JP6110789B2 - 静止型流体レドックス電極 - Google Patents

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Description

関連出願
本願は、米国特許法第119条(e)項の下、2010年8月18日に出願され、「Electrochemical Flow Cells」と題された米国仮特許出願第61/374,934号、および2010年12月16日に出願され、「Stationary, Fluid Redox Electrode」と題された米国仮特許出願第61/424,021号への優先権を主張し、各々は、あらゆる目的のためにその全体が本明細書中に参考として援用される。
政府の助成支援
本発明は、エネルギー省により授与された助成金番号DE−AR0000065、および国防高等研究計画局により授与された助成金番号FA8650−09−D−5037の下、政府支援により成された。合衆国政府は、本発明に一定の権利を有する。
技術分野
全体として、少なくとも1つの静止型流体レドックス電極を含む電気化学エネルギー発生デバイスを使用するエネルギー発生について説明する。
背景
電気化学セルは、異なるイオン電気化学電位でイオン源とイオンシンクとを分離することにより、電気化学エネルギーを貯蔵する。電気化学電位の差は、正極と負極との間に電圧差を生成し、この電圧差を、電極が伝導性素子により接続されている場合に電流を生成するのに使用することができる。再充電式バッテリーは、使用中の放電しているバッテリーの場合と反対方向に電流およびイオン流を流す対向電圧差を加えることによって、再充電することができる。再充電式バッテリーでは、電極活物質は一般に、イオンを受容しかつ提供することができることが必要である。
多くの従来の再充電式電気化学セル(例えば、バッテリー)は、固体のアノードおよびカソードを使用して構成される。そのような電気化学セルの組立ては難しくなる可能性がある。例えば、多くの場合、再充電式バッテリーは、電極を金属の電流コレクター箔上にコーティングし、そのような電極を乾燥し、圧縮し、切断して成形し、前記電極の多くの薄層をセパレーターフィルムと共に巻き付けまたは積層し、セルにパッケージ化することによって組み立てられる。そのような製造ステップは、高価な精密機器を必要とする可能性がある。さらに、固体のアノードおよびカソードを用いる電気化学セルは、そのサイズおよび形状因子が比較的制限される可能性があり、使用中は比較的脆弱になる可能性がある。これらの問題の1つまたは複数が軽減される電気化学セルシステムが、望ましい。
要旨
少なくとも1つの静止型流体レドックス電極を含む電気化学エネルギー発生デバイスを使用するエネルギー発生について、記述する。本発明の対象は、ある場合には、相互に関連した生成物、特定の問題に対する代替の解決策、および/または、1つもしくは複数のシステムおよび/または物品の複数の種々の使用を含む。
一態様では、電気化学セルについて記述される。いくつかの実施形態では、電気化学セルは、第1の電気化学的に活性な流体を含有するように構成された第1の電極区画であって、この第1の電極区画の壁の少なくとも一部がイオン交換媒体を含む、第1の電極区画と;第2の電気化学的に活性な流体を含有するように構成された第2の電極区画であって、この第2の電極区画の壁の少なくとも一部がイオン交換媒体を含む、第2の電極区画とを含む。いくつかの実施形態では、第1および/または第2の電極区画の少なくとも1つは、電気化学的に活性な流体が区画内に流入できるように構成され、第1および/または第2の電気化学的に活性な流体は、半固体およびレドックス活性イオン貯蔵液体のうちの少なくとも1つを含み、電気化学セルは、動作中に、第1および第2の電気化学的に活性な流体のうちの少なくとも1つのいずれもが第1または第2の電極区画の外に移送されることがないように、または、第1および第2の電気化学的に活性な流体のうちの少なくとも1つの約20重量%未満が、第1または第2の電極区画の外に移送されるように構成される。
電気化学セルは、いくつかの実施形態では、半固体およびレドックス活性イオン貯蔵液体のうちの少なくとも1つを含む第1の電気化学的に活性な流体を含有するように構成された第1の電極区画であって、この第1の電極区画の壁の少なくとも一部がイオン交換媒体を含む、第1の電極区画と;半固体およびレドックス活性イオン貯蔵液体のうちの少なくとも1つを含む第2の電気化学的に活性な流体を含有するように構成された第2の電極区画であって、この第2の電極区画の壁の少なくとも一部がイオン交換媒体を含む、第2の電極区画とを含む。いくつかの実施形態では、電気化学セルは、動作中に、第1および第2の電気化学的に活性な流体のうちの少なくとも1つのいずれもが第1または第2の電極区画の外に移送されることがないように、または、第1および第2の電気化学的に活性な流体のうちの少なくとも1つの約20重量%未満が、第1または第2の電極区画の外に移送されるように、かつ第1および第2の電気化学的に活性な流体が、約1.5×10cP未満の定常状態剪断粘度を有するように構成される。
一組の実施形態では、電気化学セルは、第1の電極を含有する第1の電極区画と;第2の電極を含有する第2の電極区画とを含み、第1の電極は、リチウム遷移金属ホスホオリビンおよびナトリウムマンガン酸化物のうちの少なくとも1つを含むカソード活物質を含む第1の半固体を含み、かつ/または第2の電極は、チタン酸リチウムスピネルを含むアノード活物質を含む第2の半固体を含み;電気化学セルは、動作中に、第1および第2の半固体のいずれもが第1または第2の電極区画の外に移送されることがないように、または、第1および第2の半固体のうちの少なくとも1つの約20重量%未満が、第1または第2の電極区画の外に移送されるように構成される。
電気化学セルは、いくつかの実施形態において、第1の電極を含有する第1の電極区画と;レドックス活性イオン貯蔵液体を含む第2の電極を含有する第2の電極区画とを含み、電気化学セルは、動作中に、レドックス活性イオン貯蔵液体のいずれもが第2の電極区画の外に移送されることがないように、またはレドックス活性イオン貯蔵液体の約20重量%未満が第2の電極区画の外に移送されるように構成され、第1の電極は第1の電気化学的に活性な流体を含み、かつ/または電気化学セルは再充電式バッテリーを構成する。
ある実施形態では、電気化学セルは、第1の電極を含有する第1の電極区画と;アノード活物質を含む半固体の電気化学的に活性な流体を含む第2の電極を含有する第2の電極区画であって、半固体の電気化学的に活性な流体が、容量性または擬似容量性の電荷貯蔵を示すことが可能な炭素を含有する第2の電極区画とを含み、電気化学セルは、動作中に、半固体の電気化学的に活性な流体のいずれもが第2の電極区画の外に移送されることがないように、または半固体の電気化学的に活性な流体の約20重量%未満が第2の電極区画の外に移送されるように構成される。
電気化学セルは、いくつかの実施形態において、第1の電極を含有する第1の電極区画と;水性半固体の電気化学的に活性な流体を含む第2の電極を含有する第2の電極区画とを含み、電気化学セルは、動作中に、水性半固体の電気化学的に活性な流体のいずれもが第2の電極区画の外に移送されることがないように、または水性半固体の電気化学的に活性な流体の約20重量%未満が第1または第2の電極区画の外に移送されるように構成される。
電気化学セルは、ある実施形態において、第1の電極を含有する第1の電極区画と;電子伝導性ナノスケール粒子を含む半固体を含む、第2の電極を含有する第2の電極区画とを含み;電気化学セルは、動作中に、半固体のいずれもが第2の電極区画の外に移送されることがないように、または半固体の約20重量%未満が第2の電極区画の外に移送されるように構成される。
いくつかの実施形態では、電気化学セルは、第1の電極を含有する第1の電極区画と;第2の電極を含有する第2の電極区画であって、第2の電極が、フラーレン、カーボンナノチューブ、黒鉛、金属、金属硫化物、金属炭化物、金属ホウ化物、金属窒化物、および金属酸化物のうちの少なくとも1つを含む半固体を含む第2の電極区画とを含み;電気化学セルは、動作中に、半固体のいずれもが第2の電極区画の外に移送されることがないように、または半固体の約20重量%未満が第2の電極区画の外に移送されるように構成される。
ある実施形態では、電気化学セルは、第1の電極を含有する第1の電極区画と;第2の電極を含有する第2の電極区画であって、第2の電極が、半固体またはレドックス活性イオン貯蔵液体を含む第2の電極区画とを含み、電気化学セルは、動作中に、第2の電極のいずれもが第2の電極区画の外に移送されることがないように、または第2の電極の約20重量%未満が第2の電極区画の外に移送されるように、かつ動作中に、第2の電極が第2の電極区画内を循環するように構成される。
別の態様では、電気化学セルを組み立てる方法が提供される。この方法は、いくつかの実施形態において、第1の電気化学的に活性な流体を第1の電極区画に流入させるステップと;第2の電気化学的に活性な流体を第2の電極区画に流入させるステップと;第1および第2の電極区画の少なくとも1つを封止するステップとを含み、第1および第2の電気化学的に活性な流体のうちの少なくとも1つは、半固体またはレドックス活性イオン貯蔵液体を含む。
本発明の好ましい実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
電気化学セルであって、前記電気化学セルは:
第1の電気化学的に活性な流体を含有するように構成された第1の電極区画であって、、前記第1の電極区画の壁の少なくとも一部がイオン交換媒体を含む、第1の電極区画と;
第2の電気化学的に活性な流体を含有するように構成された第2の電極区画であって、、前記第2の電極区画の壁の少なくとも一部が前記イオン交換媒体を含む、第2の電極区画と
を含み、
前記第1の電極区画および/または第2の電極区画のうちの少なくとも1つは、電気化学的に活性な流体が前記区画内に流入できるように構成され、
前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体は、半固体およびレドックス活性イオン貯蔵液体のうちの少なくとも1つを含み、
前記電気化学セルは、動作中に、前記第1の電気化学的に活性な流体および第2の電気化学的に活性な流体のうちの少なくとも1つのいずれもが前記第1の電極区画または第2の電極区画の外に移送されることがないように、または、前記第1の電気化学的に活性な流体および第2の電気化学的に活性な流体のうちの少なくとも1つの約20重量%未満が、前記第1の電極区画または第2の電極区画の外に移送されるように構成される、
電気化学セル。
(項目2)
電気化学セルであって、前記電気化学セルは:
第1の電気化学的に活性な流体を含有するように構成された第1の電極区画であって、前記第1の電気化学的に活性な流体は、半固体およびレドックス活性イオン貯蔵液体のうちの少なくとも1つを含み、前記第1の電極区画の壁の少なくとも一部がイオン交換媒体を含む、第1の電極区画と;
第2の電気化学的に活性な流体を含有するように構成された第2の電極区画であって、前記第2の電気化学的に活性な流体は、半固体およびレドックス活性イオン貯蔵液体のうちの少なくとも1つを含み、前記第2の電極区画の壁の少なくとも一部が前記イオン交換媒体を含む、第2の電極区画と
を含み、そして前記電気化学セルは、動作中に、
前記第1の電気化学的に活性な流体および第2の電気化学的に活性な流体のうちの少なくとも1つのいずれもが前記第1の電極区画または第2の電極区画の外に移送されることがないように、または、前記第1の電気化学的に活性な流体および第2の電気化学的に活性な流体のうちの少なくとも1つの約20重量%未満が、前記第1の電極区画または第2の電極区画の外に移送されるように、かつ
前記第1の電気化学的に活性な流体および第2の電気化学的に活性な流体が、約1.5×10 cP未満の定常状態剪断粘度を有するように
構成される、電気化学セル。
(項目3)
前記電気化学セルが、動作中に、前記第1の電気化学的に活性な流体および第2の電気化学的に活性な流体のいずれもが前記第1の電極区画および第2の電極区画の外に移送されることがないように、または、前記第1の電気化学的に活性な流体および第2の電気化学的に活性な流体の約20重量%未満が前記第1の電極区画または第2の電極区画の外に移送されるように構成される、項目1から2のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目4)
前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体の電子伝導率が、少なくとも約10 −6 S/cmである、項目1から2のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目5)
前記第1の電極区画が、前記第1の電気化学的に活性な流体を前記第1の区画に流入させることができるように構成され、前記第2の電極区画が、前記第2の電気化学的に活性な流体を前記第2の区画に流入させることができるように構成される、項目1から2のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目6)
前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体が半固体を含む、項目1から5のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目7)
前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体が、Li 、Na 、Mg 2+ 、Al 3+ 、Ca 2+ 、H 、および/またはOH を含有する、項目1から6のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目8)
前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体が、Li と、金属フッ化物を含むイオン貯蔵化合物とを含有する、項目7に記載の電気化学セル。
(項目9)
前記金属フッ化物が、CuF 、FeF 、FeF 、BiF 、CoF 、および/またはNiF を含む、項目8に記載の電気化学セル。
(項目10)
前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体が、Li と、CoO、Co 、NiO、CuO、および/またはMnOを含むイオン貯蔵化合物とを含有する、項目7に記載の電気化学セル。
(項目11)
前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体が、Li と、式Li 1−x−z 1−z PO を有する化合物から選択された層間化合物とを含有し、式中、Mは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、およびNiからなる群から選択された少なくとも1つの第1列の遷移金属を含み、xは0から1であり、zは正数または負数とすることができるものである、項目7に記載の電気化学セル。
(項目12)
前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体が、Li と、式(Li 1−x )MPO を有する化合物から選択された層間化合物とを含有し、式中、Mは、V、Cr、Mn、Fe、Co、およびNiのうちの1つまたは複数であり、Zは、Ti、Zr、Nb、Al、またはMgのうちの1つまたは複数などの非アルカリ金属ドーパントであり、xは0.005から0.05に及ぶものである、項目7に記載の電気化学セル。
(項目13)
前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体が、Li と、式LiMPO を有する化合物から選択された層間化合物とを含有し、式中、Mは、V、Cr、Mn、Fe、Co、およびNiのうちの1つまたは複数であり、前記化合物は任意選択でLi、M、またはO位でドープされている、項目7に記載の電気化学セル。
(項目14)
前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体が、Li と、A (M’ 1−a M” (XD 、A (M’ 1−a M” (DXD 、およびA (M’ 1−a M” (X からなる群から選択された層間化合物とを含有し:
式中、xと、y(1−a)とM’の1つまたは複数の形式原子価の積と、yaとM”の1つまたは複数の形式原子価の積との和が、zとXD 、X 、またはDXD 基の形式原子価の積に等しく;
Aは、アルカリ金属および水素のうちの少なくとも1つであり、M’は、第1列の遷移金属であり、Xは、リン、硫黄、ヒ素、モリブデン、およびタングステンのうちの少なくとも1つであり、M”は、IIA、IIIA、IVA、VA、VIA、VIIA、VIIIA、IB、IIB、IIIB、IVB、VB、およびVIB族金属のうちのいずれかであり、Dは、酸素、窒素、炭素、またはハロゲンのうちの少なくとも1つである
項目7に記載の電気化学セル。
(項目15)
前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体が、Li と、(A 1−a M” M’ (XD 、(A 1−a M” M’ (DXD 、および(A 1−a M” M’ (X からなる群から選択された層間化合物とを含有し、
式中、(1−a)xと、axとM”の1つまたは複数の形式原子価の積の数量と、yとM’の1つまたは複数の形式原子価の積との和が、zとXD 、X 、またはDXD 基の形式原子価の積に等しく、
Aは、アルカリ金属および水素のうちの少なくとも1つであり、M’は、第1列の遷移金属であり、Xは、リン、硫黄、ヒ素、モリブデン、およびタングステンのうちの少なくとも1つであり;M”は、IIA、IIIA、IVA、VA、VIA、VIIA、VIIIA、IB、IIB、IIIB、IVB、VB、およびVIB族金属のいずれかであり;Dは、酸素、窒素、炭素、またはハロゲンのうちの少なくとも1つである
項目7に記載の電気化学セル。
(項目16)
前記第1の電気化学的に活性な流体および第2の電気化学的に活性な流体が、Li と、規則的な岩塩化合物LiMO からなる群から選択された層間化合物とを含有し、
式中、Mは、少なくとも1種の第1列の遷移金属を含み、Al、Ca、Mg、またはZrを含むがこれらに限定されない非遷移金属を含んでいてもよい、
項目7に記載の電気化学セル。
(項目17)
前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体が、非晶質炭素、不規則な炭素、黒鉛型炭素、または金属でコーティングされた炭素もしくは金属で装飾された炭素を含む固体を含む、項目1から6のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目18)
前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体が、金属もしくは金属合金、またはメタロイドもしくはメタロイド合金、またはケイ素を含む固体を含む、項目1から6のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目19)
前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体が、ナノ構造を含む固体を含み、前記ナノ構造は、ナノワイヤー、ナノロッド、およびナノテトラポッドを含む、項目1から6のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目20)
前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体が、有機レドックス化合物を含む固体を含む、項目1から6のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目21)
前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体が、α−NaFeO を有するものおよび斜方晶LiMnO 構造型を有するものを含む規則正しい岩塩化合物LiMO 、またはそれらの異なる結晶対称性、原子配列、または金属もしくは酸素の部分置換の誘導体からなる群から選択された固体を含み、式中、Mは、少なくとも1種の第1列の遷移金属を含み、Al、Ca、Mg、またはZrを含むがこれらに限定されない非遷移金属を含んでいてもよく、前記負極は、非晶質炭素、不規則な炭素、黒鉛型炭素、または金属でコーティングされた炭素もしくは金属で装飾された炭素からなる群から選択された固体を含む流動可能な半固体イオン貯蔵レドックス組成物を含む、項目1から6のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目22)
前記電気化学セルが、A (M’ 1−a M” (XD 、A (M’ 1−a M” (DXD 、およびA (M’ 1−a M” (X からなる群から選択された固体を含む正極活物質を含み、式中、xと、y(1−a)とM’の1つまたは複数の形式原子価の積と、yaとM”の1つまたは複数の形式原子価の積との和が、zとXD 、X 、またはDXD 基の形式原子価の積に等しく、Aは、アルカリ金属および水素のうちの少なくとも1つであり、M’は、第1列の遷移金属であり、Xは、リン、硫黄、ヒ素、モリブデン、およびタングステンのうちの少なくとも1つであり、M”は、IIA、IIIA、IVA、VA、VIA、VIIA、VIIIA、IB、IIB、IIIB、IVB、VB、およびVIB族金属のうちのいずれかであり、Dは、酸素、窒素、炭素、またはハロゲンのうちの少なくとも1つであり、前記負極は、非晶質炭素、不規則な炭素、黒鉛型炭素、または金属でコーティングされた炭素もしくは金属で装飾された炭素からなる群から選択された固体を含む流動可能な半固体イオン貯蔵レドックス組成物を含む、項目1から6のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目23)
前記電気化学セルが、正極活物質を含み、前記正極活物質は、スピネル構造を有する化合物を含む、項目1から6のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目24)
