以下では、本実施形態に係る商品販売データ処理装置及びプログラムについて、図面を参照して説明する。本実施形態は、スーパーマーケット等の店舗に導入された決済システムへの適用例である。
図1は、チェックアウトシステム1を客側から見た斜視図である。図2は、チェックアウトシステム1をオペレータ側から見た斜視図である。チェックアウトシステム1は、大別すると事前登録装置100と、POS(Point Of Sales)端末200とを備えている。そして、チェックアウトシステム1を構成する事前登録装置100と、POS端末200とは、後述する携帯端末3(図5参照)と情報通信が可能となっている。このように、本実施形態に係る決済システムは、チェックアウトシステム1を構成する事前登録装置100およびPOS端末200と、携帯端末3(図5参照)とで構成される。
まず、POS端末200について説明する。
図1および図2に示すように、POS端末200は、上面に荷受け面が形成されている横長テーブル状のカウンタ台201上に立設されている。荷受け面には、商品を収納する買物カゴが載置される。なお、買物カゴは、いわゆるカゴ形状のものに限るものではなく、トレーや、箱状や、袋状等の容器であってもよい。
POS端末200は、一対のスタンド202を備えており、カウンタ台201の上面に立設している。POS端末200は、一対のスタンド202によって操作部210を保持している。
操作部210は、キャッシャと称されるオペレータ側に、商品の商品情報を読み取るスキャナ211と、オペレータに各種の情報を提供するオペレータ用表示部212と、を備えている。
スキャナ211は、内部にカラーCCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサやカラーCMOS(Complementary MOS)イメージセンサ等のイメージセンサ(図示せず)とLED(Light Emitting Diode)などの光源(図示せず)とを有している。
スキャナ211は、商品に付されたコードシンボルであるバーコードに含まれる商品コードや商品の全部または一部の外面情報(商品のラベルを表す特徴量、商品の色合いや表面の凹凸状況等の表面の状態を表す特徴量など)などの商品データを読み取る。バーコードや二次元コードなどのコードシンボルからコード情報を検出する処理については、従来からある技術なのでここでの説明は省略する。
オペレータ用表示部212は、タッチパネル212aが表面に積層されているとともに、後方が透けて見える透明ディスプレイである。透明ディスプレイは、例えばOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイである。このようなオペレータ用表示部212は、オペレータがスキャナ211に対して商品の商品情報を読み取らせる動作を行なっている場合、その動作がオペレータ用表示部212を介してオペレータから透けて見える位置に設けられている。
オペレータ用表示部212は、例えば、各種の操作ボタンや商品名や単価等の商品データを表示する。各種の操作ボタンとしては、例えば、POS端末200に商品データの読み取りの終了を知らせる小計キー等がある。
一方、操作部210は、客側に、RFID(Radio Frequency Identification)リーダライタ213と、顧客に各種の情報を提供する客用表示部214とを備えている。
RFIDリーダライタ213は、携帯端末3(図5参照)に対する各種の情報の読取りおよび書込みをNFC(Near Field Communication:近距離無線通信)により実行する。より具体的には、RFIDリーダライタ213は、顧客が携帯端末3をかざすことにより、携帯端末3との間における電子マネーによる決済や電子マネーをチャージすることができる。
客用表示部214は、オペレータ用表示部212と同様に、例えばOLEDディスプレイであって、後方が透けて見える透明ディスプレイである。このような客用表示部214は、オペレータがスキャナ211に対して商品の商品情報を読み取らせる動作を行なっている場合、その動作が客用表示部214を介して顧客から透けて見える位置に設けられている。
加えて、チェックアウトシステム1は、カウンタ台201の下面に、カウンタ台201を支えることが可能な矩形形状のハウジング220を備える。POS端末200は、ハウジング220の内部に、商品販売における締め処理にかかる紙幣の入出金に対応した自動釣銭部230を備える。自動釣銭部230は、紙幣を入金する自動釣銭機投入口231と、紙幣を出金する自動釣銭機排出口232とを備えている。
