JP6102766B2 - 排気ガス浄化触媒装置及び排気ガス浄化方法 - Google Patents

排気ガス浄化触媒装置及び排気ガス浄化方法 Download PDF

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本発明は、排気ガス浄化触媒装置及び排気ガス浄化方法に関する。
従来、ガソリンエンジンから排出される排気ガスの浄化には、主に白金(Pt)、パラジウム(Pd)及びロジウム(Rh)を触媒金属として含むトリメタル触媒が用いられている。このようなトリメタル触媒においては、一層の触媒層内に上記3種の触媒金属が混合された触媒、並びに触媒層の下層にPdを含み、上層にRhを含み、下層及び上層の少なくとも一方の層にPtを含む二層タイプの触媒が提案されている。また、これらの他に、排気ガス流れ方向上流側と下流側とで上記触媒金属が分離担持された触媒、及びハニカム担体の中心部と周縁部とで異なる触媒金属種が担持されている、又は異なる担持濃度に調製された触媒等の種々のタイプの触媒が提案されている。
ところで、近年、次世代のエンジン燃焼技術として、予混合圧縮自己着火(Homogeneous Charge Compression Ignition:HCCI)燃焼が注目されている。HCCI燃焼は、エンジンの運転状態に応じて、燃焼室内のガソリンをリーン雰囲気で圧縮自己着火させて燃焼させる燃焼方式である。HCCI燃焼は、筒内最高圧力(Pmax)や筒内圧力上昇率(dP/dθ)の制約があることから、現状ではその運転領域が限られているため、エンジンの低負荷側をHCCI燃焼による運転領域とし、高負荷側を点火プラグによるアシストで燃料を燃焼させる火花点火(Spark Ignition:SI)燃焼による運転領域として燃焼モードを切り替えるエンジンの開発が進められている。HCCI燃焼の排気ガス組成について本発明者らが調べたところ、その排気ガスには炭素数5の飽和炭化水素(n−ペンタン、i−ペンタン)やCOが大量に含まれていることが判明した。これは、燃料がガソリンであり、これを低温燃焼させることが原因であると考えられる。
このような飽和炭化水素は、HCCI燃焼エンジンの排気ガスほどではないものの、通常のストイキ近傍で燃焼させるエンジンの排気ガスにおいても含有されている。このため、通常のガソリンエンジンにおいて、エンジン始動時のような排気ガス温度が低温である場合には、上記触媒金属が未だ活性化していないので、上記飽和炭化水素が十分に酸化浄化されずに排出されてしまう。
上記飽和炭化水素を酸化させるための触媒として、アルミニウム(Al)/ケイ素(Si)原子比が5〜60のシリカ−アルミナに白金族金属が担持されてなる炭化水素燃焼用触媒が特許文献1に提示されている。特許文献1によると、上記触媒において白金族金属としてPdを担持した場合、飽和炭化水素であるプロパン(C)の燃焼に優れ、その用途としては、ボイラー、航空機用ジェットエンジン、自動車用ガスタービン、発電用ガスタービン等の触媒燃焼方式を利用した高温燃焼器に用いる触媒として好適であるとされている。
特開平5−309270号公報
しかしながら、特許文献1の触媒では、上記の通り、プロパンの燃焼に優れているものの、プロパンよりも炭素数が多く、燃焼され難いペンタン(C12)を効率良く燃焼できるかどうか明らかでない。また、自動車エンジンのように運転条件によって空燃比が大きく変化し、始動直後においては触媒温度が比較的低温である場合、触媒性能を十分に発揮できずに炭化水素を浄化し難いという問題もある。特に、上記HCCI燃焼時はリーン燃焼であるため、触媒金属としてPdを用いた場合、Pdが酸化状態で維持されて炭化水素の燃焼が十分にできない。また、排気ガス成分としては、上記飽和炭化水素以外に芳香族炭化水素や不飽和炭化水素も含まれており、さらに、炭化水素以外に排気ガス成分としてCOやNOが含まれており、これらを効率良く浄化できるようにすることも重要である。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、排気ガス温度が低いガソリンエンジンにおいても飽和炭化水素を効率良く浄化できるようにすると共に、飽和炭化水素以外の芳香族炭化水素及び不飽和炭化水素等の他の排気ガス成分をも効率良く浄化できるようにすることにある。
前記の目的を達成するために、本発明では、排気ガス浄化触媒装置において、触媒金属としてのPtをシリカ−アルミナに担持させ、これを排気ガスが最初に接触する触媒層に含有させた。
具体的に、本発明に係る排気ガス浄化触媒装置は、エンジンの排気ガス通路内に配置され且つ担体基材上に積層された複数の触媒層が形成されてなる触媒を含み、エンジンから排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化触媒装置であって、触媒は、Pt、Pd及びRhを触媒金属として含み、触媒金属としてのPtは、サポート材としてのシリカ−アルミナに担持されており、該シリカ−アルミナにPtが担持されてなるPt担持シリカ−アルミナは、前記触媒層のうちの前記排気ガスに最初に接触する最上層に含まれ、前記触媒層の最上層には、さらに前記Rhが含まれており、前記触媒層の最上層よりも下層には、前記Pdが含まれていることを特徴とする。
本発明に係る排気ガス浄化触媒装置では、Ptを担持するサポート材としてシリカ−アルミナを用いており、シリカ−アルミナは、比表面積が大きく、担持されるPtの分散性を向上できる。さらに、シリカ−アルミナは、細孔径が小さいため、Ptを細孔内でなく、表面上に多く担持することができる。これらにより、Ptと飽和炭化水素を含む排気ガスとの接触性を向上できる。Ptは、飽和炭化水素の酸化浄化性能に優れており、このようなPtと飽和炭化水素を含む排気ガスとの接触性を向上することにより、飽和炭化水素を高効率で酸化浄化することが可能となる。また、Pt担持シリカ−アルミナは、特に炭素数5以上の飽和炭化水素の酸化浄化能に優れており、このようなPt担持シリカ−アルミナが排気ガスに最初に接触する触媒層に含まれているため、その触媒層における炭素数5以上の飽和炭化水素を酸化浄化の際に生じる生成熱により排気ガスの温度が上昇し、この触媒層よりも後に排気ガスに接触する触媒層の触媒活性を向上することができる。特に炭素数が多い飽和炭化水素の酸化により生じる生成熱は大きいため、本発明の触媒装置における上記効果は優れている。さらに、Ptの他に、上記触媒にはRh及びPdも含まれており、Rhはスチームリフォーミング反応に寄与し、この反応によりHが生成されるため、NOの還元浄化を促進でき、また、飽和炭化水素やその他の芳香族炭化水素及び不飽和炭化水素等のHC及びCOの部分酸化にも寄与する。一方、Pdは低温酸化能に優れており、Rhにより部分酸化された上記HC及びCOを高効率で酸化できる。すなわち、本発明に係る排気ガス浄化触媒装置によると、高効率で排気ガスを浄化することができる。
本発明に係る排気ガス浄化触媒装置において、Pt担持シリカ−アルミナは、触媒層の最上層に含まれている。
