JP6093606B2 - モータ駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、永久磁石同期モータを駆動するモータ駆動装置に関する。
複数の相巻線を有するステータおよび複数の永久磁石を有するロータからなる永久磁石同期モータ(ブラシレスDCモータともいう)が知られている。この永久磁石同期モータを駆動するモータ駆動装置は、各相巻線に対する電力供給用のインバータを備え、起動時、各相巻線を初期位置決めのために励磁してロータの位置決めを行う。この位置決めの後、ロータ軸上の界磁軸(d軸)座標に換算された界磁成分電流(d軸電流)Idを各相巻線に印加して強制転流を行う。そして、起動の完了後、各相巻線に流れる電流(相電流)を検出し、その検出電流に基づいてロータ速度(=角速度)を推定し、この推定ロータ速度と目標速度との偏差に基づく演算により界磁成分電流の目標値およびトルク成分電流の目標値を求め、この目標値と上記検出電流との偏差に基づく演算によりモータにおける界磁成分電圧およびトルク成分電圧を求め、この界磁成分電圧およびトルク成分電圧に基づいてインバータのスイッチングを制御するいわゆるセンサレス・ベクトル制御を行う。このセンサレス・ベクトル制御では、各種指令値すなわち目標値を決定するためのフォードバック制御演算に比例・積分制御(PI制御)や比例・積分・微分制御(PID制御)等を用いる。
このような永久磁石同期モータを圧縮機に搭載し、圧縮機の回転速度を可変して冷凍や空調能力を可変するヒートポンプ式の冷凍サイクル装置が知られている。この冷凍サイクル装置では、室外熱交換器を蒸発器として機能させる暖房や加温運転時に、室外熱交換器に霜が徐々に付着し、そのままでは室外熱交換器の熱交換作用を損なってしまう。この対策として、定期的または必要に応じて冷媒の流れを逆方向に切換えるいわゆる逆サイクル除霜が行なわれる。
特開平05−15193号公報
このような冷凍サイクル装置において、暖房や加温運転中に冷凍サイクルの冷媒の流れを逆方向に切換えて除霜運転に移行するとき、冷凍サイクルの高圧側と低圧側が切り替わるため、圧縮機を駆動するモータにかかる負荷が急激に変動する。この急激な負荷変動が生じる運転状況は低速度から中速度の運転域であり、この運転域では急激な負荷変動を受けてモータの運転が停止しないよう、各目標値設定のフィードバック制御において通常とは異なる感度の制御ゲインを設定する必要がある。
ただし、制御ゲインをはじめとする各種制御データのチューニングは主に圧縮機ではなくモータ単体としてトルク試験機等を用いて実施するため、チューニングで求めた制御ゲインの最適値が実機(圧縮機)において必ずしも最適値とならない場合がある。また、製品の出荷当初は最適値であっても、経年変化や環境変化に伴って最適値でなくなることもある。こうなると、負荷の急激な変動に対応できず、圧縮機を駆動するモータが負荷変動に追従できず、最悪の場合、停止に至る可能性がある。
本発明の実施形態の目的は、急激な負荷変動があった場合でもその負荷変動に応答性よく追従し、停止することなくモータ駆動が可能な信頼性にすぐれたモータ駆動装置を提供することである。
請求項1のモータ駆動装置は、スイッチングにより交流電圧を得てそれをヒートポンプ式冷凍サイクルの圧縮機を駆動するモータへの駆動電力として出力するインバータと、第1制御手段と、第2制御手段とを備える。第1制御手段は、前記モータにおける各相電流から界磁成分電流およびトルク成分電流を検出し、この検出電流から比例・積分制御演算により前記モータのロータ速度を推定し、この推定ロータ速度と目標速度との偏差の比例・積分制御演算により前記界磁成分電流の目標値および前記トルク成分電流の目標値を求め、この目標値と前記検出電流との偏差の比例・積分制御演算により前記モータにおける界磁成分電圧およびトルク成分電圧を求め、この界磁成分電圧およびトルク成分電圧に基づいて前記インバータのスイッチングを制御する。