JP6098836B2 - エンジンの排気制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの排気制御装置に係わり、特に、ターボ過給機及びEGR装置を有するエンジンの排気制御装置に関する。
従来から、エンジンのエミッションを改善する目的などから、排気通路内の排気ガスの一部を吸気通路に還流させるEGR(Exhaust Gas Recirculation)装置が知られている。また、ターボ過給機のタービンの上流側の排気通路からターボ過給機のコンプレッサの下流側の吸気通路へ排気ガスを還流させる高圧EGR装置、及び、ターボ過給機のタービンの下流側の排気通路からターボ過給機のコンプレッサの上流側の吸気通路へ排気ガスを還流させる低圧EGR装置の2つのEGR装置を用いる技術も知られている。例えば、特許文献1には、そのような高圧EGR装置及び低圧EGR装置を用いたシステムにおいて、高圧EGR装置によって排気ガスを還流させている場合と、低圧EGR装置によって排気ガスを還流させている場合とで、適用する目標過給圧を変更する技術が記載されている。
特開2007−303380号公報
ところで、従来から、ターボ過給機として、可動式の複数のフラップ(言い換えると可動ベーン又はノズルベーン)をタービンの周囲に配設した可変ジオメトリーターボチャージャー(VGT:Variable Geometry Turbocharger)が知られている。そのようなターボ過給機と上記した低圧EGR装置とを有するシステムにおいて、ドライバからの加速要求時に、特許文献1に記載された技術のように目標過給圧を設定し、この目標過給圧を実現すべくフラップ開度をダイナミックに制御すると、フラップ開度が大きく変化することで、低圧EGR装置による排気ガス還流の制御性が低下して燃費やエミッションが悪化してしまう。また、過給圧が急峻に変化して、急加速が生じてしまう場合もある。逆に、目標過給圧に応じた制御を行わずに、低圧EGR装置による排気ガス還流の制御性を優先してフラップ開度を制御すると、ドライバからの要求に応じた加速を適切に実現することができない。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、ドライバからの加速要求時に、EGR装置の制御性と加速性能とを適切に両立することができるエンジンの排気制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、エンジンの排気制御装置であって、排気通路に設けられたタービンと吸気通路に設けられたコンプレッサとを備え、排気ガスによってタービンを回転させることによりコンプレッサを駆動して吸気を過給するターボ過給機であって、過給圧を調整可能な可動式のフラップを更に備えるターボ過給機と、所定の運転領域において、タービンの下流側の排気通路からコンプレッサの上流側の吸気通路へ排気ガスを還流させるEGR装置と、ターボ過給機のフラップの開度であるフラップ開度を制御するフラップ制御手段と、を有し、フラップ制御手段は、EGR装置が排気ガスを還流させている場合に、フラップ開度をエンジンの運転状態に応じた開度に設定する第1制御手段と、EGR装置が排気ガスを還流させている状態において、アクセル開度の変化量が所定値以上のときに、第1制御手段が設定したフラップ開度を閉じ側に補正する第2制御手段と、を有する。
このように構成された本発明においては、フラップ制御手段は、EGR装置の作動中に、原則、フラップ開度をエンジンの運転状態に応じた開度に設定する制御を行い、EGR装置の作動中において、ドライバからの加速要求がある場合には、エンジンの運転状態に応じて設定されるフラップ開度を閉じ側に補正する制御を行う。このようにフラップ開度を閉じ側に補正すると、ターボ過給機による過給圧が上昇して、エンジンに供給される酸素量が増加する。そのため、エンジンに供給する燃料噴射量を増量することができ、ドライバからの加速要求に応じた加速性能を確保することが可能となる。また、エンジンの運転状態に応じて設定されるフラップ開度を閉じ側に補正する制御は、目標過給圧に基づいてフラップ開度を変化させる制御と比較して、フラップ開度の変動が小さいため、EGR装置による排気ガス還流の制御性を確保することができる。
以上のことから、本発明によれば、EGR装置による排気ガス還流の制御性を確保しつつ、良好な加速性能を確保することができる、具体的にはリニアな加速感をドライバに与えることができる。
本発明において、好ましくは、タービンの下流側の排気通路上には、排気シャッター弁が設けられ、EGR装置は、この排気シャッター弁の上流側の排気通路から吸気通路へ排気ガスを還流させ、EGR装置によって還流させる排気ガスの量を、排気シャッター弁の開度によって調整してもよい。
本発明において、好ましくは、フラップ制御手段の第2制御手段は、エンジンに供給される供給酸素量に基づいて、エンジンのスモークを抑制するための制限噴射量を求め、アクセル開度に応じた要求噴射量が制限噴射量を超える場合に、第1制御手段が設定したフラップ開度を閉じ側に補正する。
このように構成された本発明においては、エンジンに供給される供給酸素量(燃焼前の吸気に含まれる酸素量)に基づいて、エンジンのスモークを抑制するための制限噴射量を求め、この制限噴射量に基づいてフラップ開度を閉じ側に補正するので、例えば排気ガスの酸素濃度(燃焼後における残余の酸素の濃度)に基づいて制限噴射量を求める手法と比較して、早い段階で制限噴射量に基づいた燃料噴射量の制御を行うことができる。その結果、制限噴射量を速やかに要求噴射量に近付けることができ、エンジンに供給する燃料噴射量を速やかに増量させて、加速性能を効果的に向上させることが可能となる。
本発明において、好ましくは、フラップ制御手段の第2制御手段は、要求噴射量と制限噴射量との差分に応じて、フラップ開度を閉じ側に補正する補正量を設定する。
このように構成された本発明においては、要求噴射量と制限噴射量との差分に応じて、フラップ開度を閉じ側に補正する補正量を設定するので、例えばこの差分が大きいほどフラップ開度の補正量を大きくするので、ターボ過給機による過給圧を速やかに上昇させて、制限噴射量を速やかに増加させることができる。したがって、エンジンに供給する燃料噴射量を効果的に増量することができ、加速性能を効果的に向上させることが可能となる。
