以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下「パチンコ機」と称す)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は第1実施の形態におけるパチンコ機1の斜視図である。なお、図1では便宜上パチンコ機1の遊技領域PE内の構成の一部の図示を省略している。
図1に示すようにパチンコ機1は、パチンコ機1の外殻を形成する外枠2(枠部材)と、この外枠2に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部3とを有する。外枠2は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機1は、外枠2を島設備に取り付け固定することにより、遊技施設に設置される。
遊技機主部3は、ベース体としての内枠4(背面ユニット)と、その内枠4の前方に配置される前扉(前扉枠)5と、内枠4の後方に配置される裏パックユニット6とを備えている。遊技機主部3のうち内枠4が外枠2に対して回動可能に支持されている。詳細には、パチンコ機1の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側として、内枠4が回動基端側の上下方向を回動軸として外枠2に対して前方へ回動可能とされている。
内枠4には、前扉5が回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として、前扉5が回動基端側の上下方向を回動軸として内枠4に対して前方へ回動可能とされている。裏パックユニット6の最上部には、上方に開口したタンク6aが配設されている。タンク6aは、遊技施設の島設備から供給される遊技球が逐次補給される部材であり、タンク6aの下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するレール(図示せず)が連結されている。レールの最下流部には払出装置(図示せず)が設けられている。払出装置より払い出された遊技球は、払出装置の下流側に設けられた払出通路(図示せず)を通じて、後述する上皿11又は下皿12に供給される。
次に、前扉5について説明する。前扉5は内枠4における前面側のほぼ全域を覆うようにして設けられている。前扉5には、後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部7が中央部分に形成されている。窓部7は、ガラスユニットによって前扉5の背面側から塞がれている。
ガラスユニットは、透明性を有する複数のガラスパネル8と、それらガラスパネル8を保持するガラスホルダ(図示せず)とを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル8の保持領域を前後に仕切る仕切り部(図示せず)が形成されており、複数のガラスパネル8は仕切り部を挟んで前後に相対向している。即ち、遊技領域PEは複数のガラスパネル8によりパチンコ機1の正面側から覆われた状態となっている。
窓部7の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部7の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部9が設けられている。環状電飾部9では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。パチンコ機1の最上部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部、賞球払出中に点灯する賞球ランプ部などが配列されたランプ部10が設けられている。ランプ部10の左右には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部(図示せず)も設けられている。
窓部7の下方には、手前側へ突出し且つ上方に開口する上皿11及び下皿12が上下に並設されている。上皿11は、内枠4に取り付けられた払出装置(図示せず)より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構(後述する)側へ導くための機能を有する。また、下皿12は、上皿11内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。下皿12の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル13が設けられている。遊技球発射ハンドル13が操作されることにより、内枠4の下部に設けられた遊技球発射機構(図示せず)から遊技球が遊技領域PEに発射される。
内枠4は、外形が外枠2とほぼ同一形状をなす樹脂ベース(図示せず)を主体に構成されている。樹脂ベースの前面の略中央部分には、遊技盤20を収容する遊技盤収容部(図示せず)が形成されており、その遊技盤収容部に遊技盤20は収容固定される。遊技盤20は、木製の合板とその合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が樹脂ベースの正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤20の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。内枠4に遊技盤20が取り付けられた状態で、施錠機構(図示せず)により内枠4に対する前扉5の開放を規制することで、遊技領域PEはガラスパネル8によりパチンコ機1の正面側から覆われた状態となる。
次に図2を参照して、遊技盤20(特に遊技領域PEに配置された各種構成)について説明する。図2は遊技盤20の正面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機1の遊技領域PE内の構成の一部の図示を省略している。
遊技盤20には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、可変表示ユニット21、作動入球部22、可変入賞装置23、通路形成装置30、始動口および一般入賞口(図示せず)等がそれぞれ設けられている。作動入球部22、可変入賞装置23、始動口および一般入賞口に遊技球が入ると、それら遊技球が検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。
遊技盤20は、盤面の内側に立設された誘導レール24及び盤面の右側に設置された区画部材29により遊技領域PEが区画される。誘導レール24及び区画部材29により区画された遊技領域PEの最下部にはアウト口25が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口25を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口25への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口、作動入球部22、可変入球装置23等への遊技球の入球(遊技者に有利な入球)を、入賞とも表現する。
遊技盤20には、遊技球の流下経路を適宜分散または調整等するために多数の釘(図示せず)が植設されているとともに、風車26等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘や風車26等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、一般入賞口などへの入賞が適度な確率で発生するように調整されている。また、遊技盤20の盤面には、遊技領域PEを装飾すると共に遊技球が流下可能な範囲を規制するため、可変表示ユニット21の左下および右下に左側飾り27及び右側飾り28が配置されている。
