JP6106012B2 - 操舵制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動パワーステアリングモータにより目標とする操舵トルクを出力する操舵制御装置に関する。
近年、交通事故の低減やドライバの負担を軽減することを目的として、車両の車線逸脱を防止するように操舵を支援補助する車線維持支援制御の技術が開発されている。例えば、特開平11−78953号公報(以下、特許文献1)では、CCDカメラを通じて得た道路区分線に沿って車両を走行させるように操舵トルクをアシストする車両用操舵装置の技術が開示されている。このような車線維持支援制御(操舵支援制御)においては、システムが目標経路を設定し、経路に沿うように、目標横加速度、目標ヨーレート、目標操舵角等の旋回目標値を決定する。そして、電動パワーステアリングシステムを用いて本機能を実現する場合、旋回目標値に対して適切な目標操舵トルクが決定される。この旋回目標値に対する目標操舵トルクの決定方法は、車両質量やタイヤの種類・走行路面等の状況に応じて変化するため、旋回目標値に対して実旋回量をセンサにより取得し、フィードバック制御を行う構成が考えられる。しかし、このフィードバック制御では、操舵支援制御システムで設定される旋回目標値とドライバが想定する旋回目標値との間に差異が生じた場合には、ドライバの操舵トルクを妨げる方向にフィードバック制御が働くため、制御システムとの干渉感が顕著となってしまうことから、できるだけ旋回目標値に対してフィードフォワード制御を主体とした支援方式が望ましい。
このフィードフォワード制御を高精度に実現するためには、旋回目標値で発生するセルフアライニングトルクや摩擦トルク等の外力トルクを事前に精度良く把握する必要があるが、これらのパラメータは、上述のとおり車両質量やタイヤ種類等の状況で変化するため、旋回目標値に対する操舵系に入力されるトルク成分との関係を精度良くオンラインで計測・推定できる必要がある。例えば、特開2003−127888号公報(以下、特許文献2)では、外力トルクの推定値を、モータ発生トルク及びドライバトルクを推定し、オンラインで同定する技術が開示されている。
特開平11−78953号公報 特開2003−127888号公報
しかしながら、上述の操舵支援制御システムのような電動パワーステアリングモータの発生するトルクが支配的な制御においては、上述の特許文献2の技術で開示されている、モータ電流から操舵系の回動軸回りのトルク(ピニオントルク)を推定する手法では、ウォームギア等のギアを介してトルクが伝達される際の、操舵状態(操舵の切り増しや切り戻し)における変換特性の変化が考慮されていないため、セルフアライニングトルクや摩擦トルクの高精度な推定ができず、その結果、フィードフォワード制御を十分な精度で行うことができないという課題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、操舵状態(操舵の切り増しや切り戻し)における電動パワーステアリングモータからトルクが伝達される際の変換特性の変化を考慮し、設定される目標操舵トルクに対して、操舵角に応じ、操舵の切り増し時、或いは、切り戻し時の電動パワーステアリングモータのトルク値(若しくはモータ電流値)を適切に設定して精度良く制御することができる操舵制御装置を提供することを目的としている。
本発明の操舵制御装置の一態様は、電動パワーステアリングモータが発生する目標操舵トルクを算出する目標操舵トルク算出手段と、操舵の切り増しと操舵の切り戻しを判定する操舵状態判定手段と、上記電動パワーステアリングモータが発生する目標操舵トルクの補正量を上記操舵の切り増し時と上記操舵の切り戻し時とで異なって設定するトルク補正量設定手段と、上記操舵の切り増しの場合は、上記目標操舵トルクを上記操舵の切り増し時の補正量で補正する一方、上記操舵の切り戻しの場合は、上記目標操舵トルクを上記操舵の切り戻し時の補正量で補正する目標操舵トルク補正手段と、上記補正した目標操舵トルクが出力されて上記電動パワーステアリングモータを駆動する電動パワーステアリングモータ駆動手段とを備え、上記トルク補正量設定手段が設定する上記操舵の切り増し時の補正量は、予め設定する操舵切り増し補正ゲインを操舵角に乗算して算出するものであって、上記電動パワーステアリングモータによるモータトルクとドライバによるドライバトルクが操舵系に作用する外力トルクを推定する外力トルク推定手段を有し、上記操舵切り増し補正ゲインは、操舵の切り増し時における上記ドライバトルクが作用していない場合の上記モータトルクで得られる操舵角に応じた外力トルクの傾きと上記モータトルクが作用していない場合の上記ドライバトルクで得られる操舵角に応じた外力トルクの傾きとに基づいて算出し、上記目標操舵トルク補正手段は、上記目標操舵トルクから上記操舵の切り増し時の補正量を加減算して上記操舵の切り増し時における目標操舵トルクを算出する。