本発明において、好ましくは、フラップ制御手段の第2制御手段によるフラップ開度の補正量に応じて、エンジンに供給する燃料噴射量を増量する噴射量増量手段を更に備える。
このように構成された本発明においては、フラップ開度の補正量に応じて、エンジンに供給する燃料噴射量を増量するので、フラップ開度の閉じ側への補正量に応じて増加する制限噴射量に従って、エンジンに供給する燃料噴射量を適切に増量することができる。
本発明のエンジンの排気制御装置によれば、ドライバからの加速要求時に、EGR装置による排気ガス還流の制御性を確保しつつ、良好な加速感を実現することができる。
本発明の実施形態によるエンジンの排気制御装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図である。 本発明の実施形態によるターボ過給機のタービン室を拡大した縦断面図である。 本発明の実施形態による高圧EGR領域、低圧EGR領域及び非EGR領域の説明図である。 本発明の実施形態による基本制御を示すフローチャートである。 本発明の実施形態によるVGT開度制御におけるタイムチャートである。 本発明の実施形態によるVGT開度制御フローを示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるエンジンの排気制御装置について説明する。
<システム構成>
まず、図1を参照して、本発明の実施形態によるエンジンの排気制御装置が適用されたエンジンシステムについて説明する。図1は、本発明の実施形態によるエンジンの排気制御装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図である。
図1に示すように、エンジンシステム200は、主に、ディーゼルエンジンとしてのエンジンEと、エンジンEに吸気を供給する吸気系INと、エンジンEに燃料を供給するための燃料供給系FSと、エンジンEの排気ガスを排出する排気系EXと、エンジンシステム200に関する各種の状態を検出するセンサ99〜122と、エンジンシステム200の制御を行うECU(Electronic Control Unit)60と、を有する。
まず、吸気系INは、吸気が通過する吸気通路1を有しており、この吸気通路1上には、上流側から順に、外部から導入された空気を浄化するエアクリーナ3と、通過する吸気を圧縮して吸気圧を上昇させる、ターボ過給機5のコンプレッサ5aと、通過する吸気流量を調整する吸気シャッター弁7と、通水された冷却水を用いて吸気を冷却する水冷式のインタークーラ8と、インタークーラ8に通水する冷却水の流量を制御する電動ウォータポンプ9と、インタークーラ8と電動ウォータポンプ9とを接続し、これらの間で冷却水を循環させる通路である冷却水通路10と、エンジンEに供給する吸気を一時的に蓄えるサージタンク12と、が設けられている。
また、吸気系INにおいては、エアクリーナ3の直下流側の吸気通路1上には、吸入空気量を検出するエアフローセンサ101と吸気温度を検出する吸気温度センサ102とが設けられ、ターボ過給機5のコンプレッサ5aには、このコンプレッサ5aの回転数を検出するターボ回転数センサ103が設けられ、吸気シャッター弁7には、この吸気シャッター弁7の開度を検出する吸気シャッター弁位置センサ105が設けられ、インタークーラ8の直下流側の吸気通路1上には、吸気温度を検出する吸気温度センサ106と吸気圧を検出する吸気圧センサ107とが設けられ、サージタンク12には、吸気マニホールド温度センサ108が設けられている。これらの、吸気系INに設けられた各種センサ101〜108は、それぞれ、検出したパラメータに対応する検出信号S101〜S108をECU60に出力する。
次に、エンジンEは、吸気通路1(詳しくは吸気マニホールド)から供給された吸気を燃焼室17内に導入する吸気バルブ15と、燃焼室17に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁20と、始動時などでの着火を確保するための補助熱源としてのグロープラグ21と、燃焼室17内での混合気の燃焼により往復運動するピストン23と、ピストン23の往復運動により回転されるクランクシャフト25と、燃焼室17内での混合気の燃焼により発生した排気ガスを排気通路41へ排出する排気バルブ27と、を有する。更に、エンジンEには、このエンジンEの出力を利用して発電するオルタネータ26が設けられている。
また、エンジンEには、エンジンEなどを冷却する冷却水の温度を検出する冷却水温度センサ109と、クランクシャフト25のクランク角度を検出するクランク角センサ110と、油圧及び/又は油温を検出する油圧/油温センサ111と、オイルレベルを検出する光学式オイルレベルセンサ112と、が設けられている。これらの、エンジンEに設けられた各種センサ109〜112は、それぞれ、検出したパラメータに対応する検出信号S109〜S112をECU60に出力する。
次に、燃料供給系FSは、燃料を貯蔵する燃料タンク30と、燃料タンク30から燃料噴射弁20に燃料を供給するための燃料供給通路38とを有する。燃料供給通路38には、上流側から順に、低圧燃料ポンプ31と、高圧燃料ポンプ33と、コモンレール35とが設けられている。また、低圧燃料ポンプ31には燃料ウォーマー32が設けられ、高圧燃料ポンプ33には燃圧レギュレータ34が設けられ、コモンレール35にはコモンレール減圧弁36が設けられている。
また、燃料供給系FSにおいては、高圧燃料ポンプ33には、燃料温度を検出する燃料温度センサ114が設けられ、コモンレール35には、燃圧を検出する燃圧センサ115が設けられている。これらの、燃料供給系FSに設けられた各種センサ114、115は、それぞれ、検出したパラメータに対応する検出信号S114、S115をECU60に出力する。
次に、排気系EXは、排気ガスが通過する排気通路41を有しており、この排気通路41上には、上流側から順に、通過する排気ガスによって回転され、この回転によって上記したようにコンプレッサ5aを駆動する、ターボ過給機5のタービン5bと、排気ガスの浄化機能を有するディーゼル酸化触媒(DOC:Diesel Oxidation Catalyst)45及びディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel particulate filter)46と、通過する排気流量を調整する排気シャッター弁49と、が設けられている。DOC45は、排出ガス中の酸素を用いて炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)などを酸化して水と二酸化炭素に変化させる触媒であり、DPF46は、排気ガス中の粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集するフィルタである。
