JP6094077B2 - オイルポンプシステム - Google Patents

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Description

本発明は、ベーンポンプを備えるオイルポンプシステムに関するものである。
ベーンポンプについて、例えば、特開2010−196682号公報(特許文献1)に記載されたものがある。このベーンポンプは、外部へ供給する作動流体の流量を制御する流量制御弁を備える。さらに、ポンプ室から吐出される作動流体は、絞りを介して、ベーンの背圧室に導く通路を備える。また、ポンプ室から吐出される作動流体の少なくとも一部は、常に外部へ供給される状態となっている。
また、特開2008−286108号公報(特許文献2)には、ベーンポンプと電動オイルポンプを備えるオイルポンプシステムについて記載されており、車両のアイドルストップ時に電動オイルポンプを駆動するとされている。
特開2010−196682号公報 特開2008−286108号公報
停止していたベーンポンプを始動させて、ベーンポンプから吐出される作動流体を高圧にするためには、ベーン背圧室の作動流体を高圧にすることにより、ポンプ室を区画することが必要となる。しかしながら、ポンプ室から吐出される作動流体は常に外部へ流出しているため、ポンプ室から吐出される作動流体をベーン背圧室に供給するとしても、ベーンポンプの始動直後において、高圧の作動流体を出力するまでには時間を要する。特に、低温時には、作動流体が高粘度となるため、始動後に高圧の作動流体を出力するまでにはより時間を要する。
また、アイドルストップ時に電動オイルポンプを駆動させ、アイドルストップを終了してエンジンを再始動させるときにベーンポンプを再始動するオイルポンプシステムにおいては、ベーンポンプの始動が頻繁に行われるため、ベーンポンプの始動性能の向上が求められる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ベーンポンプの始動性能を良好にすることができるオイルポンプシステムを提供することを目的とする。
(請求項1)本手段に係るオイルポンプシステムは、ベーンにより区画されたポンプ室、前記ベーンを径方向外側へ押し出すための背圧室、作動流体を吸入する吸入ポートおよび前記作動流体を吐出する吐出ポートを備えるベーンポンプと、スプールの位置に応じて前記ポンプ室から外部へ供給される前記作動流体の流量を制御する流量制御弁と、前記流量制御弁の戻りポートから前記吸入ポート側へ前記作動流体を流通させる戻り通路と、前記吐出ポートから前記流量制御弁の入口ポートへ前記作動流体を流通させる吐出通路と、前記吐出通路から前記背圧室へ前記作動流体を流通させる背圧通路と、前記流量制御弁内の前記作動流体を前記流量制御弁の出口ポートから前記外部へ出力する出力通路と、を備える。前記スプールは、前記流量制御弁のハウジング内において軸方向に移動可能に設けられ、前記ベーンポンプの駆動時において、前記作動流体を前記流量制御弁の前記戻りポートから前記吸入ポート側へ流通させることなく前記出口ポートから前記外部へ流通させる流量非制御状態と、前記作動流体を前記流量制御弁の前記入口ポートから前記出口ポートへ流通させつつ前記戻りポートから前記吸入ポート側へ流通させる流量制御状態とを切り替える。さらに、前記ベーンポンプの停止時には、前記入口ポート、前記出口ポートおよび前記戻りポートの間で前記作動流体の流通を遮断する流通遮断状態に切り替える。さらに、前記出口ポートは、前記ハウジングのうち前記スプールの周面に対向する位置に形成され、前記流通遮断状態において、前記スプールの周面によって前記出口ポートを閉塞する。
(請求項2)また、前記スプールは、前記流通遮断状態において前記ベーンポンプが始動した後に、前記入口ポートにおける前記作動流体の圧力が設定値以上になった場合に、前記流通遮断状態から前記流量非制御状態に切り替えてもよい。
(請求項3)また、前記出力通路は、絞り形成されることでチョーク機能を有するようにしてもよい。
(請求項)また、前記オイルポンプシステムは、車両のアイドルストップ時に、前記流量制御弁の前記出力通路を介して前記外部へ作動流体を出力する電動オイルポンプを備え、前記車両のアイドルストップ時において、前記電動オイルポンプが駆動しているとき、前記スプールは前記流通遮断状態とされるようにしてもよい。
(請求項1)本手段によれば、ベーンポンプの駆動時において、流量制御弁のスプールは、流量非制御状態と流量制御状態とを切り替える。つまり、流量非制御状態と流量制御状態とにより、流量制御弁を介して出口ポートから外部へ出力される高圧の作動流体の流量が制御される。