第2制御手段は、前記モータの負荷に急激な変動が生じない通常運転時、前記各比例・積分制御演算の比例制御ゲインおよび積分制御ゲインを通常運転用の比例制御ゲインおよび積分制御ゲインに設定し、前記ヒートポンプ式冷凍サイクルの冷媒の流れが逆方向に切換わって前記モータの負荷が急激に変動するとき、前記各比例・積分制御演算の比例制御ゲインおよび積分制御ゲインを前記通常運転用の比例制御ゲインおよび積分制御ゲインよりも感度の高い負荷変動時用の比例制御ゲインおよび積分制御ゲインに設定し、この負荷変動時用の比例制御ゲインおよび積分制御ゲインの設定後、前記各比例・積分制御演算のうち少なくとも1つの比例・積分制御演算の比例制御ゲインまたは積分制御ゲインを、その比例・積分制御演算の入力となる偏差が小さくなる方向に更新する。
一実施形態に関わる空気調和機のヒートポンプ式冷凍サイクルの構成を示す図。 一実施形態の制御回路のブロック図。 一実施形態の主制御部が実行する制御を示すフローチャート。 一実施形態における制御ゲインの山登り法による探索の様子を示す図。 一実施形態における比例制御ゲインの更新の推移の例を示す図。 一実施形態における積分制御ゲインの更新の推移の例を示す図。 一実施形態における比例制御ゲインの更新の推移が異常である場合の例を示す図。
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。
当該モータ駆動装置の適用例である空気調和機のヒートポンプ式冷凍サイクルの構成を図1に示す。圧縮機1が吐出する冷媒は、暖房運転時、実線矢印で示すように、四方弁2を通って室内熱交換器3に流れ、その室内熱交換器3を経た冷媒が膨張弁4を介して室外熱交換器5に流れる。室外熱交換器5を経た冷媒は、四方弁2を通って圧縮機1に吸い込まれる。つまり、室内熱交換器3が凝縮器、室外熱交換器5が蒸発器として機能する。なお、室内熱交換器3の近傍に室内ファン6を配置し、室外熱交換器5の近傍に室外ファン7を配置している。
空調制御部10は、四方弁2、室内ファン6、および室外ファン7など、空気調和機全体を制御する。とくに、空調制御部10は、暖房運転時、蒸発器として機能する室外熱交換器5の着霜状態を温度センサを用いて監視し、室外熱交換器5の着霜量が所定以上となったときに四方弁2を切換えて冷媒の流れを図1中波線方向となるように逆方向に切換え、圧縮機1の吐出冷媒が室外熱交換器5に直接流れる除霜運転を例えば所定時間(5分程度)にわたり実行する。
この空調制御部10に、本実施形態のモータ駆動装置11を接続する。モータ駆動装置11は、圧縮機1の駆動モータ(圧縮機モータ)である永久磁石同期モータ(ブラシレスDCモータともいう)を駆動するもので、図2の構成を有する。
図2に示すように、商用交流電源12の交流電圧をダイオードブリッジ13および平滑コンデンサ14からなる整流回路15で直流電圧に変換する。この直流電圧をスイッチング回路16のスイッチングにより所定周波数の交流電圧に変換し、その交流電圧を永久磁石同期モータ20に駆動電力として供給する。整流回路15およびスイッチング回路16により、インバータを構成している。
永久磁石同期モータ20は、上記インバータの出力端に接続される入力端子21、複数の相巻線Lu,Lv,Lwを有するステータ(電機子)22、複数たとえば4つの永久磁石を4極として埋設したロータ(回転子)23を有する。
スイッチング回路16は、各々に還流用のダイオードが逆並列接続された2つのスイッチング素子を直列に接続した回路を1相分とし、その直列回路を三相分設けたもので、各相における正側スイッチング素子と負側スイッチング素子との接続点を入力端子21を介して永久磁石同期モータ20の各相巻線にそれぞれ接続する。このスイッチング回路16の出力端と永久磁石同期モータ20の入力端子21との間のU相通電路、V相通電路、W相通電路に、永久磁石同期モータ20の相巻線Lu,Lv,Lwに流れる電流(相電流)を検知する電流センサである電流トランス31,32,33を配置する。この電流トランス31,32,33の出力をコントロールユニット40に供給する。
コントロールユニット40は、主制御部41、記憶部42、外部機器接続用の入出力インタフェース43を有するとともに、第1制御手段としてセンサレス・ベクトル制御部50を有する。