さらに、POS端末200は、カウンタ台201の客側に、各種の情報を表示するサイネージ240を備える。サイネージ240は、広告を表示することで顧客の購買意欲を高める。
次に、事前登録装置100について説明する。
事前登録装置100は、POS端末200において商品販売処理を実行する前であってチェックアウトレーンで前の顧客の決済が終了するのを待っている間に、会員認証や各種の登録を事前に行う装置である。事前に行う各種の登録とは、レジ袋が不要である旨の登録や、電子マネー決済を行う旨の登録などである。このように事前登録装置100を備えることにより、レジ待ち時間を有効に使うことで、決済時間の短縮化を図ることができる。
事前登録装置100は、RFIDリーダライタ110と、現金処理部120(図3参照)と、表示部140とを備える。また、事前登録装置100は、箱形状の筐体101の上面に操作部102を有している。事前登録装置100の操作部102は、カウンタ台201と略同じ高さに位置づけられている。操作部102は、表示部140と、現金処理部120の硬貨投入口121及び紙幣投入口122と、を備えている。
RFIDリーダライタ110は、表示部140に対応させて筐体101の内部に配置される。RFIDリーダライタ110は、携帯端末3(図5参照)に対する各種の情報の読取りおよび書込みをNFC(近距離無線通信)により実行する。より具体的には、RFIDリーダライタ110は、顧客が携帯端末3をかざすことにより、携帯端末3との間における電子マネーによる決済や電子マネーのチャージを行うことができる。また、RFIDリーダライタ110は、顧客が携帯端末3をかざすことにより、携帯端末3との間において各種の情報(事前に行う各種の要求情報など)の送受信を行うことができる。
現金処理部120は、操作部102に配された硬貨投入口121または紙幣投入口122から投入された現金を計数管理するとともに、投入された現金分の電子マネーをRFIDリーダライタ110を介して顧客の携帯端末3にチャージする。
操作部102に配された表示部140は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)である。表示部140は、携帯端末3をかざして事前登録装置100に情報を読み取らせることを促す画面を表示させる。また、表示部140は、事前登録装置100で電子マネーをチャージする場合には、硬貨投入口121または紙幣投入口122から現金を投入すること促す画面を表示させる。または、表示部140は、現在チャージされている電子マネーの残額などの情報を表示させてもよい。
図3は、事前登録装置100及びPOS端末200のハードウェア構成を示すブロック図である。事前登録装置100の接続インタフェース154と、POS端末200の接続インタフェース254とは、接続されており各種情報を送受信する。
事前登録装置100は、CPU(Central Processing Unit)151と、ROM(Read Only Memory)152と、RAM(Random Access Memory)153とを備える。CPU151は、各種演算処理を実行し各部を制御する。ROM152は、CPU151が実行するための各種プログラムや各種データを予め記憶する。RAM153は、CPU151が各種プログラムを実行する際のワークエリア等として機能する。そして、CPU151は、バス161を介してROM152と、RAM153とに接続している。
また、事前登録装置100のCPU151には、前述したRFIDリーダライタ110と、現金処理部120と、情報伝達部130と、表示部140と、接続インタフェース154とがいずれも各種の入出力回路(いずれも不図示)を介して接続されている。これらの各装置は、CPU151により制御される。
POS端末200は、CPU251と、ROM252と、RAM253とを備える。CPU251は、各種演算処理を実行し各部を制御する。ROM252は、CPU251が実行するための各種プログラムや各種データを予め記憶する。RAM253は、CPU251が各種プログラムを実行する際のワークエリア等として機能する。そして、CPU251は、バス261を介してROM252と、RAM253とに接続している。
