以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
まず、LTE−A(Rel.11)において導入が検討されているCoMP送受信技術について、図1を参照して説明する。
図1AはCoMP送信の1つであるジョイント送信(以下、CoMP送信(JT)とも記す)の概念図である。図1Aに示すように、ジョイント送信では、1サブフレームにおいて、1つのユーザ端末UEに対して複数セルから同一の共有データチャネルを同時送信する。ユーザ端末UEは、1サブフレーム内で、セル1およびセル2の双方の送信セルからPDSCHを受信する。ユーザ端末UEは、セル1およびセル2で共用するPDCCHに基づいて、セル1およびセル2からジョイント送信されたPDSCHを受信する。本明細書において、このようなジョイント送信によって同一のPDSCHを同時送信するセルの組み合わせを“セル1+2”と記す。
図1BはCoMP送信の1つであるDPSの概念図である。図1Bに示すように、DPSでは、1つのユーザ端末UEに対する送信セルをダイナミックに切り替えてPDSCHを送信する。ユーザ端末UEは、セル1およびセル2からそれぞれ送信されるPDCCHに基づいて、セル1およびセル2からそれぞれ送信されるPDSCHを受信する。
図1CはCoMP送信の1つであるCS/CBの概念図である。図1Cに示すように、CS/CBでは、1サブフレームにおいて、1つのユーザ端末UEに対して1つの送信セルからのみPDSCHを送信する。図1Cにおいて、あるサブフレームにおいて、一方のユーザ端末UEはセル1からPDSCHを受信し、他方のユーザ端末UEはセル2からPDSCHを受信する。
以上のCoMP技術は、セル端に存在するユーザ端末UEのスループットを改善するのに有効であることが確認されている。無線基地局装置eNBは、ユーザ端末UEから各セルの品質情報をフィードバックさせる。無線基地局装置eNBは、セルごとの品質情報(たとえば、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)または、SINR(Signal Interference plus Noise Ratio))の差を求める。セル間の品質情報の差が閾値以下である場合、すなわちセル間の品質差が小さい場合は、ユーザ端末UEがセル端に存在すると判断することができる。ユーザ端末UEがセル端に存在すると判断した場合はCoMP送信を適用する。一方、セル間の品質情報の差が閾値を超える場合、すなわちセル間の品質差が大きい場合には、いずれかのセルを形成している無線基地局装置eNBに近いので、受信品質の高いセルの中央付近にユーザ端末UEが存在すると判断する。この場合は、CoMP送信を適用しなくても高い受信品質を維持できる。
なお、CoMP送信を適用する場合、ユーザ端末UEは、複数のセルごとのチャネル状態情報を無線基地局装置eNB(サービングセルの無線基地局装置eNB)にフィードバックする。一方、CoMP送信を適用しない場合には、ユーザ端末UEは、サービングセルのチャネル状態情報を無線基地局装置eNBにフィードバックする。
ここでは、一例として、図2Aに示すシステム構成(HetNeT環境)においてCoMPを適用する場合を考える。図2Aには、広範囲のカバレッジエリアを有するマクロセル(セル0)と、マクロセル(セル0)のカバレッジエリア内に局所的なカバレッジエリアを有する複数のピコセル(セル1〜3)が配置されている。ピコセル(セル1〜3)はマクロセル(セル0)よりも送信電力が小さいので、小電力セルと呼んでもよい。マクロセル(セル0)およびピコセル(セル1〜3)には異なる周波数帯域を割り当てることもできるが、図2Bに示すようにピコセル1〜3には同一の周波数帯域2が割り当てられるものとする。ここでは、マクロセル(セル0)に周波数帯域1を割り当て、ピコセル(セル1〜3)には周波数帯域1とは異なる周波数帯域2を割り当てる。
図2A,Bに示すシステム構成において、同一周波数帯域2を用いる複数のピコセル(セル1〜3)に対してCoMP送信(JT)を適用すると、ジョイント送信する複数セルの組み合わせは、“セル1+2”,“セル1+3”,“セル1+2+3”,“セル2+3”の4通り存在する。
また、マクロセル(セル0)まで含んだ4つのセル(セル0〜3)に対してCoMP送信(DPS,CS/CB)を適用可能である。CoMP送信する送信セルは、セル0,セル1,セル2,セル3の4通り存在する。
したがって、図2A,Bに示すシステム構成の下でCoMP送信を適用しようとすると、8通りの送信セルまたはその組み合わせが存在する。
上記したように、LTE−A(Rel.10)では複数のコンポーネントキャリア(プライマリ+1つまたは複数のセカンダリセル)を用いたキャリアアグリゲーションにおいて複数のコンポーネントキャリアのPDSCHに対して1セルのPDCCHからスケジューリングを行うクロスキャリアスケジューリングが導入された。クロスキャリアスケジューリングでは、どのセルのPDSCH受信用のPDCCHであるかを識別可能にするため、DCIにCIF(Cell Index Field)が規定されている。
本発明者等は、CoMP適用時における、送信セルまたは送信セルの組み合わせをユーザ端末UEへ通知するために、DCIに規定されたCIFを用いることに着目した。
まず、4つのセル(セル0〜3)に対してCoMPのDPS、CS/CBを適用する場合を考える。
図2Cに示すように、CoMPのDPS、CS/CBにおいても、複数セル(セル0〜3)のPDSCHに対して1つのセル(セル0)からスケジューリングを行う場合(クロスキャリアスケジューリング)、各セル0〜3から送信されるPDSCHに対するPDCCH(DCI)を、特定セルとなるセル0のPDCCH用リソースを用いて送信することができる。
クロスキャリアスケジューリングにおいては、特定セルのPDCCH用リソースに集約されて送信される複数セルのPDCCH(DCI)が、どのセルのPDCCHであるかを識別する必要がある。そこで、PDCCHが対応するセルを識別するためのCIFが、各セルのPDCCHのDCIに付加されている。これにより、CIFを構成するビット情報に基づいて、PDCCHが対応するセルを識別することができる。
すなわち、無線基地局装置eNBとユーザ端末UEとで、図2Eに示すような共通のCIFテーブルを保持しておき、無線基地局装置eNBから通知されるCIFのビット情報に基づいてPDCCHのセルを特定することができる。図2DはPDCCHに含まれるDCIフォーマットの概念図であり、CoMP送信時における送信セルを示すビットデータがCIFに記述された様子を示している。CIFには3ビットが割り当てられている。
たとえば、図2Eに示すテーブルによれば、受信したPDCCHのDCIに含まれたCIFにビット情報(000)が含まれていれば、セル0のPDSCHを受信するためのPDCCHであると認識する。同様に、CIFに含まれたビット情報が(001),(010),(011)である場合には、それぞれPDCCHがセル1,2,3のPDSCH受信用の制御情報であることを示している。
