JP6093458B1 - 沈設構造物の構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】沈設体を容易に地中に圧入でき、地中において沈設体を安定的に支持する。【解決手段】リング体(11)を軸線方向に重ねて連結し沈設体(1)を組み立てる工程と、リング体(11)の連結後、沈設体(1)の内側の地盤を掘削し、沈設体(1)を地中に圧入し沈設体(1)を地中に沈設する工程と、沈設体(1)の沈設後、リング体(11)よりも径の大きなリング体(21)を軸線方向に重ね連結して沈設体(2)を組み立てる工程と、リング体(21)を連結した後、沈設体(1)と沈設体(2)との間の地盤を掘削し、沈設体(2)を地中に圧入し、沈設体(1)を囲んで沈設体(2)を地中に沈設する工程と、掘削された沈設体(1)の内側から沈設体(1)の外側の地盤の硬さを調整する工程と、沈設体の沈設後に、沈設体(1)における沈設体(2)に囲まれている部分を撤去する工程とを有する。【選択図】図13

Description

本発明は、筒状の沈設体を地中に沈設して構築される沈設構造物の構築方法に関する。
立坑や橋脚補強等の沈設構造物を地中に構築するために、複数のリング体をその軸線方向に重ねて連結して沈設体を地中に圧入して沈設する沈設工法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
沈設体を地中に沈設する際には、施工場所の地表面上に刃口リングを設け、刃口リングの内側の地盤を掘削した後、刃口リングの上端を沈設装置によって地盤に向けて押圧し、刃口リングを地中に沈設していく。ある程度の深さまで刃口リングを沈設させた後、刃口リングの上端に別のリング体を連結し、組み立てられた沈設体の内側を掘削し、連結した別のリング体の上端を沈設装置によって地盤に向けて押圧し、沈設体を地中に圧入して沈設していく。このように、複数のリング体の連結による沈設体の組み立てと、地盤の掘削及び沈設体の圧入とを順に繰り返すことで、沈設体を地中に沈設することができる。
沈設体が沈設される領域に沈設に適さない硬さの地盤が存在する場合、その地盤の硬さを調整する必要がある。地盤の硬さを調整する際には、地面から垂直方向に計画深度まで複数の穿孔を形成し、穿孔の周囲を硬化又は軟化させる。
特開2001−20294号公報
しかし、上記のような地盤の調整方法においては、硬さの調整が必要ない領域の地盤まで調整を行わざるを得ない。すなわち、調整すべき地盤に到達するまでの穿孔の周囲の地盤も同様に調整されてしまい、必要のない箇所まで地盤の調整を行うことになり、無駄が発生する。
また、地盤の調査のために複数の穿孔を形成するが、穿孔の領域を点で調査しているだけであり、沈設体の沈設領域全体を調査できているわけではない。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、沈設構造物が構築される地盤の性状を、沈設体の沈設前に把握して地盤を調整することにより、沈設体を容易に地中に圧入でき、地中において沈設体を安定的に支持することができる沈設構造物の構築方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、第1のリング体をその軸線方向に重ねて連結して第1の沈設体を組み立てる工程と、前記第1のリング体を連結した後、前記第1の沈設体の内側の地盤を掘削し、前記第1の沈設体の上方から力を加えて前記第1の沈設体を地中に圧入して、第1の沈設体を地中に沈設する工程と、前記第1の沈設体の沈設後、前記第1のリング体よりも径の大きな第2のリング体をその軸線方向に重ねて連結して第2の沈設体を組み立てる工程と、第2のリング体を連結した後、前記第1の沈設体と前記第2の沈設体との間の地盤を掘削し、前記第2の沈設体の上方から力を加えて前記第2の沈設体を地中に圧入して、前記第1の沈設体を囲むように前記第2の沈設体を地中に沈設する工程と、掘削された前記第1の沈設体の内側から当該第1の沈設体の外側の地盤の硬さを調整する工程と、前記第2の沈設体の沈設後に、前記第1の沈設体における前記第2の沈設体に囲まれている部分を撤去する工程と、を有することを特徴とする。
また、前記地盤の硬さを調整する工程を、前記第1の沈設体を沈設する工程の完了後であって、第2の沈設体を組み立てる工程の前に実施することが好ましい。
また、前記地盤の硬さを調整する工程を、前記第1の沈設体を沈設する工程の間に実施することが好ましい。
また、前記地盤の硬さを調整する工程を、前記第2の沈設体を沈設する工程の間に実施することが好ましい。
また、前記地盤の硬さを調整する工程において、前記第1の沈設体の内側から該第1の沈設体の外側に向かって前記地盤を穿孔して複数の孔を形成することが好ましい。
また、前記孔に固化材を注入して前記地盤を改良することが好ましい。
また、前記第1の沈設体を前記第2の沈設体よりも深い位置まで沈設することが好ましい。
また、前記第2の沈設体よりも深い位置にある前記第1の沈設体の内側から該第1の沈設体の外側に向かって前記地盤を穿孔して複数の孔を形成し、該孔に固化材を注入して前記地盤を改良することが好ましい。
