JP6097405B2 - 10−デアセチルバッカチンiiiからカバジタキセルを高収率で製造する新規方法 - Google Patents

10−デアセチルバッカチンiiiからカバジタキセルを高収率で製造する新規方法 Download PDF

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Description

本発明は、10−デアセチルバッカチンIIIからカバジタキセルを製造する新規方法及びそのための新規中間体に関する。さらに詳しくは、本発明は、10−デアセチルバッカチンIIIを出発物質として中間体を経てカバジタキセルを製造することにより、従来の方法に比べてより短時間で高収率、高純度で容易にカバジタキセルを製造することができ、工業的規模の生産に適した新規方法及びそのための新規中間体に関するものである。
カバジタキセルは、下記式(1)の構造を有し、優れた抗癌活性を示す物質として医薬などの産業分野でその需要が高まっている。しかし、カバジタキセルの需要増加にもかかわらず、今までに開発されたカバジタキセルの製造方法は、非常に非効率的であり、生産性が低い点で制限があった。
特許文献1は、10−デアセチルバッカチンから6工程を経てカバジタキセルを製造する方法を開示する。しかしながら、この方法では、出発物質から最終物質の合成に要する合成時間が約109時間程度と非常に長い。特に、工程3(シリルラジカルの脱保護工程)は、反応時間が48時間程度と非常に長いという欠点がある。この様な長い反応時間は、13位のヒドロキシ基の保護及び脱保護に起因する。また、この様な長時間の合成過程を経ても目的化合物カバジタキセルの最終収率は約4%に留まる。結果として、この方法は、工業的規模でのカバジタキセルの製造方法に適用する事は困難である点で欠点があった。
また、特許文献2は、単一工程での10−デアセチルバッカチンの7及び10位の二つのヒドロキシ基の同時アルキル化反応を含む全3工程により、10−デアセチルバッカチンからカバジタキセルを合成する方法を開示する。しかしながら、この方法もカバジタキセルの最終合成収率が約8%に留まるという問題があった。
要約すれば、従来の合成方法は、効率的ではなく、且つ生産性も低い為、カバジタキセルを工業的規模で生産するには適していない。従って、より効率的で、収率が画期的に改善されたカバジタキセルの新規製造方法の開発が切実に求められている。
WO96/30355 WO99/25704
本発明は、前述した従来技術の問題点を解決するものであり、本発明は、10−デアセチルバッカチンIIIを出発物質として、カバジタキセルを短時間で高収率、高純度で容易に製造する新規方法及びそのための新規中間体を提供することを課題とする。
前記課題を解決する為、本発明は、
1)式(2)の10−デアセチルバッカチンIIIをシリル化剤と反応させ、7位のヒドロキシ基がシリル化されたラジカルで保護された式(3)の中間体を得る工程と、
2)式(3)の中間体の10位のヒドロキシ基をメチル化して、式(4)の中間体を得る工程と、
3)式(4)の中間体の7位のヒドロキシ基を脱保護して、式(5)の中間体を得る工程と、
4)式(5)の中間体の7位のヒドロキシ基をメチル化して、式(6)の中間体を得る工程と、
5)式(6)の中間体の13位のヒドロキシ基を、式(8)のオキサゾリジン酸誘導体の存在下でエステル化して、式(7)の中間体を得る工程と、
6)式(7)の中間体を酸で処理して、式(1)のカバジタキセルを得る工程と、
を含むカバジタキセルの製造方法を提供する。
(式中、Acは、アセチル基を表し、Meは、メチル基を表し、Phは、フェニル基を表し、Mは、シリル化されたラジカルを表す。)
本発明の他の側面によれば、下記式(4)の化合物が提供される。
(式中、Acは、アセチル基を表し、Meは、メチル基を表し、シリル化されたラジカルMは、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル又はトリアリールシリルを表し、アルキルは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖アルキルであり、アリールは、炭素数6〜10のアリールである。)