前記電気化学セルが、正極活物質を含み、前記正極活物質は、LiMn およびその誘導体;層状化スピネルナノ複合体であって、その構造が、規則的な岩塩およびスピネル配列を有するナノスコピック領域を含む、層状化スピネルナノ複合体;オリビン型LiMPO およびその誘導体であって、Mが、Mn、Fe、Co、またはNiのうちの1つまたは複数を含む、オリビン型LiMPO およびその誘導体、LiVPO Fなどの部分的にフッ素化された化合物、他の「ポリアニオン」化合物、ならびにV およびV 11 を含む酸化バナジウムV からなる群から選択された化合物を含む、項目1から6のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目25)
前記電気化学セルが、負極活物質を含み、前記負極活物質が、黒鉛、黒鉛型ホウ素−炭素合金、硬質の炭素もしくは不規則な炭素、チタン酸リチウムスピネル、または固体金属もしくは金属合金またはメタロイドもしくはメタロイド合金であって、リチウムと反応して金属間化合物を形成し、金属Sn、Bi、Zn、Ag、およびAlと、メタロイドSiおよびGeとを含む、固体金属もしくは金属合金またはメタロイドもしくはメタロイド合金を含む、項目1から6のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目26)
前記負極活物質が、チタン酸リチウムスピネルを含む、項目25に記載の電気化学セル。
(項目27)
前記イオン交換媒体がイオン透過膜を含む、項目1から26のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目28)
前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体が、約1.5×10 cP未満の定常状態剪断粘度を有する、項目1から24のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目29)
電気化学セルであって、前記電気化学セルは:
第1の電極を含有する第1の電極区画と;
第2の電極を含有する第2の電極区画と
を含み、
前記第1の電極は、カソード活物質を含む第1の半固体を含み、かつ/または前記第2の電極は、アノード活物質を含む第2の半固体を含み、ここで、前記カソード活物質は、リチウム遷移金属ホスホオリビンおよびナトリウムマンガン酸化物のうちの少なくとも1つを含み、前記アノード活物質は、チタン酸リチウムスピネルを含み;そして
前記電気化学セルは、動作中に、前記第1の半固体および第2の半固体のうちの少なくとも1つのいずれもが前記第1の電極区画または第2の電極区画の外に移送されることがないように、または、前記第1の半固体および第2の半固体のうちの少なくとも1つの約20重量%未満が前記第1の電極区画または第2の電極区画の外に移送されるように構成される
電気化学セル。
(項目30)
前記第1の半固体および/または第2の半固体の電子伝導率が、少なくとも約10 −6 S/cmである、項目29に記載の電気化学セル。
(項目31)
前記第1の半固体および/または第2の半固体が、約1.5×10 cP未満の定常状態剪断粘度を有する、項目29に記載の電気化学セル。
(項目32)
前記第1の電極が、カソード活物質を含む半固体を含み、前記カソード活物質は、リチウム遷移金属ホスホオリビンおよびナトリウムマンガン酸化物のうちの少なくとも1つを含む、項目29に記載の電気化学セル。
(項目33)
前記カソード活物質が、リチウム遷移金属ホスホオリビンを含む、項目32に記載の電気化学セル。
(項目34)
前記カソード活物質が、ナトリウムマンガン酸化物を含む、項目32に記載の電気化学セル。
(項目35)
前記ナトリウムマンガン酸化物が、Na Mn 18 を含む、項目34に記載の電気化学セル。
(項目36)
前記第2の電極が、電気化学的に活性な流体を含む、項目32に記載の電気化学セル。
(項目37)
前記第2の電極が、固体電極を含む、項目32に記載の電気化学セル。
(項目38)
前記第2の電極が、アノード活物質を含む半固体を含み、チタン酸リチウムスピネルを含む、項目29に記載の電気化学セル。
(項目39)
前記第1の電極が、電気化学的に活性な流体を含む、項目38に記載の電気化学セル。
(項目40)
前記第1の電極が、固体電極を含む、項目38に記載の電気化学セル。
(項目41)
電気化学セルであって、前記電気化学セルは、
第1の電極を含有する第1の電極区画と;
第2の電極を含有する第2の電極区画と
を含み:
前記第2の電極は、レドックス活性イオン貯蔵液体を含み、
前記電気化学セルは、動作中に、前記レドックス活性イオン貯蔵液体のいずれもが前記第2の電極区画の外に移送されることがないように、または前記レドックス活性イオン貯
蔵液体の約20重量%未満が前記第2の電極区画の外に移送されるように構成され;そして
前記第1の電極は、第1の電気化学的に活性な流体を含み、かつ/または前記電気化学セルは、再充電式バッテリーを構成する
電気化学セル。
(項目42)
前記レドックス活性イオン貯蔵液体の電子伝導率が、少なくとも約10 −6 S/cmである、項目41に記載の電気化学セル。
(項目43)
前記レドックス活性イオン貯蔵液体が、約1.5×10 cP未満の定常状態剪断粘度を有する、項目41から42のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目44)
電気化学セルであって、前記電気化学セルは、
第1の電極を含有する第1の電極区画と;
第2の電極を含有する第2の電極区画と
を含み、
前記第2の電極区画はアノード活物質を含む半固体の電気化学的に活性な流体を含み、
前記半固体の電気化学的に活性な流体が、容量性または擬似容量性の電荷貯蔵を示すことが可能な炭素を含有し;そして
前記電気化学セルは、動作中に、前記半固体の電気化学的に活性な流体のいずれもが前記第2の電極区画の外に移送されることがないように、または前記半固体の電気化学的に活性な流体の約20重量%未満が前記第2の電極区画の外に移送されるように構成される、
電気化学セル。
(項目45)
容量性または擬似容量性の電荷貯蔵を示すことが可能な前記炭素が、活性炭を含む、項目44に記載の電気化学セル。
(項目46)
前記活性炭が、アセチレンブラック、カーボンブラック、および/またはファーネスブラックを含む、項目45に記載の電気化学セル。
(項目47)
前記半固体の電気化学的に活性な流体が、少なくとも約55重量%の量の、容量性または擬似容量性の電荷貯蔵を示すことが可能な前記炭素を含有する、項目44から46のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目48)
容量性または擬似容量性の電荷貯蔵を示すことが可能な前記炭素が、前記炭素1グラム当たり少なくとも約50m の表面積を有する、項目44から47のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目49)
電気化学セルであって、前記電気化学セルは、
第1の電極を含有する第1の電極区画と;
第2の電極を含有する第2の電極区画と
を含み、
電気第2の電極は、水性半固体の電気化学的に活性な流体を含み;
前記電気化学セルは、動作中に、前記水性半固体の電気化学的に活性な流体のいずれもが前記第2の電極区画の外に移送されることがないように、または前記水性半固体の電気化学的に活性な流体の約20重量%未満が前記第1の電極区画または第2の電極区画の外に移送されるように構成される
電気化学セル。
(項目50)
電気化学セルであって、前記電気化学セルは、
第1の電極を含有する第1の電極区画と;
第2の電極を含有する第2の電極区画と
を含み:
前記第2の電極は、電子伝導性のナノスケール粒子を含む半固体を含み、
前記電気化学セルは、動作中に、前記半固体のいずれもが前記第2の電極区画の外に移送されることがないように、または前記半固体の約20重量%未満が前記第2の電極区画の外に移送されるように構成される
電気化学セル。
(項目51)
電気化学セルであって、前記電気化学セルは、
第1の電極を含有する第1の電極区画と;
第2の電極を含有する第2の電極区画と
を含み:
前記第2の電極は、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェン、金属、金属硫化物、金属炭化物、金属ホウ化物、金属窒化物、および金属酸化物のうちの少なくとも1つを含む半固体を含み、
前記電気化学セルは、動作中に、前記半固体のいずれもが前記第2の電極区画の外に移送されることがないように、または前記半固体の約20重量%未満が前記第2の電極区画の外に移送されるように構成される
電気化学セル。
(項目52)
電気化学セルであって、前記電気化学セルは、
第1の電極を含有する第1の電極区画と;
第2の電極を含有する第2の電極区画と
を含み、前記第2の電極が、半固体またはレドックス活性イオン貯蔵液体を含み;そして
前記電気化学セルは、
動作中に、前記第2の電極のいずれもが前記第2の電極区画の外に移送されることがないように、または前記第2の電極の約20重量%未満が前記第2の電極区画の外に移送されるように、かつ
動作中に、前記第2の電極が前記第2の電極区画内を循環するように、
構成される、
電気化学セル。
(項目53)
前記電気化学セルが、前記第2の電極を循環させるように構成された機械式スターラーを含む、項目52に記載の電気化学セル。
(項目54)
前記電気化学セルが、熱により誘導された対流を介して前記第2の電極を循環させるように構成される、項目52に記載の電気化学セル。
(項目55)
前記電気化学セルが、電気化学的に誘導された対流を介して前記第2の電極を循環させるように構成される、項目52に記載の電気化学セル。
(項目56)
前記半固体の電子伝導率が、少なくとも約10 −6 S/cmである、項目44から55のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目57)
前記半固体が、約1.5×10 cP未満の定常状態剪断粘度を有する、項目44から55のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目58)
前記第1の電極が、固体電極を含む、項目44から57のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目59)
前記第1の電極が、電気化学的に活性な流体を含む、項目44から57のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目60)
前記第1の電極が、半固体を含む、項目59に記載の電気化学セル。
(項目61)
前記第1の電極が、レドックス活性イオン貯蔵液体を含む、項目59に記載の電気化学セル。
(項目62)
前記電気化学セルが、動作中に、前記第1の電極区画内の前記電気化学的に活性な流体のいずれもが前記第1の電極区画の外に移送されることがないように、または前記第1の電極区画内の前記電気化学的に活性な流体の約20重量%未満が前記第1の電極区画の外に移送されるように構成される、項目59に記載の電気化学セル。
(項目63)
前記半固体が、電解質中に懸濁された固体電極活物質を含む、項目1から40および44から62のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目64)
前記電極活物質および前記電解質は、前記電極活物質が前記電気化学セルの動作中に前記電解質中に溶解しないように選択される、項目63に記載の電気化学セル。
(項目65)
前記電気化学セル内の電極区画の壁の少なくとも一部が変形可能である、項目1から64のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目66)
前記電気化学セル内の電極区画の壁の少なくとも一部が剛性である、項目1から65のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目67)
前記電気化学セルが、変形可能なイオン交換媒体を含む、項目1から66のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目68)
前記電気化学セルがバッテリーを構成する、項目1から67のいずれか一項に記載の電気化学セル。
(項目69)
前記バッテリーが、再充電式バッテリーを含む、項目68に記載の電気化学セル。
(項目70)
電気化学セルを組み立てる方法であって、
第1の電気化学的に活性な流体を第1の電極区画に流入させるステップと;
第2の電気化学的に活性な流体を第2の電極区画に流入させるステップと;
前記第1の電極区画および第2の電極区画のうちの少なくとも1つを封止するステップと
を含み、
前記第1の電気化学的に活性な流体および第2の電気化学的に活性な流体のうちの少なくとも1つは、半固体またはレドックス活性イオン貯蔵液体を含むものである
方法。
(項目71)
前記第1の電極区画内に前記第1の電気化学的に活性な流体を封止するステップと、
前記第2の電極区画内に前記第2の電気化学的に活性な流体を封止するステップと
を含む、項目70に記載の方法。
(項目72)
前記第1の電極区画および第2の電極区画のうちの少なくとも1つが固定体積を有する、項目70に記載の方法。
本発明のその他の利点および新規な特徴は、添付される図と併せて考える場合に本発明の様々な非限定的な実施形態の以下の詳細な記述から明らかにされよう。本明細書および参照により組み込まれた文書が、抵触しかつ/または矛盾する開示を含む場合は本明細書を優先するものとする。
本発明の非限定的な実施形態について、添付される図を参照しながら例として記述するが、これらの図は概略的であり、縮尺を合わせて描いたものではない。これらの図において、図示される同一のまたはほぼ同一の構成要素のそれぞれは、典型的には1つの数字により表される。明瞭にするために、全ての構成要素は全ての図において符号が付されているとは限らず、また、当業者に本発明を理解させるのに必ずしも図が必要ではない場合、本発明の各実施形態の全ての構成要素が示されるとは限らない。
図1は、一組の実施形態による電気化学エネルギー発生デバイスの、例示的な断面概略図である。 図2は、剪断速度の関数としての、粘度の例示的なプロットである。 図3A〜3Bは、いくつかの実施形態による、AC試験条件での懸濁液の抵抗の虚部対実部を相関させる、ナイキスト線図である。 図4A〜4Bは、一組の実施形態による、比容量の関数としての、電圧の例示的なプロットである。 図5〜8は、時間の関数としての、電圧、容量、および電流の例示的なプロットを含む。 図5〜8は、時間の関数としての、電圧、容量、および電流の例示的なプロットを含む。 図5〜8は、時間の関数としての、電圧、容量、および電流の例示的なプロットを含む。 図5〜8は、時間の関数としての、電圧、容量、および電流の例示的なプロットを含む。 図9は、一組の実施形態による、時間の関数としての、電圧の例示的なプロットを含む。 図10A〜10Bは、一組の実施形態による、容量の関数としての、電圧の例示的なプロットである。 図11〜13は、いくつかの実施形態による、容量の関数としての、電圧の例示的なプロットである。 図11〜13は、いくつかの実施形態による、容量の関数としての、電圧の例示的なプロットである。 図11〜13は、いくつかの実施形態による、容量の関数としての、電圧の例示的なプロットである。
詳細な説明
本発明は、セル内に包封された、電気化学的に活性な流体を含む少なくとも1つの電極を含む、電気化学エネルギー発生デバイス、ならびに関連する物品、システム、および方法に関する。いくつかの実施形態では、本明細書に記述される電気化学エネルギー発生デバイスのアノードおよび/またはカソードを、半固体またはレドックス活性イオン貯蔵液体などの電気化学的に活性な流体で形成することができる。電気化学エネルギー発生デバイスは、アノードおよび/またはカソードを、例えば組立て中にそれぞれの電極区画に流入させることができるように、構成することができる。動作中、一方では、電気化学的に活性な(1種または複数の)流体は、エネルギー発生デバイスの内部または外部に(例えば、電気化学エネルギー発生デバイスの電極区画の外に)、ほとんどまたは全く移送されない。
いくつかの実施形態では、正および/または負の電気化学的に活性な(1種または複数の)流体は、微細な電子伝導性粒子(例えば、ナノスケール粒子)の浸透ネットワークを有し、電子伝導率を電極に与えることができる。そのような粒子の例には、例えば、炭素、黒鉛、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェン、金属、金属硫化物、金属炭化物、金属ホウ化物、または金属酸化物が含まれる。電気化学的に活性な(1種または複数の)流体は、電荷を貯蔵する電荷貯蔵材料を、例えばファラデー反応、電荷の容量性貯蔵、または擬似容量性挙動を経て、含むこともできる。電子伝導性粒子ネットワークおよび電荷貯蔵材料は、同じ材料で作製してもよい(しかし必ずしもそのように作製する必要はない。)。
エネルギー発生デバイスの(1つまたは複数の)電極としての、電気化学的に活性な流体の使用は、様々な利点をもたらすことができる。例えば、カソードおよび/またはアノードを、予め組み立てられた固定体積電極区画に流入させることができる能力により、組立てプロセスを簡単にすることができる。電気化学的に活性な(1種または複数の)流体は、バッテリーの設計により決定された空間を満たすことによって、容易にかつ経済的に電極に製作することができる。即ち、電気化学的に活性な(1種または複数の)流体を、重力またはその他の加えられた力の下、バッテリー構成の空間内に注ぎ、注入し、押し出し、またはその他の方法で変形させて、電極を形成することができる。電気化学的に活性な流体は、その容器の外形に順応するので、そのような材料の使用によって、セルのサイズの縮尺を所望の適用例に容易に合わせることが可能になり、かつ/または例えば材料の連続堆積層を含むことができる従来のバッテリー組立て法に比べて形状因子が大きく変動するセルを生成することができる。
バッテリー製造の多くのその他の方法とは異なり、電極は、組立て後に流動可能なままになるよう構成することができる。例えば電極は、セルの動作中に流動可能なままになるよう構成することができる。使用中に流動可能なままであるアノードおよび/またはカソードでの電気化学的に活性な流体の使用により、非常に耐久性のある電気化学セルを生成することが可能になる。電気化学的に活性な流体は、従来のバッテリーで使用された電極材料に比べ、かなりの機械的変形に耐える能力を有する。ほとんどのファラデー貯蔵材料(アルカリイオンまたはプロトンの層間化合物、電気化学反応によりアルカリ金属もしくは水素と合金を形成する材料、または置換もしくは転換反応を受ける材料を含む。)は、イオンの吸収および放出中にかなりの体積変化を示す。これらの体積変化は、多くの場合に機械的疲労もしくは故障または化学分解を引き起こし、バッテリーの寿命、インピーダンス、および/または安全性を低下させることが公知であるかなりの応力をもたらす可能性がある。電気化学的に活性な流体は、一方では、一般に機械的応力に対してもともと耐性があり、したがってそのような分解メカニズムに対してもともと耐性がある。その他の実施形態では、組立て後に流動可能なままにするのではなく、電気化学的に活性な材料を、例えば熱処理、電気化学的に活性な流体の構成成分の重合および/または架橋によって、かつ/または電気化学的に活性な流体のレオロジーを変える反応生成物を生成する電気化学的動作によって、その粘度または降伏強さ(例えば、流体がビンガム固体を含む場合)が低下しまたは上昇するようにさらに変性させることができる。
本明細書で使用される「電気化学的に活性な流体」および「流動可能なレドックス活性組成物」という用語は、エネルギー貯蔵デバイスをその意図されるレベルで動作させるよう、十分高い濃度で任意の電極活物質を含有する流体組成物を指すために、同義に使用される。いくつかの実施形態では、電気化学的に活性な流体におけるエネルギー貯蔵デバイスの作動イオン(例えば、リチウムイオンをベースにしたデバイスの場合はLi)のイオン伝導率は、エネルギー貯蔵デバイスが動作する温度(例えば、約−50℃から約+50℃の間の少なくとも1つの温度)で、少なくとも約0.001mS/cm、少なくとも約0.01mS/cm、少なくとも約0.1mS/cm、少なくとも約1mS/cm、約0.001から約100mS/cmの間、約0.01から約10mS/cmの間、約0.01mS/cmから約100mS/cmの間、または約0.01から約10mS/cmの間とすることができる。
本明細書で使用される「電極活物質」という用語は、セルの動作中にイオンおよび電子を吸収および/または放出することが可能な任意の材料を指す。「アノード活物質」という用語は、アノードに関連付けられた電極活物質を指すのに使用され、一方、「カソード活物質」という用語は、カソードに関連付けられた電極活物質を指すのに使用される。本明細書で使用されるように、電極活物質は、電解質と同じではないことを理解すべきである。「電解質」という用語は、本明細書では、それ自体はイオンを吸収または放出せず、むしろ、電解質内に含有される電極活物質へのおよび/または電極活物質から電気化学セルのその他の部分へのイオンの移送を促進させる材料を指すのに使用される。さらに、電極活物質は、電極電流コレクターから電極活物質への電子の移送を促進させるよう添加される材料(即ち、電子伝導率を増加させる追加の材料)を含まない。
図1は、電極が電気化学的に活性な流体を含んでいる電気化学セル100の、例示的な断面概略図である。電気化学セル100は、イオン交換媒体114および電極電流コレクター116によって境界が定められた電極区画112を含む。本明細書で使用される「電極電流コレクター」という用語は、電極区画から離れて電子を伝導させるが電気化学反応には実質的に関与しない、電気化学セルの部分を指す。電極電流コレクターは、いくつかの実施形態において、電極区画内の電気化学的に活性な流体と電子的に連絡している炭素の金属シートまたは金属片を含むことができる。
電極電流コレクターおよびイオン交換媒体は、電極区画を少なくとも部分的に画定することができる。図1に示される一組の実施形態では、イオン交換媒体114は、電極区画112の第1の境界を形成し、電極電流コレクター116は、電極区画112の第2の境界を形成する。電極区画は、電極電流コレクターまたはイオン交換媒体のいずれかとして働かない材料で形成された、1つまたは複数のその他の境界を含むこともできる。例えば電極区画112は、例えばポリマーまたはいくつかのその他の適切な閉じ込め材料(例えば、電気伝導性ではない閉じ込め材料)で形成された、壁117および118を含むこともできる。