また、本発明の操舵制御装置の他の一態様は、電動パワーステアリングモータが発生する目標操舵トルクを算出する目標操舵トルク算出手段と、操舵の切り増しと操舵の切り戻しを判定する操舵状態判定手段と、上記電動パワーステアリングモータが発生する目標操舵トルクの補正量を上記操舵の切り増し時と上記操舵の切り戻し時とで異なって設定するトルク補正量設定手段と、上記操舵の切り増しの場合は、上記目標操舵トルクを上記操舵の切り増し時の補正量で補正する一方、上記操舵の切り戻しの場合は、上記目標操舵トルクを上記操舵の切り戻し時の補正量で補正する目標操舵トルク補正手段と、上記補正した目標操舵トルクが出力されて上記電動パワーステアリングモータを駆動する電動パワーステアリングモータ駆動手段とを備え、上記トルク補正量設定手段が設定する上記操舵の切り増し時の補正量は、予め設定する操舵切り増し補正ゲインを操舵角に乗算して算出するものであって、上記電動パワーステアリングモータによるモータトルクとドライバによるドライバトルクが操舵系に作用する外力トルクを推定する外力トルク推定手段を有し、上記操舵切り増し補正ゲインは、操舵の切り増し時における上記ドライバトルクが作用していない場合の上記モータトルクで得られる操舵角に応じた外力トルクの傾きと操舵の切り戻し時における上記ドライバトルクが作用していない場合の上記モータトルクで得られる操舵角に応じた外力トルクの傾きとに基づいて算出し、上記目標操舵トルク補正手段は、上記目標操舵トルクから上記操舵の切り増し時の補正量を加減算して上記操舵の切り増し時における目標操舵トルクを算出する。更に、本発明の操舵制御装置の他の異なる一態様は、電動パワーステアリングモータが発生する目標操舵トルクを算出する目標操舵トルク算出手段と、操舵の切り増しと操舵の切り戻しを判定する操舵状態判定手段と、上記電動パワーステアリングモータが発生する目標操舵トルクの補正量を上記操舵の切り増し時と上記操舵の切り戻し時とで異なって設定するトルク補正量設定手段と、上記操舵の切り増しの場合は、上記目標操舵トルクを上記操舵の切り増し時の補正量で補正する一方、上記操舵の切り戻しの場合は、上記目標操舵トルクを上記操舵の切り戻し時の補正量で補正する目標操舵トルク補正手段と、上記補正した目標操舵トルクが出力されて上記電動パワーステアリングモータを駆動する電動パワーステアリングモータ駆動手段とを備え、上記トルク補正量設定手段が設定する上記操舵の切り増し時の補正量は、予め設定する操舵切り増し補正ゲインを操舵角に乗算して算出するものであって、上記電動パワーステアリングモータによるモータトルクとドライバによるドライバトルクが操舵系に作用する外力トルクを推定する外力トルク推定手段を有し、操舵角と外力トルクとのヒステリシス特性で操舵方向が変化した操舵角におけるヒステリシス幅を計測し、操舵角と該ヒステリシス幅の特性に基づいて操舵角に対するヒステリシス幅の傾きを算出し、上記操舵角に対するヒステリシス幅の傾きが正の場合は上記操舵切り増し補正ゲインを前回の値に対して減少する方向に補正する一方、上記操舵角に対するヒステリシス幅の傾きが負の場合は上記操舵切り増し補正ゲインを前回の値に対して増加する方向に補正して求め、上記目標操舵トルク補正手段は、上記目標操舵トルクから上記操舵の切り増し時の補正量を加減算して上記操舵の切り増し時における目標操舵トルクを算出する。
本発明による操舵制御装置によれば、操舵状態(操舵の切り増しや切り戻し)における電動パワーステアリングモータからトルクが伝達される際の変換特性の変化を考慮し、設定される目標操舵トルクに対して、操舵角に応じ、操舵の切り増し時、或いは、切り戻し時の電動パワーステアリングモータのトルク値(若しくはモータ電流値)を適切に設定して精度良く制御することが可能となる。
本発明の実施の一形態に係る車両の操舵系の構成説明図である。 本発明の実施の一形態に係る操舵制御部の機能ブロック図である。 本発明の実施の一形態に係る車線維持支援制御プログラムのフローチャートである。 本発明の実施の一形態に係る切り増し補正ゲインKfi算出ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の一形態に係るフィードフォワード演算項で用いる白線の曲率の説明図である。 本発明の実施の一形態に係るフィードバック演算項で用いる自車両の予測される走行位置での左右両白線の中心からのずれ量の説明図である。 本発明の実施の一形態に係るフィードバック演算項で用いる自車両の走行姿勢に基づく演算の説明図である。 本発明の実施の一形態に係る切り戻しゲインの特性説明図である。 本発明の実施の一形態に係る操舵角に対する外力トルクの操舵切り増し、切り戻しのそれぞれの場合のリファレンストルクとアシストトルクの説明図である。 本発明の実施の一形態に係る切り増し補正ゲインKfiの更新設定の説明図で、図10(a)は操舵角と外力トルクとのヒステリシス特性で操舵方向が変化した操舵角におけるヒステリシス幅の説明図を示し、図10(b)は操舵角に対するヒステリシス幅の座標の説明図である。 本発明の実施の一形態に係る車速に応じた切り増し補正ゲインKfiの特性の説明図である。 本発明の実施の一形態に係る設定される目標操舵トルクと該目標操舵トルクを実現するための目標電流の説明図で、図12(a)は設定される目標操舵トルクの一例を示し、図12(b)は、図12(a)の目標操舵トルクを実現するために設定される目標電流の一例を示す。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1において、符号1は操舵角をドライバ入力と独立して設定自在な電動パワーステアリング装置を示し、この電動パワーステアリング装置1は、ステアリング軸2が、図示しない車体フレームにステアリングコラム3を介して回動自在に支持されており、その一端が運転席側へ延出され、他端がエンジンルーム側へ延出されている。ステアリング軸2の運転席側端部には、ステアリングホイール4が固設され、また、エンジンルーム側へ延出する端部には、ピニオン軸5が連設されている。
エンジンルームには、車幅方向へ延出するステアリングギヤボックス6が配設されており、このステアリングギヤボックス6にラック軸7が往復移動自在に挿通支持されている。このラック軸7に形成されたラック(図示せず)に、ピニオン軸5に形成されたピニオンが噛合されて、ラックアンドピニオン式のステアリングギヤ機構が形成されている。