次に、CoMPのジョイント送信における送信セルの組み合わせ(CoMPセット)をどのようにしてユーザ端末UEへシグナリングするのが良いか検討する。図2Dに示す例では、CoMP送信における送信セルが1つの協調セルとなる場合(DPS、CS/CB)には、LTE−A(Rel.10)におけるCIFの考え方をそのまま適用してCIFのビット情報を(000),(001),(010),(011)のいずれかに設定することができた。
CoMPのジョイント送信の場合、送信セルの組み合わせ(CoMPセット)の形でシグナリングすることがオーバーヘッドを低減する観点から望ましい。すなわち、“セル1+2“,“セル1+3“,“セル1+2+3“,“セル2+3“の各CoMPセットをユーザ端末UEへシグナリングする。たとえば、図2Dに示すように、CIFを3ビットで構成した場合、8通りのビットデータを生成可能である。したがって、図2Eに示すテーブルにおける4通りのCIFのビット情報のほか、4通りのCIFのビット情報は未使用である。本発明者は、3ビットで構成したCIFに未使用のビットデータリソースがあることに着目し、このCIFのビット情報を、ジョイント送信適用時におけるCoMPセットを示すビットデータに利用することを見出した。
図3は、未使用であったCIFのビット情報(100),(101),(110),(111)を、ジョイント送信の各CoMPセットに割り当てたCIFテーブルを示している。同図に示すCIFテーブルは、個別の協調セルとなるセル0〜セル3を、ビット情報(000),(001),(010),(011)にそれぞれマッピングし、各CoMPセット(セル1+2),(セル1+3),(セル1+2+3),(セル2+3)をビット情報(100),(101),(110),(111)にそれぞれマッピングしている。図3に示すCIFテーブルによれば、たとえば、CIFのビット情報として(100)が検出された場合は、ユーザ端末UEはCoMPセット(セル1+2)に対するPDCCHであると判断でき、当該PDCCHに基づいて、セル1とセル2からジョイント送信されたPDSCHを受信(復調)する。なお、ビット情報(100),(101),(110),(111)のいずれかを有するCIFは、DCI5に付加される。
以下、本実施の形態の無線通信システムについて具体的に説明する。図2Aに示すシステム構成において、まず、ユーザ端末UEが制御チャネル(RRC Connection)を確立するときに、サービングセルにおける無線基地局装置eNBへ自らの端末能力(UE Capability)を通知する。
また、ユーザ端末UEは、生成したチャネル品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)を無線基地局装置eNBにフィードバックする。
無線基地局装置eNBは、通知されたユーザ端末UEの端末能力に基づいて、接続するユーザ端末UEの通信能力を把握する。ユーザ端末UEがCoMP送信に対応している場合には、無線基地局装置eNBは、ユーザ端末UEにメジャメント候補セルをRRC(Radio Resource Control)プロトコルの制御信号によって通知する。ユーザ端末UEは、各メジャメント候補セルのRSRP(Reference Signal Received Power)などを測定し、無線基地局装置eNBに対して、メジャメントレポート(測定報告)結果を、ハイヤレイヤシグナリング(たとえば、RRCシグナリング)で報告する。
無線基地局装置eNBは、メジャメントレポート結果に基づいて、メジャメント候補セルの中からCoMP候補セルを決定する。このCoMP候補セルには、CoMP送信(DPS,CS/CB)において送信ポイントとなる個々の協調セル、および、CoMPのジョイント送信(JT)において送信セルとなる複数セルの組み合わせを示すCoMPセットが含まれる。そして、無線基地局装置eNBは、CoMP候補セルにおける個々の協調セル(サービングセルを含む)を示すインデックス、および、CoMPセットのインデックスをビットデータにマッピングして、図3に示すようなCIFテーブルを生成する。このCIFテーブルは、たとえば、RRCシグナリングによって、ユーザ端末UEにシグナリングされる。
また、無線基地局装置eNBは、ユーザ端末UEからフィードバックされたCQIに基づいて、ユーザ端末UEに共有データチャネルを送信するCoMP送信セルを決定する。そして、無線基地局装置eNBは、CoMPのジョイント送信を適用する場合は、ジョイント送信(JT)を行う複数セル間で共用する物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)に、このCoMPセットのインデックスをCIFに記述した下りリンク制御情報(DCI)を生成する。
図4は、図2Aに示すシステム構成において、クロスキャリアスケジューリングを適用した場合の、PDCCHの割り当てを示す図である。CoMPのDPS,CS/CBを適用する場合においては、特定セルとなるセル0のPDCCHリソースを用いて、各セル0〜3から送信されるPDSCHに対するPDCCH(DCI)を送信している。
一方、CoMPのジョイント送信(JT)を適用する場合においては、特定セルとなるセル0のPDCCHを用いて、各CoMPセット(セル1+2),(セル1+3),(セル1+2+3),(セル2+3)から送信されるPDSCHに対するPDCCH(DCI)を送信している。
たとえば、CoMPのDPS,CS/CBが適用される場合であって、CoMP送信セルとしてセル1が選択された場合には、図3に示すテーブルより、このセル1はビット情報(001)にマッピングされているため、特定セルの無線基地局装置eNBではこのCIFにセル1のビット情報を組み込んだDCIを生成する。そして、図4に示すように、特定セルであるセル0の無線基地局装置eNBから、このDCIを含んだPDCCHを送信する。
一方、CoMPのジョイント送信(JT)が適用される場合であって、CoMP送信セルとしてCoMPセット(セル1+2)が選択された場合には、図3に示すテーブルにより、このCoMPセットはビット情報(100)にマッピングされているため、特定セルの無線基地局装置eNBではこのCIFにCoMPセット(セル1+2)のビット情報を組み込んだDCIを生成する。そして、図4に示すように、特定セルであるセル0の無線基地局装置eNBから、このDCIを含んだPDCCHを送信する。
ユーザ端末UEは、CoMP送信が適用された場合には、特定セルであるセル0の無線基地局装置eNBからPDCCHを受信するとともに、すべてのCoMP送信セルとなる無線基地局装置から物理下りリンク共有データチャネル(PDSCH)を受信する。そして、特定セルから受信したPDCCHに含まれるDCIのCIFに組み込まれているCoMP送信セルのインデックスを、図3に示すテーブルを用いて分析し、CIFのビット情報からCoMP送信セルを特定する。これにより、特定セルから受信したPDCCHと送信セルから受信したPDSCHとが対応付けられ、対応付けられたPDCCHのDCIに基づいてPDSCHを復調できる。
以上のとおり、CoMP送信において送信ポイントとなる個々の協調セルを示すインデックス、および、CoMP送信においてジョイント送信する複数セルの各組み合わせを示すCoMPセットのインデックスを、CIFのビットデータにマッピングすることにより、CoMP送受信技術に適したセルインデックス情報のシグナリングを実現できる。