イオン交換媒体および電極電流コレクターは、図1において電極区画の対向面を画定するものとして示されるが、その他の配置構成も可能であることを理解すべきである。当業者なら、本発明の開示から、電気化学セルの動作性を維持しながら、電極電流コレクターおよびイオン交換媒体の様々な構成を設計することが可能と考えられる。
電気化学セルは、第2の電極区画および第2の電極電流コレクターを含むこともできる。図1に示される一組の実施形態では、電気化学セル100は、電流コレクター116とは反対側にあるイオン交換媒体114の面上に位置決めされた、第2の電極電流コレクター126を含む。さらに、電極電流コレクター126およびイオン交換媒体114は、第2の電極区画122を画定する。図1に示される一組の実施形態では、電極区画112は、アノード活物質を含む電気化学的に活性な流体110を含有し(電極電流コレクター116はアノード性である)、一方、電極区画122は、カソード活物質を含む電気化学的に活性な流体120を含有する(電極電流コレクター126はカソード性である)。しかしその他の実施形態では、電極区画112は、カソード活物質を含有することができ(電極電流コレクター116をカソード性とすることができる)、一方、電極区画122は、アノード活物質を含有することができる(電極電流コレクター126をアノード性とすることができる)。
いくつかの実施形態では、第1および/または第2の電極区画の少なくとも1つは、電気化学的に活性な流体が区画に流入できるように構成される。(1つまたは複数の)電極区画は、電気化学的に活性な流体が添加される固定体積区画として組み立てることができる。例えば図1では、電極区画112は、例えばセルの組立て中に電気化学的に活性な流体110が添加される固定体積区画になるよう構成することができる。さらに(または代替例として)、電極区画122は、電気化学的に活性な流体120が添加される固定体積区画になるよう構成することができる。
例えば、最初に区画(イオン交換媒体および電極電流コレクターを含む。)を形成し、そこを通して電気化学的に活性な流体が投入される、電極区画への入口を組み込むことによって、電気化学的に活性な流体を受容するように電極区画を構成することができる。例えば図1では、電極区画112は、イオン交換媒体114、電極電流コレクター110、壁117および118、包封された固定体積区画を形成するのに必要な任意のその他の部分を組み立てることによって、形成することができる。壁118は、電気化学的に活性な流体110を、そこを通して区画112に投入することができる入口130を含むように構成することができる。さらに(または代替例として)、電極区画122を、イオン交換媒体114、電極電流コレクター126、壁117および118、および包封された固定体積区画を形成するのに必要な任意のその他の部分を組み立てることによって、形成することができる。壁118は、電気化学的に活性な流体120を、そこを通して区画122に投入することができる入口132を含むように構成することができる。入口130および132を、区画の組立て前に壁118に予め形成することができ、またはこれらの入口を、区画の組立て後に形成することができる(例えば、穴を開け、充填剤材料を除去することによってなど)。
図1に概略的に示されるように構成された電気化学セルの組立ては、電気化学的に活性な(1種または複数の)流体を予め形成された(1つまたは複数の)区画内に移送することによって(例えば、注ぐことによって、注入することによって、押し出すことによって、または重力もしくはその他の加えられる力の下で変形させることによって)電極が簡単に形成されるので、比較的容易にすることができる。電極の形状およびサイズは、所望の形状因子を有する電極区画を製作することによって容易に構成される。電気化学的に活性な(1種または複数の)流体を(1つまたは複数の)電極区画に添加した後、以下により詳細に記述するように(1つまたは複数の)区画を封止することができる。
電気化学的に活性な流体を電極区画に添加した後、流体は、例えば電気化学エネルギー貯蔵および/または伝達デバイスの一部として、第2の電極区画において(静止固体中または電気化学的に活性な流体中のいずれかにおいて)イオン交換媒体および/または電気化学的に活性な材料と電気化学的に連絡するように配置することができる。本明細書で使用されるように、2つの成分は、これら成分をその意図されるレベルで利用してデバイスを動作させるため、十分なレベルで、電気化学反応の一部としてイオンを交換することが可能になるように配置構成される場合、互いに「電気化学的に連絡」している。例えば、図1に示される一組の実施形態では、電極区画112内の電気化学的に活性な流体110は、電気化学的に活性な流体110からイオンがイオン交換媒体114に移送されるとき、イオン交換媒体114と電気化学的に連絡することができ、その後、イオンはさらに、電気化学反応の一部として、例えば電極区画122内の電気化学的に活性な流体120に移送されてもよい。
動作中、カソード活物質およびアノード活物質は、還元および酸化を受ける可能性がある。イオンは、イオン交換膜114を、例えば両方向矢印190に沿って端から端まで移動することができる。放電動作中、レドックス流デバイスの正および負極活物質の電気化学電位の差は、正および負極の電流コレクター間に電圧差をもたらすことができ;この電圧差は、電極電流コレクターが伝導性回路に接続されている場合、電流を生成することができる。図1に示される一組の実施形態では、電子は、電流を発生させるため外部回路180内を流れることができる。
いくつかの実施形態では、電気化学セルは、充電モードで動作することもできる。充電動作中、消耗した電気化学的に活性な流体を含有する電極区画は、例えば、放電の場合とは反対方向に電流およびイオン流を促すのにかつ放電の電気化学反応を逆転させるのに十分高い電圧を、電極電流コレクターの両端に印加することによって、逆方向に動作することができ、それによって、正および負極区画内に電極活物質が充電される。
いくつかの実施形態では、電気化学セルは動作中(例えば、充電中および/または放電中)、第1および/または第2の電気化学的に活性な流体がそれらの電極区画の中または外にごく僅かしかまたは全く移送されないように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、電気化学セルは動作中、第1の電気化学的に活性な流体(例えば、図1の流体110)が第1の電極区画(例えば、図1の区画112)の外(または中)に移送されないように構成される。さらに(または代替例として)、電気化学セルは動作中、第2の電気化学的に活性な流体(例えば、図1の流体120)が第2の電極区画(例えば、図1の区画122)の外(または中)に移送されないように構成することができる。いくつかの実施形態では、第1および/または第2の電気化学的に活性な流体の約20重量%未満、約10重量%未満、約5重量%未満、または約1重量%未満が、セルの動作中(例えば、充電および/または放電中)に第1および第2の電極区画の外に移送される。
電気化学セルは、電気化学的に活性な流体が、電極区画を封止することによってその電極区画の中または外に移送されないように、構成することができる。図1において、入口130および/または132を、電気化学的に活性な流体110および120がそれぞれセルに添加された後に、封止することができる。いくつかの実施形態では、(1つまたは複数の)電極区画を気密封止することができる。封止は、例えば栓を入口に挿入することによって、入口を覆うように材料を融解することによって(例えば、金属はんだ付け、ガラスろう付けを介して)、または任意のその他の適切な方法を介して実現することができる。
上述のように、電気化学的に活性な流体は、電極区画に添加された後に、場合によってはセルの動作中に、流動可能なままにすることができる。いくつかの実施形態では、(1つまたは複数の)電極区画内の、電気化学的に活性な流体の定常状態剪断粘度(区画内に移送されている間、電気化学セル内に移送された後、および/または電気化学セルの使用(充電および/または放電)中の任意の点で)は、エネルギー貯蔵デバイスの動作温度(例えば、約−50℃から+50℃の間の任意の温度)で、約1センチポアズ(cP)から約1.5×10cP、約1cPから約10cP、約1cPから約500,000cP、または約1cPから約100,000cPとすることができる。いくつかの実施形態では、(1つまたは複数の)電極区画内の、電気化学的に活性な流体の定常状態剪断粘度(区画内に移送されている間、電気化学セル内に移送された後、および/または電気化学セルの使用(充電および/または放電)中の任意の点で)は、エネルギー貯蔵デバイスの動作温度(例えば、約−50℃から+50℃の間の任意の温度)で、約1.5×10cP未満、約1×10cP未満、約500,000cP未満、または約100,000cP未満とすることができる。いくつかの実施形態では、電気化学的に活性な(1種または複数の)流体は、非ニュートン性であり、流体が、一定値ではなく、流体に加えられた剪断速度、流体の履歴、または時間に依存する可能性のある粘度を有することを意味する。
電気化学的に活性な流体の粘度を、例えば、流体中の固体の量を変えることによって調節することができる。例えば、半固体を使用する実施形態では(以下により詳細に記述する。)、イオン貯蔵固相の体積パーセンテージが約5%から約70%の間であってもよく、伝導性添加剤などのその他の固相を含む全固形分体積パーセンテージは約10%から約75%の間であってもよい。いくつかの実施形態では、さらにより高いパーセンテージの固形分を使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、イオン貯蔵固相の体積パーセンテージが少なくとも約75%、少なくとも約80%、または少なくとも約85%であってもよい。いくつかの実施形態では、全固形分体積パーセンテージ(伝導性添加剤などのその他の固相を含む。)が少なくとも約80%、少なくとも約85%、または少なくとも約90%であってもよい。
電気化学的に活性な流体を、セルの動作中に流す能力を維持することによって、いくつかの利点を得ることができる。例えば、電気化学的に活性な流体を、セルの動作中に電極区画内に循環させてもよく、電流コレクターおよび/またはイオン交換媒体で利用可能な電子活物質の量を増加させることができる。さらに電気化学的に活性な流体を、セルの動作中に流す能力を維持することによって、本明細書の他の場所に記述されるように、セルの耐久性を高めることができる。前記循環を生成するための方法には、撹拌および/または対流電流の誘導(例えば、電極に熱勾配を生成することによって、かつ/または電極に密度差を生成することによって、例えば電気化学的サイクルによって)が含まれるが、これらに限定するものではない。一例として、電極区画は、機械式撹拌子(例えば、シャフトおよびプロペラー、可動式トラックドライブ、ヘリカルオーガー、またはその他のデバイス)を含有することができ、これらは、電極区画内の流体を機械的に撹拌するのに使用できるものである。別の例として、電極区画の一部を、熱勾配が電極区画内の流体に導入されるように加熱することができる(かつ/または、電極区画の別の部分を冷却することができる。)。いくつかの実施形態では、加熱および/または冷却する量は、所望の流れプロファイルが電極区画内の流体に生成されるように、選択することができる。別の例として、対流を、電気化学サイクルにより電極区画内に誘導することができる。例えば電極区画内の流体の密度差を、電極の充電および/または放電の結果として生成することができる。いくつかの実施形態では、泡またはその他の低密度領域を、電気化学的副生成物として生成してもよく、これを使用して流体を循環させることができる。
いくつかの実施形態では、電気化学セルの壁の少なくとも一部(または全て)は、破断することなく機械的負荷に耐えることができるよう、変形可能に構成することができる。例えば、電気化学セルの壁の少なくとも一部は、電気化学セルの組立ておよび/または動作中にその弾性限界を超えないポリマー(例えば、弾性ポリマー)などの、延性および/または弾性材料で作製することができる。さらに、いくつかの実施形態では、電気化学セルは、電気化学的に活性な流体の間に位置付けられた変位可能なまたは変形可能なイオン交換媒体(例えば、イオン透過膜セパレーター)を、任意選択で組み込んでもよい。セルの壁の変形可能性、イオン交換媒体の変形可能性、および一方または両方の電極を流す能力の組合せにより、電気化学セルは使用中に機械的疲労または破損なしに膨張および/または収縮することができ、それによって、電気化学セルの寿命を改善しかつ/またはコストを低下させる。当然ながら、いくつかの実施形態では、電気化学セルの壁の少なくとも一部(または全て)を剛性とすることができる。
例えば、電気化学的に活性な流体を含む(例えば、共に正および負極として)電気化学セルは、各電極の膨張および収縮が可能になるように、電極区画の間に変位可能なセパレーターがある剛性の壁を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、電気化学セルは、剛性のイオン交換媒体と、柔軟な壁を含む電極区画を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、イオン交換媒体と電極区画の壁との両方が、柔軟であってもよい。機械的に柔軟な電気化学セルは、そのような構成を通して生成されてもよい。例えば、比較的薄い電気化学セルは、変形することによって利用可能な空間に適合し、湾曲した支持体もしくは面の輪郭に沿う適用例で、または電気化学セルが、使用中に変形する構造部材もしくは面に取着される適用例で、使用するのに十分柔軟になるように構成することができる。そのような変形は、時折りであってもよく、または当然周期的であってもよい。
図1に示される一組の実施形態は、平行板として配置構成された電極区画を含むが、その他の幾何形状も可能である。例えば、一組の実施形態では、電気化学セルは、2つの電極区画がイオン交換媒体により分離されている変形可能なバッグを含むことができる。いくつかの実施形態では、電極区画は、第1の電極区画がシリンダーを含み、第2の電極区画が、第1の電極区画を少なくとも部分的に取り囲む円筒状のシェルを含むように、同心状に構成することができる。
図1に示される一組の実施形態は、両方の電極区画に電気化学的に活性な流体を含むが、その他の実施形態では、正または負の電気化学的に活性な流体を従来の静止型電極に代えることができることを理解すべきである。例えば、いくつかの実施形態では、負極を従来の静止型電極とすることができ、一方、正極は、正の電気化学的に活性な流体を含む。その他の実施形態では、正極を従来の静止型電極とすることができ、一方、負極は、負の電気化学的に活性な流体を含む。
いくつかの実施形態では、アノードおよび/またはカソードの電気化学的に活性な流体は、電子伝導性である。電子伝導性は、いくつかの実施形態では、例えば以下により詳細に記述するように、電気伝導性固体(例えば、炭素、金属など)を電気化学的に活性な流体に懸濁することによって実現することができる。いくつかの実施形態では、電気化学的に活性な流体(例えば、半固体および/またはレドックス活性イオン貯蔵液体を含むことができる。)は、少なくとも約10−6S/cm、少なくとも約10−5S/cm、少なくとも約10−4S/cm、または少なくとも約10−3S/cmの電子伝導率を有し、このとき流体は、エネルギー貯蔵デバイスが動作する温度にある(例えば、約−50℃から約+50℃の間の少なくとも1つの温度)。一例として、電気化学的に活性な流体は、本明細書に記述される電子伝導率のいずれかを有するレドックス活性イオン貯蔵液体を含むことができる。いくつかの実施形態では、電気化学的に活性な流体は半固体を含み、液相および固相の混合物は、一緒に測定される場合に本明細書に記述される電気電導率のいずれかを有する。
様々な電気化学的に活性な流体は、本明細書に記述されるエネルギー発生システムで使用することができる。いくつかの実施形態では、電気化学的に活性な流体は、通常なら電気化学的に活性にはならないと考えられる流体に、懸濁し(例えば、リチウム層間化合物などの不溶性電極活物質の場合)かつ/または溶解した(例えば、電気化学的に活性な可溶性の塩の場合)電極活物質を含むことができる。例えば、電気化学的に活性な流体は、いくつかの実施形態において、イオン伝導性電解質に懸濁されかつ/または溶解した電極活物質を含む。その他の場合には、電気化学的に活性な流体は、それ自体が電気化学的に活性な液体を含むことができる。
いくつかの実施形態では、正および負の電気化学的に活性な流体のうちの少なくとも1つが半固体を含んでいてもよい。「半固体」とは、材料が液相と固相の混合物であることを意味し、例えばスラリー、粒子懸濁液、コロイド状懸濁液、エマルジョン、ゲル、またはミセルなどである。いくつかの実施形態では、半固体にあるエマルジョンまたはミセルは、液体含有相の少なくとも1つの中に固体を含む。いくつかの実施形態では、半固体内の固体は、デバイスの動作中に固相が電気化学的に活性な流体内に存在したままになるように、エネルギー貯蔵デバイスの動作中にエネルギー貯蔵デバイス内で不溶のままにすることができる。例えば電極活物質および電解質を、いくつかの実施形態において、エネルギー貯蔵デバイスの動作中に電極活物質が電解質中に溶解しないように選択することができる。
いくつかの実施形態では、正および負の電気化学的に活性な流体のうちの少なくとも1つは、レドックス活性イオン貯蔵液体(濃縮液体イオン貯蔵液体と呼ぶこともできる。)を含むことができる。「レドックス活性イオン貯蔵液体」(または「濃縮イオン貯蔵液体」)は、単なる溶媒である液体(水性電解質(例えば、カソード液またはアノード液)の場合のように)だけではなく、それ自体がレドックス活性である液体を指すのにも使用される。当然ながら、そのような液体形態は、希釈剤または溶媒である別の非レドックス活性液体によって希釈されても混合されていてもよく、これには、より低い融解液相またはイオン貯蔵液体を含めたエマルジョンもしくはミセルを形成するための、そのような希釈剤との混合も含まれる。いくつかの実施形態では、正および負の電気化学的に活性な流体のうちの少なくとも1つは、半固体およびレドックス活性イオン貯蔵液体の両方を含んでいてもよい。
半固体またはレドックス活性イオン貯蔵液体の使用は、その他の従来のシステムで使用されたその他のエネルギー密度がそれほど高くない材料に比べ、エネルギー貯蔵デバイスの性能を高めることができる。従来の流動可能な電極と本明細書に記述されるイオン貯蔵固相または液相との間の1つの区別は、貯蔵化合物中のレドックス種のモル濃度または容量モル濃度である。特定の例として、水溶液に溶解したレドックス種を有する従来の流動可能な電極は、その容量モル濃度が典型的には2Mから8M濃度に制限される可能性がある。高度に酸性の溶液が、この濃度範囲の上端に達するのに必要と考えられる。しかしそのような措置は、セル動作のその他の態様に有害である可能性がある。例えばこれらの措置は、セル区画、貯蔵容器、および関連ある配管系統の腐食を増大させる可能性がある。さらに、金属イオンの溶解度が増加する範囲が限定される。
対照的に、本明細書に記述される正極および/または負極活物質(例えば、半固体の電気化学的に活性な流体に使用される。)は、電解質中で不溶性である可能性があり、したがって電極活物質の濃度は、電解質などの溶媒中の電極活物質の溶解度により制限されない。ある非限定的な例として、電極活物質は、電解質中に懸濁させたリチウム層間化合物を含むことができ、このリチウム層間化合物は、電解質中に溶解することなくデバイスの動作中にイオンを吸収しかつ/または放出することが可能である。即ち、リチウム層間化合物は、エネルギー貯蔵デバイスの動作中、固相にあり続けることができる。例えば、いくつかの実施形態では、LiCoOを電極活物質として使用することができ、Liをエネルギー貯蔵デバイス内の活性イオンとして使用することができる。デバイスの動作中、下記の電気化学反応を引き起こすことができる:
充電: LiCoO→χLi+χe+Li1−χCoO
放電: χLi+χe+Li1−χCoO→LiCoO
いくつかのそのような実施形態では、固相(例えば、Li1−χCoOおよびLiCoO)は、エネルギー貯蔵デバイスの充電および放電の様々な段階全体を通して、電気化学的に活性な流体中にあるままである。
本明細書に記述される任意の流動可能な半固体またはレドックス活性イオン貯蔵液体は、1リットル当たりのモル数または容量モル濃度で解釈する場合、少なくとも10M、少なくとも12M、少なくとも15M、または少なくとも20M濃度の電極活物質を有していてもよい。電極活物質は、イオン貯蔵材料、またはエネルギーを貯蔵するためにファラデー反応を受けることが可能な任意のその他の化合物もしくはイオン錯体とすることができる。電極活物質は、非レドックス活性相と混合したレドックス活性固相または液相を含む多相材料であって、固−液懸濁液を含めたもの、または液−液多相混合物であって、支持液相と密に混合した液体イオン貯蔵材料を有するミセルまたはエマルジョンを含めたものとすることもできる。
(1種または複数の)半固体および/または(1種または複数の)レドックス活性イオン貯蔵液体を含む電気化学的に活性な流体を用いるシステムは、そのような材料を使用することによりセル内に電気化学的副生成物が生成されないので、有利とすることもできる。半固体の場合、電解質は、電気化学組成生成物で汚染されなくなるが、それは電極活物質が電解質に不溶であるために除去および/または再生成しなければならないからである。レドックス活性イオン貯蔵液体は、(1種または複数の)副生成物を生成することなくイオンを直接放出および/または吸収することができるので、同様の利益をもたらす。
いくつかの実施形態では、流動可能な半固体および/またはレドックス活性イオン貯蔵液体組成物は、ゲルを含む。
流動可能な半固体およびレドックス活性イオン貯蔵液体の使用について上記にて詳細に述べてきたが、本発明はそのように限定するものではなく、溶解した電極活物質(例えば、流体電解質に可溶な塩)を含む電気化学的に活性な流体を、本明細書に記述される実施形態のいずれかに使用できることも理解すべきである。
