JP6096623B2 - 露光制御装置、露光制御方法、撮像装置 - Google Patents

露光制御装置、露光制御方法、撮像装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、露光制御装置、露光制御方法、撮像装置に関する。
野外で撮像装置を使用する場合、ダイナミックレンジを広くするためには、露光時間制御だけでは適正な露光量を確保することが困難である。このため、露光時間制御に加えて機械的な絞り機構やND(Newtoral Density)フィルタを用いて露光量を調整するのが通例である(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−93020号公報
しかしながら、機械的な絞り機構によれば、絞り羽根を駆動するためのモータやギヤ機構の慣性による動作遅延が存在するため、露光時間により露光量を制御する場合に比較して応答性に難点がある。また、一般に、絞り機構のギヤのバックラッシュや摩擦、あるいは小絞りボケなどにより、絞り量と露光量との間の関係が非線形性を呈する。この非線形性に起因して明暗の発振現象(ハンチング)が発生し、露光制御が不安定になるという問題もある。
本発明が解決しようとする課題は、応答性の低下を抑制しつつ、広いダイナミックレンジにわたって安定的に露光を制御することができる露光制御装置、露光制御方法、撮像装置を提供することである。
実施形態の露光制御装置は、算出部と制御部とを持つ。算出部は、撮像素子に入射する光量を調整するための絞り機構の絞り量と前記撮像素子により得られる画像の輝度とから、前記画像の輝度を基準値に維持するために必要とされる前記撮像素子の露光時間を周期的に算出する。制御部は、前記算出部により算出された露光時間が所定の制御範囲内にある場合、前記露光時間に基づき前記撮像素子の露光を制御し、前記露光時間が前記制御範囲を逸脱した場合、前記露光時間を補償する方向に前記絞り機構を作動させて前記露光時間を前記制御範囲内に導く。
実施形態による撮像装置の構成の一例を示す図。 実施形態による撮像装置に備えられた露光制御装置の構成の一例を示す図。 実施形態による露光制御装置の制御フローの一例を示すフローチャート。 実施形態による露光制御装置の制御フローに基づく露光制御の一例を説明するための図であって、入射光の輝度に対する画像輝度と露光時間と絞り量との関係の一例を示す特性図。 実施形態による露光制御装置の制御フローに基づく露光制御の一例を説明するための図であって、入射光の輝度と画像輝度と露光時間と絞りモータ駆動状態と絞り量との関係の一例を示すタイムチャート。 実施形態の変形例による露光制御装置の制御フローに基づく露光制御の一例を説明するための図であって、入射光の輝度に対する画像輝度と露光時間と絞り量との関係の一例を示す特性図である。 実施形態の変形例による露光制御装置の制御フローに基づく露光制御の一例を説明するための図であって、入射光の輝度と画像輝度と露光時間と絞りモータ駆動状態と絞り量との関係の一例を示すタイムチャート。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
(構成の説明)
図1は、実施形態による撮像装置100の構成の一例を示す図である。
撮像装置100は、光学レンズ101、絞り機構102、撮像素子103、増幅器104、アナログ/デジタル(A/D)変換器105、画像レベル検出回路106、撮像制御装置107、撮像制御装置107に備えられた露光制御装置108、露光時間制御信号発生回路109、デジタル/アナログ(D/A)変換器110、電力増幅器111、直流(DC)モータ112、ギヤ機構角度検出器113、増幅器114、アナログ/デジタル(A/D)変換器115を備えている。撮像制御装置107は、例えばマイクロ・プロセッサから構成される。
光学レンズ101は、入射光Lを撮像素子103の受光面に結像させるものである。絞り機構102は、入射光Lの光束を絞って撮像素子103に入射する光量を調整するためのものである。本実施形態では、絞り機構102は、複数の絞り羽根を有する機械的な機構である。撮像素子103は、その受光面に結像された光像を光電変換して画像信号を生成するものであり、例えばCCD(Charge Coupled Device)等の固体撮像素子である。ただし、この例に限定されず、撮像素子103は、光電変換により画像信号を得ることができることを限度に、任意の素子であり得る。
増幅器104は、撮像素子103により得られた画像信号を増幅するためのものである。アナログ/デジタル変換器105は、増幅器104によって増幅された画像信号をデジタルデータである画像データDPに変換するものである。画像レベル検出回路106は、アナログ/デジタル変換器105により変換された画像データDPの輝度の平均値を検出し、その平均値を示す画像レベルデータDBを生成するものである。この画像レベルデータDBは撮像制御装置107に供給される。後述するように、本実施形態では、画像レベルデータDBで示される画像の輝度の平均値が所定の基準値(目標値)DBREFになるように、撮像素子103の露光時間と絞り機構の絞り量とが露光制御装置108により制御される。
以下では、「画像の輝度」または「画像輝度」は、画像データDPによって示される画像の輝度の平均値を指す。
撮像制御装置107は、撮像装置100の全体動作を制御するためのものであり、上述の画像レベルデータDBと後述の絞りモニタデータDDとに基づく露光制御のほか、合焦に関する制御等、撮像に関する全般的な制御を実施する。撮像制御装置107に備えられた露光制御装置108は、上述の画像レベルデータDBと後述の絞りモニタデータDDとに基づいて、撮像素子103の露光時間を指示する露光時間データDTと、絞り機構102の作動方向(開方向/閉方向)を指示する絞りモータ駆動データDMとを生成するものである。本実施形態では、露光制御装置108は、露光時間データDTで示される露光時間が後述する所定の制御範囲内にある場合、撮像素子103の露光時間による露光制御を実施し、露光時間データDTで示される露光時間が制御範囲を逸脱した場合、絞り機構102による露光制御を実施する。その詳細については後述する。