また、ラック軸7の左右両端はステアリングギヤボックス6の端部から各々突出されており、その端部に、タイロッド8を介してフロントナックル9が連設されている。このフロントナックル9は、操舵輪としての左右輪10L,10Rを回動自在に支持すると共に、車体フレームに転舵自在に支持されている。従って、ステアリングホイール4を操作し、ステアリング軸2、ピニオン軸5を回転させると、このピニオン軸5の回転によりラック軸7が左右方向へ移動し、その移動によりフロントナックル9がキングピン軸(図示せず)を中心に回動して、左右輪10L,10Rが左右方向へ転舵される。
また、ピニオン軸5にアシスト伝達機構11を介して、電動モータパワーステアリングモータ(電動モータ)12が連設されており、この電動モータ12にてステアリングホイール4に加える操舵トルクのアシスト、及び、設定された操舵角となるような操舵トルクの付加が行われる。電動モータ12は、後述する操舵制御部20で設定する目標操舵角θpdとなるように、目標電流Icmdが制御量として電動パワーステアリングモータ駆動手段としてのモータ駆動部21に出力されて、モータ駆動部21により駆動される。尚、操舵制御部20は、操舵トルクのアシスト機能も備えているが、本実施の形態では、操舵トルクのアシスト機能については説明を省略する。
操舵制御部20には、走行路の形状として前方の左右白線を認識して白線位置情報を取得する前方認識装置31、車速Vを検出する車速センサ32、操舵角θpを検出する操舵角センサ33、操舵トルクTsensを検出する操舵トルクセンサ34、ヨーレート(dθ/dt:θはヨー角を示す)を検出するヨーレートセンサ35、横加速度ayを検出する横加速度センサ36が接続されている。
前方認識装置31は、例えば、車室内の天井前方に一定の間隔をもって取り付けられ、車外の対象を異なる視点からステレオ撮像する1組のCCDカメラと、このCCDカメラからの画像データを処理するステレオ画像処理装置とから構成されている。
前方認識装置31のステレオ画像処理装置における、CCDカメラからの画像データの処理は、例えば以下のように行われる。まず、CCDカメラで撮像した自車両の進行方向の1組のステレオ画像対に対し、対応する位置のずれ量から距離情報を求め、距離画像を生成する。
白線データの認識では、白線は道路面と比較して高輝度であるという知得に基づき、道路の幅方向の輝度変化を評価して、画像平面における左右の白線の位置を画像平面上で特定する。この白線の実空間上の位置(x,y,z)は、画像平面上の位置(i,j)とこの位置に関して算出された視差とに基づいて、すなわち、距離情報に基づいて、周知の座標変換式より算出される。自車両の位置を基準に設定された実空間の座標系は、本実施の形態では、例えば、図5に示すように、ステレオカメラの中央真下の道路面を原点として、車幅方向をx軸、車高方向をy軸、車長方向(距離方向)をz軸とする。このとき、x−z平面(y=0)は、道路が平坦な場合、道路面と一致する。道路モデルは、道路上の自車両の走行レーンを距離方向に複数区間に分割し、各区間における左右の白線を所定に近似して連結することによって表現される。
そして、操舵制御部20は、上述の各入力信号を基に、走行路を走行するのに必要な目標操舵角θpdを算出し、該目標舵角θpdに応じて電動モータ12が発生する目標操舵トルクTcmdを算出し、目標舵角θpdと操舵角θpから操舵の切り増しと操舵の切り戻しを判定し、目標操舵トルクTcmdの補正量を操舵の切り増し時と上記操舵の切り戻し時とで異なって設定し、操舵の切り増しの場合は、目標操舵トルクTcmdを操舵の切り増し時の補正量で補正する一方、操舵の切り戻しの場合は、目標操舵トルクTcmdを操舵の切り戻し時の補正量で補正し、補正した目標操舵トルクTcmdを目標電流Icmdに変換してモータ駆動部21に出力して電動モータ12を駆動する。
このため、操舵制御部20は、図2に示すように、目標操舵角算出部20a、切り戻しゲイン設定部20b、目標操舵トルク算出部20c、操舵状態判定部20d、補正ゲイン算出部20e、切り戻し時目標電流算出部20f、切り増し時目標電流算出部20gから主要に構成されている。
目標操舵角算出部20aは、前方認識装置31から認識された画像情報が入力され、車速センサ32から車速Vが入力され、ヨーレートセンサ35からヨーレート(dθ/dt)が入力され、横加速度センサ36から横加速度ayが入力される。そして、例えば、以下の(1)式により、前方走行路に沿って走行するのに必要な目標操舵角θpdを算出する。
θpd=Gff・κ+Gfb1・((xr+xl)/2−xv)
+Gfb2・((θtr+θtl)/2−θ) …(1)
上述の(1)式の第1演算項「Gff・κ」は、フィードフォワードの演算項を示し、Gffはフィードフォワードゲインを示し、κは、例えば、以下の(2)式で示すような、車線曲率を示す。
κ=(κr+κl)/2 …(2)
ここで、κrは右白線による曲率成分であり、κlは左白線による曲率成分である。これら、左右白線の曲率成分κr,κlは、具体的には、図5に示すような、左右白線のそれぞれを構成する点に関して、二次の最小自乗法によって計算された二次項の係数を用いることによって定められる。例えば、x=A・z+B・z+Cの二次式で白線を近似した場合、Aの値が曲率成分として用いられる。尚、これら白線の曲率成分κr、κlは、それぞれの白線の曲率そのものでも良い。
また、上述の(1)式の第2演算項「Gfb1・((xr+xl)/2−xv)」は、フィードバックの演算項を示し、Gfb1はフィードバックゲインを示し、xvは車両の前方注視点のz座標におけるx座標である。この前方注視点とは、本実施の形態においては、例えば、図6に示すように、予め設定しておいた予見時間T(例えば、1.2秒)経過後に自車両が存在すると予測される点である。この前方注視点におけるz座標zvは、例えば、zv=T・Vで算出される。尚、単純に、前方の予め設定する距離の点としても良い。
