JP6099554B2 - 部品組み立て装置 - Google Patents
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Description
産業用ロボットは、そのスピード、パワー、(位置)精度の面において人の能力を大幅に上回っており、シンプルな形状で寸法誤差の少ない部品を高速かつ大量に組み立てるのに適している。
一方、人の手作業では、形状が複雑で比較的寸法誤差の多い部品や、ケーブルなどの柔軟物であっても、目からの情報と手先の感覚を総合的に利用して部品嵌合の位置を探り当てて組み立てることができる。
(1)ロボットが所定の速度で接触しても問題がないような衝撃吸収機構と部品位置誤差吸収機構を組み立て部品の治具毎に設置する。
(2)ロボットとハンドなどのエンドエフェクタの間に力センサを設置し、組み立て時に過大な力が発生しないように位置を制御する。
(3)ロボットとハンドなどのエンドエフェクタの間にRCC(リモート・コンプライアンス)のようなパッシブ・コンプライアンスを設置する。
一方、上記(2)の方法では、衝撃吸収のための治具が必要なくなり、プログラムで組み立て部品の変更にも対応できる。しかしながら、力センサによる力制御の必要な組み立て動作は遅く、力センサも高価である。
また、上記(3)の方法では位置誤差吸収が可能である。しかしながら、組み立て部品の種類が変わった場合、都度調整が必要という課題が残る。
また、部品同士が接触した後には、位置誤差を吸収し倣わせながら、部品の種類や組み立て方法に最適な作業力で組み立てを行う必要がある。しかしながら、摩擦の多い減速機構を有するロボット単体で微妙な力やコンプライアンスの制御を高速に行うことは力センサを設置しても難しいという課題がある。
そして、そのアクチュエータはエンドエファクタ近くにある方がアクチュエータの支える重量が少なく小型化できるため有利であり、エンドエフェクタ自体、例えばハンドの把持爪などに前記のコンプライアンス機能などがあれば更によい。
実施の形態1.
まず、従来の電動ハンドの一例について、図1を参照しながら説明する。尚、図1では、ピン4,5と駆動用モータ6及びカム7との関係を示すため、その位置を変更して示し、また、把持爪1,2の爪先の図示を省略している。
また、把持爪1,2には、各々の移動面に対して略垂直な向きにピン4,5が立てられている。このピン4,5は、図1に示すように、駆動用モータ6の回転軸を中心に対称で螺旋状に配置されたカム溝71を有するカム7により案内される。
しかし、発明が解決しようとする課題で述べた通り、形状が複雑で比較的寸法誤差の多い部品を組み立てるには部品同士の相対位置誤差を吸収し倣わせる機能が必要であるが、上記のような従来型の電動ハンドでは組み立て時に過大な力が発生しても吸収して倣わせることは難しいという課題がある。
また、把持爪11,12には、各々の移動面に対して略垂直な向きにピン14,15が立てられている。図2に示すように、ピン14は、駆動用モータ(駆動部)16の回転軸を中心に螺旋状に配置されたカム溝171を有するカム17により、ピン15は、駆動用モータ(駆動部)18の回転軸を中心に螺旋状に配置されたカム溝191を有するカム19により、各々独立して案内される。
また、上記リニアガイド13及びカム17,19は、駆動用モータ16,18の回転トルクを把持爪10,11の推力に変換するトルク変換機構を構成する。
しかしながら、特許文献2では、カム溝の形状を工夫することで把持可能な形状の拡大と正確なセンタリングを目指したものであり、部品同士の相対位置誤差を吸収し倣わせる手段については触れておらず、発明が解決しようとする課題を解消するものではない。
制御部22は、図3に示すように、アップ・ダウンカウンタ221,222、把持爪位置変換部223,224、推力算出部225、目標推力変換部226,227、速度検出部228,229、減算器230,231及びモータ駆動用ドライバ232,233から構成されている。
アップ・ダウンカウンタ222は、回転位置検出器21により出力されたパルス数をカウントすることで、駆動用モータ18の回転位置を検出するものである。
尚、駆動用モータ16,18は互いに逆方向に回転し、把持爪11,12が開くに従い、アップ・ダウンカウンタ221,222による出力が増加するものとする。
把持爪位置変換部224は、駆動用モータ18の回転位置とリニアガイド13軸上の把持爪12の位置との関係について予め定められた参照データに基づいて、アップ・ダウンカウンタ222により検出された駆動用モータ18の回転位置を、リニアガイド13軸上の把持爪12の位置(把持爪位置P2)に変換するものである。
増幅器236は、比較器235により得られた値を、所定のゲインGで増幅するものである。
減算器238は、入力された目標把持力fr/2から、増幅器236により得られた値を減算して、把持爪12の推力指令値f2とするものである。
目標推力変換部227は、駆動用モータ18の回転トルクとリニアガイド13軸上の把持爪12の発生推力との関係について予め定められた参照データに基づいて、推力算出部225により算出された推力指令値f2と、把持爪位置変換部224により換算された把持爪位置P2とから、目標とする把持爪12の推力を発生するために必要な回転トルクを求めるものである。
速度検出部229は、アップ・ダウンカウンタ222により検出された駆動用モータ18の回転位置を微分して把持爪12の移動速度を算出するものである。