露光時間制御信号発生回路109は、撮像制御装置107に備えられた露光制御装置108から出力される露光時間データDTから、撮像素子103の露光時間を制御するための露光時間制御信号STを発生させるものである。この露光時間制御信号STは撮像素子103に供給される。デジタル/アナログ変換器110は、撮像制御装置107に備えられた露光制御装置108から出力される絞りモータ駆動データDMをアナログ信号に変換するものであり、電力増幅器111は、デジタル/アナログ変換器110から出力されるアナログ信号を電力増幅してモータ駆動信号SMを生成して直流モータ112に出力するものである。直流モータ112は、モータ駆動信号SMにより回転して絞り機構102の絞り羽根を機械的に開閉させるための動力を発生させるものである。
ギヤ機構角度検出器113は、直流モータ112の動力を絞り機構102に伝達するものであると共に、直流モータ112の動力を伝達するギヤの回転角度から絞り機構102の実際の絞り量(即ち、絞り羽根の開閉度)を検出するものである。この検出結果は、絞りモニタ信号SDとしてギヤ機構角度検出器113から増幅器114に出力される。増幅器114は、絞りモニタ信号SDを増幅するためのものである。アナログ/デジタル変換器115は、増幅器114により増幅された絞りモニタ信号SDをデジタルデータである絞りモニタデータDDに変換するものである。絞りモニタデータDDは撮像制御装置107に備えられた露光制御装置108に供給される。
図2は、本実施形態による撮像装置100に備えられた露光制御装置108の構成の一例を示す図である。
露光制御装置108は、算出部1081と制御部1082とを備えている。このうち、算出部1081は、撮像素子103に入射する光量を調整するための絞り機構102の絞り量を表す絞りモニタデータDDと、撮像素子103により得られる画像の輝度を表す画像レベルデータDBとから、この画像の輝度を基準値DBREFに維持するために必要とされる撮像素子103の露光時間DTEを周期的に算出し、この露光時間DTEの値を示す露光時間データDTを出力するものである。本実施形態では、算出部1081は、画像のフレームごとに撮像素子103の露光時間を算出する。
制御部1082は、算出部1081により算出された露光時間DTEが後述の所定の制御範囲内にある場合、露光時間DTEに基づき撮像素子103の露光を制御し、露光時間DTEが制御範囲を逸脱した場合、露光時間DTEを補償する方向に絞り機構102を作動させて露光時間DTEを制御範囲内に導くものである。制御部1082は、算出部1081により算出された露光時間DTEが所定の制御範囲内にある場合、算出した露光時間DTEの値を露光時間データDTとして出力する。ただし、後述するように、制御部1082は、算出部1081により算出された露光時間DTEが制御範囲を逸脱した場合、露光時間データDTによって示される値に代えて、撮像素子103の露光時間の上限値または下限値を露光時間データDTとして出力する場合もある。
ここで、本実施形態では、「制御範囲」は、露光制御が可能な撮像素子103の露光時間の数値範囲を指し、露光時間に基づく露光制御が可能であることを限度に、任意に設定し得る。本実施形態では、「制御範囲」は、後述の「開判定値TUU」および「閉判定値TLL」により規定される。即ち、「開判定値TUU」は「制御範囲」の上限を規定し、「閉判定値TLL」は「制御範囲」の下限を規定する。
また、本実施形態では、撮像素子103の物理的制約によって規定される撮像素子103の露光時間の数値範囲の上限を「上限値TU」とし、その数値範囲の下限を「下限値TL」とする。このような「上限値TU」および「下限値TL」の各値は、例えば撮像素子103の特性によって適切に決定される。
更に、本実施形態では、「開判定値TUU」(第1所定値)および「閉判定値TLL」(第2所定値)なる量を定義する。ここで、「開判定値TUU」は、絞り機構102を開方向に作動させるための判断の基準となる量であり、「上限値TU」よりも小さく、且つ、「閉判定値TLL」よりも大きい値である。また、「閉判定値TLL」は、絞り機構102を閉方向に作動させるための判断の基準となる量であり、「下限値TL」よりも大きく、且つ、「開判定値TUU」よりも小さい値である。このような「開判定値TUU」および「閉判定値TLL」の各値は任意に設定することが可能である。
(動作の説明)
まず、図3を参照して、露光制御装置108の基本的制御フローを説明する。
図3は、本実施形態による露光制御装置108の制御フローの一例を示すフローチャートである。
露光制御装置108は、図3に示す制御フローを画像のフレームごとに実行する。各フレームにおいて、算出部1081は、画像レベル検出回路106により検出された画像の輝度を示す画像レベルデータDBと、画像の輝度の目標値である基準値DBREFとから、撮像素子103の露光時間を算出する(ステップS1)。即ち、算出部1081は、画像レベルデータDBによって示される現在の画像の輝度を基準値DBREFとするために必要な露光時間DTEを算出し、この露光時間DTEを示す露光時間データDTを出力する。例えば、画像レベルデータDBによって示される現在の画像の輝度が基準値DBREFを上回っていれば、撮像素子103の露光時間が短縮され、逆に、現在の画像の輝度が基準値DBREFを下回っていれば、撮像素子103の露光時間が延長されるように露光時間DTEを算出する。
上述の算出部1081により算出された露光時間DTEに基づいて、制御部1082は、次のように露光制御を実施する。
