JP6107078B2 - インプリントモールドの製造方法、および、パターン形成方法と半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、現像液や光硬化性樹脂に作用する毛管力を考慮したインプリントモールドの製造方法と、ナノインプリント方法にて高精度のパターン形成が可能なインプリントモールドと、パターン形成方法、半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
尚、図面は模式的または概念的なものであり、各部材の寸法、部材間の大きさの比等は、必ずしも現実のものと同一とは限らず、また、同じ部材等を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比が異なって表される場合もある。
<第1の実施形態>
図1は、本発明のモールドの製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。
本発明のモールドの製造方法では、まず、モールド用の基材2の一主面2aに、化学線感応型のレジストを塗布してレジスト層3を形成する(図1(A))。
このようなモールド用の基材2の一主面2aには、凹凸構造を形成する領域20が設定されている。図2は、凹凸構造を形成する領域20の一例を示す平面図であり、図2(A)に示されるように、一点鎖線で囲まれる領域が凹凸構造を形成する領域20である。この凹凸構造を形成する領域20は、更に複数の領域21と、各領域21を囲むように設定された領域25とに区分されている。図2(B)は、図2(A)において鎖線で囲まれた部位の拡大図であり、領域21は方形状であり、各領域21の周囲に位置する領域25は、実線で図示される境界部位で更に細分化されている。
モールド用の基材2の厚みは、主面2aに形成する凹凸構造の形状、基材の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、300μm〜10mm程度の範囲で適宜設定することができる。また、基材2は、凹凸構造を形成する主面2aが、その周囲の領域に対して1段、あるいは、2段以上の凸構造となっている、いわゆるメサ構造であってもよい。
化学線感応型のレジストとしては、電子線、X線、紫外線等の所望の化学線に感応可能なネガ型、ポジ型の公知のレジストを使用することができる。形成するレジスト層3の厚みは、使用するレジストの物理的強度、後工程の基材2のエッチングにおけるレジストパターンと基材2(あるいはハードマスク材料層)とのエッチング選択比等を考慮して適宜設定することができる。尚、本実施形態の説明では、ポジ型の化学線感応型のレジストを使用した場合を例としている。
尚、上述のように、基材2がハードマスク材料層を備えている場合、上記のように形成したレジストパターン6を介してハードマスク材料層をエッチングしてハードマスクを形成し、その後、このハードマスクを介して基材2をエッチングして仮マスターモールド1を作製することができる。
上記のように仮設計パターンデータを補正して生成した補正設計パターンデータに基づいてマスターモールドを製造することにより、低欠陥のインプリントモールドの製造が可能となる。
また、図7(B)に示されるように、領域21から領域25方向へ突出する照射部位41′の端部41′tの数と、領域25から領域21方向へ突出する照射部位45′の端部45′tの数とが、異なるようなジグザグを設定してもよい。
尚、図7では、領域21と領域25の境界部位を一点鎖線で示している。
また、領域21と領域25の境界部位に位置するパターン、領域25同士の境界部位に位置するパターン、広幅のパターンであっても、欠陥発生位置の統計結果から、欠陥誘引パターンとされない場合、その部位については、上記のようなパターン補正による補正設計パターンデータの生成は行わなくてもよい。
上記の実施形態における凹凸構造を形成する領域20、および、領域21、領域25は例示であり、これらに限定されるものではない。
本発明のモールドの製造方法では、まず、仮設計パターンデータに基づいて所望の凹凸構造を有する仮マスターモールドを準備する。図8は、仮マスターモールドの一例を示す平面図である。図8において、仮マスターモールド101は、凹凸構造を有する領域120(図において一点鎖線で囲まれる領域)を基材102の一主面102aに備えている。この領域120は、複数の主パターン領域121と、各主パターン領域121を囲むように設定された副パターン領域125とに区分されている。図8(B)は、図8(A)において鎖線で囲まれた部位の拡大図であり、主パターン領域121は方形状であり、各主パターン領域121の周囲に位置する副パターン領域125は、実線で図示される境界部位で更に細分化されている。このような凹凸構造を有する領域120、および、主パターン領域21、副パターン領域25は例示であり、これらに限定されるものではない。
