JP6107078B2 - インプリントモールドの製造方法、および、パターン形成方法と半導体装置の製造方法 - Google Patents

インプリントモールドの製造方法、および、パターン形成方法と半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、インプリント方法、特にナノインプリント方法にて高精度のパターン形成が可能なインプリントモールドと、そのようなインプリントモールドを製造する方法、および、パターン形成方法、半導体装置の製造方法に関する。
近年、フォトリソグラフィー技術に替わる微細なパターン形成技術として、インプリント方法を用いたインプリントリソグラフィーによるパターン形成技術が注目されている。インプリント方法は、微細な凹凸構造を備えた型部材(モールド)を用い、凹凸構造を被成型物に転写することで微細構造を等倍転写するパターン形成技術である。例えば、光硬化性樹脂を用いたインプリント方法では、基板の表面に光硬化性樹脂の液滴を供給し、所望の凹凸構造を有するモールドと基板とを所定の距離まで近接させて凹凸構造内に光硬化性樹脂を充填し、この状態でモールド側から光を照射して光硬化性樹脂を硬化させ、その後、モールドを樹脂層から引き離すことにより、モールドが備える凹凸が反転した凹凸構造を有するパターン(凹凸パターン)を基板上に形成する。そして、このパターンをマスクとして基板をエッチングすることにより、基板にパターン構造体を形成することができる。
このようなインプリント方法に使用する高精度のモールドは、例えば、電子線リソグラフィーにより製造することができる。モールドは繰り返し使用されるが、形成されるパターン構造体に欠陥が生じるようになったり、モールドの凹凸構造が損傷した場合、新たなモールドに交換することになる。しかし、上記のような電子線リソグラフィーにより製造されるモールドは製造コストが高く、したがって、インプリントプロセスを経て製造される製品のコストアップにつながる。このため、電子線リソグラフィーで作製したモールドをマスターとして、インプリントリソグラフィーでレプリカモールドが作製され、あるいは、このレプリカモールドを用いて更にインプリントリソグラフィーでレプリカモールドが作製され、このようなレプリカモールドがインプリント用として使用されている。
また、インプリント方法では、所望のパターン構造体を形成するために、モールドに設ける凹凸構造の補正、光硬化性樹脂の塗布レシピの補正を行う場合がある。すなわち、形成しようとするパターン構造体に基づいて設定された設計パターンに従ってモールドを作製し、このモールドを用いてインプリント方法で形成したパターン構造体と設計パターンとを比較する。そして、許容を超える欠陥が生じている場合、欠陥情報をフィードバックして設計パターンを補正しモールドを作製し直す、あるいは、モールドを補正することが行われ、また、モールドの凹凸構造内への光硬化性樹脂の未充填欠陥情報をフィードバックして光硬化性樹脂の液滴の供給を補正することが行われている(特許文献1)。
特開2011−124389号公報
例えば、50nm以下のパターンを有するナノインプリント用のマスターモールドを電子線リソグラフィーにより作製する場合、電子線照射後のレジスト層の現像によって徐々に形成される微細な凹凸構造による毛管力により、現像液の流れが乱れ、未現像部位が発生し、その後、エッチング工程を経て作製されるマスターモールドに欠陥が生じることがある。また、50nm以下のパターンが形成するようなナノインプリント方法では、モールドと基板とを所定の距離まで近接させた状態で、モールドの凹凸構造により光硬化性樹脂に作用する毛管力の影響で、光硬化性樹脂の濡れ広がりに方向性とバラツキが現れ、光硬化性樹脂の不足による未充填欠陥や残膜の厚みムラ等が生じ、基板のエッチング精度が低下して高精度のパターン形成が難しくなることがある。しかしながら、上記の特許文献1では、現像液や光硬化性樹脂に作用する毛管力が考慮されておらず、現像液の流れの乱れ、光硬化性樹脂の濡れ広がり挙動(方向性とバラツキ)の影響による欠陥が多発するという問題があった。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、現像液や光硬化性樹脂に作用する毛管力を考慮したインプリントモールドの製造方法と、ナノインプリント方法にて高精度のパターン形成が可能なインプリントモールドと、パターン形成方法、半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明のインプリントモールドの製造方法は、基材上に化学線感応型のレジストを塗布してレジスト層を形成する工程と、仮設計パターンデータに基づいて前記レジスト層の所望部位に化学線を照射する工程と、現像液を用いて前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンを用いて前記基材をエッチングして、複数の領域に形成された凹凸構造のパターンを有する仮マスターモールドを作製する工程と、前記仮マスターモールドのパターンの欠陥発生位置を検出する工程と、検出した欠陥発生位置の統計をとり、欠陥発生位置の統計結果から、隣接する領域における欠陥の発生頻度(個/cm 2 )の差が特定の数値を超える場合、隣接する当該領域の境界部位のパターンを調べ、前記レジスト層の現像において該境界部位に沿った方向の現像液の流れを生じるようなパターンである場合、前記現像液の流れに影響を及ぼし欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターン特定する工程と、前記仮設計パターンデータにおける前記欠陥誘引パターン部位を、隣接する当該領域の照射部位の端部が前記境界部位に沿った方向にジグザグに位置するように補正してなる補正設計パターンデータを生成する工程と、前記補正設計パターンデータに基づいてマスターモールドを作製する工程と、を有するような構成とした。
また、本発明のインプリントモールドの製造方法は、仮設計パターンデータに基づいて、複数のラインと複数のスペースが平行に配列されたラインアンドスペース構造である凹凸構造を少なくとも有するパターン領域を2以上備える仮マスターモールドを準備する工程と、基材上の所定位置にレジストの液滴を供給し、前記仮マスターモールドを用いてインプリントにより前記基材上にレジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンを用いて前記基材をエッチングし、凹凸構造のパターンを有する仮レプリカモールドを作製する工程と、前記仮レプリカモールドのパターンの欠陥発生位置を検出する工程と、検出した欠陥発生位置の統計をとり、欠陥発生位置の統計結果と、前記レジストの液滴の供給位置とから、隣接するパターン領域の境界部位近傍のパターンを調べ、ライン軸方向と直交する方向の液滴の流れを生じ得るパターンである場合、液滴の濡れ広がりに影響を及ぼし欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターン特定する工程と、前記仮設計パターンデータにおける前記欠陥誘引パターン部位を、ラインの端部が、隣接するパターン領域の境界に沿った方向にジグザグに位置するように補正してなる補正設計パターンデータを生成する工程と、前記補正設計パターンデータに基づいてマスターモールドを作製する工程と、を有するような構成とした。
また、本発明のインプリントモールドの製造方法は、マスターモールド用の基材上に化学線感応型のレジストを塗布してレジスト層を形成する工程と、仮設計パターンデータに基づいて前記レジスト層の所望部位に化学線を照射する工程と、現像液を用いて前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンを用いて前記基材をエッチングして、複数の領域に形成された凹凸構造のパターンを有する仮マスターモールドを作製する工程と、前記仮マスターモールドのパターンの欠陥発生位置を検出する工程と、検出した欠陥発生位置の統計をとり、欠陥発生位置の統計結果から、隣接する領域における欠陥の発生頻度(個/cm 2 )の差が特定の数値を超える場合、隣接する当該領域の境界部位のパターンを調べ、前記レジスト層の現像において該境界部位に沿った方向の現像液の流れを生じるようなパターンである場合、前記現像液の流れに影響を及ぼし欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターン特定する工程と、前記仮設計パターンデータにおける前記欠陥誘引パターン部位を、隣接する当該領域の照射部位の端部が前記境界部位に沿った方向にジグザグに位置するように補正してなる補正設計パターンデータを生成する工程と、前記補正設計パターンデータに基づいて、複数のラインと複数のスペースが平行に配列されたラインアンドスペース構造である凹凸構造を少なくとも有するパターン領域を2以上備える補正マスターモールドを作製する工程と、レプリカモールド用の基材上の所定位置にレジストの液滴を供給し、前記補正マスターモールドを用いてインプリントにより前記基材上にレジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンを用いて前記基材をエッチングし、凹凸構造のパターンを有する仮レプリカモールドを作製する工程と、前記仮レプリカモールドのパターンの欠陥発生位置を検出する工程と、検出した欠陥発生位置の統計をとり、欠陥発生位置の統計結果と、前記レジストの液滴の供給位置とから、隣接するパターン領域の境界部位近傍のパターンを調べ、ライン軸方向と直交する方向の液滴の流れを生じ得るパターンである場合、液滴の濡れ広がりに影響を及ぼし欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターン特定する工程と、前記補正設計パターンデータにおける前記欠陥誘引パターン部位を、ラインの端部が、隣接するパターン領域の境界に沿った方向にジグザグに位置するように補正してなる再補正設計パターンデータを生成する工程と、前記再補正設計パターンデータに基づいてマスターモールドを作製する工程と、を有するような構成とした。
本発明のインプリントモールドの製造方法の他の態様として、前記基材としてハードマスク材料層を備える基材を使用し、該ハードマスク材料層上に前記レジストパターンを形成し、レジストパターンを介してハードマスク材料層をエッチングしてハードマスクを作製し、該ハードマスクを介して前記基材をエッチングして前記凹凸構造のパターンを作製するような構成とした。
本発明のパターン形成方法は、上述のいずれかのインプリントモールドの製造方法により作製したマスターモールドを用いてインプリントリソグラフィーにより凹凸構造を有するレプリカモールドを作製する工程と、被転写材料の液滴が供給された転写基材と前記レプリカモールドを近接させて、前記レプリカモールドと前記転写基材との間に前記液滴を展開して被転写材料層を形成し、該被転写材料層を硬化させて前記凹凸構造を転写し、その後、硬化させた前記被転写材料層と前記レプリカモールドを引き離す工程と、を有するような構成とした。