また、排気系EXにおいては、ターボ過給機5のタービン5bの上流側の排気通路41上には、排気圧を検出する排気圧センサ116と排気温度を検出する排気温度センサ117とが設けられ、DOC45の直上流側及びDOC45とDPF46との間には、それぞれ、排気温度を検出する排気温度センサ118、119が設けられ、DPF46には、このDPF46の上流側と下流側との排気圧の差を検出するDPF差圧センサ120が設けられ、DPF46の直下流側の排気通路41上には、酸素濃度を検出するリニアO2センサ121と排気温度を検出する排気温度センサ122とが設けられている。これらの、排気系EXに設けられた各種センサ116〜122は、それぞれ、検出したパラメータに対応する検出信号S116〜S122をECU60に出力する。
更に、本実施形態では、ターボ過給機5は、排気エネルギーが低い低速回転時でも効率良く過給を行えるように小型に構成されていると共に、タービン5bの全周を囲むように複数の可動式のフラップ5cが設けられ、これらのフラップ5cによりタービン5bへの排気の流通断面積(ノズル断面積)を変化させるようにした可変ジオメトリーターボチャージャー(VGT:Variable Geometry Turbocharger)として構成されている。例えば、フラップ5cは、ダイヤフラムに作用する負圧の大きさが電磁弁により調節され、アクチュエータによって回動される。また、そのようなアクチュエータの位置により、フラップ5cの開度(フラップ開度であり、以下では適宜「VGT開度」と呼ぶ。)を検出するVGT開度センサ104が設けられている。このVGT開度センサ104は、検出したVGT開度に対応する検出信号S104をECU60に出力する。
ここで、図2を参照して、本発明の実施形態によるターボ過給機5のフラップ5cについて具体的に説明する。図2は、ターボ過給機5のタービン室を拡大した縦断面の構成を模式的に示す。
図2に示すように、タービンケーシング153内に形成されたタービン室153aには、そのほぼ中央部に配置されたタービン5bの周囲を取り囲むように複数の可動式のフラップ5c、5c、…が配設され、各フラップ5cはタービン室153aの一方の側壁を貫通する支軸131aにより回動可能に支持されている。各フラップ5cは、それぞれ支軸5dの回りに図2の時計回りに回動して、相互に近接するように傾斜すると、各フラップ5cの相互間に形成されるノズル155、155、…の開度(ノズル断面積)が小さく絞られて、排気流量の少ないときでも高い過給効率を得ることができる。一方、各フラップ5cを上記と反対側に回動させて、相互に離反するように傾斜させれば、ノズル断面積が大きくなるので、排気流量の多いときでも通気抵抗を低減して、過給効率を高めることができる。
また、リング部材157は、リンク機構158を介してアクチュエータのロッド163に駆動連結されており、該アクチュエータの作動によりリング部材157を介して各フラップ5cが回動される。すなわち、リンク機構158は、一端部をリング部材157に回動可能に連結された連結ピン158aと、該連結ピン158aの他端部に一端部を回動可能に連結された連結板部材158bと、該連結板部材158bの他端部に連結されると共に、タービンケーシング153の外壁を貫通する柱状部材158cと、該柱状部材158cのタービンケーシング153外へ突出する突出端部に一端部を連結された連結板部材158dとからなり、該連結板部材158dの他端部が連結ピン(図示せず)によりアクチュエータのロッド163に回動可能に連結されている。
図1に戻ると、本実施形態によるエンジンシステム200は、更に、高圧EGR装置43及び低圧EGR装置48を有する。高圧EGR装置43は、ターボ過給機5のタービン5bの上流側の排気通路41とターボ過給機5のコンプレッサ5bの下流側(詳しくはインタークーラ8の下流側)の吸気通路1とを接続する高圧EGR通路43aと、高圧EGR通路43aを通過させる排気ガスの流量を調整する高圧EGRバルブ43bと、を有する。低圧EGR装置48は、ターボ過給機5のタービン5bの下流側(詳しくはDPF46の下流側で且つ排気シャッター弁49の上流側)の排気通路41とターボ過給機5のコンプレッサ5bの上流側の吸気通路1とを接続する低圧EGR通路48aと、低圧EGR通路48aを通過する排気ガスを冷却する低圧EGRクーラ48bと、低圧EGR通路48aを通過させる排気ガスの流量を調整する低圧EGRバルブ48cと、低圧EGRフィルタ48dと、を有する。
高圧EGR装置43によって吸気系INに還流される排気ガス量(以下「高圧EGRガス量」と呼ぶ。)は、ターボ過給機5のタービン5b上流側の排気圧と、吸気シャッター弁7の開度によって作り出される吸気圧と、高圧EGRバルブ43bの開度とによって概ね決定される。また、低圧EGR装置48によって吸気系INに還流される排気ガス量(以下「低圧EGRガス量」と呼ぶ。)は、ターボ過給機5のコンプレッサ5a上流側の吸気圧と、排気シャッター弁49の開度によって作り出される排気圧と、低圧EGRバルブ48cの開度とによって概ね決定される。
ここで、図3を参照して、本発明の実施形態において、高圧EGR装置43が作動されるエンジンEの運転領域(以下では「高圧EGR領域」と呼ぶ。)及び低圧EGR装置48が作動されるエンジンEの運転領域(以下では「低圧EGR領域」と呼ぶ。)について説明する。図3は、横軸にエンジン回転数を示し、縦軸に燃料噴射量(エンジン負荷に相当する)を示しており、高圧EGR領域及び低圧EGR領域を模式的に表している。
図3に示すように、低負荷・低回転数側に規定されたエンジンEの運転領域R1(第1運転領域に相当する)は、高圧EGR装置43が作動される高圧EGR領域であり、この高圧EGR領域R1よりも高負荷・高回転数側に規定されたエンジンEの運転領域R2(第2運転領域に相当する)は、低圧EGR装置48が作動される低圧EGR領域である。より詳しくは、低圧EGR領域R2内の一部の領域(高圧EGR領域R1との境界付近の領域)では、低圧EGR装置48だけでなく、高圧EGR装置43も作動される、つまり高圧EGR装置43及び低圧EGR装置48の併用領域となる。また、低圧EGR領域R2よりも更に高負荷・高回転数側に規定されたエンジンEの運転領域R3は、高圧EGR装置43及び低圧EGR装置48のいずれも作動されない領域(以下では適宜「非EGR領域」と呼ぶ。)である。
