JP6103347B2 - 発電設備におけるボイラ消火後のボイラ強制冷却方法 - Google Patents

発電設備におけるボイラ消火後のボイラ強制冷却方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、火力発電設備におけるボイラ消火後のボイラ強制冷却方法に関する。
前記火力発電設備においては、ボイラの起動時に蒸気タービンに供給する蒸気条件が成立するまで、ボイラに水を供給し、ボイラを通過した蒸気を復水して再びボイラに戻す起動系統と、この起動系統に水を循環させる運転を行う起動系統補機と、ボイラに対して通気および排気を行う2系列の通風系統と、通風系統の通気および排気運転を行う通風系統補機と、ボイラの温度を検出する温度検出装置と、ボイラの圧力を検出する圧力検出装置と、起動系統補機および通風系統補機への給電制御を行うメタクラ盤(高圧閉鎖配電盤)とを備えていることが知られている(特許文献1)。
そして、前記火力発電設備においては、ボイラにより給水を過熱し、過熱蒸気を蒸気タービンに送り込むことによって蒸気タービンに仕事をさせ、発電を行っている。一方、火力発電設備は、消費電力量に応じて低負荷運転や運転の休止を行っている。また、定期点検等を行うために、一定期間ごとに運転を休止している。そして、火力発電設備の運転休止時においては、ボイラ内への化石燃料の供給を停止して消火し、次いで送風および水管への給水の供給によりボイラを強制冷却する。ボイラの強制冷却を行う際には、過熱された設備への損傷を防止するため、温度降下率を一定以下に保つことが必要とされる。
ところで、火力発電設備において用いられるボイラとしては、貫流ボイラおよび循環ボイラ等が知られているが、近年最もよく用いられているボイラは貫流ボイラである。貫流ボイラはボイラ内に備えられる水管の一端から給水を供給し、給水を予熱し、蒸発させ、次いで過熱して、他端から過熱蒸気を排出する構造を有するボイラである。
特開2010−216730号公報
前記火力発電設備の場合、上述したように、過熱された設備への損傷を防止すべく、ボイラの温度降下率を一定以下に保つことが必要とされている。理想的には、ボイラの入口流体温度の温度降下率は、110℃/Hであり、これによれば、ボイラに対する強制冷却は、3時間程度で終了することになる。しかしながら、実際には、温度降下率は110℃/Hよりも大幅に低く、7時間程度と多大の時間を要しているのが現況である。
そして、ボイラを強制冷却する手段としては、主として、メタクラ盤の通風系統が使用されている。この通風系統の風は、ボイラを有効に冷却する効果は実際には少ない。したがって、7時間をかけて通風系統を使用していることから、補機の動力費および補助蒸気など無駄に消費していることになる。具体的には、2系列の通風系統が、ボイラ冷却終了まで使用されており、無駄がある。また、通風系統の補機であるガス再循環送風機は、ボイラ消火後では、殆ど無負荷の状態であるため、仕事をしておらず、さらに無駄がある。
また、ボイラを強制冷却する手段として、ボイラ内の水管に給水してボイラの冷却を行っている。具体的には、ボイラ内に水管を介して入口から出口に通水されることにより、ボイラが冷却される。この場合、水による冷却効果が大きいにも関わらず、水管に通水される水量では、ボイラ内部を十分に冷却することはできない。
また、起動時において制御される熱回収弁の開度が、ボイラの消火後も熱回収向上用の制御に保持された状態になっている。したがって、ボイラを冷却するための開度になっていない。
そこで、本発明は、ボイラ消火後、水を有効利用してボイラ内部を無駄なく効率よく強制冷却することができる、発電設備におけるボイラ消火後のボイラ強制冷却方法を提供することを課題とする。
