JP2010127214A - ベーンポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】始動特性が良好なベーンポンプを提供すること。
【解決手段】ロータ2を収容するカムリング4と、ポンプ吐出圧によってロータ2から突出してカムリング4の内周に当接し、カムリング4内に複数のポンプ室7を画成するベーン3と、ポンプ室7から吐出され油圧機器10に供給される作動流体の流量を制御する流量制御装置102とを備え、流量制御装置102は、可変絞り弁20の前後差圧に応じて供給通路12の作動流体をポンプ吸込側に戻す流量調整弁21と、可変絞り弁20をバイパスしてポンプ室7と油圧機器10とをつなぐバイパス通路24に介装され、ポンプ室7から吐出される作動流体の圧力に応じて開口面積が変化する可変バイパス弁23とを備え、可変バイパス弁23は、ベーンポンプ100が停止する過程で可変絞り弁20及び流量調整弁21が全閉となったときに開口面積が減少し、ベーンポンプ100の停止後に開口面積が最大となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ベーンポンプに関するものであり、特には、ベーンポンプから油圧機器に供給される作動流体の流量を制御する流量制御装置を備えるベーンポンプに関するものである。
従来のベーンポンプにおいて、ロータに対して径方向に往復動可能に設けられた複数のベーンを備え、ベーンはポンプ吐出圧が導かれる背圧室の圧力によってロータから突出し、ベーン先端部がカムリングの内周に当接するものが知られている。
また、従来の流量制御装置において、ベーンポンプから吐出される作動油を油圧機器に導く供給通路に介装される可変絞り弁と、可変絞り弁の前後差圧に応じて供給通路の作動油をポンプ吸込側に戻す流量調整弁とを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の流量制御装置では、ベーンポンプの停止時には、スプールがシート面に着座して、可変絞り弁及び流量調整弁が全閉となる。
特開2005−112280号公報
ベーンポンプ停止状態で、可変絞り弁及び流量調整弁が全閉となり、ベーンポンプが密閉された場合において、ベーンポンプ内部の作動油の温度が上昇した場合には、作動油が熱膨張して内圧が上昇してしまう。したがって、ベーンポンプが停止し、可変絞り弁及び流量調整弁が全閉となった場合でも、ベーンポンプが密閉状態とならないようにする必要がある。そこで、スプールが着座するシート面に溝を形成し、ベーンポンプの停止状態においても、溝を通じてベーンポンプと油圧機器との連通を維持し、ベーンポンプが密閉状態とならないように構成したものがある。
ここで、ベーンポンプの始動時から安定して作動油を吐出するためには、ベーンポンプの始動時においてベーンの先端部がカムリングの内周に当接していることが望ましい。つまり、ベーンがロータから突出した状態でベーンポンプが停止することが望ましい。
しかし、スプールが着座するシート面に溝が形成されている場合には、溝を通じてベーンポンプと油圧機器とが常時連通しているため、ベーンポンプの停止直前には、ポンプ吐出圧が立たない。したがって、ベーンポンプは、ベーンがロータから突出した状態で停止せず、始動時に安定して作動油を吐出することができないという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、始動特性が良好なベーンポンプを提供することを目的とする。
本発明は、駆動軸に連結されたロータと、前記ロータを収容するカムリングと、ポンプ吐出圧によって前記ロータから突出して前記カムリングの内周に当接し、当該カムリング内に複数のポンプ室を画成するベーンと、前記ロータの回転に伴う前記ポンプ室の拡縮によって吐出され油圧機器に供給される作動流体の流量を制御する流量制御装置と、を備えるベーンポンプであって、前記流量制御装置は、前記ポンプ室から吐出される作動流体を油圧機器に導く供給通路に介装され、作動流体に抵抗を付与する可変絞り弁と、前記可変絞り弁の前後差圧に応じて前記供給通路の作動流体をポンプ吸込側に戻す流量調整弁と、前記可変絞り弁をバイパスして前記ポンプ室と前記油圧機器とをつなぐバイパス通路に介装され、前記ポンプ室から吐出される作動流体の圧力に応じて開口面積が変化する可変バイパス弁と、を備え、前記可変バイパス弁は、ベーンポンプが停止する過程で前記可変絞り弁及び前記流量調整弁が全閉となったときに開口面積が減少し、ベーンポンプの停止後に開口面積が最大となることを特徴とする。