また、ベーンポンプの停止時には、スプールは、入口ポート、出口ポートおよび戻りポートの間での作動流体の流通を遮断する流通遮断状態にしている。つまり、流通遮断状態において、入口ポートから出口ポートへ流通することもなく、入口ポートから戻りポートへ流通することもない。従って、ベーンポンプが始動した直後において、吐出ポートから吐出される作動流体は、流量制御弁の出口ポートから外部へ流出せず、入口ポートから戻りポートへ流通することもない。つまり、吐出される作動流体は、吐出通路と背圧通路に滞留することになる。そのため、背圧通路内の作動流体は直ちに高圧になり、高圧状態のポンプ室を直ちに区画することができる。従って、低温時であっても、ベーンポンプの始動直後に直ちに高圧の作動流体を吐出することができる。このように、本手段によれば、始動性能を良好にすることができる。
さらに、流通遮断状態において、スプールの周面によって出口ポートを閉塞することで、確実に出口ポートを閉塞することができる。つまり、入口ポートと出口ポートとの間、および、出口ポートと戻りポートとの間の流通遮断状態を確実に形成できる。
(請求項2)ベーンポンプが始動した後に入口ポートにおける作動流体の圧力が設定値以上になった場合に、流通遮断状態から流量非制御状態に切り替えられることで、確実に始動直後における背圧室を高圧にすることができる。
(請求項3)出力通路がチョークとして機能することで、流通遮断状態には、スプールによる出口ポートの閉塞に加えて出力通路のチョーク機能とにより、より確実に流通遮断状態を形成することができる。さらに、出力通路がチョーク機能を有することで、流量制御状態において、出力通路に出力する作動流体の流量を確実に制御できる。
(請求項)アイドルストップを終了してベーンポンプを再始動する際の始動性能を良好にすることができる。さらに、車両のアイドルストップ時に電動オイルポンプが駆動する際、スプールによって流通遮断状態にすることで、電動オイルポンプから吐出される作動流体が、ベーンポンプのポンプ室および吸入ポート側へ漏れることを防止できる。従って、アイドルストップ時に供給される作動流体を所望の流量にすることができる。また、漏れ流量を低減できることで、電動オイルポンプの容量を小さくすることができ、燃費向上を図ることができる。
本発明の実施形態におけるオイルポンプシステムの概要図である。 図1のオイルポンプシステムを構成するベーンポンプおよび流量制御弁の詳細構成図である。また、流量制御弁が流通遮断状態にある場合を示す。 図2の流量制御弁が流量非制御状態にある場合を示す。 図2の流量制御弁が流量制御状態にある場合を示す。 図2のオイルポンプシステムにおいて、電動オイルポンプの駆動時に、電動オイルポンプから吐出される作動流体の漏れ経路を示す図である。
(オイルポンプシステムの概要)
本発明の実施形態のオイルポンプシステムについて、図面を参照して説明する。まず、オイルポンプシステムの概要について図1を参照して説明する。オイルポンプシステムは、アイドルストップを実行可能な車両に適用され、オイルパン2から吸入した作動流体を変速機1に供給する。
オイルポンプシステムは、図1に示すように、エンジン10の出力軸(クランクシャフト)の回転力によって駆動されるベーンポンプ20と、ベーンポンプ20から変速機1(外部機器)へ供給される作動流体の流量を制御する流量制御弁30と、ベーンポンプ20が停止中にモータ40の出力軸の回転力によって駆動されて変速機1へ作動流体を供給する電動オイルポンプ50とを備える。
エンジン10の駆動時には、ベーンポンプ20が駆動することによって作動流体を変速機1へ供給し、電動オイルポンプ50は停止している。一方、アイドルストップ時には、エンジン10が停止しているため、ベーンポンプ20は駆動しない。このとき、電動オイルポンプ50が駆動することによって、作動流体を変速機1へ供給する。
流量制御弁30は、ベーンポンプ20の吐出ポートと変速機1との間に介在しており、ベーンポンプ20の吐出ポートから吐出される作動流体を、流量制御弁30の内部を通過させて、変速機1側へ出力する。また、流量制御弁30は、流量制御状態においては、ベーンポンプ20から吐出された作動流体の一部を吸入ポート側へ戻すように作用する。
(ベーンポンプおよび流量制御弁の詳細)
