JP6095403B2 - パジャマ - Google Patents

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Description

本発明は、主として就寝時に着用するパジャマに関し、特に、着用感が好ましく、かつ、末梢(手先や手背部(手甲部)および/または足先や足背部(足甲部))まで保温することのできるパジャマに関する。なお、本発明でいうパジャマは、就寝時に着用する衣類に限定されるものではなく部屋着としても使用できる衣類全般を含む。
一般的に、いわゆる冷え性と呼ばれる血液循環不全者は、腹痛や腰痛等を防ぐために腹巻きと呼ばれる保温帯を着用することが多い。この保温帯は、伸縮可能な保温布により略筒状に形成されていて、保温布の収縮により腹部および腰部等に密着し、これによりこれらの部分を保温する。
ところで、このような保温帯は、衣服(寝衣、部屋着)の上から着用すると外観性が損なわれるとともに、手の上げ下ろし等に伴って衣服にだぶつきが生じるという問題がある。このため、保温帯は、衣服の内側において身体の所望箇所を保温するように着用されることも多い。
しかしながら、保温帯を衣類の上から着用しても衣類の下に着用しても、保温帯が所望の位置からずれると、腹部および腰部等を保温することができなくなる。
実用新案登録第3066328号公報(特許文献1)は、ズボンの開口部である裾口及びウエスト口からの外気の流入を確実に防いで保温効果をより高め、かつ、デザインや着用方法に限定されない等、着用機能に優れたズボンを開示する。このズボンは、ズボン裏地の裾口周縁に伸縮素材からなる環状の絞り裾口部をズボン表地裾口より出没可能なように延長的に縫着連設するとともに、ズボン上端ウエスト周縁に伸縮素材からなる環状の保温帯をズボン腰周り内側に折返可能なように延長的に縫着連設したことを特徴とする。
このズボンによると、ズボンの開口部である裾口及びウエスト口にそれぞれ伸縮素材からなる絞り裾口部及び保温帯を連設してあるため、極めて高い保温効果が得られる。
実用新案登録第3066328号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたズボンは、ズボンの開口部である裾口及びウエスト口からの外気の流入を確実に防いで保温効果をより高めることに着目したものであるので、このようなズボンを、パジャマのボトムスに適用しても、以下の問題がある。
特許文献1に開示されたズボンは、保温効果を図るものであるために冬季に用いられることが多く、この場合、トップスは保温性の良いアウターを着用していることが多い。パジャマの場合には、多くの場合、トップスとボトムスとを1組にして販売され、トップスだけが保温性の高いもので構成されているわけではない。すなわち、アウターのような保温性の高いトップスではないパジャマの場合、保温性の高い保温帯を設ける必要があるが、一般的に保温性は保温帯の厚みとの相関関係が強く、保温性を高めるために保温帯の厚みを厚くすることになる。このように保温帯の厚みを厚くすると、着用者のウエスト部の着用圧が高まってしまい、好ましい着用感、特に就寝時のリラックス感を実現することができない。さらに、特許文献1に開示されたズボンは、ウエストバンド部と保温帯とを別々に構成しているので、着用者のウエスト部を強く締め付けることになる。
この他にも、保温性を高めたパジャマがあるが、多くの場合、身生地を厚手にしたり生地を重ねたりすることにより保温の効果を発現させている。このように生地を厚手にしたり生地を重ねたりすると、パジャマ自体が重くなったりパジャマの着用感が悪くなったり(ゴワゴワする、 動きにくい等)、快適性を損なうことに繋がる。また、身生地の保温性を高めることで上半身幹部(トップスの効果)や脚部(ボトムスの効果)は保温できるが、末梢(手先・足先)まで保温することができない場合も多く、パジャマとは別に靴下やレ
ッグウォーマー等を着用して末梢の冷えを軽減しないと、入眠できない悩みを有する血液循環不全者も存在する。このような快適性を損なうことや入眠できない悩みは、特許文献1に開示されたズボンでは解決することができない。