可変表示ユニット21は、遊技盤20の中央に配されており、可変表示ユニット21の下方に作動入球部22が配設されている。作動入球部22は、可動式の入球補助装置(入球補助手段)又は入球規制装置(入球規制手段)としての電動役物(羽根22a)が設けられている。電動役物(羽根22a)は、作動入球部22への入球が可能となる状態(補助状態)と、入球が不可となる状態(非補助状態)とに切換可能に構成されている。
作動入球部22の右側上方であって可変表示ユニット21(中央役物)の右側に通路形成部材30(後述する)が配設されている。通路形成部材30にはスルーゲート39(後述する)が配置されており、遊技球のスルーゲート39の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、作動入球部22の電動役物が予め設定された回数だけ入球が可能な状態に切り換えられる。
可変表示ユニット21には、作動入球部22及び始動口(図示せず)への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置21aが設けられている。また、可変表示ユニット21には、図柄表示装置21aを囲むようにしてセンターフレーム21bが配設されている。センターフレーム21bは、誘導レール24と所定の間隔をあけて配設されている。これにより、遊技球発射機構(図示せず)により遊技領域PEに打ち込まれた遊技球は、可変表示ユニット21の左側を流下し、又は、可変表示ユニット21の上を通過して可変表示ユニット21の右側を流下する。以下、可変表示ユニット21の左側を通過して遊技球が流下する遊技領域PEを左側領域20aと称し、可変表示ユニット21の右側を通過して遊技球が流下する遊技領域PEを右側領域20bと称す。なお、始動口(図示せず)は左側領域20aに配置されている。
図柄表示装置21aは、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、表示制御装置(図示せず)により表示内容が制御される。図柄表示装置21aは、特別図柄表示装置と普通図柄表示装置とを備えている。特別図柄表示装置は、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示される。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下「大当たり」と称す)が発生することとなる。また、普通図柄表示装置には、遊技球のスルーゲート39の通過をトリガとした抽選の当選結果が表示される。当選となった場合には、作動入球部22の電動役物が予め設定された回数だけ入球が可能な状態に切り換えられる。
可変入球装置23は、作動入球部22の右側上方であって可変表示ユニット21の右下かつ通路形成部材30の下方に配置されている。可変入球装置23は、遊技盤20の背面側へと通じる大入賞口(図示せず)を備えているとともに、その大入賞口を開閉する開閉部材としての開閉扉23aを備えている。
開閉扉23aは、遊技球の入球が可能または容易となる開状態(補助状態、受入状態)と、入球が不可となる閉状態(非補助状態、非受入状態)とに切換可能に構成されている。開閉扉23aは、遊技盤20の背面側に設けられたソレノイドと連結されており、通常時においては開閉扉23aが閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に開状態に切り換えられる。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。開閉実行モードにおける可変入球装置23の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過または所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限とした開閉扉23aの開放が繰り返されるように設定されているものがある。
通路形成部材30は、遊技領域PE(右側領域20b)を流下する遊技球の通路を形成するための部材であり、可変表示ユニット21(センターフレーム21b)の右側であって右側飾り28の上方に配置されている。なお、本実施の形態では、開閉扉23aが開状態のときには、右側領域20bを流下して通路形成部材30を通過した遊技球は、ほぼ全てが開閉扉23aから大入賞口(図示せず)に入賞するように、右側領域20b及び開閉扉23aの幅等が設定されている。
次に図3から図9を参照して、遊技盤20に固定される通路形成部材30について説明する。まず図3を参照して、通路形成部材30の概略構成について説明する。図3は遊技盤20の一部を拡大して示した通路形成部材30の正面図であり、図4は通路形成部材30の斜視図である。
図3に示すように通路形成部材30は、遊技盤20の盤面に複数のビスS(皿ねじ)で固定されると共に遊技領域PEの内側(図3左側)から外側(図3右側)に向かって広がる略扇状に形成された盤状のベース部31と、そのベース部31の右側端部に立設され誘導レール24に沿って配置される外側壁部32と、その外側壁部32と遊技球1個分より広い間隔を第2壁部36との間に設け、且つ、センターフレーム21bと遊技球1個分より広い間隔を内側壁部34との間に設けてベース部31に取着され、外側壁部32とセンターフレーム21bとの間に遊技球が流下する複数の通路(本実施の形態では4つの通路W1〜W4)を形成する通路形成部33とを備えている。
図4に示すようにベース部31は、外側壁部32が立設された右側端部を除く外周に、縁部に向かうにつれて盤面側に下降傾斜する傾斜部31aが形成されている。ベース部31の周縁に傾斜部31aが形成されているので、盤面を流下する遊技球は、傾斜部31aからベース部31に乗り上げて通路形成部材30を通過することができる。ベース部31は、ビスS(図3参照)が挿入される複数の孔部31bが厚さ方向に貫通形成されている。孔部31bは、遊技盤20に螺入されるビスS(皿ねじ)の頭部の座面の形状(円錐状)に合わせて擂鉢状に形成されている。孔部31bはベース部31の傾斜部31aを除く箇所に貫設されているので、ビスSの座面が押し付けられるベース部31(孔部31bの周囲)の厚さを確保できる。その結果、ビスSが締結されることにより孔部31bの周囲が破損(座屈)する等の不具合が生じることを防止できる。
ベース部31は、遊技球の通路を形成する外側壁部32、内側壁部34、第1壁部35及び第2壁部36が設けられており、外側壁部32、内側壁部34、第1壁部35及び第2壁部36はベース部31に対して略垂直とされている。外側壁部32と第2壁部36との間、第2壁部36と第1壁部35との間、及び、第1壁部35と内側壁部34との間は、それぞれ遊技球1個分より大きく離隔されている。これにより、それら壁部間に遊技球の通路をそれぞれ形成できる。
外側壁部32は、ベース部31の右側端部に所定の高さで立設される部位であり、上下方向に延びる壁状に形成されている。外側壁部32は、上端32aが、第2壁部36側に向かって下降する凸面として形成され、稜32bを介して、下方に向かうにつれて右側(遊技領域PEの外側)に向かって拡開する凹面として形成される第2面32cが連設されている。第2面32cは、稜32dを介して、左側(遊技領域PEの内側)を向く凹面として形成される第3面32eが連設されている。稜32b,32dは、第2壁部36の上端より上方に位置するように設定されている。
外側壁部32は、上端32aが第2壁部36の上端36aより上方に位置する凸面として形成されているので、遊技領域PEを流下する遊技球が上端32aに当たると、遊技球が弾かれて遊技領域PEの内側に導かれる。また、外側壁部32は、第2面32cが遊技領域PEの外側に向かって拡開する凹面として形成されているので、遊技領域PEを流下する遊技球を第2面32cにより第3面32e側に導き易くできる。