本発明によれば、可変バイパス弁は、ベーンポンプが停止する過程で可変絞り弁及び流量調整弁が全閉となったときに開口面積が減少するため、ベーンポンプの停止直前でもポンプ吐出圧が立つ。したがって、ベーンポンプは、ベーンがロータから突出した状態で停止するため、始動時に安定して作動油を吐出することが可能となり、始動特性は良好なものとなる。また、可変バイパス弁は、ベーンポンプの停止後に開口面積が最大となるため、ベーンポンプの停止状態においてポンプ室と油圧機器とが連通し、ポンプ室が密閉状態となることがない。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1及び図2を参照して、本発明の実施の形態に係るベーンポンプ100について説明する。図1はベーンポンプ100の構成図であり、図2はベーンポンプ100のポンプカートリッジの平面図である。
ベーンポンプ100は、車両に搭載される油圧機器10、例えば、パワーステアリング装置や変速機等の油圧供給源として用いられるものである。
図1に示すように、ベーンポンプ100は、作動油(作動流体)を吐出するポンプカートリッジ101と、ポンプカートリッジ101から吐出され油圧機器10に供給される作動油の流量を制御する流量制御装置102とを備える。
まず、図2を参照して、ポンプカートリッジ101について説明する。図2はポンプカートリッジ101の平面図である。
ポンプカートリッジ101は、駆動軸1の端部に動力源としてのエンジン(図示せず)の動力が伝達され、駆動軸1に連結されたロータ2が回転するものである。
ポンプカートリッジ101は、ロータ2に対して径方向に往復動可能に設けられる複数のベーン3と、ロータ2を収容すると共にロータ2の回転に伴って内周のカム面4aにベーン3の先端部が摺動するカムリング4とを備える。
ロータ2には、外周面に開口部を有するスリット16が所定間隔をおいて放射状に形成され、ベーン3は、スリット16に摺動自在に挿入される。
スリット16の基端側には、ポンプ吐出圧が導かれる背圧室17が画成される。隣り合う背圧室17は、ロータ2に形成された円弧状の溝2aによって連通し、この溝2aにはポンプ吐出圧が常時導かれている。ベーン3は、背圧室17の圧力によってスリット16から飛び出る方向に押圧され、先端部がカムリング4の内周のカム面4aに当接する。これにより、カムリング4の内部には、ロータ2の外周面、カムリングのカム面4a、及び隣り合うベーン3によって複数のポンプ室7が画成される。
カムリング4は、内周のカム面4aが楕円形状をした環状の部材であり、カムリング4の内部には、隣り合うベーン3によって仕切られた複数のポンプ室7が画成される。カムリング4は、ポンプ室7の容積を拡張する吸込領域と、ポンプ室7の容積を収縮する吐出領域とを有する。本実施の形態では、カムリング4は、2つの吸込領域と2つの吐出領域とを有する。
ロータ2及びカムリング4の一側面にはポンプカバー(図示せず)が当接して配置され、他側面にはサイドプレート6が当接して配置される。このように、ポンプカバーとサイドプレート6は、ロータ2及びカムリング4の両側面を挟んだ状態で配置され、ポンプ室7を密閉する。
ポンプカバーにおけるロータ2が摺動する面には、カムリング4の吸込領域に向けて開口し、ポンプ室7に作動油を導く円弧状の2つの吸込ポートが形成される。
サイドプレート6におけるロータ2が摺動する面には、カムリング4の吐出領域に向けて開口し、ポンプ室7が吐出する作動油が導かれる円弧状の2つの吐出ポート9が形成される。
各ポンプ室7は、ロータ2の回転に伴って、カムリング4の吸込領域にて吸込ポートを通じて作動油を吸込み、カムリング4の吐出領域にて吐出ポート9を通じて作動油を吐出する。このように、各ポンプ室7は、ロータ2の回転に伴う拡縮によって作動油を給排する。