様々なタイプの電極活物質を、本明細書に記述される実施形態に関連して使用することができる。本明細書に記述される特徴および態様は、一次(使い捨て)および二次(再充電式)バッテリーに使用することができる。様々な作動イオンを利用するシステム((1種または複数の)半固体および/または(1種または複数の)レドックス活性イオン貯蔵液体を含む電気化学的に活性な材料を用いるシステムを含む。)が考えられ、H;OH、Li、Na、および/またはその他のアルカリイオン;Ca2+、Mg2+、および/またはその他のアルカリ土類イオン;および/またはAl3+が作動イオンとして使用されるシステムが含まれる。さらに、電気化学的に活性な流体は、水性および/または非水性成分を含むことができる。これらの場合のそれぞれにおいて、負極貯蔵材料および正極貯蔵材料が必要とされる可能性があり、負極は、正極よりも低い絶対電位で、問題となっている作動イオンを貯蔵する。セル電圧は、2種のイオン貯蔵電極材料のイオン貯蔵電位の差によって、おおよそ決定することができる。
いくつかの実施形態では、電気化学的に活性な流体は、従来の固体リチウムイオンバッテリーで作動することが判明した材料を含む。いくつかの実施形態では、正の電気化学的に活性な流体は、リチウム正極活物質を含有し、リチウム陽イオンは負極と正極との間を往復し、液体電解質に懸濁した固体のホスト粒子内に介入される。
いくつかの実施形態では、電気化学的に活性な流体のうちの少なくとも1つは、有機でも無機でもよい電極活物質のレドックス活性イオン貯蔵液体を含み、リチウム金属、ナトリウム金属、リチウム−金属合金、ガリウムおよびインジウム合金、であって、溶解したリチウム、融解遷移金属塩化物、および塩化チオニルなどを含んでおりまたは含んでいないもの、またはバッテリーの動作条件下で液体のレドックスポリマーおよび有機物が含まれるが、これらに限定するものではない。そのような液体形態は、希釈剤または溶媒である別の非レドックス活性液体によって希釈されても混合されてもよく、これには、より低い融解液相を形成するための、そのような希釈剤との混合が含まれる。しかし、従来のセルの流動可能な電極とは異なり、電極活物質は、電気化学的に活性な流体の全質量の少なくとも10質量%、または少なくとも25質量%を構成することができる。
いくつかの実施形態では、電気化学的に活性な流体は、上述のように半固体の形をとってもレドックス活性イオン貯蔵液体の形をとっても、バッテリーの正極または負極のいずれかに有用な電位で問題となっている作動イオンを貯蔵する、有機レドックス化合物を含む。そのような有機電極活物質には、ポリアニリンまたはポリアセチレンをベースにした材料、ポリニトロキシドまたは有機ラジカル電極(H. Nishideら、Electrochim. Acta、50巻、827〜831頁、(2004年)、およびK. Nakaharaら、Chem. Phys. Lett.、359巻、351〜354頁、(2002年)に記載されるようなもの)、カルボニルをベースにした有機物、オキソカルボンおよびカルボキシレートであって、Li、Li、およびLiなどの化合物を含むもの(例えば、M. Armandら、Nature Materials、DOI: 10.1038/nmat2372参照)などの、「p」ドープ伝導性ポリマーが含まれる。
いくつかの実施形態では、電極活物質は、一般に「ゾルゲル法」として公知である方法の中でも、例えば金属アルコキシドの加水分解によって生成された金属酸化物ゾルまたはゲルを含めたゾルまたはゲルを含む。組成物Vの酸化バナジウムゲルは、そのような電極活性ゾルゲル材料の1種である。
適切な正極活物質は、NiMH(ニッケル−金属水素化物)ニッケルカドミウム(NiCd)バッテリーで使用されるような、当業者に公知の固体化合物を含む。Li貯蔵のためのさらにその他の正極活物質には、一般にCFと呼ばれる一フッ化炭素バッテリーで使用されるもの、またはほぼ化学量論的なMFまたはMFを有する金属フッ化物化合物(式中、MはFe、Bi、Ni、Co、Ti、Vを含む。)が含まれる。例には、H. Li、P. Balaya、およびJ. Maier、Li−Storage via Heterogeneous Reaction in Selected Binary Metal Fluorides and Oxides、Journal of The Electrochemical Society、151巻[11号]、A1878〜A1885頁、(2004年)、M. Bervas、A.N. Mansour、W.−S. Woon、J.F. Al−Sharab、F. Badway、F. Cosandey、L.C. Klein、およびG.G. Amatucci、「Investigation of the Lithiation and Delithiation Conversion Mechanisms in a Bismuth Fluoride Nanocomposites」、J. Electrochem. Soc.、153巻、A799頁、(2006年)、およびI. Plitz、F. Badway、J. Al−Sharab、A. DuPasquier、F. Cosandey、およびG.G. Amatucci、「Structure and Electrochemistry of Carbon−Metal Fluoride Nanocomposites Fabricated by a Solid State Redox Conversion Reaction」、J. Electrochem. Soc.、152巻、A307頁、(2005年)に記載されるものが含まれる。
別の例として、単層カーボンナノチューブ(SWNT)、多層カーボンナノチューブ(MWNT)、または金属もしくはメタロイドのナノワイヤーを含むフラーレン炭素を、電極活物質として使用してもよい。一例には、C.K. Chan、H. Peng、G. Liu、K. McIlwrath、X. F. Zhang、R.A. Huggins、およびY. Cui、High−performance lithium battery anodes using silicon nanowires、Nature Nanotechnology、オンライン出版2007年12月16日;doi:10.1038/nnano.2007.411による報告にある、高エネルギー密度貯蔵材料として使用されるシリコンナノワイヤーが含まれる。
いくつかの実施形態では、負の電気化学的に活性な流体は、容量性または擬似容量性の電荷貯蔵を示す炭素を含むことができる。いくつかの実施形態では、負の電気化学的に活性な流体は、そのような炭素を比較的高い濃度で含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、電気化学的に活性な流体は、負の電気化学的に活性な流体の少なくとも約55重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約65重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約75重量%、少なくとも約80重量%、または少なくとも約85重量%の量で、容量性または擬似容量性の電荷貯蔵を示す炭素(例えば、高表面積炭素)を含有することができる。いくつかの実施形態では、負の電気化学的に活性な流体中の炭素(例えば、炭素の一部または全てが、容量性または擬似容量性の電荷貯蔵を示すことが可能)は、比較的高い表面積を有することができる。例えば、高表面積炭素は、少なくとも約50m/グラム炭素、少なくとも約100m/グラム炭素、少なくとも約250m/グラム炭素、または少なくとも約500m/グラム炭素の表面積を有することができる。当業者なら、例えばブルナウアー−エメット−テラー(BET)法を使用して、炭素サンプルの表面積を測定することが可能であろう。さらに当業者なら、例えば、前記炭素を電極として使用して電気化学セルを製作し試験することにより、容量性または擬似容量性の電荷貯蔵を示すことが可能な炭素を同定することが可能である。例えば活性炭(例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、ファーネスブラック)およびフラーレン炭素(例えば、グラフェン、グラフェンオキシド、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ)は、容量性または擬似容量性の電荷貯蔵を示すことが可能である。容量性または擬似容量性の電荷貯蔵を示すことが可能な炭素の使用は、そのような材料が層間化合物などのその他の材料よりも少ないエネルギー容量を一般に提供するが、非常に高い電力、サイクル寿命、および耐久性を一般に提供するので、有利とすることができる。
リチウムシステムにおける正の電気化学的に活性な流体に関する例示的な電極活物質には、α−NaFeO(いわゆる「層状化化合物」)または斜方晶LiMnO構造型を有するもの、またはそれらの異なる結晶対称性、原子配列、または金属もしくは酸素の部分置換による誘導体を含めた規則正しい岩塩化合物LiMOの一般的なファミリーが含まれる。そのような実施形態では、Mは、少なくとも1種の第1列の遷移金属を含み、Al、Ca、Mg、またはZrを含むがこれらに限定されない非遷移金属を含んでいてもよい。そのような化合物の例には、LiCoO、MgがドープされたLiCoO、LiNiO、Li(Ni,Co,Al)O(「NCA」として公知である)、およびLi(Ni,Mn,Co)O(「NMC」として公知である)が含まれる。例示的な電極活物質のその他のファミリーには、LiMnおよびその誘導体などのスピネル構造、LiNi0.5Mn1.5を含むがこれに限定されない電位対Li/Liが4.3Vを超える「高電圧スピネル」、構造が規則的な岩塩およびスピネル配列を有するナノスコピック領域を含むいわゆる「層状化スピネルナノ複合体」、オリビンLiMPOおよびその誘導体であってMがMn、Fe、Co、またはNiのうちの1つまたは複数を含むもの、LiVPOFなどの部分的にフッ素化された化合物、その他の「ポリアニオン」化合物、VおよびV11を含めた酸化バナジウムVが含まれる。
1つまたは複数の実施形態では、電極活物質は、例えば米国特許第7,338,734号に記載されている遷移金属ポリアニオン化合物を含む。1つまたは複数の実施形態では、電極活物質は、アルカリ金属遷移金属酸化物またはリン酸塩を含み、例えば化合物は、組成A(M’1−aM”(XD、Ax(M’1−aM”(DXD、またはAx(M’1−aM”(Xを有し、xと、y(1−a)とM’の1つまたは複数の形式原子価(formal valence)の積と、yaとM”の1つまたは複数の形式原子価の積との和が、zとXD、X、またはDXD基の形式原子価の積に等しくなるような値を有し;または化合物は、組成(A1−aM”M’(XD、(A1−aM”M’(DXD(A1−aM”M’(Xを含み、かつ(1−a)xと、axとM”の1つまたは複数の形式原子価の積の数量と、yとM’の1つまたは複数の形式原子価の積との和が、zとXD、X、またはDXD基の形式原子価の積に等しくなるような値を有する。そのような化合物において、Aは、アルカリ金属および水素のうちの少なくとも1つであり、M’は、第1列の遷移金属であり、Xは、リン、硫黄、ヒ素、モリブデン、およびタングステンのうちの少なくとも1つであり、M”は、IIA、IIIA、IVA、VA、VIA、VIIA、VIIIA、IB、IIB、IIIB、IVB、VB、およびVIB族金属のいずれかであり、Dは、酸素、窒素、炭素、またはハロゲンのうちの少なくとも1つである。正の電気活物質は、オリビン構造の化合物LiMPOとすることができ、但しMは、V、Cr、Mn、Fe、Co、およびNiのうちの1つまたは複数であり、この化合物は任意選択で、Li、M、またはO位でドープされている。Li位の欠陥は、金属またはメタロイドを添加することによって補われ、O位の欠陥は、ハロゲンを添加することによって補われる。いくつかの実施形態では、正の活物質は、オリビン構造を有しかつ式(Li1−x)MPOを有する(式中、Mは、V、Cr、Mn、Fe、Co、およびNiの1つまたは複数であり、Zは、Ti、Zr、Nb、Al、またはMgの1つまたは複数などの非アルカリ金属ドーパントであり、xは、0.005から0.05に及ぶ。)、熱的に安定な遷移金属がドープされたリチウム遷移金属リン酸塩を含む。
その他の実施形態では、リチウム遷移金属リン酸塩材料は、Li1−x−z1+zPOという全体組成を有し、但しMは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、およびNiからなる群から選択された少なくとも1種の第1列の遷移金属であり、xは0から1であり、zは正または負とすることができる。いくつかの実施形態では、MはFeを含み、zは約0.15から−0.15の間である。材料は、室温(22〜25℃)で、0<x<0.15の組成範囲で固溶体を示すことができ、または材料は、0から少なくとも約0.05の間のxの組成範囲で安定な固溶体を示すことができ、または材料は、0から少なくとも約0.07の間のxの組成範囲で安定な固溶体を示すことができる。材料は、リチウムに乏しいレジーム、例えばx≧0.8、またはx≧0.9、またはx≧0.95で、固溶体を示してもよい。
いくつかの実施形態では、電極活物質は、置換または転換反応を受けることによって、アルカリイオンを貯蔵する金属塩を含む。そのような化合物の例には、リチウムバッテリーにおいて典型的には負極として使用されるCoO、Co、NiO、CuO、MnOなどの金属酸化物が含まれ、これらはLiと反応すると置換または転換反応を受けて、LiOと、より還元された酸化物の形または金属の形をとる構成成分との混合物を形成する。その他の例には、CuF、FeF、FeF、BiF、CoF、およびNiFなどの金属フッ化物が含まれ、これらは置換または転換反応を受けて、LiFおよび還元された金属構成成分を形成する。そのようなフッ化物は、リチウムバッテリーにおいて正極として使用してもよい。その他の実施形態では、電極活物質は、一フッ化炭素またはその誘導体を含む。
いくつかの実施形態では、置換または転換反応を受ける材料は、平均して100ナノメートル以下の寸法を有する微粒子の形をとる。いくつかの実施形態では、置換または転換反応を受ける材料は、炭素または金属または金属硫化物などの伝導性があり比較的延性のある化合物を含むがこれらに限定することのない、不活性ホストと混合された活物質のナノ複合体を含む。
いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵デバイスは、リチウムをベースにしたエネルギー貯蔵デバイス(例えば、リチウムをベースにしたバッテリー)であり、負極活性化合物は、黒鉛、黒鉛型ホウ素−炭素合金、硬質のまたは不規則に配列された炭素、チタン酸リチウムスピネル、および/または固体金属、金属合金、メタロイドおよび/またはメタロイド合金であって、リチウムと反応して金属間化合物を形成するものを含み、金属Sn、Bi、Zn、Ag、およびAlと、メタロイドSiおよびGeが含まれる。いくつかの実施形態では、LiTi12スピネルまたはそのドープされたもしくは非化学量論的な誘導体を、電極活物質(例えば、負極活物質)として含めることができる。
リチウム作動イオンの場合の負極(例えば、電気化学的に活性な流体)用の例示的な電極活物質は、黒鉛または非黒鉛型炭素、非晶質炭素、またはメソカーボンマイクロビーズ;Ag、Al、Au、B、Ga、Ge、In、Sb、Sn、Si、もしくはZnの1種もしくは複数を含む金属などの非リチウム化金属もしくは金属合金、またはLiAl、LiAl、LiAl、LiZn、LiAg、Li10Ag、Li、Li、Li12Si、Li21Si、Li13Si、Li21Si、LiSn、Li13Sn、LiSn、Li22Sn、LiSb、LiSb、LiBi、もしくはLiBiなどの化合物を含むリチウム化金属もしくは金属合金、またはリチウム化もしくは非リチウム化組成物の非晶質金属合金を含む。
いくつかの実施形態では、本発明のエネルギー貯蔵デバイス(作動イオンとしてLiまたはNaを使用するものを含む。)は、水性電解質を含む。水性電解質の使用は、ある場合にはいくつかの非水性システム(例えば、アルキル炭酸塩電解質溶媒を使用する従来のリチウムイオンシステム)で使用できるよりも低い電位の使用しか必要としない可能性があるが(水の電解による分解を避けるため)、半固体水性バッテリーのエネルギー密度は、半固体の電気化学的に活性な流体の固相において可能性のあるさらにより高い密度のイオン貯蔵により、従来の水溶液セル(例えば、バナジウムレドックスまたは亜鉛−臭素化学作用)の場合よりも非常に高い。水性電解質は、典型的には非水性電解質よりもそれほど高価ではなく、エネルギー貯蔵デバイスのコストを下げることができ、それと共に典型的にはより高いイオン伝導率を有することもできる。さらに水性電解質システムは、電気化学的に活性な流体および/または電極電流コレクターで使用される伝導性固相上に絶縁SEIを形成し難くなる可能性があり、そのためエネルギー貯蔵デバイスのインピーダンスを増加させる可能性がある。
水性システムの下記の非限定的な例は、広範なカソード活物質、アノード活物質、電極電流コレクター材料、電解質、およびそのような構成要素の組合せを、この組の実施形態の半固体水性バッテリーで使用してもよいことを示す。
いくつかの実施形態では、一般式Aの酸化物を、水性または非水性電気化学セルの電極活物質として使用してもよく、但しAは、Na、Li、K、Mg、Ca、Al、H、および/またはOHのうちの1つまたは複数であってもよい作動イオンを含み;Mは、作動イオンが化合物に介入しまたは化合物から脱介入するときにその形式原子価状態を変化させる遷移金属を含み;Oは酸素に該当し;xは0から10の値を有することができ;yは1から3の値を有することができ;zは2から7の値を有することができる。
水性または非水性半固体セルは、半固体の電気化学的に活性な流体として、参照によりその全体が全てを目的として本明細書に組み込まれるChiangらの米国特許第7,338,734号に記載される化合物を含むがそれに限定することのない、1種または複数のリチウム金属「ポリアニオン」化合物を含んでいてもよい。そのような化合物は、組成(A)(M’1−aM”(XD、A(M’1−aM”(DXD、またはA(M’1−aM”(Xを含み、但しAは、アルカリ金属または水素のうちの少なくとも1つであり、M’は、第1列遷移金属であり、Xは、リン、硫黄、ヒ素、ホウ素、アルミニウム、ケイ素、バナジウム、モリブデン、およびタングステンのうちの少なくとも1つであり、M”は、IIA、IIIA、IVA、VA、VIA、VIIA、VIIIA、IB、IIB、IIIB、IVB、VB、およびVIB族金属のいずれかであり、Dは、酸素、窒素、炭素、またはハロゲンのうちの少なくとも1つであり、0≦a≦0.1であり、xは0以上であり、yおよびzは、0より大きく、かつxと、y(1−a)とM’の1つまたは複数の形式原子価の積と、yaとM”の1つまたは複数の形式原子価の積との和が、zとXD、X、またはDXD基の形式原子価の積に等しくなるような値を有する。いくつかの実施形態では、化合物は、オリビン(AMXO)、NASICON(A(M’,M”)(XO)、VOPO、LiFe(P)、またはFe(P構造型の規則的なまたは部分的に不規則な構造に結晶化し、プロトタイプの化合物の理想的な化学量論比y/zを少なくとも0.0001上回る、元素Xの濃度に対する金属(M’+M”)のモル濃度を有する。
その他のそのような化合物は、組成(A1−aM”M’(XD、(A1−aM”M’(DXD、または(A1−aM”M’(Xを含み、但しAは、アルカリ金属または水素のうちの少なくとも1つであり;M’は、第1列遷移金属であり;Xは、リン、硫黄、ヒ素、ホウ素、アルミニウム、ケイ素、バナジウム、モリブデン、およびタングステンのうちの少なくとも1つであり;M”は、IIA、IIIA、IVA、VA、VIA、VIIA、VIIIA、IB、IIB、IIIB、IVB、VB、およびVIB族金属のいずれかであり;Dは、酸素、窒素、炭素、またはハロゲンのうちの少なくとも1つであり;0≦a≦0.1であり;x、y、およびzは、ゼロより大きく、かつ(1−a)xと、axとM”の1つまたは複数の形式原子価の積の数量と、yとM’の1つまたは複数の形式原子価の積との和が、zとXD、X、またはDXD基の形式原子価の積に等しくなるような値を有する。これらの実施形態のいくつかでは、化合物は、オリビン(AMXO)、NASICON(A(M’,M”)(XO)、VOPO、LiFe(P)、またはFe(P構造型の規則的なまたは部分的に不規則な構造に結晶化し、プロトタイプ化合物の理想的な化学量論比y/zを少なくとも0.0001上回る、元素Xの濃度に対する金属(M’+M”)のモル濃度を有する。
さらにその他の化合物は、組成(Ab−aM”M’(XD、(Ab−aM”M’(DXD、または(Ab−aM”M’(Xを含み、但しAは、アルカリ金属または水素のうちの少なくとも1つであり;M’は、第1列遷移金属であり;Xは、リン、硫黄、ヒ素、ホウ素、アルミニウム、ケイ素、バナジウム、モリブデン、およびタングステンのうちの少なくとも1つであり;M”は、IIA、IIIA、IVA、VA、VIA、VIIA、VIIIA、IB、IIB、IIIB、IVB、VB、およびVIB族金属のいずれかであり;Dは、酸素、窒素、炭素、またはハロゲンのうちの少なくとも1つであり;0≦a≦0.1であり;a≦b≦1であり;x、y、およびzは、ゼロよりも大きく、かつ(b−a)xと、axとM”の1つまたは複数の形式原子価の積の数量と、yとM’の1つまたは複数の形式原子価の積との和が、zとXD、X、またはDXD基の形式原子価の積に等しくなるような値を有する。これらの実施形態のいくつかでは、化合物は、オリビン(AMXO)、NASICON(A(M’,M”)(XO)、VOPO、LiFe(P)、またはFe(P構造型の規則的なまたは部分的に不規則な構造に結晶化し、プロトタイプ化合物の理想的な化学量論比y/zを少なくとも0.0001上回る、元素Xの濃度に対する金属(M’+M”)のモル濃度を有する。
その他の水性再充電リチウムバッテリーは、カソード活物質/アノード活物質の下記の組合せ:LiMn/VO、Li(Ni1−xCo)O/LiV、LiCoO/LiV、LiMn/TiP、LiMn/LiTi(PO、Li(Ni0.33Mn0.33Co0.33)O/Li、V/Li、LiMn/Li、LiMn/NaTi(PO、LiMn/LiFe(PO、LiMn/LiFeP、LiMn/LiFe(P、LiCoO/C、Li0.5Mn/LiCoO、γ−MnO/Zn、およびTiO(アナターゼ)/Znを含む。本明細書に記述される半固体バッテリーは、アノード活物質のいずれか1種または複数と共に、これらカソード活物質のいずれか1種または複数を使用することを含むことができる。そのような非流動システムで使用することができる電極伝導性添加剤および結合剤、電流コレクター材料、電流コレクターコーティング、および電解質は(本明細書に記述されるような)、本明細書で記述される半固体電気化学セルで使用することもできる。