図1に戻ると、本実施形態によるECU60は、上述した各種センサ101〜122の検出信号S101〜S122に加えて、外気温を検出する外気温センサ98、大気圧を検出する大気圧センサ99、及びアクセルペダル95の開度(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ100のそれぞれが出力した検出信号S98〜S100に基づいて、エンジンシステム200内の構成要素に対する制御を行う。具体的には、ECU60は、ターボ過給機5のタービン5bにおけるフラップ5cの開度(VGT開度)を制御すべく、このフラップ5cを駆動するアクチュエータ(不図示)に対して制御信号S130を出力する。また、ECU60は、吸気シャッター弁7の開度を制御すべく、吸気シャッター弁7を駆動するアクチュエータ(不図示)に対して制御信号S131を出力する。また、ECU60は、インタークーラ8に供給する冷却水の流量を制御すべく、電動ウォータポンプ9に対して制御信号S132を出力する。また、ECU60は、エンジンEの燃料噴射量などを制御すべく、燃料噴射弁20に制御信号S133を出力する。また、ECU60は、オルタネータ26、燃料ウォーマー32、燃圧レギュレータ34及びコモンレール減圧弁36を制御すべく、これらのそれぞれに対して制御信号S134、S135、S136、S137を出力する。また、ECU60は、高圧EGRバルブ43bの開度を制御すべく、高圧EGRバルブ43bを駆動するアクチュエータ(不図示)に対して制御信号S138を出力する。また、ECU60は、低圧EGRバルブ48cの開度を制御すべく、低圧EGRバルブ48cを駆動するアクチュエータ(不図示)に対して制御信号S139を出力する。また、ECU60は、排気シャッター弁49の開度を制御すべく、排気シャッター弁49を駆動するアクチュエータ(不図示)に対して制御信号S140を出力する。
<基本制御>
次に、図4を参照して、本発明の実施形態によるエンジンシステム200において実施される基本制御について説明する。図4は、本発明の実施形態による基本制御を示すフローチャートである。このフローでは、要求噴射量などに応じた目標酸素濃度及び目標吸気温度を実現するための制御がなされる。また、このフローは、ECU60によって所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS11では、ECU60は、上述した各種センサ98〜122が出力した検出信号S98〜S122のうちの少なくとも一以上を取得する。
次いで、ステップS12では、ECU60は、アクセル開度センサ100が検出したアクセル開度(検出信号S100に対応する)に基づいて、エンジンEから出力させるべき目標トルクを設定する。
次いで、ステップS13では、ECU60は、ステップS12で設定した目標トルクと、エンジン回転数とに基づいて、燃料噴射弁20から噴射させるべき要求噴射量を設定する。
次いで、ステップS14では、ECU60は、ステップS13で設定した要求噴射量と、エンジン回転数とに基づいて、燃料の噴射パターンと、燃圧と、目標酸素濃度と、目標吸気温度と、EGR制御モード(高圧EGR装置43及び低圧EGR装置48の両方又は一方を作動させるモード、或いは高圧EGR装置43及び低圧EGR装置48のいずれも作動させないモード)とを設定する。
次いで、ステップS15では、ECU60は、ステップS14で設定した目標酸素濃度及び目標吸気温度を実現する状態量を設定する。例えば、この状態量には、高圧EGR装置43によって吸気系INに還流させる排気ガス量(高圧EGRガス量)や、低圧EGR装置48によって吸気系INに還流させる排気ガス量(低圧EGRガス量)や、ターボ過給機5による過給圧などが含まれる。
次いで、ステップS16では、ECU60は、ステップS15で設定した状態量に基づいて、エンジンシステム200の各構成要素のそれぞれを駆動する各アクチュエータを制御する。この場合、ECU60は、状態量に応じた制限値や制限範囲を設定し、状態値が制限値や制限範囲による制限を遵守するような各アクチュエータの制御量を設定して制御を実行する。
<VGT開度制御>
以下では、本発明の実施形態によるVGT開度制御について説明する。
最初に、本発明の実施形態によるVGT開度制御の概要について説明する。本実施形態では、ECU60は、原則、低圧EGR装置48の作動中(詳しくは高圧EGR装置43を作動させずに低圧EGR装置48のみを作動させている場合に相当する。以下同様とする。)には、ターボ過給機5のフラップ5cの開度(VGT開度)をエンジンEの運転状態に応じた開度に設定する制御を行う。具体的には、ECU60は、エンジン回転数及び燃料噴射量に対して設定すべきVGT開度が対応付けられたマップを参照して、現在のエンジン回転数及び燃料噴射量に対応するVGT開度に設定する。この場合、ECU60は、エンジン回転数及び燃料噴射量に応じてVGT開度を変化させ、目標過給圧に応じてVGT開度を変化させない。つまり、ECU60は、エンジン回転数及び燃料噴射量に基づいて、オープン制御(言い換えるとフィードフォワード制御)によりVGT開度を変化させ、実過給圧を目標過給圧に設定するための過給圧フィードバック制御によってVGT開度をダイナミックに変化させない。このようなVGT開度制御を行うことで、VGT開度を緩やかに変化させて排気圧をコントロールして、低圧EGR装置48による排気ガス還流の制御性(低圧EGRバルブ48cや排気シャッター弁49などを制御して所望の低圧EGRガス量を実現するための制御性能を意味する。)を確保するようにする。
なお、以下では、上述したような、エンジンEの運転状態(エンジン回転数及び燃料噴射量)に基づいてオープン制御によってVGT開度を設定する制御を、適宜「第1VGT開度制御」と呼ぶ。