本発明の半導体装置の製造方法は、仮設計パターンデータに基づいて、複数のラインと複数のスペースが平行に配列されたラインアンドスペース構造である凹凸構造を少なくとも有するパターン領域を2以上備える半導体装置製造用仮モールドを準備する工程と、半導体装置製造用基材上の所定位置にレジストの液滴を供給し、前記半導体装置製造用仮モールドを用いてインプリントにより前記半導体装置製造用基材上にレジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンを用いて前記半導体装置製造用基材にエッチングを施し、凹凸構造のパターンを有する仮デバイスを作製する工程と、前記仮デバイスのパターンの欠陥発生位置を検出する工程と、検出した欠陥発生位置の統計をとり、欠陥発生位置の統計結果と、前記レジストの液滴の供給位置とから、隣接するパターン領域の境界部位近傍の前記ラインアンドスペース構造である凹凸構造のパターンを調べ、ライン軸方向と直交する方向の液滴の流れを生じ得るパターンである場合、液滴の濡れ広がりに影響を及ぼし欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターン特定する工程と、前記仮設計パターンデータにおける前記欠陥誘引パターン部位を、ラインの端部が、隣接するパターン領域の境界に沿った方向にジグザグに位置するように補正してなる補正設計パターンデータを生成する工程と、前記補正設計パターンデータに基づいて半導体装置製造用モールドを作製する工程と、を有するような構成とした。
本発明のインプリントモールドの製造方法では、現像液や光硬化性樹脂に作用する毛管力を考慮し、低欠陥のインプリントモールドの製造が可能であり、本発明のインプリントモールドは、形成するパターンにおける欠陥の発生頻度が低く、本発明のパターン形成方法は高精度のパターン形成が可能である。
図1は、本発明のモールドの製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。 図2は、モールドに凹凸構造を形成する領域を説明するための平面図である。 図3は、本発明のモールドの製造方法における仮設計パターンデータによる化学線照射部位を説明するための図である。 図4は、本発明のモールドの製造方法において欠陥発生部位の統計結果の例を説明するための図である。 図5は、本発明のモールドの製造方法における補正設計パターンデータによる化学線照射部位を説明するための図である。 図6は、本発明のモールドの製造方法における補正設計パターンデータによる化学線照射部位を説明するための図である。 図7は、本発明のモールドの製造方法における補正設計パターンデータによる化学線照射部位の他の例を説明するための図である。 図8は、本発明のモールドの製造方法に使用する仮マスターモールドにおける凹凸構造を有する領域を説明するための平面図である。 図9は、仮設計パターンデータに基づいて作製された仮マスターモールドの凹凸構造の例を説明するための図である。 図10は、仮マスターモールドを用いて仮レプリカモールドを作製する例を説明するための工程図である。 図11は、本発明のモールドの製造方法において欠陥発生部位の統計結果の例を説明するための図である。 図12は、本発明のモールドの製造方法における補正設計パターンデータを説明するための図9相当の図である。 図13は、本発明のインプリント用のモールドの一実施形態を説明するための平面図である。 図14は、図13に示されるインプリント用のモールドのI−I線における縦断面図である。 図15は、本発明のモールドの凹凸構造領域が有するパターン領域の一例を示す平面図である。 図16は、本発明のモールドの凹凸構造領域が有するパターン領域の他の例を示す平面図である。 図17は、本発明のモールドの凹凸構造領域が有するパターン領域の他の例を示す平面図である。 図18は、図16において鎖線で囲まれた部位の拡大平面図である。 図19は、本発明のモールドのパターン領域の境界部位におけるジグザグの程度を説明するための図である。 図20は、本発明のモールドのパターン領域の境界部位におけるジグザグ配置を説明するための図である。 図21は、本発明のモールドの他の実施形態を説明するための図である。 図22は、本発明のモールドの他の実施形態を説明するための図である。 図23は、本発明のモールドの他の実施形態を説明するための図である。 図24は、本発明のモールドの他の実施形態を説明するための図である。 図25は、本発明のパターン形成方法の一実施形態を説明するための工程図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
尚、図面は模式的または概念的なものであり、各部材の寸法、部材間の大きさの比等は、必ずしも現実のものと同一とは限らず、また、同じ部材等を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比が異なって表される場合もある。
[モールドの製造方法]
<第1の実施形態>
図1は、本発明のモールドの製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。
本発明のモールドの製造方法では、まず、モールド用の基材2の一主面2aに、化学線感応型のレジストを塗布してレジスト層3を形成する(図1(A))。
このようなモールド用の基材2の一主面2aには、凹凸構造を形成する領域20が設定されている。図2は、凹凸構造を形成する領域20の一例を示す平面図であり、図2(A)に示されるように、一点鎖線で囲まれる領域が凹凸構造を形成する領域20である。この凹凸構造を形成する領域20は、更に複数の領域21と、各領域21を囲むように設定された領域25とに区分されている。図2(B)は、図2(A)において鎖線で囲まれた部位の拡大図であり、領域21は方形状であり、各領域21の周囲に位置する領域25は、実線で図示される境界部位で更に細分化されている。
モールド用の基材2は、モールドとして使用する際に、被転写材料である樹脂組成物等が光硬化性である場合には、これらを硬化させるための照射光が透過可能な材料を用いることができ、例えば、石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等のガラス類の他、サファイアや窒化ガリウム、更にはポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル、ポリプロピレン等の樹脂、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。また、使用する被転写材料が光硬化性ではない場合や、転写基材側から被転写材料を硬化させるための光を照射可能である場合には、モールドは光透過性の材料でなくてもよく、上記の材料以外に、例えば、シリコンやニッケル、チタン、アルミニウム等の金属およびこれらの合金、酸化物、窒化物、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。
また、基材2は、レジスト層3が形成される主面2aにハードマスク材料層を備えるものであってもよい。ハードマスク材料層としては、例えば、クロム、タンタル、アルミニウム、モリブデン、チタン、ジルコニウム、タングステン等の金属、これらの金属の合金、酸化クロム、酸化チタン等の金属酸化物、窒化クロム、窒化チタン等の金属窒化物、ガリウム砒素等の金属間化合物等の1種、あるいは、2種以上の組み合わせからなるものであってよく、基材2とのエッチング選択比等を考慮して材料を選択することができる。
モールド用の基材2の厚みは、主面2aに形成する凹凸構造の形状、基材の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、300μm〜10mm程度の範囲で適宜設定することができる。また、基材2は、凹凸構造を形成する主面2aが、その周囲の領域に対して1段、あるいは、2段以上の凸構造となっている、いわゆるメサ構造であってもよい。
化学線感応型のレジストとしては、電子線、X線、紫外線等の所望の化学線に感応可能なネガ型、ポジ型の公知のレジストを使用することができる。形成するレジスト層3の厚みは、使用するレジストの物理的強度、後工程の基材2のエッチングにおけるレジストパターンと基材2(あるいはハードマスク材料層)とのエッチング選択比等を考慮して適宜設定することができる。尚、本実施形態の説明では、ポジ型の化学線感応型のレジストを使用した場合を例としている。
本発明のモールドの製造方法では、次に、仮設計パターンデータに基づいてレジスト層3の所望部位に化学線を照射する(図1(B))。これにより、レジスト層3に照射部位4と未照射部位5が存在することになる。化学線は、レジスト層3の感応性に応じて、例えば、電子線、X線、紫外線等を使用することができる。図3は、図2(B)において鎖線で囲まれた部位におけるレジスト層3の照射部位4と未照射部位5を説明するための図である。図3において、領域21には、照射部位41(網点を付した部位)が未照射部位51を介して平行に配列されてラインアンドスペースの状態が形成されている。照射部位41は、その軸方向(図示のY方向)の端部において、一つおきに、隣接する照射部位41間が照射部位41aで接続されており、これにより蛇行状態で連続したものとされている。一方、領域25には、照射部位45(網点を付した部位)が未照射部位55を介して平行に配列されてラインアンドスペースの状態が形成されている。領域21と領域25との境界部位(図3において一点鎖線で示す)は、図示のX方向に沿っており、領域21における照射部位41の軸方向と領域25における照射部位45の軸方向は、共に図示のY方向で一致している。領域21における照射部位41の各端部41tは、図示のX方向に沿って直線をなすように配列されており、領域25における照射部位45の端部45tも、図示のX方向に沿って直線をなすように配列されている。また、領域21における照射部位41の軸(ライン軸)と領域25における照射部位45の軸(ライン軸)とが一致しており、領域21における照射部位41の端部41tと、領域25における照射部位45の端部45tは、所望の幅の境界部位を介して対向している。さらに、蛇行状態の照射部位41の両終端部に連続するように引き出し線用の広幅の照射部位43,43が、照射部位41および照射部位45と平行に、領域21から領域25に向けて位置している。
本発明のモールドの製造方法では、次に、現像液を用いてレジスト層3を現像してレジストパターン6を形成する(図1(C))。現像液は、レジスト層3に使用する化学線感応型のレジストに応じて選定することができ、例えば、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)、市販の現像液(例えば、日本ゼオン(株)製 ZED−N50)等を使用することができる。形成されたレジストパターン6は、開口7を有しており、このレジストパターン6を介して基材2をエッチングして、凹凸構造10を有する仮マスターモールド1を作製する(図1(D))。このように作製された仮マスターモールド1では、上記の領域21、領域25に対応する部位に、ラインアンドスペースの凹凸構造が、ライン軸方向を同一として形成されている。
