JP6099017B2 - 分割床パンの防水構造 - Google Patents
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Description
例えば、下記特許文献1では、別体の浴槽載置パンと洗い場パンとを並置して連結してなる防水パンが提案されている。この防水パンは、浴槽載置パン及び洗い場パンの各側端縁に沿って立上部を設け、これらの側端縁同士をパッキンを介して突き合わせ、ビスによりこれらのパン同士を連結し、パン同士の突き合わせ面のパッキンの上側にコーキングを施して連結する構造とされている。
また、本発明においては、前記防水テープの厚さ寸法を0.5mm以下とし、前記浴槽床パン及び前記洗場床パンの各端部の隙間長手方向両端部の壁載置部上面に貼着された防水テープ上を含み、これら浴槽床パン及び洗場床パンの周端部に設けられた壁載置部上面に防水パッキンを貼着してもよい。
また、本発明においては、前記浴槽床パン及び前記洗場床パン同士の対向する端部を、これら浴槽床パン及び洗場床パンの各底部から立ち上がるように形成された立上部の上端部から互いに対向する方向に突出するように設けられた端部とし、前記防水テープを前記浴槽床パン及び前記洗場床パンの各端部の上面に跨るように貼着してもよい。
また、本発明においては、前記浴槽床パン及び前記洗場床パン同士の対向する前記各端部の上面及びこれら対向する端部が上端部に設けられた各立上部の少なくとも上側部位の表面を全長に亘って覆う下方開口形状のカバーを更に設けてもよい。
図1〜図8は、本実施形態に係る分割床パンの防水構造の一例を模式的に示す図である。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の実施形態では、本実施形態に係る分割床パンの防水構造を適用した浴室床パン及びこれを備えた浴室ユニットを設置した状態を基準として、上下方向等の方向を説明する。
浴室ユニット1は、図8に示すように、この浴室床パン2と、この浴室床パン2に設置される浴槽3と、を少なくとも備えている。
まず、本実施形態に係る分割床パンの防水構造が適用される浴室床パン2の一例及びこれを備えた浴室ユニット1の一例について説明する。
また、浴室ユニット1は、浴室床パン2の四周端部に沿って立設される壁パネル4,4,4,4と、図示省略の天井パネルと、を備えた、いわゆるユニットバス(システムバス)とされている。この浴室ユニット1は、戸建住宅や集合住宅等の建物内の浴室部分に設置される。
また、浴室ユニット1は、当該浴室ユニット1の出入口を開閉する建具5を備えている。図例では、建具5を、戸幅方向一端側が回動自在に支持された開き戸とした例を示しているが、折戸や引戸等としてもよい。この建具5は、浴室床パン2の四周端部のうち、洗場床パン20の一端部上に位置するように設置される。
また、浴室ユニット1は、洗場床パン20の周囲に位置する壁パネル4に取り付けられるカウンター6や、水栓金具やシャワー等の給水・給湯器具7、鏡等を備えている。
なお、浴室ユニット1は、上記したような態様に限られず、その他、種々の態様とされたものとしてもよい。
この浴室床パン2は、図7に示すように、平面視して略方形状とされている。本実施形態では、平面視して、浴槽床パン10と洗場床パン20との並設方向を長辺とした略長方形状とされた浴室床パン2を例示している。この浴室床パン2の平面視における外周寸法(浴槽床パン10と洗場床パン20との並設方向に沿う方向の寸法(幅寸法)及びこれに直交する方向の寸法(奥行寸法))は、建物内の浴室部分の躯体スペースに応じた寸法とされている。この浴室床パン2の外周寸法は、数種類にモジュール化(規格化)された浴室ユニット1の寸法に応じた寸法としてもよい。また、平面視して略正方形状とされた浴室床パン2としてもよい。
また、これら浴槽床パン10及び洗場床パン20は、図4及び図7(a)に示すように、それぞれの底部11,21の四周端部に、四周端部から上方に向けて立ち上がるように一体的に形成された立上部12,13,22,23を設けた構成とされている。