他方で、ECU60は、低圧EGR装置48の作動中において、ドライバからの加速要求がある場合には、上述した第1VGT開度制御により設定されるVGT開度を閉じ側に補正する。より具体的には、ECU60は、低圧EGR装置48の作動中において、アクセル開度センサ100によって検出されたアクセル開度の変化量が所定値以上であり、且つ、エンジンEに供給される供給酸素量が、アクセル開度に応じた要求噴射量を実現するために必要な要求酸素量を下回っている場合に、第1VGT開度制御により設定されるVGT開度(つまり、マップに基づいて設定される、現在のエンジン回転数及び燃料噴射量に対応するVGT開度)を閉じ側に補正したVGT開度を適用する制御を行う。この場合、ECU60は、エンジンEに供給される供給酸素量に基づいて、エンジンEのスモークを抑制するための制限噴射量(以下では「スモーク制限噴射量」と呼ぶ。)を求め、要求噴射量がスモーク制限噴射量を超える場合に、供給酸素量が要求酸素量を下回っていると判断して、VGT開度を閉じ側に補正する。
なお、以下では、上述したような、ドライバからの加速要求時に、第1VGT開度制御により設定されるVGT開度を閉じ側に補正する制御を、適宜「第2VGT開度制御」と呼ぶ。
以上のように、ECU60は、本発明における「フラップ制御手段」に相当し、本発明における「第1制御手段」及び「第2制御手段」として機能する。また、詳細は後述するが、ECU60は、本発明における「噴射量増量手段」としても機能する。
ここで、本実施形態において上述した第2VGT開度制御を行う理由について説明する。
一般的に、ターボ過給機5には所謂ターボラグが存在し、それにより、エンジンEに供給される空気が遅れて、ドライバからの加速要求に対応する要求噴射量を実現できる酸素量(要求酸素量)をエンジンEに供給できずに、要求噴射量よりも少ない噴射量しかエンジンEに供給することができない傾向にある(この場合に要求噴射量をそのまま供給してしまうとスモークなどが発生してしまう)。そのため、ターボ過給機5は、加速要求時には、要求噴射量に対して遅れた時定数分だけ早めに動作を行わないと、目標過給圧を実現することができないと言える。
従来は、このようなターボラグに対処すべく、実過給圧が目標過給圧に到達するように、VGT開度をダイナミックに変化させる過給圧フィードバック制御を行っていた。そうすると、VGT開度が大きく変化することで、低圧EGR装置48による排気ガス還流の制御性が低下して(例えば、ターボ過給機5のコンプレッサ5aが低圧EGRガスを急激に吸引して、エンジンEに低圧EGRガスが過剰に導入されてしまう場合がある)、燃費やエミッションが悪化してしまったり、急加速が生じてしまったりしていた。他方で、ドライバからの加速要求時に、低圧EGR装置48による排気ガス還流の制御性を優先して、第1VGT開度制御によりVGT開度を設定すると、上記したターボラグに適切に対処することができず、ドライバからの要求に応じた加速を実現することができない。
そこで、本実施形態では、低圧EGR装置48の作動中において、ドライバからの加速要求がある場合に、目標過給圧に基づいて過給圧フィードバック制御によってVGT開度を制御せずに、また、第1VGT開度制御によりVGT開度を制御せずに、第1VGT開度制御によって設定されるVGT開度を閉じ側に設定する第2VGT開度制御を行う。こうすることで、低圧EGR装置48による排気ガス還流の制御性と良好な加速感(具体的にはリニアな加速感)とを両立するようにする。
この場合、本実施形態では、ターボ過給機5におけるターボラグの状態を、ECU60による燃料噴射量の演算状態から推定して、推定したターボラグ分を、VGT開度を閉じ側へ補正することによって対処する。つまり、本実施形態では、目標過給圧に基づいた制御を行うのではなく、ドライバの加速要求に対応する要求噴射量に基づいて、要求噴射量に対してターボ過給機5が行うべき仕事量(タービン仕事量)を決定し、このタービン仕事量を実現すべくVGT開度を閉じ側に制御する。
具体的には、ECU60は、加速要求に応じた要求噴射量と、この要求噴射量に対応する要求酸素量に対して不足する酸素量により制限された燃料噴射量(スモーク制限噴射量)との差分に応じて、第1VGT開度制御によって設定されたVGT開度(つまり、マップに基づいて設定される、現在のエンジン回転数及び燃料噴射量に対応するVGT開度)を閉じ側に補正する。このようにVGT開度を閉じ側に補正すると、ターボ過給機5による実過給圧が上昇して、エンジンEに供給される供給酸素量が増加する。そのため、供給酸素量に応じたスモーク制限噴射量が大きくなっていき、エンジンEに供給する燃料噴射量を増量させることができる。その結果、スモーク制限噴射量が要求噴射量を上回り、燃料噴射量として要求噴射量をエンジンEに供給できるようになる。
次に、図5を参照して、本発明の実施形態によるVGT開度制御におけるタイムチャートについて説明する。図5は、本発明の実施形態によるVGT開度制御を実行した場合のタイムチャートの一例を示している。ここでは、ドライバからの加速要求時に第2VGT開度制御を行った場合の各種状態値の時間変化を示すと共に、比較例として、ドライバからの加速要求時に第1VGT開度制御を行った場合の各種状態値の時間変化を示す。
図5は、横方向に時間を示し、上から順に、アクセル開度、燃料噴射量、VGT開度、過給圧を示している。具体的には、グラフG11は、アクセル開度の時間変化を示している。また、グラフG21は、要求噴射量の時間変化を示し、グラフG22は、第2VGT開度制御におけるスモーク制限噴射量の時間変化を示し、グラフG23は、第2VGT開度制御において、要求噴射量及びスモーク制限噴射量に基づいて最終的に適用された燃料噴射量(最終噴射量)の時間変化を示し、グラフG24は、第1VGT開度制御におけるスモーク制限噴射量の時間変化を示し、グラフG25は、第1VGT開度制御において、要求噴射量及びスモーク制限噴射量に基づいて最終的に適用された燃料噴射量(最終噴射量)の時間変化を示している。また、グラフG31は、第2VGT開度制御におけるVGT開度の時間変化を示し、グラフG32は、第1VGT開度制御におけるVGT開度の時間変化を示している。また、グラフG41は、目標過給圧の時間変化を示し、グラフG42は、第2VGT開度制御における実過給圧の時間変化を示し、グラフG43は、第1VGT開度制御における実過給圧の時間変化を示している。
グラフG11に示すように、時刻t1において、ドライバからの加速要求により、アクセル開度が変化する、具体的にはアクセル開度の変化量が所定値以上となる。この際に、高圧EGR装置43の作動から低圧EGR装置48の作動へと切り替えられる、つまり高圧EGR装置43の作動が停止されて低圧EGR装置48の作動が開始される。なお、時刻t1以前においては、高圧EGR装置43が作動されているため、この高圧EGR装置43による排気ガス還流の制御性を確保すべく、排気圧の変動を抑制するように、VGT開度は閉じ側の所定の開度に固定されている。