尚、上述のように、基材2がハードマスク材料層を備えている場合、上記のように形成したレジストパターン6を介してハードマスク材料層をエッチングしてハードマスクを形成し、その後、このハードマスクを介して基材2をエッチングして仮マスターモールド1を作製することができる。
次いで、本発明のモールドの製造方法では、仮マスターモールド1の凹凸構造10からなるパターンの欠陥発生位置を検出する。この欠陥検出は、例えば、SEM(走査型電子顕微鏡)、半導体電子ビーム式検査装置(HMI社製 eXplre-3100TM)等を用いて行うことができる。このような欠陥検出手段の中で、SEMを用いた欠陥検出では、同じレイアウトのパターンをマスターモールドに複数配置させ、一度に統計的なデータがとれるような工夫をすることが好ましい。
次に、上記のように検出した欠陥発生位置の統計をとり、この統計結果から、現像液の流れに影響を及ぼし欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターンを特定する。欠陥発生位置の統計では、例えば、図2(A)に示される凹凸構造を形成する領域20に設定されている複数の領域21、および、これを囲む領域25における欠陥の発生位置および発生頻度を調べる。図4は、欠陥発生位置の統計結果の例を説明するための図であり、上述の図2(B)に示される領域21および領域25を例としている。図4に示される例では、欠陥発生位置の統計結果から、欠陥の発生頻度の高い欠陥部位10d(図4において鎖線で囲まれている部位)が特定されている。この欠陥部位10dは、領域21および領域25において、その境界部位の近傍に位置している。例えば、領域21における欠陥の発生頻度(個/cm2)と領域25における欠陥の発生頻度(個/cm2)との差が10を超える場合、領域21と領域25との境界部位を調査し、欠陥部位10dを特定することができる。尚、領域21と領域25との境界部位を調査するか否かの判断基準となる欠陥の発生頻度(個/cm2)の差は、上記の「10」に限定されるものではなく、インプリントモールドを用いて作製するデバイス等における許容範囲に応じて適宜設定することができる。
ポジ型の化学線感応型のレジストを使用したレジスト層3の現像では、照射部位4(図3における照射部位41,43,45)が徐々に除去されて微細な凹部が形成され、この凹部は現像が進行するにしたがって深くなる。このような凹部において現像液に対して毛管力が作用すると、凹部の軸方向(図3におけるY方向)の現像液の流れが形成され、凹部内に残存している照射部位4の除去が促進される。しかし、領域21と領域25との境界部位に、この境界部位に沿った方向(図3におけるX方向)の現像液の流れが存在すると、凹部の軸方向への現像液の流れに乱れが生じ、照射部位4の一部が除去されずに残存するという現像不良が発生する。また、引き出し線用の照射部位43の幅が広い場合、現像により照射部位43に形成される凹部から現像液に作用する毛管力が、照射部位41,45に形成される凹部から現像液に作用する毛管力と異なり、照射部位4の一部が除去されずに残存するという現像不良が発生する。このような現像不良が生じた部位は、レジストパターン6の開口7における、凹部の軸方向への現像液の流れに乱れが生じ欠陥箇所となり、このようなレジストパターン6を介して基材2をエッチングして形成した凹凸構造10においても、同様に欠陥を生じる可能性が高い。図4に示される欠陥部位10dは、このような現像液の流れの乱れによるものと考えられる。このため、領域21と領域25との境界部位に沿った方向(図3におけるX方向)の現像液の流れを生じるようなパターンが、欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターンと特定される。
次いで、本発明のモールドの製造方法では、仮設計パターンデータにおける欠陥誘引パターン部位を補正してなる補正設計パターンデータを生成する。図3および図4に示した例では、領域21と領域25との境界部位に沿った方向(図3におけるX方向)の現像液の流れを阻害するように、化学線照射部位を補正した補正設計パターンデータを生成する。図5は、このような補正設計パターンデータに基づくレジスト層3への化学線照射を示す図3相当の図である。図5において、領域21には、照射部位41′(網点を付した部位)が未照射部位51′を介して平行に配列されてラインアンドスペースの状態が形成されている。また、領域25には、照射部位45′が未照射部位55′を介して平行に配列されてラインアンドスペースの状態が形成されている。
補正設計パターンデータに基づいて形成された図5に示される照射部位41′、43′、45′、未照射部位51′、53′、55′と、仮設計パターンデータに基づいて形成された図3に示される照射部位41、43、45、未照射部位51、55との対比から明らかなように、補正設計パターンデータは、領域21の照射部位41′の軸方向の端部の位置と領域25の照射部位45′の端部の位置と、引き出し線用の照射部位43′が補正されている。すなわち、領域21における照射部位41′の端部41′tの位置が、照射部位の軸方向(ライン軸方向)において補正されて、領域21と領域25との境界(図5において一点鎖線で示す)に沿った方向にジグザグに位置している。また、領域25における照射部位45′の端部45′tの位置は、照射部位の軸方向(ライン軸方向)において補正されて、領域21と領域25の境界に沿った方向にジグザグに位置するように補正されている。したがって、領域21における照射部位41′の軸(ライン軸)と、照射部位45′の軸(ライン軸)とが一致し、照射部位41′の端部41′tと照射部位45′の端部45′tとが所望の間隔を介して対向する箇所が、領域21と領域25の境界に沿った方向にジグザグに位置している。さらに、領域21、領域25に引き出し線用として存在していた広幅の照射部位43は、軸(ライン軸)が領域21に位置する照射部位41′と一致し、この照射部位41′に接続する複数の照射部位43′と未照射部位53′からなるラインアンドスペース構造とされ、隣接する照射部位43′が照射部位43′aで接続された構造に補正されている。
これにより、現像が進行するにしたがって照射部位41′、43′、41′が徐々に深くなり凹部が形成され、この凹部における毛管力が現像液に作用して生じる現像液の流れに乱れを生じさせるような流れ、すなわち、領域21と領域25との境界部位に沿った方向(図5におけるX方向)の現像液の流れが阻害される。尚、端部41′tと端部45′tとが対向する間隙部の長さは均一であってもよく、また、異なるものであってもよく、領域21と領域25との境界部位に沿った方向の現像液の流れ発生を阻害できる範囲内で設定することができ、例えば、1〜400nmの範囲で適宜設定することができる。
上記のように仮設計パターンデータを補正して生成した補正設計パターンデータに基づいてマスターモールドを製造することにより、低欠陥のインプリントモールドの製造が可能となる。
尚、上記の補正設計パターンデータにおける照射部位41′の端部41′tのジグザグ、および、照射部位45′の端部45′tのジグザグの程度は、領域21と領域25との境界部位に沿った方向(図5におけるX方向)の現像液の流れを阻害し得る範囲で適宜設定することができる。例えば、図6(A)に示すように、領域21の照射部位41′の軸方向(ライン軸方向、図示のY方向)における端部41′tの位置(鎖線L1で示す位置)と、当該照射部位41′のライン軸と隣接するライン軸上の領域25における照射部位45′の軸方向(ライン軸方向、図示のY方向)での端部45′tの位置(鎖線L2で示す位置)が、ライン軸の直角方向(図示のX方向)からみて一致するように設定することができる。また、照射部位41′の端部41′tのジグザグ、および、照射部位45′の端部45′tのジグザグの程度を更に強くして、図6(B)に示されるように、照射部位41′の軸方向における端部41′tの位置(L1)と、照射部位45′の軸方向における端部45′tの位置(L2)とが、行き違いとなるまで相手方のパターン領域方向に延びているものであってもよい。端部41′tと端部41′tとが行き違いとなる距離Dは、例えば、0〜400nmの範囲で設定することができる。尚、図6では、領域21と領域25の境界部位を一点鎖線で示している。
また、補正設計パターンデータでは、例えば、図7(A)に示されるように、複数(図示例では2個)の照射部位41′および照射部位45′を繰り返し単位として、端部41′tと端部45′tの位置がジグザグとなるように設定してもよい。図5において、領域21と、図中の下側に位置する領域25との境界における端部41′tと端部45′tの位置は、このようなジグザグを構成している。尚、図5に示される例では、領域21の図中の下側と上側とで、ジグザグを構成する端部41′tと端部45′tの形態が異なっているが、同一の形態であってもよいことは勿論である。
また、図7(B)に示されるように、領域21から領域25方向へ突出する照射部位41′の端部41′tの数と、領域25から領域21方向へ突出する照射部位45′の端部45′tの数とが、異なるようなジグザグを設定してもよい。
尚、図7では、領域21と領域25の境界部位を一点鎖線で示している。
また、領域21と領域25の境界部位に位置するパターン、領域25同士の境界部位に位置するパターン、広幅のパターンであっても、欠陥発生位置の統計結果から、欠陥誘引パターンとされない場合、その部位については、上記のようなパターン補正による補正設計パターンデータの生成は行わなくてもよい。
上記の実施形態における凹凸構造を形成する領域20、および、領域21、領域25は例示であり、これらに限定されるものではない。
<第2の実施形態>
本発明のモールドの製造方法では、まず、仮設計パターンデータに基づいて所望の凹凸構造を有する仮マスターモールドを準備する。図8は、仮マスターモールドの一例を示す平面図である。図8において、仮マスターモールド101は、凹凸構造を有する領域120(図において一点鎖線で囲まれる領域)を基材102の一主面102aに備えている。この領域120は、複数の主パターン領域121と、各主パターン領域121を囲むように設定された副パターン領域125とに区分されている。図8(B)は、図8(A)において鎖線で囲まれた部位の拡大図であり、主パターン領域121は方形状であり、各主パターン領域121の周囲に位置する副パターン領域125は、実線で図示される境界部位で更に細分化されている。このような凹凸構造を有する領域120、および、主パターン領域21、副パターン領域25は例示であり、これらに限定されるものではない。
仮マスターモールドの基材102は、上述のモールド用の基材2と同様の材料とすることができる。また、後工程におけるレジストパターンとの引き剥がしを容易とするために、基材102は、主面102aに離型剤層を備えていてもよい。尚、基材102は、凹凸構造を形成する主面102aが、その周囲の領域に対して1段、あるいは、2段以上の凸構造となっている、いわゆるメサ構造であってもよい。