外側壁部32の第3面32eには、第2壁部36に向かって突出する突出部32f,32g,32hが第3面32eの前後方向に亘って所定の間隔(遊技球略1個分の間隔)をあけて突設されている。突出部32f,32g,32hは、第2壁部36から突出する突出部(後述する)との間で、遊技球と干渉して遊技球の流下速度を低下させるための部位である。
通路形成部33は、内側壁部34、第1壁部35及び第2壁部36の前方側が連結部37で連結されており、それらが合成樹脂製で一体に形成され、透光性を有する一部材として構成されている。検知センサ38は、遊技球を検知すると共に、その検知信号を遊技盤20の背面側に設けられた制御装置ユニット(図示せず)に出力するための装置であり、内側壁部34及び第1壁部35の上端34a,35a側の間に配置されている。これにより、内側壁部34及び第1壁部35が形成する通路W2はスルーゲート39を構成する。
次に図5及び図6を参照して、通路形成部材30の組立構造について説明する。図5は通路形成部材30の分解斜視図であり、図6は通路形成部材30の背面図である。ベース部31は不透光性を有し光沢を有する合成樹脂製の部材であり、図5に示すように、孔部31b,31cを避けて略中央に透光体装着孔40が厚さ方向に亘って貫通形成されている。透光体装着孔40は、透光性を有する板状の透光体41が装着される部位であり、内側から外側壁部32側に向かって広がる略扇状に形成されている。透光体装着孔40に透光体41が装着されることにより、透光性を有する透光体41及び通路形成部33は、正面視において重なるように配置される。これにより、遊技盤20の背面側から透光体41に照射した光を、通路形成部33を通して視認可能にできる。
ベース部31は、透孔体装着孔40の周囲から背面側に向かって環状のリブ42が突設され、ベース部31と一体に形成されている。リブ42は、ベース部31の曲げ強さ等の機械的強度を確保すると共に、遊技盤20の厚さ方向(前後方向)に形成された開口(図示せず)に装着されベース部31の位置決めをするための部位である。なお、リブ42は平滑な内表面に金色や銀色等の塗装面が形成され、内表面が光沢を有しているので、遊技盤20の背面側から照射された光(LED等による発光装置から照射される光)をリブ42の内表面で反射させることができる。リブ42の内面が反射板の機能を発揮するので、透光体41を明るく照らすことができる。
リブ42は、透光体装着孔40に配設された透光体41のベース部31に対する前後方向の位置を規制する前後規制部43が、前方側の複数箇所から内面に張り出している。前後規制部43の前後方向位置は、透光体41の厚さ分だけ前方からリブ42の後方にずれた位置に設定されている。よって、透光体装着孔40に透光体41を配設して透光体41を前後規制部43に当接すると、ベース部31の前面と透光体41の前面とを面一にすることができ、ベース部31の厚さ方向に対する透光体41の移動を規制できる。また、透光体41の外縁の形状および大きさは、透光体装着孔40の内周の形状および大きさと略同一に設定されているので、透光体装着孔40に透光体41をはめ込むことで、ベース部31の面方向に対する透光体41の移動が規制される。
センサ装着孔44は、ベース部31に検知センサ38を装着するための開口であり、リブ42の上面(外面)に沿う横長の矩形状に形成されている。ここで、検知センサ38について説明する。検知センサ38は、平面視して略矩形状に形成された板状の部品であり、遊技球が通過する開口38aが一端側に形成され、他端側のセンサ本体38bに出力装置が内蔵されている。出力装置(図示せず)は、開口38aを遊技球が通過することによる磁気的変化または光学的変化に基づく信号(検知信号)を生成して制御装置ユニット(図示せず)に出力する装置である。検知センサ38は、電気回路が接続されるコネクタ(図示せず)が他端(センサ本体38b)に設けられており、そのコネクタに接続された電気回路を通じて制御装置ユニットに検知信号が出力されるように構成されている。
検知センサ38が装着されるセンサ装着孔44は、センサ装着孔44の左右のベース部31から背面側に向かって板状の左右規制部45,46が突設されている。左右規制部45,46は、センサ装着孔44に装着される検知センサ38の左右の位置を規制するための部位であり、ベース部31と一体に形成されている。ベース部31の中央側に位置する左右規制部46は、ベース部31の左端側に位置する左右規制部45より前後方向長が大きく設定されており、後端側にセンサ装着孔44側を向く爪部47が突設されている。左右規制部46は、リブ42から後端側に延設されているので、基部(リブ42)を中心にして左右方向にわずかに弾性変形可能に構成されている。
ベース部31の左端側に位置する左右規制部45は、ベース部31側に矩形状の係合孔部48が形成され、ベース部31には、その係合孔部48と連成される矩形状の切欠部49が形成されている。一方、通路形成部33は、内側壁部34の後端側から後方に向かって延びると共に切欠部49に挿入可能に構成される四角柱状の係合突部50が突設されている。また、その係合突部50の先端から外側(第1壁部35の反対側)に向かって延びると共に係合孔部48に挿入可能に構成される四角柱状の係合爪部51が突設されている。係合突部50の長さ(前後方向長)はベース部51の厚さと略同一に設定されており、係合突部50の高さ(上下方向長)は切欠部49の上下方向長と略同一に設定されている。これにより、ベース部31に形成された切欠部49に係合突部50を挿入して、左右規制部45に形成された係合孔部48に係合爪部51を挿入することで、ベース部31に対する通路形成部33の位置決めができる。
ベース部31は、ベース部31の中央側に位置する左右規制部46に近接して、リブ42の外面に沿ってベース部31の厚さ方向に亘る係止孔部52が形成されている。また、透光体41は、透光体41の複数箇所に上下方向に所定の間隔をあけて透光体41の厚さ方向に亘る係止孔部53が形成されている。
一方、通路形成部33は、第1壁部35の後端側から後方に向かって延びる円柱状の係止突部54が突設されている。係止突部54は、ベース部31の切欠部49に係合突部50を挿入すると共に、左右規制部45の係合孔部48に係合爪部51を挿入してベース部31に対する通路形成部33の位置決めをした場合に、ベース部31に形成された係止孔部52に挿入可能な位置に突設されている。また、通路形成部33は、第2壁部36の後端側の複数箇所から後方に向かって延びる円柱状の係止突部55が突設されている。係止孔部53は、透光体41がベース部31に装着され、さらにベース部31の切欠部49に係合突部50を挿入すると共に左右規制部の係合孔部48に係合爪部51を挿入してベース部31に対する通路形成部33の位置決めをした場合に、第2壁部36に突設された係止突部55に挿入可能な位置に形成されている。
これにより、透光体41をベース部31に装着し、さらにベース部31に形成された切欠部49に係合突部50を挿入すると共に、左右規制部45に形成された係合孔部48に係合爪部51を挿入すると、ベース部31に形成された係止孔部52に第1壁部35に突設された係止突部54が挿入され、透光体41に形成された係止孔部53に第2壁部36に突設された係止突部55が挿入される。その結果、ベース部31及び透光体41の面方向に対する通路形成部33の移動が規制される。
図6に示すようにベース部31は、透光体装着孔40及びセンサ装着孔44を避けて孔部31cが複数箇所に形成されている。孔部31cは、ベース部31の厚さ方向に貫通形成されている。孔部31cは、ベース部31の背面側からビスSが挿入される部位であり、ビスS(皿ねじ)の頭部の座面の形状(円錐状)に合わせて擂鉢状に形成されている。これによりビスSの頭部がベース部31の背面から突出することを防止できる。また、ベース部31は位置決めピン31dが背面の複数箇所に突設されている。位置決めピン31dは、遊技盤20の盤面にベース部31を固定するときの盤面に対する位置決めを行うための部位である。位置決めピン31dが複数箇所に突設され、盤面には位置決めピン31dに対応する孔部が形成されているので、遊技盤20に対するベース部31の位置を一意的に決めることができる。