本発明は、このような問題点に鑑みて開発されたもので、手先や足先の末梢を保温でき、かつ、着用感が好ましい、パジャマを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係るパジャマは以下の技術的手段を講じている。
すなわち、本発明に係るパジャマは、ウエスト部の上端縁に連設され、少なくとも腹部および腰部を覆う長さを備え、伸縮性を有する生地で構成された円筒形状の腹部保温帯と、両足の裾端に連設され、少なくとも踝を覆う長さを備え、伸縮性を有する生地で構成された円筒形状の足首部保温帯とを有することを特徴とするボトムスを含む。
好ましくは、前記ボトムスは、ウエストゴムを備えないように構成することができる。
さらに好ましくは、前記足首部保温帯は、前記円筒形状の長手方向に沿って伸縮性部材を設け、シャーリング加工されているように構成することができる。
さらに好ましくは、伸縮性部材は、ゴム部材であるであるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記腹部保温帯および/または前記足首部保温帯の生地厚みは、0.9mm以上であるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記腹部保温帯および/または前記足首部保温帯の生地厚みは、3mm以下であるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記腹部保温帯および/または前記足首部保温帯の生地は、ポリウレタンベア糸を交編した編地であるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記ポリウレタンベア糸と交編される繊維は、天然繊維および/または合成繊維であるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記腹部保温帯を備えたパジャマは、前記腹部保温帯を備えないパジャマに対して、室温28℃環境下で15分経過した後に室温22℃環境下へ移動して20分経過した後の手背部の皮膚温度が1±0.2℃以上高いように構成することができる。
さらに好ましくは、前記腹部保温帯および前記足首部保温帯を備えたパジャマは、前記腹部保温帯および前記足首部保温帯を備えないパジャマに対して、室温25℃環境下で15分経過した後に室温20℃環境下へ移動して15分経過した後の足背部の皮膚温度が1±0.3℃以上高いように構成することができる。
さらに好ましくは、上述したいずれかのボトムスと、両手の長袖端に連設され、少なくとも手首部を覆う長さを備え、伸縮性を有する生地で構成された円筒形状の手首部保温帯を有することを特徴とするトップスとで構成されたパジャマであるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記トップスの身頃下端に連設され、伸縮性を有する生地で構成された円筒形状の保温帯を有するように構成することができる。
本発明によれば、手先や足先の末梢を保温でき、かつ、着用感が好ましい、パジャマを提供することができる。
本発明の実施の形態に係るパジャマの概略正面図である。 図1のパジャマのボトムスの着用状態を説明するための側面図である。 腹部保温帯および足首部保温帯の生地試料を示す図(その1)である。 腹部保温帯および足首部保温帯の生地試料を示す図(その2)である。 生地厚さとクロー値との関係を示す図(その1)である。 生地厚さとクロー値との相関関係を示す図である。 生地厚さとクロー値との関係を示す図(その2)である。 第1の評価試験(皮膚温変化)における測定タイミングを説明するための図である。 第1の評価試験(皮膚温変化)の結果である、着用前を0とした(A)腹部、(B)手背部、(C)足背部の皮膚温変化量を示す図(その1)である。 第1の評価試験(皮膚温変化)の結果である、着用前を0とした(A)腹部、(B)手背部、(C)足背部の皮膚温変化量を示す図(その2)である。 第1の評価試験(皮膚温変化)の結果である、手足のサーモグラフィ(熱分布図)を示す図である。 