いくつかの実施形態では、電気化学セルは、一般式LiFe(式中、例えば、xは約0.5から約1.5の間とすることができ、yは約0.5から約1.5の間とすることができ、aは約0.5から約1.5の間とすることができ、zは約3から約5の間とすることができる。)の材料を含む水性正極活物質と、一般式Lix’Tiy’z’(式中、例えば、x’は約3から約5の間とすることができ、y’は約4から約6の間とすることができ、z’は約9から約15の間または約11から約13の間とすることができる。)の材料を含む負極活物質とを含むことができる。特定の例として、いくつかの実施形態では、正極活物質はLiFePOを含むことができ、負極活物質はLiTi12を含むことができる。いくつかの実施形態では、正および/または負極活物質は、これら化合物の、陽イオンまたは陰イオンがドープされた誘導体を含むことができる。
水性電気化学セルで使用することができる電極活物質のその他の特定の組合せ(アノード/カソードの対として本明細書では列挙される)には、LiV/LiCoO;LiV/LiNiO;LiV/LiMn;およびC/Na0.44MnOが含まれるが、これらに限定するものではない。
ナトリウムは作動イオンとして、水性電解質と、カソード活性またはアノード活性化合物とを併せて使用することができるが、これらは、ナトリウムを適切な電位で介入させ、または表面吸着および電気化学キャパシターのような電気二重層の形成によってもしくは電荷移動を伴う表面吸着によってナトリウムを貯蔵するものである。そのようなシステム用の材料は、従来の二次バッテリーで使用するために、J. Whitacreによる米国特許出願第2009/0253025号に記載されている。本明細書に記述される半固体電気化学セルは、そのようなシステムで考えられるカソード活物質、アノード活物質、電極伝導性添加剤および結合剤、電流コレクター材料、電流コレクターコーティング、および電解質のうちの1つまたは複数を使用することができる。本明細書に記述される1つまたは複数の実施形態は、これらの材料を半固体電気化学セルに組み込むことができる。
ナトリウムを貯蔵しかつ水性電解質システムで使用することができるカソード活物質には、層状化/斜方晶NaMO(バーネサイト)、立方晶スピネルλ−MnOをベースにした化合物、Na、NaMPO、NaM(PO、NaMPOF、およびトンネル構造Na0.44MO(式中、Mは第1列遷移金属である)が含まれるが、これらに限定するものではない。特定の例には、NaMnO、Naと交換されまたはNaが貯蔵されるLiMnスピネル、LiNaMn、NaMn、NaMn、NaFePO、NaFePOF、およびNa0.44MnOが含まれる。いくつかの実施形態では、カソード活物質は、ナトリウムマンガン酸化物(例えば、NaMn18)を含む。アノード活物質は、表面吸着および脱着を通して可逆的にナトリウムを貯蔵する材料を含むことができ、活性炭、黒鉛、メソポーラスカーボン、およびカーボンナノチューブなどの高表面積炭素を含むことができる。アノード活物質は、高表面積またはメソポーラスまたはナノスケールの形の酸化物、例えば酸化チタン、酸化バナジウム、および上記にてカソード活物質であると確認されたが負極の動作電位ではナトリウムを介入させない化合物を含んでいてもよい。
電気化学セルは、様々な非水性電解質リチウムイオンシステムを含むことができる。例えばいくつかの実施形態では、電気化学セルは、カソード活物質としてのリチウム遷移金属ホスホ−オリビンとチタン酸リチウムスピネル(例えば、LiTi12)とを使用する、非水性電解質リチウムイオンシステムを含む。いくつかの実施形態では、電気化学セルは、カソード活物質としてのLiMnと、アノード活物質としての高表面積またはナノスケール炭素(例えば、活性炭)とを使用する、非水性電解質リチウムイオンシステムを含む。いくつかの実施形態では、電気化学セルは、カソード活物質としてのチタン酸リチウムスピネル(例えば、LiTi12)と、アノード活物質としての高表面積またはナノスケール炭素(例えば、活性炭)とを使用する、非水性電解質リチウムイオンシステムを含む。これらの材料の組合せは、比較的低いコストで高い電力および長いサイクル寿命を提供することができる。
電気化学セルは、様々な水性電解質リチウムイオンシステムを含むこともできる。例えばいくつかの実施形態では、電気化学セルは、カソード活物質としてのリチウム遷移金属ホスホ−オリビンと、アノード活物質としてのチタン酸リチウムスピネル(例えば、LiTi12)とを使用する、水性電解質リチウムイオンシステムを含む。いくつかの実施形態では、電気化学セルは、カソード活物質としてのチタン酸リチウムスピネル(例えば、LiTi12)と、アノード活物質としての非限定的な例である高表面積またはナノスケール炭素、活性炭とを使用する、水性電解質リチウムイオンシステムを含む。いくつかの実施形態では、電気化学セルは、カソード活物質としてのナトリウムマンガン酸化物(例えば、NaMn18)と、アノード活物質としての高表面積またはナノスケール炭素(例えば、活性炭)とを使用する、水性電解質ナトリウムイオンシステムを含む。電気化学セルは、カソード活物質としてのλ−MnOとアノード活物質としての高表面積またはナノスケール炭素(例えば、活性炭)とを使用する、水性電解質ナトリウムイオンシステムを含むこともできる。これらの材料の組合せは、比較的低いコストで高い電力および長い寿命を提供することができる。
いくつかの実施形態では、電極活物質は、ナノスケール、ナノ粒子、またはナノ構造形態として存在する。これは、貯蔵化合物の安定な液体懸濁液の形成を促進させることができ、そのような粒子が電流コレクターの近くにある場合に反応速度を改善する。ナノ微粒子は、等軸形状を有していてもよく、または約3よりも大きいアスペクト比を有していてもよく、ナノチューブ、ナノロッド、ナノワイヤー、およびナノプレートレットが含まれる。ナノトライポッドおよびナノテトラポッドなどの分岐ナノ構造を、いくつかの実施形態で使用することもできる。ナノ構造電極活物質は、機械式研削、化学沈殿、気相反応、レーザーを利用した反応、およびバイオアセンブリーを含む様々な方法により調製してもよい。バイオアセンブリー法は、例えば、K. T. Nam、D.W. Kim、P.J. Yoo、C.−Y. Chiang、N. Meethong、P.T. Hammond、Y.−M. Chiang、A.M. Belcher、「Virus enabled synthesis and assembly of nanowires for lithium ion battery electrodes」、Science、312巻[5775号]、885〜888頁、(2006年)に記載されるように、問題のイオン貯蔵無機化合物を鋳型にするようプログラムされたDNAを有するウイルスを使用するステップを含む。
半固体の電気化学的に活性な流体を有するレドックスセルでは、非常に微細な固相が、セパレーターフィルムを「詰まらせる」ことによって、システムの電力およびエネルギーを阻害する可能性がある。1つまたは複数の実施形態では、半固体の流動可能な組成物は、速いレドックス速度に向けて非常に微細な一次粒子サイズを含有するが、これは凝集してより大きな凝集塊になる。したがっていくつかの実施形態では、正および/または負の流動可能なレドックス組成物中の固体電極活性化合物の粒子は、1マイクロメートルから500マイクロメートルの平均直径の多孔質凝集体に存在する。
エネルギー貯蔵デバイスは、いくつかの実施形態において、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなフルオロポリマーなどの潤滑剤を含むことができる、小粒子を含むことができる。
水性半固体電気化学セルで使用される電解質は、0.1Mから10Mの濃度まで水に溶解したアルカリまたはアルカリ土類塩を含んでいてもよい。使用される塩は、層間電極に貯蔵されたイオン種以外のアルカリまたはアルカリ土類金属を含んでいてもよい。したがってリチウムおよびナトリウム貯蔵電極の場合、電解質は、ASO、ANO、AClO、APO、ACO、ACl、ANO、およびAOH(式中、Aは、Li、Na、LiおよびNaの両方、またはKを含む。)を含有していてもよい。アルカリ土類塩には、CaSO、Ca(NO、Ca(ClO、CaCO、Ca(OH)、MgSO、Mg(NO、Mg(ClO、MgCO、およびMg(OH)が含まれるが、これらに限定するものではない。水性電解質のpHは、当業者に公知の方法を使用して調節してもよく、例えば、電解質の電圧安定性窓を調節するためにまたはある活物質のプロトン交換による分解を低減するために、pHを上昇させるにはOH含有塩を添加し、またはpHを低下させるには酸を添加することによって、調節してもよい。
いくつかの実施形態では、電気化学的に活性な流体は、半固体および/またはレドックス活性イオン貯蔵液体組成物の固相を懸濁し移送するのに使用される、キャリヤー液体を含むことができる。キャリヤー液体は、流動可能なレドックス組成物の固相または濃縮イオン貯蔵液体を、懸濁し移送することができる任意の液体とすることができる。いくつかの実施形態では、キャリヤー液体を電解質とすることができ、または電気化学的に活性な流体にイオンおよび/または電子を移送するのに使用される電解質の成分とすることができる。
例として、キャリヤー液体は、水、極性溶媒、例えばアルコール、または非プロトン性有機溶媒とすることができる。多数の有機溶媒が、Liイオンバッテリー電解質の成分として提示されており、とりわけ、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、およびそれらの塩素化またはフッ素化誘導体などの、環式炭酸エステルのファミリーと、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ブチルメチルカーボネート、ブチルエチルカーボネート、およびブチルプロピルカーボネートなどの、非環式ジアルキル炭酸エステルのファミリーがある。Liイオンバッテリー電解質溶液の成分として提示されたその他の溶媒には、γ−ブチロラクトン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオノニトリル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、ジメチルカーボネート、およびテトラグリムなどが含まれる。これらの非水性溶媒は、典型的には、イオン伝導率が得られるように塩を溶解させる多成分混合物に使用される。リチウム伝導率を与える例示的な塩には、LiClO、LiPF、LiBF、リチウムビス(ペンタフルオロスルホニル)イミド(LiBETIとも呼ばれる。)、リチウムビス(トリフルオロメタン)スルホンイミド(LiTFSIとも呼ばれる。)、およびリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOBとも呼ばれる。)などが含まれる。特定の例として、キャリヤー液体は、1,3−ジオキソランを、例えば質量で約70:30の混合物としてリチウムビス(ペンタフルオロスルホニル)イミドと混合したもの;アルキルカーボネートをLiPFと混合したもの;LiPFをジメチルカーボネートDMCに混合したもの(例えば、約1Mの容量モル濃度で);LiClOを1,3−ジオキソランに混合したもの(例えば、約2Mの容量モル濃度で);および/またはテトラグリムとリチウムビス(ペンタフルオロスルホニル)イミドとの混合物(例えば、約1:1のモル比で)を含むことができる。
いくつかの実施形態では、電気化学的に活性な流体(例えば、固相、または半固体および/またはレドックス活性イオン貯蔵液体を懸濁し移送するため)および/または電極活物質(例えば、電気化学的に活性な流体に含まれる不溶性の固体および/または塩)中で使用されるキャリヤー液体は、固体−電解質界面(SEI)の形成を阻害するキャリヤー液体の能力に合わせて選択される。SEIの形成は、当業者に公知の現象であり、例えば一次および二次リチウムバッテリーで普通に存在する。電極表面での薄く安定なSEIの形成は、酸化反応(正極で)または還元反応(負極で)、即ちこれらの反応を継続させた場合にはセル内の作動リチウムを消費し、電極のインピーダンスを増加させ、安全性の問題を引き起こし、または電解質を分解する可能性のある酸化反応(正極で)または還元反応(負極で)に対して、電極の制御された不動態化をもたらすことができるので、従来のリチウムイオンバッテリーでは望ましいとすることができる。しかし、本明細書に記述されるいくつかの実施形態では、SEIの形成は望ましくないとすることができる。例えば、半固体懸濁液中の伝導性粒子の表面または電極電流コレクターの表面でのSEIの形成は、そのような被膜が一般に電気絶縁性でありかつ前記電気化学セルの内部抵抗を増加させる可能性があるので、セル性能を低下させる可能性がある。したがって、正および/または負の電気化学的に活性な流体の作動電位でのSEI形成を最小限に抑える、キャリヤー液体および/または電極活物質を選択することが有利とすることができる。いくつかの実施形態では、同じ組成物(例えば、キャリヤー流体、塩、および/または固体電極活物質)が、正の電気化学的に活性な流体と負の電気化学的に活性な流体との両方で使用され、エネルギー貯蔵デバイスの両方の電極または電極電流コレクターでの電位を含む電気化学的安定性窓を有するように選択される。その他の実施形態では、正および負の電気化学的に活性な流体の成分(例えば、キャリヤー流体、塩、および/または固体電極活物質)は、別々に選択され、正および/または負の電気化学的に活性な流体(およびそれらのそれぞれの電極電流コレクター)の性能を高めるのに使用される。そのような場合、半固体の正および負の電気化学的に活性な流体の電解質相は、正および負の電気化学的に活性な流体の間での作動イオンの容易な移送を可能にしつつ、キャリヤー液体に対して部分的にまたは完全に不透過性の分離媒体(例えば、セパレーター膜)を使用することによって、電気化学セル内で分離してもよい。このように、第1のキャリヤー液体を、正極区画(例えば、正の電気化学的に活性な流体中)で使用することができ、第2の異なるキャリヤー液体は、負極区画(例えば、負の電気化学的に活性な流体中)で使用することができる。
様々なキャリヤー液体を、本明細書に記述される負および/または正の電気化学的に活性な流体で有利に使用するために、選択することができる。例えばキャリヤー液体は、エーテル(例えば、非環式エーテル、環式エーテル)またはケトン(例えば、非環式ケトン、環式ケトン)をいくつかの実施形態で含んでいてもよい。ある場合には、キャリヤー液体は、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、およびジイソプロピルエーテルなどの対称非環式エーテルを含む。ある場合には、キャリヤー液体は、例えばエチルメチルエーテル、メチルn−プロピルエーテル、イソプロピルメチルエーテル、メチルn−ブチルエーテル、イソブチルメチルエーテル、メチルs−ブチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、エチルn−プロピルエーテル、エチルn−ブチルエーテル、エチルi−ブチルエーテル、エチルs−ブチルエーテル、およびエチルt−ブチルエーテルなどの非対称非環式エーテルを含む。ある場合には、キャリヤー液体は、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフランなどの5員環を含む環式エーテルを含む。キャリヤー液体は、いくつかの実施形態では、例えばテトラヒドロピラン、2−メチルテトラヒドロピラン、3−メチルテトラヒドロピラン、4−メチルテトラヒドロピランなどの6員環を含む環式エーテルを含むことができる。
いくつかの実施形態では、キャリヤー液体化合物はケトンを含む。ケトンは、電解質中で比較的高いイオン伝導率をもたらし得るその比較的大きな双極子モーメントにより、いくつかの実施形態で使用するのに有利であってもよい。いくつかの実施形態では、キャリヤー液体は、例えば2−ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、または3−メチル−2−ブタノンなどの非環式ケトンを含む。キャリヤー液体は、ある場合には、5員環を有する(例えば、シクロペンタノン、2−メチルシクロペンタノン、および3−メチルシクロペンタノン)または6員環を有する(例えば、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン、4−メチルシクロヘキサノン)環式ケトンを含む環式ケトンを含むことができる。
いくつかの実施形態では、キャリヤー液体は、ジエーテル、ジケトン、またはエステルを含むことができる。いくつかの実施形態では、キャリヤー液体は、非環式ジエーテル(例えば、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン)、非環式ジケトン(例えば、2,3−ブタンジオン、2,3−ペンタンジオン、2,3−ヘキサンジオン)、または非環式エステル(例えば、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸メチル)を含むことができる。キャリヤー液体は、環式ジエーテルをいくつかの実施形態で含むことができる。例えばキャリヤー液体は、5員環を含む環式ジエーテル(例えば、1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン)、または6員環を含む環式ジエーテル(例えば、1,3−ジオキサン、2−メチル−1,3−ジオキサン、4−メチル−1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、2−メチル−1,4−ジオキサン)を含むことができる。キャリヤー液体は、環式ジケトンを、ある場合に含むことができる。例えばキャリヤー液体は、5員環を含む環式ジケトン(例えば、1,2−シクロペンタンジオン、1,3−シクロペンタンジオン、および1H−インデン−1,3(2H)−ジオン)、または6員環を含む環式ジエーテル(例えば、1,2−シクロヘキサンジオン、1,3−シクロヘキサンジオン、および1,4−シクロヘキサンジオン)を含むことができる。いくつかの実施形態では、キャリヤー液体は、環式エステルを含むことができる。例えばキャリヤー液体は、5員環を含む環式エステル(例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン)、または6員環を含む環式エステル(例えば、δ−バレロラクトン、δ−ヘキサラクトン)を含むことができる。
ある場合には、キャリヤー液体は、トリエーテルを含んでいてもよい。ある場合には、キャリヤー液体は、例えば1−メトキシ−2−(2−メトキシエトキシ)エタン、および1−エトキシ−2−(2−エトキシエトキシ)エタン、またはトリメトキシメタンなどの非環式トリエーテルを含んでいてもよい。ある場合には、キャリヤー液体は、5員環を有する環式トリエーテル(例えば、2−メトキシ−1,3−ジオキソラン)または6員環を有する環式トリエーテル(例えば、1,3,5−トリオキサン、2−メトキシ−1,3−ジオキサン、2−メトキシ−1,4−ジオキサン)を含むことができる。
キャリヤー液体化合物は、いくつかの実施形態でカーボネート(例えば、不飽和カーボネート)を含む。カーボネートは、ある場合には、商用リチウムバッテリーで従来から使用されてきた液体カーボネートよりも、低い電位でSEIを形成し得る。ある場合には、非環式カーボネートを使用することができる(例えば、メチルビニルカーボネート、メチルエチニルカーボネート、メチルフェニルカーボネート、フェニルビニルカーボネート、エチニルフェニルカーボネート、炭酸ジビニル、炭酸ジエチニル、炭酸ジフェニル)。ある場合には、環式カーボネート、例えば6員環を有する環式カーボネート(例えば、1,3−ジオキサン−2−オン)などを使用することができる。
いくつかの実施形態では、キャリヤー液体は、1種または複数のエーテル、エステル、および/またはケトンの組合せを含む化合物を含む。そのような構造は、電解質中で高いイオン伝導率をもたらすようなその比較的高い双極子モーメントにより、いくつかの実施形態で使用するのに有利とすることができる。いくつかの実施形態では、キャリヤー液体は、エーテル−エステル(例えば、2−メトキシエチルアセテート)、エステル−ケトン(例えば、3−アセチルジヒドロ2(3H)−フラノン、2−オキソプロピルアセテート)、ジエーテル−ケトン(例えば、2,5−ジメトキシ−シクロペンタノン、2,6−ジメトキシ−シクロヘキサノン)、または無水物(例えば、酢酸無水物)を含む。
ある場合には、キャリヤー液体はアミドを含むことができる。そのような化合物は、非環式(例えば、N,N−ジメチルホルミアミド)または環式(例えば、1−メチル−2−ピロリドン、1−メチル−2−ピペリドン、1−ビニル−2−ピロリドン)とすることができる。
いくつかの実施形態では、3−メチル−1,3−オキサゾリジン−2−オンを、ある場合にはキャリヤー液体として使用することができる。3−メチル−1,3−オキサゾリジン−2−オンは、電解質での高いイオン伝導率をもたらし得るその比較的高い双極子モーメントにより、いくつかの実施形態で使用するのに有利であってもよい 。
いくつかの実施形態では、キャリヤー液体は、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、または1,3−ジメチルテトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノンを含むことができる。これらの化合物は、いくつかの実施形態において利点をもたらすことができる、比較的高い双極子モーメントも含む。
ある場合には、キャリヤー液体は、フッ素化またはニトリル化合物(例えば、本明細書に記述されるキャリヤー液体型のいずれかのフッ素化またはニトリル誘導体)を含む。そのような化合物は、流体の安定性を増大させてもよく、電解質のより高いイオン伝導率を可能にする。そのようなフッ素化化合物の例には、2,2−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン、2,2,5,5−テトラフルオロシクロペンタオン、2,2−ジフルオロ−γ−ブチロラクトン、および1−(トリフルオロメチル)ピロリジン−2−オンが含まれるがこれらに限定するものではない。そのようなニトリル化合物の例には、テトラヒドロフラン−2−カーボニトリル、1,3−ジオキソラン−2−カーボニトリル、および1,4−ジオキサン−2−カーボニトリルが含まれるがこれらに限定するものではない。