従って、前方注視点のx座標xvは、車両の諸元や車両固有のスタビリティファクタA等を用いる場合には、例えば、以下の(3)式で算出することができる。また、車両速度Vやヨーレート(dθ/dt)を用いる場合には、以下の(4)式で算出することができる。
xv=(1/2)・(1/(1+A・V))・(θp/Lw)・(V・T)
…(3)
xv=(1/2)・(dθ/dt)/V・(V・T) …(4)
ここで、Lwはホイールベースである。
また、(1)式における、xrは前方注視点のz座標における右白線のx座標であり、xlは前方注視点のz座標における左白線のx座標である。
従って、(1)式の第2演算項は、図6に示すように、前方注視点と左右白線の中心点とのx座標偏差の演算項となっており、前方認識装置31で認識した自車両の予測される走行位置を基準とした左右白線の形状に基づいた演算項となっている。
また、(1)式の第3演算項「Gfb2・((θtr+θtl)/2−θ)」は、フィードバック演算項を示し、Gfb2はフィードバックゲインを示し、図7に示すように、θtrは前方認識装置31からの画像情報による右白線に対する自車両の傾き、θtlは前方認識装置31からの画像情報による左白線に対する自車両の傾きである。尚、これら、θtr、θtlは、例えば、画像情報で得られる白線の各点に対して、二次の最小二乗法によって計算された、一次項の係数(すなわち、白線を、x=A・z+B・z+cの式で近似した際のBの値)を用いる。
従って、(1)式の第3演算項は、図7に示すように、前方認識装置31で認識した白線に対する自車両の走行姿勢(ヨー角θ)の演算項となっている。
上述のように、(1)式により算出される目標操舵角θpdは、切り戻しゲイン設定部20b、操舵状態判定部20d、切り戻し時目標電流算出部20f、切り増し時目標電流算出部20gに出力される。尚、本実施の形態では、目標操舵角θpdを上述の(1)式で算出するようになっているが、これに限定するものではなく、他の算出式(例えば、フィードバック演算項が異なる式等)で算出するものであっても良い。
以下、切り戻しゲイン設定部20b、目標操舵トルク算出部20c、操舵状態判定部20d、補正ゲイン算出部20e、切り戻し時目標電流算出部20f、切り増し時目標電流算出部20gの構成は、目標操舵角算出部20aで算出した目標操舵角θpdを実現するための目標電流Icmdを求め、出力する構成となっているため、本発明の原理と共に説明する。
すなわち、操舵系の外力トルクTextの推定式は、操舵系の回動軸としてピニオン軸周りの運動方程式は、以下の(5)式で表現される。
J・(dθp/dt)+C・(dθp/dt)=Tmtr+Tdrv−Text …(5)
ここで、Jはピニオン軸周りの操舵系慣性モーメント、Cは粘性摩擦係数、Tmtrは電動モータパワーステアリングモータ(電動モータ)のトルク(アシストトルク)、Tdrvはドライバトルクを示す。
上述の(5)式を外力トルクTextについて変形すると、以下の(6)式が得られる。
Text=Tmtr+Tdrv−(J・(dθp/dt)+C・(dθp/dt))…(6)
ここで、「(J・(dθp/dt)+C・(dθp/dt))」の演算項は、操舵の過渡項であり、操舵角変化が無視できる範囲においては、この過渡項を「0」と近似して、以下の(7)式を得ることができる。
Text=Tmtr+Tdrv …(7)
一方、上述の外力トルクTextの内訳は、以下の(8)式となる。
Text=Tsat+Tjkup+Tfric+Tdis …(8)
ここで、Tsatはセルフアライニングトルク、Tjkupは車両のジャッキアップトルク、Tfricは摩擦トルク、Tdisは路面勾配・風等の外乱トルクである。
すなわち、(8)式からも明らかなように、外力トルクTextは、セルフアライニングトルクTsat、車両のジャッキアップトルクTjkup等の操舵角依存項と、摩擦トルクTfric、外乱トルクTdis等の操舵角非依存項の要素に大別できるため、以下の(9)式により表現される。
Text=K・θp+Tfric+Tdis …(9)
ここで、Kは操舵角比例トルクゲインである。
上述の(5)式において、ドライバトルクTdrvは、ドライバの発生するピニオン軸周りのトルクであり、トーションバー軸に備えられているトルクセンサ(操舵トルクセンサ34)によって検出される。すなわち、
Tdrv=Tsens …(10)
また、上述の(5)式において、電動モータのトルクTmtrは、アシストトルクであり、シャント抵抗等によって検出されたモータ電流値を基に、以下の(11)式を用いて推定される。
Tmtr=η・rgr・Kt・Im …(11)
ここで、Ktはモータトルク定数、Imはモータ電流値、ηは減速機伝達効率、rgrは減速機によるモータ軸トルクからピニオン軸トルクへの倍率である。
そして、ピニオンアシスト方式の電動パワーステアリングシステムにおいて、アシストトルクが無い状態で操舵角θpを変化させるために必要なトルクをリファレンストルクとする。このリファレンストルクを計測するため、(7)式において、電動モータを非作動状態(Tmtr=0)とした、以下の(12)式により、リファレンストルクの計測を行う。すなわち、(12)式は、ドライバトルクTdrvから外力トルクTextを推定する式であり、操舵トルクセンサ34により計測されることを示す。
Text=Tdrv=Tsens …(12)
次に、電動モータのアシストトルクTmtrの特性を検証するため、(6)式の過渡項を除外した(7)式で、ドライバがハンドル手放し状態(Tdrv=0)とした、以下の(13)式により、外力トルクTextの計測を行った。
