JP6102517B2 - リーダーストリップ付きコイル、リーダーストリップ付きコイルの製造方法および製造システム - Google Patents
リーダーストリップ付きコイル、リーダーストリップ付きコイルの製造方法および製造システム Download PDFInfo
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Description
上記のようにリーダーストリップ52a、52bは最終的には製品にならずに破棄される部分であるため、製品の製造コストを下げる観点からは、リーダーストリップは52a、52bはできるかぎり長さが短く幅が狭いことが好ましい。ただし、鋼帯51の酸洗ラインでスクラップになる部分をリーダーストリップ52a、52bに活用できる場合は、その限りでない。
溶接装置23は、搬送方向に並んで搬送される鋼帯を溶接する手段である。すなわち、下流側の鋼帯の先端と先行する鋼帯の尾端とを溶接する装置である。ここで2枚の鋼帯を接続することによって、連続した鋼帯を形成する。溶接装置23としては、フラッシュバット溶接機やレーザ溶接機を用いることができる。
溶接装置23における溶接で発生した余肉は、フラッシュトリマーやスウェージングロール等により処理される。
このような先端処理装置22および溶接装置23としては、従来の酸洗ラインに備えられるものを特に限定することなく用いることができる。
酸洗槽25を通った鋼帯はリンス槽26において表面を洗浄される。リンス槽26は、水等のリンス液で鋼帯の表面を洗浄する手段である。
また、リンス槽26を通った鋼帯はドライヤー27によって乾燥される。ドライヤー27は鋼帯の表面の水分を乾燥させて除去する手段である。
このような酸洗槽25、リンス槽26およびドライヤー27としては、従来の酸洗ラインに備えられるものを特に限定することなく用いることができる。
一方、制御手段40は、図4(B)に示したように、リバース圧延における圧延対象となる第1の鋼帯51の前および/または後にリバース圧延における圧延対象にはならない第2の鋼帯52が並ぶように搬送順を決定する。このようにして第1の鋼帯51の前および/または後、好ましくは第1の鋼帯51の前および後に第2の鋼帯52が並ぶように搬送することによって、後述するように第1の鋼帯51にリーダーストリップ52a、52bを接続することができる。
上記のようにして制御手段40によって決定された搬送順に従って、鋼帯払い出し装置21にコイルをセットする。そして、溶接装置23が第1の鋼帯51の先端および/または尾端に第2の鋼板52を溶接する。
酸洗ラインを経た後に冷間圧延などを施されずにそのまま出荷される鋼帯には、錆びを防ぐために防錆油を表面に塗布しておくことが好ましい。
一方、リバース圧延等に供される鋼帯は酸洗ラインを通った後に焼鈍されることがある。焼鈍する際に鋼帯の表面に防錆油が付着しているとススが生じる虞がある。また、防錆油が塗布された鋼帯をそのままリバース圧延に供すると、圧延用の潤滑油と混じって該潤滑油の性状を悪化させる虞がある。
従来の酸洗ラインでは、鋼帯の溶接部分の前後において鋼帯を切断していた。例えば、図4(A)に破線で示したように示したように、各鋼帯の溶接部分の前後を切断していた。
一方、制御手段40は、図4(B)に破線で示したように、第1の鋼帯51に接続された第2の鋼帯52の一部で切断するように出側シャー31に指示する。出側シャー31が第1の鋼帯51に接続された第2の鋼帯52の一部を切断することによって、第1の鋼帯51に接続された第2の鋼帯52の一部をリーダーストリップ52a、52b(図2参照)とすることができる。
第1の鋼帯51の先端にリーダーストリップ52aが接続されている場合は、リーダーストリップ52aの先端からリーダーストリップ52aと第1の鋼帯51との接続部まで、EPCによる制御を行わないことが好ましい。
第1の鋼帯51の尾端にリーダーストリップ52bが接続されている場合は、第1の鋼帯51とリーダーストリップ52bとの接続部からリーダーストリップ52bの尾端まで、EPCによる制御を行わないことが好ましい。
EPCは、搬送される鋼帯の幅方向端部位置を認識して、巻き取られる鋼帯の巻きズレを抑制しつつ巻き取るための装置である。上述したようにリーダーストリップ52a、52bの幅を第1の鋼帯51の幅より狭くしていた場合、幅が狭いリーダーストリップ52a、52bの幅方向端部を鋼帯の幅方向端部であるとEPCが認識して鋼帯の巻きズレを修正しようとすると、かえって鋼帯がずれて巻き取られることになるからである。
従来のリーダーストリップ付きコイルの製造方法では、専用の設備において鋼帯にリーダーストリップを溶接していたため、鋼帯にリーダーストリップを溶接した後に一旦巻き取ってから酸洗ラインに搬送していた。
一方、製造システム100によれば、酸洗ライン20において第1の鋼帯51にリーダーストリップ52a、52bとなる第2の鋼帯52を溶接することができるため、鋼帯にリーダーストリップを接続するためだけの専用設備を必要としない。従って、接続工程S12において第1の鋼帯51と第2の鋼帯52とを溶接した後、これらを一旦巻き取ることなく酸洗槽25において酸洗処理を施し、その後、第2の鋼帯52の一部をリーダーストリップ52a、52bにすることができる。