また、POS端末200のCPU251には、前述したオペレータ用表示部212と、タッチパネル212aと、客用表示部214と、自動釣銭部230と、RFIDリーダライタ213と、サイネージ240と、スキャナ211と、がいずれも各種の入出力回路(いずれも不図示)を介して接続されている。これらの各装置は、CPU251により制御される。
さらに、POS端末200のCPU251には、記憶部255が接続されている。記憶部255は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部255には、プログラムや各種ファイルが記憶される。記憶部255に記憶されているプログラムや各種ファイルは、POS端末200の起動時に、その全部または一部がRAM253にコピーされてCPU251により実行される。記憶部255に記憶されているプログラムの一例は、事前に登録された内容をもとに商品販売処理を行う事前登録プログラムP1などである。また、記憶部255は、事前登録テーブルT1を記憶している。
事前登録テーブルT1は、商品を購入する顧客の携帯端末3から送信された、要求情報を記憶するデータテーブルである。要求情報とは、商品の購入に係る要求が設定された情報である。ここで、図4は、事前登録テーブルT1のデータ構成の一例を示す図である。事前登録テーブルT1は、要求情報として、顧客識別情報と、レジ袋情報と、保冷剤情報と、ポイント使用情報と、クーポン使用情報と、レシート要否情報と、支払い方法情報と、宅配情報と、チャージ情報とを記憶する。顧客識別情報は、事前登録を行った顧客を識別する情報である。レジ袋情報は、店舗から提供されるレジ袋の要否に関する情報である。また、レジ袋が必要な場合には、レジ袋情報に必要なレジ袋の枚数が記憶される。保冷剤情報は、店舗から提供される保冷剤の要否に関する情報である。また、保冷剤が必要な場合には、保冷剤情報に、必要な冷却時間が記憶される。ポイント使用情報は、会計処理時にポイントを使用するか否かが記憶されている。クーポン使用情報は、会計処理時にクーポンを使用するか否かが記憶されている。クーポンを使用すると登録した場合に、携帯端末3に予め記憶されているクーポンがPOS端末200へ送付される。これにより、クーポンを用いた会計処理が行われる。レシート要否情報は、紙のレシートの要否に関する情報である。このように、要求情報は、商品を購入する店舗から提供される提供物の取り扱い方法について記憶する。これにより、顧客が望むサービスの提供を受けることが可能となる。
支払い方法情報は、支払い方法に関する情報であり、現金及び電子マネーの何れか一方又は両方を使用することが設定されている。さらに、決済に現金を使用することが設定されている場合には、決済で生じた釣り銭を全額チャージするか否かを設定する。釣り銭を全額チャージしないと設定した場合には、釣り銭が硬貨であることを条件にチャージされる。すなわち、決済で生じた釣り銭のうち、硬貨で支払われる金額がチャージされ、紙幣で支払われる金額は現金で返される。一方、釣り銭を全額チャージすると設定した場合には、金額に関わらず全額チャージされる。
チャージ情報は、電子マネーのチャージの要否と、電子マネーをチャージする場合のチャージ金額とが記憶された情報である。また、電子マネーをチャージする場合には、チャージ金額も記録されている。宅配情報は、購入した商品について宅配の要否に関する情報が記憶されている。
次に、携帯端末3について説明を行う。図5は、携帯端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。
携帯端末3は、CPU351と、ROM352と、RAM353とを備える。CPU351は、各種演算処理を実行し各部を制御する。ROM352は、CPU351が実行するための各種プログラムや各種データを予め記憶する。RAM353は、CPU351が各種プログラムを実行する際のワークエリア等として機能する。そして、CP351は、バス361を介してROM352と、RAM353とに接続している。
また、携帯端末3のCPU351には、表示部310と、タッチパネル310aと、NFC通信部320と、情報通信インタフェース330と、記憶部350とがいずれも各種の入出力回路(いずれも不図示)を介して接続されている。これらの各装置は、CPU351により制御される。
