(1)n = n1において、感度を持つ領域とvmpに対応する領域1302が接しており、n<n1では二つの領域は重なりを持たない。
(2)n = n2において、感度を持つ領域とvmpに対応する領域1302が接しており,n>n2では二つの領域は重なりを持たない。
次に、リードアウト方向(y)の範囲を決定する(ステップ1403)。ここでも決定すべきyの範囲の最小値をya、最大値をybと定義する。リードアウト方向の傾斜磁場の非線形性および静磁場不均一による座標の歪みを補正した直交座標系において、ya、ybはそれぞれy'=Y'(r',ya)、y'=Y'(r',yb)で表される。y'=Y'(r',ya)、y'=Y'(r',yb)は、図16に示すように、それぞれSPEデータs(n,ya)、s(n,yb)を構成する磁化分布の位置である。そこでya、ybは、vmpに対応する領域に関わるSPEデータが全て含まれるようにするため、次の条件(3)および(4)を満たすように決定される。
(3)y = yaにおいてvmpに対応する領域と接しており、y<yaでは重なりを持たず、y = ybにおいてvmpに対応する領域と接しており,y>ybでは重なりを持たない。
(4)すべてのn(n1<= n <= n2)において条件(3)を満たす。
こうして一度に処理すべき計測データの範囲が決定されたならば、装置特性データの行列から、小領域に対応する行列の要素の値を抽出する(ステップ1404)。このような小領域の決定を全画像データの小領域vmpに対して行うとともに、小領域毎に上述した画像再構成演算を行い(ステップ1405)、最終的に撮影した全領域の画像データを得る。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、計測データを小領域に分割して画像再構成処理を行なうことにより、膨大な行列演算を大幅に低減することができ、撮影後の画像の再構成および表示を高速で行なうことが可能となる。
一般に逆行列計算は行列の大きさnに対してn3倍の時間がかかる。また,一般に最小二乗法も未知変数の数nに対してn3倍の時間がかかる。従って、小領域に分割しない場合は、行列の大きさは全画素数に応じて大きくなるため、リードアウト数、totalFOVのsubFOVに対する大きさに対して3乗で増加する。これに対し、小領域に分割した場合は、リードアウト数、totalFOVが大きくなっても各小領域の行列の大きさは変わらないため、逆行列計算に必要な時間はリニアに増加するのみである。小領域の分割を行う場合と、行わない場合に比べたグラフは、図17のようになり、本発明により画像再構成時間が大幅に短縮されることがわかる。
<第2の実施の形態>
次に本発明の第2の実施の形態として、SPEデータの分割を自動的に行なう手段を備えたMRI装置について説明する。装置の構成および画像再構成演算は、上述した第1の実施の形態と同様であるので説明を省略し、第1の実施の形態と異なる構成について説明する。
第1の実施の形態では、予め設定された、或いはユーザーが設定した画像データの領域をもとに、SPEデータの小領域を決定する方法を採用したが、本実施の形態では、撮影するtotal FOVの大きさ、スライディング位相エンコードのステップ数、リードアウト方向のサンプル数、コイルの感度範囲、傾斜磁場非線形、静磁場非線形などの撮影条件や装置条件をもとに、最小時間となる分割サイズを自動的に算出する。以下、算出方法を説明する。
SPE方向については、コイルの感度範囲内におさまる画像データの点数をNcoilとすると、(Ncoil-1)/2点の画像データを同時に求める場合が最も高速になる。これは,同時に求める画像データの点数をNimgとすると、その画像データに関わるSPEデータ数は(Nimg+Ncoil-1)となり、計算量はオーダーで(Nimg+Ncoil-1)3となる。Nimg点の画像データが同時に求まるので、1点あたりの計算量は(Nimg+Ncoil-1)3/Nimgとなる。この計算量を最小とするときが最も高速であり、そのときの分割サイズNimgは(Ncoil-1)/2と求まる。
リードアウト方向の点数も同様な考えで決定できる。SPE方向に(Ncoil-1)/2点の画像データをリードアウト方向に1列のみ求めるとき、対応する計測データの小領域vspがリードアウト方向にNhizumi列となるような傾斜磁場非線形や静磁場非線形が存在する場合は、Nread列の画像データを求める計算量は、オーダーで(Nread+Nhizumi-1)3となる。Nread列の画像データが同時に求まるので、1列あたりの計算量は(Nread+Nhizumi-1)3/Nreadとなる。この計算量を最小とするときが最も高速であり、そのときの分割サイズNreadは(Nhizumi-1)/2である。
または,SPE方向、リードアウト方向を独立に考えるのではなく、画像データのサイズNsizeに対して決定される計測データの小領域vspのサイズNvspを元に、1点あたりの計算量Nvsp3/Nsizeが最小になるようにNsizeを決定する。
本実施の形態によれば、撮影条件に応じて最も効率のよい分割サイズで分割した小領域を設定するようにしたので、撮影条件によらず最速の画像再構成を行なうことができる。