第2の評価試験(心拍変動)における測定タイミングを説明するための図である。 第2の評価試験(心拍変動)の結果を示す図(その1)である。 第2の評価試験(心拍変動)の結果を示す図(その2)である。 第2の評価試験(心拍変動)の結果を示す図(その3)である。 第2の評価試験(心拍変動)の結果を示す図(その4)である。 第3の評価試験(皮膚温変化)における測定タイミングを説明するための図である。 第3の評価試験(皮膚温変化)の結果である、主観評価を示す図である。 第3の評価試験(皮膚温変化)の結果である、着用前を0とした(A)腹部、(B)手背部、(C)足背部の皮膚温変化量を示す図(その1)である。 第3の評価試験(皮膚温変化)の結果である、着用前を0とした(A)腹部、(B)手背部、(C)足背部の皮膚温変化量を示す図(その2)である。
以下、本発明の実施の形態として、パジャマ100を、図面に基づき詳しく説明する。なお、以下の説明においては、上衣(トップス)と下衣(ボトムス、ズボン、パンツ)とを組み合わせたパジャマ100について説明するが、下衣のみのパジャマを本発明から除外するものではない。また、このパジャマ100は、就寝時のみに着用されるものではなく、部屋着として着用しても構わない。
[パジャマ全体構成]
本実施の形態に係るパジャマ100の全体構成について説明する。図1に、このパジャマ100の概略正面図を、図2にパジャマ100のボトムス10の着用状態を説明するための側面図を、それぞれ示す。
このパジャマ100は、ボトムス10とトップス20とから構成され、特に、ボトムス10に手先や足先の末梢を十分に保温できる保温帯を備えていても、その着用感が好ましいという特徴を備える。
ボトムス10は、通常のパジャマのボトムスに類似する形態を備えるが、腹部保温帯11および足首部保温帯13を備える点が大きく異なる。
腹部保温帯11は、ウエスト部の上端縁に連設され、少なくとも腹部および腰部を覆う長さを備えている。足首部保温帯13は、両足部12の裾端に連設されており、少なくとも踝を覆う長さを備えている。そして、これらの腹部保温帯11および足首部保温帯13は、伸縮性および保温性を有する生地で構成されており、それぞれの径は異なるが略円筒状の形状を備えている。すなわち、厚みを除く外観形状に関しては、腹部保温帯11はいわゆる腹巻きの形状を備え、足首部保温帯13はいわゆるレッグウォーマー等の形状を備える。なお、このボトムス10は、伸縮性を備える腹部保温帯11があるために、ウエストゴムを備えない。
足首部保温帯13は、円筒形状の長手方向に沿って伸縮性部材14(ゴム部材であるゴム紐、平ゴム等)を両サイド設け、シャーリング加工されている。このため、足首部保温帯13を伸ばすと、踝はもちろんのこと、図2に示すように足背部(足甲部)の途中まで覆うことができる。
トップス20は、通常のパジャマのトップスと同じ形態であって、身頃21に衿部22および長袖23が設けられている形態でも構わないが、手首部保温帯24を備えるようにすると保温性が高まるので好ましい。手首部保温帯24は、両手の長袖23端に連設され
、少なくとも手首部を覆う長さを備えている。なお、衿部22がなくても構わないし、前開きでなくプルオーバーでも構わない。
また、トップス20は、その身頃21下端に連設され、円筒形状の身頃保温帯を有しても構わない。そして、これらの手首部保温帯24および身頃保温帯は、(腹部保温帯11および足首部保温帯13と同様に)伸縮性および保温性を有する生地で構成されており、それぞれの径は異なるが略円筒状の形状を備えている。なお、身頃保温帯は、トップスが前開きの場合、前開きに対応して腹部側で切断された略円筒状の形状となる。
これらの腹部保温帯11、足首部保温帯13、手首部保温帯24および身頃保温帯は、同じ生地(編成、厚み等)であっても、異なる生地であっても構わないが、これらの保温帯は、以下に説明する伸縮性および保温性を備える。
[保温帯]