このようにすると、飽和炭化水素の酸化浄化性能に優れたPt担持シリカ−アルミナが触媒層の最上層にあるため、Pt担持シリカ−アルミナと飽和炭化水素との接触性が向上し、飽和炭化水素を高効率で酸化浄化することができる。また、最上層において、低温から飽和炭化水素を酸化浄化することにより、未浄化の飽和炭化水素が下層に含まれたPdによる他の排気ガス成分の浄化を妨げることを防止できる。さらに、上記の通り、飽和炭化水素のうちC12等の炭素数が大きい飽和炭化水素を酸化浄化すると、その際に生じる生成熱は大きく、この最上層で生じた生成熱により、下層の触媒温度を昇温できて触媒性能を十分に発揮させることが可能となる。
本発明に係る排気ガス浄化触媒装置において、触媒層の最上層には、さらにRhが含まれており、触媒層の最上層よりも下層には、Pdが含まれている。
PdはRhと比べてやや耐熱性が低く、さらには高温排気ガス中に長時間晒されると、他の触媒金属と合金を作りやすいため、下層にPdを含有させ、上層にRhを含有させてそれぞれ分離することで、良好な触媒性能を得ることができる。
本発明に係る排気ガス浄化触媒装置において、触媒層を三層構造とするケースでは、触媒層の最下層にはPdが含まれており、触媒層の中間層にはRhが含まれており、触媒層の最上層にはPt担持シリカ−アルミナが含まれていることが好ましい。
このようにすると、Pt担持シリカ−アルミナを含む層が最上層にあるため、上記の通り、未浄化の飽和炭化水素がRh及びPdの他の排気ガス成分の浄化を妨げることを防止できる。さらに、その下層においてRhを含む中間層とPdを含む最下層とが分離して設けられているため、上記の通り、Pdを長時間高温に晒すことを防止でき、PdとRhとの合金化を防止できる。
本発明に係る排気ガス浄化触媒装置において、Pt担持シリカ−アルミナは、触媒層の最上層以外の層にも含まれており、触媒層の最上層におけるPt担持シリカ−アルミナの含有量は、他の層におけるPt担持シリカ−アルミナの含有量よりも大きいことが好ましい。
このようにすると、触媒層の最上層のみならず、下層にも飽和炭化水素の浄化性能を付与することが可能となる。
本発明に係る排気ガス浄化触媒装置において、エンジンの排気ガス通路内に配置され且つ担体基材上に触媒層が形成されてなる触媒を含み、該触媒は、Pt、Pd及びRhを触媒金属として含み、前記触媒金属としてのPtは、サポート材としてのシリカ−アルミナに担持されているケースでは、触媒は、第1触媒と、該第1触媒よりも排気ガス流れ方向下流側に配設された第2触媒とを含み、第1触媒は、前記シリカ−アルミナに前記Ptが担持されてなるPt担持シリカ−アルミナを含み前記排気ガスに最初に接触する触媒層を有し、前記第1触媒よりも排気ガス流れ方向上流側、及び前記第1触媒と前記第2触媒との間のうちの少なくとも一方の排気ガス通路に断熱手段が設けられていることが好ましい。断熱手段としては、二重管構造及び低熱伝導材からなる断熱層のうち少なくとも一方を用いることができる。
このようにすると、エンジンにより近い排気ガス通路の上流側に設けられ、Pt担持シリカ−アルミナを含む第1触媒は、その下流に配置された第2触媒よりも比較的に早く昇温して、触媒活性を上げることができる。このため、C12等の炭素数が多い飽和炭化水素を効率良く低温から酸化浄化できる。また、上記の通り、飽和炭化水素のうちC12等の炭素数が大きい飽和炭化水素を酸化浄化すると、その際に生じる生成熱は大きい。このため、酸化反応が開始した後の第1触媒で生じた生成熱により、下流側に設けられた第2触媒の触媒温度を昇温できて触媒性能を十分に発揮させることが可能となる。これにより、上記飽和炭化水素のみならず、芳香族炭化水素や不飽和炭化水素等のHC、CO及びNOの浄化性能を向上することができる。
また、エンジンから排出された排気ガスを、その温度を維持して第1触媒又は第2触媒に流すことができるため、それらの触媒活性を効率良く向上することができる。
本発明に係る排気ガス浄化触媒装置において、第1触媒は、前記Pdをさらに含むことが好ましい。
このようにすると、Pd低温酸化能に優れているため、特にエンジン始動直後における第1触媒の触媒性能を向上することができる。
本発明に係る排気ガス浄化触媒装置において、第1触媒と第2触媒とは離間していることが好ましい。
このようにすると、排気ガスの熱エネルギーを第1触媒に集中して投入できるため、より早期に第1触媒が昇温し、酸化反応が開始される。また、第1触媒で生じた生成熱による下流の第2触媒の昇温の早期化にもつながり、効率良く触媒性能を発揮させることが可能となる。
発明に係る排気ガス浄化触媒装置において、エンジンは、HCCI燃焼が可能なエンジンであることが好ましい。
上述の通り、HCCI燃焼の排気ガスには炭素数5の飽和炭化水素(n−ペンタン、i−ペンタン)が大量に含まれており、そのような飽和炭化水素の浄化能が高い本発明に係る排気ガス浄化触媒装置をHCCI燃焼が可能なエンジンに適用することで、排気ガスの浄化を高効率で行うことができる。
本発明に係る排気ガス浄化方法は、エンジンの排気ガス通路に複数の触媒層を含む触媒を配置して、エンジンから排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化方法であって、シリカ−アルミナにPtが担持されてなるPt担持シリカ−アルミナを含む第1触媒層を排気ガスに最初に接触するように配置し、Pd又はRhを含む第2触媒層を第1触媒層よりも後に排気ガスに接触するように配置し、第1触媒層により排気ガス中の炭素数5以上の飽和炭化水素をより低温から酸化浄化し、その酸化浄化による生成熱によって第2触媒層に流入する排気ガス温度を高め、第2触媒層により排気ガス中の炭素数5以上の飽和炭化水素以外の炭化水素の酸化浄化を向上することを特徴とする。
上述の通り、飽和炭化水素のうちC12等の炭素数5以上の飽和炭化水素を酸化浄化すると、その際に生じる生成熱は大きい。このため、本発明に係る排気ガス浄化方法によると、排気ガスに最初に接触するように配置されたPt担持シリカ−アルミナを含む第1触媒層で生じた生成熱により、その後に排気ガスに接触するように配置された第2触媒層の触媒温度を昇温できて触媒性能を十分に発揮させることが可能となる。これにより、排気ガス成分を効率良く浄化することができる。
本発明に係る排気ガス浄化触媒装置及び排気ガス浄化方法によると、Ptを担持するサポート材としてシリカ−アルミナを用いているため、Ptと飽和炭化水素を含む排気ガスとの接触性を向上できるので、飽和炭化水素を高効率で酸化浄化することが可能となる。さらに、Pt担持シリカ−アルミナを排気ガスに最初に接触する触媒層に含有させているので、飽和炭化水素の酸化浄化により生じた生成熱によって、その後に排気ガスと接触する触媒層の触媒活性を向上することができる。