本発明のカバジタキセルの製造方法は、出発物質として10−デアセチルバッカチンIIIを使用し、式(3)の中間体(7位のヒドロキシ基がシリル化されたラジカルで選択的に保護されたもの)及び10位のヒドロキシ基をアルキル化して得られる式(4)の中間体を経由した反応を用いることにより、効率的に反応時間を短縮することができる。各工程において、各中間体は、さらにクロマトグラフィー精製なしで結晶化により高収率で得ることができる。結果として、本発明は、全体工程時間を短縮できると同時に目的物の収率を顕著に改善することができ、非常に経済的で、カバジタキセルの工業的規模の生産に適切に適用できる。本発明によれば、70〜90%の高純度カバジタキセルを20〜40%の高収率で容易且つ効率的に得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るカバジタキセルの概略的な製造方法は以下の通りである。
本発明のカバジタキセルの製造方法の工程1)において、式(2)の10−デアセチルバッカチンIIIをシリル化剤と反応させ、7位のヒドロキシ基がシリル化されたラジカルで保護された式(3)の中間体を得る。
前記シリル化剤は、好ましくはトリアルキルシリル化剤、ジアルキルアリールシリル化剤、アルキルジアリールシリル化剤、トリアリールシリル化剤及びこれらの組み合わせよりなる群から選択され、より好ましくはトリエチルシリル化剤またはトリメチルシリル化剤であり、さらに好ましくはトリエチルシリル化剤である。アルキルは、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキルであってもよく、アリールは、炭素数6〜10のアリールであってもよく、好ましくはフェニルである。このようなシリル化剤として具体的な化合物の例として、アルキル基、アリール基または両者を有するシリルハライド化合物、例えば、クロロトリエチルシラン(TESCl)、t−ブチルジメチルシリルクロリド(TBSCl)、t−ブチルクロロジフェニルシラン(TBDPSCl)及びこれらの組み合わせよりなる群から選択されたものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明の好ましい一態様ではクロロトリエチルシラン(TESCl)が使用される。
工程1)において、シリル化剤は、式(2)の10−デアセチルバッカチンIII 1モル当たり、好ましくは1〜10モル、より好ましくは1〜4モルで使用される。シリル化剤使用量が10−デアセチルバッカチンIII 1モル当たり1モル未満である場合、ヒドロキシ基に対するシリル化剤の反応割合が低くなり、シリル化反応効率が低くなる虞がある。当該使用量が10モルを超える場合、使用効果に対する製造費用が増加し、製造効率が低くなる虞がある。
工程1)において、ヒドロキシ基の選択的シリル化反応は、好ましくは−10〜60℃、より好ましくは15〜25℃の温度で行われる。即ち、工程1)は、工程上非常に便利な室温で行われるという利点がある。また、工程1)の反応時間は1〜20時間が好ましく、1〜2時間がより好ましい。
工程1)において、ヒドロキシ基の選択的シリル化反応は、塩基の存在下で極性または非極性有機溶媒中で行われてもよい。前記極性有機溶媒として、炭素数1〜5のアルコール、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサンなどが使用されてもよく、前記非極性有機溶媒として、ジエチルエーテル、トルエン、ベンゼン、ヘキサン、ジクロロメタン(DCM)、酢酸エチル、クロロホルムなどが使用されてもよいが、これに限定されない。好ましくは、DCMが使用される。工程1)において、反応濃度は、0.1〜3Mが好ましく、より好ましくは0.5〜2.5Mであり、さらに好ましくは1.5〜2Mであり、最も好ましくは1.7Mである。反応濃度が0.1M未満である場合、反応時間が長くなる虞がある。反応濃度が3Mを超える場合、反応液の流動性が低くなり、反応が均一に進まない虞があるので好ましくない。
塩基として、ピリジン、ピリミジン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、ジイソプロピルアミン(DIPA)、ジイソプロピルエチルアミン(N,N−ジイソプロピルエチルアミン、DIPEA)などが使用されてもよいが、これに限定されない。好ましくは、DMAPが使用される。工程1)において、10−デアセチルバッカチンIII 1モル当たりの塩基は、1〜10モルが好ましく、より好ましくは2〜7モル、さらに好ましくは3〜6モル、最も好ましくは5モルである。10−デアセチルバッカチンIII 1モル当たりの塩基の使用量が1モル未満である場合、反応終了時に不純物の量が増加し、反応速度が遅くなり反応が終了しない可能性がある。当該使用量が10モルを超える場合、過剰反応により所望しない副産物が生成される可能性があり、反応終了後に余分の塩基を除去するのが困難になるので好ましくない。