表示部310は、液晶などの技術を用いたディスプレイであって、事前登録などの情報を表示する。タッチパネル310aは、表示部310の表面に積層されており操作を入力することが可能である。
NFC通信部320は、事前登録装置100のRFIDリーダライタ110と、POS端末200のRFIDリーダライタ213とに対して各種の情報の読取りおよび書込みをNFC(近距離無線通信)により実行する。さらに具体的には、NFC通信部320は、記憶部350に記憶されている要求情報や、電子マネー情報を送信することで事前登録装置100またはPOS端末200に書き込みを行う。そして、NFC通信部320は、事前登録装置100またはPOS端末200から受信した要求情報や、電子マネー情報を記憶部350に記憶することで読み出しを行う。
情報通信インタフェース330は、事前登録装置100の情報伝達部130から伝達された情報を受信する。そして、情報を受信した情報通信インタフェース330は、CPU351に割り込み信号を出力する。そして、CPU351は、割り込み信号に対応した処理を実行する。具体的には、CPU351は、プッシュ通知に対応した画面を表示させる。
記憶部350は、HDDやSSDなどで構成されている。記憶部350には、プログラムや各種ファイルが記憶されている。記憶部350に記憶されているプログラムや各種ファイルは、携帯端末3の起動時に、その全部または一部がRAM353にコピーされてCPU351により実行される。
記憶部350に記憶されているプログラムの一例は、事前に登録された内容をもとに商品販売処理を行う事前登録プログラムP1などである。また、記憶装置である記憶部350は、要求情報と、電子マネー情報記憶領域350aとを備える。要求情報は、POS端末200の記憶部255に記憶されている事前登録テーブルT1と同様の内容が記憶された情報である。電子マネー情報記憶領域350aは、電子マネーに関する情報を記憶している領域である。具体的には、現在チャージされている電子マネーの金額などの情報である。
次に、本実施形態にかかるチェックアウトシステム1の事前登録装置100およびPOS端末200と、携帯端末3とがコンピュータプログラムに従って実行する特徴的な処理について説明する。なお、従来から行なわれている処理と同様の処理についてはその説明を省略する。
図6は、チェックアウトシステム1と携帯端末3との機能構成を示すブロック図である。図6に示すように、チェックアウトシステム1を構成する事前登録装置100のCPU151およびPOS端末200のCPU251は、各々ROM152、252や記憶部255などに格納される制御プログラムをRAM153、253に展開して実行することにより、各種機能を実行する。
具体的には、事前登録装置100のCPU151は、プッシュ通知送信手段1511と、RFID制御手段1512と、現金処理制御手段1513と、表示制御手段1514と、として機能する。そして、POS端末200のCPU251は、表示制御手段2511と、操作手段2512と、電子決済制御手段2513と、現金決済制御手段2514と、として機能する。
そして、携帯端末3のCPU351は、ROM352や記憶部350などに格納される制御プログラムをRAM353に展開して実行することにより、各種機能を実行する。具体的には、携帯端末3のCPU351は、プッシュ通知受信手段3511と、表示制御手段3512と、操作手段3513と、NFC制御手段3514と、として機能する。
まず、事前登録装置100の機能構成について説明を行う。
プッシュ通知送信手段1511は、情報伝達部130を制御してプッシュ通知を送信する。情報伝達部130から送信したプッシュ通知の圏内に入った携帯端末3は、プッシュ通知を受信する。
RFID制御手段1512は、RFIDリーダライタ110を制御して携帯端末3のNFC通信部320と情報を送受信する。具体的には、RFID制御手段1512は、携帯端末3の電子マネー情報記憶領域350aに記憶されている電子マネー情報との書込みおよび読出しを制御する。さらに、受信制御手段でもあるRFID制御手段1512は、携帯端末3から要求情報の受信を制御する。
現金処理制御手段1513は、現金処理部120を制御して入金された現金を電子マネーとしてチャージする。具体的には、現金処理制御手段1513は、要求情報にてチャージする設定されていた場合に、指定された金額が投入されると投入金額をチャージする。