また、前記第2の沈設体の沈設後であって、前記第1の沈設体を撤去する工程前に、前記第1の沈設体及び前記第2の沈設体の内側の底部にコンクリート層を構築する工程を有し、前記第1の沈設体を撤去する工程において、前記コンクリート層より上側に露出している前記第1の沈設体を撤去することが好ましい。
本発明によれば、大断面の沈設体を容易に沈設でき、地中において安定的に支持される沈設構造物を構築することができる。
地中に沈設された沈設構造物の一部を断面視した概略正面図である。 リング体の平面図である。 セグメントの斜視図である。 沈設アンカーの下端部の構成を示す概略図である。 浮上防止アンカーの下端部の構成を示す概略図である。 沈設構造物を構築する方法を示す図である。 沈設構造物を構築する方法を示す図である。 沈設構造物を構築する方法を示す図である。 地盤の硬さを調整する方法を示す図である。 沈設構造物を構築する方法を示す図である。 沈設構造物を構築する方法を示す図である。 沈設構造物を構築する方法を示す図である。 沈設構造物を構築する方法を示す図である。 地盤の硬さを調整する方法を示す図である。 地盤の硬さを調整する方法を示す図である。
本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は一つの例示であり、本発明の範囲において、種々の形態をとりうる。
<沈設構造物の構成>
図1は、地中に沈設された沈設構造物10の一部を断面視した概略正面図であり、沈設構造物10を立坑に適用した例を示している。図2は、リング体11,21の平面図である。図3は、セグメント12,22の斜視図である。
図1に示すように、沈設構造物10は、シールド工法等によって地中に構築されるトンネルTの掘削開始地点や中間地点等に設けられ、沈設構造物10の内側の空間Sがシールドマシンの搬送路や換気口となる。
沈設構造物10は、小径の沈設体1と、沈設体1の外側において地中に沈設された大径の沈設体2と、沈設体1及び沈設体2の内側の底部に設けられた底盤部3と、沈設体1及び沈設体2を地中に沈設する際に用いる沈設アンカー4と、沈設体1及び沈設体2の浮き上がりを防止する浮上防止アンカー5と、を備えている。
(小径の沈設体)
図1に示すように、沈設体1は、円筒状に形成されており、その軸線が鉛直方向に沿うように沈設される。沈設体1の断面は、沈設体2の断面よりも小さく、沈設体1は沈設体2の内側において同心に沈設されていることが好ましい。さらに、沈設体1は、沈設体2よりも低い位置にあり、より具体的には、沈設体1の下端はその軸線方向において沈設体2の下端よりも下方に位置している。沈設体1を構成するリング体11のうち、最下端のリング体は、刃口を有する刃口リング11Aである。図1に示すように、上下に隣接するリング体11において、上方のリング体11の各セグメント12と、下方のリング体11の各セグメント12とは、互いにリング体11の周方向にずれて千鳥状に配置されている。
リング体11は、図3に示すようなセグメント12をその壁面方向に沿って連結して組み立てたものである。
沈設体1はその沈設工程においては、図1に示す沈設体2と同じように地表面までの高さを有している。またリング体11のセグメント12の構造は、図2及び図3に示したリング体21のセグメント22と同様の構造であり、具体的な構造については説明を省略し、対応する部材及び部位について図2及び図3に10番台の符号を付す。また、沈設体1の各構成部材の寸法は、沈設体2の各構成部材よりも小さい。
(大径の沈設体)
図1に示すように、沈設体2は、円筒状に構築されており、その軸線が鉛直方向に沿うように地中に沈設される。沈設体2は、図2に示すような平面視円環状のリング体21をその軸線方向に複数連結して組み立てたものである。沈設体2を構成するリング体21のうち、最下端のリング体は、刃口を有する刃口リング21Aである。上下に隣接するリング体21において、上方のリング体21の各セグメント22と下方のリング体21の各セグメント22とは、互いにリング体21の周方向にずれて千鳥状に配置されている。
リング体21は、図3に示すようなセグメント22をその壁面方向に沿って環状に連結して組み立てたものである。
図3に示すように、セグメント22は、円弧状に湾曲形成された矩形状のプレート22aと、プレート22aの湾曲に沿った外縁に立設された2つの主桁22bと、各主桁22bの両端部間を結ぶようにプレート22aの外縁に立設された2つの継手22cと、2つの主桁22b間を結ぶように継手22cに平行にプレート22aの内面側に設けられたリブ22dと、を備えている。なお、主桁22b、継手22c、リブ22dは、いずれもプレート22aに溶接によって接合されていてもよいし、一部がプレート22aと一体に形成されていてもよい。