工程1)において、反応終了後、式(3)の中間体は、結晶化方法により得られてもよく、その後、さらに精製することなく次の工程に使用してもよい。
本発明において、中間体及び最終目的物の結晶化は、当該技術分野の従来方法(例えば、沈澱及び結晶形成方式)により行ってもよい。例えば、反応終了後、粗化合物(従来方法により得られる)は、結晶化溶媒及び/又は非結晶化溶媒(anti-solvent)を用いて沈澱させて結晶を得る。前記結晶化溶媒として、酢酸エチル、アセトン、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルコール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン(DCM)、クロロホルム、トルエン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸、ギ酸などを単独でまたは混合して使用してもよいが、これに限定されない。前記非結晶化溶媒として、ヘキサン、水、またはNH4Cl水溶液、NaCl水溶液等の無機塩の水溶液等を単独でまたは混合して、使用してもよいが、これに限定されない。本発明の好ましい一態様によれば、合成された粗化合物をDCMに溶解し、このDCM溶液を過剰量のヘキサンに滴下して結晶を得る。この時、結晶化溶媒:非結晶化溶媒の体積比率は、好ましくは1:2〜1:20であり、より好ましくは1:5〜1:10である。前記方法で沈澱を生成させた後、これをろ過、乾燥して結晶を得る。
本発明のカバジタキセルの製造方法は、前記工程1)のように、10−デアセチルバッカチンIIIを出発物質として、式(3)の中間体(7位のヒドロキシ基がシリル化されたラジカルで選択的に保護されるもの)を得て、次いで、後述する工程2)において10位のヒドロキシ基をアルキル化して得られる式(4)の中間体を経由して反応を行うと、合成時間を短縮することができ、反応に用いられる試薬の量も最小限にすることができ、短時間で効率的な反応を可能にし、製造費用を削減することができる。また、反応物は、結晶化方法により得ることができる為、純度が高く、クロマトグラフィー精製過程で生じ得る物質損失を防止して、収率を顕著に向上させることができる。
本発明のカバジタキセルの製造方法の工程2)において、前述のようにして得られた式(3)の中間体の10位のヒドロキシ基をメチル化して、式(4)の中間体を得る。
工程2)において、ヒドロキシ基のメチル化は、メチル化剤を用いて行われてもよい。メチル化剤は、好ましくは硫酸ジメチル(Me2SO4)、ヨウ化メチル(MeI)、及びトリメチルオキソニウムテトラフルオロボレートよりなる群から選択された1種以上であり、より好ましくは硫酸ジメチルである。工程2)において、メチル化剤は、式(3)の中間体1モル当たり、好ましくは1〜10モル、より好ましくは2〜4モルの量で使用する。式(3)の中間体1モル当たりのメチル化剤使用量が、1モル未満である場合、反応が不充分になる場合がある。当該使用量が10モルを超える場合、過剰反応が進行し、不純物が増大することで、収率及び純度が低下する虞があり、過剰量の試薬が残留して、精製が困難になる虞がある。
工程2)のメチル化反応は、公知のアルキル化反応、例えば、特許文献1(WO96/30355)に記述されたアルキル化条件下で行ってもよい。具体的には、アルキル化反応は、−30℃〜−10℃の温度で、Me2SO4等のメチル化剤の存在下で、NaH等の強塩基を添加することにより行ってもよい。NaH等の強塩基は、用いられる式(3)の中間体1モル当たり、好ましくは1〜20モル、より好ましくは4〜6モルで用いられる。反応温度は、好ましくは−40℃〜60℃、より好ましくは−20℃〜0℃である。反応温度が−40℃より低ければ、反応が不充分になる場合がある。反応温度が60℃より高ければ、過剰反応によって所望しない不純物が増える虞がある。
工程2)において、反応終了後、式(4)の中間体は、上述したような結晶化方法により得られてもよく、その後、さらに精製することなく次の工程に使用してもよい。
本発明において、中間体として得られる式(4)の化合物は新規であり、本発明の他の側面により提供される。
本発明のカバジタキセルの製造方法の工程3)において、前述のようにして得られた式(4)の中間体の7位のヒドロキシ基を脱保護して、式(5)の中間体を得る。