図9は、仮設計パターンデータに基づいて作製された仮マスターモールドの凹凸構造の例を説明するための図であり、図8(B)において鎖線で囲まれた部位の拡大図である。図9において、主パターン領域121と副パターン領域125との境界部位(図9において一点鎖線で示す)が図示の矢印X方向に沿って位置しており、主パターン領域121と副パターン領域125には、それぞれ凹凸構造130が設けられている。主パターン領域121に位置する凹凸構造130は、凹部131(網点を付した部位)が凸部132を介して平行に配列されたラインアンドスペース構造である。そして、主パターン領域121の両端には1組の共通凹部133(網点を付した部位)が位置し、いわゆる櫛型を構成するように、ラインアンドスペースを構成する凹部131は一つおきに同じ共通凸部133に接続されている。上記の凹部131の軸方向(ライン軸方向)は、図示の矢印Y方向に沿っており、また、共通凹部133は、主パターン領域121と副パターン領域125との境界部位の方向(X方向)に沿っている。
一方、副パターン領域125に位置する凹凸構造130は、凹部135(網点を付した部位)が凸部136を介して平行に配列されたラインアンドスペース構造であり、凹部135の軸方向(ライン軸方向)は、図示の矢印Y方向に沿っており、主パターン領域121の凹部131の軸方向(ライン軸方向)と一致している。また、領域121における凹部131の軸(ライン軸)と領域125における凹部135の軸(ライン軸)とが一致している。そして、副パターン領域125に位置する凹部135の端部135tは、図示のX方向に沿って直線をなすように配列されており、この端部135tは、主パターン領域の共通凹部133から所望の幅の境界部位を介した部位に位置している。さらに、櫛型を構成する各共通凹部133に連続するように、それぞれ引き出し線用の広幅の凹部138が、凹部131、凹部135と平行に、主パターン領域121から副パターン領域125に向けて位置している。
次に、本発明のモールドの製造方法では、仮マスターモールドを用いて仮レプリカモールドを作製する。図10は、このような仮マスターモールドを用いた仮レプリカモールドの作製例を説明するための工程図である。
まず、仮レプリカモールド用の基材202の一主面202a上の所定位置にレジストの液滴211を供給する(図10(A))。仮レプリカモールド用の基材202は、上述のモールド用の基材2と同様の材料とすることができる。したがって、基材202は、ハードマスク材料層を備えるものであってもよく、また、基材202は、メサ構造であってもよい。このような基材202へのレジストの液滴211の供給は、所望のドロップマップに基づいてインクジェットにより行うことができる。
次に、仮マスターモールド101と基材202を近接させて液滴211を展開してレジスト層212を形成し(図10(B))、この状態でレジスト層212を硬化し、その後、硬化したレジスト層212と仮マスターモールド101とを引き離して、基材202の一主面202a上にレジストパターン215を形成する(図10(C))。
次いで、レジストパターン215を介して基材202をエッチングして、仮レプリカモールド201を作製する(図10(D))。このように作製された仮レプリカモールド201では、使用した仮マスターモールド101の主パターン領域121、副パターン領域125に対応する主パターン領域221、副パターン領域225(図示せず)に、仮マスターモールド101の凹凸構造130の凹凸が反転したラインアンドスペースの凹凸構造230が形成されている。
尚、上述のように、基材202がハードマスク材料層を備えている場合、上記のように形成したレジストパターン215を介しハードマスク材料層をエッチングしてハードマスクを形成し、その後、このハードマスクを介して基材202をエッチングして仮レプリカモールド201を作製することができる。
次いで、本発明のモールドの製造方法では、仮レプリカモールド201のパターンの欠陥発生位置を検出する。この欠陥検出は、上述の第1の実施形態における欠陥検出と同様に行うことができる。
次に、上記のように検出した欠陥発生位置の統計をとり、この統計結果と仮レプリカモールド作製時の基材202へのレジストの液滴211の供給位置とから、液滴211の濡れ広がりに影響を及ぼし欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターンを特定する。欠陥発生位置の統計では、例えば、仮レプリカモールド201の凹凸構造230が形成されている領域における欠陥の発生位置、発生頻度を調べる。図11は、使用した仮マスターモールド101の主パターン領域121、副パターン領域125に対応する、仮レプリカモールド201の主パターン領域221、副パターン領域225における欠陥の発生頻度の高い部位と、液滴211の供給位置P(図11において鎖線で示される部位)を示す図である。
図11に示される例では、仮レプリカモールド201の欠陥発生位置の統計結果から、欠陥部位230d(図11において一点鎖線で囲まれている部位)が特定されている。この欠陥部位230dは、主パターン領域221および副パターン領域225において、その境界部位の近傍に位置している。
ここで、仮マスターモールド101と基材202を近接させたときの液滴211には、仮マスターモールド101の凹凸構造130の毛管力が作用する。この毛管力は、仮マスターモールド101と基材202との間隙の大きさ、仮マスターモールド101の凹部131,135,138の深さ、幅等により決まり、このような毛管力が作用することにより、液滴211の濡れ広がりは、ライン軸方向(図9に示されるY方向)が移動容易となる。そして、基材202への液滴211の供給位置Pを検討すると、仮マスターモールド101のライン軸方向(図9に示されるY方向)の移動容易性を有効に活用できるような設定、すなわち、ライン軸方向での供給位置Pのピッチは、ライン軸方向と直交する方向(図9に示されるX方向)での供給位置Pのピッチよりも大きく設定されている。
このような液滴211の濡れ広がりと、上記の欠陥部位230dの位置から、欠陥部位230dの発生原因となる欠陥誘引パターンは、液滴211への毛管力の作用を阻害し、ライン軸方向での液滴211の濡れ広がりに影響を与え、乱れを生じさせるパターンと考えられる。このような観点で仮マスターモールド101に注目すると、主パターン領域121には、副パターン領域125との境界部位近傍に、共通凹部133が境界部位に沿って図示のX方向に存在し、また、副パターン領域125に位置する凹部135の端部135tは、主パターン領域の共通凹部133から所望の幅の境界部位を介した部位に位置している。このような仮マスターモールド101の部位は、ライン軸方向と直交する方向(図9に示されるX方向)の液滴211の流れを生じ得るものである。さらに、副パターン領域125には、引き出し線用の広幅の凹部138が存在し、この凹部138における液滴211への毛管力の作用は、凹凸構造130の他の部位における液滴211への毛管力の作用と相違し、液滴211の濡れ広がりに影響を与えることになる。したがって、このような仮マスターモールド101の部位が、液滴211の濡れ広がりに影響を及ぼし欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターンとされる。
次いで、本発明のモールドの製造方法では、仮設計パターンデータにおける欠陥誘引パターン部位を補正してなる補正設計パターンデータを生成する。そして、この補正設計パターンデータに基づいてマスターモールドを作製する。図12は、図9に示される仮マスターモールド101の仮設計パターンデータを補正してなる補正設計パターンデータに基づいて作製するマスターモールドの凹凸構造の例を説明するための図9相当の図である。
図12において、主パターン領域121に位置する凹凸構造130′は、凹部131′(網点を付した部位)が凸部132′を介して平行に配列されたラインアンドスペース構造である。そして、図9において、いわゆる櫛型を構成するように、凹部131が一つおきに接続されている1組の共通凹部133は、軸(ライン軸)が凹部131′と一致する複数の凹部133′と、隣接する凹部133′の所望部位を接続する凹部133′aからなる形状に補正されている。そして、複数の凹部133′のうち、凹部131′が一つおきに接続されている凹部133′の端部133′tは、凹部131′が接続されていない凹部133′の端部133′tよりも、副パターン領域125方向に突出している。したがって、凹部133′の端部133′tは、主パターン領域121と副パターン領域125との境界(図12において一点鎖線で示す)に沿った方向にジグザグに位置している。
また、図12において、副パターン領域125に位置する凹凸構造130′は、凹部135′(網点を付した部位)が凸部136′を介して平行に配列されたラインアンドスペース構造である。そして、凹部135′の端部135′tの位置が、軸方向(ライン軸方向)において補正され、主パターン領域121と副パターン領域125との境界に沿った方向に端部135′tがジグザグに位置している。また、図9において、引き出し線用として存在していた広幅の凹部138は、軸(ライン軸)が主パターン領域121に位置する凹部131′と一致するとともに、所望の凹部133′に接続する複数の凹部138′と、凸部139からなるラインアンドスペース構造とされ、隣接する凹部138′の所望位置が凹部138′aで接続された構造に補正されている。したがって、主パターン領域121における凹部133′の端部133′tと、副パターン領域125における凹部135′の端部135′tとが、軸(ライン軸)を一致させ、かつ、所望の間隔を介して対向する箇所が、主パターン領域121と副パターン領域125の境界に沿った方向にジグザグに位置している。これにより、主パターン領域121と副パターン領域125との境界部位に沿った方向(図12におけるX方向)の液滴の濡れ広がりが阻害され、液滴211への毛管力の作用が安定したものとなり、ライン軸方向での液滴211の濡れ広がりへの影響が大幅に低減される。
上記のように仮設計パターンデータを補正して生成した補正設計パターンデータに基づいてマスターモールドを製造することにより、低欠陥のインプリントモールドの製造が可能となる。
尚、上記の実施形態においても、補正設計パターンデータでの主パターン領域121における凹部133′の端部133′tのジグザグ、および、副パターン領域125における凹部135′の端部135′tのジグザグの程度、形状等は、上述の第1の実施形態において図6、図7を参照して説明したように、適宜設定することができる。
また、仮マスターモールド101を使用して複数の仮レプリカモールドを作製し、当該複数の仮レプリカモールドにおける欠陥発生位置の統計をとり、この統計結果に基づいて欠陥誘引パターンを特定してもよい。
<第3の実施形態>