仮マスターモールドの基材102は、上述のモールド用の基材2と同様の材料とすることができる。また、後工程におけるレジストパターンとの引き剥がしを容易とするために、基材102は、主面102aに離型剤層を備えていてもよい。尚、基材102は、凹凸構造を形成する主面102aが、その周囲の領域に対して1段、あるいは、2段以上の凸構造となっている、いわゆるメサ構造であってもよい。
まず、仮レプリカモールド用の基材202の一主面202a上の所定位置にレジストの液滴211を供給する(図10(A))。仮レプリカモールド用の基材202は、上述のモールド用の基材2と同様の材料とすることができる。したがって、基材202は、ハードマスク材料層を備えるものであってもよく、また、基材202は、メサ構造であってもよい。このような基材202へのレジストの液滴211の供給は、所望のドロップマップに基づいてインクジェットにより行うことができる。
次に、仮マスターモールド101と基材202を近接させて液滴211を展開してレジスト層212を形成し(図10(B))、この状態でレジスト層212を硬化し、その後、硬化したレジスト層212と仮マスターモールド101とを引き離して、基材202の一主面202a上にレジストパターン215を形成する(図10(C))。
尚、上述のように、基材202がハードマスク材料層を備えている場合、上記のように形成したレジストパターン215を介しハードマスク材料層をエッチングしてハードマスクを形成し、その後、このハードマスクを介して基材202をエッチングして仮レプリカモールド201を作製することができる。
次いで、本発明のモールドの製造方法では、仮レプリカモールド201のパターンの欠陥発生位置を検出する。この欠陥検出は、上述の第1の実施形態における欠陥検出と同様に行うことができる。
図11に示される例では、仮レプリカモールド201の欠陥発生位置の統計結果から、欠陥部位230d(図11において一点鎖線で囲まれている部位)が特定されている。この欠陥部位230dは、主パターン領域221および副パターン領域225において、その境界部位の近傍に位置している。
図12において、主パターン領域121に位置する凹凸構造130′は、凹部131′(網点を付した部位)が凸部132′を介して平行に配列されたラインアンドスペース構造である。そして、図9において、いわゆる櫛型を構成するように、凹部131が一つおきに接続されている1組の共通凹部133は、軸(ライン軸)が凹部131′と一致する複数の凹部133′と、隣接する凹部133′の所望部位を接続する凹部133′aからなる形状に補正されている。そして、複数の凹部133′のうち、凹部131′が一つおきに接続されている凹部133′の端部133′tは、凹部131′が接続されていない凹部133′の端部133′tよりも、副パターン領域125方向に突出している。したがって、凹部133′の端部133′tは、主パターン領域121と副パターン領域125との境界(図12において一点鎖線で示す)に沿った方向にジグザグに位置している。
上記のように仮設計パターンデータを補正して生成した補正設計パターンデータに基づいてマスターモールドを製造することにより、低欠陥のインプリントモールドの製造が可能となる。
また、仮マスターモールド101を使用して複数の仮レプリカモールドを作製し、当該複数の仮レプリカモールドにおける欠陥発生位置の統計をとり、この統計結果に基づいて欠陥誘引パターンを特定してもよい。
本発明のモールドの製造方法では、まず、モールド用の基材上に化学線感応型のレジストを塗布してレジスト層を形成し、仮設計パターンデータに基づいてレジスト層の所望部位に化学線を照射する。次いで、現像液を用いてレジスト層を現像してレジストパターンを形成し、このレジストパターンを介してモールド用の基材をエッチングして、凹凸構造のパターンを有する仮マスターモールドを作製する。このように作製した仮マスターモールドのパターンの欠陥発生位置を検出し、検出した欠陥発生位置の統計をとり、欠陥発生位置の統計結果から、現像液の流れに影響を及ぼし欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターンを特定する。そして、仮設計パターンデータにおける欠陥誘引パターン部位を補正してなる補正設計パターンデータを生成する。ここまでの工程は、上述の第1の実施形態と同様とすることができる。