主桁22bは、セグメント22を連結してリング体21として用いる場合に、プレート22aの上端部及び下端部に立設されている。各主桁22bには、その延在方向に沿って所定の間隔をあけて、ボルトを挿通する複数の貫通孔22fが形成されている。ここで、両主桁22bの貫通孔22fは、互いに貫通孔22fがリング体21の軸線に平行な同一軸線上に沿って貫通するように形成されており、各主桁22bの各貫通孔22f同士が対向するように形成されている。リング体21同士を連結する際には、隣接するリング体21の主桁22b同士を突き合わせ、双方の貫通孔22fにボルトを挿通してナットで締め付けることにより、隣接するリング体21同士を連結し、沈設体2を構築することができる。なお、全ての貫通孔22fをリング体21同士の連結に用いてもよいし、一部の貫通孔22fを、後述する浮上防止アンカー5を通す孔として用いてもよい。
各継手22cには、その延在方向に沿って所定の間隔をあけて、ボルトを挿通する複数の貫通孔22gが形成されている。セグメント22同士を連結する際には、隣接するセグメント22の継手22c同士を突き合わせ、双方の貫通孔22gにボルトを挿通してナットで締め付けることにより、隣接するセグメント22同士を連結し、リング体21を構築することができる。このとき、プレート22aがリング体21の壁面を構成する。
(底盤部)
底盤部3は、沈設構造物10の基礎になるとともに、地中の地下水が沈設体1及び沈設体2の内側に湧き出すことを防止する。
底盤部3は、図4に示すように、例えば、コンクリートによって構築されている。底盤部3は、複数回に分けて打設されて構築される基礎コンクリート層31と、基礎コンクリート層31の構築後に、全ての基礎コンクリート層31の上面に一度に打設されて構築される表面コンクリート層32とを有している。
基礎コンクリート層31は、その層の厚さが異なって構築されている。具体的には、沈設構造物10の沈設体1と沈設体2との間の領域の基礎コンクリート層31a、及び沈設体1の内側に構築された基礎コンクリート層31b,31cの全体厚さは異なり、基礎コンクリート層31b,31cが、沈設構造物10の軸線方向において、基礎コンクリート層31aよりも深い位置まで延在して打設されている。
表面コンクリート層32は、その上面がほぼ水平面に沿うように、基礎コンクリート層31a,31c上に構築されている。
(沈設アンカー)
図4は、沈設アンカー4の下端部の構成を示す概略図である。なお、説明の便宜上、後述する浮上防止アンカー5の図示については省略した。
沈設アンカー4は、沈設体1,2を地中に沈設する工程において、最上端のリング体11,21の上方からそのリング体11,21に力を加えて地中に押し込む際に、地盤に反力をとるものである。沈設アンカー4は、沈設体1,2の沈設位置の外側かつ下方に掘削された地盤に埋設、固定される定着部41と、定着部41に連結され、沈設体1,2の外壁面に沿って地表まで延び、リング体11,21を押し込む沈設装置90の不動部分(基礎部等)に連結される連結部42とを有している。
定着部41は、例えば、掘削された地盤に流し込まれたグラウトによって形成されている。定着部41は、沈設体1,2の最下端の刃口リング11A,21Aよりも外側において、それぞれの刃口リング11A,21Aよりも深い位置に構築されている。
連結部42は、例えば、鋼線(ワイヤロープ)によって形成されている。連結部42の下端部は、グラウトの固化により定着部41に埋設、固定されており、上端部は、沈設装置90の不動部分に連結、固定されている。
定着部41及び連結部42は、地表面に対して垂直な方向に沿って同一軸線上に延びるように形成されている。
(浮上防止アンカー)
図5は、浮上防止アンカー5の下端部の構成を示す概略図である。
浮上防止アンカー5は、沈設体1,2の沈設後に、沈設体1,2の浮き上がりを防止するものである。図5に示すように、浮上防止アンカー5は、沈設体1,2を構成するリング体11,21の下方に掘削された地盤に埋設、固定される定着部51と、定着部51に連結され、リング体11,21を構成するセグメント12,22の貫通孔12f,22fに挿通されて全てのリング体11,21の内部を通って地表まで延び、地表付近の構造物又は地盤に連結される連結部52と、連結部52に設けられ、リング体11,21のセグメント12,22に係止される係止部53とを有している。
定着部51は、例えば、掘削された地盤に流し込まれたグラウトによって形成されている。定着部51は、沈設体1,2の最下端の刃口リング11A,21Aの下方の位置に構築されている。
連結部52は、例えば、鋼線(ワイヤロープ)によって形成されている。連結部52の下端部は、グラウトの固化により定着部51に埋設、固定されており、上端部は、地表付近の構造物又は地盤に連結、固定されている。
係止部53は、連結部52の途中に設けられており、リング体11,21の貫通孔12f,22fの開口面積よりも横断面の断面積が小さく、刃口リング11A,21Aの貫通孔13f,23fの開口面積よりも横断面の断面積が大きくなるように形成されている。すなわち、連結部52をリング体11,21の貫通孔12f,22f及び刃口リング11A,21Aの貫通孔13f,23fに挿通する際に、係止部53はリング体11,21の貫通孔12f,22fを通ることはできるが、刃口リング11A,21Aの貫通孔13f,23fを通ることはできないように構成されている。これにより、沈設体1,2が地表に向けて浮き上がろうとした際に、係止部53が刃口リング11A,21Aの貫通孔13f,23fに係止され、沈設体1,2の浮き上がりを防止する。係止部53は、基礎コンクリート層31が構築されている深さの範囲内でリング体11,21に係止されている。係止部53は、連結部52と一体に形成されていてもよいし、別個に形成されていてもよい。