制御部1082は、算出部1081により算出された露光時間DTEが、撮像素子103の露光時間の上限値TU以上であるか否かを判定する(ステップS2)。ここで、露光時間DTEが上限値TU以上であれば(ステップS2:Yes)、制御部1082は、露光時間DTEを上限値TUで制限する(ステップS3)。即ち、露光時間DTEが上限値TUに到達している場合、制御部1082は、露光時間DTEを上限値TUに置き換え、この上限値TUを示す露光時間データDTを出力する。
一方、上述のステップS2において、算出部1081により算出された露光時間DTEが上限値TU以上でなければ(ステップS2:No)、制御部1082は、上限値TUによる露光時間DTEの制限を行わず、露光時間DTEが下限値TL以下であるか否かを判定する(ステップS4)。ここで、露光時間DTEが下限値TL以下であれば(ステップS4:Yes)、制御部1082は、露光時間DTEを下限値TLで制限する(ステップS5)。即ち、露光時間DTEが下限値TLに到達している場合、制御部1082は、露光時間DTEを下限値TLに置き換え、この下限値TLを示す露光時間データDTを出力する。また、露光時間DTEが下限値TL以下でなければ(ステップS4:No)、下限値TLによる露光時間DTEの制限は行われない。
ここまでの制御フロー(ステップS1〜S5)を要約すると、算出部1081により算出された露光時間DTEが、撮像素子103の露光時間の上限値TUまたは下限値TLによって規定される数値範囲を逸脱していれば、制御部1082は、上限値TUまたは下限値TLにより露光時間DTEを制限し、露光時間DTEが上記数値範囲を逸脱していなければ、算出部1081により算出された露光時間DTEは、そのままとされ、制御範囲の上限値TUまたは下限値TLによる制限を受けない。
続いて、制御部1082は、露光時間DTEが開判定値TUUと閉判定値TLLによって規定される制御範囲を逸脱しているか否かに応じて露光制御を実施する。具体的に説明すると、制御部1082は、露光時間DTEが開判定値TUU(第1所定値)以上か否かを判定する(ステップS6)。ここで、露光時間DTEが開判定値TUU以上であれば(ステップS6:Yes)、制御部1082は、絞りモニタデータDDにより示される絞り機構102の絞り量が開の上限値(第1限界値)以上であるか否かを判定する(ステップS9)。
絞り機構102の絞り量が開の上限値以上でなければ(ステップS9:No)、制御部1082は、絞り機構102を開方向に作動させる旨の指示を表す絞りモータ駆動データDMを生成し、これにより絞り機構102を開けさせる(ステップS10)。このように、露光制御装置108は、露光時間DTEが制御範囲の上限側の開判定値TUU(第1所定値)に到達しており、且つ、絞り機構102の絞り量が開側の上限値(第1限界値)に到達していない場合、絞り機構102を開方向に作動させる。これにより、撮像素子103に入射される光量が増え、この光量に対して露光時間DTEが新たに算出される。この結果、露光時間DTEが制御範囲に再び戻り、露光時間による露光制御が可能になる。
また、上述のステップS6において露光時間DTEが開判定値TUU以上でなければ(ステップS6:No)、制御部1082は、露光時間DTEが閉判定値TLL(第2所定値)以下であるか否かを判定する(ステップS7)。ここで、露光時間DTEが閉判定値TLL以下であれば(ステップS7:Yes)、制御部1082は、絞りモニタデータDDにより示される絞り機構102の絞り量が開の下限値(第2限界値)以下であるか否かを判定する(ステップS11)。絞り機構102の絞り量が開の下限値以下でなければ(ステップS11:No)、制御部1082は、絞り機構102を閉方向に作動させる旨の指示を表す絞りモータ駆動データDMを生成し、これにより絞り機構102を閉じさせる(ステップS12)。
このように、露光制御装置108は、露光時間DTEが制御範囲の下限側の閉判定値TLL(第2所定値)に到達しており、且つ、絞り機構102の絞り量が閉側の下限値(第2限界値)に到達していない場合、絞り機構102を閉方向に作動させる。これにより、撮像素子103に入射される光量が減少し、この光量に対して露光時間DTEが新たに算出される。この結果、露光時間DTEが制御範囲に導かれて、露光時間DTEが制御範囲内に再び戻り、露光時間による露光制御が可能になる。
また、上述のステップS6において露光時間DTEが開判定値TUU以上ではないと判定され(ステップS6:No)、且つ、上述のステップS7において露光時間DTEが閉判定値TLL以下ではないと判定された場合(ステップS7:No)、即ち、露光時間DTEが開判定値TUUと閉判定値TLLとの間の制御範囲内にある場合、制御部1082は、絞り機構102の作動を停止させる旨の指示を表す絞りモータ駆動データDMを生成し、これにより絞り機構102の作動を停止させる(ステップS8)。この場合、直流モータ112にはモータ駆動信号SMの電圧値として例えば0Vが供給され、直流モータ112の回転が停止される。
なお、上述のステップS9において絞り機構102の絞り量が開の上限値以上であると判定された場合(ステップS9:Yes)、または、上述のステップS11において絞り機構102の絞り量が閉の下限値以下であると判定された場合(ステップS11:Yes)においても、制御部1082は、絞り機構102の作動を停止させる旨の指示を表す絞りモータ駆動データDMを生成し、これにより絞り機構102の作動を停止させる(ステップS8)。
続いて、制御部1082は、上述のステップS1からステップS12の各処理を経て最終的に生成された露光時間データDTを用いて撮像素子103の露光時間を更新する(ステップS13)。本実施形態では、更新された露光時間は、次のフレームでの撮像の際に撮像素子103の撮像時間として設定される。換言すれば、各フレームの最初に、前回のフレームにおける制御フローにより更新された露光時間を用いて撮像素子103による撮像が実施され、画像データDPが生成される。