これら浴槽床パン10及び洗場床パン20の底部11,21は、これら床パン10,20同士が連結された状態で、浴槽3が設置される床部となる浴槽床パン10の底部11が、洗場の床部となる洗場床パン20の底部21よりも下方側に位置する構成とされている(図1等参照)。また、これら浴槽床パン10及び洗場床パン20の立上部12,13,22,23は、これら床パン10,20同士が連結された状態で、それぞれの上端が略同高さに位置される。つまり、洗場床パン20よりも浴槽床パン10の深さ(高さ)が大きく形成されている。
これら壁立上部12,22は、図7(a)に示すように、床パン10,20同士が連結された状態で浴室床パン2の四周端部に沿って略一連状となるように形成されている。
また、これら壁立上部12,22の上下方向途中部位には、上方に向き、壁パネル4,4,4,4が載置される壁載置部12a,22aが設けられている(図2(a)及び図5も参照)。これら壁立上部12,22の壁載置部12a,22aは、床パン10,20同士が連結された状態で、それぞれの壁載置部12a,22aの上面(壁載置部上面)12b,22bが浴室床パン2の四周端部に沿って略一連状に略同高さに位置するように形成されている。
また、壁立上部12,22には、壁載置部12a,22aから上方に向けて立ち上がる立上部としての上側部位12c,22cが設けられている(図5及び図6も参照)。
なお、図4及び図7(a)に示すように、洗場床パン20の建具5の設置箇所となる部位には、壁立上部22が設けられておらず、建具5の設置部22eとされている。この建具5の設置部22eは、建具5の設置箇所に応じた位置に設けられる。
また、本実施形態では、これら浴槽床パン10と洗場床パン20とを、図3(a)に示すように、一体成形された一体床パン9を切断して分割されたものとしている。このような構成とすることで、一体成形の床パンと同様に成形可能となり、一体成形の床パンと金型等を共通化できる。これにより、例えば、浴槽床パン10と洗場床パン20とを個別に成形するようなものと比べて成形性を向上させることができる。
また、本実施形態では、浴槽床パン10及び洗場床パン20の各底部11,21から立ち上がるように形成された堰部9aにおいて分割されたものとしている。つまり、各床パン10,20の連結側部となる立上部13,23は、堰部9aが分割されて形成されている。
図例では、浴槽床パン10の立上部13の外側面13aの天部9bの下面(裏面)に対する傾斜角度(内角)を、洗場床パン20の立上部23の外側面23aの天部9bの下面に対する傾斜角度(内角)よりも大きくした例を示している。
また、本実施形態では、これら立上部13,23自体を傾斜状に形成し、それぞれの外側面13a,23aを上記のような傾斜面としている。つまり、これら立上部13,23の内側面(表面)側も同様の傾斜面とされている。
この一体床パン9の切断は、丸鋸等の適宜の切断機8によって切断するようにしてもよい。また、この一体床パン9の切断は、施工現場への搬送前の工場内等においてなされるものとしてもよく、または、施工現場等においてなされるものとしてもよい。
なお、図例では、堰部9aの天部9bの幅方向略中央よりも洗場床パン20側に寄った部位に沿って切断したような図となっているが、堰部9aの幅が狭くなっている排水口周囲の部位においては、堰部9aの天部9bの幅方向略中央において切断されている(図7(a)参照)。
これら縦リブ9cは、堰部9aの天部9bの下面及び立上部13,23の外側面13a,23aに沿うように一連状に形成されている。また、これら縦リブ9cは、堰部9aの天部9bの下面から下方に向けて突出するように、また、立上部13,23の互いに対向するように形成された外側面13,23から対向方向に向けて突出するように形成されている。つまり、これら複数の縦リブ9cは、堰部9aの裏面側の凹溝を横断するようにそれぞれ設けられている。
また、これら縦リブ9cは、図3(a)の二点鎖線で示すように、堰部9aの天部9bとともに切断される。本実施形態では、堰部9aの天部9bを含み縦リブ9cを、浴槽床パン10側及び洗場床パン20側に分割するように、略垂直状(堰部9aの天部9bの厚さ方向に沿う方向)に切断している。
また、このように分割された浴槽床パン10及び洗場床パン20の各立上部13,23には、互いに対向する方向に向けて突出し、かつ上下に延びる複数の凸片部15,25が形成される(図3(b)等も参照)。また、これら凸片部15,25は、浴槽床パン10及び洗場床パン20の各連結側端部14,24の下面及び各立上部13,23の外側面13a,23aから一連状に突出する構成とされている。また、これら凸片部15,25は、それぞれの連結側端部14,24の先端面(対向する端面)からは対向方向に突出しないような構成とされている。つまり、これら凸片部15,25の先端面15a,25aとそれぞれの連結側端部14,24の先端面とは、略同一平面状とされている。また、これら凸片部15,25の対向する先端面15a,25aは、互いに略平行状でかつ略垂直面とされている。