沈設体1の沈設アンカー4と浮上防止アンカー5の設置後、底盤部3を形成すると、底盤部3の下方が複数の定着部41,51によって地盤支持された状態となっている(図13参照)。また、両アンカー4,5の連結部42,52が底盤部3を形成する基礎コンクリート層31内に残されているので、連結部42,52を底盤部3の基礎コンクリート層31を強化する鉄筋として用いることができる。
<沈設構造物の構築方法>
1.第1の実施の形態
次に、上記の沈設体1,2を地中に沈設して沈設構造物10を構築する方法の第1の実施の形態について、図6から図13を用いて説明する。
以下に説明する沈設構造物10の構築方法は、大断面、大深度の施工に有用な方法であり、断面の小さな第1の沈設体1(例えば、外径が5〜10m程度)を硬質地盤又は軟弱地盤の有無を確認しながら沈設した後に、沈設体1を囲むように断面の大きな第2の沈設体2(例えば、外径20〜50m程度)を沈設し、沈設体2の沈設後に沈設体1を部分的に撤去するものである。構築する地盤に、例えば硬質地盤又は軟弱地盤が含まれている場合には、適宜、地盤の硬さを調整する。
ここで「地盤の硬さを調整する」とは、沈設構造物10を構築するにあたり、沈設構造物10の構築を容易するために、また、沈設構造物10を支持する地盤の支持力を高めるために、地盤の性質を改良することである。例えば、硬質地盤に対しては、地盤の掘削等の処理をして地盤の硬さを、沈設体1,2の沈設に適した硬さにすることをいい、軟弱地盤に対しては、沈設構造物10の地中での支持安定性を確保するために、地盤の支持力の増大や沈下の抑制を目的とした地盤改良(例えば脱水、固結、置換等)をすることをいう。
最初に、図6に示すように、沈設体1を構築する施工箇所の外側に、ロータリーパーカッション91を用いて複数の掘削孔を形成する。掘削孔は、沈設される沈設体1の外壁に沿って、所定の間隔をあけて環状に形成される。掘削孔は、地表面に対して垂直となる方向に沿って、沈設体1の下端部よりも深い位置まで形成される。形成された各掘削孔のそれぞれにグラウトを注入するとともに、連結部(ワイヤロープ)42を掘削孔に挿入する。このとき、連結部42の下端部をグラウト内に浸しておく。グラウトの固化により、定着部41、及び定着部41に固定された連結部42が構築され、沈設アンカー4(第1の沈設アンカー)の設置が完了する。
次に、図7に示すように、沈設体1を構築する施工箇所に、沈設装置90を据え付け、沈設装置90の不動部分(脚部等)に連結部42の上端を連結する。沈設装置90は、例えば、油圧ジャッキ等によって構成されており、最上端のリング体11を地中に向けて押圧することにより、沈設体1を圧入して地中に沈設することができる。
沈設装置90の下方に沈設体1の最下端部に配置される刃口リング11Aを据え付ける。据え付けた刃口リング11Aの内側の地盤をクローラクレーン92の先に取り付けたクラムシェル93で掘削し、刃口リング11Aの沈設に必要な深さの掘削が終わると、掘削を止め、沈設装置90によって刃口リング11Aの上面を地中に向けて押圧し、刃口リング11Aを沈設する。刃口リング11Aの沈設後、刃口リング11Aの軸線方向上側にリング体11を重ねて連結する。リング体11の連結後、リング体11の内側の地盤をクラムシェル93で掘削し、リング体11の沈設に必要な深さの掘削が終わると、掘削を止め、沈設装置90によってリング体11の上面を地中に向けて押圧し、刃口リング11A及びリング体11からなる沈設体1を沈設する。沈設体1の沈設後、リング体11の軸線方向上側に、別のリング体11を重ねて連結する。
沈設体1を沈設していく地中に、例えば硬質地盤Hgが存在する場合であっても、沈設体1は小径であるため、硬質地盤Hgへの圧入力も通常の沈設装置90で十分であり、圧入力を増大させる設備を別途用意する必要はない。
図7を用いて説明した工程を複数回繰り返すことにより、所定の高さの沈設体1を構築するのに必要な全てのリング体11が連結されて沈設され、沈設体1の沈設が完了する(図8参照)。沈設体1の沈設深さは、後続の沈設体2の沈設深さよりも深くなっている。具体的には、図11に示すように、沈設体1の刃口リング11Aの地中における位置は、沈設体2の刃口リング21Aの地中における位置よりも深い位置にある。
なお、刃口リング11A及びリング体11、つまり沈設体1の沈設時に、地盤からの反力を受けて沈設装置90が浮き上がろうとする力が作用するが、沈設装置90には沈設アンカー4が連結されているので、浮き上がることはない。また、沈設体1の沈設後、沈設装置90を撤去する際には、連結部42の上端部は、地表付近の構造物又は地盤に連結、固定する。