以下において保温帯について説明するが、少なくとも腹部保温帯11と足首部保温帯13とが同じ生地で構成されているとする。そして、これらの腹部保温帯11および足首部保温帯13を構成する生地(編地)について説明する。しかしながら、以下の説明は、他の保温帯である手首部保温帯24および身頃保温帯にも当てはめることができる。
腹部保温帯11および足首部保温帯13の編地は、ポリウレタンベア糸に天然繊維および/または合成繊維を交編したベアスムース、ベアフライス、ベア天竺等の編地であって、伸縮性および保温性を備える。なお、後述するように、交編する天然繊維および合成繊維は、特に限定されるものではなく、保温性および着心地の観点からは、生地混率(組成)よりも生地の厚みが重要な要因となる。
そして、この編地の厚みは、十分な保温性(後述する手先や足先の末梢までをも保温できる保温性)を確保するために0.9mm以上であって、良好な着心地を確保するために3mm以下であることが好ましい。編地の厚みが3mmを超えると、就寝時にごろつきを感じるなどの不具合がある。なお、この厚みの数値範囲は、測定対象が柔軟かつ伸縮性を備えた編地であるため、通常考えられる範囲の測定誤差を含むものである。
なお、これらの腹部保温帯11および足首部保温帯13に用いられる編地には、ベアフライスで編成され、裾はアウターにひびきにくい切りっぱなし仕様でボディラインにすっきりフィットし、厚さ1mm以下で着膨れしにくく、保温性の高い素材も含まれる。
[保温帯の物性]
上述したように、保温帯は、ポリウレタンベア糸に天然繊維および/または合成繊維を交編したベアスムース等の編地であって、0.9mm程度から3mm程度の厚みであることが好ましい。このように結論付けた過程について、特に身体の末梢部の保温性の観点から説明する。
本出願人は、図3および図4に示す試料(1)〜試料(7)の7種類のサンプル生地(編地)を準備した。これらの試料は、いずれも腹巻き用に使用されている、保温性と伸縮性とを備える生地である。それらの熱抵抗値であるクロー値(clo値)および厚みは図3に示す通りであって、混率は図4に示す通りである。なお、試料(1)、試料(4)および試料(7)については、1枚のみの場合と2枚重ねにした場合とを測定した。また、図3に示すように、試料の要否を判断するために用いたクロー値は、生地厚さを乗算している。なお、後述する評価試験における実施例1〜実施例4を、図3および図4に付記しておく。
まず、生地厚さとクロー値との関係を検討した。図5に、生地厚さとクロー値との関係を示す図を、図6に、図5に基づいて作成された生地厚さとクロー値との相関関係を示す図を、図7に、生地混率を考慮した生地厚さとクロー値との関係を示す図を、それぞれ示す。
図3の試料番号順に示した生地厚さとクロー値との関係を示す図5を、生地厚さとクロー値との相関関係を示す図6に書き換えると、クロー値は生地厚さと強い相関関係があることが明らかになった。さらに、図7に示すように、生地混率の種類とクロー値とはあまり関係がない。これらのことから、クロー値は、生地の厚みに大きく依存し混率に依存しないので、図6の相関関係を1次式で回帰した結果、
クロー値=0.10×生地厚さ−0.04 ・・・ 式(1)
であることが明らかになった。
[第1の評価試験(皮膚温変化)]
上述したように、7つのサンプル生地を分析し、保温性の重要指標であるクロー値と、着心地の重要指標である生地厚みとの関係を明らかにした上で、まず、腹部および腰部と腹部保温帯11で保温した場合の皮膚温の変化(特に末梢部である手背部の皮膚温の変化)を評価した。
この第1の評価試験を行った試料について説明する。図3および図4に示した、試料(1)1枚を腹部保温帯11に用いたパジャマ100を実施例1として、試料(7)1枚を腹部保温帯11に用いたパジャマ100を実施例2として、試料(6)を腹部保温帯11に用いたパジャマ100を実施例3として、腹部保温帯11を備えないパジャマを比較対象(未着用)として、図8に示す測定環境等で被験者の各部の皮膚温を測定した。
図9に、この第1の評価試験(皮膚温変化)の結果として、着用前を0とした(A)腹部、(B)手背(手甲)部、(C)足背(足甲)部の皮膚温変化量を示す。
図9(A)から、腹部の皮膚温については、以下のことが考察される。