ところで、CIFのビット数を3ビットに固定した場合、システム構成によってはすべてのCoMPセットをCIFのビット情報にマッピングできない可能性がある。図5A,Bは、セル1〜3に対してセル4〜6を周波数多重したシステム構成を示している。セル1〜3には周波数帯域2を割り当て、セル4〜6には周波数帯域3を割り当てている。かかるシステム構成では、CoMP対象となるセルが全体で7セル存在し、ジョイント送信するCoMPセットの対象となるセルが全体で6セル(セル1〜セル6)存在する。
図5に示す場合において、セル1〜3を利用したCoMP送信(JT)を行う場合、そのCoMPセットは、“セル1+2“,“セル1+3“,“セル1+2+3“,“セル2+3“の4種類である。また、セル4〜6を利用したCoMP送信(JT)を行う場合、そのCoMPセットは、“セル4+5“,“セル4+6“,“セル4+5+6“,“セル5+6“の4種類である。これらに加えて、ジョイント送信以外のCoMP送信(DPS,CS/CB)を行うセルは、セル0,セル1,セル2,セル3の4種類である。すなわち、計12種類のセル情報を8種類のCIFのビット情報を用いて示す必要があり、CIFのビット情報が不足する。
<第1のテーブル構成方法>
第1の方法としては、受信品質(たとえば、RSRP:Reference Signal Received Power)が低いセルで構成されるCoMPセットを除いて、CIFテーブルを構成する方法が挙げられる。この場合には、無線基地局装置eNBは、ユーザ端末UEによるメジャメントの結果を利用して、受信品質が高いセルをCoMPセットの候補として決定する。
この場合のテーブル構成方法について具体的に説明する。図5Aに示すシステム構成において、無線基地局装置eNBは、ユーザ端末UEにメジャメント候補セルをRRC(Radio Resource Control)プロトコルの制御信号によって通知する。ユーザ端末UEは、各メジャメント候補セルのRSRPなどを測定し、無線基地局装置eNBに対して、メジャメントレポート(測定報告)結果を、ハイヤレイヤシグナリング(たとえば、RRCシグナリング)で報告する。
無線基地局装置eNBは、メジャメントレポート結果に基づいて、メジャメント候補セルの中からCoMP候補セルを決定する。CoMP候補セルは、たとえば、通信品質が品質条件を満たさない組み合わせからなるCoMPセットが含まれないように決定される。品質条件を満たすか否かは、たとえば、当該メジャメント候補セルのRSRPが閾値を上回ったか否か、あるいは、メジャメント候補セルにおけるRSRPの大小関係によって推定する。
たとえば、図5Aに示すシステム構成において、セル3の受信品質が相対的に低く、RSRPCell1>RSRPCell2>RSRPCell3という関係が成り立つ場合には、セル3を含むCoMPセット、すなわち、“セル1+3“および“セル2+3“を除いて、“セル1+2“および“セル1+2+3“の2つのCoMPセットをCoMP候補セルと決定する。
同様に、セル6の受信品質が低く、RSRPCell4>RSRPCell5>RSRPCell6という関係が成り立つ場合には、セル6を含むCoMPセット、すなわち、“セル4+6“および“セル5+6“を除いて、“セル4+5“および“セル4+5+6“の2つのCoMPセットをCoMP候補セルと決定する。
なお、セル1〜3においてCoMP送信(JT)を行うか、セル4〜6においてCoMP送信(JT)を行うかは、無線基地局装置eNBが通信環境やユーザ端末からの要求に応じて自在に決めることができる。
そして、無線基地局装置eNBは、CoMP候補セルに選択された個々の協調セルを示すインデックス、および、CoMPセットのインデックスをビットデータにマッピングして、図6に示すようなCIFテーブルを生成する。図6に示すCIFテーブルは、個別の協調セルとなるセル0〜セル3を、ビット情報(000),(001),(010),(011)にそれぞれマッピングし、各CoMPセット(セル1+2),(セル1+2+3),(セル4+5),(セル4+5+6)をビット情報(100),(101),(110),(111)にそれぞれマッピングしている。なお、ビット情報(100),(101)のいずれかを有するCIFは、DCI5に付加される。また、ビット情報(110),(111)のいずれかを有するCIFは、DCI6に付加される。
図6に示すCIFテーブルによれば、たとえば、CIFのビット情報として(100)が検出された場合は、ユーザ端末UEはCoMPセット(セル1+2)に対するPDCCHであると判断でき、当該PDCCHに基づいて、セル1とセル2からジョイント送信されたPDSCHを受信(復調)する。このCIFテーブルは、たとえば、RRCシグナリングによって、ユーザ端末UEにシグナリングされる。
また、無線基地局装置eNBは、ユーザ端末UEからフィードバックされたCQIに基づいて、ユーザ端末UEに共有データチャネルを送信するCoMP送信セルを決定する。そして、無線基地局装置eNBは、CoMPのジョイント送信(JT)を適用する場合は、CoMPセットを構成する複数セル間で共用する物理リンク制御チャネル(PDCCH)に、このCoMPセットのインデックスをCIFに記述した下りリンク制御情報(DCI)を生成する。
図7は、図5Aに示すシステム構成において、クロスキャリアスケジューリングを適用した場合の、PDCCHの割り当てを示す図である。CoMPのDPS,CS/CBを適用する場合においては、特定セルとなるセル0のPDCCHリソースを用いて、各セル0〜3から送信されるPDSCHに対するPDCCH(DCI)を送信している。
一方、CoMPのジョイント送信(JT)を適用する場合においては、特定セルとなるセル0のPDCCHを用いて、各CoMPセット(セル1+2),(セル1+2+3),(セル4+5),(セル4+5+6)から送信されるPDSCHに対するPDCCH(DCI)を送信している。
たとえば、CoMPのDPS,CS/CBが適用される場合であって、CoMP送信セルとしてセル1が選択された場合には、図6に示すテーブルより、このセル1はビット情報(001)にマッピングされているため、特定セルの無線基地局装置eNBではこのCIFにセル1のビット情報を組み込んだDCIを生成する。そして、図7に示すように、特定セルであるセル0の無線基地局装置eNBから、このDCIを含んだPDCCHを送信する。
一方、CoMPのジョイント送信(JT)が適用される場合であって、CoMP送信セルとしてのCoMPセット(セル1+2)が選択された場合には、図6に示すテーブルにより、このCoMPセットはビット情報(100)にマッピングされているため、特定セルの無線基地局装置eNBではこのCIFにCoMPセット(セル1+2)のビット情報を組み込んだDCIを生成する。そして、図7に示すように、特定セルであるセル0の無線基地局装置eNBから、このDCIを含んだPDCCHを送信する。
また、CoMP送信(JT)が適用される場合であって、CoMP送信セルとしてCoMPセット(セル4+5)が選択された場合には、図6に示すテーブルにより、このCoMPセットはビット情報(110)にマッピングされているため、特定セルの無線基地局装置eNBではこのCIFにCoMPセット(セル4+5)のビット情報を組み込んだDCIを生成する。そして、図7に示すように、特定セルであるセル0の無線基地局装置eNBから、このDCIを含んだPDCCHを送信する。