沈設体1の沈設終了後、沈設体1のリング体11及び刃口リング11Aに形成された貫通孔にロータリーパーカッション91のドリルパイプを挿通し、刃口リング11Aの下方の地盤を削孔して複数の掘削孔を形成する。掘削孔は、沈設されるリング体11の貫通孔12fの軸線に沿って、所定の間隔をあけて環状に形成される。掘削孔は、地表面に対して垂直となる方向に沿って、沈設体1の下端部よりも深い位置まで形成される。図8に示すように、形成された各掘削孔のそれぞれにグラウトを注入するとともに、連結部(ワイヤロープ)52を掘削孔に挿入する。このとき、連結部52の下端部をグラウト内に浸しておく。グラウトの固化により、定着部51、及び定着部51に固定された連結部52が構築される。連結部52の上端部は、地表付近の構造物又は地盤に連結、固定する。
連結部52をリング体11及び刃口リング11Aに挿通した後における刃口リング11Aの上端部近傍には、リング体11の貫通孔12fの開口面積よりも横断面の断面積が小さく、刃口リング11Aの貫通孔13fの開口面積よりも横断面の断面積が大きい係止部53が設けられている。すなわち、連結部52を貫通孔12f,13fに挿通する際に、係止部53がリング体11の貫通孔12fを通ることはできるが、刃口リング11Aの貫通孔13fを通ることはできないように構成されている。これにより、係止部53が刃口リング11Aの貫通孔13fに係止される。係止部53が刃口リング11Aの貫通孔13fに係止されることで、浮上防止アンカー5(第1の浮上防止アンカー)の設置が完了する。
次に、沈設体1の底部に、図9に示すように、水中コンクリートを打設し、基礎コンクリート層31bを形成する。基礎コンクリート層31bの、沈設構造物10の軸線方向における上側の面は、平坦面を形成する。基礎コンクリート層31bの形成後に、沈設体1の内側に満たされた状態となっている地下水内に水中ポンプを設置し、地下水を沈設体1の外部に排出する。
地下水の排出後、基礎コンクリート層31bの直ぐ上方に足場を組んで、足場にロータリーパーカッション70を降ろすか、又は基礎コンクリート層31b上にロータリーパーカッション70を降ろし、ロータリーパーカッション70によりリング体11のプレート12a及び地盤を周方向(放射状)に穿孔して複数の孔(削孔)80を、例えば水平方向に形成する。穿孔と同時又は穿孔後に孔80内に固化材等を注入して、沈設体1の後に構築される沈設体2の下側に位置する領域の地盤の硬さを、その支持力を増大させるように調整する。沈設体1から径方向外側に形成された孔80は、強度を上げたい地盤の厚さに応じて異なる高さ位置に設ける。
次いで、沈設体2が沈設される地盤の硬さの調整を行う。具体的には、沈設体2が沈設される地中の途中にある、例えば硬質地盤Hgの硬さの調整である。
どのような性状の地盤(例えば硬質地盤Hg)が地表面から何メートルの位置にどの程度の深さに亘って、かつ沈設体1の周方向におけるどの範囲で存在しているかについては、沈設体1の沈設作業の過程で既に明らかになっている。したがって、沈設体1の沈設完了後に、既に得られているデータに基づいて、沈設体1の内側で硬質地盤Hgが存在する深さ位置に足場60を組み、その足場60の上にロータリーパーカッション70を降ろし、ロータリーパーカッション70によりリング体21のプレート22a及び地盤を周方向(放射状)に穿孔して複数の孔(削孔)80を、例えば水平方向に形成する。孔80は、少なくとも、沈設体2が地中に圧入されて沈設される予定位置まで延びていることが好ましい。また、硬質地盤Hgの厚さに応じて異なる高さ位置に孔80を形成する。
硬質地盤Hg中に複数の孔80を形成するので、硬質地盤Hgは地盤の自重により崩れ、地盤の硬さが調整される。また、穿孔された硬質地盤Hgが自重では崩れないような場合には、地盤を軟化させる手段を用いて硬さを調整してもよい。地盤を軟化させる手段としては、例えば孔80内に静的破砕剤を注入して膨張させることで硬質地盤Hgを破砕して硬さを調整することもでき、また、火薬等により地盤を発破して硬さを調整してもよい。さらに、ウォータジェットのような掘削手段を用いて、硬質地盤Hgを掘削することもできる。
軟弱地盤の場合には、孔80の穿孔後に孔80内に固化材を注入して地盤を固化し、必要な支持力を持つように地盤を改良する。
次に、沈設体2を構築する施工箇所の外側に、図6に示した工程と同様に、ロータリーパーカッションを用いて複数の掘削孔を形成する。掘削孔は、沈設される沈設体2の外壁に沿って、所定の間隔をあけて環状に形成される。掘削孔は、地表面に対して垂直となる方向に沿って、沈設体2の下端部よりも深い位置まで形成される。形成された各掘削孔のそれぞれにグラウトを注入するとともに、連結部(ワイヤロープ)42を掘削孔に挿入する。このとき、連結部42の下端部をグラウト内に浸しておく。グラウトの固化により、定着部41、及び定着部41に固定された連結部42が構築され、沈設アンカー4(第2の沈設アンカー)の設置が完了する。
次に、図10に示すように、沈設体2を構築する施工箇所に、沈設装置90を据え付け、沈設装置90の不動部分(脚部等)に連結部42の上端を連結する。沈設装置90は、例えば、油圧ジャッキ等によって構成されており、最上端のリング体21を地中に向けて押圧することにより、リング体21を地中に沈設することができる。