吐出ポート9には、ポンプ室7から吐出される作動油を油圧機器10に導く供給通路12(図1参照)が接続され、吐出ポート9を通じて吐出された作動油は、供給通路12を通じて油圧機器10に導かれる。また、吐出ポート9を通じて吐出された作動油の一部は、サイドプレート6に形成された貫通孔6aを通じてロータ2の円弧状の溝2aに導かれて各背圧室17へと導かれる。このように、ベーン3は、ポンプ吐出圧によってロータ2のスリット16から飛び出る方向に押圧される。
次に、図1を参照して、流量制御装置102について説明する。
流量制御装置102は、供給通路12に介装され作動油に抵抗を付与する可変絞り弁20と、可変絞り弁20の前後差圧に応じて供給通路12の作動油をポンプ吸込側に戻す流量調整弁21と、可変絞り弁20より下流側に設けられたリリーフ弁22と、可変絞り弁20をバイパスしてポンプ室7と油圧機器10とをつなぐバイパス通路24に介装された可変バイパス弁23とを備える。
可変絞り弁20、流量調整弁21、及びリリーフ弁22は、第1バルブボディ27の内部に収装され、第1バルブボディ27の開口部にはキャップ28が螺着される。
第1バルブボディ27には、スプール30が摺動自在に挿入されるスプール孔31と、カムリング4の吐出ポート9に連通するポンプポート32と、タンク34に作動油を排出する戻り通路35に連通する戻りポート33とが形成される。
キャップ28には、供給通路12の一部を構成し、先端の開口部がポンプポート32に連通する貫通孔37が形成される。キャップ28の先端面38は、スプール30が当接するシート面として機能する。
スプール30の先端側には、ポンプポート32に連通し、ポンプカートリッジ101のポンプ室7から吐出される作動油が導かれる上流側室42が画成される。また、スプール30の背面側にはスプリング室39が画成され、スプリング室39にはスプール30をキャップ28に向けて付勢するスプリング40が収装される。
スプール30の先端には、キャップ28の貫通孔37に挿入され、先端に向かって拡径されたテーパロッド41が形成される。スプール30の移動に伴ってテーパロッド41が貫通孔37の先端開口部に対して相対移動し、貫通孔37の先端開口部の開口面積が変化する。テーパロッド41と、テーパロッド41の移動によって開口面積が変化する貫通孔37の開口部とで可変絞り弁20が構成される。
可変絞り弁20は、上流側室42に臨んで設けられ、供給通路12を流れる作動油に抵抗を付与する。可変絞り弁20の下流側に画成された下流側室44は、通孔43を介してスプリング室39に連通している。このように、スプール30の一端には、可変絞り弁20の上流側の圧力が作用し、他端には、可変絞り弁20の下流側の圧力が作用する。したがって、スプール30は、可変絞り弁20の前後差圧に基づく荷重とスプリング40の付勢力とが釣り合った位置にてバランスする。
ポンプ室7から吐出される作動油の流量が多く、可変絞り弁20の前後差圧が大きくなると、スプール30はスプリング40を圧縮する方向へ移動し、スプール30のランド部30aが戻りポート33を開放する。これにより、ポンプポート32が上流側室42を通じて戻りポート33と連通し、ポンプ室7から吐出される作動油の一部が戻り通路35へと還流する。戻り通路35へと還流する作動油の流量は、可変絞り弁20の前後差圧が大きい程、スプール30の移動量が大きくなり、戻りポート33の開口面積が大きくなるため多くなる。つまり、ポンプ室7から吐出される作動油の流量が多い程多くなる。スプール30と、スプール30の移動によって開口面積が変化する戻りポート33の開口部とで流量調整弁21が構成される。
リリーフ弁22は、可変絞り弁20の下流側の圧力が所定値に達した場合に、スプール30内に収装されたスプリング45が圧縮されて開弁するものである。リリーフ弁22が開弁した場合には、可変絞り弁20の下流側の作動油は、下流側室44、通孔43、スプリング室39、リリーフ弁22、戻りポート33の順に流れ、戻り通路35へと逃がされる。
次に、可変絞り弁20及び流量調整弁21の動作について説明する。