モータ駆動用ドライバ231は、減算器231を介して目標推力変換部227から入力された回転トルクに基づいて、駆動用モータ18が同じ値の回転トルクを発生するように制御するものである。
この場合、目標推力変換部226,227の入力には、加減算器238,239を介して目標把持力frの1/2の値が把持爪11,12の推力指令値f1,f2として与えられる。
そして、この推力指令値f1,f2が与えられることによって、駆動用モータ16,18が互いに逆方向に回転し把持爪11,12が閉じる方向に移動し始める。その後、把持爪11,12が各々把持対象物に接触し停止した時点で把持動作が完了する。
図3において、減算器234により把持爪11の位置P1から把持爪12の位置P2を減算した値は把持中心のずれ量(把持中心位置ずれPd)を表し、実際のずれ量はP1−P2を2で割った値となることは前に説明した。
f1=fr/2+G・Pd (1)
f2=fr/2−G・Pd (2)
把持力=f1+f2=(fr/2+G・Pd)+(fr/2−G・Pd)=fr
(3)
位置ずれ応力=f1−f2=(fr/2+G・Pd)−(fr/2−G・Pd)=2G・Pd (4)
このことは、本発明の構成により、把持力を変えないでコンプライアンス機能をもつ電動ハンドが実現できることを意味する。
図3において、把持中心位置ずれPdを比較器235及び増幅器236を介して加算器237で把持爪11の目標把持力fr/2に加算すると同時に、減算器238で把持爪12の目標把持力fr/2から減算することで、把持力を変えないでコンプライアンス機能をもたせることができることは前に説明した。
f1=fr/2+G・(Pd−Pr) (5)
f2=fr/2−G・(Pd−Pr) (6)
把持力=f1+f2=(fr/2+G・(Pd−Pr))+(fr/2−G・(Pd−Pr))=fr (7)
位置ずれ応力=f1−f2=(fr/2+G・(Pd−Pr))−(fr/2−G・(Pd−Pr))=2G・(Pd−Pr) (8)
また、各々独立した駆動用モータ16,18により所定方向移送される複数の把持爪11,12が発生する推力の差分に基づき把持爪11,12の移動方向を制御するように構成したので、把持力を一定に保ったまま任意の位置に対象物を移送できる。
また、各々独立した駆動用モータ16,18により所定方向移送される複数の把持爪11,12が発生する推力の差分を、把持爪中心の所定の基準位置からのずれ量に比例するように構成したので、把持力を一定に保ったままコンプライアンス機能を持たせることができる。
実施の形態1では、把持爪11,12及び駆動用モータ16,18の数が2つであり、当該把持爪11,12の移動方向が1軸である電動ハンドを用いた場合について示した。しかしながら、これに限るものではなく、例えば、把持爪及び駆動用モータの数を3つとし、当該把持爪の移動方向が2軸又は3軸である電動ハンドを用いるようにしてもよい。以下、3軸の電動ハンドに本発明の部品組み立て装置を適用した場合について示す。
また、把持爪23〜25には、各々の移動面に対して略垂直な向きにピン(不図示)が立てられている。各ピンは、実施の形態1と同様に、各独立した駆動用モータ(駆動部)26〜28の回転軸を中心に螺旋状に配置されたカム溝を有するカム29〜31により、各々独立して案内される。
また、上記リニアガイド及びカム29〜31は、駆動用モータ26〜28の回転トルクを把持爪23〜25の推力に変換するトルク変換機構を構成する。
制御部35は、図5に示すように、アップ・ダウンカウンタ351〜353、把持爪位置変換部354〜356、推力算出部357、目標推力変換部358〜360、速度検出部361〜363、減算器364〜366及びモータ駆動用ドライバ367〜369から構成されている。
アップ・ダウンカウンタ352は、回転位置検出器33により出力されたパルス数をカウントすることで、駆動用モータ27の回転位置を検出するものである。
アップ・ダウンカウンタ353は、回転位置検出器34により出力されたパルス数をカウントすることで、駆動用モータ28の回転位置を検出するものである。
尚、把持爪23〜25が開くに従い、アップ・ダウンカウンタ351〜353による出力が増加するものとする。
把持爪位置変換部355は、駆動用モータ27の回転位置とリニアガイド軸上の把持爪24の位置との関係について予め定められた参照データに基づいて、アップ・ダウンカウンタ352により検出された駆動用モータ27の回転位置を、リニアガイド軸上の把持爪24の位置(把持爪位置P2)に変換するものである。
把持爪位置変換部356は、駆動用モータ28の回転位置とリニアガイド軸上の把持爪25の位置との関係について予め定められた参照データに基づいて、アップ・ダウンカウンタ353により検出された駆動用モータ28の回転位置を、リニアガイド軸上の把持爪25の位置(把持爪位置P3)に変換するものである。
増幅器371は、減算器370により得られた値に、所定のゲイン(1/√3)を掛けるものである。
比較器373は、入力されたY方向目標位置の反転値から、把持爪位置変換部356から入力された把持爪位置P3を加算するものである(目標位置はリニアガイド中心を零として正負の値をとる)。
増幅器374は、比較器372により得られた値を、所定のゲインGxで増幅するものである。
増幅器375は、比較器373により得られた値を、所定のゲインGyで増幅するものである。