本発明に係る、発電設備におけるボイラ消火後のボイラ強制冷却方法は、ボイラ内部に設けられた一次過熱器の入口から蒸気を回収する第1のバイパス系統と、ボイラ内部に設けられた一次過熱器の出口から蒸気を回収する第2のバイパス系統と、ボイラ内部の燃焼を補助すべく、ボイラ内部に所定の風量を供給する通風系統とを備えた発電設備における、ボイラ消火後のボイラ強制冷却方法において、通風系統によって、前記所定の風量よりも少ない風量を供給しつつ、第1のバイパス系統に第1の給水量を給水し滞留させて、一次過熱器の入口流体温度を除燃した後、通風系統によって、前記所定量よりも少ない風量を維持しつつ、第1のバイパス系統から第2のバイパス系統に、第1の水量から減水した第2の給水量を通水させて、一次過熱器の入口流体温度を降下させるようにしたことを特徴とする。
かかる構成によれば、冷却に有効に作用する水をボイラの第1のバイパス系統に供給して溜めて、一次過熱器の入口流体温度を強制冷却(除燃)する。その後、第1のバイパス系統に供給した水量から減水させた水を、第2のバイパス系統に流通させて、一次過熱器の入口流体温度を強制冷却(温度降下)する。一方、水による強制冷却が完了するまで、総出力よりも少ない風量をボイラ内部に供給する。そうすることで、ボイラを無駄なく効率よく強制冷却することができる。
また、本発明によれば、前記第1の給水量は、前記一次過熱器の入口流体温度が280℃〜235℃となる条件で、前記第1のバイパス系統に、300t/h程度の給水量が給水されて滞留されることが好ましい。
かかる構成によれば、冷却効果の大きい水を、多量に給水して滞留させることで、一次過熱器の入口流体温度を効果的に強制冷却することができる。なお、ボイラの一次過熱器の入口流体温度を280℃〜235℃とした理由は、ボイラの消火後における、一次過熱器の入口流体温度は、280℃程度であり、一次過熱器の入口流体温度が235℃程度で、ボイラの一次過熱器の入口流体温度が除燃されたと判断されるからである。そして、ボイラ消火後における一次過熱器の入口流体温度(280℃程度)と、除燃されたと判断する一次過熱器の入口流体温度(235℃程度)との温度差が小さいことから、ボイラの冷却開始時の温度降下率を監視することなく、多量の冷却水を短時間で溜めて冷却することができる。そして、温度降下率を監視しつつ冷却水量を増加する必要がないことから、オペレータの負担も軽減することができる。
また、本発明によれば、前記第2の給水量は、前記一次過熱器の入口流体温度が235℃未満〜80℃となる条件で、第1のバイパス系統から第2のバイパス系統に、150〜250t/hの給水量が給水されることが好ましい。
この場合、除燃後の一次過熱器の入口流体温度を降下させるのに適した給水量になっており、無駄がない。
また、本発明によれば、前記通風系統による総出力よりも少ない風量とは、総出力の40%の風量であることが好ましい。
この場合、風による冷却効果が小さいことから40%にすることで、通風系統の総出力を低減できて、無駄がなくなる。また、風量を40%にすることで、ボイラ内部を効率的に冷却することができるとともに、ボイラ内部を空冷しすぎることによる、ボイラ内部の配管等の損傷を未然に防ぐことができる。
また、本発明によれば、前記第1の給水量に対する水圧をボイラ定格水圧とし、前記第2の給水量に対する水圧を1.5MPa〜4.0MPaとすることが好ましい。
かかる構成によれば、第1の給水量および第2の給水量は、それぞれの給水量に適した水圧によって供給されるので、無駄がない。
また、本発明によれば、前記発電設備は、前記第1のバイパス系統と前記第2のバイパス系統とから蒸気を回収するフラッシュタンクと、回収した蒸気を復水する復水器と、フラッシュタンクのドレンおよび復水器の復水を脱気する脱気器とをさらに備えており、フラッシュタンクからのドレンが復水器に多く流れるように、弁開度を調整して、フラッシュタンクから脱気器へ流れるドレンを少なくすることが好ましい。
かかる構成によれば、脱気器の温度が低下しやすくなり、一次過熱器の入口への給水温度が低下し、ボイラ冷却時間が短縮される。
本発明によれば、ボイラ消火後、水を有効利用してボイラ内部を無駄なく効率よく強制冷却することができる。
本発明の一実施形態に係るボイラの水蒸気系統を示す概略構成図。 同実施形態に係るボイラの通風系統を示す概略構成図。 同実施形態に係るボイラのメタクラ盤(高圧閉鎖配電盤)を示す概略構成図。 同実施形態に係るボイラ強制冷却方法の説明図。