上述の制御フロー(ステップS1〜S13)を要約すれば、本実施形態では、算出部1081により算出された露光時間DTEが開判定値TUUと閉判定値TLLとの間の制御範囲を逸脱しない限り、絞り機構102は作動せず、撮像素子103の露光時間のみにより露光を制御し、画像データDPによって示される画像の輝度を基準値DBREFに維持する。そして、例えば入射光Lの明るさの変化により露光時間DTEが制御範囲を逸脱した場合、絞り機構102を開方向または閉方向に作動させることにより撮像素子103に入射される光量を修正して露光時間DTEを制御範囲内に復帰させる。これにより、再び、露光時間による露光制御が可能になる。
上述のように、本実施形態では、露光時間DTEが制御範囲を逸脱した場合、絞り機構102が閉方向または開方向の何れかに作動されるが、このとき、絞り量自体は指定されず、単に作動方向(閉方向/開方向)のみが指示される。このため、例えば、絞り機構102が開方向に作動された場合、制御部1082が上述の制御フローに従って停止の指示を出すか、または、絞り量が絞り機構102の物理的限界に到達するまで、絞り機構102が開方向への作動を継続する。この絞り機構102の作動中に、次のフレームにおける上述の一連の制御フローが実施されると、新たに制御部1082において、その時点での絞り機構102の絞り量と画像データDPによって示される画像の輝度とから露光時間DTEが算出され、この露光時間DTEから上述の制御フローに従って絞り機構102の停止、開方向への作動、閉方向への作動のうちの何れかが決定される。
このような制御フローがフレームごとに繰り返されることにより、或るフレームで露光時間DTEが制御範囲から逸脱しても、絞り機構102が機能して撮像素子103に入射する光量を修正することにより、後続のフレームにおいて露光時間DTEが制御範囲内に収束するようになり、露光時間制御が可能になる。本実施形態では、画像の輝度を基準値DBREFに維持するためのフィードバック制御は、基本的には露光時間DTEに基づいて実施され、絞り機構102の絞り量はこのフィードバック制御の条件を与える変数として把握される。
本実施形態では、露光時間DTEが制御範囲を逸脱しなければ、絞り機構102は停止状態に維持されるので、この限りにおいて、露光制御装置108は、露光時間DTEにより撮像素子103の露光を制御する。従ってこの場合、機械的な絞り機構102は作動しないので、応答性に優れた露光制御を実施することが可能になる。
また、露光時間DTEが制御範囲を逸脱した場合、露光時間DTEを補償するように絞り機構102が開方向または閉方向に作動を開始し、絞り機構102により入射光Lの光量を調整する。この調整の結果、露光時間DTEが制御範囲内に戻れば、絞り機構102の作動は停止され、露光制御装置108は、再び、露光時間DTEにより撮像素子103の露光を制御するようになる。
従って、入射光Lの明るさが変化し、露光時間DTEが制御範囲を逸脱した場合、一時的に絞り機構102が作動する場合はあるものの、絞り機構102の作動により露光時間DTEが制御範囲内に復帰するため、通常的には露光時間DTEによる露光の制御が実施されることになる。このことは、機械的な絞り機構102の作動に起因する明暗の発振(ハンチング)の発生頻度が低下することを意味する。よって、本実施形態によれば、絞り機構102と撮像素子103の露光時間とによる露光制御を併用しても、絞り機構102の作動に起因する応答性の低下を最小限に留めることができ、且つ、広いダイナミックレンジで露光制御を安定的に実施することが可能になる。
次に、図4および図5を参照して、上述の制御フローに基づく露光制御装置108による露光制御の一例を説明する。
図4は、本実施形態による露光制御装置108の上述の制御フローに基づく露光制御の一例を説明するための図であって、入射光Lの輝度に対する画像の輝度と露光時間と絞り量との関係の一例を示す特性図である。図5は、本実施形態による露光制御装置108の上述の制御フローに基づく露光制御の一例を説明するための図であって、入射光Lの輝度と画像の輝度と露光時間と絞りモータ駆動状態と絞り量との関係の一例を示すタイムチャートである。
まず、図4を参照して、アナログ/デジタル変換器105から出力される画像データDPの画像輝度と露光時間と絞り量との関係を説明する。図4(A)の横軸は、入射光Lの輝度を表し、縦軸は、アナログ/デジタル変換器105から出力される画像データDPの画像輝度を表している。図4(B)の横軸は、入射光Lの輝度を表し、縦軸は、露光時間DTEを表している。図4(C)の横軸は、入射光Lの輝度を表し、縦軸は、絞り機構102の絞り量、即ち絞りモニタデータDDで示される絞り量を表している。図4(A)〜(C)において、符号A,B,B’,C,D,E,E’,F,G,H,H’は入射光Lの輝度を表している。
図4の例では、初期状態では、入射光Lの輝度がAであり、露光時間が、上限値TUと下限値TLとの間の略中間にあり、絞り量が開側の限界値(上限値)と閉側の限界値(下限値)との間の略中間にあるものとしている。また、この例では、図4(A)の下段に示すように、入射光Lの輝度が、A−B(B’)−C−D−C−E(E’)−F−G−F−H(H’)−Cの順に変化するものとしている。このような入射光Lの輝度の変化は、例えば周囲環境の変化や撮像装置100の姿勢などによる。
上述の制御フローによれば、初期状態から入射光Lの輝度が減少を開始すると、フレームごとに画像レベルデータDBに基づいて露光時間DTEが算出され、図4(B)に示すように、露光時間DTEが、初期状態の輝度Aに対応する値から上昇を開始する。この例では、入射光Lの輝度が減少してBに達した時点で露光時間DTEが開判定値TUUに到達している。露光時間DTEが初期状態から開判定値TUUに到達するまでの期間、上述のステップS2,S4,S6,S7において否定的な判定が行われるため、ステップS8において絞り機構102の作動は停止されたままに維持され、この間、図4(C)に示すように絞り量が一定に維持される。これにより、露光時間DTEが初期状態から開判定値TUUに到達するまでの期間、露光時間DTEに基づく露光制御が実施され、画像の輝度が基準値DBREFに維持される。