次いで、上記のように生成した補正設計パターンデータに基づいて補正マスターモールドを作製する。そして、モールド用の基材上の所定位置にレジストの液滴を供給し、補正マスターモールドを用いてインプリントにより基材上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンを介してモールド用の基材をエッチングし、凹凸構造のパターンを有する仮レプリカモールドを作製する。次に、仮レプリカモールドのパターンの欠陥発生位置を検出し、検出した欠陥発生位置の統計をとり、欠陥発生位置の統計結果と、レジストの液滴の供給位置とから、液滴の濡れ広がりに影響を及ぼし欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターンを特定する。次いで、補正設計パターンデータにおける欠陥誘引パターン部位を補正してなる再補正設計パターンデータを生成する。このような補正マスターモールドを用いたインプリントから、再補正設計パターンデータの生成までの工程は、上述の第2の実施形態における仮マスターモールドを用いたインプリントから、補正設計パターンデータの生成までの工程と同様とすることができる。
その後、再補正設計パターンデータに基づいてマスターモールドを作製する。
尚、補正マスターモールドを使用して複数の仮レプリカモールドを作製し、当該複数の仮レプリカモールドにおける欠陥発生位置の統計をとり、この統計結果に基づいて欠陥誘引パターンを特定してもよい。
<第1の実施形態>
図13は、本発明のインプリント用のモールドの一実施形態を説明するための平面図であり、図14は、図13に示されるインプリント用のモールドのI−I線における縦断面図である。図13および図14において、本発明のモールド301は、基材302を有し、この基材302の一主面302aには、凹凸構造領域303が位置している。基材302は、基部302Aと、この基部302Aに対して高くなっている凸構造部302Bからなるメサ構造であり、凹凸構造領域303は凸構造部302Bに位置している。尚、基材302は、メサ構造ではなく、平板形状等の他の形状であってもよい。
モールド301の基材302は、被転写材料が光硬化性である場合には、これらを硬化させるための照射光が透過可能な材料を用いることができ、例えば、石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等のガラス類の他、サファイアや窒化ガリウム、更にはポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル、ポリプロピレン等の樹脂、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。また、使用する被転写材料が光硬化性ではない場合や、転写基材側から被転写材料を硬化させるための光を照射可能である場合には、モールドは光透過性の材料でなくてもよく、上記の材料以外に、例えば、シリコンやニッケル、チタン、アルミニウム等の金属およびこれらの合金、酸化物、窒化物、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。
モールド301の基材302の厚みは、主面302aに備える凹凸構造の形状、基材の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、300μm〜10mm程度の範囲で適宜設定することができる。
本発明のモールド301が備える凹凸構造領域303は、複数のラインと複数のスペースが平行に配列されたラインアンドスペース構造である凹凸構造を有するパターン領域が2以上含まれる複数のパターン領域に分割されている。そして、ラインアンドスペース構造である凹凸構造を有するパターン領域には、ライン軸方向に沿って隣接する関係にある1組以上のパターン領域が存在する。
また、図16に示される例では、図示の矢印Y方向でパターン領域PAとパターン領域PBが交互に配列され、パターン領域PAおよびパターン領域PBは、それぞれ図示の矢印X方向に沿って境界部位で区画されて配列されている。そして、各パターン領域PAは、図示の矢印Y方向がライン軸方向であるラインアンドスペース構造の凹凸構造を有し、また、各パターン領域PBも、図示の矢印Y方向がライン軸方向であるラインアンドスペース構造の凹凸構造を有している。したがって、全てのパターン領域PA、パターン領域PBは、ライン軸方向(図示の矢印Y方向)に沿って隣接する関係にある。