本発明に係る、発電設備におけるボイラ消火後のボイラ強制冷却方法の一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。なお、本実施形態においては、火力発電設備の発電ユニットを例にとって説明する。また、冷却水としては、海水を使用する。
本実施形態に係る火力発電設備においては、ボイラの起動時に蒸気タービンに供給する蒸気条件が成立するまで、ボイラに水を供給し、ボイラを通過した蒸気を復水して再びボイラに戻す起動系統と、この起動系統に水を循環させる運転を行う起動系統補機と、ボイラに対して通気および排気を行う2系列の通風系統と、通風系統の通気および排気運転を行う通風系統補機と、ボイラの温度を検出する温度検出装置と、ボイラの圧力を検出する圧力検出装置と、起動系統補機および通風系統補機への給電制御を行うメタクラ盤(高圧閉鎖配電盤)とを備えている。
ボイラの起動系統は、図1に示すように、脱気器10と、M−BFP(電動給水ポンプ)12と、ボイラ50と、図示しない蒸気タービンと、フラッシュタンク24と、復水器30と、復水ポンプ32とを備えている。
脱気器10は、フラッシュタンク24のドレン、および、復水器30からの復水を脱気する。M−BFP12は、脱気器10とボイラ50を連結する配管に設けられ、ボイラ50に水を送り出す。フラッシュタンク24は、ボイラ50からの廃蒸気を回収(汽水分離)する。復水器30は、ボイラ50で得られた蒸気を使用後に海水により復水する。復水ポンプ32は、復水器30の水を脱気器10に送り出す。
ボイラ50は、燃料を燃焼させた燃焼熱を発生させる。そして、ボイラ50は、水壁13、ケージ壁14、一次過熱器(以下、過熱器をSHという)16および二次SH18などによって構成される。脱気器10によって脱気された水はM−BFP12によって送り出され、M−BFP12から送り出された給水は、出口側に設けられた弁によって流量が調整され、図示しない高圧ヒータを通してボイラ50の水壁13に入る。水壁13は、ボイラ50の内部に設けられ、ボイラ50の内部に流通させた給水を流通させて加熱する。一次SH16および二次SH18は、ボイラ50の水壁13を流通させた給水を過熱して蒸気を発生させる。
ボイラ50に供給された水は、水壁13、ケージ壁14を通過する際に受熱・蒸発し蒸気となり、1次SH16、2次SH18を通過する際に所定の蒸気温度となって、2次SH18から蒸気タービン(図示せず)へ供給される。
また、ボイラ50の水壁13,ケージ壁14を通ってフラッシュタンク24に繋がる第1のバイパス流路19には、一対の1次SHバイパス弁20a,20bが設けられている。この1次SHバイパス弁20a,20bは、ボイラ50の水壁13、ケージ壁14を除燃する際に使用される。すなわち、一次SH16の入口流体温度が280℃〜235℃の範囲で、閉操作され、ボイラ50内部に300t/h程度の水を給水して溜める。
また、一次SH16の出口の流路17からフラッシュタンク24に繋がる第2のバイパス流路21には、2次SHバイパス弁22が設けられている。この2次バイパス弁22は、ボイラ50の水壁13、ケージ壁14の温度を降下させる際に使用される。すなわち、一次SH16の入口流体温度が235℃になった時点(除燃された時点)で、開操作され、ボイラ50内部に溜まった水150〜250t/hで水する。
また、フラッシュタンク24から脱気器10に繋がる流路27には、脱気器加熱ドレン弁26が設けられている。この脱気器加熱ドレン弁26は、フラッシュタンク24からのドレンを復水器30に多く流す際に使用され、フラッシュタンク24から脱気器10へ流れるドレン水量が少なくなるように絞られる。そうすることで、脱気器10の温度が低下しやすくなり、ボイラ50の一次SH16の入口への給水温度が低下し、ボイラ50の冷却時間がさらに短縮される。
また、フラッシュタンク24から復水器30に繋がる流路29には、フラッシュタンク水位調節弁28が設けられている。