一方、図5に示すように通路形成部33は、孔部31cに挿入されたビスSが挿入され締結される締結孔部56が、第2壁部36の背面の複数箇所に第2壁部36の前後方向に沿って形成されている。これにより、透光体41が装着されたベース部31に対して通路形成部33の位置決めをした後、孔部31cからビスSを挿入して第2壁部36に締結することにより、ベース部31に通路形成部33を固定することができる。
ここで、第1壁部35は、上下方向の長さが内側壁部34の長さより大きく設定され、第2壁部36は、上下方向の長さが第1壁部35の長さより大きく且つ外側壁部32の長さより小さく設定されている。第1壁部35及び第2壁部36が以上のような長さに設定されることにより、第1壁部35及び第2壁部36は、それぞれ透光体装着部40(透光体41)を上下方向に跨いで配置される。その結果、透光体41が装着されたベース部31に対して通路形成部33の位置決めをした後、孔部31cからビスSを挿入して第2壁部36に締結することにより、ベース部31に通路形成部33を固定すると同時に、ベース部31と通路形成部33との間に透光体41を簡易に固定できる。
第1壁部35は、内側壁部34側に向かって下端側が近付くように湾曲する第1湾曲部57を備え、第2壁部36は、第1壁部35側に向かって下端側が近付くように湾曲する第2湾曲部58を備えている。第1湾曲部57及び第2湾曲部58は、それぞれ後方に向かって湾曲延設部57a,58aが延設されている。第1壁部35及び第2壁部36に対して後方に延びる湾曲延設部57a,58aの長さは、ベース部31の厚さと略同一に設定されている。
一方、ベース部31は、外周の下縁の第1壁部35及び第2壁部36と対応する位置に、湾曲延設部57a,58aをそれぞれ受け入れる下縁切欠部59,60が切欠形成されている。下縁切欠部59,60は、ベース部31の傾斜部31aに形成され、湾曲延設部57a,58aの厚さより幅がわずかに大きく設定されている。また、左右規制部46の下方のリブ42間の上下方向がリブ連結部61により連結され、そのリブ連結部61の下方のベース部31(傾斜部31a)に下縁切欠部59が形成されている。なお、リブ連結部61は、リブ42の前後方向長および厚さと前後方向長および厚さが同一に設定されているので、機械的強度を確保できる。
以上のように、ベース部31の下縁からの下縁切欠部59,60の切欠長さが短く設定されており、下縁切欠部59,60が厚さの薄い傾斜部31aに形成されているので、ベース部31の断面積を確保できる。その結果、ベース部31の機械的強度が下縁切欠部59,60により低下することを防止できる。
また、リブ連結部61の下方(延長線上)のベース部31(傾斜部31a)に下縁切欠部59が形成されているので、下縁切欠部59によるベース部31の断面積の低下をリブ連結部61で補うことができる。これにより、ベース部31の機械的強度が下縁切欠部59により低下することを防止できる。
また、第1壁部35や第2壁部36に沿って流下する遊技球が第1湾曲部57及び第2湾曲部58に衝突したときは、第1湾曲部57及び第2湾曲部58は下方に撓み、湾曲延設部57a,58aは下方に移動する。しかし、下縁切欠部59,60は湾曲延設部57a,58aの厚さより幅がわずかに大きく設定されているので、下縁切欠部59,60で湾曲延設部57a,58aが受け止められ、第1湾曲部57及び第2湾曲部58の変形(撓み)が抑制される。その結果、遊技球が衝突する繰り返し応力によって第1湾曲部57及び第2湾曲部58に疲労破壊が生じることを防止できる。
図7は通路形成部材30の平面図である。図7に示すように通路形成部材30は、内側壁部34と第1壁部35との間、第1壁部35と第2壁部36との間に、平面視して遊技球1個分の大きさより幅広の隙間(通路W2,W3)がそれぞれ形成されている。また、内側壁部34と第1壁部35との間、第1壁部35と第2壁部36との間にそれぞれ形成された隙間(通路W2,W3)から、平面視して第1壁部35及び第2壁部36の下端側に形成された第1湾曲部57及び第2湾曲部58が視認される。従って、内側壁部34と第1壁部35との間、第1壁部35と第2壁部36との間に進入した遊技球は、第1湾曲部57及び第2湾曲部58により遊技領域PEの内側(図7左側)へ誘導される。
図8は図7のVIII−VIII線における通路形成部材30の断面図である。図8に示すように、内側壁部34と第1壁部35との間に検知センサ38が配設されることでスルーゲート39が設けられる。内側壁部34の上端34aは、第1壁部35の反対側に向かって下降傾斜し、第1壁部35の上端35aは、第2壁部36側に向かって下降傾斜するように形成されている。また、内側壁部34の上端34a及び第1壁部35の上端35aは同じ高さになるように遊技盤20に配置される。これによりスルーゲート39に遊技球が入球し難くなるように設定されている。第2壁部36は、上端36aが第1壁部35の上端35aの位置より高い位置に設定されているので、第1壁部35の上端35aに接触してスルーゲート39に入球し損なった遊技球は、第1壁部35と第2壁部36との間の通路W3に入球し易くなる。
内側壁部34及び第1壁部35は、ベース部31に形成されたセンサ装着孔44の両端と正面視において合致する位置であって内側壁部34と第1壁部35とが対向する部位に、それぞれセンサ保持部34b,35bが凹設されている。センサ保持部34b,35bは、センサ装着孔44に挿入された検知センサ38の両端を保持するための部位である。センサ保持部34b,35bの下端面は、ベース部31に形成されたセンサ装着孔44の下端およびリブ42の上面と同一高さに設定されている。
検知センサ38をベース部31の背面側からセンサ装着孔44及びセンサ保持部34b,35bに挿入すると、遊技球が通過する開口38aがセンサ保持部34b,35bに保持される。検知センサ38の側面に左右規制部46が沿い、検知センサ38の他端(センサ本体38b)が爪部47に係止される。これにより検知センサ38が通路形成部材30に固定される。リブ42の上面は、センサ装着孔44の下縁と同一高さに設定されおり、リブ42はベース部31から後端側に延設されているので、リブ42によりセンサ本体38bの一部(前方側)が下方から支持される。これにより検知センサ38(特にセンサ本体38b)の上下方向の荷重(曲げ荷重)に対する耐荷重を向上させることができ、検知センサ38を破損させ難くできる。
次に図9を参照して、通路形成部材30による検知センサ38の保持構造について説明する。図9は、図3のIX−IX線における通路形成部材30の断面図である。図9に示すように、検知センサ38は左側面が、内側壁部34の凹部34b、係合突起50及びベース部31の左右規制部45に相対し、右側面が、第1壁部35の凹部35b、ベース部31のセンサ装着孔44及び左右規制部46に相対する。これにより検知センサ38が左右方向に拘束される。検知センサ38は、前後方向が連結部37及び爪部47で拘束されることで、通路形成部材30に保持される。
また、検知センサ38が通路形成部材30に保持された状態では、係合爪部51は左右方向の移動が検知センサ38に規制されるので、係合爪部51は係合孔部48及び切欠部49から離脱できない。従って、ベース部31に内側壁部34側の通路形成部33をネジ等で固定しなくても、検知センサ38を取り除かない限り、係合爪部51(内側壁部34側の通路形成部33)がベース部31から離脱することを防止できる。その結果、ネジ等による通路形成部33のベース部31に対する締結固定箇所を削減できるので、通路形成部材30の組立に要する工数を削減できる。