また、本実施形態では、各床パン10,20の平面視及び底面視した状態における形状を、奥行方向中心線を対称軸としてそれぞれ線対称状としている。また、各床パン10,20のそれぞれの切断側面に対面した状態における形状を、奥行方向中心線を対称軸としてそれぞれ線対称状としている(図2(a)も参照)。
なお、浴槽床パン10及び洗場床パン20は、合成樹脂系材料や金属系材料等から形成されたものとしてもよい。また、合成樹脂系材料としては、ガラス繊維や炭素繊維、鉱物繊維等の強化繊維を含有した繊維強化合成樹脂系材料(いわゆるFRP)としてもよい。
本実施形態に係る分割床パンの防水構造は、図1に示すように、これら浴槽床パン10及び洗場床パン20同士の対向する連結側端部14,24間のシーリング材充填用の隙間19の底部を形成するように、これら連結側端部14,24の裏面側に硬質系材料からなるシーリング材受体31を隙間19の略全長に亘って設けた構造とされている。
この連結本体31には、隙間19の底部となるシーリング材受部32b,36bが隙間19の略全長に亘って設けられている。
この連結本体31は、合成樹脂系材料や金属系材料等の硬質系材料から形成されている。合成樹脂系材料としては、上記同様の繊維強化合成樹脂系材料としてもよい。
また、連結部材30は、この連結本体31及び洗場床パン20に止具26,27によって固定され、浴槽床パン10の立上部13が止具28によって固定される連結金具43を備えている。
また、連結本体31は、浴槽床パン10と洗場床パン20との継目部に沿うように全長に亘って配される構成とされている。上記した位置決め部32c,38,41,33a,36cは、このように長尺とされた連結本体31の全長または長手方向に間隔を空けて複数箇所に設けられている。
本実施形態では、連結本体31に、洗場床パン20に対する浴槽床パン10の上下方向、床パン奥行方向及び床パン幅方向のそれぞれの方向への位置決めを可能とする位置決め部32c,38,41,33a,36cを設けている。また、連結本体31に、洗場床パン20に対する当該連結本体31の上下方向、床パン奥行方向に沿う方向及び床パン幅方向に沿う方向のそれぞれの方向への位置決めを可能とする位置決め部32a,38,40,36aを設けている。
また、洗場床パン20に対する連結本体31の上下方向位置決め部は、図1に示すように、洗場床パン20の連結側端部24の下面に当接される当接部32aとされている。
連結本体31の床パン奥行方向の位置決め部(奥行方向位置決め部)は、図1及び図2に示すように、浴槽床パン10側に向けて開口し、この浴槽床パン10の凸片部15を受け入れる凹所(浴槽側凹所)41とされている。
また、洗場床パン20に対する連結本体31の床パン奥行方向に沿う方向の位置決め部(奥行方向位置決め部)は、連結部材30が取り付けられる洗場床パン20に設けられた凸片部25を受け入れる、連結本体31の凹所(洗場側凹所)40とされている。
また、本実施形態では、隙間19の長手方向に沿って間隔を空けて複数箇所に止具28が締結される構造としている。また、連結本体31及び浴槽床パン10の当接部13a,15a,33a,36cを、少なくとも止具28,28間及び隙間19の長手方向に沿う方向の両側端部に位置するように複数箇所に設けている。
また、本実施形態では、浴槽床パン10の当接部13a,15aを、複数の凸片部15の先端面15aを含んだものとし、連結本体31の当接部33a,36cを、浴槽側凹所41の凹底面36cを含んだものとしている。これによれば、例えば、互いの平板状部を当接部とした場合と比べて、止具28の締結方向への規制が効果的になされ、より効果的に隙間19を確保することができ、また、隙間19の幅の長手方向に沿う均一化をより効果的に図ることができる。
本実施形態では、洗場床パン20の当接部25aを、複数の凸片部25の先端面25aを含んだものとし、連結本体31の当接部36aを、洗場側凹所40の凹底面36aを含んだものとしている。これによれば、例えば、互いの平板状部を当接部とした場合と比べて、互いの床パン幅方向に沿う方向への規制が効果的になされ、より確実に床パン幅方向に沿う方向の位置決めを行うことができる。