表示制御手段1514は、表示部140を制御して画面を表示させる。具体的には、表示制御手段1514は、電子マネー情報を読み取らせることを促す画面や、現金の投入を促す画面などを表示させる制御を行う。
次に、携帯端末3の機能構成について説明を行う。
プッシュ通知受信手段3511は、前述したプッシュ通知送信手段1511から送信されたプッシュ通知を受信する。プッシュ通知を受信した携帯端末3は、プッシュ通知に応じて事前登録プログラムP1の起動を促す画面を表示させる。これにより、携帯端末3は、顧客の事前登録を補助する。
表示制御手段3512は、表示部310を制御して画面を表示させる。具体的には、表示制御手段3512は、事前登録プログラムP1の画面を表示させる。そして、操作手段3513は、タッチパネル310aを制御して情報の入力を制御する。すなわち、表示制御手段3512と、操作手段3513とは、協働で事前登録プログラムP1にかかる画面表示と操作入力とを制御する。これにより、操作手段3513は、要求情報の操作入力を制御する。
NFC制御手段3514は、NFC通信部320を制御して事前登録装置100およびPOS端末200と通信を行う。NFC制御手段3514は、事前登録装置100およびPOS端末200に対して、要求情報と、電子マネー情報との書き込みおよび読み出しを行う。
次に、POS端末200の機能構成について説明を行う。
表示制御手段2511は、オペレータ用表示部212と、客用表示部214と、サイネージ240とを制御して画面を表示させる。例えば、表示制御手段2511は、事前登録プログラムP1の画面を表示させる。そして、操作手段2512は、タッチパネル212aを制御して情報の入力を制御する。すなわち、表示制御手段2511と、操作手段2512とは、協働で事前登録プログラムP1にかかる画面表示と操作入力とを制御する。また、表示制御手段2511は、要求情報に設定された顧客の要求を表示することでオペレータに通知する。
電子決済制御手段2513は、RFIDリーダライタ213を制御して電子マネーによる決済を制御する。電子決済制御手段2513は、携帯端末3から電子マネー情報を読み出し、購入金額と入金金額に応じて電子マネーの残額を変更する。その後、電子決済制御手段2513は、変更後の電子マネーを携帯端末3に書き込む。電子決済制御手段2513は、これらの電子マネーを用いた決済に関する処理を行うことで、電子マネーによる決済を制御する。
現金決済制御手段2514は、自動釣銭部230を制御して現金決済を制御する。具体的には、現金決済制御手段2514は、決済において現金を使用することが要求情報に設定されている場合に、自動釣銭機投入口231から入金された現金を用いて決済を行う。また、現金決済制御手段2514は、電子マネーと現金とを併用することが要求情報に設定されている場合にも、自動釣銭機投入口231から入金された現金を用いて決済を行う。
そして、現金決済制御手段2514は、現金によって取引された決済の釣り銭は、電子マネーとしてチャージする。その際、受信した要求情報に釣り銭に紙幣が含まれており返す設定がされていた場合に、現金決済制御手段2514は、チャージせず自動釣銭機排出口232から紙幣を排出する。このように現金決済制御手段2514は、要求情報の設定内容に基づいて、決済を行うことで迅速な決済処理が可能となる。
次に、チェックアウトシステム1と携帯端末3との間で実行される事前登録を行った商品販売処理について説明する。なお、図7−1および図7−2は、商品販売処理の流れを示すフローチャートである。
チェックアウトシステム1の事前登録装置100は、情報伝達部130を介してプッシュ通知を送信する(ステップS1)。次いで、携帯端末3のCPU351は、プッシュ通知を受信したか否かを判定する(ステップS2)。プッシュ通知を受信しない場合に(ステップS2;No)、携帯端末3のCPU351は、ステップS2を維持して待機する。
一方、プッシュ通知を受信した場合に(ステップS2;Yes)、携帯端末3のCPU351は、プッシュ画面G1を表示させる(ステップS3)。ここで、図8は、プッシュ画面G1の一例を示す図である。プッシュ画面G1は、「アプリを起動して事前登録を設定して下さい。」とのメッセージを表示して事前登録プログラムP1の起動を促す。また、プッシュ画面G1は、起動ボタンB11を備える。起動ボタンB11は、事前登録プログラムP1を起動する場合に押下するボタンである。