ある場合には、キャリヤー液体は、硫黄含有化合物を含む。ある場合には、キャリヤー液体は、スルホキシド(例えばジメチルスルホキシド、テトラヒドロチオフェン1−オキシド、1−(メチルスルホニル)エチレン)、スルホン(例えばジメチルスルホン、ジビニルスルホン、テトラヒドロチオフェン1,1−ジオキシド)、スルフィト(例えば1,3,2−ジオキサチオラン2−オキシド、ジメチルスルフィト、1,2−プロピレングリコールスルフィト)、またはスルフェート(例えば硫酸ジメチル、1,3,2−ジオキサチオラン2,2−ジオキシド)を含むことができる。いくつかの実施形態では、キャリヤー液体は、1個の硫黄および3個の酸素原子を有する化合物(例えば、メチルメタンスルホネート、1,2−オキサチオラン2,2−ジオキシド、1,2−オキサチアン2,2−ジオキシド、メチルトリフルオロメタンスルホネート)を含むことができる。
キャリヤー液体は、いくつかの実施形態において、例えばホスフェート(例えばリン酸トリメチル)およびホスフィト(例えば亜リン酸トリメチルイ)などのリン含有化合物を含む。いくつかの実施形態では、キャリヤー液体は、1個のリンおよび3個の酸素原子を含むことができる(例えば、ジメチルメチルホスホネート、ジメチルビニルホスホネート)。
いくつかの実施形態では、キャリヤー液体は、イオン液体を含む。イオン液体の使用は、ある場合にはSEIの形成を著しく低減させまたはなくすことができる。イオン液体に使用するのに適切な例示的な陰イオンには、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセノエート、パークロレート、トリフルオロメタンスルホネート、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミド、およびチオサッカリン陰イオンが含まれるがこれらに限定するものではない。適切な陽イオンには、アンモニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピペリジニウム、またはピロリジニウム誘導体が含まれるがこれらに限定するものではない。イオン液体は、いくつかの実施形態において、上記陰イオンのいずれか1種と上記陽イオンのいずれか1種との組合せを含むことができる。
キャリヤー液体は、ある場合には、本明細書に記述されるキャリヤー液体化合物のいずれかの過フッ素化誘導体を含む。過フッ素化誘導体は、炭素原子に結合された少なくとも1個の水素原子がフッ素原子により置き換えられる化合物を指すのに使用される。ある場合には、炭素原子に結合された水素原子の少なくとも半分または実質的に全てが、フッ素原子により置き換えられる。キャリヤー液体化合物中に1個または複数のフッ素原子が存在することにより、いくつかの実施形態では、分子の粘度および/または双極子モーメントの制御を高めることが可能になる。
電気化学的に活性な(1種または複数の)流体は、流動可能なレドックスセルの性能を改善するために、様々な添加剤を含むことができる。半固体の液相は、そのような場合、溶媒を含むことができ、そこには電解質の塩が溶解され、結合剤、増粘剤、またはその他の添加剤が、安定性を改善し、ガスの形成を削減し、SEIの負極粒子表面での形成を改善するなどのために添加される。そのような添加剤の例には、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、またはアルキルシンナメートであって、アノード表面の安定な不動態化層または酸化物カソード表面での薄い不動態層の形成をもたらすもの;プロパンスルトン(PS)、プロペンスルトン(PrS)、またはエチレンチオカーボネートであって、抗ガス化剤としてのもの;ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン、または部分水素化テルフェニルであって、ガス化/安全性/カソード重合剤としてのもの;またはアノード不動態化剤としてのリチウムビス(オキサトラト)ボレートが含まれる。
いくつかの実施形態では、非水性の正および負の電気化学的に活性な流体は、水をゲッターリングする化合物を、活物質懸濁液にまたはシステムの貯蔵タンクもしくはその他の配管系統に組み込むことによって、不純物水を吸収しないようにかつ酸(LiPF塩の場合はHFなど)を発生させないようになされる。任意選択で、添加剤は、酸を中和する塩基性酸化物である。そのような化合物には、シリカゲル、硫酸カルシウム(例えば、Drieriteとして公知である製品)、酸化アルミニウム、および水酸化アルミニウムが含まれるがこれらに限定するものではない。
いくつかの実施形態では、半固体の流動可能性を改善するためにかつ電極活物質粒子の沈降を回避するのに必要な任意の撹拌または擾乱を最小限に抑えるために、固体粒子がゆっくりしか沈降せずまたは全く沈降しない安定な懸濁液を生成されるように、半固体の電気化学的に活性な(1種または複数の)流体のコロイドの化学的性質およびレオロジーを調節する。電極活物質粒子懸濁液の安定性は、粒子の沈降による固−液分離の証拠を得るために、静的スラリーをモニターすることによって評価できる。本明細書で使用される電極活物質粒子懸濁液は、観察可能な粒子沈降が懸濁液中にない場合、「安定」と見なされる。いくつかの実施形態では、電極活物質粒子懸濁液は、少なくとも5日間安定である。通常、電極活物質粒子懸濁液の安定性は、懸濁する粒子のサイズが減少するほど増大する。いくつかの実施形態では、電極活物質粒子懸濁液の粒子サイズは、約10ミクロン未満である。いくつかの実施形態では、電極活物質粒子懸濁液の粒子サイズは約5ミクロン未満である。いくつかの実施形態では、電極活物質粒子懸濁液の粒子サイズは約2.5ミクロン未満である。
いくつかの実施形態では、伝導性添加剤を電極活物質粒子懸濁液に添加して、懸濁液の伝導率および/または粒子沈降に対する安定性を増加させる。一般に、Ketjen炭素粒子などの伝導性添加剤がより高い体積分率にあると、懸濁液の安定性および電子伝導率が増大するが、過剰な量の伝導性添加剤は、懸濁液の粘度を過剰に増大させる可能性もある。いくつかの実施形態では、流動可能なレドックス電極組成物は、沈降を低減させかつ懸濁液の安定性を改善するために、増粘剤または結合剤を含む。
いくつかの実施形態では、電気化学セルバッテリーの充電または放電の速度は、電流コレクターと電子的に連絡している1種または両方の電極活物質の瞬間量を増加させることによって、速くなる。いくつかの実施形態では、これは、反応ゾーンが増大して電極区画にまで至るように(したがって、電気化学的活物質にまで至るように)、半固体懸濁液をより電子伝導性のあるものにすることによって実現される。いくつかの実施形態では、半固体懸濁液の伝導率は、伝導性材料の添加によって増大させる。添加することができる例示的な電子伝導性材料には、重量または体積が比較的少量の添加剤で高レベルの電子伝導率を与えることができる、金属、金属硫化物、金属炭化物、金属ホウ化物、金属窒化物、および金属酸化物が含まれるが、これらに限定するものではない。添加することができる電子伝導性材料のその他の例には、カーボンブラック、黒鉛型炭素粉末、カーボンファイバー、カーボンマイクロファイバー、気相成長カーボンファイバー(VGCF)を含めた炭素の形が含まれる。いくつかの実施形態では、電子伝導性粒子は、「バッキーボール」を含むフラーレン、カーボンナノチューブ(CNT)(例えば、多層カーボンナノチューブ(MWNT)、単層カーボンナノチューブ(SWNT))、グラフェン(例えば、グラフェンシートまたはグラフェンシートの凝集体)、および/または大部分がグラフェンシートの閉鎖シェルもしくはチューブではないフラーレン断片を含む材料であって、重量または体積が比較的少量の添加剤で高レベルの電子伝導率を与えることができるものを含むことができる。いくつかの実施形態では、ナノロッドもしくはナノワイヤーまたは非常に期待される電極活物質もしくは伝導性添加剤の微粒子を、半固体の電気化学的に活性な懸濁液に含めて、イオン貯蔵容量または電力またはその両方を改善することができる。例として、VGCF(気相成長カーボンファイバー)、多層カーボンナノチューブ(MWNT)、または単層カーボンナノチューブ(SWNT)などのカーボンナノフィルターを半固体の電気化学的に活性な懸濁液に使用して、電子伝導率を改善してもよく、または任意選択で作動イオンを貯蔵してもよい。
電気化学的に活性な流体中の電子伝導性粒子は、いくつかの実施形態ではナノスケール粒子とすることができる。ナノスケール粒子は、約1ミクロン未満の少なくとも1つの断面寸法(ある場合には、約100nm未満または約10nm未満の少なくとも1つの断面寸法)を有することができる。いくつかの実施形態では、ナノスケール粒子は、約1ミクロン未満、約100nm未満、または約10nm未満の最大断面寸法を有する。任意の特定の科学的解釈に拘泥するものではないが、電子伝導性粒子としてナノスケール粒子を使用すると、例えば拡散律速クラスター凝集または同様のメカニズムによって、伝導性添加剤の比較的低い体積分率で電子伝導性連続(浸透)ネットワークが形成される。
いくつかの実施形態では、電気化学的に活性な流体の伝導率は、半固体の電気化学的に活性な流体中の固体を、固体よりも高い電子伝導率を有する伝導性コーティング材料でコーティングすることによって、上昇する。伝導性コーティング材料の非限定的な例には、炭素、金属、金属炭化物、金属窒化物、金属酸化物、または伝導性ポリマーが含まれる。いくつかの実施形態では、半固体の電気化学的に活性な流体の固体を、エネルギー貯蔵デバイスの動作条件で、レドックス不活性の金属でコーティングする。いくつかの実施形態では、半固体の電気化学的に活性な流体の固体を銅でコーティングして、電極活物質粒子の伝導率を上昇させ、半固体の正味の伝導率を上昇させ、かつ/または電極活物質粒子と伝導性添加剤との間の電荷移動を促進させる。いくつかの実施形態では、電極活物質粒子を、約1.5重量%の金属銅でコーティングする。いくつかの実施形態では、電極活物質粒子を、約3.0重量%の金属銅でコーティングする。いくつかの実施形態では、電極活物質粒子を、約8.5重量%の金属銅でコーティングする。いくつかの実施形態では、電極活物質粒子を、約10.0重量%の金属銅でコーティングする。いくつかの実施形態では、電極活物質粒子を、約15.0重量%の金属銅でコーティングする。いくつかの実施形態では、電極活物質粒子を、約20.0重量%の金属銅でコーティングする。一般に、電気化学的に活性な流体のサイクル性能は、伝導性コーティング材料の重量パーセンテージが増加すると共に増大する。一般に、電気化学的に活性な流体の容量も、伝導性コーティング材料の重量パーセンテージが増加すると共に増大する。
いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵デバイスの充電または放電の速度は、粒子の接触が増大するように半固体の粒子間の相互作用またはコロイドの化学的性質を調節し、かつ電極活物質粒子の浸透ネットワークの形成を調節することによって、速くなる。いくつかの実施形態では、浸透ネットワークは電流コレクターの近くで形成される。
他の箇所で記述されるように、電極電流コレクターは、電子伝導性であり、セルの動作条件下で実質的に電気化学的に不活性であるべきである。電極電流コレクターは、シート、メッシュ、または動作させながら電極区画内に電流コレクターを分布させてもよい任意のその他の構成の形をとることができる。
当業者なら、本発明の開示により、適切な電極電流コレクター材料を選択することが可能であろう。電極電流コレクター材料を、電気化学セルの正および負極の動作電位で安定になるように選択することができる。非水性リチウムシステムにおいて、正極電流コレクターは、アルミニウム、またはLi/Liに対し2.5〜5Vの動作電位で電気化学的に溶解しない伝導性材料でコーティングされたアルミニウムを含んでいてもよい。そのような材料には、Pt、Au、Ni、酸化バナジウムなどの伝導性金属酸化物、および炭素が含まれる。負極電流コレクターは、銅、またはリチウムと合金もしくは金属間化合物を形成しないその他の金属、炭素、およびそのような材料を別の伝導体表面に含むコーティングを含んでいてもよい。
水性NaおよびLi電気化学セルにおいて、正極電流コレクターは、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル−クロム合金、アルミニウム、チタン、銅、鉛および鉛合金、耐熱金属、および貴金属を含んでいてもよい。負極電流コレクターは、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル−クロム合金、チタン、酸化鉛、および貴金属を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、電極電流コレクターは、金属の腐食に対して不動態化しつつ電子伝導性を与えるコーティングを含む。そのようなコーティングの例には、TiN、CrN、C、CN、NiZr、NiCr、Mo、Ti、Ta、Pt、Pd、Zr、W、FeN、およびCoNが含まれるが、これらに限定するものではない。
エネルギー貯蔵デバイスの、内部でイオンが移送されるイオン交換媒体は、イオンを媒体に通すことが可能な任意の適切な媒体を含むことができる。いくつかの実施形態では、イオン交換媒体は、膜を含むことができる。膜は、イオンの移送が可能な任意の従来の膜とすることができる。いくつかの実施形態では、イオン交換媒体は、固体またはゲルイオン伝導体などの、それを通じてイオンの移送を可能にする液体不透過膜である。その他の実施形態では、イオン交換媒体は、電子の移動を防止しつつ、アノード区画とカソード区画との間でイオンを往復させる、液体電解質が注入された多孔質ポリマー膜である。いくつかの実施形態では、イオン交換媒体は、正および負極の流動可能な組成物を形成する粒子が膜を横断するのを防止する、微孔性膜である。例示的なイオン交換媒体材料は、リチウム塩が錯体を形成してリチウム伝導率をもたらすポリエチレンオキシド(PEO)ポリマー、またはプロトン伝導体であるNafion(商標)膜を含む。例えば、PEOをベースにした電解質は、支持層としてのガラス繊維セパレーターなどのその他の膜で任意選択で安定化された、ピンホールがなくかつ固体イオン伝導体であるイオン交換媒体として使用することができる。PEOは、正または負の流動可能なレドックス組成物で、スラリー安定化剤、分散剤などとしても使用することができる。PEOは、典型的なアルキルカーボネートをベースにした電解質と接触した状態で安定である。これは、正極でのセル電位がLi金属に対して約3.6V未満である、ホスフェートをベースにしたセルの化学的性質に、特に有用とすることができる。レドックスセルの動作温度を、イオン交換媒体のイオン伝導率が改善されるよう必要に応じて制御する(例えば、上昇させかつ/または低下させる)ことができる。
本明細書に記述されるエネルギー貯蔵デバイスは、比較的高い比エネルギーを示すことができる。いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵デバイスは、システムの比較的少ない総合エネルギーで比較的高い比エネルギーを有し、例えば比エネルギーは、総合エネルギー約50kWh未満では約150Wh/kg超であり、または総合エネルギー約100kWh未満では約200Wh/kg超であり、または総合エネルギー約300kWh未満は約250Wh/kg超である。
2010年8月18日に出願された「Electrochemical Flow Cells」という名称の米国特許仮出願第61/374,934号と、2010年12月16日に出願された「Stationary, Fluid Redox Electrode」という名称の米国特許仮出願第61/424,021号が、参照によりその全体があらゆる目的で本明細書に組み込まれる。さらに下記の文献:2009年6月12日に出願された「High Energy Density Redox Flow Device」という名称の米国特許出願第12/484,113号;2009年12月16日に出願された「High Energy Density Redox Flow Device」という名称の米国特許仮出願第61/287,180号;2010年4月9日に出願された「Energy Grid Storage Using Rechargeable Power Sources」という名称の米国特許仮出願第61/322,599号;2010年12月16日に出願された「Energy Generation Using Electrochemically Isolated Fluids」という名称の米国特許仮出願第61/424,033号;2010年12月16日に出願された「High Energy Density Redox Flow Device」という名称の米国特許出願第12/970,753号;および2010年12月16日に出願された「Systems and Methods for Electronically Insulating a Conductive Fluid While Maintaining Continuous Flow」という名称の米国特許仮出願第61/424,020号が、参照によりその全体があらゆる目的で本明細書に組み込まれる。その他全ての特許、特許出願、およびここに引用される文献も、参照によりその全体があらゆる目的で本明細書に組み込まれる。
以下の実施例は、本発明のある実施形態を例示するものとするが、本発明の全範囲を実証するものではない。
(実施例1)
この実施例は、実施例3〜8に記述される電気化学セル試験を行うのに使用される、材料の調製について記述する。表1は、電気化学セルの様々な構成要素に使用される材料の概要を含む。
Figure 0006110789
材料の全てを乾燥し、グローブボックス内のアルゴン雰囲気中で貯蔵して、水または空気による汚染を防止した。
懸濁液の超音波処理:活物質および炭素(利用可能な場合)を計量し、20mLのガラスバイアル内で混合し、固体混合物を、電解質を添加することによって懸濁した。得られた懸濁液を混合し、懸濁液に応じて、Branson 1510超音波浴内で20から60分に及ぶ時間、超音波処理した。
懸濁液のミリング:内部で粒子が凝集する粉末の場合、懸濁液の調製にはボールミリングステップが含まれた。ミリングボール(Advanced Materials製イットリア安定化ジルコニア、直径5mm)を、粉末と電解質とを混合した後に添加した(懸濁液20mLに対し50グラム)。得られた混合物を、空気および湿度から密封し、500mLジルコニアジャー内で、300rpmで24時間ボールミリングを行った。得られた懸濁液を60分間超音波処理した。
炭素のコーティング:ピロメリット酸(Sigma Aldrich製、純度96%)とフェロセン(Sigma Aldrich製、純度96%)との6:1の重量比の混合物を、激しく撹拌しながらアセトンに溶解した。溶液を、コーティングがなされる粉末に添加した(フェロセン1重量部に対して93重量部)。懸濁液を完全に混合し、次いで55℃で、空気中で一晩乾燥させた。乾燥した粉末を、Lindberg/Blue M炉内に配置された石英管内で、800℃で10時間、高純度Ar中で加熱した。
LTOの還元:LTO粉末を、Lindberg/Blue M炉内に配置された石英管内で、800℃で20時間、ArとHとが95:5の比にあるガス混合物中で加熱した。還元の終わりに、粉末の色は白から青に変化していた。
黒鉛の銅コーティング:黒鉛粒子を、硝酸の4M溶液で清浄化し、次いで0.1M HClに溶かした0.1M SnCl溶液と2時間反応させた。その後、粒子を、0.1M HClに溶かした0.0058M PdClと2時間反応させ、その後、溶液の色が青からグレーに変化するまでpH12の緩衝溶液に0.24M CuSO・5HOを添加した。銅と炭素との質量比は、粒子表面の金属を35%硝酸溶液で溶解することによって決定した。得られる溶液の銅含量は、ASTM規格E 1097−07に準拠した直流プラズマ発光分光を使用するLuvak(722 Main St.、Boylston MA、01505)により決定した。Cu:MCMBの質量比を、その結果に基づき計算した。
金のコーティング:電気化学試験で使用される部分のアルミニウム表面の界面抵抗を低減させるため、表面を金でコーティングした。コーティングは、Pelco SC−7で、40mAで60から300秒間にわたり行った。
伝導率の測定:電解質中の固体懸濁液の伝導率は、静的および流動の両方の条件で、平行板の設定において測定した。測定デバイスを、ステンレス鋼板(3mm×10mm;板の間の間隔は1.6mm)を使用して実験室で構成し、1400セル試験システムのFRA分析器に接続した。伝導率は、AC電流の周波数を0.1から10Hzに変化させることによって、また、抵抗の虚部対実部の、結果的に得られるナイキスト線図を分析することによって決定した。
レオロジー測定:電解質中の粒子懸濁液の粘度を、Brookfieldデジタル粘度計、モードDV−II+Pro Extraを使用して、グローブボックス内で測定した。測定は、懸濁液からの溶媒蒸発の程度およびレオロジー特性の変更が最小限に抑えられるように、できる限り迅速に実施した。実験の設定は、剪断速度を5から35秒−1の間で5秒−1ずつ変化させることからなるものであった。各剪断速度で、粘度の30個のデータポイントを、1分間にわたり採取した。得られるデータを、加えられた剪断速度に対して粘度を相関させることによりプロットした。
(実施例2)
この実施例は、実施例3〜8で試験をした電気化学セル構成について記述する。
ハーフセル
Li/Li電極に対してLiイオンを貯蔵する懸濁液の能力を、ハーフセルの設定で試験した。実験設定は、底部金属片であってその上部には懸濁液が配置されるウェルを備えるもの、ウェルを覆うセパレーターフィルム(Tonen)の小片、セパレーターフィルムの上部に配置された銅シリンダーに対して押圧されたリチウム金属のスラブ、およびその部品を取り囲む中空銅シリンダーからなるものであった。中空シリンダーおよび底部金属部品を、Fep被覆シリコーンで作製されたOリングを通して絶縁した。底部金属部品は、Li/Li電極に対して0から3V範囲の電位でセルを動作させるための銅合金101と、Li/Li電極に対して1から4.5Vの範囲でセルを動作させるためのアルミニウム合金6061とで作製した。時々、アルミニウム部品を、実施例1に記述した方法を介して界面抵抗が低減するように金でコーティングした。底部金属部品を正極に接続し、一方、銅上部部品は負極に接続した。試験は、1400セル試験システムを動作させるSolartronAnalyticalポテンショスタットを使用して行った。