本発明のモールドの製造方法では、まず、モールド用の基材上に化学線感応型のレジストを塗布してレジスト層を形成し、仮設計パターンデータに基づいてレジスト層の所望部位に化学線を照射する。次いで、現像液を用いてレジスト層を現像してレジストパターンを形成し、このレジストパターンを介してモールド用の基材をエッチングして、凹凸構造のパターンを有する仮マスターモールドを作製する。このように作製した仮マスターモールドのパターンの欠陥発生位置を検出し、検出した欠陥発生位置の統計をとり、欠陥発生位置の統計結果から、現像液の流れに影響を及ぼし欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターンを特定する。そして、仮設計パターンデータにおける欠陥誘引パターン部位を補正してなる補正設計パターンデータを生成する。ここまでの工程は、上述の第1の実施形態と同様とすることができる。
次いで、上記のように生成した補正設計パターンデータに基づいて補正マスターモールドを作製する。そして、モールド用の基材上の所定位置にレジストの液滴を供給し、補正マスターモールドを用いてインプリントにより基材上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンを介してモールド用の基材をエッチングし、凹凸構造のパターンを有する仮レプリカモールドを作製する。次に、仮レプリカモールドのパターンの欠陥発生位置を検出し、検出した欠陥発生位置の統計をとり、欠陥発生位置の統計結果と、レジストの液滴の供給位置とから、液滴の濡れ広がりに影響を及ぼし欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターンを特定する。次いで、補正設計パターンデータにおける欠陥誘引パターン部位を補正してなる再補正設計パターンデータを生成する。このような補正マスターモールドを用いたインプリントから、再補正設計パターンデータの生成までの工程は、上述の第2の実施形態における仮マスターモールドを用いたインプリントから、補正設計パターンデータの生成までの工程と同様とすることができる。
その後、再補正設計パターンデータに基づいてマスターモールドを作製する。
このような本発明のモールドの製造方法は、マスターモールド作製の現像工程における現像液の流れに影響を及ぼし欠陥を生じる原因と特定して排除し、かつ、レプリカモールド作製のインプリントにおける液滴の濡れ広がりに影響を及ぼし欠陥を生じる原因を特定して排除するので、欠陥が極めて少ないインプリントモールドの製造が可能となる。
尚、補正マスターモールドを使用して複数の仮レプリカモールドを作製し、当該複数の仮レプリカモールドにおける欠陥発生位置の統計をとり、この統計結果に基づいて欠陥誘引パターンを特定してもよい。
[モールド]
<第1の実施形態>
図13は、本発明のインプリント用のモールドの一実施形態を説明するための平面図であり、図14は、図13に示されるインプリント用のモールドのI−I線における縦断面図である。図13および図14において、本発明のモールド301は、基材302を有し、この基材302の一主面302aには、凹凸構造領域303が位置している。基材302は、基部302Aと、この基部302Aに対して高くなっている凸構造部302Bからなるメサ構造であり、凹凸構造領域303は凸構造部302Bに位置している。尚、基材302は、メサ構造ではなく、平板形状等の他の形状であってもよい。
モールド301の基材302は、被転写材料が光硬化性である場合には、これらを硬化させるための照射光が透過可能な材料を用いることができ、例えば、石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等のガラス類の他、サファイアや窒化ガリウム、更にはポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル、ポリプロピレン等の樹脂、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。また、使用する被転写材料が光硬化性ではない場合や、転写基材側から被転写材料を硬化させるための光を照射可能である場合には、モールドは光透過性の材料でなくてもよく、上記の材料以外に、例えば、シリコンやニッケル、チタン、アルミニウム等の金属およびこれらの合金、酸化物、窒化物、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。
また、被転写材料とモールドとの引き剥がしを容易とするために、モールド301の基材302は、主面302aに離型剤層を備えていてもよい。しかし、離型剤層が主面302aに存在し、被転写材料と主面302aとの濡れ性が低下することにより、インプリント時に被転写材料の液滴に作用する毛管力が低下して支障を来す場合には、離型性と液滴の濡れ広がり性を考慮することが好ましい。
モールド301の基材302の厚みは、主面302aに備える凹凸構造の形状、基材の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、300μm〜10mm程度の範囲で適宜設定することができる。
本発明のモールド301が備える凹凸構造領域303は、複数のラインと複数のスペースが平行に配列されたラインアンドスペース構造である凹凸構造を有するパターン領域が2以上含まれる複数のパターン領域に分割されている。そして、ラインアンドスペース構造である凹凸構造を有するパターン領域には、ライン軸方向に沿って隣接する関係にある1組以上のパターン領域が存在する。
図15〜図17は、凹凸構造領域303が有するパターン領域の例を示す平面図である。図15に示される例では、境界部位で区画されたパターン領域PAが碁盤目状に配列され、各パターン領域PAは、図示の矢印Y方向がライン軸方向であるラインアンドスペース構造の凹凸構造を有している。したがって、全てのパターン領域PAがライン軸方向(図示の矢印Y方向)に沿って隣接する関係にある。
また、図16に示される例では、図示の矢印Y方向でパターン領域PAとパターン領域PBが交互に配列され、パターン領域PAおよびパターン領域PBは、それぞれ図示の矢印X方向に沿って境界部位で区画されて配列されている。そして、各パターン領域PAは、図示の矢印Y方向がライン軸方向であるラインアンドスペース構造の凹凸構造を有し、また、各パターン領域PBも、図示の矢印Y方向がライン軸方向であるラインアンドスペース構造の凹凸構造を有している。したがって、全てのパターン領域PA、パターン領域PBは、ライン軸方向(図示の矢印Y方向)に沿って隣接する関係にある。
また、図17に示される例では、図示の矢印Y方向でパターン領域PAとパターン領域PBが交互に配列され、また、パターン領域PCとパターン領域PDが交互に配列されている。一方、図示の矢印X方向では、境界部位で区画されたパターン領域PAとパターン領域PCが交互に配列され、パターン領域PBとパターン領域PDが交互に配列されている。そして、パターン領域PAとパターン領域PBは、図示の矢印Y方向がライン軸方向であるラインアンドスペース構造の凹凸構造を有しているが、パターン領域PCとパターン領域PDは、ラインアンドスペース構造の凹凸構造を有していない、あるいは、図示の矢印X方向がライン軸方向であるラインアンドスペース構造の凹凸構造を有している。この場合、パターン領域PAとパターン領域PBは、ライン軸方向(図示の矢印Y方向)に沿って隣接する関係にある。しかし、パターン領域PC、パターン領域PDは、他のいずれのパターン領域とも、上記の隣接関係にない。
尚、ラインアンドスペース構造の凹凸構造を有していないパターン領域における凹凸構造には特に限定はなく、ホール構造、ピラー構造等の任意の凹凸構造であってよい。また、上述のように、本発明のインプリントモールドは、ラインアンドスペース構造である凹凸構造を有するパターン領域であって、ライン軸方向に沿って隣接する関係にある1組以上のパターン領域が存在するものである。したがって、例えば、上記の図15〜図17において、複数のパターン領域PAの中でラインアンドスペース構造の凹凸構造を有していないパターン領域が存在してもよい。
本発明のモールド301は、図15〜図17に例示したような隣接関係にあるパターン領域のうち、少なくとも1組のパターン領域の境界部位では、各パターン領域のラインの端部がパターン領域間の境界に沿った方向にジグザグに位置している。
図18は、上記の図16において鎖線で囲まれた部位の拡大平面図である。図18において、パターン領域PAが有する凹凸構造310は、凸部311(網点を付した部位)が凹部312を介して平行に配列されたラインアンドスペース構造であり、ライン軸方向が図示の矢印Y方向に沿っている。凸部311は、その軸方向(図示のY方向)の端部において、一つおきに、隣接する凸部311間が凸部311aで接続され、これにより蛇行状態で連続したものとされている。
一方、パターン領域PBが有する凹凸構造320は、凸部321(網点を付した部位)が凹部322を介して平行に配列されたラインアンドスペース構造であり、ライン軸方向が図示の矢印Y方向に沿っており、かつ、凸部321のライン軸は、パターン領域PAの凸部311のライン軸と一致している。さらに、蛇行状態の凸部311の両終端部に連続するように引き出し線用の広幅の凸部325,325が、凸部311および凸部321と平行に、パターン領域PAからパターン領域PBへ連続している。尚、図18では、パターン領域PAとパターン領域PBの境界部位を一点鎖線で示している。
上記の凹凸構造310,320を構成する凸部311,321の幅は5〜50nmの範囲、凹部312,322の幅は5〜50nmの範囲で適宜設定することができる。
また、パターン領域PAの図中の上側では、複数の凸部311の端部311tは、一つおきに、隣接する端部311tよりもパターン領域PB方向に突出しているので、凸部311の端部311tは、パターン領域PAとパターン領域PBとの境界に沿った方向にジグザグに位置している。同様に、パターン領域PBの複数の凸部321の端部321tは、一つおきに、隣接する端部321tよりもパターン領域PA方向に突出しているので、凸部321の端部321tは、パターン領域PAとパターン領域PBとの境界に沿った方向にジグザグに位置している。また、パターン領域PAの図中の下側では、複数の凸部311の端部311tは、2個単位で交互に、隣接する端部311tよりもパターン領域PB方向に突出しているので、凸部311の端部311tは、パターン領域PAとパターン領域PBとの境界に沿った方向にジグザグに位置している。同様に、パターン領域PBの複数の凸部321の端部321tは、2個単位で交互に、隣接する端部321tよりもパターン領域PA方向に突出しているので、凸部321の端部321tは、パターン領域PAとパターン領域PBとの境界に沿った方向にジグザグに位置している。そして、ライン軸が共通である凸部311と凸部321は、その端部311tと端部321tが所望の幅の境界部位を介して対向している。したがって、凸部311の端部311tと凸部321の端部321tとが対向する間隙部は、パターン領域PAとパターン領域PBとの境界に沿った方向にジグザグに位置している。このような端部311tと端部321tとが対向する間隙部の長さ(矢印Y方向の長さ)は均一であってもよく、また、異なるものであってもよく、パターン領域PAとパターン領域PBとの境界に沿った方向の液滴の流れ発生を阻害できるような範囲で設定することができ、例えば、1〜400nmの範囲で適宜設定することができる。尚、図示例では、パターン領域PAの図中の下側と上側とで、ジグザグを構成する端部311t、端部321tの形態が異なっているが、同一の形態であってもよいことは勿論である。