まず、ドライバからの加速要求時に第1VGT開度制御を行った比較例による結果について説明する。比較例によれば、時刻t1以降において、エンジン回転数及び燃料噴射量に応じたオープン制御により、VGT開度が開き側に設定される(グラフG32参照)。この場合、低圧EGR装置48の制御性を確保すべく、VGT開度の変化速度に制限を課すことで、VGT開度が緩やかに変化される。このようにVGT開度を開き側に設定した場合、上述したターボラグに起因して、実過給圧(グラフG43参照)はかなり緩やかに上昇し、加速要求に応じた目標過給圧(グラフG41参照)から大きく乖離した状態が長く続く。そのため、エンジンEに供給される空気(酸素)が遅れ、スモーク制限噴射量(グラフG24参照)がかなり緩やかに上昇し、加速要求に応じた要求噴射量(グラフG21参照)から大きく乖離した状態が長く続く。これにより、要求噴射量から大きく乖離したスモーク制限噴射量によって最終噴射量(グラフG25参照)が制限される(この場合、最終噴射量として、スモーク制限噴射量とほぼ同一の噴射量が適用される)。したがって、比較例によれば、ドライバからの加速要求に応じた加速性能が得られないと言える。
次に、ドライバからの加速要求時に第2VGT開度制御を行った本実施形態による結果について説明する。本実施形態によれば、時刻t1以降において、エンジン回転数及び燃料噴射量に応じたオープン制御(第1VGT開度制御)にて設定されるVGT開度(グラフG32参照)よりも閉じ側のVGT開度(グラフG31参照)が設定される。この場合にも、低圧EGR装置48の制御性を確保すべく、VGT開度の変化速度に制限を課すことで、VGT開度が緩やかに変化される。このようにVGT開度を第1VGT開度制御よりも閉じ側に設定した場合、ターボラグに対して適切に対処することで、上記した比較例と比べて(グラフG43参照)、実過給圧(グラフG42参照)が比較的速やかに上昇していき、加速要求に応じた目標過給圧(グラフG41参照)に近付いていく。そのため、エンジンEに供給される空気(酸素)の遅れが緩和されて、要求酸素量に対する供給酸素量の不足分が小さくなることで、スモーク制限噴射量(グラフG22参照)は、上記した比較例と比べて(グラフG24参照)、比較的速やかに要求酸素量に向かって上昇していく。これにより、このスモーク制限噴射量によって制限される最終噴射量(グラフG23参照)も、比較的速やかに上昇していく(この場合、最終噴射量として、スモーク制限噴射量とほぼ同一の噴射量が適用される)。したがって、本実施形態によれば、ドライバからの加速要求に応じた加速性能が得られるようになる。具体的には、リニアな加速感をドライバに与えることができる。
なお、第2VGT開度制御によるスモーク制限噴射量(グラフG22参照)は、時刻t2において、要求噴射量(グラフG21参照)に到達する。この際に、第2VGT開度制御の実行が停止され、第2VGT開度制御の代わりに第1VGT開度制御が実行される。また、時刻t2以降は、スモーク制限噴射量が要求噴射量を上回るため、スモーク制限噴射量による制限が解除されて、最終噴射量(グラフG23)として要求噴射量が適用される。このように、スモーク制限噴射量が要求噴射量に到達した際に、実行する制御を第2VGT開度制御から第1VGT開度制御に切り替えるのは、これ以降にはスモーク制限噴射量に制限されずに要求噴射量をエンジンEに供給することができるので、通常の第1VGT開度制御を実行して、低圧EGR装置48による排気ガス還流の制御性を確保するのが望ましいからである。
また、上述したように、スモーク制限噴射量が要求噴射量に到達した場合に、実行する制御を第2VGT開度制御から第1VGT開度制御に切り替えることに限定はされない。スモーク制限噴射量が要求噴射量に到達した場合に加えて、ターボ回転数センサ103によって検出された回転数(以下「ターボ回転数」と呼ぶ。)が所定値以上となった場合、吸気圧センサ107によって検出された吸気圧(以下「インマニ圧」と呼ぶ。)が所定値以上となった場合、及び、排気圧センサ116によって検出された排気圧(以下「エキマニ圧」と呼ぶ。)が所定値以上となった場合にも、実行する制御を第2VGT開度制御から第1VGT開度制御に切り替えるのがよい。こうすることで、エンジンシステム200内の構成要素の信頼性を確保することができる、つまり構成要素の破損等を防止することができる。
次に、図6を参照して、本発明の実施形態によるVGT開度制御の全体の流れについて具体的に説明する。図6は、本発明の実施形態によるVGT開度制御フローを示すフローチャートである。このVGT開度制御フローは、ECU60によって所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS21において、ECU60は、低圧EGR装置48が作動中であるか否かを判定する。具体的には、ECU60は、高圧EGR装置43が非作動中であり、低圧EGR装置48のみが作動中であるか否かを判定する。1つの例では、ECU60は、現在のエンジン回転数及び燃料噴射量に基づき、現在のエンジンEの運転状態が、図3に示した低圧EGR領域R2(厳密には、低圧EGR領域R2から、高圧EGR装置43及び低圧EGR装置48の併用領域を除いた領域)の範囲内に含まれているか否かを判定することにより、ステップS21の判定を行う。他の例では、ECU60は、高圧EGR装置43の高圧EGRバルブ43bが閉じており、且つ低圧EGR装置48の低圧EGRバルブ48cが開いているか否かを判定することにより、ステップS21の判定を行う。
このような判定の結果、低圧EGR装置48が作動中であると判定されなかった場合(ステップS21:No)、処理は終了する。この場合には、ECU60は、低圧EGR装置48が作動していないので、本実施形態における第1VGT開度制御及び第2VGT開度制御のいずれも実行しない。
一方で、低圧EGR装置48が作動中であると判定された場合(ステップS21:Yes)、ステップS22に進み、ECU60は、アクセル開度センサ100によって検出されたアクセル開度の変化量が所定値以上であるか否かを判定する。ここでは、ECU60は、アクセル開度の変化量に基づいて、ドライバから加速要求が発せられたか否かを判定する。そういった観点より、ステップS21の判定で用いる所定値は、通常、ドライバが車両を加速させようとしてアクセルペダル95を操作する際の操作量に基づいて規定される。