ユーザ端末UEは、CoMP送信が適用された場合には、特定セルであるセル0の無線基地局装置eNBからPDCCHを受信するとともに、すべてのCoMP送信セルとなる無線基地局装置から物理下りリンク共有データチャネル(PDSCH)を受信する。そして、特定セルから受信したPDCCHに含まれるDCIのCIFに組み込まれているCoMP送信セルのインデックスを、図6に示すテーブルを用いて分析し、CoMP送信セルを特定する。これにより、特定セルから受信したPDCCHと送信セルから受信したPDSCHとが対応付けられ、対応付けられたPDCCHのDCIに基づいてPDSCHを復調できる。
これにより、CIFのビット情報が不足する場合であっても、CoMP候補セルをマッピングしたCIFテーブルを生成し、クロスキャリアスケジューリングを行うことが可能となる。
<第2のテーブル構成方法>
第2の方法としては、受信品質(たとえば、RSRP)が低いセルを取り除いて、CIFテーブルを構成する方法が挙げられる。この場合には、無線基地局装置eNBは、ユーザ端末UEによるメジャメントの結果を利用して、受信品質が高いセルをCoMPセル候補として決定する。
この場合のテーブル構成方法について具体的に説明する。図5Aに示すシステム構成において、無線基地局装置eNBは、ユーザ端末UEにメジャメント候補セルをRRCプロトコルの制御信号によって通知する。ユーザ端末UEは、各メジャメント候補セルのRSRPなどを測定し、無線基地局装置eNBに対して、メジャメントレポート(測定報告)結果を、ハイヤレイヤシグナリング(たとえば、RRCシグナリング)で報告する。
無線基地局装置eNBは、メジャメントレポート結果に基づいて、メジャメント候補セルの中からCoMP候補セルを決定する。CoMP候補セルは、たとえば、通信品質が品質条件を満たさない協調セルの全部または一部が含まれないように決定される。品質条件を満たすか否かは、たとえば、当該メジャメント候補セルのRSRPが閾値を上回ったか否か、あるいは、メジャメント候補セルにおけるRSRPの大小関係によって推定する。
たとえば、図5Aに示すシステム構成において、セル3の受信品質が相対的に低く、RSRPCell1>RSRPCell2>RSRPCell3という関係が成り立つ場合には、セル3をセル3をユーザ端末UEに対する送受信の信号処理には使用しないよう取り除く。これにより、セル3がCoMP候補セルとなること、および、セル3を含むCoMPセットがCoMP候補セルとなることが制限される。
そして、無線基地局装置eNBは、セル3を除いてCoMP候補セルに選択された個々の協調セルを示すインデックス、および、CoMPセットのインデックスをビットデータにマッピングして、図8に示すようなCIFテーブルを生成する。図8に示すCIFテーブルは、個別の協調セルとなるセル0〜セル2を、ビット情報(000),(001),(010)にそれぞれマッピングし、各CoMPセット(セル1+2),(セル4+5),(セル4+6),(セル5+6),(セル4+5+6)をビット情報(011),(100),(101),(110),(111)にそれぞれマッピングしている。なお、ビット情報(011)を有するCIFは、DCI5に付加される。また、ビット情報(100),(101),(110),(111)のいずれかを有するCIFは、DCI6に付加される。
図8に示すCIFテーブルによれば、たとえば、CIFのビット情報として(100)が検出された場合は、ユーザ端末UEはCoMPセット(セル4+5)に対するPDCCHであると判断でき、当該PDCCHに基づいて、セル4とセル5からジョイント送信されたPDSCHを受信(復調)する。このCIFテーブルは、たとえば、RRCシグナリングによって、ユーザ端末UEにシグナリングされる。
また、無線基地局装置eNBは、ユーザ端末UEからフィードバックされたCQIに基づいて、ユーザ端末UEに共有データチャネルを送信するCoMP送信セルを決定する。そして、無線基地局装置eNBは、CoMPのジョイント送信(JT)を適用する場合は、CoMPセットを構成する複数セル間で共用する物理リンク制御チャネル(PDCCH)に、このCoMPセットのインデックスをCIFに記述した下りリンク制御情報(DCI)を生成する。
図9は、図5Aに示すシステム構成において、クロスキャリアスケジューリングを適用した場合の、PDCCHの割り当てを示す図である。CoMPのDPS,CS/CBを適用する場合においては、特定セルとなるセル0のPDCCHリソースを用いて、各セル0〜2から送信されるPDSCHに対するPDCCH(DCI)を送信している。
一方、CoMPのジョイント送信(JT)を適用する場合においては、特定セルとなるセル0のPDCCHを用いて、各CoMPセット(セル1+2),(セル4+5),(セル4+6),(セル5+6),(セル4+5+6)から送信されるPDSCHに対するPDCCH(DCI)を送信している。
たとえば、CoMPのDPS,CS/CBが適用される場合であって、CoMP送信セルとしてセル1が選択された場合には、図8に示すテーブルより、このセル1はビット情報(001)にマッピングされているため、特定セルの無線基地局装置eNBではこのCIFにセル1のビット情報を組み込んだDCIを生成する。そして、図9に示すように、特定セルであるセル0の無線基地局装置eNBから、このDCIを含んだPDCCHを送信する。
一方、CoMPのジョイント送信(JT)が適用される場合であって、CoMP送信セルとしてのCoMPセット(セル1+2)が選択された場合には、図8に示すテーブルにより、このCoMPセットはビット情報(011)にマッピングされているため、特定セルの無線基地局装置eNBではこのCIFにCoMPセット(セル1+2)のビット情報を組み込んだDCIを生成する。そして、図9に示すように、特定セルであるセル0の無線基地局装置eNBから、このDCIを含んだPDCCHを送信する。
また、CoMP送信(JT)が適用される場合であって、CoMP送信セルとしてCoMPセット(セル4+5)が選択された場合には、図8に示すテーブルにより、このCoMPセットはビット情報(100)にマッピングされているため、特定セルの無線基地局装置eNBではこのCIFにCoMPセット(セル4+5)のビット情報を組み込んだDCIを生成する。そして、図9に示すように、特定セルであるセル0の無線基地局装置eNBから、このDCIを含んだPDCCHを送信する。
ユーザ端末UEは、CoMP送信が適用された場合には、特定セルであるセル0の無線基地局装置eNBからPDCCHを受信するとともに、すべてのCoMP送信セルとなる無線基地局装置から物理下りリンク共有データチャネル(PDSCH)を受信する。そして、特定セルから受信したPDCCHに含まれるDCIのCIFに組み込まれているCoMP送信セルのインデックスを、図8に示すテーブルを用いて分析し、CoMP送信セルを特定する。これにより、特定セルから受信したPDCCHと送信セルから受信したPDSCHとが対応付けられ、対応付けられたPDCCHのDCIに基づいてPDSCHを復調できる。
これにより、CIFのビット情報が不足する場合であっても、CoMP候補セルをマッピングしたCIFテーブルを生成し、クロスキャリアスケジューリングを行うことが可能となる。