・28℃環境下での皮膚温変化は、
・・いずれの実施例も皮膚温は上昇し、15分経過時で比較例(未着用)に対して約0.7℃の差
・・実施例1、実施例2および実施例3の間で上昇温度に差異はない
・22℃環境下での皮膚温変化は、
・・終了時点において、比較例(未着用)に対して、実施例3は約0.8℃の差、実施例1および実施例2は約0.5℃の差
図9(B)から、手背部の皮膚温については、以下のことが考察される。
・28℃環境下での皮膚温変化は、
・・実施例3の皮膚温の上昇が顕著であって、実施例1、実施例2および比較例(未着用)の間に大きな差異はない
・22℃環境下での皮膚温変化は、
・・終了時点において、比較例(未着用)に対して、実施例3は約1.2℃の差、実施例2は約1.0℃の差、実施例1は約0.8℃の差
図9(C)から、足背部の皮膚温については、以下のことが考察される。
・28℃環境下での皮膚温変化は、
・・実施例1〜3および比較例(未着用)の間にほとんど差異はないが、実施例3の皮膚温がやや上昇
・22℃環境下での皮膚温変化は、
・・終了時点において、比較例(未着用)に対して、実施例2は約0.8℃の差、実施例1および実施例3は約0.3℃の差
これらの考察結果を図10に纏めて示す。この第1の評価試験においては、図10(B)に示す手背部における皮膚温変化に着目した。図10(B)に示すように、22℃環境下の終了時点において、比較例(未着用)に対して、実施例3は約1.2℃の差、実施例2は約1.0℃の差、実施例1は約0.8℃の差を生じさせることが明らかとなり、腹部保温帯11で腹部および腰部を保温することにより、少なくとも0.8℃(実施例1)の手背部の皮膚温上昇を確認することができた。
すなわち、腹部保温帯11を備えたパジャマ100は、腹部保温帯11を備えないパジャマに対して、室温28℃環境下で15分経過した後に室温22℃環境下へ移動して20分経過した後の手背部の皮膚温度が1±0.2℃以上高い(0.8℃〜1.2℃高い)ことが明らかになった。
この第1の評価試験を纏めると、比較例と比較した実施例1〜実施例3の間で、手背部の皮膚温の上昇・低下は少し変動も見られるものの、概ねクロー値が大きいものほど保温の効果も大きい傾向にあった。
手背部の皮膚温の時間推移と温度差とから、実施例1であれば保温効果は発揮できると
推測した。すなわち、体感で温度識別が可能な最小差異がおおよそ1℃と言われている。皮膚温で約1℃(実施例1の0.8℃)の差があれば末梢が保温されていることを体感できると考えた。そして、上述した式(1)および/または実施例1の物性から、生地厚さが0.9mm以上であれば、このような末梢(ここでは手背部)が保温されていることを体感できる保温効果があると推測できた。
なお、参考として、図11に、第1の評価試験(皮膚温変化)の結果である、手足のサーモグラフィ(熱分布図)を示す。この図11の22℃着用20分の比較例(未着用)と実施例1〜実施例3とを比較すると、手先端の皮膚温は、比較例が実施例よりも低温であることがわかる。
[第2の評価試験(心拍変動)]
次に、腹部および腰部と腹部保温帯11で保温した場合の心拍変動を評価した。この第2の評価試験を行った試料について説明する。図3および図4に示した、試料(5)を腹部保温帯11に用いたパジャマ100を実施例4として、腹部保温帯11を備えないパジャマを比較対象(未着用)として、図12に示す測定環境等で被験者の心電図等を主観評価で示したタイミングで測定した。なお、呼吸統制しないで、測定中は閉眼安静状態で、1日1サンプルとした。
この第2の評価試験(心拍変動)の結果として、図13に数値が大きい方が副交感神経活性が高いRR間隔を、図14に数値が小さい方が副交感神経活性が高いCV−RR間隔を、図15に数値が大きい方が副交感神経活性が高いHF成分を、図16に数値が小さい方が副交感神経活性が高いLF/HF成分を、それぞれ示す。
図13から、RR間隔は、実施例4の方が比較例よりも大きくなっており、副交感神経活性が高まっていると考えられる。特に、図13(A)に示すRR間隔=1−3minおよび図13(B)に示すRR間隔=3−5minとも統計的に顕著な差があり、腹部・腰部を保温する効果があると言える。なお、RR間隔=3−5minの方が効果がより現れていると言えるため、時間が長いほど体熱を蓄えて保温できるのではないかと推測することができる。