ここで、入射光Lの輝度がBに達し、露光時間DTEが開判定値TUUに到達すると、上述のステップS6において肯定的な判定が行われるが、この判定の時点では、絞り機構102の絞り量は上限値に達していないため、ステップS9において否定的な判定が行われ、ステップS10において絞り機構102が開方向に作動される。これにより、絞り機構102の絞り量は開側に上昇を開始する。この後、入射光Lの輝度が更に減少して露光時間DTEが上限値TUに到達するまでの期間、露光時間DTEによる露光制御が有効に継続されるので、画像の輝度は基準値DBREFに維持される。
入射光Lの輝度が減少してB’に到達すると、図4(B)に示すように、露光時間DTEが上限値TUに到達する。この場合、ステップS2において肯定的な判定が行われ、ステップS3において露光時間DTEが上限値TUにより制限されて一定になる。この後、ステップS10において、上限値TUに制限された露光時間DTEを補償するように絞り機構102の絞り量の上昇が継続されるが、入射光Lの輝度が更に減少してCに到達すると、図4(C)に示すように、絞り機構102の絞り量は、開側の上限値に到達して一定になる。この場合、入射光Lの輝度が更に低下してDとなっても、露光時間DTEと絞り機構102の絞り量が各上限値に維持される。従って、入射光Lの輝度がCを下回る期間では、入射光Lの輝度の低下に伴って画像の輝度が低下する傾向を示すが、このような状況の発生は限られている。
この後、入射光Lの輝度が上昇に転じてCを上回ると、露光時間DTEが低下し、上限値TUを下回るようになる。このため、上述のステップS2において否定的な判定が行われ、上限値TUによる露光時間DTEの制限が解除される。この時点では、露光時間DTEが下限値TLに到達していないので、上述のステップS4においても否定的な判定が行われる。この後、図4の例では、入射光Lの輝度は上昇を続け、画像の輝度が上昇するので、露光時間DTEは減少を継続する。
そして、入射光Lの輝度がEに到達し、露光時間DTEが閉判定値TLLに到達すると、上述のステップS7において肯定的な判定が行われるが、この判定の時点では、絞り機構102の絞り量は上限値となっており、下限値に到達していないので、上述のステップS11において否定的な判定が行われ、上述のステップS12において絞り機構102が閉方向に作動される。これにより、図4(C)に示すように、入射光Lの輝度がEに到達すると、絞り機構102の絞り量が低下を開始する。これにより、撮像素子103に入射される光量が修正され、算出部1081により算出される露光時間DTEが制御範囲内となる確率が高まるようになる。換言すれば、算出部1081により算出される露光時間DTEが制御範囲に近づくように、撮像素子103に入射する光量が補正される。
この後、入射光Lの輝度が上昇を続けてE’に到達すると、図4(B)に示すように、露光時間DTEが下限値TLに到達する。この後、上述のステップS4において、肯定的な判定が行われ、上述のステップS5において、露光時間DTEが下限値TLにより制限されて一定になる。この後、入射光Lの輝度が上昇を続けると、絞り機構102の絞り量が下限値に到達するまで、絞り機構102が閉方向に作動を続ける。そして、入射光Lの輝度が上昇してFに到達し、絞り機構102の絞り量が下限値に到達すると、絞り機構102の絞り量が下限値で制限されて一定になる。この場合、入射光Lの輝度が更に上昇してGとなっても、露光時間DTEと絞り機構102の絞り量が各下限値に維持される。従って、入射光Lの輝度がFを上回る期間では、入射光Lの輝度の上昇に伴って画像の輝度が上昇する傾向を示すが、このような状況の発生は限られている。
この後、入射光Lの輝度が下降に転じてFを下回ると、露光時間DTEが上昇し、下限値TLを上回るようになる。このため、上述のステップS4において否定的な判定が行われ、下限値TLによる露光時間DTEの制限が解除される。この時点では露光時間DTEが上限値TUに到達していないので、上述のステップS2においても否定的な判定が行われる。この後、図4の例では、入射光Lの輝度が低下を続けると、画像の輝度を基準値DBREFに維持するため、露光時間DTEは増加を開始する。
そして、入射光Lの輝度が低下してHに到達し、露光時間DTEが開判定値TUUに到達すると、上述のステップS6において肯定的な判定が行われるが、この判定の時点では、絞り機構102の絞り量は下限値となっており、上限値に到達していないので、上述のステップS9において否定的な判定が行われ、上述のステップS10において絞り機構102が開方向に作動される。これにより、図4(C)に示すように、入射光Lの輝度がHに到達すると、絞り機構102の絞り量が上昇を開始する。絞り機構102の絞り量が上昇すると、撮像素子103に入射される光量が修正され、算出部1081により算出される露光時間DTEが制御範囲内となる確率が高まるようになる。換言すれば、算出部1081により算出される露光時間DTEが制御範囲に近づくように、撮像素子103に入射する光量が補正される。
この後、入射光Lの輝度が低下してH’に到達すると、露光時間DTEが上限値TUに到達し、上述のステップS3において、露光時間DTEが上限値TUにより制限されて一定になる。これにより、露光時間DTEによる露光制御が一旦停止される。この後、更に入射光Lの輝度が低下し、絞り機構102が開方向への作動を継続する。そして、入射光Lの輝度がCになると、絞り機構102の絞り量が上限値に到達する。
図4の例から理解されるように、本実施形態によれば、結果的に、入射光Lの変化に対し露光時間DTEと絞り機構102の絞り量が相互に逆のヒステリシス特性を有するので、入射光Lの変化に対し、露光時間による露光制御と絞り量による露光制御の双方を安定化させることができる。