そうして、最上層にPt担持シリカ−アルミナ及びRhが含まれ、下層にPdが含まれているケース、或いは、最上層にPt担持シリカ−アルミナが含まれ、最下層にPdが含まれ、中間層にRhが含まれているケースでは、最上層において、低温から飽和炭化水素が酸化浄化されることにより、未浄化の飽和炭化水素が下層のPdによる他の排気ガス成分の浄化を妨げることを防止できる。さらに、最上層での飽和炭化水素の酸化浄化で生じた大きな生成熱により、下層の触媒を昇温できて触媒性能を十分に発揮させることが可能となる。さらに、RhとPdの合金化するとを防止することができる。
また、第1触媒と、これよりも下流側に配設された第2触媒とを含み、第1触媒がPt担持シリカ−アルミナを含み排気ガスに最初に接触する触媒層を有し、第1触媒よりも上流側、及び第1触媒と第2触媒との間のうちの少なくとも一方の排気ガス通路に断熱手段が設けられているケースでは、Pt担持シリカ−アルミナを含む第1触媒の早期昇温により、触媒活性を上げることができ、第1触媒で生じた生成熱により第2触媒を昇温できて触媒性能を十分に発揮させることが可能となる。さらに、エンジンから排出された排気ガスを、その温度を維持して第1触媒又は第2触媒に流すことができるため、それらの触媒活性を効率良く向上することができる。
本発明の第1の実施形態に係る排気ガス浄化触媒装置の構成を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る排気ガス浄化触媒装置における触媒の斜視図及び部分拡大図である。 本発明の第1の実施形態に係る排気ガス浄化触媒装置における二層構造の触媒層構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る排気ガス浄化触媒装置における三層構造の触媒層構成を示す断面図である。 Pt担持シリカ−アルミナとPt担持γアルミナとに対して行ったX線回折(XRD)の結果を示すグラフ図である。 (a)及び(b)は、Pt担持シリカ−アルミナ及びPt担持γアルミナの細孔分布を示すグラフ図であり、(a)はエージング処理を行っていない場合を示し、(b)はエージング処理を行った場合を示している。 Pt担持シリカ−アルミナ及びPt担持γアルミナのC12浄化性能を示すグラフ図である。 本発明の第2の実施形態に係る排気ガス浄化触媒装置の構成を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る排気ガス浄化触媒装置における第1触媒の触媒層構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る排気ガス浄化触媒装置における第2触媒の触媒層構成を示す断面図である。 実施例5及び比較例6のHC浄化率を示すグラフ図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る排気ガス浄化触媒装置1の構成を示しており、2はエンジンのシリンダヘッド、3はエンジンの排気ポートに接続された排気マニホールド、4は排気マニホールドの排気ガス流れ方向下流端に接続された排気管、10は排気管に設けられた触媒をそれぞれ示している。なお、本実施形態では、触媒10を排気管4に設けているが、これに限られず、例えば排気マニホールド3に設けられていても構わない。また、本実施形態におけるエンジンは、通常の点火プラグによるアシストで燃料を燃焼させる火花点火(Spark Ignition:SI)燃焼のみを行うものに限られない。この他に、例えばエンジンの低負荷側を予混合圧縮自己着火(Homogeneous Charge Compression Ignition:HCCI)燃焼による運転領域とし、高負荷側を上記点火プラグによるアシストで燃料を燃焼させる火花点火(Spark Ignition:SI)燃焼による運転領域として燃焼モードを切り替えるエンジンであってもよいし、低負荷から高負荷までの全域でHCCI燃焼を行うエンジンであってもよい。
図2は触媒10の構成について示している。触媒10は、コージェライト製のハニカム担体20の排気ガス通路壁に触媒層30が配設されて構成されている。
<触媒層の構成>
本実施形態において、触媒層30は複数の触媒層が積層されて構成されている。本実施形態に係る触媒層構成について図3を参照しながら説明する。
図3に示すように、本実施形態における触媒層30は、ハニカム担体20の排気ガス通路壁(基材)上に形成されたPd含有触媒層(下層)31と、該Pd含有触媒層31上、すなわち排気ガス通路側であって排気ガスに最初に接触するように形成されたPt/Rh含有触媒層(上層)32とを含む。
Pd含有触媒層31には、サポート材に担持された触媒金属としてのPdが含まれている。例えば、Pd含有触媒層31は、活性アルミナ(γアルミナ)にPdが担持されたPd担持アルミナ、並びにZr及びCeを含有するZrCe系複合酸化物にPdが担持されたPd担持ZrCe系複合酸化物を含む。さらに、Pd含有触媒層31は、酸素吸蔵放出能(OSC)を有するセリア等のOSC材を含んでいてもよい。また、Pd含有触媒層31には、バインダーが含まれており、バインダー原料としては、例えば硝酸ジルコニルが用いられ得る。
一方、Pt/Rh含有触媒層32は、シリカ−アルミナにPtが担持されてなるPt担持シリカ−アルミナを含む。さらに、Pt/Rh含有触媒層32には、サポート材に担持された触媒金属としてのRhが含まれている。Pt/Rh含有触媒層32には、例えば活性アルミナ(γアルミナ)にRhが担持されたRh担持アルミナ、及びZr及びCeを含有するZrCe系複合酸化物にRhが担持されたRh担持ZrCe系複合酸化物が含まれている。さらに、Pt/Rh含有触媒層32にもバインダーが含まれており、バインダー原料としては、例えば硝酸ジルコニルが用いられ得る。
図3では、二層構造の触媒層30を示したが、これに限られず、触媒層は、例えば三層構造であってもよい。ここで、三層構造の触媒層35について図4を参照しながら説明する。
図4に示すように、三層構造の触媒層35は、ハニカム担体20の排気ガス通路壁(基材)上に形成されたPd含有触媒層(下層)31と、該Pd含有触媒層31上に形成されたRh含有触媒層(中間層)36と、該Rh含有触媒層36上に形成されたPt含有触媒層(最上層)37とを含む。すなわち、三層構造の触媒層35は、上記Pt/Rh含有触媒層32を、中間層となるRh含有触媒層36と、最上層となるPt含有触媒層37とに分けたことが図3に示す触媒層30と異なる。具体的に、Rh含有触媒層36には、上記Rh担持アルミナ及びRh担持ZrCe系複合酸化物といったサポート材に担持されたRhが含まれている。一方、Pt含有触媒層37には、上記Pt担持シリカ−アルミナが含まれている。
なお、図3の二層構造の触媒層30及び図4の三層構造の触媒層35において、最上層以外の下層や中間層にもPt担持シリカ−アルミナが含まれていてもよい。但し、この場合、最上層に最も多くのPt担持シリカ−アルミナが含まれていることが好ましい。
<触媒材の調製方法>
次に、上記の触媒層に含まれる触媒材の調製方法について説明する。