ポンプ回転数の低速域では、可変絞り弁20の前後差圧が小さいため、流量調整弁21は閉弁状態であり、ポンプ回転数に比例した作動油が油圧機器10へと供給される。
ポンプ回転数が中速域に達すると、可変絞り弁20の前後差圧によって流量調整弁21が開弁し、上流側室42に流入する作動油の一部がポンプ回転数の増大に応じて戻り通路35へと還流する。このため、可変絞り弁20を通じて油圧機器10に供給される作動油の流量は略一定に保たれる。
ポンプ回転数が高速域に達すると、可変絞り弁20の前後差圧が大きくなるため、スプール30はスプリング40を圧縮して移動する。これにより、貫通孔37の開口部の開口面積は、テーパロッド41の移動によって次第に減少し、油圧機器10に供給される作動油の流量は次第に減少する。
また、ポンプ回転数がゼロとなるベーンポンプ100の停止時には、スプリング40の付勢力によってスプール30がキャップ28の先端面38に着座する。これにより、可変絞り弁20が全閉となると共に、スプール30のランド部30aによって戻りポート33が閉塞され流量調整弁21も全閉となる。
ここで、ベーンポンプ100の始動時、つまり、ロータ2の回転開始時から安定して作動油を吐出するためには、ロータ2の回転開始時においてベーン3の先端部がカムリング4のカム面4aに当接していることが望ましい。つまり、ベーン3がロータ2から突出した状態でロータ2が停止することが望ましく、そのためには、ロータ2の回転が止まる直前までポンプ吐出圧が立ち、背圧室17に圧力が導かれている必要がある。
また、ベーンポンプ100が停止し、可変絞り弁20及び流量調整弁21が全閉となった後は、ポンプ内部の作動油の熱膨張による内圧の上昇等を防ぐため、ポンプ室7が密閉状態とならないようにする必要がある。つまり、ベーンポンプ100の停止状態において、ポンプ室7と油圧機器10とを連通状態とする必要がある。
このように、ベーンポンプ100の始動特性と停止状態における安全性とを考慮して、ベーンポンプ100の停止直前までポンプ吐出圧が立つようにすると共に、ベーンポンプ100の停止状態ではポンプ室7と油圧機器10とを連通状態とする必要がある。これを達成するために、流量制御装置102は可変バイパス弁23を備えている。
次に、主に図3〜図5を参照して、可変バイパス弁23について説明する。図3はベーンポンプ100の通常運転時における可変バイパス弁23の断面図であり、図4はベーンポンプ100が停止する過程の可変バイパス弁23の断面図であり、図5はベーンポンプ100の停止後における可変バイパス弁23の断面図である。
可変バイパス弁23は、第1バルブボディ27に連結された第2バルブボディ50の内部に収装され、第2バルブボディ50の開口部にはキャップ51が螺着される。
可変バイパス弁23は、上流側室42と下流側室44とをつなぎ、第1バルブボディ27に形成されたバイパス通路24(図1参照)に介装される。つまり、可変バイパス弁23は、可変絞り弁20の上流側と下流側とをつなぐバイパス通路24に介装される。
第2バルブボディ50には、バイパス通路24を通じて上流側室42と連通する供給ポート50aと、バイパス通路24を通じて下流側室44と連通する排出ポート50bとが形成される。可変バイパス弁23は、供給ポート50aから排出ポート50bへの作動油の流れを制御するものである。
可変バイパス弁23は、第2バルブボディ50に形成された摺動孔57に摺動自在に挿入され、上流側室42の作動油の圧力に応じて移動可能な可動式シート部材52と、キャップ51に形成された摺動孔53に摺動自在に挿入され、上流側室42の作動油の圧力に応じて移動可能なポペット54とを備える。
可動式シート部材52は、上流側室42に連通する貫通路58を有し、貫通路58の下流側開口部に環状のシート部52aが形成される。また、可動式シート部材52の胴部には、排出ポート50bに連通する排出路59が形成される。
ポペット54は、胴部に環状に形成された弁体部54aを有し、弁体部54aが可動式シート部材52のシート部52aに対向した状態で配置される。