よって、携帯端末3のCPU351は、起動ボタンB11が押下されるか否かを判定する(ステップS4)。起動ボタンB11が押下されない場合に(ステップS4;No)、携帯端末3のCPU351は、ステップS4を維持して待機する。
一方、起動ボタンB11が押下された場合に(ステップS4;Yes)、携帯端末3のCPU351は、事前登録プログラムP1を起動してサービス選択画面G2を表示させる(ステップS5)。ここで、図9は、サービス選択画面G2の一例を示す図である。
サービス選択画面G2は、店舗から提供されるサービスの内容を選択して登録する画面である。サービス選択画面G2は、電子マネー表示領域R21と、レジ袋ボタンB22と、保冷剤ボタンB23と、ポイント使用ボタンB24と、クーポン使用ボタンB24aと、レシートボタンB25と、現金併用ボタンB26と、硬貨チャージ現金併用ボタンB26aと、宅配ボタンB27と、サービス選択ボタンB28と、チャージボタンB29とを備える。
電子マネー表示領域R21は、現在チャージされている電子マネーの残額と、現在のお買い物ポイントを表示する領域である。これにより、顧客は、電子マネーで決済を行った場合の不足額がわかるため、必要な対策を予め検討することが可能となる。レジ袋ボタンB22は、レジ袋の要否を入力するボタンである。保冷剤ボタンB23は、保冷剤の要否を入力するボタンである。ポイント使用ボタンB24は、お買物ポイントを決済で使用するか否かを入力するボタンである。クーポン使用ボタンB24aは、クーポンを決済で使用するか否かを入力するボタンである。クーポンを使用すると登録した場合に、携帯端末3に予め記憶されているクーポン情報がPOS端末200へ送付される。レシートボタンB25は、紙のレシートを印刷するか否かを入力するボタンである。現金併用ボタンB26は、現金と電子マネーとを併用して決済をする場合に押下するボタンである。また、お釣が発生した場合には、電子マネーとしてチャージされる。これにより、釣り銭を返さないことからより迅速な商品販売処理を行うことが可能となる。硬貨チャージ現金併用ボタンB26aは、現金併用ボタンB26と同様に現金と電子マネーとを併用して決済をする場合に押下するボタンである。しかし、お釣が発生した場合に、硬貨のみのチャージで、紙幣は返金する点が異なっている。宅配ボタンB27は、購入した商品を宅配してもらう場合に押下するボタンである。サービス選択ボタンB28は、サービス選択画面G2を表示させる場合に押下するボタンである。チャージボタンB29は、チャージ画面G3を表示させる場合に押下するボタンである。
携帯端末3のCPU351は、顧客が上述の構成のサービス選択画面G2から入力したサービスの選択内容を登録する(ステップS6)。その後、携帯端末3のCPU351は、チャージボタンB29が押下されるか否かを判定する(ステップS7)。チャージボタンB29が押下されない場合に(ステップS7;No)、携帯端末3のCPU351は、ステップS9に移行させる。
一方、チャージボタンB29が押下された場合に(ステップS7;Yes)、携帯端末3のCPU351は、チャージ画面G3を表示させる(ステップS8)。ここで、図10は、チャージ画面G3の一例を示す図である。チャージ画面G3は、事前登録装置100でチャージを行う場合に、事前にチャージ金額を設定する画面である。よって、チャージ画面G3は、「チャージする金額を入力して下さい。」とのメッセージを表示してチャージ金額の入力を促す。チャージ画面G3は、電子マネー表示領域R21と、チャージ設定ボタンB31と、チャージ金額入力領域R32と、サービス選択ボタンB28と、チャージボタンB29とを備える。電子マネー表示領域R21と、サービス選択ボタンB28と、チャージボタンB29とは、前述したものと同じである。チャージ設定ボタンB31は、電子マネーのチャージをする場合に押下するボタンである。チャージ金額入力領域R32は、チャージする電子マネーの金額を入力する欄である。
次いで、顧客が事前登録装置100のRFIDリーダライタ110に携帯端末3をかざした場合に、携帯端末3のCPU351は、設定された要求情報を送信する(ステップS9)。次いで、事前登録装置100のCPU151は、設定された要求情報を受信して、POS端末200の記憶部255に記憶させる(ステップS10)。