このような判定の結果、アクセル開度の変化量が所定値以上であると判定されなかった場合(ステップS22:No)、つまりアクセル開度の変化量が所定値未満である場合、処理はステップS29に進み、ECU60は、オープン制御によってVGT開度を制御する。この場合には、ECU60は、ドライバからの加速要求がないと判断して、低圧EGR装置48による排気ガス還流の制御性を確保すべく、通常の第1VGT開度制御を実行する。具体的には、ECU60は、エンジン回転数及び燃料噴射量に対して設定すべきVGT開度が対応付けられたマップを参照して、現在のエンジン回転数及び燃料噴射量に対応するVGT開度に設定する。より詳しくは、ECU60は、VGT開度センサ104によって検出されたVGT開度を監視しながら、実際のVGT開度が現在のエンジン回転数及び燃料噴射量に対応するVGT開度に設定されるように、ターボ過給機5のフラップ5cを駆動するアクチュエータに対する制御を行う。また、上記したマップは、実験や所定の演算式などにより予め作成されるものであり、燃費を悪化させることなく目標過給圧に近い過給圧が得られ、且つターボ過給機5のタービン5bの過回転が生じないようなVGT開度が、エンジン回転数及び燃料噴射量ごとに対応付けられている。
一方で、アクセル開度の変化量が所定値以上であると判定された場合(ステップS22:Yes)、処理はステップS23に進み、ECU60は、ターボ回転数センサ103によって検出されたターボ回転数が所定値未満であるか否かを判定する。
その結果、ターボ回転数が所定値未満であると判定されなかった場合(ステップS23:No)、つまりターボ回転数が所定値以上である場合、処理はステップS29に進み、ECU60は、オープン制御によってVGT開度を制御する。この場合には、ECU60は、ターボ過給機5の信頼性を確保する観点から、VGT開度を閉じ側に設定して過給圧を上昇させる第2VGT開度制御を実行せずに、通常の第1VGT開度制御を実行する。
一方で、ターボ回転数が所定値未満であると判定された場合(ステップS23:Yes)、処理はステップS24に進み、ECU60は、吸気圧センサ107によって検出されたインマニ圧が所定値未満であるか否かを判定する。
その結果、インマニ圧が所定値未満であると判定されなかった場合(ステップS24:No)、つまりインマニ圧が所定値以上である場合、処理はステップS29に進み、ECU60は、オープン制御によってVGT開度を制御する。この場合には、ECU60は、エンジンシステム200内の構成要素の信頼性を確保する観点から、VGT開度を閉じ側に設定して過給圧を上昇させる第2VGT開度制御を実行せずに、通常の第1VGT開度制御を実行する。
一方で、インマニ圧が所定値未満であると判定された場合(ステップS24:Yes)、処理はステップS25に進み、ECU60は、排気圧センサ116によって検出されたエキマニ圧が所定値未満であるか否かを判定する。
その結果、エキマニ圧が所定値未満であると判定されなかった場合(ステップS25:No)、つまりエキマニ圧が所定値以上である場合、処理はステップS29に進み、ECU60は、オープン制御によってVGT開度を制御する。この場合には、ECU60は、エンジンシステム200内の構成要素の信頼性を確保する観点から、VGT開度を閉じ側に設定して過給圧を上昇させる第2VGT開度制御を実行せずに、通常の第1VGT開度制御を実行する。
一方で、エキマニ圧が所定値未満であると判定された場合(ステップS25:Yes)、処理はステップS26に進み、ECU60は、スモーク制限噴射量を求める。この場合、ECU60は、エンジンEに供給される供給酸素量を求め、この供給酸素量からスモーク制限噴射量を求める。具体的には、ECU60は、エアフローセンサ101によって検出された吸入空気量や、所定のモデル(エンジンEでの燃焼から、排気ガス中の酸素濃度を計算するO2モデルも含む)から求められる低圧EGRガス量などに基づいて、ターボ過給機5のコンプレッサ5aを通過する吸気中の酸素濃度を求める。そして、ECU60は、この酸素濃度とコンプレッサ5aを通過する吸気流量とから酸素量を求め、この酸素量からスモーク制限噴射量を求める。
なお、従来は、排気ガスの酸素濃度(燃焼後における残余の酸素の濃度に相当)に基づいてスモーク制限噴射量を求める手法を採用していた。この手法では、従前の燃焼で発生した排気ガスの酸素濃度を用いるため、スモーク制限噴射量に基づいた燃料噴射量の制御が遅れる傾向にあった。これに対して、本実施形態では、エンジンEに供給される供給酸素量(つまり燃焼前の吸気に含まれる酸素量)からスモーク制限噴射量を求めるので、早い段階でスモーク制限噴射量に基づいた燃料噴射量の制御を行うことができ、その結果、スモーク制限噴射量を速やかに要求噴射量に近付けることが可能となる。
次いで、ステップS27に進み、ECU60は、アクセル開度センサ100によって検出されたアクセル開度に対応する要求噴射量が、ステップS26で求めたスモーク制限噴射量を超えるか否かを判定する(要求噴射量>スモーク制限噴射量)。この場合、ECU60は、アクセル開度だけでなく、エンジン回転数も用いて、燃料噴射弁20から噴射させるべき要求噴射量を求める。
このような判定の結果、要求噴射量がスモーク制限噴射量を超えると判定されなかった場合(ステップS27:No)、つまり要求噴射量がスモーク制限噴射量以下である場合、ステップS29に進み、ECU60は、オープン制御によってVGT開度を制御する。この場合には、スモーク制限噴射量に制限されずに要求噴射量をエンジンEに供給することができるため、ECU60は、通常の第1VGT開度制御を実行して、低圧EGR装置48による排気ガス還流の制御性を確保する。
一方で、要求噴射量がスモーク制限噴射量を超えると判定された場合(ステップS27:Yes)、処理はステップS28に進み、ECU60は、第1VGT開度制御にて設定されるVGT開度を閉側に補正する第2VGT開度制御を実行する。この場合、ECU60は、要求噴射量とスモーク制限噴射量との差分に応じて、第1VGT開度制御にて設定されるVGT開度を閉側に補正する補正量を決定する。具体的には、ECU60は、要求噴射量とスモーク制限噴射量との差分が大きいほど、VGT開度の補正量を大きくする。なお、ECU60は、このようにVGT開度の補正量を決定する際に、要求噴射量とスモーク制限噴射量との差分に加えて、エンジン回転数も考慮してもよい。