<第3のテーブル構成方法>
図10にキャリアアグリゲーションにおいてDCIサイズが異なる場合の各セルのサーチスペース割り当て例を示している。システム帯域、DCIフォーマットの種別が異なることに起因してDCIサイズが異なる可能性がある。図10に示す例では、セル0〜セル3のDCIサイズが異なっている。
この場合、図10に示すように、セル0〜セル3のサーチスペースSS1〜SS4が、互いに異なる領域に配置される。たとえば、ユーザ端末UEは、セル0に割り当てられたサーチスペースSS1をセル0のDCIサイズに基づいてブラインドデコーディングし、セル0のDCIを復号する。他のセル1〜セル3についても同様に、セル1〜3にそれぞれ割り当てられたサーチスペースSS2〜SS4をセル1〜3のDCIサイズに基づいてブラインドデコーディングし、セル1〜3のDCIを復号する。
したがって、ユーザ端末UEでは、サイズの異なるDCIによってサーチスペースを識別することにより、PDSCHが割り当てられるシングルセル(セル0〜3)を判定することができる。したがって、これらのサーチスペースによって判定できるセルのインデックスは、CIFテーブルにおいてビットデータにマッピングする必要がない。
そこで、無線基地局装置eNBは、CIFテーブルに登録するCoMP候補セルからサーチスペースによって判定できる個別のセル(図10のセル0〜セル3)を除外する。無線基地局装置eNBは、サーチスペースによって判定できるセルを除いて、ユーザ端末UEからのメジャメントレポート結果に基づいて、メジャメント候補セルの中からCoMP候補セルを決定して、図11に示すようなCIFテーブルを生成する。図11に示すCIFテーブルは、各CoMPセット(セル1+2),(セル1+3),(セル1+2+3),(セル2+3),(セル4+5),(セル4+6),(セル5+6),(セル4+5+6)をビット情報(000),(001),(010),(011),(100),(101),(110),(111)にそれぞれマッピングしている。なお、ビット情報(000),(001),(010),(011)のいずれかを有するCIFは、DCI5に付加される。また、ビット情報(100),(101),(110),(111)のいずれかを有するCIFは、DCI6に付加される。
図11に示すCIFテーブルによれば、たとえば、CIFのビット情報として(100)が検出された場合は、ユーザ端末UEはCoMPセット(セル4+5)に対するPDCCHであると判断でき、当該PDCCHに基づいて、セル4とセル5からジョイント送信されたPDSCHを受信(復調)する。このCIFテーブルは、たとえば、RRCシグナリングによって、ユーザ端末UEにシグナリングされる。
また、無線基地局装置eNBは、ユーザ端末UEからフィードバックされたCQIに基づいて、ユーザ端末UEに共有データチャネルを送信するCoMP送信セルを決定する。このCoMP送信セルが、サーチスペースによって識別できる場合には、サーチスペースを活用してシグナリングすればよい。CoMP送信セルが、サーチスペースによって識別できない場合には、無線基地局装置eNBは、CIFテーブルに登録されたCoMP候補がCoMPのジョイント送信に含まれている場合には、当該ジョイント送信(JT)を行う複数セル間で共用する物理リンク制御チャネル(PDCCH)に、このCoMPセットのインデックスをCIFに記述した下りリンク制御情報(DCI)を生成する。
図12は、クロスキャリアスケジューリングを適用した場合の、PDCCHの割り当てを示す図である。CoMPのジョイント送信(JT)を適用する場合においては、特定セルとなるセル0のPDCCHを用いて、各CoMPセット(セル1+2),(セル1+3),(セル1+2+3),(セル2+3),(セル4+5),(セル4+6),(セル5+6),(セル4+5+6)から送信されるPDSCHに対するPDCCH(DCI)を送信している。
CoMPのジョイント送信(JT)が適用される場合であって、CoMP送信セルとしてのCoMPセット(セル1+2)が選択された場合には、図11に示すテーブルにより、このCoMPセットはビット情報(000)にマッピングされているため、特定セルの無線基地局装置eNBではこのCIFにCoMPセット(セル1+2)のビット情報を組み込んだDCIを生成する。そして、図12に示すように、特定セルであるセル0の無線基地局装置eNBから、このDCIを含んだPDCCHを送信する。
また、CoMP送信(JT)が適用される場合であって、CoMP送信セルとしてCoMPセット(セル4+5)が選択された場合には、図11に示すテーブルにより、このCoMPセットはビット情報(100)にマッピングされているため、特定セルの無線基地局装置eNBではこのCIFにCoMPセット(セル4+5)のビット情報を組み込んだDCIを生成する。そして、図12に示すように、特定セルであるセル0の無線基地局装置eNBから、このDCIを含んだPDCCHを送信する。
ユーザ端末UEは、CoMP送信が適用された場合には、特定セルであるセル0の無線基地局装置eNBからPDCCHを受信するとともに、すべてのCoMP送信セルとなる無線基地局装置から物理下りリンク共有データチャネル(PDSCH)を受信する。そして、特定セルから受信したPDCCHに含まれるDCIのCIFに組み込まれているCoMP送信セルのインデックスを、図11に示すテーブルを用いて分析し、CoMP送信セルを特定する。これにより、特定セルから受信したPDCCHと送信セルから受信したPDSCHとが対応付けられ、対応付けられたPDCCHのDCIに基づいてPDSCHを復調できる。
これにより、CIFのビット情報で示すべきCoMP候補セルの数を減らすことが可能となる。
<第4のテーブル構成方法>
CIFテーブルに登録されるセルインデックスにサブフレーム情報が含まれるように拡張してもよい。すなわち、送信セルまたはCoMPセットの情報だけでなく、所定区間内のサブフレーム番号まで含めてビットデータにマッピングする。
たとえば、CIFのビット数を3ビットに固定した場合、システム構成によってはCIFテーブル上に未使用のCIFのビット情報が存在する可能性がある。図13Aには、広範囲のカバレッジエリアを有するマクロセル(セル0)と局所的なカバレッジエリアを有する複数のピコセル(セル1,2)とが組み合わせて配置されている。マクロセル(セル0)およびピコセル(セル1,2)には異なる周波数帯域を割り当てることもできるが、図13Bに示すようにピコセル1,2には同一の周波数帯域2が割り当てられるものとする。ここでは、マクロセル(セル0)に周波数帯域1を割り当て、ピコセル(セル1,2)には周波数帯域1とは異なる周波数帯域2を割り当てる。
図13A,Bに示すシステム構成において、同一周波数帯域2を用いる複数のピコセル(セル1,2)に対してCoMP送信(JT)を適用する場合、ジョイント送信する複数セルの組み合わせは、“セル1+2”のみである。また、マクロセル(セル0)まで含んだ3つのセル(セル0〜2)に対してCoMP送信(DPS,CS/CB)を適用可能である。この場合のCoMP送信する送信セルは、セル0,セル1,セル2の3通り存在する。