増幅器376は、増幅器375により得られた値を、所定のゲイン(1/2)で増幅するものである。
加算器378は、入力された目標把持力fr/3と、増幅器374により得られた値と、増幅器376により得られた値とを加算して、把持爪24の推力指令値f2とするものである。
減算器379は、入力された目標把持力fr/3から、増幅器375により得られた値を減算して、把持爪25の推力指令値f3とするものである。
目標推力変換部359は、駆動用モータ27の回転トルクとリニアガイド軸上の把持爪24の発生推力との関係について予め定められた参照データに基づいて、推力算出部357により算出された推力指令値f2と、把持爪位置変換部355により換算された把持爪位置P2とから、目標とする把持爪24の推力を発生するために必要な回転トルクを求めるものである。
目標推力変換部360は、駆動用モータ28の回転トルクとリニアガイド軸上の把持爪25の発生推力との関係について予め定められた参照データに基づいて、推力算出部357により算出された推力指令値f3と、把持爪位置変換部356により換算された把持爪位置P3とから、目標とする把持爪25の推力を発生するために必要な回転トルクを求めるものである。
速度検出部362は、アップ・ダウンカウンタ352により検出された駆動用モータ27の回転位置を微分して把持爪24の移動速度を算出するものである。
速度検出部363は、アップ・ダウンカウンタ353により検出された駆動用モータ28の回転位置を微分して把持爪25の移動速度を算出するものである。
モータ駆動用ドライバ368は、減算器365を介して目標推力変換部359から入力された回転トルクに基づいて、駆動用モータ27が同じ値の回転トルクを発生するように制御するものである。
モータ駆動用ドライバ369は、減算器366を介して目標推力変換部360から入力された回転トルクに基づいて、駆動用モータ28が同じ値の回転トルクを発生するように制御するものである。
ΔX=1/√3(P1−P2)=1/√3(Δp1+Δp2) (9)
ΔY=P1+P2=Δp1−Δp2=Δp3 (10)
fx=√3/2(f1−f2) (11)
fy=1/2(f1+f2)−f3 (12)
図5において、把持爪位置P1から把持爪位置P2を減算し係数1/√3を掛けると式(9)に示すΔXが求められる。
またΔYは把持爪位置P3の基準位置からのずれ量Δp3そのものである。
推力指令値f1=fr/3−GxΔX+Gy/2ΔY (13)
推力指令値f2=fr/3+GxΔX+Gy/2ΔY (14)
推力指令値f3=fr/3−GyΔY (15)
把持力f1+f2+f3=(fr/3+fr/3+fr/3)+(−GxΔX+Gy/2ΔY+GxΔX+Gy/2ΔY)−GyΔY=fr+GyΔY−GyΔY=fr (16)
3,13 リニアガイド
4,5,14,15 ピン
6,16,18,26〜28 駆動用モータ(駆動部)
7,17,19,29〜31 カム
20,21,32〜34 回転位置検出器
22,35 制御部
71,171,191 カム溝
221,222,351〜353 アップ・ダウンカウンタ
223,224,354〜356 把持爪位置変換部
225,357 推力算出部
226,227,358〜360 目標推力変換部
228,229,361〜363 速度検出部
230,231,234,238,364〜366,370,379 減算器
237,378 加算器
232,233,367〜369 モータ駆動用ドライバ
236,371,374〜376 増幅器
235,372,373 比較器
377 加減算器
Claims (6)
- 所定方向に移動することで対象物を把持する複数の把持爪と、
前記各把持爪に対となって設けられ、対応する前記把持爪を独立に移動させる駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記各把持爪が発生する推力の加算値が一定になるようにして当該各把持爪の把持力を制御するとともに、当該各把持爪が発生する推力の差分に基づき当該把持爪の移動方向を制御する
ことを特徴とする部品組み立て装置。 - 前記各把持爪が発生する推力の差分は、当該把持爪間の所定の基準位置からのずれ量に比例する
ことを特徴とする請求項1記載の部品組み立て装置。 - 前記把持爪及び前記駆動部の数は2つであり、当該把持爪の移動方向は1軸である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の部品組み立て装置。 - 前記把持爪及び前記駆動部の数は3つであり、当該把持爪の移動方向は2軸である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の部品組み立て装置。 - 前記把持爪及び前記駆動部の数は3つであり、当該把持爪の移動方向は3軸である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の部品組み立て装置。 - 前記駆動部は回転トルクを発生し、
前記駆動部が発生する回転トルクを前記把持爪が発生する推力に変換するトルク変換機構を備えた
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の部品組み立て装置。
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