まず、Pd含有触媒層に含まれるPd担持ZrCe系複合酸化物の調製方法について説明する。ここでは、ZrCe系複合酸化物としてZrCeNd複合酸化物を用いた場合について説明する。ZrCeNd複合酸化物は共沈法を用いて調製できる。具体的に、硝酸セリウム6水和物、オキシ硝酸ジルコニウム溶液、硝酸ネオジム6水和物及びイオン交換水を混合してなる硝酸塩溶液に、28質量%アンモニア水の8倍希釈液を混合して中和することにより共沈物を得る。この共沈物を含む溶液を遠心分離器にかけて上澄み液を除去する(脱水)、そこにさらにイオン交換水を加えて撹拌する(水洗)、という操作を必要回数繰り返す。その後、共沈物を大気中において150℃程度で一昼夜乾燥し、粉砕した後、大気中において500℃程度で2時間焼成する。これにより、CeZrNd複合酸化物の粉末を得ることができる。また、得られたZrCeNd複合酸化物の粉末に対して、硝酸パラジウム水溶液を用いた蒸発乾固法を行うことによってZrCeNd複合酸化物にPdを担持できる。
具体的に、蒸発乾固法は、以下のようにして行うことができる。まず、ZrNdPr複合酸化物粒子材にイオン交換水を加えてスラリー状にし、それをスターラー等により十分に撹拌する。続いて、撹拌しながらそのスラリーに所定量のジニトロジアミンPd硝酸溶液を滴下し、十分に撹拌する。その後、加熱しながらさらに撹拌を続けて、水分を完全に蒸発させる。蒸発後、大気中において500℃程度で2時間焼成することにより、Pd担持ZrCeNd複合酸化物が得られる。このZrCe系複合酸化物は、Ndの他にLaやY等の希土類金属が添加されたものでもよい。
次に、Pd担持アルミナの調製方法について説明する。本実施形態では、熱安定性を向上させるために、アルミナとして例えば4質量%のLaを含有するLa含有アルミナを用いることができる。このLa含有アルミナに対して、上記と同様にジニトロジアミンPd硝酸溶液を用いた蒸発乾固法を行うことによって、Pd担持アルミナを得ることができる。
上記のようにして得られたPd担持ZrCeNd複合酸化物及びPd担持アルミナと、セリア及びZrCeNd複合酸化物等のOSC材とに、硝酸ジルコニル等のバインダー及びイオン交換水を加え、混合してスラリー状にする。このスラリーを担体上にコーティングし、150℃程度で乾燥させた後、500℃程度で2時間焼成することにより、担体上にPd含有触媒層を形成することができる。
次に、Pt/Rh含有触媒層又はRh含有触媒層に含まれるRhを含有する触媒成分の調製方法について説明する。まず、Rh担持ZrCe系複合酸化物としてのRh担持ZrCeNd複合酸化物の調製方法を説明する。Rh担持ZrCeNd複合酸化物は、上記のように調製したZrCeNd複合酸化物に対して硝酸ロジウム水溶液を用いて、上記と同様に蒸発乾固法を行うことにより得られる。
また、Rh担持アルミナも同様に、アルミナに対して硝酸ロジウム水溶液を用いて蒸発乾固法を行うことにより得られる。ここで、本実施形態においては、アルミナとして、上記と同様にLa含有アルミナを用いてもよいし、Zrを含むZr系複合酸化物を担持したLa含有アルミナであるZr−La含有アルミナを用いてもよい。
次に、Pt/Rh含有触媒層又はPt含有触媒層に含まれるPtを含有する触媒成分の調製方法について説明する。まず、Ptを担持するためのシリカ−アルミナの調製方法について説明する。所定量のアルミニウムアルコキシドとケイ素アルコキシドとをグリコールに懸濁し、その懸濁液に対して窒素等の不活性ガス雰囲気で200℃〜400℃程度の熱処理を2時間程度行う。その後、得られた反応物をメタノール等で洗浄し、乾燥した後、500℃〜1500℃程度で2時間焼成する。これにより、シリカ−アルミナを得ることができる。得られたシリカ−アルミナに対し、ジニトロジアミンPt硝酸溶液を用いて上記蒸発乾固法を行うことにより、Pt担持シリカ−アルミナを得ることができる。また、別の方法として、ゾルゲル法によりシリカ−アルミナを得て、これに上記蒸発乾固法でPtを担持させてもよい。
二層構造の触媒層を作製する場合、上記のようにして得られたRhを担持する成分及びPt担持シリカ−アルミナに、硝酸ジルコニル等のバインダー原料及びイオン交換水を加え、混合してスラリー状にする。このスラリーを上記Pd含有触媒層上にコーティングし、150℃程度で乾燥させた後、500℃程度で2時間焼成することにより、Pd含有触媒層上にPt/Rh含有触媒層を形成することができる。
また、三層構造の触媒層を作製する場合は、上記のようにして得られたRhを担持する成分に硝酸ジルコニル等のバインダー原料及びイオン交換水を加え、上記と同様に、得られたスラリーをコーティングし、乾燥及び焼成して、Pd含有触媒層上にRh含有触媒層を形成する。その後、Pt担持シリカ−アルミナに硝酸ジルコニル等のバインダー原料及びイオン交換水を加え、上記と同様に、得られたスラリーをRh含有触媒層上にコーティングし、乾燥及び焼成して、Rh含有触媒層上にPt含有触媒層を形成する。このようにすることで、本実施形態に係る触媒を得ることができる。
<シリカ−アルミナについて>
本実施形態では、上記のようにPtを担持するサポート材として、通常の活性アルミナ(γアルミナ)ではなく、シリカ−アルミナを用いている。本実施形態で用いられるシリカ−アルミナは、SiOとAlとが単に混合されたもの、或いはZSM−5に代表される10Å前後の特定の細孔径を有したゼオライトではなく、AlがSiにより修飾されたものであり、Si原子とAl原子とがO原子を介して結合している複合酸化物の状態である。ここで、本実施形態で用いられるPt担持シリカ−アルミナと、通常のγアルミナにPtが担持されたPt担持γアルミナに対してX線回折(XRD)を行って、それらの結晶構造を解析した結果を図5に示す。
図5に示すように、Pt担持γアルミナにおいては、複数のγアルミナに係るピーク(●で示している)が認められた。また、当然に、Pt担持γアルミナにおいて、SiOに係るピーク(◇で示している)は認められなかった。一方、Pt担持シリカ−アルミナにおいても、γアルミナに係る複数の大きいピークが認められ、SiOに係るピークは認められなかった。すなわち、シリカ−アルミナは、SiOの結晶構造を有しておらず、Al結晶構造中のOにSiが結合しており、Si原子がAl原子と共にO原子を共有するようにSi原子とAl原子とがO原子を介して結合している複合酸化物の状態となっていると考えられる。
なお、図5において、Pt担持シリカ−アルミナ(20)は、シリカ−アルミナ中にSiOが20重量%含まれているものであり、同様にPt担持シリカ−アルミナ(14)は、シリカ−アルミナ中にSiOが14重量%含まれているものであり、Pt担持シリカ−アルミナ(7)は、シリカ−アルミナ中にSiOが7重量%含まれているものである。但し、上記の通り、シリカ−アルミナ中にはSiとAlとが共有するOが含まれており、例えばPt担持シリカ−アルミナ(20)では、Alと共有するOを含めてSiOが20重量%含有されているものとする。Pt担持シリカ−アルミナ(20)、Pt担持シリカ−アルミナ(14)及びPt担持シリカ−アルミナ(7)を比較すると、それらの間で大きな差は認められなかった。また、本発明において、シリカ−アルミナ中に含有させるSiO量は特に限定しないが、30重量%程度になるとSiOの結晶相が単離することで比表面積の低下を招くおそれがあるので、30重量%未満が好ましく、20重量%以下であればより好ましい。