<第3の実施の形態>
以上説明した第1および第2の実施の形態では、全てのデータを取得した後に画像再構成を行う場合を説明したが、画像再構成はデータ取得と平行して行うこともできる。以下、本発明の第3の実施の形態として、画像再構成を本撮影と平行して行う方法を、図18を参照して説明する。
本実施の形態においても、装置の構成は、上述した第1の実施の形態と同様である。また画像再構成演算および小領域の分割方法も第1の実施の形態と同様である。ただし、本実施の形態では、撮影の手順は図18のように、最初のステップで装置特性データの取得を行い(601)、次のステップで、画像再構成に必要となる逆行列を計算し(720)、最後のステップで、本撮影と平行して装置特性データと検査対象データを用いて検査対象の再構成画像を計算する(722)。
装置特性データを取得する方法は第1の実施の形態と同様である。装置特性データの取得後に逆行列を計算するステップ720では、第1の実施の形態と同様に、式(14)、(15)で定義される行列の逆行列を求める。この逆行列は、式(18)による画像再構成に必要となる。
本撮影と画像再構成とを平行処理するステップ722は、式(18)の計算を計算できる要素から行っていくことにより実現する。例えば、図19に示すように、あらかじめ小領域の設定を行う(ステップ803)。設定手法は、第1の実施の形態と同様である。本撮影は第1の実施の形態の本撮影と同様にテーブルを移動しながら撮影を行い(ステップ607、608)、計測データを取得し、SPE以外のエンコードに対してフーリエ変換してSPEデータを作成し(ステップ804)、新たに小領域vsp内のデータがすべて計測された時点で,対応する画像データの小領域vmpの再構成を行う(ステップ801)。小領域vmpのSPEデータから磁化分布を求める手法は、第1の実施の形態と同様である。こうして求めた磁化分布はメモリに格納されるともに部分的な再構成画像として表示装置に表示される(ステップ802)。
再構成画像の更新は、図20に示すように、新規に取得したデータに対して対応する小領域(703、704)すべての磁化分布(更新分)を求め(ステップ705、706)、更新前の磁化分布に加算することにより行なわれる。磁化分布の更新分は具体的には、各小領域pに対して、式(18)のvs'pの要素を、新規に取得したデータの要素以外は0にして求める。こうして得られたRe(vmp)、Im(vmp)が磁化分布の更新分(707、708)となる。実部と虚部を合成(ステップ709)することにより画像の更新分が得られる。更新のたびに画像を表示することでリアルタイムに表示することが可能となる。
本実施の形態によれば、本撮影の終了後に、計測データのフーリエ変換(SPEデータの生成)とSPEデータの分割を行なうのではなく、各小領域の計測データが得られた時点で、順次画像再構成を行なうので、リアルタイムに画像を表示することができる。
<その他の実施の形態>
以上、本発明の各実施の形態を説明したが、本発明は、特許文献2に記載される技術を基本としており、特許文献2に記載される種々の変更例をそのまま採用することが可能である。
具体的には、上記実施の形態では、装置特性データを取得するにあたり、本撮影とは別に撮影を行う場合を説明したが、装置特性データの取得は本撮影と同時に行うこともできる(第4の実施の形態)。
その場合において、装置特性データの同時取得は、本撮影において周波数領域の低域データのみを利用することにより実現することができる。ただし本撮影は、テーブル位置を移動しながら行う撮影であるため、各信号取得において原点位置が異なることになるので、傾斜磁場のオフセット値のずれを補正することにより、原点位置を補正する必要がある。また本撮影では、装置特性データとして利用される低域データを密に計測するようにスライディング位相エンコードのステップ幅を多段階に変化させてもよい。
第4の実施の形態は、第1の実施の形態と同様に、すべての計測データを計測後に、SPEデータの分割および各小領域用の装置特性データの算出(虚部用データと実部用データの算出)を行なってもよいし、第2の実施の形態と同様に、撮影条件に応じて最も効率のよい分割数で分割した小領域を設定するようにしてもよい。さらに第3の実施の形態と同様に、所定のデータ数の計測データを取得する度に、その取得データから得たSPEデータの分割と各小領域用の装置特性データの算出を行ない、画像再構成と更新を行なってもよい。
第4の実施の形態によれば、第1〜第3の実施の形態の効果に加えて、本撮影とは別に装置特性データを取得するための撮影を行なう必要がないので、全体としての撮影時間を短縮できるという効果がある。
また他の変更例として、上記実施の形態では、受信コイルが装置に固定されている場合を説明したが、受信コイルは被検体に固定されている場合への適用がある(第5の実施の形態)。この場合、受信コイルは、被検体の広い範囲を撮影するために、複数のコイルを切替えて用いる。従って、計測信号S(n,ky)には、n、kyのほかにコイルを表す次元が追加されるとともに、コイルの感度分布に関わる装置特性データwn(r')は、コイル毎に求めることになる。