沈設装置90の下方に、沈設体2の最下端部に配置され、刃口リング11Aよりも径の大きな刃口リング21Aを、沈設体1を囲むように据え付ける。据え付けた刃口リング21Aの内側の地盤をクローラクレーン92の先に取り付けたクラムシェル93で掘削する。この掘削に並行して、沈設装置90によって刃口リング21Aの上面を地中に向けて押圧し、刃口リング21Aを沈設する。刃口リング21Aの沈設後、刃口リング21Aの軸線方向上側にリング体11よりも径の大きなリング体21を重ねて連結する。この間も掘削は続けられており、掘削のペースに合わせてリング体21の連結及び沈設を行う。沈設体1の施工時に用いた連結部42は、沈設体1の外側、つまり沈設体2の内側の地盤の掘削時に切断等されて除去されてよい。
ここで、掘削作業とリング体21の組み立て作業はそれぞれ別個のクローラクレーン92を用いて行われる。例えば、4台のクローラクレーン92を沈設体1の周囲に等間隔で配置(沈設体1の中心から見て90°毎に配置)し、対向するクローラクレーン92のうち、一方のクローラクレーン92aで地盤掘削し、他方のクローラクレーン92bでセグメント22を吊してリング体21の構築及びリング体21の連結を行う。なお、地中にあった硬質地盤Hgは既に沈設体2の沈設に適する硬さに調整された地盤Ngになっているので、沈設体2は通常の圧入力で沈設される。
図10に示す工程を所定の深さに達するまで繰り返して、沈設体2を構築するのに必要な全てのリング体21を連結、沈設し、沈設体2の沈設が完了する(図11参照)。沈設体2の沈設深さは、沈設体1の沈設深さよりも浅くなっている。
次に、図12に示すように、沈設体1,2の底部にコンクリートをそれぞれ打設し、基礎コンクリート層31を構築する。より具体的には、沈設体1と沈設体2との間の底部に水中コンクリートを打設して所定の厚さを有する基礎コンクリート層31aを形成する。沈設体1の内側の底部には、先に(図9に示す工程において)形成した基礎コンクリート層31bの上に再度コンクリートを打設して基礎コンクリート層31cを形成する。沈設体1の内側における基礎コンクリート層31cの表面と、基礎コンクリート層31aの表面とは、沈設構造物10の軸線方向において同一平面上に位置するようになっていることが好ましい。沈設体1の底部におけるコンクリートは、沈設体1の外側で沈設体2の内側に打設されたコンクリートよりも深い位置まで打設されている。
沈設体1と沈設体2との間を満たす地下水は、基礎コンクリート層31aの形成後に、地下水内に水中ポンプを設置して、地下水を沈設体2の外部に排出する。
また、図13に示すように、沈設体2のリング体21及び刃口リング21Aに形成された貫通孔にロータリーパーカッション91のドリルパイプを挿通し、刃口リング21Aの下方の地盤を削孔して複数の掘削孔を形成する。掘削孔は、沈設されるリング体11の貫通孔22fの軸線に沿って、所定の間隔をあけて環状に形成される。掘削孔は、地表面に対して垂直となる方向に沿って、沈設体2の下端部よりも深い位置まで形成される。形成された各掘削孔のそれぞれにグラウトを注入するとともに、連結部(ワイヤロープ)52を掘削孔に挿入する。このとき、連結部52の下端部をグラウト内に浸しておく。グラウトの固化により、定着部51、及び定着部51に固定された連結部52が構築される。連結部52の上端部は、地表付近の構造物又は地盤に連結、固定する。
連結部52をリング体21及び刃口リング21Aに挿通した後における刃口リング21Aの上端部近傍には、リング体21の貫通孔22fの開口面積よりも横断面の断面積が小さく、刃口リング21Aの貫通孔23fの開口面積よりも横断面の断面積が大きい係止部53が設けられている。すなわち、連結部52を貫通孔22f,23fに挿通する際に、係止部53がリング体21の貫通孔22fを通ることはできるが、刃口リング21Aの貫通孔23fを通ることはできないように構成されている。これにより、係止部53が刃口リング21Aの貫通孔23fに係止される。係止部53が刃口リング21Aの貫通孔23fに係止されることで、浮上防止アンカー5(第2の浮上防止アンカー)の設置が完了する。
次に、図13に示すように、基礎コンクリート層31a,31cの上面にそれぞれコンクリートを打設し、表面コンクリート層32を形成する。これにより、底盤部3が完成する。
底盤部3の完成後、クローラクレーン92で、沈設体1を部分的に撤去する。具体的には、沈設体1と沈設体2との間に打設されている底盤部3の表面コンクリート層32から露出しているリング体11をクローラクレーン92で解体し、外部に撤去する。
以上の工程をもって、沈設構造物10が構築される。
2.第2の実施の形態
以下に、図14を用いて、沈設構造物を構築する方法の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、沈設構造物を構築する際にどの段階で、沈設体2を沈設する地盤の硬さを調整するかであるため、以下では、地盤の硬さを調整するタイミングについて説明する。