次に、上記のようなシリカ−アルミナを、Ptを担持するサポート材として用いる利点について以下に説明する。
まず、Pt担持シリカ−アルミナと、シリカを含まないPt担持γアルミナとの細孔分布及び比表面積を測定し、それらを比較した結果について説明する。ここでは、SiOが20重量%含まれているシリカ−アルミナにPtが0.5重量%担持されたPt担持シリカ−アルミナと、シリカを含まないγアルミナにPtが担持されたもの(Pt担持γアルミナ)との細孔分布を測定し、また、比表面積を測定した。なお、Pt担持シリカ−アルミナ及びPt担持γアルミナに対して、2%O、10%HO、Nガス雰囲気下で1000℃、24時間のエージング処理を行った場合と該処理を行わなかった場合のものに対してそれぞれ上記測定を行った。上記細孔分布の測定結果を図6(a)及び(b)に示す。なお、図6(a)は上記エージング処理を行っていない場合の結果を示し、図6(b)は上記エージング処理を行った場合の結果を示している。また、比表面積の測定結果を表1に示す。
図6(a)及び(b)に示すように、エージング処理を行った場合、及びエージング処理を行っていない場合のいずれの場合でも、Pt担持シリカ−アルミナでは10nm以下に最も大きいピークがあり、Pt担持γアルミナでは20nm〜30nm程度に最も大きいピークがある。すなわち、Pt担持γアルミナよりもPt担持シリカ−アルミナの方が、細孔径が小さい。本実施形態では、上述のジニトロジアミンPt硝酸溶液を用いた蒸発乾固法によりPtをサポート材に担持しており、この場合、担持されるPtの粒径は10nm程度となる。このため、Pt担持γアルミナでは、Pt粒子が細孔内に多く担持され、一方、Pt担持シリカ−アルミナでは、Pt粒子がシリカ−アルミナの細孔内でなく、表面上により多く担持され得る。このため、Pt担持シリカ−アルミナを用いると、Ptがシリカ−アルミナの表面上に多く存在するので、Ptと排気ガスとの接触性を向上することが可能となり、排気ガス中の飽和炭化水素の燃焼を高効率で行うことができることが示唆される。
また、表1に示すように、上記エージング処理を行った場合、及び行わなかった場合のいずれの場合においても、Pt担持γアルミナよりもPt担持シリカ−アルミナの方が、比表面積が高いことがわかる。このため、シリカ−アルミナにPtを担持する方が、Ptの分散性を向上できる。すなわち、Pt担持シリカ−アルミナを用いると、Ptと排気ガスとの接触性を向上することが可能となり、排気ガス中の飽和炭化水素の燃焼を高効率で行うことができることが示唆される。
次に、Pt担持シリカ−アルミナ及びPt担持γアルミナのペンタン(C12)の燃焼性能を測定し、それらを比較した。Pt担持シリカ−アルミナ及びPt担持γアルミナのペンタンの燃焼性能を測定するために、以下の試験を行った。
まず、担体として、セル壁の厚さが3.5milであり、1平方インチ当たりのセル数が600である担体容量25mlのコージェライト製六角セルハニカム担体(直径25.4mm、長さ50mm)に、上記Pt担持シリカ−アルミナ、及びPt担持γアルミナをそれぞれ設けた。具体的には、上記のようにPt担持シリカ−アルミナ及びPt担持γアルミナのそれぞれに、イオン交換水及びバインダーを加えて、得られたスラリーを上記担体にコーティングし、乾燥及び焼成することにより、それらを担体上に設けた。なお、サポート材であるシリカ−アルミナ又はγアルミナは、担体に100g/L(担体1L当たりの担持量、以下同じ。)設け、Ptは、それぞれ0.5g/L担持した。また、シリカ−アルミナにおけるSiOとAlとの重量比をSiO:Al=20:80とした。このようにして得られたハニカム触媒に対して、上記細孔分布の測定と同様のガス雰囲気下において900℃で50時間のエージング処理を行った後に、C12の浄化率を測定した。
この測定のために、まず、作製した各ハニカム触媒を、モデルガス流通反応装置に取り付け、ペンタン(イソペンタン)を含むモデルガスを導入した。モデルガスの組成は、イソペンタン(i−C12)が3000ppmC、COが1700ppm、Oが10.5%、COが13.9%、HOが10%、残部がNである。また、ガスの流量を26.1L/minとし、空間速度をSV=60000h−1とした。触媒に流入するモデル排気ガスの温度を常温から漸次上昇させていき、その触媒から流出するガスのC12の濃度変化を検出し、流出するC12量に基づいて、各ハニカム触媒のC12浄化率を測定した。この測定結果を図7に示す。
図7に示すように、ガス温度が500K程度まで上昇すると、Pt担持シリカ−アルミナがPt担持γアルミナよりも高いC12浄化率を示し、測定した750K程度までPt担持シリカ−アルミナの方が常に高いC12浄化率を示した。この結果から、シリカ−アルミナにPtを担持することにより、ペンタン等の飽和炭化水素をより高効率で浄化できることが示唆された。
次に、Ptを担持するシリカ−アルミナにおけるシリカ(SiO)とアルミナ(Al)との重量比と触媒性能との関係について検討するために、それらの重量比を変化させて、C12の浄化率を測定した。ここでは、C12浄化性能としてライトオフ温度(T50)の測定を行った。ライトオフ温度(T50)は、触媒に流入させるモデルガスの温度を常温から漸次上昇させていき、C12の浄化率が50%に達したときの触媒入口ガス温度である。モデルガスの組成は、上記試験と同一である。Ptを担持するシリカ−アルミナにおけるSiOの重量比を20重量%、10重量%又は5重量%とした。これら3種のPt担持シリカ−アルミナの他に、シリカ−アルミナでなくシリカにPtを担持したPt担持シリカについてもC12の浄化率(T50)を測定した。それらの測定結果を表2に示す。
表2に示すように、シリカ−アルミナにおいてSiOの含有量を20重量%とした場合が最もH12の浄化性能が高く、SiOの含有量を小さくするに従って、浄化性能も低減した。また、シリカ−アルミナでなくシリカにPtを担持した場合では、シリカ−アルミナにPtを担持したものと比較して、H12の浄化性能は明らかに低減した。このことから、Ptを担持するサポート材としてシリカ−アルミナを用いることで、H12を高効率で浄化できることがわかる。