Text=Tmtr=η・rgr・Kt・Im …(13)
以上の計測結果を、図9に示す。
図9より、操舵切り増し時に、リファレンストルクとアシストトルクとの乖離が顕著であり、一方、操舵切り戻し時には、リファレンストルクとアシストトルクとは略同等の値をとる。また、アシストトルクは切り増し時に、リファレンストルクよりも多くのトルクを発生させなければ操舵角θpを発生できない。これは、リファレンストルクのように減速機を介さない場合と、アシストトルクのように減速機を介してトルクが伝達される場合の特性差と考えることができる。
リファレンストルクの傾きが、前述の(9)式におけるセルフアライニングトルクTsat等の操舵角依存項に関する操舵角比例トルクゲインKと考えられるが、アシストトルクから(13)式を用いて推定した外力トルクTextは、この操舵の切り増し時に顕著にみられる特性変動を考慮せず、セルフアライニングトルクTsatの推定や、摩擦トルクTfricの推定等を実施すると、過大なセルフアライニングトルクTsatの値や摩擦トルクTfricの値等として推定されてしまう。また、逆に、適切に推定されたセルフアライニングトルクTsatの値を用いて制御を行おうとした場合には、操舵切り増し時にモータトルクが不足してしまう虞がある。
本願の発明者は、このような技術的課題に着目して本願を想到するに至ったものである。セルフアライニングトルクTsat及び摩擦トルクTfric等を精度良く推定するために、電動モータのアシストトルクによる外力トルクTextの推定成分については、操舵の切り増し時の外力トルク増加分をリファレンストルクに適合するよう補正する必要がある。また、制御においては目標操舵トルクTcmd、若しくは目標電流Icmdに対して操舵の切り増し時に補正を行う必要がある。操舵角θpが小さい領域では、この補正分を操舵角θpによる線形ゲインで近似できる。よって、本特性を考慮し、操舵角依存の補正ゲインとしてモータ電流値からアシストトルクを推定する(11)式を、以下の(14)、(15)式のように修正する。
・操舵の切り増し状態
Tmtr=η・rgr・Kt・Im±Kfi・θp …(14)
ここで、Kfiは切り増し補正ゲイン(符号は操舵方向に依る)である。
・操舵の切り戻し状態
Tmtr=η・rgr・Kt・Im±Kfd・θp …(15)
ここで、Kfdは切り戻し補正ゲイン(符号は操舵方向に依る)である。
以上の、切り増し補正ゲインKfi、切り戻し補正ゲインKfdは、操舵角θp−リファレンストルクの傾きに対する、操舵角θp−アシストトルクの傾きの差で表される。また、切り戻し補正ゲインKfdは、図9からも明らかなように、特に操舵角θpの絶対値が小さい領域では、Kfi>Kfd≒0と近似され、(15)式は、(13)式となる。換言すれば、操舵の切り戻し時のアシストトルクは、リファレンストルクと略同じ値となるため、操舵の切り増し時の補正量「Kfi・θp」を求めることにより、操舵の切り増し、操舵の切り戻しの操舵状態におけるモータトルクTmtrを精度良く求めることができるようになる。
次に、切り戻しゲイン設定部20b〜切り増し時目標電流算出部20gの各構成について詳述する。
切り戻しゲイン設定部20bは、車速センサ32から車速Vが入力され、目標操舵角算出部20aから目標操舵角θpdが入力される。そして、予め実験、計算、学習等により設定しておいた、図8に示すような、車速Vに応じたマップを参照し、切り戻しゲインKdを設定する。更に、切り戻しゲイン設定部20bでは、切り戻しゲインKdに目標操舵角θpdを乗算(Kd・θpd)して目標操舵トルク算出部20cに出力する。
目標操舵トルク算出部20cは、切り戻しゲイン設定部20bから切り戻しゲインKdに目標操舵角θpdを乗算した値(Kd・θpd)が入力され、補正ゲイン算出部20eから摩擦トルクTfricが入力される。そして、例えば、以下の(16)式により、操舵の切り増し、切り戻しを考慮する前の目標操舵トルクTcmdを算出し、切り戻し時目標電流算出部20f、切り増し時目標電流算出部20gに出力する。
Tcmd=Kd・θpd+Tfric+Tdis …(16)
ここで、摩擦トルクTfricは、本実施の形態では後述するように補正ゲイン算出部20eで算出した値を用いるようになっているが、他の方法で求めた値としても良い。また、外乱トルクTdisは、本実施の形態では、別途外乱トルクを推定する手段にて予め算出した値である。このように、目標操舵トルク算出部20cは目標操舵トルク算出手段として設けられている。
操舵状態判定部20dは、操舵角センサ33から操舵角θpが入力され、目標操舵角算出部20aから目標操舵角θpdが入力される。そして、目標操舵角θpdと操舵角θpとの偏差θdiff(=θpd−θp)を算出し、目標操舵角θpdと偏差θdiffとを用いて、以下のように、操舵の切り増しと切り戻しとを判定する。
・操舵の切り増しと判定する条件
「θpd≧0、且つ、θdiff≧0の場合」、或いは、
「θpd<0、且つ、θdiff<0の場合」
・操舵の切り戻しと判定する条件
「θpd≧0、且つ、θdiff<0の場合」、或いは、
「θpd<0、且つ、θdiff≧0の場合」
この操舵状態判定部20dで判定された判定結果は、切り戻し時目標電流算出部20f、切り増し時目標電流算出部20gに出力される。このように、操舵状態判定部20dは操舵状態判定手段として設けられている。