また装置特性データの計測は、本計測と別に行なってもよいし、本計測で得られた計測データを利用して装置特性データを算出することも可能である。
本実施の形態においても、SPEデータの分割方法は、第1〜第3の実施の形態と同様に行なうことができる。
本発明によれば、テーブル移動方向に信号取得領域が狭い場合にも撮影時間が長くなることなくムービングテーブル撮影を行うことができる。テーブル移動方向に撮影可能領域が狭い装置でも高速に全身撮影し、高速に画像再構成を行い、撮影しながら画像を提示することが可能となり有用である。
本発明が適用されるMRI装置の概観を示す図で、(a)は水平磁場型装置、(b)は垂直磁場型装置を示す。 本発明が適用されるMRI装置の構成例を示す図。 検査対象のtotal FOVと信号取得領域の関係を示す図。 本発明の第1の実施の形態によるムービングテーブル撮影の手順を示す図。 装置特性データ取得用のsub FOVと本撮影のsub FOVとの関係を示す図。 ムービングテーブル撮影に用いるパルスシーケンスの一例を示す図。 テーブル位置とスライディング位相エンコードの関係を示す図。 2D撮影において画像再構成に用いる信号と処理結果を示す図。 第1の実施の形態による本撮影の手順を示す図。 信号取得領域の装置特性を示す図。 傾斜磁場非線形を示す図。 離散化における線形補間のための三角波状の関数を示す図。 小領域を示す図。 小領域に分割して撮影及び再構成を行う手順を示す図。 小領域の分割方法を決定する方法を示す図。 小領域の分割方法を決定する方法を示す図。 計算時間の比較を示す図。 第3の実施の形態による撮影手順を示す図。 第3の実施の形態による撮影手順を示す図。 第3の実施の形態による撮影手順を示す図。
符号の説明
101・・・静磁場を発生するマグネット、102・・・傾斜磁場コイル、103・・・検査対象、104・・・シーケンサ、105・・・傾斜磁場電源、106・・・高周波磁場発生器、107・・・照射用コイル、108・・・受信器、109・・・計算機、110・・・ディスプレイ、111・・・記憶媒体、112・・・シムコイル、113・・・シム電源、114・・・受信コイル、301・・・テーブル、302・・・テーブル制御装置。

Claims (16)

  1. 静磁場が発生された撮影空間に置かれた検査対象に印加する高周波磁場を発生する高周波磁場発生手段と、前記検査対象に印加する傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、前記検査対象を搭載する移動可能な移動手段と、前記検査対象から発生する核磁気共鳴信号を受信する受信手段と、前記移動手段の移動中に前記核磁気共鳴信号を複数回受信し、前記移動手段の移動方向の傾斜磁場の印加量を受信ごとに変えるように前記傾斜磁場発生手段および前記受信手段を制御する制御手段と、前記移動手段の移動方向の広い範囲の装置特性データを記憶する記憶手段と、受信された前記核磁気共鳴信号から構成される取得データと前記装置特性データに基づいて、前記検査対象の画像を再構成する画像再構成手段と、再構成された前記画像を表示する表示手段とを有する磁気共鳴撮影装置であって、
    前記画像再構成手段は、前記取得データから複数の小領域を選択するデータ選択手段と、
    選択された小領域取得データと、当該小領域取得データを取得した前記移動手段の位置における装置特性データとを用いて、前記検査対象の小領域の磁化分布を算出する算出手段と、
    算出された複数の小領域の磁化分布を合成する合成手段とを備えたことを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  2. 請求項1記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記算出手段は、前記小領域取得データから磁化分布の実部と虚部を算出し、算出された磁化分布の実部と虚部とから小領域画像データを作成することを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  3. 請求項2記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記算出手段は、小領域画像データを仮定したときに計算される核磁気共鳴信号と前記小領域取得データの差のノルムが最小になるように小領域画像データを作成することを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  4. 請求項1ないし3いずれか1項に記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記画像再構成手段は、受信された前記核磁気共鳴信号を読み取り方向にフーリエ変換する変換手段と、読み取り方向にフーリエ変換したデータを前記取得データとして前記記憶手段に記憶させる手段とを備えたことを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  5. 