また、図17に示される例では、図示の矢印Y方向でパターン領域PAとパターン領域PBが交互に配列され、また、パターン領域PCとパターン領域PDが交互に配列されている。一方、図示の矢印X方向では、境界部位で区画されたパターン領域PAとパターン領域PCが交互に配列され、パターン領域PBとパターン領域PDが交互に配列されている。そして、パターン領域PAとパターン領域PBは、図示の矢印Y方向がライン軸方向であるラインアンドスペース構造の凹凸構造を有しているが、パターン領域PCとパターン領域PDは、ラインアンドスペース構造の凹凸構造を有していない、あるいは、図示の矢印X方向がライン軸方向であるラインアンドスペース構造の凹凸構造を有している。この場合、パターン領域PAとパターン領域PBは、ライン軸方向(図示の矢印Y方向)に沿って隣接する関係にある。しかし、パターン領域PC、パターン領域PDは、他のいずれのパターン領域とも、上記の隣接関係にない。
本発明のモールド301は、図15〜図17に例示したような隣接関係にあるパターン領域のうち、少なくとも1組のパターン領域の境界部位では、各パターン領域のラインの端部がパターン領域間の境界に沿った方向にジグザグに位置している。
一方、パターン領域PBが有する凹凸構造320は、凸部321(網点を付した部位)が凹部322を介して平行に配列されたラインアンドスペース構造であり、ライン軸方向が図示の矢印Y方向に沿っており、かつ、凸部321のライン軸は、パターン領域PAの凸部311のライン軸と一致している。さらに、蛇行状態の凸部311の両終端部に連続するように引き出し線用の広幅の凸部325,325が、凸部311および凸部321と平行に、パターン領域PAからパターン領域PBへ連続している。尚、図18では、パターン領域PAとパターン領域PBの境界部位を一点鎖線で示している。
上記の凹凸構造310,320を構成する凸部311,321の幅は5〜50nmの範囲、凹部312,322の幅は5〜50nmの範囲で適宜設定することができる。
このようなモールド301は、インプリントにおいて基板と近接され、被転写材料の液滴がモールド301と基板との間隙部を濡れ広がる際に、パターン領域PAとパターン領域PBの境界部位に沿った液滴の流れ(図18に矢印Xで示される流れ)の発生が阻害され、凹凸構造の毛管力の作用により発生する凸部311、凸部321のライン軸方向に沿った液滴の流れ(図18に矢印Yで示される流れ)に影響が及ぶことが抑制される。これにより、本発明のモールド301は、形成するパターンにおける欠陥の発生頻度が低いものとなる。
図21は、本発明のモールドの他の実施形態を説明するための図であり、図18相当の拡大平面図である。図21に示されるモールド301′は、引き出し線用の凸部が異なる他は、上述の図18に示されるモールド301と同様である。したがって、パターン領域PAが有する凹凸構造310は、凸部311(網点を付した部位)が凹部312を介して平行に配列されたラインアンドスペース構造であり、ライン軸方向が図示の矢印Y方向に沿っている。また、パターン領域PBが有する凹凸構造320は、凸部321(網点を付した部位)が凹部322を介して平行に配列されたラインアンドスペース構造であり、ライン軸方向が図示の矢印Y方向に沿っており、かつ、凸部321のライン軸はパターン領域PAの凸部311のライン軸と一致している。尚、図21では、パターン領域PAとパターン領域PBの境界部位を一点鎖線で示している。
このようなモールド301′は、インプリントにおいて基板と近接され、被転写材料の液滴がモールド301′と基板との間隙部を濡れ広がる際に、パターン領域PAとパターン領域PBの境界部位に沿った液滴の流れ(図21に矢印Xで示される流れ)の発生が阻害され、さらに、引き出し線用の凸部が広幅の凸部ではなく、複数の凸部に細分化されたラインアンドスペース構造となっているので、凹凸構造の毛管力の作用により発生する凸部311、凸部321、凸部328のライン軸方向に沿った液滴の流れ(図21に矢印Yで示される流れ)に影響が及ぶことが抑制される。これにより、本発明のモールド301′は、形成するパターンにおける欠陥の発生頻度が低いものとなる。