連結本体31は、図2(a)及び図4(a)に示すように、長尺状とされている。この連結本体31は、その長さ寸法が、各床パン10,20の奥行寸法と略同寸法とされている。
また、連結本体31は、図1に示すように、床パン10,20同士が連結された状態でこれらの境界部に形成される堰部(上記した堰部9aに略相当する堰部)の裏面側の凹溝に嵌め込まれるような形状とされている。
また、本実施形態では、上記のように線対称状とされた各床パン10,20の形状に対応させて、連結本体31を、長手方向中心線を対称軸として線対称状の形状としている。
また、連結本体31は、その外郭形状が、各床パン10,20の裏面形状に略沿うように形成されている。
また、この上面部32の浴槽側上面32cが浴槽床パン10の連結側端部14が載置される載置部となり、また、浴槽床パン10の連結側端部14の下面に当接される当接部ともなる。つまり、この上面部32の浴槽側上面32cは、洗場床パン20に対する浴槽床パン10の上下方向の位置決めを可能とする上下方向位置決め部となる。
また、この上面部32の洗場側上面32aと浴槽側上面32cとの間の中間上面32bがシーリング材受部を構成し、シーリング材充填用の隙間19の底部を構成する。
また、図例では、この上面部32の幅方向両側を、それぞれに凹湾曲面形状とされた各床パン10,20の連結側の立上部13,23と連結側端部14,24との入隅部の形状に対応させて凸湾曲面形状としている。
また、本実施形態では、この側面部33自体の形状を、上記した浴槽床パン10の立上部13の傾斜形状に沿わせた形状としており、側面部33を、この立上部13の厚さ方向に厚さ方向を沿わせた薄板状としている。
これら洗場側凹所40及び浴槽側凹所41は、各床パン10,20に設けられた複数の凸片部15,25に対応した位置となるように複数箇所に設けられている(図2(a)参照)。上記した連結本体31の側面部33は、側面部33間のそれぞれに浴槽側凹所41を形成するように、これら浴槽側凹所41を隔てるようにして当該連結本体31の長手方向に沿って複数箇所に設けられている。
また、これら洗場側凹所40及び浴槽側凹所41は、各床パン10,20の凸片部15,25に対応させて上下方向に延びるスリット状とされている。
これら洗場側凹所40及び浴槽側凹所41のそれぞれの両内側面(各凸片部15,25の厚さ方向両側面に対面する面)は、図2に示すように、互いに略平行状に形成された両側の凹所側壁部35,35の対向面とされている。
凹所側壁部35は、上面部32及び側面部33に連なるように形成されており、側面部33の端部(連結本体31の長手方向に沿う方向の端部)から洗場床パン20側に向けて突出するように形成されている。
また、図例では、この凹所側壁部35を、側面部33の下端よりも下方側に突出させるように形成している。
この凹所底壁部36は、厚さ方向を各床パン10,20の幅方向に沿わせた薄板状とされており、両側の凹所側壁部35,35を連結するように形成されている。
この凹所底壁部36の洗場床パン20側に向く洗場側凹底面36a及び洗場床パン20の凸片部25の先端面25aが洗場床パン20の幅方向に沿って互いに当接される当接部を構成し、洗場床パン20に対する連結本体31の床パン幅方向に沿う方向の位置決めを可能とする幅方向位置決め部を構成する。
また、この凹所底壁部36の浴槽床パン10側に向く浴槽側凹底面36c及び浴槽床パン10の凸片部15の先端面15aが止具28の締結方向と略同方向に沿って互いに当接する当接部を構成し、洗場床パン20に対する浴槽床パン10の床パン幅方向の位置決めを可能とする幅方向位置決め部を構成する。
また、本実施形態では、凹所底壁部36の上端部近傍部位に、薄棚リブ状受部37を設けている。これによれば、浴槽側凹所41の箇所におけるシーリング材29の過度の廻り込み(垂れ落ち)をより効果的に抑制することができる。
この凹所下壁部38は、厚さ方向を上下方向に沿わせた薄板状とされており、両側の凹所側壁部35,35の下端部を連結するように形成されている。このような構成により、洗場側凹所40及び浴槽側凹所41は、両側の凹所側壁部35,35、凹所底壁部36及び凹所下壁部38によって区画形成され、当該連結本体31の幅方向外方側及び上方に向けて開口するような形状とされている。