パターン領域PAの凸部311の端部311tのジグザグの程度、パターン領域PBの凸部321の端部321tのジグザグの程度としては、例えば、図19(A)に示すように、パターン領域PAの凸部311の軸方向(ライン軸方向、図示のY方向)における端部311tの位置(鎖線L1で示す位置)と、当該凸部311のライン軸と隣接するライン軸上のパターン領域PBの凸部321の軸方向(ライン軸方向、図示のY方向)における端部321tの位置(鎖線L2で示す位置)が、ライン軸の直角方向(図示のX方向)からみて一致するような程度とすることができ、好ましくは、図19(B)に示すように、パターン領域PAの凸部311の端部311tの位置(L1)と、隣接するライン軸上のパターン領域PBの凸部321の端部321tの位置(L2)とが、行き違いとなるまで相手方のパターン領域方向に延びているものであってもよい。端部311tと端部321tとが行き違いとなる距離Dは、例えば、0〜400nmの範囲で設定することができる。尚、図19では、パターン領域PAとパターン領域PBの境界部位を一点鎖線で示している。
また、パターン領域PAの凸部311の端部311tのジグザグ配置、パターン領域PBの凸部321の端部321tのジグザグ配置は、上記の態様に限定されるものではない。例えば、図20(A)に示されるように、端部位置が同じである複数(図示例では2個)の凸部311および凸部321を繰り返し単位として、端部311tと端部321tの位置がジグザグとなるように設定してもよい。図18において、パターン領域PAと、図中の下側に位置するパターン領域PBとの境界における端部311tと端部321tの位置は、このようなジグザグを構成している。また、図20(B)に示されるように、パターン領域PAからパターン領域PB方向へ端部311tが突出する凸等311の数と、パターン領域PBからパターン領域PA方向へ端部321tが突出する凸等321の数とが、異なるようなジグザグ配置となるように設定してもよい。尚、図20では、パターン領域PAとパターン領域PBの境界部位を一点鎖線で示している。
このようなモールド301は、インプリントにおいて基板と近接され、被転写材料の液滴がモールド301と基板との間隙部を濡れ広がる際に、パターン領域PAとパターン領域PBの境界部位に沿った液滴の流れ(図18に矢印Xで示される流れ)の発生が阻害され、凹凸構造の毛管力の作用により発生する凸部311、凸部321のライン軸方向に沿った液滴の流れ(図18に矢印Yで示される流れ)に影響が及ぶことが抑制される。これにより、本発明のモールド301は、形成するパターンにおける欠陥の発生頻度が低いものとなる。
<第2の実施形態>
図21は、本発明のモールドの他の実施形態を説明するための図であり、図18相当の拡大平面図である。図21に示されるモールド301′は、引き出し線用の凸部が異なる他は、上述の図18に示されるモールド301と同様である。したがって、パターン領域PAが有する凹凸構造310は、凸部311(網点を付した部位)が凹部312を介して平行に配列されたラインアンドスペース構造であり、ライン軸方向が図示の矢印Y方向に沿っている。また、パターン領域PBが有する凹凸構造320は、凸部321(網点を付した部位)が凹部322を介して平行に配列されたラインアンドスペース構造であり、ライン軸方向が図示の矢印Y方向に沿っており、かつ、凸部321のライン軸はパターン領域PAの凸部311のライン軸と一致している。尚、図21では、パターン領域PAとパターン領域PBの境界部位を一点鎖線で示している。
図21に示されるモールド301′の引き出し線用の凸部は、複数の凸部328に細分化され、凸部328間に凹部329が位置するラインアンドスペース構造となっている点で、上述の図18に示されるモールド301と異なる。このような引き出し線用の凸部328は、他の凸部311、凸部321と同様に、ライン軸方向が図示の矢印Y方向に沿っており、かつ、凸部328のライン軸は、パターン領域PAにおける所定の凸部311のライン軸と一致し、この凸部311に接続されている。また、隣接する引き出し線用の凸部328間が凸部328aで接続されている。
このようなモールド301′は、インプリントにおいて基板と近接され、被転写材料の液滴がモールド301′と基板との間隙部を濡れ広がる際に、パターン領域PAとパターン領域PBの境界部位に沿った液滴の流れ(図21に矢印Xで示される流れ)の発生が阻害され、さらに、引き出し線用の凸部が広幅の凸部ではなく、複数の凸部に細分化されたラインアンドスペース構造となっているので、凹凸構造の毛管力の作用により発生する凸部311、凸部321、凸部328のライン軸方向に沿った液滴の流れ(図21に矢印Yで示される流れ)に影響が及ぶことが抑制される。これにより、本発明のモールド301′は、形成するパターンにおける欠陥の発生頻度が低いものとなる。
<第3の実施形態>
本実施形態のモールドは、上述のモールド301と同様に、基材と、この基材の一主面に凹凸構造領域を有している。凹凸構造領域は、複数のラインと複数のスペースが平行に配列されたラインアンドスペース構造である凹凸構造を有するパターン領域が2以上含まれる複数のパターン領域に分割されている。そして、ラインアンドスペース構造である凹凸構造を有するパターン領域には、ライン軸方向に沿って隣接する関係にある1組以上のパターン領域が存在する。このような凹凸構造領域が有するパターン領域の例としては、上述のモールド301の説明において図15〜図17に例示したものと同様のものを挙げることができる。尚、基材は、平板形状、メサ構造のいずれであってもよい。
図22は、本実施形態のモールドを説明するための図であり、図18相当の拡大平面図である。図22に示されるモールド401において、パターン領域PAが有する凹凸構造410は、凸部411(網点を付した部位)が凹部412を介して平行に配列されたラインアンドスペース構造であり、ライン軸方向が図示の矢印Y方向に沿っている。また、パターン領域PAのパターン領域PBとの境界部位側(図中のパターン領域PAの上側と下側)には、凸部411とライン軸を共通とするように凸部413が位置しており、隣接する凸部413は凸部413aにより接続されて、1組の共通凸部を構成している。そして、各共通凸部を構成する凸部413は、一つおきに、凸部411に接続されており、これにより、いわゆる櫛型が構成されている。
一方、パターン領域PBが有する凹凸構造420は、凸部421(網点を付した部位)が凹部422を介して平行に配列されたラインアンドスペース構造であり、ライン軸方向が図示の矢印Y方向に沿っており、かつ、凸部421のライン軸は、パターン領域PAの凸部411、凸部413のライン軸と一致している。さらに、凸部413で構成される各共通凹部に連続するように、それぞれ引き出し線用の広幅の凸部425が、他の凸部411および凸部421と平行に位置している。尚、図22では、パターン領域PAとパターン領域PBの境界部位を一点鎖線で示している。
上記の凹凸構造410,420を構成する凸部411,421の幅は5〜50nmの範囲、凹部412,422の幅は5〜50nmの範囲で適宜設定することができる。
また、パターン領域PAの複数の凸部413の端部413tは、一つおきに、隣接する端部413tよりもパターン領域PB方向に突出しているので、凸部413の端部413tは、パターン領域PAとパターン領域PBとの境界に沿った方向にジグザグに位置している。同様に、パターン領域PBの複数の凸部421の端部421tは、一つおきに、隣接する端部421tよりもパターン領域PA方向に突出しているので、凸部421の端部421tは、パターン領域PAとパターン領域PBとの境界に沿った方向にジグザグに位置している。そして、ライン軸が共通である凸部413と凸部421は、その端部413tと端部421tが所望の幅の境界部位を介して対向している。したがって、凸部413の端部413tと凸部421の端部421tとが対向する間隙部は、パターン領域PAとパターン領域PBとの境界に沿った方向にジグザグに位置している。このような端部413tと端部421tとが対向する間隙部の長さ(矢印Y方向の長さ)は均一であってもよく、また、異なるものであってもよく、パターン領域PAとパターン領域PBとの境界に沿った方向の液滴の流れ発生を阻害できるような範囲で設定することができ、例えば、1〜400nmの範囲で適宜設定することができる。
パターン領域PAの凸部413の端部413tのジグザグの程度、パターン領域PBの凸部421の端部421tのジグザグの程度は、上述のモールド301のパターン領域PAの凸部311の端部311tのジグザグの程度、パターン領域PBの凸部321の端部321tのジグザグの程度と同様に設定することができる。
また、パターン領域PAの凸部413の端部413tのジグザグ配置、パターン領域PBの凸部421の端部421tのジグザグ配置は、上記の態様に限定されるものではなく、上述のモールド301の説明において図20に例示したような態様とすることができる。
このようなモールド401は、インプリントにおいて基板と近接され、被転写材料の液滴がモールド401と基板との間隙部を濡れ広がる際に、パターン領域PAとパターン領域PBの境界部位に沿った液滴の流れ(図22に矢印Xで示される流れ)の発生が阻害され、凹凸構造の毛管力の作用により発生する凸部411、凸部413、凸部421のライン軸方向に沿った液滴の流れ(図22に矢印Yで示される流れ)に影響が及ぶことが抑制される。これにより、本発明のモールド401は、形成するパターンにおける欠陥の発生頻度が低いものとなる。
<第4の実施形態>
図23は、本発明のモールドの他の実施形態を説明するための図であり、図22相当の拡大平面図である。図23に示されるモールド401′は、引き出し線用の凸部が異なる他は、上述の図22に示されるモールド401と同様である。したがって、パターン領域PAが有する凹凸構造410は、凸部411(網点を付した部位)が凹部412を介して平行に配列されたラインアンドスペース構造であり、ライン軸方向が図示の矢印Y方向に沿っている。そして、パターン領域PAのパターン領域PBとの境界部位側には、凸部411とライン軸を共通とするように凸部413が位置しており、隣接する凸部413は凸部413aにより接続されているとともに、一つおきに凸部413は凸部411に接続され、いわゆる櫛型が構成されている。また、パターン領域PBが有する凹凸構造420は、凸部421(網点を付した部位)が凹部422を介して平行に配列されたラインアンドスペース構造であり、ライン軸方向が図示の矢印Y方向に沿っており、かつ、凸部421のライン軸はパターン領域PAの凸部411、凸部413のライン軸と一致している。尚、図23では、パターン領域PAとパターン領域PBの境界部位を一点鎖線で示している。