本実施形態のモールドは、上述のモールド301と同様に、基材と、この基材の一主面に凹凸構造領域を有している。凹凸構造領域は、複数のラインと複数のスペースが平行に配列されたラインアンドスペース構造である凹凸構造を有するパターン領域が2以上含まれる複数のパターン領域に分割されている。そして、ラインアンドスペース構造である凹凸構造を有するパターン領域には、ライン軸方向に沿って隣接する関係にある1組以上のパターン領域が存在する。このような凹凸構造領域が有するパターン領域の例としては、上述のモールド301の説明において図15〜図17に例示したものと同様のものを挙げることができる。尚、基材は、平板形状、メサ構造のいずれであってもよい。
図22は、本実施形態のモールドを説明するための図であり、図18相当の拡大平面図である。図22に示されるモールド401において、パターン領域PAが有する凹凸構造410は、凸部411(網点を付した部位)が凹部412を介して平行に配列されたラインアンドスペース構造であり、ライン軸方向が図示の矢印Y方向に沿っている。また、パターン領域PAのパターン領域PBとの境界部位側(図中のパターン領域PAの上側と下側)には、凸部411とライン軸を共通とするように凸部413が位置しており、隣接する凸部413は凸部413aにより接続されて、1組の共通凸部を構成している。そして、各共通凸部を構成する凸部413は、一つおきに、凸部411に接続されており、これにより、いわゆる櫛型が構成されている。
上記の凹凸構造410,420を構成する凸部411,421の幅は5〜50nmの範囲、凹部412,422の幅は5〜50nmの範囲で適宜設定することができる。
パターン領域PAの凸部413の端部413tのジグザグの程度、パターン領域PBの凸部421の端部421tのジグザグの程度は、上述のモールド301のパターン領域PAの凸部311の端部311tのジグザグの程度、パターン領域PBの凸部321の端部321tのジグザグの程度と同様に設定することができる。
また、パターン領域PAの凸部413の端部413tのジグザグ配置、パターン領域PBの凸部421の端部421tのジグザグ配置は、上記の態様に限定されるものではなく、上述のモールド301の説明において図20に例示したような態様とすることができる。
図23は、本発明のモールドの他の実施形態を説明するための図であり、図22相当の拡大平面図である。図23に示されるモールド401′は、引き出し線用の凸部が異なる他は、上述の図22に示されるモールド401と同様である。したがって、パターン領域PAが有する凹凸構造410は、凸部411(網点を付した部位)が凹部412を介して平行に配列されたラインアンドスペース構造であり、ライン軸方向が図示の矢印Y方向に沿っている。そして、パターン領域PAのパターン領域PBとの境界部位側には、凸部411とライン軸を共通とするように凸部413が位置しており、隣接する凸部413は凸部413aにより接続されているとともに、一つおきに凸部413は凸部411に接続され、いわゆる櫛型が構成されている。また、パターン領域PBが有する凹凸構造420は、凸部421(網点を付した部位)が凹部422を介して平行に配列されたラインアンドスペース構造であり、ライン軸方向が図示の矢印Y方向に沿っており、かつ、凸部421のライン軸はパターン領域PAの凸部411、凸部413のライン軸と一致している。尚、図23では、パターン領域PAとパターン領域PBの境界部位を一点鎖線で示している。
上述のモールドの実施形態は例示であり、本発明のモールドはこれらに限定されるものではなく、例えば、上述の実施形態の凹部と凸部が逆の凹凸構造を有するものであってもよい。
引き出し線を上記のようなラインアンドスペース構造とすることにより、ライン軸方向と異なる方向に延設された引き出し線の存在する部位においても、凹凸構造の毛管力の作用により発生するライン軸方向に沿った液滴の流れ(図24に矢印Yで示される流れ)に影響が及ぶことが抑制される。尚、上記の図24に示す例では、引き出し線は、パターン領域PBの所定の位置で延設方向を矢印Y方向から矢印X方向に90°変更されているが、例えば、延設方向を60°変更する場合においても、同様に凸部の端部をジグザグとすることができる。
次に、本発明のパターン形成方法について説明する。
図25は、本発明のパターン形成方法の一実施形態を説明するための工程図である。
本発明のパターン形成方法では、まず、上述の本発明のモールド製造方法によりマスターモールド501を作製する。次いで、モールド用の基材602上の所定位置にレジストの液滴を供給し、マスターモールド501と基材602を近接させて、マスターモールド501と基材602との間に液滴を展開してレジスト層611を形成する(図25(A))。