また、この凹所下壁部38は、各床パン10,20の凸片部15,25の下端部が当接される構成とされ、上下方向位置決め部を構成する。これによれば、連結本体31の上面部32に加え、この凹所下壁部38によって各床パン10,20に対する連結部材30(連結本体31)の上下方向の位置決めをより確実に行うことができる。
なお、図2(a)に示すように、連結本体31の浴槽床パン10側の上側部位には、浴槽床パン10の連結側端部14の下面に突出するように設けられたボス部を受け入れる凹所が設けられている。浴槽床パン10に設けられたボス部は、浴槽床パン10の連結側端部14の上面において開口し、ナット部材を受け入れる構成とされている。
このような構成により、連結本体31は、上面部32、側面部33、この側面部33の両側の凹所側壁部35,35及び下面部34によって洗場床パン20側に向けて開口する凹所を、洗場側凹所40間に設けたような形状とされている(図1及び図2(a)参照)。
また、連結本体31の長手方向両端部には、各床パン10,20の連結側端部14,24の隙間長手方向に沿う両端部に連なるように設けられた壁載置部12a,22aの下面に当接される側端当接部39,39が設けられている(図2(a)及び図6(a)参照)。
なお、連結本体31は、その全長に亘って一体的に形成されたものに限られず、長手方向に分割された複数部材からなるものとし、これらを長手方向に突き合わせて接合して上記形状とされたものとしてもよい。
また、本実施形態では、連結部材30を、連結本体31の長手方向に沿って間隔を空けて連結本体31にそれぞれ固定される複数の連結金具43を備えたものとしている。なお、図2(a)では、連結金具43の図示を省略している。
この第1固定片44には、当該第1固定片44を厚さ方向に貫通する止具27の挿通孔44aが設けられている。この挿通孔44aは、第1固定片44に複数設けるようにしてもよい。また、連結本体31の側面部33には、この第1固定片44の挿通孔44aに対応させて、止具27の止着箇所としての止具穴33cが洗場側面において開口するように設けられている(図2(a)も参照)。図例では、連結本体31の側面部33の止具穴33cを、洗場側面から厚さ方向に突出するように形成され、第1固定片44の挿通孔44aに挿入されるボス部に設けている。
連結金具43は、この第1固定片44の挿通孔44aを介して連結本体31の止具穴33cに止着した止具27によって連結本体31に固定される。
また、この第2固定片45は、本実施形態では、その厚さ方向が洗場床パン20の凸片部25の厚さ方向に沿うように形成され、洗場床パン20の凸片部25に止具26によって固定される構成とされている。図例では、洗場床パン20の底部21の裏面側にも至るように一連状に設けられた凸片部25の底部21の裏面側部位に第2固定片45を固定した例を示している。
この連結金具43の第2固定片45の挿通孔45aを介して洗場床パン20の凸片部25に止着した止具26によって洗場床パン20に連結部材30が固定される。
また、図例では、第2固定片45を、厚さ方向に見て略L字形状とし、その一片部に第1固定片44を連なるように設け、他片部に複数の挿通孔45aを設けた例を示している。
また、連結本体31の外郭形状は、上記した例に限られず、各床パン10,20の裏面形状等に応じて、適宜、変形可能である。また、連結金具43の形状も同様、適宜、変形可能である。また、連結本体31と連結金具43とからなる連結部材30に限られず、これらを一体的に設けたような連結部材30としてもよい。
また、上記した連結部材30の洗場床パン20への固定は、施工現場への搬送前の工場内等においてなされるものとしてもよく、または、施工現場等においてなされるものとしてもよい。
まず、図4に示すように、連結部材30が固定された洗場床パン20を設置する。この際、洗場床パン20のアジャスターボルトを調整し、洗場床パン20の上下のレベル調整を行うようにしてもよい。
次いで、浴槽床パン10を設置する。この際、図3(b)及び図4(b)に示すように、設置された洗場床パン20の連結部材30に対して、浴槽床パン10を下方に移動させ、浴槽床パン10を設置するようにしてもよい。