工程3)において、ヒドロキシ基の脱保護反応は、酸を用いて行ってもよい。酸の例として、ハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、スルファミン酸、過塩素酸、クロム酸、亜硫酸、亜硝酸などの無機酸;ハロゲン化酸、ギ酸、酢酸、オキサロ酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、グリコール酸、酒石酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、酪酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸;またはこれらの混合物が挙げられる。工程3)では、反応液に、酸を滴下するか、または酸と有機溶媒との混合物を滴下することによって、脱保護を行なってもよい。有機溶媒は、好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルコールである。本発明の好ましい一態様では、ハロゲン化酸(例えば、塩酸)と炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルコール(例えば、エタノールまたはメタノール)との混合溶媒を脱保護に用いる。
酸と有機溶媒との混合液を使用して脱保護を行う場合、その混合液に含まれる酸:有機溶媒の体積比は、好ましくは1:0.5〜1:10、より好ましくは1:2〜1:4であるが、これに制限されない。
工程3)において、ヒドロキシ基の脱保護反応は、好ましくは−10〜30℃、より好ましくは0〜25℃の温度で行なう。脱保護の反応温度が−10℃より低ければ、反応が不充分になる虞がある。脱保護の反応温度が30℃より高ければ、過剰反応により所望しない不純物が増える虞がある。
工程3)において、反応終了後、式(5)の中間体は、上述したような結晶化方法により得られてもよく、その後、さらに精製することなく次の工程に使用してもよい。
本発明のカバジタキセルの製造方法の工程4)において、上述のようにして得られた式(5)の中間体の7位のヒドロキシ基をメチル化して、式(6)の中間体を得る。
工程4)において、ヒドロキシ基のメチル化は、工程2)で説明したようなメチル化剤を用いて行ってもよく、メチル化反応条件も、工程2)で説明したものと同様である。
工程4)において、反応終了後、式(6)の中間体は、上述した結晶化方法により得られてもよく、その後、さらに精製することなく次の工程に使用してもよい。
本発明のカバジタキセルの製造方法の工程5)において、式(8)のオキサゾリジン酸誘導体の存在下で、前述のようにして得られた式(6)の中間体の13位のヒドロキシ基をエステル化して、式(7)の中間体を得る。
工程5)において、オキサゾリジン酸誘導体の存在下での13位のヒドロキシ基のエステル化は、これらの化合物を使用する公知のエステル化方法、例えば、特許文献1(WO96/30355)に記述された方法によるオキサゾリジン酸の存在下でのエステル化方法により行ってもよい。
より具体的に、式(7)の化合物は、式(6)の化合物と式(8)のオキサゾリジン酸誘導体との縮合反応により製造してもよい。
このとき、式(8)のオキサゾリジン酸誘導体は、式(6)の化合物1当量に対して、好ましくは1〜2当量、より好ましくは1.2〜1.5当量の量で使用される。その使用量が、式(6)の化合物1当量に対して、1当量未満である場合、反応が不充分になる虞がある。当該使用量が2当量を超える場合、反応に必要な量以上に高価の試薬を過剰に添加する為、経済的側面から好ましくない。本工程の縮合反応において、縮合剤として、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)及びエチル−3−(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)から選択される1種以上を使用してもよいが、これに限定されない。好ましくは、安価のジシクロヘキシルカルボジイミドを使用する。縮合剤は、式(6)の化合物1当量に対して、好ましくは1〜4当量、より好ましくは1.7〜2.2当量の量で使用する。その使用量が式(6)の化合物1当量に対して、1当量未満である場合、反応が不充分になる虞がある。当該使用量が4当量を超える場合、試薬の過剰添加により製造費用が増加し、尿素などの副産物が多量に生成し、精製が困難になる虞がある。本工程の反応で有用な溶媒の例としては、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフランなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。好ましくは、環境に易しい酢酸エチルを使用する。