補正ゲイン算出部20eは、操舵角センサ33から操舵角θpが入力され、操舵トルクセンサ34から操舵トルクTsensが入力され、モータ駆動部21からモータ電流Imが入力される。そして、本実施の形態では、操舵角θpと外力トルクTextを軸にとった座標系において、図4に示すプログラムに従って、操舵角θpと外力トルクTextとのヒステリシス特性で操舵方向が変化した操舵角θpにおけるヒステリシス幅Twを計測し、操舵角θpと該ヒステリシス幅Twの特性に基づいて操舵角θpに対するヒステリシス幅Twの傾きを算出し、操舵角θpに対するヒステリシス幅Twの傾きが正の場合は切り増し補正ゲインKfiを前回の値に対して減少する方向に補正する一方、操舵角θpに対するヒステリシス幅Twの傾きが負の場合は切り増し補正ゲインKfiを前回の値に対して増加する方向に補正して求める。尚、前述した如く、切り戻し補正ゲインKfdは、Kfd≒0と近似する。
図4では、まず、ステップ(以下、「S」と略称)201で、以下の(17)式により、外力トルクTextを算出する。
Text=Tsens+η・rgr・Kt・Im−/+Kfi・θp …(17)
次いで、S202に進み、操舵角速度(dθp/dt)の正負符号の変化から操舵方向が変化したか否か判定する。
そして、操舵角速度(dθp/dt)の正負符号が変化して操舵方向が変化したと判定した場合は、S203に進み、図10(a)に示すように、外力トルクTextの上点と下点の幅をヒステリシス幅Twとして計測する。
次に、S204に進み、図10(b)に示すように、操舵角θp−ヒステリシス幅Twの座標系に計測点を投影する。
次いで、S205に進み、操舵角θp−ヒステリシス幅Twの座標系において、最小二乗法で線形回帰を行い、以下の(18)式の回帰係数Alsm、Blsmを求める。
Tw=Alsm・θp+Blsm …(18)
ここで、最小二乗法による回帰係数Alsmは、操舵切り戻し時の操舵角θp−アシストトルクの傾きKdより、操舵切り増し時の操舵角θp−アシストトルクの傾きKiが大きい場合にAlsm>0となり、その逆の場合にAlsm<0となる。
従って、S206に進むと、以下の(19)式により、回帰係数Alsmに基づいて、補正ゲイン補正値ΔKfiを算出する。
ΔKfi=−Gl・Alsm …(19)
次いで、S207に進み、以下の(20)式により、切り増し補正ゲインKfiを更新し、S208に進んで、切り増し補正ゲインKfiを出力する。
Kfi(k+1)=Kfi(k)+ΔKfi …(20)
ここで、上述の(18)式、及び、図10(b)からも明らかなように、回帰係数Blsmと摩擦トルクTfricの関係は、Blsm=2・Tfricとなり、摩擦トルクTfricは、以下の(21)式で推定できる。
Tfric=Blsm/2 …(21)
従って、(21)式により推定される摩擦トルクTfricは、目標操舵トルク算出部20cに出力される。
尚、本実施の補正ゲイン算出部20eでは、上述の如く、操舵角θp−ヒステリシス幅Twの座標系において回帰係数Alsm、Blsmを求め、切り増し補正ゲインKfiを更新して求めていく方法であるが、別の方法により算出するようにしても良い。例えば、図9に示すように、リファレンストルク及びアシストトルクを予め計測しておき、操舵角θpに対するリファレンストルクの傾きをKrefとし、操舵の切り増し時の操舵角θpに対するアシストトルクの傾きをKiとして、以下の(22)式で求めるようにしても良い。
Kfi=Ki−Kref …(22)
更に、操舵の切り戻し時の操舵角θpに対するアシストトルクの傾きをKdとすると、アシストトルクの切り戻しの傾きは、Kd≒Krefなので、一致していると考え、上述の(22)式を変形した、以下の(23)式により算出することもできる。
Kfi=Ki−Kd …(23)
すなわち、操舵の切り戻し状態と、操舵の切り増し状態を判定し、各々の傾きKd、Kiを計測することで、切り増し補正ゲインKfiを推定するのである。
また、切り増し補正ゲインKfiは、図11に示すように、車速Vに対して単調増加する特性となっている。従って、車速Vに応じて切り増し補正ゲインKfiのマップを設定し、推定された切り増し補正ゲインKfiと車速Vによって、マップ値を変化させて学習するようにしても良い。また、適切な次数でフィッティング処理を行って、モデルパラメータを更新するようにしても良い。
こうして、補正ゲイン算出部20eで設定された、切り戻し補正ゲインKfd(=0とする)は、切り戻し時目標電流算出部20fに出力され、切り増し補正ゲインKfiは、切り増し時目標電流算出部20gに出力される。このように補正ゲイン算出部20eは、トルク補正量設定手段としての機能を有して設けられている。
切り戻し時目標電流算出部20fは、目標操舵角算出部20aから目標操舵角θpdが入力され、目標操舵トルク算出部20cから操舵の切り増し、切り戻しを考慮する前の目標操舵トルクTcmdが入力され、操舵状態判定部20dから操舵状態の判定結果(切り増し、切り戻し)が入力され、補正ゲイン算出部20eから切り戻し補正ゲインKfd(=0とする)が入力される。そして、操舵切り戻しと判定されている場合に、以下の(24)式により、切り戻し時の目標操舵トルクTcmdを目標電流Icmdに変換して、モータ駆動部21に出力する。
Icmd=(Kd・θpd+Tfric+Tdis)/(η・rgr・Kt) …(24)
切り増し時目標電流算出部20gは、目標操舵角算出部20aから目標操舵角θpdが入力され、目標操舵トルク算出部20cから操舵の切り増し、切り戻しを考慮する前の目標操舵トルクTcmdが入力され、操舵状態判定部20dから操舵状態の判定結果(切り増し、切り戻し)が入力され、補正ゲイン算出部20eから切り増し補正ゲインKfiが入力される。そして、操舵切り増しと判定されている場合に、以下の(25)式により、切り増し時の目標操舵トルクTcmdを目標電流Icmdに変換して、モータ駆動部21に出力する。
Icmd=(Kd・θpd+Tfric+Tdis+Kfi・θpd)
/(η・rgr・Kt) …(25)