マスターモールド501は、基材502の一主面に設定された凹凸構造領域に凹凸構造510を備えている。
モールド用の基材602は、レジスト層611を形成する面にハードマスク材料層621を備えている。ハードマスク材料層621としては、例えば、クロム、タンタル、アルミニウム、モリブデン、チタン、ジルコニウム、タングステン等の金属、これらの金属の合金、酸化クロム、酸化チタン等の金属酸化物、窒化クロム、窒化チタン等の金属窒化物、ガリウム砒素等の金属間化合物等の1種、あるいは、2種以上の組み合わせからなるものであってよい。ハードマスク材料層621の材質は、後工程における基材602のエッチングにおける、基材602とのエッチング選択比等を考慮して適宜選択することができる。尚、モールド用の基材602は、ハードマスク材料層621を備えていないものであってもよい。
マスターモールド501と基材602との間での液滴の展開では、マスターモールド501が本発明のモールド製造方法により製造されているので、凹凸構造の毛管力の作用により発生する液滴の流れに影響が及ぶことが抑制され、マスターモールド501の凹凸構造510に確実に液滴が充填される。
次に、マスターモールド501と基材601を近接させた状態でレジスト層611を硬化し、その後、硬化したレジスト層611とマスターモールド501とを引き離して、基材602のハードマスク材料層621にレジストパターンを形成し、このレジストパターンを介してハードマスク材料層621をエッチングしてハードマスク622を形成する(図25(B))。次いで、このハードマスク622を介して基材602をエッチングしてレプリカモールド601を作製する(図25(C))。このレプリカモールド601は、マスターモールド501が有する凹凸構造510が反転した凹凸構造610を備えている。
次いで、被転写材料の液滴を転写基材701上に供給し、この転写基材701とレプリカモールド601を近接させて、レプリカモールド601と転写基材701との間に液滴を展開して被転写材料層711を形成する(図25(D))。
被転写材料は、インプリントが可能な流動性を有する材料であればよく、例えば、光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の樹脂を挙げることができる。このような被転写材料は、所望のドロップマップに基づいてインクジェットにより液滴として転写基材701上に供給することができる。
次に、レプリカモールド601と転写基材701を近接させた状態で被転写材料層711を硬化し、硬化した被転写材料層711とレプリカモールド601とを引き離して、転写基材701上に凹凸構造を有するパターン構造物712が形成される(図25(E))。このパターン構造物712は、レプリカモールド601の凹凸構造610が反転した凹凸構造を備えている。
被転写材料層711の硬化は、被転写材料が光硬化性であり、レプリカモールド601がこれらを硬化させるための照射光を透過可能である場合には、レプリカモールド601側から光照射することができる。また、転写基材701が光を透過可能である場合には、転写基材701側から光照射を行ってもよく、さらに、レプリカモールド601側と転写基材701側の両方から光照射を行ってもよい。被転写材料が熱硬化性、あるいは、熱可塑性である場合には、それぞれ被転写材料に対して加熱処理、あるいは、冷却(放冷)処理を施すことができる。
次に、本発明の半導体装置の製造方法について説明する。
本発明の半導体装置の製造方法では、まず、モールド用の基材上に化学線感応型のレジストを塗布してレジスト層を形成し、仮設計パターンデータに基づいて所望の凹凸構造を有する半導体装置製造用仮モールドを準備する。
次に、半導体装置製造用基材上の所定位置にレジストの液滴を供給し、半導体装置製造用仮モールドを用いてインプリントにより半導体装置製造用基材上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンを介して半導体装置製造用基材にエッチングを施し、凹凸構造のパターンを有する仮デバイスを作製する。
次に、上記の仮設計パターンデータにおける欠陥誘引パターン部位を補正してなる補正設計パターンデータを生成する。そして、この補正設計パターンデータに基づいて半導体装置製造用モールドを作製する。