第1の鋼帯51の先端にリーダーストリップ52aが接続されている場合は、リーダーストリップ52aの先端からリーダーストリップ52aと第1の鋼帯51との接続部まで、EPCによる制御を行わないことが好ましい。
第1の鋼帯51の後端にリーダーストリップ52bが接続されている場合は、第1の鋼帯51とリーダーストリップ52bとの接続部からリーダーストリップ52bの後端まで、EPCによる制御を行わないことが好ましい。
EPCは、搬送される鋼帯の幅方向端部位置を認識して、巻き取られる鋼帯の巻きズレを抑制しつつ巻き取るための装置である。上述したようにリーダーストリップ52a、52bの幅を第1の鋼帯51の幅より狭くしていた場合、幅が狭いリーダーストリップ52a、52bの幅方向端部を鋼帯の幅方向端部であるとEPCが認識して鋼帯の巻きズレを修正しようとすると、かえって鋼帯がずれて巻き取られることになるからである。
2 入側リール
3 出側リール
4 鋼帯
5 鋼帯
51 第1の鋼帯
52 第2の鋼帯
52a リーダーストリップ
52b リーダーストリップ
10 リバース圧延機
20 酸洗ライン
21 鋼帯払い出し装置
22 先端処理装置
23 溶接装置(接続手段)
25 酸洗槽
26 リンス槽
27 ドライヤー
28 塗油装置
29 出側シャー(切断手段)
30 鋼帯巻き取り装置(巻取手段)
40 制御手段
Claims (7)
- リバース圧延に供されるリーダーストリップ付きコイルの製造方法であって、
酸洗ラインにおいて、
前記リバース圧延における圧延対象となる第1の鋼帯の先端側および/または尾端側に前記リバース圧延における圧延対象とならない第2の鋼帯が並ぶように搬送する、搬送順決定工程と、
前記第1の鋼帯の先端側および/または尾端側に前記第2の鋼帯を接続する、接続工程と、
前記接続工程の後、前記第1の鋼帯および前記第2の鋼帯を巻き取ることなく前記第1の鋼帯および前記第2の鋼帯に酸洗処理を施す、酸洗工程と、
前記酸洗工程の後、前記第1の鋼帯に接続された前記第2の鋼帯の一部を切断し、前記第1の鋼帯に接続された前記第2の鋼帯の一部をリーダーストリップとする、切断工程と、
前記リーダーストリップが接続された前記第1の鋼帯を巻き取る、巻取り工程と、
を含む、リーダーストリップ付きコイルの製造方法。 - 前記第2の鋼帯の幅が前記第1の鋼帯の幅より狭い、請求項1に記載のリーダーストリップ付きコイルの製造方法。
- 前記酸洗ラインが、搬送される鋼帯の幅方向端部位置を認識して該鋼板の巻きズレを抑制しつつ巻き取れる、巻きズレ抑制装置を備えており、
前記第1の鋼帯の先端側に前記リーダーストリップが接続されている場合は、前記巻取り工程において、該リーダーストリップの先端から該リーダーストリップと前記第1の鋼帯との接続部まで、前記巻きズレ抑制装置による制御を行わずに前記第1の鋼帯および前記リーダーストリップを巻き取り、
前記第1の鋼帯の尾端側に前記リーダーストリップが接続されている場合は、前記巻取り工程において、前記第1の鋼帯と該リーダーストリップとの接続部から該リーダーストリップの尾端まで、前記巻きズレ抑制装置による制御を行わずに前記第1の鋼帯および前記リーダーストリップを巻き取る、請求項1または2に記載のリーダーストリップ付きコイルの製造方法。 - 前記酸洗ラインで前記第2の鋼帯のうち前記リーダーストリップになる部分および前記第1の鋼帯には防錆油を塗布しない、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のリーダーストリップ付きコイルの製造方法。
- リバース圧延に供されるリーダーストリップ付きコイルを製造するリーダーストリップ付きコイル製造システムであって、
搬送方向に並んで搬送される鋼帯を接続する接続手段、前記鋼帯を幅方向に切断する切断手段、および切断された前記鋼帯を巻き取る巻取手段を備える酸洗ラインと、
前記酸洗ラインにおける前記鋼帯の搬送順の決定および前記酸洗ラインに備えられる手段の制御を行う制御手段と、を備え、
前記制御手段が、前記リバース圧延における圧延対象となる第1の鋼帯の先端側および/または尾端側に前記リバース圧延における圧延対象にはならない第2の鋼帯が並ぶように前記搬送順を決定するとともに、前記接続手段が前記第1の鋼帯の先端側および/または尾端側に前記第2の鋼板を接続し、
前記制御手段が、前記第1の鋼帯に接続された前記第2の鋼帯の一部で切断するように前記切断手段を制御し、前記切断手段が前記第1の鋼帯に接続された前記第2の鋼帯の一部を切断して前記第1の鋼帯に接続された前記第2の鋼帯の一部をリーダーストリップとし、
前記制御手段が、前記第1の鋼帯と前記リーダーストリップとを巻き取るように前記巻取手段を制御する、リーダーストリップ付きコイル製造システム。 - 前記制御手段による指示を手動にて変更または取り消し可能である、請求項5に記載のリーダーストリップ付きコイル製造システム。
- 前記酸洗ラインが、鋼帯に防錆油を塗布する防錆油塗布手段を備えており、
前記制御手段が、前記第2の鋼帯のうち前記リーダーストリップになる部分および前記第1の鋼帯には前記防錆油を塗布しないように前記防錆油塗布手段を制御する、請求項5または6に記載のリーダーストリップ付きコイル製造システム。
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