図23に示されるモールド401′の引き出し線用の凸部は、複数の凸部428に細分化され、凸部428間に凹部429が位置するラインアンドスペース構造となっている点で、上述の図22に示されるモールド401と異なる。パターン領域PBに位置する引き出し線用の凸部428は、他の凸部411、凸部413、凸部421と同様に、ライン軸方向が図示の矢印Y方向に沿っており、かつ、凸部428のライン軸は、パターン領域PAにおける所定の凸部413のライン軸と一致し、この凸部413に接続されている。また、隣接する引き出し線用の凸部428間が凸部428aで接続されている。
このようなモールド401′は、インプリントにおいて基板と近接され、被転写材料の液滴がモールド401′と基板との間隙部を濡れ広がる際に、パターン領域PAとパターン領域PBの境界部位に沿った液滴の流れ(図23に矢印Xで示される流れ)の発生が阻害され、さらに、引き出し線用の凸部が広幅の凸部ではなく、複数の凸部に細分化されたラインアンドスペース構造となっているので、凹凸構造の毛管力の作用により発生する凸部411、凸部413、凸部421、凸部428のライン軸方向に沿った液滴の流れ(図23に矢印Yで示される流れ)に影響が及ぶことが抑制される。これにより、本発明のモールド401′は、形成するパターンにおける欠陥の発生頻度が低いものとなる。
上述のモールドの実施形態は例示であり、本発明のモールドはこれらに限定されるものではなく、例えば、上述の実施形態の凹部と凸部が逆の凹凸構造を有するものであってもよい。
また、上述の図23に示されるモールド401′では、ラインアンドスペース構造である引き出し線が、パターン領域PBに位置する他の凸部421のライン軸方向に沿って延設されているが、この引き出し線がライン軸方向と異なる方向に延設される場合も、同様にラインアンドスペース構造とすることが好ましい。図24は、このような引き出し線の例を示す図である。図24(A)において、引き出し線は、パターン領域PBに位置する他の凸部421のライン軸方向(矢印Yで示される方向)に延設され、所定の位置で延設方向を矢印X方向に変更されている。したがって、図24(A)に鎖線で表示するようなL字形状の引き出し線が設けられている。図24(B)は、図24(A)から引き出し線を抜き出して示している。
この引き出し線の矢印Yで示される方向に延設されている部位では、引き出し線を構成する複数の凸部428間が凸部428aで接続されている。そして、矢印X方向に延設されている引き出し線部位では、引き出し線の幅に対応した長さの短軸凸部428′が、パターン領域PBに位置する他の凸部421のライン軸方向(矢印Yで示される方向)と同一となるように短軸凹部429′を介して矢印X方向に配列され、ラインアンドスペース構造が構成されている。このような短軸凸部428′のライン軸は、周囲のパターン領域PBの凸部421のライン軸と一致しており、隣接する引き出し線用の短軸凸部428′間は、凸部428′aで接続されている。また、短軸凸部428′の端部428′tは、一つおきに、隣接する端部428′tよりも突出するように配設されており、短軸凸部428′の端部428′tは、矢印X方向に延設されている引き出し線に沿った方向にジグザグに位置している。同様に、引き出し線の周囲のパターン領域PBの複数の凸部421の端部421tは、一つおきに、隣接する端部421tよりも引き出し線方向に突出しているので、凸部421の端部421tは、矢印X方向に延設されている引き出し線に沿った方向にジグザグに位置している。そして、ライン軸が共通である凸部428′と凸部421は、その端部428′tと端部421tが所望の幅の境界部位を介して対向している。したがって、凸部428′の端部428′tと凸部421の端部421tとが対向する間隙部は、矢印X方向に延設されている引き出し線に沿った方向にジグザグに位置している。このような端部428′tと端部421tとが対向する間隙部の長さ(矢印Y方向の長さ)は均一であってもよく、また、異なるものであってもよく、矢印X方向に延設されている引き出し線に沿った方向への液滴の流れの発生を阻害できる範囲内で設定することができ、例えば、1〜400nmの範囲で適宜設定することができる。
凸部428′の端部428′tのジグザグの程度、引き出し線の周囲のパターン領域PBの凸部421の端部421tのジグザグの程度は、上述のモールド301のパターン領域PAの凸部311の端部311tのジグザグの程度、パターン領域PBの凸部321の端部321tのジグザグの程度と同様に設定することができる。また、凸部428′の端部428′tのジグザグ配置、引き出し線の周囲のパターン領域PBの凸部421の端部421tのジグザグ配置は、上記の態様に限定されるものではなく、上述のモールド301の説明において図20に例示したような態様とすることができる。
引き出し線を上記のようなラインアンドスペース構造とすることにより、ライン軸方向と異なる方向に延設された引き出し線の存在する部位においても、凹凸構造の毛管力の作用により発生するライン軸方向に沿った液滴の流れ(図24に矢印Yで示される流れ)に影響が及ぶことが抑制される。尚、上記の図24に示す例では、引き出し線は、パターン領域PBの所定の位置で延設方向を矢印Y方向から矢印X方向に90°変更されているが、例えば、延設方向を60°変更する場合においても、同様に凸部の端部をジグザグとすることができる。
モールド301,301′,401,401′の凹凸構造領域が有するパターン領域のうち、ラインアンドスペース構造である凹凸構造を有し、かつ、ライン軸方向に沿って隣接する関係にあるパターン領域のうち、上述したような端部がジグザグをなすような凹凸構造を有するパターン領域の位置、数は、モールド301,301′,401,401′を用いたインプリントにおいて、欠陥の発生が抑制されるように設定することができる。そして、このようなモールド301,301′,401,401′は、例えば、上述の本発明のモールドの製造方法により製造することができる。
[パターン形成方法]
次に、本発明のパターン形成方法について説明する。
図25は、本発明のパターン形成方法の一実施形態を説明するための工程図である。
本発明のパターン形成方法では、まず、上述の本発明のモールド製造方法によりマスターモールド501を作製する。次いで、モールド用の基材602上の所定位置にレジストの液滴を供給し、マスターモールド501と基材602を近接させて、マスターモールド501と基材602との間に液滴を展開してレジスト層611を形成する(図25(A))。
マスターモールド501は、基材502の一主面に設定された凹凸構造領域に凹凸構造510を備えている。
モールド用の基材602は、レジスト層611を形成する面にハードマスク材料層621を備えている。ハードマスク材料層621としては、例えば、クロム、タンタル、アルミニウム、モリブデン、チタン、ジルコニウム、タングステン等の金属、これらの金属の合金、酸化クロム、酸化チタン等の金属酸化物、窒化クロム、窒化チタン等の金属窒化物、ガリウム砒素等の金属間化合物等の1種、あるいは、2種以上の組み合わせからなるものであってよい。ハードマスク材料層621の材質は、後工程における基材602のエッチングにおける、基材602とのエッチング選択比等を考慮して適宜選択することができる。尚、モールド用の基材602は、ハードマスク材料層621を備えていないものであってもよい。
モールド用の基材602上へのレジストの液滴の供給は、所望のドロップマップに基づいてインクジェットにより行うことができる。
マスターモールド501と基材602との間での液滴の展開では、マスターモールド501が本発明のモールド製造方法により製造されているので、凹凸構造の毛管力の作用により発生する液滴の流れに影響が及ぶことが抑制され、マスターモールド501の凹凸構造510に確実に液滴が充填される。
次に、マスターモールド501と基材601を近接させた状態でレジスト層611を硬化し、その後、硬化したレジスト層611とマスターモールド501とを引き離して、基材602のハードマスク材料層621にレジストパターンを形成し、このレジストパターンを介してハードマスク材料層621をエッチングしてハードマスク622を形成する(図25(B))。次いで、このハードマスク622を介して基材602をエッチングしてレプリカモールド601を作製する(図25(C))。このレプリカモールド601は、マスターモールド501が有する凹凸構造510が反転した凹凸構造610を備えている。
次いで、被転写材料の液滴を転写基材701上に供給し、この転写基材701とレプリカモールド601を近接させて、レプリカモールド601と転写基材701との間に液滴を展開して被転写材料層711を形成する(図25(D))。
被転写材料は、インプリントが可能な流動性を有する材料であればよく、例えば、光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の樹脂を挙げることができる。このような被転写材料は、所望のドロップマップに基づいてインクジェットにより液滴として転写基材701上に供給することができる。
レプリカモールド601は、本発明のモールド製造方法により製造されたマスターモールド501を用いてインプリントリソグラフィーにより製造されているので、レプリカモールド601と転写基材701との間での液滴の展開では、凹凸構造の毛管力の作用により発生する液滴の流れに影響が及ぶことが抑制され、レプリカモールド601の凹凸構造610に確実に液滴が充填される。
次に、レプリカモールド601と転写基材701を近接させた状態で被転写材料層711を硬化し、硬化した被転写材料層711とレプリカモールド601とを引き離して、転写基材701上に凹凸構造を有するパターン構造物712が形成される(図25(E))。このパターン構造物712は、レプリカモールド601の凹凸構造610が反転した凹凸構造を備えている。
被転写材料層711の硬化は、被転写材料が光硬化性であり、レプリカモールド601がこれらを硬化させるための照射光を透過可能である場合には、レプリカモールド601側から光照射することができる。また、転写基材701が光を透過可能である場合には、転写基材701側から光照射を行ってもよく、さらに、レプリカモールド601側と転写基材701側の両方から光照射を行ってもよい。被転写材料が熱硬化性、あるいは、熱可塑性である場合には、それぞれ被転写材料に対して加熱処理、あるいは、冷却(放冷)処理を施すことができる。