本工程の反応では、さらに活性化剤を使用してもよい。活性化剤として、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、ピリジンなどのアミン類を単独でまたは2種以上混合して使用することができるが、これに限定されない。好ましくは、4−ジメチルアミノピリジンを使用する。活性化剤は、式(6)の化合物1当量に対して、化学量論的当量以下の量、例えば、0.3〜0.5当量の量で使用することが好ましい。その使用量が式(6)の化合物1当量に対して、0.3当量未満である場合、反応が不十分となる虞がある。当該使用量が0.5当量を超える場合、副産物が多量に生成し、精製が困難になる可能性がある。
本工程の反応温度は、好ましくは0〜60℃、より好ましくは20〜30℃である。反応温度が0℃未満である場合、反応が進まないか、反応時間が非常に長くなるという問題が生じ得る。反応温度が60℃を超える場合、副産物が増えて、純度が低下する場合がある。本工程の反応時間は、好ましくは1時間〜5時間である。反応時間が1時間未満である場合、目的化合物が十分に製造されない虞がある。反応時間が5時間を超える場合、副産物が増える場合がある。
工程5)において、反応終了後、式(7)の中間体は、前述した結晶化方法により得られてもよく、さらに精製を行わずに次の工程に使用してもよい。
本発明のカバジタキセルの製造方法の工程6)において、前述のようにして得られた式(7)の中間体を酸で処理して、10位のヒドロキシ基を脱保護することにより、式(1)のカバジタキセルを得る。
工程6)において、10位のヒドロキシ基の脱保護は、工程3)で説明した様に、酸を用いて行ってもよく、脱保護反応条件も工程3)で説明したものと同様である。
工程6)の反応終了後、カバジタキセルが前述した結晶化方法により乾固物の形態で得られる。
このようにして得られた乾固物は、カラムクロマトグラフィーなど当該分野の従来の方法によりさらに精製してもよい。
本発明の方法において、各工程はクロマトグラフィー精製を行うことなく次の工程を行うことができる。従って、各中間体はクロマトグラフィー精製工程なしで得ることができる為、本発明の方法は、非常に経済的で、合成工程の単純化により工業規模生産に有利である。また、本発明の方法は、クロマトグラフィー精製中に生じ得る物質の様々な損失(例えば、精製工程を準備する溶解及びろ過中に生じ得る損失、カラム充填物質に物質の一部が吸着して生じ得る損失、物質の容器移動中に物質が容器壁面に残って生じ得る損失)を防止することができ、収率を顕著に向上させる効果を示す。
このように、本発明のカバジタキセルの製造方法において、各工程で得られた中間体は、さらに精製することなく次の工程に使用することができる。しかし、中間体は、さらに精製した後に、次の工程に使用してもかまわない。従って、本発明のカバジタキセルの製造方法は、全体工程またはそれぞれの工程で得られた物質を精製する一つ以上の工程をさらに含んでいてもよい。
本発明の好ましい一態様によれば、出発物質10−デアセチルバッカチンIIIに対して、純度70〜90%の高純度カバジタキセル乾固物を最終収率約20〜40%で製造することができる。
以下、実施例を参照して本発明を詳細に説明する。しかしながら、本発明の内容は下記実施例により限定されるものではない。
<略語>
TESCl:トリエチルシリルクロリド
DCM:ジクロロメタン
EA:酢酸エチル
sat.NaCl:飽和塩化ナトリウム
conc.HCl:濃塩酸
DMAP:4−ジメチルアミノピリジン
NaH:水素化ナトリウム
THF:テトラヒドロフラン
MeOH:メタノール
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DCC:N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
TLC:薄膜クロマトグラフィー(TLC展開液:ヘキサン/酢酸エチル=1/2)
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
1)式(3)の中間体の製造