また、ECU60は、VGT開度の補正量に応じて、エンジンEに供給する燃料噴射量を増量する。具体的には、VGT開度を閉側に補正すると、ターボ過給機5による過給圧が上昇し、エンジンEに供給される酸素量が増加して、スモーク制限噴射量が増加するので、ECU60は、VGT開度の閉じ側への補正量に応じて増加するスモーク制限噴射量に基づいて、エンジンEに供給する燃料噴射量を増量する。
このようなステップS28の処理の後、ステップS23に戻り、ECU60は、上記したステップS23以降の処理を再度行う。その結果、ステップS23〜S25、S27の判定条件を全て満たす場合、ステップS28に進み、ECU60は、VGT開度を閉側に補正する第2VGT開度制御を再度実行すると共に、VGT開度の補正量に応じて燃料噴射量を増量する。こうしてステップS28の処理を繰り返し行うと、VGT開度が徐々に閉じ側に設定されることで、スモーク制限噴射量が大きくなっていき、エンジンEに供給する燃料噴射量が徐々に増量されていく。その結果、燃料噴射量として要求噴射量をエンジンEに供給できるようになる。
<作用効果>
次に、本発明の実施形態によるエンジンの排気制御装置の作用効果について説明する。
本実施形態によれば、低圧EGR装置48の作動中に、原則、VGT開度をエンジンEの運転状態に応じた開度に設定する第1VGT開度制御を行い、低圧EGR装置48の作動中において、ドライバからの加速要求がある場合には、第1VGT開度制御により設定されるVGT開度を閉じ側に補正する第2VGT開度制御を行うので、低圧EGR装置48による排気ガス還流の制御性を確保しつつ、良好な加速性能を確保することができる、具体的にはリニアな加速感をドライバに与えることができる。
また、本実施形態によれば、エンジンEに供給される供給酸素量に基づいてスモーク制限噴射量を求め、このスモーク制限噴射量に基づいてVGT開度を閉じ側に補正するので、従来の排気ガスの酸素濃度に基づいてスモーク制限噴射量を求める手法と比較して、早い段階でスモーク制限噴射量に基づいた燃料噴射量の制御を行うことができる。その結果、スモーク制限噴射量を速やかに要求噴射量に近付けることが可能となる。
また、本実施形態によれば、要求噴射量とスモーク制限噴射量との差分に応じて、VGT開度を閉じ側に補正する補正量を設定するので、具体的にこの差分が大きいほどVGT開度の補正量を大きくするので、ターボ過給機5による過給圧を速やかに上昇させて、スモーク制限噴射量を速やかに増加させることができる。そのため、エンジンEに供給する燃料噴射量を効果的に増量することができ、加速性能を効果的に向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、VGT開度の補正量に応じて、エンジンEに供給する燃料噴射量を増量するので、VGT開度の閉じ側への補正量に応じて増加するスモーク制限噴射量に従って、エンジンEに供給する燃料噴射量を適切に増量することができる。
<変形例>
上述した実施形態では、高圧EGR装置43及び低圧EGR装置48の両方を有するシステムに本発明を適用する例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。本発明は、高圧EGR装置43及び低圧EGR装置48の一方ののみを有するシステムにも適用可能である。その場合にも、EGR装置の作動中に、原則、VGT開度をエンジンEの運転状態に応じた開度に設定する第1VGT開度制御を行い、EGR装置の作動中において、ドライバからの加速要求がある場合には、第1VGT開度制御により設定されるVGT開度を閉じ側に補正する第2VGT開度制御を行えばよい。
1 吸気通路
5 ターボ過給機
5a コンプレッサ
5b タービン
5c フラップ
41 排気通路
43 高圧EGR装置
48 低圧EGR装置
60 ECU
200 エンジンシステム
E エンジン

Claims (5)

  1. エンジンの排気制御装置であって、
    排気通路に設けられたタービンと吸気通路に設けられたコンプレッサとを備え、排気ガスによって上記タービンを回転させることにより上記コンプレッサを駆動して吸気を過給するターボ過給機であって、過給圧を調整可能な可動式のフラップを更に備える上記ターボ過給機と、
    所定の運転領域において、上記タービンの下流側の排気通路から上記コンプレッサの上流側の吸気通路へ排気ガスを還流させるEGR装置と、
    上記ターボ過給機のフラップの開度であるフラップ開度を制御するフラップ制御手段と、を有し、
    上記フラップ制御手段は、
    上記EGR装置が排気ガスを還流させている場合に、上記フラップ開度をエンジンの運転状態に応じた開度に設定する第1制御手段と、
    上記EGR装置が排気ガスを還流させている状態において、アクセル開度の変化量が所定値以上のときに、上記第1制御手段が設定したフラップ開度を閉じ側に補正する第2制御手段と、
    を有する、ことを特徴とするエンジンの排気制御装置。
  2. 上記タービンの下流側の排気通路上には、排気シャッター弁が設けられ、上記EGR装置は、この排気シャッター弁の上流側の排気通路から吸気通路へ排気ガスを還流させ、
    上記EGR装置によって還流させる排気ガスの量を、上記排気シャッター弁の開度によって調整する、請求項1に記載のエンジンの排気制御装置。
  3. 上記フラップ制御手段の第2制御手段は、エンジンに供給される供給酸素量に基づいて、エンジンのスモークを抑制するための制限噴射量を求め、アクセル開度に応じた要求噴射量が上記制限噴射量を超える場合に、上記第1制御手段が設定したフラップ開度を閉じ側に補正する、請求項1又は2に記載のエンジンの排気制御装置。
  4. 上記フラップ制御手段の第2制御手段は、上記要求噴射量と上記制限噴射量との差分に応じて、上記フラップ開度を閉じ側に補正する補正量を設定する、請求項に記載のエンジンの排気制御装置。
  5. 上記フラップ制御手段の第2制御手段による上記フラップ開度の補正量に応じて、エンジンに供給する燃料噴射量を増量する噴射量増量手段を更に備える、請求項1乃至のいずれか一項に記載のエンジンの排気制御装置。
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