図14から、CV−RRは、実施例4の方が比較例よりも数値が小さくなっているが、統計的に顕著な差はみられない。いずれも健常者の正常値内に収まっている。なお、CV−RRは、疾患の評価に利用されることが多い(数値が低すぎると神経系疾患の疑い有り)評価値である。
図15および図16から、HF成分およびLF/HFについては、HF成分は実施例4の方が比較例よりも数値が大きい傾向があり(ただし、分散が大きいため統計的に顕著な差はみられない)、LF/HFも分散が大きいため統計的に顕著な差はみられないが、実施例4の方が比較例よりも数値が低い傾向がみられた。
この第2の評価試験を纏めると、比較例と比較した実施例4の測定結果を踏まえると、腹部保温帯11により腹部および腰部を保温することにより、温熱的ストレスは軽減される傾向にある。特に、RR間隔では統計的にも顕著な差がみられ効果があると言える。
[第3の評価試験(皮膚温変化)]
上述した第1の評価試験に加えて、腹部および腰部と腹部保温帯11で保温し、かつ、足首部保温帯13で踝を含む足首を保温した場合の皮膚温の変化(特に末梢部である手背部および足背部の皮膚温の変化)を評価した。
この第3の評価試験は、クロー値が0.2程度のベアスムース編地で構成された腹部保温帯11および足首部保温帯13を備えるパジャマ100を実施例5として、腹部保温帯11および足首部保温帯13を備えないパジャマを比較例(保温帯なし)として、図17に示す測定環境等で被験者の各部の皮膚温を測定した。
図18に、この第3の評価試験(皮膚温変化)の結果として、(A)25℃着用15分後の主観評価を、(B)20℃着用15分後の主観評価を、それぞれ示す。なお、5が「非常に暖かい」、4が「やや暖かい」、3が「どちらともいえない」、2が「やや寒い」、1が「非常に寒い」である。
図18(A)および図18(B)から、いずれの時点においても、比較例(保温帯なし
)よりも実施例5の方が暖かいと感じている。
図19に、この第3の評価試験(皮膚温変化)の結果として、着用前を0とした(A)腹部、(B)手背(手甲)部、(C)足背(足甲)部の皮膚温変化量を示す。
図19(A)から、腹部の皮膚温については、20℃環境下での皮膚温変化は、終了時点において、比較例(保温帯なし)に対して、実施例5は約0.2℃の差であることが考察される。
図19(B)から、手背部の皮膚温については、20℃環境下での皮膚温変化は、終了時点において、比較例(保温帯なし)に対して、実施例5は約0.4℃の差であることが考察される。
図19(C)から、足背部の皮膚温については、20℃環境下での皮膚温変化は、終了時点において、比較例(保温帯なし)に対して、実施例5は約0.7℃の差であることが考察される。
これらの考察結果を図20に纏めて示す。この第3の評価試験においては、図20(C)に示す足背部における皮膚温変化に着目した。図20(C)に示すように、20℃環境下の終了時点において、比較例(保温帯なし)に対して、実施例5は約0.7℃の差を生じさせることが明らかとなり、足首部保温帯13で踝を含む足首を保温することにより、少なくとも0.7℃(実施例5)の足背部の皮膚温上昇を確認することができた。なお、ここで、第1の評価試験において、腹部および腰部と腹部保温帯11で保温し、足首部保温帯13で踝を含む足首を保温していない場合に、足背部に顕著な保温効果を認められなかったことから、足背部の保温効果は、足首部保温帯13により主として発現されるものと考えることができる。
すなわち、足首部保温帯13を備えたパジャマ100は、足首部保温帯13を備えないパジャマに対して、室温25℃環境下で15分経過した後に室温20℃環境下へ移動して15分経過した後の足背部の皮膚温度が1±0.3℃以上高いことが明らかになった。