図8に戻って説明する。第1壁部35は、上端35aより少し下方に第2壁部36に向かう凸部61が凸状に形成されている。凸部61は、第1壁部35を屈曲させて凹状のセンサ保持部35bを形成することでセンサ保持部35bの裏側に凸状に形成される部位である。また、第1壁部35は、凸部61の下方に第2壁部36に向かって突設される突起部62を有している。突起部62は、第1壁部35の下端35c側に形成された第1湾曲部57の外側面57cに形成されている。
なお、第1湾曲部57は、遊技球の流下方向を鉛直下向きに対して左側(遊技領域PEの内側)に変更するための部位である。第1湾曲部57の内側面57b(曲げ面)は、スルーゲート39を通過した遊技球を、遊技領域PEの内側(図8左側)に向かって誘導するための面である。第1壁部35は、正面視においてベース部31の外縁より外側に下端35cが位置するように長さが設定されている。
第2壁部36は、上端36aより少し下方に、第1壁部35に向かって突出する突出部63を備えている。突出部63は、第1壁部35及び外側壁部32の両側に突出するように第2壁部36の前後方向に亘って膨出状に形成されている。突出部63は、第2壁部36からの第1壁部35側に突出する突出長が、外側壁部32側に突出する突出長より大きくなるように設定されている。突出部63には前後方向に沿って締結孔部56が形成されている。締結孔部56は、上下に並ぶ孔部31c(図6参照)のうち上側の孔部31cに挿入されるビスSが螺入される部位である。
以上のように突出部63は、第1壁部35及び外側壁部32の両側に向かって突出するように第2壁部36に対して膨出状に形成されているので大径化できる。そのため、ビスSを螺入できる程の締結孔部56を突出部63に形成できる。突出部63がベース部31に締結固定されるので、ベース部31に第2壁部36を強固に固定できる。また、ビスSが締結孔部56に螺入された突出部63は剛性が向上されるので、突出部63の耐久性を向上できる。
第2壁部36は、凸部61の水平位置と突起部62の水平位置との間に位置すると共に第1壁部35に向かって突出する突出部64を備えている。突出部64は、第2壁部36の下端36b側に形成された第2湾曲部58の内側面58bの上方に形成されている。
なお、第2湾曲部58は、遊技球の流下方向を鉛直下向きに対して左側(遊技領域PEの内側)に変更するための部位である。第2湾曲部58の内側面58b(曲げ面)は、遊技球を遊技領域PEの内側(図8左側)に向かって誘導するための面である。
第2壁部36は、正面視においてベース部31の外縁より外側に下端36bが位置すると共に、第1壁部35の下端35cの水平位置より下側に下端36bが位置するように長さが設定されている。また、第2壁部36は、第1壁部35の下端35cの左右の位置より、曲げ面(第2湾曲部58)の曲げ方向の反対側(図8右側)に下端36bが位置するように設定されている。なお、第2壁部36は、下端36bの水平位置が、外側壁部32の下端32iより上側に位置するように設定されている。
第2壁部36は、外側壁部32と対向する面に、互いに所定の間隔をあけて外側壁部32に向かう突出部63,65,66,67が突設されている。突出部63,65,66,67は、第2壁部36の前後方向に亘って突設されている。外側壁部32に形成された突出部32fは、第2壁部36に形成された突出部63の水平位置の下方に位置し、第2壁部36に形成された突出部65は、突出部32fの水平位置の下方に位置する。外側壁部32に形成された突出部32gは、第2壁部36に形成された突出部65の水平位置の下方に位置し、第2壁部36に形成された突出部66は、突出部32gの水平位置の下方に位置する。外側壁部32に形成された突出部32hは、第2壁部36に形成された突出部66の水平位置の下方に位置し、第2壁部36に形成された突出部67は、突出部32hの水平位置の下方に位置する。
なお、突出部67は、第2湾曲部58の外側面58cに突設され、前後方向に締結孔部56が形成されている。締結孔部56は、上下に並ぶ孔部31c(図6参照)のうち下側の孔部31cに挿入されるビスSが螺入される部位である。突出部67は、第2壁部36から外側壁部32側へ大きく張り出すように形成されているので、ビスSを螺入できる程の大径の締結孔部56を形成できる。突出部67がベース部31に締結固定されるので、ベース部31に第2壁部36を強固に固定できる。特に、遊技球が落下する衝撃を受けやすい第2湾曲部58の外側面58cに突出部67が設けられているので、第2湾曲部58を破損し難くできる。また、ビスSが締結孔部56に螺入された突出部67は剛性が向上されるので、突出部67の耐久性を向上できる。
次に、遊技盤20の右側領域20b(図2参照)に通路形成部材30が取着されたパチンコ機1について説明する。パチンコ機1は、通常の遊技状態おいて遊技者は左打ちをして始動口(図示せず)を狙って遊技を行い、特別遊技状態および特別遊技状態の終了後において遊技者は右打ちをして可変入賞装置23やスルーゲート39を狙って遊技を行うタイプの遊技機である。具体的には、遊技者が左打ちをすると遊技球は遊技領域PEの左側(左側領域20a)を流下する。左打ちによって打ち出された遊技球は、可変表示ユニット21(中央役物)や釘(図示せず)の配置により、通路形成部材30や可変入賞装置23にはほとんど入賞しないように設定されている。
また、遊技者が右打ちをすると遊技球は遊技領域PEの右側(右側領域20b)を流下する。特別遊技状態では、右打ちによって打ち出された遊技球は、可変表示ユニット21(中央役物)、右側飾り28、通路形成部材30及び釘(図示せず)の配置により、ほとんどが可変入賞装置23に入賞するように設定されている。
パチンコ機1は、特別遊技状態の終了後、図柄表示装置21a(普通図柄表示装置)の変動時間を短縮すると共に、作動入球部22(羽根22a)の開放時間を延長する機能(所謂、時短)を有している。作動入球部22は図柄表示装置21a(特別図柄表示装置)の始動口となっているので、作動入球部22(羽根22a)の開放時間を延長することにより、作動入球部22への入賞頻度を増加させ、特別遊技状態(大当たり)抽選の機会を増加させるためである。これにより、通常の遊技状態と比較して遊技球の減少を抑制しながら、特別遊技状態(大当たり)抽選の機会を短時間で多く得ることが可能となる。図柄表示装置21a(普通図柄表示装置)の時短は、特別遊技状態の終了後に開始され、特別遊技状態(大当たり)抽選が高確率状態(確率変動中)の間あるいは図柄表示装置21a(特別図柄表示装置)の変動が予め定められた回数に達するまで継続される。
以上説明したように、スルーゲート39に遊技球が入賞することをトリガとして図柄表示装置21a(普通図柄表示装置)の変動(抽選)が開始されるので、図柄表示装置21a(普通図柄表示装置)の時短継続中も、遊技者は右打ちを継続してスルーゲート39(通路形成部材30)を狙って遊技を行う。このとき、遊技者は通路形成部材30を通過する遊技球が作動入球部22に向かって流下することを期待する。作動入球部22は図柄表示装置21a(特別図柄表示装置)の始動口となっているからである。
ここで、通路形成部材30を通過する遊技球を作動入球部22に誘導するには、遊技球の動きを規制する通路形成部材30の通路を長くすることが考えられる。しかし、通路形成部材30の通路を長くすると、通路形成部材30が遊技領域PEを占有する面積が増加する。遊技領域PEの略中央に可変表示ユニット21(中央役物)が配置されるので、可変表示ユニット21の右側または左側の遊技領域PEは、可変表示ユニット21によってスペースに制約を受ける。そのため、通路形成部材30の通路を長くすると、通路形成部材30の配置に制約が生じる。
一方、通路形成部材30の配置の自由度を確保するため、通路形成部材30を小型化して遊技領域PEを占有する面積を小さくすると、遊技球の動きを規制する通路が短くなるので、遊技球を特定の方向に誘導する性能が低下する。そうすると、通路形成部材30を通過する遊技球の流下方向(移動方向)が不規則になり易い。遊技球の流下方向(動き)が不規則になり過ぎると、遊技者が意図する方向に遊技球を向かわせ難くなり、パチンコ機1の操作性が低下するので、遊技の興趣が低下する。