したがって、図13A,Bに示すシステム構成の下でCoMP送信を適用しようとすると、4通りの送信セルまたはその組み合わせが存在する。CIFを3ビットで構成した場合、8通りのビットデータを生成可能であるため、この場合には未使用のビットデータリソースが生じている。たとえば、CIFのビット情報(000),(001),(010),(011)を図13A,Bに示すシステム構成におけるCoMP候補セルのマッピングに使用した場合には、CIFのビット情報(100),(101),(110),(111)が未使用となる。
この場合、未使用のビットデータリソースは、クロスサブフレームスケジューリングに利用することができる。図14は、CIFのビット情報(000),(001),(010),(011)に、サブフレームNにおけるCoMP候補セル(セル0),(セル1),(セル2),(セル1+2)をそれぞれマッピングし、未使用であったCIFのビット情報(100),(101),(110),(111)に、サブフレームN+1におけるCoMP候補セル(セル0),(セル1),(セル2),(セル1+2)をそれぞれマッピングした、クロスサブフレームスケジューリングにおけるCIFテーブルを示している。すなわち、ユーザ端末があるサブフレームで受信したPDCCHが、いずれのセルの何番目のサブフレームの制御情報であるかを識別できる。
無線基地局装置eNBは、サブフレームNおよびサブフレームN+1間のクロスサブフレームスケジューリングを行う複数セル間で共用する物理リンク制御チャネル(PDCCH)に、CoMP送信セルのインデックスを組み込んだ下りリンク制御情報(DCI)を生成する。このように生成されたDCIを含んだ各セルのPDCCHは、図15に示すように、サブフレームNにおけるセル0の無線基地局装置eNBからサブフレームNにおける複数セル、または、サブフレームN+1における複数セルへ送信される。
これにより、複数サブフレーム間でCoMP送信セルのインデックスを指定することが可能となる。
(無線通信システム)
ここで、本実施の形態に係る無線通信システムについて詳細に説明する。図16は、本実の形態に係る無線通信システムのシステム構成の説明図である。なお、図16に示す無線通信システムは、たとえば、LTEシステムあるいは、SUPER 3Gが包含されるシステムである。この無線通信システムでは、LTEシステムのシステム帯域を一単位とする複数の基本周波数ブロックを一体としたキャリアアグリゲーションが用いられている。また、この無線通信システムは、IMT−Advancedと呼ばれてもよいし、4Gと呼ばれてもよい。
図16に示すように、無線通信システム1は、各送信ポイントの基地局装置20A,20Bと、この基地局装置20A,20Bと通信するユーザ端末10とを含んで構成されている。基地局装置20A,20Bは、上位局装置30と接続され、この上位局装置30は、コアネットワーク40と接続される。また、基地局装置20A,20Bは、有線接続または無線接続により相互に接続されている。ユーザ端末10は、送信ポイントである基地局装置20A,20Bと通信を行うことができる。なお、上位局装置30には、たとえば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されない。
ユーザ端末10は、既存端末(Rel.10LTE)およびサポート端末(たとえば、Rel.11LTE)を含むが、以下においては、特段の断りがない限りユーザ端末として説明を進める。また、説明の便宜上、基地局装置20A,20Bと無線通信するのはユーザ端末10であるものとして説明する。
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用されるが、上りリンクの無線アクセス方式はこれに限定されない。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域を端末ごとに1つまたは連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。
ここで、通信チャネルについて説明する。下りリンクの通信チャネルは、ユーザ端末10で共有される下りデータチャネルとしてのPDSCHと、下りL1/L2制御チャネル(PDCCH、PCFICH、PHICH)とを有する。PDSCHにより、送信データおよび上位制御情報が伝送される。PDCCHにより、PDSCHおよびPUSCHのスケジューリング情報などが伝送される。PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)により、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)により、PUSCHに対するHARQのACK/NACKが伝送される。
上りリンクの通信チャネルは、各ユーザ端末で共有される上りデータチャネルとしてのPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)と、上りリンクの制御チャネルであるPUCCH(Physical Uplink Control Channel)とを有する。このPUSCHにより、送信データや上位制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクのチャネル状態情報(CSI(CQIなどを含む))、ACK/NACKなどが伝送される。
図17を参照しながら、本実施の形態に係る基地局装置の全体構成について説明する。なお、基地局装置20A,20Bは、同様な構成であるため、基地局装置20として説明する。基地局装置20は、送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部(通知部)203と、ベースバンド信号処理部204と、呼処理部205と、伝送路インターフェース206とを備えている。下りリンクにより基地局装置20からユーザ端末に送信される送信データは、上位局装置30から伝送路インターフェース206を介してベースバンド信号処理部204に入力される。
ベースバンド信号処理部204において、下りデータチャネルの信号は、PDCPレイヤの処理、送信データの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御の送信処理などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御、たとえば、HARQの送信処理、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理が行われる。また、下りリンク制御チャネルである物理下りリンク制御チャネルの信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われる。
また、ベースバンド信号処理部204は、報知チャネルにより、同一送信ポイントに接続するユーザ端末10に対して、各ユーザ端末10が基地局装置20との無線通信するための制御情報を通知する。当該送信ポイントにおける通信のための情報には、たとえば、上りリンクまたは下りリンクにおけるシステム帯域幅や、PRACH(Physical Random Access Channel)におけるランダムアクセスプリアンブルの信号を生成するためのルート系列の識別情報(Root Sequence Index)などが含まれる。