足背部の皮膚温の時間推移と温度差とから、実施例5であれば保温効果は発揮できると推測した。すなわち、体感で温度識別が可能な最小差異がおおよそ1℃と言われている。皮膚温で約1℃(実施例5の0.7℃)の差があれば末梢が保温されていることを体感できると考えた。そして、上述した式(1)および実施例5の物性であるクロー値が0.2であることから、生地厚さが2.4mm以上であれば、このような末梢(ここでは足背部)が保温されていることを体感できる保温効果があると推測できるため、生地厚さが2.4mm以上3mm以下であれば、特に好ましい。
[実施形態に係るパジャマの作用効果]
以上のようにして、本実施の形態に係るパジャマによると、保温帯の生地厚さが3mmを超えないで、かつ、ウエストベルトもないので着心地を損なわない効果、腹部保温帯および/または足首部保温帯により、末梢の手背部および/または足背部が保温されていることを体感できる程度に保温することができるので速やかに入眠できる効果、を実現することができる。
ここで、第1の評価試験〜第3の評価試験から導き出された結果である、保温帯の生地厚みが手足末梢を保温性する観点から0.9mm程度以上必要(であって着心地の観点からは3mm程度以下)であることについては、腹部保温帯11および足首部保温帯13(ならびに手首部保温帯24および身頃保温帯)に当てはまることである。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、就寝に着用したり部屋着としての着用したりするパジャマに好適であり、手先や足先の末梢を保温でき、かつ、着用感が好ましい、パジャマに特に好適である。
10 ボトムス(ズボン、パンツ、下衣)
11 腹部保温帯
12 脚部
13 足首部保温帯
14 足口ゴム
20 トップス(上衣)
21 身頃
22 衿部
23 長袖部
24 手首部保温帯
100 パジャマ

Claims (8)

  1. ウエスト部の上端縁に連設され、少なくとも腹部および腰部を覆う長さを備え、伸縮性を有する生地で構成された円筒形状の腹部保温帯と、
    両足の裾端に連設され、少なくとも踝を覆う長さを備え、伸縮性を有する生地で構成された円筒形状の足首部保温帯とを有し、
    前記足首部保温帯には、前記生地とは別体の伸縮性部材が前記円筒形状の長手方向に沿って設けられ、
    前記足首部保温帯は、前記伸縮性部材を伸ばして前記足首部保温帯により踝が覆われる第1の態様と前記伸縮性部材を伸ばさないで前記足首部保温帯により踝が覆われない第2の態様とが前記伸縮性部材により切替可能に構成されたことを特徴とするボトムスを含むパジャマ。
  2. 前記第1の態様は、前記足首部保温帯により足指が覆われることなく踝が覆われることを特徴とする請求項1に記載のパジャマ。
  3. 前記ボトムスは、前記第2の態様を保持する保持手段を前記伸縮性部材以外に備えないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパジャマ。
  4. 前記ボトムスは、ウエストゴムを備えないことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のパジャマ。
  5. 前記足首部保温帯は、シャーリング加工されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のパジャマ。
  6. 前記腹部保温帯および/または前記足首部保温帯の生地厚みは、0.9mm以上であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載のパジャマ。
  7. 前記腹部保温帯および/または前記足首部保温帯の生地厚みは、3mm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載のパジャマ。
  8. 前記腹部保温帯および/または前記足首部保温帯の生地は、ポリウレタンベア糸を交編した編地であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載のパジャマ。
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