これに対し通路形成部材30によれば、第2壁部36の下端36bの位置より第1壁部35の下端35cが遊技盤20の上側に位置するように設定されているので、曲げ面(第2壁部36の第2湾曲部58の内側面58b)に沿って流下する遊技球は、曲げ面の曲げ方向(図8左側)に誘導される。さらに、曲げ面(内側面58b)と対向する第1壁部35の対向面(外側面57c)に曲げ面(内側面58b)に向かって突起部62が突設されているので、第1壁部35及び第2壁部36の間を遊技球が流下して突起部62に衝突すると、遊技球は曲げ面(内側面58b)に向かう。曲げ面に向かった遊技球は曲げ面に沿って流下し、曲げ面の曲げ方向に誘導される。第1壁部35及び第2壁部36の間を流下する遊技球が突起部62に衝突しても或いは衝突しなくても、遊技球を曲げ面の曲げ方向に確実に誘導できるので、遊技球の流下方向(移動方向)がばらつくのを抑制できる。
また、第2壁部36は、第1壁部35の下端35cの左右の位置より曲げ面(内側面58b)の曲げ方向の反対側(図8右側)に下端36bが位置するように設定されているので、第1壁部35の下端35cの左右の位置より曲げ面(内側面58b)の曲げ方向側(図8左側)に下端36bが位置する場合と比較して、第2壁部36の下端36b側を短くできる。これにより、通路形成部材30の正面視における大きさ、即ち遊技領域PEを占有するスペースを小さくできる。その結果、遊技盤20の盤面における通路形成部材30の配置の自由度を確保できる。
以上の説明したように、通路形成部材30が遊技領域PEを占有するスペースを小さくすることで、通路形成部材30の配置の自由度を確保しつつ、突起部62及び曲げ面(内側面58b)により通路形成部材30を流下する遊技球の流下方向(移動方向)がばらつくのを抑制して、遊技球の動きが不規則になり過ぎるのを抑制できる。その結果、遊技者が意図する方向に遊技球を向かわせ易くなり、パチンコ機1の操作性が向上するので、遊技の興趣を高めることができる。
なお、遊技球の流下方向や動きを調整するために、多数の釘を遊技盤20の盤面に打ち込む必要があるが、通路形成部材30によって遊技球の流下方向や動きを調整できるので、少なくとも通路形成部材30の位置に打ち込まれる釘を省略できる。
また、通路形成部材30は、第1壁部35及び第2壁部36は、ベース部31に取着可能に構成されると共に、正面視においてベース部31の外縁より外側に下端35c,36bが位置するように長さが設定されている。その結果、正面視において第1壁部35及び第2壁部36の下端35c,36bの内側にベース部31の外縁を位置させることができるので、ベース部31が遊技領域PEを占有するスペースを小さくできる。
また、第1壁部35及び第2壁部36はベース部31に取着されるので、第2壁部36の下端36b側はベース部31に片持ち支持される。第2壁部36は、第1壁部35の下端35cの左右の位置より、曲げ面(内側面58b)の曲げ方向の反対側(図8右側)に下端36bが位置するように設定されているので、第1壁部35の下端35cの左右の位置より曲げ面(内側面58b)の曲げ方向側(図8左側)に下端36bが位置する場合と比較して、第2壁部36の下端36b側を短くできる。これにより、第2壁部36の下端36b側がベース部31の外縁の外側に突出する長さを小さくできる。その結果、遊技領域PEを流下する遊技球が第2壁部36の下端36b近くに衝突した場合でも、ベース部31に片持ち支持された第2壁部36の下端36b側が、衝突した遊技球のエネルギーで損傷したり変形したりすることを防止できる。
また、第1壁部35は、スルーゲート39を設けるため、遊技球を検知する検知センサ38が第2壁部36の反対側の内側壁部34との間で保持される。第1壁部35は、検知センサ38を保持するために凹状に形成されるセンサ保持部35bと、そのセンサ保持部36bの裏面が第2壁部36側に向かう凸状に形成されると共に突起部62の上側に位置する凸部61とを備え、第2壁部36は、凸部61の水平位置と突起部62の水平位置との間に位置すると共に第1壁部35に向かって突出する突出部64を備えている。
センサ保持部35bの裏面が第2壁部36側に向かう凸部61として第1壁部35に凸状に形成されているので、センサ保持部35b及び凸部61を第1壁部35の表裏に別々に設ける場合と比較して、第1壁部35の厚さを薄くできる。即ち、肉厚の薄い第1壁部35を屈曲状にすることで、第1壁部35の表裏にセンサ保持部35b及び凸部61を設けることができる。その結果、第1壁部35の肉厚を薄くできるので、第1壁部35がベース部31を占有するスペース(特に第1壁部35の厚さ方向(図8左右方向))を小さくできる。そのため、ベース部31が遊技領域PEを占有するスペースを小さくでき、通路形成部材30が遊技領域PEを占有するスペースを小さくできる。
また、第1壁部35の突起部62の上側に凸部61は位置し、凸部61の水平位置と突起部62の水平位置との間に位置する突出部64が第2壁部36に設けられる。突出部64は第1壁部35に向かって突出するので、第1壁部35と第2壁部36との間を流下する遊技球は、第1壁部35の凸部61に衝突した後、第2壁部36の突出部64に衝突し、第1壁部35の突起部62に衝突した後、第2壁部26の曲げ面(内側面58b)に沿って誘導される。遊技球を第1壁部35と第2壁部36との間を往復させつつ凸部61、突出部64及び突起部62に衝突させることで、遊技球の流下速度を低下させることができる。これにより、遊技領域PEを占有する通路形成部材30のスペースを小さくすることと、曲げ面(内側面58b)を通過する遊技球の速度を低下させて遊技球の動きを制御することとを両立できる。
また、第1壁部35に対し凸部61は、突起部62より第2壁部36側に突出している。従って、第1壁部35と第2壁部36との間の通路W2に向かって鉛直下向きに落下する遊技球は、凸部61や第2壁部36に衝突することなく直接に突起部62に接触できない。遊技球のエネルギーを、突起部62に接触する前に凸部61や第2壁部36に衝突させて低下させるので、突起部62に衝突して曲げ面(内側面58b)に向かう遊技球のエネルギーを制御できる。これにより、曲げ面に沿って流下する遊技球の流下方向(移動方向)がばらつくのを抑制できる。
第2壁部36は、上端36aの水平位置の下側に第1壁部35の上端35aが位置し、第1壁部35の凸部61の水平位置の上側に第2壁部36の突出部63が位置している。これにより、第2壁部36の突出部63に衝突して第1壁部35と第2壁部36との間を流下する遊技球は、第2壁部36の突出部63に衝突することでエネルギーが低下する。また、突出部63は、第1壁部35及び外側壁部32の両側に突出するが、第1壁部35側の突出長が外側壁部32側の突出長より大きな値に設定されている。これにより、突出部63は、第1壁部35と第2壁部36との間を流下する遊技球の抵抗となり易く、第1壁部35と第2壁部36との間を流下する遊技球のエネルギーを低下させることができる。遊技球のエネルギーのばらつきを小さくできるので、曲げ面(内側面58b)に沿って流下する遊技球の流下方向(移動方向)がばらつくのを抑制できる。
第2壁部36と外側壁部32との間を流下する遊技球は、第2壁部36の突出部63に衝突した後、外側壁部32の突出部32fに衝突し、第2壁部36の突出部65に衝突した後、外側壁部32の突出部32gに衝突する。次いで、第2壁部36の突出部66に衝突した後、外側壁部32の突出部32hに衝突し、第2壁部36の突出部67に衝突した後、略鉛直下向きに流下する。