センサレス・ベクトル制御部50は、電流検出部51、速度推定演算部52、積分部53、減算部54、速度制御部55、演算部56、減算部57,58、電流制御部(第1電流制御部)61、電流制御部(第2電流制御部)62、PWM信号生成部63を含む。
電流検出部51は、電流トランス31,32,33の検知電流から、永久磁石同期モータ20におけるロータ軸上の界磁軸(d軸)座標およびトルク軸(q軸)座標にそれぞれ換算された界磁成分電流(d軸電流ともいう)Idおよびトルク成分電流(q軸電流ともいう)Iqを検出する。
速度推定演算部52は、電流検出部51で検出した界磁成分電流Idおよびトルク成分電流Iqに基づく演算により永久磁石同期モータ20のロータ速度ωestを推定する。具体的には、界磁成分電流Id、トルク成分電流Iq、後述の電流制御部61,62で求める界磁成分電圧Vd,トルク成分電圧Vqを用いる演算により永久磁石同期モータ20における界磁成分速度起電力(d軸速度起電力という)Edを推定し、このd軸速度起電力Edの比例・積分制御(PI制御)演算に基づいて推定ロータ速度ωestを求める。
積分部53は、速度推定演算部52で求めた推定ロータ速度ωestを積分することにより、推定ロータ位置θestを得る。この推定ロータ位置θestを電流検出部51およびPWM信号生成部63に供給する。減算部54は、空調制御部10から指令される目標速度ωrefから推定ロータ速度ωestを減算することにより、目標速度ωrefと推定ロータ速度ωestの速度偏差を得る。
速度制御部55は、減算部54で得た速度偏差を比例・積分制御(PI制御)演算することにより、トルク成分電流Iqの目標値Iqrefを求める。演算部56は、トルク成分電流Iqの目標値Iqrefから界磁成分電流Idの目標値Idrefを求める。減算部57は、目標値Idrefから界磁成分電流Idを減算することにより、目標値Idrefと界磁成分電流Idとの偏差ΔIdを得る。減算部58は、目標値Iqrefからトルク成分電流Iqを減算することにより、目標値Iqrefとトルク成分電流Iqとの偏差ΔIqを得る。
電流制御部61は、偏差ΔIdの比例・積分制御(PI制御)演算により、永久磁石同期モータ20におけるロータ軸上のd軸座標に換算した界磁成分電圧Vdを求める。電流制御部62は、偏差ΔIqの比例・積分制御(PI制御)演算により、永久磁石同期モータ20におけるロータ軸上のq軸座標に換算したトルク成分電圧Vqを求める。
PWM信号生成部51は、界磁成分電圧Vd、トルク成分電圧Vq、および推定ロータ位置θestに応じて、スイッチング回路16に対するスイッチング信号である、パルス幅変調信号(PWM信号という)を生成する。このPWM信号により、スイッチング回路16の各スイッチング素子がオン,オフ動作し、永久磁石同期モータ20の各相巻線に対する駆動電圧Vu,Vv,Vwがスイッチング回路16から出力される。
このセンサレス・ベクトル制御部50において、界磁成分電圧Vdおよびトルク成分電圧Vqは次の式で表わされる。
Vd=(R+PLd)・Id−ω・Lq・Iq+Ed
Vq=ω・Ld・Id+(R+PLq)・Iq+Eq
Rは電機子抵抗、Pは微分(=d/dt)、ωはモータ軸の電気的回転速度、Lqはステータ22のq軸インダクタンス、Edはd軸速度起電力(界磁成分速度起電力)、Ldはステータ22のd軸インダクタンス、Eqはq軸速度起電力(トルク成分速度起電力;=ω・φ)である。なお、電機子抵抗Rは、インバータの出力が3相変調の場合、1つの相巻線の抵抗の2倍の値が用いられ、また2相変調で1相(下相)100%通電方式の場合には、巻線への通電パターンとして下側が並列となることから1つの相巻線の抵抗の1.5倍の値が用いられる。
PLdとPLqは、微分項なので、定常状態では零となる。センサレス・ベクトル制御では、界磁軸(d軸)を基準にして各相巻線電流(電機子電流)が制御されるので、界磁成分速度起電力Edは基本的に零となるように制御される。
Vd=R・Id−ω・Lq・Iq
ω=(R・Id−Vd)/(Lq・Iq)