次に、ベーンポンプ20および流量制御弁30の詳細構成について、図2〜図4を参照して説明する。図2に示すように、ベーンポンプ20は、円盤状のロータ21と、複数のベーン22と、カムリング23と、サイドプレート(図示せず)とを備える。ロータ21は、エンジン10の出力軸に連結される。ロータ21には、等角度間隔に径方向に延びるように複数のベーン収納溝21aが形成されている。各ベーン収納溝21aに、各ベーン22が出没可能に収納される。また、ベーン収納溝21aの径方向内側端には、ベーン22を径方向外側へ押し出すためのベーン背圧室21bが形成されている。
カムリング23は、楕円形状の内周面を有し、ロータ21が回転可能となるようにロータ21を取り囲む。つまり、ロータ21の外周面とカムリング23の内周面との距離は、位相によって異なる。サイドプレートは、カムリング23の軸方向両面から挟むように設けられ、ロータ21とカムリング23との対向空間を形成している。そして、ベーン22が径方向外側に押し出されることにより、ベーン22の先端がカムリング23の内周面に摺接し、ベーン22の側縁はサイドプレートに摺接する。従って、複数のベーン22によって、ロータ21とカムリング23との対向空間を周方向に複数のポンプ室25を区画する。ここで、ベーン背圧室21bの圧力がポンプ室25の圧力より高い場合に、ベーン22が径方向外側へ押し出され、ポンプ室25が確実に区画される。
また、サイドプレートの端面には、ロータ21の回転によって容積が拡大するポンプ室25に対応する位置に、一対の吸入ポート26が形成されている。さらに、サイドプレートの端面には、ロータ21の回転によって容積が縮小するポンプ室25に対応する位置に、一対の吐出ポート27が形成されている。さらに、サイドプレートの端面には、ベーン背圧室21bに開口するように環状の背圧溝28が形成される。
流量制御弁30は、筒状の弁ハウジング31と、弁ハウジング31の内部を軸方向に移動可能なスプール32と、弁ハウジング31の軸方向一端を閉塞するキャップ33と、スプール32とキャップ33との間に介装されておりキャップ33に対してスプール32を弁ハウジング31の軸方向底部31t側へ付勢するスプリング34とを備える。スプール32の先端側(弁ハウジング31の軸方向底部31t側)は、基端側(キャップ33側)に比べて、小径に形成されている。なお、ここでは、弁ハウジング31は、筒状としたが、ベーンポンプ20のハウジング(図示せず)に一体的に形成されるようにしてもよい。
そして、弁ハウジング31の周面には、入口ポート31a、出口ポート31b、戻りポート31c、および、背面ポート31dが形成されている。入口ポート31aは、弁ハウジング31の周面のうち軸方向底部31t側(反キャップ33側)に形成されている。この入口ポート31aは、図2に示すように、スプール32が弁ハウジング31の底部31tに押し付けられている状態においても、スプール32によって閉塞されず、常に弁ハウジング31の内部に対して開口されている。
出口ポート31bは、弁ハウジング31の周面のうち、入口ポート31aよりも弁ハウジング31の底部31tから遠ざかる位置に形成されている。この出口ポート31bは、図2に示すように、スプール32が弁ハウジング31の底部31tに押し付けられている状態において、スプール32の周面に対向する位置に形成されている。従って、当該状態において、出口ポート31bは、スプール32によって閉塞される。一方、図3および図4に示すように、スプール32がスプリング34に抗して弁ハウジング31の底部31tから離れる状態においては、出口ポート31bは、弁ハウジング31の内部に対して開口される。
戻りポート31cは、弁ハウジング31の周面のうち、出口ポート31bよりも弁ハウジング31の底部31tから遠ざかる位置に形成されている。この戻りポート31cは、図2に示すように、スプール32が弁ハウジング31の底部31tに押し付けられている状態において、スプール32の周面に対向する位置に形成されることによって閉塞される。さらに、戻りポート31cは、図3に示すように、出口ポート31bが開口するようにスプール32が位置する状態においても、スプール32の周面によって閉塞される。そして、戻りポート31cは、図4に示すように、スプール32がスプリング34に抗してキャップ33に近づく状態または接触する状態においては、弁ハウジング31の内部に対して開口される。
背面ポート31dは、弁ハウジング31の周面のうち最もキャップ33に近い位置に形成されている。この背面ポート31dは、スプール32がどの位置に位置する状態においても、スプール32の基端側に形成されている。