次に、図5を参照して、入射光Lの輝度と画像輝度と露光時間と絞りモータ駆動状態と絞り量との関係を時間軸に沿って説明する。
図5(A)は、入射光Lの輝度の時間的変化を示し、同図(B)は、画像データDPの画像の輝度の時間的変化を示し、同図(C)は、算出部1081によりフレームごとに算出される露光時間DTEの時間的変化を示し、同図(D)は、直流モータ112による絞り機構102の駆動状態(絞りモータ駆動状態)の時間的変化を示し、同図(E)は、絞り機構102の絞り量の時間的変化を示している。
なお、図5(E)の下段には、撮像素子103の露光時間による露光制御(露光時間制御)の期間と、絞り機構102による露光制御(絞り制御)の期間との関係が模式的に示されている。また、図5の例では、説明の簡略化のため、入射光Lの輝度の変化の様子は単純化されている。
図5の例では、時刻t1以前の初期状態において、入射光Lの輝度は「暗」を示す一定の状態にあり、この初期状態から時刻t1で入射光Lの輝度が上昇を開始し、時刻t3で「明」を示す一定の状態になる。その後、入射光Lの輝度は、時刻t8で入射光Lの輝度は低下を開始し、時刻t12で「暗」を示す一定の状態になる。このような入射光Lの輝度の変化は、前述したように例えば周囲環境の変化による。
入射光Lの輝度が「暗」となっている時刻t1以前の初期状態では、画像の輝度は基準値DBREFに維持されており、露光時間DTEは上限値TUと下限値TLとの中間値となっており、絞りモータ駆動状態は、直流モータ112に供給されるモータ駆動信号SMの電圧が絞り機構102を作動させない電圧状態(例えば0V)にあり、絞り機構102の絞り量が上限値と下限値との中間値となっている。この初期状態では、上述のステップS2,S4,S6,S7の何れにおいても否定的な判断が行われ得る状況にある。即ち、この初期状態から入射光Lの輝度が変化しても、絞り機構102は作動せず、撮像素子103の露光時間による露光制御が実施される状況にある。ただし、このような初期状態は、説明の便宜のためのものであり、この例に限定されず、上述の制御フローを逸脱しない限りにおいて、初期状態を任意に設定し得る。
上述の初期状態から、時刻t1において入射光Lの輝度が上昇を開始すると、上述の制御フローに従って、画像レベルデータDBにより示される画像の輝度を基準値DBREFに維持するために、露光時間DTEが低下する(図5(C))。このとき、露光時間DTEが閉判定値TLLを下回ると、絞り機構102を閉方向に作動させるため、絞りモータ駆動状態を示すモータ駆動信号SMの電圧が0Vから低電圧VL(閉駆動値)になる(図5(D))。モータ駆動信号SMが低電圧VLになると、一定の遅延の後、絞り機構102が作動し、その絞り量が閉方向に略一定の速度で変化する(図5(E))。この例では、時刻t1で入射光Lの輝度が変化を開始しても、時刻t1から時刻t2までの期間において露光時間DTEによる露光制御が実施されるため、画像の輝度は基準値DBREFに維持される(図5(B))。
時刻t2において、露光時間DTEが下限値TLに到達すると、上述の制御フローにおいて、露光時間DTEが下限値TLによって一定に制限される(図5(C))。このため、時刻t2において、入射光Lの輝度の上昇に伴って画像の輝度が上昇を開始する(図5(B))。時刻t3で入射光Lの輝度が「明」を示す一定値になると、画像の輝度も一定になる(図5(B)。この間、絞り機構102は閉方向への作動を継続して絞り量が低下するが、この例では、画像の輝度を上昇させるまでに至っていない。その後、更に絞り機構102の絞り量が低下し、時刻t4において画像の輝度が低下を開始する。ここで、絞り機構102が閉方向へ作動することにより、撮像素子103に入射される光量が減少すると、露光時間DTEが制御範囲内になり、露光時間DTEによる露光制御が可能な状態になる。
その後、絞り機構102の作動に伴って、画像レベルデータDBによって示される画像の輝度が基準値DBREFを下回ると、画像の輝度を基準値DBREFに維持するために、時刻t5において、上述の制御フローに従って露光時間DTEが上昇する。時刻t6で露光時間DTEが閉判定値TLLに到達すると、絞りモータ駆動状態を示すモータ駆動信号SMの電圧が低電圧VLから0V(停止値)になる。モータ駆動信号SMの電圧が0Vになると、一定の遅延の後、時刻t7で絞り機構102が作動を停止し、その時点での絞り機構102の絞り量が維持される。時刻t6以降も、露光時間DTEに基づく露光制御により、画像の輝度が基準値DBREFに一定に維持される。
時刻t8において入射光Lの輝度が低下を開始すると、画像の輝度を基準値DBREFに維持するために、時刻t9において露光時間DTEが上昇する。そして、時刻t10において露光時間DTEが開判定値TUUに到達すると、絞り機構102を開方向に作動させるため、絞りモータ駆動状態を示すモータ駆動信号SMの電圧が0Vから高電圧VH(開駆動値)になる。モータ駆動信号SMの電圧が高電圧VHになると、一定の遅延の後、絞り機構102が作動し、その絞り量が開方向に略一定の速度で変化する。時刻t11で露光時間DTEが上限値TUに到達すると、入射光Lの輝度の低下に伴って画像の輝度が低下する。この間、絞り機構102が開方向への作動を継続して絞り量が開方向に上昇するが、この例では、画像の輝度の低下を抑制するまでに至っていない。
時刻t12において、入射光Lの輝度が「暗」を示す一定値になり、その後、更に絞り機構102の絞り量が開方向に上昇すると、時刻t13において画像の輝度が上昇を開始する。この結果、撮像素子103に入射される光量が増加するため、算出部1081により算出される露光時間DTEが制御範囲内になり、露光時間DTEによる露光制御が可能な状態になる。これにより、時刻t14において、画像の輝度を基準値DBREFに維持するために、露光時間DTEが低下を開始する。