次いで、事前登録装置100のCPU151は、電子マネーのチャージが登録されているか否かを判定する(ステップS11)。電子マネーのチャージが登録されていない場合に(ステップS11;No)、事前登録装置100のCPU151は、ステップS15に移行させる。
電子マネーのチャージが登録されている場合に(ステップS11;Yes)、事前登録装置100のCPU151は、表示部140に硬貨投入口121または紙幣投入口122からの入金を促す画面を表示させる(ステップS12)。事前登録装置100のCPU151は、入金の有無を判定する(ステップS13)。入金がない場合に(ステップS13;No)、事前登録装置100のCPU151は、ステップS13を維持して待機する。入金があった場合に(ステップS13;Yes)、事前登録装置100のCPU151は、入金された金額をチャージする(ステップS14)。
次いで、POS端末200のCPU251は、オペレータの操作入力に従って商品登録処理を実行する(ステップS15)。その際、要求情報にクーポンの使用が登録されている場合に、POS端末200のCPU251は、入力された商品情報と、事前登録装置100から送付されたクーポン情報とを比較して、クーポンが対象としている商品の商品情報をスキャナ211が読み取ったか否かを判定する。クーポンが対象としている商品の商品情報が読み取られた場合に、POS端末200のCPU251は、対象となるクーポンを適用した商品登録処理を実行する。
次いで、POS端末200のCPU251は、小計キーが押下されるか否かを判定する(ステップS16)。小計キーが押下されない場合に(ステップS16;No)、POS端末200のCPU251は、ステップS15に移行させて商品登録処理を引き続き行う。
商品登録処理が完了し、オペレータが小計キーを押下した場合に(ステップS16;Yes)、POS端末200のCPU251は、登録内容画面G4をオペレータ用表示部212に表示させる(ステップS17)。ここで、図11は、登録内容画面G4の一例を示す図である。登録内容画面G4とは、要求情報に記憶された情報を表示した画面である。登録内容画面G4は、登録内容領域R41と、OKボタンB42とを備える。登録内容領域R41は、顧客が携帯端末3を用いて予め設定した事前登録の内容を表示した画面である。POS端末200は、登録内容画面G4を表示してオペレータに顧客の要求を伝える。顧客の登録内容を把握したオペレータは、OKボタンB42を押下して画面を消去させる。
すなわち、POS端末200のCPU251は、OKボタンB42が押下されるか否かを判定する(ステップS18)。OKボタンB42が押下されない場合に(ステップS18;No)、POS端末200のCPU251は、ステップS18を維持して待機する。一方、OKボタンB42が押下された場合に(ステップS18;Yes)、POS端末200のCPU251は、ステップS19に移行させる。
POS端末200のCPU251は、現金を併用する支払いが事前に登録されているか否かを判定する(ステップS19)。現金を併用する支払いである場合に(ステップS19;Yes)、POS端末200のCPU251は、自動釣銭部230の自動釣銭機投入口231から投入された金額を数える(ステップS20)。一方、現金を併用しない場合に(ステップS19;No)、POS端末200のCPU251は、ステップS22へ移行させる。
次いで、オペレータの指示によりRFIDリーダライタ213にかざされた携帯端末3のCPU351は、電子マネー情報を送信する(ステップS21)。次いで、POS端末200のCPU251は、送信された電子マネー情報を受信する(ステップS22)。
次いで、POS端末200のCPU251は、釣り銭を全額チャージする登録がされていたか否かを判定する(ステップS23)。全額チャージする登録がされていない場合に(ステップS23;No)、POS端末200のCPU251は、自動釣銭部230の自動釣銭機排出口232から釣り銭のうち、紙幣を排出する(ステップS24)。次いで、POS端末200のCPU251は、釣り銭のうち、硬貨をチャージする(ステップS25)。
一方、釣り銭を全額チャージする登録がされていた場合に(ステップS23;Yes)、POS端末200のCPU251は、お釣を全額チャージする(ステップS26)。