また、この際、浴槽床パン10の各凸片部15を、連結部材30の各浴槽側凹所41に、それぞれの上方開口を介して嵌め入れるようにして浴槽床パン10を下方に移動させるようにしてもよい。これにより、洗場床パン20に対する浴槽床パン10の奥行方向の位置決めがなされる。また、これにより、各床パン10,20の奥行方向両側面(壁立上部12,22の外側面)が略同一平面状となる。
また、この際、浴槽床パン10のアジャスターボルトを調整し、浴槽床パン10の上下のレベル調整を行うようにしてもよい。
そして、浴槽床パン10の立上部13を、上記のように、止具28によって連結部材30に締結して固定する。この止具28の締め付けに伴い、浴槽床パン10の立上部13の外側面13aが連結部材30(連結本体31)の側面部33の浴槽側面33aに当接する(図1参照)。また、浴槽床パン10の凸片部15の先端面15aが連結部材30(連結本体31)の凹所底壁部36の浴槽側凹底面36cに当接する。これにより、各床パン10,20の連結側端部14,24間にシーリング材充填用の所定の隙間19が形成される。また、これにより、洗場床パン20に対する浴槽床パン10の幅方向の位置決めがなされる。
本実施形態に係る防水構造は、この隙間19にシーリング材29を充填し、浴槽床パン10及び洗場床パン20の各連結側端部14,24の表面14a,24aに跨るようにシーリング材29を覆う防水テープ46を隙間19の略全長に亘って貼着した構造とされている。本実施形態では、上記したように、浴槽床パン10と洗場床パン20とを、堰部9aの天部9bにおいて分割されたものとし、防水テープ46を堰部の天部上面となる浴槽床パン10及び洗場床パン20の各連結側端部14,24の上面14a,24aに跨るように貼着している。
このシーリング材29は、隙間19の略全長に亘って充填されている。また、シーリング材29は、浴槽床パン10及び洗場床パン20の各連結側端部14,24の上面14a,24aから上方に突出しないように充填するようにしてもよい。例えば、シーリング材29を、その上面が各連結側端部14,24の上面14a,24aと略同一平面状または各連結側端部14,24の上面14a,24aよりも僅かに下側位置となるように充填するようにしてもよい。
また、各床パン10,20の連結側端部14,24の隙間長手方向に沿う両端部に連なるように設けられた壁載置部12a,22aから上方に突出する壁立上部12,22の上側部位12c,22c間の隙間にも一連状にシーリング材29を充填するようにしてもよい(図5(a)参照)。この場合は、壁立上部12,22の上側部位12c,22cの裏面(外側に向く面)に、これらの間の隙間を塞ぐように、アルミテープ等のテープを貼着するようにしてもよい。または、連結部材30(連結本体31)に、上側部位12c,22c間の隙間を裏面側から覆う部位を設けるようにしてもよい。
この防水テープ46の幅寸法は、堰部天部上面となる各連結側端部14,24の上面14a,24a及び隙間19の幅寸法に応じた寸法としてもよい。
また、本実施形態では、図5(b)及び図6(a)に示すように、防水テープ46を、各連結側端部14,24の隙間長手方向両端部の壁載置部上面12b,22b及び壁載置部12,22の上側部位12c,22cの互いに対向する面(内側面)12d,22dにも貼着している。また、本実施形態では、上側部位12c,22cの上端面及び外側に向く面(反対向面、裏面)にも防水テープ46を貼着している。
また、この防水テープ46の厚さ寸法は、防水性や貼着性等の観点から適宜の厚さ寸法とされたものとしてもよい。上記したように壁載置部上面12b,22bにも貼着した場合には、その上側に設置される壁パネル4や後記するように防水パッキン47が貼着される場合には防水パッキン47の浮き等を抑制する観点等から、防水テープ46の厚さ寸法を、0.5mm以下としてもよい。また、この防水テープ46の厚さ寸法は、薄くし過ぎれば破断し易くなる傾向があることから、0.1mm以上としてもよい。
防水パッキン47は、天然ゴムや合成ゴム、独立気泡型の発泡系材料等から形成され、圧縮変形可能とされたものとしてもよい。また、このような基材の裏面に粘着剤が塗布されたものとしてもよい。また、粘着剤を保護する剥離紙(剥離フィルム)等が添着されたテープ状のものとしてもよい。
また、この防水パッキン47は、図5(b)及び図6(a)に示すように、厚さ方向を上下方向に沿わせ、幅方向一側部を壁立上部12,22の上側部位12c,22cに沿わせるように貼着されている。