ボイラ50の通風系統は、図2に示すように、通風系統Aおよび通風系統Bの2つの系統を備えている。そして、2つの通風系統A,Bは、ボイラ50に燃焼を補助するための空気を供給する。通風系統Aを構成する機器は、A−BSF52A、一度燃焼したガスをボイラ50の下から再度吹き込ませるA−GRF(ガス再循環送風機)54A、ボイラの中に送風するA−FDF(押込送風機)56A、燃焼したガスを煙突を介して外部に排気するA−DNF(ガス排出機)58A、燃焼したガスに含まれる窒素化合物を窒素と水に分解する排煙脱硝装置60Aなどから構成される。
A−FDF(押込送風機)56Aによってバイオマススラリー燃料が燃焼しているボイラ50内に外気が供給される。そして、燃焼したガスは、排煙脱硝装置60Aに送られる一方で、A−GRF(ガス再循環送風機)54Aによってボイラ50の下に供給される。排煙脱硝装置60Aによって脱硝されたガスは、A−DNF(ガス排出機)58Aによって引かれ、煙突70を介して外部に送られる。このように、通風系統Aによって外気をボイラ50に供給し、燃焼したガスを外部に排気する。
通風系統Bを構成する機器は、A−BSF52A、A−GRF(ガス再循環送風機)54A、A−FDF(押込送風機)56A、A−DNF(ガス排出機)58A、排煙脱硝装置60Aと同一の機器であるB−BSF52B、B−GRF(ガス再循環送風機)54B、B−FDF(押込送風機)56B、B−DNF(ガス排出機)58B、排煙脱硝装置60B等から構成される。
B−FDF(押込送風機)56Bによってバイオマススラリー燃料が燃焼しているボイラ50内に外気が供給される。そして、燃焼したガスは、排煙脱硝装置60Bに送られる一方で、B−GRF(ガス再循環送風機)54Bによってボイラ50の下に供給される。そして、排煙脱硝装置60Bによって脱硝されたガスは、B−DNF(ガス排出機)58Bによって引かれ、煙突70を介して外部に送られる。このように、通風系統Bによって外気をボイラ50に供給し、燃焼したガスを外部に排気する。
メタクラ盤100は、図3に示すように、M−BFP12、2台のGRF54A、54B、2台のFDF56A、56B、2台のDNF58A、58B、1次SH16の温度を検知する温度検知装置110、1次SH16の圧力を検知する圧力検知装置120が接続されている。また、メタクラ盤100には、M−BFP12、GRF54A、54B、FDF56A、56B、DNF58A、58Bに対する電力の供給及び遮断を行う遮断回路130が設けられている。また、メタクラ盤100には、メタクラ盤100全体の動作を制御するCPU140および各種のデータやプログラムが記憶されているメモリ150が設けられている。
つぎに動作について図1および図4を参照して説明する。まず、a時点でボイラ50が消火される。この際、一次SH16の入口流体温度が280℃になっている。そして、一次SH16の入口流体温度が280℃〜235℃となる条件下では、2列の通風系統A,Bを1列のみ作動させて、総出力の40%の風量を供給する。そして、この風量を供給しつつ、第1の給水量(300t/h程度)を、ボイラ50の水壁13、ケージ壁14からフラッシュタンク24に繋がる第1のバイパス流路19に流通させて滞留させ、ボイラ50の水壁13を強制冷却(除燃)する。一次SH16の入口流体温度が235℃になったb時点で、ボイラ50の一次SH16の入口流体温度が略除燃されたと判断される。
つぎに、一次SH16の入口流体温度が235℃となったb時点で、2次SHバイパス弁を「開」にして、第1のバイパス流路19に滞留させた水を、第2のバイパス流路21から放水させる。すなわち、ボイラ50の水壁13、ケージ壁14から一次SH16の出口を通ってフラッシュタンク24に繋がる第2のバイパス流路21に、第1の給水量(300t/h程度)から減水した第2の給水量(150〜250t/h)を流通させる。この給水を235℃未満〜80℃となる条件下において継続する。また、この条件下においては、前記と同じ風量を継続して供給する。