締結孔部56にビスSが螺入される大径の突出部67が第2湾曲部58の外側面58cに突設され、第2壁部36から外側壁部32に向かって張り出しているので、第2壁部36と外側壁部32との間を流下する遊技球の抵抗となり易い。突出部67により第2壁部36と外側壁部32との間を流下する遊技球のエネルギーを低下させ、遊技球を外側壁部32に沿って流下させ易くできる。外側壁部32の下端32i側の曲率は、第1壁部35及び第2壁部36に形成される第1湾曲部57及び第2湾曲部58の曲率より小さい値に設定されているので、外側壁部32に沿う遊技球は、略鉛直下向きに流下される。一方、第1湾曲部57及び第2湾曲部58に沿う遊技球は、第1湾曲部57及び第2湾曲部58の曲げ方向に誘導されるので、遊技球の流下方向(移動方向)を別々に設定することができる。
なお、第2壁部36の後端側の複数箇所から後方に向かって延びる係止突部55は、突出部64,65の位置に設けられている。それらの位置では突出部64,65の分だけ第2壁部36の厚さを増すことができるので、突出部64,65が形成されていない位置に係止突部を設ける場合と比較して、係止突部55の太さを大きくできる。これにより透光体41に形成された係止孔部53に係止突部55を挿入することで、第2壁部36を透光体41に強固に支持させることができる。
次に図10を参照して、第2実施の形態におけるパチンコ機について説明する。第2実施の形態におけるパチンコ機は、通路形成部材が相違する以外は第1実施の形態と構成は同一である。よって、第1実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して、以下の説明を省略する。図10は第2実施の形態におけるパチンコ機の通路形成部材70の断面図である。
図10に示すように、第1壁部35の下端35c側に形成された第1湾曲部57の外側面57cに突起部71が突設されている。突起部71は、第2壁部36の下端36b側に形成された第2湾曲部58に向けられている。突起部71は、ベース部31の傾斜部31aを避けて傾斜部31aの内側に設けられており、前後方向(図10紙面垂直方向)に沿って締結孔部72が中心に形成されている。締結孔部72はビスSが螺入される孔部であり、そのビスSは、ベース部31の厚さ方向(図10紙面垂直方向)に貫通形成された貫通孔(図示せず)に、ベース部31の背面側から挿入され、締結孔部72に螺入される。ベース部31に貫通形成された貫通孔(図示せず)は、ベース部31の傾斜部31aの内側、且つ、リブ42(図6参照)の外側に形成されている。
以上のように突起部71は、第1湾曲部57の外側面57cに突設され、前後方向に締結孔部72が形成されている。突起部71は、第1壁部35から第2壁部36側へ大きく張り出すように形成されているので、ビスSを螺入できる程の大径の締結孔部72を形成できる。突起部71がベース部31に締結固定されるので、ベース部31に第1壁部35を強固に固定できる。特に、遊技球が落下する衝撃を受けやすい第1湾曲部57の外側面57cに突起部71が設けられているので、第1湾曲部57を破損し難くできる。また、ビスSが締結孔部72に螺入された突起部71は剛性が向上されるので、突起部71の耐久性を向上できる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。また、上記実施形態で挙げた数値や形状は一例であり、他の数値や形状を採用することは当然可能である。例えば、遊技領域PEの各種役物の配置、通路形成部材30,70のベース部31の形状等は適宜設定することが可能である。また、内側壁部34、第1壁部35、第2壁部36及び外側壁部32の長さや各上端の高さ(水平位置)も適宜設定することが可能である。
上記実施の形態では、遊技機の代表例としてパチンコ機1について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、雀球遊技機、アレンジボール機等の弾球遊技機に適用することは可能である。
上記実施の形態では、通路形成部材30,70が遊技盤20に4つの通路W1〜W4を形成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、通路の数は適宜設定することが可能である。
上記実施の形態では、可変表示ユニット21(中央役物)の右側に通路形成部材30,70を配置する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、通路形成部材を、可変表示ユニット21(中央役物)の左側に配置することは当然可能である。その場合、遊技盤20を正面視して左から順に、外側壁部32、第2壁部36、第1壁部35及び内側壁部34と並ぶように各壁部の配置を変更する。その結果、通路形成部材により遊技領域PEの外側から内側へ遊技球を誘導できる。
上記実施の形態では、ベース部31に通路形成部33を取着することで内側壁部34、第1壁部35及び第2壁部36を設けて通路形成部材30,70を組み立てる場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではなく、ベース部31と内側壁部34、第1壁部35、第2壁部36及び外側壁部32とを一体に形成することで、通路形成部材を一部材とすることは当然可能である。この場合、内側壁部34、第1壁部35及び第2壁部36はベース部31で連結されて一部材として構成されるので、上記実施の形態で説明した連結部37は省略できる。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上記実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
遊技球が流下する遊技領域が盤面に形成される遊技盤と、その遊技盤の遊技領域の略中央に配置される中央役物とを備える遊技機において、前記中央役物の右側または左側の遊技領域に取着される通路形成部材を備え、その通路形成部材は、前記遊技盤の盤面に固定されるベース部と、そのベース部に互いに間隔をあけて並設され前記遊技球が間を流下する突条状の第1壁部および第2壁部とを備え、その第2壁部は、前記遊技球の流下方向を鉛直下向きに対して左側または右側へ変更する曲げ面を下端側に備え、前記第1壁部は、前記第2壁部の下端の位置より前記遊技盤の上側に下端が位置するように設定されると共に、前記曲げ面と対向する対向面に前記曲げ面に向かって突設される突起部を備え、前記第2壁部は、前記第1壁部の下端の左右の位置より前記曲げ面の曲げ方向の反対側に下端が位置するように設定されていることを特徴とする遊技機1。
遊技機1によれば、遊技球が流下する遊技領域が遊技盤の盤面に形成され、その遊技盤の遊技領域の略中央に中央役物が配置され、その中央役物の右側または左側に通路形成部材が取着される。その通路形成部材は、遊技盤の盤面にベース部が固定され、そのベース部に互いに間隔をあけて突条状の第1壁部および第2壁部が並設される。その第1壁部および第2壁部の間を流下する遊技球は、第2壁部の下端側の曲げ面により流下方向を鉛直下向きに対して左側または右側へ変更される。
ここで、遊技球の流下方向や動きを調整するために、多数の釘を遊技盤の盤面に打ち込む必要があるが、通路形成部材によって遊技球の流下方向や動きを調整できるので、少なくとも通路形成部材の位置に打ち込まれる釘を省略できる効果がある。
また、第2壁部の下端の位置より第1壁部の下端が遊技盤の上側に位置するように設定されているので、曲げ面に沿って流下する遊技球は、曲げ面の曲げ方向に誘導される。さらに、曲げ面と対向する第1壁部の対向面に曲げ面に向かって突起部が突設されているので、第1壁部および第2壁部の間を遊技球が流下して突起部に衝突すると、遊技球は曲げ面に向かう。曲げ面に向かった遊技球は曲げ面に沿って流下し、曲げ面の曲げ方向に誘導される。第1壁部および第2壁部の間を流下する遊技球が突起部に衝突しても或いは衝突しなくても、遊技球を曲げ面の曲げ方向に確実に誘導できるので、遊技球の流下方向(移動方向)がばらつくのを抑制できる。
また、第2壁部は、第1壁部の下端の左右の位置より曲げ面の曲げ方向の反対側に下端が位置するように設定されているので、第1壁部の下端の左右の位置より曲げ面の曲げ方向側に下端が位置する場合と比較して、第2壁部の下端側を短くできる。これにより、通路形成部材の正面視における大きさ、即ち遊技領域を占有するスペースを小さくできる。