その後、露光時間DTEが低下して時刻t15において露光時間DTEが開判定値TUUに到達すると、絞りモータ駆動状態を示すモータ駆動信号SMの電圧が高電圧VHから0V(停止値)になる。そして、時刻t15から一定の遅延後の時刻t16において、絞り機構102が作動を停止し、その時点での絞り機構102の絞り量が維持される。
上述の一連の露光制御の動作において、時刻t6においてモータ駆動信号SMの電圧が低電圧VL(閉駆動値)から0V(停止値)になってから絞り機構102が実際に作動を停止する時刻t7までの期間、絞り機構102は、その機械系の慣性等により作動を継続し、絞り量がアンダーシュートする。この期間においては、図5(E)の下段に示すように、露光時間DTEに基づく露光制御(露光時間制御)と、絞り機構102による露光制御(絞り制御)が並行して実施される。この場合、絞り機構102の絞り量に応じて、画像の輝度が基準値DBREFに維持されるように露光時間DTEが算出される。これにより、絞り機構102の絞り量のアンダーシュート分が露光時間DTEで補われるため、絞り機構102の停止の遅延による露光制御の応答性の低下を防止することができる。
また、時刻t15においてモータ駆動信号SMの電圧が高電圧VH(開駆動値)から0V(停止値)になってから絞り機構102が実際に作動を停止する時刻t16までの期間、絞り機構102は、その機械系の慣性等により作動を継続し、絞り量がオーバーシュートする。この期間においても、図5(E)の下段に示すように、露光時間制御と絞り制御が並行して実施されるので、絞り機構102の停止の遅延による露光制御の応答性の低下を防止することができる。
なお、絞り機構102が開方向または閉並行に作動している状態から停止する場合においても露光時間制御と絞り制御が並行して実施されるので、同様に、絞り機構102の遅延による露光制御の応答性の低下を防止することができる。
以上、本実施形態によれば、図4および図5の例に示したように、画像の輝度が同じでも、絞り量と露光時間が相互に逆のヒステリシス特性を有するため、明から暗への変化の方向、または暗から明への変化の方向により、絞り量と露光時間の値は同じにならない。また、直流モータ112の一次遅れや慣性モーメントによる絞り機構102のオーバーシュートまたはアンダーシュートの期間において露光時間による制御を実施することにより、応答性の低下を防止した露光制御を可能にしている。このように、絞り量と露光時間に相互に逆のヒステリシス特性を持たせると共に、絞りモータのオーバーシュートまたはアンダーシュートの期間で露光時間による制御を実施することにより、絞り機構102の非線形特性による明暗の発振(ハンチング)を抑制し、露光時間による優れた応答特性を実現している。
また、本実施形態は、単に、絞り機構による制御と露光時間による制御とを組み合わせたものに留まるものではなない。即ち、本実施形態では、絞り機構102は、露光時間による露光制御が限界に達した場合に、入射光Lの光量を、露光時間による制御が可能な光量にまで修正するためのものであり、絞り機構102による修正後の入射光Lの光量に応じて画像輝度を基準値に維持するために露光時間制御が実施される。従って、本実施形態は、入射光Lの輝度に応じて露光時間制御と絞り制御とを機械的に切り替えるものではなく、本実施形態によれば、露光時間制御と絞り制御とを機械的に切り替える方式に比較して露光制御を高速化することが可能になる。
また、本実施形態によれば、入射光Lの輝度が変化して露光時間DTEが制御範囲を逸脱した場合、絞り機構102が一時的に作動して入射光Lの光量を修正するが、露光時間DTEが制御範囲内に回復すれば、絞り機構102は作動を即座に停止する。このため、絞り機構102が作動する頻度は極めて少なくなるので、絞り機構102の非線形性に起因する明暗の発振現象(ハンチング)を低減させることができる。また、絞り機構102が作動する領域においても、露光時間DTEが上限値TUまたは下限値TLを逸脱しない限り、露光時間DTEによる露光制御が実施されるので、絞り機構102の動作遅延に起因した露光制御の応答性の低下を防止することができる。従って、絞り機構102によりダイナミックレンジを広げつつ、応答性に優れた露光制御を安定的に実施することが可能になる。
従って、本実施形態によれば、応答性の低下を抑制しつつ、広いダイナミックレンジにわたって安定的に露光を制御することが可能になる。
(変形例)
次に、上述した実施形態の変形例を説明する。
本変形例による撮像装置が備える露光制御装置では、図3に示す制御フローにおいて、開判定値TUUを上限値TUと一致させ、閉判定値TLLを下限値TLと一致させている。本変形例では、撮像素子103の露光時間の制御範囲は、上限値TUと下限値TLによって規定される。その他の構成は、上述した実施形態と同様である。
図6は、実施形態の変形例による露光制御装置の制御フローに基づく露光制御の一例を説明するための図であって、入射光の輝度に対する画像輝度と露光時間と絞り量との関係の一例を示す特性図である。また、図7は、本変形例による露光制御装置の制御フローに基づく露光制御の一例を説明するための図であって、入射光の輝度と画像輝度と露光時間と絞りモータ駆動状態と絞り量との関係の一例を示すタイムチャートである。
図6に示す特性図は、上述の図4に示す特性図において、開判定値TUUを上限値TUと一致させ、閉判定値TLLを下限値TLと一致させたものに相当する。即ち、図6(A)〜(C)は、それぞれ、図4(A)〜(C)において、BとB’とを統合して新たにBとし、EとE’とを統合して新たにEとし、HとH’とを統合して新たにHとしたものに相当する。このような図6に示す特性を前提として、図7(A)〜(E)は、それぞれ、図5(A)〜(E)に対応した波形を示している。
本変形例による露光制御装置の動作は、算出部1081により算出された露光時間DTEが上限値TUと下限値TLとにより規定される制御範囲を逸脱した場合に絞り機構102が作動する点を除けば、上述の図4および図5に示す場合と同様に説明される。