ここで、切り戻し時目標電流算出部20fにおける上述の(24)式では、切り増し時目標電流算出部20gにおける上述の(25)式の「+Kfi・θpd」の補正項が無い。これは、前述した如く、本来の補正項である「+Kfd・θpd」の補正項における切り戻し補正ゲインKfdが「0」と近似されているためである。このように切り戻し時目標電流算出部20f、切り増し時目標電流算出部20gは、目標操舵トルク補正手段としての機能を有して設けられている。
次に、上述の操舵制御部20で実行される車線維持支援制御を図3のフローチャートで説明する。
まず、S101で必要なパラメータ、すなわち、走行路の形状、車速V、操舵角θp、操舵トルクTsens、ヨーレート(dθ/dt)、横加速度ayを読み込む。
次に、S102に進み、目標操舵角算出部20aで、前述の(1)式により、目標操舵角θpdを算出する。
次いで、S103に進んで、切り戻しゲイン設定部20bで、予め実験、計算、学習等により設定しておいた、図8に示すような、車速Vに応じたマップを参照し、切り戻しゲインKdを設定する。
次に、S104に進み、目標操舵トルク算出部20cで、前述の(16)式により、操舵の切り増し、切り戻しを考慮する前の目標操舵トルクTcmdを算出する。
次いで、S105に進んで、操舵状態判定部20dで、前述の如く、目標操舵角θpdと偏差θdiffとを用いて、操舵の切り増しと切り戻しとを判定し、操舵が切り戻し状態の場合は、S106に進み、切り戻し時目標電流算出部20fで、前述の(24)式により、切り戻し時の目標操舵トルクTcmdを目標電流Icmdに変換して算出する。
一方、S105で、操舵が切り増し状態の場合は、S107に進み、補正ゲイン算出部20eで前述の如く算出されている切り増し補正ゲインKfiを読み込む。
次いで、S108に進み、切り増し時目標電流算出部20gで、前述の(25)式により、切り増し時の目標操舵トルクTcmdを目標電流Icmdに変換して算出する。
そして、S106、或いは、S108で目標電流Icmdを設定した後は、S109に進み、目標電流Icmdをモータ駆動部21に出力してプログラムを抜ける。
このように、本発明の実施の形態によれば、操舵制御部20は、走行路を走行するのに必要な目標操舵角θpdを算出し、該目標舵角θpdに応じて電動モータ12が発生する目標操舵トルクTcmdを算出し、目標舵角θpdと操舵角θpから操舵の切り増しと操舵の切り戻しを判定し、目標操舵トルクTcmdの補正量を操舵の切り増し時と上記操舵の切り戻し時とで異なって設定し、操舵の切り増しの場合は、目標操舵トルクTcmdを操舵の切り増し時の補正量で補正する一方、操舵の切り戻しの場合は、目標操舵トルクTcmdを操舵の切り戻し時の補正量で補正し、補正した目標操舵トルクTcmdを目標電流Icmdに変換してモータ駆動部21に出力して電動モータ12を駆動する。このため、操舵状態(操舵の切り増しや切り戻し)における電動パワーステアリングモータからトルクが伝達される際の変換特性の変化を考慮し、設定される目標操舵トルクに対して、操舵角に応じ、操舵の切り増し時、或いは、切り戻し時の電動パワーステアリングモータのトルク値(若しくはモータ電流値)を適切に設定して精度良く制御することが可能となる。
尚、本実施の形態においては、目標操舵トルクTcmdを前方走行路に沿って走行するのに必要な目標操舵角θpdから算出し、該目標操舵トルクTcmdを精度良く実現すべく制御するようになっているが、一般的なドライバトルクに対するアシストトルクを設定する電動パワーステアリング装置に対しても適用できることは言うまでも無い。
例えば、舵力感応パワーステアリング制御の応用例を、図12に示す。舵力感応パワーステアリング制御は、所定の車速において、図12(a)に示すように、操舵トルクセンサ34によって検出されたドライバトルクTdrv(=Tsens)に対して、電動モータによるアシストトルクが設定され、これを目標操舵トルクTcmdとして、更に、公知の慣性補償制御・ダンピング制御・摩擦補償制御が適応されるシステムがある。
そして、こうして最終的に設定される目標操舵トルクTcmdに対して目標電流Icmdを設定する際に、本実施形態による操舵の切り増し時、若しくは、切り戻し時の方向でアシストトルクを発生させる場合に、図12(b)に示すように、特に操舵の切り増し時に切り増し補正ゲインKfiを考慮した目標電流Icmdが設定されることで、図12(a)に示す、目標操舵トルクTcmdを精度良く発生できるようになる。
1 電動パワーステアリング装置
2 ステアリング軸
4 ステアリングホイール
5 ピニオン軸
10L、10R 車輪
12 電動モータ
20 操舵制御部
20a 目標操舵角算出部
20b 切り戻しゲイン設定部
20c 目標操舵トルク算出部(目標操舵トルク算出手段)
20d 操舵状態判定部(操舵状態判定手段)
20e 補正ゲイン算出部(トルク補正量設定手段)
20f 切り戻し時目標電流算出部(目標操舵トルク補正手段)
20g 切り増し時目標電流算出部(目標操舵トルク補正手段)
21 モータ駆動部(電動パワーステアリングモータ駆動手段)
31 前方認識装置
32 車速センサ
33 操舵角センサ
34 操舵トルクセンサ
35 ヨーレートセンサ
36 横加速度センサ

Claims (6)

  1. 電動パワーステアリングモータが発生する目標操舵トルクを算出する目標操舵トルク算出手段と、
    操舵の切り増しと操舵の切り戻しを判定する操舵状態判定手段と、
    上記電動パワーステアリングモータが発生する目標操舵トルクの補正量を上記操舵の切り増し時と上記操舵の切り戻し時とで異なって設定するトルク補正量設定手段と、