図14に示すように、地盤の硬さを調整する際に沈設体1の沈設は既に完了しており、沈設体2の沈設工程の途中である。どのような性状の地盤(例えば硬質地盤Hg)が地表面から何メートルの位置にどの程度の深さに亘って、かつ沈設体1の周方向におけるどの範囲で存在しているのかについては、沈設体1の沈設作業の過程で既に明らかになっている。したがって、沈設体2の沈設工程時に、既に得られているデータに基づいて、沈設体2の刃口リング21Aを硬質地盤Hgの手前まで沈設した時点で、沈設体2の沈設工程を中断する。
沈設体1の内側で硬質地盤Hgが存在する深さ位置に足場60を組み、その足場60の上にロータリーパーカッション70を降ろし、ロータリーパーカッション70によりリング体11のプレート12a及び地盤を周方向(放射状)に穿孔して複数の孔(削孔)80を、例えば水平方向に形成する。孔80は、少なくとも沈設体2の刃口リング11Aの直下位置まで延びていることが好ましい。また、硬質地盤Hgの厚さに応じて異なる高さ位置に孔80を形成する。
硬質地盤Hg中に複数の孔80を形成するので、硬質地盤Hgは地盤の自重により崩れ、地盤の硬さが調整される。また、穿孔された硬質地盤Hgが自重では崩れないような場合には、地盤を軟化させる手段を用いて調整してもよい。地盤を軟化させる手段としては、例えば孔80内に静的破砕剤を注入して膨張させることで硬質地盤Hgを破砕して硬さを調整することもでき、また、火薬等により地盤を発破して硬さを調整してもよい。さらに、ウォータジェットのような掘削手段を用いて、硬質地盤Hgを掘削することもできる。
軟弱地盤の場合には、孔80の穿孔後に孔80内に固化材を注入して地盤を固化し、必要な支持力を持つように地盤を改良する。
地盤の硬さの調整終了後に、沈設体2の沈設工程を再開する。これ以降は、第1の実施の形態と同じ作業を行い、沈設構造物10を完成させる。
3.第3の実施の形態
以下に、図15を用いて、沈設構造物を構築する方法の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態が第1及び第2の実施の形態と異なる点は、沈設構造物を構築する際にどの段階で地盤の硬さを調整するかであるため、以下では、地盤の硬さを調整するタイミングについて説明する。
図15に示すように、地盤の硬さの調整は、沈設体1の沈設工程中に実施する。
沈設体1を沈設していく途中の地中に、例えば軟弱地盤Sgが存在する場合、クラムシェル93により軟弱地盤Sgを掘削して、軟弱地盤Sgを超えて圧入体1を圧入した後に、一旦、沈設体1の沈設作業を中断する。ここで、地盤の硬さを調整するために、沈設体1の外部に、つまり地表面に、例えば固化材を注入するためのポンプ装置Pを準備する。このポンプ装置Pから、軟弱地盤Sgまで管路Tを延ばす。この管路Tは、例えばリング体11の貫通孔12fを通じて軟弱地盤Sgまで延ばすことができる。軟弱地盤Sgに達した後、ポンプ装置Pにより管路Tを通じて固化材を軟弱地盤Sgに供給し、地盤の強度を向上させる。
硬質地盤Hgの場合には、第1の実施の形態に記載した方法を用いて地盤の硬さを調整することができる。
なお、沈設体1内が地下水で満たされている場合であっても、当業者であれば、種々の公知の方法によって、リング体11のプレート12a及び地盤を穿孔することができる。
地盤の硬さの調整終了後に、沈設体1の沈設工程を再開する。これ以降は、第1の実施の形態と同じ作業を行い、沈設構造物10を完成させる。
<作用、効果>
以上のような沈設構造物10の構築方法によれば、大断面(大径)の沈設体2を沈設する前に、小断面(小径)の沈設体1を地中に沈設するので、沈設体1を沈設しながら地盤の性状を、沈設体1の周面に亘って把握することができる。これにより、沈設体の周囲にある地盤の数カ所を垂直に穿孔して地盤の硬さを調査するような従来の調査方法と比べて、広い範囲で正確な地盤の性状を把握することができる。
よって、大径の沈設体2の沈設前に地盤の硬さを予め調整することができ、硬質地盤Hgが存在する場合、沈設体2が硬質地盤Hgに沈設される前に硬質地盤Hgの硬さを、沈設体2の圧入に適した硬さに調整して沈設体2の沈設作業が簡単に行えるようにし、また、軟弱地盤が存在する場合には軟弱地盤の強度を増大させ、沈設体2の支持力を高めるように地盤を改良することができる。
また、地盤の硬さの調整を、調整を必要とする地盤に大径の沈設体2の刃口リング21Aが圧入される前に実施するので、沈設体2を、例えば硬質地盤Hgに沈設する場合であっても、圧入力を増大させるための設備は不要であり、施工にかかるコストを抑制することができる。
また、小径の沈設体1を、大径の沈設体2が沈設される深さよりも深い位置にまで沈設するので、沈設体2の下方の地盤を改良して地盤の強度を高めることができ、沈設構造物10の底部に構築されるコンクリート層31,32の厚さを減じることができる。
また、底盤部3の中央部分には、沈設体1の一部が撤去されずに残されたままでコンクリート層31,32内に埋設されているので、沈設構造物10の強度を高めることができる。
また、硬さの調整をしたい地盤に対して、リング体11によって囲まれた沈設体1の内側からアクセスするので、硬質地盤Hgを調整する場合には、硬質地盤Hgの硬さの調整後に土石等が沈設体1内に進入することはなく、また、軟弱地盤を改良する場合には、リング体11により流動性の高い土石等が大量に沈設体1内へ流入することが防がれるので、地盤改良の作業を安全に行うことができる。