100gの10−デアセチルバッカチンIIIを550mLのDCMに溶解した後、そこに100gのDMAPとTESCl 35mLを加えた。反応混合物を2時間撹拌した後、TLCにより反応終了を確認し、そこに5%NH4Clを添加して、抽出した。抽出後、得られた有機層をMgSO4で乾燥した後、ろ過して、濃縮した。濃縮液を0.1Lのアセトンに溶解した後、そこに1Lのヘキサンを加え、沈澱を形成させた。ヘキサン添加完了後、さらに30分間撹拌し、ろ過した後、40℃のオーブンで減圧乾燥して、式(3)の中間体130gを白色の固体で得た。得られた乾固物の純度は93%であった(HPLC)。
2)式(4)の中間体の製造
得られた式(3)の中間体130gを2.8LのTHFに溶解し、得られた溶液を−20℃に冷却した後、そこに59mLのMe2SO4を加えた。次いで、そこに、40gのNaH(鉱油中60%分散物)をゆっくり加えた後、約2時間撹拌した。HPLCを利用して反応終了を確認した後、飽和NH4ClとDCMを添加して、抽出した。得られたDCM層をMgSO4で乾燥した後、ろ過して、濃縮した。濃縮液を0.1LのDCMに溶解した後、そこに1Lのヘキサンを加え、沈澱を形成させた。ヘキサン添加完了後、30分間、さらに撹拌し、ろ過した後、40℃のオーブンで減圧乾燥して、式(4)の中間体124gを白色の固体で得た(純度82%)。
式(4)の中間体
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.10 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 7.59 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.46 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 5.60 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 4.99 - 4.87 (m, 3H), 4.43 (dd, J = 10.5, 6.7 Hz, 1H), 4.30 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 4.14 (d, J = 8.3, Hz, 1H), 3.88 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 3.41 (s, 3H), 2.52-2.45 (m, 1H), 2.28 (s, 3H), 2.26 (s, 1H), 2.11 (s, 3H), 2.08 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 1.92-1.85 (m, 1H), 1.67 (s, 3H), 1.59 (s, 1H), 1.58 (s, 1H), 1.17 (s, 3H), 1.07 (s, 3H), 0.96 (t, J = 7.9 Hz, 9H), 0.65 - 0.50 (m, 6H);
13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 204.60, 170.97, 167.21, 143.07, 134.02, 133.68, 130.24, 129.61, 128.69, 84.47, 82.83, 81.19, 78.96, 77.23, 74.98, 73.10, 68.20, 58.40, 55.96, 47.48, 43.02, 38.49, 37.49, 27.01, 22.89, 19.72, 15.34, 10.04, 6.95, 5.58;
LRMS (ESI) m/z 695.7 (M+Na)+
3)式(5)の中間体の製造
得られた式(4)の中間体124gを455mLのメタノールに溶解した後、得られた混合物を0℃に冷却した。そこに4N HCl 455mLをゆっくり添加した後、さらに約2時間撹拌した。TLCで反応完了を確認した後、5%NaHCO3溶液5.2Lを加え、沈澱を形成させた。形成された沈澱をろ過し、蒸留水で洗浄した。得られた沈澱物を40℃のオーブンで減圧乾燥して、式(5)の中間体83gを得た(純度75%、10−デアセチルバッカチンIIIからの累積収率57%)。
4)式(6)の中間体の製造
得られた式(5)の中間体83gを400mLのDMFに溶解し、得られた溶液を−30℃に冷却した後、ここに35mLのMe2SO4を添加した。次いで、そこに14gのNaH(鉱油中60%分散物)をゆっくり添加し、約1時間撹拌した。HPLCを利用して反応終了を確認した後、4Lの5%NH4Cl水溶液をゆっくり加え、沈澱を形成させた。形成された沈澱をろ過し、過剰量の蒸留水で洗浄した後、40℃のオーブンで減圧乾燥して、式(6)の中間体69gを白色の固体で得た(純度73%、収率79%、10−デアセチルバッカチンIIIからの累積収率45%)。