Vq=ω・Ld・Id+R・Iq+ω・φ
Vq−R・Iq=ω・Ld・Id+ω・φ
ω・(Ld・Id+φ)=Vq−R/Iq
ω=(Vq−R・Iq)/(Ld・Id+φ)
d軸の回路方程式が成り立つように、速度推定演算部52において推定ロータ速度ωestの演算を行う。一方、d軸速度起電力Edは基本的に零となるように制御するのであるが、推定ロータ速度ωestの演算のパラメータであるステータ22のq軸インダクタンスLqやd軸インダクタンスLdが実際の値と異なっていると、d軸速度起電力Edが零とならない。このd軸速度起電力Edは、推定値として、次のように求めることができる。
Ed=Vd−(Id・R−ωest・Iq・Lq)
このd軸速度起電力Edの比例・積分制御(PI制御)演算により、速度ずれ量ωerrを推定することができる。この速度ずれ量ωerrを目標速度ωrefから減算することで、推定ロータ速度ωestを得ることができる。
ωerr=PI(Ed)、 ωest=ωref−ωerr
記憶部42は、書替可能な不揮発性メモリである。この記憶部42に、速度推定部52における比例・積分制御(PI制御)演算の通常運転用の比例制御ゲインGp1・積分制御ゲインGi1および負荷変動時用の比例制御ゲインGp2・積分制御ゲインGi2、速度制御部55における比例・積分制御(PI制御)演算の通常運転用の比例制御ゲインGp3・積分制御ゲインGi3および負荷変動時用の比例制御ゲインGp4・積分制御ゲインGi4、電流制御部61における比例・積分制御(PI制御)演算の通常運転用の比例制御ゲインGp5・積分制御ゲインGi5および負荷変動時用の比例制御ゲインGp6・積分制御ゲインGi6、電流制御部62における比例・積分制御(PI制御)演算の通常運転用の比例制御ゲインGp7・積分制御ゲインGi7および負荷変動時用の比例制御ゲインGp8・積分制御ゲインGi8を記憶している。
図1のヒートポンプ式冷凍サイクルにおいて、暖房運転時、空調制御部10が四方弁2により冷媒の流れを逆方向に切換えて除霜運転(逆サイクル除霜)に移行するとき、永久磁石同期モータ20の負荷が急激に変動する。この急激な負荷変動が生じる運転状況は低速度から中速度の運転域であり、この運転域では急激な負荷変動を受けて永久磁石同期モータ20の運転が停止するおそれがある。この不要な運転停止を回避するには、通常よりも感度の高い制御ゲインを設定する必要がある。
この点を考慮し、記憶部42に記憶する比例制御ゲイン・積分制御ゲインとして、通常運転用の比例制御ゲインGp1,Gp3,Gp5,Gp7・積分制御ゲインGi1,Gi3,Gi5,Gi7だけでなく、その比例制御ゲインGp1,Gp3,Gp5,Gp7・積分制御ゲインGi1,Gi3,Gi5,Gi7よりも感度が高い負荷変動時用の比例制御ゲインGp2,Gp4,Gp6,Gp8・積分制御ゲインGi2,Gi4,Gi6,Gi8を用意している。
主制御部41は、主要な機能として次の(1)〜(5)の手段を有する。
(1)永久磁石同期モータ20の負荷に急激は変動が生じない通常運転時、具体的には空調制御部10から除霜移行通知を受けないとき、記憶部42から通常運転用の比例制御ゲインGp1,Gp3,Gp5,Gp7・積分制御ゲインGi1,Gi3,Gi5,Gi7を読出し、それを速度推定部52、速度制御部55、電流制御部61、電流制御部62にそれぞれ設定する制御手段。
(2)永久磁石同期モータ20の負荷が急激に変動するとき、すなわち空調制御部10から除霜移行通知を受けてからの所定時間tsたとえば1秒間において、記憶部42から負荷変動時用の比例制御ゲインGp2,Gp4,Gp6,Gp8・積分制御ゲインGi2,Gi4,Gi6,Gi8を読出して速度推定部52、速度制御部55、電流制御部61、電流制御部62にそれぞれ設定する制御手段。
(3)空調制御部10から除霜移行通知を受けてからの所定時間tsである1秒間において、速度推定部52、速度制御部55、電流制御部61、電流制御部62のうち少なくとも1つの比例・積分制御演算の比例制御ゲイン・積分制御ゲインを、同比例・積分制御演算の入力となる偏差が小さくなる方向に更新する制御手段(第2制御手段)。