そして、ボイラ50の一次SH16の入口流体温度が80℃程度になったc時点で、M−BFP12の運転を停止させて、給水および水圧の供給を停止する。その後、一次SH16の入口流体温度が75℃程度になった時点dで、補機を停止する。なお、通風系統Aのみによる風量(総出力の40%の風量)の供給は、ボイラ50の冷却完了まで継続して行い、ボイラ50の温度を降下させる。
そして、ボイラ50の冷却時間をさらに短縮したい場合は、フラッシュタンク24からのドレンが復水器30に多く流れるように、脱気器加熱ドレン弁26の開度を調整して、フラッシュタンク24から脱気器10へ流れるドレン水量を少なくする。そうすることで、脱気器10の温度が低下しやすくなり、一次SH16の入口への給水温度が低下し、ボイラ50の冷却時間がさらに短縮される。
以上説明したように、本実施形態に係るボイラ消火後のボイラ強制冷却方法は、冷却に有効に作用する水をボイラ50の第1のバイパス系統に供給して溜めて、一次SH16の入口流体温度を強制冷却(除燃)する。その後、第1のバイパス系統に供給した水量から減水させた水量を、第2のバイパス系統に流通させて、一次SH16の入口流体温度を強制冷却(温度降下)する。一方、水による強制冷却が完了するまで、総出力の4割の風量を維持してボイラ50内部に補給する。そうすることで、ボイラ50を効率よく(無駄なく)強制冷却することができる。
なお、ボイラ50の一次SH16の入口流体温度を280℃〜235℃とした理由は、ボイラ50の消火後における、ボイラ50の一次SH16の入口流体温度は、280℃程度であり、ボイラ50の一次SH16の入口流体温度が235℃程度で、ボイラ50の一次SH16の入口流体温度が除燃されたと判断されるからである。
そして、ボイラ50の消火後における一次SH16の入口流体温度(280℃程度)と、除燃されたと判断する一次SH16の入口流体温度(235℃程度)との温度差が小さいことから、ボイラ50の冷却開始時の温度降下率を監視することなく、多量の冷却水を短時間で溜めて冷却することができる。そして、温度降下率を監視しつつ冷却水量を増加する必要がないことから、オペレータの負担も軽減することができる。
また、ボイラ50の消火後において、第1のバイパス流路19および第2のバイパス経路21に循環させる給水を利用してボイラ50を強制冷却しているので、既存の設備を用いることができる。さらに、給水の循環にあたっては、通常運転時や低負荷運転時に行われる制御機構を利用して循環量を制御することができるため、設備投資のコストを低減させることができる。加えて、ボイラ50の水冷と同時に行われるボイラ50の空冷は、ボイラ50に通常設けられている空気供給ファンを用いるため、この点においても設備投資のコストを低減させることができる。また、通風系統Aの風量を40%とすることで、ボイラ50の内部を効率的に冷却することができるとともに、ボイラ50の内部を空冷しすぎることによる、ボイラ50の内部の配管等の損傷を未然に防ぐことができる。
また、冷却されるボイラ50は、一次SH16の入口において100℃以下となるまで冷却されることが好ましく、60℃以下となるまで冷却されることが更に好ましい。60℃以下となるまで冷却されることにより、例えば定期点検時においても、作業員がボイラ50の内部で作業を行うことも可能となる。
そして、ボイラ50の冷却時間を1.5時間短縮できることで、復水系統、海水系統、給水系統、通風系統A,Bの合計動力費が112500円、蒸気費が24000円(動力費+蒸気費の合計136500円)の省エネ効果となる。また、GRF54A,54Bを早期冷却停止した場合、36000円の省エネ効果となる。また、通風系統A,BをM−BFP12に合わせて停止した場合、59000円の省エネ効果となる。通風系統A,Bを早期に2系統から1系統に切り換えた場合、140000円の省エネ効果となる。
また、年間停止操作の回数は少ないが、大幅な効率化が望める。例えば、年1回は必ず行われる重負荷期の前点検での停止、年2回〜3回行われる、修理作業のための冷却停止において、効率化が望める。また、停止時間が短縮できることで、オペレータの負担が軽減できる。