以上のように、図3又は図4に示すような本実施形態に係る触媒によると、触媒層30,35の上層にPt/Rh含有触媒層32又はPt含有触媒層37が設けられており、それらの中に含まれるシリカ−アルミナは比表面積が大きく、担持されたPtの分散性を向上でき、また、細孔径が小さいため、Ptを細孔内でなく、表面上に多く担持することができる。さらに、このPt/Rh含有触媒層32及びPt含有触媒層37は最上層に配置されているため、Ptと飽和炭化水素を含む排気ガスとの接触性を向上できる。Ptは、飽和炭化水素の酸化浄化性能に優れており、このようなPtと飽和炭化水素を含む排気ガスとの接触性を向上することにより、飽和炭化水素を高効率で酸化浄化することが可能となる。また、Pt/Rh含有触媒層32及びPt含有触媒層37は最上層に配置されている、すなわち、排気ガスに最初に接触するように配置されているため、H12等の酸化により生じる生成熱が下層の触媒層に流れることにより下層の触媒層の触媒活性を向上することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る排気ガス浄化触媒装置について説明する。なお、本実施形態では、第1の実施形態と同一部材については同一の符号を付けてその説明を省略し、異なる部分について説明する。
図8に示すように、本実施形態の排気ガス浄化触媒装置40では、排気マニホールド3の排気ガス流れ方向下流側に位置する集合部に第1触媒50が設けられており、排気管4に第2触媒60が設けられている。すなわち、排気ガス流れ方向上流側に第1触媒50が設けられ、その下流側に第1触媒50と離間して第2触媒60が設けられている。
第1触媒50及び第2触媒60は、図2に示した第1の実施形態の触媒10と同様に、コージェライト製のハニカム担体20の排気ガス通路壁に触媒層が配設されて構成されている。
また、本実施形態において、排気マニホールド3の内壁には断熱層70が設けられている。このように第1触媒50よりも排気ガス流れ方向上流側に断熱層70が設けられることで、エンジンからの排気ガスを、その温度を維持して第1触媒50にまで流すことができて、第1触媒50の触媒活性を向上することができる。また、図8では、図示していないが、第1触媒50と第2触媒60との間における排気ガス通路の内壁に断熱手段としての断熱層70が形成されていてもよい。このようにすると、第1触媒50から第2触媒60に排気ガスが流れる際においても、その温度を維持することができて、第2触媒60の活性を向上するのに有利である。断熱層70としては、排気ガス通路壁の材料よりも熱伝導率が低い材料からなるものであれば特に限られず、例えばジルコニア等の無機酸化物の他に、Siを主体とするシリコーン樹脂やケイ酸ガラス等を用いることができる。なお、断熱手段としては断熱層40に限られず、例えば排気マニフォールド3を二重管構造にしてもよい。また、本実施形態においても、上記エンジンは、通常の点火プラグによるアシストで燃料を燃焼させる火花点火(Spark Ignition:SI)燃焼のみを行うものに限られない。この他に、例えばエンジンの低負荷側を予混合圧縮自己着火(Homogeneous Charge Compression Ignition:HCCI)燃焼による運転領域とし、高負荷側を上記点火プラグによるアシストで燃料を燃焼させる火花点火(Spark Ignition:SI)燃焼による運転領域として燃焼モードを切り替えるエンジンであってもよいし、低負荷から高負荷までの全域でHCCI燃焼を行うエンジンであってもよい。
<触媒層の構成>
次に、本実施形態の第1触媒50及び第2触媒60の触媒層構成について説明する。図9は第1触媒50の触媒層構成を示す断面図であり、図10は第2触媒60の触媒層構成を示す断面図である。
図9に示すように、第1触媒50では、ハニカム担体20の排気ガス通路壁(基材)上にPt含有触媒層51が設けられている。Pt含有触媒層51には、シリカ−アルミナにPtが担持されてなるPt担持シリカ−アルミナが含まれている。また、Pt含有触媒層51には、バインダーが含まれており、バインダー原料としては、例えば硝酸ジルコニルが用いられ得る。また、第1触媒50において、触媒金属としてPtの他にPdが含まれていてもよい。この場合、Pt含有触媒層51にPdが含まれていてもよいし、以下に説明するPd含有触媒層61をPt含有触媒層51とハニカム担体20の排気ガス通路壁との間に設けて二層構造としてもよい。
一方、第2触媒60では、図10に示すように、ハニカム担体20の排気ガス通路壁(基材)上に、Pd含有触媒層(下層)61が形成され、該Pd含有触媒層61上、すなわち排気ガス通路側にRh含有触媒層(上層)62とが形成されている。
Pd含有触媒層61には、サポート材に担持された触媒金属としてのPdが含まれている。例えば、Pd含有触媒層61は、活性アルミナ(γアルミナ)にPdが担持されたPd担持アルミナ、並びにZr及びCeを含有するZrCe系複合酸化物にPdが担持されたPd担持ZrCe系複合酸化物を含む。さらに、Pd含有触媒層61は、酸素吸蔵放出能(OSC)を有するセリア等のOSC材を含んでいてもよい。また、Pd含有触媒層61には、バインダーが含まれており、バインダー原料としては、例えば硝酸ジルコニルが用いられ得る。
一方、Rh含有触媒層62は、サポート材に担持された触媒金属としてのRhが含まれている。また、Rh含有触媒層62には、例えば活性アルミナ(γアルミナ)にRhが担持されたRh担持アルミナ、及びZr及びCeを含有するZrCe系複合酸化物にRhが担持されたRh担持ZrCe系複合酸化物が含まれている。さらに、Rh含有触媒層62にもバインダーが含まれており、バインダー原料としては、例えば硝酸ジルコニルが用いられ得る。
上記第1触媒50及び第2触媒60に含まれる各触媒材の調製方法は、第1の実施形態と同一であり、ここでは説明を省略する。
次に、上記排気ガス浄化触媒装置40を用いて、排気ガスを浄化する方法について説明する。本方法では、排気ガス流れ方向上流側に配置された第1触媒50により排気ガス中の炭素数5以上の飽和炭化水素を酸化浄化し、その酸化浄化による生成熱によって第1触媒50よりも下流側に配置された第2触媒60に流入する排気ガス温度を高める。これにより、第2触媒60の活性が向上し、活性が向上した第2触媒60により排気ガス中の炭素数5以上の飽和炭化水素以外の炭化水素を酸化浄化する。
このような排気ガス浄化方法によると、飽和炭化水素のうちC12等の炭素数が大きい飽和炭化水素を酸化浄化すると、その際に生じる生成熱は大きく、排気ガス流れ方向上流側に設けられたPt担持シリカ−アルミナを含む第1触媒で生じた生成熱により、下流側に設けられた第2触媒の触媒温度を昇温できて触媒性能を十分に発揮させることが可能となる。これにより、排気ガスを高効率で浄化することが可能となる。
以下に、本発明に係る排気ガス浄化触媒装置を詳細に説明するための実施例を示す。まず、本実施例では、上記第1の実施形態において示したPt担持シリカ−アルミナを最上層に含む触媒層を有する触媒のイソペンタン(C12)の浄化に関するライトオフ温度(T50)を測定し、また、Pt担持シリカ−アルミナを最上層に含まない比較例の触媒のT50と比較した。
具体的に、実施例1〜4では図7の上記C12浄化率測定試験で用いたハニカム担体と同様のハニカム担体を用い、実施例1及び2では担体上に二層構造の触媒層を設け、実施例3及び4では担体上に3層構造の触媒層を設けた。実施例1〜4で共通する触媒層の成分を表3に示す。なお、表3では、各成分量を担体1L当たりの量(g/L)で示している。