ただし、本変形例によれば、絞り機構102の絞り量のアンダーシュートまたはオーバーシュートが発生すると、このアンダーシュートまたはオーバーシュートによる絞り量の変動分を露光時間DTEにより補償することができなくなる。しかしながら、アンダーシュートまたはオーバーシュートの程度が小さい場合には、その変動分を補償しなくても、上述の図4および図5に示す例と同様に、応答性の低下を抑制しつつ、露光制御の安定性を改善することができる。
上述した実施形態は露光制御方法として表現することもできる。この場合、実施形態による露光制御方法は、撮像素子103に入射する光量を調整するための絞り機構102の絞り量と撮像素子103により得られる画像の輝度とから、上記画像の輝度を基準値DBREFに維持するために必要とされる撮像素子103の露光時間DTEを周期的に算出する算出段階と、上記算出段階により算出された露光時間DTEが所定の制御範囲内にある場合、露光時間DTEに基づき撮像素子103の露光を制御し、露光時間DTEが上記制御範囲を逸脱した場合、露光時間DTEを補償する方向に絞り機構102を作動させて露光時間DTEを上記制御範囲内に導く制御段階と、を含む露光制御方法として表現することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
例えば、上述の実施形態の制御フローは、ステップS1〜S5を含むものとしたが、例えば撮像素子103が露光時間の制限機能を備えている場合などにおいては、ステップS1〜S5を省略してもよい。
また、上述の実施形態では、絞り機構102の絞り量が上限値または下限値を逸脱している場合、絞り機構102の作動を停止させるものとしたが、例えば絞り機構102の機構上の動作限界により絞り機構102の作動を停止させるものとしてもよい。
100…撮像装置
101…光学レンズ
102…絞り機構
103…撮像素子
104…増幅器
105…アナログ/デジタル変換器
106…画像レベル検出回路
107…撮像制御装置
108…露光制御装置
109…露光時間制御信号発生回路
110…デジタル/アナログ変換器
111…電力増幅器
112…直流モータ
113…ギヤ機構角度検出器
114…増幅器
115…アナログ/デジタル変換器
1081…算出部
1082…制御部
S1〜S13…処理ステップ

Claims (7)

  1. 撮像素子に入射する光量を調整するための絞り機構の絞り量と前記撮像素子により得られる画像の輝度とから、前記画像の輝度を基準値に維持するために必要とされる前記撮像素子の露光時間を周期的に算出する算出部と、
    前記算出部により算出された露光時間が所定の制御範囲内にある場合、前記露光時間に基づき前記撮像素子の露光を制御し、前記露光時間が前記制御範囲を逸脱した場合、前記露光時間を補償する方向に前記絞り機構を作動させて前記露光時間を前記制御範囲内に導く制御部と、
    を備え、
    前記算出部は、前記制御部の制御により前記絞り機構が作動している間も前記撮像素子の露光時間を周期的に算出し、
    前記制御部は、前記露光時間が前記制御範囲を逸脱した場合、前記絞り機構を作動させるのと並行して、前記算出部により算出された露光時間に基づき前記撮像素子の露光を制御する、
    露光制御装置。
  2. 前記制御部は、
    前記露光時間が前記制御範囲の上限側の第1所定値に到達し、且つ、前記絞り量が開側の第1限界値に到達していない場合、前記絞り機構を開方向に作動させ、
    前記露光時間が前記制御範囲の下限側の第2所定値に到達し、且つ、前記絞り量が閉側の第2限界値に到達していない場合、前記絞り機構を閉方向に作動させ、
    前記露光時間が前記第1所定値と前記第2所定値との間にある場合、前記絞り機構の作動を停止させることを特徴とする、請求項1に記載の露光制御装置。
  3. 前記制御部は、
    前記露光時間が前記制御範囲の上限側の第1所定値に到達し、且つ、前記絞り量が開側の第1限界値に到達していない場合、前記絞り機構を開方向に作動させ、この開方向への作動中に前記画像の輝度が基準値を上回ると、前記露光時間を低下させる、
    請求項2に記載の露光制御装置。
  4. 前記制御部は、
    前記絞り量が前記第1限界値または前記第2限界値に到達している場合、前記絞り機構の作動を停止させることを特徴とする、請求項2または3に記載の露光制御装置。
  5. 前記制御部は、
    前記露光時間が前記制御範囲の上限値に到達している場合、前記露光時間を前記上限値に置き換え、
    前記露光時間が前記制御範囲の下限値に到達している場合、前記露光時間を前記下限値に置き換えることを特徴とする、請求項に記載の露光制御装置。
  6. 撮像素子に入射する光量を調整するための絞り機構の絞り量と前記撮像素子により得られる画像の輝度とから、前記画像の輝度を基準値に維持するために必要とされる前記撮像素子の露光時間を周期的に算出する算出段階と、
    前記算出段階により算出された露光時間が所定の制御範囲内にある場合、前記露光時間に基づき前記撮像素子の露光を制御し、前記露光時間が前記制御範囲を逸脱した場合、前記露光時間を補償する方向に前記絞り機構を作動させて前記露光時間を前記制御範囲内に導く制御段階と、
    を含み、
    前記算出段階は、前記絞り機構が作動している間も前記撮像素子の露光時間を周期的に算出するものであり、
    前記制御段階において、前記露光時間が前記制御範囲を逸脱した場合、前記絞り機構を作動させるのと並行して、前記算出段階で算出された露光時間に基づき前記撮像素子の露光を制御する、
    露光制御方法。
  7. 請求項1からの何れか1項に記載の露光制御装置を備えた撮像装置。
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