ポペット54の弁体部54aが可動式シート部材52のシート部52aに着座することによって、上流側室42から下流側室44への作動油の流れが遮断される。また、弁体部54aがシート部52aから離座することによって、供給ポート50aと排出ポート50bとが可動式シート部材52に形成された貫通路58及び排出路59を通じて連通し、上流側室42から下流側室44への作動油の流れが許容される。つまり、可動式シート部材52に対するポペット54の相対位置が変化することによって、可変バイパス弁23の開口面積が変化する。
可動式シート部材52とキャップ51との間には第1スプリング55が介装される。第1スプリング55は、可動式シート部材52を上流側室42の圧力に抗して、かつ可変バイパス弁23の開口面積が増加する方向に付勢する。このように、可動式シート部材52は、上流側室42の圧力による荷重と第1スプリング55の付勢力とが釣り合った位置にてバランスする。
また、ポペット54とキャップ51との間には第2スプリング56が介装される。第2スプリング56は、ポペット54を上流側室42の圧力に抗して、かつ可変バイパス弁23の開口面積が減少する方向に付勢する。このように、ポペット54は、上流側室42の圧力による荷重と第2スプリング56の付勢力とが釣り合った位置にてバランスする。
このように、可変バイパス弁23は、ポンプ室7から吐出される作動油の圧力である上流側室42の圧力に応じて、可動式シート部材52とポペット54との相対位置が変化し、開口面積が変化するものである。
可動式シート部材52は、第1スプリング55が圧縮する方向に移動した場合に、キャップ51に当接して、それ以上の移動を規制する第1ストッパ部52bと、第1スプリング55が伸長する方向に移動した場合に、摺動孔57の内壁57aに当接して、それ以上の移動を規制する第2ストッパ部52cとを備える。
ポペット54は、第2スプリング56が圧縮する方向に移動した場合に、キャップ51に当接して、それ以上の移動を規制する第1ストッパ部54bと、第2スプリング56が伸長する方向に移動した場合に、摺動孔57の内壁57aに当接して、それ以上の移動を規制する第2ストッパ部54cとを備える。
可動式シート部材52の第1ストッパ部52bとポペット54の第1ストッパ部54bとは、双方がキャップ51に当接した状態(図3に示す状態)では、弁体部54aがシート部52aから離れ、上流側室42と下流側室44とが連通するように設定される。つまり、第1スプリング55及び第2スプリング56の最圧縮状態では、上流側室42から下流側室44への作動油の流れが許容された状態となる。
また、可動式シート部材52の第2ストッパ部52cとポペット54の第2ストッパ部54cとは、双方が摺動孔57の内壁57aに当接した状態(図5に示す状態)でも、弁体部54aがシート部52aから離れ、上流側室42と下流側室44とが連通するように設定される。つまり、第1スプリング55及び第2スプリング56の最伸長状態でも、上流側室42から下流側室44への作動油の流れが許容された状態となる。
第2スプリング56のバネ定数は、ベーンポンプ100の通常運転時には最圧縮状態となり、ベーンポンプ100が停止する過程で可変絞り弁20及び流量調整弁21が全閉となったときに伸長を開始するように設定される。
また、第1スプリング55のバネ定数は、第2スプリング56と比較して小さい値に設定される。したがって、第1スプリング55は、ベーンポンプ100の通常運転時には第2スプリング56と同様に最圧縮状態となり、ベーンポンプ100が停止する過程で可変絞り弁20及び流量調整弁21が全閉となったときには、第2スプリング56の伸長開始から遅れて伸長を開始することになる。
このように、第1スプリング55及び第2スプリング56は、ベーンポンプ100の通常運転時には最圧縮状態であり、ベーンポンプ100が停止する過程で可変絞り弁20及び流量調整弁21が全閉となって伸長するものであり、バネ定数は非常に小さい値に設定される。
次に、図3〜図5を参照して、可変バイパス弁23の動作について説明する。