5)式(7)の中間体の製造
式(8)のオキサゾリジン酸誘導体137gを2LのEAに溶解した後、そこに227gのDCC及び23gのDMAPを添加した。得られた溶液に、得られた式(6)の中間体69gを添加し、室温で約3時間撹拌した。反応終了後、不溶性物質をろ過で除去し、減圧下で有機相を濃縮した。濃縮液を0.1LのDCMに溶解した後、そこに1Lのヘキサンを加え、沈澱を形成させた。ヘキサン添加完了後、30分間、さらに撹拌し、ろ過した後、40℃のオーブンで減圧乾燥して、式(7)の中間体78gを白色の固体で得た(純度88%、収率84%、10−デアセチルバッカチンIIIからの累積収率38%)。
6)式(1)の化合物(カバジタキセル)の製造
得られた式(7)の中間体78gを4Lのメタノールと4LのDCMに溶解し、0℃に冷却し、そこに1N HCl 78mLをゆっくり添加した。得られた混合物を約1時間撹拌した後、そこに飽和NH4ClとDCMを添加して、抽出した。得られたDCM層をMgSO4で乾燥した後、ろ過して、濃縮した。濃縮液を0.1Lのメタノールに溶解した後、ここに1.2Lの蒸留水を加え、沈澱を形成させた。蒸留水添加完了後、30分間、さらに撹拌し、ろ過した後、40℃のオーブンで減圧乾燥して、カバジタキセル乾固物59gを白色の固体で得た(純度90%)。HPLC分析により、得られた乾固物のカバジタキセル含有量は72%であり、出発物質である10−デアセチルバッカチンIIIからカバジタキセル含有乾固物までの全収率は28%であった。
式(1)化合物(カバジタキセル)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.09 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.60 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.48 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.35-7.30 (m, 5H), 6.21 (t, J = 8.6 Hz, 1H), 5.63 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 5.45 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 5.27 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.97 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.79 (s, 1H), 4.62 (s, 1H), 4.29 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.17 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 3.88-3.80 (m, 2H), 3.45 (s, 3H), 3.30 (s, 3H), 2.73-2.66 (m, 1H), 2.36 (s, 3H), 2.31-2.27 (m, 2H), 1.87 (s, 3H), 1.83-1.76 (m, 1H), 1.71 (s, 3H), 1.36 (s, 9H), 1.25 (s, 1H), 1.21 (s, 3H), 1,20 (s, 3H);
13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 204.94, 172.69, 170.43, 166.97, 155.30, 138.67, 138.36, 135.61, 133.64, 129.18, 128.81, 128.64, 128.05, 126.83, 84.09, 82.64, 81.75, 80.75, 80.23, 78.73, 77.23, 74.52, 73.69, 72.56, 57.34, 57.04, 56.91, 56.18, 47.39, 43.29, 35.22, 32.12, 28.21, 26.83, 22.69, 20.68, 14.64, 10.34;
LRMS (ESI) m/z 858.7 (M+Na)+