フルセル
Liイオンを2種の異なるスラリー(AおよびB)間で往復させる能力を、フルセル設定で試験した。実験設定は、底部金属片であってその上部には懸濁液Aが配置されるウェルを備えるもの、ウェルを覆うセパレーターフィルム(Tonen)の小片、ウェルが懸濁液Bで満たされてセパレーターフィルムに接触している状態にあるセパレーターフィルムの上部に配置された金属シリンダー、およびその部品を取り囲む中空金属シリンダーからなるものであった。上部中空シリンダーおよび底部金属部品を、Fep被覆シリコーンで作製されたOリングを通して絶縁した。金属部品は、Li/Li電極に対して0から3V範囲の電位でセルを動作させるための銅合金101と、Li/Li電極に対して1から4.5Vの範囲でセルを動作させるためのアルミニウム合金6061とで作製した。時々、アルミニウム部品を、前述の方法を介して界面抵抗が低減するように金でコーティングした。底部および上部金属部品を、試験がなされるそれぞれのスラリーに応じてポテンショスタットの正および負極に接続した。試験は、1400セル試験システムを動作させるSolartronAnalyticalポテンショスタットを使用して行った。
(実施例3)
この実施例は、流動可能なレドックス活性組成物として使用することができる、安定な伝導性懸濁液の調製について記述する。初期試験は、活物質が、限られた時間でのみかつ高負荷体積分率(LCO 45%、LTO 30%、MCBC 35%)でのみ、安定な懸濁液を形成することを示した。しかし静的セル設定で試験をした場合、これらの懸濁液は、比較的遅い速度(C/20)で充電したときに非常に高い分極を示した。低電流は、懸濁液の低い伝導率によると想定された。伝導性炭素(Ketjenブラック)の添加は、2つの所望の効果:懸濁液の電気伝導性および安定性の増大をもたらした。電気伝導性の増大の直接的な効果は、懸濁液を、活物質と炭素添加剤との比に応じて、広範な電流(2.5C〜C/20)で常にサイクル動作させることができることであった。
炭素添加剤(Ketjenブラック)と混合した活物質(リチウムコバルト酸化物−LiCoO−LCO)の懸濁液のレオロジー特性を、分析した。図2は、LCOのみ、Ketjenブラックのみ、および2種の異なる比の混合物を含有する懸濁液に関する、粘度対剪断速度を示す。データは、2種の固体成分の混合によって、LCO粒子がKetjen凝集体に接続される粒子状ネットワークが生成されることを示唆した。この結果は、懸濁液の安定性が、高い炭素含量および高い粘度と相関する定性的観察結果と矛盾がない。その他の活物質(チタン酸リチウム、黒鉛)およびその他の電解質系(DOL)との混合物の後続の試験は、粘度対剪断速度の類似した傾向を示した。
リチウムコバルト酸化物(LCO)およびKetjen懸濁液の電気伝導率を、静的および流動の両方の条件下で決定した。図3Aは、AC試験条件で、懸濁液の抵抗の虚部対実部を相関させたナイキスト線図示す。静的条件下では、電解質の伝導率は、炭素添加剤のみを含有する懸濁液以外、懸濁液の全伝導率を支配するように見える。その特定の懸濁液を、流動速度を増大させた状態で流動条件下でも試験した。図3Bに示される結果は、流量が増加するにつれ、懸濁液の電子伝導率が低下することを示したが、これはおそらく利用可能な浸透経路が破壊されたことによる。
(実施例4)
安定な懸濁液が、ゼロフローの下でリチウムイオンを往復させる能力を、静的セル設定で試験した。このタイプの実験では、懸濁液でウェルを満たし、これをセパレーターフィルムで覆い、次いでLi/Li電極によりキャップした。いかなる特定の理論にも拘泥するものではないが、浸透ネットワークが懸濁液中に形成され、その内部ではセルの活物質の全てが電流コレクターに接続されているものであると考えられた。図4A〜4Bは、優れたサイクル挙動を示す2種の異なるカソード材料の、電圧および電荷プロファイルを示す。
図4Aは、有機カーボネート電解質(SSDE)中でKetjenブラックと混合したリチウムコバルト酸化物(受け取ったままの状態の、LiCoO−LCO)の懸濁液の、第1の首尾良く行われるサイクルを表す(実験 静的−カソード−1)。グラフは、材料の容量の関数としての電圧を示し、Liイオンバッテリー材料に関する一般的な性能メトリックである。充電および放電の両方における平らな平坦域は、電気化学反応が非常に可逆的であり、一方、動作電圧はLi/Liに対して3.9Vに近く、これはリチウムコバルト酸化物(LCO)カソードで期待される値であることを示唆する。充電および放電の電圧曲線のヒステリシスは小さく、エネルギー効率が高いと解釈される。セルの充電速度がC/20であり、セル内を流れる電流では材料が20時間で完全に充電されることを意味する。D/20という放電は、セルが20時間で完全に放電する速度を表す。全体として、これは優れた結果を表し、カソード混合物は懸濁したままの状態で充電および放電を行うことができることを示す。
比較として、図4Bは、異なるリチウムコバルト酸化物混合物の、著しく速い速度での、サイクル挙動を表す(実験 静的−カソード−2)。懸濁液組成物の主な相違は、リチウムコバルト酸化物(LCO)粉末のジェットミリングによるものであり、より多くの活物質を懸濁させた。また、それほど多くない炭素添加剤も、懸濁液を静的セル設定内でサイクル動作可能にするのに必要である。このセルを動作させることができる速度はC/3.2およびD/3.2であり、これらの材料は短い放電時間で高電力の適用例に適切であることを示唆する。分極(セルの内部抵抗の合計)が増大するにつれてさらに著しいヒステリシスが充電対放電の電圧曲線には存在するが、それはより高い電流での動作が原因である。可逆的容量も、140mAh/g LCOの理論限界から105mAh/g LCOに低下する。これらの速度では、Liイオンバッテリー材料で一般的であるように、より低いエネルギー効率およびより低い可逆的容量が共に予測される。しかし放電電圧は依然として高く(可逆的容量の80%に関し、>3.5V)、電圧平坦域は依然としてかなり平らであり、そのことが、これら材料を高電力の適用例で使用するのを支えている。
表2.試験 静的−カソード−1の実験設定の詳細。LCOは、受け取ったままの状態で使用した。
Figure 0006110789
表3.試験 静的−カソード−2の実験設定の詳細。LCOはジェットミリングした。
Figure 0006110789
静的セル実験の主な目標は、カソード材料を、炭素および電解質の混合物に懸濁させながら、どのようにうまくサイクル動作させるかを決定することであった。しかしこれらの試験では、活物質を、セパレーターフィルムで覆われかつLi電極としてLiスラブによりキャップされた浅いウェルで試験をする。セルのデザインにより、活物質は潜在的に、試験ウェルの底部に沈降する可能性があった。活物質の沈降した「ケーク」は、懸濁液全体を通して浸透ネットワークを必要とすることなく、サイクル動作させることができた。この理由により、試験ウェルを反転させて下向きにした、修正を加えたハーフセル静的試験を行った。修正を加えた設定では、懸濁液中の活物質の沈降は、上方の電流コレクターから切り離されたことが決定されたと考えられる。懸濁液の粘度は、炭素添加剤の含量が増加するにつれて増大することがわかった。したがって、より高い負荷の炭素を有する懸濁液が調製され、試験ウェルからの漏出が回避されるように試験を行った。
図5は、反転させた静的セル設定における、40%のリチウムコバルト酸化物(LCO)および1.5%のKetjenという組成を有する懸濁液の、時間に対する電圧、電荷、および電流プロファイルを示す(実験 静的−カソード−3)。上のプロットは、時間の関数としての、Li/Li電極に対するセルの電圧を表す。セルの動作電圧は、リチウムコバルト酸化物セルで予測されたように、3.7〜4.2Vである。中央のプロットは、使用した活物質(LCO)1グラム当たりの、セル内の材料の容量を表す。セルは、ほぼ完全な理論的容量(140mAh/g LCO)まで充電されるよう管理され、優れた可逆的放電容量(120mAh/g LCO)を有する。下のプロットは、時間の関数としての、セル内を流れる電流を表す。グラフは、セルが、C/10およびC/5の両方の速度で80%超の容量まで充電できることを示す。この実験において、データの時間成分は、反転させたセル設定にも関わらず数十時間にわたって懸濁液が安定なままであることを示すので、非常に有意である。このような理由で、電圧、比容量、および電流を、同じ時間軸上の時間の関数としてプロットした。この結果は、活物質が沈降せずに懸濁したままであることを確認する。
表4.試験 静的−カソード−3の実験設定の詳細
Figure 0006110789
(実施例5)
アノード材料の静的試験は、懸濁液の安定性および固体懸濁液セルでのその潜在的使用に関して、SEI形成の重要性を明らかにした。カーボネート溶媒は、非電気伝導性の安定な固体電解質界面を形成することが公知である。提示された懸濁液セルシステムでは、非伝導性層による懸濁粒子のコーティングは、電流コレクターに接触した状態ではもはや充電または放電ができないので、不都合であると見なされた。
したがって非カーボネート電解質を、懸濁状態のアノード材料の試験で使用した。選択された電解質は、1,3−ジオキソランとLiBETI塩との質量比70:30の混合物(DOL)であった。約1.5VでSEIを形成し始めるカーボネート電解質と比べると、LiBETIと混合したDOLは、約1.0Vに下がるまで化学的に安定であり、そのためチタン酸リチウム(LiTi12−LTO)(リチウム化電位=1.55V対Li/Li)が、アノード試験用に選択された材料となった。バルク状のチタン酸リチウムの低伝導率(σ=1.0×10−13Scm−1)は、アノード懸濁液が高速でサイクル動作可能になるのに不都合であると見なされた。したがっていくつかの処理技法を、電子伝導率を上昇させる試みで使用した。伝導率を上昇させるのに最も首尾良く行われる方法は、800℃のH/Ar雰囲気中での還元であった。伝導率上昇の測定は、静的試験セルにおける充電および放電中の、懸濁液での分極の低減と解釈した。
実施例1で述べたように、チタン酸リチウム(LiTi−LTO)の還元手順を、文献で見出された類似の手順から適応した。粉末を、ArとHとが95:5の比であるガス混合物中で、800℃で20時間、Lindberg/Blue M炉内に配置された石英管内で加熱した。還元の終わりに、粉末の色は白から青に変わっていた。
還元されたチタン酸リチウム粉末で調製された懸濁液に関するサイクル動作実験の結果を、図6に示す(実験 静的−アノード−1)。データは、時間フォーマットに対する電圧、容量、および電流で示す。電圧曲線は、1.55Vの部分的に充電されたチタン酸リチウムの電圧付近で平坦域を示し、活物質が実際にリチウム化しかつ非リチウム化していることを示唆する。容量曲線は、充電容量が、チタン酸リチウムの最大理論的容量(170mAh/g)を超えることを示し、これは、充電中の電解質の望ましくない分解反応によって説明することができる。しかし材料は、高速(C/1.8およびD/1.8)であっても有意な(約120mAh/g LTO)可逆的容量を示す。電流プロファイルは、下記の速度:C/9、D/9、C/4.5、D/4.5、C/1.8、D/1.8、C/5、D/5、C/9、D/9で繰り返される充電および放電ステップを示す。このタイプの充電/放電実験計画の意図は、高速での材料の可逆的容量を決定することであり、材料が低速で再びサイクル動作したときにその容量のどの程度が依然として利用可能であるかを決定することである。データは、ジオキソランをベースにした電解質中での将来性あるアノード材料としての、チタン酸リチウムを確認する。さらに、材料の還元により、有意な可逆的容量を維持しながら懸濁液を高速でサイクル動作させることが可能になる。このデータは、安定な懸濁液を維持しつつ、炭素添加剤およびジオキソラン電解質(DOL)とのチタン酸リチウム混合物の、第1の首尾良く行われたサイクル動作を表す。
表5.試験 静的−アノード−1の実験設定の詳細。使用した活物質は、還元したAltairnano LTOであった
Figure 0006110789
一般的な電解質で使用されるカーボネート溶媒は、SEI形成に対して僅かに異なる安定性を有する。ジメチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネートなどの非環式分子は、エチレンおよびプロピレンカーボネートなどの環式分子よりも安定であることが見出された。より安定な電解質を、1M LiPFをジメチルカーボネート(DMC)に溶かしたもののみ使用することによって調製した。懸濁液中の電解質としてのDMCと、充電/放電実験でのより保存的な電圧カットオフ限界との組合せによって、チタン酸リチウム(LTO)懸濁液は、カーボネート溶媒中で静的にサイクル動作することが可能になる。
図7は、Altairnanoチタン酸リチウムをジメチルカーボネート電解質に懸濁した懸濁液(濃度:1M LiPF、DMCと略す。)の、時間プロファイルに対する電圧、容量、および電流を示す(実験 静的−アノード−2)。電圧プロファイルは、充電および放電中の分極が非常に低い(>0.1V)ことを示し、これはおそらく、浅い試験ウェルならびに懸濁液中の高い炭素含量に起因する。充電中に到達した最大容量は、最大理論的容量未満であるが、これは高電圧カットオフ(1.4V)によることが予測される。この試験設定では、懸濁液の電圧を1.4Vよりも低く低下させて、DMC電解質が分解するのを防止した。高電圧カットオフは、懸濁液に加えられる可能性がありC/18速度で利用可能な容量を低減させる可能性のある分極を、制限した。電流プロファイルは、より速い速度での異なる充電ステップにより充電後に小さなピークを示すが、これは溶媒の分解を防止するために中断されたものである。
チタン酸リチウムが、安定な懸濁液を維持しながらDMC電解質中で充電および放電を行うことができることは、非常に有意な結果である。DMC(LiPFと混合したジメチルカーボネート)は有機カーボネート電解質であるので、リチウムコバルト酸化物がサイクル動作する、Liに対して4.5Vまでのより高い電圧で安定である。したがってDMC電解質を、リチウムコバルト酸化物をカソードとしてかつチタン酸リチウムをアノードとしてそれらのそれぞれの懸濁液中で用いるフルセルにおいて、単一の電解質として使用することができる。安定なアノードおよびカソード懸濁液のサイクル動作を可能にする電解質の発見は、両側に流動可能な懸濁液があるフルセルに向けた前進である。
表6.試験 静的−アノード−2の実験設定の詳細。
Figure 0006110789
SEI形成の推進力は、Li/Li電極の場合に近い電位でより高いので、黒鉛(リチウム化電位=0.1V対Li/Li)は、チタン酸リチウムよりもSEI形成によって影響を受けることが想定された。図8は、SSDE電解質(LiPF塩との有機カーボネート混合物)中の銅でコーティングされた黒鉛(Cu−MCMB:メソカーボンマイクロビーズ)に関する試験の、時間に対する電圧、容量、および電流の結果を表す(実験 静的−アノード−3)。実施例1は、黒鉛を銅でコーティングするのに使用したプロセスの記述を含む。MCMB中の銅の含量は、2質量%であった。銅でコーティングされた黒鉛(MCMB)の使用は、受け取ったままの状態の黒鉛に比べ、固体電解質界面(SEI)の量が減少することが見出された。実験は、SEIの形成と矛盾することのない、かつ通常のLiイオンバッテリーでのアノード材料の挙動に典型的な、著しい不可逆的リチウム消費を明らかにした。しかし、充電/放電試験後の懸濁液の分析は、材料が、粘性懸濁液から硬質のほぼ乾燥したケークへと変換されることを明らかにした。
表7.試験 静的−アノード−3の実験設定の詳細。
Figure 0006110789
(実施例6)
この実施例は、カソードとアノードの両方で安定な半固体懸濁液を使用して作製され、非流動構成で試験がなされた、フルリチウムイオンセルについて記述する。このセルは、Tonenセパレーターにより分離された2種の異なる電解質をカソードおよびアノード懸濁液で使用した。カソード組成物は、アルキルカーボネートブレンド中1.3MのLiPFからなる電解質中、鉄をベースにしたオリビン粉末(A123 Systems、Watertown、MA)20体積%と、Ketjen1体積%とからなるものであった。アノードは、LiTi12(AltairNano、Reno、Nevada)6体積%とKetjen 1体積%とを、1,3−ジオキソランとLiBETI(リチウムビス(ペンタフルオロスルホニル)イミド)が質量で70:30の混合物中に含有していた。セルはアノード制限されるので、セル容量は、図9に示されるようにアノードの可逆的容量が示されるよう正規化される。第2から第4までの充電/放電サイクルが示され、それぞれはC/4、C/2、およびC/4速度で実施されたものである。セル電圧1.9Vがこの組合せから予測され、小さな電圧ヒステリシスから明らかなように、分極は非常に低い。これらのデータは、高圧カレンダー処理電極コーティングで同じ活物質を使用する従来のリチウムイオンセルの場合と非常に類似している。対応するクーロンおよびエネルギー効率は高く、それぞれ97〜98%および87〜88%である。
(実施例7)
静的懸濁液がLi/Li電極に対して確実にサイクル動作できることを実証した後の、次のステップは、アノード懸濁液をカソード懸濁液に結合させるフルセルを動作させることであった。この試験に関する主な課題は、アノード側の電解質の安定性であった。実験は、SSDE電解質が1.5から4.5Vの間隔で安定であり、一方DOLは1.0から3.3Vの間隔で安定であることを証明したので、フル静的セル試験は、両側で2種の異なる電解質を使用するものが考えられた。しかし選択されるカソード材料はLFPであり、3.4V付近で充電すると可逆的な非リチウム化反応を受ける。最も首尾良く得られたアノード電解質、DOLの場合、分解は、3.9Vよりも3.4V付近でさらに遅いことが見出された。したがって、2種の電解質を混合しようとした場合、LFP−LTOフルセルは、LCO−LTOセルよりも長い時間にわたって安定になると考えられる。
図10Aは、LTO(DOL電解質に懸濁)に対してNanophosphate(商標)(LFPと省略)(SSDE電解質に懸濁)を備えたフルセルの、容量に対する電圧を示す(実験 フル−静的−1)。この結果は、2種の懸濁液が、提示された電気化学セルにおいてアノードおよびカソードとして機能できることを示す。データを、アノード容量の関数としての、セル電圧のプロファイルとして示す。Nanophosphate(商標)に比べ、電解質中ではチタン酸リチウムの負荷限界がより低いので、セルはアノード側で容量制限された。電圧平坦域は、正しい範囲にある(約1.9V、2種の成分の動作電位の差)。いくつかの不可逆的容量損失が第1のサイクル中にあり、これはおそらく、対向電極へと横断していった溶媒の分解に起因する。アノードのD/5という放電速度を考えると、分極が予測され、それと共に低下した可逆的容量も予測される。この結果は、溶媒混合を防止するために堅牢なセパレーターフィルムを使用して、2−電解質フルセルを動作させる可能性を示唆している。
2電解質システムには、低い動作電位(<2V)および不十分な安定性を含めたいくつかの欠点があった。ある場合には、両側の溶媒は、混合され、分解反応を受けることが見出された。これらの問題に対する解決策は、セルの動作電圧範囲で、電気化学的に安定な単一の電解質を使用することであった。即座に挙げられる候補は、LTOを低分極でサイクル動作させることが可能なDMC(ジメチルカーボネート中、1MのLiPF)であった。また、DMCは、LCOの充電電圧である4.0Vよりも高い電圧で安定であることが証明された、カーボネート溶媒でもある。LCO−LTO対は、LTOがLi/Li電極に対して1.3〜1.4Vよりも高く維持される限り、2Vよりも高い放電電圧と良好な安定性を有することが予測される。
表8.試験 フル−静的−1の実験設定の詳細
Figure 0006110789
図10Bは、DMCに懸濁したカソードとしてのリチウムコバルト酸化物(LCO)とアノードとしてのチタン酸リチウム(LTO)を使用したフルセルの、容量に対する電圧を示す(実験 フル−静的−2)。この結果は、同じ電解質中にあるアノードおよびカソード材料の懸濁液が、Liイオンを移送し貯蔵する際に一緒に機能できることを実証する。データを、アノード容量の関数としての、セル電圧のプロフィルとして示す。リチウムコバルト酸化物に比べてより低い、電解質中のチタン酸リチウムの負荷限界のため、セルは、アノード側で容量制限された。電圧平坦域は、正しい範囲(約2.3V、2成分の動作電位の差)にある。最初のサイクルには、おそらく部分的なSEI形成に起因した、いくつかの不可逆的容量損失がある。アノードに関するD/4.5の放電速度を考えると、セルの端から端までの分極は比較的に低いと見なされ、それと共に可逆的容量が約束される。
両方のフルセルに関する電圧対容量曲線は、副反応の問題を示し:DOLの場合の分解とDMCに関するSEI形成は、不可逆的容量として現れる。しかしDMCの安定性は、フルセルの使用を可能にするのに十分高いと見なされる。DMCはアノードとしてチタン酸リチウムと共にしか使用されなかったことを考えると、代替のアノード材料は、異なる手法を必要とすると考えられる。2つの提示された方法は:2種の溶媒を分離して保持することができる非多孔質セパレーター材料(ポリマーまたはセラミック)の実現、または0から5V間隔で電気化学的に安定な溶媒の使用である。
表9.試験 フル−静的−2の実験設定の詳細。
Figure 0006110789
(実施例8)
商用のLiイオンバッテリーに見られる共通溶媒の安定性は、分子に見られる最も極性の高い化学基に直接依存する。最も安定性のある分子は、Li/Li電極に対して5から0Vに至るまで:カーボネート(ジメチルカーボネートなど)、エステル(γ−ブチロラクトンなど)、およびエーテル(1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、または1,3−ジオキソランなど)である。このデータを考慮し、エーテルは、固体懸濁電気化学セル中の黒鉛を試験するための、電解質中の溶媒として実現された。
図11は、2MのLiClOを1,3−ジオキソラン(DXLと略す)に溶かした溶液に黒鉛を加えた懸濁液の、電圧対容量データを示す(実験 静的−アノード−4)。結果は、アノードが黒鉛をDXL電解質に懸濁させたものであってもよい、2−電解質フルセルを、製作できることを示す。充電および放電での電圧平坦域は正しい範囲にあり、0.1V程度である。いくらかの望ましくない副反応が生じるので、第1の充電ステップ中に示されたいくらかの不可逆的容量がある。