このように作製した半導体装置製造用モールドを用いてインプリントリソグラフィーにより半導体装置を製造することができる。また、このような半導体装置製造用モールドをマスターモールドとし、半導体装置製造用レプリカモールドを作製し、これを用いてインプリントリソグラフィーにより半導体装置を製造することもできる。
2…基材
3…レジスト層
6…レジストパターン
101…仮マスターモールド
201…仮レプリカモールド
301,301′,401,401′…モールド
501…マスターモールド
601…レプリカモールド
Claims (6)
- 基材上に化学線感応型のレジストを塗布してレジスト層を形成する工程と、
仮設計パターンデータに基づいて前記レジスト層の所望部位に化学線を照射する工程と、
現像液を用いて前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンを用いて前記基材をエッチングして、複数の領域に形成された凹凸構造のパターンを有する仮マスターモールドを作製する工程と、
前記仮マスターモールドのパターンの欠陥発生位置を検出する工程と、
検出した欠陥発生位置の統計をとり、欠陥発生位置の統計結果から、隣接する領域における欠陥の発生頻度(個/cm 2 )の差が特定の数値を超える場合、隣接する当該領域の境界部位のパターンを調べ、前記レジスト層の現像において該境界部位に沿った方向の現像液の流れを生じるようなパターンである場合、前記現像液の流れに影響を及ぼし欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターンと特定する工程と、
前記仮設計パターンデータにおける前記欠陥誘引パターン部位を、隣接する当該領域の照射部位の端部が前記境界部位に沿った方向にジグザグに位置するように補正してなる補正設計パターンデータを生成する工程と、
前記補正設計パターンデータに基づいてマスターモールドを作製する工程と、
を有することを特徴とするインプリントモールドの製造方法。 - 仮設計パターンデータに基づいて、複数のラインと複数のスペースが平行に配列されたラインアンドスペース構造である凹凸構造を少なくとも有するパターン領域を2以上備える仮マスターモールドを準備する工程と、
基材上の所定位置にレジストの液滴を供給し、前記仮マスターモールドを用いてインプリントにより前記基材上にレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンを用いて前記基材をエッチングし、凹凸構造のパターンを有する仮レプリカモールドを作製する工程と、
前記仮レプリカモールドのパターンの欠陥発生位置を検出する工程と、
検出した欠陥発生位置の統計をとり、欠陥発生位置の統計結果と、前記レジストの液滴の供給位置とから、隣接するパターン領域の境界部位近傍のパターンを調べ、ライン軸方向と直交する方向の液滴の流れを生じ得るパターンである場合、液滴の濡れ広がりに影響を及ぼし欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターンと特定する工程と、
前記仮設計パターンデータにおける前記欠陥誘引パターン部位を、ラインの端部が、隣接するパターン領域の境界に沿った方向にジグザグに位置するように補正してなる補正設計パターンデータを生成する工程と、
前記補正設計パターンデータに基づいてマスターモールドを作製する工程と、を有することを特徴とするインプリントモールドの製造方法。 - マスターモールド用の基材上に化学線感応型のレジストを塗布してレジスト層を形成する工程と、
仮設計パターンデータに基づいて前記レジスト層の所望部位に化学線を照射する工程と、
現像液を用いて前記レジスト層を現像してレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンを用いて前記基材をエッチングして、複数の領域に形成された凹凸構造のパターンを有する仮マスターモールドを作製する工程と、
前記仮マスターモールドのパターンの欠陥発生位置を検出する工程と、
検出した欠陥発生位置の統計をとり、欠陥発生位置の統計結果から、隣接する領域における欠陥の発生頻度(個/cm 2 )の差が特定の数値を超える場合、隣接する当該領域の境界部位のパターンを調べ、前記レジスト層の現像において該境界部位に沿った方向の現像液の流れを生じるようなパターンである場合、前記現像液の流れに影響を及ぼし欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターンと特定する工程と、