次いで、POS端末200のCPU251は、RFIDリーダライタ213を介して、取引後の電子マネー情報を携帯端末3へ送信する(ステップS27)。取引後の電子マネー情報を受信した携帯端末3のCPU351は、記憶部350の電子マネー情報記憶領域350aに記憶させる(ステップS28)。
次いで、POS端末200のCPU251は、紙のレシートが必要である登録が事前にされていたか否かを判定する(ステップS29)。紙のレシートが必要であると設定されている場合に(ステップS29;Yes)、POS端末200のCPU251は、紙のレシートと電子レシートとを発行する(ステップS30)。一方、紙のレシートが不要であると設定されている場合に(ステップS29;No)、POS端末200のCPU251は、電子レシートを発行する(ステップS31)。
次いで、携帯端末3のCPU351は、電子レシートを表示させる(ステップS32)。
以上のように、本実施形態によれば、携帯端末3は、予め設定された要求情報と、電子マネー情報とを備える。そして、顧客は、携帯端末3の表示部310を用いて不足額を把握することが可能である。また、携帯端末3に備えられたタッチパネル310aを用いて、決済方法について事前に登録を登録することが可能である。そして、事前登録装置100は、RFIDリーダライタ110を用いて携帯端末3から要求情報を読み取ることで登録内容を把握することが可能となる。よって、不足額などを考慮したうえで設定された決済方法を、事前に把握することが可能であることから余計な作業を減らし、利便性を向上させることが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
なお、上記実施形態では、事前登録装置100において、要求情報と、電子マネー情報とを読み取ると説明しているが、要求情報と、電子マネー情報とは、事前登録装置100以外の装置で読み取ってもよい。例えば、POS端末200が要求情報と、電子マネー情報とを読み取るとしてもよい。
なお、上記実施形態において、事前に登録する内容を例示した。しかし。事前に登録する内容は、これに限らない。例えば、お箸の要否、お弁当の加熱の要否、クーポン券の使用、商品券の使用、クレジットカードの使用、デビットカードの使用などの内容について登録してもよい。
なお、上記実施形態では、自動釣銭部230は、紙幣に対応していると説明している。しかし、自動釣銭部230は、硬貨にも対応した自動釣銭機であってもよい。
なお、上記実施形態では、登録内容画面G4は、オペレータ用表示部212に表示されると説明している。しかし、登録内容画面G4は、客用表示部214に表示されてもよい。これにより、顧客自身も自身が行った設定を確認することが可能であることから、トラブルを防止することが可能である。
なお、上記実施形態では、携帯端末3に予め記憶されているクーポンを、事前登録装置100を介してPOS端末200に送付することでクーポンを使用すると説明している。しかし、クーポンは、紙媒体などであってもよい。この場合には、携帯端末3で紙媒体のクーポンを所持していることを予め登録すればよい。図11に示すように、要求情報に記憶された情報は、オペレータに通知される。よって、オペレータは、紙媒体のクーポンを適用した商品登録処理を行うことが可能となる。
なお、上記実施形態では、起動ボタンB11を押下した場合に、事前登録プログラムP1を起動してサービス選択画面G2を表示させると説明している。しかし、事前登録プログラムP1は、起動ボタンB11を押下せずに起動させてもよい。この場合には、事前登録装置100から通知を受けた場合に、事前登録プログラムP1を起動させればよい。
なお、上記実施形態では、事前登録装置100の情報伝達部130からのプッシュ通知を送信すると説明している。しかし、プッシュ通知は、事前登録装置100以外から送信してもよい。例えば、漏洩同軸ケーブル(LCX(Leaky Coaxial Cable))などの、アンテナ機能を有するケーブルから送信してもよい。LCXは、通信エリアをケーブル周辺に限定することが可能なため、より適切な箇所にプッシュ通知を送信することが可能となる。
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らず、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよく、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。