上記のように形成したパターン構造物712を介して転写基材701をエッチングして、マスターモールド501が有する凹凸構造510と同様の凹凸構造を備えるレプリカモールドを作製することができる。本発明のパターン形成方法では、このようなレプリカモールドを用いて、マスターモールド501を用いた場合と同様の凹凸構造を備えたパターン形成を行うこともできる。尚、転写基材701としてハードマスク材料層を備えた基材を使用し、パターン構造物712を介してハードマスク材料層をエッチングしてハードマスクを作製し、このハードマスクを介して転写基材701をエッチングしてもよい。
[半導体装置の製造方法]
次に、本発明の半導体装置の製造方法について説明する。
本発明の半導体装置の製造方法では、まず、モールド用の基材上に化学線感応型のレジストを塗布してレジスト層を形成し、仮設計パターンデータに基づいて所望の凹凸構造を有する半導体装置製造用仮モールドを準備する。
次に、半導体装置製造用基材上の所定位置にレジストの液滴を供給し、半導体装置製造用仮モールドを用いてインプリントにより半導体装置製造用基材上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンを介して半導体装置製造用基材にエッチングを施し、凹凸構造のパターンを有する仮デバイスを作製する。
次いで、仮デバイスのパターンの欠陥発生位置を検出し、検出した欠陥発生位置の統計をとり、欠陥発生位置の統計結果と、レジストの液滴の供給位置とから、液滴の濡れ広がりに影響を及ぼし欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターンを特定する。
次に、上記の仮設計パターンデータにおける欠陥誘引パターン部位を補正してなる補正設計パターンデータを生成する。そして、この補正設計パターンデータに基づいて半導体装置製造用モールドを作製する。
このように作製した半導体装置製造用モールドを用いてインプリントリソグラフィーにより半導体装置を製造することができる。また、このような半導体装置製造用モールドをマスターモールドとし、半導体装置製造用レプリカモールドを作製し、これを用いてインプリントリソグラフィーにより半導体装置を製造することもできる。
1…仮マスターモールド
2…基材
3…レジスト層
6…レジストパターン
101…仮マスターモールド
201…仮レプリカモールド
301,301′,401,401′…モールド
501…マスターモールド
601…レプリカモールド

Claims (6)

  1. 基材上に化学線感応型のレジストを塗布してレジスト層を形成する工程と、
    仮設計パターンデータに基づいて前記レジスト層の所望部位に化学線を照射する工程と、
    現像液を用いて前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンを用いて前記基材をエッチングして、複数の領域に形成された凹凸構造のパターンを有する仮マスターモールドを作製する工程と、
    前記仮マスターモールドのパターンの欠陥発生位置を検出する工程と、
    検出した欠陥発生位置の統計をとり、欠陥発生位置の統計結果から、隣接する領域における欠陥の発生頻度(個/cm 2 )の差が特定の数値を超える場合、隣接する当該領域の境界部位のパターンを調べ、前記レジスト層の現像において該境界部位に沿った方向の現像液の流れを生じるようなパターンである場合、前記現像液の流れに影響を及ぼし欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターン特定する工程と、
    前記仮設計パターンデータにおける前記欠陥誘引パターン部位を、隣接する当該領域の照射部位の端部が前記境界部位に沿った方向にジグザグに位置するように補正してなる補正設計パターンデータを生成する工程と、
    前記補正設計パターンデータに基づいてマスターモールドを作製する工程と、
    を有することを特徴とするインプリントモールドの製造方法。
  2. 仮設計パターンデータに基づいて、複数のラインと複数のスペースが平行に配列されたラインアンドスペース構造である凹凸構造を少なくとも有するパターン領域を2以上備える仮マスターモールドを準備する工程と、
    基材上の所定位置にレジストの液滴を供給し、前記仮マスターモールドを用いてインプリントにより前記基材上にレジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンを用いて前記基材をエッチングし、凹凸構造のパターンを有する仮レプリカモールドを作製する工程と、
    前記仮レプリカモールドのパターンの欠陥発生位置を検出する工程と、
    検出した欠陥発生位置の統計をとり、欠陥発生位置の統計結果と、前記レジストの液滴の供給位置とから、隣接するパターン領域の境界部位近傍のパターンを調べ、ライン軸方向と直交する方向の液滴の流れを生じ得るパターンである場合、液滴の濡れ広がりに影響を及ぼし欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターン特定する工程と、
    前記仮設計パターンデータにおける前記欠陥誘引パターン部位を、ラインの端部が、隣接するパターン領域の境界に沿った方向にジグザグに位置するように補正してなる補正設計パターンデータを生成する工程と、
    前記補正設計パターンデータに基づいてマスターモールドを作製する工程と、を有することを特徴とするインプリントモールドの製造方法。
  3. マスターモールド用の基材上に化学線感応型のレジストを塗布してレジスト層を形成する工程と、
    仮設計パターンデータに基づいて前記レジスト層の所望部位に化学線を照射する工程と、
    現像液を用いて前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンを用いて前記基材をエッチングして、複数の領域に形成された凹凸構造のパターンを有する仮マスターモールドを作製する工程と、
    前記仮マスターモールドのパターンの欠陥発生位置を検出する工程と、
    検出した欠陥発生位置の統計をとり、欠陥発生位置の統計結果から、隣接する領域における欠陥の発生頻度(個/cm 2 )の差が特定の数値を超える場合、隣接する当該領域の境界部位のパターンを調べ、前記レジスト層の現像において該境界部位に沿った方向の現像液の流れを生じるようなパターンである場合、前記現像液の流れに影響を及ぼし欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターン特定する工程と、
    前記仮設計パターンデータにおける前記欠陥誘引パターン部位を、隣接する当該領域の照射部位の端部が前記境界部位に沿った方向にジグザグに位置するように補正してなる補正設計パターンデータを生成する工程と、
    前記補正設計パターンデータに基づいて、複数のラインと複数のスペースが平行に配列されたラインアンドスペース構造である凹凸構造を少なくとも有するパターン領域を2以上備える補正マスターモールドを作製する工程と、
    レプリカモールド用の基材上の所定位置にレジストの液滴を供給し、前記補正マスターモールドを用いてインプリントにより前記基材上にレジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンを用いて前記基材をエッチングし、凹凸構造のパターンを有する仮レプリカモールドを作製する工程と、
    前記仮レプリカモールドのパターンの欠陥発生位置を検出する工程と、
    検出した欠陥発生位置の統計をとり、欠陥発生位置の統計結果と、前記レジストの液滴の供給位置とから、隣接するパターン領域の境界部位近傍のパターンを調べ、ライン軸方向と直交する方向の液滴の流れを生じ得るパターンである場合、液滴の濡れ広がりに影響を及ぼし欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターン特定する工程と、
    前記補正設計パターンデータにおける前記欠陥誘引パターン部位を、ラインの端部が、隣接するパターン領域の境界に沿った方向にジグザグに位置するように補正してなる再補正設計パターンデータを生成する工程と、
    前記再補正設計パターンデータに基づいてマスターモールドを作製する工程と、を有することを特徴とするインプリントモールドの製造方法。
  4. 前記基材としてハードマスク材料層を備える基材を使用し、該ハードマスク材料層上に前記レジストパターンを形成し、レジストパターンを介してハードマスク材料層をエッチングしてハードマスクを作製し、該ハードマスクを介して前記基材をエッチングして前記凹凸構造のパターンを作製することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインプリントモールドの製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインプリントモールドの製造方法により作製したマスターモールドを用いてインプリントリソグラフィーにより凹凸構造を有するレプリカモールドを作製する工程と、
    被転写材料の液滴が供給された転写基材と前記レプリカモールドを近接させて、前記レプリカモールドと前記転写基材との間に前記液滴を展開して被転写材料層を形成し、該被転写材料層を硬化させて前記凹凸構造を転写し、その後、硬化させた前記被転写材料層と前記レプリカモールドを引き離す工程と、を有することを特徴とするパターン形成方法。
  6. 仮設計パターンデータに基づいて、複数のラインと複数のスペースが平行に配列されたラインアンドスペース構造である凹凸構造を少なくとも有するパターン領域を2以上備える半導体装置製造用仮モールドを準備する工程と、
    半導体装置製造用基材上の所定位置にレジストの液滴を供給し、前記半導体装置製造用仮モールドを用いてインプリントにより前記半導体装置製造用基材上にレジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンを用いて前記半導体装置製造用基材にエッチングを施し、凹凸構造のパターンを有する仮デバイスを作製する工程と、
    前記仮デバイスのパターンの欠陥発生位置を検出する工程と、
    検出した欠陥発生位置の統計をとり、欠陥発生位置の統計結果と、前記レジストの液滴の供給位置とから、隣接するパターン領域の境界部位近傍の前記ラインアンドスペース構造である凹凸構造のパターンを調べ、ライン軸方向と直交する方向の液滴の流れを生じ得るパターンである場合、液滴の濡れ広がりに影響を及ぼし欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターン特定する工程と、
    前記仮設計パターンデータにおける前記欠陥誘引パターン部位を、ラインの端部が、隣接するパターン領域の境界に沿った方向にジグザグに位置するように補正してなる補正設計パターンデータを生成する工程と、
    前記補正設計パターンデータに基づいて半導体装置製造用モールドを作製する工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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