請求項1ないし4いずれかに記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記画像再構成手段は、小領域のサイズの入力を受け付ける入力手段を備えたことを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  6. 請求項1ないし5いずれか1項に記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記選択手段は、予め設定された小領域画像データのサイズをもとに、取得データの小領域を自動的に決定することを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  7. 請求項1ないし6いずれか1項に記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記選択手段は、傾斜磁場の非線形性をもとに分割する小領域取得データのサイズを決定することを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  8. 請求項1ないし7いずれか1項に記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記選択手段は、全取得データのサイズと、前記算出手段が一つの小領域取得データから小領域画像データを算出するのに必要な推定処理速度をもとに、画像データを処理するのに最適な小領域のサイズを自動決定する手段を備えたことを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  9. 請求項1ないし8いずれか1項に記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記合成手段は、前記算出手段が算出した小領域の画像データを順次合成し、前記表示装置に表示させることを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  10. 請求項1ないし9いずれか1項に記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記算出手段は、前記装置特性データとして、前記移動手段の移動方向の複数の位置における、受信コイルの感度分布、静磁場不均一および傾斜磁場の非線形性を用いることを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  11. 請求項1ないし10いずれか1項に記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    さらに、前記装置特性データを取得する装置特性データ取得手段を備えたことを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  12. 請求項11記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記装置特性データ取得手段は、前記移動手段の移動中に複数回受信した核磁気共鳴信号を用いて、前記移動手段の移動方向の広い範囲の装置特性データを算出する手段を備えたことを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  13. 請求項12記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記核磁気共鳴信号は、前記取得データを構成する核磁気共鳴信号と別に計測された信号であることを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  14. 請求項12記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記核磁気共鳴信号は、前記取得データを構成する核磁気共鳴信号の全部または一部であることを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  15. 請求項1ないし14いずれか1項に記載の磁気共鳴撮影装置において、
    前記受信手段は、装置に固定された受信コイルを備え、
    前記装置特性データ取得手段は、装置に固定された受信コイルが受信した信号を用いて、前記小領域取得データを取得時の各移動手段位置における装置特性を算出することを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  16. 請求項1ないし14いずれか1項に記載の磁気共鳴撮影装置において、
    前記受信手段は、検査対象に固定された受信コイルを備え、
    前記装置特性データ取得手段は、検査対象に固定された受信コイルが受信した信号を用いて、前記小領域取得データを取得時の各移動手段位置における装置特性を算出することを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
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