図3に示すように、ベーンポンプ100の通常運転時には、第1スプリング55及び第2スプリング56は最圧縮状態となり、可動式シート部材52の第1ストッパ部52bとポペット54の第1ストッパ部54bとは、双方ともキャップ51に当接する。この状態では、ポペット54の弁体部54aは、可動式シート部材52のシート部52aから離れた状態で、可変バイパス弁23の開口面積は最大となる。
このように、ベーンポンプ100の通常運転時には、可変バイパス弁23の開口面積は最大となるが、バイパス通路24及び可変バイパス弁23での圧力損失は、供給通路12及び可変絞り弁20での圧力損失と比較して非常に大きい。そのため、ベーンポンプ100の通常運転時に、バイパス通路24を流れる作動油の流量は極僅かであり、流量調整弁21による作動油の流量制御に影響を及ぼすことはない。
ベーンポンプ100が停止する過程では、ポンプ回転数が低下してポンプ吐出流量が減少し、可変絞り弁20の前後差圧が小さくなるため、ベーンポンプ100の停止直前に、可変絞り弁20及び流量調整弁21は全閉となる。可変絞り弁20及び流量調整弁21が全閉となることによって、ポンプ室7から吐出される作動油の流れは、バイパス通路24のみとなる。
ここで、第2スプリング56は、可変絞り弁20及び流量調整弁21が全閉となったときに、最圧縮状態から伸長を開始する一方、第1スプリング55は、第2スプリング56と比較してバネ定数が小さいため、可変絞り弁20及び流量調整弁21が全閉となっても最圧縮状態を維持する。したがって、可変絞り弁20及び流量調整弁21が全閉となることによって、図4に示すように、ポペット54のみが移動を開始し、ポペット54の弁体部54aは、可動式シート部材52のシート部52aに近づき、可変バイパス弁23の開口面積は減少する。
これにより、ポンプ室7の圧力の低下が抑えられるため、背圧室17の圧力の低下も抑えられる。
ポンプ回転数がさらに低下すると、第1スプリング55も最圧縮状態から伸長を開始する。これにより、可動式シート部材52もポペット54と同方向に移動するが、可変バイパス弁23の開口面積は小さい面積に維持される。したがって、この間、背圧室17の圧力は略一定に保たれる。この状態は、ポンプ回転数がゼロになるまで維持される。
ポンプ回転数がゼロとなり、ベーンポンプ100が完全に停止すると、まず、ポペット54の第2ストッパ部54cが摺動孔57の内壁57aに当接することによって、ポペット54の移動が規制される。その後、可動式シート部材52は移動を継続するため、可変バイパス弁23の開口面積は、可動式シート部材52の移動に伴い増加する。
可動式シート部材52は、第2ストッパ部52cが摺動孔57の内壁57aに当接することによって、移動が規制される。このように、ベーンポンプ100の停止後に、第1スプリング55及び第2スプリング56は最伸長状態となり、可変バイパス弁23の開口面積が最大となる。
以上のように、可変バイパス弁23は、ベーンポンプ100の停止直前まで小さい開口面積に維持され、ベーンポンプ100の停止後に最大開口面積となる。したがって、ベーンポンプ100の停止直前でも、ポンプ吐出圧が立った状態を維持し、背圧室17の圧力の低下が抑えられるため、ベーンポンプ100はベーン3がロータ2から突出した状態で停止する。そして、ベーンポンプ100の停止後は、可変バイパス弁23の開口面積は最大となるため、ポンプ室7と油圧機器10とが連通し、ポンプ室7が密閉状態となることがない。
ベーンポンプ100は、ベーン3がロータ2から突出した状態で停止するため、次回の始動時には、安定して作動油を吐出することが可能となり、始動特性は良好なものとなる。
以上の本実施の形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。
可変バイパス弁23は、ベーンポンプ100が停止する過程で、可変絞り弁20及び流量調整弁21が全閉となったときに開口面積が減少するため、ベーンポンプ100の停止直前でもポンプ吐出圧が立つ。したがって、ベーンポンプ100は、ベーン3がロータ2から突出した状態で停止するため、始動時に安定して作動油を吐出することが可能となり、始動特性は良好なものとなる。また、可変バイパス弁23は、ベーンポンプ100の停止後に開口面積が最大となるため、ベーンポンプ100の停止状態においてポンプ室7と油圧機器10とが連通し、ポンプ室7が密閉状態となることがない。