上記から分かる様に、本発明によりカバジタキセルを製造する場合、出発物質である10−デアセチルバッカチンIIIからカバジタキセル含有乾固物までの全収率が28%であった。当該収率は、従来の特許文献1(WO96/30355)に開示された方法(カバジタキセル製造の全収率約4%)に比べて、格段に改善されている。
また、特許文献1(WO96/30355)に開示された方法の工程1〜3と、本発明の製造方法の実施例の工程1〜3との所要時間を比較すると次の通りである。
上記から分かるように、本発明によれば、従来のカバジタキセルの製造方法に比べて、顕著に短時間で、より一層高収率でカバジタキセルを製造することができる。

Claims (9)

  1. 1)N,N−ジメチルアミノピリジンの存在下で極性又は非極性有機溶媒中で式(2)の10−デアセチルバッカチンIIIをシリル化剤と反応させ、7位のヒドロキシ基がシリル化されたラジカルで保護された式(3)の中間体を得る工程と、
    2)式(3)の中間体の10位のヒドロキシ基をメチル化して、式(4)の中間体を得る工程と、
    3)式(4)の中間体の7位のヒドロキシ基を脱保護して、式(5)の中間体を得る工程と、
    4)式(5)の中間体の7位のヒドロキシ基をメチル化して、式(6)の中間体を得る工程と、
    5)式(6)の中間体の13位のヒドロキシ基を、式(8)のオキサゾリジン酸誘導体の存在下でエステル化して、式(7)の中間体を得る工程と、
    6)式(7)の中間体を酸で処理して、式(1)のカバジタキセルを得る工程と、
    を含むカバジタキセルの製造方法。
    (式中、Acは、アセチル基を表し、Meは、メチル基を表し、Phは、フェニル基を表し、シリル化されたラジカルMは、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル又はトリアリールシリルを表し、アルキルは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖アルキルであり、アリールは、炭素数6〜10のアリールである。)
  2. シリル化剤が、クロロトリエチルシラン、t−ブチルジメチルシリルクロリド、t−ブチルクロロジフェニルシラン及びこれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項1に記載のカバジタキセルの製造方法。
  3. 極性有機溶媒が、炭素数1〜5のアルコール、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン及びこれらの組み合わせよりなる群から選択され、
    非極性有機溶媒が、ジエチルエーテル、トルエン、ベンゼン、ヘキサン、ジクロロメタン、酢酸エチル、クロロホルム及びこれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項に記載のカバジタキセルの製造方法。
  4. ヒドロキシ基のメチル化反応が、硫酸ジメチル、ヨウ化メチル及びトリメチルオキソニウムテトラフルオロボレートよりなる群から選択された1種以上のメチル化剤を用いて行われる請求項1に記載のカバジタキセルの製造方法。
  5. ヒドロキシ基の脱保護反応が、酸、または酸と有機溶媒との混合物を用いて行われる請求項1に記載のカバジタキセルの製造方法。
  6. 酸が、ハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、スルファミン酸、過塩素酸、クロム酸、亜硫酸、亜硝酸、ハロゲン化酸、ギ酸、酢酸、オキサロ酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、グリコール酸、酒石酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、酪酸、トリフルオロ酢酸及びこれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項に記載のカバジタキセルの製造方法。
  7. 有機溶媒が、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルコールである請求項に記載のカバジタキセルの製造方法。
  8. 工程1)〜5)において、各工程の中間体が結晶化方法により得られ、さらに精製することなく次の工程で使用される請求項1に記載のカバジタキセルの製造方法。
  9. 各工程で得られた物質を精製する一つ以上の工程をさらに含む請求項1に記載のカバジタキセルの製造方法。
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