(4)上記比例制御ゲイン・積分制御ゲインの更新の推移を記憶する記憶手段。
(5)上記比例制御ゲイン・積分制御ゲインの更新量を積算し、その積算量が予め定めた所定量以上となった場合に異常の旨を空調制御部10を通じて報知する報知手段。
つぎに、主制御部41が実行する制御を図3のフローチャートを参照しながら説明する。
永久磁石同期モータ20の負荷に急激な変動が生じない通常運転時(ステップ101のNO)、つまり空調制御部10から除霜移行通知を受けないとき、記憶部42から通常運転用の比例制御ゲインGp1,Gp3,Gp5,Gp7・積分制御ゲインGi1,Gi3,Gi5,Gi7を読出し、それを速度推定部52、速度制御部55、電流制御部61、電流制御部62にそれぞれ設定する(ステップ102)。
また、永久磁石同期モータ20の負荷が急激に変動するとき(ステップ101のYES)、つまり空調制御部10から除霜移行通知を受けたとき、記憶部42から負荷変動時用の比例制御ゲインGp2,Gp4,Gp6,Gp8・積分制御ゲインGi2,Gi4,Gi6,Gi8を読出し、それを速度推定部52、速度制御部55、電流制御部61、電流制御部62にそれぞれ設定する(ステップ103)。同時、タイムカウントtを開始する(ステップ104)。
このタイムカウントtの開始に伴い、主制御部41は、速度推定部52、速度制御部55、電流制御部61、電流制御部62のうち例えば速度制御部55の比例・積分制御演算の入力となる速度偏差(目標速度ωrefと推定ロータ速度ωestとの速度偏差)を積算する(ステップ105)。そして、この積算値が規定値以上でない場合(ステップ106のNO)、かつタイムカウントtが所定時間tsである1秒間に達しない場合(ステップ107のNO)、速度偏差の積算を繰り返す(ステップ105)。
積算値が規定値に達しないまま(ステップ106のNO)、タイムカウントtが所定時間tsに達すると(ステップ107)、急激な負荷変動が終了したとの判断の下に、タイムカウントtを“0”クリアして最初のステップ101の判定に戻る。
速度偏差の積算値が規定値に達した場合(ステップ106のYES)、速度制御部55の比例・積分制御演算に対し設定した比例制御ゲインGp4・積分制御ゲインGi4を、図4に示すように、速度制御部55の比例・積分制御演算の入力となる速度偏差が小さくなる方向に且つ予め定めた上限値と下限値の範囲内で山登り法により逐次に探索しながら更新する。
すなわち、速度偏差の変化の方向が増加方向であるか否かを判定する(ステップ109)。速度偏差の変化の方向が増加方向であるとき(ステップ109のYES)、速度制御部55の比例・積分制御演算における比例制御ゲインGp4・積分制御ゲインGi4の新たな更新方向として、前回の更新方向とは反対の方向を指定する(更新方向反転;ステップ110)。速度偏差の変化の方向が増加方向でないとき(ステップ109のNO)、速度制御部55の比例・積分制御演算における比例制御ゲインGp4・積分制御ゲインGi4の新たな更新方向として、前回の更新方向と同じ方向を指定する(更新方向維持;ステップ111)。
指定した更新方向が増加方向である場合(ステップ112のYES)、比例制御ゲインGp4・積分制御ゲインGi4を予め定めている上限値を限度として増加方向に一定量ΔGp4・ΔGi4だけ更新する(ステップ113)。指定した更新方向が減少方向である場合(ステップ109のNO)、比例制御ゲインGp4・積分制御ゲインGi4を予め定めている下限値を限度として減少方向に一定量ΔGp4・ΔGi4だけ更新する(ステップ114)。
上限値および下限値は、比例制御ゲインGp4・積分制御ゲインGi4のそれぞれに固有の値を定めている。比例制御ゲインGp4に対する上限値および下限値の例をその比例制御ゲインGp4の更新の推移と共に図5に示す。積分制御ゲインGi4に対する上限値および下限値の例をその積分制御ゲインGi4の更新の推移と共に図6に示す。他の比例制御ゲイン・積分制御ゲインについても、それぞれ固有の上限値と下限値を定めている。