送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。アンプ部202は周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ201へ出力する。
一方、上りリンクによりユーザ端末10から基地局装置20に送信される信号については、送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号がアンプ部202で増幅され、送受信部203で周波数変換されてベースバンド信号に変換され、ベースバンド信号処理部204に入力される。
ベースバンド信号処理部204は、上りリンクで受信したベースバンド信号に含まれる送信データに対して、FFT処理、IDFT処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理を行う。復号された信号は伝送路インターフェース206を介して上位局装置30に転送される。
呼処理部205は、通信チャネルの設定や解放などの呼処理や、基地局装置20の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
次に、図18を参照しながら、本実施の形態に係るユーザ端末の全体構成について説明する。ユーザ端末10は、送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部(受信部)103と、ベースバンド信号処理部104と、アプリケーション部105とを備えている。
下りリンクのデータについては、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅され、送受信部103で周波数変換されてベースバンド信号に変換される。このベースバンド信号は、ベースバンド信号処理部104でFFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などがなされる。この下りリンクのデータの内、下りリンクの送信データは、アプリケーション部105に転送される。アプリケーション部105は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、報知情報も、アプリケーション部105に転送される。
一方、上りリンクの送信データは、アプリケーション部105からベースバンド信号処理部104に入力される。ベースバンド信号処理部104においては、マッピング処理、再送制御(HARQ)の送信処理や、チャネル符号化、DFT処理、IFFT処理を行う。送受信部103は、ベースバンド信号処理部104から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。その後、アンプ部102は、周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ101より送信する。
図19を参照して、CoMP送信に対応した基地局装置の機能ブロックについて説明する。なお、図19の各機能ブロックは、主に図17に示すベースバンド信号処理部に関するものである。また、図19の機能ブロック図は、本発明を説明するために簡略化したものであり、ベースバンド信号処理部において通常備える構成を備えるものとする。
基地局装置20は、送信側において、バックホール通信部401、上位制御情報生成部402と、下り送信データ生成部403と、下り制御情報生成部404と、RS生成部405と、下り送信データ符号化・変調部406と、下り制御情報符号化・変調部407とを備えている。また、基地局装置20は、下りチャネル多重部408と、IFFT部409と、CP付加部410とを備えている。さらに、基地局装置20は、受信部411と、端末能力判定部412と、受信品質判定部413と、CQI判定部414と、CoMP候補セル決定部415と、スケジューラ416とを備えている。
バックホール通信部401は、バックホールによって他の基地局との通信を可能にする。
上位制御情報生成部402は、ユーザ端末に対して上位レイヤシグナリング(たとえば、RRCシグナリング)により送信される上位制御情報を生成し、生成した上位制御情報を下り送信データ符号化・変調部406に出力する。たとえば、上位制御情報生成部402は、バックホール通信部401から出力された情報を含む上位制御情報(RSの送信パラメータに関する情報)を生成する。
また、上位制御情報生成部402は、後述するCoMP候補セル決定部415において決定されたCoMP候補セルを含むCIFテーブル情報を生成し、生成した情報を下り送信データ符号化・変調部406に出力する。
下り送信データ生成部403は、下りリンクの送信データを生成し、その下り送信データを下り送信データ符号化・変調部406に出力する。下りリンクの送信データとしてのユーザデータは上位レイヤから供給される。
下り制御情報生成部404は、DLグランドを内容とするDCIフォーマット(たとえば、DCIフォーマット1Aなど)を用いて、PDSCHを制御するための下りリンク制御情報(DCI)を生成する。
CoMP送信を行うセル情報またはセルの組み合わせ情報を、DCIに含めてユーザ端末に通知する場合には、下り制御情報生成部404においてセル情報またはセルの組み合わせ情報が生成される。CoMPのDPS、CS/CBを適用する場合は、CoMP送信時における送信セルのインデックスをCIFに記述したDCIを生成する。また、CoMPのジョイント送信を適用する場合は、ジョイント送信(JT)を行うCoMPセットのインデックスをCIFに記述した下りリンク制御情報(DCI)を生成する。このとき、DCIに付加されるCIFは、後述するCoMP候補セル決定部415において生成されたCIFテーブルの割り当てに基づいて、スケジューラ416によって指示されたCIFである。
下り送信データ符号化・変調部406は、下り送信データおよび上位制御情報に対してチャネル符号化およびデータ変調を行い、下りチャネル多重部408に出力する。下り制御情報符号化・変調部407は、下り制御情報に対してチャネル符号化およびデータ変調を行い、下りチャネル多重部408に出力する。
RS生成部405は、既存の参照信号(CRS,CSI-RS、DM-RS)を生成する他、希望信号測定用RS、干渉測定用RSを生成してもよい。これらのRSを下りチャネル多重部408に出力する。
下りチャネル多重部408は、下りリンク制御情報、RS、上位制御情報および下り送信データを合成して送信信号を生成する。下りチャネル多重部408は、生成した送信信号をIFFT部409に出力する。IFFT部409は、送信信号を逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform)し、周波数領域の信号から時間領域の信号に変換する。IFFT後の送信信号をCP付加部410に出力する。CP付加部410は、IFFT後の送信信号にCP(Cyclic Prefix)を付加して、CP付加後の送信信号を図17に示すアンプ部202に出力する。
受信部411は、ユーザ端末からの送信信号を受信して、この受信信号から、端末能力情報(UE Capability)、受信品質情報、チャネル品質情報(CQI)を取り出して、それぞれ端末能力判定部412、受信品質判定部413、CQI判定部414に出力する。