なお、本発明に係る発電設備におけるボイラ消火後のボイラ強制冷却方法は、前記実施の形態に限定することなく種々変更することができる。
例えば、前記実施形態の場合、貫流ボイラを例にとって、ボイラの強制冷却方法について説明したが、これに限定されず、例えば、ドラムボイラにおいても、ドラムの上下及びドラムの内外における温度差に注意しながら同様に冷却することにより、降水管温度が130℃程度でブローを行って、ボイラの強制冷却方法を実施することができる。
10…脱気器、12…M−BFP(電動給水ポンプ)、13…水壁、14…ケージ壁、16…一次過熱器、18…二次過熱器、19…第1のバイパス流路、20a,20b…1次SHバイパス弁、21…第2のバイパス流路、22…2次SHバイパス弁、24…フラッシュタンク、26…脱気器加熱弁、28…フラッシュタンク水位調節弁、30…復水器、32…復水ポンプ、50…ボイラ、A,B…通風系統、52A…A−BSF(バイオマススラリー燃料供給器)、54A…A−GRF(ガス再循環送風機)、56A…A−FDF(押込送風機)、58A…A−DNF(ガス排出機)、60A…排煙脱硝装置、52B…B−BSF(バイオマススラリー燃料供給器)、54B…B−GRF(ガス再循環送風機)、56B…B−FDF(押込送風機)、58B…B−DNF(ガス排出機)、60B…排煙脱硝装置、100…メタクラ盤、130…遮断回路、140…CPU、150…メモリ

Claims (6)

  1. ボイラ内部に設けられた一次過熱器の入口から蒸気を回収する第1のバイパス系統と、ボイラ内部に設けられた一次過熱器の出口から蒸気を回収する第2のバイパス系統と、ボイラ内部の燃焼を補助すべく、ボイラ内部に所定の風量を供給する通風系統とを備えた発電設備における、ボイラ消火後のボイラ強制冷却方法において、
    通風系統によって、前記所定の風量よりも少ない風量を供給しつつ、第1のバイパス系統に第1の給水量を給水し滞留させて、一次過熱器の入口流体温度を除燃した後、通風系統によって、前記所定量よりも少ない風量を維持しつつ、第1のバイパス系統から第2のバイパス系統に、第1の水量から減水した第2の給水量を通水させて、一次過熱器の入口流体温度を降下させるようにしたことを特徴とする、発電設備におけるボイラ消火後のボイラ強制冷却方法。
  2. 前記第1の給水量は、前記一次過熱器の入口流体温度が280℃〜235℃となる条件で、前記第1のバイパス系統に、300t/h程度の給水量が給水されて滞留されることを特徴とする請求項1に記載の、発電設備におけるボイラ消火後のボイラ強制冷却方法。
  3. 前記第2の給水量は、前記一次過熱器の入口流体温度が235℃未満〜80℃となる条件で、第1のバイパス系統から第2のバイパス系統に、150〜250t/hの給水量が給水されることを特徴とする請求項1または2に記載の、発電設備におけるボイラ消火後のボイラ強制冷却方法。
  4. 前記通風系統による総出力よりも少ない風量とは、総出力の40%の風量であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の、発電設備におけるボイラ消火後のボイラ強制冷却方法。
  5. 前記第1の給水量に対する水圧をボイラ定格水圧とし、前記第2の給水量に対する水圧を1.5MPa〜4.0MPaとすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の、発電設備におけるボイラ消火後のボイラの強制冷却方法。
  6. 前記発電設備は、前記第1のバイパス系統と前記第2のバイパス系統とから蒸気を回収するフラッシュタンクと、回収した蒸気を復水する復水器と、フラッシュタンクのドレンおよび復水器の復水を脱気する脱気器とをさらに備えており、
    フラッシュタンクからのドレンが復水器に多く流れるように、弁開度を調整して、フラッシュタンクから脱気器へ流れるドレンを少なくするようにしたことを特徴とする求項1乃至5のいずれか1項に記載の、発電設備におけるボイラ消火後のボイラ強制冷却方法。
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