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
例えば、上記実施の形態では、第1スプリング55は、ポンプ回転数がゼロとなる前から伸長を開始すると説明した。しかし、第1スプリング55は、ポンプ回転数がゼロとなったときに、つまり、ベーンポンプ100が停止したときに伸長を開始するように、そのバネ定数を設定するようにしてもよい。このように設定すれば、ポンプ回転数がゼロになる直前まで、可変バイパス弁23の開口面積は小さい面積に維持され、ポンプ吐出圧が立った状態を維持することができる。
本発明に係るベーンポンプは、車両用のパワーステアリング装置や変速機等の油圧供給源に適用することができる。
本発明の実施の形態に係るベーンポンプの構成図である。 ポンプカートリッジの平面図である。 ベーンポンプの通常運転時における可変バイパス弁の断面図である。 ベーンポンプが停止する過程の可変バイパス弁の断面図である。 ベーンポンプの停止後における可変バイパス弁の断面図である。
符号の説明
1 駆動軸
2 ロータ
4 カムリング
7 ポンプ室
10 油圧機器
12 供給通路
16 スリット
17 背圧室
20 可変絞り弁
21 流量調整弁
23 可変バイパス弁
24 バイパス通路
42 上流側室
44 下流側室
52 可動式シート部材
52a シート部
52b 第1ストッパ部
52c 第2ストッパ部
54 ポペット
54a 弁体部
54b 第1ストッパ部
54c 第2ストッパ部
55 第1スプリング
56 第2スプリング
100 ベーンポンプ
101 ポンプカートリッジ
102 流量制御装置

Claims (3)

  1. 駆動軸に連結されたロータと、
    前記ロータを収容するカムリングと、
    ポンプ吐出圧によって前記ロータから突出して前記カムリングの内周に当接し、当該カムリング内に複数のポンプ室を画成するベーンと、
    前記ロータの回転に伴う前記ポンプ室の拡縮によって吐出され油圧機器に供給される作動流体の流量を制御する流量制御装置と、を備えるベーンポンプであって、
    前記流量制御装置は、
    前記ポンプ室から吐出される作動流体を油圧機器に導く供給通路に介装され、作動流体に抵抗を付与する可変絞り弁と、
    前記可変絞り弁の前後差圧に応じて前記供給通路の作動流体をポンプ吸込側に戻す流量調整弁と、
    前記可変絞り弁をバイパスして前記ポンプ室と前記油圧機器とをつなぐバイパス通路に介装され、前記ポンプ室から吐出される作動流体の圧力に応じて開口面積が変化する可変バイパス弁と、を備え、
    前記可変バイパス弁は、
    ベーンポンプが停止する過程で前記可変絞り弁及び前記流量調整弁が全閉となったときに開口面積が減少し、
    ベーンポンプの停止後に開口面積が最大となることを特徴とするベーンポンプ。
  2. 前記可変バイパス弁は、
    前記ポンプ室から吐出される作動流体の圧力に応じて移動可能な可変シート部材と、
    前記ポンプ室から吐出される作動流体の圧力に応じて移動可能であり、前記可変シート部材との相対位置が変化することによって前記開口面積が変化するポペットと、
    前記可変シート部材を前記ポンプ室の圧力に抗して、かつ前記開口面積が増加する方向に付勢する第1スプリングと、
    前記ポペットを前記ポンプ室の圧力に抗して、かつ前記開口面積が減少する方向に付勢する第2スプリングと、を備え、
    前記第2スプリングのバネ定数は、ベーンポンプが停止する過程で前記可変絞り弁及び前記流量調整弁が全閉となったときに伸長を開始するように設定され、
    前記第1スプリングのバネ定数は、前記第2スプリングと比較して小さい値に設定されることを特徴とする請求項1に記載のベーンポンプ。
  3. 前記第1スプリングのバネ定数は、ベーンポンプが停止したときに伸長を開始するように設定されることを特徴とする請求項2に記載のベーンポンプ。
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