次に、ベーンポンプ20、流量制御弁30および電動オイルポンプ50とを接続する通路について、図2を参照して説明する。接続通路には、図2に示すように、吸入通路61、吐出通路62、背圧通路63、戻り通路64、出力通路65、背面通路66がある。
吸入通路61は、ベーンポンプ20の吸入ポート26とオイルパン2とを連通しており、ベーンポンプ20が駆動するときにオイルパン2内の作動流体を吸入ポート26へ流通させる通路である。吐出通路62は、ベーンポンプ20の吐出ポート27と流量制御弁30の入口ポート31aとを連通しており、ベーンポンプ20が駆動するときに吐出ポート27から吐出される高圧の作動流体を入口ポート31aへ流通させる通路である。
背圧通路63は、吐出通路62から分岐されて背圧室21bに連通しており、吐出通路62を流通する高圧の作動流体を背圧室21bへ流通させる通路である。戻り通路64は、流量制御弁30の戻りポート31cとベーンポンプ20の吸入ポート26とを連通しており、ベーンポンプ20の吐出ポート27から吐出された作動流体を吸入ポート26側へ流通させる通路である。
出力通路65は、流量制御弁30の出口ポート31bから外部機器である変速機1に作動流体を出力する通路である。つまり、出力通路65は、ベーンポンプ20から吐出された作動流体を、吐出通路62、入口ポート31a、弁ハウジング31の内部を通過して、出口ポート31bから出力される作動流体を変速機1へ供給する。この出力通路65は、絞り形成されることでチョーク機能を有する。出力通路65は、出力通路65の流路断面積を調整することにより、所望のチョーク機能を発揮することができる。
背面通路66は、出力通路65から分岐されて背面ポート31dに連通している。従って、出口ポート31bから絞り通路としての出力通路65を通過した作動流体が背面ポート31dに供給される。
(流量制御弁の動作)
次に、流量制御弁30の動作について図2〜図5を参照して説明する。流量制御弁30のスプール32は、位置に応じて、流量非制御状態、流量制御状態および流通遮断状態を切り替える。
まず、図3に示すように、スプール32が流量非制御状態にある場合について説明する。流量非制御状態とは、流量制御弁30において、入口ポート31aと出口ポート31bが開口しており、戻りポート31cが閉塞している状態である。この状態は、例えばエンジン10が低回転で駆動している状態である。このとき、エンジン10の回転力が伝達されることで、ベーンポンプ20が低速で駆動する。そうすると、ベーンポンプ20の吐出ポート27から高圧の作動流体が吐出される。高圧の作動流体は、吐出ポート27から吐出通路62を通過して、流量制御弁30の入口ポート31aから弁ハウジング31の内部に入る。入口ポート31aにおける作動流体は設定値以上の圧力であるため、スプリング34に抗してスプール32がキャップ33側へ移動する。そうすると、出口ポート31bが開口される状態となり、弁ハウジング31の内部の作動流体は、出力通路65を介して変速機1へ流通する。
ここで、ベーンポンプ20の回転数が低いため、吐出される作動流体の流量は少ない。そうすると、出力通路65および背面通路66の圧力損失は小さいため、弁ハウジング31の内部において、出口ポート31b付近と背面ポート31d付近の圧力差は小さい。そのため、スプール32は、出口ポート31bを開口するものの、戻りポート31cを開口する状態には至らない。このように、エンジン10が低回転の場合には、スプール32が流量非制御状態となり、ベーンポンプ20から吐出された作動流体全てが出力通路65を介して変速機1へ供給される。
続いて、図4に示すように、スプール32が流量制御状態にある場合について説明する。流量制御状態とは、流量制御弁30において、入口ポート31a、出口ポート31bおよび戻りポート31cが開口している状態である。この状態は、例えばエンジン10が高回転で駆動している状態である。このとき、ベーンポンプ20は高速で駆動する。そうすると、作動流体は、吐出ポート27、吐出通路62、入口ポート31a、弁ハウジング31の内部、出口ポート31bおよび出力通路65を通過して、変速機1へ流通する。
ここで、ベーンポンプ20の回転数が高い場合には、吐出される作動流体の流量が多くなる。そうすると、出力通路65および背面通路66の圧力損失が大きくなるため、弁ハウジング31の内部において、出口ポート31b付近が背面ポート31d付近に比べて高圧となる。そのため、スプール32は、スプリング34に抗してさらにキャップ33側へ移動し、出口ポート31bのみならず戻りポート31cを開口する状態となる。