この防水パッキン47の幅寸法は、壁載置部上面12b,22bの幅寸法に応じた寸法とされている。
この防水パッキン47の厚さ寸法は、壁載置部上面12b,22b(防水テープ46)と壁パネル4の下端部との間における防水性の観点等から適宜、設定するようにしてもよく、例えば、2mm〜10mm程度としてもよい。
なお、この防水パッキン47は、例えば、コーナー部等においては重ね貼りとならないように突き合せて貼着するようにしてもよい。
このカバー48は、連結側端部14,24の上面14a,24a及びシーリング材29の上面を覆う上カバー部48aを備えている。また、カバー48は、この上カバー部48aの幅方向両端から垂れ下がり、立上部13,23の内側面の上側部位を覆う両側カバー部48b,48cを備えている。これら上カバー部48a及び両側カバー部48b,48cは、いずれも薄板状とされ、互いに略同厚さ寸法とされている。
また、これら上カバー部48a及び両側カバー部48b,48cは、それぞれの裏面が対応する連結側端部14,24の上面14a,24a及び立上部13,23の内側面に近接または当接されるように形成されている。
また、図例では、これら両側カバー部48b,48cの下端部に、各立上部13,23の内側面との間でシーリング材充填箇所となる凹所を設け、それぞれの凹所に上記同様のシーリング材49,49を充填した例を示している。なお、このカバー48の周縁部の全周に亘ってシーリング材49を充填するようにしてもよい。
また、カバー48の上カバー部48aには、図6に示すように、上記した浴槽床パン10に設けられたボス部のナット部材に応じた位置となるように止具の挿通孔が形成されている。カバー48は、この挿通孔を介してナット部材に止着した止具によって浴室床パン2の堰部に取り付けるようにしてもよい。なお、このような態様に代えて、または加えて、カバー48を、接着剤や粘着材等によって浴室床パン2の堰部に取り付けるようにしてもよい。また、このカバー48は、壁パネル4を設置した後に取り付けるようにしてもよい。
なお、カバー48は、合成樹脂系材料や金属系材料等から形成されたものとしてもよく、合成樹脂系材料としては、上記同様の繊維強化合成樹脂系材料としてもよい。
また、図6(b)では、壁パネル4の図示を省略している。
また、図7(a)では、連結した状態の床パン10,20同士の連結側端部14,24間にシーリング材29を充填した状態を示しており、防水テープ46や防水パッキン47、カバー48、壁パネル4等の図示を省略している。
つまり、分割された浴槽床パン10及び洗場床パン20の連結側端部14,24間のシーリング材充填用の隙間19の底部を形成するように、これら連結側端部14,24の裏面側に硬質系材料からなるシーリング材受体31を隙間19の全長に亘って設けている。また、この隙間19にシーリング材29を充填した構造としている。従って、従来のようなパッキン材がシーリング材(コーキング材)29の充填箇所の底部(バックアップ)を構成するようなものと比べて、シーリング材充填箇所の深さの長手方向に沿う均一化を図ることができる。これにより、隙間19に充填したシーリング材充填量の長手方向に沿う均一化を図ることができ、分割された床パン10,20同士の継目部における防水性を向上させることができる。また、パッキン材をバックアップ材とするようなものと比べて、経年変化を生じ難くすることができる。
また、浴槽床パン10及び洗場床パン20の各連結側端部14,24の表面(上面)14a,24aに跨るようにシーリング材29を覆う防水テープ46を隙間19の全長に亘って貼着した構造としている。従って、分割された床パン10,20同士の継目部における防水性をより向上させることができる。また、上記のように隙間19に充填したシーリング材29の充填量の長手方向に沿う均一化を図ることができるので、シーリング材充填後の隙間表面側に極端な凹凸等が形成され難く、防水テープ46を安定的に貼着することができる。
また、防水テープ46を0.5mm以下としているので、この防水テープ46上を含み、壁載置部上面12b,22bに一連状に貼着される防水パッキン47と防水テープ46両側の壁載置部上面12b,22bとの隙間を効果的に小さくすることができる。なお、このような態様に限られず、例えば、防水パッキン47を設けないようにしてもよい。