    上記操舵の切り増しの場合は、上記目標操舵トルクを上記操舵の切り増し時の補正量で補正する一方、上記操舵の切り戻しの場合は、上記目標操舵トルクを上記操舵の切り戻し時の補正量で補正する目標操舵トルク補正手段と、
    上記補正した目標操舵トルクが出力されて上記電動パワーステアリングモータを駆動する電動パワーステアリングモータ駆動手段とを備え、
    上記トルク補正量設定手段が設定する上記操舵の切り増し時の補正量は、予め設定する操舵切り増し補正ゲインを操舵角に乗算して算出するものであって、
    上記電動パワーステアリングモータによるモータトルクとドライバによるドライバトルクが操舵系に作用する外力トルクを推定する外力トルク推定手段を有し、上記操舵切り増し補正ゲインは、操舵の切り増し時における上記ドライバトルクが作用していない場合の上記モータトルクで得られる操舵角に応じた外力トルクの傾きと上記モータトルクが作用していない場合の上記ドライバトルクで得られる操舵角に応じた外力トルクの傾きとに基づいて算出し、上記目標操舵トルク補正手段は、上記目標操舵トルクから上記操舵の切り増し時の補正量を加減算して上記操舵の切り増し時における目標操舵トルクを算出することを特徴とする操舵制御装置。
  2. 電動パワーステアリングモータが発生する目標操舵トルクを算出する目標操舵トルク算出手段と、
    操舵の切り増しと操舵の切り戻しを判定する操舵状態判定手段と、
    上記電動パワーステアリングモータが発生する目標操舵トルクの補正量を上記操舵の切り増し時と上記操舵の切り戻し時とで異なって設定するトルク補正量設定手段と、
    上記操舵の切り増しの場合は、上記目標操舵トルクを上記操舵の切り増し時の補正量で補正する一方、上記操舵の切り戻しの場合は、上記目標操舵トルクを上記操舵の切り戻し時の補正量で補正する目標操舵トルク補正手段と、
    上記補正した目標操舵トルクが出力されて上記電動パワーステアリングモータを駆動する電動パワーステアリングモータ駆動手段とを備え、
    上記トルク補正量設定手段が設定する上記操舵の切り増し時の補正量は、予め設定する操舵切り増し補正ゲインを操舵角に乗算して算出するものであって、
    上記電動パワーステアリングモータによるモータトルクとドライバによるドライバトルクが操舵系に作用する外力トルクを推定する外力トルク推定手段を有し、上記操舵切り増し補正ゲインは、操舵の切り増し時における上記ドライバトルクが作用していない場合の上記モータトルクで得られる操舵角に応じた外力トルクの傾きと操舵の切り戻し時における上記ドライバトルクが作用していない場合の上記モータトルクで得られる操舵角に応じた外力トルクの傾きとに基づいて算出し、上記目標操舵トルク補正手段は、上記目標操舵トルクから上記操舵の切り増し時の補正量を加減算して上記操舵の切り増し時における目標操舵トルクを算出することを特徴とする操舵制御装置。
  3. 電動パワーステアリングモータが発生する目標操舵トルクを算出する目標操舵トルク算出手段と、
    操舵の切り増しと操舵の切り戻しを判定する操舵状態判定手段と、
    上記電動パワーステアリングモータが発生する目標操舵トルクの補正量を上記操舵の切り増し時と上記操舵の切り戻し時とで異なって設定するトルク補正量設定手段と、
    上記操舵の切り増しの場合は、上記目標操舵トルクを上記操舵の切り増し時の補正量で補正する一方、上記操舵の切り戻しの場合は、上記目標操舵トルクを上記操舵の切り戻し時の補正量で補正する目標操舵トルク補正手段と、
    上記補正した目標操舵トルクが出力されて上記電動パワーステアリングモータを駆動する電動パワーステアリングモータ駆動手段とを備え、
    上記トルク補正量設定手段が設定する上記操舵の切り増し時の補正量は、予め設定する操舵切り増し補正ゲインを操舵角に乗算して算出するものであって、
    上記電動パワーステアリングモータによるモータトルクとドライバによるドライバトルクが操舵系に作用する外力トルクを推定する外力トルク推定手段を有し、操舵角と外力トルクとのヒステリシス特性で操舵方向が変化した操舵角におけるヒステリシス幅を計測し、操舵角と該ヒステリシス幅の特性に基づいて操舵角に対するヒステリシス幅の傾きを算出し、上記操舵角に対するヒステリシス幅の傾きが正の場合は上記操舵切り増し補正ゲインを前回の値に対して減少する方向に補正する一方、上記操舵角に対するヒステリシス幅の傾きが負の場合は上記操舵切り増し補正ゲインを前回の値に対して増加する方向に補正して求め、上記目標操舵トルク補正手段は、上記目標操舵トルクから上記操舵の切り増し時の補正量を加減算して上記操舵の切り増し時における目標操舵トルクを算出することを特徴とする操舵制御装置。
  4. 上記トルク補正量設定手段は、上記操舵の切り増し時の補正量を上記操舵の切り戻し時の補正量よりも大きく設定することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の操舵制御装置。
  5. 上記目標操舵トルク算出手段は、検出した走行路の形状に基づいて目標操舵角と目標ヨーレートと目標横加速度の少なくとも1つの目標値を算出し、該目標値に応じて上記目標操舵トルクを算出することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の操舵制御装置。
  6. 上記目標操舵トルク算出手段は、ドライバによるドライバトルクをアシストするアシストトルクを上記目標操舵トルクとして算出することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載の操舵制御装置。
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