前記仮設計パターンデータにおける前記欠陥誘引パターン部位を、隣接する当該領域の照射部位の端部が前記境界部位に沿った方向にジグザグに位置するように補正してなる補正設計パターンデータを生成する工程と、
前記補正設計パターンデータに基づいて、複数のラインと複数のスペースが平行に配列されたラインアンドスペース構造である凹凸構造を少なくとも有するパターン領域を2以上備える補正マスターモールドを作製する工程と、
レプリカモールド用の基材上の所定位置にレジストの液滴を供給し、前記補正マスターモールドを用いてインプリントにより前記基材上にレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンを用いて前記基材をエッチングし、凹凸構造のパターンを有する仮レプリカモールドを作製する工程と、
前記仮レプリカモールドのパターンの欠陥発生位置を検出する工程と、
検出した欠陥発生位置の統計をとり、欠陥発生位置の統計結果と、前記レジストの液滴の供給位置とから、隣接するパターン領域の境界部位近傍のパターンを調べ、ライン軸方向と直交する方向の液滴の流れを生じ得るパターンである場合、液滴の濡れ広がりに影響を及ぼし欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターンと特定する工程と、
前記補正設計パターンデータにおける前記欠陥誘引パターン部位を、ラインの端部が、隣接するパターン領域の境界に沿った方向にジグザグに位置するように補正してなる再補正設計パターンデータを生成する工程と、
前記再補正設計パターンデータに基づいてマスターモールドを作製する工程と、を有することを特徴とするインプリントモールドの製造方法。 - 前記基材としてハードマスク材料層を備える基材を使用し、該ハードマスク材料層上に前記レジストパターンを形成し、レジストパターンを介してハードマスク材料層をエッチングしてハードマスクを作製し、該ハードマスクを介して前記基材をエッチングして前記凹凸構造のパターンを作製することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインプリントモールドの製造方法。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインプリントモールドの製造方法により作製したマスターモールドを用いてインプリントリソグラフィーにより凹凸構造を有するレプリカモールドを作製する工程と、
被転写材料の液滴が供給された転写基材と前記レプリカモールドを近接させて、前記レプリカモールドと前記転写基材との間に前記液滴を展開して被転写材料層を形成し、該被転写材料層を硬化させて前記凹凸構造を転写し、その後、硬化させた前記被転写材料層と前記レプリカモールドを引き離す工程と、を有することを特徴とするパターン形成方法。 - 仮設計パターンデータに基づいて、複数のラインと複数のスペースが平行に配列されたラインアンドスペース構造である凹凸構造を少なくとも有するパターン領域を2以上備える半導体装置製造用仮モールドを準備する工程と、
半導体装置製造用基材上の所定位置にレジストの液滴を供給し、前記半導体装置製造用仮モールドを用いてインプリントにより前記半導体装置製造用基材上にレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンを用いて前記半導体装置製造用基材にエッチングを施し、凹凸構造のパターンを有する仮デバイスを作製する工程と、
前記仮デバイスのパターンの欠陥発生位置を検出する工程と、
検出した欠陥発生位置の統計をとり、欠陥発生位置の統計結果と、前記レジストの液滴の供給位置とから、隣接するパターン領域の境界部位近傍の前記ラインアンドスペース構造である凹凸構造のパターンを調べ、ライン軸方向と直交する方向の液滴の流れを生じ得るパターンである場合、液滴の濡れ広がりに影響を及ぼし欠陥の発生原因となる欠陥誘引パターンと特定する工程と、
前記仮設計パターンデータにおける前記欠陥誘引パターン部位を、ラインの端部が、隣接するパターン領域の境界に沿った方向にジグザグに位置するように補正してなる補正設計パターンデータを生成する工程と、
前記補正設計パターンデータに基づいて半導体装置製造用モールドを作製する工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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