従って、入口ポート31aを通過した作動流体の一部は、出口ポート31bから出力通路65を介して変速機1へ流通するが、作動流体の残りは、戻りポート31cから戻り通路64を介して吸入ポート26側へ流通する。このように、エンジン10が高回転の場合には、スプール32が流量制御状態となり、所望流量の作動流体が出力通路65を介して変速機1へ供給される。
続いて、図2に示すように、スプール32が流通遮断状態にある場合について説明する。流通遮断状態とは、流量制御弁30において、スプール32により出口ポート31bおよび戻りポート31cが閉塞されている状態である。この状態は、エンジン10が停止中であるアイドルストップの状態である。このとき、ベーンポンプ20は停止しているため、電動オイルポンプ50を駆動させることで、電動オイルポンプ50から変速機1へ作動流体を供給する。
ベーンポンプ20は駆動していないため、ベーンポンプ20の吐出ポート27から吐出通路62を介して流量制御弁30に作動流体が流通することはない。一方、電動オイルポンプ50から吐出される作動流体は、出力通路65を介して変速機1へ供給される。そのため、電動オイルポンプ50から吐出される作動流体は、出力通路65および背面通路66を介して、背面ポート31dからスプール32の背面側に流入する。
そうすると、流量制御弁30の背面ポート31d付近が入口ポート31a付近に比べて高圧となる。そのため、スプール32は、スプリング34の付勢力に加えて、背面側の作動流体の圧力の作用によって、弁ハウジング31の底部31tに押し付けられる状態になる。つまり、スプール32は、入口ポート31a、出口ポート31bおよび戻りポート31cの間で作動流体の流通を遮断する。そして、スプール32は、出口ポート31bを閉塞すると共に、戻りポート31cを閉塞する。
出口ポート31bがスプール32の周面によって閉塞されるため、電動オイルポンプ50から吐出される作動流体は、流量制御弁30の出口ポート31bからベーンポンプ20側へ逆流することはほとんどない。
しかし、実際には、ベーンポンプ20および流量制御弁30には種々のクリアランスが存在する。そのため、電動オイルポンプ50から吐出される作動流体の一部は、流量制御弁30側へ漏れることになる。このことについて、図5を参照に詳細に説明する。
図5に示すように、電動オイルポンプ50から吐出される作動流体の大部分は、出力通路65を介して変速機1へ流通する。ここで、流量制御弁30において、出口ポート31bは、スプール32の周面が対向する位置に形成されている。そして、スプール32は弁ハウジング31に対して軸方向に移動可能でなければならない。そのため、スプール32の周面が出口ポート31bを閉塞する状態であっても、スプール32と出口ポート31bとの間には、微小なクリアランスCL1が存在する。
さらに、ベーンポンプ20においては、ベーン22とベーン収納溝21aとの間のクリアランスCL2、ベーン22とサイドプレートとの間のクリアランスCL3、吸入ポート26と吐出ポート27がアンダーラップとなる場合にはその開口部分CL4が、吐出通路62と吸入ポート26側とを連通する経路となる。
従って、電動オイルポンプ50から吐出される作動流体の一部が、吸入ポート26へ漏れる状態となる。しかし、漏れ通路としての第一の関門であるクリアランスCL1を通過しなければ、ベーンポンプ20におけるクリアランスCL2,CL3,CL4などが存在するとしても漏れない。従って、ベーンポンプ20が停止中において、出力通路65から作動流体が漏れる量を非常に少なくできる。従って、アイドルストップ時に供給される作動流体を所望の流量にすることができる。さらに、漏れ流量を低減できることで、電動オイルポンプ50の容量を小さくすることができ、燃費向上を図ることができる。
次に、アイドルストップを終了してエンジン10が再始動する場合の流量制御弁30の動作について図2を参照して説明する。アイドルストップ時には、上述したように、スプール32は、流通遮断状態となる。この状態からベーンポンプ20が駆動し始めると、オイルパン2の作動流体が、吸入ポート26からポンプ室25に吸入される。続いて、吐出ポート27から吐出通路62へ作動流体が出力される。そして、作動流体は、流量制御弁30の入口ポート31aに流通する。
このとき、スプール32は流通遮断状態であるため、吐出ポート27から吐出される作動流体は、出口ポート31bから外部へ流出することもなく、戻りポート31cから吸入ポート26側へ流出することもない。つまり、吐出ポート27から吐出される作動流体は、吐出通路62および吐出通路62に連通している背圧通路63にて滞留する。そのため、背圧通路63内の作動流体は直ちに高圧になり、高圧状態のポンプ室25を直ちに区画することができる。従って、ベーンポンプ20の始動直後において、直ちに高圧の作動流体を吐出することができる。これは、作動流体が高粘度化する低温時においても、同様である。