一定量ΔGp4・ΔGi4の更新に伴い、その一定量ΔGp4・ΔGi4を積算するとともに(ステップ115)、比例制御ゲインGp4・積分制御ゲインGi4の更新の推移(図5・図6の推移)を更新推移データとして記憶部42に記憶する(ステップ116)。そして、積算量と所定量とを比較する(ステップ117)。積算量が所定量に達している場合(ステップ117のYES)、何らかの異常があるとの判断の下に、その異常の旨を空調制御部10を介して報知する。この報知は、空調制御部10を搭載した空気調和機の液晶表示部などを介して保守サービス員に伝わる。
この報知後、あるいは積算量が所定量に達していない場合(ステップ117のNO)、タイムカウントtが所定時間tsに達しているか否かを判定する(ステップ119)。タイムカウントtが所定時間tsに達していない場合(ステップ119のNO)、ステップ109に戻って比例制御ゲインGp4・積分制御ゲインGi4の山登り法による探索と更新を繰り返す。
タイムカウントtが所定時間tsに達した場合(ステップ119のYES)、主制御部41は、除霜運転への移行が済んで負荷の急激な変動が終了したとの判断の下に、タイムカウントtを“0”クリアするとともに(ステップ120)、最後に更新した比例制御ゲインGp4・積分制御ゲインGi4の値を次回の除霜時(負荷急変時)の初期設定用および探索始点として記憶部42に更新記憶する(ステップ121)。この場合、最後の更新方向についても記憶部42に記憶する。
図4の山登り法による探索および更新の例では、速度偏差が小さくなる方向に制御ゲインの始点(最初の設定値)が下降していき、速度偏差が最小値を超えて増加方向に転じた場合に更新方向を反転して最適値に収束していく状況を示している。
このように、冷凍サイクルの冷媒の流れを逆方向に切換えて除霜運転に移行するとき、通常運転時に設定する比例制御ゲインGp3・積分制御ゲインGi3よりも高い感度の負荷変動時用の比例制御ゲインGp4・積分制御ゲインGi4を設定し、しかもこの比例制御ゲインGp4・積分制御ゲインGi4を速度偏差が小さくなる方向に更新することにより、除霜運転の実施ごとに、比例制御ゲインGp4・積分制御ゲインGi4が最適値へと収束していく。
したがって、永久磁石同期モータ20が搭載される圧縮機1の容量や性能等のばらつきにかかわらず、また経年変化や環境変化にかかわらず、急激な負荷変動に応答性よく追従した適切なモータ駆動が可能となる。これにより、永久磁石同期モータ20の不要な運転停止を回避できるとともに、圧縮機1の効率の良い運転が可能となる。
比例制御ゲインGp4・積分制御ゲインGi4の更新の推移を更新推移データとして記憶部42に記憶しているので、保守・点検員が持つパーソナルコンピュータ等の外部機器70が入出力インタフェース43に接続された場合には、記憶部42内の更新推移データを外部機器70に出力して保守・点検員に提供することができる。
この場合、更新推移データが図5および図6のように上限値と下限値との間で緩やかに変化する場合はよいが、更新推移データが例えば図7のように上限値と下限値との間で大きく変動する場合には、何らかの異常があると判断することができる。
比例制御ゲインGp4・積分制御ゲインGi4の更新量を積算し、その積算量が所定量に達した場合に空調制御部10を介して異常を報知するので、比例制御ゲインGp4・積分制御ゲインGi4の更新が反ってモータ駆動に悪影響を与える不具合がいつまでも続く事態を防ぐことができる。
なお、上記実施形態では、速度制御部55における比例・積分制御演算の比例制御ゲインGp4・積分制御ゲインGi4を更新する場合について説明したが、比例制御ゲインGp4のみの更新、あるいは積分制御ゲインGi4のみの更新でもよい。速度制御部55における比例・積分制御演算の比例制御ゲインGp4・積分制御ゲインGi4の更新に代えて、速度推定演算部52における比例・積分制御演算の比例制御ゲインGp2・積分制御ゲインGi2、あるいは電流制御部61おける比例・積分制御演算の比例制御ゲインGp6・積分制御ゲインGi6、あるいは電流制御部62おける比例・積分制御演算の比例制御ゲインGp8・積分制御ゲインGi8を更新してもよい。また、1つの比例・積分制御演算の比例制御ゲイン・積分制御ゲインの更新に限らず、複数の比例・積分制御演算の比例制御ゲイン・積分制御ゲインを更新する構成としてもよい。また、上記実施形態において、フォードバック制御の演算において、比例・積分制御演算を用いた場合を説明したが、微分項を加えて比例・積分・微分制御(PID制御)を用いても良い。