表3において、Pd含有層におけるOSC材のZrCeNd複合酸化物の組成は、ZrO:CeO:Nd=55:35:10(質量比)であり、Pd担持セリアのZrCeNd複合酸化物の組成は、ZrO:CeO:Nd=67:23:10(質量比)であり、Rh含有層のRh担持セリアのZrCeNd複合酸化物の組成は、ZrO:CeO:Nd=80:10:10(質量比)である。
実施例1の触媒では、表3のRh含有層にさらにPt担持シリカ−アルミナを30g/L含有させた。
実施例2の触媒では、表3のRh含有層にさらにPt担持シリカ−アルミナを18g/L含有させ、Pd含有層に12g/L含有させた。
実施例3の触媒では、表3のRh含有触媒層の上にさらにPt含有層を設けて三層構造とし、Pt含有層に30g/LのPt担持シリカ−アルミナと同量のバインダーである硝酸ジルコニルを含有させた。
実施例4の触媒では、表3のRh含有触媒層の上にPt含有層を設けて三層構造とし、Pt含有層に18g/LのPt担持シリカ−アルミナと同量のバインダーである硝酸ジルコニルを含有させ、Pd含有層及びRh含有層にそれぞれ6g/LのPt担持シリカ−アルミナを含有させた。
一方、比較例1の触媒は表3に示す触媒成分のみを含む触媒とした。
比較例2の触媒では、実施例1の触媒における30g/LのPt担持シリカ−アルミナに代えて、Pt担持シリカとPt担持アルミナとを20:80(重量比)でトータル30g/Lを含有させた。
比較例3の触媒では、実施例2の触媒におけるPt担持シリカ−アルミナに代えて、Pt担持シリカとPt担持アルミナとを20:80(重量比)でRh含有層にトータル18g/L、Pd含有層にトータル12g/Lをそれぞれ含有させた。
比較例4の触媒では、実施例3の触媒における30g/LのPt担持シリカ−アルミナに代えて、Pt担持シリカとPt担持アルミナとを20:80(重量比)でトータル30g/Lを含有させた。
比較例5の触媒では、実施例4の触媒におけるPt担持シリカ−アルミナに代えて、Pt担持シリカとPt担持アルミナとを20:80(重量比)でPt含有層にトータル18g/L、Rh含有層にトータル6g/L、Pd含有層にトータル6g/Lをそれぞれ含有させた。
上記実施例1〜4及び比較例1〜3の触媒に対して、930℃で50時間のエージング処理後のC12浄化性能としてライトオフ温度(T50)の測定を行った。ライトオフ温度(T50)は、触媒に流入させるモデルガスの温度を常温から漸次上昇させていき、C12の浄化率が50%に達したときの触媒入口ガス温度である。モデルガスの組成は、イソペンタン(C12)が3000ppmC、COが1700ppm、Oが10.5%、COが13.9%、HOが10%、残部がNである。また、ガスの流量を26.1L/minとし、空間速度をSV=60000h−1とした。各触媒のC12に係るT50の測定結果を表4に示す。
表4に示すように、実施例1〜4の触媒と比較例1〜5の触媒とを比較すると、実施例1〜4の触媒の方が、ライトオフ温度(T50)が低く、C12の浄化性能が高いことが分かる。実施例1(二層構造)と実施例3(三層構造)、及び実施例2(二層構造)と実施例4(三層構造)とをそれぞれ比較すると、T50に大きな差は見られず、すなわち二層構造の触媒と三層構造の触媒とでは、C12の浄化性能はほぼ同等であると示唆される。
以上から、Pt担持シリカ−アルミナを触媒成分として用いることにより、飽和炭化水素を高効率で浄化でき、Pt担持シリカ−アルミナを触媒層の最上層により多く含有させることで、その浄化性能をより向上することができることが示唆された。
次に、上記第2の実施形態において示した排気ガス流れ方向上流側の第1触媒にPt担持シリカ−アルミナを含有させ、その下流側の第2触媒にPd含有触媒層とRh含有触媒層とを設けた触媒のHCの浄化性能を測定し、また、第1触媒にPt担持シリカ−アルミナの代わりにPt担持シリカとPt担持アルミナとの混合触媒材を含有させた比較例の触媒のHC浄化性能を測定し、それらを比較した。
具体的に、実施例5ではPt担持シリカ−アルミナを含むPt含有触媒層を上記実施例1〜4で用いたものと同様のハニカム担体上に形成して得られた第1触媒と、Pd含有触媒層及びRh含有触媒層を上記実施例1〜4で用いたものと同様のハニカム担体上に順次形成して得られた二層構造の触媒層を含む第2触媒とを作製した。
第1触媒のPt含有触媒層は、上記Pt含有触媒層の調製方法に従って作製した。なお、シリカ−アルミナにおけるSiOとAlとの重量比をSiO:Al=20:80とした。このシリカ−アルミナ粉末に対して5重量%のジニトロジアミンPt硝酸溶液を用いて蒸発乾固法によりPtを担持した。調製したPt担持シリカ−アルミナに、イオン交換水及びバインダーを加えて、得られたスラリーを上記ハニカム担体にコーティングし、その後、150℃で乾燥及び500℃で2時間焼成することにより、Pt含有触媒層を担体上に設けた。なお、担体には、100g/L(担体1L当たりの担持量)のPt担持シリカ−アルミナが含まれるようにPt含有触媒層を設けた。
一方、第2触媒のPd含有触媒層及びRh含有触媒層は、上記Pd含有触媒層及びRh含有触媒層の調製方法に従って作製した。それらの触媒層の成分を表5に示す。なお、表5では、各成分量を担体1L当たりの量(g/L)で示している。
表5において、Pd含有触媒層におけるOSC材及びPd担持セリアのZrCeNd複合酸化物の組成は、ZrO:CeO:Nd=67:23:10(質量比)であり、Rh含有触媒層のRh担持セリアのZrCeNd複合酸化物の組成は、ZrO:CeO:Nd=80:10:10(質量比)である。なお、本実施例では、Pd及びRhの蒸発乾固法による担持は、450℃で乾燥及び焼成を行った。また、上記触媒材とイオン交換水とを混合して調製されたスラリーを担体にコーティングした後の乾燥及び焼成は、担体を常温から450℃になるまで一定の昇温速度で1.5時間かけて昇温し、その温度に2時間保持することにより行った。さらに、本実施例では、Pd含有触媒層及びRh含有触媒層が設けられた担体に酢酸バリウム水溶液を含浸した。含浸後、担体を常温から200℃まで略一定の昇温速度で1.5時間かけて昇温し、その温度に2時間保持(乾燥)した。その後、200℃から500℃まで略一定の昇温速度で4時間かけて昇温し、その温度に2時間保持し(焼成)した。
一方、比較例6は、実施例5と比較して第2触媒は同一であり、第1触媒の構成のみが異なる。具体的に、比較例6において、第1触媒のPt含有触媒層には、Pt担持シリカ−アルミナの代わりにPt担持シリカとPt担持アルミナとが20:80(質量比)の割合で含有されている。Pt担持シリカは、シリカ粉末に対してジニトロジアミンPt硝酸溶液を用いて蒸発乾固法によりPtを担持して得た。また、Pt担持アルミナは、アルミナ粉末に対して5重量%のジニトロジアミンPt硝酸溶液を用いて蒸発乾固法によりPtを担持して得た。調製したPt担持シリカ及びPt担持アルミナを20:80の質量比で混合し、イオン交換水及びバインダーを加えて、得られたスラリーを上記ハニカム担体にコーティングし、その後、150℃で乾燥及び500℃で2時間焼成することにより、Pt含有触媒層を担体上に設けた。なお、担体には、100g/L(担体1L当たりの担持量)のPt担持シリカ及びPt担持アルミナが含まれるようにPt含有触媒層を設けた。