また、沈設体1の内側から調整すべき地盤を直接的に調整することができるので、従来のように、地表面から対象となる地盤に至る経路まで調整する必要がなくなり、無駄な作業を省くことができる。
<その他>
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではない。例えば、リング体は、平面視円形状に限らず、平面視長円形状(小判形状)、平面視多角形状に形成してもよい。
また、各リング体は、複数のセグメントを連結して構成したものに限らず、最初から一体に形成したものであってもよい。
また、浮上防止アンカーにおいて、係止部を設ける位置は任意であって、十分な耐震性を確保するために、地盤の強度に応じて自由に変更可能である。すなわち、係止部をできるだけ低い位置に設けることで、地震発生時のリング体の軸方向の耐久力は弱くなるものの、セグメントの挙動が柔軟になるので、沈設体の免震性能が向上する。
また、複数の浮上防止アンカーが設けられている沈設体において、各係止部の位置も浮上防止アンカー毎に自由に変更可能である。これにより、沈設体の軸方向に作用する力を調整することができる。
また、硬質地盤又は軟弱地盤及び大径の沈設体の下側となる地盤の硬さを調整する順番は、作業安全性の確保を条件として、順不同であってもよいし、同時に行ってもよい。
また、作業中に湧き出る地下水の処理については、沈設構造物を構築する各工程において適宜、水中ポンプ等を用いて湧き出る地下水を外部に排出することができる。
また、上記の構築方法は、硬質地盤又は軟弱地盤に限らず、あらゆる地盤に適用可能である。
1 沈設体(第1の沈設体)
2 沈設体(第2の沈設体)
3 底盤部
4 沈設アンカー
5 浮上防止アンカー
10 沈設構造物
11 リング体(第1のリング体)
12 セグメント
12f 貫通孔
13f 貫通孔
21 リング体(第2のリング体)
22 セグメント
22f 貫通孔
23f 貫通孔
31 基礎コンクリート層
32 表面コンクリート層
Hg 硬質地盤
Sg 軟弱地盤

Claims (9)

  1. 第1のリング体をその軸線方向に重ねて連結して第1の沈設体を組み立てる工程と、
    前記第1のリング体を連結した後、前記第1の沈設体の内側の地盤を掘削し、前記第1の沈設体の上方から力を加えて前記第1の沈設体を地中に圧入して、第1の沈設体を地中に沈設する工程と、
    前記第1の沈設体の沈設後、前記第1のリング体よりも径の大きな第2のリング体をその軸線方向に重ねて連結して第2の沈設体を組み立てる工程と、
    第2のリング体を連結した後、前記第1の沈設体と前記第2の沈設体との間の地盤を掘削し、前記第2の沈設体の上方から力を加えて前記第2の沈設体を地中に圧入して、前記第1の沈設体を囲むように前記第2の沈設体を地中に沈設する工程と、
    掘削された前記第1の沈設体の内側から当該第1の沈設体の外側の地盤の硬さを調整する工程と、
    前記第2の沈設体の沈設後に、前記第1の沈設体における前記第2の沈設体に囲まれている部分を撤去する工程と、
    を有することを特徴とする沈設構造物の構築方法。
  2. 前記地盤の硬さを調整する工程を、前記第1の沈設体を沈設する工程の完了後であって、前記第2の沈設体を組み立てる工程の前に実施することを特徴とする請求項1に記載の沈設構造物の構築方法。
  3. 前記地盤の硬さを調整する工程を、前記第1の沈設体を沈設する工程の間に実施することを特徴とする請求項1に記載の沈設構造物の構築方法。
  4. 前記地盤の硬さを調整する工程を、前記第2の沈設体を沈設する工程の間に実施することを特徴とする請求項1に記載の沈設構造物の構築方法。
  5. 前記地盤の硬さを調整する工程において、前記第1の沈設体の内側から該第1の沈設体の外側に向かって前記地盤を穿孔して複数の孔を形成することを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載の沈設構造物の構築方法。
  6. 前記孔に固化材を注入して前記地盤を改良することを特徴とする請求項5に記載の沈設構造物の構築方法。
  7. 前記第1の沈設体を前記第2の沈設体よりも深い位置まで沈設することを特徴とする請求項1から6までのいずれか一項に記載の沈設構造物の構築方法。
  8. 前記第2の沈設体よりも深い位置にある前記第1の沈設体の内側から該第1の沈設体の外側に向かって前記地盤を穿孔して複数の孔を形成し、該孔に固化材を注入して前記地盤を改良することを特徴とする請求項7に記載の沈設構造物の構築方法。
  9. 前記第2の沈設体の沈設後であって、前記第1の沈設体を撤去する工程前に、前記第1の沈設体及び前記第2の沈設体の内側の底部にコンクリート層を構築する工程を有し、
    前記第1の沈設体を撤去する工程において、前記コンクリート層より上側に露出している前記第1の沈設体を撤去することを特徴とする請求項1から8までのいずれか一項に記載の沈設構造物の構築方法。
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