そして、吐出される作動流体が高圧になって、入口ポート31aにおける作動流体が設定値以上の高圧になると、スプリング34の付勢力に抗してスプール32をキャップ33側へ移動させる。そうすると、出口ポート31bが開口して、スプール32は、流量非制御状態(図3に示す)に切り替わる。このように、本実施形態によれば、ベーンポンプ20の始動性能を良好にすることができる。
また、上述したように、出口ポート31bを弁ハウジング31の周面に形成し、流通遮断状態において、スプール32の周面によって出口ポート31bを閉塞することとした。これにより、確実に出口ポート31bをスプール32によって閉塞することができる。つまり、入口ポート31aと出口ポート31bとの間、および、出口ポート31bと戻りポート31cとの間の流通遮断状態を確実に形成できる。
また、出力通路65がチョークとして機能することで、流通遮断状態には、スプール32による出口ポート31bの閉塞に加えて出力通路65のチョーク機能とにより、より確実に流通遮断状態を形成することができる。さらに、出力通路65がチョーク機能を有することで、流量制御状態において、出力通路65に出力する作動流体の流量を確実に制御できる。
1:変速機(外部)、 20:ベーンポンプ、 21b:ベーン背圧室(背圧室)、 22:ベーン、 25:ポンプ室、 26:吸入ポート、 27:吐出ポート、 30:流量制御弁、 31:弁ハウジング、 31a:入口ポート、 31b:出口ポート、 31c:戻りポート、 32:スプール、 50:電動オイルポンプ、 61:吸入通路、 62:吐出通路、 63:背圧通路、 64:戻り通路、 65:出力通路

Claims (4)

  1. ベーンにより区画されたポンプ室、前記ベーンを径方向外側へ押し出すための背圧室、作動流体を吸入する吸入ポートおよび前記作動流体を吐出する吐出ポートを備えるベーンポンプと、
    スプールの位置に応じて前記ポンプ室から外部へ供給される前記作動流体の流量を制御する流量制御弁と、
    前記流量制御弁の戻りポートから前記吸入ポート側へ前記作動流体を流通させる戻り通路と、
    前記吐出ポートから前記流量制御弁の入口ポートへ前記作動流体を流通させる吐出通路と、
    前記吐出通路から前記背圧室へ前記作動流体を流通させる背圧通路と、
    前記流量制御弁内の前記作動流体を前記流量制御弁の出口ポートから前記外部へ出力する出力通路と、
    を備え、
    前記スプールは、
    前記流量制御弁のハウジング内において軸方向に移動可能に設けられ、
    前記ベーンポンプの駆動時において、前記作動流体を前記流量制御弁の前記戻りポートから前記吸入ポート側へ流通させることなく前記出口ポートから前記外部へ流通させる流量非制御状態と、前記作動流体を前記流量制御弁の前記入口ポートから前記出口ポートへ流通させつつ前記戻りポートから前記吸入ポート側へ流通させる流量制御状態とを切り替えると共に、
    前記ベーンポンプの停止時には、前記入口ポート、前記出口ポートおよび前記戻りポートの間で前記作動流体の流通を遮断する流通遮断状態に切り替え
    前記出口ポートは、前記ハウジングのうち前記スプールの周面に対向する位置に形成され、
    前記流通遮断状態において、前記スプールの周面によって前記出口ポートを閉塞する、オイルポンプシステム。
  2. 前記スプールは、前記流通遮断状態において前記ベーンポンプが始動した後に、前記入口ポートにおける前記作動流体の圧力が設定値以上になった場合に、前記流通遮断状態から前記流量非制御状態に切り替える、請求項1に記載のオイルポンプシステム。
  3. 前記出力通路は、絞り形成されることでチョーク機能を有する、請求項1又は2に記載のオイルポンプシステム。
  4. 前記オイルポンプシステムは、車両のアイドルストップ時に、前記流量制御弁の前記出力通路を介して前記外部へ作動流体を出力する電動オイルポンプを備え、
    前記車両のアイドルストップ時において、前記電動オイルポンプが駆動しているとき、前記スプールは前記流通遮断状態とされる、請求項1−3の何れか一項のオイルポンプシステム。
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