また、洗場床パン20に対する連結本体31の上記した各方向の位置決めを可能とする各位置決め部としては、上記した態様に限られず、種々の変形が可能である。
また、本実施形態では、各床パン10,20の連結側端部14,24間にシーリング材充填用の隙間19を形成するための隙間形成位置決め部として、浴槽床パン10の立上部13及び凸片部15にそれぞれ当接される側面部33及び浴槽側凹所41を連結部材30に設けた例を示しているが、このような態様に限られず、種々の変形が可能である。
また、本実施形態では、シーリング材充填用の隙間19の底部となるシーリング材受部を、連結部材30(連結本体31)の上面部32の中間上面32b及び凹所底壁部36の上面36bによって構成した例を示しているが、このような態様に限られず、種々の変形が可能である。
また、本実施形態では、浴槽床パン10と洗場床パン20とを、一体成形された一体床パン9を切断して分割されたものとした例を示しているが、浴槽床パン10と洗場床パン20とを、それぞれ個別に成形されて分割されたものとしてもよい。
また、本実施形態では、上記のように、上下方向位置決め部、奥行方向位置決め部、幅方向位置決め部、隙間形成位置決め部及びシーリング材受部を設けた態様とした例を示しているが、このような態様に限られない。少なくともシーリング材受部を設けたシーリング材受体としての連結本体31を設けた態様としてもよい。
また、本実施形態に係る分割床パンの防水構造は、上記のような態様とされた分割された浴室床パン2に限られず、種々の態様とされた分割された浴室床パンに対して適用可能である。
9a 堰部
9b 天部
10 浴槽床パン
11 底部
12a 壁載置部
12b 壁載置部上面(端部の表面)
12c 壁立上部の上側部位(立上部)
12d 内側面(対向する面)
14 連結側端部(対向する端部)
14a 端部上面(端部の表面、堰部の天部上面)
19 隙間
20 洗場床パン
21 底部
22a 壁載置部
22b 壁載置部上面(端部の表面)
22c 壁立上部の上側部位(立上部)
22d 内側面(対向する面)
24 連結側端部(対向する端部)
24a 端部上面(端部の表面、堰部の天部上面)
29 シーリング材
31 連結本体(シーリング材受体)
46 防水テープ
47 防水パッキン
48 カバー
Claims (5)
- 分割された浴槽床パン及び洗場床パン同士の対向する端部間のシーリング材充填用の隙間の底部を形成するように、これら端部の裏面側に硬質系材料からなるシーリング材受体が該隙間の全長に亘って設けられ、該隙間にシーリング材が充填され、かつ前記浴槽床パン及び前記洗場床パンの各端部の表面に跨るように前記シーリング材を覆う防水テープが前記隙間の全長に亘って貼着されていることを特徴とする分割床パンの防水構造。
- 請求項1において、
前記浴槽床パン及び前記洗場床パンの各端部の隙間長手方向両端部には、壁パネルが載置される壁載置部と該壁載置部から上方に向けて立ち上がる立上部とがそれぞれに設けられており、
前記防水テープを、これら両端側の壁載置部上面及び立上部の互いに対向する面にも貼着していることを特徴とする分割床パンの防水構造。 - 請求項2において、
前記防水テープの厚さ寸法を0.5mm以下とし、前記浴槽床パン及び前記洗場床パンの各端部の隙間長手方向両端部の壁載置部上面に貼着された防水テープ上を含み、これら浴槽床パン及び洗場床パンの周端部に設けられた壁載置部上面に防水パッキンを貼着していることを特徴とする分割床パンの防水構造。 - 請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記浴槽床パン及び前記洗場床パン同士の対向する端部は、これら浴槽床パン及び洗場床パンの各底部から立ち上がるように形成された立上部の上端部から互いに対向する方向に突出するように設けられた端部とされており、前記防水テープが前記浴槽床パン及び前記洗場床パンの各端部の上面に跨るように貼着されていることを特徴とする分割床パンの防水構造。 - 請求項4において、
前記浴槽床パン及び前記洗場床パン同士の対向する前記各端部の上面及びこれら対向する端部が上端部に設けられた各立上部の少なくとも上側部位の表面を全長に亘って覆う下方開口形状のカバーを更に設けていることを特徴とする分割床パンの防水構造。
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