ここで、遊技盤の遊技領域の略中央に中央役物が配置されるので、その中央役物の右側または左側の遊技領域は、中央役物によってスペースに制約を受ける。そのため、通路形成部材の配置に制約が生じる。これに対し、上述したように通路形成部材が遊技領域を占有するスペースを小さくできるので、遊技盤の盤面における通路形成部材の配置の自由度を確保できる。
なお、第2壁部の下端側を短くすると、通路形成部材の正面視における大きさ、即ち遊技領域を占有するスペースを小さくできる半面、通路形成部材を通過する遊技球の流下方向(動き)が不規則になり易い。遊技球の流下方向(動き)が不規則になり過ぎると、遊技者が意図する方向に遊技球を向かわせ難くなり、遊技機の操作性が低下するので、遊技の興趣が低下する。
これに対し遊技機1によれば、通路形成部材が遊技領域を占有するスペースを小さくすることで、通路形成部材の配置の自由度を確保しつつ、突起部および曲げ面により通路形成部材を流下する遊技球の流下方向(移動方向)がばらつくのを抑制して、遊技球の動きが不規則になり過ぎるのを抑制できる。その結果、遊技者が意図する方向に遊技球を向かわせ易くなり、遊技機の操作性が向上するので、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機1において、前記第1壁部および前記第2壁部は、前記ベース部に取着または前記ベース部と一体に形成されると共に、正面視において前記ベース部の外縁より外側に下端が位置することを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、遊技機1の奏する効果に加え、正面視において第1壁部および第2壁部の下端の内側にベース部の外縁を位置させることができるので、ベース部が遊技領域を占有するスペースを小さくできる。
また、第1壁部および第2壁部はベース部に取着またはベース部と一体に形成されるので、第2壁部の下端側はベース部に片持ち支持される。第2壁部は、第1壁部の下端の左右の位置より曲げ面の曲げ方向の反対側に下端が位置するように設定されているので、第1壁部の下端の左右の位置より曲げ面の曲げ方向側に下端が位置する場合と比較して、第2壁部の下端側を短くできる。これにより、第2壁部の下端側がベース部の外縁の外側に突出する長さを小さくできる。その結果、遊技領域を流下する遊技球が第2壁部の下端近くに衝突した場合でも、ベース部に片持ち支持された第2壁部の下端側が、衝突した遊技球のエネルギーで損傷したり変形したりすることを防止できる効果がある。
遊技機1又は2において、前記第1壁部は、前記遊技球を検知する検知センサを前記第2壁部の反対側に保持するために凹状に形成されるセンサ保持部と、そのセンサ保持部の裏面が前記第2壁部側に向かう凸状に形成されると共に前記突起部の上側に位置する凸部とを備え、前記第2壁部は、前記凸部の水平位置と前記突起部の水平位置との間に位置すると共に前記第1壁部に向かって突出する突出部を備えていることを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、遊技球を検知する検知センサが、第1壁部に凹状に形成されるセンサ保持部により第2壁部の反対側に保持される。そのセンサ保持部の裏面が第2壁部側に向かう凸部として第1壁部に凸状に形成されているので、センサ保持部および凸部を第1壁部の表裏に別々に設ける場合と比較して、第1壁部の厚さを薄くできる。その結果、第1壁部がベース部を占有するスペースを小さくできるのに伴い、ベース部が遊技領域を占有するスペースを小さくできる。そのため、通路形成部材が遊技領域を占有するスペースを小さくできる。
また、第1壁部の突起部の上側に凸部は位置し、凸部の水平位置と突起部の水平位置との間に位置する突出部が第2壁部に設けられる。突出部は第1壁部に向かって突出するので、第1壁部と第2壁部との間を流下する遊技球は、第1壁部の凸部に衝突した後、第2壁部の突出部に衝突し、第1壁部の突起部に衝突した後、第2壁部の曲げ面に沿って誘導される。凸部、突出部および突起部に遊技球を衝突させつつ第1壁部と第2壁部との間を往復させることで、遊技球の流下速度を低下させることができる。これにより遊技機1又は2の奏する効果に加え、遊技領域を占有する通路形成部材のスペースを小さくすることと、曲げ面を通過する遊技球の速度を低下させることとを両立できる効果がある。
遊技機2又は3において、前記第1壁部および第2壁部は、前記ベース部に取着されると共に前記ベース部と離間する位置で互いに連結されるものであり、前記ベース部は、前記突起部に対応する位置の厚さ方向に貫通形成される貫通孔を備え、前記第1壁部は、前記突起部に形成される孔部を備え、その孔部および前記貫通孔に挿入される軸状部材を備えていることを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、突起部に対応する位置のベース部の厚さ方向に貫通孔が貫通形成され、突起部に孔部が形成される。その孔部および貫通孔に軸状部材が挿入(嵌挿)されることにより、ベース部と離間する位置で互いに連結される第1壁部および第2壁部は、ベース部に取着される。第1壁部の突起部に軸状部材が挿入されることにより、第1壁部をベース部に強固に固定できる。また、第1壁部の突起部に軸状部材が挿入されるので、突起部の剛性を向上させることができ、遊技機2又は3の奏する効果に加え、突起部の耐久性を向上できる効果がある。
<その他>
<手段>
技術的思想1記載の遊技機は、遊技球が流下する遊技領域が盤面に形成される遊技盤と、その遊技盤の遊技領域の略中央に配置される中央役物とを備えるものにおいて、前記中央役物の右側または左側の遊技領域に取着される通路形成部材を備え、その通路形成部材は、前記遊技盤の盤面に固定されるベース部と、そのベース部に互いに間隔をあけて並設され前記遊技球が間を流下する突条状の第1壁部および第2壁部とを備え、その第2壁部は、前記遊技球の流下方向を鉛直下向きに対して左側または右側へ変更する曲げ面を下端側に備え、前記第1壁部は、前記第2壁部の下端の位置より前記遊技盤の上側に下端が位置するように設定されると共に、前記曲げ面と対向する対向面に前記曲げ面に向かって突設される突起部を備え、前記第2壁部は、前記第1壁部の下端の左右の位置より前記曲げ面の曲げ方向の反対側に下端が位置するように設定されている。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記第1壁部および前記第2壁部は、前記ベース部に取着または前記ベース部と一体に形成されると共に、正面視において前記ベース部の外縁より外側に下端が位置する。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想1又は2に記載の遊技機において、前記第1壁部は、前記遊技球を検知する検知センサを前記第2壁部の反対側に保持するために凹状に形成されるセンサ保持部と、そのセンサ保持部の裏面が前記第2壁部側に向かう凸状に形成されると共に前記突起部の上側に位置する凸部とを備え、前記第2壁部は、前記凸部の水平位置と前記突起部の水平位置との間に位置すると共に前記第1壁部に向かって突出する突出部を備えている。
技術的思想4記載の遊技機は、技術的思想2又は3に記載の遊技機において、前記第1壁部および第2壁部は、前記ベース部に取着されると共に前記ベース部と離間する位置で互いに連結されるものであり、前記ベース部は、前記突起部に対応する位置の厚さ方向に貫通形成される貫通孔を備え、前記第1壁部は、前記突起部に形成される孔部を備え、その孔部および前記貫通孔に嵌挿される軸状部材を備えている。
<効果>
本発明によれば、通路形成部材の配置の自由度を確保しつつ、通路形成部材を通過する遊技球の流下方向がばらつくのを抑制できる効果がある。