端末能力判定部412は、通知されたユーザ端末の端末能力に基づいて、接続するユーザ端末の通信能力を判定する。
受信品質判定部413は、メジャメントレポート結果に基づいて、メジャメント候補セルの受信品質(たとえば、RSRP)を判定する。
CQI判定部414は、上り/下りリンクの受信品質を判定する。
CoMP候補セル決定部415は、ユーザ端末の端末能力およびメジャメント候補セルの受信品質に基づいて、メジャメント候補セルの中からCoMP候補セルを決定し、CIFのビット情報を各CoMP候補セルに割り当てたCIFテーブルを生成する。このCoMP候補セルには、CoMP送信(DPS,CS/CB)において送信ポイントとなる個々の協調セル、および、CoMP送信(JT)においてジョイント送信する複数セルの組み合わせを示すCoMPセットが含まれる。CoMP候補セル決定部415は、生成したCIFテーブルの情報を、バックホール通信部401およびスケジューラ416に出力する。
スケジューラ416は、ユーザ端末からフィードバックされたCQIに基づいて、CoMP候補セルの中から、ユーザ端末に共有データチャネルを送信するCoMP送信セルを決定する。スケジューラ416は、クロスキャリアスケジューリングを行う場合、下り制御情報生成部404に、CoMP送信セルのインデックスを示すCIFを指示する。
図20を参照して、本実施の形態に係るユーザ端末の機能ブロックについて説明する。なお、図20の各機能ブロックは、主に図18に示すベースバンド信号処理部104に関するものである。また、図20に示す機能ブロックは、本発明を説明するために簡略化したものであり、ベースバンド信号処理部において通常備える構成は備えるものとする。
ユーザ端末10は、受信側において、CP除去部301と、FFT部302と、下りチャネル分離部303と、下り制御情報受信部304と、下り送信データ受信部305と、干渉信号推定部306と、チャネル推定部307と、CQI測定部308とを備えている。
基地局装置20から送出された送信信号は、図18に示す送受信アンテナ101により受信され、CP除去部301に出力される。CP除去部301は、受信信号からCPを除去し、FFT部302に出力する。FFT部302は、CP除去後の信号を高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)し、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換する。FFT部302は、周波数領域の信号に変換された信号を下りチャネル分離部303に出力する。
下りチャネル分離部303は、下りチャネル信号を、下り制御情報、下り送信データ、RSに分離する。下りチャネル分離部303は、下り制御情報を下り制御情報受信部304に出力し、下り送信データおよび上位制御情報を下り送信データ受信部305に出力し、干渉測定用RSを干渉信号推定部306に出力し、希望信号測定用RSをチャネル推定部307に出力する。
下り制御情報受信部304は、下りリンク制御情報(DCI)を復調し、復調されたDCIを下り送信データ受信部305に出力する。下り送信データ受信部305は、復調されたDCIを用いて下り送信データを復調する。すなわち、下り制御情報受信部304は、特定セルから受信したPDCCHに含まれるDCIのCIFに組み込まれているCoMP送信セルのインデックスを、CIFテーブルを用いて分析し、CIFのビット情報からCoMP送信セルを特定する判定部として機能する。下り送信データ受信部305は、特定されたCoMP送信セルからのPDSCHを復調する。また、下り送信データ受信部305は、下り送信データに含まれる上位制御情報を干渉信号推定部306、チャネル推定部307に出力する。
干渉信号推定部306は、CRS,CSI−RSなどの下り参照信号を用いて、干渉信号を推定する。干渉信号推定部306は、干渉信号の推定を行い、全てのリソースブロックで測定結果を平均化することができる。平均化された干渉信号の推定結果は、CQI測定部308に通知される。
チャネル推定部307は、上位制御情報(または下り制御情報)に含まれる送信パラメータ等の情報に基づいて希望信号測定用RE(CSI−RSリソース)を特定し、希望信号測定用REで希望信号を推定する。なお、チャネル推定部307は、上記図9Bで示したように、希望信号測定用RE(SMR)に加えて、干渉測定用RE(IMR)を用いてチャネル推定を行うことも可能である。
チャネル推定部307は、チャネル推定値をCQI測定部308に通知する。CQI測定部308は、干渉信号推定部306から通知される干渉推定結果、およびチャネル推定部307から通知されるチャネル推定結果、フィードバックモードに基づいてチャネル状態(CQI)を算出する。なお、フィードバックモードは、Wideband CQI、Subband CQI、best−M averageのいずれが設定されてもよい。CQI測定部308で算出されたCQIは、フィードバック情報として基地局装置20に通知される。
上記構成のシステムを適用した無線通信システムについて説明する。
基地局装置20において、受信部411は、ユーザ端末からの送信信号を受信して、この受信信号から、端末能力情報(UE Capability)、受信品質情報、チャネル品質情報(CQI)を取り出して、それぞれ端末能力判定部412、受信品質判定部413、CQI判定部414に出力する。端末能力判定部412は、通知されたユーザ端末の端末能力に基づいて、接続するユーザ端末の通信能力を判定する。受信品質判定部413は、メジャメントレポート結果に基づいて、メジャメント候補セルの受信品質(たとえば、RSRP)を判定する。CQI判定部414は、上り/下りリンクの受信品質を判定する。
CoMP候補セル決定部415は、ユーザ端末の端末能力およびメジャメント候補セルの受信品質に基づいて、メジャメント候補セルの中からCoMP候補セルを決定し、CIFのビット情報を各CoMP候補セルに割り当てたCIFテーブルを生成する。このCIFテーブルは、上位制御情報生成部402を介して、ユーザ端末にシグナリングされる。
スケジューラ416は、ユーザ端末からフィードバックされたCQIに基づいて、CoMP候補セルの中から、ユーザ端末に共有データチャネルを送信するCoMP送信セルを決定し、下り制御情報生成部404に、CoMP送信セルのインデックスを示すCIFを指示する。
下り制御情報生成部404は、スケジューラ416から指示されたCoMP送信時における送信セルのインデックスをCIFに記述したDCIを生成する。
ユーザ端末10において、下り制御情報受信部304は、特定セルから受信したPDCCHに含まれるDCIのCIFに組み込まれているCoMP送信セルのインデックスを、CIFテーブルを用いて分析し、CIFのビット情報からCoMP送信セルを特定する。下り送信データ受信部305は、特定されたCoMP送信セルからのPDSCHを復調する。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、さまざまに変更して実施可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更が可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施可能である。