その他、上記各実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、書き換え、変更を行うことができる。これら実施形態や変形は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…圧縮機、2…四方弁、3…室内熱交換器、5…室外熱交換器、10…空調制御部、11…モータ駆動装置、12…商用交流電源、15…整流回路、16…スイッチング回路、20…永久磁石同期モータ、22…ステータ、23…ロータ、31,32,33…電流センサ、40…コントロールユニット、41…主制御部、42…記憶部、43…入出力インタフェース、50…センサレス・ベクトル制御部、51…電流検出部、52…速度推定演算部、53…積分部、54…減算部、55…速度制御部、56…演算部、57,58…、減算部、61…電流制御部、62…電流制御部、63…PWM信号生成部

Claims (3)

  1. スイッチングにより交流電圧を得てそれをヒートポンプ式冷凍サイクルの圧縮機を駆動するモータへの駆動電力として出力するインバータと、
    前記モータにおける各相電流から界磁成分電流およびトルク成分電流を検出し、この検出電流から比例・積分制御演算により前記モータのロータ速度を推定し、この推定ロータ速度と目標速度との偏差の比例・積分制御演算により前記界磁成分電流の目標値および前記トルク成分電流の目標値を求め、この目標値と前記検出電流との偏差の比例・積分制御演算により前記モータにおける界磁成分電圧およびトルク成分電圧を求め、この界磁成分電圧およびトルク成分電圧に基づいて前記インバータのスイッチングを制御する第1制御手段と、
    前記モータの負荷に急激な変動が生じない通常運転時、前記各比例・積分制御演算の比例制御ゲインおよび積分制御ゲインを通常運転用の比例制御ゲインおよび積分制御ゲインに設定し、前記ヒートポンプ式冷凍サイクルの冷媒の流れが逆方向に切換わって前記モータの負荷が急激に変動するとき、前記各比例・積分制御演算の比例制御ゲインおよび積分制御ゲインを前記通常運転用の比例制御ゲインおよび積分制御ゲインよりも感度の高い負荷変動時用の比例制御ゲインおよび積分制御ゲインに設定し、この負荷変動時用の比例制御ゲインおよび積分制御ゲインの設定後、前記各比例・積分制御演算のうち少なくとも1つの比例・積分制御演算の比例制御ゲインまたは積分制御ゲイン、その比例・積分制御演算の入力となる偏差が小さくなる方向に更新する第2制御手段と、
    を備えることを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 前記第2制御手段は、前記負荷変動時用の比例制御ゲインおよび積分制御ゲインの設定後、前記各比例・積分制御演算のうち少なくとも1つの比例・積分制御演算の入力となる偏差を積算し、その積算値が予め定めた規定値以上となった場合に、前記少なくとも1つの比例・積分制御演算の比例制御ゲインまたは積分制御ゲインを、同比例・積分制御演算の入力となる偏差が小さくなる方向に且つ予め定めた上限値と下限値の範囲内で逐次に更新する、
    ことを特徴とする請求項記載のモータ駆動装置。
  3. 前記第2制御手段による比例制御ゲイン・積分制御ゲインの更新の推移を記憶する記憶手段と、
    前記第2制御手段による比例制御ゲイン・積分制御ゲインの更新量を積算し、その積算量が予め定めた所定量以上となった場合に異常を報知する報知手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ駆動装置。
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