上記実施例5及び比較例6のそれぞれの第1触媒及び第2触媒をモデルガス流通反応装置に取り付け、HC成分を含むモデルガスを流して、HC浄化性能を測定した。なお、それらの触媒を、第1触媒と第2触媒とが離間して、第1触媒が第2触媒よりもガス流れ方向上流側に位置するようにモデルガス流通反応装置に取り付けた。また、それらの触媒に対して予め、Oが2%、HOが10%の雰囲気下において800℃で24時間のエージング処理を行った。ここでは、触媒に流入させるモデルガスの温度を100℃から30℃/分で上昇させていき、第2触媒の出口におけるHC濃度を測定し、上記触媒に流入する温度が250℃及び300℃のときのHC浄化率を算出した。モデルガスの組成は、n−ペンタンが1000ppmC、i−ペンタンが1000ppmC、トルエンが2000ppmC、COが1500ppm、NOが30ppm、Oが10%、HOが10%、残部がNである。また、ガスの流量を26.1L/minとし、空間速度をSV=63000h−1とした。実施例5及び比較例6の触媒の250℃及び300℃におけるHC浄化率の測定結果を図11に示す。
図11に示すように、実施例5の触媒と比較例6の触媒とのHC浄化率を比較すると、実施例5の触媒の方が、HC浄化率が高いことがわかる。これは、実施例5では第1触媒にPt担持シリカ−アルミナが含まれており、特に、n−ペンタンやi−ペンタン等の酸化浄化能が比較例6の触媒よりも高いためであると考えられる。さらに、n−ペンタンやi−ペンタン等の酸化による生成熱が下流側の第2触媒に流れて第2触媒の活性を向上するためであると考えられる。このように、Pt担持シリカ−アルミナを含む第1触媒を第2触媒の上流側に設けることで、HC等の排気ガス浄化性能を向上できることが示唆された。
1 排気ガス浄化触媒装置
2 シリンダヘッド
3 排気マニホールド
4 排気管
10 触媒
20 ハニカム担体
30,35 触媒層
31 Pd含有触媒層(下層,最下層)
32 Pt/Rh含有触媒層(上層)
36 Rh含有触媒層(中間層)
37 Pt含有触媒層(最上層)
40 排気ガス浄化触媒装置
50 第1触媒
51 Pt含有触媒層
60 第2触媒
61 Pd含有触媒層
62 Rh含有触媒層
70 断熱層

Claims (8)

  1. エンジンの排気ガス通路内に配置され且つ担体基材上に積層された複数の触媒層が形成されてなる触媒を含み、前記エンジンから排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化触媒装置であって、
    前記触媒は、Pt、Pd及びRhを触媒金属として含み、
    前記触媒金属としてのPtは、サポート材としてのシリカ−アルミナに担持されており、
    前記シリカ−アルミナに前記Ptが担持されてなるPt担持シリカ−アルミナは、前記触媒層のうちの前記排気ガスに最初に接触する最上層に含まれ
    前記触媒層の最上層には、さらに前記Rhが含まれており、
    前記触媒層の最上層よりも下層には、前記Pdが含まれていることを特徴とする排気ガス浄化触媒装置。
  2. エンジンの排気ガス通路内に配置され且つ担体基材上に積層された三層からなる触媒層が形成されてなる触媒を含み、前記エンジンから排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化触媒装置であって、
    前記触媒は、Pt、Pd及びRhを触媒金属として含み、
    前記触媒金属としてのPtは、サポート材としてのシリカ−アルミナに担持されており、
    前記シリカ−アルミナに前記Ptが担持されてなるPt担持シリカ−アルミナは、前記触媒層のうちの前記排気ガスに最初に接触する最上層に含まれ、
    前記触媒層の最下層には、前記Pdが含まれており、
    前記触媒層の中間層には、前記Rhが含まれていることを特徴とする排気ガス浄化触媒装置。
  3. 前記Pt担持シリカ−アルミナは、前記触媒層の最上層以外の層にも含まれており、
    前記触媒層の最上層における前記Pt担持シリカ−アルミナの含有量は、他の層における前記Pt担持シリカ−アルミナの含有量よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の排気ガス浄化触媒装置。
  4. エンジンの排気ガス通路内に配置され且つ担体基材上に触媒層が形成されてなる触媒を含み、前記エンジンから排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化触媒装置であって、
    前記触媒は、Pt、Pd及びRhを触媒金属として含み、
    前記触媒金属としてのPtは、サポート材としてのシリカ−アルミナに担持されており、
    前記触媒は、第1触媒と、該第1触媒よりも排気ガス流れ方向下流側に配設された第2触媒とを含み、
    前記第1触媒は、前記シリカ−アルミナに前記Ptが担持されてなるPt担持シリカ−アルミナを含み前記排気ガスに最初に接触する触媒層を有し、
    前記第1触媒よりも排気ガス流れ方向上流側、及び前記第1触媒と前記第2触媒との間のうちの少なくとも一方の排気ガス通路に断熱手段が設けられていることを特徴とする排気ガス浄化触媒装置。
  5. 前記第1触媒は、前記Pdをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の排気ガス浄化触媒装置。
  6. 前記第1触媒と前記第2触媒とは離間していることを特徴とする請求項4又は5に記載の排気ガス浄化触媒装置。
  7. 前記断熱手段は、二重管構造及び低熱伝導材からなる断熱層のうち少なくとも一方であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒装置。
  8. エンジンの排気ガス通路に複数の触媒層を含む触媒を配置して、該エンジンから排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化方法であって、
    シリカ−アルミナにPtが担持されてなるPt担持シリカ−アルミナを含む第1触媒層を排気ガスに最初に接触するように配置し、Pd又はRhを含む第2触媒層を前記第1触媒層よりも後に排気ガスに接触するように配置し、
    前記第1触媒層により前記排気ガス中の炭素数5以上の飽和炭化水素を酸化浄化し、その酸化浄化による生成熱によって前記第2触媒層に流入する排気ガス温度を高め、
    前記排気ガス温度の上昇により活性化された前記第2触媒層によって前記排気ガス中の前記炭素数5以上の飽和炭化水素以外の炭化水素を酸化浄化することを特徴とする排気ガス浄化方法。
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