表10.試験 静的−アノード−4の実験設定の詳細
Figure 0006110789
MCMBがLi/Li電極に対してサイクル動作できる能力は、溶媒および塩の構造にだけでなく、塩濃度にも依存する。イオン移動度を改善するのに望まれる、より高い塩濃度は、エーテル溶媒分子をLiイオンに配位することによってこの分子を安定化させるのを助けることもできる。配位された溶媒分子は、Li/Liの電位に近い電圧で黒鉛を充電するときに特に生じ易い望ましくないアノード酸化反応を、それほど受ける傾向にはない。図12は、黒鉛の1回の充電/放電サイクルに電解質として使用される、1,3−ジオキソランに溶かした1Mおよび2MのLiClOの比較を示す。
4個以上の酸素原子を有する直鎖状エーテルでは、溶媒でLiイオンの周りを包み込んで、より安定な配位陽イオンを形成することができる。溶媒と塩とが1:1のモル比では、混合生成物は、式[Li(エーテル)](陰イオン)のイオン液体である。そのようなイオン液体は、Li/Li電極に対して0から5Vの電位範囲で電気化学的に安定であり、4Vの固体懸濁電気化学セルを実現するための優れた候補になることが証明された。図13は、1:1のモル比のテトラグリムおよびリチウムビス(トリフルオロメタン)スルホンイミド([Li(G4)]TFSI)から構成される電解質中で、ハーフ静的セルで試験されたリチウムコバルト酸化物(LCO)の電圧対容量曲線を示す(実験 静的−カソード−4)。結果は、リチウムコバルト酸化物が、有意な可逆的容量を維持しながら(120mAh/g LCO)この新規な電解質中でサイクル動作できることを証明する。分極は、セルを横断して流れる低速(C/11)で比較的高く、これはおそらく、一般的な有機カーボネート電解質よりもより低い[Li(G4)]TFSIのイオン伝導率に起因する。
表11.試験 静的−カソード−4の実験設定の詳細
Figure 0006110789
(実施例9)
適切なカソード−アノード−電解質の選択は、カソードおよびアノードがイオンを貯蔵する電位、ならびに電解質の安定性窓に依存する。表11は、いくつかの適切な組合せを示す。SSDEは、LiPFをアルキルカーボネートの混合物に加えたものを指し;DMCは、LiPFをジメチルカーボネートに加えたものを指し;DXLは、2M LiClOを1,3−ジオキソランに加えたものを指し;DOLは、70:30の質量比の1,3−ジオキソランおよびLiBETIを指し;Li(G4)]TFSIは、テトラグリムおよびリチウムビス(トリフルオロメタン)スルホンイミドが1:1のモル比にあるものを指す。
オリビンカソード、例えばリチウムイオンホスフェートもしくはリチウムマンガンホスフェートまたはそれらの固溶体、またはドープされたナノスケールのオリビンは、DMCベースの電解質に溶かしたLiTi12(LTO)と共に使用することができる。そのようなシステムは、1.9Vから2.5Vの動作電圧を有することになる。電力およびサイクル寿命は、これらのシステムのナノスケール活物質に関して優れたものになることが予測される。
LiMn−DXLと共に使用される黒鉛は、2.8Vというより高いセル電圧を有する。
LiMnO・LiMO−DMCと共に使用されるLTOは、2.9Vのセル電圧を有する。より高い電圧のLTOと共に使用するときのこの高容量カソードは、依然として高いセル電圧を有し、高いアノード安定性を有することが予測される。
LiMnO・LiMOは、3Mにより生成されたものまたはSiまたはさらに黒鉛などの高容量アノードと共に使用され、[Li(G4)]TFSI電解質と共に使用される場合、カソードおよびアノードの両方の高い容量と、より高いセル電圧:3.9〜4.3Vに起因して、高いエネルギー密度を有することになる。充電または放電されるときに大きな体積変化を受けるSiおよび3M合金などの高容量アノードのサイクル寿命は、活物質粒子が従来の電極の場合のように大きな応力を発生させることなく液相内で自由に膨張し収縮するので、本明細書に記述される半固体電極では改善される傾向にあることに留意されたい。
表12.いくつかのLiイオンカソードおよびアノード材料の電圧(対Li/Li)と電解質の安定性範囲の比較であり、半固体懸濁液など電気化学的に活性な流体を含む電気化学セルに適切なシステムを示す。
Figure 0006110789
本発明のいくつかの実施形態について本明細書で記述しかつ図示してきたが、当業者なら、機能を発揮するための、かつ/または結果および/または本明細書に記述される利点の1つもしくは複数を得るための、様々なその他の手段および/または構造を容易に考えるであろうし、そのような変形例および/または修正例は、本発明の範囲内にあると考えられる。より一般には、当業者なら、本明細書に記述される全てのパラメーター、寸法、材料、および構成が例示的であることを意味し、実際のパラメーター、寸法、材料、および/または構成は、本発明の1つまたは複数の教示が使用される特定の1つまたは複数の適用例に依存することになることが、容易に理解されよう。当業者なら、わずかに通常の実験を使用して、本明細書に記述される本発明の特定の実施形態の多くの均等物を理解しまたは確かめることができるであろう。したがって前述の実施形態は、単なる例として示されるものであり、添付される特許請求の範囲およびその均等物の範囲内で、特に記述されかつ特許請求の範囲に記載された通り以外にも実施できることが理解される。本発明は、本明細書に記述される個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法のそれぞれを対象とする。さらに、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組合せは、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に相反することがない場合、本発明の範囲内に含まれる。
本明細書および特許請求の範囲において使用される不定冠詞「a」および「an」は、反対の内容を明示しない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
本明細書および特許請求の範囲において使用される文言「および/または」は、そのように結合された要素の「いずれかまたは両方」、即ち、ある場合には結合的に示されまたその他の場合には離接的に示される要素を意味すると理解されるべきである。その他の要素は、反対の内容であることが明らかに示されない限り、特に特定されたそれらの要素に関係しても関係していなくても、「および/または」節により特に特定される要素以外、任意選択で存在してもよい。したがって非限定的な例として、「Aおよび/またはB」という表現は、「含む」などの非制限的(open−ended)言語と併せて使用される場合、一実施形態ではBのないA(B以外の要素を任意選択で含む。)を;別の実施形態ではAのないB(A以外の要素を任意選択で含む。)を;さらに別の実施形態ではAとBの両方(その他の要素を任意選択で含む。)など指すことができる。
本明細書および特許請求の範囲で使用される「または」は、上記にて定義された「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト中の項目を分離する「または」または「および/または」は、包括的であると解釈するものとし、即ち、いくつかのまたは列挙された要素と任意選択で追加の列挙されていない項目の、少なくとも1つを含むが複数も含むものとする。「〜の1つのみ」または「〜のちょうど1つ」などの反対の内容を明らかに示した用語のみ、または特許請求の範囲に使用される場合の「〜からなる」は、いくつかのまたは列挙された要素のちょうど1つの要素を含むことを指す。一般に、本明細書で使用される「または」という用語は、「いずれか」、「〜の1つ」、「〜の1つのみ」、または「〜のちょうど1つ」など、排他的な用語が先行する場合、単に排他的な代替例(即ち、「一方または他方であるが両方ではない」)を示すと解釈されるものとする。「〜から本質的になる」は、特許請求の範囲で使用される場合、特許法の分野で使用されるようなその通常の意味を有するものとする。
本明細書および特許請求の範囲で使用される「少なくとも1つ」という文言は、1つまたは複数の要素のリストを参照するに際し、要素のリスト中の要素のいずれか1つまたは複数から選択された少なくとも1つの要素を意味するが、要素のリスト内で特に列挙されたそれぞれおよび全ての要素の少なくとも1つを必ずしも含む必要はなく、要素のリスト中の要素の任意の組合せを排除しないことを理解すべきである。この定義は、「少なくとも1つ」という文言が言及している要素のリスト内で具体的に特定された要素以外の要素が、具体的に特定された要素に関係しても関係していなくても、任意選択で存在してもよいことも可能とする。したがって非限定的な例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(または均等に、「AまたはBの少なくとも1つ」、または均等に、「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、Bが存在せずに任意選択で複数のAを含む少なくとも1つのA(および任意選択でB以外の要素を含む);別の実施形態では、Aが存在せずに任意選択で複数のBを含む少なくとも1つのB(および任意選択でA以外の要素を含む);さらに別の実施形態では、任意選択で複数のAを含む少なくとも1つのAと、任意選択で複数のBを含む少なくとも1つのB(および任意選択でその他の要素を含む)とを指すことができる。
特許請求の範囲において、ならびに上述の明細書において、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「保持する(carrying)」、「有する」、「含有する」、「含む(involving)」、および「保持する(holding)」などの全ての移行句は、非制限的であること、即ち含むがそれに限定されないことを意味することが理解される。「〜からなる」および「〜から本質的になる」という移行句だけは、米国特許局特許審査手続便覧、セクション2111.03に記載されるように、それぞれ制限的または半制限的移行句とする。

Claims (20)

  1. 電気化学セルであって、前記電気化学セルは:
    第1の電気化学的に活性な流体を含有するように構成された第1の電極区画であって、前記第1の電気化学的に活性な流体は、半固体およびレドックス活性イオン貯蔵液体のうちの少なくとも1つを含み、前記第1の電極区画は、少なくとも部分的に、第1の電流コレクター、第1の壁およびイオン交換媒体によって画定される、第1の電極区画と;
    第2の電気化学的に活性な流体を含有するように構成された第2の電極区画であって、前記第2の電気化学的に活性な流体は、半固体およびレドックス活性イオン貯蔵液体のうちの少なくとも1つを含み、前記第2の電極区画は、少なくとも部分的に、第2の電流コレクター、第2の壁および前記イオン交換媒体によって画定される、第2の電極区画と
    を含み、
    前記第1の壁および前記第2の壁は、電気伝導性ではない閉じ込め材料を含み、
    前記第1の壁および/または前記第2の壁の少なくとも一部は、変形可能なポリマーを含み、
    前記電気化学セルは、動作中に、前記第1の電気化学的に活性な流体および/または前記第2の電気化学的に活性な流体のうちのいずれもが前記第1の電極区画または第2の電極区画の外に移送されることがないように構成される、
    電気化学セル。
  2. 前記第1の電気化学的に活性な流体および第2の電気化学的に活性な流体のうちの少なくとも一つが、伝導性添加剤を含む、請求項1に記載の電気化学セル。
  3. 前記伝導性添加剤が、電子伝導性のナノスケール粒子を含む、請求項2に記載の電気化学セル。
  4. 前記電気化学セルが、動作中に、前記第1の電気化学的に活性な流体および第2の電気化学的に活性な流体のいずれもが前記第1の電極区画および第2の電極区画の外に移送されることがないように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の電気化学セル。
  5. 前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体が半固体を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の電気化学セル。
  6. 前記第1の電気化学的に活性な流体および第2の電気化学的に活性な流体のうちの少なくとも一つが、非ニュートン性流体である、請求項1から5のいずれか一項に記載の電気化学セル。
  7. 前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体が、Li、Na、Mg2+、Al3+、Ca2+、H、および/またはOHを含有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の電気化学セル。
  8. 前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体が、Liを含有し、
    前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体が、
    CuF、FeF、FeF、BiF、CoF、および/またはNiFを含む、イオン貯蔵化合物、または
    CoO、Co、NiO、CuO、および/またはMnOを含むイオン貯蔵化合物、または
    式Li1−x−z1−zPOを有する化合物から選択された層間化合物であって、式中、Mは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、およびNiからなる群から選択された少なくとも1つの第1列の遷移金属を含み、xは0から1であり、zは正数または負数とすることができる、層間化合物、または
    式(Li1−x)MPOを有する化合物から選択された層間化合物であって、式中、Mは、V、Cr、Mn、Fe、Co、およびNiのうちの1つまたは複数であり、Zは、Ti、Zr、Nb、Al、またはMgのうちの1つまたは複数などの非アルカリ金属ドーパントであり、xは0.005から0.05に及ぶものである、層間化合物、または
    式LiMPOを有する化合物から選択された層間化合物であって、式中、Mは、V、Cr、Mn、Fe、Co、およびNiのうちの1つまたは複数であり、前記化合物は任意選択でLi、M、またはO位でドープされている、層間化合物、または
    (M’1−aM”(XD、A(M’1−aM”(DXD、およびA(M’1−aM”(Xからなる群から選択された層間化合物であって、
    式中、xと、y(1−a)とM’の単数または複数の形式原子価の積と、yaとM”の単数または複数の形式原子価の積との和が、zとXD、X、またはDXD基の形式原子価の積に等しく;
    Aは、アルカリ金属および水素のうちの少なくとも1つであり、M’は、第1列の遷移金属であり、Xは、リン、硫黄、ヒ素、モリブデン、およびタングステンのうちの少なくとも1つであり、M”は、IIA、IIIA、IVA、VA、VIA、VIIA、VIIIA、IB、IIB、IIIB、IVB、VB、およびVIB族金属のうちのいずれかであり、Dは、酸素、窒素、炭素、またはハロゲンのうちの少なくとも1つである、層間化合物または
    (A1−aM”M’(XD、(A1−aM”M’(DXD、および(A1−aM”M’(Xからなる群から選択された層間化合物であって、
    式中、(1−a)xと、axとM”の単数または複数の形式原子価の積の数量と、yとM’の単数または複数の形式原子価の積との和が、zとXD、X、またはDXD基の形式原子価の積に等しく、
    Aは、アルカリ金属および水素のうちの少なくとも1つであり、M’は、第1列の遷移金属であり、Xは、リン、硫黄、ヒ素、モリブデン、およびタングステンのうちの少なくとも1つであり;M”は、IIA、IIIA、IVA、VA、VIA、VIIA、VIIIA、IB、IIB、IIIB、IVB、VB、およびVIB族金属のいずれかであり;Dは、酸素、窒素、炭素、またはハロゲンのうちの少なくとも1つである、層間化合物、または
    規則的な岩塩化合物LiMOからなる群から選択された層間化合物であって、式中、Mは、少なくとも1種の第1列の遷移金属を含むが、非遷移金属を含んでいてもよい、層間化合物
    を含む、請求項7に記載の電気化学セル。
  9. 前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体が、非晶質炭素、不規則な炭素、黒鉛型炭素、または金属でコーティングされた炭素もしくは金属で装飾された炭素を含む固体、または
    金属もしくは金属合金、またはメタロイドもしくはメタロイド合金、またはケイ素を含む固体、または
    ナノワイヤー、ナノロッド、および/またはナノテトラポッドを含む固体、または
    有機レドックス化合物を含む固体、または
    α−NaFeOを有するものおよび斜方晶LiMnO構造型を有するものを含む規則正しい岩塩化合物LiMO、またはそれらの異なる結晶対称性、原子配列、または金属もしくは酸素の部分置換の誘導体からなる群から選択された固体(式中、Mは、少なくとも1種の第1列の遷移金属を含むが、非遷移金属を含んでいてもよい)、または
    非晶質炭素、不規則な炭素、黒鉛型炭素、および金属でコーティングされた炭素もしくは金属で装飾された炭素からなる群から選択された固体を含む流動可能な半固体イオン貯蔵レドックス組成物
    を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の電気化学セル。
  10. 前記電気化学セルが、
    (1)A(M’1−aM”(XD、A(M’1−aM”(DXD、およびA(M’1−aM”(Xからなる群から選択された固体であって、式中、xと、y(1−a)とM’の単数または複数の形式原子価の積と、yaとM”の単数または複数の形式原子価の積との和が、zとXD、X、またはDXD基の形式原子価の積に等しく、Aは、アルカリ金属および水素のうちの少なくとも1つであり、M’は、第1列の遷移金属であり、Xは、リン、硫黄、ヒ素、モリブデン、およびタングステンのうちの少なくとも1つであり、M”は、IIA、IIIA、IVA、VA、VIA、VIIA、VIIIA、IB、IIB、IIIB、IVB、VB、およびVIB族金属のうちのいずれかであり、Dは、酸素、窒素、炭素、またはハロゲンのうちの少なくとも1つである、固体を含む正極活物質、または
    (2)スピネル構造を有する化合物を含む正極活物質、または
    (3)LiMnおよびその誘導体;層状化スピネルナノ複合体であって、その構造が、規則的な岩塩およびスピネル配列を有するナノスコピック領域を含む、層状化スピネルナノ複合体;オリビン;LiMPOおよびその誘導体であって、Mが、Mn、Fe、Co、およびNiのうちの1つまたは複数を含む、LiMPOおよびその誘導体;部分的にフッ素化された化合物;ならびに酸化バナジウムVからなる群から選択された化合物を含む正極活物質と、
    非晶質炭素、不規則な炭素、黒鉛型炭素、および金属でコーティングされた炭素もしくは金属で装飾された炭素からなる群から選択された固体を含む流動可能な半固体イオン貯蔵レドックス組成物を含む負極と
    を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の電気化学セル。
  11. 前記電気化学セルが、負極活物質を含み、前記負極活物質が、
    黒鉛;黒鉛型ホウ素−炭素合金;硬質の炭素もしくは不規則な炭素;チタン酸リチウムスピネル;または固体金属もしくは金属合金またはメタロイドもしくはメタロイド合金であって、リチウムと反応して金属間化合物を形成し、前記金属間化合物は、金属Sn、Bi、Zn、Ag、およびAl、ならびに/あるいは、メタロイドSiおよびGeを含む、固体金属もしくは金属合金またはメタロイドもしくはメタロイド合金
    を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の電気化学セル。
  12. 前記イオン交換媒体がイオン透過膜を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の電気化学セル。
  13. 前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体の電子伝導率が、少なくとも10−5S/cmである、請求項1から12のいずれか一項に記載の電気化学セル。
  14. 前記第1の電気化学的に活性な流体および/または第2の電気化学的に活性な流体が、5%から70%の間のイオン貯蔵固相の体積パーセンテージを有する、半固体を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の電気化学セル。
  15. 前記第1の電気化学的に活性な流体および第2の電気化学的に活性な流体が、1.5×10cP未満の定常状態剪断粘度を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の電気化学セル。
  16. 前記第1の電極区画および/または第2の電極区画が、280μm〜620μmの厚さを有する、請求項1に記載の電気化学セル。
  17. 前記セルが、C/20〜C2.5のレートでサイクル動作させた場合、Liに関して前もって決定されたセル電圧で、少なくとも70%の理論的容量を示す、請求項1に記載の電気化学セル。
  18. 前記第1の電極区画は、カソード活物質を含む第1の半固体を含有し、かつ/または前記第2の電極区画は、アノード活物質を含む第2の半固体を含有し、ここで、前記カソード活物質は、リチウム遷移金属リン含有オリビンを含み、前記アノード活物質は、黒鉛を含む、請求項1に記載の電気化学セル。
  19. 前記半固体が、電解質中に懸濁された固体電極活物質を含み、前記電解質は、前記電極活物質が前記電気化学セルの動作中に前記電解質中に溶解しないように選択される、請求項1から18のいずれか一項に記載の電気化学セル。
  20. 前記電気化学セルが再充電式バッテリーを構成する、請求項1から18のいずれか一項に記載の電気化学セル。
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